入力装置
【課題】スタイラスペンを押下する圧力に応じて、拡大表示領域のサイズ、あるいは拡大率を動的に変化させ、かつ、スタイラスペンの移動に追随させて拡大表示領域を移動することができる入力装置を提供する。
【解決手段】ダブルノック式のノック部を備えたスタイラスペン110と、座標入力部103と、座標情報検知部102と、座標情報の履歴に基づきスタイラスペンの接触状態を判定する接触状態判定部104と、表示部109と、指定した座標位置の周辺の拡大画像を生成する拡大画像生成部107と、表示部に表示する画像情報に、拡大画像を重畳して表示する画像表示制御部108と、押下圧力と拡大表示領域のサイズを対応付けた対応テーブル105と、ノック判定部106を備え、スタイラスペンを画面に接触させたとき拡大表示領域を元画像に重畳して表示するように構成する。
【解決手段】ダブルノック式のノック部を備えたスタイラスペン110と、座標入力部103と、座標情報検知部102と、座標情報の履歴に基づきスタイラスペンの接触状態を判定する接触状態判定部104と、表示部109と、指定した座標位置の周辺の拡大画像を生成する拡大画像生成部107と、表示部に表示する画像情報に、拡大画像を重畳して表示する画像表示制御部108と、押下圧力と拡大表示領域のサイズを対応付けた対応テーブル105と、ノック判定部106を備え、スタイラスペンを画面に接触させたとき拡大表示領域を元画像に重畳して表示するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、タッチパネル又はタッチパッドを有するコンピュータ本体、携帯型電子機器本体等の本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや携帯電話、PDA等の電子機器において、透過型のポインティングデバイスを表示装置に貼り合わせた、いわゆるタッチパネル型入力装置を搭載した電子機器が普及してきている。これらの機器では、画面上に表示された図形等に対してスタイラスペンあるいは指による操作を行なうと、前記ポインティングデバイスが操作を検知し、機器に対する指示を受付けるものである。
【0003】
従来、この種の入力装置として、感圧式入力装置(ポインティングデバイス)を有し、スタイラスペンの押下圧力に応じて、既に画面上に表示されている図形オブジェクトを選択するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、画面上でスタイラスペンを画面に接触させ、押下する圧力を徐々に高めてゆくと、所定の圧力を超えた時点から画面上に円形の選択領域が表示される。その後、押下する圧力に応じて前記選択領域が拡大あるいは縮小し、既に画面上に表示されている図形オブジェクトの選択を行なうことができる。
【0004】
また、平面型座標入力装置(ポインティングデバイス)において、いわゆるタップ操作を行なうと、画面上に表示している図形を拡大表示するように構成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。これによれば、画面上でタップ操作を行なうと、同操作を行なった位置の周辺に表示されている図形を、あらかじめ定められた位置に、あらかじめ定められていた拡大率にて拡大表示を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−280532号公報(第14頁、図3、4、5)
【特許文献2】特開2001−242981号公報(第6頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された入力装置では、スタイラスペンを押下する圧力に応じて、図形オブジェクトを選択するための選択範囲が拡大あるいは縮小するようにしており、表示されている図形自体を拡大表示することができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された入力装置では、タップ操作を行なうことにより、あらかじめ定められた位置およびサイズで、また、あらかじめ定められた拡大率にて拡大表示を行なうようにしており、拡大表示領域の位置を動的に変更することや、拡大表示領域のサイズ、拡大率も動的に変更することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、スタイラスペンを押下する圧力に応じて、拡大表示領域のサイズを動的に変化させること、あるいは拡大率を動的に変化させることができ、また、スタイラスペンが接触している画面上の位置を移動させることにより、拡大表示領域を追随させて移動することができるスタイラス入力装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の入力装置は、スタイラスペンと、前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、画像を表示する表示部と、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいて、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える。
【0010】
この構成により、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0011】
また、本発明の入力装置は、スタイラスペンと、前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、画像を表示する表示部と、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた範囲の、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える。
【0012】
この構成により、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0013】
また、本発明の入力装置は、前記座標入力部の検出した前記押下圧力情報の履歴に基づき前記スタイラスペンの接触状態を判定する接触状態判定部と、を備え、前記スタイラスペンは、先端部分が所定の押下圧力以上で押下されると軸筒に押し込まれるノックが発生し、前記接触状態判定部は、前記押下圧力情報の履歴に基づきスタイラスペンのノックを検出し、前記拡大画像生成部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を生成し、前記画像表示制御部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記表示部に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を表示させるものを含む。
【0014】
この構成により、スタイラスペンを押下してノックを発生させたとき、指示している位置を中心として画面全体を拡大するので、表示中の画像を拡大する際の中心位置を容易に決めることができ、また、前記中心位置を元に画面全体を拡大することができる。
【0015】
また、本発明の入力装置は、スタイラスペンと、前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、画像を表示する表示部と、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた拡大率で拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える。
【0016】
この構成により、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた拡大率で拡大した拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0018】
また、本発明の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0019】
また、本発明の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、押下圧力に基づいた拡大率で、その押下した点を中心とした拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1におけるスタイラスペンの押下圧力と対応する拡大表示領域サイズを記憶した対応テーブルの内容を示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の利用状況の例を示す図
【図5】本発明の実施の形態2におけるスタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート図
