光路開閉装置
【課題】 口径設定精度の高い光路開閉装置、及び、その光路開閉装置を備えた撮像装置を提供する。
【解決手段】 光路開閉装置１は、回動に伴って光路開口３１を開閉する６枚の羽根部材１１からなる組み合わせ羽根１０と、各羽根部材１１のカム溝１７と係合する金属製のカムピン３５と、カムピン３５が植設された樹脂製の地板Ａ３０と、各羽根部材１１の回動中心となる金属製の支点ピン２１と、支点ピン２１が植設された樹脂製の風車２０を備える。風車２０と地板Ａ３０は相対的に回動する。カムピン３５は地板Ａ３０に圧入されており、支点ピン２１は風車２０に圧入されている。支点ピン２１やカムピン３５を金属製としているので、高い精度で加工することができる。これにより、羽根部材の支点孔と支点ピン間、及び、羽根部材のカム溝とカムピン間のクリアランスを設計値に近づけることができ、高い口径設定精度を得ることができる。
【解決手段】 光路開閉装置１は、回動に伴って光路開口３１を開閉する６枚の羽根部材１１からなる組み合わせ羽根１０と、各羽根部材１１のカム溝１７と係合する金属製のカムピン３５と、カムピン３５が植設された樹脂製の地板Ａ３０と、各羽根部材１１の回動中心となる金属製の支点ピン２１と、支点ピン２１が植設された樹脂製の風車２０を備える。風車２０と地板Ａ３０は相対的に回動する。カムピン３５は地板Ａ３０に圧入されており、支点ピン２１は風車２０に圧入されている。支点ピン２１やカムピン３５を金属製としているので、高い精度で加工することができる。これにより、羽根部材の支点孔と支点ピン間、及び、羽根部材のカム溝とカムピン間のクリアランスを設計値に近づけることができ、高い口径設定精度を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、光学機器の絞りやシャッター等の光路開口を開閉する光路開閉装置及びその光路開閉装置を備えた撮像装置に関する。特には、光路開口の絞り精度を向上させた光路開閉装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、フォーカス制御やズーミングのための各種のレンズを光軸方向へ移動させるレンズ移動機構と、光量調節用の光路開閉機構（装置）が備えられている。
図７は、光路開閉装置の構造の一例を示す分解斜視図である。
この光路開閉装置１０１は、回動に伴って光路を開閉する組み合わせ羽根１１０と、光軸ＯＡを中心に回動する風車１２０と、光路開口１３１が形成された地板Ａ（ベースともいう）１３０と、組み合わせ羽根１１０と風車１２０を地板Ａ１３０に対して支持する地板Ｂ（中間地板ともいう）１５０から主に構成されている。
【０００３】
組み合わせ羽根１１０は、複数（この例では６枚）の羽根部材１１１からなる。各羽根部材１１１には支点孔１１５とカム溝１１７が形成されている。地板Ａ１３０には、各羽根部材１１１のカム溝１１７と係合し、同カム溝内をスライドするカムピン１３５が植設されている。風車１２０には、各羽根部材１１１の支点孔１１５に通される支点ピン１２１が植設されているとともに、外周部の一部にラック１２７が切られている。ラック１２７は、ピニオン１６３に噛み合っており、同ピニオン１６３は減速機を介してモータ１６０で回転駆動される。
【０００４】
モータ１６０によってピニオン１６３が回転すると、同ピニオン１６３に噛み合うラック１２７が形成された風車１２０が光軸ＯＡの周りを回転する。すると、風車１２０の各支点ピン１２１に回動可能に支持されている羽根部材１１１も旋回する。このとき、羽根部材１１１のカム溝１１７の縁が地板Ａ１３０に植設されているカムピン１３５に押され、カム溝１１７がカムピン１３５に沿って進み出す。すると、羽根部材１１１は支点ピン１２１を中心として回動し始め、地板Ａ１３０の光路開口１３１内に侵入する。そして、各羽根部材１１１の縁によって開閉自在な絞り開口が形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述の光路開閉装置１０１においては、各羽根部材１１１を滑らかに摺動させるために、羽根部材１１１の支点孔１１５と風車１２０の支点ピン１２１の間、及び、羽根部材１１１のカム溝１１７と地板Ａ１３０のカムピン１３５の間は、ある程度のクリアランス（スキマ）をもつように設計されている。ここで、一般的には、支点ピン１２１は、樹脂製の風車本体に一体に成形されたものであり、カムピン１３５は、樹脂製の地板本体に一体に成形されたものである。
【０００６】
このような樹脂成形では、量産性を考慮すると、成形されたピンの公差幅は広くなる。一例として、公差幅は０．０１ｍｍ程度になる。一方、樹脂製の羽根部材１１１に形成された支点孔１１５やカム溝１１７の公差幅は０．０１０ｍｍ程度である。ピン径が公差内で最小となり、支点孔１１５やカム溝１１７の径が公差内で最大となった場合、各ピンと支点孔もしくはカム溝とのクリアランスは０．０２０ｍｍ程度と大きくなってしまう。すると、各羽根部材の回動支点位置がずれたり、カム溝内でのカムピンの動きが一様でなくなって各羽根部材の動作がばらついて、口径設定精度の悪化が生じるおそれがある。
【０００７】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、口径設定精度の高い光路開閉装置、及び、そのような光路開閉装置を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の態様の光路開閉装置は、 光路開口を開閉する装置であって、 支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、 前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、 前記支点の中心となる支点ピンと、 前記カムピンの植設された第１の部材と、 前記支点ピンの植設された第２の部材と、 前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、を備え、 前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、 前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする。
