説明

光拡散日射制御フィルム

光拡散日射制御フィルムは、可視光線を透過し赤外線を反射する多層フィルムと、多層フィルムに隣接して光拡散日射制御フィルムを形成する光拡散層又は表面と、を含む。光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が10%以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、光拡散日射制御フィルムに関し、特に光拡散日射制御積層物と光拡散日射制御グレージングユニットとに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー効率が良い窓とグレージングシステムとが求められていることが知られている。特定のタイプの窓を選ぶことは、多くの因子に依存し、例えば、UV、可視及び光学性能、美的及び気候条件が挙げられる。冷えることが多い気候では、日射熱取得率が低く断熱特性が低いグレージングユニットが適切な場合があり、一方で、暑くなることが多い気候では、中程度の日射熱取得とともに高い断熱特性が必要である。
【0003】
低放射率(低e)コーティングであれば、中〜遠赤外線エネルギーを反射し、絶縁されたグレージングユニットにおいて用いられる。低eの窓は、暑くなることが多い気候において特に有用である。2つのタイプの低eコーティングが存在する。熱分解低eコーティング(一般に、「ハードコート」と呼ばれる)を、ガラスの製造中に塗布する一方で、ガラス板を製造した後に、スパッタリングされた低eコーティングを真空プロセスにおいて塗布する(一般に、「ソフトコート」と呼ばれる)。ハード低eコーティングの方が耐久性があり、窓を製造する前に無期限に保存することができる。ソフトコートは通常、銀又は銀合金を含んでおり、大気中要素(例えば水分、塩、及び水)によって容易に攻撃される。更に、窓を構築する間、「エッジデリーション」として知られる行為を行なって、このような攻撃からコーティングエッジを緩和する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日射熱取得及び眩しさを減らすための一般的に知られている方法(吸収フィルム及び/又は窓の日よけ)も、可視光線透過を80%程度減らす。その結果、雲天空の下では人工照明を用いなければならず、エネルギー使用量が増加することになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、光拡散日射制御フィルムに関し、特に光拡散日射制御積層物と光拡散日射制御グレージングユニットとに関する。本開示は、光可視光線透過及び赤外線反射多層フィルム上に配置される光拡散層を目的とする。本明細書に記載した日射制御フィルムによって、窓を通る不必要な日射取得が最小限にされる一方で、建造物内側の照明が改善される。
【0006】
第1の実施形態においては、光拡散日射制御フィルムは、可視光線を透過し赤外線を反射する多層フィルムと、多層フィルムに隣接して光拡散日射制御フィルムを形成する光拡散層又は表面と、を含む。光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が10%以上である。
【0007】
別の実施形態においては、光拡散日射制御グレージングユニットは、ガラス基材と、ガラス基材上に配置された光拡散日射制御フィルムと、を含む。光拡散日射制御フィルムは、可視光線を透過し赤外線を反射する多層フィルムと、多層フィルムに隣接して光拡散日射制御フィルムを形成する光拡散層又は表面と、を含む。光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が10%以上である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面と共に以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解され得る。
【図1】例示的な日射制御積層物の概略断面図。
【図2】例示的な日射制御グレージングユニットの概略断面図。
【図3】日射制御フィルムのファサラミラノ(Fasara Milano)例に対する例示的な透過及び反射スペクトル。
【0009】
図は、必ずしも一定の比率ではない。図で用いられる同様の番号は同様の構成部品を指す。しかし、当然のことながら、ある特定の図において構成部品を指すために番号を用いることは、同じ番号を用いて標示される別の図における構成部品を限定することを意図するものではないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、本明細書の一部を構成し複数の特定の実施形態が例として示される添付図面を参照する。他の実施形態が想到され、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく他の実施形態を形成してもよいことを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味でとらえてはならない。
【0011】
本明細書で用いる科学及び技術用語はすべて、特に断りのない限り当該技術分野において広く用いられている意味を有する。本明細書において与えられる定義は、本明細書において頻繁に用いられる特定の用語の理解を容易にするためのものであり、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0012】
特に明記しない限り、本明細書と特許請求の範囲で使用される特徴的なサイズ、量及び物理的性質を表す全ての数は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されることを理解されたい。したがって、特に記載されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数のパラメータは、本明細書において開示される教示を利用する当業者によって得られようとしている所望の性質によって変化可能である近似値である。
