光走査型タッチパネル
【課題】受光信号レベルを高くして、高いS/N比を実現でき、指示物の位置を精度良く検出できる光走査型タッチパネルを提供する。
【解決手段】発光素子11から出射されたレーザ光は、コリメーションレンズ12にて平行光にされ、アパーチャミラー15のアパーチャ15aを通過した後、ポリゴンミラー14の回転によって表示画面と実質的に平行である面内を角度走査されて再帰性反射シートに投射される。そして、再帰性反射シートからの反射光が、ポリゴンミラー14及びアパーチャミラー15にて反射された後、集光レンズ16で集束されて受光素子13に入射される。アパーチャミラー15が、ポリゴンミラー14での走査面開口幅に応じて、光軸に対してその走査方向及び/または上下方向に非対称の形状をなす。
【解決手段】発光素子11から出射されたレーザ光は、コリメーションレンズ12にて平行光にされ、アパーチャミラー15のアパーチャ15aを通過した後、ポリゴンミラー14の回転によって表示画面と実質的に平行である面内を角度走査されて再帰性反射シートに投射される。そして、再帰性反射シートからの反射光が、ポリゴンミラー14及びアパーチャミラー15にて反射された後、集光レンズ16で集束されて受光素子13に入射される。アパーチャミラー15が、ポリゴンミラー14での走査面開口幅に応じて、光軸に対してその走査方向及び/または上下方向に非対称の形状をなす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上での指示物の位置を光学的に検出する光走査型タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
主としてパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムの普及に伴って、コンピュータシステムにより情報が表示される表示装置の表示画面上を人の指または特定の指示物により指示することにより、新たな情報を入力したり、コンピュータシステムに対して種々の指示を与えたりする装置が利用されている。
【0003】
パーソナルコンピュータ等の表示装置の表示画面に表示された情報に対してタッチ方式にて入力操作を行う場合には、その表示画面上での接触位置(指示位置)を高精度に検出する必要がある。このような座標面となる表示画面上の指示位置を検出する方法の一例として、光学的な位置検出方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、表示画面の両側枠に光再帰性反射体を配置し、角度走査したレーザ光線のこの光再帰性反射体からの戻り光を検知し、指またはペンによって光線が遮断されるタイミングから指またはペンの存在角度を求め、求めた角度から三角測量の原理にて位置座標を検出する。この方法では、部品点数が少なくて検出精度を維持でき、指,任意のペン等の位置も検出できる。
【0004】
このような走査光により位置検出を行う光走査型タッチパネルは、一般的に表示画面の外側に設けられた再帰性反射体と、レーザ光などの光を出射する発光素子と、出射された光を角度走査するポリゴンミラーなどの光走査部と、その走査光の再帰性反射体による反射光を偏向する偏向素子と、偏向された反射光を受光する受光素子とを備えており、発光素子からの光を光走査部にて走査させ、その走査光の再帰性反射体での反射光を再び光走査部で反射させ、その反射光を偏向素子を介して受光素子に受光させる構成を有している。その走査光の経路に指,任意のペンなどの指示物が存在する場合には、再帰性反射体での反射光が受光素子に受光されない。そこで、光走査部の走査角度及び受光素子での受光結果に基づいて、それらの指示物の位置を検出することができる。
【特許文献1】特開昭62−5428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような光走査型タッチパネルにあって、一般的に再帰性反射体への入射角度が大きいほど再帰性反射効率は減衰し、また、再帰性反射体からの反射光はビームの回折効果によって広がるため、光走査部から再帰性反射体までの距離が長いほど輝度が低下する。従って、表示領域が矩形状をなす場合、光走査においてその対角部が、最も遠方となり、また入射角度も大きくなるので、対角部における受光信号レベルが低下する。この結果、S/N比が悪化して誤動作の原因となっている。また、S/N比を悪化させる要因となる外乱光の対策も重要である。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、受光信号レベルを大きくして高いS/N比を実現し、指示物の位置を精度良く検出できる光走査型タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る光走査型タッチパネルは、所定領域の外側に設けた光再帰性反射体と、前記所定領域と実質的に平行である面内で光を角度走査する光走査部と、該光走査部による走査光の前記光再帰性反射体での反射光を受光する受光部とを備え、前記所定領域に指示物で形成される走査光の遮断位置を走査角度に対応した前記受光部の受光出力に基づいて検出する光走査型タッチパネルにおいて、前記反射光の光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を、前記光走査部に設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の光走査型タッチパネルでは、反射光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を光走査部に設けることにより、反射光量が最小となる位置への光走査時の受光信号レベルの向上を図る。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、反射光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を光走査部に設けるようにしたので、反射光量が最小となる位置への光走査時の受光信号レベルの向上を図ることができ、高いS/N比を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の光走査型タッチパネルの基本構成を示す模式図である。
【0011】
図1において参照符号10は、パーソナルコンピュータ等の電子機器におけるCRTまたはフラットディスプレイパネル(PDP,LCD,EL等),投射型映像表示装置等の矩形状の表示画面であり、本実施の形態ではPDP(プラズマディスプレイ)の表示画面として構成されている。
【0012】
例えば指,ペン等である指示物Sによりタッチするための目標区域として規定された平面の範囲であるこの長方形の表示画面10の一つの短辺(本実施の形態では右側の辺)の両隅の外側には、発光素子,受光素子,ポリゴンミラー,各種のレンズ等を含む光学系を内部に有する光学ユニット1a,1bがそれぞれ設けられている。また、表示画面10の右側の辺を除く3辺、つまり、上下両側の辺及び左側の辺の外側には再帰性反射体としての再帰性反射シート7が設けられている。
【0013】
図2は、光学ユニット1a,1bの構成及び光路を示す斜視図である。両光学ユニット1a,1bは同じ内部構成をなしている。光学ユニット1a(1b)は、赤外線レーザ光(波長:780nm)を出射するレーザダイオード(LD)からなる発光素子11と、発光素子11からのレーザ光を平行光にするためのコリメーションレンズ12と、再帰性反射シート7からの反射光を受光するフォトダイオード(PD)からなる受光素子13と、発光素子11からのレーザ光を角度走査するための例えば4角柱状のポリゴンミラー14と、アパーチャ15aによりコリメーションレンズ12からポリゴンミラー14への投射光を制限すると共に、ポリゴンミラー14を介した再帰性反射シート7からの反射光を受光素子13側へ反射する偏向部としてのアパーチャミラー15と、アパーチャミラー15での反射光を受光素子13に集束させるための集光レンズ16と、ポリゴンミラー14を回転させるモータ17と、これらの光学部材を取付け固定するための光学ユニット本体18とを備える。
