入力装置
【課題】一連のタッチパネル操作でアングルモードへの移行とアングル操作を可能とする入力装置を実現する。
【解決手段】タッチセンサ機能を備えた液晶パネルを、画面上部を下部よりタッチ面積を大きくしたマルチタッチ状態を所定時間保持することで、前の異なるモードからアングル設定のモードに移行させ、移行後に画面上部が下部のタッチ面積に比して大きいか小さいかに基づく一連の操作により、操作に対応したアングル変更率と二次元あるいは三次元表示の変更方向によるアングルチェンジで描画された表示を行うようにした。
【解決手段】タッチセンサ機能を備えた液晶パネルを、画面上部を下部よりタッチ面積を大きくしたマルチタッチ状態を所定時間保持することで、前の異なるモードからアングル設定のモードに移行させ、移行後に画面上部が下部のタッチ面積に比して大きいか小さいかに基づく一連の操作により、操作に対応したアングル変更率と二次元あるいは三次元表示の変更方向によるアングルチェンジで描画された表示を行うようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、一連の液晶パネルのタッチパネル操作でモード変更とこのモードに対応した操作を可能とする入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルをマルチタッチすることで、各タッチ箇所の相対的な位置関係を判断し、表示の縮尺変更や回転操作などが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−65654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばカーナビ(カーナビゲーションシステム)などにおける地図データ等の表示は、二次元(平面)のみならず三次元(立体)でも可能となっている。三次元表示において従来の技術を用いて手前から奥あるいは奥から手前のアングル変更を行う場合には、何回もタッチ操作を繰り返す必要があり、操作性が悪いといった煩わしさがあった。
【0005】
この実施形態では、一連のタッチパネル操作でモードを変更するとともに、変更されたモードに対応した操作を可能とする入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、タッチセンサ機能を備えた液晶パネルと、前記液晶パネル上をマルチタッチされたことを検出後、少なくとも当該マルチタッチの状態が変化した場合もしくは所定時間経過後にモード変更要求と判断し、他のモードに移行するモード移行手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】入力装置に関する第1の実施形態としてカーナビの概略的なシステム構成図である。
【図2】カーナビの液晶パネルの構成と液晶パネルの周辺回路とを示した図である。
【図3】液晶パネルとバックライトとの断面図である。
【図4】図2の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図5】タッチパネルの操作について説明するための説明図である。
【図6】指と液晶パネルとのタッチに関係について説明するための説明図である。
【図7】画面のアングル変更例について説明するための説明図である。
【図8】液晶パネルのタッチ操作の補正について説明するための説明図である。
【図9】入力装置に関する第1の実施形態について説明するためのフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートの一部のより具体例について説明するためのフローチャートである。
【図11】図9の説明の補助的な説明図である。
【図12】図9の説明の補助的な説明図である。
【図13】図9の説明の補助的な説明図である。
【図14】図9の説明の補助的な説明図である。
【図15】二次元と三次元表示の表示変化について説明するための説明図である。
【図16】入力装置に関する第3の実施形態について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、入力装置に関する第1の実施形態としてカーナビ1000の概略的なシステム構成図で、カーナビ1000の主たる構成要素として、本体装置100と、表示装置200の具体的な構成例を示す。
【0010】
本体装置100は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read−Only Memory)13と、メモリカードリーダライタ14と、スピーカ15と、操作キー16とから構成される。各構成要素は、相互にデータバスDBによって接続されている。メモリカードリーダライタ14には、メモリカードMCが装着される。
【0011】
