説明

光導波路デバイス

【課題】光源からの光を、長方形状のパネルの長辺側と短辺側とに均等に分配することができるとともに、光源とコアとの間の調芯に高い精度が要求されることのない光導波路デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の光導波路デバイスD1は、長方形状のパネルPの縁に沿った額縁部に、光源10と、光源10側の共通部1aから互いに直交する2方向に分岐する分岐状コア1を有する光導波路とを備え、上記共通部1aは、上記額縁部の角部に配置され、上記分岐状コア1は、その共通部1aから上記パネルPの長辺Xに沿って直線状に延びる第1のコア部1bと、上記共通部1aの分岐点Jからアーチ状に湾曲しそれより先端側がパネルPの短辺Yに沿って直線状に延びる第2のコア部1cとからなり、第2のコア部1bのコア幅(W2)が、第1のコア部1bのコア幅(W1)より広くなっている(W1<W2)という構成をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式タッチパネルや光学式形状センサ等、長方形状のパネルからなる検知領域の縁部に配置され、この検知領域内に光の格子を形成する光導波路デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルにおける触れ位置の検知手段の一つとして、光導波路を用いて指等の位置を光学的に検出する光学的検出手段が用いられている(特許文献1,2)。
【0003】
この光学的検出手段は、長方形状のパネル(またはスクリーン等)の、角部を挟む左右の側部に設置された光出射側の光導波路(光導波路デバイス)の出射部から、多数の光(略平行な光)を、上記パネルの検知領域を挟んでそれぞれ対向する他側部に向けて出射(投射)し、この検知領域内に光の格子を形成するとともに、パネルの他側部に設置された光入射側の光導波路の入射部に入射した光を、受光素子等で検知するようになっている。そして、この状態で、指等の物体が、上記検知領域内の出射光の一部を遮断すると、その遮断された部分が、光入射側の光導波路に繋がる受光素子等で感知され、上記指等が触れた部分の位置(x,y方向位置)が特定される。
【0004】
図3は、上記タッチパネル等に用いられている従来の光出射側光導波路デバイスのコアパターンを模式的に示す図である。なお、図中の符号Pは長方形状のパネルであり、その長辺側をX側(x方向)、短辺側をY側(y方向)と呼ぶ。また、光出射側の光導波路デバイスをD1とし、その光導波路のコアを点線で表示するとともに、光入射側の光導波路デバイスをD2とし、その光導波路のコアを二点鎖線で表示する。
【0005】
この図のように、従来の光出射側光導波路デバイスD1のコアは、光源10からの光が入射する始端部20aの直後から、パネルPの長辺X側に向かう複数の出射用コア20b,20b,・・・と、その短辺Y側に向かう複数の出射用コア20c,20c,・・・とに分岐しており、光源10からコアに入射した光が、一度に多数の出射用コア20b,20cに分配され、各出射用コア20b,20cの終端部から出射されるようになっている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−20103号公報
【特許文献2】特開2010−32378号公報
【特許文献3】特表2001−514779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者らの研究によれば、上記のようなコアの分岐構造を有する従来の光導波路デバイスは、隣り合う2辺に光を均等に分配することが難しい場合が多いことが分かった。本発明者らは、この原因は、光源10から光導波路デバイスD1のコアに入射した光は、一方の辺側(図3の従来例では、短辺Y側に向かう出射用コア20c)ではそのまま直進するが、他方の辺側(図3の従来例では、長辺X側に向かう出射用コア20b)ではコアの始端部20a(光源との光結合部)から湾曲して進むため、この湾曲部位での光損失が大きくなり、パネルPの長辺X側と短辺Y側とに分配される光量が均等になりにくいことを突き止めた。
【0008】
さらに、この従来の光導波路デバイスD1は、長辺X側の各出射用コア20bと、短辺Y側の各出射用コア20cとが、光源10に対しそれぞれ独自に対応して設けられているため、調芯が難しく、これら各コア20b,20cの始端部20aの光軸と光源10の光軸とがずれていると、上記各コア20b,20c間の光量差がさらに拡大し、ひいては、パネルPの長辺X側と短辺Y側とに分配される光量の差が、より大きくなることを突き止めた。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光源からの光を、長方形状のパネルの長辺側と短辺側とに均等に分配することができるとともに、光源とコアとの間の調芯に高い精度が要求されることのない光導波路デバイスの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の光導波路デバイスは、長方形状のパネルの縁に沿った額縁部に、光源と、光源側の共通部から互いに直交する2方向に分岐する分岐状コアを有する光導波路とを備え、上記共通部は、上記額縁部の角部に配置され、上記分岐状コアは、その共通部から上記パネルの長辺に沿って直線状に延びる第1のコア部と、上記共通部の分岐点から所定の長さアーチ状に湾曲しそれより先端側がパネルの短辺に沿って直線状に延びる第2のコア部とからなり、上記第2のコア部のコア幅が、上記第1のコア部のコア幅より広くなっているという構成をとる。
