説明

光沢付与装置、及び、画像形成装置

【課題】連続通紙時などであってもベルト部材を所望の温度まで充分に冷却することができて、装置の立ち上げ直後や低温環境時などであっても比較的少ない消費電力で稼働される、光沢付与装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録媒体Pの画像面を接触させた状態で搬送するベルト部材51と、ベルト部材51を介して加熱ローラ52に圧接してニップ部を形成する加圧回転体62と、ベルト部材51を介して記録媒体Pに接触するように搬送方向に沿って並設された複数の冷却部材71A〜71Cと、複数の冷却部材71A〜71Cをそれぞれ加熱する複数の第2加熱手段80A〜80Cと、が設置されている。そして、複数の冷却部材71A〜71Cの温度をそれぞれ別々に調整できるように、複数の冷却部材71A〜71Cと複数の第2加熱手段80A〜80Cとがそれぞれ独立して制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、その外部又は内部に設置される光沢付与装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、高い光沢性を有する出力画像を形成するために、記録媒体上の定着画像に光沢を付与する光沢付与装置を設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、光沢付与装置は、定着ニップ部(定着部)に対して記録媒体の搬送方向下流側に設置されていて、定着工程後の記録媒体を搬送するベルト部材(定着ベルト)や、ベルト部材を介して記録媒体の画像面に接触するヒートシンク方式の冷却手段、等で構成されている。このような光沢付与装置を通過した記録媒体上のトナー像は定着ニップ部で溶融された後にベルト部材に密着した状態で冷却されるため、画像面が平滑になり高い光沢性が得られることになる。そのため、画像の高光沢性が要求されるカラー画像形成装置では、重要な技術となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光沢付与装置は、連続通紙時などに、ベルト部材が記録媒体や周囲の熱源から熱を受けて、ベルト部材の冷却が間に合わなくなり、ベルト部材を所望の温度まで充分に冷却できずに、出力画像において高い光沢性が得られないことがあった。
また、装置の立ち上げ直後や低温環境時などに、ベルト部材が必要以上に冷却された状態になってしまい、定着ニップ部の位置でトナーを溶融できるまでベルト部材を昇温させるのに多くの消費電力を要してしまうことがあった。
そして、これらの問題は、特に、ベルト部材が高速で走行駆動される高速機では、無視できないものになっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、連続通紙時などであってもベルト部材を所望の温度まで充分に冷却することができて、装置の立ち上げ直後や低温環境時などであっても比較的少ない消費電力で稼働される、光沢付与装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1記載の発明にかかる光沢付与装置は、記録媒体上に担持されたトナー像に光沢を付与する光沢付与装置であって、第1加熱手段によって加熱される加熱ローラと、加熱ローラを含む複数のローラ部材に張架されるとともに、記録媒体の画像面を接触させた状態で所定方向に走行して記録媒体を搬送するベルト部材と、前記ベルト部材を介して前記加熱ローラに圧接して記録媒体が送入されるニップ部を形成する加圧回転体と、前記ベルト部材を介して記録媒体に接触するように前記ベルト部材の搬送方向に沿って並設された複数の冷却部材と、前記複数の冷却部材をそれぞれ加熱する複数の第2加熱手段と、を備え、前記複数の冷却部材の温度をそれぞれ別々に調整できるように、前記複数の冷却部材と前記複数の第2加熱手段とがそれぞれ独立して制御されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ベルト部材の搬送方向に沿って並設された複数の冷却部材と、複数の冷却部材をそれぞれ加熱する複数の第2加熱手段と、を設置して、複数の冷却部材の温度をそれぞれ別々に調整できるように複数の冷却部材と複数の第2加熱手段とをそれぞれ独立して制御している。これにより、連続通紙時などであってもベルト部材を所望の温度まで充分に冷却することができて、装置の立ち上げ直後や低温環境時などであっても比較的少ない消費電力で稼働される、光沢付与装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】光沢付与装置を示す構成図である。
