説明

光源装置及びプロジェクタ装置

【課題】緑色波長帯の光の発光効率の向上と青色波長帯の光による色再現性の向上とを両立させることが可能な光源装置及びそれを備えたプロジェクタ装置を提供すること。
【解決手段】光源部15は、赤色波長帯の光を出射する赤色光源40と、赤色光源40からの光をライトトンネル38に導く第1の導光光学系41、42、36、37と、第1の青色波長帯の光を出射する第1の青色光源31と、第1の青色波長帯の光を受けて緑色波長帯の光を出射する蛍光体34と、第1の青色光源31からの光を蛍光体34に導く第2の導光光学系32、25と、蛍光体34からの光をライトトンネル38に導く第3の導光光学系33、32、35、36、37と、第1の青色波長帯よりも長波長の第2の青色波長帯の光を出射する第2の青色光源39と、第2の青色光源39からの光をライトトンネル38に導く第4の導光光学系41、42、36、37と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子を用いた光源装置及びそれを備えたプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源に半導体発光素子を使用して画像の投影を行うプロジェクタ装置に関する各種の提案がなされている。例えば、特許文献1では、光源として紫外光を照射する半導体発光素子を用いている。そして、特許文献1では、紫外光を受けてR、G、Bの色の光をそれぞれ出射する蛍光体に、光源からの光を照射することにより、任意の色の光を投影面上に投影可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−341105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、半導体発光素子として可視光を照射するものを用いて画像の投影を行うプロジェクタ装置も提案されている。例えば、青色波長帯の光を受けて緑色光を出射する蛍光体を設け、この蛍光体に青色光を照射するようにしたプロジェクタ装置が提案されている。このようなプロジェクタ装置では、蛍光体を励起させるのに適した青色波長帯を有する光を蛍光体に照射するようにすれば、緑色光の発光効率を向上させることが可能である。しかしながら、通常、蛍光体を励起させるのに適した青色波長帯は、sRGB(Standard RGB)等の色度規格に対応したものではない。逆に、青色光源の発光波長をsRGB等の色度規格に対応させると、蛍光体の発光効率が低下してしまう。
【0005】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、緑色波長帯の光の発光効率の向上と青色波長帯の光による色再現性の向上とを両立させることが可能な光源装置及びそれを備えたプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の光源装置は、赤色波長帯の光を出射する赤色光源と、第1の青色波長帯の光を出射する第1の青色光源と、前記第1の青色波長帯の光を受けて緑色波長帯の光を出射する蛍光体と、前記第1の青色波長帯よりも長波長の第2の青色波長帯の光を出射する第2の青色光源と、前記赤色光源、前記第2の青色光源、前記蛍光体から出射された各々の光を同一光路上に導く光学系と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様のプロジェクタ装置は、第1の態様の光源装置から出射された光を、所定の投影面に投影することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、緑色波長帯の光の発光効率の向上と青色波長帯の光による色再現性の向上とを両立させることが可能な光源装置及びそれを備えたプロジェクタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の各実施形態に係るデータプロジェクタ装置の概略機能構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る光源部の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る光源部の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光源部の構成の一例を示す図である。
【図5】光路切替部及び光路切替制御部の第1の構成の例を示す図である。
【図6】光路切替部及び光路切替制御部の第2の構成の例を示す図である。
【図7】光路切替部及び光路切替制御部の第3の構成の例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る光源部の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明においては、本実施形態に係る光源装置を、DLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した例について説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の各実施形態に係るデータプロジェクタ装置10の概略機能構成を示す図である。以下の説明で「ミラー」により光を「反射」する、として説明した場合、原則的に当該ミラーは入射された光を全反射するものとする。
【0012】
入力部11は、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子や音声入力端子、HDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)入力端子等により構成されており、データプロジェクタ装置10の外部の信号供給源からNTSC方式等の各種規格の画像データや音声データが入力され、システムバスSBを介して、画像データを画像変換部12に送るとともに音声データを音声処理部22に送る。また、入力部11は、入力された画像データや音声データがアナログ信号である場合には、画像データや音声データをデジタル化してから画像変換部12に送る。