【0011】
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するために、上記パネルの額縁形状に適した光導波路デバイスに関する研究を重ね、その結果、光源からの光を、幅広状のコア端部(入射側の共通部)で受け、この共通部をパネル長辺方向と短辺方向とに2分岐させ、湾曲部位を有する短辺側のコアの幅を、長辺側のコアの幅より広くすることにより、上記長辺側と短辺側のコアの光量を均等化できることを見出した。
【0012】
また、本発明者らは、長辺側のコアの始端側と短辺側のコアの始端側とを1つにまとめて共通部とし、これを光源に対応させると、調芯の精度にさほど影響を受けずに、長辺側のコアと短辺側のコアとの光量のバランスに、偏りが生じないことを見出し、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光導波路デバイスは、分岐状コアの共通部が、パネル額縁部の角部に配置され、この分岐状コアが、上記共通部からパネルの長辺に沿って直線状に延びる第1のコア部と、上記共通部の分岐点から所定の長さアーチ状に湾曲しそれより先端側がパネルの短辺に沿って直線状に延びる第2のコア部とに分岐しているとともに、この第2のコア部のコア幅(W2)が、上記第1のコア部のコア幅(W1)より広い形状になっている(W1<W2)。
【0014】
このように、上記光導波路デバイスは、短辺側の湾曲部位での光損失を見越して、この短辺側のコア幅を長辺側のそれより広くしている。そのため、長辺側と短辺側とにおける光量の差が小さくなり、各辺に分配される光量が均等化する。
【0015】
また、本発明の光導波路デバイスは、長辺側のコアの始端部と短辺側のコアの始端部を1つにまとめて共通部とし、この共通部を光源に対応させているため、従来の光導波路デバイスのように、コアと光源との高精度な調芯を要求されない。例え、コアと光源とが厳密に調芯されていなくても、コアを伝搬するトータルの光量が減るだけで、長辺側と短辺側のコアの光量の偏りは生じない。
【0016】
また、そのなかでも、上記第1のコア部のコア幅(W1)に対する上記第2のコア部のコア幅(W2)の比率(W2/W1)が、1.5〜5になっている光導波路デバイスは、上記パネルの長辺側と短辺側とに向かう光が、より光量差の少ない状態で分配されるようになる。
【0017】
さらに、上記分岐後の第1および第2のコア部に、各コア部をさらに細分化する出射路が設けられ、上記出射路を通る光を、上記第1のコア部と第2のコア部にそれぞれ対向する辺に向けて出射するように構成されている光導波路デバイスは、上記のように、第1および第2のコア部に対して略均等に分配された光が、さらに細分化されて上記各出射路から出射される。そのため、これら各辺の出射路からは、パネルの長辺側および短辺側のどちらにも、辺の長手方向に光強度の揃った均一な光が、対向する辺に向けて出射される。そして、この光導波路デバイスを、前記の光学的検出手段等の出射側に用いた場合は、検出領域内に死角のない、高精度な検出が可能になる。
【0018】
また、上記光源が、上記額縁部の短辺側の角部に配置され、この光源から上記額縁部の長辺側に向けて発せられた光が、上記共通部の端部から入射するように構成されている光導波路デバイスは、上記光源から発せられた光が、額縁部の角部に配置された共通部に入射し、その後曲がることなく(真っ直ぐに)、上記パネル長辺側のコア(第1のコア部)の終端まで到達する。そのため、この光導波路デバイスは、光源からの光を、最も効率よく利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は、本発明の実施形態における光導波路デバイスのコアパターンを模式的に示す図であり、(b)は、(a)のC部の拡大図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の実施形態における光導波路デバイスに用いる光導波路の製法を模式的に説明する断面図である。
【図3】従来の光導波路デバイスのコアパターンを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。
【0021】