【０００９】
本発明によれば、支点ピンやカムピンを金属製としているので、高い精度で加工することができる。このため、従来のように樹脂製の風車やベース（第１の部材、第２の部材）に一体に成形されている支点ピンやカムピンよりも小さい公差幅の径寸法を得ることができる。例えば、これらのピンをセンタレス研磨すると、公差幅は０．００３ｍｍ程度となる。これにより、羽根部材の支点孔と支点ピン間、及び、羽根部材のカム溝とカムピン間のクリアランス（ガタ、スキマ）を設計値に近づけることができ、高い口径設定精度を得ることができる。なお、カムピンの植設された第１の部材と支点ピンの植設された第２の部材のいずれを駆動してもよいし、いずれを外側又は内側に配置してもよい。
【００１０】
本発明においては、 前記第１の部材及び第２の部材が樹脂製であることが好ましい。
【００１１】
支点ピンやカムピンを金属製とした場合、これらのピンが植設される部材（風車やベース）も金属製にすると、強力な圧入が実施できる。しかし、実際の使用上において各ピンにかかる負荷は各羽根部材の摺動負荷であり、それほど強力な圧入力（抜去力）は不要である。このため風車やベースは安価な樹脂で作製することが、コストの面で好ましい。特に、風車は回動動作するので、イナーシャの増加を抑えて駆動源への負担を抑えるためにも、樹脂で作製することが好ましい。
【００１２】
本発明の撮像装置は、 光路開口を開閉する光路開閉機構を備えた撮像装置であって、 前記光路開閉機構は、 支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、 前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、 前記支点の中心となる支点ピンと、 前記カムピンの植設された第１の部材と、 前記支点ピンの植設された第２の部材と、 前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、を備え、 前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、 前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、光路開口の口径設定精度を高い光路開閉装置を備えた撮像装置を提供できる。
【発明の効果】
【００１３】
以上説明したように、本発明によれば、支点ピンやカムピンを高い精度で作製することができるため、支点ピンと支点孔間、及び、カムピンとカム溝間のクリアランスを比較的小さくかつバラツキを少なくでき、光路開口の口径設定精度の高い光路開閉装置、及び、そのような光路開閉装置を備えた撮像装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る光路開閉装置を説明する。
図１は、本発明の実施の形態に係る光路開閉装置を示す図であり、図１（Ａ）は分解斜視図、図１（Ｂ）は風車の一部拡大図である。
図２は、図１の光路開閉装置の羽根部材の動きを説明するための正面図であり、図２（Ａ）は全開時、図２（Ｂ）は全閉時を示す。
図３は、各々の羽根部材の形状を示す平面図である。
図４は、風車の形状を示す図であり、図４（Ａ）は本体の正面図、図４（Ｂ）は図４（Ａ）のＢ−Ｂ側面断面図、図４（Ｃ）は支点ピンの側面図である。
図５は、地板Ａの形状を示す図であり、図５（Ａ）は本体の正面図、図５（Ｂ）は図５（Ａ）のＡ―Ａ側面断面図、図５（Ｃ）はカムピンの側面図である。
図６は、地板Ｂの形状を示す図であり、図６（Ａ）は正面図、図６（Ｂ）は側面断面図である。
【００１５】
図１に示すように、光路開閉装置１は、光路開口を開閉する組み合わせ羽根１０と、光軸ＯＡを中心に回動する風車２０（第２の部材）と、光路開口３１が形成された地板Ａ（第１の部材、ベースともいう）３０と、組み合わせ羽根１０及び風車２０を地板Ａ３０に対して支持する地板Ｂ（中間地板ともいう）５０と、から主に構成されている。
【００１６】
組み合わせ羽根１０は、この例では、６枚の同一形状の羽根部材１１からなる。各羽根部材１１は、図３に示すように、略半円状の薄い部材である。羽根部材１１は、この例では、遮光能力のあるコーティングを施した樹脂フィルム（一例でポリエステルフィルム）で作製されている。羽根部材１１の内周部には、円弧状の絞り形成縁１３が形成されている。各羽根部材１１の絞り形成縁１３によって、光軸ＯＡを中心とする光路開口が形成される。また、各羽根部材１１の端部には、支点孔１５が開けられており、中央付近にはカム溝１７が形成されている。
【００１７】
風車２０は、図４（Ａ）、（Ｂ）に示す略リング状の樹脂製（例えばポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど）の本体２８と、同本体２８に圧入により取り付けられる、図４（Ｃ）に示す複数（この例では６本）の金属製（例えばステンレスなど）の支点ピン２１から構成される。
本体２８の外周部には、支点ピン２１が圧入される貫通孔２２が、等しい中心角度（この例では６０°）で外周に沿って形成されている。各支点ピン２１は、各羽根部材１１の回動支点となるもので、各羽根部材１１の支点孔１５が各支点ピン２１にはめ込まれる。なお、各羽根部材１１を滑らかに回動させるために、各支点ピン２１と各支点孔１５の間には、ある程度のクリアランスが設けられている。
各穴２２の周囲には略Ｃ字状のリブ（突部）２３が形成されている。このようなリブ２３により、羽根部材１１の回動時の風車２０と羽根部材１１との摩擦抵抗を低下させて、羽根部材１１を滑らかに回動させることができる。