【0013】
画像変換部12は、スケーラとも称されるものである。この画像変換部12は、入力部11から入力された画像データを、投影に適した所定のフォーマットの画像データに変換して投影処理部13へ送る。この際、画像変換部12は、必要に応じて、OSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータを画像データに重畳する。
【0014】
投影処理部13は、画像変換部12から送られてきた画像データに応じて、空間的光変調素子であるマイクロミラー素子14を駆動する。マイクロミラー素子14の駆動周期は、画像データのフレームレートと、色成分の分割数と、画像データの表示階調数とを乗算した値に応じて設定される。例えば、フレームレートを60fps、色成分の分割数を3(RGBの3色)、画像データの表示階調数を256とした場合、マイクロミラー素子14の駆動周期は、1/(60×3×256)=1/46080秒となる。また、投影処理部13は、画像変換部12から送られてきた画像データに応じて、光源部15を駆動する。
【0015】
マイクロミラー素子14は、アレイ状に配列された複数の可動な微小ミラーによって構成されている。微小ミラーは、例えばWXGA(Wide eXtended Graphic Array)(横1280画素×縦800画素)に対応して配列されている。各々の微小ミラーは、その傾斜角度を高速で変化させることが可能に構成されている。そして、各々の微小ミラーは、その傾斜角に応じて光源部15から入射された光の出射光路を変化させる。即ち、各々の微小ミラーは、オン状態のときに、入射された光を投影レンズ部17に向けて反射して光像を形成させ、オフ状態のときに、入射された光を投影レンズ部17の外に向けて反射する。
【0016】
本実施形態における光源装置としての光源部15は、R、G、Bの原色光を含む複数色の光を、時分割でミラー16に向けて出射する。光源部15の詳細な構成については、後述する。ミラー16は、光源部15から入射された光を、マイクロミラー素子14に向けて全反射させる。
【0017】
投影レンズ部17は、マイクロミラー素子14からの反射光によって形成された光像を図示しない投影面上に投影するように構成された光学系をその内部に有している。
【0018】
CPU18は、上述した各回路の動作を制御する。CPU18は、メインメモリ19及びプログラムメモリ20と接続されている。メインメモリ19は、例えばSRAMで構成されており、CPU18による制御の際のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ20は、電気的に書換可能な不揮発性メモリで構成されており、CPU18が実行する動作プログラムや各種の定型データ等を記憶している。
【0019】
また、CPU18は、操作部21にも接続されている。操作部21は、データプロジェクタ装置10の本体に設けられたキー操作部と、データプロジェクタ装置10の専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光する赤外線受光部とを含み、ユーザによってキー操作部又はリモートコントローラが操作された場合に、それらの操作に応じた操作信号をCPU18へ出力する。CPU18は、この操作信号に応じてデータプロジェクタ装置10の各種の動作を制御する。
【0020】
さらに、CPU18は、システムバスSBを介して音声処理部22にも接続されている。音声処理部22は、PCM音源等の音源回路を備えている。この音声処理部22は、入力部11を介して入力された音声データをアナログ化し、この音声データをスピーカ部23に入力してスピーカ部23を駆動することにより、スピーカ部23から発音させる。また、音声処理部22は、必要により、スピーカ部23からビープ音等を発生させる。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る光源部15の構成の一例を示す図である。本実施形態における光源部15は、3つの半導体発光素子を用いてRGBの何れかの光を光出射部から出射するように構成されている。
【0022】
第1の青色光源31は、第1の青色波長帯の光B1を発する半導体発光素子であって、例えばレーザダイオードによって構成されている。第1の青色波長帯は、後述する蛍光体34を励起させるのに適した波長帯に対応しており、具体的には440nm〜445nmの波長帯である。より好ましくは、第1の青色光源31は、445nmの波長を有する青色光を出射するように構成されている。ここで、図2では、第1の青色光源31を1つのみ図示しているが、実際には、複数個がマトリクス状(面状)に配列されている。
【0023】
ダイクロイックミラー32は、第1の青色光源31の光軸上に配置され、緑色波長帯の光を反射させ、それ以外の波長帯の光を透過させるように構成されたミラーである。このダイクロイックミラー32は、後述するレンズ33の光軸に対して45°の角度をなすように配置されている。
【0024】
レンズ33は、ダイクロイックミラー32を透過した青色光B1及び後述の蛍光体34から出射された緑色光Gを集光する。ここで、図2では、レンズ33を1枚のみ図示している。しかしながら、レンズ33と同様の機能を、複数枚のレンズによって実現するようにしても良い。
【0025】
蛍光体34は、所定の励起波長、例えば445nmの波長の光によって励起されて緑色波長帯の光を出射する蛍光体がその表面に塗布されて構成されている。この蛍光体34は、レンズ33を透過した青色光B1を受けて緑色光Gをレンズ33に向けて出射する。
【0026】
レンズ35は、ダイクロイックミラー32の反射光軸上に配置され、蛍光体34から出射され、ダイクロイックミラー32を透過した緑色光Gを集光する。レンズ33と同様、レンズ35を複数枚のレンズによって構成しても良い。
【0027】
ダイクロイックミラー36は、ダイクロイックミラー32と同様、緑色波長帯の光を反射させ、それ以外の波長帯の光を透過させるように構成されたミラーである。このダイクロイックミラー36は、レンズ35の光軸に対して45°の角度をなすように配置されている。
