入力装置、およびそれを備えた情報処理装置
【課題】入力装置の操作性を向上する。
【解決手段】キーボードとパッド部63との間に到るまで第1のボタン61及び第2のボタン62を配置した。これにより、ユーザーがキーボードのホームポジションに両手を位置させてキーボードを操作しているときに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作する場合、指(例えば第1指)の移動量が少なくてすむため、両手をホームポジションから大きく離さずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。すなわち、キーボードを用いた入力操作を中断させずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。
【解決手段】キーボードとパッド部63との間に到るまで第1のボタン61及び第2のボタン62を配置した。これにより、ユーザーがキーボードのホームポジションに両手を位置させてキーボードを操作しているときに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作する場合、指(例えば第1指)の移動量が少なくてすむため、両手をホームポジションから大きく離さずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。すなわち、キーボードを用いた入力操作を中断させずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、入力装置、およびそれを備えた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パーソナルコンピューター(以下ノートパソコンと称する)等の情報処理装置は、ユーザーがキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置を快適に操作できるよう様々な工夫がなされている。
【0003】
特許文献1は、キーボードとパッド面との間に設けられた第1のボタンと、パッド面の手前側に設けられた第2のボタンとを備えたパッド型ポインティングデバイスを開示している。第1のボタンは、キーボード上に設けられたトラックポイントの操作に対応したボタンである。第2のボタンは、パッド面の操作に対応したボタンである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−308166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1が開示している構成は、第1のボタンと第2のボタンに異なる機能を割り当てている。したがって、キーボードと第2のボタンとを用いて入力操作を行う場合は、第2のボタンを操作する際にキーボードのホームポジションに配置した手または指を第2のボタン側へ移動させなければならない。キーボードと第2のボタンとは互いに離れた位置に配置されているため、第2のボタンを操作する度に手または指をホームポジションから外さなければならず、操作性を低下させていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する入力装置は、ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられる。
【0007】
本願に開示する情報処理装置は、複数のキーを備えたキーボードと、前記キーボードの近傍に配されたポインティングデバイスとを備えた情報処理装置であって、前記ポインティングデバイスは、ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられ、前記ボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチのうち少なくとも一つのスイッチは、前記キーボードの近傍に配されている。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示によれば、手または指をキーボードのホームポジションから大きく外すことなく、パッド面及びそれに対応したボタンを操作することができ、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ノートパソコンの斜視図
【図2】第1の筐体の平面図
【図3】ポインティングデバイスの拡大平面図
【図4A】図3におけるZ−Z部の断面図
【図4B】第3の変位部が押された状態を示す断面図
【図4C】第4の変位部が押された状態を示す断面図
【図5】ユーザーによるキーボード及びポインティングデバイスの操作状態を示す平面図
【図6】入力装置の変形例1を示す平面図
【図7】入力装置の変形例2を示す平面図
【図8A】図7におけるZ−Z部の断面図
【図8B】第3の変位部が押された状態を示す断面図
【図8C】第4の変位部が押された状態を示す断面図
【図9】入力装置の変形例3を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態)
〔1.情報処理装置及び入力装置の構成〕
図1は、本実施の形態にかかるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図2は、第1の筐体1の上面1aの平面図である。
【0011】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板やハードディスクドライブなどを内蔵している。第2の筐体2は、ディスプレイパネル4を備えている。ディスプレイパネル4は、例えば液晶ディスプレイパネルで実現することができる。
【0012】
第1の筐体1と第2の筐体2とは、ヒンジ部3によって互いに回動自在に支持されている。ヒンジ部3は、第1の筐体1と第2の筐体2とを矢印AまたはBに示す方向へ回動自在に支持する回動軸を備えている。図2に示すように第1の筐体1の上面1aには、キーボード5とポインティングデバイス6とが配されている。キーボード5は、第1の筐体1の上面1aにおける、開閉軸Cに近い側に配置されている。ポインティングデバイス6は、第1の筐体の上面1aと前面1cとの境界と、キーボード5との間に、配置されている。第1の筐体の前面1cは、上面1aに隣接し、ユーザーがノートパソコンを操作する際にユーザーに対峙する面である。すなわち、ポインティングデバイス6は、ノートパソコンを操作するユーザーから見て、キーボード5よりも手前側に配置されている。なお、本実施の形態では、情報処理装置の一例としてノートパソコンを挙げたが、少なくともポインティングデバイスを備えた機器であればよい。
【0013】
図3は、ポインティングデバイス6の拡大平面図である。図4A〜図4Cは、図3におけるZ−Z部の断面図である。図4Aは、ユーザーにより第2のボタン62が押されていない状態を示す。図4B及び図4Cは、ユーザーの指100により第2のボタン62が押された状態を示す。なお、図4A〜図4Cは、第2のボタン62を通る部分の断面図を示しているが、第1のボタン61も同様の構成を有する。また、図4A〜図4Cは、本来であればパッド部63の断面形状も図示すべきであるが、第2のボタン62の構成を明確に図示するためにパッド部63の図示は省略している。
【0014】
ポインティングデバイス6は、第1のボタン61、第2のボタン62、およびパッド部63を備えている。
【0015】
第1のボタン61は、図3に示すように平面形状が略「コ」の字形状に形成されている。第1のボタン61は、第1の固定部61cに固定されている。第1の固定部61cは、第1の筐体1に一体的に形成されている。第1の固定部61cは、パッド部63の中心Pを通る線分L1上に配置されている。線分L1は、パッド部63をキーボード5側と前面1c側とを二等分する仮想線である。すなわち、第1のボタン61は、その長手方向の中央が第1の固定部61cに固定されている。第1のボタン61は、弾性変形可能な材料で形成されているとともに弾性変形可能な形状に形成されており、第1の固定部61cに固定された箇所以外の箇所(後述する第1の変位部61a、第2の変位部61b)が弾性変形可能である。本実施の形態では、第1のボタン61は、弾性変形可能とするために5mm程度の厚さを有する樹脂材料で形成したが、厚さや材料は適宜変更することができる。第1のボタン61は、第1の固定部61cに固定された部分以外の部分に第1の変位部61a及び第2の変位部61bを有する。第1の変位部61aは、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第1のスイッチ61dから浮上(離間)している。第2の変位部61bは、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第2のスイッチ61eから浮上(離間)している。なお、第1の変位部61aは、必ずしも第1のスイッチ61dから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第1のスイッチ61dを導通状態に移行させなければ第1のスイッチ61dに接していてもよい。また、第2の変位部61bは、必ずしも第2のスイッチ61eから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第2のスイッチ61eを導通状態へ移行させなければ第2のスイッチ61eに接していてもよい。第1の変位部61aと第2の変位部61bは、互いに独立して変位可能であるため、同時に変位することも可能である。
【0016】
第2のボタン62は、図3に示すように平面形状が略「コ」の字形状に形成されている。第2のボタン62は、第2の固定部62cに固定されている。第2の固定部62cは、第1の筐体1に一体的に形成されている。第2の固定部62cは、パッド部63の中心Pを通る線分L1上に配置されている。すなわち、第2のボタン62は、その長手方向の中央が第2の固定部62cに固定されている。第2のボタン62は、弾性変形可能な材料で形成されているとともに弾性変形可能な形状に形成されており、第2の固定部62cに固定された箇所以外の箇所(後述する第3の変位部62a、第4の変位部62b)が弾性変形可能である。本実施の形態では、第2のボタン62は、弾性変形可能とするために5mm程度の厚さを有する樹脂材料で形成したが、厚さや材料は適宜変更することができる。第2のボタン62は、第2の固定部62cに固定された部分以外の部分に第3の変位部62a及び第4の変位部62bを有する。第3の変位部62aは、図4Aに示すように、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第3のスイッチ62dから浮上(離間)している。第4の変位部62bは、図4Aに示すように、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第4のスイッチ62eから浮上(離間)している。なお、第3の変位部62aは、必ずしも第3のスイッチ62dから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第3のスイッチ62dを導通状態へ移行させなければ第3のスイッチ62dに接していてもよい。また、第4の変位部62bは、必ずしも第4のスイッチ62eから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第4のスイッチ62eを導通状態へ移行させなければ第4のスイッチ62eに接していてもよい。第3の変位部62aと第4の変位部62bは、互いに独立して変位可能であるため、同時に変位することも可能である。
