説明

光触媒塗布膜の製造方法及び光触媒部材

【課題】基材から剥離しにくい強固な光触媒塗布膜の提供。
【解決手段】光触媒の塗布液に有機ポリマービーズを添加し、この塗布液を基材に塗布した後に、これを焼成することにより前記基材に光触媒塗布膜を形成する。焼成過程における光触媒塗布膜の熱収縮が緩和され、光触媒塗布膜に亀裂構造が生じなくなる。前記焼成の温度は前記有機ポリマービーズの昇華温度以上の温度に設定するとよい。有機ポリマービーズの添加量は光触媒の重量に対して20〜90%にするとよい。前記有機ポリマービーズとしてはアクリルビーズが挙げられる。前記有機ポリマービーズとしては平均粒子経が1〜5μmのアクリルビーズが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気中や水中の有害物質の分解や抗菌・防汚などに利用される光触媒塗布膜の製造方法と前記光触媒塗布膜を有する光触媒部材に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化チタン光触媒は、空気中や水中の有害物質を分解する浄化作用や、抗菌作用、防汚作用を有することが知られている。
【0003】
光触媒の浄化作用は次の機構で発現することが知られている。半導体としての性質をもつ光触媒に、そのバンドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射すると価電子帯から伝導体に電子が励起され、電子―正孔対が生成する。これらが光触媒の表面に拡散して、表面吸着水と反応し、OHラジカルなどの活性酸素種が生成する。活性酸素種や正孔などが光触媒表面に吸着あるいは衝突した有害物資を分解する。酸化チタンのバンドギャップは約3.0eVであり、約400nm以下の波長の光を照射することで分解反応が進行する。
【0004】
光触媒による有害物質の分解反応は、光触媒表面あるいは表面近傍で進行する。そのため、分解速度を高めるには光触媒の表面積を多くして、有害物質の吸着量や接触効率を高める工夫が必要となる。
【0005】
ガラスやセラミックス、金属などの基材の表面に酸化チタン光触媒塗布膜する方法として、酸化チタンの前駆体であるチタンアルコキシドや有機酸チタン、過酸化チタン、塩化チタンなどのチタン塩などの溶液を塗布し、焼き付ける方法や、酸化チタン粉末あるいはそれを溶媒に分散化させたゾルとバインダ成分を混合した溶液を塗布し、乾燥または焼結する方法などがある。
【0006】
ガラスやセラミックス、金属などの基材の表面に酸化チタン光触媒塗布膜する場合に、光触媒塗布量を大きくし厚膜化することで、比表面積を大きくし、分解速度を高めることができる。チタンアルコキシドの溶液を利用して酸化チタン光触媒の塗布膜を作成する場合には、光の浸透深さの限界との関係から、膜厚1μm程度のまでは、膜厚を増やすことで分解速度を向上させることができる(非特許文献1)。
【0007】
ところが、チタンアルコキシド溶液の焼き付けや、酸化チタンゾルとバインダ成分を混合した溶液などの焼結過程では、溶媒の蒸発や焼結成分の縮合反応によって塗布膜の熱収縮が起こり、塗布膜を厚くすると熱収縮が大きくなり、塗布膜が基材から剥離してしまう問題が生じる。例えば、非特許文献2によると記載の金属アルコキシドから作成した塗布膜ではコート膜に多数の亀裂が観察され、乾燥または熱処理過程で熱収縮が生じることが報告されている。このような方法で一回の焼結で厚膜を形成させる場合には、焼結過程での熱収縮が大きくなり、塗布膜が基材から剥離する問題が生じる。
【0008】
また、特許文献1には光触媒反応に必要な波長の光を透過する細孔を付与する光触媒が開示されているが前記光触媒の表面にはやはり塗布膜の亀裂現象が認められ、これを解決するための検討がなされていない。
【非特許文献1】橋本和仁、藤嶋昭,「酸化チタン光触媒のすべて」,1998年7月,シーエムシー出版
【非特許文献2】会報光触媒, Vol.18,pp.196,2005年
【特許文献1】特開2006−231113
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みなされたものでその目的は基材から剥離しにくい強固な光触媒塗布膜とこれを備えた部材の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の光触媒塗布膜の製造方法は、光触媒の塗布液に有機ポリマービーズを添加し、この塗布液を基材に塗布した後に、これを焼成することにより前記基材に光触媒塗布膜を形成することを特徴とする。
【0011】
請求項2の光触媒塗布膜の製造方法は、請求項1の光触媒塗布膜の製造方法において、前記焼成の温度は前記有機ポリマービーズの昇華温度以上の温度であることを特徴とする。
【0012】
請求項3の光触媒塗布膜の製造方法は、請求項1または2の光触媒塗布膜の製造方法において、有機ポリマービーズの添加量が光触媒の重量に対して20〜90%であることを特徴とする。
【0013】
請求項4の光触媒塗布膜の製造方法は、請求項1から3のいずれかの光触媒塗布膜の製造方法において、有機ポリマービーズがアクリルビーズであることを特徴とする。
【0014】
