説明

光活性剤としてのクロリンe6誘導体の組成物およびクロリンe6誘導体を製造する方法

モノ‐L‐アスパルチルクロリンeの製造のための改善された2段階反応プロセス。第1段階で、クロリンeとカルボジイミドとの間の活性化反応により、活性化反応生成物中にこれまで未知の無水物が生成される。この反応生成物を精製して、有意な割合のジ‐L‐アスパルチルクロリンeの前駆物質を除去する。精製した活性化反応生成物は、これまで未知の無水物をより高濃度含有する。この精製した反応生成物を第2段階で、すなわち精製した活性化反応生成物とアスパラギン酸塩とのカップリング反応で使用する。このカップリング反応により、有意に低減したジ‐L‐アスパルチルクロリンe濃度を有するカップリング反応生成物が生成される。この低減したジ‐L‐アスパルチルクロリンe濃度は、カップリング反応混合物からのモノ‐L‐アスパルチルクロリンeの精製を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2006年6月30日に出願された米国仮特許出願第60/817,769号(この出願は、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般的には生体作用組成物および身体治療組成物の分野に関し、より具体的には、例えば、癌組織の検出、予防および/または治療において有用な光活性化合物、組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
モノ‐L‐アスパルチルクロリンe四ナトリウム塩は、タラポルフィンナトリウムとして一般的に知られており、光活性化学薬品または薬物であることが知られている。例えば、米国特許第RE37,180号は、患者に対する薬物の静脈内投与と、薬物を含有する組織に適当な波長の光をあてて薬物を光活性化することを広い意味で含むモノ‐L‐アスパルチルクロリンeの使用方法に関する。薬物は活性化されると、新しい血管を閉塞する。したがって、この薬物は、血管閉塞がプラスの効果をもつことが期待される疾病の治療において有用である。
【0004】
タラポルフィンナトリウムは、典型的には、植物原料から製造される。抽出手順と反応手順の両方を含むプロセス中に、副生成物が生成される。これらの副生成物の一つは、ジ‐L‐アスパルチルクロリンeである。ジアスパルチルクロリンeは、十分制御されたプロセスにおいて、比較的低量(典型的には約5%)で反応副生成物として生じる一方で、タラポルフィンナトリウム生成物を許容基準に精製するには徹底的な除去処理を必要とする。例えば、粗タラポルフィンナトリウム反応生成物の精製および/または種々の不純物(例えば、ジアスパルチルクロリンe)の除去は、通常、反応生成物を複数のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)手順にかけて許容されるタラポルフィンナトリウム純度レベルを達成することを必要とする。この精製手順はコストと時間がかかり、また除去した不純物とともに約50%以下のタラポルフィンナトリウムの実質的損失をもたらすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、コストのかかる繰り返しの精製手順を使用しないで、あるいは少ない処理手順でタラポルフィンナトリウム生成物を生成するプロセスを開発することが望ましい。さらに、大部分のタラポルフィンナトリウムを損失せずに反応生成物を精製することおよび/または原料投入量の質量当たりのタラポルフィンナトリウム生成物の収率を維持するまたは増加させることが望ましい。
【0006】
タラポルフィンナトリウムの市場的受容性は、製造コスト、貯蔵寿命、貯蔵中の安定性、製造の容易性、効力、生物学的利用能、薬物動態特性などの種々の要因に左右される。そのため、製造コストを有意に低減するタラポルフィンナトリウムを製造する新規の手法を得ることが望ましい。また、より純粋な形態のタラポルフィンナトリウムをもたらす新規の組成物を得ることも望ましい。
【0007】
本開示は、上に記載した欠点の1つ以上を克服し、さらに関連した利点を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
要旨
一態様において、本開示は、クロリンeとカルボジイミドの化学反応生成物に関する。いくつかの実施形態において、化学反応生成物は、以下の形態のクロリンe無水物:
【0009】
【化1】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む。いくつかの実施形態において、ジアスパルチルクロリンeの前駆物質は、前記化学反応生成物中に存在する全クロリン種に基づいて約5mol%未満を含む。
【0010】
別の態様において、本開示は、以下の式Iの化合物:
【0011】
【化2】

またはその薬学的に許容される塩を実質的に純粋な形態で含む組成物に関する。
【0012】
別の態様において、本開示は、クロリンe無水物またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスに関する。前記プロセスは、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせて以下の式:
【0013】
【化3】

を有するクロリンe無水物またはその塩を含む混合物を得ることを含む。前記プロセスはさらに、クロリンe無水物またはその塩を精製することを含んでもよい。
【0014】
別の態様において、本開示は、中間体を調製する方法に関する。前記方法は、クロリンeをカルボキシル活性化剤で活性化して中間体を含む混合物を得ることを含み、前記中間体は、d‐アセトンとd‐ジメチルスルホキシドを含む溶媒を使用し、500MHzでプロトン核磁気共鳴(H‐NMR)分光法により分析すると、
【0015】
【化3a】

の付近のppmの化学シフトを含むスペクトルを示す。前記方法はさらに、中間体を単離することを含む。
【0016】
別の態様において、本開示は、タラポルフィンナトリウムまたはその薬学的に許容される塩を調製する方法に関する。前記方法は、有機溶媒の存在下で、約10〜約12の範囲のpHを有するアスパラギン酸塩組成物を請求項1に記載の化学反応生成物と合わせて反応混合物を形成することを含む。前記方法はさらに、反応混合物を塩基性にすることを含んでもよい。前記方法はさらに、塩基性反応混合物からタラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を沈殿させることを含む。
【0017】
別の態様において、本開示は、タラポルフィンナトリウムを調製する方法に関する。前記方法は、精製した中間体反応混合物を反応において利用してタラポルフィンナトリウムを調製することを含み、前記精製した中間体反応混合物は、有意な割合のジアスパルチルクロリンeの前駆物質が除去されたクロリンe、クロリンe無水物、およびジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む粗反応混合物から得られたものである。
【0018】
別の態様において、本開示は、第1の反応体積と第2の反応体積との間のカップリング反応の生成物を含む反応生成物であって、前記第1の反応体積が、以下の式のクロリンe無水物:
【0019】
【化4】