CPU11は、プログラムを実行する。操作キー16は、カーナビ1000の使用者による指示の入力を受ける。RAM12は、CPU11によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー16を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM13は、データを不揮発的に格納する。また、ROM13は、EPROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。なお、図1には図示していないが、カーナビ1000が、他のカーナビに有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよいし、通信部を設けたカーナビとの間で無線通信を行ってもよい。
【0012】
表示装置200は、ドライバ21と、光センサが内蔵された液晶パネル22と、内部IF(Interface)23と、バックライト24と、画像処理エンジン25とから構成される。
【0013】
ドライバ21は、液晶パネル22およびバックライト24を駆動するための駆動回路である。液晶パネル22は、液晶ディスプレイの機能と光センサの機能とを備えたデバイスである。つまり、液晶パネル22は、液晶を用いた画像の表示と、光センサを用いたセンシングとを行うことができる。内部IF23は、本体装置100と表示装置200との間で、データのやり取りを仲介する。バックライト24は、液晶パネル22の裏面に配置された光源である。バックライト24は、液晶パネル22の裏面に対して均一な光を照射する。
【0014】
画像処理エンジン25は、ドライバ21を介して液晶パネル22の動作を制御する。この制御は、内部IF23を介して本体装置100から送られてくる各種データに基づいて行われる。各種データとしては、コマンドを含む。また、画像処理エンジン25は、液晶パネル22から出力されるデータを処理し、処理されたデータを、内部IF23を介して本体装置100に送る。さらに、画像処理エンジン25は、ドライバ制御部251と、タイマー252と、信号処理部253とから構成される。
【0015】
ドライバ制御部251は、ドライバ21に対して制御信号を送ることによりドライバ21の動作を制御する。また、ドライバ制御部251は、本体装置100から送られてくるコマンドを解析する。そして、ドライバ制御部251は、解析の結果に基づいた制御信号をドライバ21に送る。
【0016】
タイマー252は、時刻情報を生成し、信号処理部253に対して時刻情報を送る。
【0017】
信号処理部253は、液晶パネル22に内蔵された光センサから出力されるデータを受け取る。光センサから出力されるデータは、アナログデータであるため、信号処理部253は、まずアナログデータをデジタルデータに変換する。さらに、信号処理部253は、デジタルデータに対して、本体装置100から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。
【0018】
そして、信号処理部253は、本体装置100から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行った後のデータと、タイマー252から取得した時刻情報を含んだデータ(以下、応答データ)とを本体装置100に送る。また、信号処理部253は、スキャンデータを連続して複数格納できる図示しないRAMを備えている。スキャンデータとは、液晶パネル22から出力される1行目からm行目までのm行分の電圧に関するデータに対して、信号処理部253がデータ処理を行った後のデータである。スキャンデータは、スキャン対象物である、たとえば、ユーザの指をスキャンすることにより得られる画像データを指す。
【0019】
なお、タイマー252は、必ずしも画像処理エンジン25に備える必要はない。たとえば、タイマー252は、表示装置200内における、画像処理エンジン25の外部に備えてもよいし、タイマー252は、本体装置100に備えてもよい。
【0020】
ここで、表示装置200は、システム液晶を含んでいる。システム液晶とは、液晶パネル22の周辺機器を、液晶パネル22を構成するガラス基板上に一体形成することにより得られるデバイスである。ここでは、バックライト24を駆動する回路を除いたドライバ21と、内部IF23と、画像処理エンジン25とが、液晶パネル22のガラス基板上に一体形成されている。
【0021】
表示装置200は、必ずしもシステム液晶を用いて構成されている必要はなく、バックライト24を駆動する回路を除いたドライバ21と、内部IF23と、画像処理エンジン25とが、液晶パネルのガラス基板以外の基板に構成されていてもよい。
【0022】
カーナビ1000における処理は、各ハードウェアおよびCPU11により実行されるソフトウェアによって実現される。ソフトウェアは、ROM13に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカードMCその他の記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0023】