【0014】
発光素子11から出射されたレーザ光は、コリメーションレンズ12にて平行光にされ、アパーチャミラー15のアパーチャ15aを通過した後、ポリゴンミラー14の回転によって表示画面10と実質的に平行である面内を角度走査されて再帰性反射シート7に投射される。そして、再帰性反射シート7からの反射光が、ポリゴンミラー14及びアパーチャミラー15にて反射された後、集光レンズ16で集束されて受光素子13に入射される。但し、走査光の経路に指示物Sが存在する場合には走査光が遮断されるため、反射光が受光素子13に入射されることはない。
【0015】
各光学ユニット1a,1bには、各発光素子11を駆動する発光素子駆動回路2a,2bと、各受光素子13の受光量を電気信号に変換する受光信号検出回路3a,3bと、各ポリゴンミラー14の動作を制御するポリゴン制御回路4とが接続されている。また、参照符号5は指示物Sの位置,大きさを算出すると共に、装置全体の動作を制御するMPUであり、6はMPU5での算出結果などを表示する表示装置である。
【0016】
MPU5は、発光素子駆動回路2a,2bに駆動制御信号を送り、その駆動制御信号に応じて発光素子駆動回路2a,2bが駆動されて、各発光素子11の発光動作が制御される。受光信号検出回路3a,3bは、各受光素子13での反射光の受光信号をMPU5へ送る。MPU5は、各受光素子13からの受光信号に基づいて、指示物Sの位置,大きさを算出し、その算出結果を表示装置6に表示する。なお、表示装置6は表示画面10を兼用することも可能である。
【0017】
このような本発明の光走査型タッチパネルにおいては、図1に示されているように、例えば光学ユニット1bに関して説明すると、光学ユニット1bからの投射光は、走査光がアパーチャミラー15で反射されて受光素子13に直接入射する位置から図1上で反時計方向回りに走査され、再帰性反射シート7の先端部分で反射される位置(Ps)に至って走査開始位置になる。そして、指示物Sの一端に至る位置(P1)までは再帰性反射シート7により反射されるが、指示物Sの他端に至る位置(P2)までの間は指示物Sによって遮断され、その後の走査終了位置(Pe)に至るまでは再帰性反射シート7により反射される。
【0018】
このような光走査において、発光素子11からの投射光が、再帰性反射シート7に到らずにポリゴンミラー14からアパーチャミラー15を経て直接受光素子13に入射された検出光信号を基準信号とする。また、再帰性反射シート7の先端部分(図1のPs)へ走査光が到達して反射された検出光信号が走査開始信号となり、その後、再帰性反射シート7からの反射光が受光素子13に入射されて再帰性反射信号が得られる。なお、この基準信号を検出した時点から走査角度を計測するようにしている。
【0019】
図3は、光走査型タッチパネルにおける走査光と再帰性反射シート7からの反射光との関係を模式的に示す平面図である。発光素子11から出射されてコリメーションレンズ12にて平行化された光は、アパーチャミラー15のアパーチャ15aを介してポリゴンミラー14で走査される。その走査光Aは再帰性反射シート7で反射され、その反射光Bが再びポリゴンミラー14で反射され、アパーチャミラー15の受光面で反射されて集光レンズ16へ導かれる。
【0020】
この際、反射光Bは走査光Aに比べて広がりを有する。図4は、図3の走査領域のC−C線におけるこれらの走査光A及び反射光Bのプロファイルを示す図である。走査光Aは光軸を中心にして径1mm程度の大きさであるのに比して、反射光Bは光軸を中心にして径30mm程度の広がりを有する。
【0021】
従って、ノイズレベルを規定した場合、受光面積、つまりアパーチャミラー15の有効受光面積を大きくすることが、S/N比の向上に寄与することになる。しかしながら、アパーチャミラー15をいくらでも大きくすれば良いのではなく、実装設計の自由度を向上させる点からは小さく作製すべきである。そのため、ポリゴンミラー14とアパーチャミラー15との大きさを最適に設計する必要がある。特に、有効受光面積はポリゴンミラー14走査時の走査角度によって変化する。また、走査領域の最遠方を走査する際の受光信号レベルが最低レベルを決定するので、この最遠方を走査する際にアパーチャミラー15から見たポリゴンミラー14の断面積と光軸方向から見たアパーチャミラー15の断面積とが一致する設計が望ましく、このように設計することにより、最適な走査受光系を構成できることになる。
【0022】
図5は、このような考察による本発明のアパーチャミラー15の正面図である。アパーチャミラー15の形状が、光軸に対して走査方向(左右方向)に非対称になっている。このように、光軸に対してアパーチャミラー15を非対称形状にすることにより、有効受光面積を増加させることができ、この結果、S/N比の向上を図れる。特に、走査方向での非対称性は、実装スペースを考慮した場合、走査手前側に大きな受光面積を確保することにより、有効に受光効率を向上することが可能である。
【0023】
ところで、走査光の経路の下方には表示画面10が存在しているので、アパーチャミラー15の受光面の下側を大きくしても受光効率の向上には寄与しない。よって、アパーチャミラー15の形状を、光軸に対して上下方向に非対称にして、光軸より上側に大きな受光面積を確保するようにした方が良い。図6は、このように設計したアパーチャミラー15の正面図、図7は、このようなアパーチャミラー15を用いた本発明の走査受光系の模式図である。
【0024】
ポリゴンミラー14の受光面高さまでアパーチャミラー15の受光面高さを確保した構成であり、それ以上にアパーチャミラー15を大きくしても受光に寄与しない領域が増えるだけであって意味がない。このような構成にすることにより、上下に対称な受光面を有する場合に比べて、走査面高さを変えることなく、受光効率を向上することができる。
【0025】
図8は、走査角度と受光走査面開口幅との関係を示すグラフである。ビーム幅が有限であるため、走査領域側の受光面が検出領域にはみ出てはいけない。最もS/N比が低下するのは、反射光量が最も少なくなる対角部(走査角度66度)を走査する場合であるので、本発明では、このときの受光走査面開口幅(w+W)を確保できるように、アパーチャミラー15の幅をその受光走査面開口幅(w+W)に規定する。また、本発明では、ポリゴンミラー14を実装可能な最大高さに設定し、その高さに合わせてアパーチャミラー15の高さを決定する。
【0026】
図9,図10は、本発明のアパーチャミラー15の正面図,側断面図である。本発明のアパーチャミラー15は、上述したような理由により図9に示すように、走査(左右)方向及び上下方向に非対称な形状をなしている。
【0027】
アパーチャミラー15は、アルミニウムなどの金属製であるが、表面に錆が発生すると、反射特性が劣化する。そこで、本発明では、アパーチャミラー15のポリゴンミラー14に対向する面に鏡面加工処理を施しており、更にその鏡面に、錆発生の原因となる湿気,埃などから鏡面を保護するSiO,SiO2 等の誘電体からなる保護膜15bが設けられている。なお、この例では、再帰性反射シート7からの反射光のアパーチャミラー15(保護膜15b)への入射角は45度である。
【0028】