【００１８】
本体２８の外周の一部には、外方向に張り出す延出部２５が設けられている。この延出部２５の外縁にはラック２７が切られている。このラック２７はピニオン６３に噛み合っており、同ピニオン６３は減速機を介してモータ６０で回転駆動される（図１参照）。また、延出部２５の下面には、遮光板２９が突出して形成されている。この遮光板２９は、フォトインタラプタ等の位置検出器を用いた位置検出用のものである。
【００１９】
地板Ａ３０は、図５（Ａ）、（Ｂ）に示す樹脂製（例えばポリカーボネートなど）の本体４７と、同本体４７に圧入により取り付けられる、図５（Ｃ）に示す複数（この例では６本）の金属製（例えばステンレスなど）のカムピン３５から構成される。
本体４７には、図５（Ａ）、（Ｂ）に示すように、光路開口３１が形成されている。光路開口３１の周囲には、各羽根部材１１が載置されて摺動する平らな摺動面３３が形成されている。摺動面３３の外周域には、カムピン３５が圧入される穴３４が、外周に沿って等しい中心角度（この例では６０°）で形成されている。各カムピン３５は、各羽根部材１１のカム溝１７に係合する。なお、各カムピン３５と各カム溝１７との間には、カムピン３５が滑らかに移動するために、ある程度のクリアランスが設けられている。
なお、各穴３４の周囲は、摺動面３３よりやや低い段部となっている。この段部は、穴３４端部の荒れ（バリや圧入による変形）があった場合、羽根部材の滑らかな動きを阻害する可能性があるので、それを避けるために形成されている。
【００２０】
摺動面３３の外側には、風車２０が載置される凹部３７が形成されている。凹部３７内には、風車２０を同部底面からやや浮かして保持する環状のリブ３９が付設されている。また、凹部３７の、風車延出部２５の回動範囲に相当する部分には、上述の遮光板２９が通る溝４１が形成されている。さらに、凹部３７内の風車延出部回動範囲の両端には、全開時と全閉時に風車２０の延出部２５が当接するストッパ４３、４５が形成されている。
【００２１】
地板Ｂ５０は、図６に示すように、地板Ａ３０とほぼ同じ形状であり、光路開口５１が形成されている。地板Ｂ５０は、地板Ａ３０に風車２０及び組み合わせ羽根１０が組み込まれた後、地板Ａ３０に被せられて、各羽根部材１１の重なり方向の距離を制限するとともに、羽根部材１１及び風車２０の地板Ａからの脱落を防止する。
【００２２】
次に、図２を参照して組み合わせ羽根の開閉動作について説明する。
図２（Ａ）に示す絞り全開時においては、全ての羽根部材１１の絞り形成縁１３は地板Ａ３０の光路開口３１のやや外側に位置して、光路開口３１が全開となっている。そして、風車２０の延出部２５は図の左側のストッパ４３に当接し、ラック２７の右端にピニオン６３が噛み合っている。図２（Ａ）に矢印で示すように、モータが回転してピニオン６３が反時計方向に回転すると、ラック２７は図の右方向に移動し、風車２０は光軸を中心として時計方向に回転し始める。
【００２３】
風車２０の回転とともに、各支点ピン２１に回動可能に支持されている羽根部材１１も、地板Ａ３０の摺動面３３上で摺動しながら時計方向に旋回する。このとき、羽根部材移動方向（時計方向）において下流に位置するカム溝１７の縁が、地板Ａ３０に植設されているカムピン３５に押され、カム溝１７がカムピン３５に沿って進み出す。すると、羽根部材１１は支点ピン２１を中心として図の時計方向に回動し始める。そして、羽根部材１１がさらに回動すると、カムピン３５はカム溝１７内を相対的に図の左方向に移動するとともに、羽根部材１１のカム溝１７の縁がカムピン３５に押され続けながら、羽根部材１１が図の時計方向に回動し続ける。これにより、図２（Ｂ）に示すように、各羽根部材１１が絞り形成縁１３から地板Ａ３０の光路開口３１内を塞ぐように侵入する。
【００２４】
この例では、風車２０が約２５°回転し、図２（Ｂ）に示すように、延出部２５が右側のストッパ４５に当接してラック２７の左端がピニオン６３と噛み合う。この状態で、羽根部材１１は光路開口開位置から閉位置へ移動する。その結果、図２（Ｂ）に示すように、各羽根部材１１は相互に重なり、各羽根部材１１の絞り形成縁１３で形成される開口は極めて小さくなる。
【００２５】
なお、光路を開く際は、モータ６０を逆回転させて、風車２０を図の反時計方向に回動させる。
【００２６】
本発明によれば、カムピン３５や支点ピン２１を金属製としているので、高い精度で加工でき、小さい公差幅の径寸法を得ることができる。このため、羽根部材１１の支点孔１５と風車２０の支点ピン２１間、及び、羽根部材１１のカム溝１７と地板Ａ５０のカムピン３５間のクリアランス（スキマ）を設計値に近づけることができ、高い口径設定精度を得ることができる。
【００２７】
このように支点ピン２１やカムピン３５を金属製とした場合、これらのピンが植設される風車２０の本体２８や地板Ａ３０の本体４７も金属製にすると、強力な圧入が実施できる。しかし、実際の使用上において、各ピンにかかる負荷は各羽根部材の摺動負荷であり、それほど強力な圧入力（抜去力）は不要である。このため風車本体２８や地板Ａ本体４７は樹脂で作製することが、コストの面でも好ましい。特に、風車２０は回動動作するので、イナーシャの増加を抑えてモータ６０への負担を抑えるためにも、樹脂で作製することが好ましい。
【００２８】
以上説明した発明を実施するための形態は、光路開閉装置に固定された地板にカムピンを植設し、回動する風車に支点ピンを植設した例であって、支点ピンがカムピンよりも光軸から見て外周側に配置されているものである。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、光路開閉装置に固定された地板に支点ピンを植設し、回動する風車にカムピンを植設したものや、カムピンが支点ピンよりも光軸から見て外周側に配置されているものなど、他の形態であってもよい。
【００２９】
