説明

入出管理システム

【課題】必要最小限の構成で、RFIDタグを持たない者や予め登録されていない者の進入を防止するとともに、特定領域への利用者の進入と退出を正確に判別して確実に入出管理することができる入出管理システムを供する。
【解決手段】通過検出センサ8が特定領域5の入出口におけるアンテナ9の通信範囲の入出方向偏った位置に設けられ入出口の人の通過を検出し、入出管理手段が、通過検出センサ8の通過検出信号の作動状態とRFID読取手段12の読取り状況に基づいて特定領域5への進入と退出を判別し、RFID読取手段12の読取りがあった場合に、読取られたタグデータを登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して特定利用者Pの入出であるか否かを判別することで利用者Pの入出を管理する入出管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の利用者のみが入出口からの入出を許可される特定領域への入出を管理する入出管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の入出管理システムで、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを利用したものとして、特許文献1に開示された例がある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−027756号公報
【0004】
同特許文献1に記載されたものは、管理対象物の保管領域からの持ち出し並びに保管領域への返却を管理する持ち出し返却管理システムである。
同持ち出し返却管理システムにおいては、個人識別情報が書き込まれ、非接触状態で同識別情報を読取可能な非接触ICタグ(個人認識用RFIDタグに相当)を、利用者が所有して入出口から保管領域に入出する方式のものである。
【0005】
利用者の保管領域への進入と保管領域からの退出を判別するのに、接触ICタグのタグデータを読取る読取手段(アンテナ)を、入出方向に並んで2つ入出口に設けている。
すなわち、利用者が個人認識用の非接触ICタグを身に付けて入出口を通過するとき、入出方向に2つ並んだ読取手段のタグデータの読取る順序によって保管領域への進入か保管領域からの退出かを判別している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、非接触ICタグを持った利用者の入出を判別し、かつ利用者の識別ができるが、非接触ICタグを持たない者の保管領域への入出を検知することができず、保管領域への進入を許すことになる。
【0007】
また、読取手段(アンテナ)が非接触ICタグのタグデータを読取ることができる通信可能範囲の限界辺りでは読取りが不安定なので、その入出口に2つ並べて配置される読取手段(アンテナ)が互いに近いと、読取る順序があいまいとなり、誤って認識するおそれがある。
【0008】
そのため、入出口に2つ並べて配置される読取手段(アンテナ)は、誤認識しないように互いに相当程度離して配置しなければならず、そのためのスペースが必要とされ、使用状況によっては配置が困難な場合がある。
【0009】
読取手段(アンテナ)を2つ配置することは、読取ったデータを解読する手段も2つ別個に用意する必要があり、部品点数が多く、コスト高となる。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、必要最小限の構成で、RFIDタグを持たない者や予め登録されていない者の進入を防止するとともに、特定領域への利用者の進入と退出を正確に判別して確実に入出管理することができる入出管理システムを供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、予め登録された特定の利用者のみが入出口からの入出を許可される特定領域への入出を管理する入出管理システムにおいて、特定の利用者が身に付けて入出する個人認識用RFIDタグと、特定の利用者の個人認識用RFIDタグのタグデータを登録記憶する登録タグデータ記憶手段と、特定領域の入出口に設けられた一定通信範囲のアンテナにより前記個人認識用RFIDタグのタグデータを読取るRFID読取手段と、特定領域の入出口における前記アンテナの通信範囲の入出方向偏った位置に設けられ入出口の人の通過を検出する通過検出センサと、前記通過検出センサの通過検出信号と前記RFID読取手段の読取信号に基づき前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して入出を管理する入出管理手段とを備え、前記入出管理手段は、前記通過検出センサの通過検出信号の作動状態と前記RFID読取手段の読取り状況に基づいて特定領域への進入と退出を判別し、前記RFID読取手段の読取りがあった場合に、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して特定利用者の入出であるか否かを判別することで、利用者の入出を管理する入出管理システムとしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の入出管理システムにおいて、前記入出管理手段が、前記通過検出センサの通過検出信号の入力により前記RFID読取手段の読取りを開始し、読取りができなくなるまでの時間を計測することにより特定領域への進入と退出を判別することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の入出管理システムにおいて、前記入出管理手段が、前記通過検出センサの通過検出信号の入力により前記RFID読取手段の読取りを開始し、通過検出信号の入力終了により、RFID読取手段の読取りを一度停止し、その後所定時間後に前記RFID読取手段の読取りを再開し、読取りの有無により特定領域への進入と退出を判別することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の入出管理システムにおいて、前記入出管理手段が、前記RFID読取手段の読取りの際の電波強度の変化を監視することにより、その電波強度と前記通過検出センサの通過検出信号の作動状態に基づき特定領域への進入と退出を判別することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれかの項記載の入出管理システムにおいて、複数の単位棚が棚間口面に直角となるレールに案内されて移動自在に配置され、集束時にそれぞれ相隣る間口が接し、所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路を選択的に形成する移動棚における前記作業用通路を前記特定領域とし、前記作業用通路の入出口となる各単位棚の入出口部を前記特定領域の入出口として、前記アンテナと前記通過検出センサが各単位棚の入出口部に設けられることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の入出管理システムにおいて、前記各単位棚の正面に設けられた操作スイッチと、前記操作スイッチの作動信号と前記RFID読取手段の読取信号と前記通過検出センサの通過検出信号に基づいて単位棚を移動して所要の作業用通路の開閉を制御する移動棚駆動制御手段とが設けられ、前記移動棚駆動制御手段は、操作スイッチの作動信号により前記RFID読取手段による読取りを一定時間行い、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して一致したときのみ単位棚を移動して所要の作業用通路を開くよう制御することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の入出管理システムにおいて、前記移動棚駆動制御手段は、単位棚を移動して所要の作業用通路を形成する際、初め利用者一人が通れる通路幅まで開き、利用者が該