【0017】
第1のボタン61と第2のボタン62は、同一材料及び同一形状の部品とし、第1の筐体1に取り付ける際に図3に示す線分L2に対して対称的に配置する構成とすることで、ボタンの製造が簡素化できるため好ましい。なお、線分L2は、パッド部63の中心Pを通り、線分L1に直交する仮想線である。
【0018】
第1のスイッチ61dは、第1のボタン61のキーボード5側における第1の変位部61aの下部(すなわち、第1の変位部61aにおけるキーボード5側の直下部)に配置されている。第2のスイッチ61eは、第1のボタン61の前面1c側における第2の変位部61bの下部(すなわち、第2の変位部61bにおける前面1c側の直下部)に配置されている。第3のスイッチ62dは、第2のボタン62のキーボード5側における第3の変位部62aの下部(すなわち、第3の変位部62aにおけるキーボード5側の直下部)に配置されている。第4のスイッチ62eは、第2のボタン62の前面1c側における第4の変位部62bの下部(すなわち、4の変位部62bにおける前面1c側の直下部)に配置されている。
【0019】
第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eは、第1の固定部61cから極力離れた位置に配置することが好ましい。なぜなら、第1の変位部61a及び第2の変位部61bは第1の固定部61cから離れた位置ほど大きく変位することが可能であり、第1の変位部61a及び第2の変位部61bがユーザーにより押されて変位した際に第1のスイッチ61d及び第2のスイッチ61eに当接しやすくなるからである。また、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eは、第2の固定部62cから極力離れた位置に配置することが好ましい。なぜなら、第3の変位部62a及び第4の変位部62bは第2の固定部62cから離れた位置ほど大きく変位することが可能であり、第3の変位部62a及び第4の変位部62bがユーザーにより押されて変位した際に第3のスイッチ62d及び第4のスイッチ62eに当接しやすくなるからである。
【0020】
第1の変位部61a及び第3の変位部62aは、キーボード5の近傍位置に配置されている。また、第1のスイッチ61d及び第3のスイッチ62dは、キーボード5の近傍位置に配置されている。なお、「キーボード5の近傍位置」とは、ユーザーがキーボード5のホームポジション(「F」キー、「J」キー)に両手の第2指を配置している状態において、第1指が配置される位置、または第1指を僅かに移動させるだけで第1のボタン61及び第2のボタン62の上に第1指を配置できる程度の位置のことである。上記「第1指を僅かに移動」とは、ユーザーがキーボード5のホームポジション(「F」キー及び「J」キー)から第2指を離間させずに、第1指を第1のボタン61及び第2のボタン62の上に配置できる程度の第1指の移動量のことである。なお、第1のボタン61及び第2のボタン62の上に第1指を配置した状態において、手や腕は、自然な姿勢(ユーザーが強い疲労を感じない姿勢)であることが好ましい。また、キーボード5の近傍位置は、例えばQWERTY配列のキーボードの場合で言えば、「C」キー、「V」キー、「B」キー、「N」キー、「M」キー等から、当該キーの配列方向に対して直交する方向へ、例えば10〜30mm程度離れた位置とすることができる。
【0021】
本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに同一機能を割り当て、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとに同一機能を割り当て、第1のスイッチ61dと第3のスイッチ62dとに互いに異なる機能を割り当てている。各スイッチに割り当てる機能は、ノートパソコンにインストールされているオペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアで予め設定されていたり、ユーザーが任意の機能を割り当てたりすることができる。例えば、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに決定機能を割り当て、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとにキャンセル機能を割り当てることができる。
【0022】
パッド部63は、平板状の圧力センサーや静電容量センサー等で構成されている。パッド部63に備わるセンサーは、ユーザーの指等がパッド面63aに接触した際の圧力変化や静電容量変化を検出し、検出信号をノートパソコン内の信号処理部(不図示)へ送る。信号処理部(不図示)は、センサーから送られる検出信号に基づき、パッド面63aにおける指等の接触位置や指の動き等を把握し、例えばディスプレイパネル4に表示されるポインタを任意の位置へ移動させるよう制御する。
【0023】
以下、ポインティングデバイス6に備わるボタンの動作について説明する。
【0024】
第1のボタン61は、ユーザーにより押されていない状態では、第1のスイッチ61d及び第2のスイッチ61eから離間している。また、第2のボタン62は、例えば図4Aに示すようにユーザーにより押されていない状態では、第3のスイッチ62d及び第4のスイッチ62eから離間している。
【0025】
図4Bに示すように、ユーザーの指100が第2のボタン62の第3の変位部62aを矢印Dに示す方向へ押すと、第3の変位部62aが変位する。具体的には、第3の変位部62aは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、矢印Dに示す方向へ押された際に湾曲変形する。第3の変位部62aを所定位置まで変位させて第3のスイッチ62dに当接させることで、第3のスイッチ62dの接点(不図示)が導通状態となる。このとき、第4の変位部62bは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、変位しない。
【0026】
また、図4Cに示すように、ユーザーの指100が第2のボタン62の第4の変位部62bを矢印Dに示す方向へ押すと、第4の変位部62bが変位する。具体的には、第4の変位部62bは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、矢印Dに示す方向へ押された際に湾曲変形する。第4の変位部62bを所定位置まで変位させて第4のスイッチ62eに当接させることで、第4のスイッチ62eの接点(不図示)が導通状態となる。このとき、第3の変位部62aは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、変位しない。
【0027】
なお、上記説明では、第2のボタン62がユーザーの指100により押された際の動作について説明したが、第1のボタン61は第2のボタン62と同等の構成を有するため、第1のボタン61がユーザーに押された際の動作は第2のボタン62の動作と同等である。
【0028】
〔2.情報処理装置の操作方法〕
図5は、ユーザーがキーボード5を操作している状態を示す平面図である。なお、図5は、キーボード5及びポインティングデバイス6の構成を明確に図示するために、第1の筐体1のみ図示している。
【0029】
図5に示すユーザーの左手101及び右手102は、キーボード5におけるホームポジションに位置している。「ホームポジション」とは、キーボード5の「F」キー5aと「J」キー5bのことである。「ホームポジションに位置している」とは、ユーザーの左手101の第2指101b(人指し指)がキーボード5の「F」キー5aの上に位置し、右手102の第2指102b(人指し指)がキーボード5の「J」キー5bの上に位置している状態のことである。ユーザーが両手をキーボード5のホームポジションに位置させてキーボード5を操作することにより、両手の各指の移動量を少なくし、効率よく打鍵することができる。なお、図5は、左手101の第1指101a(親指)は第1のボタン61の上に位置し、右手102の第1指102a(親指)は第2のボタン62の上に位置するように図示しているが、ポインティングデバイス6を操作せずキーボード5のみを操作しているときは、ユーザーの左手101の第1指101a及び右手102の第1指102aは、キーボード5の上(例えばキー5c〜5e)に位置していることが多い。
【0030】
ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6を操作する際は、左手101の第1指101a及び右手102の第1指102aを用いる。
【0031】
具体的には、ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6のパッド部63を操作する場合は、左手101の第1指101aまたは右手102の第1指102aを、キーボード5(例えばキー5c〜5e)の上からパッド部63の上へ移動させる。このとき、ユーザーの手の大きさや指の長さにもよるが、左手101の第2指101bまたは右手102の第2指102bをキーボード5のホームポジションに位置させたまま、第1指101aまたは102aをパッド部63上に移動させることができる場合がある。この場合、手の移動量が少なくすむため、キーボード5を用いた入力操作とパッド部63を用いた入力操作との切り換えを迅速に行うことができる。ユーザーは、パッド部63上に移動させた指でパッド面63aに触れることで、パッド部63を用いた入力操作を行うことができる。
【0032】
また、ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6の第1のボタン61を操作する場合は、左手101の第1指101aを、キーボード5(例えばキー5c〜5e)の上から第1のボタン61の第1の変位部61aの上へ移動させる。このとき、ユーザーの手の大きさや指の長さにもよるが、左手101の第2指101bをキーボード5のホームポジション(「F」キー5a)に位置させたまま第1指101aを第1のボタン61の第1の変位部61a上に移動させることができる場合がある。少なくとも第1のボタン61における第1のスイッチ61dに重なる部分は、パッド部63よりもキーボード5に近い位置にあるため、左手101の第1指101aの移動量は、パッド部63を操作するときの第1指101aの移動量に比べて小さい。したがって、左手101の第2指101bをキーボード5のホームポジション(「F」キー5a)に位置させたまま第1指101aを第1のボタン61の第1の変位部61a上に移動できる可能性は高い。ユーザーは、第1のボタン61の第1の変位部61a上に移動させた指で第1の変位部61aを押す(図4Aに示す矢印Dに示す方向)ことで、第1のスイッチ61dを導通状態にすることができ、第1のスイッチ61aに割り当てられた機能を実行させることができる。
