説明

光走査装置の製造方法および光走査装置

【課題】製造工程を簡略化することができる光走査装置の製造方法を提供する。
【解決手段】光走査装置の製造方法は、コリメートレンズ30(カップリングレンズ)をフレーム40に固定するカップリングレンズ固定工程と、半導体レーザ10を発光させながら、フレーム40に固定されたコリメートレンズ30に対する半導体レーザ10の光軸に直交する方向(X方向およびY方向)の位置および光軸方向(Z方向)の位置を調整するとともに、半導体レーザ10を光軸A回りに回転させて被走査面上における複数のレーザ光の副走査方向におけるピッチDを調整する調整工程と、調整工程によって位置を決めた半導体レーザ10をフレーム40に固定する光源固定工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光点を有する光源を備える光走査装置の製造方法および光走査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の発光点を有する光源と、光源からの光を光束に変換するカップリングレンズと、光束に変換された光を主走査方向に偏向する偏向器と、偏向器からの光を被走査面上に結像する走査レンズとを備える光走査装置が知られている。このような光走査装置では、被走査面上において光を精度良く結像させるため、各光学部品を、位置調整を行った上で正確に配置する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、光源(半導体レーザー光源)をレーザーユニットのホルダに固定し、カップリングレンズ(コリメータレンズ)が内蔵された鏡筒を動かして、光源とカップリングレンズのX,Y,Zの3方向における位置を調整した後、鏡筒をホルダに固定している。さらに、レーザーユニットを偏向器や走査レンズが取り付けられた光学箱に固定する際に、レーザーユニットを回転して、被走査面上における2つの光の副走査方向におけるピッチを調整した後、レーザーユニットを光学箱に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−64765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した従来技術においては、レーザーユニットを組み立てる際に光源の3方向(光軸に直交する方向および光軸方向)の位置の調整を行い、レーザーユニット(光源)を光学箱に固定する際にピッチの調整を行っているので、光走査装置を製造するときの光源の位置調整の工程が増えることとなる。
【0006】
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、製造工程を簡略化することができる光走査装置の製造方法および光走査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するための本発明は、複数の発光点を有する光源と、前記光源からの光を光束に変換するカップリングレンズと、光束に変換された光を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器からの光を被走査面上に結像する走査レンズと、少なくとも前記光源および前記カップリングレンズを支持するフレームとを備える光走査装置の製造方法であって、前記カップリングレンズを前記フレームに固定するカップリングレンズ固定工程と、前記光源を発光させながら、前記フレームに固定された前記カップリングレンズに対する前記光源の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置を調整するとともに、前記光源を光軸回りに回転させて前記被走査面上における複数の光の副走査方向におけるピッチを調整する調整工程と、前記調整工程によって位置を決めた前記光源を前記フレームに固定する光源固定工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
このような光走査装置の製造方法によれば、先にフレームに固定されたカップリングレンズに対する光源の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置と、被走査面上における複数の光の副走査方向におけるピッチとを調整した後に光源をフレームに固定するので、フレームに固定された後は光源の位置調整が不要となる。これにより、製造工程を簡略化することができる。
【0009】
また、前記した目的を達成するための本発明は、複数の発光点を有する光源と、前記光源からの光を光束に変換するカップリングレンズと、光束に変換された光を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器からの光を被走査面上に結像する走査レンズと、少なくとも前記光源および前記カップリングレンズを支持するフレームとを備える光走査装置であって、前記光源は、当該光源に電力を供給する回路基板に組み付けられ、前記フレームに固定された前記カップリングレンズに対する前記光源の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置、並びに、前記被走査面上における複数の光の副走査方向におけるピッチが調整された状態で、前記回路基板が前記フレームに接着剤で固定されていることを特徴とする。
【0010】