このようなソフトウェアは、メモリカードリーダライタ14その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは図示しない通信IFなどを介してダウンロードされた後、ROM13に一旦格納される。ソフトウェアは、CPU11によってROM13から読み出され、RAM12に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU11は、そのプログラムを実行する。
【0024】
図1に示されるカーナビ1000の本体装置100を構成する各構成要素は、一般的なものである。従って、この実施形態の本質的な部分は、RAM12、ROM13、メモリカードMCその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるとも言える。なお、カーナビ1000の本体装置100のハードウェア動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
記憶媒体としては、メモリカードに限らず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、メモリカードを除くIC(Integrated Circuit)カード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
【0026】
図2は、液晶パネル22の構成と、この液晶パネル22の周辺回路の構成について説明するための図である。
【0027】
液晶パネル22は、画素回路221と、光センサ回路224と、走査信号線Giと、データ信号線SRj,SGj,SBjと、センサ信号線SSj,SDjと、読出信号線RWiと、リセット信号線RSiとから構成される。なお、iは、1≦i≦mを満たす自然数であり、jは、1≦j≦nを満たす自然数である。
【0028】
また、図1に示した表示装置200のドライバ21は、液晶パネル22の周辺回路として、走査信号線駆動回路26と、データ信号線駆動回路27と、光センサ駆動回路28と、スイッチSWと、アンプA1〜Anとから構成される。
【0029】
走査信号線駆動回路26は、図1に示すドライバ制御部251から制御信号TC1を受ける。そして、走査信号線駆動回路26は、制御信号TC1に基づき、各走査信号線G1〜Gmに対して、走査信号線G1から順に予め定められた電圧を印加する。詳しくは、走査信号線駆動回路26は、単位時間毎に走査信号線G1〜Gmの中から1つの走査信号線を順次選択し、この選択された走査信号線に対してTFT(Thin Film Transistor)222のゲートをターンオンできるだけの電圧(以下、ハイレベル電圧)を印加する。なお、選択されていない走査信号線に対しては、ハイレベル電圧を印加することなく、ローレベル電圧を印加したままとする。
【0030】
データ信号線駆動回路27は、図1に示すドライバ制御部251から画像データDR,DG,DBを受ける。そして、データ信号線駆動回路27は、3n個のデータ信号線SR1〜SRn,SG1〜SGn,SB1〜SBnに対して、上記単位時間毎に、1行分の画像データに対応する電圧を順次印加する。
【0031】
ここでは、いわゆる線順次方式と呼ばれる駆動方式を用いて説明したが、駆動方式はこれに限定されるものではない。
【0032】
画素回路221は、1つの画素の輝度(透過率)を設定するための回路である。また、画素回路221は、マトリクス状にm×n個配されている。より詳しくは、画素回路221は、図2縦方向にm個、横方向にn個配されている。
【0033】
画素回路221は、Rサブピクセル回路221rと、Gサブピクセル回路221gと、Bサブピクセル回路221bとからなる。これら3つのサブピクセル回路221r,221g,221bは、それぞれ、TFT222と、画素電極と対向電極とからなる1組の電極対223と、図示しないコンデンサとを含む。
【0034】
なお、n型のトランジスタとp型のトランジスタとを作れるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を実現できること、キャリア(電子または正孔)の移動速度がアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a−Si TFT)に比べて数百倍早いことなどから、表示装置200では、TFT222として多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p−Si TFT)が用いられる。TFT222は、n型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT222がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0035】
Rサブピクセル回路221r内のTFT222のソースは、データ信号線SRjに接続されている。また、TFT222のゲートは走査信号線Giに接続されている。TFT222のドレインは、電極対223の画素電極に接続される。そして、画素電極と対向電極との間には、液晶が配される。Gサブピクセル回路221gおよびBサブピクセル回路221bについても、各TFT222のソースが接続されるデータ信号線が異なる以外は、画素回路221rと同じ構成である。このため、これら2つのサブピクセル回路221g,221bについての説明は、繰り返さない。