まず、本実施形態の光入射側の光導波路デバイスD1を用いたタッチセンサの概要について説明する。図1(a)に示すタッチセンサ(装置)は、例えばフラットパネルディスプレイの画面の周囲(額縁部位)に配置されるものであり、そのパネルPの中央部の検知領域Sは、上記画面のサイズに合わせて、横長(長辺X:短辺Y=16:9)の長方形状に形成されている。
【0022】
上記検知領域Sの周囲の額縁部には、このタッチパネルセンサを構成する光出射側の光導波路デバイスD1と、光入射側の光導波路デバイスD2とが配置されており、従来の光学式タッチパネルセンサと同様、光出射側光導波路デバイスD1から投射した多数の光(白抜き矢印)で上記検知領域S内に光の格子を形成するとともに、これらの光のうち、上記検知領域Sを横切って光入射側光導波路デバイスD2に到達した光を、受光素子(CCDアレイ等)で検知するようになっている。なお、使用する際は、この額縁部の上がカバー等で覆われるため、上記光導波路デバイスD1,D2は視認することができない。また、光入射側光導波路デバイスD2は、従来品と同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【0023】
つぎに、上記のようなタッチパネルセンサの出射側に用いられる、本実施形態の光出射側光導波路デバイス(以下、単に「光導波路デバイス」という)について説明する。本実施形態における光導波路デバイスD1は、図1(a)に示すように、光源10と、互いに直交する2方向に分岐する分岐状のコア1を有する光導波路とから構成されている。上記光導波路の分岐状コア1は、図1(b)のように、一端側(図示右側)の幅広状の共通部1aと、この共通部1aから上記パネルPの長辺Xに沿って直線状に延びる第1のコア部1bと、上記共通部1aの分岐点Jから枝分かれしてパネルPの短辺Yに沿って延びる第2のコア部1cとからなる。そして、上記共通部1aの分岐点Jにおいて、第2のコア部1cのコア幅(W2)が、上記第1のコア部1bのコア幅(W1)より広く形成され(W1<W2)、このコア幅の広い第2のコア部1cが、上記短辺Yに沿って直線状に延びている点が、本発明の光導波路デバイスの特徴である。
【0024】
上記光導波路デバイスD1について、さらに詳しく説明すると、この光導波路デバイスD1に用いられる光導波路は、例えば、ポリマー系光導波路の場合、樹脂材料を用いて形成されたアンダークラッド層およびオーバークラッド層(ともに図示せず)の間に、フォトリソグラフィ法等により上記形状にパターニングされた上記コア1が配置されている。
【0025】
上記コア1の共通部1aは、上記第1のコア部1b(幅:W1)と第2のコア部1c(幅:W2)とを合わせたコア幅W0に相当する幅広状に形成され、その一端側(図示右側)の端面は、上記光源10からの光(白抜き矢印)が入射する光結合面となっている。なお、共通部1aのコア幅W0は、上記光源10との光結合を容易にするために、通常、光源10の発光部幅Hよりも広く形成することが好ましい。例えば、光源10の発光部幅Hが10μm程度である場合、上記共通部1aのコア幅W0は、300〜500μmに設計される。また、上記共通部1aの光軸(一点鎖線)方向の長さL〔その一端面(光接続面)から上記分岐点Jまでの長さ〕は、1500〜3000μmとすることが好ましい。
【0026】
上記コア1の共通部1aから分岐した第1のコア部1bは、分岐後も上記光源10からの光を真っ直ぐに導入できるように、上記共通部1aの一部を延長するように直線状に形成されている。そのコア幅W1は、上で述べたように、後記する第2のコア部1cのコア幅W2より狭く形成されており、好ましくは100〜250μm、さらに好ましくは100〜200μmである。
【0027】
上記共通部1aから分岐した第2のコア部1cは、上記分岐点Jで第1のコア部1bと分かれ、この分岐点Jから所定の長さアーチ状に湾曲して、それより先端側がパネルPの短辺Y側に直線状に延びる形状に形成されている〔図1(a)参照〕。上記第2のコア部1cの湾曲部位は、パネルPの長辺X方向に沿った共通部1aの光軸を、短辺Y方向に90°曲げる(屈曲させる)もので、この湾曲部位の曲率半径は、光損失の増大を防ぐため、好ましくは1〜5mm、さらに好ましくは2〜3mmに設定されている。なお、上記分岐点Jおよびその後のコア幅W2は、先に述べたように、第1のコア部1bのコア幅W1より広く形成されており、好ましくは150〜500μm、さらに好ましくは200〜340μmである。
【0028】
そして、上記分岐点Jにおける、第1のコア部1bのコア幅W1と第2のコア部1cのコア幅W2との比率(W2/W1)は、1.5〜5にすることが好ましく、より好ましくは2〜4である〔図1(b)参照〕。なお、後記する光源10の発光部サイズにも左右されるが、上記コア1の好適な厚さ(高さ)は、例えば20〜100μmである。
【0029】