次に、本発明の実施の形態に係る撮像装置を説明する。
図８は、撮像装置の基本構成を説明するための図である。
図９は、本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を示す断面図である。
この例ではビデオカメラについて説明するが、本発明は、ビデオカメラに限られることはなく、スチルカメラの他、動画撮影又は静止画撮影の機能を有する各種撮像装置に適用することができる。
【００３０】
まず、図８を参照して撮像装置の基本構成を説明する。
撮像装置３００は、外筐として設けられたレンズ鏡筒３０１を有する。このレンズ鏡筒３０１には、レンズ又はレンズ群（簡略化のため図には単レンズとして示す）、固体撮像素子等の撮像手段３２０、及び、アイリスもしくはシャッター、またはその両方の機能を兼用する光路開閉装置１が設けられている。
被写体Ｏからレンズ又はレンズ群３１０を通った光は、光路開閉装置１の羽根部材１０で形成される開口ＡＰを通して、撮像手段３２０に入射される。
【００３１】
図９を参照して、具体的な構成例について説明する。
レンズ鏡筒３０１は、ガラス入りポリカーボネート等の樹脂で作成される。レンズ鏡筒３０１内には、被写体側（図の左側）から順に、対物レンズ３１１、変倍レンズ３１２、レンズ３１３、光路開閉装置１、フォーカスレンズ３１４、固体撮像素子３２０が配置されている。光路開閉装置１は、図１などで説明したものを使用できる。
【００３２】
変倍レンズ３１２はホルダ３１６に保持されており、ホルダ３１６は光軸方向に平行な２本のガイドバー３０３に摺動自在に支持されている。ホルダ３０３は駆動部３０４で駆動されて、同ホルダ３１６に保持されている変倍レンズ３１２が光軸方向に移動する。
【００３３】
フォーカスレンズ３１４はホルダ３１７に保持されており、ホルダ３１７は光軸方向に平行な２本のガイドバー３０７に摺動自在に支持されている。ホルダ３１７は駆動部３０８で駆動されて、同ホルダ３１７に保持されているフォーカスレンズ３１４が光軸方向に移動する。
【００３４】
固体撮像装置３２０によって得られる画像出力は画像処理部３２１に送られて所定の処理が行われる。画像処理部３２１は、制御等に必要な情報を演算処理部３２３に送ったり、撮影画像をビューファインダーやモニター等に送って表示させたり、あるいは使用者の操作指示に従って画像情報等を記録媒体に記録させる。なお、マイクロコンピュータ等を用いた演算処理部３２３は、制御部３２５に制御指令を送り、制御部３２５から光路開閉装置１のモータ６０（図１参照）、変倍レンズ及びフォーカスレンズ駆動部３０４、３０８等に制御信号を送って各部が制御される。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の実施の形態に係る光路開閉装置を示す図であり、図１（Ａ）は分解斜視図、図１（Ｂ）は風車の一部拡大図である。
【図２】図１の光路開閉装置の羽根部材の動きを説明するための正面図であり、図２（Ａ）は全開時、図２（Ｂ）は全閉時を示す。
【図３】各々の羽根部材の形状を示す平面図である。
【図４】風車の形状を示す図であり、図４（Ａ）は本体の正面図、図４（Ｂ）は図４（Ａ）のＢ−Ｂ側面断面図、図４（Ｃ）は支点ピンの側面図である。
【図５】地板Ａの形状を示す図であり、図５（Ａ）は本体の正面図、図５（Ｂ）は図５（Ａ）のＡ―Ａ側面断面図、図５（Ｃ）はカムピンの側面図である。
【図６】地板Ｂの形状を示す図であり、図６（Ａ）は正面図、図６（Ｂ）は側面断面図である。
【図７】光路開閉装置の構造の一例を示す分解斜視図である。
【図８】撮像装置の基本構成を説明するための図である。
【図９】本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【００３６】
１ 光路開閉装置
１０ 組み合わせ羽根 １１ 羽根部材
１３ 絞り形成縁 １５ 支点孔
１７ カム溝 ２０ 風車
２１ 支点ピン ２３ リブ
２５ 延出部 ２７ ラック
２８ 本体 ２９ ガイド片
３０ 地板Ａ ３１ 光路開口
３３ 摺動面 ３５ カムピン
３７ 凹部 ３９ リブ
４１ ガイド溝 ４３、４５ ストッパ
４７ 本体 ５０ 地板Ｂ
５１ 光路開口
３００ 撮像装置 ３０１ レンズ鏡筒
３０３、３１７ ガイドバー ３０４、３０８ 駆動部
３１０ レンズ群 ３１１ 対物レンズ
３１２ 変倍レンズ ３１３ レンズ
３１４ フォーカスレンズ ３１６、３１７ ホルダ
３２０ 固体撮像素子 ３２１ 画像処理部
３２３ 演算処理部 ３２５ 制御部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、光学機器の絞りやシャッター等の光路開口を開閉する光路開閉装置及びその光路開閉装置を備えた撮像装置に関する。特には、光路開口の絞り精度を向上させた光路開閉装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、フォーカス制御やズーミングのための各種のレンズを光軸方向へ移動させるレンズ移動機構と、光量調節用の光路開閉機構（装置）が備えられている。
図７は、光路開閉装置の構造の一例を示す分解斜視図である。
この光路開閉装置１０１は、回動に伴って光路を開閉する組み合わせ羽根１１０と、光軸ＯＡを中心に回動する風車１２０と、光路開口１３１が形成された地板Ａ（ベースともいう）１３０と、組み合わせ羽根１１０と風車１２０を地板Ａ１３０に対して支持する地板Ｂ（中間地板ともいう）１５０から主に構成されている。
【０００３】
組み合わせ羽根１１０は、複数（この例では６枚）の羽根部材１１１からなる。各羽根部材１１１には支点孔１１５とカム溝１１７が形成されている。地板Ａ１３０には、各羽根部材１１１のカム溝１１７と係合し、同カム溝内をスライドするカムピン１３５が植設されている。風車１２０には、各羽根部材１１１の支点孔１１５に通される支点ピン１２１が植設されているとともに、外周部の一部にラック１２７が切られている。ラック１２７は、ピニオン１６３に噛み合っており、同ピニオン１６３は減速機を介してモータ１６０で回転駆動される。
