説明

光学情報読取装置

【課題】 中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、最後に読み取った光学情報を簡単に見つけ出すことができる光学情報読取装置を提供する。
【解決手段】 順次、商品1,商品2、商品3、商品4とバーコードを読み取って行き、商品5で読み取りを中断するため、最後のバーコードを記憶するようにロックボタン33を操作しロックを掛ける。そして、ロック操作の際に読み取ったバーコードを読み取ることによって、ロックが解除される。このため、中断したバーコードの読み取り作業を再開する場合に、ロック操作したバーコードが見付け出されるまで、本体装置へデコード結果を出力させずに、バーコードを次々と読み取りながら、ロック操作したバーコードをを探すことができ、これにより、最後に読み取りロック操作に使用したバーコードを簡単に見つけ出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品等に印刷又は貼り付けられているバーコード等の一次元光学情報、QRコード(登録商標)等の二次元光学情報を読み取る光学情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアー等の小売店において、在庫管理、或いは、売れ筋商品を見極めるため棚卸しをする際には、各商品のバーコードをバーコード読取装置で読み取り、キー入力によって数えた商品数を入力し、処理装置で商品台帳との比較、或いは、商品の発注等を行っている。
【0003】
小売店で販売されている商品の種類は膨大で、棚卸しに時間が掛かり、来客等によって棚卸しを中断せねばならないことが度々起こる。しかし、棚卸しを中断すると、どの商品までチェックしたかが分からなくなる場合も多く、重複データの入力やその削除が繰り返されているのが現状である。さらに、中断した状態で、バーコード読取装置を他人が操作して、蓄積していたデータを消失させる可能性がある。ここで、特許文献1には、ハンディスキャナーに印字ヘッドを搭載し、読み取りを終了したバーコードの付された面に、チェック済みのV印を印字する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平5−6453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、光学情報読取装置に印字ヘッドを搭載するとのハードウエアーの付加がなければ実現できないという問題があった。また、印字が終わるまでバーコード読取装置をバーコード側に押し当て続けねばならず、操作性が悪い。更に、棚卸しの際にV印を一旦印字すると、次の棚卸しでV印のある商品を読み取っても、既に読み取った商品か否かが分からなくなるという課題もあった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、最後に読み取った光学情報を簡単に見つけ出すことができる光学情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、光学情報を読み取る光学情報読取装置10において、
任意の光学情報を読み取った後に、所定のロック操作がなされた時に、光学情報の読み取り以外の操作を制限するロック手段(S24)と、
前記ロック操作の直前に読み取った光学情報、または、特定の光学情報を読み取った場合に(S36:Yes)、前記操作の制限を解除する解除手段(S38)とを備えることを技術的特徴とする。
【0007】
請求項1の光学情報読取装置10では、例えば、棚卸しを中断する際に、最後の光学情報を読み取った後に、ロックボタン33を押す等の所定のロック操作がなされた時に(S32:Yes)、ロック手段(S24)によって、光学情報の読み取り以外の操作が制限される。そして、棚卸しを再開するため、最後に読み取った光学情報(ロック操作の際に読み取った光学情報)を探し出す際に、当該光学情報を見付け出すまで、他の光学情報を読み取ってもロックが続き、そして、ロック操作の際に読み取った光学情報を読み取った場合に(S36:Yes)、解除手段(S38)によって、操作の制限が解除される。このため、中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、最後に読み取った光学情報を簡単に見つけ出すことができる。ここで、例えば、中断した棚卸しをそのまま中止する際には、特定の光学情報を読み取ることでもロックを解除することができる。また、ロック可能にすることで、棚卸の中断中に操作者以外の操作したとしても、蓄積したデータが消失することが無くなる。
【0008】
請求項2の光学情報読取装置10では、例えば、棚卸しを中断する際に、ロック準備ボタン31を押す等の所定のロック準備操作の後に(S14:Yes)、光学情報を読み取った時に(S23:Yes)、ロック手段(S24)によって、光学情報の読み取り以外の操作が制限される。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項3の発明は、光学情報を読み取る光学情報読取装置10において、光学情報を読み取る光学情報読取装置において、