【0028】
レンズ37は、ダイクロイックミラー36の反射光軸上に配置され、入射光を集光する。レンズ33、35と同様、レンズ37を複数枚のレンズによって構成しても良い。
【0029】
ライトトンネル38は、レンズ37からの入射光を、内部で全反射させながら進行させて面均一光として出射する。このライトトンネル38が、光源部15の光出射部として機能する。
【0030】
第2の青色光源39は、第1の青色波長帯よりも長波長側にシフトした波長帯である第2の青色波長帯の光B2を発する半導体発光素子であって、例えばレーザダイオードによって構成されている。第2の青色波長帯は、sRGB(Standard RGB)等の色空間で規定される「標準の青色」の色度に対応した波長帯であり、具体的には例えば460nm〜480nmの波長帯である。ここで、図2では、第2の青色光源39を1つのみ図示しているが、実際には、複数個がマトリクス状(面状)に配列されている。
【0031】
赤色光源40は、赤色波長帯の光Rを発する半導体発光素子であって、例えば発光ダイオード又はレーザダイオードによって構成されている。図2の例では、赤色光源40は、その出射光の光軸が、第2の青色光源39の出射光の光軸に対して平行になるように配置されている。また、図2では、赤色光源40を1つのみ図示しているが、実際には、複数個がマトリクス状(面状)に配列されている。
【0032】
拡散板41は、第2の青色光源39からの青色光B2を拡散させつつ透過させる。拡散板41は不図示のモータ等により、青色光B2、赤色光Rが拡散板を拡散透過するときには、回転駆動や振動駆動している。
【0033】
レンズ42は、拡散板41からの拡散光を集光するよう配置される。レンズ33、35、37と同様、レンズ42を複数枚のレンズによって構成しても良い。
【0034】
図2で示した光源部15において、拡散板41と、レンズ42と、ダイクロイックミラー36と、レンズ37とが、第1の導光光学系及び第4の導光光学系として機能する。また、ダイクロイックミラー32とレンズ33とが、第2の導光光学系として機能する。また、レンズ33と、ダイクロイックミラー32と、レンズ35と、ダイクロイックミラー36と、レンズ37とが、第3の導光光学系として機能する。ここで、図2で示した導光光学系の構成は、一例であって適宜変更可能である。即ち、赤色光源40から出射された赤色光Rをライトトンネル38に導くことが可能に構成された光学系であれば、第1の導光光学系として機能する。同様に、第1の青色光源31から出射された青色光B1を蛍光体34に導くことが可能に構成された光学系であれば、第2の導光光学系として機能する。また、蛍光体34から出射された緑色光Gをライトトンネル38に導くことが可能に構成された光学系であれば、第3の導光光学系として機能する。また、第2の青色光源39から出射されたライトトンネル38に導くことが可能に構成された光学系であれば、第4の導光光学系として機能する。
【0035】
図2で示した光源部15の動作について説明する。光源部15の動作は、CPU18の制御の下に投影処理部13が実行するものである。投影処理部13は、画像データによって表される画像が投影面に投影されるよう、光源部15における第1の青色光源31、第2の青色光源39、赤色光源40の発光タイミングを制御する。
【0036】
1フレーム(1画面)分の投影画像は、複数のフィールドの投影画像によって構成されている。各フィールドでは、異なる色の投影画像を投影面に投影する。1フレームは、少なくともRフィールド、Gフィールド、Bフィールドの3フィールドを有している。Rフィールドは、赤色の投影画像を投影面に投影するフィールドである。Gフィールドは、緑色の投影画像を投影面に投影するフィールドである。Bフィールドは、青色の投影画像を投影面に投影するフィールドである。
【0037】
図3は、光源部15の動作を示すタイミングチャートである。Rフィールドにおいて、投影処理部13は、赤色光源40を発光させる。赤色光源40から出射された赤色光Rは、拡散板41で拡散され、レンズ42で集光されてダイクロイックミラー36に至る。上述したように、ダイクロイックミラー36は、緑色波長帯の光以外の光を透過させるように構成されているので、赤色光Rは、ダイクロイックミラー36を透過し、レンズ37で集光されてライトトンネル38に入射する。そして、この赤色光Rは、ライトトンネル38の内面で反射され、面均一光としてライトトンネル38から出射され、マイクロミラー素子14に至る。
【0038】
また、投影処理部13は、入力された画像データの赤色成分の階調に応じて、マイクロミラー素子14を構成する各微小ミラーのオンオフを制御する。上述したように、マイクロミラー素子14を構成する各々の微小ミラーは、オン状態のときに、入射された光を投影レンズ部17に向けて反射し、オフ状態のときに、入射された光を投影レンズ部17の外に向けて反射する。このような構成により、Rフィールド中に微小ミラーをオン状態とした回数だけ、その微小ミラーに対応した投影面上の画素位置に赤色光Rが投影される。これは、時間平均で見ると、画像データに応じた階調の赤色の投影画像が投影されたことと等価である。
【0039】
Gフィールドにおいて、投影処理部13は、第1の青色光源31を発光させる。第1の青色光源31から出射された青色光B1は、ダイクロイックミラー32に至る。上述したように、ダイクロイックミラー32は、緑色波長帯の光以外の光を透過させるように構成されているので、青色光B1は、ダイクロイックミラー32を透過し、レンズ33で集光されて蛍光体34に入射する。そして、青色光B1を受けて蛍光体34からは、緑色光Gが出射される。ここで、青色光B1は、蛍光体34を励起させるのに適した波長帯の光である。このため、本実施形態では、緑色光Gの発光効率を高くすることが可能である。
【0040】
