説明

光学用保護フィルム

【課題】帯電防止性、傷付き防止性、汚染物易洗浄性、印刷適性、基材との密着性や透明性などを有する光学用保護フィルムであり、さらに、表面保護機能と帯電防止機能を兼ね備えた1コートシステムが可能な光学用保護フィルムを提供すること。
【解決手段】基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた帯電防止性表面保護層とからなる光学用保護フィルムにおいて、上記帯電防止性表面保護層が、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを被膜形成成分として形成されていることを特徴とする光学用保護フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレーに使用される偏光板などの製造時に使用される光学用保護フィルムに関する。さらに詳しくは、帯電防止性、汚染物易洗浄性および傷付き防止機能が具備された光学用保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な光学用保護フィルムは、表面保護層/耐水層/帯電防止層/基材フィルム/帯電防止層/粘着層/セパレートフィルム層の構成であり、基材フィルムの一方の面(セパレートフィルム層側)は偏光板に貼り合わせる側で、セパレートフィルム層、粘着層および帯電防止層からなっており、粘着層には糊残りの少ない粘着剤が使用され、帯電防止層は帯電防止機能が付与されている。光学用保護フィルムの他方の面は、帯電防止層、耐水層および表面保護層からなっており、帯電防止層は前記の通りであり、耐水層は、帯電防止層を外部環境(湿度)からの影響を最小限にする機能があり、表面保護層には多くの機能が付与されている。
【0003】
液晶ディスプレーなどに使用される偏光板の製造時には、偏光板表面に光学用保護フィルムを貼り合わせて、偏光板に汚れや傷が付かないようにし、使用時には光学用保護フィルムを偏光板から剥離するものである。
【0004】
光学用保護フィルムの粘着層側に帯電防止機能を付与させる理由は、偏光板を製造する過程で発生する静電気によるごみや偏光板から剥離する際に発生する静電気で不良品が生起することがあるので、それを防止するためである。
【0005】
また、光学用保護フィルムの粘着層とは異なる他の面の表面保護層には、帯電防止、傷付き防止および汚染物易洗浄性などが付与されている。それぞれを付与する必要性は次の通りである。帯電防止機能については前記の通りであり、傷付き防止機能については、偏光板を製造する過程で発生する傷付きを防止することを目的とし、特に、偏光板と光学用保護フィルムをロールで貼り合わせる時、偏光板としての必要スペックに合わせ裁断し、積層して保管している時、或いは保管中に抜き取りをする時などに傷付きが発生し易いので、これらに対応するためのものである。
【0006】
汚染物易洗浄性については、偏光板と光学用保護フィルムとを貼り合わせる際に保護層に付着する粘着剤、或いは偏光板としての必要スペックに合わせ裁断し、積層して保管している時に付着する粘着剤などが光学用保護フィルムの表面を汚染して外観検査で不良品扱いとなって問題化するので、容易に拭きとれるようにするためである。光学用保護フィルムに付着した粘着剤の除去法としては、例えば、乾拭き或いはアルコールや酢酸エチルなどの有機溶剤をしみ込ませた布などによる拭取りを行う方法などがある。このような拭取り時に汚染物易洗浄性が求められるのである。
【0007】
前記機能を付与した光学用保護フィルムの製造例としては、基材フィルムの一方の面にアクリル粘着剤を、他方の面には、帯電防止処理が施された基材フィルムの上にシリコーンアクリレートを塗布し、光学用保護フィルムの粘着剤のはみだしによる積み重ね時のフィルムのブロッキング防止と汚染物易洗浄性の機能を付与した例(特許文献1参照)や、表面保護層にポリビニルアルコールやポリエチレンイミンを長鎖アルキル化した共重合体などを塗布し、裁断面からはみ出した粘着剤が光学用保護フィルムの表面に付着するのを防止する機能を付与した例(特許文献2および3参照)が提案されている。
光学用保護フィルムの表面保護層には、前記した帯電防止性、傷付き防止性および汚染物易洗浄性の他に、印刷適性(工程管理する際に使用するプリンターインキ適性)、フィルム基材との密着性や耐スクラッチ性なども求められている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−305346公報
【特許文献2】特開平11−256115号公報
【特許文献3】特開平11−256116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記の提案技術では、前記した全ての機能を満足しているわけではない。そのうえ、従来よりもさらに高性能である光学用保護フィルムの表面保護層形成材料が要望されている。現行の表面保護層の構成システムである3コートシステム(表面保護層/耐水層/帯電防止層/基材フィルム)から2コートシステム(表面保護層/帯電防止層/基材フィルム)へ、さらには、製法の簡略化を目的として(帯電防止性表面保護層/基材フィルム)という1コートシステムへの構成システムの変更についても要望されている。
【0010】
従って、本発明の目的は、帯電防止性、傷付き防止性、汚染物易洗浄性(有機溶剤で洗浄することもあるため耐溶剤性も必要となる)、印刷適性(工程管理する際に使用するプリンターインキ適性)、基材フィルムとの密着性や透明性などを有する光学用保護フィルムを提供することである。
さらに、本発明の目的は、表面保護層の構成として帯電防止性表面保護層/基材フィルムという1コートシステムが可能な光学用保護フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は以下の構成の本発明によって達成される。
1.基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた帯電防止性表面保護層(帯電防止機能を兼ね備えた表面保護層)とからなる光学用保護フィルムにおいて、上記帯電防止性表面保護層が、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを被膜形成成分として形成されていることを特徴とする光学用保護フィルム。
【0012】
