光学系及びそれを用いた内視鏡
【課題】 簡単な構成で広い観察画角を撮像素子上に撮像することが可能であり、小型で安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供する。
【解決手段】 第1反射面22と第2反射面23のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されており、透明媒体Lに入射する光束は、順光線追跡の順に、開口Sを通り、第1透過面21を経て透明媒体L内に入り、第1反射面22で像面5と反対側に反射され、第2反射面23で像面5側に反射され、第2透過面24を経て透明媒体Lから像面5側に外へ出る略Z字状の第1光路Aを構成し、第1光路Aの少なくとも第1反射面22と第2反射面23の間は、中心軸2に対して片側のみで構成され、第1光路A中に中間像が結像されることなく、像面5に円環状に結像されることを特徴とする。
【解決手段】 第1反射面22と第2反射面23のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されており、透明媒体Lに入射する光束は、順光線追跡の順に、開口Sを通り、第1透過面21を経て透明媒体L内に入り、第1反射面22で像面5と反対側に反射され、第2反射面23で像面5側に反射され、第2透過面24を経て透明媒体Lから像面5側に外へ出る略Z字状の第1光路Aを構成し、第1光路Aの少なくとも第1反射面22と第2反射面23の間は、中心軸2に対して片側のみで構成され、第1光路A中に中間像が結像されることなく、像面5に円環状に結像されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系及びそれを用いた内視鏡に関し、特に、中心軸周りの映像を撮像素子に円環状の映像として結像する機能を有する結像光学系又は投影光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、2面の球面又は放物面鏡を組み合わせた光学系があった。
【特許文献1】特許第3382683号公報
【特許文献2】特許第3212784号公報
【特許文献3】特公昭62−52842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、どの特許文献に記載された光学系も、小型な構成で、且つ、高画角の映像を得ることはできなかった。
【0004】
本発明は、従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で広い観察画角を撮像素子上に撮像することが可能であり、小型で安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の光学系は、中心軸を含む断面内で、前記中心軸の周りで回転対称な光学系において、前記光学系は、前記中心軸上の物体側に配置された開口と、前記開口の像面側に配置され、屈折率が1より大きい透明媒体とを有し、前記透明媒体は、前記開口近傍の前記中心軸上に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、を有し、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、中心軸上で不連続な曲面で構成されており、前記透明媒体に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記開口を通り、前記第1透過面を経て前記透明媒体内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記透明媒体から像面側に外へ出る略Z字状の第1光路を構成し、前記第1光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間は、前記中心軸に対して片側のみで構成され、前記第1光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする。
【0006】
前記反射面のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0007】
また、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記第1反射面は、全反射作用と、反射コーティングにより反射するように構成され、前記反射コーティングは前記第1反射面の中心軸近傍のみに施されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記第1透過面と前記第2反射面は、前記透明媒体の物体側に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記第1反射面と前記第2透過面は、前記透明媒体の像面側に配置されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記第1反射面と前記第2透過面は、同一位置同一形状からなることを特徴とする。
【0012】
また、前記透明媒体の物体側及び/又は像面側に屈折体を配置したことを特徴とする。
【0013】
また、最大像高をImax、前記透明媒体の外径をDとするとき、
0.5<D/(2×Imax)<10 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0014】
また、最大像高をImax、前記開口から前記像面までの距離をLとするとき、
0.5<L/(2×Imax)<10 ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0015】
また、第1反射面の曲率をR1、第2反射面の曲率をR2とするとき、
0.2<R1/R2<5 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0016】
さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の本発明の光学系においては、簡単な構成で異なる方向を観察又は異なる方向に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、実施例に基づいて本発明の光学系について説明する。
【0019】
図3は、後述する実施例1の光学系1の中心軸(中心軸)2に沿ってとった断面図である。なお、以下の説明は、結像光学系として説明するが、光路を逆にとって投影光学系として用いることもできる。
【0020】
本発明に係る光学系1は、中心軸2に対して回転対称で、開口Sと、透明媒体Lとからなり、中間像を光路中に形成することなく像を形成又は投影する光学系1である。像面5近傍の平行平板は撮像素子のカバーガラスC等である。
【0021】
実施例1の光学系1は、中心軸2を含む断面内で、中心軸2の周りで回転対称に構成され、中心軸2上の物体側に配置された開口Sと、開口Sの像面側に配置され、屈折率が1より大きい透明媒体Lとを有し、透明媒体Lは、開口S近傍の中心軸2上に配置された第1透過面としての後1群第1透過面21と、後1群第1透過面21より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面としての後1群第1反射面22と、後1群第1反射面22より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面としての後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面側に配置された第2透過面としての後1群第2透過面24と、を有し、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23のうち少なくとも1面は、中心軸2上で不連続な曲面で構成されており、透明媒体Lに入射する光束は、順光線追跡の順に、開口Sを通り、後1群第1透過面21を経て透明媒体L内に入り、後1群第1反射面22で像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから像面5側に外へ出る略Z字状の第1光路Aを構成し、第1光路Aの少なくとも後1群第1反射面22と後1群第2反射面23の間は、中心軸2に対して片側のみで構成され、第1光路A中に中間像が結像されることなく、像面5に円環状に結像される。
【0022】
なお、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されてもよい。
【0023】
中心軸2上の物体側から光路順で、開口S及びその近傍に配置された後1群第1透過面21、後1群第1反射面22、後1群第2反射面23、後1群第2透過面24の順に配置され、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23は共に像側に凹面を向け配置されていることが重要である。
【0024】
開口Sは物体側の後1群第1透過面21近傍にあることが重要で、開口Sを本発明の透明媒体Lの像側に配置すると、非点収差が大きく発生しフラットな像を形成することが出来なくなる。また、射出主光線傾角が大きくなってしまい、テレセン性が悪くなる。さらに、後1群第1透過面21と後1群第2反射面23の有効径の干渉が起き、画角を大きく取ることが出来なくなってしまう。
【0025】
次に、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23は像側に凹面を向けていることが重要である。この配置により物体側から光路順に負、正のパワー配置になり、所謂レトロフォーカス構成にすることが可能となり、広画角化が可能となる。また、この配置により光学系の主点を物体側に配置することが可能となり、Fバックを取ることが可能となる。
【0026】
また、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23の間の光路は中心軸2を跨ぐことなく片側で構成されていることが重要である。中心軸2と光路とが交差することは、サジタル断面で中間像を結像することを意味し、光路長が長くなり、光学系の大型化を招いてしまう。
【0027】
また、Z字光路になっていることが重要である。Z字光路をとることにより、各面での反射角を小さくすることが可能となり、偏心収差の発生を少なくすることが可能となる。又、開口Sから入射する光束が比較的低い(中心軸2に近い)うちに後1群第1反射面22に当てる事が可能となり、後1群第1反射面22の強い負のパワーを持たせても、収差の発生を少なくすることが可能となる。
【0028】
次に、光路途中で結像することが無いように構成することが重要である。光路途中で結像させると、光束径を小さくすることが可能であるが、本発明のように光学系の全長を短く出来ることが特徴の光学系においては、中間像を形成すると光学系1の全長が長くなってしまい、光学系1を小型にすることが不可能になってしまう。
【0029】
次に、中心軸2周りの物点を中心軸2と1回交差し反対側に結像するように構成することが重要である。物体からの光束は中心軸2上の開口Sを通過すると同時に中心軸2と1回交差して、物体とは反対側に入射する。そこで、各反射面で反射され結像されるが、物体と中心軸2を挟んで同一側に結像する構成をとると、結像されるまでにもう一度中心軸と交差する必要がある。サジタル断面では中心軸2上の開口を通過した光束が再び中心軸2と交差することは、開口Sの像を作ることを意味し、短い光学系全長のなかで、開口2の像を再結像すると射出瞳が像近傍に出来てしまい、テレセン性をよくすることが出来なくなってしまう。又、そのための余分なパワーを光路中に設ける必要が生じ、光学系の大型化を招くこととなってしまう。
【0030】
次に、像面は円環状の平面の像面であることが重要である。又円環状の平面の像にすることにより、一つの平面の撮像素子又は表示素子により撮像又は投影することが可能となる。
【0031】
さらに好ましくは、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形成される回転対称な拡張回転自由曲面で構成することが重要である。偏心光学系で光学系を構成すると、必ず偏心収差が発生する。この偏心収差の発生を少なくしたり、小さく補正することが可能となる。
