説明

光情報記録媒体及び2光子吸収材料

【課題】本発明は、短波長でなる光ビームに対して2光子吸収反応を生じ得る。
【解決手段】本発明における光情報記録媒体100の記録層101は、一般式(2)で表される中心にσ結合で結合された2つのアセチレン基を有するヘキサジイン構造を有する化合物を2光子吸収材料として含有し、記録層101に対して記録マークRMを形成する情報記録時において、集光される短波長でなる記録光に応じて2光子吸収反応を生じることにより記録マークRMを形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光情報記録媒体及び2光子吸収材料に関し、例えば光ビームを用いて情報が記録され、また当該光ビームを用いて当該情報が再生される光情報記録媒体に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光情報記録媒体としては、円盤状の光情報記録媒体が広く普及しており、一般にCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等が用いられている。
【0003】
一方、かかる光情報記録媒体に対応した光情報記録再生装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を当該光情報記録媒体に記録するようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光情報記録媒体に記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光情報記録媒体のさらなる大容量化が求められている。
【0004】
そこで、光情報記録媒体を大容量化する手法の一つとして、光情報記録媒体の厚み方向に3次元的に情報を記録するようになされた光情報記録媒体が提案されている。この光情報記録媒体の中には、記録層中に2光子吸収によって発泡する2光子吸収材料を含有させておき、光ビームを照射することにより気泡でなる記録マークを形成するようになされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−37658公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでかかる構成の光情報記録媒体では、CDやDVDで使用されている赤色(例えば600〜750[nm])の光ビームを2光子吸収して記録マークを形成するようになされている。
【0006】
ここで一般的にレーザ光を対物レンズによって集光したときのスポットサイズは光ビームの波長と対物レンズの開口数によって決定されることが知られている。このため記録マークのサイズを小さくして光情報記録媒体を大容量化するためには、波長の短い光ビームを使用してスポットサイズを小さくすることが望ましい。
【0007】
また2光子吸収材料は、光強度の2乗に比例して光を吸収する。このため光情報記録媒体では、最も光強度の大きいスポットの中心部分にのみ記録マークが形成されることになる。この光ビームは、スポットサイズが大きいと単位面積あたりの光強度が低下することになる。このため光情報記録媒体では、中心部分の光強度を大きくするために光ビームの出射光強度を大きくさせる必要が生じてしまう。
【0008】
この場合光情報記録媒体では、光ビームの中心部分のみに応じて記録マークを形成することになるため、光ビームにおいて記録マークの形成に関与しない部分を増大させてしまい、光ビームの利用効率が低下させることになる。
【0009】
しかしながら、例えばBDで使用されている波長が405[nm]でなる青紫色光ビームのように、波長が600[nm]未満でなる短波長の光ビームに対して2光子吸収反応を生じる2光子吸収材料については2光子吸収反応を生じる条件を満たすものが発見されておらず、未だ提案されていない。
【0010】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、短波長の光ビームに対して2光子吸収反応を生じ得る2光子吸収材料及び当該2光子吸収材料を用いた光情報記録媒体を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため本発明の光情報記録媒体においては、一般式(2)で表される2光子吸収材料を含有し、情報記録時に集光される記録光に応じて2光子吸収反応により記録マークを形成する記録層を有するようにした。
【0012】
【化2】

【0013】
これにより、一般式(2)で表される2光子吸収材料が短波長でなる光ビームに対して2光子吸収反応を生じる条件を満たすことができる。
【0014】
また本発明の2光子吸収材料においては一般式(2)で表される化合物でなり、光に応じて2光子吸収反応を生じるようにした。
【0015】
これにより、一般式(2)で表される2光子吸収材料が短波長でなる光ビームに対して2光子吸収反応を生じる条件を満たすことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、かくして短波長の光ビームに対して2光子吸収反応を生じ得る2光子吸収材料及び当該2光子吸収材料を用いた光情報記録媒体を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0018】