所定のロック操作がなされた後に(S14:Yes)、任意の光学情報を読み取った時に(S23:Yes)、光学情報の読み取り以外の操作を制限するロック手段(S24)と、
前記ロック操作の直後に読み取った光学情報、または、特定の光学情報を読み取った場合(S36:Yes)に、前記操作の制限を解除する解除手段(S38)とを備えることを技術的特徴とする。
【0010】
請求項3の光学情報読取装置10では、例えば、棚卸しを中断する際に、ロック準備ボタン31を押す等の所定のロック操作の準備後に(S14:Yes)、光学情報を読み取った時に(S23:Yes)、ロック手段(S24)によって、光学情報の読み取り以外の操作が制限される。そして、棚卸しを再開するため、最後に読み取った光学情報(ロック操作の際に読み取った光学情報)を探し出す際に、当該光学情報を見付け出すまで、他の光学情報を読み取ってもロックが続き、そして、ロック操作の際に読み取った光学情報を読み取った場合に(S36:Yes)、解除手段(S38)によって、操作の制限が解除される。このため、中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、最後に読み取った光学情報を簡単に見つけ出すことができる。ここで、例えば、中断した棚卸しをそのまま中止する際には、特定の光学情報を読み取ることでもロックを解除することができる。また、ロック可能にすることで、棚卸の中断中に操作者以外の操作したとしても、蓄積したデータが消失することが無くなる。
【0011】
請求項4の光学情報読取装置10では、例えば、棚卸しを中断する際に、最後の光学情報を読み取った後に、ロックボタン33を押す等の所定のロック操作がなされた際に、ロック手段(S24)によってロックが成される。そして、棚卸しを再開するため、最後に読み取った光学情報(ロック操作の際に読み取った光学情報)を探し出す際に、当該光学情報を見付け出すまで、他の光学情報を読み取ってもロックが続く。即ち、光学情報の読み取りがなされると、読み取られた光学情報が、ロック操作の際に読み取った光学情報であるか否かをチェックし(S36)、当該ロック操作の際に読み取った光学情報でない場合には(S36:No)、読み取った光学情報のデコード結果を上位装置へ出力しない。そして、ロック操作の際に読み取った光学情報を読み取った際に(S36:Yes)、解除手段(S38)によって、操作の制限が解除される。このため、中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、ロック操作した光学情報が見付け出されるまでは、上位装置へデコード結果が出力されないので、ロック操作した周囲の光学情報を次々と読み取ってみることができ、これにより、最後に読み取った光学情報を簡単に見つけ出すことができる。
【0012】
請求項5の光学情報読取装置10では、ロックにより操作の制限がなされている間、表示器34にロック操作の時に読み取った光学情報のデコード結果を表示するため(S24)、光学情報の読み取りを試みなくても、目視によりロック操作の際に読み取った光学情報の付された対象物を見つけ出すことができる。
【0013】
請求項6の光学情報読取装置10では、ロックにより操作の制限がなされている間、表示器34にロック操作の時に読み取った光学情報の画像を表示するため(S24)、光学情報の読み取りを試みなくても、目視によりロック操作の際に読み取った光学情報を見つけ出すことができる。
【0014】
請求項7の光学情報読取装置10では、例えば、棚卸しを中断する際に、最後の光学情報を読み取った後に、ロックボタン33を押す等の所定のロック操作がなされた際に(S32:Yes)、ロック手段(S24)によって、当該光学情報、及び、当該光学情報の読み取り以前に読み取った設定個数の光学情報のデータが記憶される(S20)。そして、棚卸しを再開するため、最後に読み取った光学情報(ロック操作の際に読み取った光学情報)を探し出すために任意の光学情報が読み取られた際に、判断手段によって、読み取られた光学情報が、記憶された光学情報か否か判断され(S44)、読み取られた光学情報が、記憶された光学情報である際に(S44:Yes)、告知手段によって読み取り済みが報知される(S46)。このため、中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、既に読み取った光学情報か否かが分かり、ロック操作の際に読み取った光学情報、及び当該光学情報に続く未読み取りの光学情報を簡単に見つけ出すことができる。
【0015】
請求項8の光学情報読取装置10では、ロック手段(S24)が、設定個数の光学情報を順番付けして記憶し(S20)、報知手段が、読み取り済みを報知する際に、記録した順番に応じて報知の状態を変化させる(S48)。このため、操作者は、読み取っている光学情報が、ロック操作の際に読み取った光学情報に近づいているか、遠ざかっているかを判別でき、ロック操作の際に読み取った光学情報、及び、当該光学情報に続く未読み取りの光学情報を簡単に見つけ出すことができる。
【0016】