【0032】
さらに好ましくは、奇数次項を含む任意形状の線分であることが望ましい。この奇数次項により周辺光路Aの画面周辺部分の歪の補正や像面の傾きを補正することが可能となる。
【0033】
さらに、透過面の間に反射面を配置することにより、反射面を内部反射面で構成することにより、像面湾曲などの収差の発生を少なくすることが可能となる。また、後1群第1反射面22に当る光線の傾きが空気中より小さくなるので、広画角にも良い結果をもたらす。
【0034】
さらに、後1群第1反射面22は画角の広い光線は全反射により反射するように構成し、画角中心付近の後1群第1反射面22で全反射しない入射角の光線を反射させるように、後1群第1反射面22の中心部に反射コーティング4aすることが好ましい。これにより画角中心部の映像も撮像することが可能となる。さらに後1群第1反射面22周辺部は全反射するために、この部分は反射コーティングを行わないことが望ましい。これにより中心部分の光線が光学系から射出するのを妨げることがなくなる。
【0035】
さらに、後1群第1透過面21と後1群第2反射面23は透明媒体Lの物体側に近接して配置することが好ましい。これにより相互の面での光線の干渉が減り、広い画角を確保することが可能となる。
【0036】
さらに、後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は透明媒体Lの像面5側に近接して配置することが好ましい。これにより透明媒体Lと像面5を短くすることが可能となり。光学系全長を短くすることが可能となる。
【0037】
さらに、後1群第2反射面23は周辺部に反射コーティング4bを行うことが望ましく、中心部分は後1群第1透過面21又は開口Sを配置する関係から、反射コーティングしないことが望ましい。
【0038】
さらに好ましくは、後1群第1反射面22と後1群第2透過面24を同一位置、同一形状で構成することが好ましい。この構成により、後1群第1反射面22に部分的に全反射を使うことが可能となり光学系の画角を広く取れる。
【0039】
また、透明媒体Lの物体側及び/又は像面側に屈折体Rf,Rbを配置することにより、画角を大きくすることができる。
【0040】
また、最大像高をImax、透明媒体の外径をDとするとき、
0.5<D/(2×Imax)<10 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0041】
条件式(1)は、下限を超えるとテレセン性が悪くなり特にCCD等の撮像素子を利用して撮像する場合に周辺光量不足を起こす。上限を超えると光学系の外径が大きくなりすぎ光学系が大型になってしまう。
【0042】
また、最大像高をImax、開口から像面までの距離をLとするとき、
0.5<L/(2×Imax)<10 ・・・(2)
なる条件を満足することが望ましい。
【0043】
条件式(2)は、像高に対する光学系全長を規定するものであり、下限を超えるとやはりテレセン性が悪くなり周辺光量不足を起こす。上限を超えると全長が長くなりすぎ、小型の光学系を構成することはできない。
【0044】
また、後1群第1反射面22の曲率をR1、後1群第2反射面23の曲率をR2とするとき、
0.2<R1/R2<5 ・・・(3)
なる条件を満足することが望ましい。
【0045】
条件式(3)は、二つの反射面のパワーの比を規定しているものであり、下限を超えると、後1群第1反射面22の曲率半径が小さくなり、後1群第2反射面23の正のパワーに比べて、後1群第1反射面22の負のパワーが大きくなり光学系の全長を短くすることが出来ない。上限を超えると、後1群第2反射面23の曲率が小さくなり後1群第2反射面23の正のパワーが大きくなりすぎ、物体側に凸の像面湾曲が大きく発生する。
【0046】
なお、物体側の平行平面は、光学系保護用のものであり。無くてもよい。像側の平行平面は撮像素子保護用のものであり、無くてもよい。
【0047】
以下に、本発明の光学系の実施例1〜4を説明する。これら光学系の構成パラメータは後記する。
【0048】
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、絞り面が中心軸2と交差する点を偏心光学面の原点Oとし、中心軸2に直交する方向をY軸方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の像面5側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
【0049】
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系1の原点Oからの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系1の原点Oに定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0050】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0051】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0052】
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 }1 /2]
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(a)
ただし、Zを軸とし、Yを軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0053】
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
【0054】
まず、図2に示すように、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
【0055】
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 }1 /2]
+C2 Y+C3 Y2 +C4 Y3 +C5 Y4 +C6 Y5 +C7 Y6
+・・・・+C21Y20+・・・・+Cn+1 Yn +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
【0056】
その曲線F(Y)をY正方向に距離R(負のときはY負方向)だけ平行移動し、その後にZ軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
【0057】
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Y面内で半径|R|の円になる。
【0058】
この定義からZ軸が拡張回転自由曲面の軸(中心軸)となる。
【0059】
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
【0060】
なお、Z軸を中心軸に持つ円錐面は拡張回転自由曲面の1つとして与えられ、RY=∞,C1 ,C2 ,C3 ,C4 ,C5 ,…=0とし、θ=(円錐面の傾き角)、R=(X−Z面内での底面の半径)として与えられる。
【0061】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0062】
実施例1の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図3に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図4、画角に対する像高を表す図を図5に示す。この横収差図において、中央に示された角度は、(水平方向画角、垂直方向の画角)を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。なお、マイナスの画角は、水平方向画角については、Y軸正方向を向いて右回りの角度、垂直方向画角については、X軸正方向を向いて右回りの角度を意味する。以下、同じ。
【0063】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
【0064】
光学系1は、前群Gfと、後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0065】
前群Gfは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前群第1透過面11と、前群第1透過面11に対して像側に形成される前群第2透過面12とを有する。
【0066】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lを反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。
【0067】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、後2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0068】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前群第1透過面11と前群第2透過面12と、前群カバーガラスCfと透明媒体Lの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で反射コーティングにより像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0069】
この実施例1の仕様は、
画角 10.00〜60.0°
入射瞳径 φ0.20mm
像の大きさ φ0.11〜φ2.18
である。
【0070】
実施例2の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図6に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図7、画角に対する像高を表す図を図8に示す。
【0071】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で一部共通に使用するように構成した例である。
【0072】
光学系1は、中心軸2に同軸に配置された開口Sと、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0073】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lの中心軸付近を反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は、同一位置同一形状からなる。
【0074】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、第2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0075】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、中心軸2に同軸に配置された開口Sを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で一部が反射コーティング4a、他部が全反射により像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0076】
この実施例2の仕様は、
画角 20.00〜70.0°
入射瞳径 φ0.10mm
像の大きさ φ0.61〜φ2.00
である。
【0077】
実施例3の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図9に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図10、画角に対する像高を表す図を図11に示す。
【0078】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で一部共通に使用するように構成した例である。