(1)光情報記録媒体の構成
図1(A)及び(B)に示すように、光情報記録媒体100は、基板102及び103の間に記録層101を形成することにより、全体として情報を記録するメディアとして機能するようになされている。
【0019】
基板102及び103はガラス基板でなり、光を高い割合で透過させるようになされている。また基板102及び103は、X方向の長さdx及びY方向の長さdyがそれぞれ約50[mm]程度、厚さt2及びt3が約0.6〜1.1[mm]でなる正方形板状又は長方形板状に構成されている。
【0020】
この基板102及び103の外側表面(記録層101と接触しない面)には、波長が例えば405[nm]及び300[nm]でなる光ビームに対して無反射となるような多層無機層(例えば、Nb/SiO/Nb/SiOの4層)のAR(AntiReflection coating)処理を施している。
【0021】
また基板102及び103としては、材料の選択や表面処理により波長が400[nm]未満でなる紫外光を遮断するようにしても良い。これにより基板102及び103は、記録層101に紫外光が曝露されるのを防止することができ、記録層101の耐久性を向上させることができる。
【0022】
なお基板102及び103としては、ガラス板に限られず、例えばアクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂など種々の光学材料を用いることができる。例えば基板102及び103としてポリカーボネイト樹脂を用いることにより、基板102及び103に紫外光を遮断する機能を付加することができる。基板102及び103の厚さt2及びt3は、上記に限定されるものではなく、0.05[mm]〜1.2[mm]の範囲から適宜選択することができる。この厚さt2及びt3は、同一の厚さであっても異なっていても良い。また、基板102及び103の外側表面にAR処理を必ずしも施さなくても良い。
【0023】
記録層101は、その厚さt1(=0.01[mm]〜0.5[mm])が記録マークRMの高さよりも充分に大きくなるよう設計されている。このため記録層101は、光情報記録媒体100の面方向だけでなく厚さ方向に複数の記録マークを形成し、当該記録マークを3次元的に配列させるようになされている。
【0024】
記録層101は主成分となるバインダー樹脂に対し、光ビームを2光子吸収して発泡する2光子吸収材料が分散されてなる。
【0025】
バインダー樹脂としては、光ビームに対する透過率の高い各種樹脂材料を用いることができる。例えば熱によって軟化する熱可塑性樹脂や、光による架橋又は重合反応によって硬化する光硬化型樹脂、熱による架橋または重合反応によって硬化する熱硬化型樹脂などを用いることができる。
【0026】
なお樹脂材料としては特に限定されないが、耐候性や光透過率などの観点から、PMMA(Polymethylmethacrylate)樹脂や、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ノルボルネン樹脂、ニトロセルロースなどが用いられることが好ましい。
【0027】
またバインダー樹脂としては、耐候性の問題から、400[nm]未満でなる紫外光ビームを透過しない樹脂材料を用いたり、紫外線を吸収する紫外線吸収材料などを樹脂材料に添加しても良い。さらにバインダー樹脂には、記録特性や製造上の特性、強度特性などの観点から、種々の添加剤を添加することができる。
【0028】
2光子吸収材料としては、400[nm]以上600[nm]未満でなる光ビームに対して2光子吸収反応を生じ発熱する特性を有するものが用いられる。さらに2光子吸収材料としては、400[nm]以上500[nm]未満の青紫色光ビームに対して2光子吸収反応を生じるものが好ましい。この2光子吸収による発泡は、熱分解による反応、すなわちヒートモードで起こるものをいう。
【0029】
ここで一般的に2光子吸収材料としては、その分子軌道において以下の点を満たす場合に2光子吸収を生じることが知られている。
【0030】
まず電子によって占有されている分子軌道のうち最もエネルギーの高い最高被占分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、以下、HOMOと呼ぶ)では、光吸収に関与する部位の両端に対称的に電子密度が偏在することが要求される。
【0031】
また電子によって占有されていない分子軌道のうち最もエネルギーの低い最低空分子軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、以下、LUMOと呼ぶ)では、光吸収に関与する部位の中央部に対称的に電子密度が偏在することが要求される。
【0032】
さらに2光子吸収材料としては、エネルギーの高い青紫色光ビームを2光子吸収するために、HOMOとLUMOにおける電子エネルギーの差異が赤色光ビームを2光子吸収する化合物よりも大きいことが要求される。
【0033】
具体的に2光子吸収材料としては、一般式(2)で表されるようにヘキサジイン構造を有する化合物が用いられる。
【0034】
ヘキサジイン構造では、6つの炭素のうち中心となる第3位及び第4位の炭素が単結合を形成すると共に、第2位及び第3位の炭素並びに第4位及び第5位の炭素が3重結合を形成している。このヘキサジインは、第3位の炭素と第4位の炭素との中央を中心とした対象構造をとる誘導体を構成することができる。
