説明

光磁気ディスク装置及び光ピックアップの駆動制御方法

【課題】トラック自重ダレによる対物レンズの位置ずれを小さくする。
【解決手段】 光磁気ディスク装置の組立時に、光ピックアップが水平であり、かつ、2軸機構のトラッキング制御を停止したときのWPP(ウォブリングプッシュプル)信号の値を基準WPP信号(WPP)として記憶させる。データの記録を開始すると、光磁気ディスク装置は、WPP信号を監視し、WPP信号が基準WPP信号(WPP)となったときのトラッキングドライブ電圧を基準トラッキングドライブ電圧(Vt0)に設定する。光磁気ディスク装置は、基準トラッキングドライブ電圧を基準としたトラッキングドライブ電圧の変位量を算出し、該変位量が予め設定したトラッキングドライブ変位量を超えたときに、光ピックアップ12を移動させ、光ピックアップ12上を移動する対物レンズ2を中立位置よりやや内側に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トラッキングサーボ機構及びスレッドサーボ機構を備えた光磁気ディスク装置において光ピックアップ装置の姿勢変化によって生じる光ピックアップの自重ダレによる記録再生の不具合を解消する光磁気ディスク装置及び光磁気ディスクの姿勢変化によって生じる光ピックアップの自重ダレによる記録再生の不具合を解消する駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光磁気記録と呼ばれ、データの読み出しは光学的に行うが、データの書き込みは磁気的に行う記録方法が存在する。光磁気記録方式の光ディスクにデータを記録する光磁気ディスク装置は、光磁気ディスクの記録面をレーザ光によりキュリー点まで加熱し、磁気ヘッドで磁界を印加して磁極性を変化させている。
【0003】
図8に、光磁気ディスク装置50の一例を示す。光磁気ディスク装置50は、基本的には、光磁気ディスク100を回転させるスピンドルモータ51、記録時及び再生時に光磁気ディスク100にレーザ光を照射する光ピックアップ52、光磁気ディスク100のトラッキング方向及び光磁気ディスク100のフォーカス方向に光ピックアップ52の対物レンズを変位させる2軸機構53、光ピックアップ52のトラッキング方向に光ピックアップ52全体を移動させるスレッドサーボ54、及び記録データに対応する磁界を光磁気ディスク100に印加する磁気ヘッド55を備える。
【0004】
また、光ピックアップ52から入力されたデータに基づいてトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号を出力するRFアンプ57と、光ピックアップ52のフィードバック制御装置として機能するシステムコントローラ59とを備えている。RFアンプ57は、光ピックアップ52から供給された信号に演算処理を施しトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、WPP(ウォブリングプッシュプル)信号などを出力する。サーボ制御部58は、RFアンプ57及びシステムコントローラ59より出力されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号に基づいて必要なサーボ駆動信号を発生させ、2軸機構53及びスレッドサーボ54を制御してフォーカス制御及びトラッキング制御を行う。また、サーボ制御部58は、スピンドルモータ51を一定角速度又は一定線速度で回転させる制御を行う。
【0005】
磁気ヘッド55は、光ピックアップ52の対物レンズと対向する位置に設けられており、対物レンズから出射されたレーザ光が光磁気ディスク100を加熱し、加熱領域に磁界を印加して磁極性を変化させることで光磁気ディスク100にデータを記録している。
【0006】
図9は、光磁気ディスク装置50における光磁気ディスク100を回転駆動する機構、光ピックアップ52を光磁気ディスク100のトラック方向に駆動するスレッドサーボ機構を示している。
【0007】
スレッドサーボ54は、スレッド軸41と、スレッド副軸42と、スレッド軸に連結されたモータ43とから構成されている。スレッド軸41は、光磁気ディスク装置50に装着される光磁気ディスク100の記録再生面と略平行に配置されている。スレッド軸41の一端にはモータ43が取り付けられており、スレッド軸41は、モータ43によって、スレッド軸の軸心を中心として回転される。光ピックアップ52の一部には、スレッド軸41が挿入される軸支孔45と、スレッド副軸42がガイドされる副軸ガイド46が設けられており、スレッド軸41がモータ43によって回転されると、光ピックアップ52がスレッド軸41に沿って移動することができる。
【0008】
光ピックアップ52は、磁気ヘッド55を光ピックアップ52に一体化して取り付けるための磁気ヘッド取付部46を備えている。磁気ヘッド取付部46は、対物レンズ47と磁気ヘッド55とが光磁気ディスク100を挟んで対峙する位置になり、且つ磁気ヘッド55が光磁気ディスク100から所定距離離間されるように磁気ヘッド55を取り付けている。これにより、光ピックアップ52と磁気ヘッド55は、スレッドサーボ14の制御により光磁気ディスク100のトラック方向に一体となって移動できる。
