説明

光電子機器

【課題】 光電子機器に内蔵されている回路の交換等の作業を容易に行う。
【解決手段】 摘み付きネジ13を緩めて第2シャーシ20bのネジ部から外す。第2シャーシ20bに対して余長収納トレイ10をスライドして、フック10bを収納穴から抜き出すことで、余長収納トレイ10を送信機部20の第2シャーシ20bから取り外す。取り外した余長収納トレイ10を上ケース3上に移動して余長収納トレイ10の2本のフック10bを電源部40の上面に形成されている収納穴内に挿通させる。そして、フック10bが収納穴に係合するよう余長収納トレイ10をスライドして仮止めする。Tx取付ネジ22を緩めて下ケース2から取り外すことにより、送信機部20を下ケース2から取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバからの信号が入力される光電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2003年12月に開始された地上デジタル放送は、2006年12月に全国のデジタル親局の本放送が開始され、2011年7月に地上アナログ放送の終了に向けて、地上デジタル放送が安定して受信できるように中継網の整備が進められている。デジタル放送の電波が高層ビルや建造物で遮られたり、地理的条件によりデジタル放送が良好に受信できない場所の受信障害対策として極微少電力局(ギャップフィラー)が提案されている。ギャップフィラーは小規模な無線設備とされ、送信電力が0.05W(原則0.01W)以下のデジタル受信障害対策中継放送を行う放送局とされている。ギャップフィラーは、山間部等で地形により電波が遮られて受信できない辺地、ビルなどの建造物で電波が遮られて受信できない都市、地下街や地下鉄の構内およびトンネル内などの電波が遮蔽されている場所に設置される。ギャップフィラーは、受信点で受信された地上デジタル放送の信号を送信点で再放送しているが、受信点と送信点の距離が遠い場合には光ファイバにより受信点から送信点へ受信信号を伝送している。このため、ギャップフィラーには光ファイバが導入され、光ファイバを介して入力された光信号を受信する光受信回路が内蔵されている。
【0003】
光ファイバが導入されるギャップフィラーにおいては、光ファイバの余長を収納する余長収納部を有している。余長収納部により、光ファイバ長に余裕を持たせる余長部を設けることができ、光ファイバを長く延ばすような接続変更等にそのまま対応できたり、光ファイバの接続作業で低損失接続が得られなかった場合に、光ファイバの接続端を切断してやり直しすることができる。さらに、保守作業等で光ファイバを傷めた場合でも損傷部分までを切断して再接続を可能とすることができる。なお、光ファイバは、曲げすぎると伝送特性が劣化し極端な場合には破断されることがあるため、光ファイバーの余長は、所定の曲げ半径を保つようにして余長収納部に収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−251968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の余長収納部は、例えば樹脂トレイなどの専用のトレイに光ファイバの余長部を収納するようにしていた。この場合、余長収納部のトレイは光ファイバが外部から導入されることから最上段に配置されるため、光受信回路等の回路の調整がしづらいという問題点があった。また、回路の調整をする際に光ファイバが邪魔になったり破損させてしまう恐れがあった。さらに、光受信回路等の回路が故障した際には、回路を交換する必要があり、回路の交換の際には余長収納部に収納されている光ファイバの余長部を余長収納部から一度取り外して回路を交換し、ついで、光ファイバの余長部を余長収納部に再度収納しなければならず、その作業が繁雑になるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、光電子機器に内蔵されている回路の設置、保守、点検、交換時の作業を容易に行うことができると共に、作業時に光ファイバを破損させることのない光電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