作業用通路内に進入したことが認識できた時に、所要の通路幅まで広げるよう制御することを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、複数の単位棚が棚間口面に直角となるレールに案内されて移動自在に配置され、集束時にそれぞれ相隣る間口が接し、所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路を選択的に形成する移動棚における前記作業用通路を特定領域とし、前記特定領域への利用者の入出を管理する入出管理システムにおいて、特定の利用者が身に付けて入出する個人認識用RFIDタグと、特定の利用者の個人認識用RFIDタグのタグデータを登録記憶する登録タグデータ記憶手段と、前記単位棚の移動に伴い移動機構により前記単位棚より上方を移動するアンテナであって、単位棚間が閉じているときは特定領域外に位置し、単位棚間が開いているときは特定領域内に位置するアンテナにより前記個人認識用RFIDタグのタグデータを読取るRFID読取手段と、前記RFID読取手段の読取信号と前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して一致したときのみ単位棚を移動可能として所要の作業用通路の開閉を許可する移動棚制御手段と、特定領域の入出口における前記アンテナの通信範囲の入出口に偏った位置に少なくとも1つ設けられ特定領域内への進入者を検出する進入者検出センサと、前記進入者検出センサの進入者検出信号と前記RFID読取手段の読取信号と前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータとに基づき入出を管理する入出管理手段とを備え、前記入出管理手段は、進入者検出センサの進入者検出信号と前記RFID読取手段の読取り状況に基づいて特定領域への進入と退出を判別し、前記RFID読取手段の読取りがあった場合に、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して特定利用者の入出であるか否かを判別することで、利用者の入出を管理する入出管理システムである。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8までのいずれかの項記載の入出管理システムにおいて、前記特定領域が物品の保管領域であり、保管の対象となる物品に物品識別用RFIDタグが取り付けられ、特定の利用者とともに該物品が特定領域の入出口を通過するときに、前記RFID読取手段により、前記物品識別用RFIDタグのタグデータが読取られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の入出管理システムによれば、アンテナの通信範囲の入出方向偏った位置に設けられた通過検出センサの通過検出信号の作動状態と前記RFID読取手段の読取り状況に基づいて特定領域への進入と退出を判別し、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して特定利用者の入出であるか否かを判別することで、利用者の入出を管理するので、アンテナと通過検出センサを大きく離すことなく狭いスペースに配置する必要最小限の構成で、個人認識用RFIDタグを持たない人および予め登録タグデータ記憶手段に登録されていない個人認識用RFIDタグを持つ人の進入を検知することができるとともに、特定領域への利用者の進入と退出を正確に認識して確実に入出管理することができる。
【0021】
請求項2記載の入出管理システムによれば、通過検出センサの通過検出信号の入力によりRFID読取手段の読取りを開始し、読取りができなくなるまでの時間を計測することにより特定領域への進入と退出を判別するので、必要最小限の構成で、特定領域への利用者の進入と退出を正確に認識することができる。
【0022】
請求項3記載の入出管理システムによれば、通過検出センサの通過検出信号の入力により前記RFID読取手段の読取りを開始し、通過検出信号の入力終了により、RFID読取手段の読取りを一度停止し、その後所定時間後に前記RFID読取手段の読取りを再開し、読取りの有無により特定領域への進入と退出を判別するので、必要最小限の構成で、特定領域への利用者の進入と退出を正確に認識することができる。
【0023】
請求項4記載の入出管理システムによれば、RFID読取手段の読取りの際の電波強度の変化を監視することにより、進入時は電波強度が増大中に前記通過検出センサの通過検出信号の入力が有り、電波強度が減衰中には通過検出信号の入力が無い状態となり、退出時は電波強度が増大中に通過検出信号の入力が無く、電波強度が減衰中に通過検出信号の入力が有る状態となるため、電波強度と通過検出センサの通過検出信号の作動状態に基づき、特定領域への利用者の進入と退出を正確に判別することができる。
【0024】
請求項5記載の入出管理システムによれば、複数の単位棚が棚間口面に直角となるレールに案内されて移動自在に配置され、集束時にそれぞれ相隣る間口が接し、所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路を選択的に形成する移動棚における前記作業用通路を前記特定領域とし、前記作業用通路の入出口となる各単位棚の入出口部を前記特定領域の入出口として、前記アンテナと前記通過検出センサを大きく離すことなく狭いスペースに配置できるので、前記アンテナと前記通過検出センサを各単位棚の入出口部に設けることができ、移動棚に形成される作業用通路を特定領域として前記入出管理システムを移動棚に適用することが容易にでき、必要最小限の構成で、個人認識用RFIDタグを持たない人および予め登録タグデータ記憶手段に登録されていない個人認識用RFIDタグを持つ人の進入を検知することができるとともに、作業用通路への利用者の進入と退出を正確に認識して確実に入出管理することができる。
【0025】
請求項6記載の入出管理システムによれば、移動棚駆動制御手段が、操作スイッチの作動信号により前記RFID読取手段による読取りを一定時間行い、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して一致したときのみ単位棚を移動して所要の作業用通路を開くよう制御するので、必要最小限の構成で、特定利用者以外の人により作業用通路が開かれるのを防止することができる。
作業用通路を形成するときの個人認証と作業用通路を形成後の個人認証は、ともに共通のアンテナにより個人認識用RFIDタグのタグデータを読取ることにより行われるので、部品点数を削減してコストの低減を図ることができる。
【0026】
請求項7記載の入出管理システムによれば、単位棚を移動して所要の作業用通路を形成する際、初め利用者一人が通れる通路幅まで開き、利用者が該作業用通路内に進入したことが認識できた時に、所要の通路幅まで広げるよう制御するので、作業用通路が形成された初めのうちは、利用者一人が通れる通路幅まで開き、複数人が同時に進入するのを防止して誤認識を回避でき、作業用通路内に進入したことが認識できた時は所要の通路幅まで広げるので、作業をし易くすることができる。
【0027】
請求項8記載の入出管理システムによれば、個人認識用RFIDタグのタグデータを読取るRFID読取手段のアンテナが、単位棚の移動に伴い移動機構により前記単位棚より上方を移動して、単位棚間が閉じているときは特定領域外に位置し、単位棚間が開いているときは特定領域内に位置するので、単位棚間が閉じている場合と開いている場合のそれぞれについて、特定の利用者が身に付けて入出する個人認識用RFIDタグを読み取る最適位置にアンテナを位置させることができ、誤作動を確実に防止できるため、特定利用者以外の人により作業用通路が形成されるのを確実に防止し、進入者検出センサの信号をも合わせて判断して作業用通路への利用者の進入と退出を正確に認識することができる。