【0009】
光磁気記録方式では、光磁気ディスク装置50が光磁気ディスク100にデータを記録する場合、上述したように、対物レンズ47によって記録面に集光されるレーザスポット領域に正確に磁場がかけられる必要があるため、図9に示した光磁気ディスク装置50の駆動機構において対物レンズ47と磁気ヘッド55との位置関係が常に安定していれば問題は生じない。しかし、実際には、光ディスクの偏心、光ディスクのチャッキング精度、光ピックアップにおける磁気ヘッド等の取付誤差、光ディスクの面振れ等により、光磁気ディスク100の記録面上で対物レンズ47によって集光されるレーザスポットと磁気ヘッド55によって生じる磁場領域との間にずれが生じる。
【0010】
また、光磁気ディスク装置50の姿勢変化が生じたとき、特に光磁気ディスク装置50が水平方向に対してスレッド軸延長方向を上下させるように傾いたとき、対物レンズ47が光磁気ディスク100上のトラックを追従しているにもかかわらず、光ピックアップの自重によって、光ピックアップ全体とともに光ピックアップに固定された磁気ヘッド55がトラック方向へダレることがあり、この自重ダレによっても対物レンズ47と磁気ヘッド55との間にずれが生じる。
【0011】
例えば、トラックジャンプ等により光ピックアップを移動させたときに、対物レンズが振動して整定時間の短縮や安定化の妨げになったり、視野移動が生じて光学特性が悪化するなどの不具合が生じることがある。この対策として、例えば特許文献1には、対物レンズを常に視野中央に保持する、いわゆる中点サーボを実行することで対物レンズの位置ずれを防止する技術が開示されている。
【0012】
【特許文献1】特開平9−259447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の光磁気ディスク装置50は、上述した要因によって対物レンズと磁気ヘッドとが位置ずれしてもデータを確実に記録できるように、位置ずれ量を考慮して磁気ヘッドサイズが決定されている。
【0014】
例えば、上述したディスク偏心に対しては0.1mm、ディスクチャッキング精度に対しては0.1mm、ディスク面振れに対しては0.1mm、更に通常この範囲を対物レンズが移動することはないが、対物レンズ47がトラックサーボオン時にトラッキングコイルによって光磁気ディスク100の外周方向に移動するときの移動可能な最大幅であるスレッド取れ残り量として0.1mm等が考慮されている。なかでも、光ピックアップのトラック方向への自重ダレに対しては、他の位置ずれ因子の2倍近い略0.2mmが見積もられている。これらの許容量を全て考慮すると、ヘッド中心から片側のずれ量の合計が0.6mm程度になる。したがって、磁気ヘッド55のヘッドサイズは、一辺略1.2mm程度と決めることができる。
【0015】
このように、対物レンズと磁気ヘッドとの位置ずれの要素のうち最も考慮すべきは、光磁気ディスク装置50が水平方向に対してスレッド軸延長方向を上下させるように傾いたときに生じる光ピックアップの自重ダレによる位置ずれである。
【0016】
図10は、図9の光ピックアップ52を光磁気ディスク100の記録面に平行な方向(図9矢印B方向)からみた図である。図10(a)に示すように、光磁気ディスク装置50が水平であるときには、光ピックアップ52と磁気ヘッド55との位置ずれはない。ところが、スレッド軸41と光ピックアップ52の係合箇所である軸支孔45との間及びスレッド副軸42と副軸ガイド46の間には、あそびがあるため、例えば、スレッド軸の軸心方向を上下させるように光磁気ディスク装置50が傾くと、光ピックアップ52の自重ダレが起こり、図10(b)に示すように、対物レンズ47が光ピックアップの中立位置からずれてしまう。従来、このずれ量を考慮して磁気ヘッド55の面積を広くしなければならなかった。また、このように磁気ヘッド55を対物レンズとの位置ずれ許容量を加味して設計することは、光ピックアップ及び光磁気ディスク装置の小型化の妨げになっていた。更にまた、磁気ヘッド55は、コイル磁石であるため、面積を広くとると消費電力も増加するという問題もあった。
【0017】
そこで本発明は、磁気ヘッドサイズの誤差許容量から、光ピックアップが水平方向に対してスレッド軸延長方向を上下させるように傾いたときに生じる光ピックアップの自重ダレ成分を除くことによって磁気ヘッドサイズの小型化が可能な光ピックアップを装着した光磁気ディスク装置、及び磁気ヘッドサイズの誤差許容量から光ピックアップの自重ダレ成分を除いても記録再生動作に不具合が生じないように光ピックアップを制御する制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる光磁気ディスク装置は、磁気ヘッドと、光磁気記録媒体表面に記録再生光を集光する対物レンズと、対物レンズが取り付けられた光ピックアップと、光ピックアップを光ディスクのトラックに垂直なトラッキング方向に移動させるスレッドサーボ機構と、光ピックアップ上で対物レンズをトラック方向に移動させるトラッキングサーボ機構とを備える光磁気ディスク装置において、光ピックアップを水平状態とし、かつトラッキングサーボ機構を駆動させるトラッキングドライブ電圧を0としたときのウォブリングプッシュプル信号の値を基準値として記憶する基準値記憶手段と、ウォブリングプッシュプル信号が基準値記憶手段に記憶された基準値と同値を検出したときからトラッキングサーボ機構に印加されるトラッキングドライブ電圧を検出するトラッキングドライブ電圧検出手段と、トラッキングドライブ電圧の最大値を検出するピークホールド検出手段と、トラッキングドライブ電圧の最小値を検出するボトムホールド検出手段と、最大値及び最小値からトラッキングドライブ電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、トラッキングドライブ電圧の平均値が所定の閾値を超えたか否かに応じて当該光磁気ディスク装置の姿勢変動を検出する姿勢変動検出手段と、姿勢変動検出手段が姿勢変動を検出したときスレッドサーボ機構を制御して光ピックアップを移動させ対物レンズを中立位置にセットする制御手段とを備える。
【0019】
ここで、制御手段は、磁気ヘッドの磁束領域内で対物レンズがトラッキングサーボ機構によって動作される領域の一部であるブラインド領域を設定し、これをカウントし、対物レンズがブラインド領域内にあって姿勢変動検出手段が姿勢変動を検出したときにはフラグを立て、対物レンズがブラインド領域を脱したときにスレッドサーボ機構を制御して対物レンズを中立位置にセットする。また、対物レンズがブラインド領域外にあって姿勢変動検出手段が姿勢変動を検出したときには直ちに記録を停止しスレッドサーボ機構を制御して対物レンズを中立位置にセットする。
【0020】
ブラインド領域は、光ピックアップが光ディスクの最内周領域にあるとき、トラッキングドライブ電圧の最大値を検出する期間の略60%とするとよい。
【0021】
また、上述した目的を達成するために、本発明にかかる光ピックアップの駆動制御方法は、光磁気記録媒体表面に記録再生光を集光する対物レンズと、対物レンズが取り付けられた光ピックアップと、光ピックアップを光ディスクのトラックに垂直なトラッキング方向に移動させるスレッドサーボ機構と、光ピックアップ上で対物レンズをトラック方向に移動させるトラッキングサーボ機構とを備える光ピックアップの駆動制御方法において、ウォブリングプッシュプル信号が光ピックアップを水平状態とし且つトラッキングサーボ機構を駆動させるトラッキングドライブ電圧を0としたときの基準値と同値を検出したときからトラッキングサーボ機構に印加されるトラッキングドライブ電圧の検出を開始し該トラッキングドライブ電圧の変位量を検出するトラッキングドライブ電圧監視工程と、トラッキングドライブ電圧の最大値を検出するピークホールド検出工程と、トラッキングドライブ電圧の最小値を検出するボトムホールド検出工程と、最大値及び最小値からトラッキングドライブ電圧の平均値を算出する平均値算出工程と、平均値が所定の閾値を超えたか否かに応じて当該光磁気ディスク装置の姿勢変動を検出する姿勢変動検出工程と、姿勢変動検出工程において姿勢変動を検出したときスレッドサーボ機構を制御して光ピックアップを移動させ対物レンズを中立位置にセットする駆動制御工程とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明を適用した光磁気ディスク装置及び光磁気ディスク装置の制御方法によれば、トラッキングドライブ電圧が基準トラッキングドライブ電圧から変位すると、光ピックアップを移動させ対物レンズを中立位置に戻すため、光ピックアップのトラッキング方向への自重ダレが発生する直前、若しくは発生し始めたときに光ピックアップを移動させて対物レンズを中立位置に戻し、自重ダレによって生じる磁気ヘッドと対物レンズとの位置ずれを防止することができる。そのため、磁気ヘッドのサイズに自重ダレによるずれ量を加味する必要がなくなり、磁気ヘッドの小型化が可能になり、磁気ヘッドの消費電力を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を適用した光磁気ディスク装置について説明する。図1は、光磁気ディスク装置1の内部構成を示すブロック図である。光磁気ディスク装置1は、主に、光磁気ディスク10を回転させるスピンドルモータ11、光磁気ディスク10にレーザ光を照射する光ピックアップ12、光磁気ディスク10のトラッキング方向と光磁気ディスク10に接近/離間させる方向とに対物レンズ2を変位させる2軸機構13、光ピックアップ12を光磁気ディスク10の半径方向に移動させるスレッドサーボ14、及び変調した記録信号を光磁気ディスク10に印加する磁気ヘッド15、磁気ヘッド15にかける磁界の向きを制御する磁気ヘッド駆動部16とを備える。
【0024】
また、光磁気ディスク装置1は、光ピックアップ12から供給されたデータに基づいて所要のデータを出力するRFアンプ17、スピンドルモータ11、2軸機構13、スレッドサーボ14を制御するサーボ制御部18、光磁気ディスク装置全体を制御するシステムコントローラ19を備える。
【0025】