【０００４】
モータ１６０によってピニオン１６３が回転すると、同ピニオン１６３に噛み合うラック１２７が形成された風車１２０が光軸ＯＡの周りを回転する。すると、風車１２０の各支点ピン１２１に回動可能に支持されている羽根部材１１１も旋回する。このとき、羽根部材１１１のカム溝１１７の縁が地板Ａ１３０に植設されているカムピン１３５に押され、カム溝１１７がカムピン１３５に沿って進み出す。すると、羽根部材１１１は支点ピン１２１を中心として回動し始め、地板Ａ１３０の光路開口１３１内に侵入する。そして、各羽根部材１１１の縁によって開閉自在な絞り開口が形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上述の光路開閉装置１０１においては、各羽根部材１１１を滑らかに摺動させるために、羽根部材１１１の支点孔１１５と風車１２０の支点ピン１２１の間、及び、羽根部材１１１のカム溝１１７と地板Ａ１３０のカムピン１３５の間は、ある程度のクリアランス（スキマ）をもつように設計されている。ここで、一般的には、支点ピン１２１は、樹脂製の風車本体に一体に成形されたものであり、カムピン１３５は、樹脂製の地板本体に一体に成形されたものである。
【０００６】
このような樹脂成形では、量産性を考慮すると、成形されたピンの公差幅は広くなる。一例として、公差幅は０．０１ｍｍ程度になる。一方、樹脂製の羽根部材１１１に形成された支点孔１１５やカム溝１１７の公差幅は０．０１０ｍｍ程度である。ピン径が公差内で最小となり、支点孔１１５やカム溝１１７の径が公差内で最大となった場合、各ピンと支点孔もしくはカム溝とのクリアランスは０．０２０ｍｍ程度と大きくなってしまう。すると、各羽根部材の回動支点位置がずれたり、カム溝内でのカムピンの動きが一様でなくなって各羽根部材の動作がばらついて、口径設定精度の悪化が生じるおそれがある。
【０００７】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、口径設定精度の高い光路開閉装置、及び、そのような光路開閉装置を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の態様の光路開閉装置は、 光路開口を開閉する装置であって、 支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、 前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、 前記支点の中心となる支点ピンと、 前記カムピンの植設された第１の部材と、 前記支点ピンの植設された第２の部材と、 前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、を備え、 前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、 前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする。
【０００９】
本発明によれば、支点ピンやカムピンを金属製としているので、高い精度で加工することができる。このため、従来のように樹脂製の風車やベース（第１の部材、第２の部材）に一体に成形されている支点ピンやカムピンよりも小さい公差幅の径寸法を得ることができる。例えば、これらのピンをセンタレス研磨すると、公差幅は０．００３ｍｍ程度となる。これにより、羽根部材の支点孔と支点ピン間、及び、羽根部材のカム溝とカムピン間のクリアランス（ガタ、スキマ）を設計値に近づけることができ、高い口径設定精度を得ることができる。なお、カムピンの植設された第１の部材と支点ピンの植設された第２の部材のいずれを駆動してもよいし、いずれを外側又は内側に配置してもよい。
【００１０】
本発明においては、 前記第１の部材及び第２の部材が樹脂製であることが好ましい。
【００１１】
支点ピンやカムピンを金属製とした場合、これらのピンが植設される部材（風車やベース）も金属製にすると、強力な圧入が実施できる。しかし、実際の使用上において各ピンにかかる負荷は各羽根部材の摺動負荷であり、それほど強力な圧入力（抜去力）は不要である。このため風車やベースは安価な樹脂で作製することが、コストの面で好ましい。特に、風車は回動動作するので、イナーシャの増加を抑えて駆動源への負担を抑えるためにも、樹脂で作製することが好ましい。
【００１２】
本発明の撮像装置は、 光路開口を開閉する光路開閉機構を備えた撮像装置であって、 前記光路開閉機構は、 支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、 前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、 前記支点の中心となる支点ピンと、 前記カムピンの植設された第１の部材と、 前記支点ピンの植設された第２の部材と、 前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、を備え、 前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、 前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、光路開口の口径設定精度を高い光路開閉装置を備えた撮像装置を提供できる。
【発明の効果】
【００１３】
以上説明したように、本発明によれば、支点ピンやカムピンを高い精度で作製することができるため、支点ピンと支点孔間、及び、カムピンとカム溝間のクリアランスを比較的小さくかつバラツキを少なくでき、光路開口の口径設定精度の高い光路開閉装置、及び、そのような光路開閉装置を備えた撮像装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る光路開閉装置を説明する。
