説明

光源装置、光走査装置及び画像形成装置

【課題】本発明は、低コスト、コンパクトで安定した光学性能を実現可能な光源装置を提供する。
【解決手段】光源装置90は、搭載平面方向に光ビームを照射する発光部材102が搭載される金属製のフレーム部材101と、発光部材が搭載された搭載面101aにおいて発光部材が位置する発光領域部101E1と発光部材が位置しない支持領域部101E2とにフレーム部材101を区分する樹脂製の区分部材103とが一体化された光源100と、支持領域部を搭載面101a側とその反対面101b側から挟み込むことで保持する保持手段200を有し、発光領域部101E1において反対面101bに当接する接触部208を保持手段200に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置と光走査装置およびこれらを用いたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のレーザプリンタ等の画像形成装置で用いられる光走査装置は、一般に、光源側からの光ビームを光偏向器により偏向させ、fθレンズ等の走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットで被走査面を光走査(主走査)するように構成されている。
【0003】
画像形成装置においてフルカラー画像を形成する構成の一例として、4つのドラム状の感光体を用紙などの記録部材の搬送方向に配列したものがある。このような画像形成装置では、各感光体に対応した複数の光源装置から放射された光ビームの光束を、1つの偏向手段により偏向走査し、各感光体に対応する複数の走査結像光学系により各感光体に同時に露光して潜像をつくり、これらの潜像をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)などの各々異なる色の現像剤を使用する現像装置で可視像化したのち、これらの可視像を同一の記録部材に順次重ね合わせて転写し定着することで、カラー画像を得られるように構成されているものがある。このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像や多色画像、カラー画像等を得るようにした画像形成装置はタンデム式の画像形成装置として既に知られている。
【0004】
タンデム式の画像形成装置には、複数の感光体がポリゴンミラーなどの1つの光偏向器を共用する方式のものが知られている。例えば特許文献1には、略平行でかつ副走査方向に離れた複数の光束を1つの光偏向器に入射し、複数の光束に対応する複数の走査光学素子を副走査方向に並べて走査するものがある。このように、複数の被走査面で光偏向器を共用すると、光偏向器の数が減少できて、光走査装置や画像形成装置をコンパクト化することが可能になる。
【0005】
特許文献2には、光源と光源保持部材と光源保持部材を固定する基材とがネジなどの締結部材によって締結して一体化した構成が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの異なる被走査面(感光体)を持つフルカラー対応の画像形成装置の光走査装置として光偏向器の数を減らすことは可能だが、副走査方向に複数の感光体に向かう光ビームを略平行に並べて光偏向器に入射させるため、光偏向器が副走査方向に大型化するという課題がある。一般的に、光走査装置が備えている光学系で、光偏向器となるポリゴンミラー部のコストは高く、装置全体の低コスト化、及び小型化を狙う場合においては、その弊害と成り易い。
特許文献2の構成では、一体化のためにネジやネジ穴が必要となり、コンパクトな構成とするには部品点数が多く、組付け工程が煩雑となりネジの締結力の差からばらつきが生じる可能性が高く光学性能のばらつきの発生やコストアップと成り易い。
【0007】
また、光源装置は光源から光ビームが照射されると発熱し、発熱による温度上昇が光源の電気特性への影響となるので熱対策も重要な課題である。
【0008】
本発明は、低コスト、コンパクトで安定した光学性能を実現可能な光源装置及び光走査装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、低コストで安定した画像品質を実現可能な画像形成装置の提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光源装置は、搭載平面方向に光ビームを照射する発光部材が搭載される金属製のフレーム部材と、発光部材が搭載された搭載面において発光部材が位置する発光領域部と発光部材が位置しない支持領域部とにフレーム部材を区分する樹脂製の区分部材とを備え、フレーム部材と区分部材とが一体化された光源と、支持領域部を搭載面側とその反対面側から挟み込むことで保持する保持手段とを有し、発光領域部において反対面に当接する接触部を保持手段が備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る光源装置において、保持手段は、フレーム部材を保持するとともに、支持領域部において搭載面に接触する当接部位が形成された光源保持部材と、光源保持部材を覆うように同光源保持部材に装着されていて、支持領域部において反対面を当接部位に向かって押圧するように弾性変形可能なアーム部を備えた押圧部材を有し、接触部は押圧部材に形成れていることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る光源装置において、光源保持部材または押圧部材の少なくとも一方が金属製であることを特徴としている。