更に、光磁気ディスク装置1は、光ピックアップ12の姿勢変動を検出する姿勢検出部3と、トラッキングドライブ電圧を用いて対物レンズ2の変位量を求めるトラッキングドライブ電圧監視部4とを備える。姿勢検出部3及びトラッキングドライブ電圧管理部4は、検出結果をシステムコントローラ19に出力する。システムコントローラ19は、姿勢検出部3が光ピックアップ12の姿勢変動を検出したり、トラッキングドライブ電圧管理部4が検出した対物レンズ2の変位量が所定の範囲を超えたりしたときには、対物レンズ2を中立位置に戻して自重ダレを抑えることを特徴としている。
【0026】
RFアンプ17は、光ピックアップ12から供給されたデータに演算処理を施し、トラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を出力する。サーボ制御部18は、RFアンプ17より出力されたトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を基に2軸機構13のフォーカス制御及びトラッキング制御を行う。サーボ制御部18は、スピンドルモータ11が一定角速度又は一定線速度で回転するように制御する。
【0027】
次いで、音声データを変調する機構について説明する。オーディオデータは、オーディオ入力部21を経由して入力する。A/D変換部22は、オーディオデータをデジタルデータに変換する。音声圧縮符号部23は、音声データを圧縮する。DRAM(Dynamic RAM)24は、圧縮された映像音声データを格納する。メモリコントローラ25は、DRAM24のデータの入出力を管理する。信号復号符号化部26は、圧縮された映像音声データにEFM(Eight to Fourteen Modulator)変調及びCIRC(Cross Interleave Read Solomon Code)による誤り訂正を施す。これが記録信号となる。磁気ヘッド駆動部16は、記録信号に従い記録用磁気ヘッド15の磁化方向を制御する。
【0028】
光ピックアップ12及び磁気ヘッド15は、図2に示すような構成をしている。光ピックアップ12は、対物レンズ2と2軸機構13を備える。対物レンズ2は、所定間隔を隔てて磁気ヘッド15と対向している。対物レンズ2と磁気ヘッド15との間隔には、光磁気ディスク10が装着される。対物レンズ2から出力されたレーザ光は、光磁気ディスク10をキュリー温度に加熱する。磁気ヘッド15は、キュリー温度に加熱された光磁気ディスク10に磁場を与えて光磁気ディスク10を磁化し、データを記録する。
【0029】
2軸機構13は、対物レンズ2を光磁気ディスク10のトラックと垂直なトラッキング方向に移動させてレーザ光をトラックに追従させるとともに、対物レンズ2を光磁気ディスク10に接近/離間させる方向に変位させてレーザ光の焦点距離を調整する。
【0030】
トラッキングドライブ電圧は、対物レンズ2のトラッキング制御のために2軸機構13にかけられる電圧である。2軸機構13は、トラッキングドライブ電圧が増加に応じて対物レンズ2を光磁気ディスク10の内周方向から光磁気ディスク10の外周方向に付勢する。
【0031】
2軸機構13は、また、重力によって発生する対物レンズ2の位置ずれをキャンセルする。対物レンズ2の位置ずれとは、光ピックアップ12が水平状態のときには発生せず、光ピックアップ12の姿勢が変動したときに発生する。対物レンズ2の位置ずれが発生すると、2軸機構13には、位置ずれをキャンセルするためのオフセット電圧が負荷される。後述する姿勢検出部3は、このオフセット電圧を用いて光磁気ディスク装置1の姿勢変動を検出する。
【0032】
光磁気ディスク装置1の姿勢検出は、姿勢検出部3が行う。姿勢検出部3は、トラッキングサーボのオフセット値を算出することで、光ピックアップ12の姿勢変動が発生したか否かを判断する。図3を参照して姿勢検出部3の構成を説明する。図4には、姿勢検出部3によってトラッキングドライブ電圧から検出される姿勢変動パターンが説明されている。
【0033】
姿勢検出部3は、図4のような周期的なトラッキングドライブ信号を入力する。図4に示すようなトラッキングドライブ信号の周期的な変化は、光磁気ディスク10の偏心や光磁気ディスク10のチャッキングによるものである。偏心やチャッキング精度によるトラッキングドライブ信号の変化は、光磁気ディスク10が一周するごとに周期的に発生するため、この変化の平均値には偏りがない。
【0034】
姿勢検出部3は、ディスク偏心によって生じるトラッキングドライブ信号のピークE1値をピークホールド回路31に格納し、トラッキングドライブ信号のボトム値E2をボトムホールド回路32に格納する。加算回路34は、ピークホールド回路31に格納されたピーク値E1とボトムホールド回路32に格納されたボトム値E2の和を2分の1した平均値E3(=E1/2+E2/2)を算出する。
【0035】
