説明

免疫調節オリゴヌクレオチド

【課題】新規な免疫刺激オリゴヌクレオチド組成物、このオリゴヌクレオチドの免疫刺激活性に基づく有用な方法、中性オリゴヌクレオチド、中性オリゴヌクレオチドを用いる有用な方法、および免疫阻害オリゴヌクレオチド、免疫阻害オリゴヌクレオチドの種々の使用を提供すること。
【解決手段】式I:5’ XCGX 3’に従う少なくとも1つの核酸配列を含む、免疫刺激オリゴヌクレオチド:ここで、CGは、該オリゴヌクレオチドに免疫刺激能力を付与する非メチル化CpGジヌクレオチドであり;XおよびXの少なくとも1つはプリンであり;そして、XおよびXの少なくとも1つはピリミジンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非メチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド、およびこのオリゴヌクレオチドの被験体における免疫応答を刺激する能力に基づく治療的有用性に関する。本発明はまた、被験体における非メチル化CpGジヌクレオチドにより開始される免疫系の活性化に関連する疾病を処置するための治療法に関する。この治療法は、非メチル化CpG配列(すなわち、メチル化CpG配列またはCpG配列なし)を含まないオリゴヌクレオチドを被験体に投与し、非メチル化CpG核酸を結合について競合して優る工程を包含する。さらに、本発明は、アンチセンス療法において使用するための、またはインビボでのハイブリダイゼーションプローブとして使用するためのメチル化CpG含有ジヌクレオチド、ならびに抗ウィルス治療剤として使用するための免疫阻害オリゴヌクレオチドに関する。
(政府の援助)
本発明において得られる研究は、一部、米国衛生研究所認可番号 R29−AR42556−01号により援助された。従って、本発明のある種の権利が米国政府に与えられ得る。
【背景技術】
【0002】
(DNAは細胞膜に結合しインターナライズされる)
1970年代には、幾人かの研究者が、高分子量DNAの細胞膜への結合を報告した(Lerner,R.A.,W.Meinke,およびD.A.Goldstein,1971,「二倍体ヒトリンパ球の細胞質における膜結合DNA」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 68:1212;Agrawal,S.K.,R.W.Wagner,P.K.McAllister,およびB.Rosenberg,1975,「白金−ピリミジン錯体を用いて電子顕微鏡により視覚化された腫瘍発生細胞における細胞表面結合核酸」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 72:928)。1985年には、Bennettらが、DNAのリンパ球への結合がリガンド−レセプター相互作用に類似することを初めて示した:すなわち、結合は飽和可能であり、競合的であり、そしてDNAのエンドサイトーシスおよび分解を引き起こす(Bennett,R.M.,G.T.Gabor,およびM.M.Merritt.1985,「DNAのヒト白血球への結合。DNAのレセプター媒介結合、インターナリゼーションおよび分解の証拠」,J.Clin.Invest.76:2182)。DNAと同様に、オリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)は、飽和可能であり、配列独立性であり、そして温度およびエネルギー依存性の様式で細胞に入り得る(Jaroszewski,J.W.,およびJ.S.Cohen,1991,「アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの細胞取り込み」,Advanced Drug Delivery Reviews 6:235;Akhtar,S.,Y.Shoji,およびR.L.Juliano,1992,「アンチセンスオリゴヌクレオチドの生物学的安定性および膜輸送特性の薬学的局面」;Gene Regulation: Biology of Antisense RNA and DNA,R.P.Erickson,およびJ.G.Izant編,Raven Press,Ltd.New York,pp.133;ならびに、Zhao,Q.,T.Waldschmidt,E.Fisher,C.J.Herrera,およびA.M.Krieg,1994,「マウス骨髄B細胞前駆体における時期特異的オリゴヌクレオチド取り込み」,Blood 84:3660)。DNAまたはODN取り込みのレセプターはクローン化されておらず、そしてODN結合および細胞取り込みが高分子量DNAと同一のメカニズムを介して起こるのか異なるメカニズムを介して起こるのかはいまだ明らかではない。
【0003】
リンパ球のODN取り込みは細胞の活性化により調節されることが示されている。B細胞マイトジェンLPSにより刺激された脾臓細胞は、B細胞集団におけるODN取り込みを飛躍的に増大させたが、一方、T細胞マイトジェンCon Aで処理された脾臓細胞は、B細胞ではなくT細胞によるODN取り込みの増大を示した(Krieg,A.M.,F.Gmelig−Meyling,M.F.Gourley,W.J.Kisch,L.A.Chrisey,およびA.D.Steinberg,1991,「リンパ様細胞によるオリゴデオキシヌクレオチドの取り込みは不均質かつ誘導性である」,Antisense Research and Development 1:161)。
(核酸の免疫効果)
いくつかのポリヌクレオチドが、生体応答調節因子として広範に評価されている。その最良の例は、おそらくポリ(I,C)であろう。これは、IFN産生の強力なインデューサーであり、そしてマクロファージのアクチベーターおよびNK活性のインデューサーである(Talmadge,J.E.,J.Adams,H.Phillips,M.Collins,B.Lenz,M.Schneider,E.Schlick,R.Ruffmann,R.H.Wiltrout,およびM.A.Chirigos,1985,「ポリ−L−リジンおよびカルボキシメチルセルロースと複合体化されたポリイノシン−ポリシチジル酸のマウスにおける免疫調節効果」,Cancer Res.45:1058;Wiltrout,R.H.,R.R.Salup,T.A.Twilley,およびJ.E.Talmadge,1985,「ポリリボヌクレオチドによるナチュラルキラー活性の免疫調節」,J.Biol.Resp.Mod.4:512;Krown,S.E.1986,「ガン処置におけるインターフェロンおよびインターフェロンインデューサー」,Sem.Oncol.13:207;ならびに、Ewel,C.H.,S.J.Urba,W.C.Kopp,J.W.Smith II,R.G.Steis,J.L.Rossio,D.L.Longo,M.J.Jones,W.G.Alvord,C.M.Pinsky,J.M.Beveridge,K.L.McNitt,および S.P.Creekmore,1992,「ガン患者におけるポリ−L−リジンおよびカルボキシメチルセルロースで複合体化されたポリイノシン−ポリシチジル酸とインターロイキン2の組み合わせ:臨床的および免疫学的効果」,Cans.Res.52:3005)。このマウスNKの活性化は、IFN β分泌の誘導のみに起因し得るようである(Ishikawa,R.,および C.A.Biron,1993,「IFN誘導およびそれに関連する脾臓白血球分布における変化」,J.Immunol.150:3713)。デオキシリボースは有効ではなかったので、この活性化はリボース糖に特異的であった。インビトロにおけるその強力な抗腫瘍活性により、(RNAseによる分解を減少させるために)ポリ−L−リジンおよびカルボキシメチルセルロースで複合体化されたポリ(I,C)を用いるいくつかの臨床的試験がなされている(Talmadge,J.E.ら,1985,前述;Wiltrout,R.H.ら,1985,前述;Krown,S.E.ら,1986,前述;および、Ewel,C.H.ら,1992,前述)。不運なことに、毒性の副作用により、ポリ(I,C)は有用な治療薬剤になるにはほど遠かった。
【0004】
C8位が臭素またはチオール基で置換されたグアニンリボヌクレオチドはB細胞マイトジェンであり、「B細胞分化因子」を置換し得る(Feldbush,T.L.,およびZ.K.Ballas,1985,「8−メルカプトグアノシンのリンホカイン様活性:TおよびB細胞分化の誘導」,J.Immunol.134:3204;ならびに、Goodman,M.G.,1986,「体液性免疫におけるT細胞シグナルとC8置換グアニンヌクレオシドとの間の共働作用のメカニズム:Bリンパ球性(B lymphotropic)サイトカインは、8−メルカプトグアノシンに対する応答性を誘導する」,J.Immunol.136:3335)。8−メルカプトグアノシンおよび8−ブロモグアノシンはまた、MHC拘束性CTLの生成に必要とされるサイトカインの代替物となり得(Feldbush,T.L.,1985,前述)、マウスNK活性を増大させ得(Koo,G.C.,M.E.Jewell,C.L.Manyak,N.H.Sigal,およびL.S.Wicker,1988,「8−ブロモグアノシンによるマウスナチュラルキラー細胞およびマクロファージの活性化」,J.Immunol.140:3249)、そして、マウスLAK生成の誘導においてIL−2と共働作用し得る(Thompson,R.A.,およびZ.K.Ballas,1990,リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞。V。LAK生成におけるIL−2節約剤としての8−メルカプトグアノシン」,J.Immunol.145:3524)。これらのC8置換グアノシンのNKおよびLAK増大活性は、それらのIFNの誘導に起因するようである(Thompson,R.A.ら,1990,前述)。最近、マイコバクテリウムにより産生された5’三リン酸化チミジンが、ヒトγδT細胞のサブセットに対してマイトジェン性であることが見いだされた(Constant,P.,F.Davodeau,M.−A.Peyrat,Y.Poquet,G.Puzo,M.Bonneville,およびJ.−J.Fournie,1994,「非ペプチド性マイコバクテリウムリガンドによるヒトγδT細胞の刺激」,Science 264:267)。この報告は、免疫系が微生物の核酸に優先的に応答する経路を展開し得ることを示した。
【0005】
いくつかの観察により、ある種のDNA構造もまたリンパ球を活性化する潜在性を有し得ることが示唆されている。例えば、Bellらは、脾臓細胞上清中のヌクレオソームタンパク質−DNA複合体(裸のDNAではない)がB細胞増殖および免疫グロブリン分泌を引き起こしたことを報告した(Bell,D.A.,B.Morrison,およびP.VandenBygaart,1990,「免疫原性DNA関連因子」,J.Clin.Invest.85:1487)。他の場合においては、裸のDNAが免疫効果を有することが報告されている。例えば、最近、Messinaらは、ポリ(dG)・(dC)およびポリ(dG・dC)の260〜800bpのフラグメントが、B細胞に対してマイトジェン性であることを報告した(Messina,J.P.,G.S.Gilkeson,およびD.S.Pisetsky,1993,「天然および合成ポリヌクレオチド抗原によるマウスリンパ球のインビトロでの刺激に対するDNA構造の影響」,Cell.Immunol.147:148)。Tokunagaらは、dG・dCがγ−IFNおよびNK活性を誘導することを報告した(Tokunaga,S.Yamamoto,およびK.Namba,1988,「合成一本鎖DNA、ポリ(dG・dC)はインターフェロン−α/βおよび−γを誘導し、ナチュラルキラー活性を増大させ、そして腫瘍成長を抑制する」,Jpn.J.Cancer Res.79:682)。このような人工的なホモポリマー配列に加えて、Pisetskyらは、純粋な哺乳動物DNAは検出可能な免疫効果を有さないが、ある種の細菌由来のDNAがB細胞活性化および免疫グロブリン分泌を誘導することを報告した(Messina,J.P.,G.S.Gilkeson,およびD.S.Pisetsky,1991,「細菌DNAによるマウスリンパ球のインビトロでの増殖の刺激」,J.Immunol.147:1759)。これらのデータがある種の通常でない混入物によるものでないとすれば、これらの研究は、細菌DNAの特定の構造または他の特性が、細菌DNAを、B細胞活性化をトリガーし得るようにしていることを示唆している。マイコバクテリウムDNA配列の研究により、ある種のパリンドローム配列を含むODNがNK細胞を活性化し得ることが示された(Yamamoto,S.,T.Yamamoto,T.Kataoka,E.Kuramoto,O.Yano,およびT.Tokunaga,1992,「合成オリゴヌクレオチドにおける独特のパリンドローム配列が、INFを誘導するために、およびINF媒介ナチュラルキラー活性を増大させるために必要とされる」,J.Immunol.148:4072;Kuramoto,E.,O.Yano,Y.Kimura,M.Baba,T.Makino,S.Yamamoto,T.Yamamoto,T.Kataoka,およびT.Tokunaga,1992,「ナチュラルキラー細胞の活性化に必要とされるオリゴヌクレオチド配列」,Jpn.J.Cancer Res.83:1128、および欧州特許出願、公開番号0 468 520号)。