図１は、本発明の実施の形態に係る光路開閉装置を示す図であり、図１（Ａ）は分解斜視図、図１（Ｂ）は風車の一部拡大図である。
図２は、図１の光路開閉装置の羽根部材の動きを説明するための正面図であり、図２（Ａ）は全開時、図２（Ｂ）は全閉時を示す。
図３は、各々の羽根部材の形状を示す平面図である。
図４は、風車の形状を示す図であり、図４（Ａ）は本体の正面図、図４（Ｂ）は図４（Ａ）のＢ−Ｂ側面断面図、図４（Ｃ）は支点ピンの側面図である。
図５は、地板Ａの形状を示す図であり、図５（Ａ）は本体の正面図、図５（Ｂ）は図５（Ａ）のＡ―Ａ側面断面図、図５（Ｃ）はカムピンの側面図である。
図６は、地板Ｂの形状を示す図であり、図６（Ａ）は正面図、図６（Ｂ）は側面断面図である。
【００１５】
図１に示すように、光路開閉装置１は、光路開口を開閉する組み合わせ羽根１０と、光軸ＯＡを中心に回動する風車２０（第２の部材）と、光路開口３１が形成された地板Ａ（第１の部材、ベースともいう）３０と、組み合わせ羽根１０及び風車２０を地板Ａ３０に対して支持する地板Ｂ（中間地板ともいう）５０と、から主に構成されている。
【００１６】
組み合わせ羽根１０は、この例では、６枚の同一形状の羽根部材１１からなる。各羽根部材１１は、図３に示すように、略半円状の薄い部材である。羽根部材１１は、この例では、遮光能力のあるコーティングを施した樹脂フィルム（一例でポリエステルフィルム）で作製されている。羽根部材１１の内周部には、円弧状の絞り形成縁１３が形成されている。各羽根部材１１の絞り形成縁１３によって、光軸ＯＡを中心とする光路開口が形成される。また、各羽根部材１１の端部には、支点孔１５が開けられており、中央付近にはカム溝１７が形成されている。
【００１７】
風車２０は、図４（Ａ）、（Ｂ）に示す略リング状の樹脂製（例えばポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど）の本体２８と、同本体２８に圧入により取り付けられる、図４（Ｃ）に示す複数（この例では６本）の金属製（例えばステンレスなど）の支点ピン２１から構成される。
本体２８の外周部には、支点ピン２１が圧入される貫通孔２２が、等しい中心角度（この例では６０°）で外周に沿って形成されている。各支点ピン２１は、各羽根部材１１の回動支点となるもので、各羽根部材１１の支点孔１５が各支点ピン２１にはめ込まれる。なお、各羽根部材１１を滑らかに回動させるために、各支点ピン２１と各支点孔１５の間には、ある程度のクリアランスが設けられている。
各穴２２の周囲には略Ｃ字状のリブ（突部）２３が形成されている。このようなリブ２３により、羽根部材１１の回動時の風車２０と羽根部材１１との摩擦抵抗を低下させて、羽根部材１１を滑らかに回動させることができる。
【００１８】
本体２８の外周の一部には、外方向に張り出す延出部２５が設けられている。この延出部２５の外縁にはラック２７が切られている。このラック２７はピニオン６３に噛み合っており、同ピニオン６３は減速機を介してモータ６０で回転駆動される（図１参照）。また、延出部２５の下面には、遮光板２９が突出して形成されている。この遮光板２９は、フォトインタラプタ等の位置検出器を用いた位置検出用のものである。
【００１９】
地板Ａ３０は、図５（Ａ）、（Ｂ）に示す樹脂製（例えばポリカーボネートなど）の本体４７と、同本体４７に圧入により取り付けられる、図５（Ｃ）に示す複数（この例では６本）の金属製（例えばステンレスなど）のカムピン３５から構成される。
本体４７には、図５（Ａ）、（Ｂ）に示すように、光路開口３１が形成されている。光路開口３１の周囲には、各羽根部材１１が載置されて摺動する平らな摺動面３３が形成されている。摺動面３３の外周域には、カムピン３５が圧入される穴３４が、外周に沿って等しい中心角度（この例では６０°）で形成されている。各カムピン３５は、各羽根部材１１のカム溝１７に係合する。なお、各カムピン３５と各カム溝１７との間には、カムピン３５が滑らかに移動するために、ある程度のクリアランスが設けられている。
なお、各穴３４の周囲は、摺動面３３よりやや低い段部となっている。この段部は、穴３４端部の荒れ（バリや圧入による変形）があった場合、羽根部材の滑らかな動きを阻害する可能性があるので、それを避けるために形成されている。
【００２０】
摺動面３３の外側には、風車２０が載置される凹部３７が形成されている。凹部３７内には、風車２０を同部底面からやや浮かして保持する環状のリブ３９が付設されている。また、凹部３７の、風車延出部２５の回動範囲に相当する部分には、上述の遮光板２９が通る溝４１が形成されている。さらに、凹部３７内の風車延出部回動範囲の両端には、全開時と全閉時に風車２０の延出部２５が当接するストッパ４３、４５が形成されている。
【００２１】
地板Ｂ５０は、図６に示すように、地板Ａ３０とほぼ同じ形状であり、光路開口５１が形成されている。地板Ｂ５０は、地板Ａ３０に風車２０及び組み合わせ羽根１０が組み込まれた後、地板Ａ３０に被せられて、各羽根部材１１の重なり方向の距離を制限するとともに、羽根部材１１及び風車２０の地板Ａからの脱落を防止する。
【００２２】
次に、図２を参照して組み合わせ羽根の開閉動作について説明する。
図２（Ａ）に示す絞り全開時においては、全ての羽根部材１１の絞り形成縁１３は地板Ａ３０の光路開口３１のやや外側に位置して、光路開口３１が全開となっている。そして、風車２０の延出部２５は図の左側のストッパ４３に当接し、ラック２７の右端にピニオン６３が噛み合っている。図２（Ａ）に矢印で示すように、モータが回転してピニオン６３が反時計方向に回転すると、ラック２７は図の右方向に移動し、風車２０は光軸を中心として時計方向に回転し始める。
【００２３】