【0013】
端点による数値範囲の列挙には、その範囲内に包含されるすべての数(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)並びにその範囲内のあらゆる範囲が包含される。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「ある(a及びan)」及び「その(the)」は、その内容について別段のはっきりした指示がない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容が特に明確に指示しない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0015】
用語「ポリマー」は、ポリマー、コポリマー(例えば、2つ以上の異なるモノマーを用いて形成されるポリマー)、オリゴマー、及びこれらの組み合わせ、並びに、相溶性ブレンドに形成することができるポリマー、オリゴマー、又はコポリマーを含むものと理解される。
【0016】
用語「隣接している」は、互いに近い2つの要素であって、互いに接触していてもそうでなくてもよいし、又は2つの要素を分離する1つ以上の層を有していてもよい2つの要素の相対位置を指す。
【0017】
本開示は、光拡散日射制御フィルムに関し、特に光拡散日射制御積層物と光拡散日射制御グレージングユニットとに関する。本開示は、光可視光線透過及び赤外線反射多層フィルム上に配置される光拡散層又は表面を目的とする。本明細書に記載した日射制御フィルムによって、窓を通る不必要な日射取得が最小限にされる一方で、建造物内側の照明が改善される。本発明はそのようには限定されないが、以下に記載される実施例の説明を通して本発明の種々の態様への正しい認識が得られる。
【0018】
図1は、例示的な日射制御積層物10の概略断面図である。日射制御積層物10は、多層フィルム20と光拡散層又は表面30とを備える。多くの実施形態において、多層フィルム20及び光拡散層30は、接着層40又は接着促進層(例えば、コロナ処理層又は下地層)を用いて互いに結合される。一部の実施形態では、多層フィルム20及び光拡散層30は、例えば共押出成形を介して一体形成され、この場合、多層フィルム20の表面薄層によって光拡散機能がもたらされる。光拡散表面30は、光拡散層の表面又は多層フィルム20の表面とすることができる。一部の実施形態では、赤外線吸収層50は、多層フィルム20上に配置される。
【0019】
多層フィルム20は、可視光線を透過し、赤外線を反射する。多くの実施形態において、多層フィルム20は、すべての可視光波長の少なくとも50%を透過し、850nm〜1100nmの赤外線の少なくとも50%又はすべての波長の赤外線の少なくとも50%を反射する。他の実施形態においては、多層フィルム20は、すべての可視光波長の少なくとも60%を透過し、850nm〜1100nmの赤外線の少なくとも60%又はすべての波長の赤外線の少なくとも60%を反射する。一部の実施形態では、多層フィルム20は、すべての可視光波長の少なくとも75%を透過し、850nm〜1100nmの赤外線の少なくとも75%を反射する。一部の実施形態では、多層フィルム20は、すべての可視光波長の少なくとも90%を透過し、850nm〜1100nmの赤外線の少なくとも90%を反射する。多層フィルム20は、任意の有用な材料から形成することができる。
【0020】
一部の実施形態では、多層フィルム20は、複数の金属層を含む多層のファブリーペロ干渉フィルターである。これらの層には、任意の有用な金属又は金属材料、例えば、金、銀、銅、並びにそれらの酸化物及び/又は合金などを含むことができる。これらの多層金属フィルムは、協働して近赤外線及び赤外線を反射する一方で可視光線を透過させる複数の薄い金属層を有する。これらの有用な多層の多層ファブリーペロ干渉フィルターフィルムの例は、米国特許第4,799,745号及び同第6,007,901号に記載されている。なおこれらの文献は、本開示と矛盾しない程度に、参照により組み込まれている。
【0021】
一部の実施形態では、多層フィルム20は、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料からなる複数の交互のポリマー層を備える多層ポリマーフィルムであり、交互層のうちの少なくとも1つは複屈折かつ配向されており、交互のポリマー層は協働して赤外線を反射し、可視光線は多層ポリマー赤外線反射フィルムを透過する。層は、異なる屈折率特徴を有しているため、一部の赤外線は隣接層間の界面において反射される。層は十分に薄いため、複数の界面において反射される光は強め合うか又は弱め合う干渉を受け、フィルムに所望の反射及び透過特性を与える。近赤外又は赤外線波長において光を反射するように設計された光学フィルムの場合、各層は一般的に、光学的厚さ(すなわち、物理膜厚×屈折率)が約1マイクロメートル未満である。但し、これよりも厚い層、例えば、フィルム外面にある表面薄層、又は層の束を区切るフィルム内に配置されている保護境界層も含めることができる。
【0022】
