説明

光学装置

【課題】ターゲットでの合焦された像と源の像との間で単位拡大またはほぼ単位拡大を達成し、それにより、ターゲットで最大の合焦強度を発生する。
【解決手段】コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40は、以下からなるグループから選択されたコリメーティング/合焦リフレクタ対を含む:1対のリフレクタの各リフレクタは、源20とターゲット60上に合焦された像とを同じサイズとする単位拡大を達成するように、互いに対して対応のサイズおよび光学的配向を有し、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40の楕円面/双曲面対を含む1対のリフレクタであって、源20に対してターゲット60上に合焦された像を約0.5から約5の倍率のサイズとするほぼ単位拡大を達成するように、互いに対して対応のサイズおよび光学的配向を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2000年3月29日に出願された米国仮出願番号第60/192,879号と、2000年1月28日に出願された米国仮出願番号第60/178,700号と、1999年7月1日に出願された米国仮出願番号第60/141,832号の利益を請求し、その内容はここに引用により援用される。
【0002】
この発明は、電磁放射を集光するためのシステムに関し、特に、放射源から放出された放射を集め、集められた放射をターゲットに合焦するためのパラボラリフレクタを組込むシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
シングルファイバもしくはファイババンドルなどの標準の導波管への電磁放射、またはプロジェクタのホモジナイザへの出力を集め、集光し、結合するシステムの機能目的は、ターゲットでの電磁放射の輝度を最大化することである(すなわち、束強度を最大化することである)。先行技術は、球面リフレクタ、楕円リフレクタおよびパラボラリフレクタを伴なう、いわゆる軸上(オンアクシス)リフレクタシステムと、球面リフレクタ、トロイダルリフレクタおよび楕円リフレクタを伴なう軸外れ(オフアクシス)リフレクタシステムとの使用を教示する。ターゲットが、電磁源のアークギャップのサイズと同様である寸法を有する場合、軸外れリフレクタシステムは、ターゲットで、軸上システムよりも高い効率および輝度を達成し、それにより、光ファイバターゲットによって集めることのできる光の量を最大化する。電磁源のアークギャップよりもはるかに大きい寸法を有するターゲットについては、軸上および軸外れリフレクタシステムの両方が、放射源からの放射を導波管に集め集光し結合するために有効である。
【0004】
軸上システムの欠点は、それらが本質的に、放射源からの放射を、放出された放射の方向に依存するより大きい像に向け直し、このため、放射源がインコヒーレントであるとき放射を可能な限り小さいスポットに集中させるという目的を阻止することである。たとえば、公知の軸上楕円システムは、電磁放射の放出角に依存して、2から8の範囲の倍率を発生する。さまざまに拡大された放射ビームは互いに重ね合わされ、それにより、集められた像のディストーションおよび拡大をもたらす。
【0005】
さらに、楕円集光システムは、平行な(すなわち、コリメートされた)放射ビームを発生しない。コリメートされたビームは、必要とされるとき集められた放射のフィルタリングを促進することができるので、これは不利益である。
【0006】
公知の軸上パラボラシステムでは、反射されたビームの発散も、放射源からの放出角に依存する。さらに、そのようなシステムは、完全な条件下では、歪曲された像を発生するが、実際には典型的には、像サイズを有効に増大させ輝度または束強度を低減する、不良な収差像を発生する1つ以上の合焦レンズの使用を必要とする。さらに、軸上システムの出力は、常に円形に対称であり、それゆえ、非円形のターゲットには好適でない可能性がある。
【0007】
米国特許番号第4,757,431号は、小さいターゲットを照明する最大束強度および小さいターゲットによる集光可能な光束密度の量を増大させる軸外れ球面凹リフレクタを採用する、改良された集光システムを記載する。このシステムは、軸外れ凹面リフレクタが楕円である米国特許番号第5,414,600号と、軸外れ凹面リフレクタが円環状である米国特許番号第5,430,634号とにおいてさらに改良された。′634特許に記載されたトロイダルシステムは、非点収差を補正し、′600特許の楕円システムは、′431特許の球面リフレクタよりも正確な結合を可能とするが、これらのシステムの各々は、高湾曲反射面への光学コーティングの塗布を必要とする。そのような湾曲表面への光学コーティングの塗布は高価であり、一様なコーティング厚さを達成することが困難である。さらに、そのようなシステムでは、源の像は、源からターゲットへ比較的小さい空間に直接合焦され、それにより、空間の欠如のためにフィルタおよび減衰器などの他の光学要素の挿入を困難にしてしまう。
