説明

光記録媒体、光記録媒体再生装置、及び光記録媒体記録装置

【課題】複数の記録層を有する光記録媒体の各記録層へのフォーカス引き込み動作を迅速にすることである。
【解決手段】本発明にかかる光記録媒体再生装置は、複数の記録層が積層された光記録媒体50の記録層にレーザ光15を収束する収束部14と、記録層で反射された反射光に基づき記録層の記録密度に対応した再生クロックを生成する再生クロック生成部21と、生成された再生クロックのクロック周波数に基づきレーザ光15が収束されている記録層を特定する記録層特定部22と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録媒体、光記録媒体再生装置、及び光記録媒体記録装置に関し、特に複数の記録層を有する光記録媒体、及びこの光記録媒体の再生装置、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDに代表される光記録媒体を用いた光記録媒体記録/再生装置は、映像や音声の記録/再生や情報処理装置のデータの記録/再生などに広く用いられている。特に近年では、光記録媒体の記憶容量を増加させるために、複数の記録層を備えた光記録媒体が実用化されている。このような複数の記録層を備えた光記録媒体に記録されたデータを再生する場合や、光記録媒体にデータを記録する際は、光記録媒体に照射されているレーザ光の焦点を対象となる記録層に合わせる必要がある。つまり、フォーカス引き込みの動作が必要となる。
【0003】
特許文献1には、光記録媒体が有する複数の記録層のうち、対象となる記録層に焦点を合わせる技術が開示されている。図9は特許文献1に開示されている光記録媒体の各記録層に焦点を合わせる技術を説明するための図である。図9(a)は、レーザ光と光記録媒体の位置関係(UP/DOWN)と、このときのフォーカスエラー信号(FE信号)を示している。ここで、UPはレーザ光が光記録媒体に近づく場合、DOWNはレーザ光が光記録媒体から離れる場合である。また、図9(b)は、レーザ光(CDのビーム101、DVDのビーム102)と光記録媒体の記録層(1層目L0、2層目L1)との位置関係を示す図である。このとき、図9(b)の各レーザ光の位置に示した符号(A、B、C等)は、図9(a)のFE信号に付した符号と対応している。
【0004】
特許文献1にかかる技術では、複数の記録層(1層目L0、2層目L1)の位置情報を取得するために、次のような方法を用いている。まず、レーザ光の位置を光記録媒体から最も離れた最離間点Aに移動する。この位置では、レーザ光の焦点は光記録媒体に合っていない。次に、レーザ光の位置をBに移動する。この位置では、CDのビーム101の焦点が光記録媒体の表面に達し、表面の保護膜のS字が検出される。次に、レーザ光の位置をCに移動する。この位置では、CDのビーム101の焦点が光記録媒体の第1層目の記録層に到達し、第1層目の記録層のS字(P1)が検出される。次に、レーザ光の位置をDに移動する。この位置では、CDのビーム101の焦点が光記録媒体の第2層目の記録層に到達し、第2層目の記録層のS字(P2)が検出される。
【0005】
次に、レーザ光の位置をEに移動する。この位置では、DVDのビーム102の焦点が光記録媒体の表面に達し、表面の保護膜のS字が検出される。次に、レーザ光の位置をFに移動する。この位置では、DVDのビーム102の焦点が光記録媒体の第1層目の記録層に到達し、第1層目の記録層のS字(Q1)が検出される。次に、レーザ光の位置をGに移動する。この位置では、DVDのビーム102の焦点が光記録媒体の第2層目の記録層に到達し、第2層目の記録層のS字(Q2)が検出される。次に、レーザ光の位置を光記録媒体と最も近接した点である最近接点Hに移動する。この位置では、レーザ光の焦点は光記録媒体の記録層に合っていない。
【0006】
そして再びレーザ光の位置を最近接点であるHから最離間点Aに移動し、CDのビーム101、DVDのビーム102の焦点が光記録媒体の各記録層に合った時に発生するS字を検出している。
【0007】
このように、特許文献1にかかるフォーカス引き込み動作では、レーザ光を最離間点Aから最近接点Hに移動した後、再度最離間点Aまで離間してS字の振幅を計測し焦点の位置(各記録層の位置)を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−326123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1のように焦点の位置を調べるためにレーザ光を光記録媒体からの最離間点Aまで遠ざけたり、また、最近接点Hまで近づけたりすると、フォーカス引き込みに時間がかかるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる光記録媒体は、複数の記録層が積層された光記録媒体であって、前記各々の記録層はそれぞれ異なる記録密度で情報が記録されている。このように、各記録層の記録密度が異なる光記録媒体を用いることで各記録層を特定することができ、各記録層へのフォーカス引き込み動作を迅速にすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる光記録媒体再生装置は、複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束する収束部と、前記記録層で反射された反射光に基づき前記記録層の記録密度に対応した再生クロックを生成する再生クロック生成部と、前記生成された再生クロックのクロック周波数に基づき前記レーザ光が収束されている記録層を特定する記録層特定部と、を有する。このように、各記録層の記録密度に対応した再生クロックに基づきレーザ光が収束されている記録層を特定することができるので、光記録媒体の各記録層へのフォーカス引き込み動作を迅速にすることができる。