【0079】
光学系1は、前群Gfと、後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0080】
前群Gfは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群屈折体Rfからなる。屈折体Rは、トーリック面からなる前群第1透過面11と、第1透過面11に対して像側に形成されるトーリック面からなる第2透過面12とを有する。
【0081】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lの中心軸付近を反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は、同一位置同一形状からなる。
【0082】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、後2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0083】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群屈折体Rfの前群第1透過面11と前群第2透過面12と、前群屈折体Rfと透明媒体Lの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で一部が反射コーティング4a、他部が全反射により像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0084】
この実施例3の仕様は、
画角 0.00〜70.0°
入射瞳径 φ0.40mm
像の大きさ φ0.60〜φ1.99
である。
【0085】
実施例4の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図12に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図13、画角に対する像高を表す図を図14に示す。
【0086】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で一部共通に使用するように構成した例である。
【0087】
光学系1は、前群Gfと、後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0088】
前群Gfは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群屈折体Rfからなる。屈折体Rは、トーリック面からなる前群第1透過面11と、第1透過面11に対して像側に形成されるトーリック面からなる第2透過面12とを有する。
【0089】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lの中心軸付近を反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は、同一位置同一形状からなる。
【0090】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、後2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0091】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群屈折体Rfの前群第1透過面11と前群第2透過面12と、前群屈折体Rfと透明媒体Lの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で一部が反射コーティング4a、他部が全反射により像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0092】
この実施例4の仕様は、
画角 60.00〜120.0°
入射瞳径 φ0.07mm
像の大きさ φ0.78〜φ1.99
である。
【0093】
また、最大像高をImax(mm)、最小像高をImin(mm)、最大画角をθmax(度)、最小画角をθmin(度)、焦点距離F=(Imax−Imin)/(θmax−θmin)とし、光学系全体の外径をD(mm)、平行平面の保護ガラスを除いた光学系全長をL(mm)、第1反射面の曲率をR1、第2反射面の曲率をR2とするとき、
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
I max 1.09 1.00 1.00 1.00
θmax 60.00 70.00 30.00 70.00
I min 0.06 0.30 0.39 0.30
θmin 10.00 0.10 -30.00 20.00
F 0.021 0.010 0.010 0.014
D 6.400 3.000 2.700 5.00
L 4.650 4.250 3.500 2.30
D(2×Imax) 2.932 1.502 1.354 2.500
L(2×Imax) 2.130 2.128 1.755 1.150
R1 3.16 2.16 1.17 2.24
R2 3.88 2.26 1.58 2.77
R1/R2 0.81 0.96 0.74 0.81
である。
【0094】
以下に、上記実施例1〜4の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の“ASS”は非球面、“ERFS”は拡張回転自由曲面、“RE”は反射面を示す。なお、データの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は像面からの偏心量で表わす。
【0095】
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 10.00
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.10
3 ∞(絞り) 0.00
4 5.34 0.00 1.8348 42.7
5 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
6 ERFS[2] 0.00 偏心(2) 1.8348 42.7
7 ERFS[3] 0.00 偏心(3)
8 ∞ 4.16
9 ∞ 0.40 1.5163 64.1
10 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 3.16
θ -37.17
R 0.41
C4 -5.0544E-02
ERFS[2]
RY 3.88
θ -65.60
R 2.86
C4 5.5888E-03 C5 5.8997E-04
ERFS[3]
RY 1.87
θ -44.02
R 1.97
C4 1.1369E-01
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.23
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.34
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z 2.45
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0096】
実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 10.00
1 ∞(絞り) 0.00
2 -7.33 0.00 1.8348 42.7
3 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
4 ERFS[2] 0.00 偏心(2) 1.8348 42.7
5 ERFS[1] 0.00 偏心(1)
6 ∞ 2.87
7 ∞ 0.40 1.5163 64.1
8 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 2.24
θ -15.03
R 0.34
C4 -3.9400E-02 C5 1.0547E-01
ERFS[2]
RY 2.77
θ -33.37
R 1.30
C4 9.6776E-03 C5 7.2508E-03
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.05
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 1.30 Z 0.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0097】
実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 10.00
1 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
2 ERFS[2] 0.00 偏心(2)
3 ∞(絞り) 0.00
4 3.59 0.00 1.8348 42.7
5 ERFS[3] 0.00 偏心(3) 1.8348 42.7
6 ERFS[4] 0.00 偏心(4) 1.8348 42.7
7 ERFS[3] 0.00 偏心(3)
8 ∞ 2.12
9 ∞ 0.40 1.5163 64.1
10 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY -0.76
θ 28.49
R -0.98
ERFS[2]
RY -1.28
θ 23.48
R -0.50
ERFS[3]
RY 2.16
θ -14.43
R 0.31
C4 -6.8178E-02 C5 1.4695E-01
ERFS[4]
RY 2.26
θ -33.01
R 1.06
C4 3.9712E-03 C5 9.6041E-03
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -1.38
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z -0.61
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.85
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0098】
実施例4
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
2 ERFS[2] 0.00 偏心(2)
3 ∞(絞り) 0.00
4 2.51 0.00 1.8348 42.7
5 ERFS[3] 0.00 偏心(3) 1.8348 42.7
6 ERFS[4] 0.00 偏心(4) 1.8348 42.7
7 ERFS[3] 0.00 偏心(3)
8 ∞ 2.28
9 ∞ 0.00 1.5163 64.1
10 ∞ 0.00
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 0.98
θ 29.80
R -0.65
ERFS[2]
RY 0.40
θ 72.98
R -0.46
ERFS[3]
RY 1.17
θ -24.14
R 0.30
C4 4.7714E-02
ERFS[4]
RY 1.58
θ -49.05
R 1.03
C4 1.6401E-03
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -0.60
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z -0.48
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.73
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.47
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0099】