2.分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)が、分子内に活性水素基を有する樹脂と、分子内に少なくとも1個の活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物と、ポリイソシアネートとの反応生成物である前記1に記載の光学用保護フィルム。
【0013】
3.分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)が、パーフルオロアルキル基成分を0.0001〜30質量%含有している前記1に記載の光学用保護フィルム。
【0014】
4.表面抵抗値が、103〜1010Ω/cm2である前記1に記載の光学用保護フィルム。
5.全光透過率が70%以上、ヘイズ値が0〜20%である前記1に記載の光学用保護フィルム。
【0015】
6.分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを有機溶剤に溶解してなることを特徴とする帯電防止性表面保護層形成用塗料。
【0016】
7.樹脂(A)が、樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)の合計量(100質量%)のうちの50〜99.9質量%であり、カーボンナノチューブ(B)が0.1〜25質量%である前記6に記載の塗料。
8.さらに使用前にポリイソシアネートを添加するか、或いは安定化ポリイソシアネートを含有している前記6に記載の塗料。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光学用保護フィルムの表面保護層の構成システムが帯電防止性表面保護層/基材フィルムといった1コートシステムからなり、帯電防止性、傷付き防止性、汚染物易洗浄性、印刷適性、基材フィルムとの密着性や透明性などに優れた光学用保護フィルムが提供される。
【0018】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた帯電防止性表面保護層(以下単に「表面保護層」という場合がある)とからなる光学用保護フィルムにおいて、上記表面保護層を、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂とカーボンナノチューブとポリイソシアネートとを被膜形成成分として形成することで、優れた機能を有する光学用保護フィルムが得られることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に述べる。
本発明の光学用保護フィルムは、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた表面保護層とからなっている。すなわち、光学用保護フィルムの表面保護層側の構成は、表面保護層/基材フィルムといった1コートシステムの構成からなることを特徴としており、従来の3コートシステムの構成(表面保護層/耐水層/帯電防止層/基材フィルム)或いは2コートシステムの構成(表面保護層/帯電防止層/基材フィルム)の製法をより簡略化したものである。すなわち、製造時のコート回数が削減されコストパフォーマンスに優れた表面保護層となっている。
【0020】
次に表面保護層について詳しく説明する。表面保護層は分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを被膜形成成分として形成されているものであり、これらの材料を溶剤などに溶解させて或いは無溶剤で表面保護層形成用塗料として基材フィルムの上に塗布および乾燥して表面保護層とするのが好ましい。この場合の表面保護層形成用塗料は、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを含有している。
【0021】
分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)は、分子内に活性水素基を有する樹脂と分子内に少なくとも1個の活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物と、ポリイソシアネートとを反応させたものを使用するのが好ましい。これらを反応させるに当っては全部一括で反応させてもよいし、分子内に少なくとも1個の活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物とポリイソシアネートとを先に反応させた後、得られた反応生成物を分子内に活性水素基を有する樹脂と反応させてもよいが、後者の反応方法の方がより好ましい。
【0022】
前記分子内に活性水素基を有する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセタール基変性ポリビニルアルコール、ブチラール基変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル、ポリエステル、セルロース類、キトサンおよびウレタン樹脂などが挙げられる。さらには、これらの中から選ばれた少なくとも1種が好適に使用される。この中で特に好ましいのは、エチレン−ビニルアルコール共重合体、部分けん化ポリビニルアルコールおよびフェノキシ樹脂である。
【0023】
前記分子内に活性水素基を有する樹脂中の活性水素基は、例えば、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NRH(R:炭化水素基)、−NH2など)およびチオール基(−SH)などであり、これらの中では水酸基およびアミノ基が好ましく使用される。前記分子内に活性水素基を有している樹脂においては、そのまま活性水素基を前記反応に使用できるが、前記樹脂分子内に活性水素基を有していない場合は変性などの処理を行って活性水素基を付与することができる。
【0024】
前記樹脂(A)中のパーフルオロアルキル基について説明する。樹脂(A)を得るには、分子内に活性水素基を少なくとも1個有するパーフルオロアルキル化合物を用いて、ポリイソシアネートを介して分子内に活性水素基を有する樹脂と反応させるのが好ましい形態であるので、パーフルオロアルキル化合物について説明する。本発明において使用される分子内に活性水素基を少なくとも1個有するパーフルオロアルキル化合物としては、例えば、以下のような化合物を用いることが好ましい(この中には活性水素基を利用して変性されたエポキシ変性パーフルオロアルキル化合物も含んでいるが、イソシアネート基と反応して樹脂(A)中に含有されることとなるので含めている)。
【0025】
(1)アルコールタイプ