【0033】
また、ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6の第2のボタン62を操作する場合は、右手102の第1指102aを、キーボード5(例えばキー5c〜5e)の上から第2のボタン62の第3の変位部62aの上へ移動させる。このとき、ユーザーの手の大きさや指の長さにもよるが、右手102の第2指102bをキーボード5のホームポジション(「J」キー5b)に位置させたまま第1指102aを第2のボタン62の第3の変位部62a上に移動させることができる場合がある。少なくとも第2のボタン62における第3のスイッチ62dに重なる部分は、パッド部63よりもキーボード5に近い位置にあるため、右手102の第1指102aの移動量は、パッド部63を操作するときの第1指102aの移動量に比べて小さい。したがって、右手102の第2指102bをキーボード5のホームポジション(「J」キー5b)に位置させたまま第1指102aを第2のボタン62の第3の変位部62a上に移動できる可能性は高い。ユーザーは、第2のボタン62の第3の変位部62a上に移動させた指で第3の変位部62aを押す(図4Aに示す矢印Dに示す方向)ことで、第3のスイッチ62dを導通状態にすることができ、第3のスイッチ62dに割り当てられた機能を実行させることができる。
【0034】
また、本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに同じ機能を割り当てているため、ユーザーが第1のボタン61における第1の変位部61aを押しても第2の変位部61bを押しても、同じ機能が実行される。また、本実施の形態では、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとに同じ機能を割り当てているため、ユーザーが第2のボタン62における第3の変位部62aを押しても第4の変位部62bを押しても、同じ機能が実行される。したがって、ユーザーがキーボード5を使わずポインティングデバイス6のみで入力操作を行う場合は、右手102の第2指102bでパッド部63を操作し、左手101の第1指101aで第1のボタン61の第2の変位部61bを操作し、右手102の第1指102aで第2のボタン62の第4の変位部62bを操作することで、両手を自然な姿勢にしたまま、ポインティングデバイス6を用いた入力操作を行うことができる。
【0035】
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態にかかる情報処理装置は、従来のノートパソコンに搭載されていることが多い第2のスイッチ61e及び第4のスイッチ62eに加えて、キーボード5に近い位置に第1のスイッチ61d及び第3のスイッチ62dを備え、さらに、第1のボタン61に第1のスイッチ61dの導通状態を切り換え可能な第1の変位部61aを備え、第2のボタン62に第3のスイッチ62dの導通状態を切り換え可能な第3の変位部62aを備えた。これにより、ユーザーがキーボード5のホームポジションに両手を位置させてキーボード5を操作しているときに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作する場合、指(例えば第1指101a及び102a)の移動量が少なくてすむため、両手をホームポジションから大きく離さずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。すなわち、キーボード5を用いた入力操作を中断させずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに同一機能を割り当てたことにより、第1のボタン61の第1の変位部61aと第2の変位部61bとを必要に応じて使い分けることができる。また、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとに同一機能を割り当てたことにより、第2のボタン62の第3の変位部62aと第4の変位部62bとを必要に応じて使い分けることができる。例えば、ユーザーがキーボード5とポインティングデバイス6とを併用して入力操作を行う場合は、第1のボタン61の第1の変位部61a及び第2のボタン62の第3の変位部62aを用いる方が指の移動量が少なくてすむため、キーボード5を用いた入力操作の操作性を損なわずにボタン操作を行うことができるとともに、両手にかかる疲労感を軽減することができる。また、ユーザーがポインティングデバイス6のみを用いて入力操作を行う場合は、第1のボタン61の第2の変位部61b及び第2のボタン62の第4の変位部62bを用いる方が、両手を自然な姿勢にして入力操作を行うことができるため、両手にかかる疲労感を軽減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、ポインティングデバイス(入力装置)を備えた機器の一例として情報処理装置(ノートパソコン)を挙げたが、例えばノートパソコンに外部接続可能でポインティングデバイスのみを備えた入力機器や、ノートパソコンに外部接続可能でポインティングデバイスとキーボードとを備えた入力機器にも適用できる。
【0038】
なお、本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第3のスイッチ62dとに同一機能を割り当て、第2のスイッチ61eと第4のスイッチ62eとに同一機能を割り当て、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに互いに異なる機能を割り当ててもよい。また、4個の各スイッチに、互いに異なる機能を割り当ててもよい。
【0039】
また、本実施の形態では、2つのボタン(第1のボタン61、第2のボタン62)を備えたが、第1のスイッチ61d、第2のスイッチ61e、第3のスイッチ62d、および第4のスイッチ62eのそれぞれに独立して重なる位置にボタンを備えた構成としてもよい。すなわち、4個のスイッチに対応した4個のボタンを備えた構成としてもよい。その場合、第1のスイッチ61dと第3のスイッチ62dに同一機能を割り当て、第2のスイッチ61eと第4のスイッチ62eに同一機能を割り当てる。
【0040】
また、本実施の形態における第1の固定部61c及び第2の固定部62cは、それぞれパッド部63をキーボード5側と前面1cとに二等分する仮想線L1を通る形状としたが、第1のボタン61及び第2のボタン62とキーボード5との離隔距離に応じて適宜変更して配置させることもできる。
【0041】
また、本実施の形態におけるポインティングデバイス6は、入力装置の一例である。本実施の形態におけるノートパソコンは、情報処理装置の一例である。本実施の形態におけるパッド部63は、パッド部の一例である。本実施の形態における第1のボタン61、第2のボタン62は、複数のボタンの一例である。本実施の形態における第1のボタン61は、第1のボタンの一例である。本実施の形態における第2のボタン62は、第2のボタンの一例である。本実施の形態における第1のスイッチ61d、第2のスイッチ61e、第3のスイッチ62d、第4のスイッチ62eは、複数のスイッチの一例である。本実施の形態における第1のスイッチ61dは、第1のスイッチの一例である。本実施の形態における第2のスイッチ61eは、第2のスイッチの一例である。本実施の形態における第3のスイッチ62dは、第3のスイッチの一例である。本実施の形態における第4のスイッチ62eは、第4のスイッチの一例である。
【0042】
以下、本実施の形態の入力装置の変形例を開示する。
【0043】
(変形例1)
図6は、他の構成を有するポインティングデバイスを備えた第1の筐体1の平面図である。図6に示す情報処理装置は、平面形状が円形のポインティングデバイス16を備えている。ポインティングデバイス16は、第1のボタン161、第2のボタン162、およびパッド部163を備えている。第1のボタン161、第2のボタン162、およびパッド部163の各構成及び機能は、上記実施形態で説明した、第1のボタン61、第2のボタン62、およびパッド部63とそれぞれ同等である。パッド部163は、平面形状が円形である。第1のボタン161及び第2のボタン162は、それぞれ円弧形状に形成され、パッド部163を囲むように配置されている。
【0044】
このような構成とすることにより、キーボード5と第1のボタン161及び第2のボタン162との距離を近づけることができる。このため、キーボード5を操作しているときに第1のボタン161及び第2のボタン162を操作する際の指の移動量を少なくすることができ、キーボード5を用いた入力操作の操作性を損なわずにボタン操作を行うことができるとともに、両手にかかる疲労感を軽減することができる。
【0045】
また、キーボード5と第1のボタン161との間に、左手の第1指を配置できる領域164aを設けることができるので、キーボード5を用いた入力操作の操作性を向上することができる。また、キーボード5と第2のボタン162との間に、右手の第1指を配置できる領域164bを設けることができるので、キーボード5を用いた入力操作の操作性を向上することができる。すなわち、ユーザーが両手をキーボード5のホームポジションに配置させ、第1指以外の指でキーボード5の入力操作を行う場合に、第1指を領域164a及び164bに配置させることで両手を自然な姿勢にしてキーボード5を用いた入力操作を行うことができ、ユーザーが感じる疲労感を軽減することができる。また、領域164aを設けることで、左手の第1指で第1のボタン161及びパッド部163を誤操作してしまうことを防止することができる。また、領域164bを設けることで、右手の第1指で第2のボタン162及びパッド部163を誤操作してしまうことを防止することができる。
【0046】
(変形例2)
図7は、他の構成のポインティングデバイスの拡大平面図である。図8A〜図8Cは、図7におけるZ−Z部の断面図である。なお、図7に示すポインティングデバイスにおいて、図3等に示すポインティングデバイスと同様の構成については同一符号を付与して詳細な説明は省略する。図7に示すポインティングデバイスは、第1の筐体1へのボタンの支持構造に特徴がある。
【0047】
第1のボタン71は、支軸71cが形成されている。支軸71cは、第1の筐体1に形成された支持部71dの孔部に、回転可能に支持されている。したがって、第1のボタン71は、支持部71dに矢印DまたはE(図8A参照)に示す方向へ回転可能に支持されている。第1のボタン71は、図3に示す第1のボタン61とは異なり、弾性変形しない材料で形成されていることが好ましい。