以上の実施例では、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、拡張回転自由曲面で設計されている例であるが、拡張回転自由曲面が回転対称面と直交し、高次項を使用していない場合、球面と等価な構成となる。
【0100】
また、前群Gfの反射面、屈折面をそれぞれ任意形状の線分を中心軸2の周りで回転することにより形成され中心軸2上に面頂を有さない拡張回転自由曲面で設計しているが、それぞれ任意の曲面に置き換えてもよい。
【0101】
また、本発明の光学系は、回転対称面を形成する任意形状の線分を定義する式に奇数次項を含むものを用いることにより、偏心により発生する像面5の傾きや、絞りの逆投影時の瞳収差を補正している。
【0102】
また、本発明の前群Gfを構成する中心軸2の周りで回転対称な透明媒体Lはそのまま用いることにより、360°全方位の画角を有する画像を撮影したり投影できるが、その透明媒体を中心軸2を含む断面で切断して2分の1、3分の1、3分の2等にすることにより、中心軸2の周りの画角が180°、120°、240°等の画像を撮影したり投影するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の光学系は、中心軸(中心軸)2を垂直方向に向けて天頂を含む360°全方位(全周)の画角の画像を得る撮像あるいは観察光学系としてもよい。さらに、本発明は、撮影光学系、観察光学系に限定されず、光路を逆にとって天頂を含む360°全方位(全周)の画角に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。また、内視鏡は管内観察装置の全周観察光学系として用いることもできる。
【0104】
図15は、本実施例の画像と撮像素子の配置例を示す。図15(a)は、画面比が16:9の撮像素子を使用した例である。上下方向の画像は使用しない場合、光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると好ましい。図15(b)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、図15(a)と同様に上下方向の映像は使用しない場合を示す。図15(c)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、光路Aでの画像A1に撮像素子50の大きさを合致させた例である。このように、配置をすると、光路Aの画像A1をすべて撮像することができる。
【0105】
以下に、本発明の光学系1の適用例として、撮影光学系101又は投影光学系102の使用例を説明する。図16は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明による撮影光学系101を用いた例を示すための図であり、図16(a)は、硬性内視鏡110の先端101に本発明による撮影光学系を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。図16(b)にその先端の概略の構成を示す。本発明によるパノラマ撮影光学系101の前群Gfの入射面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等からなるフレア絞り107が配置され、フレア光が入射するのを防止している。また、図16(c)は、軟性電子内視鏡113の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系101を同様に取り付けて、表示装置114に撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
【0106】
図17は、カプセル内視鏡120に本発明による撮影光学系101を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。本発明による撮影光学系101の光路Aにおける前群Gfの第1透過面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等に、フレア絞り107が形成され、フレア光が入射するのを防止している。
【0107】
図16及び図17に示すように、内視鏡に撮影光学系101を用いることにより、撮影光学系101の周囲の画像を撮像観察することができ、従来と異なる角度から様々な部位を撮像観察することができる。
【0108】
図18(a)は、自動車130の前方に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図であり、図18(b)は、自動車130の各コーナやヘッド部のポールの頂部に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を複数取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図である。この場合、図18(a)に示したように、光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると、左右の画像が広く撮像でき、好ましい。
【0109】
また、図19は、投影装置140の投影光学系として本発明による投影光学系102を用い、その像面5に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、投影光学系102を通して360°全方位に配置したスクリーン141に360°全方位画像を投影表示する例である。
【0110】
さらに、図20は、建物150の外部に本発明による撮影光学系101を用いた撮影装置151を取り付け、屋内に本発明による撮影光学系101を用いた投影装置151を配置し、撮影装置151で撮像された映像を電線152を介して投影装置140に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Pを、撮影光学系101を経て撮影装置151で撮影し、その映像信号を電線152を介して投影装置140に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、投影光学系102を通して屋内の壁面等に被写体Pの映像P'を投影表示するようにしている例である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の光学系の座標系を説明するための図である。
【図2】拡張回転自由曲面の原理を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図4】実施例1の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図5】実施例1の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図7】実施例2の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図8】実施例2の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図9】本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図10】実施例3の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図11】実施例3の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図12】本発明の実施例4の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図13】実施例4の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図14】実施例4の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図15】本発明の光学系の画像と撮像素子の配置例を示す図である。
【図16】本発明の光学系を内視鏡先端の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図17】本発明の光学系をカプセル内視鏡の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図18】本発明の光学系を自動車の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図19】本発明の光学系を投影装置の投影光学系として用いた例を示す図である。
【図20】本発明の光学系を屋外の被写体を撮影する撮影光学系として用いた例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
1…光学系
2…中心軸
5…像面
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系及びそれを用いた内視鏡に関し、特に、中心軸周りの映像を撮像素子に円環状の映像として結像する機能を有する結像光学系又は投影光学系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、2面の球面又は放物面鏡を組み合わせた光学系があった。
【特許文献1】特許第3382683号公報
【特許文献2】特許第3212784号公報
【特許文献3】特公昭62−52842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、どの特許文献に記載された光学系も、小型な構成で、且つ、高画角の映像を得ることはできなかった。
【0004】
本発明は、従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で広い観察画角を撮像素子上に撮像することが可能であり、小型で安価な光学系及びそれを用いた内視鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の光学系は、中心軸を含む断面内で、前記中心軸の周りで回転対称な光学系において、前記光学系は、前記中心軸上の物体側に配置された開口と、前記開口の像面側に配置され、屈折率が1より大きい透明媒体とを有し、前記透明媒体は、前記開口近傍の前記中心軸上に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、を有し、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、中心軸上で不連続な曲面で構成されており、前記透明媒体に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記開口を通り、前記第1透過面を経て前記透明媒体内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記透明媒体から像面側に外へ出る略Z字状の第1光路を構成し、前記第1光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間は、前記中心軸に対して片側のみで構成され、前記第1光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする。
【0006】
前記反射面のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0007】
また、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記第1反射面は、全反射作用と、反射コーティングにより反射するように構成され、前記反射コーティングは前記第1反射面の中心軸近傍のみに施されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記第1透過面と前記第2反射面は、前記透明媒体の物体側に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記第1反射面と前記第2透過面は、前記透明媒体の像面側に配置されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記第1反射面と前記第2透過面は、同一位置同一形状からなることを特徴とする。
【0012】