請求項5の光触媒部材は、光触媒の塗布液に有機ポリマービーズを添加し、この塗布液を基材に塗布した後に、これを焼成することにより前記基材に光触媒塗布膜が形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項1〜5の発明によれば、光触媒の塗布液に有機ポリマービーズが添加されることにより、焼成過程における光触媒塗布膜の熱収縮が緩和され、光触媒塗布膜に亀裂構造が生じなくなり基材からの光触媒塗布膜の剥離現象が起こりにくくなる。
【0016】
特に、請求項2の発明のように前記焼成の温度が前記有機ポリマービーズの昇華温度以上の温度に設定されることで、前記有機ポリマービーズに由来する有機成分がほぼ消失し、残留有機物による分解反応の阻害がなくなり、高い光触媒性能を有した光触媒塗布膜が得られる。
【0017】
また、請求項3の発明のように前記有機ポリマービーズの添加量は光触媒の重量に対して20〜90%に設定されることで、光触媒塗布膜にミクロ孔が形成されて熱収縮が緩和されるので光触媒塗布膜の剥離が防止される。
【発明の効果】
【0018】
以上の発明によれば光触媒の塗布液に有機ポリマービーズが添加されることにより焼成過程における光触媒塗布膜の熱収縮が緩和されるので、亀裂構造が生じなくなり基材から剥離しにくい強固な光触媒塗布膜が得られる。
【0019】
特に、請求項2の発明によれば、前記有機ポリマービーズの昇華温度以上の温度で焼成されることで前記有機ポリマービーズに由来する有機成分がほぼ消失し残留有機物による分解反応の阻害がなくなるので、基材から剥離しにくい効果に加えて高い光触媒性能を有した光触媒塗布膜が得られる。
【0020】
また、請求項3の発明によれば光触媒塗布膜にミクロ孔が形成されて熱収縮が緩和されるので、光触媒塗布膜の剥離防止の効果が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、光触媒の塗布液中にミクロサイズの有機ポリマービーズ゛を適量混合させることにより、溶媒の蒸発や含有成分間の縮合反応による塗布膜の熱収縮を緩和することができ、基材に強固に結合した亀裂のない光触媒塗布膜を作成できることを見いだし、課題を解決するに至った。
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
本発明の光触媒塗布膜の製造方法によると光触媒結晶粒子とバインダ成分を含む混合液に有機ポリマービーズを添加した光触媒塗布液を基材に塗布した後に熱処理して基材に光触媒を固着する。前記熱処理の温度は例えば有機ポリマービーズ゛の昇華温度以上の温度に設定される。前記有機ポリマービーズとしては例えば平均粒子経1〜5μmがもの挙げられる。前記有機ポリマービーズは例えば光触媒結晶粒子とバインダ成分の合計重量に対して20〜90%の重量比で添加される。
【0024】
本発明に用いられる光触媒としては、ルチル型、ブルックカイト型の酸化チタン、酸化チタンに窒素や硫黄をドープした可視光応答型光触媒、アナターゼ型酸化チタンに酸素欠陥を導入した可視光応答型光触媒などが例示され、光触媒の種類は限定されない。これら光触媒の結晶粒子が分散したゾル液または結晶粒子が結合した凝集体を分散化させたスラリー液を塗布液の原料に利用することができ、結晶粒子の代わりに金属アルコキシドなどの光触媒の前駆体成分を含む原料溶液を利用することもできる。結晶粒子を分散したゾル液と凝集体を分散化させたスラリー液、前駆体成分を含む原料溶液の少なくとも2種を混合して利用することもできる。
【0025】
前記バインダ成分は光触媒の結晶粒子を接着して膜強度を高めるためのものである。具体的なバインダ成分としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランのシリカ化合物や四塩化チタン、過酸化チタン、燐酸チタン、シュウ酸チタニルアンモニウム、アモルファスチタン、含水酸化チタンの少なくとも一種以上を含むチタニア化合物及びこれらのチタニア化合物と結晶性酸化チタンの混合物が挙げられる。酸化チタン光触媒の結晶粒子を接着する目的で使用するバインダ液は、熱処理によって結晶化酸化チタンに転移するもの、すなわち過酸化チタン、燐酸チタン、アモルファスチタン、含水酸化チタンの少なくとも一種以上を含むチタニア化合物およびこれらのチタニア化合物と結晶性酸化チタンの混合物がより好ましい。このようなバインダ成分を用いた場合には、バインダ成分が酸化チタン光触媒表面を被覆して不活性化するのを防ぐことができる。また、前駆体成分を含む原料溶液を光触媒原料として利用し、バインダ成分を添加しなくても接着性の高い膜を形成できる場合には、バインダ成分を省くこともできる。
【0026】
また、光触媒塗布液が基材に塗布され、熱処理されたときに塗布膜が熱収縮して基材から剥離するのを防ぐために、光触媒結晶粒子とバインダ成分を混合液した光触媒塗布液にさらに有機ポリマービーズが添加される。
【0027】
前記有機ポリマービーズとしては、発泡樹脂や発泡済みの発泡樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、セルロース誘導体、パラフィンより少なくとも一種が例示される。これらの物性は特に限定しないが、ミクロンオーダーの厚膜形成において、熱収縮を効果的に緩和するためたには、平均粒子経1〜5μm程度のサブミクロンからミクロンオーダーの径の有機ポリマービーズを使用することが好ましい。