【図3】複数の冷却部材を上方からみた断面図である。
【図4】実施例及び比較例の実験条件及び実験結果を示す表図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の画像形成装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、を示す。
【0011】
また、50は画像形成装置本体の外部に設置された周辺装置であって記録媒体P上に担持されたトナー像に光沢を付与する光沢付与装置、51は記録媒体Pの画像面(定着画像面)を接触させた状態で所定方向に走行して記録媒体Pを搬送するベルト部材(搬送ベルト)、71A〜71Cはベルト部材51を介して記録媒体Pに接触するようにベルト部材Pの搬送方向に沿って並設された複数の冷却部材、を示す。
光沢付与装置50は、画像形成装置本体1から排出された定着工程後の記録媒体P上の画像の光沢性を向上させるための装置である。
【0012】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
【0013】
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
【0014】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
【0015】
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0017】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0018】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0019】
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと圧接ローラとのニップ部にて、カラー画像(トナー)が記録媒体P上に定着される。
【0022】
そして、定着工程後の記録媒体Pは、出力画像の光沢度を向上させる「光沢モード」が選択されていないときには、図1の破線矢印に示すように、切替爪の移動によって画像形成装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
これに対して、「光沢モード」が選択されているときには、図1の実線矢印に示すように、切替爪の移動によって画像形成装置本体1から光沢付与装置50に導かれて、光沢付与装置50にて記録媒体P上の画像に光沢性が付与された後に、光沢付与装置50から出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
ここで、「光沢モード」とは、画像形成装置本体1の操作パネル(不図示である。)のボタン操作によってユーザーが任意に選択できるモードであって、例えば、写真画像のように高光沢性が要求される画像を出力するときに選択されるものである。
【0023】
次に、図2及び図3にて、画像形成装置本体1に設置される光沢付与装置50の構成・動作について詳述する。
図2は、光沢付与装置50の要部を示す構成図である。また、図3は、複数の冷却部材71A〜71Cを上方からみた断面図であって、冷却部材71A〜71Cに形成された流路71aを示す図である。
図2に示すように、光沢付与装置50は、第1加熱手段としてのハロゲンヒータ58によって加熱される加熱ローラ52、加熱ローラ52の位置(加熱部)でベルト部材51の表面温度を検知する温度センサ59(サーミスタ)、加圧回転体としての加圧ローラ62、複数のローラ部材52〜55に張架・支持されたベルト部材51(搬送ベルト)、3つの液冷システム70A〜70Cにそれぞれ接続された3つの冷却部材71A〜71C、3つの冷却部材71A〜71Cをそれぞれ加熱する3つの第2加熱手段としての面状ヒータ80A〜80C、3つの冷却部材71A〜71Cの温度をそれぞれ検知する温度検知手段としての温度センサ78A〜78C、等で構成される。