また、前記透明媒体の物体側及び/又は像面側に屈折体を配置したことを特徴とする。
【0013】
また、最大像高をImax、前記透明媒体の外径をDとするとき、
0.5<D/(2×Imax)<10 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0014】
また、最大像高をImax、前記開口から前記像面までの距離をLとするとき、
0.5<L/(2×Imax)<10 ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0015】
また、第1反射面の曲率をR1、第2反射面の曲率をR2とするとき、
0.2<R1/R2<5 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする。
【0016】
さらに、上記目的を達成する本発明は、前記光学系を用いた内視鏡であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の本発明の光学系においては、簡単な構成で異なる方向を観察又は異なる方向に映像を投影することが可能な小型で収差が良好に補正された解像力の良い光学系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、実施例に基づいて本発明の光学系について説明する。
【0019】
図3は、後述する実施例1の光学系1の中心軸(中心軸)2に沿ってとった断面図である。なお、以下の説明は、結像光学系として説明するが、光路を逆にとって投影光学系として用いることもできる。
【0020】
本発明に係る光学系1は、中心軸2に対して回転対称で、開口Sと、透明媒体Lとからなり、中間像を光路中に形成することなく像を形成又は投影する光学系1である。像面5近傍の平行平板は撮像素子のカバーガラスC等である。
【0021】
実施例1の光学系1は、中心軸2を含む断面内で、中心軸2の周りで回転対称に構成され、中心軸2上の物体側に配置された開口Sと、開口Sの像面側に配置され、屈折率が1より大きい透明媒体Lとを有し、透明媒体Lは、開口S近傍の中心軸2上に配置された第1透過面としての後1群第1透過面21と、後1群第1透過面21より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面としての後1群第1反射面22と、後1群第1反射面22より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面としての後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面側に配置された第2透過面としての後1群第2透過面24と、を有し、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23のうち少なくとも1面は、中心軸2上で不連続な曲面で構成されており、透明媒体Lに入射する光束は、順光線追跡の順に、開口Sを通り、後1群第1透過面21を経て透明媒体L内に入り、後1群第1反射面22で像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから像面5側に外へ出る略Z字状の第1光路Aを構成し、第1光路Aの少なくとも後1群第1反射面22と後1群第2反射面23の間は、中心軸2に対して片側のみで構成され、第1光路A中に中間像が結像されることなく、像面5に円環状に結像される。
【0022】
なお、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されてもよい。
【0023】
中心軸2上の物体側から光路順で、開口S及びその近傍に配置された後1群第1透過面21、後1群第1反射面22、後1群第2反射面23、後1群第2透過面24の順に配置され、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23は共に像側に凹面を向け配置されていることが重要である。
【0024】
開口Sは物体側の後1群第1透過面21近傍にあることが重要で、開口Sを本発明の透明媒体Lの像側に配置すると、非点収差が大きく発生しフラットな像を形成することが出来なくなる。また、射出主光線傾角が大きくなってしまい、テレセン性が悪くなる。さらに、後1群第1透過面21と後1群第2反射面23の有効径の干渉が起き、画角を大きく取ることが出来なくなってしまう。
【0025】
次に、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23は像側に凹面を向けていることが重要である。この配置により物体側から光路順に負、正のパワー配置になり、所謂レトロフォーカス構成にすることが可能となり、広画角化が可能となる。また、この配置により光学系の主点を物体側に配置することが可能となり、Fバックを取ることが可能となる。
【0026】
また、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23の間の光路は中心軸2を跨ぐことなく片側で構成されていることが重要である。中心軸2と光路とが交差することは、サジタル断面で中間像を結像することを意味し、光路長が長くなり、光学系の大型化を招いてしまう。
【0027】
また、Z字光路になっていることが重要である。Z字光路をとることにより、各面での反射角を小さくすることが可能となり、偏心収差の発生を少なくすることが可能となる。又、開口Sから入射する光束が比較的低い(中心軸2に近い)うちに後1群第1反射面22に当てる事が可能となり、後1群第1反射面22の強い負のパワーを持たせても、収差の発生を少なくすることが可能となる。
【0028】
次に、光路途中で結像することが無いように構成することが重要である。光路途中で結像させると、光束径を小さくすることが可能であるが、本発明のように光学系の全長を短く出来ることが特徴の光学系においては、中間像を形成すると光学系1の全長が長くなってしまい、光学系1を小型にすることが不可能になってしまう。
【0029】
次に、中心軸2周りの物点を中心軸2と1回交差し反対側に結像するように構成することが重要である。物体からの光束は中心軸2上の開口Sを通過すると同時に中心軸2と1回交差して、物体とは反対側に入射する。そこで、各反射面で反射され結像されるが、物体と中心軸2を挟んで同一側に結像する構成をとると、結像されるまでにもう一度中心軸と交差する必要がある。サジタル断面では中心軸2上の開口を通過した光束が再び中心軸2と交差することは、開口Sの像を作ることを意味し、短い光学系全長のなかで、開口2の像を再結像すると射出瞳が像近傍に出来てしまい、テレセン性をよくすることが出来なくなってしまう。又、そのための余分なパワーを光路中に設ける必要が生じ、光学系の大型化を招くこととなってしまう。
【0030】
次に、像面は円環状の平面の像面であることが重要である。又円環状の平面の像にすることにより、一つの平面の撮像素子又は表示素子により撮像又は投影することが可能となる。
【0031】
さらに好ましくは、後1群第1反射面22と後1群第2反射面23のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸2の周りで回転させて形成される回転対称な拡張回転自由曲面で構成することが重要である。偏心光学系で光学系を構成すると、必ず偏心収差が発生する。この偏心収差の発生を少なくしたり、小さく補正することが可能となる。
【0032】
さらに好ましくは、奇数次項を含む任意形状の線分であることが望ましい。この奇数次項により周辺光路Aの画面周辺部分の歪の補正や像面の傾きを補正することが可能となる。
【0033】
さらに、透過面の間に反射面を配置することにより、反射面を内部反射面で構成することにより、像面湾曲などの収差の発生を少なくすることが可能となる。また、後1群第1反射面22に当る光線の傾きが空気中より小さくなるので、広画角にも良い結果をもたらす。
【0034】
さらに、後1群第1反射面22は画角の広い光線は全反射により反射するように構成し、画角中心付近の後1群第1反射面22で全反射しない入射角の光線を反射させるように、後1群第1反射面22の中心部に反射コーティング4aすることが好ましい。これにより画角中心部の映像も撮像することが可能となる。さらに後1群第1反射面22周辺部は全反射するために、この部分は反射コーティングを行わないことが望ましい。これにより中心部分の光線が光学系から射出するのを妨げることがなくなる。
【0035】
さらに、後1群第1透過面21と後1群第2反射面23は透明媒体Lの物体側に近接して配置することが好ましい。これにより相互の面での光線の干渉が減り、広い画角を確保することが可能となる。
【0036】
さらに、後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は透明媒体Lの像面5側に近接して配置することが好ましい。これにより透明媒体Lと像面5を短くすることが可能となり。光学系全長を短くすることが可能となる。
【0037】
さらに、後1群第2反射面23は周辺部に反射コーティング4bを行うことが望ましく、中心部分は後1群第1透過面21又は開口Sを配置する関係から、反射コーティングしないことが望ましい。
【0038】
さらに好ましくは、後1群第1反射面22と後1群第2透過面24を同一位置、同一形状で構成することが好ましい。この構成により、後1群第1反射面22に部分的に全反射を使うことが可能となり光学系の画角を広く取れる。
【0039】
また、透明媒体Lの物体側及び/又は像面側に屈折体Rf,Rbを配置することにより、画角を大きくすることができる。
【0040】
また、最大像高をImax、透明媒体の外径をDとするとき、
0.5<D/(2×Imax)<10 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
【0041】
条件式(1)は、下限を超えるとテレセン性が悪くなり特にCCD等の撮像素子を利用して撮像する場合に周辺光量不足を起こす。上限を超えると光学系の外径が大きくなりすぎ光学系が大型になってしまう。
【0042】
また、最大像高をImax、開口から像面までの距離をLとするとき、
0.5<L/(2×Imax)<10 ・・・(2)
なる条件を満足することが望ましい。
【0043】
条件式(2)は、像高に対する光学系全長を規定するものであり、下限を超えるとやはりテレセン性が悪くなり周辺光量不足を起こす。上限を超えると全長が長くなりすぎ、小型の光学系を構成することはできない。
【0044】
また、後1群第1反射面22の曲率をR1、後1群第2反射面23の曲率をR2とするとき、
0.2<R1/R2<5 ・・・(3)
なる条件を満足することが望ましい。
【0045】
条件式(3)は、二つの反射面のパワーの比を規定しているものであり、下限を超えると、後1群第1反射面22の曲率半径が小さくなり、後1群第2反射面23の正のパワーに比べて、後1群第1反射面22の負のパワーが大きくなり光学系の全長を短くすることが出来ない。上限を超えると、後1群第2反射面23の曲率が小さくなり後1群第2反射面23の正のパワーが大きくなりすぎ、物体側に凸の像面湾曲が大きく発生する。
【0046】
なお、物体側の平行平面は、光学系保護用のものであり。無くてもよい。像側の平行平面は撮像素子保護用のものであり、無くてもよい。
【0047】
以下に、本発明の光学系の実施例1〜4を説明する。これら光学系の構成パラメータは後記する。
【0048】
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、絞り面が中心軸2と交差する点を偏心光学面の原点Oとし、中心軸2に直交する方向をY軸方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の像面5側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
【0049】
