説明

光源装置、及びバンドル光ファイバ

【課題】光モニタ用に分離した光ファイバの破損を防止する。
【解決手段】光源装置本体3からバンドル光ファイバ2を通じて出力された光の一部を、前記バンドル光ファイバ2の光ファイバ束70から分離したモニタ用光ファイバ束72を介して光量センサユニット50に戻し、前記光量センサユニット50の検出値に基づいて、前記光源装置本体3の光量を制御する光源装置1において、前記バンドル光ファイバ2の入射取付具60が、前記入射取付具60側に位置した先端部の近傍に前記光量センサユニット50を有したモニタ用ファイバ収容箱62を一体に備え、前記バンドル光ファイバ2の光ファイバ束70から分離したモニタ用光ファイバ束72が、前記モニタ用ファイバ収容箱62内の先端側で前記光ファイバ束70から分離し、前記モニタ用ファイバ収容箱62の後端側で反転し、前記光量センサユニット50に接続される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、及び、この光源装置が出力する光を所望の箇所まで導光するためのバンドル光ファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フィードバック制御により出力光量を一定に維持する光源装置が知られている。この種の光源装置においては、複数本の光ファイバの素線を束ねたバンドル光ファイバを光源装置本体に装着し、このバンドル光ファイバを介して光源装置本体から出力された光を所望の箇所まで導光可能に構成されている。バンドル光ファイバにおいては、光ファイバの束から一部の光ファイバを分離して、これら分離した光ファイバにより光モニタ用の導光線が構成されており、この導光線を光源装置本体に設けた光量モニタ用の光量センサに接続可能に構成されている。そして、光源装置は、光量センサでの受光量に基づいて出力光量を検出し、光量のフィードバック制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭63−221302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の光源装置は、光源装置本体に導光線を接続するに際し、当該導光線の線路中に過度な力が加わる等して、導光線を構成する光ファイバに亀裂等の破損が生じる場合がある。この場合、導光線の破損によって伝搬光量が減少し、光量センサでの受光量が減少するため正確な光量検出ができない、という問題がある。特に、出力光量をフィードバック制御する上記光源装置においては、実際よりも小さな受光量に基づいて出力光量のフィードバック制御が行われてしまうため、出力光量が目標値よりも大きくなり過ぎることになる。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光モニタ用に分離した光ファイバの破損を防止可能な光源装置、及びバンドル光ファイバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、光源装置本体からバンドル光ファイバを通じて出力された光の一部を、前記バンドル光ファイバの光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバを介して光量センサに戻し、前記光量センサの検出値に基づいて、前記光源装置本体の光量を制御する光源装置において、前記バンドル光ファイバの入射取付具が、前記入射取付具側に位置した先端部の近傍に前記光量センサを有したモニタ用ファイバ収容箱を一体に備え、前記バンドル光ファイバの光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、前記モニタ用ファイバ収容箱内の先端側で前記光ファイバ束から分離し、前記モニタ用ファイバ収容箱の後端側で反転し、前記光量センサに接続されていることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記光源装置において、前記光量センサが前記バンドル光ファイバの光ファイバ束と略平行に延出し、前記光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、前記モニタ用ファイバ収容箱内で略U字状に湾曲延在して前記光量センサに接続されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記光源装置において、前記光量センサが前記バンドル光ファイバの光ファイバ束と略直交して延出し、前記光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、前記モニタ用ファイバ収容箱内で略S字状に湾曲延在して前記光量センサに接続されていることを特徴とする。