蛍光体34から出射された緑色光Gは、レンズ33で集光され、ダイクロイックミラー32で反射され、さらにレンズ35で集光されてダイクロイックミラー36に至る。そして、この緑色光Gは、ダイクロイックミラー36で反射され、レンズ37で集光されてライトトンネル38に入射する。
【0041】
また、投影処理部13は、入力された画像データの緑色成分の階調に応じて、マイクロミラー素子14の各微小ミラーのオンオフを制御する。これにより、時間平均としては、所定の階調の緑色の画像が投影される。
【0042】
Bフィールドにおいて、投影処理部13は、第2の青色光源39を発光させる。第2の青色光源39から出射された青色光B2は、拡散板41で拡散され、レンズ42で集光されてダイクロイックミラー36に至る。上述したように、ダイクロイックミラー36は、緑色波長帯の光以外の光を透過させるように構成されているので、青色光B2は、ダイクロイックミラー36を透過し、レンズ37で集光されてライトトンネル38に入射する。そして、この青色光B2は、ライトトンネル38の内面で反射され、面均一光としてライトトンネル38から出射され、マイクロミラー素子14に至る。
【0043】
また、投影処理部13は、入力された画像データの青色成分の階調に応じて、マイクロミラー素子14の各微小ミラーのオンオフを制御する。これにより、時間平均としては、所定の階調の青色の画像が投影される。ここで、青色光B2は、青色表示に適した波長帯の光である。このため、本実施形態では、色再現性の良い青色表示を行うことが可能である。
【0044】
以上で示した1フレームの動作によって、時間平均としては、投影面上の任意の画素位置に任意の色の投影画像を表示することが可能である。ここで、図2は、1フレーム目においては、Rフィールド、Gフィールド、Bフィールドでそれぞれ光源を発光させている。したがって、時間平均としては、白色の投影画像が投影されたのと等価となる。また、2フレーム目においては、Rフィールド、Gフィールドでそれぞれ光源を発光させている。したがって、時間平均としては、黄色の投影画像が投影されたのと等価となる。
【0045】
なお、1つのフィールド内で複数の光源を同時に発光させるようなフィールドを追加しても良い。例えば、赤色光源40、第1の青色光源31、第2の青色光源39を同時発光させたW(白)フィールドを1フレーム内に追加すれば、投影画像の輝度をコントロールすることも可能である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、蛍光体34の励起用の青色光源と青色の投影画像用の青色光源とをそれぞれ専用に持たせることにより、緑色波長帯の光の発光効率の向上と青色波長帯の光による色再現性の向上とを両立させることが可能である。
【0047】
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第2の青色光源を蛍光体の励起用にも用いるものである。ここで、データプロジェクタ装置10の概略機能構成は図1で示したものが適用可能であるので説明を省略する。
【0048】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る光源部15の構成の一例を示す図である。ここで、図2と同一の又は対応する構成については図2と同一の参照符号を付している。
【0049】
第1の青色光源31は、図1で説明したものと同一のものであり、好ましくは、445nmの波長を有する青色光B1を出射するように構成されている。また、第2の青色光源39は、sRGB(Standard RGB)等の色空間で規定される「標準の青色」の色度に対応した波長帯であり、具体的には例えば460nm〜480nmの波長帯の青色光B2を出射するように構成されている。ここで、第2の実施形態では、図4に示すように、第1の青色光源31と第2の青色光源39とが90°の角度を持って配置され、各光源から出射される光が所定の位置において交差するようになっている。
【0050】
光路切替部43は、第1の青色光源31の出射光路と第2の青色光源39の出射光路との交点上に配置されている。この光路切替部43は、第1の青色光源31からの青色光B1をダイクロイックミラー32へ導くとともに、第2の青色光源39からの青色光B2をダイクロイックミラー32又はダイクロイックミラー45へ導く。詳細は後述するが、光路切替部43は、Gフィールドにおいては、第1の動作として青色光B2をダイクロイックミラー32へ導き、Bフィールドにおいては、第2の動作として青色光B2をダイクロイックミラー45へ導く。
光路切替制御部44は、光路切替部43による光路の切り替えを時分割制御する。この光路切替制御部44の制御は、CPU18の制御の下に投影処理部13が実行するものである。
【0051】
ダイクロイックミラー32は、図1で説明したものと同一のものであり、緑色波長帯の光を反射させ、それ以外の波長帯の光を透過させるように構成されたミラーである。このダイクロイックミラー32は、レンズ33の光軸に対して45°の角度をなすように配置されている。
【0052】
レンズ33は、図1で説明したものと同一のものであり、第1の青色光源31の光軸上に配置され、ダイクロイックミラー32を透過した青色光B1と青色光B2の混合光及び蛍光体34から出射された緑色光Gを集光する。
【0053】
蛍光体34は、所定の励起波長、例えば445nmの波長の光によって励起されて緑色波長帯の光を出射する蛍光体がその表面に塗布されて構成されている。この蛍光体34は、レンズ33を透過した青色光B1を受けて緑色光Gをレンズ33に向けて出射する。
【0054】
レンズ35は、図1で説明したものと同一のものであり、ダイクロイックミラー32の反射光軸上に配置され、蛍光体34から出射され、ダイクロイックミラー32を透過した緑色光Gを集光する。
【0055】
ダイクロイックミラー36は、図1で説明したものと同一のものであり、ダイクロイックミラー32と同様、緑色波長帯の光を反射させ、それ以外の波長帯の光を透過させるように構成されたミラーである。このダイクロイックミラー36は、レンズ35の光軸に対して45°の角度をなすように配置されている。
【0056】