図11は、波長780nmの光をアパーチャミラー15へ45度の角度で入射した場合のSiO2 からなる保護膜15bの膜厚と反射率との関係を示すグラフである。図11から、保護膜15bの膜厚を2300Åとした場合に反射率が最大となることが分かる。よって、本発明では、SiO2 製の保護膜15bの膜厚を2300Åとして、走査に使用する波長780nmのレーザ光に対して最大反射率が得られるようにして、S/N比の向上を図る。
【0029】
また、アパーチャミラー15の表面に、走査光の特定波長(780nm)以外の光の反射を防止する多層膜構成の反射防止膜を設けることができる。図12は、入射角を45度にした場合のこの反射防止膜の波長−反射率特性を示すグラフであり、780nm近傍の光を選択的に反射する特性を有している。よって、このような反射防止膜を設けることにより、特定の入射角(45度)及び入射光波長(780nm)のみに高い反射特性を有することができるため、所望の再帰性反射光のみを受光系に導くことができ、外乱光の反射を防止して、S/N比の向上を図れる。
【0030】
また、赤外線成分を効率良く除去するコールドミラーコートと、可視光カットフィルタとを組み合わせて、それらのバンド差をうまく利用することにより、特定波長(780nm)の再帰性反射光を選択的に反射する機能を果たせる。図13は、このコールドミラーコートの反射率特性とこの可視光カットフィルタの透過率特性とを示すグラフであり、780nm近傍の光のみを選択的に反射できることが分かる。なお、ホットミラーコートと赤外光カットフィルタとを組み合わせても、同様の機能を果たすことが可能である。
【0031】
次に、本発明の光走査型タッチパネルにおける光学ユニット1a,1bの配置について説明する。図14は、光学ユニット1a,1bの光学部材の配置設計と光走査の状態とを示す模式図である。
【0032】
図14において、δは走査開始角度(アパーチャ15aからの平行光の光軸と実際に再帰性反射シート7に当たる図1におけるPsに相当する走査光の光路とのなす角度)を示し、走査基準線(両光学ユニット1a,1bを結ぶ線)とアパーチャ15aからの平行光の光軸とのなす角度α(つまり光学ユニット1a,1bを走査基準線から非走査領域側(非検出領域側)に傾けた角度)と、走査基準線とPsに相当する走査光の光路とのなす角度βとの和にて、走査開始角度δは表される。また、Dはアパーチャミラー15からポリゴンミラー14までの距離、wはアパーチャミラー15における走査光の光路から走査領域側(検出領域側)の端までの幅、Wはアパーチャミラー15における走査光の光路から非走査領域側(非検出領域側)の端までの幅をそれぞれ示す。
【0033】
ここで、更に、走査光のビーム幅をdとした場合、以下の条件(1)を満たすときには、走査光の再帰性反射体7での反射光が光学ユニット1a,1bに遮断されることなく受光素子13で受光することが可能である。そして、この条件(1)を満たすように各光学部材の位置が設計されている。
d/2+w<Dtanδ …(1)
【0034】
このような設計仕様とすることにより、実装上不要な空間を省いて、走査範囲内に光を走査してその反射光を受光でき、走査開始時にあっても再帰性反射光のみを受光することができる。なお、具体的な数値例としては、例えばα=6度.β=3度,δ=9度,w+W=7mm,d=3mm,D=45mmと構成できる。なおこの場合、アパーチャミラー15は、非対称な形状(w≠W)であっても、対称な形状(w=W)であっても良い。
【0035】
ところで、前述したように、走査領域内の対角部を走査する際(走査基準線から60度方向)で最低光量を確保する際に、走査開始角δ=6度として4面のポリゴンミラー14を使用する場合の入射角は33度(走査角66度)であるため、ポリゴンミラー14の面幅のcos33°の有効受光面積を確保することができる。よって、ポリゴンミラー14の面幅を11mmとした場合、アパーチャミラー15の幅(w+W)は、11×cos33°=9.23mmとなる。
【0036】
ポリゴンミラー14も、上述したアパーチャミラー15と同様に、表面に錆が発生すると、反射特性が劣化する。そこで、本発明では、図15に示すように、ポリゴンミラー14の表面に、錆発生の原因となる湿気,埃などから鏡面を保護するSiO,SiO2 等の誘電体からなる保護膜14aが設けられている。
【0037】
図16は、波長780nmの光をSiO2 からなる保護膜14a付きのポリゴンミラー14へ入射した場合の保護膜14aの膜厚と反射率との関係を示すグラフである。図16において、一点鎖線,破線,二点鎖線はそれぞれ入射角が33度,66度,90度である場合の特性を表す。ポリゴンミラー14は、オフセット角を考慮すれば、入射角が45度以上となる。保護膜14aの膜厚を、入射角66度の場合に最大反射率となる2500Åと入射角33度の場合に最大反射率となる2800Åとの間にすることにより、入射角33度〜66度の間で最大反射を設定できる。
【0038】
次に、本発明の光走査型タッチパネルによる指示物Sの位置,大きさの算出動作について説明する。図17は、光走査型タッチパネルの実施状態を示す模式図である。但し、図17では光学ユニット1a,1b、再帰性反射シート7,表示画面10以外の構成部材は図示を省略している。また、指示物Sとして指を用いた場合を示している。
【0039】
MPU5はポリゴン制御回路4を制御することにより、光学ユニット1a,1b内の各ポリゴンミラー14を回転させて、各発光素子11からのレーザ光を角度走査する。この結果、再帰性反射シート7からの反射光が各受光素子13に入射する。このようにして各受光素子13に入射した光の受光量は受光信号検出回路3a,3bの出力である受光信号として得られる。
【0040】
なお、図17において、θ00,φ00は走査基準線から各受光素子までの角度を、θ0,φ0は走査基準線から再帰性反射シート7の端部までの角度を、θ1,φ1は走査基準線から指示物Sの基準線側端部までの角度を、θ2,φ2は走査基準線から指示物Sの基準線と逆側端部までの角度をそれぞれ示している。ここで、このθ00またはφ00は前述した角度α、このθ0またはφ0は前述した角度βにそれぞれ相当し、また、この(θ00+θ0)または(φ00+φ0)が前述した走査開始角度δに相当する。
【0041】
表示画面10上の走査光の光路に指示物Sが存在する場合には、光学ユニット1a,1bから投射された光の指示物Sからの反射光は各受光素子13に入射されない。従って、図17に示されているような状態では,走査角度が0°からθ0までの間では光学ユニット1a内の受光素子13には反射光は入射されず、走査角度がθ0からθ1までの間ではその受光素子13に反射光が入射され、走査角度がθ1からθ2までの間ではその受光素子13に反射光が入射されない。同様に、走査角度が0°からφ0までの間では光学ユニット1b内の受光素子13には反射光は入射されず、走査角度がφ0からφ1までの間ではその受光素子13に反射光が入射され、走査角度がφ1からφ2までの間ではその受光素子13に反射光が入射されない。
【0042】
次に、このようにして求めた遮断範囲から、指示物S(本例では指)の中心位置(指示位置)の座標を求める処理について説明する。まず、三角測量に基づく角度から直交座標への変換を説明する。図18に示すように、光学ユニット1aの位置を原点O、表示画面10の右辺,上辺をX軸,Y軸に設定し、基準線の長さ(光学ユニット1a,1b間の距離)をLとする。また、光学ユニット1bの位置をBとする。表示画面10上の指示物Sが指示した中心点P(Px,Py)が、光学ユニット1a,1bからX軸に対してθ,φの角度でそれぞれ位置している場合、点PのX座標Px,Y座標Pyの値は、三角測量の原理により、それぞれ以下の(2),(3)式のように求めることができる。
Px(θ,φ)=(tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(2)