【0008】
分光学の分野では、電磁放射を被試験試料の非常に小さいスポットに合焦し、その後試料によって反射される放射を集めることが必要である。軸外れパラボラリフレクタがこの目的のために使用されている。米国特許番号第3,986,767号は、軸外れ放物面を用いて、平行なビームが小さいスポットに被試験試料の上に直接合焦されるシステムを示す。米国特許番号第Re32,912号は、放物面を使用し、ある反射放物面を用いて光が被試験試料の上に合焦され、その同じ焦点からの光が第2の反射放物面を用いて集められることを示す。米国特許番号第4,473,295号は、放射を被試験試料に合焦しこれから集めるために反射放物面を用いるさらに別の構成を記載する。
【0009】
米国特許番号第5,191,393号およびその対応欧州特許番号第0401 351 B1は、小さい特徴部の光学的測定を行なうために、クリーンルームの外側の場所からクリーンルームの内側の場所に光が透過されるシステムを記載する。光を集め透過するための記載された構成の1つは、アークランプ、2つのパラボラリフレクタ、シングルファイバターゲット、および不必要な波長をフィルタリングするための透過性ダイクロイックフィルタを含む。第1のパラボラリフレクタは、フィルタリングリフレクタから源から反射される光を集め、コリメートされたビームを生成する。コリメートされたビームは、第2のパラボラリフレクタに衝突するより前に1つ以上のさらなるフィルタを通過してもよく、第2のパラボラリフレクタは、コリメートされたビームをシングルファイバターゲットに集め合焦する。しかしながら、これらの文献のいずれも、ターゲットでの最小のディストーションで最大の束強度を獲得するように、源と合焦された像との間の単位拡大を達成するためのシステムを記載していない。
【0010】
したがって、ターゲットで合焦された放射ビームの束強度を最大化する、パラボラリフレクタを用いる電磁放射を集光する方法を提供することが必要とされている。
【0011】
【特許文献1】米国特許番号第4,757,431号
【特許文献2】米国特許番号第5,414,600号
【特許文献3】米国特許番号第5,430,634号
【特許文献4】米国特許番号第3,986,767号
【特許文献5】米国特許番号第Re32,912号
【特許文献6】米国特許番号第4,473,295号
【特許文献7】米国特許番号第5,191,393号
【特許文献8】欧州特許番号第0 401 351B1
【発明の開示】
【0012】
本発明の局面に従えば、電磁放射を集光するための改良されたシステムは、パラボラリフレクタを採用し、ターゲットでの合焦された像と源の像との間で単位拡大またはほぼ単位拡大を達成し、それにより、ターゲットで最大の合焦強度を発生する。特に、本発明は、電磁放射源から電磁放射を集め、集められた放射を、源によって放出された電磁放射の少なくとも一部で照明されるべきターゲットに合焦するための光学装置に向けられる。装置は、コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタを含む。コリメーティングリフレクタは、回転放物面の少なくとも一部を含み、光学軸および光学軸上の焦点を有する。コリメーティングリフレクタの焦点に近接して位置する源は、光学軸と平行な方向にコリメーティングリフレクタから反射された放射のコリメートされた光線を発生する。合焦リフレクタは、回転放物面の少なくとも一部を含み、光学軸および光学軸上の焦点を有する。合焦リフレクタは、コリメーティングリフレクタから反射された放射のコリメートされた光線が合焦リフレクタによって反射され、合焦リフレクタの焦点に近接して位置するターゲットに向けて合焦されるように、コリメーティングリフレクタに対して位置決めされ配向される。コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタは、コリメーティングリフレクタの表面部によって反射された放射の各光線が、ターゲットに向けて合焦リフレクタの対応する表面部によって反射され、実質的に単位拡大を達成するように、わずかに異なった形状または実質的に同じサイズおよび形状を有し互いに対して光学的にほぼ対称に配向され得る。
