説明

光波を導くための装置および方法

光を導くための電気光学材料の電気光学コア層(112)と、その電気光学コア層(112)に近接した少なくとも1つの第1の電極層(114;114―1)を有する電極配置であって、前記電極配置は、その電極配置によって生成された電界によって電気光学コア層(112)の領域(116)に電気光学効果を起こさせるように構成され、その結果、光の伝播が、その起こされた電気光学効果の領域において操作される、電極配置とを含む、を含んでいる層スタック(110;210)を用いて可変的に光波を導くための構想が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光通信デバイス、特に、可変的に設定可能な導波型光デバイス(VOWD)に関する。
【背景技術】
【0002】
遠距離に関する光遠隔通信ネットワークは、光周波数での電磁放射、すなわち光を送り、分割し、相互接続し、変調し、そして、増幅するための多種多様なデバイスを含む。コネクタ、スイッチ、電力減衰器、ビーム方向変換器(beem steerer)、方向性結合器および強度変調器などの平面デバイスは、符号化された光波のための基本的な輸送手段として、パッシブおよび/またはアクティブ光導波路を組み込む。
【0003】

【0004】
導波路構造は、内部全反射によって光波を導く。最も一般的な光導波路は、光ファイバである。しかし、他のタイプの光導波路が使用されることもあり、例えば、フォトニック結晶ファイバを含み、それはいくつかの異なった機構のいずれかによって波を導く。異なるタイプの光導波路の共通の原理は、(後になってバッファまたはクラッド領域と呼ばれる)低い屈折率の領域に埋められるときに、光導波特性を得る(後になってコア層または領域と呼ばれる)特定の材料領域において、より高い屈折率nを誘起することである。屈折率差および異なる屈折率を有する領域の形状が、光導波型の伝搬特性を決定する。電気光学物質において誘起される導波路構造に関して、屈折率差は、電気光学効果によって局所的に印加電界を変えることによって誘発される。
【0005】
電気光学効果は、光の周波数と比較してゆっくり変化する電界に応答する材料の光学特性の変化である。専門用語の電気光学効果(electro−optic effect)は多くの異なった現象を含む。そして、それは吸収の変化および/または屈折率の変化に細別されることができる。電気光学光導波路を設計することに関して、屈折率の変化は特に興味深い。屈折率のこの変化は、いわゆるポッケルス効果(Pockels effect)(または線形電気光学効果)またはいわゆるカー効果(Kerr effect)(または2次電気光学効果)に起因しうる。ポッケルス効果は、印加電界と線形に比例した屈折率の変化を示す。カー効果は、電界の二乗に比例した屈折率の変化を示す。特定の結晶性固体だけがポッケルス効果を示すのに対して、すべての材料は、マグニチュードを変化させることによって、カー効果を示す。しかし、それは通常、ポッケルス効果より非常に弱い。
【0006】
電気光学導波路は、例えばニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、ガリウム砒素、さまざまな酸化物およびセラミックなどの無機および/または有機材料から作られることができる。あるいは、電気光学ポリマーベースの導波路デバイスは、それらの小さい速度ミスマッチ、低い光損失および高速での演算の可能性を考慮しているコスト効率のよい高性能なデバイスを供給することができる。更に、当業者に知られている有機および/または無機材料のさまざまな配合物および複合物があり、それらは現存のデバイスにおいて使用される、または、依然として導波路デバイスの調査にある。
【0007】
通常、導波路構造は、フォトリソグラフィー(光化学的構造形成)、熱エンボス加工による機械的構造形成、レプリケーションおよび他のインプリント方法、分子、原子またはイオンの注入および拡散、UV反応方法などのパターニング方法を有する相互作用のコーティング方法などの方法によって製作されるが、ポリマーの屈折率変化は、照射時間および強度を変化させることによって誘発されうる。
【0008】
従来の導波路デバイスおよびそれらの製作のための方法の欠点は、一旦導波管材が構築されると、それらの形状をもはや変えることができないということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、導波管形状を補償しておよび/または能動的に調整することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の導波型光デバイスおよび請求項15に記載の光波を導くための方法によって解決される。
【0011】
導波管形状または光学経路が、平面配置された電気光学的にアクティブな材料の層スタックと、その電気光学的にアクティブな層スタックに近接した少なくとも1つの電極層を有する電極配置を使用することによって変化することができることが本発明の発見である。自由にプログラミングするまたは電極配置の個々の電極を選択することによって、さまざまな導波路構造、または対応する電極経路を選択することによる光学経路を生成することが可能である。
【0012】
本発明の実施形態は、導波路デバイスが、層スタックを含み、その層スタックは、光波を導くための電気光学材料の電気光学コア層、およびその電気光学コア層に近接した少なくとも1つの第1の電極層を有する電極配置を含み、その電極配置は、その電極配置によって生成された電界によって電気光学コア層の領域に電気光学効果を起こさせるように構成され、その結果、光の伝播がその起こされた電気光学効果の領域において操作されることを特徴とする、導波型光デバイスを供給する。
【0013】
本発明の実施形態によれば、電気光学コア層の電気光学材料は、電気光学コア層の領域の電気光学効果を起こさせることが前記領域の電気光学材料の屈折率を変化させることを含むように、電極配置の電極によって生成された電界に応答して、その屈折率を変化させるように構成される。
【0014】
電気光学コア層は、ポリマー、コポリマー、高分子マトリクスで混合された発色団などのホスト―ゲスト・システム、発色団、側鎖ポリマーまたは有機的に修正されたゾル―ゲル、液晶、ポリマーマトリクスで分散された液晶、オプトセラミック、シリコン系ポリマー、非線形結晶(ニオブ酸リチウム)、ガリウム砒素、TiO2(二酸化チタン)などの無機材料、PLZT(ランタンジルコニウム酸チタン酸鉛)、PMNPT(ニオブ酸鉛マグネシウム‐チタン酸鉛)などのセラミック、または有機/無機/セラミックの混合物またはセラミック複合材の分類からの電気光学的にアクティブな材料の層である。バッファまたはクラッド層は、パッシブ材料または電気光学材料でありえる。材料のこれらの種類は、当業者に知られている。
【0015】
実施形態によれば、第1の電極層は、個々にアドレス付けされた第1の電極によって生成された電界によって、電気光学コア層の所望の領域において電気光学効果を選択的に起こさせるために、平面配置され個々にアドレス可能な複数の第1の電極を含む。実施形態によれば、その複数の電極は、2つ以上の電極、好ましくは10以上の電極、さらにより好ましくは、100以上の電極として理解されたい。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、電極配置は、近接に、および、第1の電極層と比較して、電気光学コア層の反対側に配置された、電気光学コア層が第1および第2の電極層の間に配置されるように少なくとも1つの第2の電極を含む第2の電極層を含む。電気光学効果は、第1の電極層の隣接する個々にアドレス可能な第1の電極に電位差を印加することによって、または、第1の電極層および第2の電極層の対向する個々にアドレス可能な電極間に電位差を印加することによって、選択的に起こされる。
【0017】