【0035】
また2光子吸収材料としては、R1〜R3に結合する第1位の炭素及びR4〜R6に結合する第6位の炭素がSP混成軌道を形成すると共に、一般式(2)におけるR1〜R3のうち少なくとも1つ、及びR4〜R6のうち少なくとも1つが共にフェニル基でなることが好ましい。なおフェニル基は、塩素やメトキシル基、水酸基、アルキル基などの各種置換基を有していても良い。
【0036】
これにより2光子吸収材料は、フェニル基によるπ電子による軌道を形成することができると共に、第1位及び第6位の炭素と共にSP混成軌道を形成して当該π電子をヘキサジイン構造の中心へ広げさせない。このため2光子吸収材料は、HOMOにおいて分子の両端に相当するフェニル基に電子密度を偏在させ得るようになされると共に、波長400[nm]以上の可視光領域における通常の光吸収である1光子吸収が生じないようになされている。
【0037】
この2光子吸収材料としては、例えば一般式(3)に示す1,1,6,6−Tetraphenyl−hexa−2,4−diyne−1,6−diol(Aldrich製 S54527)、一般式(4)に示す1,6−Bis(2−chlorophenyl)−1,6−diphenyl−2,4−hexadiyne−1,6−diol)(東京化成製、B1508)、一般式(5)に示す1,1,6,6−Tetrakis−(3−methoxy−phenyl)−hexa−2,4−diyne−1,6−diol(Aldrich製、 S109509)、一般式(6)に示す1,6−Bis−(4−methoxy−phenyl)−1,6−diphenyl−hexa−2,4−diyne−1,6−diol(Aldrich製、 S57054)などが好適に用いられる。
【0038】
【化3】

【0039】
【化4】

【0040】
【化5】

【0041】
【化6】

【0042】
例えばバインダー樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合、加熱した熱可塑性樹脂に2光子吸収材料を添加し、混練機で混練することによりバインダー樹脂に2光子吸収材料を分散させる。
【0043】
そして2光子吸収材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、冷却させることにより記録層101を作製した後、例えばUV接着剤を用いて基板102を記録層101に接着することにより光情報記録媒体100を作製することができる。
【0044】
また熱可塑性樹脂を有機溶剤などで希釈する場合(以下、この熱可塑性樹脂を溶剤希釈型樹脂と呼び、加熱により成型する熱可塑性樹脂と区別する)には、予め2光子吸収材料を有機溶剤に分散してから当該有機溶剤に溶剤希釈型樹脂を溶解させたり、有機溶剤で希釈した溶剤希釈型樹脂に2光子吸収材料を添加して攪拌することによりバインダー樹脂に2光子吸収材料を分散させる。
【0045】
そして2光子吸収材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、加熱乾燥させることにより記録層101を作製した後、例えばUV接着剤を用いて基板102を記録層101に接着することにより光情報記録媒体100を作製することができる。
【0046】
さらにバインダー樹脂として熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いる場合、未硬化の樹脂材料に2光子吸収材料を添加して攪拌することによりバインダー樹脂に2光子吸収2光子吸収材料を分散させる。
【0047】
そして2光子吸収材料が分散されたバインダー樹脂を基板103上に展開し、未硬化の記録層101に対して基板103が載置された状態で光硬化又は熱硬化させることにより光情報記録媒体100を作製することができる。
【0048】
また2光子吸収材料をバインダー樹脂に結合させるようにしても良い。この場合2光子吸収材料は、バインダー樹脂に分散された後、加熱などによりバインダー樹脂に結合されることになる。2光子吸収材料が有する官能基を用いてバインダー樹脂に直接結合されるようにしても良く、また、カップリング剤などを用いてバインダー樹脂に間接的に結合されるようにしても良い。
【0049】
(2)光情報記録再生装置の構成
図2において光情報記録再生装置1は、全体として光情報記録媒体100における記録層101に対して光を照射することにより、記録層101において想定される複数の記録マーク層(以下、これを仮想記録マーク層と呼ぶ)に情報を記録し、また当該情報を再生するようになされている。なお記録層101に形成される記録マークRMは非可逆的なものである。このため光情報記録再生装置1は、記録層101に対し追記的に情報の記録を実行するようになされている。
【0050】
光情報記録再生装置1は、CPU(Central Processing Unit)構成でなる制御部2により全体を統括制御するようになされており、図示しないROM(Read Only Memory)から基本プログラムや情報記録プログラム、情報再生プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAM(Random Access Memory)に展開することにより、情報記録処理や情報再生処理等の各種処理を実行するようになされている。