レンズ37は、図1で説明したものと同一のものであり、ダイクロイックミラー36の反射光軸上に配置され、入射光を集光する。
【0057】
ライトトンネル38は、図1で説明したものと同一のものであり、レンズ37からの入射光を、内部で全反射させながら進行させて面均一光として出射する。
【0058】
赤色光源40は、図1で説明したものと同一のものであり、赤色波長帯の光Rを発する半導体発光素子であって、例えば発光ダイオード又はレーザダイオードによって構成されている。
【0059】
ダイクロイックミラー45は、青色波長帯の光を反射させ、それ以外の波長帯の光を透過させるように構成されたミラーである。このダイクロイックミラー45は、赤色光源40の光軸及び光路切替部43からの青色光B2の出射光軸に対して45°の角度をなすように配置されている。
【0060】
拡散板41は、図1で説明したものと対応しており、ダイクロイックミラー45からの光を拡散させつつ透過させる。
【0061】
レンズ42は、図1で説明したものと同一のものであり、拡散板41からの拡散光を集光するよう配置される。
【0062】
図4で示した光源部15において、ダイクロイックミラー45と、拡散板41と、レンズ42と、ダイクロイックミラー36と、レンズ37とが、第1の導光光学系及び第4の導光光学系として機能する。また、ダイクロイックミラー32とレンズ33とが、第2の導光光学系として機能する。また、レンズ33と、ダイクロイックミラー32と、レンズ35と、ダイクロイックミラー36と、レンズ37とが、第3の導光光学系として機能する。ここで、図4で示した導光光学系の構成は、一例であって適宜変更可能である。
【0063】
図5は、光路切替部43及び光路切替制御部44の第1の構成の例を示す図である。図5の例は、光路切替部43を偏光ビームスプリッタ431で構成し、光路切替制御部44を偏光素子441aと偏光制御部441bとで構成した例である。
【0064】
偏光ビームスプリッタ431は、青色光B1と同一の偏光方向を有する光を透過させ、青色光B1に対して直交する偏光方向を有する光を反射させるように構成され、第1の青色光源31の出射光路及び第2の青色光源39の出射光路のそれぞれに対して45°の角度をなすように配置されている。なお、偏光ビームスプリッタ431の構成は一例であって変更可能である。例えば、青色光B1と同一の偏光方向を有する光を反射させ、青色光B1に対して直交する偏光方向を有する光を透過させるように構成しても良い。この場合には、ダイクロイックミラー32やダイクロイックミラー45等の配置の関係を、図4で示したものと逆転させる。
偏光素子441aは、入射された光の偏光方向を変化させる素子である。この偏光素子441aは、液晶素子等の、電圧の印加によって入射光の偏光方向を変化させる素子が考えられる。この他、ファラデー効果を応用し、素子中に磁界を発生させることによって、入射した光の偏光方向を変化させるように構成された素子を偏光素子として用いることもできる。偏光制御部441bは、偏光素子441aにおける入射光の偏光状態を制御する。例えば、偏光素子441aを液晶素子で構成した場合には、偏光制御部441bは、偏光素子441aへの印加電圧を制御する。
【0065】
図5に示す構成において、偏光制御部441bが、偏光素子441aから出射される青色光B2の偏光方向を青色光B1の偏光方向と異ならせるように偏光素子441aを制御した場合、青色光B1は、偏光ビームスプリッタ431を透過してダイクロイックミラー32に導かれるとともに、青色光B2は、偏光ビームスプリッタ431で反射されてダイクロイックミラー32に導かれる。一方、偏光制御部441bが、偏光素子441aから出射される青色光B2の偏光方向を青色光B1の偏光方向と同じくするように偏光素子441aを制御した場合、青色光B1は、偏光ビームスプリッタ431を透過してダイクロイックミラー32に導かれるとともに、青色光B2も、偏光ビームスプリッタ431を透過してダイクロイックミラー45に導かれる。
【0066】
図6は、光路切替部43及び光路切替制御部44の第2の構成の例を示す図である。図6(a)の例は、光路切替部43をダイクロイックホイール432で構成し、光路切替制御部44を回転制御部442で構成した例である。また、図6(b)は、図6(a)のAの方向からダイクロイックホイール432を見たダイクロイックホイール432の正面図である。
【0067】
ダイクロイックホイール432は、回転軸Oを中心に回転自在に構成され、第1の青色光源31の出射光路及び第2の青色光源39の出射光路のそれぞれに対して45°の角度をなすように配置されている。そして、ダイクロイックホイール432は、図6(b)に示すように、周面に第1の領域432aと第2の領域432bとが形成されている。第1の領域432aは、第1の青色波長帯を有する光を透過させ、それ以外の波長帯の光を反射させるように構成されたダイクロイックフィルタの領域である。一方、第2の領域432bは、第1の青色波長帯を有する光と第2の青色波長帯を有する光の両方を透過する例えばガラスの領域である。
回転制御部442は、モータとその駆動回路によって構成されている。モータは、ダイクロイックホイール432をその回転軸Oを中心に回転させる。駆動回路は、モータを駆動させる。
【0068】
図6に示す構成において、回転制御部442が、青色光B1と青色光B2の両方を第1の領域432aに入射させるようにダイクロイックホイール432を回転させた場合(即ち、青色光B1の光路と青色光B2の光路の交点上に第1の領域432aを位置させた場合)、青色光B1は、ダイクロイックホイール432を透過してダイクロイックミラー32に導かれるとともに、青色光B2は、ダイクロイックホイール432で反射されてダイクロイックミラー32に導かれる。一方、回転制御部442が、青色光B1と青色光B2の両方を第2の領域432bに入射させるようにダイクロイックホイール432を回転させた場合(即ち、青色光B1の光路と青色光B2の光路の交点上に第2の領域432bを位置させた場合)、青色光B1は、ダイクロイックホイール432を透過してダイクロイックミラー32に導かれるとともに、青色光B2も、ダイクロイックホイール432を透過してダイクロイックミラー45に導かれる。