【0013】
コリメーティングリフレクタから離れる方向に源によって放出された放射を捕獲し、捕獲された放射を源を通って戻り(すなわち、コリメーティングリフレクタの焦点を通って)コリメーティングリフレクタの方へ反射し、それにより、そこから反射されたコリメートされた光線の強度を増大させるために、コリメーティングリフレクタと関連付けてリトロリフレクタが使用されてもよい。
【0014】
コリメートおよび合焦リフレクタは、それぞれの光学軸が同一線上に配置された対向して面する関係で配置され得り、または、それらは、それらの光学軸が互いに対してある角度で配置されて配置され得り、この場合には、リダイレクティングリフレクタを採用して、合焦リフレクタの方へコリメーティングリフレクタによって反射されたコリメートされた光線を向け直す。
【0015】
代替的に、コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタは、コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタの一方が実質的に楕円形状を有し、コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタの他方が対応の実質的に双曲面形状を有する、楕円面/双曲面対を含み、楕円面/双曲面対の各リフレクタは、コリメーティングリフレクタの表面部によって反射された放射の各光線が、合焦リフレクタの対応する表面部によってターゲットの方へ反射され、好ましくは、源とターゲットに合焦された像との間にほぼ単位拡大を達成するように、互いに対して対応するサイズおよび光学的配向を有する。用途に依存して、1以外のより大きいまたはより小さい倍率が使用可能であり、結果として低減された輝度を生じる、すなわち約0.5から約5の倍率である。
【0016】
フィルタまたは他の光学的要素が、コリメーティングリフレクタと合焦リフレクタとの間に配置可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施例は、さまざまな図面において同様の要素または特徴が同様の参照番号によって表わされる、添付の図面を参照して記載される。
【0018】
図面を参照して、この発明の例示の実施例を記載する。これらの実施例は、この発明の原理を例示し、この発明の範囲を制限するものと解釈されるべきでない。
【0019】
本発明の典型的実施例を示す図1を参照し、この発明はこれと関連付けられた以下の4つの主なコンポーネントを有する。
【0020】
1. 電磁源
電磁源20は、好ましくは、エンベロープ22を有する光源である。最も好ましくは、電磁源20は、キセノンランプ、ハロゲン化金属ランプ、HIDランプまたは水銀ランプなどのアークランプを含む。ある種の用途では、以下により詳細に記載するように、システムがランプの透明フィラメントに対応するよう変形されるならば、たとえばハロゲンランプなどのフィラメントランプが使用可能である。
【0021】
2. コリメーティングリフレクタ
コリメーティングリフレクタ30は、光学軸38および焦点36を有する回転放物面の一部を含む。図2に示す実施例では、コリメーティングリフレクタ30は、回転放物面の第1の四分円32および第2の四分円34を含む。代替的に、コリメーティングリフレクタ30は、回転放物面の単一四分円、より多くまたはより少なくを含んでもよい。コリメーティングリフレクタ30は、好ましくは、反射コーティング(たとえばアルミニウムまたは銀)を有し、表面は高度に研磨される。ある種の用途では、コリメーティングリフレクタ30は、波長選択的多層誘電体コーティングで被覆されるガラスからなり得る。たとえば、可視波長においてのみ高反射率のコールドコーティングが、可視光線の応用では使用可能である。コリメーティングリフレクタの焦点36に配置された電磁源20により、リフレクタ30と接触する電磁放射は、リフレクタ30の光学軸38に平行してコリメートされたビームとして反射される。電磁源20がアークランプである場合、アークギャップは好ましくは、コリメーティングリフレクタ30の焦点距離と比べて小さい。
【0022】
3. 合焦リフレクタ
合焦リフレクタ40は、光学軸48および焦点46を有する回転放物面の一部を含む。図2に示すように、合焦リフレクタ40は、回転放物面の第1の四分円42および第2の四分円44を含む。代替的に、合焦リフレクタ40は、回転放物面の単一四分円、より多くまたはより少なくを含んでもよい。合焦リフレクタ40は、コリメーティングリフレクタ30と、わずかに異なった形状であってもよく、または、実質的に同じサイズで実質的に同じ形状であってもよい。たとえば、コリメーティングリフレクタ30が回転放物面の単一四分円を含むならば、合焦リフレクタ40は、実質的に、同じ回転放物面の単一四分円であるべきである。