【0008】
また上記目的を達成するために、本発明は、複数の光ファイバの素線を束ねた光ファイバ束の一端に、光源装置本体の光出射口に着脱自在に接続可能な入射取付具を設け、当該光源装置本体から前記入射取付具内の光ファイバ束に出力された光を導光するバンドル光ファイバにおいて、前記光ファイバ束から分離されたモニタ用の光ファイバを接続する光量センサを有し、前記入射取付具が、前記入射取付具側に位置した先端部の近傍に前記光量センサを有したモニタ用ファイバ収容箱を一体に備え、前記モニタ用ファイバ収容箱内の先端側で前記光ファイバ束から前記モニタ用の光ファイバが分離され、前記モニタ用ファイバ収容箱の後端側で反転し、前記光量センサに接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バンドル光ファイバの入射取付具が、この入射取付具側に位置した先端部の近傍に光量センサを有したモニタ用ファイバ収容箱を一体に備え、バンドル光ファイバの光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、モニタ用ファイバ収容箱内の先端側で光ファイバ束から分離し、モニタ用ファイバ収容箱の後端側で反転し、光量センサに接続されている。
これにより、モニタ用の光ファイバがモニタ用ファイバ収容箱内に収められるため、分離されたモニタ用の光ファイバに過度な力が加えられる事がなく破損が防止される。
【0010】
これに加え、モニタ用の光ファイバは、モニタ用ファイバ収容箱内の先端側、すなわち、入射取付具側に位置した先端側で光ファイバ束から分離し、そのままモニタ用ファイバ収容箱の後端側に向けて延び、この後端側で反転して再び先端側の光量センサに向けて延びて当該光量センサに接続される構成としている。
この構成により、モニタ用の光ファイバの長さとして、モニタ用ファイバ収容箱の先端から後端にかけた往路分の長さ以上を確保可能であり、加工する時に把持する等のための十分な長さをモニタ用の光ファイバに持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る光源装置1の全体構成を示す模式図であり、図2は光源装置1の光源装置本体3の斜視図である。
光源装置1は、例えば検査対象物(被照射物)の表面を撮像して画像処理により製品検査を行う際に、光ファイバの素線が多数束ねられてなるバンドル光ファイバ2を介して検査対象物に照明光を照射するために用いられるものである。具体的には、光源装置1は、光源装置本体3と、この光源装置本体3に着脱自在に接続された上記バンドル光ファイバ2とを備えている。
【0012】
図1に示すように、光源装置本体3は、その装置筐体3A(図2参照)に、放電ランプ4と、放電ランプ4の放射光を集光する楕円反射鏡6と、放電ランプ4の発光を制御する安定器8と、紫外線・赤外線カットフィルタ10と、光量調整部12と、光出射口14とを収容して構成されている。なお、この他にも、光源装置本体3には、図2に示すように、装置筐体3Aの正面に設けられた電源ボタン16や各種状態表示用のランプ群18等を備えている。
【0013】
図1に示す放電ランプ4は、水銀ランプ及びメタルハライドランプなどのショートアーク型のランプであり、楕円反射鏡6の第一焦点F1に配置され、これら放電ランプ4及び楕円反射鏡6により光源装置1の光源が構成されている。この放電ランプ4の放射光は楕円反射鏡6の第二焦点F2で集束し、本実施形態では、この第二焦点F2が装置筐体3A内に配置され、この第二焦点F2に光出射口14の光入射端面30inが配置されている。
【0014】
光出射口14は、第二焦点F2で集束する光の光量分布パターンを均一にしつつ、光源装置本体3の外部に導くものであり、導光ロッド30及び導光ロッドホルダー32を有して構成されている。
導光ロッド30は、ガラス体で形成された断面が正六角形の柱状体であり、一端部が光入射端面30in、他端部が光出射端面30outとされている。この導光ロッド30は、その中心軸を楕円反射鏡6の光軸と同軸に配されると共に、上記第二焦点F2が光入射端面30inの中心、或いは、この導光ロッド30の中心軸上に位置するように配されて、楕円反射鏡6が集光する光が導光ロッド30の光入射端面30inから入射するように構成されている。