減算回路36は、差動増幅回路であり、加算回路34の出力E3とローパスフィルタ35から出力された基準信号E4との差の値E5(=E3−E4)を算出する。値E5は、トラッキングドライブ信号のオフセット値である。オフセット値E5は、光磁気ディスク装置1が傾いたときの対物レンズ2の位置ずれをキャンセルするために発生する。姿勢検出部3は、オフセット値E5を用いて光磁気ディスク装置1の姿勢変動を検出する。なお、この値E5は、スレッドサーボ14を駆動させたときにも変化する。システムコントローラ19は、スレッドサーボ14を駆動している期間の値E5はマスクする。
【0036】
図4(a)は、光磁気ディスク装置1が水平状態にあるときのトラッキングドライブ信号の変化を示している。このとき、トラッキングドライブ信号のオフセット値はOF1である。図4(b)は、光磁気ディスク装置1が水平方向に対してスレッド軸延長方向を上向きにするように傾いたときに生じるトラッキングドライブ電圧とオフセット値を示している。このとき、トラッキングドライブ信号のオフセット値は、OF2(OF1<OF2)となる。
【0037】
更に、図4(c)は光磁気ディスク装置1が水平方向に対してスレッド軸延長方向を下向きにするように傾いたときに生じるトラッキングドライブ電圧とオフセット値を示している。このとき、トラッキングドライブ信号のオフセット値はOF3となる(OF3<OF1<OF2)となる。
【0038】
このように、オフセット値の大きさは、光ピックアップ12が水平方向に対してスレッド軸延長方向を上向きにするように傾いたときに生じる傾き量を示し、オフセット値の減少は、光ピックアップ12が水平方向に対してスレッド軸延長方向を下向きにするように傾いたときに生じる傾き量に対応する。傾きによってトラッキングドライブ信号は、E5だけオフセットするため、トラッキングドライブ電圧のオフセットから姿勢変化を特定することができる。
【0039】
減算回路36は、算出したオフセット値E5を比較回路37に出力する。比較回路37は、記憶している閾値Tとオフセット値E5とを比較する。姿勢検出部3は、オフセット値E5が閾値Tを超えたとき、光磁気ディスク装置1の姿勢変動を検出する。姿勢検出部3の検出結果E6は、システムコントローラ19に出力される。
【0040】
トラッキングドライブ電圧監視部4は、トラッキングドライブ信号を基に対物レンズ2の視野振り量を検出する。トラッキングドライブ電圧監視部4は、対物レンズ2が中立位置に存在するときの基準トラッキングドライブ電圧(Vt)を検出する。基準トラッキングドライブ信号は、WPP(ウォブリングプッシュプル)信号が基準値(WPP)になったときのトラッキングドライブ電圧の値である。WPP信号の基準値(WPP)は、光磁気ディスク装置1の組立時に検出しておく。製造者は、製造過程において光磁気ディスク装置1を水平状態且つトラッキングサーボをオフにしたとき、すなわち水平状態でありトラッキングドライブ電圧が0VのときのWPP信号を検出する。そして、WPP信号の値をトラッキングドライブ電圧検出回路に記憶させる。これが、WPP信号の基準値(WPP)である。WPP信号が基準値(WPP)となった場合、光ピックアップ12の姿勢によらず、光ピックアップ12が中立に位置することとなる。
【0041】
トラッキングドライブ電圧監視部4は、WPP信号が基準値(WPP)ときのトラッキングドライブ電圧(Vt)を基準値として、トラッキングドライブ電圧の変位量を出力し、この変位量で対物レンズ2の視野振り量を検出する。
【0042】
トラッキングドライブ電圧監視部4は、トラッキングドライブ電圧の変位量を監視し、この変位量が最大トラッキングドライブ電圧(Vtm)を超えたとき、視野振り量が制限範囲を超えたと判断する。トラッキングドライブ電圧監視部4の判断結果は、システムコントローラ19に出力される。
【0043】
システムコントローラ19は、対物レンズ2を中立位置に保持する制御を行う。システムコントローラ19は、対物レンズ2を中立位置のやや内側にセットさせる。サーボ制御部18がトラッキングサーボを開始すると、システムコントローラ19は、ブラインド区間のカウントを開始する。ブラインド区間は、姿勢変動が発生しても自重ダレをキャンセルするためのスレッド制御を行わない領域、つまり自重ダレをキャンセルするためのスレッド制御を行わなくとも対応できる安全領域である。
【0044】
ブラインド区間は、視野振り量が制限範囲を超えない最大区間、すなわち、最大トラッキング変位量(Tm)の60%程度とするとよい。ブラインド区間を設けるのは、トラッキング制御と中立位置に戻す制御を同時に行うとトラッキング制御の精度が低下するためである。また、ブラインド区間を設けないと、スレッド制御が頻繁に起こり消費電力が増加する場合がある。
【0045】
磁気ヘッド15のサイズに対する最大トラッキング変位量(Tm)について図5を参照して説明する。
【0046】
図5の斜線部は、磁気ヘッド15を示している。磁気ヘッド15の中心を通る一点鎖線はヘッド中心、すなわち、対物レンズ2の中立位置を示す。ヘッド中心ではWPP信号がWPPとなる。磁気ヘッド15の幅は、Tm+αとなる。αとは、ディスク偏心等から発生する誤差分である。また、磁気ヘッド15に続く点線部分は、従来の磁気ヘッドのサイズを示す。従来の磁気ヘッドの幅は、Tm+α+βである。βとは、光磁気ディスク装置1をスレッド軸の軸心方向を上下させるように姿勢変化したときに光ピックアップ12の自重ダレにより発生するずれを許容するために従来用意されていた磁気ヘッドの幅である。