【0048】
第2のボタン72は、支軸72cが形成されている。支軸72cは、第1の筐体1に形成された支持部72dの孔部に、回転可能に支持されている。したがって、第2のボタン72は、支持部72dに矢印DまたはE(図8A参照)に示す方向へ回転可能に支持されている。第2のボタン72は、図3に示す第2のボタン62とは異なり、弾性変形しない材料で形成されていることが好ましい。
【0049】
第1のボタン71は、ユーザーにより押圧されていない状態では、第1のスイッチ61d及び第2のスイッチ61eから浮上(離間)している。また、第2のボタン72は、図8Aに示すようにユーザーにより押圧されていない状態では、第3のスイッチ62d及び第4のスイッチ62eから浮上(離間)している。
【0050】
図8Aに示す状態から、ユーザーが第2のボタン72の第3の変位部72aを矢印Dに示す方向へ押圧すると、第2のボタン72は、支軸72cの軸周りに矢印Dに示す方向へ回転する。図8Bは、第2のボタン72が矢印Dに示す方向へ回転し、第2のボタン72が第3のスイッチ62dに当接した状態を示す。図8Bに示すように、第3の変位部72aを第3のスイッチ62dに当接させることで、第3のスイッチ72dの接点(不図示)を導通状態となる。このとき、第2のボタン72の第4の変位部72b側は、第4のスイッチ62eからさらに離れた位置へ変位している。
【0051】
図8Aに示す状態から、ユーザーが第2のボタン72の第4の変位部72bを矢印Dに示す方向へ押圧すると、第2のボタン72は、支軸72cの軸周りに矢印Eに示す方向へ回転する。図8Cは、第2のボタン72が矢印Eに示す方向へ回転し、第2のボタン72が第4のスイッチ62eに当接した状態を示す。図8Cに示すように、第4の変位部72bを第4のスイッチ62eに当接させることで、第4のスイッチ72eの接点(不図示)を導通状態となる。このとき、第2のボタン72の第3の変位部72a側は、第3のスイッチ62dからさらに離れた位置へ変位している。
【0052】
なお、第1のボタン71が第1のスイッチ61dまたは第2のスイッチ61eに当接している状態について図示及び説明を省略しているが、第1の変位部71a及び第2の変位部71bが押圧操作された際の第1のボタン71の動作については、図8B及び図8Cに示す動作とほぼ同じである。
【0053】
上記変形例によれば、第1のボタン71及び第2のボタン72が繰り返し押されたとしても劣化が少ない。
【0054】
なお、本変形例2におけるパッド部63は矩形形状として説明したが、例えば変形例1におけるパッド部163のように円形形状であっても同様に適用することができ、円形形状を採用することにより生起される効果は同様である。このとき、第1のボタンと第2のボタンとを変形例1に示したような円弧形状とすることができる。
【0055】
(変形例3)
図9は、他の構成のポインティングデバイスを備えた第1の筐体の平面図である。なお、図9に示すポインティングデバイスにおいて、図3等に示すポインティングデバイスと同様の構成については同一符号を付与して詳細な説明は省略する。図9に示すポインティングデバイスは、ボタンの形状に特徴がある。
【0056】
第1のボタン81は、その端部81aがパッド部83の端部83a(キーボード5側の端部)と略面一になる形状に形成されている。第1のボタン81は、第1の固定部81cに固定されている。第1のボタン81は、図3に示す第1のボタン61と同様に弾性変形可能に形成されている。第1のスイッチ61dは、端部81aの近傍における第1のボタン81の下部に配置されている。
【0057】
第2のボタン82は、その端部82aがパッド部83の端部83a(キーボード5側の端部)と略面一になる形状に形成されている。第2のボタン82は、第2の固定部82cに固定されている。第2のボタン82は、図3に示す第2のボタン62と同様に弾性変形可能に形成されている。第3のスイッチ62dは、端部82aの近傍における第2のボタン82の下部に配置されている。
【0058】
なお、第1のボタン81及び第2のボタン82がユーザーにより押圧操作された際の動作については、図4A〜図4C等に図示した動作と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
このような構成とすることにより、キーボード5とポインティングデバイス6との間に、左手及び右手の第1指を配置できる領域84を設けることができるので、キーボード5を用いた入力操作の操作性を向上することができる。すなわち、ユーザーが両手をキーボード5のホームポジションに配置させ、第1指以外の指でキーボード5の入力操作を行う場合に、第1指を領域84に配置させることで両手を自然な姿勢にしてキーボード5を用いた入力操作を行うことができ、ユーザーが感じる疲労感を軽減することができる。
【0060】
また、領域84の幅寸法G1を小さくする、すなわちポインティングデバイス6をキーボード5に近づけて配置することができるので、第1の筐体1の幅寸法G2を小さくすることができ、第1の筐体1を小型化することができる。
【0061】
なお、本変形例3におけるパッド部83は矩形形状として説明したが、例えば変形例1におけるパッド部163のように円形形状であっても同様に適用することができ、円形形状を採用することにより生起される効果は同様である。
【0062】
[付記]
上記実施の形態および変形例として示した内容を、別の表現で表すと以下のようになる。
【0063】
[1]
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数のボタンと、
前記複数のボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチとを備え、
前記複数のスイッチは、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所によって当該複数のスイッチに含まれる特定のスイッチの導通状態が切り換えられるスイッチを含む、入力装置。
【0064】
[2]
前記複数のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【0065】
[3]
前記複数のボタンが、第1のボタンと及び第2のボタンとであり、
前記第1のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第1及び第2のスイッチと、
前記第2のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第3及び第4のスイッチとを備え、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第1のスイッチと前記第3のスイッチは、互いに異なる機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【0066】
[4]
前記複数のボタンは、それぞれ独立的に弾性変形可能である、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の入力装置。
【0067】
[5]
前記複数のボタンそれぞれを支持する支持部を、さらに備え、
前記複数のボタンそれぞれは、前記複数のスイッチのうち一方のスイッチを導通状態にする位置と、前記複数のスイッチのうち他方のスイッチを導通状態にする位置との間を変形可能または回転可能となるように、前記支持部に支持されている、請求項1記載の入力装置。
【0068】
[6]
複数のキーを備えたキーボードと、
前記キーボードの近傍に配されたポインティングデバイスとを備えた情報処理装置であって、
前記ポインティングデバイスは、
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数のボタンと、
前記複数のボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチとを備え、
前記複数のスイッチは、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所によって当該複数のスイッチに含まれる特定のスイッチの導通状態が切り換えられるスイッチを含み、
前記複数のスイッチのうち少なくとも一つのスイッチは、前記キーボードの近傍に配されている、情報処理装置。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本願は、入力装置およびそれを備えた情報処理装置に有用である。
【符号の説明】
【0070】
5 キーボード
6 ポインティングデバイス
61、161 第1のボタン
62、162 第2のボタン
63 パッド部
【技術分野】
【0001】
本願は、入力装置、およびそれを備えた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パーソナルコンピューター(以下ノートパソコンと称する)等の情報処理装置は、ユーザーがキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置を快適に操作できるよう様々な工夫がなされている。
【0003】
特許文献1は、キーボードとパッド面との間に設けられた第1のボタンと、パッド面の手前側に設けられた第2のボタンとを備えたパッド型ポインティングデバイスを開示している。第1のボタンは、キーボード上に設けられたトラックポイントの操作に対応したボタンである。第2のボタンは、パッド面の操作に対応したボタンである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−308166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1が開示している構成は、第1のボタンと第2のボタンに異なる機能を割り当てている。したがって、キーボードと第2のボタンとを用いて入力操作を行う場合は、第2のボタンを操作する際にキーボードのホームポジションに配置した手または指を第2のボタン側へ移動させなければならない。キーボードと第2のボタンとは互いに離れた位置に配置されているため、第2のボタンを操作する度に手または指をホームポジションから外さなければならず、操作性を低下させていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する入力装置は、ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられる。
【0007】