また、導光ロッド30の光出射端面30outは、装置筐体3Aの正面から外部に突出した状態で導光ロッドホルダー32に保持される。また、この導光ロッドホルダー32は、図2に示すように、バンドル光ファイバ2の接続口34を構成する。すなわち、この接続口34にバンドル光ファイバ2の先端部の入射取付具60を接続することで、当該バンドル光ファイバ2の先端部が導光ロッド30の光出射端面30outに対向配置され、光出射端面30outから出力する光がバンドル光ファイバ2の先端部に入射取付具60から入射される。
【0015】
上記導光ロッド30は、ロッドインテグレータで形成されているので、光源からの光束の光量分布パターンの変化に起因する照射光量変化があっても、この光量分布パターンが均一化されて光出射端面30outから出射され、バンドル光ファイバ2により検査対象物(被照射物)まで導かれ照明光として照射される。
したがって、導光ロッド30に入射される光がガウシアン分布のような光量分布を有していても、出射される光の光量分布を均一化することができ、均一の光量分布を有する照明光が要求される場合に、別途、光を均一化する光学系を設ける必要がない。
【0016】
次いで図1に示す紫外線・赤外線カットフィルタ10は、楕円反射鏡6から第二焦点F2に至る光路上に配置され、放電ランプ4が放射する光から紫外線成分及び赤外線成分をカットする。
光量調整部12は、光源装置本体3の出力光量をフィードバック制御するものであり、調光板20と、この調光板20を回転駆動するステップモータ22と、このステップモータ22の回転駆動量を制御するコントローラ24とを備えている。
調光板20は、楕円反射鏡6から第二焦点F2に至る光路上に配置され、その板面には、光の照射位置によって光透過量を可変する形状の開口が形成されている。さらに、この開口は、光透過量が調光板20の回転量に比例するように形成されている。
コントローラ24は、出力光量が一定に維持されるように調光板20を回転させて出力光量を可変するフィードバック制御を実行するものである。
【0017】
より具体的には、図1に示すように、バンドル光ファイバ2には、バンドル光ファイバ2への入射光量を検出する光量センサユニット50が設けられている。この光量センサユニット50からは電気信号ケーブル40が引き出され、装置筐体3Aの正面に設けられた信号入力端子42に接続されている。そして、上記コントローラ24は、光量センサユニット50から電気信号ケーブル40を介して入力された光量の検出値を出力光量に換算し、出力光量が所定の指示値に維持されるように出力光量を制御する。なお、出力光量の指示値は、図示せぬ操作子の操作によってコントローラ24に入力される。
【0018】
このように、光量センサユニット50をバンドル光ファイバ2に設け、この光量センサユニット50の検出信号を、光ファイバよりも力に対する耐久性が高い電気信号ケーブル40を用いて光源装置本体3に入力する構成としているため、バンドル光ファイバ2の引き回しに伴って、このバンドル光ファイバ2に設けた出力光量検出のためのケーブルが破損や断線することが無い。
【0019】
次いで、光量センサユニット50を備えたバンドル光ファイバ2の構成について、より詳細に説明する。
図3はバンドル光ファイバ2の構成を示す図であり、図3(A)は入射取付具60からみた図、図3(B)は平面図、図3(C)は断面図である。
バンドル光ファイバ2は、多数(例えば約12万本)の光ファイバの素線を束ねたものであり、先端部には円筒状の上記入射取付具60が設けられており、図3(A)に示すように、入射取付具60の内部には光ファイバ束70の端部が嵌め込まれている。すなわち、入射取付具60が光源装置本体3の接続口34に装着されると、入射取付具60に嵌め込まれた光ファイバ束70の端部が導光ロッド30の光出射端面30outに対向して配置され、この光出射端面30outから出力する光が光ファイバ束70に入射される。
【0020】
本実施形態では、入射取付具60の近傍に上記光量センサユニット50を有したモニタ用ファイバ収容箱62をこの入射取付具60に一体的に設けた構成としている。
より具体的には、図3に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62は、光ファイバ束70の貫通方向に長い略直方体形状に形成されており、その正面62Aには上記入射取付具60が一体的に設けられ、正面62Aに対向する背面62Bから光ファイバ束70が保護材74に被覆されて引き出されている。