Py(θ,φ)=(tanθ・tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(3)
【0043】
ところで、指示物S(指)には大きさがあるので、検出した受光信号の立ち上がり/立ち下がりのタイミングでの検出角度を採用した場合、図19に示すように、指示物S(指)のエッジ部の4点(図19のP1〜P4)を検出することになる。これらの4点は何れも指示した中心点(図19のPc)とは異なっている。そこで、以下のようにして 中心点Pcの座標(Pcx,Pcy)を求める。Pcx,Pcyは、それぞれ以下の(4),(5)式のように表せる。
Pcx(θ,φ)=Pcx(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2)…(4)
Pcy(θ,φ)=Pcy(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2)…(5)
【0044】
そこで、(4),(5)式で表されるθ1+dθ/2,φ1+dφ/2を上記(2),(3)式のθ,φとして代入することにより、指示された中心点Pcの座標を求めることができる。
【0045】
なお、上述した例では、最初に角度の平均値を求め、その角度の平均値を三角測量の変換式(2),(3)に代入して、指示位置である中心点Pcの座標を求めるようにしたが、最初に三角測量の変換式(2),(3)に従って走査角度から4点P1〜P4の直交座標を求め、求めた4点の座標値の平均を算出して、中心点Pcの座標を求めるようにすることも可能である。また、視差、及び、指示位置の見易さを考慮して、指示位置である中心点Pcの座標を決定することも可能である。
【0046】
ところで、各ポリゴンミラー14の走査角速度が一定である場合には、時間を計時することにより走査角度の情報を得ることができる。図20は、受光信号検出回路3aからの受光信号と、光学ユニット1a内のポリゴンミラー14の走査角度θ及び走査時間Tとの関係を示すタイミングチャートである。ポリゴンミラー14の走査角速度が一定である場合、その走査角速度をωとすると、走査角度θ及び走査時間Tには、下記(6)式に示すような比例関係が成り立つ。
θ=ω×T …(6)
【0047】
よって、受光信号の立ち下がり,立ち上がり時の角度θ1,θ2は、それぞれの走査時間t1,t2と下記(7),(8)式の関係が成り立つ。
θ1=ω×t1 …(7)
θ2=ω×t2 …(8)
【0048】
従って、ポリゴンミラー14の走査角速度が一定である場合には、時間情報を用いて、指示物S(指)の遮断範囲及び座標位置を計測することが可能である。
【0049】
また、本発明の光走査型タッチパネルでは、計測した遮断範囲から指示物S(指)の大きさ(断面長)を求めることも可能である。図21は、この断面長計測の原理を示す模式図である。図21において、D1,D2はそれぞれ光学ユニット1a,1bから見た指示物Sの断面長である。まず、光学ユニット1a,1bの位置O(0,0),B(L,0)から指示物Sの中心点Pc(Pcx,Pcy)までの距離OPc(r1),BPc(r2)が、下記(9),(10)式の如く求められる。
OPc=r1=(Pcx2 +Pcy2 )1/2 …(9)
BPc=r2={(L−Pcx)2 +Pcy2 }1/2 …(10)
【0050】
断面長は距離と遮断角度の正弦値との積で近似できるので、各断面長D1,D2は、下記(11),(12)式に従って計測可能である。
D1=r1・2sindθ/2
=(Pcx2 +Pcy2 )1/2 ・2sindθ/2 …(11)
D2=r2・2sindφ/2
={(L−Pcx)2 +Pcy2 }1/2 ・2sindφ/2
…(12)
【0051】
なお、θ,φ≒0である場合には、sindθ≒dθ≒tandθ,sindφ≒dφ≒tandφと近似できるので、(11),(12)式においてsindθ,sindφの代わりに、dθまたはtandθ,dφまたはtandφとしても良い。
【0052】
なお、上記例では、アパーチャミラー15を偏向部として用いたが、光透過及び光反射の機能を有する光学部材であれば何でも良く、例えば、ハーフミラー,ビームスプリッタなどを使用することも可能である。
【0053】
以上のように本発明では、偏向部の形状を光軸に対して走査方向及び/または上下方向に非対称にするようにしたので、走査光の有効受光面積を大きくして、受光信号レベルの向上を図れて、高いS/N比を実現できる。
【0054】
また、偏向部の高さを光走査部の高さと同じにするようにしたので、偏向部での不要な受光面を省いて、外乱光の受光を防止することができ、高いS/N比を実現できる。
【0055】
また、偏向部の幅を、所定領域の対角部を走査する際の光走査部での走査面開口幅に同じとするようにしたので、偏向部での不要な受光面を省いて、外乱光の受光を防止することができ、高いS/N比を実現できる。
【0056】
また、前述した条件(1)を満たすように光学部材を配置するようにしたので、所定領域内で光を確実に走査してその反射光を確実に受光することができる。
【0057】
また、反射光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を光走査部に設けるようにしたので、反射光量が最小となる位置への光走査時の受光信号レベルの向上を図ることができ、高いS/N比を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の光走査型タッチパネルの基本構成を示す模式図である。
【図2】光学ユニットの構成及び光路を示す斜視図である。
【図3】光走査型タッチパネルにおける走査光と反射光との関係を示す平面図である。
【図4】図3のC−C線における走査光及び反射光のプロファイルを示す図である。
【図5】アパーチャミラーの正面図である。
【図6】アパーチャミラーの正面図である。
【図7】図6のアパーチャミラーを用いた走査受光系の模式図である。
【図8】走査角度と受光走査面開口幅との関係を示すグラフである。
【図9】アパーチャミラーの正面図である。
【図10】アパーチャミラーの側断面図である。
【図11】アパーチャミラーの保護膜の膜厚と反射率との関係を示すグラフである。
【図12】アパーチャミラーの反射防止膜の波長−反射率特性を示すグラフでである。
【図13】コールドミラーコートの反射率特性と可視光カットフィルタの透過率特性とを示すグラフである。
【図14】光学ユニットの光学部材の配置設計と光走査の状態とを示す模式図である。
【図15】ポリゴンミラーの平面図である。
【図16】ポリゴンミラーの保護膜の膜厚と反射率との関係を示すグラフである。
【図17】光走査型タッチパネルの実施状態を示す模式図である。
【図18】座標検出のための三角測量の原理を示す模式図である。
【図19】指示物及び遮断範囲を示す模式図である。
【図20】受光信号と走査角度と走査時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図21】断面長計測の原理を示す模式図である。
【符号の説明】
【0059】
1a,1b 光学ユニット
5 MPU
7 再帰性反射シート
10 表示画面(座標面)
11 発光素子
13 受光素子
14 ポリゴンミラー
14a 保護膜
15 アパーチャミラー
15b 保護膜
S 指示物
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上での指示物の位置を光学的に検出する光走査型タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
主としてパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムの普及に伴って、コンピュータシステムにより情報が表示される表示装置の表示画面上を人の指または特定の指示物により指示することにより、新たな情報を入力したり、コンピュータシステムに対して種々の指示を与えたりする装置が利用されている。
【0003】
パーソナルコンピュータ等の表示装置の表示画面に表示された情報に対してタッチ方式にて入力操作を行う場合には、その表示画面上での接触位置(指示位置)を高精度に検出する必要がある。このような座標面となる表示画面上の指示位置を検出する方法の一例として、光学的な位置検出方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、表示画面の両側枠に光再帰性反射体を配置し、角度走査したレーザ光線のこの光再帰性反射体からの戻り光を検知し、指またはペンによって光線が遮断されるタイミングから指またはペンの存在角度を求め、求めた角度から三角測量の原理にて位置座標を検出する。この方法では、部品点数が少なくて検出精度を維持でき、指,任意のペン等の位置も検出できる。
【0004】
このような走査光により位置検出を行う光走査型タッチパネルは、一般的に表示画面の外側に設けられた再帰性反射体と、レーザ光などの光を出射する発光素子と、出射された光を角度走査するポリゴンミラーなどの光走査部と、その走査光の再帰性反射体による反射光を偏向する偏向素子と、偏向された反射光を受光する受光素子とを備えており、発光素子からの光を光走査部にて走査させ、その走査光の再帰性反射体での反射光を再び光走査部で反射させ、その反射光を偏向素子を介して受光素子に受光させる構成を有している。その走査光の経路に指,任意のペンなどの指示物が存在する場合には、再帰性反射体での反射光が受光素子に受光されない。そこで、光走査部の走査角度及び受光素子での受光結果に基づいて、それらの指示物の位置を検出することができる。
【特許文献1】特開昭62−5428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような光走査型タッチパネルにあって、一般的に再帰性反射体への入射角度が大きいほど再帰性反射効率は減衰し、また、再帰性反射体からの反射光はビームの回折効果によって広がるため、光走査部から再帰性反射体までの距離が長いほど輝度が低下する。従って、表示領域が矩形状をなす場合、光走査においてその対角部が、最も遠方となり、また入射角度も大きくなるので、対角部における受光信号レベルが低下する。この結果、S/N比が悪化して誤動作の原因となっている。また、S/N比を悪化させる要因となる外乱光の対策も重要である。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、受光信号レベルを大きくして高いS/N比を実現し、指示物の位置を精度良く検出できる光走査型タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る光走査型タッチパネルは、所定領域の外側に設けた光再帰性反射体と、前記所定領域と実質的に平行である面内で光を角度走査する光走査部と、該光走査部による走査光の前記光再帰性反射体での反射光を受光する受光部とを備え、前記所定領域に指示物で形成される走査光の遮断位置を走査角度に対応した前記受光部の受光出力に基づいて検出する光走査型タッチパネルにおいて、前記反射光の光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を、前記光走査部に設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の光走査型タッチパネルでは、反射光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を光走査部に設けることにより、反射光量が最小となる位置への光走査時の受光信号レベルの向上を図る。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、反射光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を光走査部に設けるようにしたので、反射光量が最小となる位置への光走査時の受光信号レベルの向上を図ることができ、高いS/N比を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の光走査型タッチパネルの基本構成を示す模式図である。
【0011】
図1において参照符号10は、パーソナルコンピュータ等の電子機器におけるCRTまたはフラットディスプレイパネル(PDP,LCD,EL等),投射型映像表示装置等の矩形状の表示画面であり、本実施の形態ではPDP(プラズマディスプレイ)の表示画面として構成されている。
【0012】
例えば指,ペン等である指示物Sによりタッチするための目標区域として規定された平面の範囲であるこの長方形の表示画面10の一つの短辺(本実施の形態では右側の辺)の両隅の外側には、発光素子,受光素子,ポリゴンミラー,各種のレンズ等を含む光学系を内部に有する光学ユニット1a,1bがそれぞれ設けられている。また、表示画面10の右側の辺を除く3辺、つまり、上下両側の辺及び左側の辺の外側には再帰性反射体としての再帰性反射シート7が設けられている。
【0013】
図2は、光学ユニット1a,1bの構成及び光路を示す斜視図である。両光学ユニット1a,1bは同じ内部構成をなしている。光学ユニット1a(1b)は、赤外線レーザ光(波長:780nm)を出射するレーザダイオード(LD)からなる発光素子11と、発光素子11からのレーザ光を平行光にするためのコリメーションレンズ12と、再帰性反射シート7からの反射光を受光するフォトダイオード(PD)からなる受光素子13と、発光素子11からのレーザ光を角度走査するための例えば4角柱状のポリゴンミラー14と、アパーチャ15aによりコリメーションレンズ12からポリゴンミラー14への投射光を制限すると共に、ポリゴンミラー14を介した再帰性反射シート7からの反射光を受光素子13側へ反射する偏向部としてのアパーチャミラー15と、アパーチャミラー15での反射光を受光素子13に集束させるための集光レンズ16と、ポリゴンミラー14を回転させるモータ17と、これらの光学部材を取付け固定するための光学ユニット本体18とを備える。
【0014】
発光素子11から出射されたレーザ光は、コリメーションレンズ12にて平行光にされ、アパーチャミラー15のアパーチャ15aを通過した後、ポリゴンミラー14の回転によって表示画面10と実質的に平行である面内を角度走査されて再帰性反射シート7に投射される。そして、再帰性反射シート7からの反射光が、ポリゴンミラー14及びアパーチャミラー15にて反射された後、集光レンズ16で集束されて受光素子13に入射される。但し、走査光の経路に指示物Sが存在する場合には走査光が遮断されるため、反射光が受光素子13に入射されることはない。
【0015】
各光学ユニット1a,1bには、各発光素子11を駆動する発光素子駆動回路2a,2bと、各受光素子13の受光量を電気信号に変換する受光信号検出回路3a,3bと、各ポリゴンミラー14の動作を制御するポリゴン制御回路4とが接続されている。また、参照符号5は指示物Sの位置,大きさを算出すると共に、装置全体の動作を制御するMPUであり、6はMPU5での算出結果などを表示する表示装置である。
【0016】