このような光走査装置によれば、光源が組み付けられた回路基板がフレームに接着剤で固定されているので、回路基板をネジなどでフレームに固定する構成と比較して、回路基板(光源)のフレームに対する位置の自由度を高めることができる。これにより、先にフレームに固定されたカップリングレンズに対する光源の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置と、被走査面上における複数の光の副走査方向におけるピッチとを調整した後に光源をフレームに固定する製造工程を実現することができる。その結果、フレームに固定された後は光源の位置調整が不要となるので、製造工程を簡略化することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フレームに固定された後は光源の位置調整を不要とすることができるので、製造工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る光走査装置の概略構成を示す図である。
【図2】光源ユニットの斜視図(a)と平面図(b)である。
【図3】カップリングレンズ固定工程および基板組付工程の説明図である。
【図4】調整工程の説明図(a),(b)である。
【図5】光源固定工程の説明図である。
【図6】変形例に係る調整工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、光軸とは、光走査装置1(光学系)の仮想的な光軸を意味するものとし、本実施形態では、光軸(光軸A)は、半導体レーザ10(光源)から出射される2つのレーザ光の各光軸A1,A2から等距離かつ最短距離にあるものとする(図4参照)。
【0014】
図1に示すように、光走査装置1は、光源ユニット2と、開口絞り3と、シリンドリカルレンズ4と、偏向器の一例としてのポリゴンミラー5と、走査レンズの一例としてのfθレンズ6とを主に備え、光源ユニット2から出射されたレーザ光を感光体ドラム9の被走査面9Aにスポット状に集光し、図1で示す矢印の方向に走査するように構成されている。各光学部品は、略箱状の筐体1Aに固定されている。
【0015】
図2(a),(b)に示すように、光源ユニット2は、光源の一例としての半導体レーザ10と、回路基板20と、カップリングレンズの一例としてのコリメートレンズ30と、フレーム40とを主に備えて構成されている。
【0016】
半導体レーザ10は、2つ(複数)の発光点を有しており、電力の供給によって2つのレーザ光を出射する発光素子である。この半導体レーザ10は、4本のリードピン11が回路基板20のスルーホール21(図3参照)に挿入されて半田付けされることで、回路基板20に組み付けられている。
【0017】
回路基板20は、半導体レーザ10に電力を供給するための図示しない回路が設けられた略矩形状のプリント基板である。この回路基板20は、半導体レーザ10に電力を供給する図示しない外部電源から延びる雄型コネクタC(図3参照)が接続される雌型コネクタ22(コネクタ)を有している。また、回路基板20は、その長手方向における両端の図2(a)で示す上寄りの部分にそれぞれ貫通した穴23が設けられている。
【0018】
コリメートレンズ30は、半導体レーザ10からのレーザ光を光束に変換するレンズである。なお、本発明において、光束は、平行光、収束光および発散光のいずれであってもよい。
【0019】
フレーム40は、半導体レーザ10が組み付けられた回路基板20およびコリメートレンズ30を支持する部材であり、レンズ支持壁41と、一対の連結壁42と、一対の基板支持壁43とを主に有している。
【0020】
レンズ支持壁41は、コリメートレンズ30を支持する壁であり、コリメートレンズ30が係合する開口41Aが設けられている。コリメートレンズ30は、図示しない接着剤などによってレンズ支持壁41に固定されている。
【0021】
一対の連結壁42は、レンズ支持壁41と一対の基板支持壁43をつなぐように光軸方向(Z方向)に向けて延びる壁であり、光軸方向から見て略L形状に形成されている。各連結壁42の図2(a)で示す下側の壁には、フレーム40(光源ユニット2)を光走査装置1の筐体1Aに固定するネジ(図1参照(符号省略))を通すための貫通孔42Aが設けられている。
【0022】
一対の基板支持壁43は、半導体レーザ10を支持する壁であり、連結壁42の回路基板20側の端部から回路基板20に沿うように外側に向けて延びた後、回路基板20が間に入り得るように光軸方向に向けて延びている。
【0023】
半導体レーザ10は、レンズ支持壁41に固定されたコリメートレンズ30に対する光軸に直交する方向(X方向およびY方向)の位置および光軸方向の位置、並びに、被走査面9A上における2つのレーザ光の副走査方向におけるピッチD(図4(b)参照)が調整された状態で、回路基板20が一対の基板支持壁43に接着剤50で固定されることで、回路基板20を介してフレーム40に支持されている。なお、本実施形態において、接着剤50は、特定の波長の光の照射によって硬化する光硬化性樹脂(例えば、UV硬化樹脂など)である。
【0024】
図1に戻り、開口絞り3は、コリメートレンズ30により光束に変換されたレーザ光の径を規定する、略矩形状の開口を有する板状の部材である。
【0025】
シリンドリカルレンズ4は、コリメートレンズ30および開口絞り3を通過したレーザ光を、ポリゴンミラー5(ミラー面5A)上において、主走査方向(図1に紙面に沿う方向)に長い線状に結像させるレンズである。
【0026】
ポリゴンミラー5は、6つのミラー面5Aが回転軸5Bから等距離に配置された部材である。このポリゴンミラー5は、回転軸5Bを中心に一定速度で回転し、シリンドリカルレンズ4を通過したレーザ光を主走査方向に偏向走査する。
【0027】
fθレンズ6は、ポリゴンミラー5からのレーザ光を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させることで被走査面9A上にスポット状に結像するとともに、ポリゴンミラー5のミラー面5Aの面倒れを補正するレンズである。このfθレンズ6は、ポリゴンミラー5により等角速度で偏向されたレーザ光を、被走査面9A上に等速度で走査するようなfθ特性を有している。
【0028】
次に、光走査装置1の製造方法について、適宜図面を参照しながら説明する。
図3に示すように、まず、コリメートレンズ30をレンズ支持壁41(フレーム40)に接着などにより固定する(カップリングレンズ固定工程)。
【0029】
また、半導体レーザ10のリードピン11を回路基板20のスルーホール21に挿入し、半田付けすることで、半導体レーザ10を回路基板20に組み付ける(基板組付工程)。その後、回路基板20に設けられた雌型コネクタ22に図示しない外部電源から延びるケーブルの端部(雄型コネクタC)を接続する。なお、本発明において、カップリングレンズ固定工程と基板組付工程を行う順番は特に限定されない。
【0030】
カップリングレンズ固定工程および基板組付工程を行った後、図4(a)に示すように、外部電源から回路基板20へ電力を供給することで半導体レーザ10を発光させながら、半導体レーザ10(回路基板20)のコリメートレンズ30に対する位置、および、被走査面9A上における2つのレーザ光の副走査方向におけるピッチDを調整する(調整工程)。
【0031】
より詳細に、調整工程では、まず、回路基板20に設けられた一対の穴23(図3参照)に、回路基板20に組み付けられた半導体レーザ10の位置を調整するための器具の一例としての位置調整用ロボットのアームRAの図示しないピンを挿入するなどして回路基板20を保持し、半導体レーザ10を発光させる(2つのレーザ光を出射させる)。
【0032】
そして、この状態において、レーザ光を図示しない測定装置に入射させながら、アームRAをX方向およびY方向にそれぞれ動かすことで、フレーム40に固定されたコリメートレンズ30に対する半導体レーザ10の光軸に直交する方向の位置を調整する。また、レーザ光を測定装置に入射させながら、アームRAをZ方向に動かすことで、フレーム40に固定されたコリメートレンズ30に対する半導体レーザ10の光軸方向の位置(フォーカス位置)を調整する。
【0033】
さらに、少なくともフォーカス位置を決めた後、レーザ光を測定装置に入射させながら、アームRAを回動させることで、図4(b)に示すように、回路基板20(半導体レーザ10)を光軸A回りに回転させて、被走査面9A上における2つのレーザ光の副走査方向におけるピッチDを調整する。
【0034】
なお、本実施形態において、ピッチDの調整は、被走査面9A上で直接調整するのではなく、2つのレーザ光の光量分布を被走査面9Aと同等の光学的位置において測定可能なセンサを有する測定装置を使用して行う。
【0035】
その後、図5に示すように、調整工程によって位置を決めた半導体レーザ10をフレーム40に固定する(光源固定工程)。より詳細に、光源固定工程では、半導体レーザ10が組み付けられた回路基板20を一対の基板支持壁43の間に接着剤50で固定することにより、半導体レーザ10を回路基板20を介してフレーム40に固定する。
【0036】
本実施形態では、接着剤50が光硬化性樹脂であるので、光の照射により回路基板20(半導体レーザ10)をフレーム40に容易に固定することができる。また、回路基板20(半導体レーザ10)をフレーム40に短時間で固定することができるので、硬化するまでに時間がかかる接着剤を使用する場合と比較して、半導体レーザ10の位置ずれを抑制することができる。
【0037】
なお、接着剤50の収縮などに伴う半導体レーザ10の位置ずれを抑制するため、接着剤50は、半導体レーザ10を基準として略対称となる位置に略等量塗布することが望ましい。
【0038】
そして、以上のようにして組み立てられた光源ユニット2、並びに、開口絞り3、シリンドリカルレンズ4、ポリゴンミラー5およびfθレンズ6を、従来と同様に、互いの位置調整を行った上で筐体1Aに固定することで、光走査装置1を製造することができる。
【0039】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
本実施形態の製造方法によれば、先にフレーム40に固定されたコリメートレンズ30に対する半導体レーザ10の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置と、被走査面9A上における2つのレーザ光の副走査方向におけるピッチDとを調整した後に半導体レーザ10をフレーム40に固定するので、フレーム40に固定された後は半導体レーザ10の位置調整がほぼ不要となる。
【0040】