【0069】
図7は、光路切替部43及び光路切替制御部44の第3の構成の例を示す図である。図5の例は、光路切替部43をホログラム光学素子433で構成し、光路切替制御部44を電圧制御部443とで構成した例である。
【0070】
ホログラム光学素子433は、電圧の印加状態によって入射光の出射光路を変化させるように構成された素子である。この素子の詳細は、例えば特表2002−525646号公報に開示されている。本実施形態におけるホログラム光学素子433は、第1の電圧が印加されたときに、青色光B1と同一の偏光方向の光を透過させるとともに青色光B2と同一の偏光方向を有する光を反射させ、第1の電圧と異なる第2の電圧が印加されたときに、青色光B1と同一の偏光方向の光と青色光B2と同一の偏光方向を有する光の両方を透過させるように構成され、第1の青色光源31の出射光路及び第2の青色光源39の出射光路のそれぞれに対して45°の角度をなすように配置されている。
【0071】
電圧制御部443は、ホログラム光学素子433に対して電圧を第1の電圧又は第2の電圧を印加する。
【0072】
図7に示す構成において、電圧制御部443が、ホログラム光学素子433に第1の電圧を印加した場合、青色光B1は、ホログラム光学素子433を透過してダイクロイックミラー32に導かれるとともに、青色光B2は、ホログラム光学素子433で反射されてダイクロイックミラー32に導かれる。一方、電圧制御部443が、ホログラム光学素子433に第2の電圧を印加した場合、青色光B1は、ホログラム光学素子433を透過してダイクロイックミラー32に導かれるとともに、青色光B2も、ホログラム光学素子433を透過してダイクロイックミラー45に導かれる。
【0073】
図5〜図7で示した構成により、青色光B2の出射光路を時分割で切り替えることが可能である。
【0074】
図4で示した光源部15の動作について説明する。図2で示した光源部15の動作と同様、図4で示した光源部15の動作も、CPU18の制御の下に投影処理部13が実行するものである。投影処理部13は、画像データによって表される画像が投影面に投影されるよう、光源部15における第1の青色光源31、第2の青色光源39、赤色光源40の発光タイミングを制御する。
【0075】
図8は、光源部15の動作を示すタイミングチャートである。Rフィールドにおいて、投影処理部13は、赤色光源40を発光させる。ここで、Rフィールドにおいては、第1の青色光源31と第2の青色光源39の何れも発光させないので、投影処理部13は、光路切替制御部44の制御は行わない。赤色光源40から出射された赤色光Rは、ダイクロイックミラー45に至る。上述したように、ダイクロイックミラー45は、青色波長帯の光以外の光を透過させるように構成されているので、赤色光Rは、ダイクロイックミラー45を透過し、拡散板41で拡散され、レンズ42で集光されてダイクロイックミラー36に至る。そして、この赤色光Rは、ダイクロイックミラー36を透過し、レンズ37で集光されてライトトンネル38に入射する。そして、この赤色光Rは、ライトトンネル38の内面で反射され、面均一光としてライトトンネル38から出射され、マイクロミラー素子14に至る。
【0076】
また、投影処理部13は、入力された画像データの赤色成分の階調に応じて、マイクロミラー素子14の各微小ミラーのオンオフを制御する。これにより、時間平均としては、所定の階調の赤色の画像が投影される。
【0077】
Gフィールドにおいて、投影処理部13は、第1の青色光源31と第2の青色光源39とを発光させる。また、投影処理部13は、光路切替制御部44を制御して光路切替部43に第1の動作(青色光B1を透過、青色光B2を反射)をさせる。第1の青色光源31から出射された青色光B1と第2の青色光源39から出射された青色光B2とは、光路切替部43に至る。そして、青色光B1と青色光B2とは、ダイクロイックミラー32に導かれる。上述したように、ダイクロイックミラー32は、緑色波長帯の光以外の光を透過させるように構成されているので、青色光B1及び青色光B2は、ダイクロイックミラー32を透過し、レンズ33で集光されて蛍光体34に入射する。そして、青色光B1及び青色光B2を受けて蛍光体34からは、緑色光Gが出射される。青色光B1と青色光B2の両方を用いて蛍光体34を励起させることにより、第1の実施形態よりもさらに緑色光Gの発光効率を高くすることが可能である。
【0078】
蛍光体34から出射された緑色光Gは、レンズ33で集光され、ダイクロイックミラー32で反射され、さらにレンズ35で集光されてダイクロイックミラー36に至る。そして、この緑色光Gは、ダイクロイックミラー36で反射され、レンズ37で集光されてライトトンネル38に入射する。
【0079】
また、投影処理部13は、入力された画像データの緑色成分の階調に応じて、マイクロミラー素子14の各微小ミラーのオンオフを制御する。これにより、時間平均としては、所定の階調の緑色の画像が投影される。
【0080】
Bフィールドにおいて、投影処理部13は、第2の青色光源39を発光させる。また、投影処理部13は、光路切替制御部44を制御して光路切替部43に第2の動作(青色光B1を透過、青色光B2も透過)をさせる。第2の青色光源39から出射された青色光B2は、第1の青色光源31から出射された青色光B1と第2の青色光源39から出射された青色光B2とは、光路切替部43に至る。そして、青色光B2は、ダイクロイックミラー45に導かれる。上述したように、ダイクロイックミラー45は、青色波長帯の光を反射させるように構成されているので、青色光B2は、ダイクロイックミラー45で反射され、拡散板41で拡散され、レンズ42で集光されてダイクロイックミラー36に至る。上述したように、ダイクロイックミラー36は、緑色波長帯の光以外の光を透過させるように構成されているので、青色光B2は、ダイクロイックミラー36を透過し、レンズ37で集光されてライトトンネル38に入射する。そして、この青色光B2は、ライトトンネル38の内面で反射され、面均一光としてライトトンネル38から出射され、マイクロミラー素子14に至る。