また、本実施形態の光導波路デバイスD1は、タッチパネルセンサ用であることから、これら第1のコア部1bおよび第2のコア部1cの他端側(上記共通部1aに対して反対の端部側)には、図1(a)のように、多数の出射路1xおよび1yが、上記各コア部1bおよび1cから順次分岐するように形成されている。そして、これらの各出射路1x,1yは、上記分岐後の光(例えば、近赤外線等)を、上記検知領域Sを挟んで第1のコア部1bと第2のコア部1cとにそれぞれ対向する辺に向けて、出射するように構成されている。
【0030】
なお、上記図1(a)における各出射路1x,1yは、図示が煩雑になるのを避けるため、多数の出射路1x,1yのうちの一部のみを実線で示し、残りを点線として記載を省略している(出射される光−白抜き矢印も同様)。また、上記出射路1x,1yの本数は、タッチパネルのサイズやセンサの解像度等に応じて適宜設計されるが、例えば、上記第1のコア部1bから分岐する長辺X側の出射路1xの本数は220〜800本程度、上記第2のコア部1cから分岐する短辺Y側の出射路1yの本数は150〜600本程度のものが採用される。
【0031】
上記光導波路デバイスD1に用いられる光源10には、発光ダイオード(LED)または半導体レーザー等が用いられ、なかでも、光伝送性に優れるVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)が好適に用いられる。上記光源10から出射される光の波長は、近赤外線(波長:700〜2500nm)が好ましい。
【0032】
また、上記光源10は、図1(a)のように、パネルPの短辺Y側額縁部の角部に配置され、その発光部(幅H)がパネルPの長辺X方向を向くように位置決めされる。この配置により、光源10から発せられた光が、図1(b)のように、上記光導波路のコア1の共通部1aの端面(光結合面)に入射し、上記パネルPの長辺X側の終端まで、曲がることなく到達する。そのため、この光導波路デバイスD1は、光源10からの光を、効率よく利用することができる。
【0033】
上記構成の光導波路デバイスD1においては、先に述べたように、光導波路のコア1が、パネルPの長辺X側に直線状に延びる第1のコア部1bと、上記分岐点Jから分岐・湾曲してパネルPの短辺Y側に延びる第2のコア部1cとに分岐するパターンに形成され、この第2のコア部1cの湾曲を考慮して、上記第2のコア部1cのコア幅W2が、上記第1のコア部1bのコア幅W1より広く(W1<W2)、かつ、その幅の比率(W2/W1)が、1.5〜5になっている。そのため、この光導波路デバイスD1は、共通部1aに入射した光が、光量差の少ない、バランスのとれた状態で、パネルPの長辺X側と短辺Y側とに分配される。
【0034】
また、これら長辺X側の第1のコア部1bと短辺Y側の第2のコア部1cとが、光源10に対応する共通部1aから分岐しているため、この共通部1aと光源10との調芯が多少ずれていても、このずれに起因する長辺X側と短辺Y側との光量差が緩和され、これら長辺X側に分配される光と、上記短辺Y側に分配される光の光量バランスが保たれる。したがって、この光導波路デバイスD1は、従来の構成の光導波路デバイスに比べ、光源10とコア1との間の調芯の許容範囲が広くなる。
【0035】
なお、上記第1のコア部のコア幅W1に対する第2のコア部のコア幅W2の比率(W2/W1)が、1.5未満の場合は、共通部1aから直線状に分岐する長辺X側の第1のコア部1bの光量が強くなりすぎる傾向にある。逆に、上記コア幅の比率(W2/W1)が、5を超える場合は、共通部1aから湾曲して分岐する短辺Y側の第2のコア部1cの光量が強くなりすぎ、光量バランスが悪くなる傾向が見られる。
【0036】
また、上記実施形態においては、光導波路の分岐状コア1が樹脂材料(高分子材料)を用いて形成されたポリマー系光導波路を例に説明したが、このコア1を構成する材料は、例えばガラス等、周囲に配設されるクラッド層より屈折率の高い材料であればよい。ただし、上記コア1と周囲のクラッド層との屈折率の差は、0.01以上であることが好ましく、上記形状のパターンニング性等も考慮すると、紫外線硬化樹脂等の感光性樹脂が最も好ましい。使用する紫外線硬化樹脂としては、アクリル系,エポキシ系,シロキサン系,ノルボルネン系,ポリイミド系等があげられる。
【0037】
さらに、上記コア1の周囲のクラッド層は、上記紫外線硬化樹脂等の感光性樹脂のうち、コア1より屈折率の低い材料を用いればよい。その他にも、クラッド層には、ガラス,シリコン,金属,樹脂等、平坦性を有する基板を兼用する材料を用いることもできる。さらに、クラッド層は、コア1下側のアンダークラッド層のみとしてもよく、上記コア1を覆うオーバークラッド層は、形成しなくてもよい。
【0038】
そして、上記光導波路は、プラズマを用いたドライエッチング法,転写法,露光・現像を用いたフォトリソグラフィ法,フォトブリーチ法等により作製することができる。
【0039】
つぎに、上記光導波路デバイスD1に用いる光導波路の作製方法について、上記分岐状コア1を、紫外線樹脂を用いてフォトリソグラフィ法により作製した例を説明する。
【0040】