【0051】
制御部2は、光ピックアップ5を制御することにより、当該光ピックアップ5から光情報記録媒体100の光ビームが照射されるべき位置(以下、これを目標マーク位置と呼ぶ)に対して光ビームを照射させ、また当該光情報記録媒体100から戻ってきた光ビームを受光するようになされている。
【0052】
ここで一般的に対物レンズの開口数をNA、光ビームの波長をλとすると、光ビームが集光されるときのスポット径dは、以下の式によって表される。
【0053】
【数1】

【0054】
すなわち同一の対物レンズ13を用いる場合、開口数NAが一定となるためスポット径dは光ビームの波長λに比例することになる。
【0055】
2光子吸収の場合、同時に2光子を吸収したときにのみ反応が生じるため、光強度の2乗に比例して光反応が生じる。このため本実施の形態による光情報記録媒体100では、図3に示すように、記録光ビームL1において光強度の非常に大きい焦点Fb近傍にのみ記録マークRMが形成される。
【0056】
この記録マークRMは、記録光ビームL1のスポット径dと比して小さいサイズとなり、その直径daも小さくなる。このため光情報記録媒体100では、高密度で記録マークRMを形成させることにより記憶容量の大容量化が可能となる。しかしながら仮に当該記録光ビームL1と同一波長でなる読出光ビームL2を照射した場合、記録マークRMに直接照射されない読出光ビームL2の割合が大きくなり読出光ビームL2の損失が大きくなる他、目標マーク位置に隣接する記録マークRMによって読出光ビームL2が反射され戻り光ビームL3に干渉する、いわゆるクロストークを生じさせる可能性がある。もちろん、必要とされる記録密度によっては、記録光と読出光の波長を同一にすることも可能である。
【0057】
本実施の形態における光情報再生記録装置1における光ピックアップ5は、光源として記録光源10と再生光源15とを有しており、情報記録処理の際には例えば500[nm]の記録光ビームL1を用いる一方、情報再生処理の際には情報記録処理よりも短い波長(例えば405[nm])の読出光ビームL2を用いるようになされている。
【0058】
図4に示すように光ピックアップ5は、情報記録処理の際、制御部2の制御に基づき、例えばピコ秒レーザでなる記録光源10から波長500[nm]の記録光ビームL1を出射させ、当該記録光ビームL1をコリメータレンズ11により発散光から平行光に変換した上でダイクロイックプリズム12に入射させるようになされている。
【0059】
ダイクロイックプリズム12は、波長に応じて光ビームを反射又は透過させる反射透過面12Sを有している。反射透過面12Sは記録光ビームL1が入射されると当該記録光ビームL1を透過させ、対物レンズ13へ入射させる。対物レンズ13は、記録光ビームL1を集光することにより、光情報記録媒体100内の任意の箇所に合焦させ、例えば2光子吸収材料を蒸発させることにより気泡でなる記録マークRMを形成させるようになされている。
【0060】
このとき記録光ビームL1の焦点Fbでは、短い波長に応じて記録光ビームL1のスポット径dが比較的小さく、焦点Fb近傍における記録光ビームL1の面積が小さくなるため、その光強度が大きくなる。
【0061】
このため光情報記録媒体100では、焦点Fbにおける2光子吸収材料もしくはバインダーの分解反応により迅速に記録マークRMを形成することができる。また光情報記録媒体100では、光強度の大きい部分でのみ2光子吸収反応を生じさせるため記録光ビームL2の焦点Fb近傍に当該記録光ビームL2のスポット径dと比して小さい直径daを有する記録マークRMを形成する。
【0062】
また図5に示すように光ピックアップ5は、情報再生処理の際、制御部2の制御に基づき、再生光源15から波長405[nm]の読出光ビームL2を出射させ、当該読出光ビームL2をコリメータレンズ16により発散光から平行光に変換した上でビームスプリッタ17に入射させる。
【0063】
ビームスプリッタ17は、所定の割合で読出光ビームL2を透過させ、ダイクロイックプリズム12に入射させる。
【0064】
ダイクロイックプリズム12は、反射透過面12Sによって読出光ビームL2を反射させ、対物レンズ13へ入射させる。対物レンズ13は、読出光ビームL2を集光することにより、光情報記録媒体100内の任意の箇所に合焦させるようになされている。
【0065】
ここで光情報記録媒体100は、読出光ビームL2の合焦位置に記録マークRMが形成されていた場合、記録層101と記録マークRMとの屈折率の差異によって当該読出光ビームL2を反射し、戻り光ビームL3を生成する。また光情報記録媒体100は、読出光ビームL2の合焦位置に記録マークRMが形成されていない場合、読出光ビームL2を通過させ、戻り光ビームL3を生成することはない。
【0066】
対物レンズ13は、光情報記録媒体100から戻り光ビームL3が戻ってきた場合、当該戻り光ビームL3を平行光に変換し、ダイクロイックプリズム12へ入射させる。このときダイクロイックプリズム12は、戻り光ビームL3を反射透過面12Sにより反射し、ビームスプリッタ17へ入射させる。
【0067】
ビームスプリッタ17は、戻り光ビームL3の一部を反射し、集光レンズ18へ入射させる。集光レンズ18は、戻り光ビームL3を集光して受光素子19に照射する。