【図6】本発明の実施の形態2におけるスタイラスペンの押下圧力と対応する拡大率を記憶した対応テーブルの内容を示す図
【図7】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の利用状況の例を示す図
【図8】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の拡大表示領域の表示位置の例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置のダブルノック式のノック部を備えた指示体(スタイラスペン)の構造を示す図
【図10】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置のダブルノック式のノック部を備えた指示体(スタイラスペン)にてノックを発生させた際の押下圧力の変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるスタイラス入力装置の概略構成図、図2は、同スタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート、図3は、図1に示す対応テーブル105の一例を示すテーブル、図4は、同スタイラス入力装置における画面表示状態および、スタイラスによる操作の一例を示す模式図である。
【0023】
まず、本実施の形態1のスタイラス入力装置の構成を図1を用いて説明する。図1に、本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の概略構成図を示す。本発明の実施の形態1における入力装置であるスタイラス入力装置は、タッチパネル又はタッチパッドを有するコンピュータ本体、携帯型電子機器本体等の本体機器100と指示体であるスタイラスペン110とから構成される。
【0024】
ここで、指示体であるスタイラスペン110は、ダブルノック式のノック部(又はノック機構ともいう。例えば、特開昭60−54896号公報参照)を具備する。具体的には、図9(A)に示すように、スタイラスペン110は、軸筒と、先端部分とから構成される。また、図9(A)に示すスタイラスペン110のノック部はカム及びバネを備え(図示せず)、先端部分に荷重が加わるとバネの力によって先端部分が軸筒内に押し込まれる。また、スタイラスペンで110は、先端部分に加わる荷重が或る閾値を超えると、図9(B)に示すように、第1のノックが発生する。また、図9(B)に示す第1のノックが発生した後に先端部分が軸筒から引き出されると、図9(C)に示すように第2のノックが発生する。すなわち、スタイラスペン110は、先端部分が軸筒に押し込まれると第1のノックが発生し、第1のノックの発生後に先端部分が軸筒から引き出されると第2のノックが発生するダブルノック式のノック部である。
ここで、ノックとは、指示体(スタイラスペン)の押下により、図10に示すような筆圧(押下圧力)の時間的な急峻な変化を検知し、ノックの発生の有無を判定するものである。
【0025】
本体機器100は、図1に示すように、座標入力部103と、座標情報検知部102と、接触状態判定部104と、対応テーブル105と、ノック判定部106と、画像表示制御部108と、表示部109と、制御部101とを備えている。
【0026】
座標入力部103(例えば、タッチパッド)は、スタイラスペン110により押下された際、少なくとも座標の情報と押下圧力の情報(以下、座標情報とする)を継続的に検出して出力する。
【0027】
座標情報検知部102は、座標入力部103の出力した情報を保持する。
【0028】
接触状態判定部104は、座標情報検知部102が通知した座標情報の履歴を保持し、当該座標情報の履歴に基づき前記スタイラスペンの接触状態を判定する。
【0029】
対応テーブル105は、スタイラスペンの押下圧力と拡大表示領域のサイズを対応付けて保持する。
【0030】
ノック判定部106は、接触状態判定部104が保持する接触状態の情報に基づきノック操作の発生の有無を判定する。
【0031】
拡大画像生成部107は、指定された画面上の位置を中心として、あらかじめ定められた拡大率および指定された拡大表示領域サイズ(押下圧力に基づいた拡大表示領域サイズ)にて拡大画像を生成する。
【0032】
画像表示制御部108は、現在表示中の画像のみ、あるいは拡大画像生成部107の生成した拡大画像を重ね合わせた画像を表示するよう制御する。
【0033】
表示部109は、画像表示制御部108により生成された画像を表示する。ここで、座標入力部103と表示部109として、透明な座標入力部103と表示部109とを積層してタッチパネルを構成したものを用いることもできる。
【0034】
制御部101は、座標入力部103、座標情報検知部102、接触状態判定部104、対応テーブル105、ノック判定部106、画像表示制御部108、表示部109等の本体機器100の各部を制御する。
【0035】
次に、本実施の形態1のスタイラス入力装置の動作を図2を用いて説明する。本実施の形態1では、携帯型電子機器の表示部109と透過型の座標入力部103を貼り合わせた状態の装置(タッチパネル)を図4(A)から(E)に示すものとし、図4(A)に示すように三角形4A01を表示している状態とする。また対応テーブル105はスタイラスペンの押下圧力と拡大表示領域サイズを図3に示すように対応付けて保持するものとして説明する。また、本実施の形態1では、前述の第1のノックをノックの動作として説明する。
【0036】
図4(B)に示すように、スタイラスペン4B01にて画面を押下すると、座標入力部103は座標情報を継続的に座標情報検知部102に通知する。座標情報検知部102は、スタイラスペン110の接触を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペン110の接触を検知したことを受け(S201)、座標情報検知部102から前記座標情報を取得し(S202)、同情報を接触状態判定部104に通知する。接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。図4(B)の状態ではノックが発生していないため、ノック判定部106はノックが発生していない旨を接触状態判定部104に通知する(S203)。接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大表示領域のサイズを決定し(S208)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を10[指標値]とし、拡大表示領域のサイズは40[ピクセル]とする。制御部101は通知された座標情報と拡大表示領域のサイズを、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とし、かつ指定された拡大表示領域のサイズでもって拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S209)。制御部101は、通知された前記拡大画像を、保持していた座標情報と共に画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された座標位置に前記拡大画像を、既に表示している画像、図4(A)に重畳して図4(B)のごとく表示部109に表示する(S210)。ここでは、図4(B)の4B02が拡大表示領域である。
【0037】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、移動させた場合について説明する。図4(C)に示すように、スタイラスペン4C01が画面上に接触しており、前述のとおり、押下圧力を10[指標値]とし、拡大表示領域4C02のサイズを40[ピクセル]とし、スタイラスペン4C01を画面に接触したまま、図中の矢印の方向に移動させ4C03の位置に達したものとする。この場合、前述のS201からS203と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大表示領域のサイズを決定し(S208)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を5[指標値]とし、拡大表示領域のサイズは30[ピクセル]とする。以下、前述のS209からS210と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が10[指標値]から5[指標値]に変化したため、それに応じて拡大表示領域のサイズが図4(C)の4C02に示すサイズの40[ピクセル]から4C04に示す30[ピクセル]に変化する。