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系1の原点Oからの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系1の原点Oに定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0050】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0051】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0052】
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 }1 /2]
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(a)
ただし、Zを軸とし、Yを軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0053】
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
【0054】
まず、図2に示すように、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
【0055】
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 }1 /2]
+C2 Y+C3 Y2 +C4 Y3 +C5 Y4 +C6 Y5 +C7 Y6
+・・・・+C21Y20+・・・・+Cn+1 Yn +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
【0056】
その曲線F(Y)をY正方向に距離R(負のときはY負方向)だけ平行移動し、その後にZ軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
【0057】
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Y面内で半径|R|の円になる。
【0058】
この定義からZ軸が拡張回転自由曲面の軸(中心軸)となる。
【0059】
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
【0060】
なお、Z軸を中心軸に持つ円錐面は拡張回転自由曲面の1つとして与えられ、RY=∞,C1 ,C2 ,C3 ,C4 ,C5 ,…=0とし、θ=(円錐面の傾き角)、R=(X−Z面内での底面の半径)として与えられる。
【0061】
また、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、基準面からの偏心量で表わす。
【0062】
実施例1の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図3に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図4、画角に対する像高を表す図を図5に示す。この横収差図において、中央に示された角度は、(水平方向画角、垂直方向の画角)を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。なお、マイナスの画角は、水平方向画角については、Y軸正方向を向いて右回りの角度、垂直方向画角については、X軸正方向を向いて右回りの角度を意味する。以下、同じ。
【0063】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で共通に使用することなくすべて異なる面で構成した例である。
【0064】
光学系1は、前群Gfと、後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0065】
前群Gfは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群カバーガラスCfからなる。前群カバーガラスCfは、平行平板からなり、前群第1透過面11と、前群第1透過面11に対して像側に形成される前群第2透過面12とを有する。
【0066】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lを反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。
【0067】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、後2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0068】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群カバーガラスCfの前群第1透過面11と前群第2透過面12と、前群カバーガラスCfと透明媒体Lの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で反射コーティングにより像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0069】
この実施例1の仕様は、
画角 10.00〜60.0°
入射瞳径 φ0.20mm
像の大きさ φ0.11〜φ2.18
である。
【0070】
実施例2の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図6に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図7、画角に対する像高を表す図を図8に示す。
【0071】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で一部共通に使用するように構成した例である。
【0072】
光学系1は、中心軸2に同軸に配置された開口Sと、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0073】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lの中心軸付近を反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は、同一位置同一形状からなる。
【0074】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、第2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0075】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、中心軸2に同軸に配置された開口Sを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で一部が反射コーティング4a、他部が全反射により像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0076】
この実施例2の仕様は、
画角 20.00〜70.0°
入射瞳径 φ0.10mm
像の大きさ φ0.61〜φ2.00
である。
【0077】
実施例3の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図9に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図10、画角に対する像高を表す図を図11に示す。
【0078】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で一部共通に使用するように構成した例である。
【0079】
光学系1は、前群Gfと、後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0080】
前群Gfは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群屈折体Rfからなる。屈折体Rは、トーリック面からなる前群第1透過面11と、第1透過面11に対して像側に形成されるトーリック面からなる第2透過面12とを有する。
【0081】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lの中心軸付近を反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は、同一位置同一形状からなる。
【0082】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、後2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0083】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群屈折体Rfの前群第1透過面11と前群第2透過面12と、前群屈折体Rfと透明媒体Lの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で一部が反射コーティング4a、他部が全反射により像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0084】
この実施例3の仕様は、
画角 0.00〜70.0°
入射瞳径 φ0.40mm
像の大きさ φ0.60〜φ1.99
である。
【0085】
実施例4の光学系1の中心軸2に沿ってとった断面図を図12に示す。また、この実施例の光学系全体の横収差図を図13、画角に対する像高を表す図を図14に示す。
【0086】
本実施例は、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、光路内で一部共通に使用するように構成した例である。
【0087】
光学系1は、前群Gfと、後群Gbと、前群Gfと後群Gbの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとからなり、後群Gbは、後1群Gb1と後2群Gb2からなる。
【0088】
前群Gfは、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい前群屈折体Rfからなる。屈折体Rは、トーリック面からなる前群第1透過面11と、第1透過面11に対して像側に形成されるトーリック面からなる第2透過面12とを有する。
【0089】
後1群Gb1は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体Lからなる。透明媒体Lは、中心軸2上で球面からなる後1群第1透過面21と、透明媒体Lの中心軸付近を反射コーティング4aし、後1群第1透過面21に対して像側に形成され、拡張回転自由曲面からなり、負のパワーをもつ後1群第1反射面22と、透明媒体Lを反射コーティング4bし、後1群第1反射面22に対して像面5と反対側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2反射面23と、後1群第2反射面23より像面5側に配置され、拡張回転自由曲面からなり、正のパワーをもつ後1群第2透過面24とを有する。後1群第1反射面22と後1群第2透過面24は、同一位置同一形状からなる。
【0090】
後2群Gb2は、中心軸2の周りで回転対称な屈折率が1より大きい後2群カバーガラスCb2からなる。後2群カバーガラスCb2は、平行平板からなり、後2群第1透過面31と、後2群第1透過面31に対して像側に形成される後2群第2透過面32とを有する。
【0091】
光学系1は、光路Aを形成する。光路Aにおいて、光学系1の物体面3から入射する光束は、前群屈折体Rfの前群第1透過面11と前群第2透過面12と、前群屈折体Rfと透明媒体Lの間で中心軸2に同軸に配置された開口Sとを経て、透明媒体L内に入る。透明媒体Lでは、後1群第1透過面21を経て入り、後1群第1反射面22で一部が反射コーティング4a、他部が全反射により像面5と反対側に反射され、後1群第2反射面23で反射コーティングにより像面5側に反射され、後1群第2透過面24を経て透明媒体Lから外に出る略Z字状の光路を有する。その後、後2群カバーガラスCb2の後2群第1透過面31と後2群第2透過面32を経て、像面5の中心軸2から外れた半径方向の所定位置に円環状に結像する。