【0023】
合焦リフレクタ40は、コリメーティングリフレクタ30によって反射されたコリメートされた電磁放射が合焦リフレクタ40の放物面に当り、その後合焦リフレクタ40の焦点46の方へ焦点合わせされるように、位置決めされ配向される。コリメーティングリフレクタ30と合焦リフレクタ40との間の単位拡大(すなわち、電磁源と実質的に同じサイズである合焦された像)を達成するために、コリメーティングリフレクタ30の表面部によって反射されコリメートされた電磁放射の各光線が、最大可能輝度である焦点46での焦点を達成するために、合焦リフレクタ40の対応の表面部によって反射され合焦されることが重要である。この開示の文脈では、コリメーティングリフレクタ30の表面部によってコリメートされた電磁放射の各光線が合焦リフレクタ40の対応の表面部によって合焦されるように、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40を互いに対して配向し位置決めすることを、リフレクタを互いに対して「光学対称」に位置決めするという。
【0024】
4. ターゲット
ターゲット60は、可能な限り最高の強度での照明を必要とする小さい物体である。好ましい実施例では、ターゲット60は、シングルコア光ファイバ、光ファイバの溶着されたバンドル、ファイババンドル、またはホモジナイザなどの導波管である。ターゲットの入力端、たとえば光ファイバの近端は、合焦リフレクタ40の焦点に位置決めされ、合焦リフレクタ40によって反射された電磁放射の合焦された光線をそこで受取る。
【0025】
上述したように、ターゲット60は導波管であり得、図8a〜図8fに示すように断面が多角形、または図9に示すように断面が円形であり得る。さらに、ターゲット60は、図10aに示すように先太になる導波管、または図10bに示すように先細になる導波管であり得る。
【0026】
ターゲットおよび電磁源は、本発明の集光システムと密接に関連付けられるが、そのより広い局面に従って、この発明は、互いに対して光学対称であるように配置された実質的に同じサイズおよび形状の2つのパラボラリフレクタの使用に関する。
【0027】
集光システムの記載を続けると、図1に示す配置では、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40は、互いの方に凹状であるように互いに対して対向して面する関係で位置決めされる。光学対称は、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40を、それぞれの光学軸38および48が同一線上になるように、かつ、コリメーティングリフレクタ30の反射面が合焦リフレクタ40の対応の反射面と対向して面する関係にあり単位拡大を達成するように配置することによって、図1の配置において達成される。
【0028】
代替の実施例では、図1を参照して、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40は、楕円面/双曲面対であるコリメーティング/合焦リフレクタ対を含み、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40の1つが、それぞれ、実質的に楕円面の形状を有し、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40の他方が、それぞれ、対応の実質的に双曲面の形状を有し、楕円面/双曲面対の各リフレクタは、コリメーティングリフレクタ30の表面部によって反射される放射の各光線が、ターゲットの方へ合焦リフレクタ40の対応の表面部によって反射されて、好ましくは電磁源とターゲット上に合焦された像との間にほぼ単位拡大を達成するように、互いに対して対応のサイズおよび光学的配向を有する。用途に依存して、1以外のより大きいまたはより小さい倍率が低減された輝度で使用可能である、すなわち約0.5から約5の倍率である。
【0029】