と、反応生成物中の全クロリン種に基づいて約5mol%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含み、前記第2の反応体積が、L‐アスパラギン酸またはそのエステルを含む、反応生成物に関する。いくつかの実施形態において、前記反応生成物は、モノ‐L‐アスパルチルクロリンeまたはその薬学的に許容される塩およびジアスパルチルクロリンeを含む。クロリン種の例には、クロリンe、クロリンe無水物、およびジアスパルチルクロリンeの前駆物質、ならびにクロリン発色団を含む化合物が含まれる。
【0020】
別の態様において、本開示は、モノ‐L‐アスパルチルクロリンeまたはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスに関する。前記プロセスは、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせて、以下の式Iの中間体:
【0021】
【化5】

またはその塩を含む混合物を得ることを含む。前記プロセスはさらに、式Iの中間体またはその塩を単離することを含む。いくつかの実施形態において、前記プロセスはさらに、単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせて、タラポルフィンナトリウムまたはその薬学的に許容される塩を形成する工程を含む。
【0022】
別の態様において、本開示は、光活性剤(photoactive agent)またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスに関する。前記プロセスは、以下の式の化合物:
【0023】
【化6】

またはその薬学的に許容される塩、有機溶媒および1つ以上のジアスパルチルクロリンe前駆物質を含む組成物を塩基性水性アスパラギン酸ナトリウム組成物と合わせて、粗モノ‐L‐アスパルチルクロリンe反応混合物を形成することを含む。いくつかの実施形態において、前記粗反応混合物は、粗反応混合物中に存在する全クロリン種に基づいて約2mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む。前記プロセスはさらに、反応混合物を塩基性にすることを含む。いくつかの実施形態において、前記プロセスはさらに、実質的な量のモノ‐L‐アスパルチルクロリンeを反応混合物から沈殿させることを含む。
【0024】
別の態様において、本開示は、クロリンeと脱水剤との化学反応生成物であって、以下の形態のクロリンe無水物:
【0025】
【化7】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む、化学反応生成物に関する。いくつかの実施形態において、前記ジアスパルチルクロリンeの前駆物質は、前記化学反応生成物中に存在する全クロリン種に基づいて約5mol%未満を含む。
【0026】
別の態様において、本開示は、クロリンeの反応生成物を含む混合物に関する。前記混合物は、これまで未知のクロリンe無水物および/またはその誘導体を含む。前記クロリンe無水物は、以下の式からなる:
【0027】
【化8】

前記混合物は、有意に低減した濃度のジアスパルチルクロリンeの前駆物質および存在する全クロリン種に対して典型的に5%未満の他の好ましくない化学種を含む。
【0028】
前記混合物は、クロリンeとカルボジイミドとの活性化反応の精製した反応生成物であってもよい。前記カルボジイミドは、N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐カルボジイミド塩酸塩(EDC)またはN‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミド(DCC)であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、上記式のクロリンe無水物は、反応混合物中の全クロリン種に基づいて約5%以下のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む混合物中に存在してもよい。別の態様において、前記クロリンe無水物は、混合物中の全クロリン種に対して3%以下のジアスパルチルクロリンe前駆物質を含有する混合物中に存在してもよい。
【0030】
別の態様において、本開示は、タラポルフィンナトリウムを調製する方法であって、クロリンe、その無水物およびジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む中間体反応混合物を調製し、有意な割合のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を混合物から除去して混合物を精製し、反応における精製混合物を利用してタラポルフィンナトリウムを調製する手順を含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記中間体反応混合物は、ジメチルスルホキシドを含んでもよい。いくつかの実施形態において、前記中間体反応混合物は、(EDC)およびジメチルホルムアミド(DMF)を含んでもよい。精製手順は、活性シリカの層を介してろ過することを含んでもよい。
【0032】
前記精製手順はまた、前駆物質の形成の抑制を目的とする薬剤をジ‐L‐アスパルチルクロリンeおよび他の好ましくない化学種に加えることを含んでもよい。前記精製手順は、ジアスパルチルクロリンe前駆物質を中間体反応混合物中に存在する全クロリン種に基づいて約5%未満または約3%未満の濃度に除去することを含んでもよい。
【0033】
前記利用手順は、ジメチルスルホキシド中、高pHでのL‐アスパラギン酸またはその誘導体またはエステルとのカップリングを含んでもよい。前記利用手順はまた、アルカリ水溶液中でのL‐アスパラギン酸またはその誘導体またはエステルとのカップリングを含んでもよい。
【0034】
別の態様において、本開示は、(存在する全クロリン種に対して)約5%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む第1の反応体積であって、以下の式のクロリンe無水物:
【0035】
【化9】