【0081】
また、投影処理部13は、入力された画像データの青色成分の階調に応じて、マイクロミラー素子14の各微小ミラーのオンオフを制御する。これにより、時間平均としては、所定の階調の青色の画像が投影される。
【0082】
以上で示した1フレームの動作によって、時間平均としては、投影面上の任意の画素位置に任意の色の投影画像を表示することが可能である。図2と同様、図8においても、1フレーム目においては、Rフィールド、Gフィールド、Bフィールドでそれぞれ光源を発光させている。したがって、時間平均としては、白色の投影画像が投影されたのと等価となる。また、2フレーム目においては、Rフィールド、Gフィールドでそれぞれ光源を発光させている。したがって、時間平均としては、黄色の投影画像が投影されたのと等価となる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態によれば、蛍光体34の励起用の青色光源と青色の投影画像用の青色光源とをそれぞれ持たせつつ、青色の投影画像用の青色光源を時分割で蛍光体34の励起用にも用いることにより、青色波長帯の光による色再現性を向上させつつ、緑色波長帯の光の発光効率のさらなる向上を図ることが可能である。
【0084】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【0085】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 赤色波長帯の光を出射する赤色光源と、
第1の青色波長帯の光を出射する第1の青色光源と、
前記第1の青色波長帯の光を受けて緑色波長帯の光を出射する蛍光体と、
前記第1の青色波長帯よりも長波長の第2の青色波長帯の光を出射する第2の青色光源と、
前記赤色光源、前記第2の青色光源、前記蛍光体から出射された各々の光を同一光路上に導く光学系と、
を具備することを特徴とする光源装置。
[2] 前記光学系は、前記赤色光源から出射された光を光出射部に導く第1の導光光学系と、前記第1の青色光源から出射された光を前記蛍光体に導く第2の導光光学系と、前記蛍光体から出射された光を前記光出射部に導く第3の導光光学系と、前記第2の青色光源から出射された光を前記光出射部に導く第4の導光光学系と、を備え、
前記第1の青色波長帯の光の光路と前記第2の青色波長帯の光の光路との交点上に配置された光路切替部と、
前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光とを前記第2の導光光学系に導く第1の動作と、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに前記第2の青色波長帯の光を前記第4の導光光学系に導く第2の動作と、を時分割で実行する光路切替制御部と、
をさらに具備することを特徴とする[1]に記載の光源装置。
[3] 前記光路切替部は、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに、前記第1の青色波長帯の光と異なる偏光方向の光を前記第2の導光光学系に導き、前記第1の青色波長帯の光と同じ偏光方向の光を前記第4の導光光学系に導くように構成され、
前記光路切替制御部は、前記第1の動作として、前記光路切替部に入射する前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光との偏光方向を異ならせ、前記第2の動作として、前記光路切替部に入射する前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光との偏光方向を同じくすることを特徴とする[2]に記載の光源装置。
[4] 前記光路切替部は、前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光とを前記第2の導光光学系に導く第1の領域と、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに前記第2の青色波長帯の光を前記第4の導光光学系に導く第2の領域を有して回転自在に構成されており、
前記光路切替制御部は、前記第1の動作として、前記第1の青色波長帯と前記第2の青色波長帯の光とが前記第1の領域に入射するように前記光路切替部を回転させ、前記第2の動作として、前記第1の青色波長帯と前記第2の青色波長帯の光とが前記第2の領域に入射するように前記光路切替部を回転させることを特徴とする[2]に記載の光源装置。
[5] 前記光路切替部は、第1の電圧が印加されたときに、前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光とを前記第2の導光光学系に導き、第2の電圧が印加されたときに、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに前記第2の青色波長帯の光を前記第4の導光光学系に導くように構成され、
前記光路切替制御部は、前記第1の動作として、前記光路切替部に前記第1の電圧を印加し、前記第2の動作として、前記光路切替部に前記第2の電圧を印加することを特徴とする[2]に記載の光源装置。
[6] 前記第1の青色波長帯は、前記蛍光体を励起させるのに適した波長帯であり、前記第2の青色波長帯は、青色表示に適した波長帯であることを特徴とする[1]乃至[5]の何れか1項に記載の光源装置。
[7] 前記蛍光体を励起させるのに適した波長帯は、440nm〜450nmの波長帯であり、前記青色表示に適した波長帯は、460nm〜480nmの波長帯であることを特徴とする[6]に記載の光源装置。
[8] 前記赤色光源と、前記第1の青色光源と、前記第2の青色光源とは、半導体発光素子を含むことを特徴とする[1]乃至[7]の何れか1項に記載の光源装置。
[9] [1]乃至[8]の何れか1項に記載の光源装置から出射された光を、所定の投影面に投影することを特徴とするプロジェクタ装置。