【0036】
ここで、画素回路221における輝度の設定について説明する。まず、走査信号線Giにハイレベル電圧を印加する。このハイレベル電圧の印加により、TFT222のゲートがターンオンする。このようにTFT222のゲートがターンオンした状態で、各データ信号線SRj,SGj,SBjに対して、それぞれ指定された電圧(1画素分の画像データに対応する電圧)を印加する。これにより、指定された電圧に基づいた電圧が画素電極に印加される。その結果、画素電極と対向電極との間に電位差が生じる。この電位差に基づいて、液晶が応答し、画素の輝度は予め定められた輝度に設定される。なお、この電位差は、上記図示しないコンデンサ(補助容量)によって、次のフレーム期間において走査信号線Giが選択されるまで保持される。
【0037】
光センサ駆動回路28は、図1に示すドライバ制御部251から制御信号TC2を受ける。
【0038】
そして、光センサ駆動回路28は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎にリセット信号線RS1〜RSmの中から1つの信号線を順次選択し、選択された信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VddRを印加する。なお、選択されていないリセット信号線に対しては、選択されたリセット信号線に印加した電圧よりも低い電圧VssRを印加したままとする。たとえば、電圧VddRを0Vに、電圧VssRを−5Vに設定すればよい。
【0039】
また、光センサ駆動回路28は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎に読出信号線RW1〜RWmの中から1つの信号線を順次選択し、選択された信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧Vddを印加する。なお、選択されていない読出信号線に対しては、上記電圧VssRを印加したままとする。たとえば、Vddの値を8Vに設定すればよい。
【0040】
光センサ回路224は、フォトダイオード225と、コンデンサ226と、TFT227とを含む。なお、以下では、TFT227がn型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT227がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0041】
フォトダイオード225のアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード225のカソードは、コンデンサ226の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ226の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード225とコンデンサ226との接続点をノードNと称する。
【0042】
TFT227のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT227のドレインは、センサ信号線SDjに接続されている。さらに、TFT227のソースは、センサ信号線SSjに接続されている。
【0043】
スイッチSWは、センサ信号線SD1〜SDnに対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り替えるために設けられたスイッチである。スイッチSWの切り替え動作は、光センサ駆動回路28により行われる。
【0044】
アンプA1〜Anは、各センサ信号線SS1〜SSnから出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、図1に示した信号処理部253に送られる。
【0045】
なお、画素回路221を用いて画像を液晶パネル22に表示させるタイミングと、光センサ回路224を用いてセンシングするタイミングとについては、画像処理エンジン25が制御する。
【0046】
図3は、液晶パネル22とバックライト24との断面図である。液晶パネル22は、アクティブマトリクス基板31Aと、対向基板31Bと、液晶層32とから構成される。対向基板31Bは、アクティブマトリクス基板31Aに対向して配されている。液晶層32は、アクティブマトリクス基板31Aと対向基板31Bとに挟まれている。バックライト24は、アクティブマトリクス基板31Aに関し液晶層32と反対側に配されている。
【0047】
アクティブマトリクス基板31Aは、偏光フィルタ33と、ガラス基板34と、電極対223を構成する画素電極223aと、フォトダイオード225と、データ信号線35と、配向膜36とを含む。さらに、図3には示していないが、アクティブマトリクス基板31Aは、図2に示した、コンデンサ226と、TFT227と、TFT222と、走査信号線Giとを含む。
【0048】