を含む、第1の反応体積と、L‐アスパラギン酸またはその誘導体またはエステルを含む第2の反応物との間のカップリング反応の生成物を含む反応生成物に関する。
【0036】
前記反応生成物は、存在する全クロリン種に基づいて約1%以下のジアスパルチルクロリンeを含んでもよい。前記第1の反応体積は、ジメチルスルホキシドを含んでもよい。第1の反応体積を精製して活性シリカの層を介するろ過などの適した分離工程等によってジアスパルチルクロリンeの前駆物質および他の好ましくない反応生成物を除去してもよい。
【0037】
さらに別の態様において、本開示は、ペプチド結合を介して他の化学部分に結合したクロリンeを含む化合物の調製における中間体としての精製したクロリンe無水物の使用に関する。
【0038】
以下の図と合わせて考えると、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することにより、本開示のより完全な理解が得られる。以下の図において、同様の参照番号は、図全体を通して類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一例示的実施形態に基づきクロリンeからタラポルフィンナトリウムを合成する2段階プロセス(活性化の後にカップリング)の概略図である。
【図2A】一例示的実施形態に基づき精製したクロリンe無水物の組成物の相対強度対質量電荷比(m/z)の質量分光分析グラフである。
【図2B】一例示的実施形態に基づきクロリンe無水物の組成物の410nmの吸光度(AU)対時間(分)のHPLC(高圧液体クロマトグラフィー)グラフである。596.8および578.8と標示したピークは、それぞれクロリンeおよびクロリンe無水物である。
【図3】一例示的実施形態に基づくジ‐L‐アスパルチルクロリンeの1つの異性体の構造式の概略図である。
【図4】一例示的実施形態に基づく単離したクロリンe無水物のタラポルフィンナトリウムへの転化の概略図である。
【図5】活性シリカで処理した後に活性化反応から得られる反応混合物の相対強度対質量電荷比(m/z)の質量分光分析グラフであり、一例示的実施形態に基づき混合物中の主要な化学種がクロリンe無水物であることを例示するグラフである。
【図6】一例示的実施形態に基づき精製した反応生成物中に存在するクロリン種の相対百分率を示す、UV検出を使用した410nmの吸光度(AU)対時間(分)のHPLCグラフである。
【図7】一例示的実施形態に基づき500MHzで収集した、d‐アセトン/d‐ジメチルスルホキシド中のクロリンe無水物のプロトン核磁気共鳴(H‐NMR)スペクトルである。
【図8】一例示的実施形態に基づき500MHzで収集した、d‐アセトン/d‐ジメチルスルホキシド中のクロリンe無水物のH‐NMRスペクトルの選択領域と、d‐アセトン/d‐ジメチルスルホキシド中のクロリンeH‐NMRスペクトルの選択領域との比較である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
以下の説明においては、種々の開示した実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細な説明が含まれる。しかしながら、実施形態が1つ以上のこれらの特定の詳細な説明なしに、あるいは他の方法、成分、材料等を使用して実施されてもよいことを、当業者は理解するであろう。他の場合には、分離カラム、ろ過床等を含むがこれらに限定されない抽出、分離、クロマトグラフィーおよび/または精製装置と関連した公知の構造は、実施形態の説明を不必要に分かりにくくするのを避けるために詳細に表示あるいは記載されていない。
【0041】
特に文脈において必要とされない限り、以下に続く明細書および特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」という用語、およびその「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形は、「含まれるが、これらに限定されない」のようなオープンな包括的意味で解釈されるものとする。
【0042】
本明細書全体における「一実施形態」または「実施形態」または「別の実施形態において」または「いくつかの実施形態において」の言及は、実施形態と関連して記載される特定の対象特性、構造または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して種々の箇所に出現する「一実施形態において」または「実施形態において」または「別の実施形態において」または「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしもすべてが同じ実施形態を示すとは限らない。さらに、特定の特性、構造または特徴を、1つ以上の実施形態において適した方法で組み合わせてもよい。
【0043】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、特に内容において明確に規定されない限り、複数の対象物を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、クロリンe無水物の中間体とアミン含有試薬との化学反応の言及は、単一のアミン含有試薬または2つ以上のアミン含有試薬を含む。また、「または」という用語は、特に内容において明確に規定されない限り、一般的に「および/または」を含む意味で使用されることに留意しなければならない。
【0044】
以下の詳細な説明は、基本的に単に例示するものであって、本開示または本開示の適用および使用を限定するものではない。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の開示または以下の詳細な説明において提示される、いかなる明示的または暗示的な理論によっても拘束されるものではない。
【0045】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「脱水剤」または「カルボキシル活性化剤」という用語は一般的に、求核攻撃に対して、カルボン酸を活性化できる化合物、分子または物質を指す。いくつかの実施形態において、脱水剤またはカルボキシル活性化剤は、攻撃する求核試薬がアミンまたはアルコールであるカルボン酸を活性化し、その結果アミドまたはエステル形成を生じることができる。
【0046】
このような脱水剤の非限定的な例には、カルボジイミド(例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩など)及びシアンアミドが含まれる。
【0047】
さらなる脱水試薬の例には、トリエチルアミンのような第3級アミンとともに一般的に使用されるアルキルクロロホルメート(例えば、Kim,Lee,Kim J.Org.Chem.1985,50,560を参照)、トリフェニルホスフィンを使用したジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)(例えば、Camp;Jenkins J.Org.Chem.1989,54,3045,3049(光延反応)を参照)、種々のクロロシラン(例えば、Nakao;Oka;Fukumoto Bull.Chem.Soc.Jpn.1981,54,1267を参照。また、例えば、Brook;Chan,Synthesis 1983,201を参照)、クロロスルホニルイソシアネート(例えば、Dhar,Murthy Synthesis 1988,437‐450を参照)、およびN,N’‐カルボニルジイミダゾール(例えば、Morton,Mangroo,Gerber Can.J.Chem.1988,66,1701を参照)が含まれる。いくつかの実施形態において、前記脱水剤はカルボジイミドである。いくつかの実施形態において、前記カルボジイミドは、N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩またはN,N’−ジシクロヘキシル‐カルボジイミドである。
【0048】
いくつかの実施形態において、反応物の脱水は、カルボン酸とアミンとの反応を、それらがアミノ酸の一部であろうとなかろうと含んでもよい。いくつかの実施形態において、所望のカップリング反応を得るために反応物を脱水するさらに一般的な方法を使用してもよい(例えば、Beckwith’s monograph,pp.73‐185,in The Chemistry of Amidesを参照)。例えば、一つの一般的な方法は、アミンと酸塩化物との反応である。いくつかの実施形態においては、第1の級アミンを使用したクロロホルメートで反応物を処理する。なぜなら、これは、ある目的でアミンを必要とする場合に、後で転化することができるためである(例えば、Zabicky,A.A.,Ed.;Wiley:New York,1970;Raucher;Jones Synth.Commun.1985,15,1025を参照)。本明細書および特許請求の範囲で使用される「アミン含有薬剤」という用語は一般的に、第1の級または第2の級アミン基を含有する化合物、分子または物質、またはアンモニアを指す。このようなアミン含有薬剤の非限定的な例には、アミノ酸(例えば、L‐アスパラギン酸)、アスパラギン酸等、またはそのエステルまたは誘導体が含まれる。
【0049】
タラポルフィンナトリウムは、モノ‐L‐アスパルチルクロリンe、NPe、MACE、タポルフィン、ME2906、Ace、ACおよびLS11として一般的に知られている。この化学抄録サービス登録番号は、220201‐34‐3であり、化学名は、(+)‐テトラナトリウム(2S,3S)‐18‐カルボキシラト‐20‐[N‐(S)‐1,2‐ジカルボキシラトエチル]‐カルバモイルメチル‐13‐エチル‐3,7,12,17‐テトラメチル‐8‐ビニルクロリン‐2‐プロパノエートである。
【0050】
タラポルフィンナトリウムは、光活性化薬物療法で典型的に使用される感光剤である。光活性化後、タラポルフィンナトリウムは、一重項酸素の形成を促進する長期間の高エネルギー電子状態を形成し、一重項酸素媒介の細胞死を生じる。いくつかの実施形態において、前記タラポルフィンナトリウムは、癌細胞と相互作用し、光にあてられると、癌細胞を死滅させるか破壊することができる。
【0051】
図1に示すように、クロリンeからタラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を調製するには、一般的に2段階プロセスが必要となる。いくつかの実施形態においては、第1の段階で、クロリンeが脱水剤によって活性化され、第2の段階で、活性化混合物がアミン含有薬剤と反応して、タラポルフィンナトリウムを形成する。
【0052】
これまで活性化手順の反応生成物は、高エネルギーで短寿命の不安定な化学種であると考えられていたため、単離または精製することはできない。しかしながら、本出願人等は、この反応の有意な成分をクロリンe無水物と同定し、この中間体が安定な化学種であることを思いがけなく発見した。いくつかの実施形態において、中間体は、単離または精製されると、L‐アスパラギン酸塩と反応して、クロリンe無水物の単離または精製を行わなかった場合よりも純粋なタラポルフィンナトリウムを形成する。
【0053】
いくつかの実施形態において、タラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスは、クロリンeをカルボキシル活性化剤で化合して、以下の式Iの中間体:
【0054】
【化10】