風車２０の回転とともに、各支点ピン２１に回動可能に支持されている羽根部材１１も、地板Ａ３０の摺動面３３上で摺動しながら時計方向に旋回する。このとき、羽根部材移動方向（時計方向）において下流に位置するカム溝１７の縁が、地板Ａ３０に植設されているカムピン３５に押され、カム溝１７がカムピン３５に沿って進み出す。すると、羽根部材１１は支点ピン２１を中心として図の時計方向に回動し始める。そして、羽根部材１１がさらに回動すると、カムピン３５はカム溝１７内を相対的に図の左方向に移動するとともに、羽根部材１１のカム溝１７の縁がカムピン３５に押され続けながら、羽根部材１１が図の時計方向に回動し続ける。これにより、図２（Ｂ）に示すように、各羽根部材１１が絞り形成縁１３から地板Ａ３０の光路開口３１内を塞ぐように侵入する。
【００２４】
この例では、風車２０が約２５°回転し、図２（Ｂ）に示すように、延出部２５が右側のストッパ４５に当接してラック２７の左端がピニオン６３と噛み合う。この状態で、羽根部材１１は光路開口開位置から閉位置へ移動する。その結果、図２（Ｂ）に示すように、各羽根部材１１は相互に重なり、各羽根部材１１の絞り形成縁１３で形成される開口は極めて小さくなる。
【００２５】
なお、光路を開く際は、モータ６０を逆回転させて、風車２０を図の反時計方向に回動させる。
【００２６】
本発明によれば、カムピン３５や支点ピン２１を金属製としているので、高い精度で加工でき、小さい公差幅の径寸法を得ることができる。このため、羽根部材１１の支点孔１５と風車２０の支点ピン２１間、及び、羽根部材１１のカム溝１７と地板Ａ５０のカムピン３５間のクリアランス（スキマ）を設計値に近づけることができ、高い口径設定精度を得ることができる。
【００２７】
このように支点ピン２１やカムピン３５を金属製とした場合、これらのピンが植設される風車２０の本体２８や地板Ａ３０の本体４７も金属製にすると、強力な圧入が実施できる。しかし、実際の使用上において、各ピンにかかる負荷は各羽根部材の摺動負荷であり、それほど強力な圧入力（抜去力）は不要である。このため風車本体２８や地板Ａ本体４７は樹脂で作製することが、コストの面でも好ましい。特に、風車２０は回動動作するので、イナーシャの増加を抑えてモータ６０への負担を抑えるためにも、樹脂で作製することが好ましい。
【００２８】
以上説明した発明を実施するための形態は、光路開閉装置に固定された地板にカムピンを植設し、回動する風車に支点ピンを植設した例であって、支点ピンがカムピンよりも光軸から見て外周側に配置されているものである。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、光路開閉装置に固定された地板に支点ピンを植設し、回動する風車にカムピンを植設したものや、カムピンが支点ピンよりも光軸から見て外周側に配置されているものなど、他の形態であってもよい。
【００２９】
次に、本発明の実施の形態に係る撮像装置を説明する。
図８は、撮像装置の基本構成を説明するための図である。
図９は、本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を示す断面図である。
この例ではビデオカメラについて説明するが、本発明は、ビデオカメラに限られることはなく、スチルカメラの他、動画撮影又は静止画撮影の機能を有する各種撮像装置に適用することができる。
【００３０】
まず、図８を参照して撮像装置の基本構成を説明する。
撮像装置３００は、外筐として設けられたレンズ鏡筒３０１を有する。このレンズ鏡筒３０１には、レンズ又はレンズ群（簡略化のため図には単レンズとして示す）、固体撮像素子等の撮像手段３２０、及び、アイリスもしくはシャッター、またはその両方の機能を兼用する光路開閉装置１が設けられている。
被写体Ｏからレンズ又はレンズ群３１０を通った光は、光路開閉装置１の羽根部材１０で形成される開口ＡＰを通して、撮像手段３２０に入射される。
【００３１】
図９を参照して、具体的な構成例について説明する。
レンズ鏡筒３０１は、ガラス入りポリカーボネート等の樹脂で作成される。レンズ鏡筒３０１内には、被写体側（図の左側）から順に、対物レンズ３１１、変倍レンズ３１２、レンズ３１３、光路開閉装置１、フォーカスレンズ３１４、固体撮像素子３２０が配置されている。光路開閉装置１は、図１などで説明したものを使用できる。
【００３２】
変倍レンズ３１２はホルダ３１６に保持されており、ホルダ３１６は光軸方向に平行な２本のガイドバー３０３に摺動自在に支持されている。ホルダ３０３は駆動部３０４で駆動されて、同ホルダ３１６に保持されている変倍レンズ３１２が光軸方向に移動する。
【００３３】
フォーカスレンズ３１４はホルダ３１７に保持されており、ホルダ３１７は光軸方向に平行な２本のガイドバー３０７に摺動自在に支持されている。ホルダ３１７は駆動部３０８で駆動されて、同ホルダ３１７に保持されているフォーカスレンズ３１４が光軸方向に移動する。
【００３４】
固体撮像装置３２０によって得られる画像出力は画像処理部３２１に送られて所定の処理が行われる。画像処理部３２１は、制御等に必要な情報を演算処理部３２３に送ったり、撮影画像をビューファインダーやモニター等に送って表示させたり、あるいは使用者の操作指示に従って画像情報等を記録媒体に記録させる。なお、マイクロコンピュータ等を用いた演算処理部３２３は、制御部３２５に制御指令を送り、制御部３２５から光路開閉装置１のモータ６０（図１参照）、変倍レンズ及びフォーカスレンズ駆動部３０４、３０８等に制御信号を送って各部が制御される。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の実施の形態に係る光路開閉装置を示す図であり、図１（Ａ）は分解斜視図、図１（Ｂ）は風車の一部拡大図である。
【図２】図１の光路開閉装置の羽根部材の動きを説明するための正面図であり、図２（Ａ）は全開時、図２（Ｂ）は全閉時を示す。
【図３】各々の羽根部材の形状を示す平面図である。