【0024】
ここで、ベルト部材51は、耐熱性の高い樹脂材料からなる層厚10〜300μm程度のベース層上に、層厚1〜100μm程度の表面層が形成された多層構造の無端状ベルトである。
ベルト部材51のベース層(内周面層)としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド等からなるポリマーシートを用いることができる。
また、ベルト部材51の表面層(外周面層)は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等で形成することができる。また、ベルト部材51の表面層は、記録媒体P上の画像に高い光沢性を付与するために、その表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下(好ましくは、0.1μm以下である。)になるように形成されている。
そして、ベルト部材51は、加熱ローラ52を含む4つのローラ部材52〜55に張架されていて、記録媒体Pの画像面を密着して接触させた状態で所定方向(図2の矢印方向であって、時計方向である。)に走行して記録媒体Pを搬送する。なお、4つのローラ部材52〜55のうちの1つは駆動ローラ54であって、不図示の駆動モータに接続されていて、ベルト部材51を周速50〜700mm/秒程度で走行駆動する。
【0025】
加熱ローラ52は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属材料からなる外径が50〜120mm程度の中空構造のローラ部材であって、その円筒体の内部にはハロゲンヒータ58(第1加熱手段)が固設されている。
加熱ローラ52のハロゲンヒータ58は、その両端部が光沢付与装置50の側板(不図示である。)に固定されている。そして、不図示の電源部(交流電源)により出力制御されたハロゲンヒータ58からの輻射熱によって加熱ローラ52が加熱されて、さらに加熱ローラ52によって加熱されたベルト部材51の表面から記録媒体P上のトナー像に熱が加えられる。ハロゲンヒータ58の出力制御は、ベルト部材51表面に接触する温度センサ59(サーミスタ)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ59の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ハロゲンヒータ58に交流電圧が印加される(オン・オフ制御される)。このようなハロゲンヒータ58の出力制御によって、ベルト部材51の温度(加熱ローラ52に張架された部分における表面温度)を所望の温度(100〜180℃程度である。)に調整制御することができる。
【0026】
また、加圧回転体としての加圧ローラ62は、外径が50〜120mm程度であって、芯金上に弾性層、表面層が順次積層されたものである。加圧ローラ62の弾性層は、層厚が5〜30mm程度であって、シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。加圧ローラ62の表面層は、層厚が30〜200μm程度であって、フッ素樹脂からなるチューブ材等で形成されている。
そして、加圧ローラ62(加圧回転体)は、不図示の加圧機構によってベルト部材51を介して加熱ローラ52に圧接する。こうして、加圧ローラ62とベルト部材51との間に、記録媒体Pが送入されるニップ部(ニップ幅が10〜40mm程度である。)が形成される。
【0027】
3つの冷却部材71A〜71Cは、ベルト部材51を介して記録媒体Pの画像面に接触するようにベルト部材51の搬送方向に沿って並設されている。
詳しくは、第1冷却部材71Aはベルト部材51の搬送方向の最上流に設置され、第2冷却部材71Bは第1冷却部材71Aに隣接する位置であってベルト部材51の搬送方向の中央部に設置され、第3冷却部材71Cは第2冷却部材71Bに隣接する位置であってベルト部材51の搬送方向の最下流に設置されている。なお、本実施の形態では、ベルト部材51と冷却部材71A〜71Cとの密着性を向上させるために、加熱ローラ52の位置から分離ローラ53の位置までにおいて、冷却部材71A〜71Cがベルト部材51の内周面を押圧するように配設されている。
【0028】