多層ポリマー赤外線反射フィルムの反射及び透過特性は、それぞれの層(すなわち、ミクロ層)の屈折率の関数である。各層は、フィルムの少なくとも局所位置においては、面内屈折率n、n、及びフィルムの厚み方向軸と関連のある屈折率nによって特徴づけることができる。これらの屈折率は、互いに直交するx軸、y軸、及びz軸に沿って偏光される光に対する対象材料の屈折率を、それぞれ表す。実際には、屈折率は、賢明な材料選択及び処理条件によって制御される。多層ポリマー赤外線反射フィルムは、以下のようにして作ることができる。2つの交互のポリマーA、Bからなる通常は数10又は数100の層を共押出成形し、その後に多層押出物を任意的に1つ以上の増倍ダイに通した後に、押出物を伸ばすかそうでなければ配向して最終的なフィルムを形成する。結果として生じるフィルムは、通常は数10又は数100の個々の層からなり、この層の厚さ及び屈折率は、スペクトルの所望の領域(例えば可視、近赤外、及び/又は赤外)において1つ以上の反射バンドをもたらすように調整される。妥当な数の層を用いて高反射率を実現するためには、隣接層は、x軸に沿って偏光される光に対する屈折率差として少なくとも0.05を示すことが好ましい。一部の実施形態では、2つの直交偏光に対して高反射率が望まれる場合には、隣接層は更に、y軸に沿って偏光される光に対する屈折率差として少なくとも0.05を示す。他の実施形態においては、屈折率差を0.05未満又は0にして、ある偏光状態の垂直入射光を反射し、直交する偏光状態の垂直入射光を透過する多層スタックを形成することができる。
【0023】
必要に応じて、z軸に沿って偏光される光に対する隣接層間の屈折率差を、斜め入射光のp偏光成分に対する望ましい反射率特性を実現するように調整することもできる。説明を容易にするために、多層光学フィルム上の任意の対象点において、x軸は、Δnの大きさが最大となるように、フィルムの平面内で配向されているとみなす。したがって、Δnの大きさは、Δnの大きさ以下である(が、これを超えない)ようにすることができる。更に、差Δn、Δn、Δnを計算する際にどの材料層から始めるかの選択は、Δnが負でないことが必要であるということによって決定される。言い換えれば、界面を形成する2層間の屈折率差は、Δnj=n1j−n2jである。ここで、j=x、y、又はzであり、層指定1、2は、n1x≧n2x、すなわち、Δnx≧0となるように選択される。
【0024】
斜めの入射角度におけるp偏光の高反射率を維持するために、層間のz−屈折率不整合Δnを、Δn≦0.5Δnとなるように、実質的に、最大の面内の屈折率差Δn未満に制御することができる。より好ましくは、Δn≦0.25Δnである。z屈折率の不一致の大きさがゼロ又はほぼゼロである場合、p偏光に対する反射率が入射角の関数として一定又はほぼ一定である界面が層の間に生じる。更に、z屈折率不整合Δnを、面内の屈折率差Δnと比べて反対の極性を有するように、すなわちΔn<0となるように、制御することができる。この条件によって、s偏光に対する場合と同様に、p偏光に対する反射率が入射角度の増加とともに増加する界面が生じる。
【0025】
多層光学フィルムは、例えば、米国特許第3,610,724号(ロジャーズ(Rogers));米国特許第3,711,176号(アルフレイ、ジュニア(Alfrey,Jr)ら)、「赤外線、可視光、又は紫外線に対する高反射性熱可塑性光学ボディ(Highly Reflective Thermoplastic Optical Bodies For Infrared,Visible or Ultraviolet Light)」;米国特許第4,446,305号(ロジャーズら);米国特許第4,540,623号(イム(Im)ら);米国特許第5,448,404号(シュレンク(Schrenk)ら);米国特許第5,882,774号(ジョンザ(Jonza)ら)「光学フィルム(Optical Film)」;米国特許第6,045,894号(ジョンザ(Jonza)ら)「透明〜着色防犯フィルム(Clear to Colored Security Film)」;米国特許第6,531,230号(ウェバー(Weber)ら)「カラーシフティングフィルム(Color Shifting Film)」;PCT公開WO 99/39224(アウダーカーク(Ouderkirk)ら)「赤外線干渉フィルター(Infrared Interference Filter)」;及び米国特許公開第2001/0022982 A1号(ニービン(Neavin)ら)、「多層光学フィルムの製造装置(Apparatus For Making Multilayer Optical Films)」;同第2006/0154049 A1号(パディヤース(Padiyath)ら)、「日射制御多層フィルム(Solar Control Multilayer Film)」に記載されている。なおこれらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。このようなポリマー多層光学フィルムでは、個々の層の構成にポリマー材を優勢的に又は独占的に使用する。このようなフィルムは、大量製造プロセスに対応することができるとともに、大型のシート及びロール商品の形で作製してもよい。
【0026】
多層ポリマー赤外線反射フィルムは、交互のポリマータイプ層の任意の有用な組み合わせによって形成することができる。多くの実施形態において、交互のポリマー層の少なくとも1つは複屈折かつ配向されている。一部の実施形態では、交互のポリマー層の1つは複屈折かつ配向されており、他の交互のポリマー層は等方性である。ある1つの実施形態では、多層光学フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPET)と、第2のポリマータイプ、例えばポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)又はポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のコポリマー(coPMMA)との層を交互にすることによって形成する。別の実施形態においては、多層ポリマー赤外線反射フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばポリエチレンテレフタレートと、第2のポリマータイプ、例えばポリ(メチルメタクリレート及びエチルアクリレート)のコポリマーとの層を交互にすることによって形成する。