【0028】
光触媒結晶粒子とバインダ成分を含む混合液に有機ポリマービーズを添加して、光触媒塗布液を調製する。必要に応じて塗布液に増粘剤を添加して利用することもできる。
【0029】
光触媒塗布液を基材に塗布した後、所定の温度と時間で熱処理する。熱処理によって光触媒粒子やバインダ成分が固着し、強固な膜を形成させることができる。同時に、熱処理によって有機ポリマービーズを昇華させ有機ポリマービーズ由来の有機成分の残留しないようにすることが必要となる。有機成分が残留した場合には光触媒反応の阻害が起こる。従って、熱処理条件は、光触媒粒子やバインダ成分が固着し、且つ有機ポリマービーズが昇華する条件に適切に設定する必要がある。熱処理中に、光触媒塗布液中に含まれる溶媒の蒸発や含有成分間の縮合反応によって塗布膜の収縮が起きるが、有機ポリマービーズが昇華する際にサブミクロンからミクロンオーダーの細孔が形成し、収縮を緩和する作用が働くので、塗布膜の収縮による亀裂構造の形成や基材からの剥離を防止することができる。結果として、基材に強固に結合した光触媒塗布膜を作製することが可能となる。
【0030】
次に、以上述べた発明の詳細について実施例を挙げて説明するが、本発明はその実施例によって限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
酸化チタン(結晶粒子サイズ6nm)のゾル液(テイカ(株),TKS−203)とシュウ酸チタニルアンモニウム溶液を容積比2:1で混合し、酸化チタン換算で固形分濃度10%の光触媒塗布液を得た。これに、アクリルビーズ(松本油脂製薬(株),M−201,平均粒子経1〜5μm)を酸化チタン含有量に対して20%(重量比)の割合で添加した。得られた塗布液を用いて、50×50×t1.2mmのガラス板にディップコート法により塗布し、500℃、20分の条件で焼成処理して、光触媒塗布ガラス板を得た。
【0032】
(実施例2)
実施例1の発泡済み発泡樹脂の添加量を50%(重量比)に置き換えた以外は実施例1と同じ製造法で光触媒塗布ガラス板を得た。
【0033】
(実施例3)
実施例2と同様の条件で光触媒塗布液を調製し、得られた塗布液を用いて180×180×t20mmのセラミック発泡体にディップコート法により塗布し、480℃、20分の条件で焼成処理して、セラミック発泡体に光触媒を塗布した光触媒フィルタを得た。
【0034】
(実施例4)
実施例3の焼成処理における温度を500℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0035】
(実施例5)
実施例3の焼成処理における温度を550℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0036】
(実施例6)
実施例3の焼成処理における温度を600℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0037】
(実施例7)
実施例2の焼成処理における温度を700℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0038】
(比較例1)
実施例1の発泡済み発泡樹脂の添加量を6%(重量比)に置き換えた以外は実施例1と同じ製造法で光触媒塗布ガラス板を得た。
【0039】
(比較例2)
実施例2の発泡済み発泡樹脂の添加量を100%(重量比)に置き換えた以外は実施例1と同じ製造法で光触媒塗布ガラス板を得た。
【0040】
(比較例3)
実施例3の焼成処理における温度を300℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0041】
(比較例4)
実施例3の焼成処理における温度を400℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0042】
(比較例5)
実施例3の焼成処理における温度を450℃に置き換えた以外は実施例2と同じ製造法で光触媒フィルタを得た。
【0043】
(塗布膜の形態観察の結果)
図1は実施例1で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜についてSEM(走査型電子顕微鏡)で表面の形態を観察した結果である。図2は実施例2で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜についてSEMで表面の形態を観察した結果である。図3は比較例1で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜についてSEMで表面の形態を観察した結果である。図4は比較例2で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜についてSEMで表面の形態を観察した結果である。
【0044】