ここで、3つの冷却部材71A〜71Cは、それぞれ独立した3つの液冷システム70A〜70Cの1つに接続されていて、それぞれ独立して冷却制御される。
3つの冷却部材71A〜71Cは、いずれも、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属材料で形成されていて、図3に示すように、その内部には冷却液(例えば、水である。)が幅方向(図2の紙面垂直方向である。)にジグザグ状に往復移動するための流路71aが形成されている。
また、第1冷却部材71Aが接続された第1液冷システム70Aと、第2冷却部材71Bが接続された第2液冷システム70Bと、第3冷却部材71Cが接続された第3液冷システム70Cと、はいずれも、ほぼ同じように構成されている。
【0029】
詳しくは、3つの液冷システム70A〜70Cは、それぞれ、冷却量調整手段としてのラジエータ72、冷却液が貯留されるタンク73、流量調整手段としてのポンプ74、冷却部材71とラジエータ72とタンク73とポンプ74とを接続する搬送管75(パイプ)、等で構成されている。そして、冷却部材71A〜71Cを含めた液冷システム70A〜70Cにおいて、図2及び図3に示す矢印方向に冷却液(液体)が循環して、冷却部材71A〜71Cが冷却され、ベルト部材51を介して記録媒体P上のトナー像(画像)が冷却されることになる。
【0030】
ここで、ラジエータ72には、ラジエータ72内を流動する冷却液を空冷するためのファン(不図示である。)が設置されている。このファン(ラジエータ72)は、風量を0〜11m3/分の範囲で可変できるように構成されていて、冷却部材71A〜71Cに設置された温度センサ78A〜78C(例えば、サーミスタ等である。)によってそれぞれ検知される検知温度に基いてその風量がそれぞれ可変される冷却量調整手段として機能することになる。
また、ポンプ74は、タンク73から冷却部材71A〜71Cに向けて送られる冷却液の流量を0〜15リットル/分の範囲で可変できるように構成されていて、冷却部材71A〜71Cに設置された温度センサ78A〜78Cによってそれぞれ検知される検知温度に基いて冷却部材71A〜71Cを循環する冷却液(液体)の流量をそれぞれ調整する流量調整手段として機能することになる。このポンプ74(流量調整手段)は、上述したラジエータ72とともに、冷却部材71A〜71Cを冷却制御するためのものである。すなわち、温度センサ78A〜78Cによってそれぞれ検知される検知温度に基いて、冷却部材71A〜71Cを検知温度よりも低い所望の温度に冷却したい場合に、その大きさに応じて、ポンプ74の流量やラジエータ72の風量が適宜に最適な値に調整されることになる。特に、ポンプ74の流量調整による冷却制御は、冷却の応答性が高く急冷時に有用である。
【0031】
また、図2を参照して、3つの冷却部材71A〜71Cには、それぞれ、冷却部材71A〜71Cを冷却する3つの第2加熱手段としての面状ヒータ80A〜80Cが設置されていて、それぞれ独立して加熱制御される。
詳しくは、第1面状ヒータ80Aは、第1冷却部材71Aの上面に設置され、第1冷却部材71Aが冷却され過ぎていて第1温度センサ78Aの検知温度が所定値に達していない場合に第1冷却部材71Aを加熱する。同様に、第2面状ヒータ80Bは、第2冷却部材71Bの上面に設置され、第2冷却部材71Bが冷却され過ぎていて第2温度センサ78Bの検知温度が所定値に達していない場合に第2冷却部材71Bを加熱する。同様に、第3面状ヒータ80Cは、第3冷却部材71Cの上面に設置され、第3冷却部材71Cが冷却され過ぎていて第3温度センサ78Cの検知温度が所定値に達していない場合に第3冷却部材71Cを加熱する。
【0032】
このように本実施の形態における光沢付与装置50は、3つの冷却部材71A〜71Cと3つの面状ヒータ80A〜80C(第2加熱手段)とが、それぞれ、3つの温度センサ78A〜78Cのうち対応する温度センサの検知温度に基いて独立して制御される。すなわち、3つの冷却部材71A〜71Cは、それぞれ、独立して冷却・加熱制御されて、狙いの温度に応答性よく調整されることになる。
これにより、連続通紙時などに、ベルト部材51が記録媒体Pや周囲の熱源(加熱ローラ52等である。)から熱を受けても、ベルト部材51の冷却が間に合わなくなりベルト部材51を所望の温度まで充分に冷却できなくなる不具合が生じにくくなる。したがって、出力画像において高い光沢性が安定的に得られることになる。