入射取付具60は、モニタ用ファイバ収容箱62の正面62Aにおいて、中心よりも下端側(底面64側)に寄せて配置されており、図3(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の中では、光ファイバ束70がモニタ用ファイバ収容箱62の底面64に沿って延在することになる。また、モニタ用ファイバ収容箱62の上面62Cには上記光量センサユニット50が配置されている。
【0021】
モニタ用ファイバ収容箱62の内部では、入射取付具60が設けられた先端側(正面62A)で、出力光量を検出するための数本(例えば60本)のモニタ用光ファイバ束72が光ファイバ束70から分離され、光量センサユニット50のファイバ接続部55に接続されている。このモニタ用光ファイバ束72は、光ファイバ束70の断面内における光量分布の偏りの影響を防止するために、当該断面内において拡散した位置の光ファイバを適宜に分離して構成されている。
このようにして光量センサユニット50によってバンドル光ファイバ2に入力された光が受光される。このとき光量センサユニット50では、バンドル光ファイバ2の光ファイバ束70に対するモニタ用光ファイバ束72の比率を、光源装置本体3の出力光量に乗じた分の光量が検出される。
【0022】
図3(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の内部では、その先端側で分離されたモニタ用光ファイバ束72が略S字状に湾曲延在している。具体的には、モニタ用光ファイバ束72は、光ファイバ束70からの分離点から、モニタ用ファイバ収容箱62の後端側(背面62B)に向けて延びた後、この後端側でU字を描いて湾曲して、先端側に配置された光量センサユニット50の下側に向けて延び、そこから、ほぼ真上に立ちあがって光量センサユニット50に接続されている。
この光量センサユニット50のファイバ接続部55は、光ファイバ束70と略直交してモニタ用ファイバ収容箱62の中に延出している。これにより、モニタ用光ファイバ束72の延在方向と、光量センサユニット50のファイバ接続部55の延出方向とが一致し、接続箇所に余分なストレスを与えることなく、モニタ用光ファイバ束72を光量センサユニット50に接続することができる。
【0023】
このとき、図3(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の内部でモニタ用光ファイバ束72がS字状に湾曲延在する際に、モニタ用ファイバ収容箱62の底面64、背内面67及び天面66の3面の各々に、点P1、P2、P3及びP4で当接する状態で収容されている。これにより、接着剤等でモニタ用光ファイバ束72を固定せずとも、モニタ用ファイバ収容箱62内でのモニタ用光ファイバ束72のぐらつきや変位が防止され、ぐらつきや変位によってモニタ用光ファイバ束72に余分な力が加わることが無い。
【0024】
次いで、上記光量センサユニット50について説明する。
上記光量センサユニット50は、モニタ用ファイバ収容箱62に取り付けられたセンサ取付ベース80と、このセンサ取付ベース80に着脱自在に設けられた光量センサユニット本体81とを備え、光量センサユニット本体81に故障や劣化等が生じた場合には、バンドル光ファイバ2から光量センサユニット本体81のみを交換可能としている。
図4は光量センサユニット本体81の構成を示す断面図である。
光量センサユニット本体81は、光量センサ51と、この光量センサ51が設けられた基板52とを有し、さらに、上記モニタ用光ファイバ束72の端部が接続される接続口53を光量センサ51の受光面51Aの対向位置に配置し、この接続口53と光量センサ51の受光面51Aとの間を繋ぐ管体54を有する接続部83を備えている。
そして、この接続部83の管体54を、上記モニタ用ファイバ収容箱62側のセンサ取付ベース80の取付コネクタ82に挿入することで、光量センサユニット本体81がセンサ取付ベース80に装着される。これにより、光量センサユニット本体81の接続部83の接続口53が、センサ取付ベース80のファイバ接続部55に接続されているモニタ用光ファイバ束72の端部に対向して配置される。
【0025】
接続部83の管体54の内部には、接続口53から光量センサ51の受光面51Aに至る経路中に拡散板56とスリット板57とが管内を閉塞するように配置されている。
拡散板56は、入射光を拡散して出力するものであり、モニタ用光ファイバ束72の各光ファイバから個々に出力された光を混合する。これにより、バンドル光ファイバ2の断面内で光量分布に偏りが生じていたとしても、それらを混合した光が検出されることとなり、光量分布の偏りによる測定誤差を打ち消すことができる。