の光電子機器は、下ケースに上ケースを開閉自在に嵌合して構成されたケースを備え、該ケース内に光ファイバが導入される光電子機器であって、上面に第1の収納穴が形成され、前記下ケース内に収納される送信機シャーシと、前記光ファイバからの光信号が入力される回路部を備え、該回路部が前記送信機シャーシに内蔵される送信機部と、前記光ファイバの余長部が収納され、下部に、前記送信機シャーシに形成されている前記第1の収納穴に嵌挿可能な複数のフックが形成されている余長収納トレイと、前記上ケース内に収納され、上面に、前記余長収納トレイの前記フックが嵌挿可能な第2の収納穴が形成されている電源部シャーシと、該電源部シャーシに内蔵される電源部とを備え、前記余長収納トレイの前記フックを前記送信機シャーシに形成されている前記第1の収納穴に嵌挿することにより、前記送信機シャーシの上に前記余長収納トレイを着脱自在に取り付けられ、前記下ケースと前記上ケースとが開いた状態において、前記余長収納トレイを前記送信機シャーシから取り外して、前記余長収納トレイの前記フックを、前記電源部シャーシに形成されている前記第2の収納穴に嵌挿することにより、前記余長収納トレイを前記電源部シャーシに仮止めできるようにしたことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケースに内蔵されている回路の設置、保守、点検、交換時の作業を行う際に、下ケースと上ケースとを開いた状態として、余長収納トレイのフックを第2の収納穴に嵌挿することで、光ファイバの余長部が収納された余長収納トレイを電源部シャーシに仮止めすることができることから、上記作業を容易に行うことができる。また、この作業時には光ファイバの余長部は作業の邪魔にならないため、作業時に光ファイバを破損させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明にかかる光電子機器の実施例である送信機の構成を示す平面図である。
【図2】本発明にかかる光電子機器の実施例である送信機の構成を示す側面図ある。
【図3】本発明にかかる送信機において下ケースから上ケースを開けた状態を示す平面図である。
【図4】本発明にかかる送信機において下ケースから上ケースを開けた状態を断面図で示す側面図である。
【図5】本発明にかかる送信機において送信機部を交換する際の作業工程を示す図である。
【図6】本発明にかかる送信機において送信機部を交換する際の作業工程を示す他の図である。
【図7】本発明の送信機における第1シャーシの構成を示す平面図である。
【図8】本発明の送信機における第1シャーシの構成を示す側面図である。
【図9】本発明の送信機における第2シャーシの構成を示す平面図である。
【図10】本発明の送信機における第2シャーシの構成を示す側面図である。
【図11】本発明の送信機におけるトレイシャーシの構成を示す平面図である。
【図12】本発明の送信機におけるトレイシャーシの構成を示す正面図である。
【図13】本発明の送信機におけるトレイシャーシの構成を示す側面図である。
【図14】本発明の送信機におけるトレイシャーシの一部の構成を拡大して示す図である。
【図15】本発明の送信機における電源部シャーシの構成を示す平面図である。
【図16】本発明の送信機における電源部シャーシの構成を示す側面図である。
【図17】本発明の送信機における電源部シャーシの構成を示す正面図である。
【図18】本発明の送信機におけるクリップをトレイシャーシに装着する方法を示す図である。
【図19】本発明の送信機におけるトレイシャーシに装着されたクリップの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明にかかる光電子機器の実施例である送信機1の構成を示す平面図を図1に、送信機1の構成を示す側面図を図2に示す。