【0026】
(2)エポキシタイプ

上記のエポキシ化合物はポリオール、ポリアミド、ポリカルボン酸などとの活性水素基含有化合物と反応させて末端水酸基を有するようにして使用する。
【0027】
(3)アミンタイプ

【0028】
(4)カルボン酸タイプ

【0029】
以上列記した分子内に活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物は本発明において使用する好ましい化合物であるが、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。従って上述の例示の化合物のみならず、その他現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物はいずれも本発明において好ましく使用することができる。本発明において特に好ましい化合物は1個の水酸基またはアミノ基を有するパーフルオロアルキル化合物である。
【0030】
前記パーフルオロアルキル化合物と反応可能な前記ポリイソシアネートとしては、従来公知のポリウレタンの製造に使用されているものがいずれも使用でき特に限定されない。ポリイソシアネートとして好ましいものは、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネートおよび4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDIおよび水添XDIなどの脂環式ジイソシアネートなど、或いはこれらのジイソシアネート化合物と低分子量のポリオールやポリアミンを末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなども当然使用することができる。
【0031】
特に、ジイソシアネートにおいて1次反応および2次反応において、それぞれの反応速度に差があるジイソシアネートが好ましい。このようなジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネートなどを例示できる。さらには、反応触媒効果により、1次反応と2次反応との反応差が顕著に示される触媒との組み合わせがより好ましい。
【0032】
上記の分子内に活性水素基を有する樹脂と分子内に少なくとも1個の活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物とポリイソシアネートとを反応させる樹脂(A)の製造方法は特に限定されず、従来公知のポリウレタンの製造方法と類似の方法を用いることができる。例えば、分子内に活性水素基を含まない有機溶剤の存在下、または不存在下に、まず最初に、分子内に少なくとも1個の活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物と2官能のジイソシアネートとを等モル数で反応させ、同一分子内にパーフルオロアルキル基と末端イソシアネート基を有する化合物を製造する。次いで、この化合物と分子内に活性水素基を有する樹脂中の活性水素基とを反応させることにより、同一分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂が製造される。反応温度は、通常、20〜150℃、好ましくは60〜110℃で行い、最終的に、イソシアネート基が殆どなくなるまで反応させることで完結する。
【0033】
なお、上記樹脂(A)は、無溶剤で合成しても、有機溶剤を用いて製造してもよい。有機溶剤として好ましいのは、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。また、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどである。
【0034】
同一分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂を製造する場合には、前記樹脂中のパーフルオロアルキル基は、樹脂全体に対して0.0001〜30質量%、好ましくは0.01〜20質量%含有させるのが望ましい。パーフルオロアルキル基が多いと(30質量%を超えると)、該樹脂を用いて塗料を調製する際、塗料の溶解安定性が劣ったり、塗料中の未反応のパーフルオロアルキル化合物の存在により、最終的に得られる光学用保護フィルムの品質工程管理に使用するインキをはじく現象が起きたりするので好ましくない。一方、パーフルオロアルキル基が少ないと(0.0001質量%未満であると)、汚染物易洗浄性能の不備、耐溶剤性および外気の湿度制御が不可能となり好ましくない。
【0035】
本発明で使用するカーボンナノチューブ(B)としては特に限定されず、例えば、炭素六角網面が円筒状に閉じた単層構造または円筒構造が入子状に配置された多層構造を有する材料などが挙げられる。形状としては中空円筒状で直径が1〜100nm、長さが1〜50μmのものである。該カーボンナノチューブの製法は特に限定されず、化学蒸着堆積法、触媒気相成長法、化学気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法などにより得られるものであって、従来公知のカーボンナノチューブはいずれも本発明で使用することができる。
【0036】
上記したような中空円筒状のカーボンナノチューブを用いることにより、塗膜の透明性や成膜性が向上する。また、従来のカーボンブラックを使用した帯電防止保護層に比べ、極細且つ高い導電性を有するカーボンナノチューブを使用した帯電防止保護層は、少ない含有量で帯電防止効果を発揮することができる。
【0037】
前記樹脂(A)および前記カーボンナノチューブ(B)の使用量は、(A)と(B)合わせて100質量%に対して(A)が50〜99.9質量%であり、好ましくは70〜99質量%であり、カーボンナノチューブ(B)が0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%である。(A)の使用量が99.9質量%を超えると帯電防止機能が得られないので好ましくなく、50質量%未満では塗料の安定性および最終的に得られる光学用保護フィルムの耐スクラッチ性が低下するので好ましくない。一方、(B)の使用量が50質量%を超えると表面保護層の耐溶剤性やスクラッチ性が低下したり、塗料溶液が不安定になるので好ましくなく、0.1質量%未満では表面保護層の帯電性能が低下するので好ましくない。
【0038】
表面保護層を形成するポリイソシアネート(C)においては、従来から使用されている公知のものが使用でき特に限定されない。例えば、2,4−トルイレンジイソシアネートの二量体、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオフォスファイト、多官能芳香族イソシアネート、多官能芳香族脂肪族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、ブロック化多官能脂肪族イソシアネートなどのブロック型ポリイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。これらのうち、芳香族系或いは脂肪族系のどちらでも使用可能であり、好ましくは芳香族系ではジフェニルメタンジイソシアネートおよびトリレンジイソシアネート、脂肪族系ではヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどの変性体であり、分子中にイソシアネート基を3個以上含むものが好ましく、前記ポリイソシアネートの多量体や他の化合物との付加体、さらには低分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネートになるように反応させたウレタンプレポリマーなども好ましく使用される。それらを下記に構造式を挙げて例示するが、これらに限定されるものではない。
【0039】