またはその塩を含む活性化反応混合物を得ることを含んでもよい。
【0055】
前記プロセスはさらに、1つ以上の分離を使用して反応混合物から式Iの中間体またはその塩を単離することを含んでもよい。式Iの中間体またはその塩を混合物から抽出、単離、分離および/または精製するのに適した技法および/または方法には、液体クロマトグラフィー(例えば、HPLC)、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、平面クロマトグラフィー等などの抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術が含まれる。いくつかの実施形態においては、活性シリカ層に混合物を通過させて、得られたシリカ処理した反応生成物を質量分光法で分析してもよい。図5は、クロリンeの脱水剤による活性化反応前のシリカ処理した反応生成物の質量スペクトルを示す。電子スプレーイオン化を使用し、極性をプラスに設定したAgilent 1100シリーズLC/MSD機器上でスペクトルを記録した。
【0056】
図5に示すように、クロリンe無水物のピークは、現時点で、反応副生成物のピークよりも比例してはるかに高い。最も強いピークは、クロリンe無水物のピークである。
【0057】
アルカリ水溶液(水酸化ナトリウムを使用してアルカリ状態を作り出す)中で、現時点で、高いクロリンe無水物濃度を有する、シリカ処理した、またはその他の方法で精製した活性化反応生成物をL‐アスパラギン酸と反応させると、従来のものと比べてはるかに純粋なタラポルフィンナトリウム含有反応生成物が生成した。カップリング反応生成物のHPLC分析を図6に示す。(存在する全クロリン種に対して)約95%のカップリング反応生成物がタラポルフィンナトリウムで、わずかに約5%が他の反応生成物である。このカップリング反応生成物を96%のタラポルフィンナトリウムにさらに精製することは、非常に低い割合のタラポルフィンナトリウムを含む従来の反応生成物の場合と比べて、はるかに簡単で、コストもかからない。いくつかの実施形態において、得られたタラポルフィンナトリウムは、約90%〜約99%以上の純度を有する。
【0058】
カップリング反応生成物の精製は、不純物を除去するHPLCによる一連の処理を必要とする。そのため、いくつかの実施形態においては、増加したタラポルフィンナトリウム濃度(およびジアスパルチルクロリンeの前駆物質などの低減した濃度の他の(好ましくない)活性化反応生成物)を有する反応生成物を使用して精製プロセスを開始することで、HPLC精製プロセスの必要性がなくなる可能性ももたらされる。したがって、いくつかの実施形態は、高いタラポルフィンナトリウム純度のみならず、高いタラポルフィンナトリウム収率の可能性も提供する。
【0059】
いくつかの実施形態において、活性化反応から生成した活性化反応混合物は、最初に精製されて、増加した濃度のクロリンe無水物と、ジアスパルチルクロリンeの前駆物質などの低減した濃度の他の(望ましくない)活性化反応生成物を含む精製した活性化反応混合物を生成する(ジアスパルチルクロリンeの1つの異性体の図を図3に示す)。ジ‐L‐アスパルチルクロリンeは、典型的には全生成物混合物の3〜4%を含む。一般的に、ジアスパルチルクロリンeは、一連の逆相HPLC手順の多段階によって除去される。しかしながら、使用したHPLCプロセスは、コストと時間の両方がかかる。さらに、多段階のHPLC分離は、タラポルフィンナトリウム生成物の損失をもたらし、それによって生成物の収率を50%程度低下させる。
【0060】
以下の式Iの構造:
【0061】
【化11】