【0013】
本発明に係る光源装置において、光源保持部材は、搭載面に垂直かつ光軸進行方向に向かって平行に延びる取付面を有し、光源から照射される光束を調整する光学素子の外周部の一部が取付面に固着されて配設されていることを特徴としている。
【0014】
本発明に係る画像形成装置と光走査装置は上記何れかの光源装置を備えたことを特徴としている。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、上記光源装置を備えた光走査装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光ビームを照射する発光部材が搭載される金属製のフレーム部材と、発光部材が搭載された搭載面において発光部材が位置する発光領域部と発光部材が位置しない支持領域部とにフレーム部材を区分する樹脂製の区分部材とが一体化された光源を、支持領域部において、搭載面側とその反対面側から保持手段で挟み込むことで保持するので、従来のようにネジなどの締結部材を用いなくても一体化でき、部品点数が少なく、組付け工程が容易となる。このため、低コストでコンパクトな光源装置と光走査装置となる。また、ネジの締結力のばらつきも発生しないので、光学性能のばらつきも低減し、安定した光学性能(光ビーム品質)を得ることができる。
【0017】
さらに、フレーム部材の発光領域部において反対面に当接する接触部を保持手段が備えているので、金属製のフレーム部材に搭載された発光部材が発熱しても、その熱がフレーム部材から接触部に伝わって放熱されるので、温度上昇が光源の電気特性への影響が少なくなり、安定した光学性能を得ることができる。
【0018】
本発明によれば、放熱性に優れ、安定した光学性能が得られる光源装置に対して、光源部材から照射される光束を調整する光学素子の一部を一体的に保持したたで、より安定した光学性能(光ビーム品質)を得ることができる。
【0019】
本発明によれば、放熱性に優れ、安定した光学性能が得られる光源装置や光走査装置を有するので、低コストで安定した画像品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る光源装置と光走査装置を備えた画像形成装置の一形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明にかかる光源装置を備えた光走査装置の概略構成を示す平面図である。
【図3】本発明に係る光源装置が備えた光源を発光部材から見た斜視図である。
【図4】本発明に係る光源装置の構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示す光源装置を下側から見たときの斜視図である。
【図6】図4に示す光源装置の側面図である。
【図7】図4に示す光源装置を光軸進行方向側から見た図である。
【図8】光学素子を一体化した光源装置の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。まず画像形成装置の全体構成について説明し、その後に光源装置と光走査装置の構成について説明する。図1に示す画像形成装置は、タンデム型のフルカラーレーザプリンタである。画像形成装置としては、レーザプリンタに限定されるものではなく、複写機やファクシミリやこれらの複合機であってもよい。
(画像形成装置の構成)
図1に示す画像形成装置1は、装置本体1A内に光走査装置9が配設され、最下部に転写部材となる転写紙Sを積載された給紙トレイ13が配設されている。給紙トレイ13内の転写紙Sは、給紙部材となる給紙ローラ14と分離ローラ15によって1枚ずつ給紙される。
【0022】
給紙トレイ13の上方には、給紙カセット13から給紙される転写紙Sを搬送する搬送部材となる搬送ベルト17が配設されている。搬送ベルト17はローラ18,19の間に巻き掛けられて水平方向に配設されていて、何れかのローラが図示しない駆動モータで回転駆動されることで図中反時計周りに回転する。搬送ベルト17の上方には、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKに対応する像担持体となるドラム状の感光体7Y,感光体7M,感光体7C,感光体7Kが、転写紙Sの搬送方向上流側から順に等間隔で配設されている。以後、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKに対応する部材には、数字の符号に添字するY,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体7Y,7M,7C,7Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。
【0023】