【図４】風車の形状を示す図であり、図４（Ａ）は本体の正面図、図４（Ｂ）は図４（Ａ）のＢ−Ｂ側面断面図、図４（Ｃ）は支点ピンの側面図である。
【図５】地板Ａの形状を示す図であり、図５（Ａ）は本体の正面図、図５（Ｂ）は図５（Ａ）のＡ―Ａ側面断面図、図５（Ｃ）はカムピンの側面図である。
【図６】地板Ｂの形状を示す図であり、図６（Ａ）は正面図、図６（Ｂ）は側面断面図である。
【図７】光路開閉装置の構造の一例を示す分解斜視図である。
【図８】撮像装置の基本構成を説明するための図である。
【図９】本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【００３６】
１ 光路開閉装置
１０ 組み合わせ羽根 １１ 羽根部材
１３ 絞り形成縁 １５ 支点孔
１７ カム溝 ２０ 風車
２１ 支点ピン ２３ リブ
２５ 延出部 ２７ ラック
２８ 本体 ２９ ガイド片
３０ 地板Ａ ３１ 光路開口
３３ 摺動面 ３５ カムピン
３７ 凹部 ３９ リブ
４１ ガイド溝 ４３、４５ ストッパ
４７ 本体 ５０ 地板Ｂ
５１ 光路開口
３００ 撮像装置 ３０１ レンズ鏡筒
３０３、３１７ ガイドバー ３０４、３０８ 駆動部
３１０ レンズ群 ３１１ 対物レンズ
３１２ 変倍レンズ ３１３ レンズ
３１４ フォーカスレンズ ３１６、３１７ ホルダ
３２０ 固体撮像素子 ３２１ 画像処理部
３２３ 演算処理部 ３２５ 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
光路開口を開閉する装置であって、
支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、
前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、
前記支点の中心となる支点ピンと、
前記カムピンの植設された第１の部材と、
前記支点ピンの植設された第２の部材と、
前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、
を備え、
前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、
前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする光路開閉装置。
【請求項２】
前記第１の部材及び第２の部材が樹脂製であることを特徴とする請求項１記載の光路開閉装置。
【請求項３】
光路開口を開閉する光路開閉機構を備えた撮像装置であって、
前記光路開閉機構は、
支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、
前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、
前記支点の中心となる支点ピンと、
前記カムピンの植設された第１の部材と、
前記支点ピンの植設された第２の部材と、
前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、
を備え、
前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、
前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする撮像装置。
【請求項１】
光路開口を開閉する装置であって、
支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、
前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、
前記支点の中心となる支点ピンと、
前記カムピンの植設された第１の部材と、
前記支点ピンの植設された第２の部材と、
前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、
を備え、
前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、
前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする光路開閉装置。
【請求項２】
前記第１の部材及び第２の部材が樹脂製であることを特徴とする請求項１記載の光路開閉装置。
【請求項３】
光路開口を開閉する光路開閉機構を備えた撮像装置であって、
前記光路開閉機構は、
支点及びカム溝を有し、その回動に伴って前記光路開口を開閉する組み合わせ羽根と、
前記カム溝と係合し、該カム溝内をスライドするカムピンと、
前記支点の中心となる支点ピンと、
前記カムピンの植設された第１の部材と、
前記支点ピンの植設された第２の部材と、
前記第１の部材及び第２の部材を相対的に回動させる駆動手段と、
を備え、
前記カムピンが金属製であって、前記第１の部材に圧入されたものであり、
前記支点ピンが金属製であって、前記第２の部材に圧入されたものであることを特徴とする撮像装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２００７−１７１２３８（Ｐ２００７−１７１２３８Ａ）
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３６４４８７（Ｐ２００５−３６４４８７）
【出願日】平成１７年１２月１９日（２００５．１２．１９）
【出願人】（５９３１３７５５４）株式会社東京マイクロ (23)
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月１９日（２００５．１２．１９）
【出願人】（５９３１３７５５４）株式会社東京マイクロ (23)
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]