【0006】
いくつかのホスホロチオエート修飾ODNが、インビトロまたはインビボでのB細胞刺激を誘導することが報告されている(Tanaka,T.,C.C.Chu,およびW.E.Paul,1992,「Iγ2b中の配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドが、γ2b生殖系列転写物を増加させ、B細胞DNA合成を刺激し、そして免疫グロブリン分泌を阻害する」, J.Exp.Med.175:597;Branda,R.F.,A.L.Moore,L.Mathews,J.J.McCormack,およびG.Zon,1993,「HIV−1のrev遺伝子に相補的なアンチセンスオリゴマーによる免疫刺激」,Biochem.Pharmacol.45:2037;McIntyre,K.W.,K.Lombard−Gillooly,J.R.Perez,C.Kunsch,U.M.Sarmiento,J.D.Larigan,K.T.Landreth,およびR.Narayanan,1993,「転写因子NF−κβT65の開始コドンに対するセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、配列特異的な免疫刺激を引き起こす」,Antisense Res.Develop.3:309;ならびに、Pisetsky,D.S.,およびC.F.Reich,1993,「単純ヘルペスウィルスに対するアンチセンス活性を有するホスホロチオエートオリゴヌクレオチドによるマウスリンパ球増殖の刺激」,Life Science 54:101)。これらの報告は、これらのODNの効果を説明し得るこれらのODNにおける共通の構造的モチーフも共通の配列エレメントも示唆しない。
(転写因子のCREB/ATFファミリーおよび複製におけるそれらの役割)
cAMP応答エレメント結合タンパク質(CREB)および活性化転写因子(ATF)、すなわち転写因子のCREB/ATFファミリーは、偏在して発現する転写因子のクラスであり、そのうちの11のメンバーが今までのところクローン化されている(de Groot,R.P.,およびP.Sassone−Corsi,「遺伝子発現のホルモンによる制御:環状アデノシン3’,5’−モノホスフェート−応答性核レギュレーターの多様性および多変性」,Mol.Endocrin.7:145,1993;Lee.K.A.W.,およびN.Masson,「CREBおよびその関連物質による転写調節」,Biochim.Biophys.Acta 1174:221,1993)。これらはすべて、塩基性領域/ロイシンジッパー(bZip)クラスのタンパク質に属する。すべての細胞は1つ以上のCREB/ATFタンパク質を発現するようであるが、発現されるメンバーおよびmRNAスプライシングの調節は組織特異的であるようである。活性化ドメインのディファレンシャルなスプライシングが、特定のCREB/ATFタンパク質が転写インヒビターであるかアクチベーターであるかを決定し得る。多くのCREB/ATFタンパク質がウィルス性転写を活性化し得るが、活性ドメインを有さないいくつかのスプライシング変異体は阻害性である。CREB/ATFタンパク質は、cAMP応答エレメント(CRE)を介してホモダイマーまたはヘテロダイマーとしてDNAを結合し得る。CREのコンセンサス形態は、非メチル化配列TGACGTCである(CpGがメチル化されている場合には、結合がなくされる)(Iguchi−Ariga,S.M.M.,およびW.Schaffner,「cAMP応答性エンハンサー/プロモーター配列TGACGTCAのCpGのメチル化が、特定の因子の結合および転写活性化をなくさせる」,Genes & Develop.3:612,1989)。
【0007】
CREの転写活性は、B細胞活性化の間に増加する(Xie,H.T.C.Chiles,およびT.L.Rothstein,「B細胞の表面Igレセプターを介したCREB活性の誘導」,J.Immunol.151:880,1993)。CREB/ATFタンパク質は、CREを介して複数の遺伝子(免疫学的に重要な遺伝子を含む)の発現を調節するようである。このような遺伝子としては、例えば、以下が挙げられる:fos、jun B、Rb−1、IL−6、IL−1(Tsukada,J.,K.Saito,W.R.Waterman,A.C.Webb,およびP.E.Auron,「転写因子NF−IL6およびCREBは、ヒトプロインターロイキン1β遺伝子における共通の必須部位を認識する」,Mol.Cell.Biol.14:7285,1994;Gray,G.D.,O.M.Hernandez,D.Hebel,M.Root,J.M.Pow−Sang,およびE.Wickstrom,「ヌードマウスにおいてc−Ha−rasオンコジーンにより誘導される腫瘍成長のアンチセンスDNA阻害」,Cancer Res.55:577,1993)、IFN−β(Du,W.,およびT.Maniatis「ATF/CREB結合部位タンパク質が、ヒトインターフェロンB遺伝子のウィルス誘導に必要とされる」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2150,1992)、TGF−β1(Asiedu,C.K.,L.Scott,R.K.Assoian,およびM.Ehrlich,「ヒトTGF−B1遺伝子下流の連続性部位へのAP−1/CREBタンパク質およびMDBPの結合」,Biochim.Biophys.Acta 1219:55,1994)、TGF−β2、クラスII MHC(Cox,P.M.,およびC.R.Goding,「ATF/CREB結合モチーフが、MHCクラスII DRaプロモーターの異常構成性発現およびSV−40 T−抗原による活性化に必要とされる」,Nucl.Acids Res.20:4881,1992),E−セレクチン、GM−CSF、CD−8α、生殖系列Igα定常領域遺伝子、TCR Vβ遺伝子、および増殖細胞核抗原(Huang,D.,P.M.Shipman−Appasamy,D.J.Orten,S.H.Hinrichs,およびM.B.Prystowsky,「増殖細胞核抗原遺伝子のプロモーター活性は、インターロイキン2−刺激Tリンパ球の誘導性CRE−結合タンパク質に関連する」,Mol.Cell.Biol.14:4233,1994)。cAMP経路を介した活性化に加えて、CREBはまた、細胞内Ca++濃度の変化に対する転写応答を媒介し得る(Sheng,M.,G.McFadden,およびM.E.Greenberg,「膜の非極性化およびカルシウムが転写因子CREBのリン酸化を介するc−fos転写を誘導する」,Neuron 4:571,1990)。
【0008】
CREB/ATFタンパク質による転写活性化におけるタンパク質−タンパク質相互作用の役割は、きわめて重要なようである。サイクリックAMP経路を介したCREBの活性化は、プロテインキナーゼA(PKA)(これは、CREB341をser133でリン酸化し、これを最近クローン化されたタンパク質CBPに結合させる)を必要とする(Kwok,R.P.S.,J.R.Lundblad,J.C.Chrivia,J.P.Richards,H.P.Bachinger,R.G.Brennan,S.G.E.Roberts,M.R.Green,およびR.H.Goodman,「核タンパク質CBPは、転写因子CREBのコアクチベーターである」,Nature,370:223,1994;Arias,J.,A.S.Alberts,P.Brindle,F.X.Claret,T.Smea,M.Karin,J.Feramisco,およびM.Montminy,「cAMPおよびマイトジェン応答性遺伝子の活性化は、共通の核因子に依存する」,Nature,370:226,1994)。CBPは、次いで、基礎的な転写因子であるTFIIBと相互作用して転写を増大させる。CREBはまた、dTAFII 110、TATA結合タンパク質会合因子(この結合が転写を調節し得る)と相互作用することが報告されている(Ferreri,K.,G.Gill,およびM.Montminy,「cAMP調節転写因子CREBは、TFIID複合体の要素と相互作用する」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:1210,1994)。これらの相互作用に加えて、CREB/ATFタンパク質は、他の複数の核因子と特異的に結合し得る(Hoeffler,J.P.,J.W.Lustbader,およびC.−Y.Chen,「タンパク質−タンパク質相互作用により、環状アデノシン3’,5’−モノホスフェート応答エレメント結合タンパク質および活性化転写因子−2と相互作用する複数の核因子の同定」,Mol.Endocrinol.5:256,1991)。しかし、これらの相互作用の大部分についての生物学的意義は知られていない。CREBは、通常、ホモダイマーまたはいくつかの他のタンパク質とのヘテロダイマーのいずれかとしてDNAと結合すると考えられている。驚くべきことに、CREBモノマーは、構成的に転写を活性化する(Krajewski,W.,およびK.A.W.Lee,「細胞性転写因子CREBのモノマー誘導体は、構成性アクチベーターとして機能する」,Mol.Cell.Biol.14:7204,1994)。
【0009】
細胞性転写の調節における重要な役割のほかに、CREB/ATFタンパク質がいくつかの感染性ウィルスおよびレトロウィルス(これらはウィルス性複製にCREB/ATPタンパク質を必要とする)によりくつがえされることが最近示されている。例えば、サイトメガロウィルス即時プロモーター(哺乳動物の最も強力な既知のプロモーターの1つ)は、プロモーター機能に必須である11コピーのCREを含む(Chang,Y.−N.,S.Crawford,J.Stall,D.R.Rawlins,K.−T.Jeang,およびG.S.Hayward,「シミアンサイトメガロウィルス主要即時プロモーターにおけるパリンドロームシリーズI反復は、強力な基礎的エンハンサーおよびサイクリックAMP応答エレメントの両方として機能する」,J.Virol.64:264,1990)。アデノウィルスE1Aタンパク質(これは多くのプロモーターを誘導する)の転写活性化効果のうちの少なくともいくつかは、CREB/ATFタンパク質、ATF−2(これは、E1A誘導性転写活性化を媒介する)のDNA結合ドメインへの結合に起因する(Liu,F.,およびM.R.Green,「異なる細胞性DNA結合ドメインとの相互作用を介したアデノウィルスE1aによるプロモーター標的化」,Nature 368:520,1994)。E1AがCREB結合タンパク質CBPに結合することも示唆されている(Arany,Z.,W.R.Sellers,D.M.Livingston,およびR.Eckner,「E1A会合p300およびCREB会合CBPは、コアクチベーターの保存ファミリーに属する」,Cell 77:799,1994)。ヒトT細胞白血病および熱帯痙性麻痺を引き起こすレトロウィルスであるヒトTリンパ球性ウィルス−I(HTLV−I)もまた、複製にCREB/ATFタンパク質を必要とする。この場合には、レトロウィルスはタンパク質Taxを産生する。Taxは、CREB/ATFタンパク質に結合し、これらをその通常の細胞性結合部位からHTLV転写エンハンサー内に存在する異なるDNA配列(G−およびC− リッチ配列に隣接する)へと再方向付けする(Paca−Uccaralertkun,S.,L.−J.Zhao,N.Adya,J.V.Cross,B.R.Cullen,I.M.Boros,およびC.−Z.Giam,「ヒトT細胞リンパ球性ウィルスI型転写アクチベーターTaxに対して高度に応答性のDNAエレメントのインビトロでの選択」,Mol.Cell.Biol.14:456,1994;Adya,N.,L.−J.Zhao,W.Huang,I.Boros,およびC.−Z.Glam,「TaxによるCREBのDNA認識特異性の拡大は、CREBの保存DNA結合ドメイン近傍の282〜284位のAla−Ala−Argとの相互作用から生じる」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:5642,1994)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、新規な免疫刺激オリゴヌクレオチド組成物、このオリゴヌクレオチドの免疫刺激活性に基づく有用な方法、中性オリゴヌクレオチド、中性オリゴヌクレオチドを用いる有用な方法、および免疫阻害オリゴヌクレオチド、免疫阻害オリゴヌクレオチドの種々の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式I:5’ XCGX 3’に従う少なくとも1つの核酸配列を含む、免疫刺激オリゴヌクレオチドであり:
ここで、CGは、オリゴヌクレオチドに免疫刺激能力を付与する非メチル化CpGジヌクレオチドであり;XおよびXの少なくとも1つはプリンであり;そして、XおよびXの少なくとも1つはピリミジンである。
【0012】
好適な実施形態では、上記式Iがパリンドロームではない。
【0013】
さらに好適な実施形態では、Xがプリンヌクレオチドである。
【0014】
さらに好適な実施形態では、Xがピリミジンヌクレオチドである。
【0015】
さらに好適な実施形態では、Xの5’側にさらにチミジンヌクレオチドを含む。
【0016】
さらに好適な実施形態では、上記式Iのヌクレオチド配列が、5’ GACGTT 3’、5’ AGCGTT 3’、5’ AACGCT 3’、5’ CTCGAC 3’、5’ GTCGGT 3’、5’ GACGTT 3’、5’ TTCGAT 3’、5’ AACGAT 3’および5’ ATCGAC
3’からなる群から選択される。
【0017】
さらに好適な実施形態では、上記式Iの配列を含む上記オリゴヌクレオチドの5’末端および3’末端のヌクレオチド配列がポリGヌクレオチドである。
【0018】
さらに好適な実施形態では、1つ以上のホスフェート骨格修飾を有する。
【0019】
さらに好適な実施形態では、上記1つ以上のホスフェート骨格修飾が、ホスホロチオエート修飾である。
【0020】
さらに好適な実施形態では、約6〜約100のヌクレオチドを含む。
【0021】
さらに好適な実施形態では、約6〜約40のヌクレオチドを含む。
【0022】
さらに好適な実施形態では、上記オリゴヌクレオチドと標的化手段とを有する。
【0023】
さらに好適な実施形態では、上記標的化手段が、コレステロール、ビロソーム、リポソーム、脂質および標的細胞特異的結合因子からなる群から選択される。
【0024】
本発明はまた、免疫系不全にかかっているかまたはかかりやすいヒトを含む動物の予防または処置のための薬品を製造するための、上記オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド送達複合体の使用である。
【0025】
好適な実施形態では、上記免疫系不全が、ウィルス、細菌、真菌または寄生体の感染によって引き起こされる。
【0026】
本発明はまた、ガンにかかっているヒトを含む動物の処置のための薬品を製造するための、上記オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド送達複合体の使用である。
【0027】
本発明はまた、ワクチンに対する動物の免疫応答を増大させるためにワクチン投与前またはワクチン投与と同時にヒトを含む動物に投与するためのアジュバントを調製するための、上記オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド送達複合体の使用である。
【0028】
本発明はまた、免疫系の活性化に関連する疾病にかかりやすいヒトを含む動物の予防のための薬品を製造するための、上記オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド送達複合体の使用である。
【0029】
好適な実施形態では、上記免疫系の活性化に関連する疾病が、自己免疫疾患である。
【0030】
さらに好適な実施形態では、上記免疫系の活性化が、細菌、真菌または寄生体の感染によって引き起こされる。
【0031】
本発明はまた、上記オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド送達複合体と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的処方物である。
【0032】
好適な実施形態では、別の治療剤をさらに含む。
【0033】
本発明はまた、少なくとも1つのメチル化CGジヌクレオチドを含む免疫中性オリゴヌクレオチドと、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的処方物である。
【0034】
本発明はまた、ヒトを含む動物の免疫系の活性化に関連する疾病の予防または処置のための薬品を調製するための、上記免疫中性オリゴヌクレオチドの使用である。
【0035】
好適な実施形態では、上記疾病が全身性紅斑性狼瘡である。
【0036】
好適な実施形態では、上記疾病が敗血症である。
【0037】
好適な実施形態では、上記メチル化CGジヌクレオチドが、5−メチルシトシンである。
【発明の効果】
【0038】
本発明によって、新規な免疫刺激オリゴヌクレオチド組成物、このオリゴヌクレオチドの免疫刺激活性に基づく有用な方法、中性オリゴヌクレオチド、中性オリゴヌクレオチドを用いる有用な方法、および免疫阻害オリゴヌクレオチド、免疫阻害オリゴヌクレオチドの種々の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、非メチル化シトシン−グアニン(CpG)ジヌクレオチドを含むある種のオリゴヌクレオチドがインビトロおよびインビボデータにより示されるようにリンパ球を活性化するという知見に基づいている。この知見に基づいて、本発明は、1つの局面においては、新規な免疫刺激オリゴヌクレオチド組成物を特徴とする。
【0040】
好ましい実施態様においては、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、合成物であり、2〜100塩基対のサイズであり、そして以下の式で表されるコンセンサスマイトジェン性CpGモチーフを含む:
5’ XCGX 3’
ここで、CおよびGは、非メチル化であり;X、X、XおよびXはヌクレオチドであり;そしてGCGトリヌクレオチド配列は、5’および3’末端にもその近傍にも存在しない。
【0041】
細胞への取り込みを促進するためには、CpG含有免疫刺激オリゴヌクレオチドは、好ましくは8〜40塩基対のサイズの範囲である。安定化されたオリゴヌクレオチド(特に、ホスホチオエート安定化オリゴヌクレオチド)を用いて、長期の免疫刺激が得られ得る。XがジヌクレオチドGpAおよび/またはXがジヌクレオチド(最も好ましくはTpCまたはTpT)である場合に、免疫刺激活性の増大が確認された。コンセンサスモチーフXCGXが5’末端でTにより先行される場合に、免疫刺激活性のさらなる増大が確認される。
【0042】
第2の局面においては、本発明は、オリゴヌクレオチドの免疫刺激活性に基づく有用な方法を特徴とする。例えば、リンパ球が被験体から得られ得、そして適切なオリゴヌクレオチドとの接触に際してエクスビボで刺激され得るか;または、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドが被験体に投与され得、被験体のリンパ球のインビボでの活性化を促進し得る。本明細書に記載の方法で(例えば、エクスビボまたはインビボのいずれかで)刺激された、活性化されたリンパ球は、被験体の免疫応答を増強し得る。従って、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、免疫系不全(例えば、被験体の腫瘍またはガン、あるいは、ウィルス、真菌、細菌または寄生体による感染症)を処置し、防止し、または改善するために使用され得る。さらに、免疫刺激オリゴヌクレオチドはまた、ワクチンアジュバントとしても投与され得、被験体のワクチンに対する応答を刺激し得る。さらに、免疫刺激細胞が白血病性細胞を細胞周期に入るように誘導する能力を有するので、慢性白血病細胞の感受性を増大させた後、通常の除去化学療法(ablative chemotherapy)を施すことにより白血病を処置するための有用性が示唆される。
【0043】
第3の局面においては、本発明は、中性オリゴヌクレオチド(すなわち、非メチル化CpGを含まないか、メチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド)を特徴とする。好ましい実施態様においては、中和オリゴヌクレオチドは免疫刺激配列に相補的であるが、非メチル化CpGジヌクレオチド配列の代わりにメチル化CpGジヌクレオチド配列を含み、従って、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドとの結合を完成し得る。好ましい実施態様においては、メチル化は、シトシンの6員環を含む4つの炭素および2つの窒素のうちの1つ以上で起こり、あるいは、グアニンの9員二重環を含む5つの炭素および4つの窒素のうちの1つ以上で起こる。好ましいメチル化CpGは、5’−メチルシトシンである。
【0044】
第4の局面においては、本発明は、中性オリゴヌクレオチドを用いる有用な方法を特徴とする。例えば、中性オリゴヌクレオチドのインビボでの投与が、被験体における非メチル化CpG2量体の存在により引き起こされるかまたは悪化させる疾病(例えば、全身性紅斑性狼瘡、敗血症および自己免疫疾患)の処置に有用であると判明するはずである。さらに、メチル化CpG含有アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドプローブは、インビボでの被験体への投与時に免疫反応を開始させない。従って、これらは、対応する非メチル化オリゴヌクレオチドよりも安全である。
【0045】
第5の局面においては、本発明は、免疫阻害オリゴヌクレオチド(これは、ウィルス性または細胞性転写因子の活性を妨害し得る)を特徴とする。好ましい実施態様においては、免疫阻害オリゴヌクレオチドは、2〜100塩基対のサイズの間であり、そして以下の式で表されるコンセンサス免疫阻害CpGモチーフを含む:
5’ GCGXGCG 3’
ここで、Xはヌクレオチドであり;nは0〜50の範囲である。好ましい実施態様においては、Xはピリミジンである。
【0046】
細胞への取り込みを促進するためには、免疫阻害オリゴヌクレオチドは、好ましくは8〜40塩基対のサイズの範囲である。安定化されたオリゴヌクレオチド(特に、ホスホチオエート安定化オリゴヌクレオチド)を用いて、長期の生物学的効果が得られ得る。
【0047】
第6かつ最後の局面においては、本発明は、免疫阻害オリゴヌクレオチドの種々の使用を特徴とする。免疫阻害オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドと標的とされるウィルス性配列との間の相補性に起因するいかなるアンチセンス効果とも無関係に、抗ウィルス活性を有する。
【0048】
本発明の他の利点および特徴は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲からより明らかになるであろう。
【0049】
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書において用いられるように、以下の用語および表現は下記の意味を有する:
「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」は、複数のヌクレオチド(すなわち、ホスフェート基および置換可能な有機塩基(置換ピリミジン(例えば、シトシン(C)、チミン(T)またはウラシル(U))あるいは置換プリン(例えば、アデニン(A)またはグアニン(G))のいずれかである)に結合した糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)を含む分子)を意味する。本明細書において用いられるように、用語「オリゴヌクレオチド」は、オリゴリボヌクレオチド(ORN)およびオリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)の両方を意味する。用語「オリゴヌクレオチド」はまた、オリゴヌクレオシド(すなわち、ホスフェートを含まないオリゴヌクレオチド)および任意の他の有機塩基含有ポリマーを包含する。オリゴヌクレオチドは、既存の核酸源(例えば、ゲノムまたはcDNA)から得られ得るが、好ましくは合成である(例えば、オリゴヌクレオチド合成により産生される)。
【0050】