【0038】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくした場合について説明する。図4(C)のスタイラスペン4C03、および拡大表示領域4C04にて押下圧力を大きくしたものとする。この場合、前述のS201からS203と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大表示領域のサイズを決定し(S208)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を20[指標値]とし、拡大表示領域のサイズは60[ピクセル]とする。以下、前述のS209からS210と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が5[指標値]から20[指標値]に変化したため、それに応じて拡大表示領域のサイズが図4(C)の4C02に示すサイズの30[ピクセル]から4C04に示す60[ピクセル]に変化する。
【0039】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくし、ノックが発生した場合について説明する。図4(D)のスタイラスペン4D01、および拡大表示領域4D02にて押下圧力を大きくし、ノックを発生させたものとする。この場合、前述のS201からS202と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。ノック判定部106はノックが発生した旨を接触状態判定部104に通知する(S203)。接触状態判定部104はノックが発生した旨を座標情報と共に制御部101に通知する。制御部101は通知された座標情報と画面全体を拡大する旨を、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とした画面全体の拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S204)。制御部101は、通知された前記拡大画像を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された前記拡大画像を図4(E)のごとく表示部109に表示する(S205)。
【0040】
続いて、拡大表示領域の表示中に、スタイラスペン110を離脱させた場合について説明する。図4(B)に示すように、スタイラスペン4B01が画面上に接触しており、拡大表示領域4B02を表示しているものとする。この時、スタイラスペンを画面上から離脱させると、座標入力部103は座標情報検知部102に対して継続していた座標情報の通知を中止する。座標情報検知部102はスタイラスペンの離脱を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペンの離脱を検知したことを受け(S201)、拡大表示領域の表示中であったことから(S206)、拡大表示領域を消去する旨を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、表示中の拡大表示領域を消去し、図4(A)のごとく表示部109に表示する(S207)。
【0041】
以上で説明したように、本実施の形態1の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0042】
また、本実施の形態1の入力装置によれば、スタイラスペンを押下する圧力を大きくした、あるいは小さくしたとき、圧力に応じて拡大表示領域のサイズを拡大あるいは縮小するので、指示した位置の周辺の領域の拡大画像を容易に確認することができる。
【0043】
さらに、本実施の形態1の入力装置によれば、スタイラスペンを押下してノックを発生させたとき、指示している位置を中心として画面全体を拡大するので、前述の効果と併せて、表示中の画像を拡大する際の中心位置を容易に決めることができ、また、前記中心位置を元に画面全体を拡大することができる。
【0044】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。図1は、本発明の第2の実施の形態におけるスタイラス入力装置の概略構成図、図5は、同スタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート、図6は、図1に示す対応テーブル105の一例を示すテーブル、図7は、同スタイラス入力装置における画面表示状態および、スタイラスペンに夜操作の一例を示す模式図である。
【0045】
本発明の実施の形態2における入力装置であるスタイラス入力装置は、タッチパネル又はタッチパッドを有するコンピュータ本体、携帯型電子機器本体等の本体機器100と指示体であるスタイラスペン110とから構成される。指示体であるスタイラスペン110の構成は、特に言及のない限り実施の形態1と同様である。
【0046】
本体機器100は、座標入力部103と、座標情報検知部102と、接触状態判定部104と、対応テーブル105と、ノック判定部106と、画像表示制御部108と、表示部109と、制御部101とを備えている。拡大画像生成部107を除いて、これらの構成も特に言及のない限り実施の形態1と同様である。実施の形態2においては、拡大画像生成部107は、指定された画面上の位置を中心として、指定された拡大率(押下圧力に基づいた拡大率)およびあらかじめ定められた拡大表示領域サイズにて拡大画像を生成する。
【0047】
次に、本実施の形態2について、その動作を図5を用いて説明する。本実施の形態2では、携帯型電子機器の表示部109と透過型の座標入力部103を貼り合わせた状態の装置を図7(A)から(E)に示すものとし、図7(A)に示すように三角形7A01を表示している状態とする。また対応テーブル105はスタイラスペンの押下圧力と拡大率を図6に示すように対応付けて保持するものとして説明する。また、本実施の形態2では、前述の第1のノックをノックの動作として説明する。
【0048】
図7(B)に示すように、スタイラスペン110にて画面を押下すると、座標入力部103は座標情報を継続的に座標情報検知部102に通知する。座標情報検知部102は、スタイラスペン110の接触を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペン110の接触を検知したことを受け(S501)、座標情報検知部102から前記座標情報を取得し(S502)、同情報を接触状態判定部104に通知する。接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。図7(B)の状態ではノックが発生していないため、ノック判定部106はノックが発生していない旨を接触状態判定部104に通知する(S503)。接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大率を決定し(S508)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を10[指標値]とし、拡大率は150[%]とする。制御部101は通知された座標情報と拡大率を、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とし、かつ指定された拡大率でもって拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S509)。制御部101は、通知された前記拡大画像を、保持していた座標情報と共に画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された座標位置に前記拡大画像を、既に表示している画像、図7(A)に重畳して図7(B)のごとく表示部109に表示する(S510)。ここでは、図7(B)の7B02が拡大表示領域である。
【0049】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、移動させた場合について説明する。図7(C)に示すように、スタイラスペン7C01が画面上に接触しており、前述のとおり、押下圧力を10[指標値]とし、拡大表示領域7C02の拡大率を150[%]とし、スタイラスペンを画面に接触したまま、図中の矢印の方向に移動させ7C03の位置に達したものとする。この場合、前述のS501からS503と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大率を決定し(S508)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を15[指標値]とし、拡大率は175[%]とする。以下、前述のS509からS510と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が10[指標値]から15[指標値]に変化したため、それに応じて拡大率が図7(C)の7C02に示す拡大率の150[%]から7C04に示す175[%]に変化する。