図1及び図2から明らかなようにアクリルビーズの添加量を20%とした実施例1の光触媒塗布膜と、添加量を50%とした実施例2の光触媒塗布膜では、アクリルビーズが昇華した後にミクロオーダーの孔が多数形成されていることがわかる。アクリルビーズの添加量が6%と少ない比較例1の場合には、ミクロ孔の数が少なくなっているが、膜に大きな亀裂構造が生じていることがわかる。実施例1や実施例2では、比較例1に見られるような亀裂構造は観察されなかった。図3に示された比較例1の膜の形態では膜に部分的な剥離が観察されたが、実施例1、実施例2ではそのような剥離は観察されなかった。これらのことから、アクリルビーズを20%以上添加することで、ミクロ孔の形成による熱収縮を緩和することができ、結果として塗布膜の剥離を防止することができた(表1)。
【0045】
【表1】

【0046】
比較例2は、実施例2よりもさらにアクリルビーズの添加量を多くした場合であるが、図4のSEM写真からミクロ孔の構造はみられず、膜全体が粗い表面になっていることがわかる。比較例2でも、実施例1や実施例2のように熱収縮による亀裂構造の形成を防止できているが、粒子が積層したような膜構造に変化し、バインダ成分による光触媒粒子の結合が破壊されている。このことから、光触媒粒子の結合を保ちながら熱収縮による亀裂構造の形成を阻害するには、アクリルビーズの添加量を20〜90%の適量に設定することが必要であることが明らかとなった。
【0047】
(ガス分解速度の測定結果)
実施例3〜7、比較例3〜5で作製した光触媒フィルタを用いて、硫化水素の分解試験を行った。有効容積1m3のアクリル製試験室に硫化水素ガスを初期濃度約1200ppbvとなるよう注入し、光強度1mW/cm2の条件で光照射しながら光触媒コートセラミック発泡体に通気した。試験室中の硫化水素濃度を連続測定し、擬一次反応で近似して浄化速度を求めた。その結果を図5に示した。
【0048】
図5は硫化水素の浄化速度、炭素残存量と焼成温度の関係を示す。この特性図には光触媒塗布膜中の炭素(C)残存量をSEM−EDS分析(走査型電子顕微鏡・エネルギー分散型X線分析)で調べた結果も示されている。
【0049】
比較例3〜比較例5のように焼成温度450℃以下では分解速度が低いのに対して、実施例3〜実施例7のような焼成温度480℃以上では高い分解速度が得られていることがわかる。焼成温度480〜700℃の範囲では分解速度に顕著な差は見られなかった。光触媒塗布膜の炭素残存量をEDSで調べた結果では、500℃で0.4wt%でわずかに残留が見られ、600℃以上の焼成では定量下限値以下となった。これらの結果から、480℃以上の焼成で、アクリルビーズ等に由来する有機成分がほぼ消失し、残留有機物による分解反応の阻害がなくなるために、高い光触媒性能が得られたと考えられた。このことから、光触媒塗布液にアクリルビーズを添加することで熱収縮による亀裂構造の形成を阻害して膜剥離を防止することができるが、同時に高い光触媒性能を得るには有機ポリマービーズの昇華温度以上の温度で焼成することが必要であることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜について、SEMで表面の形態を観察した結果。
【図2】実施例2で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜について、SEMで表面の形態を観察した結果。
【図3】比較例1で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜について、SEMで表面の形態を観察した結果。
【図4】比較例2で得た光触媒塗布ガラス板上の光触媒塗布膜について、SEMで表面の形態を観察した結果。
【図5】硫化水素の浄化速度、炭素残存量と焼成温度の関係を示した特性図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒の塗布液に有機ポリマービーズを添加し、この塗布液を基材に塗布した後に、これを焼成することにより前記基材に光触媒塗布膜を形成することを特徴とする光触媒塗布膜の製造方法。
【請求項2】
前記焼成の温度は前記有機ポリマービーズの昇華温度以上の温度であることを特徴とする請求項1に記載の光触媒塗布膜の製造方法。
【請求項3】
有機ポリマービーズの添加量が光触媒の重量に対して20〜90%であることを特徴とする請求項1または2に記載の光触媒塗布膜の製造方法。
【請求項4】
有機ポリマービーズがアクリルビーズであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光触媒塗布膜の製造方法。
【請求項5】
光触媒の塗布液に有機ポリマービーズを添加し、この塗布液を基材に塗布した後に、これを焼成することにより前記基材に光触媒塗布膜が形成されたことを特徴とする光触媒部材。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−142659(P2008−142659A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334538(P2006−334538)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】