別の実施形態においては、多層ポリマー赤外線反射フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばグリコール処理されたポリエチレンテレフタレート(PETG−コポリマーエチレンテレフタレート及び第2のグリコール部分、例えばシクロヘキサンジメタノールなど)又はグリコール処理されたポリエチレンテレフタレートのコポリマー(coPETG)と、第2のポリマータイプ、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)又はポリエチレンナフタレートのコポリマー(coPEN)との層を交互にすることによって形成する。別の実施形態においては、多層ポリマー赤外線反射フィルムは、第1のポリマータイプ、例えばポリエチレンナフタレート又はポリエチレンナフタレートのコポリマーと、第2のポリマータイプ、例えばポリ(メチルメタクリレート)又はポリ(メチルメタクリレート)のコポリマーとの層を交互にすることによって形成する。交互のポリマータイプの層の有用な組み合わせは、米国特許第6,352,761号に開示されており、この特許は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0027】
多くの実施形態において、光拡散層30は、結合剤内に分散させた光散乱粒子を含んでおり、光のバルク拡散をもたらすことが可能である。光散乱粒子及び結合剤は屈折率が異なる。多くの実施形態において、光散乱粒子は第1の屈折率を有し、結合剤は第2の屈折率を有し、第2の屈折率は、少なくとも0.05の値だけ第1の屈折率と異なっている。一部の実施形態では、光散乱粒子は第1の屈折率を有し、結合剤は第2の屈折率を有し、第2の屈折率は、少なくとも0.1の値だけ第1の屈折率と異なっている。光拡散層30によって、日射制御フィルム10に、少なくとも10%以上、又は少なくとも30%以上、又は少なくとも50%以上のヘイズ値がもたらされる。ヘイズは、ASTM D 1003−00に従って測定する。一部の実施形態では、光拡散層30によって、日射制御フィルム10に、10%〜95%又は20%〜75%のヘイズ値範囲がもたらされる。粒子は、任意の有用な光散乱材料から形成することができるとともに、任意の有用なサイズ及び結合剤内の荷重を有することができる。多くの実施形態において、粒子は、おおよその直径が1〜25マイクロメートルの範囲であり、屈折率は1.5〜1.6の範囲である。例示的な光拡散層は、米国特許第6,163,402号(参照により本明細書に組み込まれる)、及びPCT公開WO 2005/005162(例示的な印刷された光拡散層を記載していた)に記載される。
【0028】
一部の実施形態では、光拡散表面30は、テクスチャー表面又はトポグラフィを備えており、光が光拡散表面30を透過するときに、光を散乱することができる(すなわち、表面光拡散)。テクスチャー表面又はトポグラフィは、任意の有用な技術を用いて形成することができる。一部の実施形態では、テクスチャー表面は、エンボス加工又は腐食(例えば、サンドブラスティング)によって形成する。他の実施形態においては、テクスチャー表面は、テクスチャーマスタ表面上に鋳造することによって形成する。テクスチャー表面は、ランダムに若しくは非ランダムに配置されているか又は表面に沿って形成されている複数の山と谷とによって画定することができる。これらの山と谷は、光拡散表面30を透過する光を分散又は拡散するのに有効である。光拡散表面30によって、日射制御フィルム10に、少なくとも10%以上、又は少なくとも30%以上、又は少なくとも50%以上のヘイズ値がもたらされる。ヘイズは、ASTM D 1003−00に従って測定する。一部の実施形態では、光拡散表面30によって、日射制御フィルム10に、10%〜95%又は20%〜75%のヘイズ値範囲がもたらされる。
【0029】
本明細書に記載した光拡散層又は表面30は、任意の有用なポリマー材料から形成することができる。例示的なポリマー材料には、本開示に記載される任意の層に対して任意の1つ又は複数のポリマー材料が含まれる。
【0030】
一部の実施形態では、赤外線吸収層50が多層フィルム20上に配置される。これらの実施形態においては、赤外線吸収層50は、硬化したポリマー結合剤内に分散させた金属酸化物を含んでいる。一部の実施形態では、この赤外線吸収層50の厚さは、1〜20マイクロメートル、又は1〜10マイクロメートル、又は1〜5マイクロメートルの範囲である。この赤外線吸収層50には、複数の金属酸化物ナノ粒子を含むことができる。金属酸化物ナノ粒子の部分的な列挙には、スズ、アンチモン、インジウム、及び亜鉛の酸化物、並びにドープ酸化物が含まれる。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子としては、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、インジウムドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ(antinomy tin oxide)、アンチモンドープ酸化スズ、又はこれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子としては、酸化スズ又はドープ酸化スズが挙げられ、任意に、更に酸化アンチモン及び/又は酸化インジウムが挙げられる。ポリマー結合剤層は、ポリマー結合剤層全体に分散させた赤外放射吸収ナノ粒子を含む。赤外放射吸収ナノ粒子は、赤外放射を優先的に吸収する任意の材料を含んでいてもよい。好適な材料の例としては、金属酸化物、例えばスズ、アンチモン、インジウム、及び亜鉛の酸化物、並びにドープ酸化物が挙げられる。場合によっては、金属酸化物ナノ粒子としては、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、インジウムドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ(antinomy tin oxide)、アンチモンドープ酸化スズ、又はこれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子としては、酸化アンチモン(ATO)及び/又は酸化インジウムスズ(ITO)が挙げられる。場合によっては、赤外放射吸収ナノ粒子は、六ほう化ランタン、すなわちLaB6を含んでもよいし、これらから形成してもよい。