図2に示すように、コリメーティングリフレクタが回転放物面の第1の四分円32および第2の四分円34を含み、合焦リフレクタ40が同様のサイズおよび形状の回転放物面の第1の四分円42および第2の四分円44を含む場合、2つのターゲット、すなわちファイバ60aおよび60bを収容して2つの独立した出力を達成することが可能である。例示の実施例では、出力60aは、コリメーティングリフレクタ30の第2の四分円34および合焦リフレクタ40の第2の四分円44から電磁放射を受取る。出力60bは、コリメーティングリフレクタ30の第1の四分円32および合焦リフレクタ40の第1の四分円42から電磁放射を受取る。2つのファイバ60aおよび60の同時的な配置を可能とするために、合焦リフレクタ40の第1の四分円42および第2の四分円44は、合焦リフレクタ40の光学軸に沿って少量だけ互いから空間的にオフセットされなければならない。
【0030】
図1および図2に示すように、本発明の集光システムは、例示の実施例では球面リトロリフレクタであるリトロリフレクタ50の使用を組込み得る。リトロリフレクタ50は、電磁源20によって放出され他の態様ではコリメーティングリフレクタ30に当らないであろう電磁放射を捕獲するように位置決めされる。より特定的には、球面リトロリフレクタ50は、コリメーティングリフレクタ30から離れる方向に電磁源20によって放出される放射が、コリメーティングリフレクタ30の焦点36を通って戻りその後にコリメーティングリフレクタ30に向かって反射されるように、構成および配置される。コリメーティングリフレクタ30によって反射されたこのさらなる放射は、コリメートされ、電磁源20から直接コリメーティングリフレクタ30に当る放射に加えられ、それにより、合焦リフレクタ40の方へ反射されるコリメートされた放射の強度を増大させる。したがって、合焦リフレクタ40の焦点46の放射の強度も増大される。
【0031】
フィラメントランプが電磁源20として採用されるならば、逆反射された放射は焦点36に位置する不透明なフィラメントによって遮断されてしまうので、リトロリフレクタは、コリメーティングリフレクタ30の焦点36を通って戻る放射を合焦するように配向されることができない。この場合には、リトロリフレクタ50の位置は、逆反射された放射が焦点36を正確に通過しないように調節されるべきである。
【0032】
球面リトロリフレクタの代替として、逆反射機能は、電磁源20のアークサイズまたはそれより小さいオーダでサイズ決めされた単位要素を備える2次元コーナキューブアレイ(図示せず)によって行なうことができる。2次元コーナキューブアレイを採用することは、リトロリフレクタを正確に位置決めする必要をなくし、電磁源20のアークでより密な焦点を発生する。
【0033】
図1に示すように、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40を分離する空間的距離のために、フィルタ56などのさまざまな光学要素が、リフレクタ30と40との間に挿入され得る。リフレクタ30と40との間で透過される電磁放射はコリメートされているので、そのような光学要素は、単純な形状および設計が可能である。図1に示すように、フィルタ56は平面フィルタである。
【0034】
図3は、本発明の集光システムの代替の配置を示す。図3の配置では、ターゲット62はもはや、シングル光ファイバではなく、光ファイバのバンドル62である(ただし、図示の配置は上述のターゲットのいずれとも使用可能である)。さらに、図3の配置では、光学軸48′および焦点46′を有する合焦リフレクタ40′は、コリメーティングリフレクタ30に対してオフセットされる。すなわち、合焦リフレクタ40′の光学軸48′は、図1および図2の実施例においてのように、コリメーティングリフレクタ30の光学軸38と同一線上にない。コリメーティングリフレクタ30と合焦リフレクタ40′との光学対称(すなわち単位拡大)は、コリメーティングリフレクタ30と実質的に同じサイズおよび形状の合焦リフレクタ40′を採用することにより、かつ、コリメーティングリフレクタ30から反射されたコリメートされた電磁放射の経路にリダイレクティングリフレクタ64を正確に位置決めすることにより、達成される。リダイレクティングリフレクタ64は、反射された放射もコリメートされるように平坦なリフレクタ(フラットリフレクタ)である。リダイレクティングリフレクタ64および合焦リフレクタ40′は、向き直されコリメートされた放射が、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40′の両方の対応する表面部から反射されるように、正確に位置決めされる。
【0035】