内部全反射によって電気光学コア層に光を閉じ込めるために、いくつかの実施形態によれば、層スタックは、電気光学コア層と第1の電極層との間に配置される少なくとも1つの第1のバッファまたはクラッド層を含む。このことにより、第1のクラッド層は、電気光学コア層の屈折率に等しい、または、それより低い屈折率を有する材料から形成される。
【0018】
更なる実施形態によれば、層スタックは、電気光学コア層は、第1および第2のクラッド層の間に配置されるように、第1のクラッド層と比較して電気光学コア層の反対側に配置された第2のバッファまたはクラッド層を含む。第1の電極層と比較して電気光学コア層の反対側に配置された第2の電極層がある場合、第2のバッファまたはクラッド層は、電気光学コア層および第2の電極層の間に配置される。また、第2のクラッド層は、電気光学コア層の屈折率に等しい、または、それより低い屈折率を有する材料から形成される。
【0019】
それ故、本発明の実施形態を使用することによって、クラッドの屈折率が、全反射によってコア層の光を閉じ込めるためのコア層の屈折率より低いまたはそれと同じであることを特徴とし、電気光学材料のコア層およびパッシブまたは電気光学クラッド層を有する多層システムを含む、可変であるまたは可変的に設定可能な平面電気光学導波路デバイスを設計することは、可能である。電気光学効果は、それ全体の対応する電界を印加すること、すなわち、多層システムの近接に位置付けられた電極層の電極に、対応する電位を印加することによって、コア層の領域において起こさせる。複数の密接に集められ、同一に成形された個々の平坦な副電極(サイズにおいて微視的)が形成されるように、電極層(サイズにおいて巨視的)のうちの少なくとも1つがパターニングされる。このことにより、副電極は、1次元または2次元配列に配置され、同じ平面に位置づけられる。微視的な副電極はまた、この明細書の続きにおいて、「ピクセル化された平滑面」上の「ピクセル電極」とも呼ばれる。電極層のこのピクセル化された平滑面は、例えば、シリコンまたはガラスでできている基板に位置付けられうる。ピクセル電極は、いかなる周知の手段によっても基板を介して別々に接触されうる。その結果、それらは個々にアドレス可能である。これは、アクティブマトリクス、例えばSRAMのようなアーキテクチャに、または、パッシブに、すなわち、ドライバ電子機器に対してピクセル電極ごとに1つの電気接続においてピクセル電極を集積することによって、達成することができる。ピクセル電極の幾何的形状および/またはそれら間の距離は、最大表面被覆率を確実にして、いかなる導波路デバイスまたはさまざまな導波路デバイスのいかなる組み合わせの形状も最も良くフィットさせるように、好ましくは選択される。
【0020】
このように、適当な電圧で特定のピクセル電極の操作によって、電気光学コアによる光伝搬性は、電気光学導波路デバイスの電気光学コア層に沿って、さまざまな対応する経路上で、導かれうる、分割されうる、変調されうる、または、増幅されうる。実施形態による多層系は、電極層間に挟まれていてもよいが、電極層のうちの少なくとも1つはピクセル化された電極層である。更なる実施形態によれば、他の電極層は、なくてもよく、または、それは、例えばAl、ITO(酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide))、導電性高分子材料などの導体材料でできている連続層でできていてもよく、または、個々にアドレス可能なピクセル電極において、第1の電極層と同様に、パターニングされてもよい。
【0021】
本発明の実施形態は、プリズム、レンズ、格子などと同様に、例えば、スプリッタ、ビーム方向変換器、可変同調共振器、フィルタ、スイッチ、ビーム偏向器、偏光感受型導波路デバイス、可変光導波路減衰器または他のいかなる平面電気光学導波路デバイスとしても機能するために設計されうる可変電気光学導波路デバイスを含む。いずれにせよ、本発明の導波路構造の特別な仕様は、対応して電極配置の電極をアドレス付けすることによって、連続的に調整されうる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態は、添付図面を参照して、以下で詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】図1aは、本発明の実施形態の導波型光デバイス構想を示す。
【図1b】図1bは、本発明の実施形態の導波型光デバイス構想を示す。
【図2a】図2aは、本発明の他の実施形態の導波型光デバイスの断面図を示す。
【図2b】図2bは、本発明の一実施形態のパターニングされた電極層の俯瞰図部分を示す。
【図2c】図2cは、図2bの電極層の断面図を示す。
【図3】図3aは、ピクセル電極の幾何形状が正方形である、同一に成形されたピクセル電極の配列にパターニングされた平面電極配置の平面図部分を示し、図3bは、ピクセル電極の幾何形状が六角形である、同一に成形されたピクセル電極の配列にパターニングされた平面電極配置の平面図部分を示し、図3cは、ピクセル電極の幾何形状が八角形である、同一に成形されたピクセル電極の配列にパターニングされた平面電極配置の平面図部分を示し、図3dは、ピクセル電極の幾何形状が円である、同一に成形されたピクセル電極の配列にパターニングされた平面電極配置の平面図部分を示す。
【図4a】図4aは、2つの平行電極層が互いに重なっている、同一に成形されたピクセル電極の配列にパターニングされた平面電極配置の平面図部分を示す。
【図4b】図4bは、3つの平行電極層が互いに重なっている、同一に成形されたピクセル電極の配列にパターニングされた平面電極配置の平面図部分を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施形態の、単一の電極層、クラッド層、および電気光学コア層を有する可変電気光学導波路デバイスの断面図を示す。
【図6】図6は、基板上に平面配置されたピクセル電極を含んでいる電極層を有する可変導波型光デバイスの断面図を示す。
【図7】図7は、基板上のピクセル化された下部の電極平面構造、クラッド層、電気光学コア層、および基板上のピクセル化された上部の電極平面構造を有する可変導波型光デバイスの断面図を示す。
【図8a】図8aは、電気光学コア層の下に2つの横にシフトされた電極層を有する導波型光デバイスの断面図を示す。
【図8b】図8bは、電気光学コア層の下および上に、それぞれ、2つの横にシフトされた電極層を有する導波型光デバイスを示す。
【図9】図9は、本発明の一実施形態の、光学強度変化の変調を次々にもたらす電界を変調するための例として、可変電圧でピクセル電極セットの配列を示す。
【図10】図10は、本発明の一実施形態の、導波型光デバイスを用いた光スイッチの実現の構想を示す。
【図11a】図11aは、予め設定された電極を有する導波型光デバイスの組み合わせを示す。
【図11b】図11bは、予め設定された電極を有する導波型光デバイスの組み合わせを示す。
【図12】図12a〜図12cは、本発明の一実施形態の光導波路を有する小さいたわみ半径を得る構想を示す。
【図13】図13は、本発明の一実施形態の導波型光デバイスを得るための製作手順フローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】

【0025】
実際に、それが屈折率の変化を生じさせるので、電気光学効果は特定の材料のアクティブ光導波路を誘発するために使用される。アクティブ光導波路は、多数のアクティブ平面デバイスにおける光輸送のための基本構造である。本発明の実施形態は、複数の現存の平面導波路デバイスに取って代わることができる電気光学アクティブ導波路構造デバイスの実現に関する。
【0026】
本発明の一実施形態の導波型光デバイスは、図1a、図1bに図式的に示される。
【0027】