【0047】
本具体例として示す光磁気ディスク装置1では、磁気ヘッド15の幅は、β分だけ小さくすることができる。ブラインド領域は、最大トラック変位量の60%の領域とする。位置Aは、位置ずれをキャンセルするスレッド制御を行ったときに、対物レンズ2のレンズ中心を配置する位置である。対物レンズ2を中立位置より偏倚した位置Aに配置すると、フラグがリセットされ姿勢変動の測定が開始される。位置Aは、光ディスク10の内周方向に偏倚した位置である。ブラインド領域で自重ダレが発生してもダレ量は、最大トラック変位量の残り40%内におさまり最大トラック変位量を超えることはない。
【0048】
なお、最大トラッキング変位量(Tm)は、トラッキングドライブ電圧値からだけでなく、例えば、トラッキング制御のためのプリグルーブ(案内溝)からも算出することができる。記録可能な光磁気ディスクには、トラッキング制御のため、予め、スパイラル状のプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、ディスク全周にわたる絶対アドレスデータに基づいてFM変調されて記録されている。プリグルーブの間隔は、ミニディスク(MD:登録商標)の場合1.6μmとなっている。以上により絶対アドレスからレーザ光の半径方向の位置が算出できる。2点での絶対アドレスがわかればそれぞれの半径から2点間の距離が求められる。ここで、記録ヘッド長が、1.2mmとすると片側0.6mmの60%は360μmとなる。このときのトラック数は、255(=360/1.6)トラックとなる。つまり、WPP信号が基準値(WPP)になったときの絶対アドレスを始点として、360μm外周側の絶対アドレスを求めることによりブラインド期間の設定及び検出が可能となる。
【0049】
光磁気ディスク10の半径方向の区間を等分して、各区間の始点と終点の絶対アドレス値及びその区間に対するブラインド終了地点の絶対アドレスを算出し定めておくことにより、容易にブラインド区間を設定することができる。光磁気ディスク装置1が線速度一定または角速度一定の場合、それぞれ各絶対アドレスにおける周期がわかるので、255トラック分の時間を求めることにより、ブラインド区間の時間が特定できる。すなわち、時間によるブラインド区間の制御も可能である。
【0050】
システムコントローラ19は、姿勢検出部3の出力を監視している。システムコントローラ19は、ブラインド区間内に姿勢検出部3が姿勢変動を検出した場合には、姿勢フラグをオンにする。また、ブラインド区間外に姿勢変動が発生した場合には、システムコントローラ19は、記録処理を中断し、スレッドサーボ14を駆動して対物レンズ2を中立位置に戻す。
【0051】
次いで、上述した光磁気ディスク装置1が姿勢変化を検出して自重ダレに対応するスレッド制御を行う動作を図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0052】
まず、サーボ制御回路は、スレッドサーボ14を制御して対物レンズ2を2軸機構13の中立位置よりやや光磁気ディスク10の内周側にセットする(ステップS1)。次いで、光磁気ディスク装置1は、光磁気ディスク10に信号を記録する。このとき、光ピックアップ12はトラッキング制御及びフォーカス制御を行い、光磁気ディスク10の所望の位置を過熱し、磁気ヘッド15は記録する信号に合わせて磁界の向きを変化させてデータを記録する(ステップS2)。記録処理を開始すると、トラッキングドライブ電圧監視部4は、WPP信号を監視する。そして、WPP信号が基準値(WPP)になると(ステップS3)、姿勢フラグをリセットする処理と、ブラインド区間を検出する処理とを行う(ステップS4)。
【0053】
ブラインド時間が経過するまで、姿勢検出部3は、姿勢変動を監視し、検出結果をシステムコントローラ19に出力する。システムコントローラ19は、姿勢の変動を検出すると(ステップS5:YES)、姿勢フラグをセットする(ステップS6)。ブラインド時間が経過したとき(ステップS7:YES)、姿勢フラグがセットされていると(ステップS8:YES)、スレッドサーボ14を制御して対物レンズ2を中立位置のやや内側に移動させ(ステップS9)、ステップS3に処理を移行する。一方、ブラインド時間が経過しない場合(ステップS7:NO)、姿勢変動の監視を継続する(ステップS5)。
【0054】
ステップS8において、姿勢フラグがセットされていない場合であっても(ステップS8:NO)、システムコントローラ19は、姿勢検出部3の出力を監視し続け、姿勢の変動が発生すると(ステップS10:YES)、記録処理を停止し(ステップS11)、スレッドサーボ14を制御して対物レンズ2を中立位置のやや内側に移動させる(ステップS12)。そして、ステップS3に行こうし姿勢フラグリセットし、ブラインド区間を検出する処理を行う(ステップS3)。
【0055】