これらの図に示す本発明にかかる送信機1は、前述したギャップフィラーの送信機とされ、金属製あるいは樹脂製の下ケース2と上ケース3からなるケースを備え、上ケース3は下ケース2に対して開閉自在に嵌合されている。ケースの長辺の一方に蝶番部が設けられており、この蝶番部により上ケース3の側部が下ケース2の側部に回動可能に枢支されて、上ケース3が下ケース2に対して開閉自在とされている。上ケース3を下ケース2に対して閉じた際には、上ケース3から複数本の取付ボルト5を下ケース2に螺着して固着することにより、防雨構造のケースが構成されている。下ケース2の一側面には光ファイバが導入される光ファイバ入力部4aが設けられており、一側面と対向する側の側面には送信出力端子4b、モニタ端子4cおよび電源入力部4dが設けられている。送信出力端子4bおよびモニタ端子4cは同軸端子とされ、送信出力端子4bに再送信用のアンテナが接続される。
【0011】
本発明にかかる送信機1において下ケース2から上ケース3を開けた状態を図3および図4に示す。図3は下ケース2から上ケース3を開けた状態を示す平面図であり、図4は下ケース2から上ケース3を開けた状態を断面図で示す側面図である。
これらの図に示すように、下ケース2と上ケース3に設けられている蝶番部2aにより、上ケース3の側部が下ケース2の側部に回動可能に枢支されて、下ケース2に対して上ケース3が開けられている。下ケース2に設けられている光ファイバ入力部4aから下ケース2内に光ファイバ11と光ファイバ用のメッセンジャワイヤ11aとが導入されており、メッセンジャワイヤ11aは下ケース2の一番下に固着された底板シャーシ30に取付金具により固着されている。また、光ファイバ11の余長部は下ケース2の一番上に収納されている余長収納トレイ10に巻回されて収納される。余長収納トレイ10は、金属製あるいは樹脂製とされて平板状に形成されたトレイシャーシ10aを有しており、トレイシャーシ10aの構成を図11ないし図14に示す。
【0012】
図11はトレイシャーシ10aの構成を示す平面図であり、図12はトレイシャーシ10aの構成を示す正面図であり、図13はトレイシャーシ10aの構成を示す側面図であり、図14はトレイシャーシ10aの一部の構成を拡大して示す図である。
これらの図に示すトレイシャーシ10aには、クリップ12を取り付ける複数のクリップ取付穴14aが所定位置に形成されており、ほぼ中央に摘み付きネジ13が設けられている。また、相向かう短辺にはL字状のフック10bが下方へ向けて段違いにそれぞれ形成されている。トレイシャーシ10aの短辺側における紙面の手前側は一部切り欠かれており、切り欠かれた右側の部位に溝部14bが形成されている。摘み付きネジ13とフック10bの構成が拡大されて図14に示されており、この図に示すように摘み付きネジ13はトレイシャーシ10aの上面に固着された基部13cと、頭部が拡径されてローレット加工され下部にネジが形成されており、基部13cのほぼ中央に形成された貫通孔内に中央部が摺動自在に挿通されたネジ部13aと、ネジ部13aにおける頭部の下面と基部13cの上面との間に配置されてネジ部13aを上方向に付勢しているコイル状のスプリング13bとから構成されている。また、フック10bはL字状に形成されており、L字状の先端が次第に細くなるよう斜面が形成されている。
【0013】
図3および図4に戻り、このように構成されているトレイシャーシ10aのクリップ取付穴14aにそれぞれクリップ12が装着されている。クリップ12は、矩形の枠を有しておりこの枠内に光ファイバ11を挿通して図3に示すように巻回することにより、光ファイバ11の余長部を余長収納トレイ10に収納することができる。ここで、クリップ12の構成を図18および図19に示す。
図18はクリップ12をトレイシャーシ10aに装着する方法を示す図であり、図19はトレイシャーシ10aに装着されたクリップ12の構成を示す図である。これらの図に示すように、樹脂製のクリップ12はほぼ矩形の挿通枠12aと、クリップ12をトレイシャーシ10aに取り付ける係止片12bと弾接片12cとから構成されている。挿通枠12aは、1辺にフック12dが形成されて開閉自在とされており、フック12dを外して挿通枠12aを開けて挿通枠12a内に光ファイバ11を挿通し、フック12dを係合することで、閉じた挿通枠12a内に光ファイバ11を挿通することができる。係止片13cは、先端に向かって次第に細くなるよう形成されており、根本には平坦な係止面が形成されて構成されている。また、弾接辺12cは、水平に延伸された辺部が次第に下方へ向かうよう折曲されて構成されている。