「安定化されたオリゴヌクレオチド」は、インビボでの分解(例えば、エクソまたはエンドヌクレアーゼによる分解)に比較的耐性であるオリゴヌクレオチドを意味する。本発明の好ましい安定化されたオリゴヌクレオチドは、修飾ホスフェート骨格を有する。特に好ましいオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート修飾ホスフェート骨格(すなわち、ホスフェート酸素の少なくとも1つがイオウで置換された構造)を有する。他の安定化されたオリゴヌクレオチドは、非イオン性DNAアナログ(例えば、アルキル−およびアリール−ホスホネート(荷電ホスホネート酸素が、アルキルまたはアリール基で置換される)、ホスホジエステルおよびアルキルホスホトリエステル(荷電酸素部分がアルキル化される))を包含する。いずれか一方または両方の末端にジオール(例えば、テトラエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコール)を含むオリゴヌクレオチドもまた、ヌクレアーゼ分解に対して実質的に耐性であることが示されている。
【0051】
「免疫刺激オリゴヌクレオチド」、「免疫刺激CpG含有オリゴヌクレオチド」または「CpG ODN」は、シトシン、グアニンジヌクレオチド配列を含み、そして脊椎動物リンパ球を刺激する(例えば、マイトジェン効果を有する)オリゴヌクレオチドを意味する。好ましい免疫刺激オリゴヌクレオチドは、2〜100塩基対のサイズであり、そして以下の式で表されるコンセンサスマイトジェン性CpGモチーフを含む:
5’ XCGX 3’
ここで、CおよびGは、非メチル化であり;X、X、XおよびXはヌクレオチドであり;そしてGCGトリヌクレオチド配列は、5’および3’末端にもその近傍にも存在しない。
好ましくは免疫刺激オリゴヌクレオチドは8〜40塩基対のサイズの範囲である。さらに、免疫刺激オリゴヌクレオチドは、好ましくは安定化されたオリゴヌクレオチドであり、特に好ましくはホスホロチオエートで安定化されたオリゴヌクレオチドである。好ましい1つの実施態様においては、XはジヌクレオチドGpAである。好ましい別の実施態様においては、Xは、好ましくはジヌクレオチドTpCまたはTpTである。特に好ましい実施態様においては、コンセンサスモチーフXCGXは5’末端においてTにより先行される。特に好ましいコンセンサス配列は、TGACGTTまたはTGACGTCである。
【0052】
「中性オリゴヌクレオチド」は、非メチル化CpGを含まないオリゴヌクレオチド、またはメチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを意味する。好ましい実施態様においては、中和オリゴヌクレオチドは免疫刺激配列に相補的であるが、非メチル化CpGジヌクレオチド配列の代わりにメチル化CpGジヌクレオチド配列を含み、従って、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドとの結合を完成し得る。好ましい実施態様においては、メチル化は、シトシンの6員環を含む4つの炭素および2つの窒素のうちの1つ以上で起こり、あるいは、グアニンの9員二重環を含む5つの炭素および4つの窒素のうちの1つ以上で起こる。好ましいメチル化CpGは、5’−メチルシトシンである。
【0053】
「免疫阻害オリゴヌクレオチド」または「免疫阻害CpG含有オリゴヌクレオチド」は、ウィルス性または細胞性転写因子の活性を妨害し得るオリゴヌクレオチドである(明細書10頁(英文明細書8頁)の発明の要旨に支持されている)。好ましい免疫阻害オリゴヌクレオチドは、2〜100塩基対のサイズの間であり、そして以下の式で表され得る:
5’ GCGXGCG 3’
ここで、Xはヌクレオチドであり;nは0〜50の範囲である。好ましい実施態様においては、Xはピリミジンである。
【0054】
細胞への取り込みを促進するためには、免疫阻害オリゴヌクレオチドは、好ましくは8〜40塩基対のサイズの範囲である。安定化されたオリゴヌクレオチド(特に、ホスホロチオエート安定化オリゴヌクレオチド)を用いて、長期の免疫刺激が得られ得る。
【0055】
「パリンドローム配列」は、逆方向反復(すなわち、ABCDEE’D’C’B’A’のような配列、ここでAおよびA’は、通常のWatson−Crick塩基対を形成し得る塩基である)を意味する。インビボにおいては、このような配列は、二本鎖構造を形成し得る。
【0056】
「オリゴヌクレオチド送達複合体」は、標的手段に結合した(例えば、標的手段にイオン的にまたは共有結合的に結合した;あるいは標的手段内にカプセル化された)オリゴヌクレオチドを意味する。標的手段は、例えば、標的細胞(例えば、B細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞)表面との高親和性結合を生じる、および/または標的細胞による細胞性取り込みを増加させる分子である。オリゴヌクレオチド送達複合体の例としては、以下のものに結合したオリゴヌクレオチドが挙げられる:ステロール(例えば、コレステロール)、脂質(例えば、カチオン性脂質、ビロソームまたはリポソーム)、または標的細胞特異的結合因子(例えば、標的細胞特異性レセプターにより認識されるリガンド)。好ましい複合体は、標的細胞によるインターナリゼーション前の有意な非結合を防止するようにインビボで十分に安定でなければならない。しかし、複合体は、オリゴヌクレオチドが機能的形態で放出されるよう、適切な条件下では細胞内で開裂可能でなければならない。
【0057】
「免疫系不全」は、被験体の免疫系が通常の能力で機能しない疾病または障害を意味する。あるいは、被験体の免疫応答を増強し、例えば、被験体における腫瘍またはガン(例えば、脳、肺(例えば、小細胞および非小細胞)、卵巣、乳房、前立腺、結腸の腫瘍、ならびに他のガン腫および肉腫)、あるいは、ウィルス(例えば、HIV、ヘルペス)、真菌(例えば、Candida sp.)、細菌または寄生体(例えば、Leishmania、Toxoplasma)による感染症を取り除くことが有用である疾病または障害を意味する。
【0058】
「免疫系の活性化に関連する疾病」は、被験体の免疫系の活性化により引き起こされるかまたは悪化される疾病または症状を意味する。例としては、全身性紅斑性狼瘡、敗血症および自己免疫疾患(例えば、リューマチ性関節炎、多発性硬化症)が挙げられる。
【0059】
「被験体」は、ヒトまたは脊椎動物(イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、サル、ラット、マウスなどを包含する)を意味する。(ある種の非メチル化CpG含有オリゴは、インビトロおよびインビボで示されるようにB細胞刺激活性を有する)
後述の実施例1および2に記載のプロトコールを用いて内在性レトロウィルス配列に特異的な2つのアンチセンスオリゴヌクレオチドのリンパ球刺激効果を調べると、驚くべきことに、24の「コントロール」(「アンチセンス」ODNのパネルについての種々のスクランブル、センスおよびミスマッチコントロールを含む)のうちの2つもまたB細胞活性化およびIgM分泌を媒介するが、他の「コントロール」は効果を有さないことが見いだされた。
【0060】
2つの観察から、この「コントロール」ODNによるB細胞の活性化は、アンチセンス効果を有し得ないことが示唆された:(1)GenBankにリストされる脊椎動物DNA配列で比較すると、非刺激ODNで見られるものより大きな相同性を示さなかったこと、および、(2)2つのコントロールは、10μgの脾臓ポリA+RNAを用いるノーザンブロットへのハイブリダイゼーションを示さなかったこと。異なる合成機によるこれらのODNの再合成またはポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーによる十分な精製により、同一の刺激が得られた。このことは不純物の可能性を排除した。同様の刺激が、C3H/HeJマウス由来のB細胞を用いて得られた。このことはリポ多糖(LPS)による汚染が原因となり得る可能性を排除した。
【0061】
2つの「コントロール」ODNが2つの「アンチセンス」ODNと同様のB細胞活性化を引き起こしたという事実は、他のすべての非刺激コントロールODNには存在しない配列モチーフを含むある種の非アンチセンスメカニズムによってこれら4つのODNのすべてがB細胞を刺激するという可能性を提起した。これらの配列を比較すると、4つの刺激ODNはすべて、非刺激コントロールとは配列の異なるODNジヌクレオチドを含んでいた。
【0062】
刺激ODNに存在するCpG要素が観察された刺激の原因となるかどうかを調べるために、5〜42塩基の長さの範囲の300を超えるODN(これらは、種々の配列のメチル化、非メチル化、または非CpGジヌクレオチドを含む)を合成した。2つのもとの「コントロール」(ODN1および2)および「アンチセンス」として独自に合成した2つ(ODN 3Dおよび3M;Krieg,A.M.,J.Immunol.143:2448(1989))を含むこれらのODNを、脾臓細胞に対するインビトロでの効果を調べた(表1に代表的な配列を列挙する)。CpGジヌクレオチドを含むいくつかのODNが、B細胞活性化およびIgM分泌を誘導した;代表的には、刺激の程度は、CpGジヌクレオチドをより多く添加することにより増大し得た(表1;ODN2を2aに、または3Dを3Daおよび3Dbに比較のこと)。刺激は、アンチセンスメカニズムによるものでも不純物によるものでもないようである。ODNは、γδまたはその他のT細胞集団について検出可能な活性化を引き起こさなかった。
【0063】
CpGジヌクレオチドが変異された場合(表1;ODN1を1aに;3Dを3Dcに;3Mを3Maに;および4を4aに比較のこと)、または、CpGジヌクレオチドのシトシンが5−メチルシトシンで置換された場合(表1;ODN 1b、2b、2c、3Dd、および3Mb)には、マイトジェン性ODN配列は一様に非刺激性となった。これに対して、他のシトシンがメチル化された場合には、ODN活性は減少しなかった(ODN 1c、2d、3De、および3Mc)。これらのデータにより、CpGモチーフが、 B細胞を活性化する、ODNに存在する必須エレメントであることが確認された。
【0064】
これらの研究において、CpGジヌクレオチドに隣接する塩基が、ODNに誘導されるB細胞活性化を決定する際に重要な役割を果たすことが明らかになった。最適刺激モチーフは、2つの5’プリン(好ましくは、GpAジヌクレオチド)および2つの3’ピリミジン(好ましくは、TpTまたはTpCジヌクレオチド)に隣接するCpGからなると決定された。この理想により近いCpGモチーフをもたらすODNの変異により、刺激が改善された(例えば、ODN 2を2eに;3Mを3Mdに比較のこと)が、このモチーフを妨げる変異により刺激が減少した(例えば、ODN 3Dを3Dfに;4を4b、4cおよび4dに比較のこと)。一方、CpGモチーフ外の変異によっては、刺激は減少しなかった(例えば、ODN 1を1dに;3Dを3Dgに;3Mを3Meに比較のこと)。
【0065】
試験されたもののうち、8塩基よりも短いODNは非刺激性であった(例えば、ODN
4e)。試験された48の8塩基ODNのうち、同定された最も刺激性の配列はTCAACGTT(ODN 4)であった。この配列は、自己相補性の「パリンドローム」AACGTTを含む。このモチーフをさらに最適化すると、(特に、末端のヌクレオチド間結合のホスホロチオエート修飾により、ODNがヌクレアーゼ耐性とされる場合には、)両端部にGを含むODNが増大した刺激を示すことが見いだされた。最初の2つおよび最後の5つのヌクレオチド間結合がホスホロチオエート修飾されているODN 1585(5’ GGGGTCAACGTTCAGGGGGG 3’(配列番号:1))は、両端の10のGが10のAで置換されていること以外はODN 1585と同じ配列を有するODN 1638により誘導されたマウス脾臓細胞増殖における平均3.2倍の増加に比較して、マウス脾臓細胞増殖における平均25.4倍の増加を引き起こした。Gリッチ末端の効果はシスである;ポリG末端を有するがCpGモチーフを有さないODNを1638と共に添加しても、増殖の増加は得られなかった。
【0066】
最適モチーフに近似する場合には(例えば、ODN 4b、4c)、5’末端にTpCジヌクレオチドを有する6塩基のパリンドロームを含む他の8量体ODNもまた活性であった。5’末端の他のジヌクレオチドは、刺激を減少させた(例えば、ODN 4f;16の可能なジヌクレオチドすべてについて試験した)。3’ジヌクレオチドの存在は、5’ジヌクレオチドの欠乏を補填するには不十分であった(例えば、ODN 4g)。パリンドロームの破壊により8量体ODNにおける刺激が取り除かれた(例えば、ODN 4h)が、より長いODNにはパリンドロームは必要とされなかった。
【0067】
【表1】