図1aは、層スタック110を含んでいる導波型光デバイス100を示す。ここで、層スタックは、光を導くための電気光学材料の電気光学コア層112を含む。更に、層スタック110は、電気光学コア層112に近接した少なくとも1つの電極層114―1に電極配置を含む。ここで、電極配置は、電極配置によって生成された電界118によって電気光学コア層112の領域116において電気光学効果を起こさせるように構成され、その結果、電気光学材料の屈折率は、起こされた電気光学効果の領域116において操作される。
【0028】
図1bに示された更なる実施形態において、層スタックは、電気光学コア層112に近接した電極層114―1、および電気光学コア層112の反対側に配置された反電極層114―2を含む。ここで、電極配置114―1、114―2は、さらにまた、電極配置によって生成された電界118によって電気光学コア層112の領域116において電気光学効果を起こさせるように構成される。
【0029】
電気光学コア層112の厚み幅は、実施形態によれば、10-7m〜10-4mmの範囲でありえる少なくとも1つの電極層114―1、114―2の電気光学コア層112までの距離と同様に、10-7m〜10-4mの範囲である。
【0030】
本発明の構想は、ここで、図2a〜2cを参照して更に詳細に説明される。図2aは、本発明の更なる実施形態の導波路デバイス200の断面図を示す。
【0031】
導波路デバイス200は、層スタック110を含む。ここで、層スタック110は、第1および第2のバッファまたはクラッド層202―1、202―2間にはめ込まれた電気光学コア層112を含む。加えて、電気光学コア層112およびクラッド層202のサンドイッチは、下部の電極層114―1および上部の電極層114―2の間にはめ込まれる。下部の電極層114―1は、平面配置され、個々にアドレス可能な電極の配列を含む。上部の電極層114―2は、下部の電極層114―1と比較して電気光学コア層112の反対側に配置された少なくとも1つの電極を含む。それ故、電気光学コア層112は、第1および第2のクラッド層202―1、202―2と同様、第1および第2の電極層114―1、114―2の間に配置される。結局、さらに適用された接着剤、保護およびパッシベーション層は、ここでは示されない。電気光学効果は、下部および上部の電極層114―1、114―2を含んでいる電極配置によって生成された電界に応答して、電気光学コア層112の領域116において起こさせられうる。その結果、電気光学材料の屈折率、および、代わりに、光204の伝播は、起こされた電気光学効果の領域に沿って操作されることができる。
【0032】
電気光学導波路デバイス200は、それ全体、すなわち、最も外部に位置付けられた下部および上部の電極層114―1、114―2との間に、対応する電界を印加することによって作動する。前述のように、電極層114―1または114―2のうちの少なくとも1つは、複数の密接に集められ、同一に成形された、平面ピクセル電極から成る。これは、図2bを参照して説明されるだろう。
【0033】
図2bは、平面電極層114(xy平面)の平面図を示す。そして、それは上部または下部の電極層114―1、114―2でもよい。そして、複数の同一の平面配置されたサブまたはピクセル電極214の形でパターニングされた層または平面を表す。それ故、電極層114―1、114―2のうちの少なくとも1つは、平面配置され、個々にアドレス可能なピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N;N>2)の配列を含む。その結果、電気光学効果は、個々にアドレス可能なピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)によって生成された電界に応答して電気光学コア層112の領域において起こさせられうる。その結果、電気光学材料の屈折率、および、代わりに、光の伝播は、起こされた電気光学効果の領域116に沿って選択的にまたは可変的に操作されることができる。このことにより、領域または光学経路116は、選択された、すなわち、アクティブにされた、平面ピクセル電極配列114―1または114―2のピクセルまたはピクセル電極214―nに対応する。後述するように、ピクセルは、電気光学コア層112の一面からの隣接するピクセル電極によって、または、電気光学コア112の異なる側、すなわち、反対側の対向するピクセル電極対によって、定められる。
【0034】
図2bの電極層114の断面図は、図2cに示される。
【0035】
従来のCMOSプロセスによって製造されうる個々のピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)は、設定可能な電圧または電位Un(n=1,2,3,…,N)を個々にアドレス可能な電極に印加するために電極層114のうちの少なくとも1つのピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)を個々にアドレス付けするためのアドレス論理回路を含みうる、導波型光デバイス200の電子機器(図示せず)に基板220を介して個々に連絡される。所望の光導波路経路の電気経路構成は、電気光学コア層112による所望の光路に対応するピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)に印加された電圧Un(n=1,2,3,…,N)を調整することによってプログラムされうる。対応するピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)に特定の電圧Un(n=1,2,3,…,N)を印加すると、導波管経路は、例えば、直線の導波管接続から特定の角度への偏向に変化することができる。そして、それは更に下で説明される。結果として、光スイッチ、ビームステアリング、光結合器などのさまざまな平面導波路構造ベースのデバイスは、本発明によって実現されうる。これは、図3a〜図3dによって、例として示される。
【0036】
図3a〜図3dの白い領域は、特定の電圧Un(n=1,2,3,…,N)が印加され、それ故、結果として電気光学コア層112の対応する(白い)領域において電気光学効果の活性が生じるピクセルまたは対応するピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)に対応する。すなわち、図3a〜dの白い領域は、アドレス付けされた又は駆動されたピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)から生じている電界によって電気光学効果が起こされた電気光学コア層112の領域とみなすこともできる。図3a〜dによって示されるように、白いエリアまたは領域は、電気光学効果によって光が進むまたは伝播することができる領域に対応する。対照的に、黒い領域は、電気光学効果が起こらなかった領域に対応し、それ故、光の伝播は可能でない。
【0037】
隣接するピクセル電極214―n間の空間だけでなく個々にアドレス可能なピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)の幾何形体は、可変の導波管100、200の形態上の構造を変えて、余分の損失を生じさせうるピクセル電極214―nの付近のあり得る電界不均一性を最小化するために、最大表面被覆率を考慮に入れなければならない。従って、ピクセル電極214―nは、図3a〜dに模範的に示されるような異なる幾何形体を有しうる。図3aは、正方形のピクセル電極214―nを示し、一方、図3bは六角形のピクセル電極214―nを示す。図3cは、八角形のピクセル電極214―nを示し、一方、図3dは、円形のピクセル電極214―nを表す。もちろん、図示された幾何形体は典型的であるというだけであり、個々にアドレス可能なピクセル電極214―n(n=1,2,3,…,N)の多くの他の幾何形体が考えられることは強調されなければならない。
【0038】