請求項9の光学情報読取装置10では、ロック手段(S24)が、設定個数の光学情報を順番付けして記憶し(S20)、報知手段が、読み取り済みを報知する際に、記録した順番に応じて出力音の状態を変化させる(S48)。このため、操作者は、読み取っている光学情報が、ロック操作の際に読み取った光学情報に近づいているか、遠ざかっているかを判別でき、ロック操作の際に読み取った光学情報、及び、当該光学情報に続く未読み取りの光学情報を簡単に見つけ出すことができる。
【0017】
請求項10の光学情報読取装置10では、読み取られた光学情報が、記憶された光学情報では無い際に(S44:No)、報知手段が未読み取りを報知する(S49)。このため、操作者は、光学情報が既に読み取っているか否か分かり、ロック操作の際に読み取った光学情報に続く未読み取りの光学情報を簡単に見つけ出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置の実施形態について図を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る情報コード読取装置10の構成概要を図1及び図2に基づいて説明する。図1は第1実施形態の情報コード読取装置10の平面図であり、図2は、図1中の情報コード読取装置10のA−A断面図である。図1に示すように、情報コード読取装置10の上面には、緑、黄、赤色のLEDを内蔵する表示灯36と、液晶表示器34と、情報コードの読み取りを開始させるトリガーキー30と、テンキー等の操作ボタン32、ロック操作を行うためのロックボタン33と、ロック操作の準備を行うためのロック準備ボタン31とが設けられている。
【0019】
図2に示すように、バーコード、QRコード等の情報コードを読み取る情報コード読取装置10は、主に、縦長のほぼ矩形箱状なすハウジング11と、このハウジング11内に収容される回路部20と、同じくこのハウジング11内に収容されて回路部20に駆動電力を供給する二次電池28とにより構成されている。
【0020】
ハウジング11は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂からなる成形部品で、その一端側に、ハウジング11の裏面方向に前傾するように「首曲がり形状」をなす読取口11aを備えている。この読取口11aは、後述する回路部20の受光センサ23に入射する入射光を導入可能な開口部である。読取口11aの近傍には、入射光を受光センサ23側に反射する反射鏡26が設けられている。ハウジング11の表面側には液晶表示器34を取付可能な開口部も形成されており、情報コード読取装置10の使用者が液晶表示器34に表示する表示内容を視覚的に把握可能に構成している。プリント配線板16には、ブザー装置38及び出力回路40が設けられ、情報コードのデコードに成功した場合に、ブザー装置38が鳴動させられ、出力回路40により本体装置へ送信される。
【0021】
回路部20は、ハウジング11の内部に収容されているプリント配線板15、16に実装される各種の電子部品18等によって構成されている。即ち、回路部20は、主に、照明光源25、受光センサ23、結像レンズ27等の光学系と、メモリ19、CPU22、ブザー装置38、出力回路40、液晶表示器34等のマイクロコンピュータ系と、二次電池28等の電源系と、から構成されている。
【0022】
図3は、情報コード読取装置10の回路構成を示している。
図2に示すように照明光源25からの光はバーコードB側へ照射される。バーコードBにより反射された光は、再度、ハウジング11内に入り、反射鏡26で反射されて、結像レンズ27へ入射し、CCDから成る受光センサ23に情報コードの像を結像させる。図3に示すように情報コードの像を光電変換して読み取った受光センサ23は、像のパターンを表す電気信号として増幅回路44へ出力する。増幅回路44からの増幅された信号はA/D変換回路46でデジタルデータに変換され、画像処理部48へ送られ、CPU22の処理により、そのデータをデコード(解読)して、情報コードが表している情報を得、その情報を作業領域側のメモリ19Aに一旦記憶する。次に、このメモリ19A内に記憶されたデコード情報を出力回路を構成する無線通信部40A又は有線通信部40Bにより、所定タイミングで、電波による無線通信あるいは有線で本体装置へ送信する。ここで、システム領域のメモリ19Bは、CPU22の制御プログラム等を保持する。外部から供給された電力は電源回路42を介して二次電池28に蓄えられ、蓄えられた電力により情報コード読取装置10が動作する。
【0023】
図4を参照して第1実施形態の情報コード読取装置10のロック及びロック解除操作について説明する。
図4(A)は、情報コード読取装置10を用いて棚卸しを行っている最中に、棚卸しを中断するために、最後に読み取ったバーコードが分かるように当該バーコードでロックを掛ける操作を説明するための図である。ここでは、順次、商品1,商品2、商品3、商品4とバーコードを読み取って行き、商品5で読み取りを中断するため、最後のバーコードを記憶するようにロックボタン33を操作し、商品5のバーコードでロックを掛ける。このロック状態では、情報コード読取装置10は、バーコードの読取はできるが、読み取られたバーコードをデコードしたデータは、本体装置側へ出力しなくなる。このロック状態においては、情報コード読取装置10は、液晶表示器34に、当該商品5の名前(例えば、鮭おにぎり)の表示とともに、商品5のバーコードを表示する。これにより、目視によりロック操作の際に読み取ったバーコードの付された商品(鮭おにぎり)を見つけ出すことができる。さらに、バーコードを直接見付けることもできる。