【0068】

【0069】
*刺激指数は、少なくとも3つの異なる実験から得られた平均および標準偏差であり、そしてODNを加えずに培養されたウェルと比較される。NDは、試験せずを意味する。CpGジヌクレオチドは下線で示される。点は同一であることを示し;ダッシュは欠失を示す。Zは、5−メチルシトシンを示す。
【0070】
マウス脾臓細胞を用いて白血球活性化の反応速度を調べた。ODN添加と同時に細胞をパルスし、4時間後に細胞を集めると、Hウリジン取り込みはすでに2倍に増加していた。刺激は12〜48時間後にピークとなり、その後減少した。24時間後には、インタクトなODNは検出されず、おそらくこのことはその後の刺激の低下の原因となっている。(マイトジェン性以下の投与量での)抗IgMの存在下または非存在下で精製B細胞をCpG ODNとともに培養した場合に、2つのマイトジェンの組み合わせにより48時間後には増殖が約10倍と顕著に増加することが見いだされた。刺激の程度は濃度依存性であり、両方について最適条件の下では一致してLPSの刺激の程度を上回っていた。ヌクレアーゼ耐性ホスホロチオエート骨格を含むオリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチドの約200倍強力であった。
【0071】
細胞周期分析を用いて、CpG−ODNにより活性化されたB細胞の割合を決定した。CpG−ODNは、95%を超えるB細胞の細胞周期進行を誘導した(表2)。フローサイトメトリーによりCD23−(周辺領域)およびCD23+(小胞)下位集団にソートされた脾臓Bリンパ球は、ODN誘導刺激に対して同等に応答性であった。なぜならこれらは共に休止状態であり、Percoll勾配での分画により単離されたB細胞の活性化集団であったからである。これらの研究により、CpG−ODNが本質的にすべてのB細胞を細胞周期に入るようにすることが示された。
【0072】
【表2】

【0073】
実施例1に記載のように、ヒト細胞に対するCpG ODNのマイトジェン性効果を、2人の慢性リンパ球性白血病(CLL)患者から得られた末梢血単核細胞(PBMC)について調べた。CpGジヌクレオチド配列を含まないコントロールODNは、ヒト細胞の基礎増殖に対して442cpmおよび874cpmと効果を示さなかった(増殖はHチミジン取り込みにより測定した)。しかし、ホスホロチオエート修飾CpG ODN 3Md(配列番号25)は、わずか1μMの濃度で、2人の患者においてそれぞれ7210および86795cpmと増殖の増加を誘導した。これらの細胞は凍結されていたので、これらは、インビボの新鮮な細胞よりもオリゴに対して応答性が低かったかもしれない。さらに、CLL患者由来の細胞は代表的には非増殖性であり、このことが従来の化学療法が有効でない原因である。
【0074】
ある種のB細胞株(例えば、WEHI−231)が誘導され、抗IgMによるそれらの抗原レセプターの架橋に応答して増殖阻止および/またはアポトーシスを受ける(Jakway,J.P.ら、「抗免疫グロブリン、リポ多糖および他の細菌性産物によるBリンパ腫細胞株WEHI−231の増殖の調節」,J.Immunol.137:2225(1986);Tsubata,T.,J.Wu,およびT.Honjo,「抗原レセプター架橋により誘導されたB細胞アポトーシスが、CD40を介したT細胞シグナルによりブロックされる」,Nature 364:645(1993))。WEHI−231細胞は、ある種の刺激(例えば、LPS)により、およびCD40リガンドにより、この増殖阻止からレスキューされる。CpGモチーフ含有ODNはまた、抗IgM誘導増殖阻止からWEHI−231を保護しすることが見いだされた。このことは、この効果にはアクセサリー細胞集団は必要とされないことを示している。
【0075】
非メチル化CpG ODNの免疫効果をより十分に理解するために、インビトロおよびインビボでのサイトカインおよびプロスタグランジンのレベルを調べた。LPSとは異なり、CpG ODNは、精製マクロファージにプロスタグランジンPGE2の産生を誘導しないことが見いだされた。実際、マクロファージにおいてもT細胞においても、CpG
ODNの明らかな直接的効果は認められなかった。インビボまたは全脾臓細胞において、以下のインターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4またはIL−10)の有意な増加は、最初の6時間以内には認められなかった。しかし、IL−6のレベルは、CpG
ODNを注射したマウスの血清において、2時間以内に顕著に増加した。脾臓細胞によるIL−12およびインターフェロンγ(IFN−γ)の発現の増大もまた、最初の2時間以内に認められた。
【0076】
CpG ODNがインビボでの免疫刺激を引き起こし得るかどうかを決定するために、PBSまたはホスホロチオエートCpGまたは非CpG ODNを、33mg/kg(約500μg/マウス)の用量でDBA/2マウスに1回腹腔内注射した。マウスにおける薬物動態学的研究により、この用量でのホスホロチオエートが24時間より長期間にわたり脾臓組織において約10μg/gのレベル(本明細書に記載のインビトロでの研究から決定される有効濃度範囲内)を与えることが示される(Agrawal,S.ら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7595)。3色フローサイトメトリーを用いてB細胞表面活性化マーカーLy−6A/E、Bla−1およびクラスII
MHCの発現について、ならびにHチミジンを用いてそれらの自然増殖について、ODN注射の24時間後にマウス由来の脾臓細胞を調べた。3種の活性化マーカーすべての発現が、CpG ODN注射マウス由来のB細胞において有意に増加したが、PBSまたは非CpG ODN注射マウス由来のB細胞においては増加しなかった。刺激性ODNを注射したマウス由来の脾臓細胞は、PBSまたは非CpG ODN注射マウスと比較して、自然Hチミジン取り込みが2〜6倍増加した。4日後、インビボでのCpG ODN注射マウスの血清IgMレベルは、コントロールと比較して約3倍増加した。これらの薬剤がT細胞を活性化する能力がないことと一致して、IL−2RまたはCD−44のT細胞発現における変化は最小限であった。
【0077】
血清におけるホスホジエステルODNの分解は、3’−エクソヌクレアーゼにより優先的に媒介される。一方、細胞内ODN分解はより複雑であり、5’および3’エクソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼを含む。5’および3’末端で変化する数のホスホロチオエート修飾結合を有する3D配列を有するODNパネルを用いて、2つの5’修飾結合および5つの3’修飾結合がこのCpG ODNによる最適刺激を提供するために必要であることが実験的に決定された。(非メチル化CpG含有オリゴはNK細胞刺激活性を有する)
実施例4でさらに詳細に記載するように、CpG含有オリゴヌクレオチドがB細胞に加えてナチュラルキラー(NK)細胞の活性を刺激するかどうかを決定するために実験を行った。表3に示すように、CpG ODN 1および3Ddと共に培養された脾臓細胞においてNK活性の顕著な誘導が観察された。これに対して、非CpGコントロールODNで処理されたエフェクターにおいては、誘導はほとんど存在しなかった。
【0078】
【表3】