図2は、本発明の実施形態における光導波路デバイス用光導波路の製法を模式的に説明する断面図である。なお、図中の符号1はコア(分岐状コア)、2はアンダークラッド層、3はオーバークラッド層、11は基板、12は成形型を示す。また、図2の(a)〜(d)は、光導波路が作製される工程順を表し、以下の説明もこの工程順に行う。
【0041】
まず、平板状の基板11を用意する。基板11の材料としては、例えば、ガラス,石英,シリコン,樹脂,金属等があげられる。また、基板11の厚さは、例えば、20μm(フィルム状)〜5mm(板状)の範囲内に設定される。
【0042】
ついで、図2(a)に示すように、上記基板11の所定領域に、アンダークラッド層2を形成する。このアンダークラッド層2の形成材料としては、熱硬化性樹脂または感光性樹脂があげられる。上記熱硬化性樹脂を用いる場合は、その熱硬化性樹脂が溶媒に溶解しているワニスを塗布した後、それを加熱することにより、アンダークラッド層2を形成する。一方、上記感光性樹脂を用いる場合は、その感光性樹脂が溶媒に溶解しているワニスを塗布した後、それを紫外線等の照射線で露光することにより、アンダークラッド層2を形成する。なお、上記露光後、光反応を完結させるために、加熱処理を行う場合もある。
【0043】
つぎに、図2(b)に示すように、上記アンダークラッド層2の表面(上面)に、所定(分岐)パターンのコア1を形成する。このコア1の形成材料としては、上記フォトリソグラフィ法でコア1を形成する場合、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹脂の他、オキセタン,シリコーン樹脂等の感光性樹脂(光重合性樹脂)が好適に用いられる。これらの樹脂のなかでも、コスト,膜厚制御性,損失等の観点から、エポキシ樹脂が最も好ましい。
【0044】
なお、このコア1の形成材料には、上記アンダークラッド層2および後記のオーバークラッド層3の形成材料よりも、屈折率が大きい材料が用いられる。この屈折率の調整は、例えば、コア1および各クラッド層の形成材料の種類の選択や、組成比率を調整して行うことができる。
【0045】
上記コア1の形成について詳しく述べると、コア1の形成は、上記感光性樹脂からなるワニスを、スピンコート法,ディッピング法,ダイ塗工,ロール塗工等により塗布した後、コアパターンに対応する開口を有するフォトマスクを介して紫外線等を照射し、上記ワニス層(感光性樹脂層)を所定パターンに露光することにより行う。
【0046】
このとき使用するフォトマスクの開口パターンは、先に述べたように、一端側が幅広状の共通部1aに対応する形状に形成され、他端側が、パネルPの長辺X側に向けて直線状に延びる第1のコア部1bと、上記共通部1aから枝分かれしてパネルPの短辺Y側に延びる第2のコア部1cとからなる分岐状コアに対応する形状に形成されている〔図1(a)参照〕。さらに、上記共通部1aの分岐点Jにおいては、第2のコア部1cのコア幅(W2)が、上記第1のコア部1bのコア幅(W1)より広くなるように、上記フォトマスクの開口パターンが形成されている〔図1(b)参照〕。
【0047】
また、上記フォトマスクにおいて、分岐後の第1のコア部1bに相当する部位には、先に述べたように、長辺X側の出射路1xに対応する多数(約220〜800本程度)の細分岐パターンが形成されている。同様に、分岐後の第2のコア部1cに相当する部位には、短辺Y側の出射路1yに対応する多数(約150〜600本程度)の細分岐パターンが形成されている。なお、これら各出射路1x,1yの先端側端部を、外側に向かって反る(平面視)レンズ形状としてもよい。
【0048】
そして、上記露光の完了後、感光性樹脂のタイプに応じて、光反応を完結させるための加熱処理を行った後、現像液を用いて、浸漬法,スプレー法,パドル法等により現像を行い、上記感光性樹脂層における未露光部分を溶解させて除去する。これにより、図2(b)に示すようなコア1を作製する。
【0049】
つぎに、図2(c)に示すように、オーバークラッド層3形成用の成形型12を準備し、型成形により、上記コア1を覆うオーバークラッド層3を形成する。このオーバークラッド層3の形成材料としては、上記アンダークラッド層2と同様、熱硬化性樹脂または感光性樹脂があげられる。そして、感光性樹脂を用いる場合は、上記成形型12を透過して、この成形型12内部に充填された感光性樹脂を、外部から紫外線等により露光する必要があるため、上記成形型12には、紫外線を透過する材料(例えば、石英製)のものが用いられる。
【0050】
なお、上記成形型12の下面には、オーバークラッド層3の形状に対応する型面を有する凹部(成形キャビティ)が形成されており、この実施形態では、上記各出射路1x,1yの先端側端部を覆う部位〔図2(c)の右端部分〕が、1/4円の円弧状レンズ曲面に形成されているものを使用している。
【0051】