を有し、活性化混合物中にこれまで存在すら知られていない「活性化中間体」が存在することがすでに明らかにされている。
【0062】
この式Iのクロリンe無水物は、「クロリンe環状無水物」または「無水物」と呼んでもよい。図4に示すように、活性化混合物から精製されたこのクロリンe無水物をL‐アスパルチルクロリンeとのカップリング反応で反応させると、ジアスパルチルクロリンeの生成が急激に低下する。
【0063】
いくつかの実施形態において、前記プロセスはさらに、単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせて、タラポルフィンナトリウムまたはその薬学的に許容される塩を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせることは、クロリンeをカルボジイミドと反応させることを含む。いくつかの実施形態において、前記カルボジイミドは、DCCまたはEDCである。
【0064】
いくつかの実施形態において、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせることは、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドの存在下で、クロリンeをカルボジイミドと合わせることを含む。いくつかの実施形態において、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせることは、クロリンeをEDCまたはDCCと合わせることを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、式Iの中間体またはその塩を単離することは、活性シリカを使用して式Iの中間体またはその塩を混合物から分離して、実質的に純粋な式Iの中間体またはその塩を得ることを含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせることは、単離した式Iの中間体またはその塩をアスパラギン酸ナトリウムと合わせて、タラポルフィンナトリウムを形成することを含む。
【0067】
いくつかの実施形態において、単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせることは、ジメチルスルホキシドの存在下で、単離した式Iの中間体またはその塩をL‐アスパラギン酸またはそのエステルと合わせて、タラポルフィンナトリウムを形成することを含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせることは、アルカリ水溶液中で、クロリンe無水物とL‐アスパラギン酸またはそのエステルとをカップリングさせてモノ‐L‐アスパルチルクロリンeの四ナトリウム塩を形成する工程を含む。
【0069】
本開示の特定の実施形態は、クロリンe無水物またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスに関する。前記プロセスは、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせて以下の式:
【0070】
【化12】

を有するクロリンe無水物またはその塩を含む混合物を得ることを含む。いくつかの実施形態において、前記カルボキシル活性化剤は、DCCまたはEDCである。
【0071】
前記プロセスはさらに、クロリンe無水物またはその塩を精製することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、クロリンe無水物またはその塩を精製することは、1つ以上の抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術を使用して混合物からクロリンe無水物またはその塩を単離することを含む。
【0072】
図7は、一例示的実施形態によるアセトンd中のクロリンe無水物のH‐NMRスペクトルを示す。表1を参照すると、位置の割当ては、以下の式Iのクロリンe無水物:
【0073】
【化13】

で示される対応する原子に従って番号が付けられる。
【0074】
【化14】

図8は、図7のNMRスペクトルの4〜6ppmの拡大部分、ならびに同様の条件下で採取したクロリンeのNMRスペクトルの4〜6ppmの拡大部分を示す。これらのグラフは、クロリンeとその無水物間のいくつかの構造の違いを明らかにする。
【0075】
本開示の特定の実施形態は、中間体を調製する方法に関する。前記方法は、クロリンeをカルボキシル活性化剤で活性化して中間体を含む混合物を得ることを含み、前記中間体は、溶媒としてd‐アセトン/d‐ジメチルスルホキシドを使用し、500MHzでプロトン核磁気共鳴(H‐NMR)分光法により分析すると、
【0076】
【化14a】

の付近のppmの化学シフトを含むスペクトルを示す。
【0077】
前記方法はさらに、中間体を単離することを含む。いくつかの実施形態において、中間体を単離することは、1つ以上の抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術を使用して混合物から中間体を分離することを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術は、混合物を活性シリカと接触させることを含む。
【0078】
前記方法はさらに、単離した中間体を真空下で乾燥させる工程を含む。
【0079】
本開示の特定の実施形態は、タラポルフィンとその塩を調製する方法に関する。前記方法は、中間体(クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせて、以下の式:
【0080】
【化15】

を有するクロリンe無水物またはその塩を含む混合物を得て、クロリンe無水物またはその塩を精製することにより調製)をアミン含有試薬と合わせて、モノアミノ酸クロリンeまたはその薬学的に許容される塩を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、前記アミン含有試薬は、L‐アスパラギン酸またはそのエステルである。
【0081】
本開示の特定の実施形態は、反応生成物に関する。前記反応生成物は、第1の反応体積と第2の反応体積との間のカップリング反応の生成物であって、前記第1の反応体積が、以下の式のクロリンe無水物:
【0082】
【化16】

と、第1の反応体積中に存在する全クロリン種に基づいて約5mol%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含み、前記第2の反応体積が、L‐アスパラギン酸またはそのエステルを含む、生成物に関する。いくつかの実施形態において、mol%と%AUC(曲線の下の面積)の単位は、交換可能に使用される。%AUCは、曲線の下の面積の割合として定義され、約400nmまたは約410nmの波長を有する検出信号を使用したHPLC‐UV吸光度分析によって判定される。クロマトグラムにおいて、対象のピークの曲線の下の面積をすべてのピークの曲線の下の面積で除算することにより、%AUCを計算する。いくつかの実施形態において、%AUCは、混合物中のクロリン種が同じ発色団を共有することから、混合物中のクロリン種の濃度に比例することが予想される。したがって、HPLCクロマトグラム中の分離した化学種の%AUCを測定することによって、反応混合物中に存在する化学種の相対濃度および/またはmol%を判定することができる。いくつかの実施形態においては、各HPLCグラフのピークに対する相対AUCを使用して反応混合物中に存在する化学種の相対濃度および/またはmol%を判定してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、前記反応生成物は、モノ‐L‐アスパルチルクロリンeまたはその薬学的に許容される塩、およびジアスパルチルクロリンeを含む。いくつかの実施形態において、前記反応生成物は、前記反応生成物中に存在する全クロリン種に基づいて約2mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む。いくつかの実施形態において、前記反応生成物は、前記反応生成物中に存在する全クロリン種に基づいて約1mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む。いくつかの実施形態において、前記第1の反応体積はさらに、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドを含む。
【0084】
前記第1の反応体積は、精製して、分離プロセスによってジアスパルチルクロリンeの前駆物質を除去することができる。いくつかの実施形態において、前記分離プロセスは、活性シリカクロマトグラフィーである。いくつかの実施形態において、得られた活性化混合物は、アルカリ水溶液中でL‐アスパラギン酸(図4に示す)と合わせて、他の副生成物中にタラポルフィンナトリウムを生じる。
【0085】
本開示の特定の実施形態は、クロリンeとカルボジイミドの化学反応生成物であって、前記化学反応生成物が、以下の形態のクロリンe無水物:
【0086】
【化17】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む、化学反応生成物に関する。いくつかの実施形態において、ジアスパルチルクロリンeの前駆物質は、前記化学反応生成物中に存在する全クロリン種の約5mol%未満を含む。いくつかのさらなる実施形態において、ジアスパルチルクロリンeの前駆物質は、前記化学反応生成物中に存在する全クロリン種の約3mol%未満を含む。いくつかの実施形態において、前記クロリンe無水物は、前記化学反応生成物中に存在する全クロリン種の少なくとも約85mol%を含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、前記カルボジイミドは、EDCまたはDCCである。
【0088】
本開示の特定の実施形態は、以下の式Iの化合物:
【0089】
【化18】