スリット板57は、光量センサ51の受光面51Aの対向位置にスリット開口57Aを有し、当該光量センサ51に入射する光量を減じるものである。これにより、光源装置本体3の出力光量が大きくなった場合でも、光量センサ51の検出値が検出限界に達し飽和することが防止される。
スリット板57と光量センサ51との間にはスペーサ58が設けられ、スリット開口57Aによって絞られた光が光量センサ51の受光面51Aの略全面に拡がるように、スペーサ58によってスリット板57と光量センサ51との間が離間されている。
【0026】
この光量センサユニット本体81は、貫通孔を有したケース体59を有し、この貫通孔に接続部83の管体54を嵌込み接続口53を突出させた状態で固定し、このケース体59を、管体54の先端部が基板52上の光量センサ51に位置するように、当該基板52にねじ止めしてユニット化され、このユニットが上記モニタ用ファイバ収容箱62のセンサ取付ベース80に装着されている。
【0027】
以上説明したように、本実施形態によれば、バンドル光ファイバ2がモニタ用ファイバ収容箱62を備え、このモニタ用ファイバ収容箱62にモニタ用光ファイバ束72が収められるため、このモニタ用光ファイバ束72に過度な力が加えられる事がなく破損が防止される。
これに加え、モニタ用光ファイバ束72は、モニタ用ファイバ収容箱62内の先端側(入射取付具60側)で分離して後端側に向けて延在した後、この後端側で反転して再び先端側の光量センサユニット50に向けて延在して接続される構成であるため、モニタ用光ファイバ束72の長さとして、モニタ用ファイバ収容箱62の先端側から後端側にかけた往路分の長さ以上が確保されることになる。これにより、モニタ用光ファイバ束72の端部(光量センサユニット50に接続する端部)を加工する時に要する作業用な長さを十分に確保しつつ、このような長さのモニタ用光ファイバ束72を約半分以下の長さのモニタ用ファイバ収容箱62にコンパクトに収められる。
【0028】
さらに、光ファイバ束70を予めモニタ用ファイバ収容箱62の底面64側に配置しているため、この光ファイバ束70から分離させたモニタ用光ファイバ束72を底面64側から天面66側に向けて湾曲させる際の曲率を大きくとることが可能となり、この湾曲箇所に加わるストレスを低減させることができる。
【0029】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0030】
(1)上述した実施形態では、モニタ用ファイバ収容箱62の上面62Cに、光量センサユニット50を配置した構成とした。これに限らず、図5(A)〜図5(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の側面62Dの入射取付具60近傍に、光量センサユニット50を配置して、バンドル光ファイバ2を構成しても良い。
【0031】
(2)上述した実施形態では、モニタ用ファイバ収容箱62内に、モニタ用光ファイバ束72を略S字状に湾曲延在させた。これに限らず、図6(A)〜図6(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の正面62Aに、光量センサユニット50を配置し、ファイバ接続部55を光ファイバ束70と略平行に延出させた構成においては、モニタ用ファイバ収容箱62内に、モニタ用光ファイバ束72を略U字状に湾曲延在させた構成としても良い。
【0032】
さらに詳述すると、図6(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の内部では、その先端側で分離されたモニタ用光ファイバ束72は、モニタ用ファイバ収容箱62の後端側(背面62B)に向けて延びた後、この後端側で略U字状に湾曲して、天面66に沿って再び先端側(正面62A)に延びて、天面66側に配置された光量センサユニット50に接続されている。このとき、ファイバ接続部55が光ファイバ束70と略平行に延出されているため、モニタ用光ファイバ束72を、モニタ用ファイバ収容箱62の後端側で略U字状に湾曲延在させることで、モニタ用光ファイバ束72の延在方向とファイバ接続部55の延出方向とが一致し、接続箇所に余分なストレスを与えることなく、モニタ用光ファイバ束72を光量センサユニット50に接続することができる。
【0033】