本願に開示する情報処理装置は、複数のキーを備えたキーボードと、前記キーボードの近傍に配されたポインティングデバイスとを備えた情報処理装置であって、前記ポインティングデバイスは、ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられ、前記ボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチのうち少なくとも一つのスイッチは、前記キーボードの近傍に配されている。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示によれば、手または指をキーボードのホームポジションから大きく外すことなく、パッド面及びそれに対応したボタンを操作することができ、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ノートパソコンの斜視図
【図2】第1の筐体の平面図
【図3】ポインティングデバイスの拡大平面図
【図4A】図3におけるZ−Z部の断面図
【図4B】第3の変位部が押された状態を示す断面図
【図4C】第4の変位部が押された状態を示す断面図
【図5】ユーザーによるキーボード及びポインティングデバイスの操作状態を示す平面図
【図6】入力装置の変形例1を示す平面図
【図7】入力装置の変形例2を示す平面図
【図8A】図7におけるZ−Z部の断面図
【図8B】第3の変位部が押された状態を示す断面図
【図8C】第4の変位部が押された状態を示す断面図
【図9】入力装置の変形例3を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態)
〔1.情報処理装置及び入力装置の構成〕
図1は、本実施の形態にかかるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図2は、第1の筐体1の上面1aの平面図である。
【0011】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板やハードディスクドライブなどを内蔵している。第2の筐体2は、ディスプレイパネル4を備えている。ディスプレイパネル4は、例えば液晶ディスプレイパネルで実現することができる。
【0012】
第1の筐体1と第2の筐体2とは、ヒンジ部3によって互いに回動自在に支持されている。ヒンジ部3は、第1の筐体1と第2の筐体2とを矢印AまたはBに示す方向へ回動自在に支持する回動軸を備えている。図2に示すように第1の筐体1の上面1aには、キーボード5とポインティングデバイス6とが配されている。キーボード5は、第1の筐体1の上面1aにおける、開閉軸Cに近い側に配置されている。ポインティングデバイス6は、第1の筐体の上面1aと前面1cとの境界と、キーボード5との間に、配置されている。第1の筐体の前面1cは、上面1aに隣接し、ユーザーがノートパソコンを操作する際にユーザーに対峙する面である。すなわち、ポインティングデバイス6は、ノートパソコンを操作するユーザーから見て、キーボード5よりも手前側に配置されている。なお、本実施の形態では、情報処理装置の一例としてノートパソコンを挙げたが、少なくともポインティングデバイスを備えた機器であればよい。
【0013】
図3は、ポインティングデバイス6の拡大平面図である。図4A〜図4Cは、図3におけるZ−Z部の断面図である。図4Aは、ユーザーにより第2のボタン62が押されていない状態を示す。図4B及び図4Cは、ユーザーの指100により第2のボタン62が押された状態を示す。なお、図4A〜図4Cは、第2のボタン62を通る部分の断面図を示しているが、第1のボタン61も同様の構成を有する。また、図4A〜図4Cは、本来であればパッド部63の断面形状も図示すべきであるが、第2のボタン62の構成を明確に図示するためにパッド部63の図示は省略している。
【0014】
ポインティングデバイス6は、第1のボタン61、第2のボタン62、およびパッド部63を備えている。
【0015】
第1のボタン61は、図3に示すように平面形状が略「コ」の字形状に形成されている。第1のボタン61は、第1の固定部61cに固定されている。第1の固定部61cは、第1の筐体1に一体的に形成されている。第1の固定部61cは、パッド部63の中心Pを通る線分L1上に配置されている。線分L1は、パッド部63をキーボード5側と前面1c側とを二等分する仮想線である。すなわち、第1のボタン61は、その長手方向の中央が第1の固定部61cに固定されている。第1のボタン61は、弾性変形可能な材料で形成されているとともに弾性変形可能な形状に形成されており、第1の固定部61cに固定された箇所以外の箇所(後述する第1の変位部61a、第2の変位部61b)が弾性変形可能である。本実施の形態では、第1のボタン61は、弾性変形可能とするために5mm程度の厚さを有する樹脂材料で形成したが、厚さや材料は適宜変更することができる。第1のボタン61は、第1の固定部61cに固定された部分以外の部分に第1の変位部61a及び第2の変位部61bを有する。第1の変位部61aは、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第1のスイッチ61dから浮上(離間)している。第2の変位部61bは、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第2のスイッチ61eから浮上(離間)している。なお、第1の変位部61aは、必ずしも第1のスイッチ61dから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第1のスイッチ61dを導通状態に移行させなければ第1のスイッチ61dに接していてもよい。また、第2の変位部61bは、必ずしも第2のスイッチ61eから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第2のスイッチ61eを導通状態へ移行させなければ第2のスイッチ61eに接していてもよい。第1の変位部61aと第2の変位部61bは、互いに独立して変位可能であるため、同時に変位することも可能である。
【0016】
第2のボタン62は、図3に示すように平面形状が略「コ」の字形状に形成されている。第2のボタン62は、第2の固定部62cに固定されている。第2の固定部62cは、第1の筐体1に一体的に形成されている。第2の固定部62cは、パッド部63の中心Pを通る線分L1上に配置されている。すなわち、第2のボタン62は、その長手方向の中央が第2の固定部62cに固定されている。第2のボタン62は、弾性変形可能な材料で形成されているとともに弾性変形可能な形状に形成されており、第2の固定部62cに固定された箇所以外の箇所(後述する第3の変位部62a、第4の変位部62b)が弾性変形可能である。本実施の形態では、第2のボタン62は、弾性変形可能とするために5mm程度の厚さを有する樹脂材料で形成したが、厚さや材料は適宜変更することができる。第2のボタン62は、第2の固定部62cに固定された部分以外の部分に第3の変位部62a及び第4の変位部62bを有する。第3の変位部62aは、図4Aに示すように、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第3のスイッチ62dから浮上(離間)している。第4の変位部62bは、図4Aに示すように、ユーザーにより押されず変位していない状態では、第1の筐体1及び第4のスイッチ62eから浮上(離間)している。なお、第3の変位部62aは、必ずしも第3のスイッチ62dから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第3のスイッチ62dを導通状態へ移行させなければ第3のスイッチ62dに接していてもよい。また、第4の変位部62bは、必ずしも第4のスイッチ62eから浮上している必要はなく、ユーザーにより押されていない状態において第4のスイッチ62eを導通状態へ移行させなければ第4のスイッチ62eに接していてもよい。第3の変位部62aと第4の変位部62bは、互いに独立して変位可能であるため、同時に変位することも可能である。
【0017】
第1のボタン61と第2のボタン62は、同一材料及び同一形状の部品とし、第1の筐体1に取り付ける際に図3に示す線分L2に対して対称的に配置する構成とすることで、ボタンの製造が簡素化できるため好ましい。なお、線分L2は、パッド部63の中心Pを通り、線分L1に直交する仮想線である。
【0018】
第1のスイッチ61dは、第1のボタン61のキーボード5側における第1の変位部61aの下部(すなわち、第1の変位部61aにおけるキーボード5側の直下部)に配置されている。第2のスイッチ61eは、第1のボタン61の前面1c側における第2の変位部61bの下部(すなわち、第2の変位部61bにおける前面1c側の直下部)に配置されている。第3のスイッチ62dは、第2のボタン62のキーボード5側における第3の変位部62aの下部(すなわち、第3の変位部62aにおけるキーボード5側の直下部)に配置されている。第4のスイッチ62eは、第2のボタン62の前面1c側における第4の変位部62bの下部(すなわち、4の変位部62bにおける前面1c側の直下部)に配置されている。
【0019】
第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eは、第1の固定部61cから極力離れた位置に配置することが好ましい。なぜなら、第1の変位部61a及び第2の変位部61bは第1の固定部61cから離れた位置ほど大きく変位することが可能であり、第1の変位部61a及び第2の変位部61bがユーザーにより押されて変位した際に第1のスイッチ61d及び第2のスイッチ61eに当接しやすくなるからである。また、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eは、第2の固定部62cから極力離れた位置に配置することが好ましい。なぜなら、第3の変位部62a及び第4の変位部62bは第2の固定部62cから離れた位置ほど大きく変位することが可能であり、第3の変位部62a及び第4の変位部62bがユーザーにより押されて変位した際に第3のスイッチ62d及び第4のスイッチ62eに当接しやすくなるからである。
【0020】
第1の変位部61a及び第3の変位部62aは、キーボード5の近傍位置に配置されている。また、第1のスイッチ61d及び第3のスイッチ62dは、キーボード5の近傍位置に配置されている。なお、「キーボード5の近傍位置」とは、ユーザーがキーボード5のホームポジション(「F」キー、「J」キー)に両手の第2指を配置している状態において、第1指が配置される位置、または第1指を僅かに移動させるだけで第1のボタン61及び第2のボタン62の上に第1指を配置できる程度の位置のことである。上記「第1指を僅かに移動」とは、ユーザーがキーボード5のホームポジション(「F」キー及び「J」キー)から第2指を離間させずに、第1指を第1のボタン61及び第2のボタン62の上に配置できる程度の第1指の移動量のことである。なお、第1のボタン61及び第2のボタン62の上に第1指を配置した状態において、手や腕は、自然な姿勢(ユーザーが強い疲労を感じない姿勢)であることが好ましい。また、キーボード5の近傍位置は、例えばQWERTY配列のキーボードの場合で言えば、「C」キー、「V」キー、「B」キー、「N」キー、「M」キー等から、当該キーの配列方向に対して直交する方向へ、例えば10〜30mm程度離れた位置とすることができる。