またはその薬学的に許容される塩を実質的に純粋な形態で含む組成物に関する。
【0090】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量は、組成物中の全クロリン種の約85mol%を超える。いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量は、組成物中の全クロリン種の約90mol%を超える。いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量は、組成物中の全クロリン種の約95mol%を超える。
【0091】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量は、組成物の約85重量%を超える。いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量は、組成物の約90重量%を超える。いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量は、組成物の約95重量%を超える。
【0092】
本開示の特定の実施形態は、以下の式Iの化合物:
【0093】
【化19】

またはその薬学的に許容される塩を実質的に純粋な形態で含む化学反応生成物に関する。
【0094】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物の全含有量は、前記化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約85mol%を超える。いくつかの実施形態において、式Iの化合物の全含有量は、前記化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約90mol%を超える。いくつかの実施形態において、式Iの化合物の全含有量は、前記化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約95mol%を超える。
【0095】
本開示の特定の実施形態は、タラポルフィンナトリウムまたはその薬学的に許容される塩の製造方法に関する。前記方法は、有機溶媒の存在下で、約8〜約12の範囲のpHを有するアスパラギン酸塩組成物をクロリンeとカルボジイミドの化学反応生成物と合わせて、反応混合物を形成することを含む。いくつかの実施形態において、前記有機溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、塩化メチレンまたはそれらの混合物から選択される。
【0096】
いくつかの実施形態において、前記化学反応生成物は、以下の形態のクロリンe無水物:
【0097】
【化20】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む。いくつかの実施形態において、ジアスパルチルクロリンeの前駆物質は、前記化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約5mol%未満を含む。
【0098】
前記方法はさらに、反応混合物を塩基性にすることを含む。いくつかの実施形態において、反応混合物を塩基性にすることは、水酸化物を加えて反応混合物のpHを約8〜約12に維持することを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、前記方法はさらに、塩基性反応混合物からタラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を沈殿させることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、タラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を沈殿させることは、適した沈殿溶媒を塩基性反応混合物に加えることを含む。
【0100】
前記方法はさらに、タラポルフィン(またはその薬学的に許容される塩)の沈殿物を塩基性反応混合物からろ過、遠心分離および/またはクロマトグラフィーによって分離することを含む。
【0101】
本開示の特定の実施形態は、タラポルフィンナトリウムを調製する方法に関する。前記方法は、精製した中間体反応混合物を反応において利用してタラポルフィンナトリウムを調製することを含み、前記精製した中間体反応混合物は、有意な割合のジアスパルチルクロリンeの前駆物質が除去されたクロリンe、クロリンe無水物、およびジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む粗反応混合物から得られたものである。
【0102】
いくつかの実施形態において、前記精製した中間体反応混合物は、全クロリン種に基づいて約5%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む。いくつかの実施形態において、前記精製した中間体反応混合物は、全クロリン種に基づいて約3%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、クロリンe環状無水物は、以下の式Iのクロリンe環状無水物:
【0104】
【化21】

またはその塩である。
【0105】
いくつかの実施形態において、前記精製した中間体反応混合物はさらに、ジメチルスルホキシドを含む。いくつかの実施形態において、前記精製した中間体反応混合物はさらに、EDCまたはDCCおよびジメチルホルムアミドを含む。いくつかの実施形態において、有意な割合のジアスパルチルクロリンeの前駆物質は、活性シリカを使用して除去されている。
【0106】
本開示の特定の実施形態は、光活性剤またはその薬学的に許容される塩を調製するプロセスに関する。前記プロセスは、以下の式の化合物:
【0107】
【化22】