【符号の説明】
【0086】
10…データプロジェクタ装置、11…入力部、12…画像変換部、13…投影処理部、14…マイクロミラー素子、15…光源部、16…ミラー、17…投影レンズ部、18…CPU、19…メインメモリ、20…プログラムメモリ、21…操作部、22…音声処理部、23…スピーカ部、31…第1の青色光源、32,36,45…ダイクロイックミラー、33,35,37,42…レンズ、34…蛍光体、38…ライトトンネル、39…第2の青色光源、40…赤色光源、41…拡散板、43…光路切替部、44…光路切替制御部、431…偏光ビームスプリッタ、432…ダイクロイックホイール、433…ホログラム光学素子、441a…偏光素子、441b…偏光制御部、442…回転制御部、443…電圧制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色波長帯の光を出射する赤色光源と、
第1の青色波長帯の光を出射する第1の青色光源と、
前記第1の青色波長帯の光を受けて緑色波長帯の光を出射する蛍光体と、
前記第1の青色波長帯よりも長波長の第2の青色波長帯の光を出射する第2の青色光源と、
前記赤色光源、前記第2の青色光源、前記蛍光体から出射された各々の光を同一光路上に導く光学系と、
を具備することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記光学系は、前記赤色光源から出射された光を光出射部に導く第1の導光光学系と、前記第1の青色光源から出射された光を前記蛍光体に導く第2の導光光学系と、前記蛍光体から出射された光を前記光出射部に導く第3の導光光学系と、前記第2の青色光源から出射された光を前記光出射部に導く第4の導光光学系と、を備え、
前記第1の青色波長帯の光の光路と前記第2の青色波長帯の光の光路との交点上に配置された光路切替部と、
前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光とを前記第2の導光光学系に導く第1の動作と、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに前記第2の青色波長帯の光を前記第4の導光光学系に導く第2の動作と、を時分割で実行する光路切替制御部と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光路切替部は、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに、前記第1の青色波長帯の光と異なる偏光方向の光を前記第2の導光光学系に導き、前記第1の青色波長帯の光と同じ偏光方向の光を前記第4の導光光学系に導くように構成され、
前記光路切替制御部は、前記第1の動作として、前記光路切替部に入射する前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光との偏光方向を異ならせ、前記第2の動作として、前記光路切替部に入射する前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光との偏光方向を同じくすることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記光路切替部は、前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光とを前記第2の導光光学系に導く第1の領域と、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに前記第2の青色波長帯の光を前記第4の導光光学系に導く第2の領域を有して回転自在に構成されており、
前記光路切替制御部は、前記第1の動作として、前記第1の青色波長帯と前記第2の青色波長帯の光とが前記第1の領域に入射するように前記光路切替部を回転させ、前記第2の動作として、前記第1の青色波長帯と前記第2の青色波長帯の光とが前記第2の領域に入射するように前記光路切替部を回転させることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記光路切替部は、第1の電圧が印加されたときに、前記第1の青色波長帯の光と前記第2の青色波長帯の光とを前記第2の導光光学系に導き、第2の電圧が印加されたときに、前記第1の青色波長帯の光を前記第2の導光光学系に導くとともに前記第2の青色波長帯の光を前記第4の導光光学系に導くように構成され、
前記光路切替制御部は、前記第1の動作として、前記光路切替部に前記第1の電圧を印加し、前記第2の動作として、前記光路切替部に前記第2の電圧を印加することを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第1の青色波長帯は、前記蛍光体を励起させるのに適した波長帯であり、前記第2の青色波長帯は、青色表示に適した波長帯であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記蛍光体を励起させるのに適した波長帯は、440nm〜450nmの波長帯であり、前記青色表示に適した波長帯は、460nm〜480nmの波長帯であることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記赤色光源と、前記第1の青色光源と、前記第2の青色光源とは、半導体発光素子を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の光源装置から出射された光を、所定の投影面に投影することを特徴とするプロジェクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−76836(P2013−76836A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216647(P2011−216647)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】