上記成形型12を用いたオーバークラッド層3の形成は、まず、この成形型12の成形キャビティ内に上記コア1が配置されるように、その成形型12の下面を、アライメントマーク等を基準として、基板11の表面に密着させる。そして、成形キャビティで囲まれた成形空間に、上記感光性樹脂等を、この成形型12に形成された注入孔(図示せず)から注入し、上記成形空間を感光性樹脂で満たす。つぎに、上記成形型12(石英製)を透して紫外線を露光し、その後、必要に応じて加熱処理を行う。これにより、上記感光性樹脂の硬化が完了する。
【0052】
その後、図2(d)に示すように、上記成形型12から成形品を脱型して、一端部分がレンズ状に形成されたオーバークラッド層3を有する光導波路が得られる。
【0053】
この光導波路を用いた光導波路デバイスD1の作製は、まず、上記分岐状コア1が形成された光導波路を、刃形を用いた打ち抜き等により、基板11とともに、もしくは基板11から離型させて、パネルPの額縁形状に沿ったL字形(または、入射側光導波路デバイスD2と同時に作製する場合は長方形の枠状)に切断する。これを、図1(a)のように、パネルPの額縁部に配設した後、このパネルPの額縁部の短辺Y側の角部に、光導波路のコア1の共通部1aの端面(光結合面)に正対するようにVCSEL等の光源10を配置し、これら共通部1aの光軸(一点鎖線)と光源10の光軸とを調芯して位置決めすることにより、本実施形態の光導波路デバイスD1が完成する。
【0054】
上記構成の光導波路デバイスD1によれば、分岐後の第1のコア部1bおよび第2のコア部1cに、各コア部1b,1cをさらに細分化する出射路1x,1yが設けられ、2方向に略均等に分配された光が、これらコア部1b,1cにそれぞれ対向する辺に向けて出射される。特に、この光導波路デバイスD1を、前記のタッチパネル等の光学的検出手段に用いた場合は、パネルPの長辺X側および短辺Y側のどちらにも、辺の長手方向に光強度の揃った均一な光(平行光)を出射することが可能になる。したがって、本実施形態の光導波路デバイスD1を用いた光学的検出手段は、その検出領域の全幅にわたって、死角のない高精度な検出を行うことができる。
【0055】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0056】
本実施例においては、上記分岐状コアを有する光導波路の「第1のコア部のコア幅(W1)に対する第2のコア部のコア幅(W2)の比率(W2/W1)」を種々変更した光導波路を作製し、これらと光源とを用いて光導波路デバイスを構成するとともに、作製した実施例1〜3および比較例1,2の光導波路デバイスを用いて、長辺X側と短辺Y側とから出射される光の量(光強度)を受光素子で測定し、長辺Xと短辺Yの間の光量差(バランス)を比較した。
【0057】
まず、光導波路の形成材料を準備した。
〔クラッド層の形成材料〕
成分A:脂環骨格を有するエポキシ系紫外線硬化性樹脂
(ADEKA社製 EP4080E)100重量部
成分B:光酸発生剤(サンアプロ社製 CPI−200X)2重量部
これらを混合して、アンダークラッド層用およびオーバークラッド層用の形成材料を調製した。
【0058】
〔コアの形成材料〕
成分C:フルオレン骨格を含むエポキシ系紫外線硬化性樹脂
(大阪ガスケミカル社製 オグソールEG)40重量部
成分D:フルオレン骨格を含むエポキシ系紫外線硬化性樹脂
(ナガセケムテックス社製 EX−1040)30重量部
成分E:1,3,3−トリス{4−〔2−(3−オキセタニル)〕ブトキシフェニル}
ブタン30重量部
成分B:光酸発生剤(サンアプロ社製 CPI−200X)1重量部
これらを乳酸エチル 41重量部に溶解させ、コアの形成材料を調製した。
【0059】
[実施例1]
<光導波路の作製>
〔アンダークラッド層の形成〕
まず、基板となるポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ188μm)の表面に、上記クラッド層の形成材料をスピンコート法により塗布した。つづいて、1000mJ/cm2の紫外線照射による露光を行った後、80℃×5分間の加熱処理を行って、アンダークラッド層(厚さ20μm)を形成した。
【0060】
〔コアの形成〕
ついで、上記アンダークラッド層の表面に、上記コアの形成材料をアプリケーターにより塗布した後、100℃×5分間の加熱処理を行い、溶媒を揮散させてコア形成用の感光性樹脂層を形成した。つぎに、上記分岐状コアのパターンと同形状の開口パターンが形成されたフォトマスクを介して、2500mJ/cm2の紫外線照射による露光を行った後、100℃×10分間の加熱処理を行い、樹脂の硬化を完了させた。そして、現像液(γ−ブチロラクトン)を用いてディップ現像することにより、未露光部分を溶解除去した後、120℃×5分間の加熱乾燥処理を行うことにより、パターニングされた厚さ(高さ)50μmの分岐状コアを形成した。
【0061】