【0031】
六ほう化ランタンは、有効な近赤外(NIR)吸収剤であり、吸収バンドの中心は900nmにある。赤外放射吸収ナノ粒子は、ポリマー結合剤層の可視光線透過に実質的に影響しないような大きさにすることができる。場合によっては、赤外放射吸収ナノ粒子は、任意の有用なサイズ、例えば1〜100、又は30〜100、又は30〜75ナノメートルなどを有してよい。
【0032】
ナノ粒子は、任意の有用なサイズ、例えば1〜100、又は、30〜100、又は、30〜75ナノメートルにすることができる。一部の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子としては、ポリマー材料内に分散させた酸化アンチモンスズ又はドープ酸化アンチモンスズが挙げられる。ポリマー材料は、任意の有用な結合剤材料、例えばポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、フルオロポリマーなどであることができる。
【0033】
一部の実施形態では、赤外線吸収層50結合剤及び/又は光拡散層若しくは表面30結合剤は、ハードコートとして機能することができる硬化されたポリマー材料である。赤外線吸収ナノ粒子層を形成するための好適なポリマー結合剤は、アクリレート及び/又はメタクリレートモノマーの熱及び/又はU.V.重合された(すなわち、硬化された)生成物を含む。好適な硬化された結合剤は、臭素化アルキル置換フェニルアクリレート又はメタクリレート(例えば、4,6−ジブロモ−2−sec−ブチルフェニルアクリレート)、メチルスチレンモノマー、臭素化エポキシジアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、並びに六官能性芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーの熱及び/又はU.V.重合された生成物であり、これは米国特許第6,355,754号に記載されている通りである。なおこの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。ほとんどのタイプのエネルギー重合性の末端官能性モノマー及びオリゴマーは、これらのポリマー結合剤の形成に有用であるが、アクリレートが、その高い反応性により、好ましい。硬化可能な結合剤組成物は、気泡が組成物内に閉じ込められないように十分に低い流動粘性のものである必要がある。反応性希釈剤は、単又は二官能性モノマー、例えば、SR−339、SR−256、SR−379、SR−395、SR−440、SR−506、CD−611、SR−212、SR−230、SR−238、及びSR−247(ペンシルベニア州エクストン(Exton)のサートマー社(Sartomer Co.)から入手可能)などとすることができる。典型的な有用なオリゴマー及びオリゴマーブレンドとしては、CN−120、CN−104、CN−115、CN−116、CN−117、CN−118、CN−119、CN−970A60、CN−972、CN−973A80、CN−975(ペンシルベニア州エクストン(Exton)のサートマー社(Sartomer Co.)から入手可能)、及びエベクリル(Ebecryl)1608、3200、3201、3302、3605、3700、3701、608、RDX−51027、220、9220、4827、4849、6602、6700−20T(ジョージア州スマーナ(Smyrna)のサーフェススペシャリティズ(Surface Specialties)から入手可能)が挙げられる。付加的に、多官能性架橋剤は、耐久性のある高架橋密度の複合材料マトリックスを実現するのに役立つことができる。多官能性モノマーの例としては、SR−295、SR−444、SR−351、SR−399、SR−355、及びSR−368(ペンシルベニア州エクストン(Exton)のサートマー社(Sartomer Co.)から入手可能)並びにPETA−K、PETIA及びTMPTA−N(ジョージア州スマーナ(Smyrna)のサーフェススペシャリティズ(Surface Specialties)から入手可能)が挙げられる。多官能性モノマーは、重合性組成物を重合することによってもたらされる結合剤ポリマーのガラス転移温度を上昇させるための架橋剤として用いることができる。
【0034】
赤外線吸収層50結合剤及び/又は光拡散層若しくは表面30結合剤は、硬質樹脂又はハードコートを形成することができる。用語「硬質樹脂」又は「ハードコート」の意味は、結果として生じる硬化ポリマーが、ASTM D−882−91手順に従って評価したときに、破断点伸びとして50パーセント未満又は40パーセント未満又は30パーセント未満又は20パーセント未満又は10パーセント未満又は5パーセント未満を示すということである。一部の実施形態では、硬質樹脂ポリマーは、ASTM D−882−91手順に従って評価したときに、引っ張り係数として689475kPa(100kpsi)(6.89×10の8乗パスカル)を超える値を示すことができる。一部の実施形態では、硬質樹脂ポリマーは、500gの負荷及び50サイクルでASTM D 1044−99に従ってテーバー摩耗試験機において試験したときに、ヘイズ値として10未満%又は5未満%を示すことができる(ヘイズは、ヘイズガードプラス(Haze-Gard Plus)、BYK−ガードナ(Gardner)、メリーランド州のヘイズメータを用いて測定することができる。