【0021】
本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに同一機能を割り当て、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとに同一機能を割り当て、第1のスイッチ61dと第3のスイッチ62dとに互いに異なる機能を割り当てている。各スイッチに割り当てる機能は、ノートパソコンにインストールされているオペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアで予め設定されていたり、ユーザーが任意の機能を割り当てたりすることができる。例えば、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに決定機能を割り当て、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとにキャンセル機能を割り当てることができる。
【0022】
パッド部63は、平板状の圧力センサーや静電容量センサー等で構成されている。パッド部63に備わるセンサーは、ユーザーの指等がパッド面63aに接触した際の圧力変化や静電容量変化を検出し、検出信号をノートパソコン内の信号処理部(不図示)へ送る。信号処理部(不図示)は、センサーから送られる検出信号に基づき、パッド面63aにおける指等の接触位置や指の動き等を把握し、例えばディスプレイパネル4に表示されるポインタを任意の位置へ移動させるよう制御する。
【0023】
以下、ポインティングデバイス6に備わるボタンの動作について説明する。
【0024】
第1のボタン61は、ユーザーにより押されていない状態では、第1のスイッチ61d及び第2のスイッチ61eから離間している。また、第2のボタン62は、例えば図4Aに示すようにユーザーにより押されていない状態では、第3のスイッチ62d及び第4のスイッチ62eから離間している。
【0025】
図4Bに示すように、ユーザーの指100が第2のボタン62の第3の変位部62aを矢印Dに示す方向へ押すと、第3の変位部62aが変位する。具体的には、第3の変位部62aは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、矢印Dに示す方向へ押された際に湾曲変形する。第3の変位部62aを所定位置まで変位させて第3のスイッチ62dに当接させることで、第3のスイッチ62dの接点(不図示)が導通状態となる。このとき、第4の変位部62bは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、変位しない。
【0026】
また、図4Cに示すように、ユーザーの指100が第2のボタン62の第4の変位部62bを矢印Dに示す方向へ押すと、第4の変位部62bが変位する。具体的には、第4の変位部62bは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、矢印Dに示す方向へ押された際に湾曲変形する。第4の変位部62bを所定位置まで変位させて第4のスイッチ62eに当接させることで、第4のスイッチ62eの接点(不図示)が導通状態となる。このとき、第3の変位部62aは、第2のボタン62が第2の固定部62cに固定されているため、変位しない。
【0027】
なお、上記説明では、第2のボタン62がユーザーの指100により押された際の動作について説明したが、第1のボタン61は第2のボタン62と同等の構成を有するため、第1のボタン61がユーザーに押された際の動作は第2のボタン62の動作と同等である。
【0028】
〔2.情報処理装置の操作方法〕
図5は、ユーザーがキーボード5を操作している状態を示す平面図である。なお、図5は、キーボード5及びポインティングデバイス6の構成を明確に図示するために、第1の筐体1のみ図示している。
【0029】
図5に示すユーザーの左手101及び右手102は、キーボード5におけるホームポジションに位置している。「ホームポジション」とは、キーボード5の「F」キー5aと「J」キー5bのことである。「ホームポジションに位置している」とは、ユーザーの左手101の第2指101b(人指し指)がキーボード5の「F」キー5aの上に位置し、右手102の第2指102b(人指し指)がキーボード5の「J」キー5bの上に位置している状態のことである。ユーザーが両手をキーボード5のホームポジションに位置させてキーボード5を操作することにより、両手の各指の移動量を少なくし、効率よく打鍵することができる。なお、図5は、左手101の第1指101a(親指)は第1のボタン61の上に位置し、右手102の第1指102a(親指)は第2のボタン62の上に位置するように図示しているが、ポインティングデバイス6を操作せずキーボード5のみを操作しているときは、ユーザーの左手101の第1指101a及び右手102の第1指102aは、キーボード5の上(例えばキー5c〜5e)に位置していることが多い。
【0030】
ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6を操作する際は、左手101の第1指101a及び右手102の第1指102aを用いる。
【0031】
具体的には、ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6のパッド部63を操作する場合は、左手101の第1指101aまたは右手102の第1指102aを、キーボード5(例えばキー5c〜5e)の上からパッド部63の上へ移動させる。このとき、ユーザーの手の大きさや指の長さにもよるが、左手101の第2指101bまたは右手102の第2指102bをキーボード5のホームポジションに位置させたまま、第1指101aまたは102aをパッド部63上に移動させることができる場合がある。この場合、手の移動量が少なくすむため、キーボード5を用いた入力操作とパッド部63を用いた入力操作との切り換えを迅速に行うことができる。ユーザーは、パッド部63上に移動させた指でパッド面63aに触れることで、パッド部63を用いた入力操作を行うことができる。
【0032】
また、ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6の第1のボタン61を操作する場合は、左手101の第1指101aを、キーボード5(例えばキー5c〜5e)の上から第1のボタン61の第1の変位部61aの上へ移動させる。このとき、ユーザーの手の大きさや指の長さにもよるが、左手101の第2指101bをキーボード5のホームポジション(「F」キー5a)に位置させたまま第1指101aを第1のボタン61の第1の変位部61a上に移動させることができる場合がある。少なくとも第1のボタン61における第1のスイッチ61dに重なる部分は、パッド部63よりもキーボード5に近い位置にあるため、左手101の第1指101aの移動量は、パッド部63を操作するときの第1指101aの移動量に比べて小さい。したがって、左手101の第2指101bをキーボード5のホームポジション(「F」キー5a)に位置させたまま第1指101aを第1のボタン61の第1の変位部61a上に移動できる可能性は高い。ユーザーは、第1のボタン61の第1の変位部61a上に移動させた指で第1の変位部61aを押す(図4Aに示す矢印Dに示す方向)ことで、第1のスイッチ61dを導通状態にすることができ、第1のスイッチ61aに割り当てられた機能を実行させることができる。
【0033】
また、ユーザーが左手101及び右手102をキーボード5のホームポジションに位置させているときにポインティングデバイス6の第2のボタン62を操作する場合は、右手102の第1指102aを、キーボード5(例えばキー5c〜5e)の上から第2のボタン62の第3の変位部62aの上へ移動させる。このとき、ユーザーの手の大きさや指の長さにもよるが、右手102の第2指102bをキーボード5のホームポジション(「J」キー5b)に位置させたまま第1指102aを第2のボタン62の第3の変位部62a上に移動させることができる場合がある。少なくとも第2のボタン62における第3のスイッチ62dに重なる部分は、パッド部63よりもキーボード5に近い位置にあるため、右手102の第1指102aの移動量は、パッド部63を操作するときの第1指102aの移動量に比べて小さい。したがって、右手102の第2指102bをキーボード5のホームポジション(「J」キー5b)に位置させたまま第1指102aを第2のボタン62の第3の変位部62a上に移動できる可能性は高い。ユーザーは、第2のボタン62の第3の変位部62a上に移動させた指で第3の変位部62aを押す(図4Aに示す矢印Dに示す方向)ことで、第3のスイッチ62dを導通状態にすることができ、第3のスイッチ62dに割り当てられた機能を実行させることができる。
【0034】
また、本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに同じ機能を割り当てているため、ユーザーが第1のボタン61における第1の変位部61aを押しても第2の変位部61bを押しても、同じ機能が実行される。また、本実施の形態では、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとに同じ機能を割り当てているため、ユーザーが第2のボタン62における第3の変位部62aを押しても第4の変位部62bを押しても、同じ機能が実行される。したがって、ユーザーがキーボード5を使わずポインティングデバイス6のみで入力操作を行う場合は、右手102の第2指102bでパッド部63を操作し、左手101の第1指101aで第1のボタン61の第2の変位部61bを操作し、右手102の第1指102aで第2のボタン62の第4の変位部62bを操作することで、両手を自然な姿勢にしたまま、ポインティングデバイス6を用いた入力操作を行うことができる。
【0035】