更に電気光学コア層112における電界不均一性の効果を最小化するために、複数の平行したピクセル電極層は、発明の導波型光デバイスの設計において互いに重畳されうる。すなわち、電気光学コア層112の一面にも、または、両面にも、電極配置は、近接し、電気光学コア層112に平行した、複数のスタックされたおよび横にシフトされた電極層を含む。このことは、図4a、bに模範的に示す。
【0039】
本発明の実施形態によれば、電極配置は、近接に(すなわち、ほぼ10-7m〜10-4mの電気光学コア層112までの距離に)配置され、そして、第1の電極層114―1と同じ側の電気光学コア層112上に配置された、第1の電極層114―1と平行した更なる電極層114’―1を含む。ここで、更なる電極層114’―1は、横方向のピクセル電極間隔のため電界不連続性または不均一性を最小化するために、更なるピクセル電極214’―n(n=1,2,3,…,N)の位置が第1の電極114―1の2つの隣接したピクセル電極214(n―1)、214―nの位置の横方向に中間にあるように配置された個々にアドレス可能な更なるピクセル電極214’―n(n=1,2,3,…,N)の配列を含む。このことにより、スタックされた電極層114―1および114’―1は、ピクセル電極214―nの直径の何分の一かである距離dだけ横方向にシフトされる。特に、2つのスタックされた電極層114―1および114’―1がある場合、dはピクセル電極の半径の範囲でありえる。一般に、dは、平行してスタックされた電極層の合計に反比例しうる。
【0040】
もちろん、同様に2つ以上の平行かつ横方向にシフトされた電極層は、電気光学コア層112の一面、または、両面に各々の表面にスタックされうる。これは、3つの平行した六角形のピクセル電極層114、114’および114”は模範的に示される図4bに示す。xy平面射影上の最大表面被覆率を確実にするような方法で、電極層114、114’および114”はシフトされる。
【0041】
電気光学コア層112は、さまざまな無機または有機材料などの電気光学材料でできていてもよい。非線形結晶(ニオブ酸リチウム)、ガリウム砒素、TiO2などの酸化物などの無機材料、およびセラミックPLZT、PMN−PT、または、有機/無機/セラミックの混合物またはセラミック複合材が使用されうる。あるいは、コア層は、ポリマー、コポリマー、架橋ポリマー、ホスト―ゲスト・システム、有機的に改良されたゾル―ゲル類、液晶、ポリマーマトリクスで分散された液晶、シリコン系ポリマーおよび前に言及された材料を用いた自己集合の種類から、電気光学有機物質または非線形光学カー(Kerr)材料から作られることができる。特に高速デバイス(>10GHz)が関わるときに、発明された実施形態を用いた使用のために適切なカー(Kerr)効果媒体は、ポリマーの側鎖に付着した発色団を含んでいる混合であり、その発色団は、それぞれ高い非線形光学応答、β−超分極率を有する。ポリマーマトリックスの発色団の例は、例えば4N,N’―ジメチルアミン―4’ニトロスチルベン/ポリメタクリル酸メチル(DANS/PMMA)、ディスパース赤1/ポリメタクリル酸メチル(DR1/PMMA)、ディスパース赤1/ディスパース赤発色団の種類からのDR1を伴うポリウレタン(DR1/PUR)である。コア層112およびクラッド層202は、異なるドーピング特性、インプラントおよび注入プロファイル、ポーリング度、架橋度などに関して同じ材料から作られることができ、あるいは、異なる材料から作られることができる。一般に、クラッド層202は、当業者に知られているパッシブ材料または電気光学物質で作られることができる。
【0042】
電気光学コア層112および/またはクラッド層202は、スピンコーティング、浸せきコーティング、プリンティングまたはブラッシングなどの周知の方法によって製造されることができて、電極層114に位置付けられることができる。いくつかの場合において、例えば、発色団の場合、特別な分極処理は、スピンコーティングの後に、ポリマーフィルムにおいてポッケルス効果を起こさせるために必要な最初のランダムに方位決定された双極子の微視的な分極を引き起こすことを必要とする。このことにより、発色団は、2つの異なる分子軌道間のエネルギー差が可視スペクトルの範囲に入る分子の領域を意味する。層サンドイッチ110の電気光学導波管層112のポーリングは、コロナポーリング、電極ビームポーリング、イオンビームポーリングなどの当業者に知られている方法によって実現されうる。その結果は、例えば、電子光学係数の増加である。そして、それは電気光学導波管変調装置の演算のための低電圧または低半波長電圧で次々に導波管単一モード演算を支持する。
【0043】

【0044】

【0045】
また、上部または下部のクラッド層202―1、202―2に加えて、更なるクラッド層202’―1および/または202’―2は、電極層114―1または114―2とクラッド層202―1または202―2との間に最も外部のクラッド層として、それぞれ、付け加えられることができる。そして、更なるクラッド層202’―1および/または202’―2は、光学モードが電極層114―1および/または114―2に接触して、それにより余分の光損失を生じさせないようにするために、第1のクラッド層202―1および/または第2のクラッド層202―2より低い屈折率を有する。
【0046】
複数の電極214により電気光学効果を起こさせることによって可変的に光波を導くという本発明概念が説明されたので、本発明のさまざまな例示的実施形態がより詳細に強調される。図5を参照して、電気光学コア層112に近接した電極層114を1つだけ有する電極配置を含んでいる導波型光デバイス500について説明する。
【0047】
導波型光デバイス500は、複数の個々にアドレス可能なピクセル電極214―n(n=1、2、3、4)を含んでいる電極層114の層スタック110を含む。電極層114の上に、バッファ層またはクラッド層202が配置される。更に、クラッド層202の上に、可変的に光を導くための電気光学コア層112が配置される。電極層114は、複数の同一の平面配置されたピクセル電極214―nから成り、そして、各々が電子基板(図示せず)を介して個々にアドレス可能である。所望の経路上の選択された隣接するピクセル電極(図5は模範的に電極214―2、214―3を示す)との間に電位差を印加することは、電気光学コア層112の領域116において、電気光学コア層112の屈折率の局所的変化を次々引き起こす。これは、生成された電界による電気光学コア層112の領域116の貫通のためである。その結果、光波は、1つの電極層114の選択された隣接するピクセル電極との間に印加された電位差によって定められた経路に沿って、導波型光デバイス500の電気光学コア層112のアクティブにされた領域116において導かれることができる。
【0048】
導波型光デバイス600の更なる実施形態は、図6の断面図において、図式的に表される。
【0049】
導波型光デバイス600は、下部の電極層114―1を含み、下部の電極層114―1は、シリコンまたはガラス基板/ウェーハ220―1に位置付けられた複数の同一の平面配置された電極214―n、および絶縁層230―1を含む。ピクセル電極214―nは、定められた電位Unに接触することができる。電位Unは、下部の電極層114―1のピクセル電極214―nの各々に関して独立して設定されることができる。下部の電極層114―1の上に、下部および上部のクラッド層201―1、202―2間にはめ込まれた電気光学コア層112を含んでいる多層スタックが配置される。上部のクラッド層202―2上に位置付けられた上部電極層114―2は、接地電極としての導電層を含む。上部電極層114―2の上に、ガラスまたはシリコンの上部基板220―2は、供給される。
【0050】