【0014】
トレイシャーシ10aにクリップ12を取り付ける際には、トレイシャーシ10aのクリップ取付穴14aに係止片12bの先端を当接し、クリップ12を若干傾けて傾けた下方方向へ力を加えて係止片12をクリップ取付穴14aに押し込んでいく。これにより、係止片12bにおける左右が撓んでクリップ取付穴14aを通り抜けるようになる。この際に、弾接片12cがトレイシャーシ10aの上面に当接して平坦になるよう変形することから、弾接片12cは係止片12bに上方へ向かう付勢力を与える。これにより、クリップ取付穴14を通り抜けた係止片12bの根本の平坦な面がトレイシャーシ10aの裏面に当接する。このようにして、トレイシャーシ10aに取り付けられた状態が図19に示されており、複数のクリップ12を上述のようにしてトレイシャーシ10aに取り付け、その挿通枠12aのフック12dを外して、複数のクリップ12の挿通枠12a内に光ファイバ11の余長部を巻回して全てのクリップ12におけるフックを係合することにより、図3に示すように余長収納トレイ10に光ファイバ11の余長部を収納することができる。なお、余長収納トレイ10から引き出された光ファイバ11の端部には光プラグが設けられている。
【0015】
この光プラグは、送信機部20の上部を構成する第2シャーシ20bの上面に固着されている光コネクタ21に着脱自在に装着されて、光ファイバ11を伝達してきた光信号が送信機部20に入力される。送信機部20は、余長収納トレイ10と底板シャーシ30との間に配置されて、送信機部20が下ケース2内に収納されている。この送信機部20は、光コネクタ21を介して入力された光信号を電気信号に変換する光−電気変換回路を有する光受信部と、この光−電気変換回路で変換された電気信号を所定の周波数帯域の送信信号に変換する送信回路を有する送信部とを備えている。光受信部と送信部の回路は、第1シャーシ20aと、第2シャーシ20bと、第3シャーシ20cとからなる送信機シャーシに所定単位の回路に分割して内蔵されている。そこで、第1シャーシ20aの構成を図7および図8に示し、第2シャーシ20bの構成を図9および図10に示す。
【0016】
図7は第1シャーシ20aの構成を示す平面図であり、図8は第1シャーシ20aの構成を示す側面図である。
これらの図に示すように、第1シャーシ20aは金属板を加工して作成されており、所定の深さを有し紙面で示す左手前が切り取られた箱状の形状に形成されている。第1シャーシ20aは、側板24cで区切られた複数の部屋を有するように構成されており、それぞれの部屋は、金属板とされる側板24cで囲まれて形成されていることから、それぞれの部屋がシールド部24aとなっている。各シールド部24aには、単位とされる回路のプリント基板が組み込まれる。各シールド部24aの上縁には複数の取付片24bが内側に向かって突出するように形成されており、この取付片24bに第2シャーシ20bの挿通孔25eに挿通されたネジが螺着されることにより、第2シャーシ20bにより第1シャーシ20aの上部が電気的に閉じられるようになる。
【0017】
図9は第2シャーシ20bの構成を示す平面図であり、図10は第2シャーシ20bの構成を示す側面図である。
これらの図に示すように、第2シャーシ20bは金属板を加工して作成されたシャーシ板25aを備え、シャーシ板25aは第1シャーシ20aの形状に合わせて紙面で示す左手前が切り取られた平板状に形成されている。シャーシ板25aには、送信機部20を下ケース2に固着するためのTx取付ネジ22を挿通する2つのネジ挿通孔25bと、余長収納トレイ10のL字状のフック10bが嵌挿される細長い矩形状の収納穴25cが2つ形成されている。また、シャーシ板25aには、多数の挿通孔25eが形成されており、この挿通孔25eにネジを挿通して第1シャーシ20aの取付片24bに螺着することにより、第2シャーシ20bを第1シャーシ20aに取り付けることができる。さらに、シャーシ板25aのほぼ中央部には余長収納トレイ10の摘み付きネジ13が螺着されるネジ部25dが設けられている。
【0018】