また、作業用通路毎に1台のアンテナで構成できるため、部品点数を削減してコストの低減を図ることができ、かつアンテナは単位棚より上方を利用して設けられるため、取付けスペース上の制約が少なく最適位置に設けることができ、作業効率が向上する。
【0028】
請求項9記載の入出管理システムによれば、物品に取り付けられる物品識別用RFIDタグが特定領域の入出口に設けられる前記RFID読取手段により読取られるので、保管領域への物品の返却と保管領域からの物品の取出しを正確に認識して、確実に物品の入出管理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施の形態に係る入出管理システムは、移動棚1に適用したもので、該移動棚1は電動式移動棚であって、各駆動棚がモータ10の駆動により移動することができる。
【0030】
図1は、該移動棚1の全体斜視図であり、図2は、同正面図である。
移動棚1を正面視して、左から右へ順に1号棚A1,2号棚A2,3号棚A3,4号棚A4,5号棚A5,6号棚A6が並んでおり、左端の1号棚A1が固定棚であって、同1号棚A1を除く単位棚A2,A3,A4,A5,A6が駆動棚であって、左右方向に指向して敷設されたレール2の上に車輪3を介して走行自在に配設されている。
【0031】
固定棚である1号棚A1は、間口面が右側にのみある単式棚で、その間口面の反対側(左側)の背面は背板により閉塞されている。
右端の駆動棚である6号棚A6は、間口面が左側にのみある単式棚で、その間口面の反対側(右側)の背面は背板4bにより閉塞されている。
1号棚A1と6号棚A6との間にある駆動棚である単位棚A2,A3,A4,A5は、左右にそれぞれ間口面を有する複式棚である。
【0032】
したがって、駆動棚である単位棚A2,A3,A4,A5,A6は、それぞれモータ10を搭載して自走可能であり、この5台の単位棚A2,A3,A4,A5,A6が、全て左端の固定棚である単位棚A1側に集束すると、相隣る間口が接し移動棚1内に収容された物品は、周囲を完全に閉塞されて安全に保管される。
【0033】
所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路を選択的に形成することができる。
例えば、図1および図2に示す状態は、全棚集束状態から5号棚A5と6号棚A6を同時に右方に移動して、4号棚A4と5号棚A5との間を開いて4号棚A4の右間口面と5号棚A5の左間口面との間に作業用通路5を形成している。
【0034】
単位棚A1,A2,A3,A4,A5,A6の正面と反対の奥側は壁に沿っており、そのため、作業用通路5には正面側からのみ入出可能となっている。
なお、作業用通路の正面側と奥側の双方で入出可能とし、双方を同じ構成にしてもよい。
【0035】
各単位棚A1,A2,A3,A4,A5,A6の正面側板4aには上下中央位置に制御基板などを含む制御部6が設けられていて、6号棚A6を除く単位棚A1,A2,A3,A4,A5の制御部6の上端面の右側に通路形成を指示する操作ボタン7が配設されている。
【0036】
そして、各単位棚A1,A2,A3,A4,A5,A6の正面側板4aの間口面と同一の端面に赤外線による光センサ8が端面どうし相対向して対をなして所定の高さに設けられている。
対をなす光センサを縦方向にずらして複数設けてもよい。
このように入出口に縦方向に複数光センサを配設することで、不正な進入を確実に防止することができる。
【0037】
対をなす光センサ8,8の一方が投光器で、他方が受光器であり、その間を人が通過すると、投光器から受光器に入射されていた赤外線が一時的に遮られて受光器に達せず、人が通過したことを検知することができる。
なお、ミラーを用いた拡散反射型の光センサを使用してもよい。
【0038】
各単位棚A1,A2,A3,A4,A5,A6の光センサ8を有する間口面において、最も正面寄りの中段の棚板10にRFIDの読取り用のアンテナ9が、配設されている。
アンテナ9は、その中段の棚板10の間口側端面に正面側に寄って取り付けられており、光センサ8よりは奥側に離れて位置している。
アンテナ9の通信範囲は限定されており、図3および図4にハッチを施した領域が概ね通信可能な範囲である。
【0039】
個人認識用RFIDタグTpを身に付けた利用者Pが、正面側の入出口から作業用通路5に進入し、同じ入出口を通過して作業用通路5から退出する。
利用者Pが本移動棚1内に返却または取出しをする物品Qには、物品識別用RFIDタグTqが取り付けられている。
【0040】
図1および図2に示す移動棚1の状態、すなわち4号棚A4と5号棚A5との間を開いて作業用通路5が形成された状態の移動棚1の要部平面図を、図3に示す。
4号棚A4と5号棚A5の各正面側板4a,4aに設けられた対向する光センサ8,8間を赤外線が走っていて、作業用通路5の入出口の人の通過を検知している。
【0041】
この光センサ8,8より奥に、アンテナ9,9が対向して位置し、両アンテナ9,9の通信可能範囲(概ねハッチを施した領域)が作業用通路5の入出口およびその近傍の略全体を占めている。
【0042】
アンテナ9の通信可能範囲は、アンテナ9を中心に作業用通路5の手前側と奥側に等距離あるので、アンテナ9より手前にある光センサ8から見ると、手前側に短く、奥側に長い距離を有することになる。
【0043】
このように、光センサ8はアンテナ9の通信可能範囲の入出方向の手前側に偏った位置に配置され、光センサ8とアンテナ9は大きく離す必要はなく、狭いスペースに配置できる。
したがって、光センサ8とアンテナ9を離して配置することが困難な移動棚には適している。
【0044】
上記のように光センサ8とアンテナ9が配置された入出口を、個人認識用RFIDタグTpを身に付けた利用者Pが通過するとき、光センサ8,8が利用者Pの通過を検知した後、個人認識用RFIDタグTpのタグデータをアンテナ9が読取れる時間が長ければ、作業用通路5への進入であり、短ければ作業用通路5からの退出であることを判別することができる。
【0045】
図5は、光センサ8の信号、アンテナ9の状態、RFIDの読取状態のタイミングチャートである。
光センサ8が作動したとき、アンテナ9を一定時間作動状態とし、その間で、RFIDの読取可能時間の長い方が、作業用通路5への進入時であり、短い方が退出時である。
このRFIDの読取可能時間を監視することで、正確に利用者Pの進入か退出かを判別することができる。
【0046】
また、図6は、アンテナ9の作動時間を変えた変形例で、アンテナ9を光センサ8の作動信号で作動状態とし、光センサ8のオフ信号で非作動状態とした後、この非作動状態とした時から所定時間経過したときに再度アンテナ9を一定時間作動状態とする。
【0047】
この2度目アンテナ9の作動は、利用者Pの進入時ではアンテナ9の通信可能範囲にまだ入っているが、退出時ではアンテナ9の通信可能範囲を抜けてしまっている時間帯に実施される。
【0048】
したがって、RFIDの読取状態が、2度目のアンテナ9の作動時に、読取ることができれば、作業用通路5への進入時であり、読取りがなければ、退出時である。
このように、2度目のアンテナ9の作動時のRFIDの読取の有無で、正確に利用者Pの進入か退出かを判別することができる。
【0049】
なお、アンテナ9を作動して、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取る際の電波強度の変化を監視することにより、その電波強度と光センサ8の作動状態を判断することでも、利用者Pの進入か退出かを正確に判別することができる。
【0050】
すなわち、アンテナ9を作動させ、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取る際の電波強度と光センサ8の作動状態とで判断すると、進入時は電波強度が増大中に光センサ8が作動し、電波強度が減衰中には光センサ8はオフ状態であり、退出時は電波強度が増大中に光センサ8が作動せず、電波強度が減衰中に光センサ8が作動状態となることで、それぞれ作業用通路5への利用者の進入と退出を正確に判別することができる。