またはその薬学的に許容される塩、有機溶媒および1つ以上のジアスパルチルクロリンe前駆物質を含む組成物を塩基性水性アスパラギン酸ナトリウム組成物と合わせて、粗モノ‐L‐アスパルチルクロリンe反応混合物を形成することを含み、前記粗反応混合物は、粗反応混合物中に存在する全クロリン種に基づいて約2mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む。
【0108】
前記プロセスはさらに、反応混合物を塩基性にすることを含む。前記プロセスはさらに、実質的な量のモノ‐L‐アスパルチルクロリンeを反応混合物から沈殿させることを含む。いくつかの実施形態において、実質的な量のモノ‐L‐アスパルチルクロリンeを反応混合物から沈殿させることは、十分な量の有機溶媒を提供して反応混合物から存在するモノ‐L‐アスパルチルクロリンeの約50mol%を超える沈殿物を生じることを含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、反応混合物を塩基性にすることは、十分な量のアルカリ性物質を反応混合物に提供して約8〜約12の範囲のpHを維持することを含む。いくつかの実施形態において、反応混合物を塩基性にすることは、十分な量のアルカリ性物質を反応混合物に提供して約10〜約12の範囲のpHを維持することを含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのジアスパルチルクロリンe前駆物質は、前記反応混合物中に存在する全クロリン種の約1mol%〜約2mol%未満を含む。
【0111】
本開示の特定の実施形態は、以下の形態のクロリンe無水物:
【0112】
【化23】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む反応生成物であって、ジアスパルチルクロリンeの前駆物質が、存在する全クロリン種の約1〜2mol%未満を構成する、反応生成物に関する。
【実施例】
【0113】
(実施例1) クロリンe無水物の合成
クロリンe(2.0g、3.3mmol)(Frontier Scientific)を10mLのDMFに溶解した。EDC(0.61g、3.2mmol)を混合物に添加して、1.5時間反応させた。この反応混合物をシリカゲル(Sigma‐Aldrich)の層に充填し、アセトンで溶離した。着色部分を収集し、真空下で濃縮した。無水物をさらに真空下で乾燥させた。
【0114】
(実施例2) タラポルフィンナトリウムの合成
pH11に達するまで10M NaOHを10mLの水中のアスパラギン酸(約1.3g、10mmol)に添加することにより、アスパラギン酸ナトリウム溶液を調製した。実施例1で得たクロリンe無水物をDMFに溶解し、アスパラギン酸ナトリウム溶液に緩徐に添加した。混合物を10M NaOHで塩基性にした。過剰のDMFを暗黒色の懸濁液に添加して、生成物を沈殿させた。この生成物を濾取し、アセトンで洗浄した。この材料をアセトン中に再懸濁させて濾取した。得られた粗タラポルフィンナトリウムを真空下で乾燥させた。
【0115】
前述の詳細な説明において少なくとも1つの実施例の実施形態を示したが、莫大な数の変形が存在することを理解しなければならない。また、本明細書に記載の1つ以上の例示的実施形態は、本開示の適用範囲、適用可能性または構成を何ら限定するものではないことも理解しなければならない。むしろ、前述の詳細な説明は、記載した1つ以上の実施形態を実施するのに簡便なロードマップを当業者に提供するものとなる。添付の特許請求の範囲に記載の開示およびその法的同等物の範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置に種々の変更を行えることを理解しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロリンeとカルボジイミドの化学反応生成物であって、該化学反応生成物が、以下の形態のクロリンe無水物:
【化24】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含み、該ジアスパルチルクロリンeの前駆物質が、該化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約5mol%未満を構成する、化学反応生成物。
【請求項2】
前記ジアスパルチルクロリンeの前駆物質が、前記化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約3mol%未満を構成する、請求項1に記載の化学反応生成物。
【請求項3】
前記クロリンe無水物が、前記化学反応生成物の少なくとも約85mol%を構成する、請求項1に記載の化学反応生成物。
【請求項4】
前記カルボジイミドが、N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐カルボジイミド塩酸塩またはN‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミドである、請求項1に記載の化学反応生成物。
【請求項5】
以下の式Iの化合物:
【化25】

またはその薬学的に許容される塩を実質的に純粋な形態で含む組成物。
【請求項6】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量が、前記組成物の約85重量%を超える、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量が、前記組成物の約90重量%を超える、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の全含有量が、前記組成物の約95重量%を超える、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
クロリンe無水物またはその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせて、以下の式を有するクロリンe無水物:
【化26】

またはその薬学的に許容される塩を含む混合物を得る工程、該クロリンe無水物またはその薬学的に許容される塩を精製する工程を含む、プロセス。
【請求項10】
前記カルボキシル活性化剤が、N‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミドまたはN‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記クロリンe無水物またはその塩を精製する工程が、1つ以上の抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術を使用して前記混合物から前記クロリンe無水物またはその塩を単離することを含む、請求項9に記載のプロセス。
【請求項12】
中間体を調製するための方法であって、クロリンeをカルボキシル活性化剤で活性化して、中間体を含む混合物を得る工程、および該中間体を単離する工程を含み、該中間体は、d‐アセトン/d‐ジメチルスルホキシドを溶媒として使用し、500MHzでプロトン核磁気共鳴(H‐NMR)分光法により分析すると、
【化27】

の付近のppmの化学シフトを含むスペクトルを示す、方法。
【請求項13】
前記中間体を単離する工程が、1つ以上の抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術を使用して前記混合物から該中間体を分離することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の抽出技術、分離技術、クロマトグラフィー技術および/または精製技術が、前記混合物を活性シリカと接触させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記単離した中間体を真空下で乾燥させる工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
タラポルフィンを調製するための方法であって、請求項9にしたがって調製した中間体をアミン含有試薬と合わせて、モノアミノ酸クロリンeまたはその薬学的に許容される塩を形成する工程を含む、方法。
【請求項17】
前記アミン含有試薬が、L‐アスパラギン酸またはそのエステルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
タラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
有機溶媒の存在下で、約10〜約12の範囲のpHを有するアスパラギン酸塩組成物を請求項1に記載の化学反応生成物と合わせて反応混合物を形成する工程、
該反応混合物を塩基性にする工程、
該塩基性反応混合物から該タラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を沈殿させる工程、
を含む、方法。
【請求項19】
前記有機溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、塩化メチレンまたはそれらの混合物である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応混合物を塩基性にする工程が、水酸化物を添加して該反応混合物のpHを約8〜約12の範囲内に維持することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記タラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を沈殿させる工程が、適した沈殿溶媒を前記塩基性反応混合物に添加することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
ろ過および/またはクロマトグラフィーによって前記塩基性反応混合物から沈殿した前記タラポルフィンまたはその薬学的に許容される塩を分離する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
タラポルフィンナトリウムを調製する方法であって、精製した中間体反応混合物を反応において利用して、タラポルフィンナトリウムを調製する工程を含み、該精製した中間体反応混合物が、有意な割合のジアスパルチルクロリンeの前駆物質が除去されたクロリンe、クロリンe無水物、およびジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む粗反応混合物から得られたものである、方法。
【請求項24】
前記精製した中間体反応混合物が、該精製した中間体反応混合物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約5mol%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む、請求項23の方法。
【請求項25】
前記精製した中間体反応混合物が、該精製した中間体反応混合物中に存在する全クロリン種に基づいて約3mol%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記クロリンe環状無水物が、以下の式Iのクロリンe環状無水物:
【化28】

またはその塩である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記精製した中間体反応混合物が、ジメチルスルホキシドをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記精製した中間体反応混合物が、N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミドまたはジメチルホルムアミド、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記有意な割合のジアスパルチルクロリンeの前駆物質が、活性シリカを使用して除去されている、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
第1の反応体積と第2の反応体積との間のカップリング反応の生成物を含む反応生成物であって、
該第1の反応体積が、以下の式のクロリンe無水物:
【化29】