【0035】
いくつかの赤外線吸収層50の実施形態においては、金属酸化物ナノ粒子は、ポリマー材料中に分散させた酸化インジウムスズ又はドープ酸化インジウムスズを含んでいる。ナノ粒子層の厚みは、任意の有用な厚み、例えば1〜10、又は、2〜8マイクロメートルとすることができる。ナノ粒子層は、ナノ粒子を、任意の有用な荷重又は重量%、例えば30〜90重量%、40〜80重量%、又は50〜80重量%などにおいて含むことができる。多くの実施形態において、ナノ粒子層は非伝導性である。ナノ粒子組成物は、例えば、アドバンストナノプロダクツ社(Advanced Nano Products Co.,LTD.)(韓国)から、商標名TRB−ペースト(PASTE)SM6080(B)、SH7080、SL6060で市販されている。別の実施形態においては、金属酸化物ナノ粒子としては、酸化亜鉛及び/又は酸化アルミニウムが挙げられ、このような酸化物は、GfEメターレウントマテリアリエン有限責任会社(GfE Metalle und Materialien GmbH)(ドイツ)から入手可能である。
【0036】
日射制御フィルム10は、接着層、例えば感圧性接着層(任意的な剥離ライナーを伴う)などを、日射制御フィルムのいずれかの露出面上に備えることができる。感圧性接着剤(PSA)層110(図2)は、日射制御多層フィルムを、グレージング基材、例えばガラスに貼り付けることができる任意のタイプの接着剤とすることができる。日射制御フィルムをガラスに取り付けるために、日射制御フィルムの1つの表面に感圧性接着剤(PSA)をコーティングし、フィルムをガラスに貼付する前に剥離シートをPSAから取り除く。
【0037】
紫外線を吸収する添加剤をPSAに組み込むことができる。UV吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンザトリアジン、ベンゾフェノン(benizophenone)、若しくはそれらの組み合わせを挙げることができ、又はそれは、米国第2004/0241469 A1号、同第2004/10242735 A1号、及び米国特許第6,613,819 B2号に記載されるもののいずれかであってもよい。これらはすべて、本開示と矛盾しない程度に、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの例は、CGL 139、CGL 777、及びチヌビン(商標)327、460、479、480、777、900、及び928を含む。これらはすべて、チバスペシャルティケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)製である。
【0038】
多くの実施形態では、PSAは、光学的に透明なPSAフィルム(例えばポリアクリレート感圧性接着剤)である。感圧テープ協議会(Pressure-Sensitive Tape Council)では、感圧性接着剤を、以下の特性を有する材料として定義している:(1)積極的で永続的な接着性、(2)わずか指圧力にて接着、(3)被着体上に保持するのに十分な能力、(4)十分な貼着性、及び(5)エネルギー源による活性化が不必要。PSAは普通、アセンブリ温度(通常は室温以上)において接着性である。PSAとして十分に機能することがわかっている材料は、必須の粘弾性特性を示すように設計及び処方されており、その結果として、アセンブリ温度で接着性と剥離接着性と剪断保持力との望ましいバランスをもたらすポリマーである。PSAを調製する際に最も一般的に用いられているポリマーは、天然ゴム−、合成ゴム−(例えば、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)及びスチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー)、シリコーンエラストマー−、ポリα−オレフィン−、及び種々の(メタ)アクリレート−(例えば、アクリレート及びメタクリレート)系ポリマーである。これらのうち、(メタ)アクリレート系ポリマーであるPSAは、その光学的透明性、特性の長期間にわたる恒久不変性(経時的安定性)、及び汎用な接着程度(これらはPSAの利点のほんの一部である)から、本発明におけるPSAの好ましい部類として発展してきている。
【0039】
前述した剥離ライナーは、任意の有用な材料、例えばポリマー又は紙などから形成することができ、また剥離コートを含んでもよい。剥離コートで用いる好適な材料としては、接着剤から剥離ライナーを容易に剥離させるように設計されているフッ素ポリマー、アクリル樹脂及びシリコーンが挙げられるが、これらに限らない。
【0040】
図2は、例示的な日射制御グレージングユニット100の概略断面図である。例示したグレージングユニット100は、第1のグレージング基材120と第2のグレージング基材130とを備えているが、単一のグレージング基材を用いてもよいことが想到される。第1のグレージング基材120は、内表面121と外表面122とを備える。第2のグレージング基材130は、内表面131と外表面132とを備える。前述した日射制御器10が、第1のグレージング基材120の内表面121に接着層110を介して固定されていることは、前述した通りである。例示した日射制御グレージングユニット100は、日射制御器10がガラス基材120、130間に固定されている絶縁されたグレージングユニットであり、ガラス基材120、130は、ガラス基材120、130間に、封止された気体体積140を形成している。
【0041】
一実施形態においては、グレージング基材120、130は、多層フィルム20と光拡散層30との間に配置されて、日射制御積層物を形成している。多層フィルム20及び光拡散層30を、グレージング基材120、130に、前述した任意の接着剤又は接着促進層を介して接着することができる。