【0068】
これに応じて受光素子19は、戻り光ビームL3の光量を検出し、当該光量に応じた検出信号を生成して制御部2へ送出する。これにより制御部2は、検出信号を基に戻り光ビームL3の検出状態を認識し得るようになされている。
【0069】
ところで光ピックアップ5は、図示しない駆動部が設けられており、制御部2の制御により、記録光ビームL1の光軸方向であるZ方向、及び当該Z方向と垂直なX方向及びY方向の3軸方向に自在に移動し得るようになされている。これにより光ピックアップ5は、記録層101内に3次元的に配列された目標マーク位置に記録マークRMを自在に形成することができる。
【0070】
実際上、制御部2は、当該光ピックアップ5の位置を制御することにより、記録光ビームL1及び読出光ビームL2の焦点位置を所望の目標マーク位置に合わせ得るようになされている。
【0071】
このように光情報記録再生装置1は、波長の短い記録光ビームL1を焦点Fbに小さく集中させて照射することにより、当該焦点Fbにおいて効率良く2光子吸収材料を光反応させると共に、波長に応じて小さい記録マークRMを形成することができる。
【0072】
また光情報記録再生装置1は、記録光ビームL1よりも小さいスポット径を有する読出光ビームL2を照射する。これにより光情報記録再生装置1は、記録マークRMに適したスポット径でなる読出光ビームL2を照射し得、読出光ビームL2の損失やクロストークを抑制し得るようになされている。
【0073】
(3)実施例
本実施例では、上述した一般式(3)〜一般式(6)の化合物について、分子軌道法に従ってHOMO及びLUMOにおける電子密度及び電子エネルギーを算出した。表1に核化合物についてのHOMO及びLUMOにおける電子エネルギーと、HOMO及びLUMOにおける当該電子エネルギーの差(以下、これをエネルギー差と呼ぶ)の一覧を示す。なお以下、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)の化合物をそれぞれ化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dと呼ぶ。
【0074】
【表1】

【0075】
上述したように波長の短い青紫色光ビームに対して2光子吸収を生じるためには、HOMO及びLUMOにおけるエネルギー差が大きい必要があり、この分子軌道法による計算では、8.0〜10.0[eV]であることが望ましい。
【0076】
表からわかるように、化合物A〜化合物Dのいずれについても、エネルギー差が約9.0〜9.5[eV]であり、エネルギー差が大きいという条件を満たしている。
【0077】
なお化合物Dでは、HOMOとして電子エネルギーの値がほぼ同一でなる2つの軌道が存在したため、HOMOについて2つの電子エネルギーの値が示されている。
【0078】
また図6〜図10に、化合物A〜化合物DのHOMO及びLUMOについての電子密度を示す。なお図における線の濃淡は、分子軌道の位相(プラス又はマイナス)の差異を示している。
【0079】
上述したように波長の短い青紫色光ビームに対して2光子吸収を生じるためには、HOMO及びLUMOの双方において2つのアセチレン基を中心として電子密度が対称性を有すると共に、HOMOにおいて外側に電子密度が局在する一方、LUMOにおいて内側に電子密度が局在する必要がある。
【0080】
化合物Aは、一般式(2)におけるR、R及びRがフェニル基でなり、R及びRが水酸基でなるものである。
【0081】
図6(A)に示すように、化合物Aでは、HOMOにおいて電子密度が対称性を維持した状態で外側のフェニル基近傍に電子密度が局在している。また図6(B)に示すように、化合物Aでは、LUMOにおいて電子密度が対称性を維持した状態で内側のヘキサジイン構造近傍に電子密度が局在している。
【0082】
このことから化合物Aでは、青紫色光ビームに対して2光子吸収による光反応を生じさせる可能性が高いといえる。
【0083】
また化合物Bは、一般式(2)におけるR、R及びRがフェニル基でなり、R及びRのフェニル基における第2位(メタ位)に塩素(Cl)を有しており、R及びRが水酸基(OH)でなるものである。
【0084】
図7に示すように、化合物Bでは、電子吸引基である塩素の影響により化合物Aと比較して電子密度に変化が生じているものの、HOMO及びLUMOにおける電子密度が化合物Aと類似している。
【0085】
化合物Cは、一般式(2)におけるR、R及びRがフェニル基でなり、当該4つのフェニル基における第3位(オルト位)がメトキシル基(OCH)を有しており、R及びRが水酸基でなるものである。
【0086】
化合物Dは、一般式(2)におけるR、R及びRがフェニル基でなり、R及びRのフェニル基における第3位(パラ位)にメトキシル基を有しており、R及びRが水酸基でなるものである。
【0087】
図8〜図10に示すように、化合物C及び化合物Dにおいてもメトキシル基の影響により化合物Aと比較して電子密度に変化が生じているものの、HOMO及びLUMOにおける電子密度が化合物Aと類似している。
【0088】
このように一般式(2)を満たす化合物A〜化合物Dでは、いずれもHOMO及びLUMOにおいて2つのアセチレン基を中心として電子密度が対称性を有すると共に、HOMOにおいて外側に電子密度が局在する一方、LUMOにおいて内側に電子密度が局在しており、青紫色光ビームに対して2光子吸収を生じさせる条件を満たしている。