感光体3Yを例にすると、プロセス部材は、帯電チャージャ8Y、光走査装置9に装備されている光走査光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージ11Y、クリーニング装置12Y等が感光体3Yの周囲に順番に配設されている。他の感光体7M,7C,7Kに対しても同様の順序で、各色に対応するプロセス部材がそれぞれ配設されている。各色の転写チャージは、搬送ベルト17を介して各感光体と対向配置されている。これらプロセス部材のうち、各色の帯電チャージャと現像装置とクリーニング装置は、各色の感光体とそれぞれ一体化されてプロセスユニットとして構成されている。
【0024】
本形態では、感光体7Y,7M,7C,7Kの表面を色毎に設定された被走査面ないしは被照射面とするものであり、各々の感光体に対して光走査装置9の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kが1対1の対応関係で配設けられている。
【0025】
搬送ベルト17の周囲には、4つの感光体の中で最上流に位置する感光体7Yよりもさらに上流側に位置させてレジストローラ16と、転写体帯電手段となるベルト帯電チャージャ20が配置されている。4つの感光体の中で最下流に位置する感光体7Kよりも搬送ベルト17の回転方向下流側には、分離手段となるベルト分離チャージャ21と搬送ベルト17を除電するベルト除電チャージャ22と、搬送ベルト17の表面を清掃するクリーニング装置23等が順に配置されている。
【0026】
ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には転写紙Sに転写されたトナー像を熱と圧力で定着する定着装置24が配置されている。装置本体1Aの上面には、排紙部となる排紙トレイ26が配設されているとともに、定着装置24を通過した記録紙Pを排紙トレイ26に向かって排出する排紙ローラ対25が配設されている。
【0027】
このような構成の画像形成装置1において、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、感光体7Y,7M,7C,7Kに対してY,M,C,K用の各色の画像信号に基づき各々の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kによる光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。
【0028】
これら静電潜像は、各々の対応する現像装置が備える色トナーで現像されてトナー像となり、搬送ベルト17上に静電的に吸着されて搬送される転写紙S上に順次転写されることにより重ね合わせられることで、転写紙S上にフルカラー画像を形成する。このフルカラー像は定着装置24で転写紙Sに定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26へと排紙される。
(光走査装置)
図2は、光走査装置9の概略構成を示すもので、光源装置100から被走査面に至る光学系を主走査対応方向から見た状態を示している。図2において、光走査装置9は、光源装置90と、光源装置90の光源100から照射される光束を調整する光学素子となるカップリングレンズ91と、アパーチュア92と、シリンダレンズ93を光源側に備えているとともに、図1に示す光走査光学系6Y,6M,6C,6Kを備えている。
【0029】
光源装置90の光源100から照射される発散性の光束は、カップリングレンズ91により以後の光学系にカップリングされる。カップリング後の光束は、平行光束となることもできるし、弱い発散性もしくは弱い集束性の光束となってもよい。カップリングされた光束は、アパーチュア92を通過することにより光束周辺部を遮光により除去され、所謂、ビーム整形される。
【0030】
ビーム整形された光束は、副走査対応方向(図2を示す紙面内で、光源装置90からの光束の主光線に直交する方向)にのみ正のパワーを持つシリンダレンズ93を透過し、同レンズ93の作用により副走査対応方向に集光しつつ、光源装置90側からの光束として、光偏向器であるポリゴンミラー94の偏向反射面に入射し、偏向反射面の近傍に主走査対応方向(図面に直交する方向)に長い線像として結像する。
【0031】
ポリゴンミラー94の偏向反射面により反射された光束は、fθレンズ95およびトロイダルレンズ96等の走査結像光学系6Y,6M,6C,6Kに入射し、これら走査結像光学系の作用により被走査面114上に光スポットとして集光する。反射光束は、ポリゴンミラー94の等速回転に伴い等角速度的に偏向し、光スポットは被走査面となる各感光体7Y〜7Kの表面を光走査する。
(光源装置)
図3から図9を用いて光走査装置9に用いられる光源装置90について説明する。光源装置90は、図4、図5に示すように、光源100と保持手段200を備えている。光源100は、図3に示すように、搭載平面方向に光ビームを照射する発光部材102が搭載される金属製の板材で構成されたフレーム部材101と、発光部材102が搭載された搭載面101aにおいて発光部材102が位置する発光領域部101E1と発光部材102が位置しない支持領域部101E2とにフレーム部材101を区分する樹脂製の区分部材103とを備えている。発光部材102は1つ以上の発光部を有する。フレーム部材101と区分部材103とは一体成型されて一体化されている。このようなフレーム部材10と発光部材102と区分部材103とを備えた光源100を、一般にはフレームパッケージ型LDアレイ(FP型LDA)と称する。