【0051】
また、図4を参照して、4号棚A4と5号棚A5が接して作業用通路5が閉じたときでも、アンテナ9,9の通信可能範囲は、4号棚A4と5号棚A5の各正面側板4a,4aより前方にはみ出しており、利用者Pが作業用通路5を開こうとして、操作ボタン7を押すべく正面側板4a,4aに近づくと、利用者Pはアンテナ9,9の通信可能範囲に入り、アンテナ9,9により身に付けていた個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取ることが可能である。
【0052】
アンテナ9により受信した個人認識用RFIDタグTpのタグデータの読取りは、コンピュータにより行われ、入出管理に供されるが、この入出管理と移動棚の駆動制御も含めて、以下、本移動棚1の制御系について説明する。
【0053】
入出管理システムの制御系の概略ブロック図である図7を参照して、固定棚である1号棚A1の制御部6には、マイクロコンピュータからなる主制御盤11と副制御盤12が収納されていて、副制御盤12は、操作ボタン7および光センサ8の検知信号を入力し処理するとともに、アンテナ9による送受信を行ってRFIDタグのタグデータを読取る。
【0054】
駆動棚である単位棚A2,A3,A4,A5,A6の各制御部6には、コンピュータである副制御盤12が収納されていて、この副制御盤12はモータ10の駆動制御を行うと同時に、操作ボタン7および光センサ8の検知信号を入力し処理するとともに、アンテナ9による送受信を行ってRFIDタグのタグデータを読取る。
【0055】
1号棚A1の主制御盤11は、単位棚A2,A3,A4,A5,A6の駆動を集中的に制御するとともに、利用者および物品の入出管理を行っており、そのための入出管理記憶手段11Mを備えている。
【0056】
この入出管理記憶手段11Mは、移動棚1の作業用通路5を開いて進入・退出を許可された利用者Pの個人認識用RFIDタグTpの予め登録されたタグデータを記憶している。
また、入出管理記憶手段11Mは、移動棚1に保管される全物品Qの物品識別用RFIDタグTqのタグデータも記憶している。
【0057】
さらに、入出管理記憶手段11Mは、作業用通路5に進入した利用者Pの個人認識用RFIDタグTpのタグデータを、進入タグデータとして一時的に記憶する。
この入出管理記憶手段11Mは、移動棚装置とは別に設けられた管理用コンピュータが備えることもできる。
【0058】
以下、本入出管理制御の制御手順を、図8のフローチャートに従って説明する。
当初、全ての単位棚A1,A2,A3,A4,A5,A6が集束した状態からスタートする。
まず、ステップ1で、操作ボタン7が押されて操作スイッチがオンしたか否かを判別している。
操作スイッチがオフ状態では、ステップ1に戻る。
【0059】
例えば、図4に示すように、利用者Pが4号棚A4と5号棚A5の間に作業用通路5を開こうとして、正面側板4a,4aに近づき、4号棚A4の制御部6に設けられた操作ボタン7を押すと、ステップ1からステップ2に進み、アンテナ9,9を作動して利用者Pが身に付けていた個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取る作業を行う。
【0060】
そして、読み取ったタグデータを、次のステップ3で、予め登録してある登録タグデータと照合する。
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致すればステップ5に進み、5号棚A5と6号棚A6を移動して、4号棚A4と5号棚A5の間を開き、作業用通路5を形成する。
【0061】
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致しないとき、または、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読み取れず、登録タグデータと照合できないときは、ステップ4に進み、警報ととともにエラーメッセージを発し、ステップ1に戻る。
したがって、登録タグデータと一致する個人認識用RFIDタグTpを持った利用者Pのみが、操作ボタン7を押して作業用通路5を形成することができる。
【0062】
作業用通路5が形成されると、ステップ6において、作業用通路5に進入している利用者Pの進入人数Nを0としておき、ステップ10に進む。
ステップ10では、光センサ8が作動したか、すなわち作業用通路5の入出口を人が通過したか否かを判別しており、作動していないときは、ステップ11に進み、進入人数N=0かを判別して、進入人数N≠0のときは、作業用通路5に利用者Pがいると判断され、そのままステップ10に戻り、光センサ8が作動するのを待つ。
【0063】
ステップ11で進入人数N=0と判別されたときは、ステップ12に進み、一定時間を経過してタイムアップしたか否かを判別する。
進入人数N=0でタイムアップしたときは、ステップ14に飛び、自動的に作業用通路5を閉じ、ステップ1に戻る。
【0064】
また、タイムアップする前は、ステップ13に進み、操作ボタン7が再度押されて操作スイッチがオンしたか否かを判別し、操作スイッチがオフ状態の間は、ステップ10に戻り、操作スイッチがオンすれば、ステップ14に進んで作業用通路5をタイムアップする前に閉じることができ、そのときは、ステップ1に戻る。
【0065】
ステップ10で、光(通過検出)センサ8が作動すると、ステップ15に進み、個人認識用RFIDタグTpのタグデータの読取作業を開始する。
このとき、利用者Pが物品Qを持っているときは、同物品Qの物品識別用RFIDタグTqのタグデータの読取りも行う。
【0066】
そして、次のステップ16で、読み取った個人認識用RFIDタグTpのタグデータを、予め登録してある登録タグデータと照合する。
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致しないとき、または、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読み取れず、登録タグデータと照合できないときは、ステップ17に進み、警報とともにエラーメッセージを発し、ステップ10に戻る。
したがって、個人認識用RFIDタグTpを持たない人の進入があれば、ここで警報が発せられる。
【0067】
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致すればステップ18に進み、作業用通路5への進入か作業用通路5からの退出かを判別する。
ここで、前記した入出判別方法(図5または図6のタイミングチャートで示した入出判別方法)により、進入と退出を正確に判別する。
【0068】
このステップ18で作業用通路5への進入と判別されると、ステップ19に進み、読み取った個人認識用RFIDタグTpのタグデータを進入タグデータとして書き込み、進入記録に残す。
次のステップ20で進入人数Nをインクリメント(1加算)し、次のステップ21に進む。
【0069】
移動棚1から取り出した物品のタグデータを取出タグデータとして書き込み、物品取出記録を残すようにしており、ステップ21では、進入した利用者Pが物品Qを持っていれば、物品Qの返却と判断し、書き込んであった取出タグデータを消去し、ステップ10に戻る。
ただし、物品返却は記録に残す。
【0070】
ステップ18において、作業用通路5からの退出と判別されたときは、ステップ22に飛び、進入タグデータを消去し(ただし退出記録は残す)、次のステップ23で進入人数Nをデクリメント(1減算)し、次のステップ24に進む。
退出する利用者Pが物品Qを持っていれば、物品Qの取り出しと判断し、取出タグデータとして書き込み(物品取出は記録に残す)、ステップ10に戻る。
【0071】
作業用通路5が形成されているときに、複数の利用者Pが入出口を通過しても、それぞれの進入と退出を正確に判別して、確実に入出管理することができるとともに、作業用通路5に人がいないことを進入人数Nで確認して作業用通路5が閉じられるようになっていて安全性が高い。