【0089】
(4)動作及び効果
以上の構成において、光情報記録媒体100の記録層101は、一般式(2)で表されるヘキサジイン構造を有する2光子吸収材料を含有し、情報記録時に集光される記録光に応じて2光子吸収反応により記録マークを形成するようにした。
【0090】
これにより記録層101は、600[nm]未満の短波長でなる記録光ビームL1に応じて記録マークを形成することができるため、600[nm]以上の赤色光ビームと比して記録光ビームL1のスポット径dを小さくすることができる。
【0091】
この結果記録層101は、同一の光強度で出射された赤色光ビームと比して、焦点Fbにおける光強度を向上させることができ、記録光ビームL1の光利用効率を高め、記録光ビームL1が出射されるときの光強度を低下させることができる。
【0092】
このため記録層101は、記録用光源10として極めて高い光強度でなるレーザ光を出射し得るフェムト秒レーザではなく、例えば半導体レーザでなるピコ秒レーザを使用させることが可能となり、光情報記録再生装置1としての構成を簡易にすることができる。
【0093】
また記録層101は、記録光ビームL1のスポット径dに応じて記録マークRMのサイズを小さくすることができるため、光情報記録媒体100としての記録容量を向上させることができる。
【0094】
また一般的に、2光子吸収材料が2光子吸収を生じる確率は、光強度の2乗に比例することが知られている。このため記録層101は、記録光ビームL1の焦点Fb1近傍、すなわち目標マーク位置付近でのみ記録光ビームL1を吸収させることができ、当該目標マーク位置の属する仮想記録マーク層(以下、これを照射記録マーク層と呼ぶ)とは異なる仮想記録マーク層(以下、これを他記録マーク層と呼ぶ)において記録光ビームL1を殆ど吸収せずに済む。
【0095】
この結果記録層101では、記録層101総体としての記録光ビームL1に対する透過率を向上させることができ、当該記録光ビームL1を効率良く目標マーク位置に照射することができる。
【0096】
また記録層101は、一般式(2)における第1位及び第6位の炭素がSP混成軌道を有し、R〜R及びR〜Rのうち各1以上がフェニル基又は置換基を有するフェニル基でなる2光子吸収材料を用いるようにした。
【0097】
これにより2光子吸収材料は、HOMOにおける電子密度を外側に偏在させることができ、2光子吸収を生じ易くさせることができる。
【0098】
さらに記録層101は、R及びR、R及びR5、並びにR及びRに同一の置換基を有することにより2つのアセチレン基を中心として対称の構造を有する化合物を2光子吸収材料として使用するようにした。
【0099】
これにより記録層101は、2光子吸収材料のHOMO及びLUMOにおける電子密度をほぼ対称にすることができる。
【0100】
また記録層101では、2光子吸収材料が青紫色光ビームに対して2光子吸収反応を生じるようにした。
【0101】
ここで従来の赤色光ビームを吸収する2光子吸収材料は、当該赤色光ビームよりも波長の短い青紫色光及び紫外光を吸収して劣化するため、記録層に用いるためには青紫色光及び紫外光を遮断する必要があり、コストアップの要因となっていた。
【0102】
本発明の2光子吸収材料を記録層101に用いるためには、青紫色光でなる記録光ビームL1よりも波長の短い紫外光のみを遮断すれば良い。また紫外光を吸収する材料は青紫色光を吸収する材料と比して汎用的に使用されており選択の幅が高く、安価である。このため2光子吸収材料は、光情報記録媒体100としての設計の自由度を向上させることができると共に、コストダウンをすることができる。
【0103】
また記録層101は、気泡でなる記録マークRMを形成することにより、一方向から照射される記録光ビームL1に応じて記録マークRMを形成できるため、光情報記録再生装置1の構成を簡易にすることができる。
【0104】
さらに記録層101は、記録光ビームL1の光軸方向及び当該光軸方向に垂直な垂直方向に複数の記録マークRMを形成することにより、記録マークを3次元的に形成するようにした。
【0105】
これにより記録層101では、記録光ビームL1が入射される基板102側にある他記録マーク層を通過させることにより照射記録マーク層に対して記録光ビームL1を照射する必要がある。このため記録層101では、特に基板102近傍の仮想記録マーク層に対して複数回に渡って繰り返し記録光ビームL1が曝露されることになる。
【0106】
光情報記録媒体100のような記録マークRMを3次元的に記録する体積型記録媒体では、仮想記録マーク層の数が多く、例えば基板102から1層目の仮想記録マーク層では、20層目の仮想記録マーク層に情報が記録されるまでの間に少なくとも19回に渡って他記録マーク層に対する記録光ビームL1が曝露されることになる。
【0107】
しかしながら記録層101では、他記録マーク層において2光子吸収材料が記録光ビームL1を殆ど吸収しないため、照射記録マーク層に照射される記録光ビームL1の影響を他記録マーク層に殆ど与えることがない。この結果記録層101は、光強度に比例して生じる1光子吸収や熱反応によって記録マークRMを形成する記録層と比較して、記録層101としての耐久性を向上させることができる。