電極層114―1、114―2の中の導電部、すなわち、例えば、ピクセル電極214―nは、アルミニウム、ITO、導電性高分子材料などから作られうる。下部のクラッド層202―1は、有機または無機材料または複合材から作ることができ、コア層112は、電気光学材料から作ることができ、そして、上部のクラッド層202―2も、有機または無機材料、混合または複合材から作ることができる。下部および上部のクラッド層201―1、202―2間に埋込まれた電気光学コア層112を含んでいる多層スタックは、電極層114―1および114―2の間に挟まれている。所望の光伝搬経路に対応する下部の電極層114―1の個々にアドレス可能なピクセル電極214―n間のゼロ以外の電圧を印加することは、下部の電極層114―1の選択されたピクセル電極間のそれぞれ結果として生じる電界に応答して、それぞれ、電気光学コア層112の屈折率の局所的変化を引き起こす。光波は、このアクティブにされた経路に沿ってデバイス600の電気光学コア層112において導かれることができる。あるいは、電気光学コア層112を貫通している電界を生成するために、ゼロ以外の電圧が、下部の電極層114―1の個々にアドレス可能なピクセル電極214―nおよび反対の上部電極層114―2との間に印加されることもできる。
【0051】
本発明の更なる実施形態は、図7の断面図において、模範的に表される。
【0052】
図7の導波型光デバイス700は、上部電極層114―2の実施態様によって、導波型光デバイス600と異なる。ここで、図6に示される上部電極層114―2は、単に導電層によって実現された単一電極を含むだけであり、導波型光デバイス700の上部電極層114―2は、下部の電極層114―1と同様で、上のシリコンまたはガラス基板/ウェーハ220―2に位置付けられた、平面配置され、個々にアドレス可能な複数のピクセル電極214―nおよび絶縁層230―2を含む。個々のピクセル電極214―nは、電位Un’と接続されることができる。ここで、電位Un’は、上部電極層114―2の個々のピクセル電極214―nを駆動するために、互いに独立して設定されることができる。下部および上部の電極層114―1、114―2の両方の個々のピクセル電極は、所望の光路構成を起こさせるために個々にプログラムされることができる。上部電極層114―2のピクセル電極は、電気光学コア層112の反対側に下部の電極層114―1のピクセル電極に関する垂直軸について対称的に好ましくは配置される。すなわち、上部電極層114―2のピクセル電極は、対称面としての電気光学コア層112に関して、下部の電極層114―1のピクセル電極に、対称的に配置される。選択されたピクセル電極は所望の光学経路に対応して、隣接した下部または上部ピクセル電極間のゼロ以外の電位差を印加すること、または、対応する反対の下部および上部のピクセル電極間の電位差を印加することは、電気光学コア層112の屈折率の関連した局所的変化を引き起こす。このことは、既に前で説明した。光波は、この経路116に沿ってデバイス700のコア層112において導かれることができる。図6の実施形態と比較した違いは、アクティブにされた領域または導波モード強度プロファイル116が、この場合には、xy平面、すなわち電気光学コア層112の平面に関して対称的であるということである。このように、伝播方向に沿ったモード制限は、改良されうる。そして、この効果による伝搬損失は、最小化されうる。
【0053】
図8aに示される更なる実施形態は、導波型光デバイス600の実施形態と比較して、電極配置が2つの下部の垂直にスタックされ、横方向にシフトされた電極層114―1および114’―1を含むことを除いて、同様の部分を有する導波型光デバイス800を示す。このような構成は、図4a、4bを参照してすでに説明された。すなわち、シリコンウエハ220―1に形成された電極配置は、2つの垂直にスタックされ、横方向にシフトされた電極層または平面114―1、114’―1を含み、各々が基板220―1上に複数の同一の平面に配置されたピクセル電極214―n、214’―nを有する。ピクセル電極層114―1、114’―1は、平行に互いに重畳されて、xy平面射影上に最大表面被覆率を確実にするような方法で、横方向にシフトされる。これは、ピクセル電極に近接して光学モードの余分の損失を起こす、ピクセル電極設計の不連続のため電界不均一性の効果を最小化するためである。分離して、垂直にスタックされ、水平にシフトされた2つの電極層114―1、114’―1からの個々にアドレス可能なピクセル電極は、それぞれ、電圧を分離するように接続される。選択された隣接の下部のピクセル電極間にゼロ以外の電位差を印加する、または、下部のピクセル電極214―n、214’―nおよび上部の電極層114―2間にゼロ以外の電位差を印加するときに、所望の光学経路116に対応する選択されたピクセル電極は、個々にアドレス付けされたおよび/または駆動された電極によって生成された電界に応答して、電気光学コア層112の経路116における屈折率の変化をもたらし、その結果、光の伝播は領域116に沿って操作されることができる。
【0054】
図8bは、下部の電極構造が、それぞれが基板220―1に形成された複数の同一平面のピクセル電極を有する2つの下部の電極層または平面114―1、114’―1を含むことを除いて、図7を参照して説明された光導波路700と同様である光導波路850の実施形態の断面図を示す。電気光学コア層112の下の2つの分離した電極層114―1、114’―1のピクセル電極は、電位または電圧Unを分離するために接続される。ここで、電位Unまたは対応する下部のピクセル電極は、個々にアドレス可能である。これは、ここでも、電極に近接した光学モードの余分の損失まで上昇する、電極設計の不連続性のため電界不均一性の効果を最小化するためである。電気光学コア層112より上の上部電極構造はまた、下部の電極構造と同様、ピクセル電極の2つの垂直にスタックされ、横方向にシフトされた平面または層114―2、114’―2を含む。2つの分離した上部電極層114―2、114’―2からの個々のピクセル電極はまた、それぞれ、電圧Un’を分離するように接続されうる。ここで、個々の上部ピクセル電極は、アドレス付けされたピクセル電極に個々の電位Un’を印加するために、個々にアドレス可能である。好ましくは、上部の電極構造のピクセル電極は、電気光学コア層112によって定められた平面に関して、下部の電極構造のピクセル電極に対称的に配置される。
【0055】
本発明の実施形態による可変光導波路デバイスモデル設計は、個々にアドレス可能なピクセル電極214の十分なアクティブ化によって、さまざまな平面導波路構造ベースのデバイスに取って代わることができる。図9は、模範的に、本発明の可変導波型光デバイスによって生成された電界を変調する方法の例として、異なる電圧U0=0VおよびU1、U2(U1≠U2)でセットされた隣接するピクセル電極の配列の上面図を示す。異なる印加電圧による電界変調は、連結された光学モードにおいて次々に入力強度Iinから出力強度Iout,varまでの光学強度変化を誘発する。すなわち、実施形態によれば、電極配置は、電気光学コア層112の異なる部分において異なる電界強度を生成し、その結果、電気光学コア層112の異なる部分において異なる起こされた電気光学効果を得るように構成される。その結果、可変光減衰器は、図9を参照して説明された原理によって実現されうる。
【0056】
図10aおよび図10bは、本発明の実施形態を用いて光方向性結合器を実現することの原理を示す。図10aによれば、方向性結合器の入力で入力強度Iinを有する光波は、アクティブな電気的構成が直線経路に対応するゼロ以外の電圧のピクセル電極の直線配列を含む、実施形態による導波型光デバイスの出力までの直線経路上を伝搬する。図10bに示されるように、入力光波は、モード干渉によって、この他の経路、すなわち対応するピクセル電極がアクティブにされるとき、他の並列な経路と結合する。この構想は、Y分岐干渉計、ビーム方向変換器などの曲がり導波管を必要とするデバイスの設計においても使用されうる。
【0057】