【0012】
また、本発明にかかる光記録媒体記録装置は、複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束する収束部と、前記記録層で反射された反射光に基づき、前記レーザ光が収束されている記録層を検出する記録層検出部と、前記検出された記録層に対応した記録密度となるようなクロックを生成するクロック生成部と、前記検出された記録層に情報を書き込む際に、前記クロック生成部で生成されたクロックでレーザ光を駆動する光源駆動部と、を有する。このように、各記録層に応じた記録密度となるようなクロックでレーザ光を駆動することで、各記録層の記録密度が異なる光記録媒体の作製が可能となる。
【0013】
また、本発明にかかる光記録媒体の再生方法は、複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束し、前記記録層で反射された反射光に基づき前記記録層の記録密度に対応した再生クロックを生成し、前記生成された再生クロックのクロック周波数に基づき前記レーザ光が収束されている記録層を特定する。このように、各記録層の記録密度に対応した再生クロックに基づきレーザ光が収束されている記録層を特定することができるので、光記録媒体の各記録層へのフォーカス引き込み動作を迅速にすることができる。
【0014】
また、本発明にかかる光記録媒体の記録方法は、複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束し、前記記録層で反射された反射光に基づき、前記レーザ光が収束されている記録層を検出し、前記検出された記録層に対応する記録密度となるようなクロックを生成し、前記生成されたクロックでレーザ光を駆動し、前記検出された記録層に情報を書き込む。このように、各記録層に応じた記録密度となるようなクロックでレーザ光を駆動することで、各記録層の記録密度が異なる光記録媒体の作製が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、複数の記録層を有する光記録媒体の各記録層へのフォーカス引き込み動作を迅速にすることができる光記録媒体、光記録媒体再生装置、及び光記録媒体記録装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1にかかる光記録媒体再生装置を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる光記録媒体を示す断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる光記録媒体再生装置の動作原理を説明するための図である。
【図4】実施の形態1にかかる光記録媒体再生装置を構成する信号処理部の一例を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1にかかる光記録媒体再生装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施の形態1にかかる光記録媒体再生装置のフォーカス引き込み動作を説明するための図である。
【図7】実施の形態2にかかる光記録媒体記録装置を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2にかかる光記録媒体記録装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】背景技術を説明するための図である。(a)は、レーザ光と光記録媒体の位置関係(UP/DOWN)と、このときのフォーカスエラー信号(FE信号)を示す図である。(b)は、レーザ光と光記録媒体の記録層との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置を示すブロック図である。また、図2は本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置に用いられる光記録媒体を示す断面図である。まず、図2に示す光記録媒体について説明する。図2に示す光記録媒体は、ディスク基板51上に積層された第1の記録層52、第2の記録層53、第3の記録層54を備える。第1の記録層52と第2の記録層53との間にはスペーサ層56が形成されており、また、第2の記録層53と第3の記録層54との間にはスペーサ層57が形成されている。また、第1の記録層52上には保護層55が形成されている。
【0018】
本実施の形態にかかる光記録媒体の各々の記録層52、53、54はそれぞれ異なる記録密度で情報が記録される。そして、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置では、各記録層52、53、54の記録密度の違いから、各記録層52、53、54のうちレーザ光が収束されている記録層、つまり、情報を再生している記録層を識別している。ここで、記録密度とは単位面積当たりの情報量であり、各記録層52、53、54に記録されている情報量に対応する。また、記録密度は記録線密度で表すこともできる。この場合、記録線密度とは単位長さ当たりの情報量であり、単位時間にレーザ光が通過する長さ当たりの情報量である。