【0072】
なお、作業用通路5は、開いた当初は利用者Pが1人通れるだけの狭い通路幅開き、利用者Pが作業用通路5内に進入したことが認識できた時に、所要の通路幅まで広げるよう制御しており、作業用通路5が形成された初めのうちは、利用者一人が通れる通路幅まで開き、複数人が同時に進入するのを防止して誤認識を回避するようにしており、作業用通路内に進入したことが認識できた時は所要の通路幅まで広げるので、作業をし易くすることができる。
【0073】
作業用通路5が通常の通路幅まで広げられた後は、複数人の同時通過が可能となり、不正進入も起こり得るが、作業用通路5内には正規の利用者Pがいるため、不正がし難くなり、セキュリティ上の効果が向上する。
【0074】
また、登録タグデータと一致しない個人認識用RFIDタグTpを持った利用者や個人認識用RFIDタグTpを持たない者によっては、操作ボタン7を押しても作業用通路5は形成されないとともに、形成された作業用通路5への進入も警報によって検知し、禁止することができる。
【0075】
光センサ8の信号、アンテナ9の状態による必要最小限の構成により、RFIDタグを持たない者や予め登録されていない者の進入を防止するとともに、利用者Pの進入か退出かを正確に判別することができ、確実に入出管理することができる。
作業用通路5を形成するときの個人認証と作業用通路を形成後の個人認証は、ともに共通のアンテナ9により個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取ることにより行われるので、部品点数を削減してコストの低減を図ることができる。
【0076】
物品Qに取り付けられる物品識別用RFIDタグTqのタグデータを作業用通路5の入出口で読み取り、進入時には取出タグデータとして書き込み、退出時には取出タグデータを消去することで、移動棚1からの物品Qの取出しと移動棚1への返却を正確に認識し、取出しと返却を記録することで、確実に物品Qの入出管理を実行することができる。
【0077】
別の実施の形態として、作業用通路5内に利用者Pがいないと認識され、一定時間経過したときに、作業用通路5を完全に閉めるのではなく、利用者一人が通れるぐらいの通路幅まで狭めるように制御してもよい。
同じ作業用通路5の利用頻度が大きい場合に便利である。
また、作業用通路5に利用者Pがいないと誤認識したような場合でも、作業用通路5が完全に閉まらないので、安全性が確保される。
【0078】
なお、この場合、作業用通路5を完全に閉め移動棚1を集束させるためには、操作ボタン7を押すようにする。
このように制御することで、移動棚1を集束する際、作業用通路5内に利用者Pがいないことを確実に確認できるため、安全性が向上する。
【0079】
次に、別の実施の形態について、図9ないし図13に基づき説明する。
本実施の形態に係る入出管理システムは、移動棚51に適用したもので、該移動棚51は手動式移動棚で、作業者が人力で単位棚を移動し作業用通路の開閉を行うものである。
【0080】
図9は、該移動棚51の全体斜視図である。
移動棚51は、手動式である以外は前記実施の形態に係る移動棚1と概ね同じ構造をしている。
移動棚51を正面視して、左から右へ順に1号棚B1,2号棚B2,3号棚B3,4号棚B4,5号棚B5,6号棚B6が並んでおり、左端の1号棚B1が固定棚であって、同1号棚B1を除く単位棚B2,B3,B4,B5,B6が走行棚であって、左右方向に指向して敷設されたレール52の上に車輪を介して走行自在に配設されている。
【0081】
走行棚である単位棚B2,B3,B4,B5,B6は、前記実施の形態と違って、モータは搭載されておらず、作業者が人力で移動するものであり、全て左端の固定棚である単位棚B1側に集束すると、相隣る間口が接し移動棚51内に収容された物品は、周囲を完全に閉塞されて安全に保管される。
【0082】
所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路55を選択的に形成することができる。
例えば、図9に示す状態は、全棚集束状態から5号棚B5と6号棚B6を同時に右方に移動して、4号棚B4と5号棚B5との間を開いて4号棚B4の右間口面と5号棚B5の左間口面との間に作業用通路55を形成している。
【0083】
単位棚B1,B2,B3,B4,B5,B6の正面と反対の奥側は壁に沿っており、そのため、作業用通路55には正面側からのみ入出可能となっている。
なお、作業用通路の正面側と奥側の双方で入出可能とし、双方を同じ構成にしてもよい。
【0084】
走行棚である単位棚B2,B3,B4,B5,B6には、隣り合う単位棚が互いに接して閉じた状態で両者を連結するロック機構64が設けられるとともに、閉じた状態を検知するリミットスイッチである閉検知スイッチ65が設けられている(図12参照)。
走行棚の各正面側板54aには、上下中央位置にコ字状に屈曲した取っ手56が縦長に取付けられており、取っ手56の左方にボタンスイッチであるロック解除スイッチ66が配設されている。
【0085】
各単位棚B1,B2,B3,B4,B5,B6の正面側板54aの間口面と同一の端面に進入者検出センサである赤外線による光センサ67が端面どうし相対向し対をなして所定の高さに設けられている。
対をなす光センサを縦方向にずらして複数設けてもよい。
このように入出口に縦方向に複数光センサを配設することで、不正な進入を確実に防止することができる。
【0086】
対をなす光センサ67,67の一方が投光器で、他方が受光器であり、その間を人が進入すると、投光器から受光器に入射されていた赤外線が一時的に遮られて受光器に達せず、人が進入したことを検知することができる。
なお、ミラーを用いた拡散反射型の光センサを使用してもよい。
【0087】
各単位棚B1,B2,B3,B4,B5,B6の各天板54cには、正面寄りにピボット軸71が立設されており、同ピボット軸71に基端部を軸支されたスイングアーム72が天板54cに沿って水平に揺動自在に設けられている。
左右端の1号棚B1と6号棚B6の天板54cに立設されたピボット軸71には、それぞれ1本のスイングアーム72が軸支されているが、その他の単位棚B2,B3,B4,B5の天板54cに立設されたピボット軸71には、それぞれ2本のスイングアーム72,72が同軸に軸支されている。
【0088】
そして、隣り合うスイングアーム72,72の各先端が枢支軸73に軸支されて連結され、移動機構であるリンク機構70が構成されている。
スイングアーム72は全て同じ長さを有しているので、隣り合うスイングアーム72,72を連結する枢支軸73は常にその両側の単位棚から等距離位置に存在する。
【0089】
そして、リンク機構70は、隣り合う単位棚が互いに接して閉じた状態では、両ピボット軸71,71が近づき、隣り合うスイングアーム72,72は斜め前方に延びて鋭角のくの字を形成し、枢支軸73は正面側板54aより前方に位置し、また逆に、単位棚が互いに離れて開いた状態では、両ピボット軸71,71が離れて、隣り合うスイングアーム72,72は鈍角のくの字を形成し、枢支軸73は両単位棚間に形成された作業用通路55内に位置するよう設定されている。
【0090】
この枢支軸73の下端にRFIDの読取り用のアンテナ68が取り付けられている。
アンテナ68は、単位棚の天板54cと同じ高さか若干高い位置にあって水平に移動する。
なお、アンテナ68が天板54cと同じ高さにあっても、常にその両側の単位棚から等距離位置に存在し、形成される作業用通路55内に入るように移動するので、天板54cと干渉することはない。
【0091】
4号棚B4と5号棚B5との間を開いて作業用通路5が形成された状態の移動棚51の要部平面図を、図10に示す。
4号棚A4と5号棚A5の各正面側板4a,4aに設けられた対向する光センサ67,67間を赤外線が走っていて、作業用通路55の入出口の人の進入を検知している。
【0092】