【0032】
本形態において、フレームパッケージ型LDアレイである光源100は、ネジなどの締結部材を用いることなく保持する保持手段200を備えている。保持部材200は、図3に示すフレーム部材101の両側に形成された支持領域部101E2、101E2を、搭載面101a側とその反対面101b側から挟み込むことで保持するものである。これにより、発光部品102の搭載面101aが保持の基準面となる。
【0033】
保持手段200は、図4,図5,図6に示すように、フレーム部材101を保持する光源保持部材201と、光源保持部材201とフレーム部材101を覆うように光源保持部材201と光源100に着脱可能に装着される押圧部材202とを備えている。
【0034】
光源保持部材201は金属製であって、図4,図5に示すように、その上面201aに溝203が光軸進行方向Aと直交する保持部材長手方向Bに延設されている。光源保持部材201の下面201bには、支持領域部101E2において搭載面101aに接触する当接部位204が形成されている。このため、光源部材102から光が照射されて発熱しても、その熱はフレーム部材101の支持領域部101E2から光源保持部材201の当接部位204を介して放熱される。このため、光源保持部材201はヒートシンクとして機能し、フレーム部材101が冷却されて光源部材102の温度上昇が抑えられる。光源保持部材201の光軸進行方向Aに位置する側面201cは、図7に示すように、光源領域部101E1と連通するように開口部205が形成されていて、光源部材102からの光の照射口を形成するとともに放熱口としても機能する。
【0035】
押圧部材202は、樹脂製で断面が略コの字形状を成し、その上部202aには溝部203に挿入可能な曲げ部206が形成されている。本形態において曲げ部206は押圧部材202の上部縁部に形成されているが上部縁部に形成しなくてもよい。
【0036】
上部202aと反対側に対する押圧部材202の下部202bには各支持領域部101E2においてフレーム部材101の反対面101bを当接部位203に向かって押圧するように弾性変形可能なアーム部207,207が形成されている。各アーム部207には、各支持領域部101E2に位置するフレーム部材の101の反対面101bに向かって突出する円弧状の突部207aがそれぞれ形成されている。
【0037】
押圧部材202は、コの字状の開口側から上部202aと下部202bが光源保持部材201の上部201aと下部201bを覆うように光源保持部材201に装着されると、曲げ部206が溝部203に挿入するとともに、アーム部207,207が各支持領域部101E2に位置するフレーム部材の101の反対面101bと対向して位置する。このとき各アーム部207の突起207aが各支持領域部101E2の反対面101bによって押し下げられため、アーム部207がそれぞれ弾性変形、すなわち撓むことで押圧部材202が光源保持部材201に弾性的に保持される。
【0038】
押圧部材202の下部202bには、図4〜図6に示すように、発光領域部101E1において、フレーム部材101の反対面101bに当接する放熱部208が形成されている。放熱部208は押圧部材202が光源保持部材201に装着されたときに、発光領域部101E内のフレーム部材101の反対面101bに圧接される。つまり、押圧部材202は、上部202aとアーム部207及び放熱部208によって光源保持部材201とフレーム部材101を上下方向から弾性的に挟み込むことで、光源保持部材201と光源100とを一体化する。
【0039】
このため、従来のようにネジなどの締結部材を用いなくてもよく、部品点数が少なく、組付け工程が容易となり、低コストでコンパクトな光源装置100と光走査装置9となる。また、ネジの締結力のばらつきも発生しないので、光学性能のばらつきも低減し、安定した光学性能(光ビーム品質)を得られる光源装置100と光走査装置9となる。
【0040】
上部202aと下部202bとつなぐ押圧部材202の側部202cには、図7に示すように、光源保持部材201の開口部205と連通するように、開口部209が形成されている。
【0041】
このように、光源保持部材201と押圧部材202とに、光源領域部101E1と連通する開口部205と開口部209を形成したので、光源部材102からの光の照射口を形成するとともに放熱口としても機能するので、光源部材102からの熱を外部に逃がすことができる。このため、組立性とコンパクト化を図りながらも放熱性に優れ、良好な光学性能、すなわち光ビームを照射する光源装置90及び光走査装置9となる。
【0042】
図8は、図2で説明した光学素子となるカップリングレンズ91を光源装置に一体化してものである。図8に示す光源装置90Aは、基本的には図4〜図7に示した光源装置90と同一構成を採るので、同一機能をする部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0043】