特許文献1に示したような従来技術では、ピッチの調整は、カップリングレンズと光源が固定されたフレーム(すなわち光源ユニット)自体の位置を、光源ユニットを光走査装置の筐体に取り付けるときに、さらに調整する工程が必要となるが、本実施形態の製造方法ではそのような工程を省略できるので、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態の製造方法では、調整工程は、半導体レーザ10を回路基板20に組み付けた状態で回路基板20に電力を供給しながら行うので、半導体レーザ10を直接保持して調整工程を行う場合や、半導体レーザ10を回路基板20ではない部材(放熱板など)に組み付けた状態で調整工程を行う場合などと比べて、半導体レーザ10に電力を供給しやすくなっている。これにより、光走査装置1の製造工程および製造設備を簡易化することができる。
【0042】
特に、本実施形態において、回路基板20は雌型コネクタ22を有し、回路基板20への電力の供給はこの雌型コネクタ22に外部電源を接続することで行うので、調整工程中における半導体レーザ10への電力供給がより簡単になっている。また、このような雌型コネクタ22は、光源ユニット2が筐体1Aに固定された後(光走査装置1となった後)において、半導体レーザ10への電力供給口としても利用することができる。
【0043】
また、本実施形態の製造方法では、半導体レーザ10が予め回路基板20に組み付けられ、調整工程は、回路基板20に設けられた一対の穴23を位置調整用ロボットのアームRAにより保持しながら行うので、半導体レーザ10を直接保持して調整工程を行う場合と比べて、調整工程中の半導体レーザ10(回路基板20)を安定させることができる。これにより、半導体レーザ10の位置や2つのレーザ光のピッチDの精度をより高めることができる。
【0044】
そして、本実施形態の光走査装置1によれば、半導体レーザ10が組み付けられた回路基板20がフレーム40に接着剤50で固定されているので、回路基板20をネジなどでフレーム40に固定する構成と比較して、回路基板20(すなわち半導体レーザ10)のフレーム40に対する位置の自由度を高めることができる。これにより、上記したような製造方法の実現が容易となるので、フレーム40に固定された後は半導体レーザ10の位置調整がほぼ不要となり、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0046】
前記実施形態では、調整工程は、半導体レーザ10を回路基板20に組み付けた状態で、回路基板20の一対の穴23を位置調整用ロボットのアームRAにより保持しながら行っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、調整工程は、半導体レーザ10を位置調整用ロボットのアームRA’(光源の位置を調整するための器具)により直接保持しながら行ってもよい。
【0047】
この場合、半導体レーザ10には、その外周に対向する一対の凹部13を設け、調整工程は、アームRA’が半導体レーザ10の一対の凹部13を保持しながら行うことが望ましい。これによれば、調整工程中の半導体レーザ10を安定させることができるので、半導体レーザ10の位置や2つのレーザ光のピッチDの精度を高めることができる。
【0048】
前記実施形態では、回路基板20に当該回路基板20を保持するための穴23が設けられていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、回路基板の外周に対向する一対の凹部が設けられていてもよい。この場合、回路基板は、調整工程において、位置調整用ロボットのアームが一対の凹部に係合した状態で保持されることとなる。
【0049】
前記実施形態では、半導体レーザ10の位置を調整するための器具としてアームRA(位置調整用ロボット)を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カップリングレンズが固定されたフレームと、光源が組み付けられた回路基板(または光源自体)とを保持し、組立作業員の操作により光源を動かしながら、光源の位置調整を行うような治具などであってもよい。
【0050】
前記実施形態では、調整工程(ピッチDの調整)において、回路基板20(半導体レーザ10)を光軸A回りに回転させたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明において、ピッチの調整は、光走査装置(光学系)の仮想的な光軸と平行な任意の軸回りに回転させることで行うことができる。
【0051】
前記実施形態では、コネクタとして、回路基板20上に設けられた(固定された)雌型コネクタ22を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、回路基板から引き出された配線の端部に設けられた雌型または雄型のコネクタであってもよい。また、本発明において、回路基板はコネクタを有していなくてもよい。
【0052】
前記実施形態では、フレームとして、光源ユニット2のフレーム40を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前記実施形態の筐体1Aであってもよい。言い換えると、本発明は、光走査装置1の筐体1Aに、半導体レーザ10が組み付けられた回路基板20や、コリメートレンズ30などが直接支持(固定)される構成であってもよい。
【0053】
前記実施形態では、偏向器としてのポリゴンミラー5が6つのミラー面5Aを有していたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ミラー面は4つであってもよい。また、前記実施形態では、偏向器として、回転することでレーザ光を偏向するポリゴンミラー5を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、揺動することで光を偏向する振動ミラーなどであってもよい。
【0054】
前記実施形態では、走査レンズとしてのfθレンズ6が1つのみ設けられていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、複数設けられていてもよい。
【0055】
前記実施形態では、回路基板20をフレーム40に固定する接着剤50が光硬化性樹脂であったが、本発明はこれに限定されず、広く公知の接着剤を採用することができる。
【0056】
前記実施形態では、光源(半導体レーザ10)は2つの発光点を有するものであったが、本発明はこれに限定されず、例えば、3つ以上の発光点を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 光走査装置
2 光源ユニット
5 ポリゴンミラー
6 fθレンズ
9A 被走査面
10 半導体レーザ
20 回路基板
22 雌型コネクタ
23 穴
30 コリメートレンズ
40 フレーム
50 接着剤
A 軸
C 雄型コネクタ
D ピッチ
RA アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光点を有する光源と、前記光源からの光を光束に変換するカップリングレンズと、光束に変換された光を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器からの光を被走査面上に結像する走査レンズと、少なくとも前記光源および前記カップリングレンズを支持するフレームとを備える光走査装置の製造方法であって、
前記カップリングレンズを前記フレームに固定するカップリングレンズ固定工程と、
前記光源を発光させながら、前記フレームに固定された前記カップリングレンズに対する前記光源の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置を調整するとともに、前記光源を光軸回りに回転させて前記被走査面上における複数の光の副走査方向におけるピッチを調整する調整工程と、
前記調整工程によって位置を決めた前記光源を前記フレームに固定する光源固定工程と、を有することを特徴とする光走査装置の製造方法。
【請求項2】
前記調整工程の前に実行され、前記光源を、当該光源に電力を供給する回路基板に組み付ける基板組付工程をさらに有し、
前記調整工程は、前記光源を前記回路基板に組み付けた状態で前記回路基板に電力を供給しながら行うことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置の製造方法。
【請求項3】
前記光源固定工程は、前記光源が組み付けられた前記回路基板を前記フレームに接着剤で固定することにより行うことを特徴とする請求項2に記載の光走査装置の製造方法。
【請求項4】
前記調整工程において、前記回路基板への電力の供給は、前記回路基板に設けられたコネクタに外部電源を接続することで行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光走査装置の製造方法。
【請求項5】
前記調整工程は、前記光源の外周に設けられた対向する一対の凹部を、前記光源の位置を調整するための器具により保持しながら行うことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置の製造方法。
【請求項6】
前記調整工程は、前記回路基板の外周に設けられた対向する一対の凹部、または、前記回路基板に設けられた一対の穴を、前記回路基板に組み付けられた前記光源の位置を調整するための器具により保持しながら行うことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の光走査装置の製造方法。
【請求項7】
複数の発光点を有する光源と、前記光源からの光を光束に変換するカップリングレンズと、光束に変換された光を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器からの光を被走査面上に結像する走査レンズと、少なくとも前記光源および前記カップリングレンズを支持するフレームとを備える光走査装置であって、
前記光源は、当該光源に電力を供給する回路基板に組み付けられ、前記フレームに固定された前記カップリングレンズに対する前記光源の光軸に直交する方向の位置および光軸方向の位置、並びに、前記被走査面上における複数の光の副走査方向におけるピッチが調整された状態で、前記回路基板が前記フレームに接着剤で固定されていることを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
前記回路基板は、前記光源に電力を供給するための外部電源が接続されるコネクタを有することを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記接着剤は、光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光走査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−173667(P2012−173667A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37881(P2011−37881)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】