なお、この実施例1では、コア分岐点における第1のコア部に対応する開口幅(W1)が120μm、第2のコア部に対応する開口幅(W2)が240μm、これらが合流する共通部に対応する開口幅(W0)が360μmの開口パターンを有するフォトマスクを使用した〔図1(b)参照〕。そのため、コアの各部もこれに沿って形成され、第1のコア部のコア幅W1が120μm、第2のコア部のコア幅W2が240μmになっている。また、第1のコア部のコア幅W1に対する第2のコア部のコア幅W2の比率(W2/W1)は、設計通り「2」となっている(フォトマスクの開口パターンにおける上記第1,第2コア部に対応する開口幅は、後記の実施例2,3と比較例1,2で変更される)。
【0062】
また、上記フォトマスクには、分岐後の第1のコア部に相当する部位に、長辺X側の出射路に対応する220本の開口パターンが形成されているとともに、分岐後の第2のコア部に相当する部位に、短辺Y側の出射路に対応する165本の開口パターンが形成されており、上記分岐状コアの形成と同時に、これらの出射路も形成されるようになっている(フォトマスクの開口パターンにおける上記出射路の部位は、後記の実施例2,3と比較例1,2でも同様)。
【0063】
〔オーバークラッド層の形成〕
つぎに、オーバークラッド層形成用の石英製成形型を、上記コアを覆った状態でセットし、その注入口から上記クラッド層の形成材料を、成形空間(キャビティ)内に注入した。そして、その状態で、上記成形型を透して2000mJ/cm2の紫外線照射による露光を行った後、80℃×5分間の加熱処理を行い、樹脂の硬化を完了させた。その後、成形型から成形品を離型させ、上記コアの各出射路の先端部に1/4円弧形状の凸状レンズ〔図2(d)参照〕を備えるオーバークラッド層(コア頂面からの厚さ1mm)を形成した。
【0064】
ついで、上記基板を剥離させ、成形されたオーバークラッド層に沿うように光導波路全体を略L字形に切断して、実施例1作製用の光導波路を得た。
【0065】
<供試用光導波路デバイスの作製>
〔光源の取り付け〕
得られた光導波路の共通部の端部に対向する所定位置〔図1(b)参照〕に、出射強度(出力)が3mWのVCSEL光源(Optowell社製)を配設し、上記コアの光軸(一点鎖線)の延長上に上記光源の発光部(幅H=10μm)の中心がくるように、調芯・位置合わせしてこの光源を固定し、実施例1の光導波路デバイスを得た。
【0066】
〔測定用受光素子の取り付け〕
ついで、光強度測定用の受光素子ユニット(Optowell社製 CMOSリニアセンサアレイ)を準備し、上記コアの各出射路の先端から出射される光(信号)が、このセンサアレイの各受光素子の受光部に入射するように(すなわち、出射路1本に対して受光素子1個が対応し、出射路1本ごとの光強度を測定できるように)、上記受光素子ユニットを位置決めし、その状態で、上記光導波路デバイスに接着剤等で固定して、光強度を測定できるように準備した。
【0067】
[実施例2]
上記光導波路の作製の〔コアの形成〕において、コア分岐点における第1のコア部に対応する開口幅と第2のコア部に対応する開口幅の比率が異なるフォトマスクを使用したこと以外、上記実施例1と同様にして、第1のコア部のコア幅W1が80μm、第2のコア部のコア幅W2が280μmの実施例2作製用光導波路(コア幅の比率 W2/W1=3.5)を作製した。そして、この光導波路に、上記のように光源と測定用受光素子を取り付けて実施例2の光導波路デバイスとし、出射路1本ごとの光強度を測定できるように準備した。
【0068】
[実施例3]
上記光導波路の作製の〔コアの形成〕において、コア分岐点における第1のコア部に対応する開口幅と第2のコア部に対応する開口幅の比率が異なるフォトマスクを使用したこと以外、上記実施例1と同様にして、第1のコア部のコア幅W1が140μm、第2のコア部のコア幅W2が220μmの実施例3作製用光導波路(コア幅の比率 W2/W1=約1.57)を作製した。そして、この光導波路に、上記のように光源と測定用受光素子を取り付けて実施例3の光導波路デバイスとし、出射路1本ごとの光強度を測定できるように準備した。
【0069】
比較例として、上記第1のコア部のコア幅W1に対する第2のコア部のコア幅W2の比率(W2/W1)が、本発明の好適な範囲(1.5〜5)から外れる光導波路を作製し、これを用いて光導波路デバイスを作製した。
【0070】
[比較例1]
上記光導波路の作製の〔コアの形成〕において、コア分岐点における第1のコア部に対応する開口幅と第2のコア部に対応する開口幅の比率が異なるフォトマスクを使用したこと以外、上記実施例1と同様にして、第1のコア部のコア幅W1が240μm、第2のコア部のコア幅W2が120μmの比較例1作製用光導波路(コア幅の比率 W2/W1=0.5)を作製した。そして、この光導波路に、上記のように光源と測定用受光素子を取り付けて比較例1の光導波路デバイスとし、出射路1本ごとの光強度を測定できるように準備した。
【0071】
[比較例2]