【0019】
また、上記の記録密度や記録線密度は記録層に形成されているピットの単位ピット長(つまり最短のピット長)と関連しており、単位ピット長が長くなると記録密度や記録線密度は低下し、単位ピット長が短くなると記録密度や記録線密度は増加する。
本実施の形態にかかる光記録媒体では、異なる単位ピット長で各記録層52、53、54に情報を記録している。そして、光記録媒体再生装置で各記録層52、53、54に形成された単位ピット長を測定し、この測定結果に基づいて再生している記録層を識別している。本実施の形態において、単位ピット長の測定にはピット長に応じて生成される再生クロックが用いられる。
【0020】
また、各記録層52、53、54の記録密度は各記録層で異なっていればよく、記録密度の高い記録層や記録密度の低い記録層の位置は特に限定されることはない。また、図2では例として記録層が3層の光記録媒体を示したが、光記録媒体の記録層は2層以上であればよい。
【0021】
次に、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置について図1を用いて説明する。本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置は、複数の記録層が積層された光記録媒体50の記録層にレーザ光15を収束する収束部14と、記録層で反射された反射光に基づき記録層の記録密度に対応した再生クロックを生成する再生クロック生成部21と、生成された再生クロックのクロック周波数に基づきレーザ光が収束されている記録層を特定する記録層特定部22と、を少なくとも有する。以下、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置について詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置は、光学ピックアップ1、信号処理部2、システム制御回路3、スピンドルモータ駆動回路4、スピンドルモータ8、光源駆動回路5、光学ピックアップ駆動回路6、スレッドモータ駆動回路7、スレッドモータ9、ガイドレール12、ターンテーブル10を有する。
【0023】
光学ピックアップ1は、光記録媒体50のトラックにアクセスし、信号の読み取りを行なう。光学ピックアップ1は、レーザ光15を照射する光源13と、光源から照射されたレーザ光15を収束し、光記録媒体50の各記録層に焦点を合わせる収束部14を有する。また、光学ピックアップ1は、トラッキング機構や光検出器を備えている(不図示)。
【0024】
光源13は光源駆動回路5を介してシステム制御回路3により発光・消光が制御される。また、光学ピックアップ1が備える収束部14やトラッキング機構(不図示)は光学ピックアップ駆動回路6を介してシステム制御回路3により制御される。
【0025】
光記録媒体50はスピンドルモータ8の回転軸に結合されているターンテーブル10に設置され、スピンドルモータ8を用いて回転される。スピンドルモータ8は例えばDCモータで構成され、スピンドルモータ駆動回路4を介してシステム制御回路3により制御される。スレッドモータ9は、システム制御回路3によりスレッドモータ駆動回路7を介して駆動制御され、光学ピックアップ1をガイドレール12に沿って光記録媒体50の半径方向に移動する。スレッドモータ9には、例えばステッピングモータを用いることができる。
【0026】
信号処理部2は、光ピックアップ1が備える光検出器(不図示)から出力された信号を入力する。再生クロック生成部21は、光記録媒体の記録層で反射された反射光に基づき記録層の記録密度(単位ピット長)に対応した再生クロックを生成する。再生クロックの生成については後で詳細に説明する。また、記録層特定部22は、生成された再生クロックに基づきレーザ光が収束されている記録層を特定する。例えば、記録層特定部22は、再生クロックと記録層とを対応づけたテーブルを予めメモリ(不図示)に格納しておき、再生クロック生成部21で生成された再生クロックを入力し、このテーブルを参照して記録層を特定することができる。特定された記録層の情報は、システム制御回路3に出力される。
【0027】
また、信号処理部2は光検出器から出力された信号に基づき再生データを生成し出力する。また、信号処理部2は光検出器から出力された信号に基づきトラッキング信号を生成し、システム制御回路3に出力する。システム制御回路3は、トラッキング信号に基づいて光学ピックアップ駆動回路6を制御し、光学ピックアップ1を駆動する。
【0028】
図4は、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置の信号処理部2の一例を示すブロック図である。図4に示す信号処理部2は、RF信号の周波数特性を補正するイコライザ(EQ)23、RF信号の帯域を制限するフィルタ(FLT)24、RF信号のレベルを正規化するAGC(Automatic Gain Control)25、再生クロックを生成するPLL26、ビタビ検出器27、周波数弁別器28を有する。図4に示すように、信号処理部2に入力されたRF信号は、再生データ生成部、つまりEQ23、FLT24、AGC25、PLL26、ビタビ検出器27で処理されて再生データが生成される。また、信号処理部2に入力されたRF信号は、EQ23、FLT24、AGC25、PLL26、周波数弁別器28で処理されて層番号信号が生成される。