【0092】
この実施例4の仕様は、
画角 60.00〜120.0°
入射瞳径 φ0.07mm
像の大きさ φ0.78〜φ1.99
である。
【0093】
また、最大像高をImax(mm)、最小像高をImin(mm)、最大画角をθmax(度)、最小画角をθmin(度)、焦点距離F=(Imax−Imin)/(θmax−θmin)とし、光学系全体の外径をD(mm)、平行平面の保護ガラスを除いた光学系全長をL(mm)、第1反射面の曲率をR1、第2反射面の曲率をR2とするとき、
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
I max 1.09 1.00 1.00 1.00
θmax 60.00 70.00 30.00 70.00
I min 0.06 0.30 0.39 0.30
θmin 10.00 0.10 -30.00 20.00
F 0.021 0.010 0.010 0.014
D 6.400 3.000 2.700 5.00
L 4.650 4.250 3.500 2.30
D(2×Imax) 2.932 1.502 1.354 2.500
L(2×Imax) 2.130 2.128 1.755 1.150
R1 3.16 2.16 1.17 2.24
R2 3.88 2.26 1.58 2.77
R1/R2 0.81 0.96 0.74 0.81
である。
【0094】
以下に、上記実施例1〜4の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の“ASS”は非球面、“ERFS”は拡張回転自由曲面、“RE”は反射面を示す。なお、データの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は像面からの偏心量で表わす。
【0095】
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 10.00
1 ∞ 0.50 1.5163 64.1
2 ∞ 0.10
3 ∞(絞り) 0.00
4 5.34 0.00 1.8348 42.7
5 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
6 ERFS[2] 0.00 偏心(2) 1.8348 42.7
7 ERFS[3] 0.00 偏心(3)
8 ∞ 4.16
9 ∞ 0.40 1.5163 64.1
10 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 3.16
θ -37.17
R 0.41
C4 -5.0544E-02
ERFS[2]
RY 3.88
θ -65.60
R 2.86
C4 5.5888E-03 C5 5.8997E-04
ERFS[3]
RY 1.87
θ -44.02
R 1.97
C4 1.1369E-01
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.23
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.34
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z 2.45
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0096】
実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 10.00
1 ∞(絞り) 0.00
2 -7.33 0.00 1.8348 42.7
3 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
4 ERFS[2] 0.00 偏心(2) 1.8348 42.7
5 ERFS[1] 0.00 偏心(1)
6 ∞ 2.87
7 ∞ 0.40 1.5163 64.1
8 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 2.24
θ -15.03
R 0.34
C4 -3.9400E-02 C5 1.0547E-01
ERFS[2]
RY 2.77
θ -33.37
R 1.30
C4 9.6776E-03 C5 7.2508E-03
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 1.05
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 1.30 Z 0.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0097】
実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ 10.00
1 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
2 ERFS[2] 0.00 偏心(2)
3 ∞(絞り) 0.00
4 3.59 0.00 1.8348 42.7
5 ERFS[3] 0.00 偏心(3) 1.8348 42.7
6 ERFS[4] 0.00 偏心(4) 1.8348 42.7
7 ERFS[3] 0.00 偏心(3)
8 ∞ 2.12
9 ∞ 0.40 1.5163 64.1
10 ∞ 0.10
像 面 ∞
ERFS[1]
RY -0.76
θ 28.49
R -0.98
ERFS[2]
RY -1.28
θ 23.48
R -0.50
ERFS[3]
RY 2.16
θ -14.43
R 0.31
C4 -6.8178E-02 C5 1.4695E-01
ERFS[4]
RY 2.26
θ -33.01
R 1.06
C4 3.9712E-03 C5 9.6041E-03
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -1.38
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z -0.61
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.85
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0098】
実施例4
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ERFS[1] 0.00 偏心(1) 1.8348 42.7
2 ERFS[2] 0.00 偏心(2)
3 ∞(絞り) 0.00
4 2.51 0.00 1.8348 42.7
5 ERFS[3] 0.00 偏心(3) 1.8348 42.7
6 ERFS[4] 0.00 偏心(4) 1.8348 42.7
7 ERFS[3] 0.00 偏心(3)
8 ∞ 2.28
9 ∞ 0.00 1.5163 64.1
10 ∞ 0.00
像 面 ∞
ERFS[1]
RY 0.98
θ 29.80
R -0.65
ERFS[2]
RY 0.40
θ 72.98
R -0.46
ERFS[3]
RY 1.17
θ -24.14
R 0.30
C4 4.7714E-02
ERFS[4]
RY 1.58
θ -49.05
R 1.03
C4 1.6401E-03
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z -0.60
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z -0.48
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.73
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.47
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
【0099】
以上の実施例では、光学系1の中心軸2に同心に回転対称な屈折率が1より大きい透明媒体の透過面及び反射面を、拡張回転自由曲面で設計されている例であるが、拡張回転自由曲面が回転対称面と直交し、高次項を使用していない場合、球面と等価な構成となる。
【0100】
また、前群Gfの反射面、屈折面をそれぞれ任意形状の線分を中心軸2の周りで回転することにより形成され中心軸2上に面頂を有さない拡張回転自由曲面で設計しているが、それぞれ任意の曲面に置き換えてもよい。
【0101】
また、本発明の光学系は、回転対称面を形成する任意形状の線分を定義する式に奇数次項を含むものを用いることにより、偏心により発生する像面5の傾きや、絞りの逆投影時の瞳収差を補正している。
【0102】
また、本発明の前群Gfを構成する中心軸2の周りで回転対称な透明媒体Lはそのまま用いることにより、360°全方位の画角を有する画像を撮影したり投影できるが、その透明媒体を中心軸2を含む断面で切断して2分の1、3分の1、3分の2等にすることにより、中心軸2の周りの画角が180°、120°、240°等の画像を撮影したり投影するようにしてもよい。
【0103】
また、本発明の光学系は、中心軸(中心軸)2を垂直方向に向けて天頂を含む360°全方位(全周)の画角の画像を得る撮像あるいは観察光学系としてもよい。さらに、本発明は、撮影光学系、観察光学系に限定されず、光路を逆にとって天頂を含む360°全方位(全周)の画角に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。また、内視鏡は管内観察装置の全周観察光学系として用いることもできる。
【0104】
図15は、本実施例の画像と撮像素子の配置例を示す。図15(a)は、画面比が16:9の撮像素子を使用した例である。上下方向の画像は使用しない場合、光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると好ましい。図15(b)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、図15(a)と同様に上下方向の映像は使用しない場合を示す。図15(c)は、画面比が4:3の撮像素子50を使用し、光路Aでの画像A1に撮像素子50の大きさを合致させた例である。このように、配置をすると、光路Aの画像A1をすべて撮像することができる。
【0105】
以下に、本発明の光学系1の適用例として、撮影光学系101又は投影光学系102の使用例を説明する。図16は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明による撮影光学系101を用いた例を示すための図であり、図16(a)は、硬性内視鏡110の先端101に本発明による撮影光学系を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。図16(b)にその先端の概略の構成を示す。本発明によるパノラマ撮影光学系101の前群Gfの入射面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等からなるフレア絞り107が配置され、フレア光が入射するのを防止している。また、図16(c)は、軟性電子内視鏡113の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系101を同様に取り付けて、表示装置114に撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
【0106】
図17は、カプセル内視鏡120に本発明による撮影光学系101を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。本発明による撮影光学系101の光路Aにおける前群Gfの第1透過面11の周囲には円周方向に伸びる開口106を有するケーシング等に、フレア絞り107が形成され、フレア光が入射するのを防止している。
【0107】