MPU5は、発光素子駆動回路2a,2bに駆動制御信号を送り、その駆動制御信号に応じて発光素子駆動回路2a,2bが駆動されて、各発光素子11の発光動作が制御される。受光信号検出回路3a,3bは、各受光素子13での反射光の受光信号をMPU5へ送る。MPU5は、各受光素子13からの受光信号に基づいて、指示物Sの位置,大きさを算出し、その算出結果を表示装置6に表示する。なお、表示装置6は表示画面10を兼用することも可能である。
【0017】
このような本発明の光走査型タッチパネルにおいては、図1に示されているように、例えば光学ユニット1bに関して説明すると、光学ユニット1bからの投射光は、走査光がアパーチャミラー15で反射されて受光素子13に直接入射する位置から図1上で反時計方向回りに走査され、再帰性反射シート7の先端部分で反射される位置(Ps)に至って走査開始位置になる。そして、指示物Sの一端に至る位置(P1)までは再帰性反射シート7により反射されるが、指示物Sの他端に至る位置(P2)までの間は指示物Sによって遮断され、その後の走査終了位置(Pe)に至るまでは再帰性反射シート7により反射される。
【0018】
このような光走査において、発光素子11からの投射光が、再帰性反射シート7に到らずにポリゴンミラー14からアパーチャミラー15を経て直接受光素子13に入射された検出光信号を基準信号とする。また、再帰性反射シート7の先端部分(図1のPs)へ走査光が到達して反射された検出光信号が走査開始信号となり、その後、再帰性反射シート7からの反射光が受光素子13に入射されて再帰性反射信号が得られる。なお、この基準信号を検出した時点から走査角度を計測するようにしている。
【0019】
図3は、光走査型タッチパネルにおける走査光と再帰性反射シート7からの反射光との関係を模式的に示す平面図である。発光素子11から出射されてコリメーションレンズ12にて平行化された光は、アパーチャミラー15のアパーチャ15aを介してポリゴンミラー14で走査される。その走査光Aは再帰性反射シート7で反射され、その反射光Bが再びポリゴンミラー14で反射され、アパーチャミラー15の受光面で反射されて集光レンズ16へ導かれる。
【0020】
この際、反射光Bは走査光Aに比べて広がりを有する。図4は、図3の走査領域のC−C線におけるこれらの走査光A及び反射光Bのプロファイルを示す図である。走査光Aは光軸を中心にして径1mm程度の大きさであるのに比して、反射光Bは光軸を中心にして径30mm程度の広がりを有する。
【0021】
従って、ノイズレベルを規定した場合、受光面積、つまりアパーチャミラー15の有効受光面積を大きくすることが、S/N比の向上に寄与することになる。しかしながら、アパーチャミラー15をいくらでも大きくすれば良いのではなく、実装設計の自由度を向上させる点からは小さく作製すべきである。そのため、ポリゴンミラー14とアパーチャミラー15との大きさを最適に設計する必要がある。特に、有効受光面積はポリゴンミラー14走査時の走査角度によって変化する。また、走査領域の最遠方を走査する際の受光信号レベルが最低レベルを決定するので、この最遠方を走査する際にアパーチャミラー15から見たポリゴンミラー14の断面積と光軸方向から見たアパーチャミラー15の断面積とが一致する設計が望ましく、このように設計することにより、最適な走査受光系を構成できることになる。
【0022】
図5は、このような考察による本発明のアパーチャミラー15の正面図である。アパーチャミラー15の形状が、光軸に対して走査方向(左右方向)に非対称になっている。このように、光軸に対してアパーチャミラー15を非対称形状にすることにより、有効受光面積を増加させることができ、この結果、S/N比の向上を図れる。特に、走査方向での非対称性は、実装スペースを考慮した場合、走査手前側に大きな受光面積を確保することにより、有効に受光効率を向上することが可能である。
【0023】
ところで、走査光の経路の下方には表示画面10が存在しているので、アパーチャミラー15の受光面の下側を大きくしても受光効率の向上には寄与しない。よって、アパーチャミラー15の形状を、光軸に対して上下方向に非対称にして、光軸より上側に大きな受光面積を確保するようにした方が良い。図6は、このように設計したアパーチャミラー15の正面図、図7は、このようなアパーチャミラー15を用いた本発明の走査受光系の模式図である。
【0024】
ポリゴンミラー14の受光面高さまでアパーチャミラー15の受光面高さを確保した構成であり、それ以上にアパーチャミラー15を大きくしても受光に寄与しない領域が増えるだけであって意味がない。このような構成にすることにより、上下に対称な受光面を有する場合に比べて、走査面高さを変えることなく、受光効率を向上することができる。
【0025】
図8は、走査角度と受光走査面開口幅との関係を示すグラフである。ビーム幅が有限であるため、走査領域側の受光面が検出領域にはみ出てはいけない。最もS/N比が低下するのは、反射光量が最も少なくなる対角部(走査角度66度)を走査する場合であるので、本発明では、このときの受光走査面開口幅(w+W)を確保できるように、アパーチャミラー15の幅をその受光走査面開口幅(w+W)に規定する。また、本発明では、ポリゴンミラー14を実装可能な最大高さに設定し、その高さに合わせてアパーチャミラー15の高さを決定する。
【0026】
図9,図10は、本発明のアパーチャミラー15の正面図,側断面図である。本発明のアパーチャミラー15は、上述したような理由により図9に示すように、走査(左右)方向及び上下方向に非対称な形状をなしている。
【0027】
アパーチャミラー15は、アルミニウムなどの金属製であるが、表面に錆が発生すると、反射特性が劣化する。そこで、本発明では、アパーチャミラー15のポリゴンミラー14に対向する面に鏡面加工処理を施しており、更にその鏡面に、錆発生の原因となる湿気,埃などから鏡面を保護するSiO,SiO2 等の誘電体からなる保護膜15bが設けられている。なお、この例では、再帰性反射シート7からの反射光のアパーチャミラー15(保護膜15b)への入射角は45度である。
【0028】
図11は、波長780nmの光をアパーチャミラー15へ45度の角度で入射した場合のSiO2 からなる保護膜15bの膜厚と反射率との関係を示すグラフである。図11から、保護膜15bの膜厚を2300Åとした場合に反射率が最大となることが分かる。よって、本発明では、SiO2 製の保護膜15bの膜厚を2300Åとして、走査に使用する波長780nmのレーザ光に対して最大反射率が得られるようにして、S/N比の向上を図る。
【0029】
また、アパーチャミラー15の表面に、走査光の特定波長(780nm)以外の光の反射を防止する多層膜構成の反射防止膜を設けることができる。図12は、入射角を45度にした場合のこの反射防止膜の波長−反射率特性を示すグラフであり、780nm近傍の光を選択的に反射する特性を有している。よって、このような反射防止膜を設けることにより、特定の入射角(45度)及び入射光波長(780nm)のみに高い反射特性を有することができるため、所望の再帰性反射光のみを受光系に導くことができ、外乱光の反射を防止して、S/N比の向上を図れる。
【0030】
また、赤外線成分を効率良く除去するコールドミラーコートと、可視光カットフィルタとを組み合わせて、それらのバンド差をうまく利用することにより、特定波長(780nm)の再帰性反射光を選択的に反射する機能を果たせる。図13は、このコールドミラーコートの反射率特性とこの可視光カットフィルタの透過率特性とを示すグラフであり、780nm近傍の光のみを選択的に反射できることが分かる。なお、ホットミラーコートと赤外光カットフィルタとを組み合わせても、同様の機能を果たすことが可能である。
【0031】
次に、本発明の光走査型タッチパネルにおける光学ユニット1a,1bの配置について説明する。図14は、光学ユニット1a,1bの光学部材の配置設計と光走査の状態とを示す模式図である。
【0032】