【0029】
次に、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置の動作原理について図3を用いて説明する。図3(a)〜図3(c)は、光記録媒体の記録層に形成されているピット長と、これにより生成されるデータパルス、このデータパルスにより生成される再生クロックの関係を示している。この場合、図3(a)〜図3(c)では、同一のデータ量のデータが記録層に記録されている。
【0030】
図3(a)〜図3(c)では、同一の部分にピットが形成されているが、光記録媒体の記録層に形成されているピットの単位ピット長が異なる。つまり、図3(a)ではピット71のピット長は2Tであり、図3(b)ではピット72のピット長は2T'であり、図3(c)ではピット73のピット長は2T''である。このとき、T<T'<T''の関係があるので、単位ピット長も図3(a)の単位ピット長、図3(b)の単位ピット長、図3(c)の単位ピット長の順に長くなる。そして、図3(a)の単位ピット長は最も短いので、記録密度(記録線密度)は最も大きい。逆に、図3(c)の単位ピット長は最も長いので、記録密度(記録線密度)は最も小さい。
【0031】
図3(a)に示すように、光記録媒体再生装置の信号処理回路2は、光記録媒体の記録層に形成されたピットに基づいてデータパルス信号を生成する。図3(a)に示すデータパルス信号は、ピットが形成されている部分でアクティブ状態となり、ピットが形成されていない部分で非アクティブ状態となる。なお、ピットが形成されている部分で非アクティブ状態となり、ピットが形成されていない部分でアクティブ状態となるように構成してもよい。
【0032】
そして、本実施の形態にかかる信号処理回路2が備える再生クロック生成部21は、データパルス信号から再生クロックを生成する。このようにして、光記録媒体の記録層に形成されたピットに基づいて再生クロックが生成される。図3(b)と図3(c)の場合も同様に再生クロックが生成される。
【0033】
図3(a)〜図3(c)に示すように、生成された再生クロックの周波数は、それぞれの記録層の単位ピット長に対応している。つまり、単位ピット長は図3(a)、図3(b)、図3(c)の順に長くなり、これに対応して再生クロックの周波数が、図3(a)、図3(b)、図3(c)の順に小さくなる。この場合、記録密度が最も大きい図3(a)の場合に再生クロックの周波数が最も大きく、記録密度が最も小さい図3(c)の場合に再生クロックの周波数が最も小さくなる。
【0034】
そして、本実施の形態にかかる信号処理回路2が備える記録層特定部22は、この再生クロックの周波数に基づいて、レーザ光が収束されている記録層を特定する。
【0035】
尚、記録層を特定する際に、所定のデータ量のデータを読み込むのにかかる時間を用いてもよい。例えば、図3(a)〜図3(c)では同一のデータ長(14T)のデータが記録層に形成されている場合を示すが、これらのデータを読み込むのに、図3(a)の場合はt5、図3(a)の場合はt5'、図3(a)の場合はt5''の時間を要する。よって、これらの時間を測定することで、各記録層を特定することができる。
【0036】
次に、図1、図5を用いて本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置の記録層特定処理の動作について説明する。図5は、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置の動作を示すフローチャートである。まず、光記録媒体50をターンテーブルに設置した後、スピンドルモータ8を駆動し、光記録媒体50を回転させる(ステップS1)。次に、光源13を駆動しレーザ光15を光記録媒体50に照射する(ステップS2)。次に、光記録媒体50からの反射光を光検出器(不図示)で検出し、第1の記録層52、第2の記録層53、第3の記録層54うちのいずれかの記録層の信号を検出したか判断する(ステップS3)。記録層の信号の検出は、例えば光検出器で反射光を検出したか否かで判断することができる。記録層の信号が検出されない場合は、レーザ光のフォーカス位置を調整し(ステップS4)、再度記録層の信号を検出したか判断する(ステップS3)。ステップS3とステップS4の動作は、記録層の信号が検出されるまで繰り返される。
【0037】
記録層の信号が検出された場合、再生クロック生成部21は検出された記録層の信号に基づいて再生クロックを生成する(ステップS5)。ここで、ステップS3における記録層の信号の検出は、再生クロック生成部21で再生クロックが生成されたか否かで判断してもよい。次に、記録層特定部22は生成された再生クロックに基づきレーザ光が収束されている記録層を特定する(ステップS6)。
【0038】
次に、レーザ光のフォーカス位置を調整する処理(図5のステップS4)について図6を用いて説明する。図6は光記録媒体50の各記録層52、53、54とレーザ光15の焦点16との位置関係を説明するための図である。図6において、位置61は保護層55の表面、位置62は第1の記録層52と焦点が合う位置、位置63は第2の記録層53と焦点が合う位置、位置64は第3の記録層54と焦点が合う位置である。
【0039】