【0079】
(メチル化CpG含有オリゴの中和活性)
ODN(CpGモチーフまたは他の部分でのシトシンが5−メチルシトシンで置換されたもの)のB細胞マイトジェン性を、実施例1に記載のようにして調べた。上記表1に示すように、メチル化CpGを含むODNは、非マイトジェン性であった(表1;ODN 1c、2f、3De、および3Mc)。しかし、CpGジヌクレオチド以外のシトシンのメチル化では、刺激特性は維持された(表1;ODN 1d、2d、3Df、および3Md)。
(両末端およびその近傍にGCGトリヌクレオチド配列を含むオリゴの免疫阻害活性)
いくつかの場合においては、上記の刺激モチーフ内部ではないCpGジヌクレオチドを含むODNは、他のマイトジェン性CpG ODNの刺激効果をブロックすることが見いだされた。具体的には、CpG ODNの5’および/または3’末端およびその近傍にGCGからなる非定型のCpGモチーフを加えることにより、他のCpGモチーフによる増殖の刺激が実際に阻害された。GCGモチーフにおけるシトシンのメチル化または置換は、この効果を逆転する。好ましいCpGモチーフに見られるよりもずっと低いが、ODN中のGCGモチーフはそれ自体が低いマイトジェン性効果を有する。
(免疫刺激、中和および免疫阻害オリゴヌクレオチドの作用の提唱されるメカニズム)
その表面Igレセプターを介してB細胞をトリガーする抗原とは異なり、CpG−ODNは、検出可能なCa2+流出、タンパク質チロシンリン酸化における変化またはIP 3生成のいずれも誘導しなかった。CpGモチーフ存在下または非存在下でのFITC−結合ODNを用いるフローサイトメトリーを、Zhao,Qら(Antisense Research and Development 3:53−66(1993))に記載のようにして行った。これにより、等価な膜結合、細胞取り込み、流出および細胞内局在化が示された。このことは、CpG ODNに対して特異的な細胞膜タンパク質は存在しないかもしれないことを示唆している。細胞膜を介して作用するよりもむしろ、これらのデータは、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドが活性のために細胞取り込みを必要とすることを示唆している:固体Teflon支持体に共有結合したODNは非刺激性であり、アビジンビーズまたはアビジンコートされたペトリ皿上に固定化されたビオチン化ODNも同様であった。FITCまたはビオチンのいずれかと結合されたCpG ODNは、完全なマイトジェン性特性を維持し、このことは立体障害を有さないことを示した。
【0080】
最適なCpGモチーフ(TGACGTT/C)は、CRE(サイクリックAMP応答エレメント)と同一である。CpG ODNのマイトジェン性効果と同様に、中央のCpGがメチル化された場合には、CREBのCREへの結合はなくされる。電気泳動移動度シフトアッセイを用いて、CpG ODN(1本鎖)がB細胞CREB/ATFタンパク質のそれらの通常の結合部位(2本鎖CRE)への結合と競合し得るかどうかを決定した。競合アッセイにより、CpGモチーフを含む1本鎖ODNはCREBのその結合部位への結合と競合し得るが、CpGモチーフを含まないODNは競合し得ないことが示された。これらのデータは、CpG ODNがある種の様式で1つ以上のB細胞CREB/ATFタンパク質と相互作用することによりそれらのマイトジェン性効果を発揮するという結論を支持する。逆に、ODNの3’および/または5’端部近傍のGCG配列または他の非定型CpGモチーフの存在により、活性化を引き起こさず、阻止さえし得る様式でCREB/ATFタンパク質と相互作用するようである。
刺激CpGモチーフは、微生物ゲノムDNAに共通であるが、脊椎動物DNAにおいてはきわめてまれである。さらに、細菌DNAは、B細胞増殖および免疫グロブリン(Ig)産生を誘導することが報告されているが、哺乳動物DNAは誘導しない(Messina,J.P.ら、J.Immunol.147:1759(1991))。さらに実施例3に記載の実験(この実験で、CpGメチラーゼを用いる細菌DNAのメチル化により、マイトジェン性がなくされることが見いだされた)により、CpGの状態の違いが細菌DNAによるB細胞刺激の原因であることが示された。このデータは以下の結論を支持する:細菌DNA内に存在する非メチル化CpGジヌクレオチドが、細菌DNAの刺激効果の原因となる。
目的論的には、CpGモチーフによる白血球活性化によって免疫防御メカニズムが代表され、これにより、宿主DNAと細菌DNAとが区別され得るようである。宿主DNAは、そのCpG抑制およびメチル化に起因してリンパ球活性化をほとんど誘導しないか全く誘導しない。細菌DNAは、感染組織において選択的なリンパ球活性化を引き起こす。CpG経路は抗原レセプターを介するB細胞活性化と共働するので、細菌抗原に特異的な抗原レセプターを有するB細胞は、細胞膜Igを介する1つの活性化シグナルと細菌DNAからの第2のシグナルとを受信し、従って、優先的に活性化される傾向を有する。B細胞活性化におけるこの経路と他の経路との相互関係が、ポリクローナル抗原を用いて抗原特異性応答を誘導する生理学的メカニズムを提供する。
(免疫刺激オリゴの作製方法)
本発明において使用するために、オリゴヌクレオチドが、当該分野で周知の多くの方法のうちの任意の方法を用いて新たに合成され得る。例えば、β−シアノエチルホスホルアミダイト法(S.L.BeaucageおよびM.H.Caruthers,(1981)Tet.Let.22:1859);ヌクレオシド
H−ホスホネート法(Gareggら,(1986)Tet.Let.27:4051−4054;Froehlerら,(1986)Nucl.Acid.Res.14:5399−5407;Gareggら,(1986)Tet.Let.27:4055−4058;Gaffneyら,(1988)Tet.Let.29:2619−2622)。これらの化学反応は、種々の市販の自動化オリゴヌクレオチド合成機により行われ得る。あるいは、オリゴヌクレオチドは、公知の技術(例えば、制限酵素、エクソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼを使用する技術)を用いて、既存の核酸配列(例えば、ゲノムまたはcDNA)から調製され得る。
【0081】
インビボでの使用のためには、オリゴヌクレオチドは、好ましくは、(例えば、エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼによる)分解に対して比較的耐性である。オリゴヌクレオチドの安定化は、ホスフェート骨格での修飾により達成され得る。好ましい安定化されたオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート修飾骨格を有する。ホスホロチオエートODNの薬物動態学は、それらが齧歯動物において48時間の全身半減期を有することを示し、そしてそれらがインビボでの適用に有用であり得ることを示唆する(Agrawal,S.ら,(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7595)。ホスホロチオエートは、ホスホルアミデートまたはH ホスホネート化学のいずれかを使用する自動化技術を用いて合成され得る。アリールおよびアルキルホスホネートが(例えば、米国特許第4,469,863号に記載のようにして)作製され得る;そして、アルキルホスホトリエステル(荷電酸素部分は、米国特許第5,023,243号および欧州特許第092,574号に記載のようにしてアルキル化される)が、市販の試薬を用いる自動化固相合成により調製され得る。他のDNA骨格修飾および置換の作製方法が記載されている(Uhlmann,E.およびPeyman,A.(1990)Chem.Rev.90:544;Goodchild,J.(1990)Bioconjugate Chem.1:165)。
【0082】
インビボで投与するために、オリゴヌクレオチドは、標的細胞(例えば、B細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞)表面への高親和性結合が得られる分子、および/または標的細胞による細胞の取り込みを増大させる分子に結合されて、「オリゴヌクレオチド送達複合体」を形成し得る。オリゴヌクレオチドは、当該分野で周知の技術を用いて適切な分子にイオン的にまたは共有結合的に結合し得る。種々のカップリング剤または架橋剤(例えば、プロテインA、カルボジイミド、およびN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP))が使用され得る。あるいは、オリゴヌクレオチドは、周知技術を用いてリポソームまたはビロソーム中にカプセル化され得る。
【0083】
本発明は、以下の実施例(これはさらなる限定として解釈されるべきではない)によりさらに説明される。本出願全体に引用されるすべての参考文献(学術文献、発行された特許、刊行された特許出願および同時係属特許出願を含む)の全体の内容は、本明細書に参考として援用される。
(免疫刺激オリゴの治療的使用)
その免疫刺激特性に基づいて、少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、インビボで被験体に投与され、「免疫系不全」を処置し得る。あるいは、少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドは、免疫系不全を有する被験体から得られるリンパ球(例えば、B細胞またはNK細胞)とエクスビボで接触され得、次いで、活性化リンパ球が被験体に再度移植され得る。
【0084】
免疫刺激オリゴヌクレオチドはまた、アジュバントとしてワクチンと共に被験体に投与され得、被験体の免疫系を増強して、ワクチンからより優れた応答をもたらし得る。好ましくは、非メチル化CpGジヌクレオチドは、ワクチン投与の少し前またはワクチン投与と同時に投与される。
【0085】
免疫刺激オリゴヌクレオチドを用いる先行する化学療法は、引き続く化学療法に対する悪性腫瘍細胞の応答性を増加させるに有用であることが判明するはずである。CpG ODNはまた、ヒトおよびマウス細胞の両方においてナチュラルキラー細胞活性を増加させた。NK活性の誘導は、ガンの免疫療法において同様に有益であり得る。
(中性オリゴヌクレオチドの治療的使用)
特定の標的配列に相補的なオリゴヌクレオチドが合成され得、そしてインビボで非検体に投与され得る。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは相補的なmRNAにハイブリダイズし、これにより特異的な標的遺伝子の発現を防止する。アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列特異的な効果により、それらはタンパク質機能の研究に有用な調査手段となった。全身アンチセンス療法の第I/II相のヒトへの試験が、急性骨髄性白血病およびHIVについて現在行われている。
【0086】
さらに、オリゴヌクレオチドプローブ(すなわち、検出可能な標識を有するオリゴヌクレオチド)が被験体に投与され得、結合標識の検出に基づいて相補的配列の存在を検出し得る。オリゴヌクレオチドプローブのインビボでの投与および検出は、特定のDNA配列により引き起こされるかまたは悪化される特定の疾病(例えば、全身性紅斑性狼瘡、敗血症および自己免疫疾患)の診断に有用であり得る。
【0087】
任意のまたはすべてのCpGジヌクレオチドがメチル化されているアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドプローブは、被験体へのインビボでの投与時に免疫反応を生じさせず、従って、対応する非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドよりも安全である。
【0088】
治療における使用のために、有効量の適切なオリゴヌクレオチドが、単独で、またはオリゴヌクレオチド送達複合体として処方されて、オリゴヌクレオチドが適切な標的細胞(例えば、B細胞およびNK細胞)に取り込まれることを可能にする任意の方法で被験体に投与され得る。好ましい投与経路は、経口および経皮(例えば、パッチによる)を包含する。他の投与経路の例としては、注射(皮下、静脈内、腸管外、腹腔内、包膜内など)が挙げられる。注射は、ボーラスでの注射または連続的な注入であり得る。
【0089】
オリゴヌクレオチドは、単独で、またはオリゴヌクレオチド送達複合体として、薬学的に受容可能なキャリアと共に投与され得る。本明細書において使用されるように、「薬学的に受容可能なキャリア」という表現は、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド送達複合体と同時投与され得、かつ、オリゴヌクレオチドがその意図された機能を実施することを可能にする物質を包含することが意図される。このようなキャリアの例としては、溶液、溶媒、分散媒体、遅延剤、エマルジョンなどが挙げられる。薬学的に活性な物質についてのこのような媒体の使用は、当該分野で周知である。オリゴヌクレオチドとの使用に適切なあらゆる他の従来のキャリアは、本発明の範囲内にある。
【0090】
用語「有効量の」オリゴヌクレオチドとは、所望の生物学的効果を実現するに必要または十分な量を意味する。例えば、免疫系不全を処置するための少なくとも1つのメチル化CpGを含むオリゴヌクレオチドの有効量は、腫瘍、ガン、あるいは細菌性、ウィルス性または真菌性感染症を除去するに必要な量であり得る。ワクチンアジュバントとしての使用のための有効量は、ワクチンに対する被験体の免疫応答を増強するに有用な量であり得る。免疫系活性化に関連する疾病の処置に使用するための非メチル化CpGを含まないオリゴヌクレオチドの「有効量」は、非メチル化CpG含有ヌクレオチド配列に競合して優るに必要な量であり得る。任意の特定用途についての有効量は、処置されるべき疾病または症状、投与される特定のオリゴヌクレオチド、被験体の大きさ、あるいは疾病または症状の重さなどの要因に応じて変化し得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、特定のオリゴヌクレオチドの有効量を経験的に決定し得る。
上記で報告された研究によれば、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドは、リンパ球(例えば、B細胞およびNK細胞)について直接的にマイトジェン性であることが示される。細菌DNAにおけるこれらの配列の存在とあわせて、これらの結果は、動物ゲノム中のCpGジヌクレオチドが脱表現されないこと(underrepresentation)、および、このようなジヌクレオチド中に存在するシトシンの広範囲のメチル化が、宿主DNAと細菌DNAとを区別し得る免疫防御メカニズムの存在により説明され得ることを示唆する。宿主DNAは、通常、多くの解剖学的領域およびアポトーシス(細胞死)による炎症領域に存在するが、一般に、リンパ球活性化をほとんど誘導しないか全く誘導しない。しかし、非メチル化CpGモチーフを含む細菌DNAの存在は、それが有益である感染した解剖学的領域において、正確にリンパ球活性化を引き起こし得る。この新規な活性化経路は、T細胞依存抗原特異的B細胞活性化の迅速な代替物を提供する。しかし、B細胞活性化は、全体的には非特異的ではないようである。細菌産物に特異的な抗原レセプターを有するB細胞は、細胞膜Igを介する1つの活性化シグナルおよび細菌DNAからの第2のシグナルとを受信し得、これにより、抗原特異的免疫応答をさらに激しくトリガーし得る。