図14において、δは走査開始角度(アパーチャ15aからの平行光の光軸と実際に再帰性反射シート7に当たる図1におけるPsに相当する走査光の光路とのなす角度)を示し、走査基準線(両光学ユニット1a,1bを結ぶ線)とアパーチャ15aからの平行光の光軸とのなす角度α(つまり光学ユニット1a,1bを走査基準線から非走査領域側(非検出領域側)に傾けた角度)と、走査基準線とPsに相当する走査光の光路とのなす角度βとの和にて、走査開始角度δは表される。また、Dはアパーチャミラー15からポリゴンミラー14までの距離、wはアパーチャミラー15における走査光の光路から走査領域側(検出領域側)の端までの幅、Wはアパーチャミラー15における走査光の光路から非走査領域側(非検出領域側)の端までの幅をそれぞれ示す。
【0033】
ここで、更に、走査光のビーム幅をdとした場合、以下の条件(1)を満たすときには、走査光の再帰性反射体7での反射光が光学ユニット1a,1bに遮断されることなく受光素子13で受光することが可能である。そして、この条件(1)を満たすように各光学部材の位置が設計されている。
d/2+w<Dtanδ …(1)
【0034】
このような設計仕様とすることにより、実装上不要な空間を省いて、走査範囲内に光を走査してその反射光を受光でき、走査開始時にあっても再帰性反射光のみを受光することができる。なお、具体的な数値例としては、例えばα=6度.β=3度,δ=9度,w+W=7mm,d=3mm,D=45mmと構成できる。なおこの場合、アパーチャミラー15は、非対称な形状(w≠W)であっても、対称な形状(w=W)であっても良い。
【0035】
ところで、前述したように、走査領域内の対角部を走査する際(走査基準線から60度方向)で最低光量を確保する際に、走査開始角δ=6度として4面のポリゴンミラー14を使用する場合の入射角は33度(走査角66度)であるため、ポリゴンミラー14の面幅のcos33°の有効受光面積を確保することができる。よって、ポリゴンミラー14の面幅を11mmとした場合、アパーチャミラー15の幅(w+W)は、11×cos33°=9.23mmとなる。
【0036】
ポリゴンミラー14も、上述したアパーチャミラー15と同様に、表面に錆が発生すると、反射特性が劣化する。そこで、本発明では、図15に示すように、ポリゴンミラー14の表面に、錆発生の原因となる湿気,埃などから鏡面を保護するSiO,SiO2 等の誘電体からなる保護膜14aが設けられている。
【0037】
図16は、波長780nmの光をSiO2 からなる保護膜14a付きのポリゴンミラー14へ入射した場合の保護膜14aの膜厚と反射率との関係を示すグラフである。図16において、一点鎖線,破線,二点鎖線はそれぞれ入射角が33度,66度,90度である場合の特性を表す。ポリゴンミラー14は、オフセット角を考慮すれば、入射角が45度以上となる。保護膜14aの膜厚を、入射角66度の場合に最大反射率となる2500Åと入射角33度の場合に最大反射率となる2800Åとの間にすることにより、入射角33度〜66度の間で最大反射を設定できる。
【0038】
次に、本発明の光走査型タッチパネルによる指示物Sの位置,大きさの算出動作について説明する。図17は、光走査型タッチパネルの実施状態を示す模式図である。但し、図17では光学ユニット1a,1b、再帰性反射シート7,表示画面10以外の構成部材は図示を省略している。また、指示物Sとして指を用いた場合を示している。
【0039】
MPU5はポリゴン制御回路4を制御することにより、光学ユニット1a,1b内の各ポリゴンミラー14を回転させて、各発光素子11からのレーザ光を角度走査する。この結果、再帰性反射シート7からの反射光が各受光素子13に入射する。このようにして各受光素子13に入射した光の受光量は受光信号検出回路3a,3bの出力である受光信号として得られる。
【0040】
なお、図17において、θ00,φ00は走査基準線から各受光素子までの角度を、θ0,φ0は走査基準線から再帰性反射シート7の端部までの角度を、θ1,φ1は走査基準線から指示物Sの基準線側端部までの角度を、θ2,φ2は走査基準線から指示物Sの基準線と逆側端部までの角度をそれぞれ示している。ここで、このθ00またはφ00は前述した角度α、このθ0またはφ0は前述した角度βにそれぞれ相当し、また、この(θ00+θ0)または(φ00+φ0)が前述した走査開始角度δに相当する。
【0041】
表示画面10上の走査光の光路に指示物Sが存在する場合には、光学ユニット1a,1bから投射された光の指示物Sからの反射光は各受光素子13に入射されない。従って、図17に示されているような状態では,走査角度が0°からθ0までの間では光学ユニット1a内の受光素子13には反射光は入射されず、走査角度がθ0からθ1までの間ではその受光素子13に反射光が入射され、走査角度がθ1からθ2までの間ではその受光素子13に反射光が入射されない。同様に、走査角度が0°からφ0までの間では光学ユニット1b内の受光素子13には反射光は入射されず、走査角度がφ0からφ1までの間ではその受光素子13に反射光が入射され、走査角度がφ1からφ2までの間ではその受光素子13に反射光が入射されない。
【0042】
次に、このようにして求めた遮断範囲から、指示物S(本例では指)の中心位置(指示位置)の座標を求める処理について説明する。まず、三角測量に基づく角度から直交座標への変換を説明する。図18に示すように、光学ユニット1aの位置を原点O、表示画面10の右辺,上辺をX軸,Y軸に設定し、基準線の長さ(光学ユニット1a,1b間の距離)をLとする。また、光学ユニット1bの位置をBとする。表示画面10上の指示物Sが指示した中心点P(Px,Py)が、光学ユニット1a,1bからX軸に対してθ,φの角度でそれぞれ位置している場合、点PのX座標Px,Y座標Pyの値は、三角測量の原理により、それぞれ以下の(2),(3)式のように求めることができる。
Px(θ,φ)=(tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(2)
Py(θ,φ)=(tanθ・tanφ)÷(tanθ+tanφ)×L …(3)
【0043】
ところで、指示物S(指)には大きさがあるので、検出した受光信号の立ち上がり/立ち下がりのタイミングでの検出角度を採用した場合、図19に示すように、指示物S(指)のエッジ部の4点(図19のP1〜P4)を検出することになる。これらの4点は何れも指示した中心点(図19のPc)とは異なっている。そこで、以下のようにして 中心点Pcの座標(Pcx,Pcy)を求める。Pcx,Pcyは、それぞれ以下の(4),(5)式のように表せる。
Pcx(θ,φ)=Pcx(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2)…(4)
Pcy(θ,φ)=Pcy(θ1+dθ/2,φ1+dφ/2)…(5)
【0044】
そこで、(4),(5)式で表されるθ1+dθ/2,φ1+dφ/2を上記(2),(3)式のθ,φとして代入することにより、指示された中心点Pcの座標を求めることができる。
【0045】
なお、上述した例では、最初に角度の平均値を求め、その角度の平均値を三角測量の変換式(2),(3)に代入して、指示位置である中心点Pcの座標を求めるようにしたが、最初に三角測量の変換式(2),(3)に従って走査角度から4点P1〜P4の直交座標を求め、求めた4点の座標値の平均を算出して、中心点Pcの座標を求めるようにすることも可能である。また、視差、及び、指示位置の見易さを考慮して、指示位置である中心点Pcの座標を決定することも可能である。
【0046】