空間的または他の制限によって、コリメーティングリフレクタ30および合焦リフレクタ40′が、それぞれの光学軸38,48′が互いに同一線上になるように配置されることが可能でない状況において、図3に示す配置は使用可能である。光学対称が維持される限り、合焦リフレクタおよびコリメーティングリフレクタのさらなる空間的変動を可能とするために、1つ以上のさらなるリダイレクティングリフレクタが採用され得ることが理解される。
【0036】
リダイレクティングリフレクタ64は単純なリフレクタであってもよく、または、それは反射フィルタであってもよい。
【0037】
本発明の集光システムの別の代替の配置が図4に示される。図4の配置では、球面リトロリフレクタ50は、好ましくはコリメーティングリフレクタ30の、それぞれ光学軸38および焦点36と一致する光学軸78および焦点76を有する回転放物面を含む2次コリメーティングリフレクタ70と置換される。2次コリメーティングリフレクタ70は、好ましくは、コリメーティングリフレクタ30と同じサイズおよび形状である。すなわち、コリメーティングリフレクタ30が回転放物面の単一四分円を含むならば、2次コリメーティングリフレクタ70も、同様の回転放物面の単一四分円を含むであろう。
【0038】
フラットリフレクタ72は、2次コリメーティングリフレクタ70の出力端において光学軸78と実質的に垂直に位置決めされる。図面に示すように、コリメーティングリフレクタ30から離れて電磁源20によって放出される放射は、2次コリメーティングリフレクタ70によって反射されコリメートされる。リフレクタ70によって反射され、光学軸78と平行であるコリメートされた放射は、フラットリフレクタ72から2次コリメーティングリフレクタ70に戻って反射し、その後、焦点76および36に戻って通りコリメーティングリフレクタ30の方へ反射され、それにより、合焦リフレクタ40の方へ反射されるコリメートされた放射の強度を増大させる。したがって、2次コリメーティングリフレクタ70およびフラットリフレクタ72はともにリトロリフレクタとして機能する。
【0039】
コリメーティングリフレクタおよび2次コリメーティングリフレクタが各々回転放物面の2つの四分円を含んで、併せてそれらが完全な回転放物面を規定するならば、2次コリメーティングリフレクタ四分円の各々は、正反対に対向するコリメーティングリフレクタ四分円の方へ放射を逆反射する。
【0040】
本発明の集光システムの別の代替の配置が図5aおよび図5bに示される。図5aの配置では、システムは、陽極84と、陰極支持部材86によって支持される陰極82と、陽極と陰極との間で、図5aの集光システムの源を構成するアーク87とを有するサーマックスランプ(cermax lamp)80を含む。サーマックスランプ80は、窓88によってその開いた端が覆われたパラボラミラー81を含む。回転放物面の第1の四分円92および第2の四分円94を含むパラボラミラー81の上半分は、システムのコリメーティングリフレクタ90を構成する。回転放物面の第3の四分円102および第4の四分円104を含むパラボラリフレクタ81の下半分は、2次コリメーティングリフレクタ100の、それぞれ第1および第2の四分円を構成する。コリメーティングリフレクタ90は、焦点96および光学軸98を有し、2次コリメーティングリフレクタ100は、コリメーティングリフレクタ90のそれぞれ焦点96および光学軸98と一致する焦点106および光学軸108を有する。フラットリフレクタ110が、2次コリメーティングリフレクタ100の開いた端の正面に配設され、その光学軸108と垂直になるように配置される。
【0041】
図4の配置とほとんど同じように、直接コリメーティングリフレクタ90の方へアーク87で放出された放射は、光学軸98と平行であるコリメートされた光線で、合焦リフレクタ40の方へ反射される。コリメーティングリフレクタ90から離れてアーク87によって放出された放射は、フラットリフレクタ110に向かって2次コリメーティングリフレクタ100によって反射されコリメートされる。その後、放射は、フラットリフレクタ110によって2次コリメーティングリフレクタ100へ戻り、焦点96を通ってコリメーティングリフレクタ90に反射される。したがって、2次コリメーティングリフレクタ100およびフラットリフレクタ110はともにリトロリフレクタとして機能する。コリメーティングリフレクタ90に直接放出された放射とともに、逆反射された放射は、コリメーティングリフレクタ90の第1および第2の四分円92および94によってコリメートされ、窓88を通ってサーマックスランプ80から出ていく平行なビームとなる。ターゲットで合焦された像の単位拡大を達成するために、サーマックスランプのコリメーティングリフレクタ部90と同じサイズおよび形状である、光学軸48および焦点46を有する合焦リフレクタ40は、コリメーティングリフレクタ90に対して光学対称に位置決めされる。コリメーティングリフレクタ90によって反射されるコリメートされた放射は、合焦リフレクタ40によってアーク87のサイズと同様のサイズを有する合焦された像に合焦される。