【0024】
棚卸しを再開する際には、最後に読み取ったバーコード(ロック操作の際に読み取った商品5のバーコード)を探し出す。この際に、当該バーコードを見付け出すまで、他のバーコード(例えば、商品1、商品2)を読み取ってもロックが続く。即ち、バーコードの読み取りがなされると、読み取られたバーコードが、ロック操作の際に読み取ったバーコードであるか否かをチェックし、当該ロック操作の際に読み取ったバーコードでない場合には、読み取ったバーコードのデコード結果を本体装置へ出力しない。更に、情報コード読取装置10で、商品5のバーコード以前に読み取ったバーコードを順番とともに所定個数記憶しており、読み取り済みを報知する際に、記録した順番に応じてブザー装置38の音量を上げていく。例えば、商品2、商品3、商品4と順々にバーコードを読み取って行くと、ブザー音がだんだん大きくなっていく。このため、操作者は、読み取っているバーコードが、ロック操作の際に読み取ったバーコードに近づいているか、遠ざかっているかを判別でき、ロック操作の際に読み取ったバーコード、及び、当該バーコードに続く未読み取りのバーコードを簡単に見つけ出すことができる。
【0025】
併せて、既に読み取ったバーコードが読み取られた際には、読み取り済みであることを液晶表示器34に「既に読み取り済み」と表示により使用者へ告知し、また、未読み取りのバーコードが読み取られた際には、液晶表示器34で「未読み取り」と表示し未読み取りであることを告知する。このため、中断した光学情報の読み取り作業を再開する際に、既に読み取ったバーコードか否かが分かり、ロック操作の際に読み取ったバーコード、及び当該バーコードに続く未読み取りのバーコードを簡単に見つけ出すことができる。
【0026】
図4(B)は、ロック解除時の操作を示している。ロック操作の際に読み取ったバーコードを読み取った際に、ロックが解除される。このため、中断したバーコードの読み取り作業を再開する際に、ロック操作したバーコードが見付け出されるまでは、本体装置へデコード結果が出力されないので、ロック操作した周囲のバーコードを次々と読み取ってみることができ、これにより、最後に読み取ったバーコードを簡単に見つけ出すことができる。また、ロック可能にすることで、棚卸の中断中に操作者以外の操作したとしても、蓄積したデータが消失することが無くなる。
【0027】
図4(C)は、ロック操作の際に読み取ったバーコードを用いらず、ロック解除する際の操作を示している。第1実施形態では、ロック解除専用のバーコードが用意されており、例えば、中断した棚卸しをそのまま中止する際には、ロック解除専用のバーコードを読み取ることでもロックを解除することができる。ここでは、ロック解除に専用のバーコードを用いたが、この代わりに、操作ボタン(テンキー)32に、予め登録した4桁の数字を打ち込むことでロック解除するようにも構成できる。
【0028】
引き続き、図5及び図6のフローチャートを参照して、上述したロック操作、ロック解除操作時を含むコードの読み取り処理について説明する。
まず、ロック状態かを判断し(S12)、ロック状態で無い場合には(S12:No)、トリガー操作が成されると、コードを読み取り、デコードしてメモリ19Aに保持し、更に、本体装置側へデコード結果を出力する(S20)。メモリ19Aへの保持は、所定個数(例えば30個)分が順番と共に保持される。そして、ロックキー33が操作されたかを判断する(S32)。ここで、ロックキー33が操作された際には(S32:Yes)、ロック状態への遷移処理を行う(S24)。ここでは、図7(A)に示すようにロックを行った際の商品5のバーコード又はQRコードのデコード結果の表示を行うか、図7(B)に示すようにロックを行った際の商品5のバーコード又はQRコードの画像表示と共にデコード結果の表示を行う。
【0029】
ロック状態かのS12の判断がYesとなり、ロック状態へ移行すると、トリガー操作が成されると、コードを読み取り、デコードするが本体装置側へは出力しない(S34)。そして、読み取ったコードがロックに使用されたバーコード又はQRコード、或いは、ロック解除専用のバーコードかを判断する(S36)。ここで、読み取ったコードがロックに使用されたバーコード、QRコードではない場合には(S26:No)、ロックに使用したバーコード、QRコード以外を読み取った場合のサブルーチン(S40)へ進む。
【0030】
当該サブルーチンでの処理を図6を参照して説明する。
まず、読み取ったデータが、既に読み取ったデータであるかを照合し(S42)、そして、読み取り済みの場合には(S44:Yes)、液晶表示器34に「既に読み取り済み」と表示する。そして、上述したように、読み取りの順番に応じた大きさのブザー音を出力する(S48)。他方、未読み取りの場合には(S44:No)、液晶表示器34で「未読み取り」と表示する(S49)。
【0031】