また、光沢付与装置50の立ち上げ直後や低温環境時などであっても、3つの面状ヒータ80A〜80Cによってそれぞれ独立して加熱制御された冷却部材71A〜71Cによって、ベルト部材51が必要以上に冷却された状態になってしまうことなく、比較的少ない消費電力で加熱部におけるニップ部(加熱ローラ52と加圧ローラ62とのニップ部である。)の位置でトナーを溶融できるまでベルト部材51を昇温させることができる。
【0033】
さらに補足すると、冷却部材を複数に分割しない場合には、冷却部材の温度が上流側と下流側とで平均化されるため、循環する冷却液の温度も平均化されて、室温との温度差が少なくなりラジエータでの冷却量が少なくなって、結果的に装置全体として記録媒体Pを充分に冷却できなくなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、冷却部材71A〜71Cを複数に分割してそれらを別々に冷却しているため、温度が最も高い状態であるベルト部材51から熱を受ける最上流側の第1冷却部材71Aを、他の冷却部材71B、71Cと分けて冷却制御することができる。そのため、分割された冷却部材71A〜71Cごとに、ラジエータ72やポンプ74によって適正な冷却量にて効率よく冷却することができて、装置全体として記録媒体Pを充分に冷却することができる。
【0034】
なお、図2を参照して、ベルト部材51と加圧ローラ62との当接部(ニップ部である。)の入口側には、ベルト部材51による搬送経路に記録媒体Pを案内する入口ガイド板91が配設されている。
また、複数のローラ部材のうちの1つである分離ローラ53の近傍には、ベルト部材51による搬送経路から分離された記録媒体Pを搬送ローラ対65(排紙ローラ対)の位置まで案内する出口ガイド板92が配設されている。
【0035】
上述のように構成された光沢付与装置50は、通紙時(稼働時)に次のように動作する。
画像形成装置本体1の電源スイッチ(主電源)が投入されると、それに連動して光沢付与装置50にも電力が供給されて、電源からハロゲンヒータ58に交流電圧が印加(給電)される。同時に、不図示の駆動モータに連結された駆動ローラ54の回転駆動(図2中の時計方向の回転である。)が開始されて、それぞれの部材が接触する位置における摩擦抵抗によって、ベルト部材51や加熱ローラ52や加圧ローラ62やその他のローラ部材53、55が矢印方向に従動回転される。
その後、画像形成装置本体1から定着工程後の記録媒体Pが送入されると、その記録媒体Pは、入口ガイド板91によってニップ部(加熱ローラ52と加圧ローラ62との圧接位置である。)に導かれる。そして、このニップ部(加熱部)の位置で、記録媒体P上のトナー像(画像)が加熱される。なお、ベルト部材51は、温度センサ59の位置で150℃になるように、ハロゲンヒータ58のオン・オフ制御によって温度制御されている。そして、ニップ部を通過した記録媒体Pは、その表面温度が100〜120℃程度になって、記録媒体P上のトナー像が軟化・溶融する。
その後、記録媒体Pは、ベルト部材51への密着力によってベルト部材51に密着したまま搬送されて、3つの冷却部材71A〜71Cの位置で順次冷却された後に、分離ローラ53の位置でベルト部材51から分離(曲率分離)されることになる。このとき、記録媒体P上のトナー像は、平滑性の高いベルト部材51の表面状態によって高い平滑性が与えられ、40℃以下に冷却されて固化した状態になっており、高い光沢性が得えられる。このようにして得られた画像の光沢度(20°光沢度)は、65〜80程度になる。
その後、画像の高光沢性が付与された記録媒体Pは、搬送ローラ対65によって、光沢付与装置50から排紙される。
【0036】
以下、図4を用いて、上述した本実施の形態における効果を確認するために、本願発明者がおこなった実験(実施例及び比較例)について説明する。
図4の実験は、温度センサ59によって検知されるベルト部材51の加熱部(温度センサ59が設置された部分である。)の温度が150℃になるように、ハロゲンヒータ58をオン・オフ制御したときの、立上げ直後と連続通紙中とにおけるベルト部材51上の5箇所の温度と、そのときに光沢付与装置で消費された消費電力と、を測定したものである。また、図4の実験は、低温環境(10℃環境)から装置を立上げておこなったものである。また、ベルト部材51の周速度は350mm/秒に設定して、記録媒体Pを80枚/分の速度で連続的に1000枚通紙した。