また、システムコントローラ19は、トラッキングドライブ電圧監視部4の出力をチェックする。トラッキングドライブ信号が最大トラッキングドライブ電圧(Vtm)を超えると(ステップS13:YES)、記録処理を停止して(ステップS11)、スレッドサーボ14を制御して対物レンズ2を中立位置のやや内側に移動させる(ステップS12)。
【0056】
一方、光ピックアップ12の姿勢変動が発生せず(ステップS10:NO)、かつ、トラッキングドライブ電圧の変位量が最大トラッキングドライブ電圧(Vtm)を超えない(ステップS13:NO)場合、ステップS9に処理を移行し、姿勢変動とトラッキングドライブ電圧の変位量の監視を継続する。
【0057】
図7は、上述のフローチャートにおける信号の変化を示すタイミングチャートである。タイミングチャートでは、上から順に姿勢変動検出部3の出力信号、姿勢フラグの立ち上がり信号、記録処理の切替信号、スレッドサーボ14の切替信号を表現している。この図では、システムコントローラ19が時刻T0においてブラインド区間の検出を開始している。
【0058】
そして、対物レンズ2がブラインド区間内のある時刻T1において、姿勢変動検出部3が姿勢変動を検出し、姿勢フラグを立ち上げる。そして、時刻T2において、対物レンズ2がブラインド区間外に移動すると、システムコントローラ19は、姿勢フラグをチェックする。姿勢フラグは、時刻T1において立ち上げられているので、システムコントローラ19は、スレッドサーボ14により光ピックアップ12を駆動し、対物レンズ2を中立位置よりやや内側の位置Aに移動させる。そのとき、システムコントローラ19は、姿勢フラグ及びブラインド区間のカウントをリセットし、時刻T4から再びブラインド区間の検出を開始する。これらT0〜T4までの一連の処理の間、記録処理が継続される。
【0059】
時刻T5に対物レンズ2がブラインド区間外に移動したタイミングで、時刻T6で姿勢変動検出部3が姿勢変動を検出すると姿勢フラグを立ち上げる。システムコントローラ19は、この直後の時刻T7に記録処理を停止し、続けて時刻T8でスレッドサーボ18を駆動させて対物レンズ2を中立位置よりやや内側の位置Aに移動させる。その後、システムコントローラ19は、姿勢フラグ及びブラインド区間をリセットし、記録処理を開始してから再びブラインド区間の検出を開始する。
【0060】
以上説明したように、本発明を適用した光磁気ディスク装置1は、トラッキングサーボの出力を用いて光磁気ディスク装置1の姿勢変動を検出し、光ピックアップ12が水平方向に対してスレッド軸延長方向を上下させるように傾いたとき、光ピックアップ12の自重ダレが発生する直前、若しくは自重ダレが発生し始めた直後に、スレッドサーボ14を駆動し、光ピックアップ12をスレッド制御するとともに対物レンズ2を中立位置に偏倚させる。これにより、設計者は、磁気ヘッド15のサイズを決定するとき、光ピックアップ12の自重ダレによるずれ誤差を考慮する必要がなくなり、磁気ヘッド15を小型化させることを可能とした。更に、磁気ヘッド15を小型化できることにより、磁気ヘッド15の消費電力を削減することができる。
【0061】
また、本発明を適用した光磁気ディスク装置1は、自重ダレが起きてもトラッキング制御により対応する領域、すなわちブラインド区間を設定している。ブラインド区間内で自重ダレが発生してもダレ量は、対物レンズ2の最大変位量に収まる。
【0062】
なお、上述した光磁気ディスク装置1は、本発明を適用した一つの具体例であり、装置自身の姿勢変化を検出し、スレッド動作により通常より早期に光ピックアップを中立位置に移動するように制御することにより、磁気ヘッドと対物レンズとの位置ずれに対応するための許容部分を小さくしたという本発明の要旨を含む光磁気ディスク装置は、本発明に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明を適用した光磁気ディスク装置の構成を示す図である。
【図2】光ピックアップ及び磁気ヘッドの構成を示す図である。
【図3】姿勢検出部の構成を示す図である。
【図4】(a)は、光磁気ディスク装置が水平状態にあるときのトラッキングドライブ信号の変化を示す図であり、(b)は、光磁気ディスク装置が水平方向に対してスレッド軸延長方向を上向きにするように傾いたときに生じるトラッキングドライブ電圧とオフセット値を示す図であり、(c)は光磁気ディスク装置が水平方向に対してスレッド軸延長方向を下向きにするように傾いたときに生じるトラッキングドライブ電圧とオフセット値を示す図である。
【図5】磁気ヘッドのサイズに対するブラインド区間の幅、中立位置、及び誤差分を示す図である。
【図6】光磁気ディスク装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】光磁気ディスク装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】従来の光ディスクの構成を示す図である。
【図9】スレッドサーボの機構を示す図である。