【0042】
図6および図7は、回転放物面全体の反射出力が、光学軸128および焦点126を有する回転放物面の単一四分円を含む合焦リフレクタ120に集光される、本発明の集光システムの別の代替の配置を示す。特に、パラボラリフレクタ110は、光学軸118および焦点116を有し、回転放物面の単一四分円を含むコリメーティングリフレクタ112を規定する。パラボラリフレクタ110はさらに、光学軸138および焦点136を有する第1の2次コリメーティングリフレクタ130と、光学軸148および焦点146を有する第2の2次コリメーティングリフレクタ140と、光学軸158および焦点156を有する第3の2次コリメーティングリフレクタとを規定する。焦点116、136、146および156は、好ましくは、光学軸118、138、148および158と同様に、互いと一致する。
【0043】
リダイレクティングリフレクタ168は、リフレクタ112のコリメートされた反射出力を、コリメーティングリフレクタ112に対して光学的に対称になるように位置決めされ配置された合焦リフレクタ120の方へ向け直すように、コリメーティングリフレクタ112に対して作動的に位置決めされる。リフレクタ168は単純なリフレクタであってもよく、または反射フィルタであってもよい。
【0044】
第1のフラットリフレクタ160は、第1の2次コリメーティングリフレクタ130の正面に作動的に位置決めされ、光学軸138に垂直になるように配置される。リフレクタ160は、リフレクタ130へ、第1の2次コリメーティングリフレクタ130のコリメートされた出力を反射し返し、リトロリフレクタとして機能する。その後、逆反射された放射は、焦点136に戻り、第2の2次コリメーティングリフレクタ140の方へ反射される。
【0045】
第2のフラットリフレクタ162および第3のフラットリフレクタ164は、互いに直角に配置され、それぞれ、第2の2次コリメーティングリフレクタ140および第3の2次コリメーティングリフレクタ150の正面に作動的に位置決めされる。第2および第3のフラットリフレクタ162および164を交差する直角によって形成される頂点166は、光学軸118、138、148および158に対して直角に配置される。第2の2次コリメーティングリフレクタ140のコリメートされた出力は、第2のフラットリフレクタ162から第3のフラットリフレクタ164へ、その後第3の2次コリメーティングリフレクタ150へ戻るように反射される。このように逆反射された放射は、第3の2次コリメーティングリフレクタ150によってその焦点156を通って戻りコリメーティングリフレクタ112へ、その後、リダイレクティングリフレクタ168によって向け直された後、合焦リフレクタ120へと向けられる。
【0046】
第3の2次コリメーティングリフレクタ150のコリメートされた出力は、第3のフラットリフレクタ164から第2のフラットリフレクタ162に反射され、その後、第2の2次コリメーティングリフレクタ140に逆反射される。このように逆反射された放射は、第2の2次コリメーティングリフレクタ140によって、焦点146を通って戻り第1の2次コリメーティングリフレクタ130に向けられる。
【0047】
したがって、コリメーティング四分円112、130、140および150の各々によって集められた光は、合焦リフレクタ120によってターゲット122に集中され焦点合わせされることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に従う集光システムの実施例を断面で示す概略図である。
【図2】本発明に従う集光システムの斜視図である。
【図3】本発明の集光システムの代替の実施例を断面で示す概略図である。
【図4】本発明の集光システムの別の代替の実施例を断面で示す概略図である。
【図5a】本発明の集光システムのさらに別の代替の実施例を断面で示す概略図である。
【図5b】線A−Aによって示される方向から見た図5aの実施例の端面図である。
【図6】本発明の集光システムのさらに別の代替の実施例の斜視図である。
【図7a】断面線A−Aによって示される方向から見た図6の実施例を断面で示す概略図である。
【図7b】断面線B−Bの方向から見た図6の実施例を断面で示す概略図である。