ところで、各ポリゴンミラー14の走査角速度が一定である場合には、時間を計時することにより走査角度の情報を得ることができる。図20は、受光信号検出回路3aからの受光信号と、光学ユニット1a内のポリゴンミラー14の走査角度θ及び走査時間Tとの関係を示すタイミングチャートである。ポリゴンミラー14の走査角速度が一定である場合、その走査角速度をωとすると、走査角度θ及び走査時間Tには、下記(6)式に示すような比例関係が成り立つ。
θ=ω×T …(6)
【0047】
よって、受光信号の立ち下がり,立ち上がり時の角度θ1,θ2は、それぞれの走査時間t1,t2と下記(7),(8)式の関係が成り立つ。
θ1=ω×t1 …(7)
θ2=ω×t2 …(8)
【0048】
従って、ポリゴンミラー14の走査角速度が一定である場合には、時間情報を用いて、指示物S(指)の遮断範囲及び座標位置を計測することが可能である。
【0049】
また、本発明の光走査型タッチパネルでは、計測した遮断範囲から指示物S(指)の大きさ(断面長)を求めることも可能である。図21は、この断面長計測の原理を示す模式図である。図21において、D1,D2はそれぞれ光学ユニット1a,1bから見た指示物Sの断面長である。まず、光学ユニット1a,1bの位置O(0,0),B(L,0)から指示物Sの中心点Pc(Pcx,Pcy)までの距離OPc(r1),BPc(r2)が、下記(9),(10)式の如く求められる。
OPc=r1=(Pcx2 +Pcy2 )1/2 …(9)
BPc=r2={(L−Pcx)2 +Pcy2 }1/2 …(10)
【0050】
断面長は距離と遮断角度の正弦値との積で近似できるので、各断面長D1,D2は、下記(11),(12)式に従って計測可能である。
D1=r1・2sindθ/2
=(Pcx2 +Pcy2 )1/2 ・2sindθ/2 …(11)
D2=r2・2sindφ/2
={(L−Pcx)2 +Pcy2 }1/2 ・2sindφ/2
…(12)
【0051】
なお、θ,φ≒0である場合には、sindθ≒dθ≒tandθ,sindφ≒dφ≒tandφと近似できるので、(11),(12)式においてsindθ,sindφの代わりに、dθまたはtandθ,dφまたはtandφとしても良い。
【0052】
なお、上記例では、アパーチャミラー15を偏向部として用いたが、光透過及び光反射の機能を有する光学部材であれば何でも良く、例えば、ハーフミラー,ビームスプリッタなどを使用することも可能である。
【0053】
以上のように本発明では、偏向部の形状を光軸に対して走査方向及び/または上下方向に非対称にするようにしたので、走査光の有効受光面積を大きくして、受光信号レベルの向上を図れて、高いS/N比を実現できる。
【0054】
また、偏向部の高さを光走査部の高さと同じにするようにしたので、偏向部での不要な受光面を省いて、外乱光の受光を防止することができ、高いS/N比を実現できる。
【0055】
また、偏向部の幅を、所定領域の対角部を走査する際の光走査部での走査面開口幅に同じとするようにしたので、偏向部での不要な受光面を省いて、外乱光の受光を防止することができ、高いS/N比を実現できる。
【0056】
また、前述した条件(1)を満たすように光学部材を配置するようにしたので、所定領域内で光を確実に走査してその反射光を確実に受光することができる。
【0057】
また、反射光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を光走査部に設けるようにしたので、反射光量が最小となる位置への光走査時の受光信号レベルの向上を図ることができ、高いS/N比を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の光走査型タッチパネルの基本構成を示す模式図である。
【図2】光学ユニットの構成及び光路を示す斜視図である。
【図3】光走査型タッチパネルにおける走査光と反射光との関係を示す平面図である。
【図4】図3のC−C線における走査光及び反射光のプロファイルを示す図である。
【図5】アパーチャミラーの正面図である。
【図6】アパーチャミラーの正面図である。
【図7】図6のアパーチャミラーを用いた走査受光系の模式図である。
【図8】走査角度と受光走査面開口幅との関係を示すグラフである。
【図9】アパーチャミラーの正面図である。
【図10】アパーチャミラーの側断面図である。
【図11】アパーチャミラーの保護膜の膜厚と反射率との関係を示すグラフである。
【図12】アパーチャミラーの反射防止膜の波長−反射率特性を示すグラフでである。
【図13】コールドミラーコートの反射率特性と可視光カットフィルタの透過率特性とを示すグラフである。
【図14】光学ユニットの光学部材の配置設計と光走査の状態とを示す模式図である。
【図15】ポリゴンミラーの平面図である。
【図16】ポリゴンミラーの保護膜の膜厚と反射率との関係を示すグラフである。
【図17】光走査型タッチパネルの実施状態を示す模式図である。
【図18】座標検出のための三角測量の原理を示す模式図である。
【図19】指示物及び遮断範囲を示す模式図である。
【図20】受光信号と走査角度と走査時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図21】断面長計測の原理を示す模式図である。
【符号の説明】
【0059】
1a,1b 光学ユニット
5 MPU
7 再帰性反射シート
10 表示画面(座標面)
11 発光素子
13 受光素子
14 ポリゴンミラー
14a 保護膜
15 アパーチャミラー
15b 保護膜
S 指示物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域の外側に設けた光再帰性反射体と、前記所定領域と平行である面内で光を角度走査する光走査部と、該光走査部による走査光の前記光再帰性反射体での反射光を受光する受光部とを備え、前記所定領域に指示物で形成される走査光の遮断位置を走査角度に対応した前記受光部の受光出力に基づいて検出する光走査型タッチパネルにおいて、前記反射光の光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を、前記光走査部に設けたことを特徴とする光走査型タッチパネル。
【請求項1】
所定領域の外側に設けた光再帰性反射体と、前記所定領域と平行である面内で光を角度走査する光走査部と、該光走査部による走査光の前記光再帰性反射体での反射光を受光する受光部とを備え、前記所定領域に指示物で形成される走査光の遮断位置を走査角度に対応した前記受光部の受光出力に基づいて検出する光走査型タッチパネルにおいて、前記反射光の光量が最小となる走査角度に対応する入射角度において反射率が最大となる保護膜を、前記光走査部に設けたことを特徴とする光走査型タッチパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−293915(P2007−293915A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197888(P2007−197888)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【分割の表示】特願平11−47233の分割
【原出願日】平成11年2月24日(1999.2.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【分割の表示】特願平11−47233の分割
【原出願日】平成11年2月24日(1999.2.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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