余長収納トレイ10を第2シャーシ20bに取り付ける際には、第2シャーシ20b上に余長収納トレイ10を載置して位置合わせすることにより、2カ所に設けられているフック10bをそれぞれ第2シャーシ20bの収納穴25c内に挿通する。そして、余長収納トレイ10を紙面の手前側にスライドすることによりフック10bが収納穴25cの裏面に係合して抜け出ないようになると共に、摘み付きネジ13がネジ部25dに位置合わせされる。そこで、摘み付きネジ13をスプリング13bに抗して押し下げてネジ部25dに螺着することにより、余長収納トレイ10を第2シャーシ20bに固着することができる。これにより、図3および図4に示すように送信機部20の上部に余長収納トレイ10を固着することができる。なお、余長収納トレイ10と第2シャーシ20bとのスペーサとして図4に示すように第2シャーシ20bに複数の樹脂ネジ23が螺着されている。この樹脂ネジ23の頭部がスペーサとして機能すると共に、樹脂製の頭部は平滑とされていることから余長収納トレイ10を第2シャーシ20b上において滑らかにスライドすることができるようになる。
【0019】
図3および図4に戻り、上ケース3内には電源部40が収納されており、電源部40は電源回路が内蔵されている電源部シャーシ41を備え、電源部シャーシ41の上面には細長い矩形状の収納穴40aが両側に段違いに形成されている。電源部シャーシ41の構成を図15ないし図17に示す。
図15は電源部シャーシ41の構成を示す平面図であり、図16は電源部シャーシ41の構成を示す側面図であり、図17は電源部シャーシ41の構成を示す正面図である。これらの図に示すように、電源部シャーシ41は直方体状の電源回路収納部41aを備え、長辺側の底縁からそれぞれ取付用の細長い板が外側へ延伸されている。電源回路収納部41aの上面には、余長収納トレイ10のフック10bの位置に対応する位置に細長い矩形状の収納穴40aが2つ段違いに形成されている。また、電源回路収納部41a内に内蔵される電源回路基板が取り付けられる複数の取付片41bが電源回路収納部41aの下部に内側に向かって形成されている。
【0020】
次に、送信機部20を交換する際の作業工程を図5および図6を参照しながら説明する。
図5および図6は下ケース2から上ケース3を開けた状態を断面図で示す側面図であり、図5には余長収納トレイ10を送信機部20の第2シャーシ20bから取り外した状態が示されている。余長収納トレイ10を送信機部20の第2シャーシ20bから取り外す際には、まず、光ファイバ11の端部に設けられている光プラグを光コネクタ21から取り外す。次いで、摘み付きネジ13を緩めて第2シャーシ20bのネジ部25dから外すと、スプリング16bの作用によりネジ部13aは基部13cから押し上げられた状態となる。これにより、ネジ部13aが邪魔になることなく第2シャーシ20bに対して余長収納トレイ10をスライドすることができ、スライドした後にフック10bを収納穴25cから抜き出すことで、図示するように余長収納トレイ10を送信機部20の第2シャーシ20bから上方へ取り外すことができる。
【0021】
次いで、取り外した余長収納トレイ10を上ケース3上に移動して余長収納トレイ10の2本のフック10bの位置合わせを行って、それぞれ電源部40の上面に形成されている収納穴40a内に挿通させる。そして、フック10bが収納穴40aに係合するよう余長収納トレイ10をスライドすることにより、光ファイバ11の余長部が収納されたままの余長収納トレイ10を電源部40上に仮止めすることができる。この状態において、2本のTx取付ネジ22を緩めて下ケース2から取り外すと、図6に示すように送信機部20を下ケース2内から上方へ取り外すことができる。そして、交換した送信機部20を上述と逆の順序で下ケース2内に取り付け、仮止めした余長収納トレイ10を上述と逆の順序で送信機部20上に固着することにより、送信機部20を簡易な作業を行うだけで交換することができる。