発明の導波型光デバイスのようにピクセル化された電極または個々のピクセル電極214を有する電極層114は、アクティブな導波管および/または構造導波管のための他のピクセル化されていない電極構造とも結合されうる。この場合、アクティブおよびパッシブなデバイスのさまざまな組み合わせは、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、連絡管、多連装変調装置などのさまざまな機能を作りだすように、または、可変導波型光デバイスにおいて光の結合を容易にするために、設計されうる。
【0058】
図11aは、外部の所定の光学経路1110―k(k=1,2,…,K)と結合して、アクティブで、個々にアドレス可能なピクセル電極214を有する発明の可変導波型光デバイス1100を示す。したがって、可変導波型光デバイス1100は、例えば、従来の光ファイバによって定められうる、接続された外部の所定の光学経路1110―k(k=1,2,…,K)間の柔軟な光のルーティングを可能にする。あるいは、外部の所定の光学経路1110―kはまた、対応する固定された又は所定の電極によって、電気光学コア層112において定められうる。そして、それは、可変的な電気/光学経路を供給する可変導波型光デバイス1100の可変的なピクセル化された表面とは対照的に、従って所定の電気/光学経路1110―kを供給している所定の形状を有することができる。図11aにおいて、1つの一次元のピクセル電極配列は、外部の光学経路1110―kごとに使用される。ここで、図11bの可変導波型光デバイス1150は、外部の光学経路1110―kごとに、複数の一次元のピクセル配列を使用する。図11aにおいて、光学経路In1から来る光は、導波型光デバイス1100を介して、光学経路出力口Out1に送られる。光学経路入力In2から来る光は、偏向させられた波の直接のルーティングにより、または、発明の可変導波型光デバイス1100による図10の結合方法によって、光学経路出力Out2の方へ送られる。
【0059】
図11bの場合には、光学経路入力Inから来る光は、光学経路出力口Out1およびOut2の両方に送られる、すなわち、光は、本発明の導波型光デバイス1150によってOut1およびOut2との間で分けられる。発明の可変導波型光デバイスへの光の結合は、例えば、テーパファイバ(tapered fiber)、マイクロレンズ、プリズムまたはホログラフィック回折格子によって実現されうる。
【0060】
ここでは、図12a〜図12cを参照して、発明概念による光波の光学的偏向について説明する。
【0061】

【0062】
式(7)から、例えば、R=10-162/V2、屈折率n0=2.5、電気光学コア幅b=25μm、コア厚d=25μmおよびU0=0からUMAX=100Vまでコア全体でおよそ線形に変動する電圧を有するカー材料に関して、導波管の曲率の半径ρ0は、約800μmとなる。
【0063】
図12bによって図示されているように、U0からUMAXまでのこの電圧変動は、発明の導波型光デバイスの助けを借りて実現されうる。図12bの左側に表される導波路セグメント1210の実現は、図12bの右側に詳細図を示されるように、電極層の対応するピクセル電極の電圧変動によって達成されうる。このようにして、例えばマイクロリング共振器などの、小半径、大きい偏向角を有する平面で、二次元の可変導波型光デバイスを設計することは可能である。図12bは、六角形のピクセル電極構造の平面図からの部分を表示する。ピクセル電極214または対応するピクセルが十分に小さいと仮定するならば、マイクロリング共振器からの部分1210は、光導波路経路に横の方向に可変の電圧をピクセル電極214に印加することに作り出される。すなわち、電極配置、それぞれ電圧をアドレス付けするドライバは、電気光学コア層112における上昇する、下降するまたは一定の電界強度を生成するように構成されることができる。その結果、上昇する、下降するまたは一定の電界強度に応答して、電気光学材料の屈折率は、異なる方向への光伝搬を導くおよび/または送るおよび/または変調するために変化する。特に、(関連した電圧をアドレス付けするドライバと共に)電極配置は、光伝搬方向に対して垂直な電気光学コア層112の上昇するまたは下降する電界強度を生成するように構成されることができる。その結果、上昇するまたは下降する電界強度に応答して、電気光学材料の屈折率は、伝搬性光を偏向させるための光伝搬方向に対して垂直に変化する。
【0064】
すなわち、実施形態の導波型光デバイスの電極配置は、電気光学コア層112の異なった部分において可変的な電界強度を生成するように構成されうる。その結果、異なった部分の電気光学材料の屈折率は、ビーム偏向器、ビーム方向変換器、光スイッチ、連絡管、光学的ルーター、ビームスプリッタ、輝度変調器、電力減衰器、Y分岐干渉計、マッハ・ツェンダー干渉計、方向性結合器、マイクロリング共振器、可変光減衰器または偏光コントローラの各特徴的な機能を用いて、結合された光波が異なる方向に導かれる、送られる、および/または変調されることを可能にするように変化する。
【0065】
ここで図13を参照して、本発明の一実施形態の導波型光デバイスの製作方法が強調される。
【0066】
第1のステップIにおいて、複数の平面配置されたピクセル電極214は、ガラスまたはシリコン基板でありえる、キャリアまたは基板220―1上の導電層において構築される。第2の製作ステップIIにおいて、絶縁層230、例えば酸化物を、複数のピクセル電極214上に堆積させて、例えば、半導体ウエハまたは他の基板を平坦化するための半導体製作において、従来、使用されるテクニックである、一般にCMPと略記される、化学機械的研磨または化学的・機械的研磨によって平坦化させる。第3の(任意の)ステップIIIにおいて、第1の電極層114―1と平行であり、個々の更なるピクセル電極214’の配列を含んでおり、ピクセル電極214と同様の方法で平坦化させた更なる電極層114’―1は、絶縁層230上で製作される。第4の(任意の)製作ステップIVにおいて、更なる絶縁材料を、各々から更なるピクセル電極214’を絶縁するために、絶縁層230上に堆積させる。第5のステップVにおいて、第1の(下部の)緩衝層またはクラッド層202―1は、同一の薄膜を平坦な基板に塗布する処置であるスピンコーティングによって例えば2つの電極層114―1、114’―1上に塗布される。その後、ステップVIにおいて、電気光学コア層112が、例えばスピンコーティングによって、第1のクラッド層202―1上に堆積する。その後のステップVIIにおいて、第2の(上部の)クラッド層202―2は、例えば、スピンコーティングによって、コア層112に堆積する。最後に、ステップVIIIで、上部の電極114―2層は、例えば先に述べた例のいずれかのようにスピンコーティングによって、または、上部の電極114―2層を含んでいるウェーハを結合することによって、設計され、製作されることができる。必要に応じて、結果として生じる導波管多重積層は、いかなる周知の手段によってもポーリングされる。
【0067】
ピクセル電極製作ステップは、標準シリコンプロセス技術を使用したパターニングによって実現されうる。電子回路にピクセル電極214を連絡することは、電極層の各ピクセルを連絡している横方向の金属レーンによって、または、ウェーハによる相互接続によって実現されうる。個々のピクセル電極214をアドレス付けするために、SRAMのようなアドレス回路構成を使用することもできる、すなわち、各ピクセル電極214は、SRAMの1つのセルに対応する。シリコン製作方法を利用することによって、本発明の実施形態によるいくつかの導波型光デバイスは、コスト効率のよい製造を可能にしている1つのウェーハに平行に製造されることができる。
【0068】