図4において、温度測定点における、「A:ベルト加熱部」は加熱ローラ52の位置におけるベルト部材51の表面を示し、「B:冷却部材(加熱側)」は第1冷却部材71Aの位置におけるベルト部材51の表面を示し、「C:冷却部材(中央)」は第2冷却部材71Bの位置におけるベルト部材51の表面を示し、「D:冷却部材(分離側)」は第3冷却部材71Cの位置におけるベルト部材51の表面を示し、「E:ベルト加熱前」は「A:ベルト加熱部」に達する直前のベルト部材51の表面を示す。
【0037】
また、図4において、「実施例」は本実施の形態における光沢付与装置50を用いて連続通紙したものであって、冷却部材71A〜71Cにそれぞれ面状ヒータ80A〜80Cが設置され(「冷却部材ヒータ有」)、冷却部材71A〜71Cと面状ヒータ80A〜80Cとの独立制御がされ(「独立制御有」)、記録媒体Pの通紙中に冷却加熱制御がされ(「通紙中、冷却加熱有」)、装置50の立上げ時に面状ヒータ80A〜80Cによる冷却部材71A〜71Cの加熱制御もされている(「立上げ時、冷却部材の加熱有」)。
これに対して、「比較例1」は実施例における光沢付与装置50の構成や制御を一部省いたものであって、冷却部材71A〜71Cに面状ヒータ80A〜80Cを設置せず(「冷却部材ヒータ無」)、装置50の立上げ時に冷却部材71A〜71Cの加熱制御がされていない(「立上げ時、冷却部材の加熱無」)。
また、「比較例2」は実施例における光沢付与装置50の制御を一部省いたものであって、冷却部材71A〜71Cにそれぞれ面状ヒータ80A〜80Cが設置され(「冷却部材ヒータ有」)、冷却部材71A〜71Cと面状ヒータ80A〜80Cとの独立制御がされず(「独立制御無」)、記録媒体Pの通紙中に冷却制御のみがされ(「通紙中、冷却のみ」)、装置50の立上げ時に面状ヒータ80A〜80Cによる冷却部材71A〜71Cの加熱制御がされている(「立上げ時、冷却部材の加熱有」)。
また、「比較例3」は実施例における光沢付与装置50の制御を一部省いたものであって、冷却部材71A〜71Cにそれぞれ面状ヒータ80A〜80Cが設置され(「冷却部材ヒータ有」)、冷却部材71A〜71Cと面状ヒータ80A〜80Cとの独立制御がされず(「独立制御無」)、記録媒体Pの通紙中に冷却加熱制御がされず(「通紙中、冷却加熱無」)、装置50の立上げ時に面状ヒータ80A〜80Cによる冷却部材71A〜71Cの加熱制御がされている(「立上げ時、冷却部材の加熱有」)。
【0038】
本実施の形態における光沢付与装置では、冷却部材71A〜71Cによって、記録媒体P上のトナー像が40℃以下に冷却されていれば、トナー像が充分に固化して所望の光沢度を得ることができるが、40℃以下に大幅に冷却しても光沢度がそれ以上に向上することはない。すなわち、光沢付与装置の冷却部材71A〜71Cは40℃に冷却されていれば、その機能を充分に達成することができる。
【0039】
図4の実験結果に示すように、低温環境(10℃環境)から装置を立上げているため、「比較例1」のものは、他のものとは異なり、立上げ時に面状ヒータ80A〜80Cによる冷却部材71A〜71Cの加熱制御がされていないので、ベルト部材51の温度が加熱部から搬送方向に遠ざかる位置ほど低くなって、「E:ベルト加熱前」の位置では立上げ直後におけるベルト表面温度がほぼ環境温度(10℃)と同等になっている。また、連続通紙中には、冷却部材71A〜71Cの温度は、ベルト部材51からそれぞれ熱を受けて上昇するが、内部を流動する冷却液が10℃に冷却された状態から開始されるため、その後にも温度はあまり上がらずに、第3冷却部材71Cの位置でのベルト表面温度が15℃であり、「E:ベルト加熱前」の位置でのベルト表面温度も15℃であり、「A:ベルト加熱部」の位置でベルト表面温度を15℃から150℃にまで上げるために大きな消費電力が必要になり、通紙に係る電力も含めて4000Wもの電力が消費されてしまった。
【0040】