特定領域である作業用通路55に入ったアンテナ68は、この光センサ67,67より奥に位置し、アンテナ68の通信可能範囲(概ねハッチを施した領域)は、作業用通路55の入出口を略塞ぐ領域を占めている。
【0093】
このように光センサ67とアンテナ68が配置された入出口を、個人認識用RFIDタグTpを身に付けた利用者Pが進入するとき、光センサ67,67が利用者Pの進入を検知した後、個人認識用RFIDタグTpのタグデータをアンテナ68が読取れる時間が長ければ、作業用通路5への進入であり、短ければ作業用通路5からの退出であることを判別することができる。
【0094】
また、アンテナ68を光センサ67の作動信号で作動状態とし、光センサ67のオフ信号で非作動状態とした後、この非作動状態とした時から所定時間経過したときに再度アンテナ68を一定時間作動状態とし、RFIDの読取状態が、2度目のアンテナ68の作動時に、読取ることができれば、作業用通路55への進入時であり、読取りがなければ、退出時であると、判別することができる。
【0095】
さらに、前記しように、アンテナ68を作動して、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取る際の電波強度の変化を監視することにより、その電波強度と光センサ67の作動状態を判断することでも、利用者Pの進入か退出かを正確に判別することができる。
【0096】
次に、図11を参照して、4号棚B4と5号棚B5が接して作業用通路55が閉じているときに、4号棚B4と5号棚B5から等距離にあるアンテナ68は正面側板54aより前方の特定領域外に位置し、同アンテナ68の通信可能範囲(概ねハッチを施した領域)は、光センサ67,67に略接する円形領域である。
なお、図10では、その他のアンテナ68も同様の位置にあって、その通信可能範囲も同じ様な円形領域となっている。
【0097】
利用者Pが4号棚B4と5号棚B5との間を開いて作業用通路55を形成しようとしてロック解除スイッチ66を押すべく正面側板54a,54aに近づくと、図10に示すように、利用者Pはアンテナ68の通信可能範囲に入り、アンテナ68により身に付けていた個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取ることが可能である。
【0098】
アンテナ68により受信した個人認識用RFIDタグTpのタグデータの読取りは、コンピュータにより行われ、入出管理に供されるが、この入出管理も含めて、以下、本移動棚51の制御系について説明する。
【0099】
入出管理システムの制御系の概略ブロック図である図12を参照して、固定棚である1号棚B1には、マイクロコンピュータからなる主制御盤61と副制御盤62が搭載されていて、副制御盤62は、光センサ67の検知信号を入力し処理する。
【0100】
走行棚である単位棚B2,B3,B4,B5,B6には、コンピュータである副制御盤62がそれぞれ搭載されていて、この副制御盤62はロック機構64の駆動制御を行うほかに、閉検知スイッチ65、ロック解除スイッチ66のオン・オフ信号を入力し、さらに光センサ67の検知信号を入力し処理するとともに、アンテナ68による送受信を行ってRFIDタグのタグデータを読取る。
【0101】
1号棚B1の主制御盤61は、単位棚B2,B3,B4,B5,B6のロック機構64を集中的に制御するとともに、利用者および物品の入出管理を行っており、そのため入出管理記憶手段61Mを備えている。
【0102】
この入出管理記憶手段61Mは、移動棚1の作業用通路55を開いて進入・退出を許可された利用者Pの個人認識用RFIDタグTpの予め登録されたタグデータを記憶している。
また、入出管理記憶手段11Mは、移動棚51に保管される全物品Qの物品識別用RFIDタグTqのタグデータも記憶している。
【0103】
さらに、入出管理記憶手段61Mは、作業用通路55に進入した利用者Pの個人認識用RFIDタグTpのタグデータを、進入タグデータとして一時的に記憶する。
この入出管理記憶手段11Mは、移動棚装置とは別に設けられた管理用コンピュータが備えることもできる。
【0104】
以下、本入出管理制御の制御手順を、図13のフローチャートに従って説明する。
当初、全ての単位棚B1,B2,B3,B4,B5,B6が集束した状態(隣り合う単位棚間はロック機構64によりロックされて連結状態にある)からスタートする。
まず、ステップ51で、ロック解除スイッチ66が押されてオンしたか否かを判別している。
ロック解除スイッチ66がオフ状態では、ステップ51に戻る。
【0105】
例えば、図11に示すように、利用者Pが4号棚B4と5号棚B5の間に作業用通路55を開こうとして、正面側板54a,54aに近づき、5号棚B5の正面側板54aに設けられたロック解除スイッチ66を押すと、ステップ51からステップ52に進み、アンテナ68を作動して利用者Pが身に付けていた個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取る作業を行う。
【0106】
そして、読み取ったタグデータを、次のステップ53で、予め登録してある登録タグデータと照合する。
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致すればステップ55に進み、5号棚B5に搭載のロック機構64を駆動してロックを解除して4号棚B4との連結を解くので、作業者は5号棚B5の取っ手56を掴んで5号棚B5と6号棚B6を一体に移動し、4号棚B4と5号棚B5の間を開き、作業用通路55を形成することができる。
【0107】
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致しないとき、または、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読み取れず、登録タグデータと照合できないときは、ステップ54に進み、警報ととともにエラーメッセージを発し、ステップ51に戻る。
したがって、登録タグデータと一致する個人認識用RFIDタグTpを持った利用者Pのみが、ロック解除スイッチ66を押してロックを解除して走行棚を移動して作業用通路55を形成することができる。
【0108】
利用者Pの人力により作業用通路55が形成されると、ステップ56において、作業用通路55に進入している利用者Pの進入人数Nを0としておき、ステップ60に進む。
ステップ60では、進入者検出センサである光センサ67が作動したか、すなわち作業用通路55の入出口を人が進入したか否かを判別しており、作動していないときは、ステップ61に進み、進入人数N=0かを判別して、進入人数N≠0のときは、作業用通路55に利用者Pがいると判断され、そのままステップ60に戻り、光センサ67が作動するのを待つ。
【0109】
ステップ61で進入人数N=0と判別されたときは、ステップ62に進み、一定時間を経過してタイムアップしたか否かを判別する。
進入人数N=0でタイムアップしたときは、ステップ67に飛び、警報とともにエラーメッセージを発し、ステップ60に戻る。
なお、このとき、タイマをリセットして再度一定時間の経過をステップ62で判別するようにする。
【0110】
ステップ62でタイムアップと判別するまでは、利用者Pにより走行棚を移動して作業用通路55を閉じる操作が可能で、ステップ63で閉検知スイッチ65がオンになったか否かが判別されて、オンするまではステップ60に戻り、作業用通路55が閉じられて閉検知スイッチ65がオンになるまでステップ60,61,62,63が繰り返される。
【0111】
その間にタイムアップする度に警報が鳴って作業用通路55を閉じるよう警告する。
作業用通路55が閉じられ閉検知スイッチ65がオンすると、ステップ64に進み、ロック解除されていたロック機構64をロック作動して、最初のステップ51に戻る。
【0112】
ステップ60,61,62,63が繰り返される中で、進入者検出センサである光センサ67が作動すると、ステップ60からステップ65に進み、個人認識用RFIDタグTpのタグデータの読取作業を開始する。