【0050】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくした場合について説明する。図7(C)のスタイラスペン7C03、および拡大表示領域7C04にて押下圧力を大きくしたものとする。この場合、前述のS501からS503と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大率を決定し(S508)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を20[指標値]とし、拡大率は200[%]とする。以下、前述のS509からS510と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が15[指標値]から20[指標値]に変化したため、それに応じて拡大率が図7(C)の7C02に示す拡大率の175[%]から7C04に示す200[%]に変化する。
【0051】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくし、ノックが発生した場合について説明する。図7(D)のスタイラスペン7D01、および拡大率7D02にて押下圧力を大きくし、ノックを発生させたものとする。この場合、前述のS501からS502と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。ノック判定部106はノックが発生した旨を接触状態判定部104に通知する(S503)。接触状態判定部104はノックが発生した旨を座標情報と共に制御部101に通知する。制御部101は通知された座標情報と画面全体を拡大する旨を、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とした画面全体の拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S504)。制御部101は、通知された前記拡大画像を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された前記拡大画像を図7(E)のごとく表示部109に表示する(S505)。
【0052】
続いて、拡大表示領域の表示中に、スタイラスペン110を離脱させた場合について説明する。図7(B)に示すように、スタイラスペン7B01が画面上に接触しており、拡大表示領域7B02を表示しているものとする。この時、スタイラスペンを画面上から離脱させると、座標入力部103は座標情報検知部102に対して継続していた座標情報の通知を中止する。座標情報検知部102はスタイラスペンの離脱を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペンの離脱を検知したことを受け(S501)、拡大表示領域の表示中であったことから(S506)、拡大表示領域を消去する旨を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、表示中の拡大表示領域を消去し、図7(A)のごとく表示部109に表示する(S507)。
【0053】
以上で説明したように、本実施の形態2の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、押下圧力に基づいた拡大率で、その押下した点を中心とした拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0054】
また、本実施の形態2の入力装置によれば、スタイラスペンを押下する圧力を大きくした、あるいは小さくしたとき、圧力に応じて画像の拡大率を上げる、あるいは下げるので、指示した位置の周辺の領域の拡大画像を容易に確認することができる。
【0055】
さらに、本実施の形態2の入力装置によれば、スタイラスペンを押下してノックを発生させたとき、指示している位置を中心として画面全体を拡大するので、前述の効果と併せて、表示中の画像を拡大する際の中心位置を容易に決めることができ、また、前記中心位置を元に画面全体を拡大することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態1、2では、図4および図7に示すように拡大表示領域を円形としているが、これ以外にも、矩形、多角形、楕円、その他の形状であってもよい。また、拡大表示領域をスタイラスペンの接触位置を中心として表示しているが、これ以外にも図8(A)に示すようにスタイラスペンの接触位置と拡大表示領域の中心点をずらした位置に表示してもよい。また、図8(B)に示すようにスタイラスペンの接触位置に接する位置に表示することとしてもよい。
また、上記の実施の形態1、2では、第1のノックをノックの動作としたが、第2のノックをノックの動作としてもよく、さらに、第1のノックの発生と第2のノックの発生の時間の間隔の長短に応じて、前述の画面全体の拡大処理の動作の実行、非実行を判定するように、閾値を設けることとしてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態1では、押下圧力と拡大表示領域サイズの対応テーブルを図3に示すように4段階で保持しているが、さらに少ない段階あるいはさらに多い段階として保持してもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態2では、押下圧力と拡大率の対応テーブルを図6に示すように4段階で保持しているが、さらに少ない段階あるいはさらに多い段階として保持してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。このため、本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置等の入力装置として有用である。
【0060】
また、本発明は、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。このため、本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置等の入力装置として有用である。
【0061】
また、本発明は、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、押下圧力に基づいた拡大率で、その押下した点を中心とした拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。このため、本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置等の入力装置として有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 本体機器
101 制御部
102 座標情報検知部
103 座標入力部
104 接触状態判定部
105 対応テーブル
106 ノック判定部
107 拡大画像生成部
108 画像表示制御部
109 表示部
110 スタイラスペン
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に、タッチパネル又はタッチパッドを有するコンピュータ本体、携帯型電子機器本体等の本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや携帯電話、PDA等の電子機器において、透過型のポインティングデバイスを表示装置に貼り合わせた、いわゆるタッチパネル型入力装置を搭載した電子機器が普及してきている。これらの機器では、画面上に表示された図形等に対してスタイラスペンあるいは指による操作を行なうと、前記ポインティングデバイスが操作を検知し、機器に対する指示を受付けるものである。
【0003】
従来、この種の入力装置として、感圧式入力装置(ポインティングデバイス)を有し、スタイラスペンの押下圧力に応じて、既に画面上に表示されている図形オブジェクトを選択するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、画面上でスタイラスペンを画面に接触させ、押下する圧力を徐々に高めてゆくと、所定の圧力を超えた時点から画面上に円形の選択領域が表示される。その後、押下する圧力に応じて前記選択領域が拡大あるいは縮小し、既に画面上に表示されている図形オブジェクトの選択を行なうことができる。
【0004】