これに対して、「比較例2」のものは、冷却部材71A〜71Cに面状ヒータ80A〜80Cが設置されているものの、冷却部材71A〜71Cと面状ヒータ80A〜80Cとの独立制御がされないため、立上げ時には冷却部材71A〜71Cが40℃に加熱されて、連続通紙中の冷却部材71A〜71Cの位置のベルト表面温度は「比較例1」に比べると高くなり、「E:ベルト加熱前」の位置でのベルト表面温度も20℃であり、「A:ベルト加熱部」の位置でベルト表面温度を20℃から150℃にまで上げるために通紙に係る電力も含めて3800Wもの電力が消費されてしまった。
また、「比較例3」のものは、「比較例2」に対して連続通紙中に冷却部材71A〜71Cの冷却をおこなっていないため、全体の消費電量は2600Wと低くなるものの、連続通紙中の第3冷却部材71Cの位置のベルト表面温度が60℃にまで上昇してしまい、出力画像に狙いとする光沢度を付与することができなかった。
【0041】
これに対して、「実施例」では、冷却部材71A〜71Cがそれぞれ独立して温度センサ80A〜80Cの検知温度が40℃になるように加熱・冷却制御されているため、立上げ時に冷却部材71A〜71Cをそれぞれ40℃に立ち上げておいて、そこから記録媒体Pの通紙がおこなわれることになる。このとき、通紙中においても、冷却部材71A〜71Cの温度をそれぞれ40℃になるように制御するため、加熱側にあってベルト部材51から最も熱を受ける第1冷却部材71Aの温度は常に40℃以上となっている。そのため第1冷却部材71Aの温度は、液冷システム70Aにて40℃狙いで冷却しているが、受熱量が多いため45℃となっている。また、第2冷却部材71Bや第3冷却部材71Cでは、40℃となるように冷却・加熱制御がおこなわれて、その温度がほぼ40℃に維持されている。これにより、「A:ベルト加熱部」の位置でベルト表面温度を40℃から150℃にまで上げるために通紙に係る電力も含めて3300W程度の電力の消費に留まることになる。このように、「実施例」では、消費電力が比較的小さくて、出力画像の光沢度を充分に高くすることができる。
【0042】
また、このような実験結果から、本実施の形態において、3つの冷却部材71A〜71Cを、それぞれ、記録媒体Pの搬送が開始される前に温度センサ80A〜80Cの検知温度が所定値(光沢性が確保される温度であって、40℃である。)に達していない場合に、その検知温度が所定値(40℃)に達するまで対応する面状ヒータ78A〜78Cによって加熱して、3つの冷却部材71A〜71Cのすべての温度が所定値(40℃)に達した後に記録媒体Pの搬送が開始されるように制御することが好ましい。
これにより、消費電力が比較的小さくて、出力画像の高い光沢度を充分に確保することができる。
また、上述の実験では、加熱冷却の切り替えの制御の例を示したが、液冷システム70A〜70Cの冷却量の制御(OFFも含む。)を併用しておこなうことで、さらにきめ細かい制御が可能になる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態では、ベルト部材51の搬送方向に沿って並設された複数の冷却部材71A〜71Cと、複数の冷却部材71A〜71Cをそれぞれ加熱する複数の面状ヒータ80A〜80C(第2加熱手段)と、を設置して、複数の冷却部材71A〜71Cの温度をそれぞれ別々に調整できるように複数の冷却部材71A〜71Cと複数の面状ヒータ80A〜80Cとをそれぞれ独立して制御している。これにより、連続通紙時などであってもベルト部材51を所望の温度まで充分に冷却することができて、装置の立ち上げ直後や低温環境時などであっても比較的少ない消費電力で光沢付与装置50を稼働することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では加圧回転体として加圧ローラ62を用いたが、加圧回転体として加圧ベルトを用いてもよい。
また、本実施の形態ではベルト部材として多層構造のものを用いたが、ベルト部材として単層構造のものを用いてもよい。
また、本実施の形態では第2加熱手段として面状ヒータ80A〜80Cを用いたが、第2加熱手段として別の加熱手段(例えば、発熱抵抗体等である。)を用いてもよい。
また、本実施の形態では第1加熱手段としてハロゲンヒータ58を用いたが、第1加熱手段として別の加熱手段(例えば、カーボンヒータや、電磁誘導加熱するための励磁コイル、等である。)を用いてもよい。