【0040】

【0041】

【0042】

【0043】

【0044】

【0045】

【0046】
これらのポリイソシアネート(C)の使用量は、前記樹脂(A)と前記カーボンナノチューブ(B)合わせて100質量部に対し、5〜100質量部、好ましくは5〜55質量部である。(C)の使用量が100質量部を超えると塗料の可使時間が低下するので好ましくなく、5質量部未満では、表面保護層の架橋密度が低下するので好ましくない。
【0047】
表面保護層形成用塗料には、必要に応じて、さらに硬化触媒、反応抑制剤やその他の添加剤を適宜使用することができる。硬化触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、テトラ−n−ブチルチタネートおよびビスマスなどの金属と有機または無機酸の塩および有機金属誘導体、トリエチルアミンなどの有機アミンおよびジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。反応抑制剤としては、例えば、燐酸、酢酸、酒石酸、フタル酸およびギ酸エステルなどが挙げられる。
【0048】
さらに滑り性付与や耐水化を目的として、例えば、シロキサンオイルおよび/または変性シロキサンオイル(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンおよびアラルキル変性ポリジメチルシロキサンなど)、各種ワックス、長鎖アルキル変性ポリマー、フッ素変性ポリマーおよびシロキサン変性ポリマーなどの添加剤を加えることができる。
【0049】
さらに他の帯電防止剤の併用を目的として、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アルカリ金属塩含有ポリエーテル、アルカリ金属塩含有シロキサン変性ポリエーテル、アルカリ金属塩含有エーテル系ポリウレタン、ポリアミン、4級カチオン塩含有アクリル系樹脂、特殊変性ポリエステル、特殊カチオン系樹脂、セルロース誘導体、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンおよびスルホン化ポリアニリンなどの有機導電性材料、カーボンブラック、酸化スズ、酸化亜鉛および酸化チタンなどの金属酸化物および各種金属アルコキシドおよびITO粉末などの導電性フィラー含有高分子などの添加剤を加えることができる。
【0050】
前記化合物のうち、アルカリ金属塩含有ポリエーテル、アルカリ金属塩含有シロキサン変性ポリエーテルおよびアルカリ金属塩含有エーテル系ポリウレタン中のアルカリ金属塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸リチウム、リチウムビスペンタフルオロエタンスルホンイミド、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、六フッ化リン酸テトラエチルアンモニウムおよびカリウムビストリフルオロメタンスルホンイミドなどを挙げることができる。
【0051】
なお、本発明の表面保護層を形成する場合には、前記の分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを含有している表面保護層形成用塗料を使用する。なお、上記ポリイソシアネート(C)が、安定化ポリイソシアネートである場合には、塗料の調製時に配合してもよいし、塗料の使用直前に配合してもよい。また、上記ポリイソシアネート(C)が、安定化ポリイソシアネートではない場合には、塗料の使用直前に配合することが好ましい。塗料は、無溶剤で調製したものでもよいし、有機溶剤を用いて調製したものでもよい。有機溶剤として好ましいのは、例えば、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどが挙げられる。また、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パークロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブおよびセロソルブアセテートなども使用することができる。有機溶剤を用いて調製した塗料の固形分は、特に限定されないが、3〜95質量%程度が好ましい。
【0052】
本発明の光学用保護フィルムに使用する基材フィルムは、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを成分とするフィルムが用いられる。特に好ましいのは、二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムであり、光学用保護フィルムに適合した適正かつ必要な強度を有している。基材フィルムの厚さは、好ましくは20〜100μmであり、より好ましくは、25〜40μmである。これらの基材フィルムは、必要に応じて、コロナ処理、帯電防止処理、易接着処理などを施してもよい。
【0053】
本発明の光学用保護フィルムは、上記の表面保護層形成用塗料を用い、従来公知の方法で製造することができ、製造方法自体は特に限定されない。また、基材フィルム、粘着層形成材料などの表面保護層形成用材料以外の材料は、いずれも公知の材料が使用でき、特に限定されない。本発明の光学用保護フィルムの表面保護層を形成するに際しては、本発明の表面保護層形成用塗料を、従来公知の方法によって、基材フィルムの表面(裏面は粘着層)に、乾燥厚さが0.01〜1μm程度となるよう塗布して被膜を形成させる。
【0054】
このようにして得られた表面保護層は、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)との表面エネルギーの相違により、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)中の活性水素基は親水性のため基材フィルム表面に多く配向して表面保護層の基材フィルムに対する密着性を向上させる。一方、表面エネルギーの低いパーフルオロアルキル基の多くとカーボンナノチューブは基材フィルムの反対側(空気側)に配向することで、帯電防止性および汚染防止性付与される。
【0055】
表面保護層を形成する前記ポリイソシアネート(C)は、表面保護層形成用材料内の成分を架橋するので、表面保護層の汚染除去に耐え得る耐溶剤性および耐スクラッチ性(表面硬度アップ)をさらに向上させることができる。帯電防止機能については、表面保護層形成用塗料中にカーボンナノチューブを含有させることでその機能は保たれている。
【実施例】
【0056】
以下に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の文中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
[合成例1〜2]
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管および還流冷却器を具備した反応器に、窒素ガスで置換した後、ポリイソシアネート化合物および反応触媒および有機溶剤(固形分=30%)を所定量投入し、60℃に加温する。続いて所定のパーフルオロアルキル化合物を所定の濃度まで投入し窒素気流下80℃にて均一になるまで攪拌した。得られたパーフルオロアルキル基とイソシアネート基を有するオリゴマーの組成および性状を表1に示した。
【0057】