レーザ光15の焦点16の位置が図6に示す位置62の場合(B)、レーザ光15は第1の記録層52に収束されている。また、レーザ光15の焦点16の位置が位置63の場合(D)、レーザ光15は第2の記録層53に収束されている。また、レーザ光15の焦点16の位置が位置64の場合(F)、レーザ光15は第3の記録層54に収束されている。このような場合、図5に示すステップS3において、記録層の信号が検出される。
【0040】
一方、レーザ光15の焦点16の位置が位置61と位置62の間にある場合(A)、記録層の信号が検出されない。この場合は、レーザ光15の焦点16の位置を位置62に移動する必要がある。同様に、レーザ光15の焦点16の位置が位置62と位置63の間にある場合(C)、レーザ光15の焦点16の位置を位置62または位置63に移動する必要がある。同様に、レーザ光15の焦点16の位置が位置63と位置64の間にある場合(E)、レーザ光15の焦点16の位置を位置63または位置64に移動する必要がある。
【0041】
例えば、レーザ光15の焦点16の位置が位置62と位置63の間にある場合(C)やレーザ光15の焦点16の位置が位置63と位置64の間にある場合(E)、記録層の焦点位置にレーザ光15の焦点16の位置を合わせるには、各記録層の間隔d以内の距離だけ焦点位置を上下に移動すればよい。このように、初期状態でレーザ光15の焦点16の位置が、位置62(つまり、最外面の記録層の位置)から位置64(つまり、最内面の記録層の位置)の間となるように予め設定することで、各記録層に焦点を合わせるために必要な焦点の移動距離を、各記録層の間隔d以内とすることができる。
【0042】
また、例えば第1の記録層52にレーザ光を収束しようとした場合であっても、レーザ光の初期位置によっては他の記録層(例えば、第2の記録層53)にレーザ光が収束する場合もある。この場合、図1の信号処理部2は第2の記録層53を特定したことを示す信号をシステム制御回路3に出力する。システム制御回路3はレーザ光が収束されている記録層が第1の記録層でないと判断する。そして、システム制御回路3は第1の記録層にレーザ光が収束されるように、収束部14を制御する(フォーカスジャンプ)。この場合、例えば各記録層の間隔dに関する情報を予めメモリ等に格納しておくことで、システム制御回路3は第2の記録層から第1の記録層へ移動する際に距離dだけレーザ光の収束位置を下方向へ移動するように収束部14を制御することができる。
【0043】
同様に各記録層の間隔dに関する情報を予めメモリ等に格納することで、各記録層へレーザ光の焦点を移動するために必要な移動距離を推定することができ、例えば第1の記録層から第3の記録層へ瞬時に移動することが可能となる。
【0044】
また、本実施の形態にかかる発明は、例えばCLV(Constant Linear Velocity)フォーマットやCAV(Constant Angular Velocity)フォーマットの光記録媒体に用いることができる。ここで、CLVフォーマットは、光記録媒体の半径位置に応じて光記録媒体を回転させているスピンドルモータの回転数を変化させ、再生トラックの読取り線速度が一定となるように制御する方式であり、同一記録層の記録周波数は内周部分と外周部分で同一となる。一方、CAVフォーマットは、光記録媒体を一定の角速度で回転させる方式であり、光記録媒体の回転速度が常に一定であるため、同一記録層の記録周波数は内周部分に比べて外周部分で高くなる。
【0045】
CLVフォーマット、CAVフォーマットの光記録媒体のいずれにおいても、実質的に読み出されるデータパルスは、図3(a)〜図3(c)に示すようになる。本実施の形態にかかる発明では、各記録層のデータパルスから得られる再生クロックが異なれば各記録層を特定できるので、実際に記録層に形成されるピットの形状は各フォーマットで異なっていてもよい。
【0046】
例えば、CAVフォーマットでは、データパルスが同一となるピットのピット長は、内周部分では短く、外周部分では長くなり、内周部分に比べて外周部分の記録密度が低くなる。
【0047】
また、本実施の形態にかかる発明では、記録層特定部22は記録層を特定する際に、スピンドルモータ8の回転数(回転速度でもよい)の情報を用いてもよい。スピンドルモータ8の回転数の情報は、回転数検出部(不図示)を用いて検出することができる。図3(a)〜図3(c)で説明したように、再生クロック生成部21で生成される再生クロックの周波数は、記録層に照射されるレーザ光15の線速度により変動する。よって、このレーザ光15の線速度に対応するスピンドルモータ8の回転数の情報を用いることで、より高精度にレーザ光が収束されている記録層を特定することができる。
特に、CLVフォーマットでは、光記録媒体の半径位置に応じて光記録媒体を回転させているスピンドルモータの回転数を変化させ、再生トラックの読取り線速度が一定となるように制御しているので、この回転数の情報を用いることで、より高精度にレーザ光が収束されている記録層を特定することができる。つまり、CLVフォーマットでは、スピンドルモータ8の回転数に応じて記録される周波数を特定することができる。そして、この特定された周波数と、標準値(例えば、3つの記録層の周波数の値のうち中間の値)とを比較し、特定された周波数が標準値よりも高いか、低いか、又は同一であるかを判別することで、記録層を特定することができる。