そして、それらの場合にも、本実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、光沢付与装置50を画像形成装置本体1の外部に周辺装置として設置したが、光沢付与装置50を画像形成装置本体1の一部として内設することもできる。そして、その場合に、定着装置20と光沢付与装置50とを一体化して、定着工程と光沢付与工程とを連続的におこなうように構成することもできる。
さらに、本実施の形態では、複数の冷却部材71A〜71Cの数を3つとしたが、複数の冷却部材の数を2つ又は4つ以上とすることもできる。そして、その場合には、複数の冷却部材の数と同数の面状ヒータ(第2加熱手段)や液冷システムがそれぞれの冷却部材に独立して設置され、それらが独立して冷却・加熱制御されることになる。
そして、それらの場合にも、本実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0046】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置本体、
50 光沢付与装置、
51 ベルト部材、
52 加熱ローラ、
58 ハロゲンヒータ(第1加熱手段)、
59 温度センサ、
62 加圧ローラ(加圧回転体)、
70A、70B、70C 液冷システム、
71A、71B、71C 冷却部材、
71a 流路、
72 ラジエータ(冷却量調整手段)、
73 タンク、
74 ポンプ(流量調整手段)、
75 搬送管、
78A、78B、78C 温度センサ(温度検知手段)、
80A、80B、80C 面状ヒータ(第2加熱手段)、
P 記録媒体。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2006−243444号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に担持されたトナー像に光沢を付与する光沢付与装置であって、
第1加熱手段によって加熱される加熱ローラと、
加熱ローラを含む複数のローラ部材に張架されるとともに、記録媒体の画像面を接触させた状態で所定方向に走行して記録媒体を搬送するベルト部材と、
前記ベルト部材を介して前記加熱ローラに圧接して記録媒体が送入されるニップ部を形成する加圧回転体と、
前記ベルト部材を介して記録媒体に接触するように前記ベルト部材の搬送方向に沿って並設された複数の冷却部材と、
前記複数の冷却部材をそれぞれ加熱する複数の第2加熱手段と、
を備え、
前記複数の冷却部材の温度をそれぞれ別々に調整できるように、前記複数の冷却部材と前記複数の第2加熱手段とがそれぞれ独立して制御されることを特徴とする光沢付与装置。
【請求項2】
前記複数の冷却部材の温度をそれぞれ検知する複数の温度検知手段を備え、
前記複数の冷却部材と前記複数の第2加熱手段とは、それぞれ、複数の温度検知手段のうち対応する温度検知手段の検知温度に基いて制御されることを特徴とする請求項1に記載の光沢付与装置。
【請求項3】
前記複数の冷却部材は、それぞれ、記録媒体の搬送が開始される前に前記温度検知手段の検知温度が所定値に達していない場合に当該検知温度が前記所定値に達するまで対応する前記第2加熱手段によって加熱され、
前記複数の冷却部材のすべての温度が前記所定値に達した後に記録媒体の搬送が開始されることを特徴とする請求項2に記載の光沢付与装置。
【請求項4】
前記複数の冷却部材は、それぞれ、独立した複数の液冷システムの1つに接続されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光沢付与装置。
【請求項5】
前記複数の液冷システムは、それぞれ、前記冷却部材に循環される液体の流量を調整する流量調整手段を具備し、
前記複数の冷却部材は、それぞれ、前記流量調整手段によって冷却制御されることを特徴とする請求項4に記載の光沢付与装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光沢付与装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−97175(P2013−97175A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240031(P2011−240031)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】