また、図6(C)に示すように、モニタ用ファイバ収容箱62の内部には、光ファイバ束70から分離したモニタ用光ファイバ束72を、モニタ用ファイバ収容箱62の底面64、背内面67及び天面66の3面の各々と点P1、P2、P3で当接させた状態で収容している。これにより、接着剤等でモニタ用光ファイバ束72を固定せずとも、モニタ用ファイバ収容箱62内でのモニタ用光ファイバ束72のぐらつきや変位が防止され、ぐらつきや変位によってモニタ用光ファイバ束72に余分な力が加わることが無い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る光源装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】光源装置本体の斜視図である。
【図3】バンドル光ファイバの構成を示す図であり、(A)は入射取付具からみた図、(B)は平面図、(C)は断面図である。
【図4】光量センサユニットの構成を示す断面図である。
【図5】バンドル光ファイバの変形例を示す図であり、(A)は入射取付具からみた図、(B)は平面図、(C)は断面図である。
【図6】バンドル光ファイバの他の変形例を示す図であり、(A)は入射取付具からみた図、(B)は平面図、(C)は断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 光源装置
2 バンドル光ファイバ
3 光源装置本体
4 放電ランプ
6 楕円反射鏡
12 光量調整部
14 光出射口
30 導光ロッド
30in 光入射端面
30out 光出射端面
34 接続口
40 電気信号ケーブル
50 光量センサユニット
51 光量センサ
53 接続口
55 ファイバ接続部
56 拡散板
57 スリット板
60 入射取付具
62 モニタ用ファイバ収容箱
70 光ファイバ束
72 モニタ用光ファイバ束
80 センサ取付ベース
81 光量センサユニット本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置本体からバンドル光ファイバを通じて出力された光の一部を、前記バンドル光ファイバの光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバを介して光量センサに戻し、前記光量センサの検出値に基づいて、前記光源装置本体の光量を制御する光源装置において、
前記バンドル光ファイバの入射取付具が、前記入射取付具側に位置した先端部の近傍に前記光量センサを有したモニタ用ファイバ収容箱を一体に備え、
前記バンドル光ファイバの光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、前記モニタ用ファイバ収容箱内の先端側で前記光ファイバ束から分離し、前記モニタ用ファイバ収容箱の後端側で反転し、前記光量センサに接続されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光量センサが前記バンドル光ファイバの光ファイバ束と略平行に延出し、前記光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、前記モニタ用ファイバ収容箱内で略U字状に湾曲延在して前記光量センサに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光量センサが前記バンドル光ファイバの光ファイバ束と略直交して延出し、前記光ファイバ束から分離したモニタ用の光ファイバが、前記モニタ用ファイバ収容箱内で略S字状に湾曲延在して前記光量センサに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
複数の光ファイバの素線を束ねた光ファイバ束の一端に、光源装置本体の光出射口に着脱自在に接続可能な入射取付具を設け、当該光源装置本体から前記入射取付具内の光ファイバ束に出力された光を導光するバンドル光ファイバにおいて、
前記光ファイバ束から分離されたモニタ用の光ファイバを接続する光量センサを有し、
前記入射取付具が、前記入射取付具側に位置した先端部の近傍に前記光量センサを有したモニタ用ファイバ収容箱を一体に備え、
前記モニタ用ファイバ収容箱内の先端側で前記光ファイバ束から前記モニタ用の光ファイバが分離され、前記モニタ用ファイバ収容箱の後端側で反転し、前記光量センサに接続されていることを特徴とするバンドル光ファイバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−206049(P2009−206049A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49909(P2008−49909)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】