また、平面型座標入力装置(ポインティングデバイス)において、いわゆるタップ操作を行なうと、画面上に表示している図形を拡大表示するように構成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。これによれば、画面上でタップ操作を行なうと、同操作を行なった位置の周辺に表示されている図形を、あらかじめ定められた位置に、あらかじめ定められていた拡大率にて拡大表示を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−280532号公報(第14頁、図3、4、5)
【特許文献2】特開2001−242981号公報(第6頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された入力装置では、スタイラスペンを押下する圧力に応じて、図形オブジェクトを選択するための選択範囲が拡大あるいは縮小するようにしており、表示されている図形自体を拡大表示することができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された入力装置では、タップ操作を行なうことにより、あらかじめ定められた位置およびサイズで、また、あらかじめ定められた拡大率にて拡大表示を行なうようにしており、拡大表示領域の位置を動的に変更することや、拡大表示領域のサイズ、拡大率も動的に変更することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、スタイラスペンを押下する圧力に応じて、拡大表示領域のサイズを動的に変化させること、あるいは拡大率を動的に変化させることができ、また、スタイラスペンが接触している画面上の位置を移動させることにより、拡大表示領域を追随させて移動することができるスタイラス入力装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の入力装置は、スタイラスペンと、前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、画像を表示する表示部と、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいて、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える。
【0010】
この構成により、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0011】
また、本発明の入力装置は、スタイラスペンと、前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、画像を表示する表示部と、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた範囲の、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える。
【0012】
この構成により、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0013】
また、本発明の入力装置は、前記座標入力部の検出した前記押下圧力情報の履歴に基づき前記スタイラスペンの接触状態を判定する接触状態判定部と、を備え、前記スタイラスペンは、先端部分が所定の押下圧力以上で押下されると軸筒に押し込まれるノックが発生し、前記接触状態判定部は、前記押下圧力情報の履歴に基づきスタイラスペンのノックを検出し、前記拡大画像生成部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を生成し、前記画像表示制御部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記表示部に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を表示させるものを含む。
【0014】
この構成により、スタイラスペンを押下してノックを発生させたとき、指示している位置を中心として画面全体を拡大するので、表示中の画像を拡大する際の中心位置を容易に決めることができ、また、前記中心位置を元に画面全体を拡大することができる。
【0015】
また、本発明の入力装置は、スタイラスペンと、前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、画像を表示する表示部と、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた拡大率で拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える。
【0016】
この構成により、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた拡大率で拡大した拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0018】
また、本発明の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0019】
また、本発明の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、押下圧力に基づいた拡大率で、その押下した点を中心とした拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1におけるスタイラスペンの押下圧力と対応する拡大表示領域サイズを記憶した対応テーブルの内容を示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の利用状況の例を示す図
【図5】本発明の実施の形態2におけるスタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート図
【図6】本発明の実施の形態2におけるスタイラスペンの押下圧力と対応する拡大率を記憶した対応テーブルの内容を示す図
【図7】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の利用状況の例を示す図
【図8】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の拡大表示領域の表示位置の例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置のダブルノック式のノック部を備えた指示体(スタイラスペン)の構造を示す図
【図10】本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置のダブルノック式のノック部を備えた指示体(スタイラスペン)にてノックを発生させた際の押下圧力の変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるスタイラス入力装置の概略構成図、図2は、同スタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート、図3は、図1に示す対応テーブル105の一例を示すテーブル、図4は、同スタイラス入力装置における画面表示状態および、スタイラスによる操作の一例を示す模式図である。
【0023】
まず、本実施の形態1のスタイラス入力装置の構成を図1を用いて説明する。図1に、本発明の実施の形態1におけるスタイラス入力装置の概略構成図を示す。本発明の実施の形態1における入力装置であるスタイラス入力装置は、タッチパネル又はタッチパッドを有するコンピュータ本体、携帯型電子機器本体等の本体機器100と指示体であるスタイラスペン110とから構成される。
【0024】
ここで、指示体であるスタイラスペン110は、ダブルノック式のノック部(又はノック機構ともいう。例えば、特開昭60−54896号公報参照)を具備する。具体的には、図9(A)に示すように、スタイラスペン110は、軸筒と、先端部分とから構成される。また、図9(A)に示すスタイラスペン110のノック部はカム及びバネを備え(図示せず)、先端部分に荷重が加わるとバネの力によって先端部分が軸筒内に押し込まれる。また、スタイラスペンで110は、先端部分に加わる荷重が或る閾値を超えると、図9(B)に示すように、第1のノックが発生する。また、図9(B)に示す第1のノックが発生した後に先端部分が軸筒から引き出されると、図9(C)に示すように第2のノックが発生する。すなわち、スタイラスペン110は、先端部分が軸筒に押し込まれると第1のノックが発生し、第1のノックの発生後に先端部分が軸筒から引き出されると第2のノックが発生するダブルノック式のノック部である。
ここで、ノックとは、指示体(スタイラスペン)の押下により、図10に示すような筆圧(押下圧力)の時間的な急峻な変化を検知し、ノックの発生の有無を判定するものである。