【0091】
他の免疫防御メカニズムについては、細菌DNAに対する応答は、ある種の場合においては望ましくない結果を有し得る。例えば、自己抗原に対する自己免疫応答もまた、細菌感染により優先的にトリガーされる傾向にある。なぜなら自己抗原が、細菌DNAによりトリガーされる自己反応性B細胞に第2の活性化シグナルを提供し得るからである。実際、細菌感染による自己免疫の誘導は、一般的な臨床的観察である。例えば、自己免疫疾患である全身性紅斑性狼瘡は、(i)抗DNA抗体の産生により特徴づけられ;(ii)DNAメチルトランスフェラーゼを阻害する薬物により誘導され(Cornacchia,E.J.ら,J.Clin.Invest.92:38(1993));そして、(iii)DNAメチル化の減少をともなう(Richardson,B.L.ら,Arth.Rheum 35:647(1992))。この疾病は、少なくとも部分的には、CpGモチーフにより提供される刺激シグナルによるDNA特異的B細胞の活性化によって、ならびに抗原レセプターの細菌DNAの結合によってトリガーされるようである。
【0092】
さらに、敗血症(免疫系の多量でかつ非特異的な活性化に起因する高い罹患率および死亡率により特徴づけられる)は、多くのリンパ球を直接活性化するに十分な濃度に到達する死滅細菌から放出される細菌DNAおよび他の産物により発症され得る。
【0093】
非メチル化CpGジヌクレオチドを含まないオリゴヌクレオチド(例えば、CpGモチーフを含まないオリゴヌクレオチド、またはCpGモチーフがメチル化されているオリゴヌクレオチド)を被験体に投与し、非メチル化CpG含有核酸配列の結合をブロックすることにより、狼瘡、敗血症および他の「免疫系活性化に関連する疾病」が処置され得、防止され得または改善され得る。非メチル化CpGモチーフを含まないオリゴヌクレオチドは、単独で、または他のマイトジェン性細菌産物(例えば、LPS)に対する免疫細胞応答をブロックする組成物と共に投与され得る。
【0094】
以下、非メチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドがどのようにして疾病狼瘡を処置し、防止しまたは改善し得るかについて、機構的に説明する。狼瘡は、一般に、細菌性またはウィルス性感染によりトリガーされると考えられている。このような感染は、1本鎖DNAに対する非病原性抗体の産生を刺激すると報告されている。これらの抗体は、主に非メチル化CpGを含む細菌配列を認識するようである。狼瘡において疾病が発達するにつれて、抗DNA抗体は、2本鎖DNAに特異的な病原性抗体にシフトする。これらの抗体はメチル化CpG配列への結合を増大させ、そしてこれらの産生は狼瘡における寛容の衰弱(breakdown)から生じる。あるいは、患者のDNAが過少メチル化(hypomethylated)し、従って、非メチル化CpGに特異的な抗DNA抗体が自己DNAに結合させ、そして、「エピトープスプレッディング(epitope spreading)」と称されるプロセスを介してより広範な自己免疫をトリガーさせた場合に、狼瘡が生じ得る。
【0095】
いずれの場合にも、抗原性オリゴヌクレオチドをタンパク質キャリア(例えば、γ−グロブリン(IgG))にカップリングさせることにより、狼瘡患者の寛容を回復させることが可能であり得る。γ−グロブリンと複合体化した仔ウシ胸腺DNAは、抗DNA抗体形成を減少させることが報告されている。
(両端またはその近傍にGCGトリヌクレオチド配列を含むオリゴの治療的使用)
オリゴヌクレオチドと標的化されるウィルス配列との間の相補性に起因する任意のアンチセンス効果に関係なく、CREB/ATFとのその相互作用に基づいて、両端またはその近傍にGCGトリヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドは、抗ウィルス活性を有する。この活性に基づいて、阻害オリゴヌクレオチドの有効量が、被験体に投与されてウィルス感染を処置または防止し得る。
【実施例】
【0096】
(実施例1:B細胞全RNA合成および細胞周期に対するODNの効果)
抗−Thy−1.2および補体を用いてT細胞を放血し、lympholyte M(Cedarlane Laboratories,Hornby,Ontario,Canada)で遠心分離した、6〜12週齢で特定の病原体を有さないDBA/2またはBXSBマウス(アイオワ大学動物管理施設で飼育された;実質的な系統の違いは示されなかった)から得られた脾臓からB細胞を精製した(「B細胞」)。B細胞は、1%未満のCD4またはCD8細胞を含んでいた。10%FBS(65℃で30分間熱失活させた)、50μMの2−メルカプトエタノール、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、および2mMのL−グルタメートを含む100μl RPMI中の8×10のB細胞を、96ウェルのマイクロタイタープレートに3連で分配した。20μMのODNを、37℃で20時間の培養開始時に加え、1μCiのHウリジンで細胞をパルスし、そして4時間後に細胞を回収し、そしてカウントした。20μMのODNとともに脾臓細胞全体を48時間培養した後、ELISAスポットアッセイを用いてIg分泌B細胞を数えた。データ(表1に報告する)は、ODNなしで培養した細胞と比較した刺激指数を表す。本実験においては、ODNなしで培養した細胞は687cpmを与えたが、一方、20μg/mlのLPS(最適濃度であることを滴定により決定した)と共に培養した細胞は99,699cpmを与えた。Hチミジン取り込みアッセイは、同様の結果を示したが、分解したODNから放出されたチミジンによる非特異的阻害をいくらか示した(Matson,SおよびA.M.Krieg(1992),「コントロールオリゴヌクレオチドによるH−チミジン取り込みの非特異的抑制」,Antisense Research and Development 2:325)。
【0097】
細胞周期分析のために、2×10のB細胞を、2mlの組織培養培地単独で、または30μg/mlのLPSと共に、または1μMの示されたホスホロチオエート修飾ODNと共に、48時間培養した。Darzynkiewicz,Z.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:2881(1981)に記載のようにして、細胞周期分析を行った。
【0098】
ヒト細胞に対するCpG ODNのマイトジェン性効果を調べるために、2人の慢性リンパ球性白血病(CLL)(循環細胞が悪性腫瘍B細胞である疾病)患者から末梢血単核細胞(PBMC)を得た。上記のようにして、細胞を48時間培養し、トリチウム化チミジンで4時間パルスした。
(実施例2:B細胞由来のIgM産生に対するODNの効果)
新たに殺したマウスの脾臓由来の単一細胞懸濁液を、Leibsonらの方法(J.Exp.Med.154:1681(1981))により抗−Thyl、抗−CD4、および抗−CD8ならびに補体で処理した。休止B細胞(<,02%のT細胞混入)を、DeFrancoらの手順(J.Exp.Med.155:1523(1982))により非連続Percoll勾配の63〜70%バンドから単離した。上記のようにして、これらを30μM ODNまたは20μg/ml LPS中で48時間培養した。ELIスポットアッセイ(Klinman,D.M.ら,J.Immunol.144:506(1990))により決定したところ、活発にIgMを分泌するB細胞の数はこの時点で最大であった。このアッセイにおいては、B細胞を抗Igでコートされたマイクロタイタープレート上で6時間インキュベートした。それらが産生したIg(>99% IgM)を、ホスファターゼ標識抗Ig(Southern Biotechnology Associated,Birmingham,AL)を用いて検出した。個々のB細胞により産生された抗体を、ホスファターゼの存在下で不溶性青色沈殿を形成するBCIP(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を加えることにより視覚化した。20〜40のスポット/ウェルを生じる細胞の希釈を用いて、抗体分泌B細胞/試料の総数を決定した。すべてのアッセイを3連で行った。いくつかの実験において、培地の上清をELISAによりIgMについてアッセイしたところ、CpG−ODNに対する応答の同様な増加を示した。
(実施例3:細菌DNAによるB細胞刺激)
DBA/2 B細胞を、DNAなしで、あるいは、50μg/mlの(a)Micrococcus lysodeikticus;(b)NZB/Nマウス脾臓;およびNFS/Nマウス脾臓ゲノムDNAと共に48時間培養し、次いで、Hチミジンで4時間パルスし、そして、その後細胞を回収した。2連のDNA試料を、37℃で30分間DNAseIで消化し、次いで、細胞培養物に加えた。ELISAスポットアッセイを用いると、E coli DNAもまた、48時間までIgM分泌B細胞の数の8.8倍の増加を誘導した。
【0099】
DBA/2 B細胞を、添加物なしに、あるいは、50μg/mlのLPSまたは20μMのODN 1;1a;4;または4aとともに培養した。細胞を培養し、そして4、8、24および48時間後に回収した。実施例1と同様にして、BXSB細胞を、5、10、20、40または80μMのODN 1;1a;4;または4aあるいはLPSと共に培養した。この実験において、ODNを含まないウェルは3833cpmを有していた。各実験を少なくとも3回行い、同様の結果を得た。3連のウェルの標準偏差は<5%であった。
(実施例4:ナチュラルキラー(NK)活性に対するODNの効果)
10×10のC57BL/6脾臓細胞を、2mlのRPMI(実施例1に記載のように補充した)中で、40μMのCpGまたは非CpG ODNの存在下または非存在下で48時間培養した。細胞を洗浄し、次いで、2つのNK感受性標的細胞株(YAC−1および2C11)を用いる短期51Cr放出アッセイにおけるエフェクター細胞として用いた(Ballas,Z.K.ら(1993)J.Immunol.150:17)。0.2ml中V底マイクロタイタープレート中の1051Cr標識標的細胞に、種々の濃度でエフェクター細胞を加え、そして5%CO中、37℃で4時間インキュベートした。次いで、プレートを遠心分離し、上清のアリコートを放射能についてカウントした。エフェクター細胞の存在下で放出された51Crから標的細胞単独で培養された場合に放出された51Cr放出を引いた値の、2%酢酸中での細胞溶解後に放出された総カウントから細胞単独で培養された場合に放出された51Cr cpmを引いた値に対する比率を計算することにより、特異的溶解パーセントを決定した。
(実施例5:CpGホスホロチオエートODNについてのインビボでの研究)
マウスを計量し、0.25mlの滅菌PBSまたはPBSに溶解した示されたホスホロチオエートODNをIPで注射した。24時間後、脾臓細胞を回収し、洗浄し、そして、B細胞のゲートのためのファイコエリトリン結合6B2を、ビオチン結合抗Ly−6A/Eまたは抗Ia(Pharmingen,San Diego,CA)または抗Bla−1(Hardy,R.R.ら,J.Exp.Med.159:1169(1984))と組み合わせて用いて、フローサイトメトリーのために染色した。それぞれの条件について2匹のマウスを調べ、個々に分析した。
(実施例6:B細胞刺激についてのホスホロチオエートODNの滴定)
コントロールODN 1a、またはCpG ODN 1dおよび3Ddの配列を有するホスホロチオエートODNと共にB細胞を培養し、次いで、20時間後にHウリジン、または44時間後にHチミジンのいずれかでパルスし、次いで、細胞を回収し、そしてcpmを決定した。
(実施例7:アポトーシスからのB細胞のレスキュー)
WEHI−231細胞(5×10/ウェル)を、LPSあるいはコントロールODN
1aまたはCpG ODN 1dおよび3Ddの存在下または非存在下、37℃で1時間培養し、次いで、抗IgM(1μ/ml)を加えた。細胞をさらに20時間培養し、次いで2μCi/ウェルのHチミジンで4時間パルスした。この実験において、ODNも抗IgMも加えない細胞は、抗IgMの添加により90.4×10を与えた。表1に示すホスホジエステルODNは、ODN分解に起因する非特異的抑制をいくらか示すものの、同様の保護を与えた。各実験を少なくとも3回繰り返し、同様の結果を得た。
(実施例8: IL−6のインビボでの誘導)
DBA/2雌性マウス(2ヶ月齢)に、500μgのCpGまたはコントロールホスホロチオエートODNをIPで注射した。注射後、種々の時点で、マウスを採血した。2匹のマウスを各時点について調べた。IL−6をElisaにより測定し、そしてIL−6濃度を組換えIL−6を用いて得られる標準曲線と比較することにより計算した。アッセイの感度は、10pg/mlであった。レベルは8時間後に検出不能であった。
(実施例9:B細胞CREB/ATFの放射性標識2本鎖CREプローブ(CREB)への結合)
CREプローブ(遊離プローブは、像の底部から離れている)を用いるEMSAにより分析すると、CH12.LX B細胞由来の全細胞抽出物は、2つの遅延バンドを示した。CREへのCREB/ATFタンパク質の結合は、示された量のコールドCREおよび1本鎖CpG ODNにより競合されたが、非CpG
ODNによっては競合されなかった。
(等価物)
当業者は、日常的な実験程度を用いて、本明細書に記載の本発明の特定の実施態様の多くの等価物を認識し、または確認し得る。このような等価物は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0100】
非メチル化CpGジヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド、およびこのオリゴヌクレオチドの被験体における免疫応答を刺激する能力に基づく治療的有用性が開示される。また、被験体における非メチル化CpGジヌクレオチドにより開始される免疫系の活性化に関連する疾病を処置するための治療法が開示される。この治療法は、非メチル化CpG配列(すなわち、メチル化CpG配列またはCpG配列なし)を含まないオリゴヌクレオチドを被験体に投与し、非メチル化CpG核酸を結合について競合して優る工程を包含する。さらに、アンチセンス療法において使用するための、またはインビボでのハイブリダイゼーションプローブとして使用するためのメチル化CpG含有ジヌクレオチド、ならびに抗ウィルス治療剤として使用するための免疫阻害オリゴヌクレオチドが開示される。
(配列表)
(1)一般情報:
(i)出願人: アーサー エム.クリーグ,エム.ディー.
(ii)発明の名称: 免疫調節オリゴヌクレオチド
(iii)配列数: 27
(iv)連絡住所:
(A)名称: ラヒブ アンド コックフィールド
(B)番地: 60 ステイト ストリート,スイート510
(C)市: ボストン
(D)州: マサチューセッツ
(E)国: アメリカ合衆国
(F)郵便番号: 02109−1875