また、アクティブマトリクス基板31Aにおいては、バックライト24側から、偏光フィルタ33、ガラス基板34、画素電極223a、および配向膜36が、この順に配されている。フォトダイオード225とデータ信号線35とは、ガラス基板34の液晶層32側に形成されている。
【0049】
対向基板31Bは、偏光フィルタ33と、ガラス基板34と、遮光膜37と、カラーフィルタ38r,38g,38bと、電極対223を構成する対向電極223bと、配向膜36とから構成される。
【0050】
また、対向基板31Bにおいては、液晶層32側から、配向膜36、対向電極223b、カラーフィルタ38r,38g,38b、ガラス基板34、および偏光フィルタ33が、この順に配されている。遮光膜37は、カラーフィルタ38r,38g,38bと同一の層に形成されている。
【0051】
カラーフィルタ38rは、赤色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ38gは、緑色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ38bは、青色の波長の光を透過させるフィルタである。ここで、フォトダイオード225は、カラーフィルタ38bに対向する位置に配されている。
【0052】
液晶パネル22は、外光やバックライト24などの光源により発せられた光を遮ったり、透過させたりすることによって、画像の表示をする。具体的には、液晶パネル22は、画素電極223aと対向電極223bとの間に電圧を印加することにより液晶層32の液晶分子の向きを変化させ、上記光を遮ったり、あるいは透過させたりする。ただし、液晶だけでは光を完全に遮ることができないため、特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタ33を配置している。
【0053】
なお、フォトダイオード225の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、カラーフィルタ38rに対向する位置やカラーフィルタ38gに対向する位置に設けることも可能である。
【0054】
ここで、光センサ回路224の動作について説明する。図4は、光センサ回路224を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。図4において、電圧Vintは、光センサ回路224内のノードNにおける電位を示している。また、電圧Vpixは、図2に示したセンサ信号線SSjからの出力電圧であって、アンプA1〜Anによって増幅される前の電圧を示している。
【0055】
以下では、光センサ回路224をリセットするためのリセット期間と、光センサ回路224を用いて光をセンシングするためのセンシング期間と、センシングした結果を読み出す読出期間とに分けて説明する。
【0056】
まず、リセット期間について説明する。リセット期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧を、ローレベル(電圧VssR)からハイレベル(電圧VddR)へと瞬間的に切り替える。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VssR)のままとする。このように、リセット信号線RSiに上記ハイレベルの電圧を印加することにより、フォトダイオード225の順方向に電流が流れ始める。
【0057】
その結果、ノードNの電位である電圧Vintは、VssR+|VddR−VssR|−Vfの式で示す値となる。この式からわかるように、フォトダイオード225における順方向の電圧降下量をVfとしている。それゆえ、ノードNの電位は、図4に示すとおり、電圧VddRよりもVfだけ小さな値となる。
【0058】
ここで、電圧Vintは、TFT227のゲートをターンオンさせる閾値以下であるため、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧Vpixは変化しない。また、コンデンサ226の電極間には、電圧Vint分の差が生じる。コンデンサ226には、この差に応じた電荷が蓄積される。
【0059】
次に、センシング期間について説明する。リセット期間に続くセンシング期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧は、ハイレベル(電圧VddR)からローレベル(電圧VssR)へと瞬間的に切り換わる。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VssR)のままとする。
【0060】
このように、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベルに変化させることにより、ノードNの電位(つまり、電圧Vint)は、リセット信号線RSiの電圧および読出信号線RWiの電圧よりも高くなる。このため、フォトダイオード225においては、カソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高い逆バイアスの状態となる。このような逆バイアスの状態において、光源からの光をフォトダイオード225が受光すると、フォトダイオード225のカソード側からアノード側へと電流が流れ始める。その結果、図4に示すとおり、ノードNの電位(電圧Vint)は時間の経過とともに低くなる。