【0108】
また光情報記録媒体100では、基板102及び103における材料の選定又は表面処理により記録層101を挟んで形成され、紫外光を透過しない紫外光遮断層を設けるようにした。
【0109】
これにより光情報記録媒体100では、記録層101に紫外光を曝露しなくて済むため、紫外線の曝露による2光子吸収材料の劣化を防止し得ると共に、記録層101の劣化をも防止することができる。
【0110】
以上の構成によれば、光情報記録媒体100の記録層101は、ヘキサジイン構造を有する2光子吸収材料を含有することにより、短波長でなる記録光ビームL1に応じて記録マークRMを形成することができ、かくして短波長の光ビームを2光子吸収する2光子吸収材料及び当該2光子吸収材料を用いた光情報記録媒体を実現できる。
【0111】
(5)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、R〜R及びR〜Rのうち各1以上がフェニル基又は置換基を有するフェニル基を有するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必ずしもフェニル基又は置換基を有するフェニル基を有さなくても良い。
【0112】
また上述した実施の形態においては、2光子吸収材料がバインダー樹脂に分散又は結合されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばガラスなどの無機材料に分散されるようにしても良い。
【0113】
さらに上述した実施の形態においては、バインダー樹脂として各種樹脂材料が用いられるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば必要に応じて各種添加剤や例えばシアニン系、クマリン系、キノリン系色素などの増感色素などを加える等しても良い。
【0114】
さらに上述した実施の形態においては、波長500[nm]でなる記録光ビームL1に対して2光子吸収反応を生じるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、600[nm]未満の短波長の光ビームに対して2光子吸収反応を生じれば良い。
【0115】
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100の基板102側の面から記録光ビームL1及び読出光ビームL2をそれぞれ照射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録光ビームL1を基板103側の面から照射するようにする等、各光又は光ビームをそれぞれいずれの面、もしくは両面から照射するようにしても良い。
【0116】
さらに上述した実施の形態においては、記録光ビームL1よりも短い波長でなる読出光ビームL2を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限られない。例えば開口数の異なる2つの対物レンズを切り替えて使用したり、絞り機構を用いて光束径を変化することにより同一波長でなる記録光ビームL1及び読出光ビームL2を使用しつつスポット径を変更するようにしても良い。また、記録光ビームL1の光利用効率を向上させて比較的大きい記録マークRMを形成することにより対物レンズの開口を変化させなくても同一波長でなる記録光ビームL1と読出光ビームL2とを用いることができる可能性もある。
【0117】
さらに上述した第2の実施の形態においては、記録再生光源10から出射される記録光ビームL1及び読出光ビームL2の波長を波長500[nm]及び405[nm]とする以外にも、他の波長とするようにしても良く、要は記録層101内における目標マーク位置の近傍に気泡による記録マークRMを適切に形成できれば良い。
【0118】
さらに上述した実施の形態においては、記録マークRMを3次元的に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば仮想マーク記録層を1層のみ有することにより記録マークRMを2次元的に形成しても良い。
【0119】
さらに上述した実施の形態においては、例えば2光子吸収材料が2光子吸収反応によって蒸発することにより気泡でなる記録マークRMを形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば2光子吸収材料が2光子吸収反応によって屈折率を変化させることにより記録マークRMを形成するようにしても良い。この場合、一の光源から出射した記録光ビームL1を2つに分離し、互いに反対方向から同一の目標マーク位置に照射することにより、ホログラムでなる記録マークRMを形成することも可能である。
【0120】
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100の記録層101を一辺約50[mm]、厚さt1を約0.05〜1.0[mm]の正方形又は長方形状に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の任意の寸法とするようにし、或いは様々な寸法でなる直方体状等、種々の形状としても良い。この場合、Z方向の厚さt1に関しては、記録光ビームL1及び読出光ビームL2の透過率等を考慮した上で定めることが望ましい。