このとき、利用者Pが物品Qを持っているときは、同物品Qの物品識別用RFIDタグTqのタグデータの読取りも行う。
【0113】
そして、次のステップ66で、読み取った個人認識用RFIDタグTpのタグデータを、予め登録してある登録タグデータと照合する。
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致しないとき、または、個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読み取れず、登録タグデータと照合できないときは、ステップ67に進み、警報とともにエラーメッセージを発し、ステップ60に戻る。
したがって、個人認識用RFIDタグTpを持たない人の進入があれば、ここで警報が発せられる。
【0114】
読み取ったタグデータが、登録タグデータと一致すればステップ68に進み、作業用通路55への進入か作業用通路55からの退出かを判別する。
ここで、前記した入出判別方法により、進入と退出を正確に判別する。
【0115】
このステップ68で作業用通路55への進入と判別されると、ステップ69に進み、読み取った個人認識用RFIDタグTpのタグデータを進入タグデータとして書き込み、進入記録に残す。
次のステップ70で進入人数Nをインクリメント(1加算)し、次のステップ71に進む。
【0116】
移動棚51から取り出した物品のタグデータを取出タグデータとして書き込み、物品取出記録を残すようにしており、ステップ71では、進入した利用者Pが物品Qを持っていれば、物品Qの返却と判断し、書き込んであった取出タグデータを消去し、ステップ60に戻る。
ただし、物品返却は記録に残す。
【0117】
ステップ68において、作業用通路55からの退出と判別されたときは、ステップ72に飛び、進入タグデータを消去し(ただし退出記録は残す)、次のステップ73で進入人数Nをデクリメント(1減算)し、次のステップ74に進む。
退出する利用者Pが物品Qを持っていれば、物品Qの取り出しと判断し、取出タグデータとして書き込み(物品取出は記録に残す)、ステップ60に戻る。
【0118】
作業用通路55が形成されているときに、複数の利用者Pが入出口から進入しても、それぞれの進入と退出を正確に判別して、確実に入出管理することができる。
また、登録タグデータと一致しない個人認識用RFIDタグTpを持った利用者や個人認識用RFIDタグTpを持たない者によっては、ロック解除スイッチ66を押してもロックは解除されず作業用通路55は形成されないとともに、形成された作業用通路5への進入も警報によって検知し、禁止することができる。
【0119】
光センサ67の信号、アンテナ68の状態による必要最小限の構成により、RFIDタグを持たない者や予め登録されていない者の進入を防止するとともに、利用者Pの進入か退出かを正確に判別することができ、確実に入出管理することができる。
作業用通路5を形成するときの個人認証と作業用通路を形成後の個人認証は、ともに共通のアンテナ68により個人認識用RFIDタグTpのタグデータを読取ることにより行われるので、部品点数を削減してコストの低減を図ることができる。
【0120】
特に、本移動棚51においては、簡単なリンク機構70により走行棚の移動に伴いアンテナ68が移動し、単位棚間が閉じているときは特定領域の外に位置し、単位棚間が開いているときは特定領域である作業用通路55内に位置するので、単位棚間が閉じている場合と開いている場合のそれぞれについて、特定の利用者Pが身に付けて入出する個人認識用RFIDタグを読み取る最適位置にアンテナ68を位置させることができ、誤作動を確実に防止できる。
【0121】
そのため、特定利用者P以外の人により作業用通路55が形成されるのを確実に防止し、作業用通路55への利用者の進入と退出を正確に認識することができる。
なお、進入者検出センサである光サンサは、棚板等の棚間口面に奥行き方向に亘って複数配列して進入者を検出するようにしてもよい。
【0122】
上記実施の形態に係る移動棚51においては、左右端の単位棚B1,B6に挟まれる単位棚B2,B3,B4,B5の天板54cに立設されたピボット軸71には、それぞれ2本のスイングアーム72,72が同軸に軸支されていたが、棚幅が広くなると、ピボット軸を1つに集中できず、2つに分ける必要がある。
かかる実施の形態を図14および図15に図示し説明する。
【0123】
本実施の形態に係る移動棚81は、上記移動棚51と同じ構造をしているが、各単位棚C1,C2,C3,C4,C5,C6(図14,図15には単位棚C3,C4,C5,C6のみ図示)の棚幅が大きい。
両端の単位棚C1,C6の天板84bには、ピボット軸91が1個ずつ立設され、それぞれ1本のスイングアーム92が軸支されているが、その他の単位棚C2,C3,C4,C5の天板には、左右に並んでピボット軸91,91が2個ずつ立設され、それぞれ1本のスイングアーム92が軸支されている。
【0124】
そして、棚どうし隣り合うスイングアーム92,92の各先端が枢支軸93に軸支されて連結され、移動機構であるリンク機構90が構成されている。
スイングアーム92は全て同じ長さを有している。
なお、図14および図15で、ロック解除スイッチ66、光センサ67、アンテナ68は、前記実施例と同じ符号で示している。
【0125】
リンク機構90は、隣り合う単位棚が互いに接して閉じた状態では、隣り合うスイングアーム92,92は斜め前方に延びて鋭角のくの字を形成し、枢支軸93(アンテナ68)は正面側板より前方に位置し(図15参照)、また逆に、単位棚が互いに離れて開いた状態では、隣り合うスイングアーム92,92は鈍角のくの字を形成し、枢支軸93(アンテナ68)は両単位棚間に形成された作業用通路85内に位置するよう設定されている(図14参照)。
【0126】
したがって、本実施の形態に係る移動棚81は、前記移動棚51と同様の効果を奏することができる。
このように単位棚の棚幅が広いときは、スイングアーム92の基端枢軸を天板に左右2つ設けることにより対処できる。
【0127】
上記実施の形態に係る移動棚51,81は、手動式移動棚であったが、電動式移動棚にも当然適用可能である。
この発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、この他にその要旨を逸脱しない範囲で種々の実施の形態が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の一実施の形態に係る移動棚の全体斜視図である。
【図2】同移動棚の正面図である。
【図3】4号棚A4と5号棚A5との間を開いて作業用通路が形成された状態の移動棚の要部平面図である。
【図4】4号棚A4と5号棚A5との間を閉じた状態の移動棚の要部平面図である。
【図5】光センサの信号、アンテナの状態、RFIDの読取状態のタイミングチャートである。
【図6】光センサの信号、アンテナの状態、RFIDの読取状態の別のタイミングチャートである。
【図7】本移動棚の入出管理システムの制御系の概略ブロック図である。
【図8】同入出管理制御の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】別の実施の形態に係る移動棚の全体斜視図である。
【図10】4号棚B4と5号棚B5との間を開いて作業用通路が形成された状態の移動棚の要部平面図である。
【図11】4号棚B4と5号棚B5との間を閉じた状態の移動棚の要部平面図である。
【図12】本移動棚の入出管理システムの制御系の概略ブロック図である。
【図13】同入出管理制御の制御手順を示すフローチャートである。
【図14】また、別の実施の形態に係る移動棚の単位棚C4,C5の間を開いて作業用通路が形成された状態の移動棚の要部平面図である。
【図15】単位棚C4,C5の間を閉じた状態の移動棚の要部平面図である。
【符号の説明】
【0129】