【0025】
本体機器100は、図1に示すように、座標入力部103と、座標情報検知部102と、接触状態判定部104と、対応テーブル105と、ノック判定部106と、画像表示制御部108と、表示部109と、制御部101とを備えている。
【0026】
座標入力部103(例えば、タッチパッド)は、スタイラスペン110により押下された際、少なくとも座標の情報と押下圧力の情報(以下、座標情報とする)を継続的に検出して出力する。
【0027】
座標情報検知部102は、座標入力部103の出力した情報を保持する。
【0028】
接触状態判定部104は、座標情報検知部102が通知した座標情報の履歴を保持し、当該座標情報の履歴に基づき前記スタイラスペンの接触状態を判定する。
【0029】
対応テーブル105は、スタイラスペンの押下圧力と拡大表示領域のサイズを対応付けて保持する。
【0030】
ノック判定部106は、接触状態判定部104が保持する接触状態の情報に基づきノック操作の発生の有無を判定する。
【0031】
拡大画像生成部107は、指定された画面上の位置を中心として、あらかじめ定められた拡大率および指定された拡大表示領域サイズ(押下圧力に基づいた拡大表示領域サイズ)にて拡大画像を生成する。
【0032】
画像表示制御部108は、現在表示中の画像のみ、あるいは拡大画像生成部107の生成した拡大画像を重ね合わせた画像を表示するよう制御する。
【0033】
表示部109は、画像表示制御部108により生成された画像を表示する。ここで、座標入力部103と表示部109として、透明な座標入力部103と表示部109とを積層してタッチパネルを構成したものを用いることもできる。
【0034】
制御部101は、座標入力部103、座標情報検知部102、接触状態判定部104、対応テーブル105、ノック判定部106、画像表示制御部108、表示部109等の本体機器100の各部を制御する。
【0035】
次に、本実施の形態1のスタイラス入力装置の動作を図2を用いて説明する。本実施の形態1では、携帯型電子機器の表示部109と透過型の座標入力部103を貼り合わせた状態の装置(タッチパネル)を図4(A)から(E)に示すものとし、図4(A)に示すように三角形4A01を表示している状態とする。また対応テーブル105はスタイラスペンの押下圧力と拡大表示領域サイズを図3に示すように対応付けて保持するものとして説明する。また、本実施の形態1では、前述の第1のノックをノックの動作として説明する。
【0036】
図4(B)に示すように、スタイラスペン4B01にて画面を押下すると、座標入力部103は座標情報を継続的に座標情報検知部102に通知する。座標情報検知部102は、スタイラスペン110の接触を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペン110の接触を検知したことを受け(S201)、座標情報検知部102から前記座標情報を取得し(S202)、同情報を接触状態判定部104に通知する。接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。図4(B)の状態ではノックが発生していないため、ノック判定部106はノックが発生していない旨を接触状態判定部104に通知する(S203)。接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大表示領域のサイズを決定し(S208)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を10[指標値]とし、拡大表示領域のサイズは40[ピクセル]とする。制御部101は通知された座標情報と拡大表示領域のサイズを、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とし、かつ指定された拡大表示領域のサイズでもって拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S209)。制御部101は、通知された前記拡大画像を、保持していた座標情報と共に画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された座標位置に前記拡大画像を、既に表示している画像、図4(A)に重畳して図4(B)のごとく表示部109に表示する(S210)。ここでは、図4(B)の4B02が拡大表示領域である。
【0037】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、移動させた場合について説明する。図4(C)に示すように、スタイラスペン4C01が画面上に接触しており、前述のとおり、押下圧力を10[指標値]とし、拡大表示領域4C02のサイズを40[ピクセル]とし、スタイラスペン4C01を画面に接触したまま、図中の矢印の方向に移動させ4C03の位置に達したものとする。この場合、前述のS201からS203と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大表示領域のサイズを決定し(S208)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を5[指標値]とし、拡大表示領域のサイズは30[ピクセル]とする。以下、前述のS209からS210と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が10[指標値]から5[指標値]に変化したため、それに応じて拡大表示領域のサイズが図4(C)の4C02に示すサイズの40[ピクセル]から4C04に示す30[ピクセル]に変化する。
【0038】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくした場合について説明する。図4(C)のスタイラスペン4C03、および拡大表示領域4C04にて押下圧力を大きくしたものとする。この場合、前述のS201からS203と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大表示領域のサイズを決定し(S208)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を20[指標値]とし、拡大表示領域のサイズは60[ピクセル]とする。以下、前述のS209からS210と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が5[指標値]から20[指標値]に変化したため、それに応じて拡大表示領域のサイズが図4(C)の4C02に示すサイズの30[ピクセル]から4C04に示す60[ピクセル]に変化する。
【0039】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくし、ノックが発生した場合について説明する。図4(D)のスタイラスペン4D01、および拡大表示領域4D02にて押下圧力を大きくし、ノックを発生させたものとする。この場合、前述のS201からS202と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。ノック判定部106はノックが発生した旨を接触状態判定部104に通知する(S203)。接触状態判定部104はノックが発生した旨を座標情報と共に制御部101に通知する。制御部101は通知された座標情報と画面全体を拡大する旨を、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とした画面全体の拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S204)。制御部101は、通知された前記拡大画像を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された前記拡大画像を図4(E)のごとく表示部109に表示する(S205)。
【0040】
続いて、拡大表示領域の表示中に、スタイラスペン110を離脱させた場合について説明する。図4(B)に示すように、スタイラスペン4B01が画面上に接触しており、拡大表示領域4B02を表示しているものとする。この時、スタイラスペンを画面上から離脱させると、座標入力部103は座標情報検知部102に対して継続していた座標情報の通知を中止する。座標情報検知部102はスタイラスペンの離脱を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペンの離脱を検知したことを受け(S201)、拡大表示領域の表示中であったことから(S206)、拡大表示領域を消去する旨を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、表示中の拡大表示領域を消去し、図4(A)のごとく表示部109に表示する(S207)。