〔3.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態にかかる情報処理装置は、従来のノートパソコンに搭載されていることが多い第2のスイッチ61e及び第4のスイッチ62eに加えて、キーボード5に近い位置に第1のスイッチ61d及び第3のスイッチ62dを備え、さらに、第1のボタン61に第1のスイッチ61dの導通状態を切り換え可能な第1の変位部61aを備え、第2のボタン62に第3のスイッチ62dの導通状態を切り換え可能な第3の変位部62aを備えた。これにより、ユーザーがキーボード5のホームポジションに両手を位置させてキーボード5を操作しているときに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作する場合、指(例えば第1指101a及び102a)の移動量が少なくてすむため、両手をホームポジションから大きく離さずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。すなわち、キーボード5を用いた入力操作を中断させずに第1のボタン61及び第2のボタン62を操作することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに同一機能を割り当てたことにより、第1のボタン61の第1の変位部61aと第2の変位部61bとを必要に応じて使い分けることができる。また、第3のスイッチ62dと第4のスイッチ62eとに同一機能を割り当てたことにより、第2のボタン62の第3の変位部62aと第4の変位部62bとを必要に応じて使い分けることができる。例えば、ユーザーがキーボード5とポインティングデバイス6とを併用して入力操作を行う場合は、第1のボタン61の第1の変位部61a及び第2のボタン62の第3の変位部62aを用いる方が指の移動量が少なくてすむため、キーボード5を用いた入力操作の操作性を損なわずにボタン操作を行うことができるとともに、両手にかかる疲労感を軽減することができる。また、ユーザーがポインティングデバイス6のみを用いて入力操作を行う場合は、第1のボタン61の第2の変位部61b及び第2のボタン62の第4の変位部62bを用いる方が、両手を自然な姿勢にして入力操作を行うことができるため、両手にかかる疲労感を軽減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、ポインティングデバイス(入力装置)を備えた機器の一例として情報処理装置(ノートパソコン)を挙げたが、例えばノートパソコンに外部接続可能でポインティングデバイスのみを備えた入力機器や、ノートパソコンに外部接続可能でポインティングデバイスとキーボードとを備えた入力機器にも適用できる。
【0038】
なお、本実施の形態では、第1のスイッチ61dと第3のスイッチ62dとに同一機能を割り当て、第2のスイッチ61eと第4のスイッチ62eとに同一機能を割り当て、第1のスイッチ61dと第2のスイッチ61eとに互いに異なる機能を割り当ててもよい。また、4個の各スイッチに、互いに異なる機能を割り当ててもよい。
【0039】
また、本実施の形態では、2つのボタン(第1のボタン61、第2のボタン62)を備えたが、第1のスイッチ61d、第2のスイッチ61e、第3のスイッチ62d、および第4のスイッチ62eのそれぞれに独立して重なる位置にボタンを備えた構成としてもよい。すなわち、4個のスイッチに対応した4個のボタンを備えた構成としてもよい。その場合、第1のスイッチ61dと第3のスイッチ62dに同一機能を割り当て、第2のスイッチ61eと第4のスイッチ62eに同一機能を割り当てる。
【0040】
また、本実施の形態における第1の固定部61c及び第2の固定部62cは、それぞれパッド部63をキーボード5側と前面1cとに二等分する仮想線L1を通る形状としたが、第1のボタン61及び第2のボタン62とキーボード5との離隔距離に応じて適宜変更して配置させることもできる。
【0041】
また、本実施の形態におけるポインティングデバイス6は、入力装置の一例である。本実施の形態におけるノートパソコンは、情報処理装置の一例である。本実施の形態におけるパッド部63は、パッド部の一例である。本実施の形態における第1のボタン61、第2のボタン62は、複数のボタンの一例である。本実施の形態における第1のボタン61は、第1のボタンの一例である。本実施の形態における第2のボタン62は、第2のボタンの一例である。本実施の形態における第1のスイッチ61d、第2のスイッチ61e、第3のスイッチ62d、第4のスイッチ62eは、複数のスイッチの一例である。本実施の形態における第1のスイッチ61dは、第1のスイッチの一例である。本実施の形態における第2のスイッチ61eは、第2のスイッチの一例である。本実施の形態における第3のスイッチ62dは、第3のスイッチの一例である。本実施の形態における第4のスイッチ62eは、第4のスイッチの一例である。
【0042】
以下、本実施の形態の入力装置の変形例を開示する。
【0043】
(変形例1)
図6は、他の構成を有するポインティングデバイスを備えた第1の筐体1の平面図である。図6に示す情報処理装置は、平面形状が円形のポインティングデバイス16を備えている。ポインティングデバイス16は、第1のボタン161、第2のボタン162、およびパッド部163を備えている。第1のボタン161、第2のボタン162、およびパッド部163の各構成及び機能は、上記実施形態で説明した、第1のボタン61、第2のボタン62、およびパッド部63とそれぞれ同等である。パッド部163は、平面形状が円形である。第1のボタン161及び第2のボタン162は、それぞれ円弧形状に形成され、パッド部163を囲むように配置されている。
【0044】
このような構成とすることにより、キーボード5と第1のボタン161及び第2のボタン162との距離を近づけることができる。このため、キーボード5を操作しているときに第1のボタン161及び第2のボタン162を操作する際の指の移動量を少なくすることができ、キーボード5を用いた入力操作の操作性を損なわずにボタン操作を行うことができるとともに、両手にかかる疲労感を軽減することができる。
【0045】
また、キーボード5と第1のボタン161との間に、左手の第1指を配置できる領域164aを設けることができるので、キーボード5を用いた入力操作の操作性を向上することができる。また、キーボード5と第2のボタン162との間に、右手の第1指を配置できる領域164bを設けることができるので、キーボード5を用いた入力操作の操作性を向上することができる。すなわち、ユーザーが両手をキーボード5のホームポジションに配置させ、第1指以外の指でキーボード5の入力操作を行う場合に、第1指を領域164a及び164bに配置させることで両手を自然な姿勢にしてキーボード5を用いた入力操作を行うことができ、ユーザーが感じる疲労感を軽減することができる。また、領域164aを設けることで、左手の第1指で第1のボタン161及びパッド部163を誤操作してしまうことを防止することができる。また、領域164bを設けることで、右手の第1指で第2のボタン162及びパッド部163を誤操作してしまうことを防止することができる。
【0046】
(変形例2)
図7は、他の構成のポインティングデバイスの拡大平面図である。図8A〜図8Cは、図7におけるZ−Z部の断面図である。なお、図7に示すポインティングデバイスにおいて、図3等に示すポインティングデバイスと同様の構成については同一符号を付与して詳細な説明は省略する。図7に示すポインティングデバイスは、第1の筐体1へのボタンの支持構造に特徴がある。
【0047】
第1のボタン71は、支軸71cが形成されている。支軸71cは、第1の筐体1に形成された支持部71dの孔部に、回転可能に支持されている。したがって、第1のボタン71は、支持部71dに矢印DまたはE(図8A参照)に示す方向へ回転可能に支持されている。第1のボタン71は、図3に示す第1のボタン61とは異なり、弾性変形しない材料で形成されていることが好ましい。
【0048】
第2のボタン72は、支軸72cが形成されている。支軸72cは、第1の筐体1に形成された支持部72dの孔部に、回転可能に支持されている。したがって、第2のボタン72は、支持部72dに矢印DまたはE(図8A参照)に示す方向へ回転可能に支持されている。第2のボタン72は、図3に示す第2のボタン62とは異なり、弾性変形しない材料で形成されていることが好ましい。
【0049】
第1のボタン71は、ユーザーにより押圧されていない状態では、第1のスイッチ61d及び第2のスイッチ61eから浮上(離間)している。また、第2のボタン72は、図8Aに示すようにユーザーにより押圧されていない状態では、第3のスイッチ62d及び第4のスイッチ62eから浮上(離間)している。
【0050】
図8Aに示す状態から、ユーザーが第2のボタン72の第3の変位部72aを矢印Dに示す方向へ押圧すると、第2のボタン72は、支軸72cの軸周りに矢印Dに示す方向へ回転する。図8Bは、第2のボタン72が矢印Dに示す方向へ回転し、第2のボタン72が第3のスイッチ62dに当接した状態を示す。図8Bに示すように、第3の変位部72aを第3のスイッチ62dに当接させることで、第3のスイッチ72dの接点(不図示)を導通状態となる。このとき、第2のボタン72の第4の変位部72b側は、第4のスイッチ62eからさらに離れた位置へ変位している。
【0051】
図8Aに示す状態から、ユーザーが第2のボタン72の第4の変位部72bを矢印Dに示す方向へ押圧すると、第2のボタン72は、支軸72cの軸周りに矢印Eに示す方向へ回転する。図8Cは、第2のボタン72が矢印Eに示す方向へ回転し、第2のボタン72が第4のスイッチ62eに当接した状態を示す。図8Cに示すように、第4の変位部72bを第4のスイッチ62eに当接させることで、第4のスイッチ72eの接点(不図示)を導通状態となる。このとき、第2のボタン72の第3の変位部72a側は、第3のスイッチ62dからさらに離れた位置へ変位している。
【0052】
なお、第1のボタン71が第1のスイッチ61dまたは第2のスイッチ61eに当接している状態について図示及び説明を省略しているが、第1の変位部71a及び第2の変位部71bが押圧操作された際の第1のボタン71の動作については、図8B及び図8Cに示す動作とほぼ同じである。
【0053】
上記変形例によれば、第1のボタン71及び第2のボタン72が繰り返し押されたとしても劣化が少ない。
【0054】
なお、本変形例2におけるパッド部63は矩形形状として説明したが、例えば変形例1におけるパッド部163のように円形形状であっても同様に適用することができ、円形形状を採用することにより生起される効果は同様である。このとき、第1のボタンと第2のボタンとを変形例1に示したような円弧形状とすることができる。
【0055】
(変形例3)
図9は、他の構成のポインティングデバイスを備えた第1の筐体の平面図である。なお、図9に示すポインティングデバイスにおいて、図3等に示すポインティングデバイスと同様の構成については同一符号を付与して詳細な説明は省略する。図9に示すポインティングデバイスは、ボタンの形状に特徴がある。
【0056】
第1のボタン81は、その端部81aがパッド部83の端部83a(キーボード5側の端部)と略面一になる形状に形成されている。第1のボタン81は、第1の固定部81cに固定されている。第1のボタン81は、図3に示す第1のボタン61と同様に弾性変形可能に形成されている。第1のスイッチ61dは、端部81aの近傍における第1のボタン81の下部に配置されている。
【0057】
第2のボタン82は、その端部82aがパッド部83の端部83a(キーボード5側の端部)と略面一になる形状に形成されている。第2のボタン82は、第2の固定部82cに固定されている。第2のボタン82は、図3に示す第2のボタン62と同様に弾性変形可能に形成されている。第3のスイッチ62dは、端部82aの近傍における第2のボタン82の下部に配置されている。