上述したS36での判断で、ロックに使用したコードを読み取った場合(S36:Yes)、液晶表示器34でのロックを行った際のデコード結果及びコードの表示を終了すると共に、ロック解除しましたと表示するロック解除処理を行う(S38)。
【0032】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る光学情報読取装置の処理について、図8を参照して説明する。なお、光学情報読取装置の機械的構成に関しては、上述した第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第1実施形態の光学情報読取装置では、コードを読み取ってからロックボタン33を操作することで、当該コードでロックを掛けたが、第2実施形態では、ロック準備ボタン31を押してから、コードを読み取ることで、当該コードでロックを掛ける。
【0033】
まず、ロック状態かを判断し(S12)、ロック状態で無い場合には(S12:No)、ロック準備ボタン31が押されたかを判断する(S14)。ここで、ロック準備ボタン31が押されない限り(S14:No)、トリガー操作が成されると、コードを読み取り、デコードしてメモリ19Aに保持し、更に、本体装置側へデコード結果を出力する(S32)。一方、ロック準備ボタン31が押されると(S14:Yes)、ロック準備処理を実行し(S16)、ロック用バーコード、QRコードの読み取りを許容する時間を設定するタイマをスタートし(S18)、コード情報が読み取り保存されたかを判断する(S23)。コード情報が読み取り保存されるまでは(S23:No)、タイマに設定された時間が経過したかを判断し(S26)、タイマに設定された時間中にコード情報の読み取りが成されない場合には(S26:Yes)、ロック準備状態を解除し(S30)、処理を終了する。一方、コード情報が読み取られると(S23:Yes)、第1実施形態と同様にロック状態への遷移処理を行う(S24)。ここでは、図7(A)に示すようにロックを行った際の商品5のバーコード又はQRコードのデコード結果の表示を行うか、図7(B)に示すようにロックを行った際の商品5のバーコード又はQRコードの画像表示と共にデコード結果の表示を行う。
【0034】
ロック状態へ移行すると、ロック状態かのS12の判断がYesとなり、トリガー操作が成されると、コードを読み取り、デコードする(S34)。そして、読み取ったコードがロックに使用されたバーコード又はQRコードかを判断する(S36)。ここで、読み取ったコードがロックに使用されたバーコード、QRコードではない場合には(S36:No)、ロックに使用したバーコード、QRコード以外を読み取った場合の図6を参照して上述したサブルーチン(S40)へ進む。ロックに使用したコードを読み取った場合(S36:Yes)、液晶表示器34でのロックを行った際のデコード結果及びコードの表示を終了すると共に、ロック解除しましたと表示するロック解除処理を行う(S38)。
【0035】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る光学情報読取装置の処理について、図9を参照して説明する。
第2実施形態の光学情報読取装置では、ロック準備ボタン31を押してから、コードを読み取ることで、当該コードでロックを掛けた。これに対して、第3実施形態では、ロック準備ボタン31を押してから、コードを読み、更にロックボタン33を押すことで、当該コードでロックを掛ける。
【0036】
まず、ロック状態かを判断し(S12)、ロック状態で無い場合には(S12:No)、ロック準備ボタン31が押されたかを判断する(S14)。ロック準備ボタン31が押されると(S14:Yes)、ロック準備処理を実行し(S16)、ロック用バーコード、QRコードの読み取りを許容する時間を設定するタイマーをスタートし(S18)、コード情報が読み取り保存されると(S20)、ロックボタン33が操作されたかを判断する(S22)。ロックボタンが操作されるまでは(S22:No)、タイマに設定された時間が経過したかを判断し(S26)、タイマに設定された時間が経過するまでは(S26:No)、S20の処理に戻る。ここで、設定された時間が経過すると(S26:Yes)、読み取ったコード情報を廃棄してから(S28)、ロック準備状態を解除して(S30)、処理を終了する。一方、ロックボタンが押し下げられると(S22:Yes)、第1実施形態と同様にロック状態への遷移処理を行う(S24)。他の処理は、上述した第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上述した実施形態では、ブザー音の大きさを変えることで、ロックしたバーコードに近づいているかを報知したが、この代わりに、表示器に表示することも(例えば、「4個先がロックに使用したバーコードです」との表示)、音声により案内することも、或いは、表示灯36のLEDの表示色を変えることも可能である。なお、上述した実施形態では、バーコードの等の一次元コードの読み取りを例示したが、本発明の光学情報読取装置は、QRコード等の二次元コードにも適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る情報コード読取装置の平面図である。