【0042】
多くの実施形態において、日射制御フィルム10は、グレージングユニットの一部上にのみ配置されている。例えば、日射制御フィルム10は、ガラス基材の表面積の一部上にのみ配置されている。一部の実施形態では、日射制御フィルム10は、ガラス基材の表面積の75未満%上に、又はガラス基材の表面積の50未満%上に配置されている。
【0043】
第1のグレージング基材及び第2のグレージング基材は、任意の好適なグレージング材料から形成してもよい。場合によっては、グレージング基材は、可視光線を含む特定の波長において望ましい光学特性を保有する材料から選択してもよい。場合によっては、グレージング基材は、可視スペクトル内の光の相当量を透過する材料から選択してもよい。場合によっては、第1のグレージング基材及び/又は第2のグレージング基材はそれぞれ、ガラス、石英、サファイアなどの材料から選択してもよい。特定の場合には、第1のグレージング基材及び第2のグレージング基材は両方ともガラスである。
【0044】
多くの実施形態において、日射制御グレージングユニット100は、可視光線を透過し、可視光線を反射する。多くの実施形態において、日射制御グレージングユニット100は、500nm〜800nmの可視光線の少なくとも50%を透過し、850nm〜1150nmの赤外線の少なくとも50%を反射する。他の実施形態においては、日射制御グレージングユニット100は、525nm〜750nmの可視光線の少なくとも60%を透過し、900nm〜1100nmの赤外線の少なくとも80%を反射する。更なる実施形態においては、日射制御グレージングユニット100は、500nm〜800nmの可視光線の少なくとも40%を透過し、850nm〜1150nmの赤外線の少なくとも50%を反射する。他の実施形態においては、日射制御グレージングユニット100は、525nm〜750nmの可視光線の少なくとも40%を透過し、900nm〜1100nmの赤外線の少なくとも80%を反射する。
【実施例】
【0045】
以下の材料を実施例で用い、次のように示す。
【0046】
CM 875:PET及びcoPMMAからなる224の交互の層を備える2ミル(公称上)の4分の1(12.7μm)波長多層赤外反射フィルムであり、これは米国特許第6,797,396号に記載されている(例えば、実施例5を参照)。
【0047】
ファサラサンマリノ(Fasara San Marino)装飾用フィルム(3M社から入手可能)。
【0048】
ファサラミラノ装飾用フィルム(3M社から入手可能)。
【0049】
透明ガラス:2mm又は6mmの透明ガラス(PPGインダストリーズ(PPG Industries)から入手可能)。
【0050】
光学スペクトルを、ラムダ(Lambda)19分光光度計(マサチューセッツ州ボストン(Boston)のパーキンエルマ(Perkin Elmer))を用いて測定した。スペクトルを、オプティクス(Optics)5及びウィンドウ(Window)5.2プログラム(国立ローレンスバークレー研究所(Lawrence Berkeley National Laboratories)から入手可能)にインポートして、グレージングシステムの熱及び光学特性の分析に備えた。性能特性、例えば可視光線透過(Tvis)、遮蔽係数、及び反射率(ガラス側及びフィルム側)を、ウィンドウ5.2プログラムを用いて測定した。このプログラムは、http://windows(登録商標).lbl.gov/software/からダウンロードすることができる。これらの測定の結果を表1に示す。
【0051】
赤外線反射多層ポリマーフィルムCM 875の、ファサラサンマリノ装飾用フィルム及びファサラミラノ装飾用フィルムへの積層を、光学接着剤(8141光学的に透明な接着剤(3M社から入手可能))を用いて行なって、日射制御フィルムを形成した。この日射制御フィルムを次に、透明ガラス上に感圧性接着剤を用いて積層し、日射阻止特性を測定し、ガラス上の装飾用フィルムと比較して、下表1に報告した。
【0052】
【表1】

【0053】
図3は、日射制御フィルムファサラミラノ例に対する例示的な透過及び反射スペクトルである。
【0054】
以上、光拡散日射制御フィルムの実施形態が開示される。当業者であれば理解するように、開示した以外の実施形態が想定されている。開示された実施形態は、例証の目的で提示されているのであって、制限するものではなく、本発明は、次に続く請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光拡散日射制御フィルムであって、
可視光線を透過し赤外線を反射する多層フィルムと、
前記多層フィルムに隣接して光拡散日射制御フィルムを形成する光拡散層又は表面と、
を備え、
光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が10%以上である、光拡散日射制御フィルム。
【請求項2】
前記多層フィルムが、多層ポリマーフィルムである、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項3】
前記多層フィルムが、複数の金属層を備える、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項4】
前記光拡散層が、結合剤内に分散した粒子を含み、前記粒子及び前記結合剤は屈折率が異なる、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項5】
前記光拡散表面が、テクスチャー表面を含む、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項6】