図16及び図17に示すように、内視鏡に撮影光学系101を用いることにより、撮影光学系101の周囲の画像を撮像観察することができ、従来と異なる角度から様々な部位を撮像観察することができる。
【0108】
図18(a)は、自動車130の前方に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図であり、図18(b)は、自動車130の各コーナやヘッド部のポールの頂部に撮影光学系として本発明による撮影光学系101を複数取り付けて、車内の表示装置に各撮影光学系101を経て撮影された画像を、画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例を示す図である。この場合、図18(a)に示したように、光路Aの画像A1の左右の位置に撮像素子50の大きさを合致させると、左右の画像が広く撮像でき、好ましい。
【0109】
また、図19は、投影装置140の投影光学系として本発明による投影光学系102を用い、その像面5に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、投影光学系102を通して360°全方位に配置したスクリーン141に360°全方位画像を投影表示する例である。
【0110】
さらに、図20は、建物150の外部に本発明による撮影光学系101を用いた撮影装置151を取り付け、屋内に本発明による撮影光学系101を用いた投影装置151を配置し、撮影装置151で撮像された映像を電線152を介して投影装置140に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Pを、撮影光学系101を経て撮影装置151で撮影し、その映像信号を電線152を介して投影装置140に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、投影光学系102を通して屋内の壁面等に被写体Pの映像P'を投影表示するようにしている例である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の光学系の座標系を説明するための図である。
【図2】拡張回転自由曲面の原理を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図4】実施例1の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図5】実施例1の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図7】実施例2の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図8】実施例2の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図9】本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図10】実施例3の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図11】実施例3の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図12】本発明の実施例4の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。
【図13】実施例4の光学系全体の横収差図を示す図である。
【図14】実施例4の光学系全体の画角に対する像高を示す図である。
【図15】本発明の光学系の画像と撮像素子の配置例を示す図である。
【図16】本発明の光学系を内視鏡先端の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図17】本発明の光学系をカプセル内視鏡の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図18】本発明の光学系を自動車の撮影光学系として用いた例を示す図である。
【図19】本発明の光学系を投影装置の投影光学系として用いた例を示す図である。
【図20】本発明の光学系を屋外の被写体を撮影する撮影光学系として用いた例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
1…光学系
2…中心軸
5…像面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を含む断面内で、前記中心軸の周りで回転対称な光学系において、前記光学系は、前記中心軸上の物体側に配置された開口と、前記開口の像面側に配置され、屈折率が1より大きい透明媒体とを有し、前記透明媒体は、前記開口近傍の前記中心軸上に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、を有し、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、中心軸上で不連続な曲面で構成されており、前記透明媒体に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記開口を通り、前記第1透過面を経て前記透明媒体内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記透明媒体から像面側に外へ出る略Z字状の第1光路を構成し、前記第1光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間は、前記中心軸に対して片側のみで構成され、前記第1光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記反射面のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1反射面は、全反射作用と、反射コーティングにより反射するように構成され、前記反射コーティングは前記第1反射面の中心軸近傍のみに施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項5】
前記第1透過面と前記第2反射面は、前記透明媒体の物体側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光学系。
【請求項6】
前記第1反射面と前記第2透過面は、前記透明媒体の像面側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項7】
前記第1反射面と前記第2透過面は、同一位置同一形状からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学系。
【請求項8】
前記透明媒体の物体側及び/又は像面側に屈折体を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光学系。
【請求項9】
最大像高をImax、前記透明媒体の外径をDとするとき、
0.5<D/(2×Imax)<10 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光学系。
【請求項10】
最大像高をImax、前記開口から前記像面までの距離をLとするとき、
0.5<L/(2×Imax)<10 ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の光学系。
【請求項11】
第1反射面の曲率をR1、第2反射面の曲率をR2とするとき、
0.2<R1/R2<5 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光学系。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光学系を用いた内視鏡。
【請求項1】
中心軸を含む断面内で、前記中心軸の周りで回転対称な光学系において、前記光学系は、前記中心軸上の物体側に配置された開口と、前記開口の像面側に配置され、屈折率が1より大きい透明媒体とを有し、前記透明媒体は、前記開口近傍の前記中心軸上に配置された第1透過面と、前記第1透過面より像面側に配置され、像面側に凹面を向けた第1反射面と、前記第1反射面より像面と反対側に配置され、像面側に凹面を向けた第2反射面と、前記第2反射面より像面側に配置された第2透過面と、を有し、前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、中心軸上で不連続な曲面で構成されており、前記透明媒体に入射する光束は、順光線追跡の順に、前記開口を通り、前記第1透過面を経て前記透明媒体内に入り、前記第1反射面で像面と反対側に反射され、前記第2反射面で像面側に反射され、前記第2透過面を経て前記透明媒体から像面側に外へ出る略Z字状の第1光路を構成し、前記第1光路の少なくとも前記第1反射面と前記第2反射面の間は、前記中心軸に対して片側のみで構成され、前記第1光路中に中間像が結像されることなく、像面に円環状に結像されることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記反射面のうち少なくとも1面は、対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記第1反射面と前記第2反射面のうち少なくとも1面は、奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形状される拡張回転自由曲面で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1反射面は、全反射作用と、反射コーティングにより反射するように構成され、前記反射コーティングは前記第1反射面の中心軸近傍のみに施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項5】
前記第1透過面と前記第2反射面は、前記透明媒体の物体側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光学系。
【請求項6】
前記第1反射面と前記第2透過面は、前記透明媒体の像面側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学系。
【請求項7】
前記第1反射面と前記第2透過面は、同一位置同一形状からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学系。
【請求項8】
前記透明媒体の物体側及び/又は像面側に屈折体を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の光学系。
【請求項9】
最大像高をImax、前記透明媒体の外径をDとするとき、
0.5<D/(2×Imax)<10 ・・・(1)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光学系。
【請求項10】
最大像高をImax、前記開口から前記像面までの距離をLとするとき、
0.5<L/(2×Imax)<10 ・・・(2)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の光学系。
【請求項11】
第1反射面の曲率をR1、第2反射面の曲率をR2とするとき、
0.2<R1/R2<5 ・・・(3)
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光学系。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の光学系を用いた内視鏡。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−80412(P2009−80412A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251102(P2007−251102)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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