【図2】図1に示す情報コード読取装置のA−A断面図である。
【図3】情報コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】図4(A)は、情報コード読取装置のロック動作の説明図であり、図4(B)、図4(C)は、ロック解除の説明図である。
【図5】第1実施形態の情報コード読取装置による情報コードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【図6】図5中のロックに使用したコード以外を読み取った場合の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、情報コード読取装置の画像表示の説明図である。
【図8】第2実施形態の情報コード読取装置による情報コードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態の情報コード読取装置による情報コードの読み取り処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
10 情報コード読取装置
19A メモリ
19B メモリ
22 CPU
31 ロック準備ボタン
33 ロックボタン
34 液晶表示器
38 ブザー装置
40A 無線通信部
48 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学情報を読み取る光学情報読取装置において、
任意の光学情報を読み取った後に、所定のロック操作がなされた時に、光学情報の読み取り以外の操作を制限するロック手段と、
前記ロック操作の直前に読み取った光学情報、または、特定の光学情報を読み取った場合に、前記操作の制限を解除する解除手段とを備えることを特徴とする光学情報読取装置。
【請求項2】
更にロック準備操作手段が設けられており、
前記ロック準備操作手段が操作された後に、前記任意の光学情報の読み取りを実行することで、前記ロック手段による前記操作の制限を行うことを特徴とする請求項1の光学情報読取装置。
【請求項3】
光学情報を読み取る光学情報読取装置において、
所定のロック操作がなされた後に、任意の光学情報を読み取った時に、光学情報の読み取り以外の操作を制限するロック手段と、
前記ロック操作の直後に読み取った光学情報、または、特定の光学情報を読み取った場合に、前記操作の制限を解除する解除手段とを備えることを特徴とする光学情報読取装置。
【請求項4】
前記ロック手段による光学情報の読み取り以外の操作の制限は、
光学情報の読み取りがなされた時に、読み取られた光学情報が、前記ロック操作の時に読み取った光学情報、または、前記特定の光学情報であるか否かをチェックし、当該ロック操作の時に読み取った光学情報、または、前記特定の光学情報でない場合には、読み取った光学情報のデコード結果を上位装置へ出力しないことであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の光学情報読取装置。
【請求項5】
前記操作の制限がなされている間、
表示器に前記ロック操作の時に読み取った光学情報のデコード結果を表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の光学情報読取装置。
【請求項6】
前記操作の制限がなされている間、
表示器に前記ロック操作の時に読み取った光学情報の画像を表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の光学情報読取装置。
【請求項7】
前記ロック手段は、前記操作の制限を行う時に、前記任意の光学情報、及び、当該任意の光学情報の読み取り以前に読み取った設定個数の光学情報のデータを記憶し、
前記操作の制限がなされた後、前記操作の制限の解除前に、光学情報の読み取り操作がなされた時に、読み取られた光学情報が、前記記憶された光学情報か否かを判断する判断手段と、
読み取られた光学情報が、前記記憶された光学情報である場合に、読み取り済みを報知する報知手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の光学情報読取装置。
【請求項8】
前記ロック手段は、前記設定個数の光学情報を順番付けして記憶し、
前記報知手段は、読み取り済みを報知する時に、前記順番に応じて報知の状態を変化させることを特徴とする請求項7の光学情報読取装置。
【請求項9】
前記報知手段は、読み取り済みを報知する時に、前記順番に応じて出力音を変化させることを特徴とする請求項8の光学情報読取装置。
【請求項10】
前記報知手段は、読み取られた光学情報が、前記記憶された光学情報では無い場合に、未読み取りを報知することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか1の光学情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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