【0061】
なお、このように電圧Vintが低下し続けるため、TFT227のゲートはターンオンした状態にはならず、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧Vpixは変化しない。
【0062】
次に、読出期間について説明する。センシング期間に続く読出期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベル(電圧VssR)のままとする。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VssR)からハイレベル(電圧Vdd)へと瞬間的に切り換わる。ここで、電圧Vddは、電圧VddRよりも高い値である。
【0063】
このように、読出信号線RWiにハイレベルの電圧を瞬間的に印加することにより、図4に示すとおり、コンデンサ226を介してノードNの電位が引き上げられる。なお、ノードNの電位の上昇幅は、読出信号線RWiに印加する電圧に応じた値となる。ここで、ノードNの電位(電圧Vint)が、TFT227のゲートをターンオンさせる閾値以上まで引き上げられるため、TFT227のゲートがターンオンする。
【0064】
この際、TFT227のドレイン側に接続されたセンサ信号線SDj(図2参照)に予め一定電圧を印加しておけば、TFT227のソース側に接続されたセンサ信号線SSjからは、図4のVpixのグラフに示すとおり、ノードNの電位に応じた電圧が出力される。
【0065】
ここで、フォトダイオード225が受ける光の量(受光量)が少ないと、図4のVintのグラフに示す直線の傾きが緩やかになる。その結果、電圧Vpixは、受光量が多い場合に比べて高くなる。このように、光センサ回路224は、フォトダイオード225の受光量に応じて、センサ信号線SSjに出力する電圧の値を変化させる。
【0066】
ところで、上記においては、m×n個存在する光センサ回路のうち、1つの光センサ回路224に着目して、その動作を説明した。以下では、液晶パネル22における各光センサ回路の動作について説明する。
【0067】
まず、光センサ駆動回路28は、n個のセンサ信号線SD1〜SDnの全てに対して、予め定められた電圧を印加する。次に、光センサ駆動回路28は、リセット信号線RS1に対して、通常よりもハイレベルな電圧VddRを印加する。なお、他のリセット信号線RS2〜RSmおよび読出信号線RW1〜RWmについては、ローレベルの電圧を印加したままの状態とする。これにより、図2における1行目のn個の光センサ回路が、リセット期間に入る。その後、1行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入る。さらに、その後、1行目のn個の光センサ回路は、読出期間に入る。
【0068】
なお、n個のセンサ信号線SD1〜SDnの全てに対して予め定められた電圧を印加するタイミングは、上記のタイミングに限定されず、少なくとも読出期間前に印加されるタイミングであればよい。
【0069】
1行目n個の光センサ回路の読出期間が終了すると、光センサ駆動回路28は、リセット信号線RS2に対して、通常よりもハイレベルな電圧VddRを印加する。つまり、2行目n個の光センサ回路のリセット期間に入る。リセット期間が終了すると、2行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入り、その後は、読出期間に入る。
【0070】
以降は、上述した処理が、順に、3行目n個の光センサ回路、4行目n個の光センサ回路、…m行目n個の光センサ回路に対して行われる。その結果、センサ信号線SS1〜SSnからは、1行目のセンシング結果、2行目のセンシング結果、…、m行目のセンシング結果が、この順に出力される。
【0071】
なお、表示装置200においては、上記のように行毎にセンシングが行われるとともに、行毎にセンシング結果が液晶パネル22から出力される。
【0072】
図3に示すように、液晶パネル22の表面にユーザの指30がタッチしている場合、バックライト24から発せられた光の一部はユーザの指30にて反射され、この反射された光をフォトダイオード225で受光する。
【0073】
また、指30がタッチしていない液晶パネル22の非タッチ領域においても、バックライト24から発せられた光の一部は、ユーザの指30にて反射される。この非タッチ部分においても、フォトダイオード225は、反射された光を受光する。ただし、非タッチ領域においては、液晶パネル22の表面に指30がタッチしていないため、指30がタッチしている領域よりも、フォトダイオード225の受光量は少なくなる。なお、バックライト24から発せられた光のうち、ユーザの指30に到達しない光のほとんどについては、フォトダイオード225は受光できない。