【図8a】本発明の実施例で採用され得る、多角形導波管ターゲットの概略図である。
【図8b】本発明の実施例で採用され得る、多角形導波管ターゲットの概略図である。
【図8c】本発明の実施例で採用され得る、多角形導波管ターゲットの概略図である。
【図8d】本発明の実施例で採用され得る、多角形導波管ターゲットの概略図である。
【図8e】本発明の実施例で採用され得る、多角形導波管ターゲットの概略図である。
【図8f】本発明の実施例で採用され得る、多角形導波管ターゲットの概略図である。
【図9】この発明に利用され得る円形断面の導波管ターゲットの概略図である。
【図10a】この発明のある実施例に従う先太の導波管ターゲットを示す概略的側面図である。
【図10b】別の実施例に従う先細の導波管ターゲットを示す概略的側面図である。
【符号の説明】
【0049】
20 電磁放射源
30、90,112 コリメーティングリフレクタ
40、40′、120 合焦リフレクタ
60、62、122 ターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射源と、
前記源によって放出された電磁放射の少なくとも一部で照明されるべきターゲットと、
光学軸および前記光学軸上の焦点を有するコリメーティングリフレクタとを含み、前記源は、前記コリメーティングリフレクタの前記焦点に近接して位置して、前記光学軸に実質的に平行な方向に前記コリメーティングリフレクタから反射される放射のコリメートされた光線を発生し、さらに、
回転放物面の少なくとも一部を含む合焦リフレクタを含み、前記合焦リフレクタは、光学軸および前記光学軸上の焦点を有し、前記ターゲットは、前記合焦リフレクタの前記焦点に近接して位置し、前記合焦リフレクタは、前記コリメーティングリフレクタから反射された放射のコリメートされた光線が前記合焦リフレクタによって反射され実質的に前記ターゲットの方へ合焦されるように、前記コリメーティングリフレクタに対して位置決めされ配向され、
前記コリメーティングリフレクタおよび前記合焦リフレクタは、以下からなるグループから選択されたコリメーティング/合焦リフレクタ対を含む:
(a)1対のリフレクタであって、前記1対のリフレクタの各リフレクタは、実質的回転放物面の少なくとも一部を含みほぼ同じサイズおよび形状を有し、コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタは、前記コリメーティングリフレクタの表面部によって反射された放射の各光線が前記合焦リフレクタの対応の表面部によって前記ターゲット方へ反射されて、源と前記ターゲット上に合焦された像とを同じサイズとする単位拡大を達成するように、互いに対して対応のサイズおよび光学的配向を有し、
(b)コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタの楕円面/双曲面対を含む1対のリフレクタであって、楕円面/双曲面対のコリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタの一方は実質的に楕円の形状を有し、コリメーティングリフレクタおよび合焦リフレクタの他方は対応の実質的に双曲面の形状を有し、楕円面/双曲面対の各リフレクタは、前記コリメーティングリフレクタの表面部によって反射された放射の各光線が、前記合焦リフレクタの対応の表面部によって前記ターゲットの方へ反射されて、源に対して前記ターゲット上に合焦された像を約0.5から約5の倍率のサイズとするほぼ単位拡大を達成するように、互いに対して対応のサイズおよび光学的配向を有する、光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【公開番号】特開2009−122686(P2009−122686A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324206(P2008−324206)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【分割の表示】特願2001−507978(P2001−507978)の分割
【原出願日】平成12年6月28日(2000.6.28)
【出願人】(505315395)ウェイヴィーン・インコーポレイテッド (12)
【住所又は居所原語表記】29023 THE OLD ROAD,VALENCIA, CALIFORNIA 91355, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】