と、該第1反応体積中に存在する全クロリン種に基づいて約5mol%未満のジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含み、該第2の反応体積が、L‐アスパラギン酸またはそのエステルを含み、
該反応生成物が、モノ‐L‐アスパルチルクロリンeまたはその薬学的に許容される塩およびジアスパルチルクロリンeを含む、
反応生成物。
【請求項31】
前記反応生成物が、該反応生成物中に存在する全クロリン種に基づいて約2mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む、請求項30に記載の反応生成物。
【請求項32】
反応生成物が、該反応生成物中に存在する全クロリン種に基づいて約1mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む、請求項30に記載の反応生成物。
【請求項33】
前記第1の反応体積がさらに、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドを含む、請求項30に記載の反応生成物。
【請求項34】
前記第1の反応体積が精製されて、分離プロセスによってジアスパルチルクロリンeの前駆物質を除去する、請求項30に記載の反応生成物。
【請求項35】
前記分離プロセスが、活性シリカクロマトグラフィーである、請求項34に記載の反応生成物。
【請求項36】
モノ‐L‐アスパルチルクロリンeまたはその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
クロリンeをカルボキシル活性化剤と合わせて、以下の式Iの中間体:
【化30】

またはその塩を含む混合物を得る工程、
該式Iの中間体またはその塩を単離する工程、
該単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせて、タラポルフィンナトリウムまたはその薬学的に許容される塩を形成する工程
を含む、プロセス。
【請求項37】
前記クロリンeを前記カルボキシル活性化剤と合わせる工程が、該クロリンeをカルボジイミドと反応させることを含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記カルボジイミドが、N‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミド、N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミド、またはそれらの混合物である、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記クロリンeを前記カルボキシル活性化剤と合わせる工程が、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドの存在下で、該クロリンeをカルボジイミドと反応させることを含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項40】
前記クロリンeを前記カルボキシル活性化剤と反応させる工程が、該クロリンeをN‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩またはN‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミドと反応させることを含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項41】
前記式Iの中間体またはその塩を単離する工程が、活性シリカを使用して該式Iの中間体またはその塩を前記混合物から分離して、実質的に純粋な式Iの中間体またはその塩を得ることを含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項42】
前記単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせる工程が、該単離した式Iの中間体またはその塩をアスパラギン酸ナトリウムと反応させて、タラポルフィンナトリウムを形成することを含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項43】
前記単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせる工程が、ジメチルスルホキシドの存在下で、該単離した式Iの中間体またはその塩をL‐アスパラギン酸またはそのエステルと合わせて、タラポルフィンナトリウムを形成することを含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項44】
前記単離した式Iの中間体またはその塩をアミン含有試薬と合わせる工程が、アルカリ水溶液中で、前記クロリンe無水物とL‐アスパラギン酸またはそのエステルとをカップリングさせて、モノ‐L‐アスパルチルクロリンeの四ナトリウム塩を形成する工程を含む、請求項36に記載のプロセス。
【請求項45】
光活性剤またはその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
以下の式の化合物:
【化31】

またはその薬学的に許容される塩、有機溶媒および1つ以上のジアスパルチルクロリンe前駆物質を含む組成物を塩基性水性アスパラギン酸ナトリウム組成物と合わせて、粗モノ‐L‐アスパルチルクロリンe反応混合物を形成する工程であって、該粗反応混合物は、該組成物内の全クロリン種に基づいて約2mol%未満のジアスパルチルクロリンeを含む、工程、
該反応混合物を塩基性にする工程、
実質的な量の該モノ‐L‐アスパルチルクロリンeを該反応混合物から沈殿させる工程
を含む、プロセス。
【請求項46】
前記少なくとも1つのジアスパルチルクロリンe前駆物質が、前記組成物中の全クロリン種に基づいて約5mol%未満を構成する、請求項45に記載のプロセス。
【請求項47】
前記少なくとも1つのジアスパルチルクロリンe前駆物質が、前記組成物中の全クロリン種に基づいて約3mol%未満を構成する、請求項45に記載のプロセス。
【請求項48】
前記反応混合物を塩基性にする工程が、十分な量のアルカリ性物質を該反応混合物に提供して約8〜約12の範囲のpHを維持することを含む、請求項45に記載のプロセス。
【請求項49】
実質的な量の前記モノ‐L‐アスパルチルクロリンeを前記反応混合物から沈殿させる工程が、十分な量の有機溶媒を提供して、該反応混合物から存在する該モノ‐L‐アスパルチルクロリンeの50mol%を超える沈殿物を生じることを含む、請求項45に記載のプロセス。
【請求項50】
クロリンeと脱水剤との化学反応生成物であって、該化学反応生成物が、以下の形態のクロリンe無水物:
【化32】

とジアスパルチルクロリンeの前駆物質を含み、該ジアスパルチルクロリンeの前駆物質が、該化学反応生成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約5mol%未満を構成する、化学反応生成物。
【請求項51】
前記脱水剤がカルボジイミドである、請求項50に記載の化学反応生成物。
【請求項52】
前記カルボジイミドが、N‐エチル‐N’‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐カルボジイミド塩酸塩またはN‐N’‐ジシクロヘキシル‐カルボジイミドである、請求項51に記載の化学反応生成物。
【請求項53】
以下の式Iの化合物:
【化33】

またはその薬学的に許容される塩を実質的に純粋な形態で含む組成物。
【請求項54】
前記式Iの化合物の全含有量が、前記組成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約85mol%を超える、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記式Iの化合物の全含有量が、前記組成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約90mol%を超える、請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
前記式Iの化合物の全含有量が、前記組成物中に存在するクロリン種の全量に基づいて約95mol%を超える、請求項53に記載の組成物。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2009−542672(P2009−542672A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518280(P2009−518280)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/015087
【国際公開番号】WO2008/005308
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(507177375)ライト、サイエンシーズ、オンコロジー、インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】LIGHT SCIENCES ONCOLOGY, INC.
【Fターム(参考)】