【0058】
なお、第1のボタン81及び第2のボタン82がユーザーにより押圧操作された際の動作については、図4A〜図4C等に図示した動作と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
このような構成とすることにより、キーボード5とポインティングデバイス6との間に、左手及び右手の第1指を配置できる領域84を設けることができるので、キーボード5を用いた入力操作の操作性を向上することができる。すなわち、ユーザーが両手をキーボード5のホームポジションに配置させ、第1指以外の指でキーボード5の入力操作を行う場合に、第1指を領域84に配置させることで両手を自然な姿勢にしてキーボード5を用いた入力操作を行うことができ、ユーザーが感じる疲労感を軽減することができる。
【0060】
また、領域84の幅寸法G1を小さくする、すなわちポインティングデバイス6をキーボード5に近づけて配置することができるので、第1の筐体1の幅寸法G2を小さくすることができ、第1の筐体1を小型化することができる。
【0061】
なお、本変形例3におけるパッド部83は矩形形状として説明したが、例えば変形例1におけるパッド部163のように円形形状であっても同様に適用することができ、円形形状を採用することにより生起される効果は同様である。
【0062】
[付記]
上記実施の形態および変形例として示した内容を、別の表現で表すと以下のようになる。
【0063】
[1]
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数のボタンと、
前記複数のボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチとを備え、
前記複数のスイッチは、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所によって当該複数のスイッチに含まれる特定のスイッチの導通状態が切り換えられるスイッチを含む、入力装置。
【0064】
[2]
前記複数のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【0065】
[3]
前記複数のボタンが、第1のボタンと及び第2のボタンとであり、
前記第1のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第1及び第2のスイッチと、
前記第2のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第3及び第4のスイッチとを備え、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第1のスイッチと前記第3のスイッチは、互いに異なる機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【0066】
[4]
前記複数のボタンは、それぞれ独立的に弾性変形可能である、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の入力装置。
【0067】
[5]
前記複数のボタンそれぞれを支持する支持部を、さらに備え、
前記複数のボタンそれぞれは、前記複数のスイッチのうち一方のスイッチを導通状態にする位置と、前記複数のスイッチのうち他方のスイッチを導通状態にする位置との間を変形可能または回転可能となるように、前記支持部に支持されている、請求項1記載の入力装置。
【0068】
[6]
複数のキーを備えたキーボードと、
前記キーボードの近傍に配されたポインティングデバイスとを備えた情報処理装置であって、
前記ポインティングデバイスは、
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数のボタンと、
前記複数のボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチとを備え、
前記複数のスイッチは、ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所によって当該複数のスイッチに含まれる特定のスイッチの導通状態が切り換えられるスイッチを含み、
前記複数のスイッチのうち少なくとも一つのスイッチは、前記キーボードの近傍に配されている、情報処理装置。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本願は、入力装置およびそれを備えた情報処理装置に有用である。
【符号の説明】
【0070】
5 キーボード
6 ポインティングデバイス
61、161 第1のボタン
62、162 第2のボタン
63 パッド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、
前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、
ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられる、入力装置。
【請求項2】
1つの前記ボタンの下部に位置する複数の前記スイッチに、同じ機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記複数のボタンが、第1のボタンと第2のボタンとであり、
前記第1のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第1及び第2のスイッチと、
前記第2のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第3及び第4のスイッチとを備え、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第1のスイッチと前記第3のスイッチは、互いに異なる機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記複数のボタンの複数の前記変位部は、それぞれ独立的に弾性変形可能である、請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
前記複数のボタンそれぞれを支持する支持部をさらに備え、
前記複数のボタンそれぞれは、前記支持部を挟んで配置される2つの変位部を有し、
前記ボタンは、前記2つの変位部の下部にそれぞれ配された前記スイッチのうち、いずれか一方のスイッチを導通状態にする位置と、他方のスイッチを導通状態にする位置との間を変形可能または回転可能となるように、前記支持部に支持されている、請求項1記載の入力装置。
【請求項6】
複数のキーを備えたキーボードと、
前記キーボードの近傍に配されたポインティングデバイスとを備えた情報処理装置であって、
前記ポインティングデバイスは、
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、
前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、
ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられ、
前記ボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチのうち少なくとも一つのスイッチは、前記キーボードの近傍に配されている、情報処理装置。
【請求項1】
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、
前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、
ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられる、入力装置。
【請求項2】
1つの前記ボタンの下部に位置する複数の前記スイッチに、同じ機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記複数のボタンが、第1のボタンと第2のボタンとであり、
前記第1のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第1及び第2のスイッチと、
前記第2のボタンの下部で、前記パッド部を挟んで互いに対向する位置に配された第3及び第4のスイッチとを備え、
前記第1のスイッチと前記第2のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第3のスイッチと前記第4のスイッチは、互いに同じ機能が割り当てられ、
前記第1のスイッチと前記第3のスイッチは、互いに異なる機能が割り当てられている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記複数のボタンの複数の前記変位部は、それぞれ独立的に弾性変形可能である、請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
前記複数のボタンそれぞれを支持する支持部をさらに備え、
前記複数のボタンそれぞれは、前記支持部を挟んで配置される2つの変位部を有し、
前記ボタンは、前記2つの変位部の下部にそれぞれ配された前記スイッチのうち、いずれか一方のスイッチを導通状態にする位置と、他方のスイッチを導通状態にする位置との間を変形可能または回転可能となるように、前記支持部に支持されている、請求項1記載の入力装置。
【請求項6】
複数のキーを備えたキーボードと、
前記キーボードの近傍に配されたポインティングデバイスとを備えた情報処理装置であって、
前記ポインティングデバイスは、
ユーザーによる接触操作を受け付けるパッド部と、
前記パッド部の周囲の少なくとも一部に配され、ユーザーによる押圧操作によって変位可能な複数の変位部をそれぞれ有する複数のボタンと、
前記ボタンの前記変位部の下部にそれぞれ配されたスイッチとを備え、
ユーザーによる前記ボタンの押圧箇所の変位部が変位して、当該変位部の下部に位置するスイッチの導通状態が切り換えられ、
前記ボタンそれぞれの下部に配された複数のスイッチのうち少なくとも一つのスイッチは、前記キーボードの近傍に配されている、情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【公開番号】特開2012−146294(P2012−146294A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279679(P2011−279679)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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