【0041】
以上で説明したように、本実施の形態1の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0042】
また、本実施の形態1の入力装置によれば、スタイラスペンを押下する圧力を大きくした、あるいは小さくしたとき、圧力に応じて拡大表示領域のサイズを拡大あるいは縮小するので、指示した位置の周辺の領域の拡大画像を容易に確認することができる。
【0043】
さらに、本実施の形態1の入力装置によれば、スタイラスペンを押下してノックを発生させたとき、指示している位置を中心として画面全体を拡大するので、前述の効果と併せて、表示中の画像を拡大する際の中心位置を容易に決めることができ、また、前記中心位置を元に画面全体を拡大することができる。
【0044】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。図1は、本発明の第2の実施の形態におけるスタイラス入力装置の概略構成図、図5は、同スタイラス入力装置の動作を説明するフローチャート、図6は、図1に示す対応テーブル105の一例を示すテーブル、図7は、同スタイラス入力装置における画面表示状態および、スタイラスペンに夜操作の一例を示す模式図である。
【0045】
本発明の実施の形態2における入力装置であるスタイラス入力装置は、タッチパネル又はタッチパッドを有するコンピュータ本体、携帯型電子機器本体等の本体機器100と指示体であるスタイラスペン110とから構成される。指示体であるスタイラスペン110の構成は、特に言及のない限り実施の形態1と同様である。
【0046】
本体機器100は、座標入力部103と、座標情報検知部102と、接触状態判定部104と、対応テーブル105と、ノック判定部106と、画像表示制御部108と、表示部109と、制御部101とを備えている。拡大画像生成部107を除いて、これらの構成も特に言及のない限り実施の形態1と同様である。実施の形態2においては、拡大画像生成部107は、指定された画面上の位置を中心として、指定された拡大率(押下圧力に基づいた拡大率)およびあらかじめ定められた拡大表示領域サイズにて拡大画像を生成する。
【0047】
次に、本実施の形態2について、その動作を図5を用いて説明する。本実施の形態2では、携帯型電子機器の表示部109と透過型の座標入力部103を貼り合わせた状態の装置を図7(A)から(E)に示すものとし、図7(A)に示すように三角形7A01を表示している状態とする。また対応テーブル105はスタイラスペンの押下圧力と拡大率を図6に示すように対応付けて保持するものとして説明する。また、本実施の形態2では、前述の第1のノックをノックの動作として説明する。
【0048】
図7(B)に示すように、スタイラスペン110にて画面を押下すると、座標入力部103は座標情報を継続的に座標情報検知部102に通知する。座標情報検知部102は、スタイラスペン110の接触を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペン110の接触を検知したことを受け(S501)、座標情報検知部102から前記座標情報を取得し(S502)、同情報を接触状態判定部104に通知する。接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。図7(B)の状態ではノックが発生していないため、ノック判定部106はノックが発生していない旨を接触状態判定部104に通知する(S503)。接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大率を決定し(S508)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を10[指標値]とし、拡大率は150[%]とする。制御部101は通知された座標情報と拡大率を、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とし、かつ指定された拡大率でもって拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S509)。制御部101は、通知された前記拡大画像を、保持していた座標情報と共に画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された座標位置に前記拡大画像を、既に表示している画像、図7(A)に重畳して図7(B)のごとく表示部109に表示する(S510)。ここでは、図7(B)の7B02が拡大表示領域である。
【0049】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、移動させた場合について説明する。図7(C)に示すように、スタイラスペン7C01が画面上に接触しており、前述のとおり、押下圧力を10[指標値]とし、拡大表示領域7C02の拡大率を150[%]とし、スタイラスペンを画面に接触したまま、図中の矢印の方向に移動させ7C03の位置に達したものとする。この場合、前述のS501からS503と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大率を決定し(S508)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を15[指標値]とし、拡大率は175[%]とする。以下、前述のS509からS510と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が10[指標値]から15[指標値]に変化したため、それに応じて拡大率が図7(C)の7C02に示す拡大率の150[%]から7C04に示す175[%]に変化する。
【0050】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくした場合について説明する。図7(C)のスタイラスペン7C03、および拡大表示領域7C04にて押下圧力を大きくしたものとする。この場合、前述のS501からS503と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は座標情報の押下圧力をもとに、対応テーブル105を参照し、拡大率を決定し(S508)、その旨を座標情報と共に制御部101に通知する。ここでは、押下圧力を20[指標値]とし、拡大率は200[%]とする。以下、前述のS509からS510と同様に処理を行なう。ここでは、スタイラスペンの押下圧力が15[指標値]から20[指標値]に変化したため、それに応じて拡大率が図7(C)の7C02に示す拡大率の175[%]から7C04に示す200[%]に変化する。
【0051】
続いて、スタイラスペン110にて画面を押下した状態のまま、さらに押下圧力を大きくし、ノックが発生した場合について説明する。図7(D)のスタイラスペン7D01、および拡大率7D02にて押下圧力を大きくし、ノックを発生させたものとする。この場合、前述のS501からS502と同様に処理を行なった後、接触状態判定部104は受け取った座標情報および、保持している座標情報の履歴を、ノック判定部106に通知する。ノック判定部106はノックが発生した旨を接触状態判定部104に通知する(S503)。接触状態判定部104はノックが発生した旨を座標情報と共に制御部101に通知する。制御部101は通知された座標情報と画面全体を拡大する旨を、拡大画像生成部107に通知する。拡大画像生成部107は通知された座標を中心とした画面全体の拡大画像を生成し、制御部101に通知する(S504)。制御部101は、通知された前記拡大画像を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、通知された前記拡大画像を図7(E)のごとく表示部109に表示する(S505)。
【0052】
続いて、拡大表示領域の表示中に、スタイラスペン110を離脱させた場合について説明する。図7(B)に示すように、スタイラスペン7B01が画面上に接触しており、拡大表示領域7B02を表示しているものとする。この時、スタイラスペンを画面上から離脱させると、座標入力部103は座標情報検知部102に対して継続していた座標情報の通知を中止する。座標情報検知部102はスタイラスペンの離脱を検知したことを制御部101に通知する。制御部101は、スタイラスペンの離脱を検知したことを受け(S501)、拡大表示領域の表示中であったことから(S506)、拡大表示領域を消去する旨を画像表示制御部108に通知する。画像表示制御部108は、表示中の拡大表示領域を消去し、図7(A)のごとく表示部109に表示する(S507)。
【0053】