【0121】
また光情報記録媒体100を円盤状に形成し、当該光情報記録媒体100を回転させながら同心円状又はらせん状に並んで記録マークRMが形成されるよう記録光ビームL1及び読出光ビームL2を照射しても良い。例えば記録容量が50GBでなる2層BDの5倍以上の容量を得るためには、記録層101の厚みは100[μm]以上とすることが望ましい。
【0122】
これに応じて基板102及び103の形状については、正方形板状又は長方形板状に限らず、記録層101に合わせた種々の形状であれば良い。また当該基板102及び103の材料については、ガラスに限らず、例えばポリカーボネイト等でも良く、要は記録光ビームL1及び読出光ビームL2並びに戻り光ビームL3をある程度高い透過率で透過させれば良い。また、戻り光ビームL3の代わりに、読出光ビームL2の透過光を受光する受光素子を配置して記録マークRMの有無に応じた読出光ビームL2の光変調を検出することにより、当該読出光ビームL2の光変調を基に情報を再生するようにしても良い。さらには、記録層101単体で所望の強度が得られる場合等に、光情報記録媒体100から当該基板102及び103を省略しても良い。
【0123】
さらに上述した実施の形態においては、記録層としての記録層101によって光情報記録媒体としての光情報記録媒体100を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる記録層によって光情報記録媒体を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、例えば映像コンテンツや音声コンテンツ等のような大容量の情報を光情報記録媒体等の記録媒体に記録し又は再生する光情報記録再生装置等でも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】光情報記録媒体の構成を示す略線図である。
【図2】光情報記録再生装置の構成を示す略線図である。
【図3】2光子吸収による記録マークの形成の説明に供する略線図である。
【図4】情報の記録の説明に供する略線図である。
【図5】情報の再生の説明に供する略線図である。
【図6】化合物Aの電子密度を示す略線図である。
【図7】化合物Bの電子密度を示す略線図である。
【図8】化合物Cの電子密度を示す略線図である。
【図9】化合物DのHOMOにおける電子密度を示す略線図である。
【図10】化合物DのLUMOにおける電子密度を示す略線図である。
【符号の説明】
【0126】
1……光情報記録再生装置、2……制御部、5……光ピックアップ、10……記録光源、13……対物レンズ、15……再生光源、19……受光素子、100、150……光情報記録媒体、101、151……記録層、t1、t2、t3……厚さ、L1……記録光ビーム、L2……読出光ビーム、L3……戻り光ビーム、RM……記録マーク。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される2光子吸収材料を含有し、情報記録時に集光される記録光に応じて2光子吸収反応により記録マークを形成する記録層
を有する光情報記録媒体。
【化1】

【請求項2】
上記2光子吸収材料は、
第1位及び第6位の炭素がSP混成軌道を有し、R〜R及びR〜Rのうち各1以上がフェニル基又は置換基を有するフェニル基でなる
請求項1に記載の光情報記録媒体。
【請求項3】
上記2光子吸収材料は、
青紫色光ビームに対して2光子吸収反応を生じる
請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項4】
上記記録層は、
上記2光子吸収材料がバインダー樹脂に分散されることにより上記2光子吸収材料を含有する
請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項5】
上記記録層は、
上記2光子吸収材料がバインダー樹脂に結合されることにより上記2光子吸収材料を含有する
請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項6】
上記記録層は、
気泡でなる記録マークを形成する
請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項7】
上記記録層は、
上記記録光の光軸方向及び当該光軸方向に垂直な垂直方向に複数の記録マークを形成することにより、上記記録マークを3次元的に形成する
請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項8】
上記記録層を挟んで形成され、紫外光を透過しない紫外光遮断層
を有する請求項2に記載の光情報記録媒体。
【請求項9】
一般式(1)で表される化合物でなり、光に応じて2光子吸収反応を生じる
2光子吸収材料。
【化1】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−274225(P2009−274225A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124716(P2008−124716)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】