【0058】
表1中のパーフルオロアルキル化合物(a)は下記の構造を有する。
・a−1)CF3(CF27CH2CH2OH
・a−2)CF3(CF27CH2CH2NH2
【0059】
[合成例3〜6]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、分子内に活性水素基を有する樹脂(ベース樹脂)および溶剤を所定量投入し、60℃に加温してこの樹脂を溶解させる。引き続き前記で製造したパーフルオロアルキル基とイソシアネート基を有するオリゴマーを所定量投入し、90℃にて反応を行い、赤外吸収スペクトルで2,270cm-1の遊離イソシアネート基による吸収が認められなくなるまで反応を行った。分子内に活性水素基とパーフルオロアルキル基を有する樹脂の原料組成および性状を表2に示す。
【0060】

【0061】
・F−NCO(H);パーフルオロアルキル基とイソシアネート基を有するオリゴマー
・EVOH;エチレンビニルアルコール、商品名:F104(エチレン共重合比率=32mol%、メルトインデックス=4.5g/min.;190℃、2,160g)、(株)クラレ製)
・PVA;部分けん化ポリビニルアルコール、商品名:PVA−217(けん化度=87〜89、重合度=1,700)、(株)クラレ製)
・YP−50S;フェノキシ樹脂、商品名:フェノトートYP−50S(重量平均分子量=40,000、東都化成工業(株)製)
・BL−1;ブチラール基・アセチル基含有ポリビニルアルコール共重合体、商品名:BL−1(水酸基=36mol%、アセチル基=3mol%以下、ブチラール化度=63mol%、積水化学工業(株)製)
・MEK;メチルエチルケトン
・DMF;ジメチルホルムアミド
【0062】
[実施例1〜4、比較例1〜2]
実施例1〜4と比較例1〜2の表面保護層形成用塗料(固形分5%)を表3および表4の組成により作製した。
【0063】

【0064】

【0065】
・熟成条件;40℃、2日
・PHDI;HDIのビウレット型、デュラネート24A−100(旭化成ケミカルズ(株)製)
・MEK;メチルエチルケトン
・DMF;ジメチルホルムアミド
・変性ポリマー(S);分子内に活性水素基とパーフルオロアルキル基を有する樹脂
【0066】