要約すると、本発明のいくつかの実施形態は、電極を含んでいる下部および上部の基板間にはさまれた少なくとも1つの電気光学層から成る導波路デバイスに関する。実施形態の導波路デバイスに関して、少なくとも1つの下部または上部の電極は、複数の個々の電極の少なくとも1つの配列が生成されるように、パターニングされる。このことにより、個々の電極の配列は、基板の少なくとも1つの平面マトリクスに配置される。個々の電極の平面マトリクスは、平行に、基板に互いに重畳される。その結果、電極分離によるいかなる場の不連続性も少なくとも最小化される。前記個々の電極は、正方形、円形、六角形、八角形、三角形、レンズ状または他のいかなる種類の形状などの幾何形体を有している。いくつかの実施形態によれば、基板の個々の電極のマトリクスは、基板に平行な投影面に最大表面被覆率を確実にするような方法で、互いにシフトされる。下部の基板からの少なくとも1つの個々の電極および上部の基板からの少なくとも1つの個々の電極は、ユーザー定義の位置で互いに位置付けられる。上部または下部の基板を含んでいる電極は、なくてもよい。残りの電極は、複数の個々の電極の配列が生成されるように、パターニングされうる。電界を生成するために、1つの基板の少なくとも2つの隣接する個々の電極は、異なる電位でセットされる。いくつかの実施形態によれば、上部または下部の基板は、1つの電極層だけを含みうる。下部の基板の少なくとも1つの個々の電極および上部基板の1つの個々の電極は、電気的にアドレス付けされうる。また、下部の基板のすべての個々の電極および上部の基板のすべての個々の電極は、電気的にアドレス付けされうる。このことにより、あらゆる下部のおよびあらゆる上部の基板に含まれる個々の電極は、考えられるあらゆる電気経路構成を選択的にアクティブにするために、電気的にアドレス付けされうる。下部または上部の基板に含まれる個々の電極は、デジタルモードで、または、アナログモードで作動されうる。好ましい実施形態によれば、前記電気光学層は、それに隣接して少なくとも1つのクラッド層を有する。このことにより、クラッド層は、同じまたは異なる物質から形成されることができ、そして、電気光学層、すなわち、コアは、クラッディングの屈折率に等しいまたはそれより高い屈折率を有する物質から形成されうる。コアは、ポリマー、コポリマー、架橋ポリマー、ホスト―ゲスト・システム、例えばポリマーマトリックス(DANS/PMMA、DR1/PMMA、DR1/PUR、ディスパース赤発色団の種類のDR1を有する)において混合された非線形光学発色団、側鎖ポリマーの発色団の種類から、電気光学有機物質または非線形光学カー材料から形成されることができる。ここで、発色団は、それぞれ高い非線形光学応答、β―超分極率、有機的に修正されたゾル―ゲル類、液晶、高分子マトリックスにおいて散布される液晶、シリコン系ポリマーおよびポリマーを有する他のいかなる混合を有する。他の実施形態によれば、コアは、非線形結晶(ニオブ酸リチウム)、ガリウム砒素、TiO2などの酸化物などの電気光学無機材料およびカー材料、PLZT、PMNPTなどのセラミック、または有機/無機/セラミックの混合、またはセラミック複合材および前に言及された材料を用いた自己集合材料から形成されることができる。クラッディングは、ガラスなどの有機物質、アクリルなどのポリマーおよびコポリマー、UV硬化ポリマー、架橋ポリマー、シリコーンエラストマ、ホスト−ゲスト・ポリマーまたはコア材料より低い電子光学係数の他の電気光学材料、または、反対方向にポーリングされているがコアと同じ電気光学材料から形成されることができる。また、前記クラッディングは、ガラスなどの無機材料、酸化物、非線形結晶、セラミックおよびいかなる有機および/または無機配合物および複合材から形成されることができる。
【0069】
下部および上部の基板の個々の電極は、電気光学コア層の屈折率の局所的変化を引き起こすために、アドレス付けされうる。下部および上部の基板の個々のアドレス付けされた電極は、可変光導波路の電気経路構成に対応する。デバイスの光を結合している出入は、テーパファイバ、マイクロレンズ、プリズムまたはホログラフィック回折格子の周知の手段によって実現されうる。コアおよびクラッド層は、受動光導波路を形成するために構築されることができる。更なる実施形態によれば、少なくとも、光導波路経路は、ビーム偏向器、光スイッチ、ネットワークハブおよび連絡管として使用される。また、少なくとも、光導波路経路は、ビームスプリッタ、輝度変調器、電力減衰器、Y分岐、マッハ・ツェンダー干渉計、方向性結合器またはマイクロリング共振器として使用されることができる。光導波路経路は、マイクロリング共振器を形成するために使用されることができる、または、ビーム方向変換器、光学的ルーターまたは光学トランスポンダとして使用されることができる。説明されたように、光導波路経路の少なくとも一部は、可変光減衰器、レンズ、プリズムまたは格子として使用されることができる。また、コア層全体に適切な電界を使用することによって、光導波路は、偏向した光を導くことに関連して、分極制御のために使用されることができる。
【0070】
実施形態によれば、上部または下部の基板は、予め設定された電極経路を含むことができる。少なくとも1つの基板は、一部分は、個々にアドレス可能電極を含んでいるマトリクスでありえ、一部分は、固定された電極経路でありえる。
【0071】
実施形態によれば、導波路デバイスの製作方法は、少なくとも複数の個々にアドレス可能な電極を含んでいる基板に近接して電気光学層を形成することを含む。電気光学コア層は、有機物質でできていてもよいが、その有機物質は、スピンコーティング、浸せきコーティング、ブラッシングなどのどの周知の手段によっても堆積することができる。少なくともクラッド層はまた、有機物質から製造されることができるが、その有機物質は、スピンコーティング、浸せきコーティング、ブラッシングなどのどの周知の手段によっても堆積することができる。前に説明されたように、電気光学コア層は、無機材料、または無機/有機/セラミック材料の混合または複合材またはナノマテリアルでもよい。いくつかの実施形態によれば、電気光学層は、ポーリングされる。
【0072】
個々にアドレス可能な電極構造は、シリコン基板に形成されることができる。ここで、個々の電極は、CMPおよびリフローによる個々の電極平坦化技術を用いたCMOS技術によって形成される。電極は、SRAMのような回路またはアーキテクチャによって、個々にアドレス可能でありえる。
【0073】
発明の平面アクティブ導波路デバイスは、少なくとも1つのクラッド層に近接して/その間に位置付けられた電気光学コア層でできている導波管アクティブ構成全体の電界を変化させることができる。コアおよびクラッド層は、有機、無機、複合材または混合物でできている。少なくとも1つの最も外部の電極層は、電子基板を介して個々にアドレス可能である、複数の密接に集められた平面ピクセル電極から成る。デバイスの平面構造の中で、様々な光導波路経路は、ピクセル電極平面のアドレス指定対応する電気経路によってアクティブにされることができる。
【0074】
発明の可変平面光導波路デバイスは、光学基礎要素の特性がそれぞれアクティブに調整され、それぞれ調整されることができるという追加の利点を有する、コネクタ、スイッチ、電力減衰器、ビーム方向変換器、方向性結合器、輝度変調器、ビーム偏向器、リング共振器、マッハ・ツェンダー干渉計、格子またはレンズまたは他のいかなる平面光導波路ベースのデバイスなどの導波管に基づいて、多数のあり得る現存のデバイスに取って代わることができる。
【0075】
いくつかの本発明の態様が可変導波型光デバイス装置に関連して説明されたが、これらの態様も可変的に光波を導くための対応する方法の記載を示すことは明らかである。ここで、機能ブロックまたはサブデバイスは、方法ステップまたは方法ステップの機能に対応する。類似して、方法ステップに関連して説明された態様は、対応するブロックまたは項目の記載または対応する装置の機能を示す。
【0076】
それ故、実施形態はまた、可変的に、光波を導く、送る、変調するための方法を供給し、その方法は、電気光学コア層112に近接した少なくとも第1の電極層114を有する電極配置によって可変的に生成された電界によって、可変的に電気光学材料の電気光学コア層112の領域116において電気光学効果を起こさせることを含み、その結果、光の伝播は可変的に起こされた電気光学効果の領域において操作される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を導くための電気光学材料の電気光学コア層(112)と、