P…利用者、Tp…個人認識用RFIDタグ、Q…物品、Tq…物品識別用RFIDタグ、
A1…単位棚(固定棚)、A2,A3,A4,A5,A6…単位棚(駆動棚)、
1…移動棚、2…レール、3…車輪、4…背板、4a…正面側板、4b…背板、5…作業用通路、6…制御部、7…操作ボタン、8…光センサ、9…アンテナ、10…モータ、
11…主制御盤、11M…入出管理記憶手段、12…副制御盤、
B1…単位棚(固定棚)、B2,B3,B4,B5,B6…単位棚(走行棚)、
51…移動棚、52…レール、54a…正面側板、54c…天板、55…作業用通路、56…取っ手、61…主制御盤、61M…入出管理記憶手段、62…副制御盤、64…ロック機構、65…閉検知スイッチ、66…ロック解除スイッチ、67…光センサ、68…アンテナ、
70…リンク機構、71…ピボット軸、72…スイングアーム、73…枢支軸、
C1…単位棚(固定棚)、C2,C3,C4,C5,C6…単位棚(走行棚)、
81…移動棚、85…作業用通路、90…リンク機構、91…ピボット軸、92…スイングアーム、93…枢支軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された特定の利用者のみが入出口からの入出を許可される特定領域への入出を管理する入出管理システムにおいて、
特定の利用者が身に付けて入出する個人認識用RFIDタグと、
特定の利用者の個人認識用RFIDタグのタグデータを登録記憶する登録タグデータ記憶手段と、
特定領域の入出口に設けられた一定通信範囲のアンテナにより前記個人認識用RFIDタグのタグデータを読取るRFID読取手段と、
特定領域の入出口における前記アンテナの通信範囲の入出方向偏った位置に設けられ入出口の人の通過を検出する通過検出センサと、
前記通過検出センサの通過検出信号と前記RFID読取手段の読取信号に基づき前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して入出を管理する入出管理手段とを備え、
前記入出管理手段は、
前記通過検出センサの通過検出信号の作動状態と前記RFID読取手段の読取り状況に基づいて特定領域への進入と退出を判別し、
前記RFID読取手段の読取りがあった場合に、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して特定利用者の入出であるか否かを判別することで、
利用者の入出を管理することを特徴とする入出管理システム。
【請求項2】
前記入出管理手段が、前記通過検出センサの通過検出信号の入力により前記RFID読取手段の読取りを開始し、読取りができなくなるまでの時間を計測することにより特定領域への進入と退出を判別することを特徴とする請求項1記載の入出管理システム。
【請求項3】
前記入出管理手段が、前記通過検出センサの通過検出信号の入力により前記RFID読取手段の読取りを開始し、通過検出信号の入力終了により、RFID読取手段の読取りを一度停止し、その後所定時間後に前記RFID読取手段の読取りを再開し、読取りの有無により特定領域への進入と退出を判別することを特徴とする請求項1記載の入出管理システム。
【請求項4】
前記入出管理手段が、前記RFID読取手段の読取りの際の電波強度の変化を監視することにより、その電波強度と前記通過検出センサの通過検出信号の作動状態に基づき特定領域への進入と退出を判別することを特徴とする請求項1記載の入出管理システム。
【請求項5】
複数の単位棚が棚間口面に直角となるレールに案内されて移動自在に配置され、集束時にそれぞれ相隣る間口が接し、所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路を選択的に形成する移動棚における前記作業用通路を前記特定領域とし、
前記作業用通路の入出口となる各単位棚の入出口部を前記特定領域の入出口として、前記アンテナと前記通過検出センサが各単位棚の入出口部に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項記載の入出管理システム。
【請求項6】
前記各単位棚の正面に設けられた操作スイッチと、
前記操作スイッチの作動信号と前記RFID読取手段の読取信号と前記通過検出センサの通過検出信号に基づいて単位棚を移動して所要の作業用通路の開閉を制御する移動棚駆動制御手段とが設けられ、
前記移動棚駆動制御手段は、
操作スイッチの作動信号により前記RFID読取手段による読取りを一定時間行い、
読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して一致したときのみ単位棚を移動して所要の作業用通路を開くよう制御することを特徴とする請求項5記載の入出管理システム。
【請求項7】
前記移動棚駆動制御手段は、
単位棚を移動して所要の作業用通路を形成する際、初め利用者一人が通れる通路幅まで開き、利用者が該作業用通路内に進入したことが認識できた時に、所要の通路幅まで広げるよう制御することを特徴とする請求項6記載の入出管理システム。
【請求項8】
複数の単位棚が棚間口面に直角となるレールに案内されて移動自在に配置され、集束時にそれぞれ相隣る間口が接し、所要の単位棚を移動して任意の相隣る単位棚間を開いて作業用通路を選択的に形成する移動棚における前記作業用通路を特定領域とし、前記特定領域への利用者の入出を管理する入出管理システムにおいて、
特定の利用者が身に付けて入出する個人認識用RFIDタグと、
特定の利用者の個人認識用RFIDタグのタグデータを登録記憶する登録タグデータ記憶手段と、
前記単位棚の移動に伴い移動機構により前記単位棚より上方を移動するアンテナであって、単位棚間が閉じているときは特定領域外に位置し、単位棚間が開いているときは特定領域内に位置するアンテナにより前記個人認識用RFIDタグのタグデータを読取るRFID読取手段と、
前記RFID読取手段の読取信号と前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して一致したときのみ単位棚を移動可能として所要の作業用通路の開閉を許可する移動棚制御手段と、
特定領域の入出口における前記アンテナの通信範囲の入出口に偏った位置に少なくとも1つ設けられ特定領域内への進入者を検出する進入者検出センサと、
前記進入者検出センサの進入者検出信号と前記RFID読取手段の読取信号と前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータとに基づき入出を管理する入出管理手段と、を備え、
前記入出管理手段は、
前記進入者検出センサの進入者検出信号と前記RFID読取手段の読取り状況に基づいて特定領域への進入と退出を判別し、
前記RFID読取手段の読取りがあった場合に、読取られたタグデータを前記登録タグデータ記憶手段の記憶する登録タグデータと照合して特定利用者の入出であるか否かを判別することで、利用者の入出を管理することを特徴とする入出管理システム。
【請求項9】
前記特定領域が物品の保管領域であり、
保管の対象となる物品に物品識別用RFIDタグが取り付けられ、
特定の利用者とともに該物品が特定領域の入出口を通過するときに、前記RFID読取手段により、前記物品識別用RFIDタグのタグデータが読取られることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの項記載の入出管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−24510(P2008−24510A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157652(P2007−157652)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000229759)日本ファイリング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】