【0067】
本発明の光学用保護フィルムに使用する前記塗料は、パーフルオロアルキル共重合体(A)と、カーボンナノチューブ(B)を有機溶剤に溶解または分散して作成した。溶解または分散方法としては、公知のいずれの分散方法を使用してもよく、特に限定されない。例えば、ボールミル、バスケットミル、サンドミル、ロールミル、アトライター、湿式ジェットミル、ディゾルバー、ペイントシェーカー、押出混合機、ホモジナイザー、超音波分散機などで分散して塗料を作成する。この塗料にポリイソシアネート系架橋剤を加えて表面保護層形成用塗料として使用する。
【0068】
各実施例および比較例で得られた各塗料を用い、グラビア印刷により、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製)の表面に、乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布した後、乾燥機中で溶剤を乾燥させた。実施例1〜4および比較例2の塗料を用いた場合は、塗布および乾燥後40℃のオーブンにて48時間熟成させて表面保護層を形成させた。比較例1は熟成せずに110℃、90秒にて乾燥させたもので評価した。
【0069】
次に、下記の配合処方で粘着剤組成物を作製した。上記の表面保護層を形成した各PETフィルムの裏面にグラビアロールにより乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布して粘着層を形成し、実施例および比較例の光学用保護フィルムを得た。
【0070】
〔粘着剤組成物〕
・SKセイカダイン1491H(綜研化学(株)製) 100部
・硬化剤L−45(綜研化学(株)製) 0.9部
【0071】
[試験例]
上記で得られた実施例および比較例の表面保護層の塗膜および光学用保護フィルムの性能を以下の項目について試験し、表5の結果を得た。
<表面抵抗値>
三菱化学(株)製のMCP−HT450を使用して光学用保護フィルムの帯電防止性の測定を行う。測定条件は、温度23℃、湿度65%RH、印加電圧100V、30秒で行った。帯電防止効果を発揮するには、1×1011Ω/cm2以下が望ましい。
【0072】
<透明性>
スガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューターHGM−2DPを使用し、光学用保護フィルムの全光透過率およびヘイズ値を測定した。
ヘイズ値=測定値−基材のヘイズ値
【0073】
<耐酢酸エチル性>
光学用保護フィルム表面に1gの酢酸エチルを垂らし、荷重50g/cm2でラビングした際の表面保護層の塗膜の外観を観察した。
○:表面保護層の塗膜外観の変化がない
△:表面保護層の塗膜外観がやや変化している
×:表面保護層の塗膜外観が変化している
【0074】
<汚染物易洗浄性>
1gの粘着剤組成物(SKセイカダイン1491H(綜研化学(株)製)/硬化剤L−45(綜研化学(株)製)=100/0.9)を表面保護層の塗膜に擦り付け、キムワイプ(登録商標)にて拭取り時の易洗浄性を確認した。
○:粘着剤付着物が容易に洗浄できる
△:粘着剤付着物がやや残る
×:粘着剤付着物が洗浄できない
【0075】
<耐傷付き性>
光学用保護フィルムの表面保護層の塗膜を約10g/cm2の荷重にてスコッチブライト(住友スリーエム(株)製)で擦り、表面の傷付きを目視にて確認した。
○:確認できる傷が0本以上5本未満
△:確認できる傷が5本以上10本未満
×:確認できる傷が10本以上
【0076】
<密着性>
光学用保護フィルムの表面保護層の塗膜と基材PETフィルムとの接着性を碁盤目試験(セロハンテープ剥離クロスカット法)にて行った。
【0077】