【図10】(a)は、光磁気ディスク装置が水平状態のときの光ピックアップの様子を示す図である。(b)は、光ピックアップの自重ダレが発生する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 光磁気ディスク装置、 2 対物レンズ、 3 姿勢検出部、 4 トラッキングドライブ電圧監視部、 11 スピンドルモータ、 12 光ピックアップ、 13 2軸機構、 14 スレッドサーボ、 15 磁気ヘッド、 16 磁気ヘッド駆動機構、 17 RFアンプ、 18 サーボ制御部、 19 システムコントローラ、 31 ピークホールド回路、 32 ボトムホールド回路、 34 加算回路、 35 ローパスフィルタ、 36 減算回路、 37 比較回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドと、光磁気記録媒体表面に記録再生光を集光する対物レンズと、上記対物レンズが取り付けられた光ピックアップと、上記光ピックアップを光ディスクのトラックに垂直なトラッキング方向に移動させるスレッドサーボ機構と、上記光ピックアップ上で上記対物レンズをトラック方向に移動させるトラッキングサーボ機構とを備える光磁気ディスク装置において、
上記光ピックアップを水平状態とし、かつ上記トラッキングサーボ機構を駆動させるトラッキングドライブ電圧を0としたときのウォブリングプッシュプル信号の値を基準値として記憶する基準値記憶手段と、
上記ウォブリングプッシュプル信号が上記基準値記憶手段に記憶された基準値と同値を検出したときからトラッキングサーボ機構に印加されるトラッキングドライブ電圧を検出するトラッキングドライブ電圧検出手段と、
上記トラッキングドライブ電圧の最大値を検出するピークホールド検出手段と、
上記トラッキングドライブ電圧の最小値を検出するボトムホールド検出手段と、
上記最大値及び最小値からトラッキングドライブ電圧の平均値を算出する平均値算出手段と、
上記トラッキングドライブ電圧の平均値が所定の閾値を超えたか否かに応じて当該光磁気ディスク装置の姿勢変動を検出する姿勢変動検出手段と、
上記姿勢変動検出手段が姿勢変動を検出したとき上記スレッドサーボ機構を制御して上記光ピックアップを移動させ上記対物レンズを中立位置にセットする制御手段と
を備えることを特徴とする光磁気ディスク装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記磁気ヘッドの磁束領域内で上記対物レンズがトラッキングサーボ機構によって動作される領域の一部であるブラインド領域をカウントし、上記対物レンズがブラインド領域内にあって上記姿勢変動検出手段が姿勢変動を検出したときにはフラグを立て、上記対物レンズが上記ブラインド領域を脱したときに上記スレッドサーボ機構を制御して上記対物レンズを上記中立位置にセットすることを特徴とする請求項1記載の光磁気ディスク装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記対物レンズがブラインド領域外にあって上記姿勢変動検出手段が姿勢変動を検出したときには直ちにスレッドサーボ機構を制御して上記対物レンズを上記中立位置にセットすることを特徴とする請求項1記載の光磁気ディスク装置。
【請求項4】
上記ブラインド領域は、上記光ピックアップが上記光ディスクの最内周領域にあるとき、上記トラッキングドライブ電圧の最大値を検出する期間の略60%であることを特徴とする請求項3記載の光磁気ディスク装置。
【請求項5】
光磁気記録媒体表面に記録再生光を集光する対物レンズと、上記対物レンズが取り付けられた光ピックアップと、上記光ピックアップを光ディスクのトラックに垂直なトラッキング方向に移動させるスレッドサーボ機構と、上記光ピックアップ上で上記対物レンズをトラック方向に移動させるトラッキングサーボ機構とを備える光ピックアップの駆動制御方法において、
ウォブリングプッシュプル信号が上記光ピックアップを水平状態としかつ上記トラッキングサーボ機構を駆動させるトラッキングドライブ電圧を0としたときの基準値と同値を検出したときからトラッキングサーボ機構に印加されるトラッキングドライブ電圧の検出を開始し該トラッキングドライブ電圧の変位量を検出するトラッキングドライブ電圧監視工程と、
上記トラッキングドライブ電圧の最大値を検出するピークホールド検出工程と、
上記トラッキングドライブ電圧の最小値を検出するボトムホールド検出工程と、
上記最大値及び最小値からトラッキングドライブ電圧の平均値を算出する平均値算出工程と、
上記平均値が所定の閾値を超えたか否かに応じて光磁気ディスク装置の姿勢変動を検出する姿勢変動検出工程と、
上記姿勢変動検出工程において姿勢変動を検出したとき上記スレッドサーボ機構を制御して上記光ピックアップを移動させ上記対物レンズを中立位置にセットする駆動制御工程と
を有することを特徴とする光ピックアップの駆動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−172518(P2006−172518A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−359011(P2004−359011)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】