図8において、光源装置90Aは、光源保持部材201にカップリングレンズ91の取付部220を一体的に形成したものである。取付部220は、光源保持部材201の側面201dから光軸進行方向aに向かって平行に延びていて、フレーム部材101の搭載面101aに垂直かつ光軸進行方向Aに向かって平行に延びる取付面220aが形成されている。この取付面220aには、カップリングレンズ91の外周部91aの一部が接着剤などで固着されて配設されている。カップリングレンズ91は所望の光束径が得られるように光軸進行方向Aにその位置が調整されるとともに発光部材102から照射される光軸と一致するように光軸進行方向Aに垂直な平面内での位置調整を行われて、取付面220aに固着される。
【0044】
このように、放熱性に優れ、良好な光ビームを照射する光源装置90Aの取付面220aに対して、光束を調整するカップリングレンズ91を一体的に保持することで、放熱性に優れかつ安定で良好な光ビーム品質を得ることが可能な光源装置90Aと光走査装置9の提供が可能となるとともに、ユニット単位での交換が可能となる。
【0045】
画像形成装置1が上述の光源装置90,90Aを光走査装置9に適用することで、軽量かつコンパクト化、低コスト化に適した光走査装置の構成が得られ、組み付け誤差、加工誤差の影響によるビーム品質の低下を低減し、光偏向器の発熱による画像品角劣化を抑えた、良好で安定した画像品質を得られる画像形成装置1となる。
【0046】
低コスト化、小型化に適した斜め入射方式の光走査装置9において、組み付け誤差、加工誤差の影響による光ビームの副走査方向の角度変化が低減するので、走査線曲がりと波面収差の劣化を低減し、良好で安定した画像品質を得ることができる。
【0047】
さらに、光源100を、例えば、複数の発光点を有する半導体レーザアレイや、単数の発光点もしくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム光源装置とし、複数の光ビームを感光体表面に同時に走査するように構成することにより、高速化、高密度化を図った光走査装置および画像形成装置を構成することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置
9 光走査装置
90,90A 光源装置
91 光学素子
91a 外周部
100 光源
101 フレーム部材
101a 搭載面
101b 反対面
101E1 発光領域部
101E2 支持領域部
102 発光部材
103 区分部材
200 保持手段
201 光源保持部材
202 押圧部材
204 当接部位
207 アーム部
208 接触部
220a 取付面
A 光軸進行方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開平9−54263号公報
【特許文献2】特開2009−38051号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載平面方向に光ビームを照射する発光部材が搭載される金属製のフレーム部材と、前記発光部材が搭載された搭載面において前記発光部材が位置する発光領域部と前記発光部材が位置しない支持領域部とに前記フレーム部材を区分する樹脂製の区分部材とを備え、前記フレーム部材と前記区分部材とが一体化された光源と、
前記支持領域部を前記搭載面側とその反対面側から挟み込むことで保持する保持手段とを有し、
前記発光領域部において前記反対面に当接する接触部を前記保持手段が備えていることを特徴とする光源装置
【請求項2】
請求項1記載の光源装置において、
前記保持手段は、前記フレーム部材を保持するとともに、前記支持領域部において前記搭載面に接触する当接部位が形成された光源保持部材と、
前記光源保持部材を覆うように同光源保持部材に装着されていて、前記支持領域部において前記反対面を前記当接部位に向かって押圧するように弾性変形可能なアーム部を備えた押圧部材を有し、
前記接触部は前記押圧部材に形成れていることを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の光源装置において、
前記光源保持部材または前記押圧部材の少なくとも一方が金属製であることを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか1つに記載の光源装置において、
前記光源保持部材は、前記搭載面に垂直かつ光軸進行方向に向かって平行に延びる取付面を有し、
前記光源から照射される光束を調整する光学素子の外周部の一部が前記取付面に固着されて配設されていることを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の光源装置を備えたことを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の光源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−104858(P2011−104858A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261819(P2009−261819)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】