なお、図6に示すように送信機部20の下面には金属製の第3シャーシ20cが固着されて電気的に閉じられており、第1シャーシ20aの上面が第2シャーシ20aで、下面が第3シャーシ20cで覆われている送信機部20では、各基板が収納されているシールド部24aが外部からノイズ等を受けないように電気的にシールドされるようになる。また、送信機部20を下ケース2から取り外してもメッセンジャワイヤ11aが取り付けられている底板シャーシ30は下ケース2内に固着されていることから、メッセンジャワイヤ11aを外すことなく送信機部20を交換可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上の説明では、光電子機器をギャップフィラーの送信機としたが、本発明はこれに限るものではなく光ケーブルの余長部を収納する余長収納部を備える光電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 送信機、2 下ケース、2a 蝶番部、3 上ケース、4a 光ファイバ入力部、4b 送信出力端子、4c モニタ端子、4d 電源入力部、5 取付ボルト、10 余長収納トレイ、10a トレイシャーシ、10b フック、11 光ファイバ、11a メッセンジャワイヤ、12 クリップ、12 係止片、12a 挿通枠、12b 係止片、12c 弾接片、12c 弾接辺、12d フック、13 摘み付きネジ、13a ネジ部、13b スプリング、13c 係止片、13c 基部、14a クリップ取付穴、14b 溝部、16b スプリング、20 送信機部、20a 第1シャーシ、20b 第2シャーシ、20c 第3シャーシ、21 光コネクタ、22 Tx取付ネジ、23 樹脂ネジ、24a シールド部、24b 取付片、24c 側板、25a シャーシ板、25b ネジ挿通孔、25c 収納穴、25d ネジ部、25e 挿通孔、30 底板シャーシ、40 電源部、40a 収納穴、41 電源部シャーシ、41a 電源回路収納部、41b 取付片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下ケースに上ケースを開閉自在に嵌合して構成されたケースを備え、該ケース内に光ファイバが導入される光電子機器であって、
上面に第1の収納穴が形成され、前記下ケース内に収納される送信機シャーシと、
前記光ファイバからの光信号が入力される回路部を備え、該回路部が前記送信機シャーシに内蔵される送信機部と、
前記光ファイバの余長部が収納され、下部に、前記送信機シャーシに形成されている前記第1の収納穴に嵌挿可能な複数のフックが形成されている余長収納トレイと、
前記上ケース内に収納され、上面に、前記余長収納トレイの前記フックが嵌挿可能な第2の収納穴が形成されている電源部シャーシと、
該電源部シャーシに内蔵される電源部とを備え、
前記余長収納トレイの前記フックを前記送信機シャーシに形成されている前記第1の収納穴に嵌挿することにより、前記送信機シャーシの上に前記余長収納トレイを着脱自在に取り付けられ、
前記下ケースと前記上ケースとが開いた状態において、前記余長収納トレイを前記送信機シャーシから取り外して、前記余長収納トレイの前記フックを、前記電源部シャーシに形成されている前記第2の収納穴に嵌挿することにより、前記余長収納トレイを前記電源部シャーシに仮止めできるようにしたことを特徴とする光電子機器。
【請求項2】
前記下ケース内に、前記送信機部がネジ手段により着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の光電子機器。
【請求項3】
前記送信機部は、前記光ファイバからの光信号を受信して電気信号に変換する光受信部と、該光受信部から出力される電気信号を送信する送信部とを備え、前記電源部は、前記送信機部に電源を供給することを特徴とする請求項1記載の光電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−8061(P2013−8061A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214305(P2012−214305)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2008−129640(P2008−129640)の分割
【原出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】