前記光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が30%以上である、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項7】
前記粒子が第1の屈折率を有し、前記結合剤が第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は少なくとも0.05だけ前記第1の屈折率よりも大きいか又は小さい値である、請求項4に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項8】
前記多層ポリマー赤外線反射フィルムが、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料からなる複数の交互のポリマー層を備え、前記交互層のうちの少なくとも1つは複屈折かつ配向されており、前記交互のポリマー層は協働して赤外線を反射し、可視光線は前記多層ポリマー赤外線反射フィルムを透過する、請求項2に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項9】
前記多層ポリマーフィルムに隣接して配置された赤外線吸収ナノ粒子層を更に備える、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項10】
前記赤外線吸収ナノ粒子層が、六ほう化ランタン、酸化アンチモンスズ、又は酸化インジウムスズを含む、請求項9に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項11】
前記多層フィルムと前記光拡散層との間に配置された接着層を更に備え、前記接着層が紫外線吸収材料を含む、請求項1に記載の光拡散日射制御フィルム。
【請求項12】
光拡散日射制御グレージングユニットであって、
ガラス基材と、
前記ガラス基材上に配置された光拡散日射制御フィルムと、
を備え、前記光拡散日射制御フィルムは、
可視光線を透過し赤外線を反射する多層フィルムと、
前記多層フィルムに隣接して拡散日射制御フィルムを形成する光拡散層又は表面と、
を備え、
前記光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が10%以上である、光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項13】
前記多層フィルムが、多層ポリマーフィルムである、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項14】
前記多層フィルムと前記ガラス基材との間に配置された接着層を更に備え、前記接着層が紫外線吸収材料を含む、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項15】
前記ガラス基材が表面積値を有し、前記光拡散日射制御フィルムが前記表面積値の一部にのみ配置される、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項16】
前記光拡散層が、結合剤内に分散した粒子を含み、前記粒子及び前記結合剤は屈折率が異なる、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項17】
前記粒子が第1の屈折率を有し、前記結合剤が第2の屈折率を有し、前記第2の屈折率は少なくとも0.05だけ前記第1の屈折率よりも大きいか又は小さい値である、請求項16に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項18】
第2のガラス基材を更に備え、前記拡散日射制御フィルムが前記ガラス基材と前記第2のガラス基材との間に配置される、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項19】
前記光拡散日射制御グレージングユニットが、前記ガラス基材と前記第2のガラス基材との間に封止された気体体積を備える絶縁されたグレージングユニットである、請求項18に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項20】
前記多層ポリマー赤外線反射フィルムが、第1のポリマー材料及び第2のポリマー材料からなる複数の交互のポリマー層を備え、前記交互層のうちの少なくとも1つは複屈折かつ配向されており、前記交互のポリマー層は協働して赤外線を反射し、可視光線が前記多層ポリマー赤外線反射フィルムを透過する、請求項13に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項21】
前記多層フィルムに隣接して配置された赤外線吸収ナノ粒子層を更に備える、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項22】
前記光拡散表面が、テクスチャー表面を含む、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。
【請求項23】
前記光拡散日射制御フィルムはヘイズ値が30%以上である、請求項12に記載の光拡散日射制御グレージングユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−527816(P2010−527816A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509430(P2010−509430)
【出願日】平成20年5月6日(2008.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/062755
【国際公開番号】WO2008/144217
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】