説明

光学活性ポリマレイミド誘導体又はこれを担体に担持させたものからなる分取用光学異性体分離剤、その製造方法、並びにそれを用いた光学活性化合物の分離方法

【課題】 従来の光学活性高分子を用いた分離剤では分離不可能なラセミ体化合物の、液体クロマト分取法による製造への適応の可能性を広げ、また生産性向上のため、用いる担体の粒径を大きくした場合でも、光学異性体間の充分な分離を得ることができる、分取目的化合物に対して大きな分離係数(α値)を有する、分取用光学異性体分離剤及びその製造方法、並びにそれを用いた光学活性化合物の分離方法の提供する。
【解決手段】 光学活性ポリマレイミド誘導体を分取用光学異性体分離剤へと適応させるため、従来の分取用光学異性体分離剤ではあまり利用例のない、30〜100μmの大粒径担体に担持し、分取用光学異性体分離剤として用いる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される構造単位からなる、ポリスチレン換算で数平均分子量100〜100,000の光学活性ポリマレイミド誘導体からなる分取用光学異性体分離剤。
【化1】

[上記一般式(1)中、置換基R〜Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜10の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルコキシ基を表し、置換基Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n―ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、又はエトキシエチル基を示す。*印は不斉炭素を表す。]
【請求項2】
光学活性ポリマレイミド誘導体が、一般式(1)において、置換基R〜Rが全て水素原子であり、かつ置換基Rがメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項3】
下記一般式(2)で示される構造単位からなる、ポリスチレン換算で数平均分子量100〜100,000の光学活性ポリマレイミド誘導体からなる分取用光学異性体分離剤。
【化2】

[上記一般式(2)中、置換基R〜R11は各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜10の直鎖状、分岐状若しくは環式のアルコキシ基を表し、置換基R12はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n―ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、又はエトキシエチル基を示す。*印は不斉炭素を表す。]
【請求項4】
光学活性ポリマレイミド誘導体が、一般式(2)において、置換基R〜R11が全て水素原子であり、かつ置換基R12がメチル基であることを特徴とする請求項3に記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項5】
下記一般式(3)で示される構造単位からなる、ポリスチレン換算で数平均分子量100〜100,000の光学活性ポリマレイミド誘導体からなる分取用光学異性体分離剤。
【化3】

[上記一般式(3)中、X〜Xは各々独立して、メチレン基、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、アミノカルボニル基、アミノカルボニルオキシ基又は単結合を表し、また、R〜Rは各々独立して水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜10の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基、炭素数5〜10の芳香族基、メチル基で芳香環上の水素が1〜4置換された炭素数5〜10の芳香族基、エチル基で芳香環上の水素が1〜4置換された炭素数5〜10の芳香族基、炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で芳香環上の水素が1〜4置換された炭素数5〜10の芳香族基、メトキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換された炭素数5〜10の芳香族基、エトキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換された炭素数5〜10の芳香族基、炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換された炭素数5〜10の芳香族基、ベンジル基、メチル基で芳香環上の水素が1〜4置換されたベンジル基、エチル基で芳香環上の水素が1〜4置換されたベンジル基、炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で芳香環上の水素が1〜4置換されたベンジル基、メトキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換されたベンジル基、エトキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換されたベンジル基、炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換されたベンジル基、2−フェニルエチル基、メチル基で芳香環上の水素が1〜4置換された2−フェニルエチル基、エチル基で芳香環上の水素が1〜4置換された2−フェニルエチル基、炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルキル基で芳香環上の水素が1〜4置換された2−フェニルエチル基、メトキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換された2−フェニルエチル基、エトキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換された2−フェニルエチル基、炭素数3〜6の直鎖状,分岐状若しくは環式のアルコキシ基で芳香環上の水素が1〜4置換された2−フェニルエチル基、原子数5〜10からなるヘテロ環芳香族基を表す。ただし、R−X、R−X、R−X、R−X、R−X、R−X、R−X、及びR−Xが全て同じ置換基となることはない。*印は不斉炭素を表す。]
【請求項6】
光学活性ポリマレイミド誘導体が、一般式(3)において、R−X、R−X、R−X及びR−Xが水素原子を表し、R−X、R−X、R−X及びR−Xが各々独立して水素原子又はベンジルオキシ基を表す(ただし、R−X、R−X、R−X、及びR−Xが全て同じ置換基となることはない)ことを特徴とする請求項5に記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学活性ポリマレイミド誘導体を担体に担持させたものからなる分取用光学異性体分離剤。
【請求項8】
担体が有機多孔質担体又は無機多孔質担体であることを特徴とする請求項7に記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項9】
担体がシリカゲルであることを特徴とする請求項7に記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項10】
担体の平均粒径が10μm〜500μmであることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項11】
光学活性ポリマレイミド誘導体を、担体に対して、3〜20重量%担持させたものからなる請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の分取用光学異性体分離剤。
【請求項12】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学活性ポリマレイミド誘導体を、良溶媒に溶解させ、担体を懸濁し、次いで蒸発、乾固することにより担持することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかに記載の分取用光学異性体分離剤の製造方法。
【請求項13】
請求項1至乃至請求項11に記載の分取用光学異性体分離剤を用い、光学異性体を含む混合物から光学活性化合物を分離することを特徴とする光学活性化合物の製造方法。
【請求項14】
請求項1至乃至請求項11のいずれかに記載の分取用光学異性体分離剤をカラムに充填してなる分取用充填カラム。
【請求項15】
請求項14に記載の分取用充填カラムを用い、光学異性体を含む混合物から光学活性化合物を分離することを特徴とする光学活性化合物の分離方法。
【請求項16】
請求項14に記載の分取用充填カラムを用い、高速液体クロマトグラフィーにより光学活性体取得を目的とする分取を行うことを特徴とする光学活性化合物の分離方法。
【請求項17】
請求項14に記載の分取用充填カラムを用い、擬似移動床式クロマトグラフィー方式により光学活性体取得を目的とする分取を行うことを特徴とする光学活性化合物の分離方法。

【公開番号】特開2007−29867(P2007−29867A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217506(P2005−217506)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】