前記電気光学コア層(112)に近接した少なくとも1つの第1の電極層(114;114―1)を有する電極配置であって、前記電極配置は、前記電極配置によって生成された電界によって前記電気光学コア層(112)の領域(116)に電気光学効果を起こさせるように構成され、その結果、前記光の伝播が前記起こされた電気光学効果の前記領域において操作されることを特徴とする、前記電極配置と、
を含む層スタック(110)、
を含む、導波型光デバイス(100;200;500;600;700;800;850)。
【請求項2】
前記第1の電極(114;114―1)層は、アドレス付けされた第1の電極に電位を個々に印加することによって生成された電界によって、前記電気光学コア層(112)の前記領域(116)に前記電気光学効果を起こさせるために、平面配置され、かつ、個々にアドレス可能な複数の第1の電極(214)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導波型光デバイス。
【請求項3】
前記電極配置は、近接して、前記電気光学コア層(112)の前記第1の電極層(114;114―1)と同じ側に配置された更なる電極層(114’)であって、前記第1の電極層(114;114―1)に平行した前記更なる電極層(114’)を含み、前記更なる電極層(114’)は、横方向の電極分離によって電界不均一性を最小にするために、更なる電極(214’)の位置が2つの隣り合う第1の電極(214)の位置の横方向の中間にあるように配置された、複数の個々にアドレス可能な更なる電極(214’)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の導波型光デバイス。
【請求項4】
前記電極配置は、近接して、前記電気光学コア層(112)の前記第1の電極層(114―1)と反対側に配置された第2の電極層(114―2)であって、前記電気光学コア層(112)が前記第1および第2の電極層(114―1;114―2)間に配置されるように、少なくとも1つの第2の電極(214)を含んでいる前記第2の電極層(114―2)を含み、前記第1の電極層(114―1)の隣接の個々にアドレス可能な第1の電極の電位差によって、または、前記第1および第2の電極層(114―1;114―2)の対向する個々にアドレス可能な電極間の電位差によって、前記電気光学効果は起こされることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項5】
前記電極配置の個々にアドレス可能な電極(214)は、四角形、六角形、八角形、または、レンズ状の幾何的形状を有することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項6】
前記電気光学コア層(112)の前記電気光学材料は、前記電極配置によって生成された前記電界に応答して、その屈折率を変えるように構成され、その結果、前記領域(116)において前記電気光学効果を起こすことが、前記領域(116)において前記電気光学材料の前記屈折率を変えることを含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項7】
前記電気光学材料は、電気光学有機材料、電気光学無機材料、有機/無機非線形光学カー材料、またはカー材料のグループから選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項8】
前記層スタック(110;210)は、前記電気光学コア層(112)と前記第1の電極層(114;114―1)との間に第1のクラッド層(202;202―1)を含み、前記第1のクラッド層(202;202―1)は、前記電気光学コア層(112)の屈折率に等しい、または、前記電気光学コア層(112)の屈折率より低い屈折率を有する材料から形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項9】
前記層スタック(110;210)は、前記第1のクラッド層(202―1)と比較して前記電気光学コア層(112)の反対側に配置された第2のクラッド層(202―2)を含み、その結果、前記電気光学コア層(112)が前記1のクラッド層および前記第2のクラッド層(202―1;202―2)の間に配置されること、および、前記第2のクラッド層(202―2)は、前記電気光学コア層(112)の屈折率に等しい、または、前記電気光学コア層(112)の屈折率より低い屈折率を有する材料から形成されることを特徴とする、請求項8に記載の導波型光デバイス。
【請求項10】
前記第1および/または第2のクラッド層(202―1;202―2)の材料は、有機材料、無機材料、有機および/または無機配合物のグループから選択されることを特徴とする、請求項8又は請求項9のうちの1つに記載の導波型光デバイス。
【請求項11】
前記電極配置は、前記電気光学コア層(112)の異なる部分において起こされた異なる電気光学効果強度を得るなどのために、前記電極配置の異なる電極に異なる電位を印加することによって、前記電気光学コア層(112)の前記異なる部分において前記異なる電界強度を生成するように構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項12】
前記電極配置は、光伝搬方向に対して垂直に、電気光学コア層(112)において上昇するまたは下降する電界強度を生成するように構成され、その結果、前記上昇するまたは下降する電界強度に応答して、前記電気光学材料の屈折率が、伝搬する光を偏向するために、前記光伝搬方向に対して垂直に変化することを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項13】
個々にアドレス付けされた電極(214―n)に設定可能な電位(Un)を印加するために、前記電極配置の前記個々にアドレス可能な電極(214―n)を個々にアドレス付けするためのアドレス論理回路を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項14】
基板上に形成された前記電極配置の少なくとも前記第1の電極層(114―1)は、CMOS技術によって製造されること、および、前記少なくとも前記第1の電極層(114―1)の少なくとも1つの電極は、内蔵されたCMOS回路によって個々にアドレス可能であることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の導波型光デバイス。
【請求項15】
可変的に光波を導くための方法であって、前記方法は、
電気光学コア層(112)に近接した少なくとも1つの第1の電極層(114;114―1)を有する電極配置によって生成された電界によって電気光学材料の前記電気光学コア層(112)の領域(116)に電気光学効果を起こさせ、その結果、前記光の伝播が前記起こされた電気光学効果の前記領域において操作されるステップを含むことを特徴とする、方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−519906(P2013−519906A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552269(P2012−552269)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051722
【国際公開番号】WO2011/098130
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(591037214)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ (259)
【Fターム(参考)】