以上で説明したように、本実施の形態2の入力装置によれば、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、押下圧力に基づいた拡大率で、その押下した点を中心とした拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。
【0054】
また、本実施の形態2の入力装置によれば、スタイラスペンを押下する圧力を大きくした、あるいは小さくしたとき、圧力に応じて画像の拡大率を上げる、あるいは下げるので、指示した位置の周辺の領域の拡大画像を容易に確認することができる。
【0055】
さらに、本実施の形態2の入力装置によれば、スタイラスペンを押下してノックを発生させたとき、指示している位置を中心として画面全体を拡大するので、前述の効果と併せて、表示中の画像を拡大する際の中心位置を容易に決めることができ、また、前記中心位置を元に画面全体を拡大することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態1、2では、図4および図7に示すように拡大表示領域を円形としているが、これ以外にも、矩形、多角形、楕円、その他の形状であってもよい。また、拡大表示領域をスタイラスペンの接触位置を中心として表示しているが、これ以外にも図8(A)に示すようにスタイラスペンの接触位置と拡大表示領域の中心点をずらした位置に表示してもよい。また、図8(B)に示すようにスタイラスペンの接触位置に接する位置に表示することとしてもよい。
また、上記の実施の形態1、2では、第1のノックをノックの動作としたが、第2のノックをノックの動作としてもよく、さらに、第1のノックの発生と第2のノックの発生の時間の間隔の長短に応じて、前述の画面全体の拡大処理の動作の実行、非実行を判定するように、閾値を設けることとしてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態1では、押下圧力と拡大表示領域サイズの対応テーブルを図3に示すように4段階で保持しているが、さらに少ない段階あるいはさらに多い段階として保持してもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態2では、押下圧力と拡大率の対応テーブルを図6に示すように4段階で保持しているが、さらに少ない段階あるいはさらに多い段階として保持してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。このため、本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置等の入力装置として有用である。
【0060】
また、本発明は、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、その押下した点を中心として、押下圧力に基づいた範囲の拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。このため、本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置等の入力装置として有用である。
【0061】
また、本発明は、操作者がスタイラスペンを用いて、画面上の一点を押下したとき、押下圧力に基づいた拡大率で、その押下した点を中心とした拡大画像を元の画像に重畳して表示するので、指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。また、操作者がスタイラスペンを画面に接触させたまま移動させたとき、拡大画像の表示領域がスタイラスペンの接触している点に追随して移動するので、あたかもルーペを操作しているように、任意に指示した位置の拡大画像を容易に確認することができる。このため、本体機器とスタイラスペンとから構成されるスタイラス入力装置等の入力装置として有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 本体機器
101 制御部
102 座標情報検知部
103 座標入力部
104 接触状態判定部
105 対応テーブル
106 ノック判定部
107 拡大画像生成部
108 画像表示制御部
109 表示部
110 スタイラスペン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタイラスペンと、
前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいて、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える
入力装置。
【請求項2】
スタイラスペンと、
前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた範囲の、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える
入力装置。
【請求項3】
前記座標入力部の検出した前記押下圧力情報の履歴に基づき前記スタイラスペンの接触状態を判定する接触状態判定部と、を備え、
前記スタイラスペンは、先端部分が所定の押下圧力以上で押下されると軸筒に押し込まれるノックが発生し、
前記接触状態判定部は、前記押下圧力情報の履歴に基づきスタイラスペンのノックを検出し、
前記拡大画像生成部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を生成し、
前記画像表示制御部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記表示部に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を表示させる
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
スタイラスペンと、
前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた拡大率で拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える
入力装置。
【請求項1】
スタイラスペンと、
前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいて、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える
入力装置。
【請求項2】
スタイラスペンと、
前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた範囲の、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える
入力装置。
【請求項3】
前記座標入力部の検出した前記押下圧力情報の履歴に基づき前記スタイラスペンの接触状態を判定する接触状態判定部と、を備え、
前記スタイラスペンは、先端部分が所定の押下圧力以上で押下されると軸筒に押し込まれるノックが発生し、
前記接触状態判定部は、前記押下圧力情報の履歴に基づきスタイラスペンのノックを検出し、
前記拡大画像生成部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を生成し、
前記画像表示制御部は、前記接触状態判定部がノックを検出した場合に、前記表示部に、前記座標情報に対応する位置を中心とした前記画像の拡大画像を表示させる
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
スタイラスペンと、
前記スタイラスペンにより押下された座標情報と押下圧力情報とを検出して出力する座標入力部と、
画像を表示する表示部と、
前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分の画像を、前記座標入力部の検出した押下圧力に基づいた拡大率で拡大した拡大画像を生成する拡大画像生成部と、
前記表示部に、前記画像のうちの前記座標情報に対応する位置の周辺部分に前記拡大画像を重畳して表示させる画像表示制御部と、を備える
入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−165023(P2011−165023A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28473(P2010−28473)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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