【0048】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる光記録媒体では各記録層の記録密度が異なるように情報を記録している。そして、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置では各記録層の異なる記録密度に基づき記録層を特定している。これにより、特許文献1で説明したレーザ光の引き込みのように、レーザ光を最離間点から最近接点に移動した後、再度最離間点まで離間してS字の振幅を計測し焦点の位置(各記録層の位置)を検出するという動作が不要となる。
また、本実施の形態にかかる発明では、各記録層の記録密度で記録層を特定しているので、光記録媒体の管理領域まで光ピックアップを移動する必要がない(ただし、本実施の形態にかかる発明において、光記録媒体の各記録層に設けられた管理領域の記録周波数の違いに基づき各記録層を特定することを排除するわけではない。)
よって、本実施の形態により、複数の記録層を有する光記録媒体の各記録層へのフォーカス引き込み動作を迅速にすることができる光記録媒体、及び光記録媒体再生装置の提供が可能となる。
【0049】
実施の形態2
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。図7は本実施の形態にかかる光記録媒体記録装置を示すブロック図である。本実施の形態にかかる光記録媒体記録装置に用いられる光記録媒体も、実施の形態1で説明した図2に示す光記録媒体と同様の構成である。
【0050】
本実施の形態にかかる光記録媒体記録装置は、複数の記録層が積層された光記録媒体50の記録層にレーザ光15を収束する収束部14と、記録層で反射された反射光に基づき、レーザ光が収束されている記録層を検出する記録層検出部32と、検出された記録層に応じた記録密度となるようなクロックを生成するクロック生成部34と、記録層に情報を書き込む際に、クロック生成部34で生成されたクロックでレーザ光を駆動する光源駆動回路5と、を少なくとも有する。以下、本実施の形態にかかる光記録媒体記録装置について詳細に説明する。
【0051】
図7に示すように、本実施の形態にかかる光記録媒体再生装置は、光学ピックアップ1、システム制御回路3、ウォブル信号抽出回路31、記録層検出部32、記録データバッファ33、クロック生成部34、スピンドルモータ駆動回路4、スピンドルモータ8、光源駆動回路5、光学ピックアップ駆動回路6、スレッドモータ駆動回路7、スレッドモータ9、ガイドレール12、ターンテーブル10を有する。
【0052】
光学ピックアップ1は、レーザ光15を照射する光源13と、光源から照射されたレーザ光15を収束し、光記録媒体50の各記録層に焦点を合わせる収束部14を有する。また、光学ピックアップ1は、トラッキング機構や光検出器を備えている(不図示)。
光源13は光源駆動回路5を介してシステム制御回路3により発光・消光が制御される。また、光学ピックアップ1が備える収束部やトラッキング機構(不図示)は光学ピックアップ駆動回路6を介してシステム制御回路3により制御される。光記録媒体の記録層への情報の記録は、記録層へ照射されるレーザ光15の強弱(発光・消光)を用いて行なわれる。
【0053】
ウォブル信号抽出回路31は、光記録媒体50(本実施の形態では、書き込み可能な光記録媒体)に埋め込まれたウォブル信号を抽出し、記録層検出部32にこのウォブル信号を出力する。記録層検出部32は、ウォブル信号抽出回路31で抽出されたウォブル信号に基づいて、ウォブルの変調により埋め込まれた層情報から記録層を検出し、システム制御回路3へ層情報を出力する。ここで、記録層検出部32で特定される記録層は、レーザ光15が収束されている記録層である。
【0054】
また、記録データバッファ33は光記録媒体に記録するデータを一時的に保存する回路である。また、クロック生成部34は、光記録媒体の記録層に記録するデータの記録密度に対応するクロック周波数のクロックを生成する回路である。クロック生成部34で生成されるクロックの周波数は、記録層毎に異なるクロック周波数となる。
【0055】
光記録媒体50はスピンドルモータ8の回転軸に結合されているターンテーブル10に設置され、スピンドルモータ8を用いて回転される。スピンドルモータ8は例えばDCモータで構成され、スピンドルモータ駆動回路4を介してシステム制御回路3により制御される。スレッドモータ9は、システム制御回路3によりスレッドモータ駆動回路7を介して駆動制御され、光学ピックアップ1をガイドレール12に沿って光記録媒体50の半径方向に移動する。スレッドモータ9には、例えばステッピングモータを用いることができる。
【0056】
次に、本実施の形態にかかる光記録媒体記録装置の動作について、図8を用いて説明する。まず、光記録媒体50(書き込み可能な光記録媒体)をターンテーブルに設置する。次に、データを書き込む記録層を決定する(ステップS11)。データを書き込む記録層は、記録データバッファ33に格納されている記録データや、光記録媒体50の記録層のうち既にデータが書き込まれている記録層に関する情報などに基づき決定することができる。
【0057】
次に、スピンドルモータ8を駆動し光記録媒体50を回転させ、光源13を駆動しレーザ光15を光記録媒体50に照射する。そして、光記録媒体50からの反射光を光検出器(不図示)で検出し、光記録媒体の記録層に埋め込まれたウォブル信号をウォブル信号抽出回路31で抽出する(ステップS12)。
【0058】