上記光導波路の作製の〔コアの形成〕において、コア分岐点における第1のコア部に対応する開口幅と第2のコア部に対応する開口幅の比率が異なるフォトマスクを使用したこと以外、上記実施例1と同様にして、第1のコア部のコア幅W1が180μm、第2のコア部のコア幅W2が180μmの比較例2作製用光導波路(コア幅の比率 W2/W1=1)を作製した。そして、この光導波路に、上記のように光源と測定用受光素子を取り付けて比較例2の光導波路デバイスとし、出射路1本ごとの光強度を測定できるように準備した。
【0072】
<光強度の測定および評価>
上記実施例1〜3および比較例1,2の光導波路デバイスを用いて、それぞれの光源を発光させて850nmの赤外線をコアに入射させ、各出射路ごとの光強度(出射路から出射されて各受光素子に届いた光の強度)を測定し、長辺X側(220本)の平均値IXと、短辺Y側(165本)の平均値IYを算出した。そして、これら平均値の差の絶対値を求め、その絶対値の大小により、長辺と短辺に分配された光量の差「長辺側と短辺側の光量差」を評価した。
【0073】
なお、測定は、コアの光軸と光源の光軸が一致した(調芯された)状態と、一致していない状態の両方で行った。すなわち、図1(b)において、光源10の中心が、コアの光軸上の点Oにあり、光軸が一致した状態を「±0μm」と表し、この光源の中心を意図的に(y方向)A側に100μmずらした状態を「+100μm」、上記光源の中心を意図的にB側に100μmずらした状態を「−100μm」と表示する。
【0074】
また、光導波路のコア幅,コア高さの測定には、レーザー顕微鏡(キーエンス社製)を、コア中心および光源のずれ量の測定には、光学顕微鏡(オリンパス社製 MX51)を用いた。
【0075】
以上の測定結果を「表1」に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
上記表1に示すように、実施例1〜3の光導波路デバイスは、コアと光源の光軸が一致した状態「±0μm」において、長辺側と短辺側の光量差が0.2〜0.5と小さく、光源からの光を、互いに直交する2方向に略均等に分配できていることが分かる。また、光源の中心が、コアの光軸に対して一方にずれた状態「+100μm」でも、他方にずれた状態「−100μm」でも、その長辺側と短辺側の光量差が最大で0.8と小さい。このことから、本発明の光導波路デバイスは、コアと光源の調芯の許容範囲が広いことが分かる。
【0078】
一方、比較例1,2の光導波路デバイスは、コアと光源の光軸が一致した状態「±0μm」でも、長辺側と短辺側の光量差が0.9〜2.0と大きく、光源の中心が、コアの光軸に対してずれた状態「+100μm」,「−100μm」では、この長辺側と短辺側の光量差がさらに拡大する。したがって、比較例1,2の光導波路デバイスは、上記特性に劣る。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の光導波路デバイスは、光学式タッチパネルや光学式形状センサ等、長方形状のパネルからなる検知領域内の指や物体等を検知する光学的検出手段への使用に適する。
【符号の説明】
【0080】
1 コア
1a 共通部
1b 第1のコア部
1c 第2のコア部
10 光源
D1 光導波路デバイス
J 分岐点
P パネル
X 長辺
Y 短辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状のパネルの縁に沿った額縁部に、光源と、光源側の共通部から互いに直交する2方向に分岐する分岐状コアを有する光導波路とを備え、上記共通部は、上記額縁部の角部に配置され、上記分岐状コアは、その共通部から上記パネルの長辺に沿って直線状に延びる第1のコア部と、上記共通部の分岐点から所定の長さアーチ状に湾曲しそれより先端側がパネルの短辺に沿って直線状に延びる第2のコア部とからなり、上記第2のコア部のコア幅が、上記第1のコア部のコア幅より広くなっていることを特徴とする光導波路デバイス。
【請求項2】
上記第1のコア部のコア幅(W1)に対する上記第2のコア部のコア幅(W2)の比率(W2/W1)が、1.5〜5である請求項1記載の光導波路デバイス。
【請求項3】
上記分岐後の第1および第2のコア部に、各コア部をさらに細分化する出射路が設けられ、上記出射路を通る光が、上記第1のコア部と第2のコア部にそれぞれ対向する辺に向けて出射されるようになっている請求項1または2記載の光導波路デバイス。
【請求項4】
上記光源が、上記額縁部の短辺側の角部に配置され、この光源から上記額縁部の長辺側に向けて発せられた光が、上記共通部の端部から入射するようになっている請求項1〜3のいずれか一項に記載の光導波路デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−3107(P2012−3107A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139063(P2010−139063)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】