(v)コンピューター読み出し形態:
(A)媒体型: Floppy(登録商標) disk
(B)コンピューター: IBM PC互換用
(C)OS:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェア: ASCIItext

(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号: US
(B)出願日:
(C)分類:

(viii)代理人/事務所情報:
(A)氏名: アーノルド,ベス イー.
(B)登録番号: 35,430
(C)照会/記録番号:UIZ−013CP

(ix)電話回線情報:
(A)電話:(617)227−7400
(B)テレファックス:(617)227−5941

(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号1:

GGGGTCAACGTTCAGGGGGG 20

(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 15 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号2:

GCTAGACGTTAGCGT 15

(2)配列番号3の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 15 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号3:

GCTAGATGTTAGCGT 15

(2)配列番号4の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 15 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 7
(D)他の情報: 「Nは5メチルシトシンを表す」

(xi)配列: 配列番号4:

GCTAGANGTTAGCGT 15

(2)配列番号5の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 15 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 13
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号5:

GCTAGACGTT AGNGT 15

(2)配列番号6の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 15 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号6:

GCATGACGTTGAGCT 15

(2)配列番号7の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号7:

ATGGAAGGTCCAGCGTTCTC 20

(2)配列番号8の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号8:

ATCGACTCTCGAGCGTTCTC 20

(2)配列番号9の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 3
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 10
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 14
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号9:

ATNGACTCTNGAGNGTTCTC 20

(2)配列番号10の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 3
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号10:

ATNGACTCTC GAGCGTTCTC 20

(2)配列番号11の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 18
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号11:

ATCGACTCTCGAGCGTTNTC 20

(2)配列番号12の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号12:

ATGGAAGGTCCAACGTTCTC 20

(2)配列番号13の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号13:

GAGAACGCTGGACCTTCCAT 20

(2)配列番号14の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号14:

GAGAACGCTCGACCTTCCAT 20

(2)配列番号15の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号15:

GAGAACGCTCGACCTTCGAT 20

(2)配列番号16の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号16:

GAGCAAGCTGGACCTTCCAT 20

(2)配列番号17の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 6
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号17:

GAGAANGCTG GACCTTCCAT 20

(2)配列番号18の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 14
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号18:

GAGAACGCTGGACNTTCCAT 20

(2)配列番号19の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号19:

GAGAACGATGGACCTTCCAT 20

(2)配列番号20の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号20:

GAGAACGCTCCAGCACTGAT 20

(2)配列番号21の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号21:

TCCATGTCGGTCCTGATGCT 20

(2)配列番号22の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号22:

TCCATGCTGGTCCTGATGCT 20

(2)配列番号23の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 8
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号23:

TCCATGTNGGTCCTGATGCT 20

(2)配列番号24の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号: misc_feature
(B)存在位置: 12
(D)他の情報: 「Nは5 メチルシトシンを表す」
(xi)配列: 配列番号24:

TCCATGTCGGTNCTGATGCT 20

(2)配列番号25の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号25:

TCCATGACGTTCCTGATGCT 20

(2)配列番号26の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号26:

TCCATGTCGGTCCTGCTGAT 20

(2)配列番号27の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ: 20 塩基対
(B)型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)配列の種類: DNA
(xi)配列: 配列番号27:

GGGGTCAAGTCTGAGGGGGG 20

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明

【公開番号】特開2009−148296(P2009−148296A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57160(P2009−57160)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【分割の表示】特願2004−69838(P2004−69838)の分割
【原出願日】平成7年2月7日(1995.2.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(304051252)ユニバーシティー オブ アイオワ リサーチ ファウンデーション (11)
【Fターム(参考)】