次に、記録層検出部32が、ウォブル信号抽出回路31で抽出したウォブル信号に基づいて記録層(レーザ光が収束されている記録層)を検出し、検出された記録層に関する情報をシステム制御回路3へ出力する(ステップS13)。システム制御回路3は、記録層検出部32で検出した記録層と、ステップS11で決定したデータを書き込む記録層とが一致するか判断する(ステップS14)。
【0059】
記録層検出部32で検出した記録層と、データを書き込む記録層とが一致しない場合、収束部14はレーザ光15のフォーカス位置を調整し、他の記録層にレーザ光15を収束させる(ステップS15)。そして、前回と同様に、他の記録層のウォブル信号をウォブル信号抽出回路31で抽出し(ステップS12)、記録層検出部32で記録層を検出する(ステップS13)。システム制御回路3は、前回と同様に、記録層検出部32で検出した記録層と、ステップS11で決定したデータを書き込む記録層とが一致するか判断する(ステップS14)。
【0060】
記録層検出部32で検出した記録層と、ステップS11で決定したデータを書き込む記録層とが一致した場合、クロック生成部34はデータを書き込む記録層に対応したクロック周波数を有するクロックを生成する(ステップS16)。ここで、クロック生成部34で生成されるクロックのクロック周波数は記録層毎に対応している。例えば第1の記録層52(図2参照)は第1のクロック周波数に、第2の記録層53は第2のクロック周波数に、第3の記録層54は第3のクロック周波数に、それぞれ対応しており、これらの関係は例えばメモリ等に格納されている。
【0061】
次に、光源駆動回路5は、生成されたクロックに基づきレーザ光15を駆動し、光記録媒体の記録層にデータを書き込む(ステップS17、ステップS18)。ここで、例えば上記第1のクロック周波数、第2のクロック周波数、第3のクロック周波数の順にクロック周波数が小さくなる場合、各記録層に形成されるピットの単位ピット長は第1の記録層52に形成される単位ピット長、第2の記録層53に形成される単位ピット長、第3の記録層54に形成される単位ピット長の順に長くなる。この場合は、各記録層の記録密度は、第1の記録層52の記録密度、第2の記録層53の記録密度、第3の記録層54の記録密度の順に小さくなる。
【0062】
このように、本実施の形態では各記録層に対応したクロック周波数のクロックを生成し、このクロックに基づいてレーザ光を駆動して記録層に情報を書き込むことで、各記録層の記録密度が異なる光記録媒体を形成している。
【0063】
次に、書き込むべきデータが全て書き込まれた場合は、データ書き込み処理を終了する。また、書き込むべきデータが残っている場合は、ステップS11へ戻り再度データ書き込み処理を実行する(ステップS19)。
【0064】
本実施の形態にかかる発明も、実施の形態1の場合と同様に、CLVフォーマットやCAVフォーマットの光記録媒体に用いることができる。
【0065】
また、本実施の形態にかかる発明では、データを光記録媒体の記録層に書き込む際に、スピンドルモータ8の回転数(回転速度でもよい)の情報を参照してもよい。スピンドルモータ8の回転数の情報は、回転数検出部(不図示)を用いて検出することができる。光記録媒体の記録層に形成されるピット長は、レーザ光を駆動するクロック周波数とスピンドルモータ8の回転数で決定される。よって、スピンドルモータ8の回転数の情報を用いることで、より高精度に所定の記録密度を有する光記録媒体を作製することが可能となる。
【0066】
特に、CLVフォーマットでは、光記録媒体の半径位置に応じて光記録媒体を回転させているスピンドルモータの回転数を変化させているので、この回転数の情報を用いることで、より高精度に所定の記録密度を有する光記録媒体を作製することが可能となる。
【0067】
CLVフォーマットでは、スピンドルモータ8の回転数に応じて記録する周波数を変えることができる。ここで、スピンドルモータ8の回転数と記録する周波数とを、例えば記録する周波数をスピンドルモータ8の回転の周波数のN倍と予め対応づけておく。そして、このN倍の周波数に対して、記録層毎に例えば第1の記録層は+1%、第2の記録層は標準0%、第3の記録層は−1%のようにスピンドルモータ8の回転数を切り替えることで、記録層に応じた周波数で書き込みをすることができる。
【0068】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる光記録媒体記録装置を用いることで、各記録層に異なる記録密度で情報を記録することができる。
【0069】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0070】
1 光学ピックアップ
2 信号処理部
3 システム制御回路
4 スピンドルモータ駆動回路
5 光源駆動回路
6 光学ピックアップ駆動回路
7 スレッドモータ駆動回路
8 スピンドルモータ
9 スレッドモータ
10 ターンテーブル
12 ガイドレール
13 光源
14 収束部
15 レーザ光
21 再生クロック生成部
22 記録層特定部
23 イコライザ(EQ)
24 フィルタ(FLT)
25 AGC
26 PLL
27 ビタビ検出器
28 周波数弁別器
31 ウォブル信号抽出回路
32 記録層検出部
33 記録データバッファ
34 クロック生成部
50 光記録媒体
51 ディスク基板
52 第1の記録層
53 第2の記録層
54 第3の記録層
55 保護層
56、57 スペーサ層
61 保護層の表面の位置
62 第1の記録層と焦点が合う位置
63 第2の記録層と焦点が合う位置