<滑り性>
新東科学(株)製のHEIDON−14DRを使用して光学用保護フィルムの動摩擦係数の測定を行う。測定条件は、温度23℃、湿度65%RH、測定数5回の平均値で行った。動摩擦係数は、0.18〜0.28の範囲が望ましい。
【0078】
<印刷適性>
寺西化学工業(株)製マジックインキNo.500を使用して表面保護層の塗膜面に記載し、インキの筆記状況を観察した。
○:マジックインキの筆記状況が良好である
△:ややインキのハジキがあるが問題ないレベルである
×:インキがはじき筆記できない
【0079】

【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明によれば、帯電防止性、傷付き防止性(スクラッチ性)および汚染物易洗浄性(有機溶剤で洗浄するため耐溶剤性が必要となる)の他、印刷適性(工程管理する際に使用するプリンターインキ)、基材との密着性や透明性などを有する光学用保護フィルムの作成が可能であり、表面保護機能と帯電防止機能を兼ね備えた1コートシステムが可能な光学用保護フィルムが提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に設けた粘着層と、該基材フィルムの他方の面に設けた帯電防止性表面保護層とからなる光学用保護フィルムにおいて、上記帯電防止性表面保護層が、分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを被膜形成成分として形成されていることを特徴とする光学用保護フィルム。
【請求項2】
分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)が、分子内に活性水素基を有する樹脂と、分子内に少なくとも1個の活性水素基を有するパーフルオロアルキル化合物と、ポリイソシアネートとの反応生成物である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
【請求項3】
分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)が、パーフルオロアルキル基成分を0.0001〜30質量%含有している請求項1に記載の光学用保護フィルム。
【請求項4】
表面抵抗値が、103〜1010Ω/cm2である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
【請求項5】
全光透過率が70%以上、ヘイズ値が0〜20%である請求項1に記載の光学用保護フィルム。
【請求項6】
分子内に活性水素基およびパーフルオロアルキル基を有する樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)とポリイソシアネート(C)とを有機溶剤に溶解してなることを特徴とする帯電防止性表面保護層形成用塗料。
【請求項7】
樹脂(A)が、樹脂(A)とカーボンナノチューブ(B)の合計量(100質量%)のうちの50〜99.9質量%であり、カーボンナノチューブ(B)が0.1〜50質量%である請求項6に記載の塗料。
【請求項8】
さらに使用前にポリイソシアネートを添加するか、或いは安定化ポリイソシアネートを含有している請求項6に記載の塗料。

【公開番号】特開2007−111968(P2007−111968A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305149(P2005−305149)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(000238256)浮間合成株式会社 (99)
【Fターム(参考)】