64 第3の記録層と焦点が合う位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録層が積層された光記録媒体であって、
前記各々の記録層はそれぞれ異なる記録密度で情報が記録されている、光記録媒体。
【請求項2】
前記各々の記録層はそれぞれ異なる記録線密度で情報が記録されている、請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束する収束部と、
前記記録層で反射された反射光に基づき前記記録層の記録密度に対応した再生クロックを生成する再生クロック生成部と、
前記生成された再生クロックのクロック周波数に基づき前記レーザ光が収束されている記録層を特定する記録層特定部と、
を有する光記録媒体再生装置。
【請求項4】
前記再生クロック生成部は、前記記録層に形成されたピットの単位ピット長に対応したクロック周波数の再生クロックを生成する、請求項3に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項5】
前記収束部は、初期状態において前記光記録媒体が備える複数の記録層のうちの最外面の記録層と最内面の記録層とに挟まれた位置に前記レーザ光を収束する、請求項3または4に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項6】
前記収束部は、前記光記録媒体の前記記録層の間隔に基づいて前記レーザ光が収束される位置を調整する、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項7】
前記収束部が前記記録層にレーザ光を収束する際の前記レーザ光の焦点の移動距離は、前記記録層の間隔以内である、請求項6に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項8】
前記記録層特定部は、前記再生クロックのクロック周波数と前記記録層とを対応づけたテーブルを有し、当該テーブルを参照して前記レーザ光が収束されている記録層を特定する、請求項3乃至7のいずれか一項に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項9】
前記記録層特定部は、更に前記光記録媒体の回転数を用いて、前記レーザ光が収束されている記録層を特定する、請求項3乃至8のいずれか一項に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項10】
前記記録層で反射された反射光に基づき再生データを生成する再生データ生成部を更に有する、請求項3乃至9のいずれか一項に記載の光記録媒体再生装置。
【請求項11】
複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束する収束部と、
前記記録層で反射された反射光に基づき、前記レーザ光が収束されている記録層を検出する記録層検出部と、
前記検出された記録層に対応した記録密度となるようなクロックを生成するクロック生成部と、
前記検出された記録層に情報を書き込む際に、前記クロック生成部で生成されたクロックでレーザ光を駆動する光源駆動部と、
を有する光記録媒体記録装置。
【請求項12】
前記記録層検出部は、前記光記録媒体に埋め込まれたウォブル信号に基づき前記レーザ光が収束されている記録層を検出する、請求項11に記載の光記録媒体記録装置。
【請求項13】
前記クロック生成部は、前記検出された記録層に応じた記録密度となる単位ピット長のピットを形成するクロック周波数を有するクロックを生成する、請求項11または12に記載の光記録媒体記録装置。
【請求項14】
前記クロック生成部は、前記記録層と生成するクロックのクロック周波数とを対応づけたテーブルを有し、当該テーブルを参照して前記クロックを生成する、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の光記録媒体記録装置。
【請求項15】
前記光記録媒体の回転数を検出する回転数検出部を更に有する、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の光記録媒体記録装置。
【請求項16】
複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束し、
前記記録層で反射された反射光に基づき前記記録層の記録密度に対応した再生クロックを生成し、
前記生成された再生クロックのクロック周波数に基づき前記レーザ光が収束されている記録層を特定する、光記録媒体の再生方法。
【請求項17】
複数の記録層が積層された光記録媒体の記録層にレーザ光を収束し、
前記記録層で反射された反射光に基づき、前記レーザ光が収束されている記録層を検出し、
前記検出された記録層に対応する記録密度となるようなクロックを生成し、
前記生成されたクロックでレーザ光を駆動し、前記検出された記録層に情報を書き込む、光記録媒体の記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−108318(P2011−108318A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261967(P2009−261967)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】