【0074】
ここで、バックライト24を、少なくともセンシング期間においては点灯させておくことにより、光センサ回路224は、ユーザの指30により反射した光の光量に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト24を点灯制御することにより、液晶パネル22では、指30のタッチ位置、指30のタッチしている範囲、液晶パネル22の表面に対する指30の方向などに応じて、センサ信号線SS1からSSnから出力される電圧が変化することになる。
【0075】
図5は、液晶パネル22面に対する指のタッチの強さとタッチ面積の関係を示す。当然のことながら、タッチの強さが強くなるにつれて漸次タッチ面積は広くなる。
【0076】
図6は、複数の指、例えば人差し指301と親指302が同時に液晶パネル22にタッチする状態を示している。液晶パネル22に対して、上部側に位置する人差し指301のA点におけるタッチ面積と下部側に位置する親指302のB点におけるタッチ面積の関係をA>Bとしている。
【0077】
人差し指301と親指302が液晶パネル22に対してタッチする面積の関係がA>Bであるとともに、このタッチ状態が予め設定した時間を経過した場合の情報は、センサ信号線SS1〜SSnを介して液晶パネル22から信号処理部253に供給される。この情報に基づき信号処理部253は、アングル調整の命令がされたと判断し、液晶パネル22に対して映し出された画像のアングルを、図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態に倒したチェンジとする動作に移行することができる。
【0078】
以下、図9〜図14を参照し、液晶パネル22上に、二本の指をマルチタッチさせ、その指の間隔を広げ、表示を拡大させる、いわゆるピンチアウトモードから、マルチタッチによりアングルチェンジモードに移行させ、二次元表示から三次元表示に、三次元表示から二次元表示にアングルチェンジする機能についてさらに詳しく説明する。その前に図8を参照し、人差し指301と親指302が液晶パネル22に対するタッチする面積の関係について説明する。
【0079】
一般的に、人差し指は親指に比べて液晶パネル22に対し、タッチ面積が親指よりも広い状態にはなかなかなり難い。そこで、図8に示すように、面積差≒圧力差という条件を満たす関係性を持たせるようにした。つまり、B点におけるタッチ面積での対応の出力は△B(−)とし、A点におけるタッチ面積での対応出力は△A(+)とした。つまり、単純にタッチされたA,B点の面積差だけでなく、タッチ箇所毎の経過時間における面積の変化量を比較して判断に加えるようにした。
【0080】
これにより、人差し指の操作の加減により二次元表示から三次元表示の画像とその逆の画像にアングルチェンジすることが可能となり、操作性を向上させることができる。なお、タッチ開始からアングルチェンジまでの時間はせいぜい1秒程度である。
【0081】
図9および図10は、図1に示したカーナビ1000の液晶パネル22に映し出された表示をマルチタッチして表示を拡大させるピンチアウトモードの状態から、マルチタッチにより液晶パネル22をアングルチェンジモードに移行させ、二次元から三次元表示とその逆に画像のアングルを徐々にチェンジして表示する処理の流れを示すフローチャートである。以下、図9、図10のフローチャートについて、図11〜図14の液晶パネルの関連表示例とともに説明する。
【0082】
先ず、図9のステップS01において、液晶パネル22がピンチアウトモード状態にあり、マルチタッチにより表示をピンチアウトの表示制御可能な状態にある。ピンチアウト操作が行われた後、ステップS02において、マルチタッチされた状態かを判断する。マルチタッチの状態であれば、ステップS11に戻ってピンチアウト可能な状態が継続し、マルチタッチの状態でなければ、ピンチアウトモード状態を解除する(S03)。
【0083】
そして、図11の液晶パネル22の画面上に、図12に示すように人差し指301と親指302とがマルチタッチされた場合、信号処理部253は画面上部に位置する人差し指301のタッチ位置と画面下部に位置する親指302のタッチ位置の測定をそれぞれ行う。
【0084】
ステップS2では、ステップS1でのタッチ位置を測定した結果、人差し指301と親指302のマルチタッチが行われたかを判断する。何れかの一方の指のみがタッチあるいは何れの指もタッチしていない場合は終了し、両方の指がタッチした場合はステップS3においてマルチタッチの状態が変わらないかを判断する。マルチタッチ状態変わった場合は終了し、変わらない場合は図12の状態を継続してステップS4に進み、人差し指301と親指302のそれぞれタッチ面積を測定する。測定したタッチ面積をステップS5で比較する。
【0085】
ステップS6では、ステップS5で測定した人差し指301と親指302のタッチ面積の差が予め定めた閾値以上かを判断する。閾値以下であれば終了し、閾値以上であればステップS7で画像処理エンジン25のタイマー252が起動中かを判断し、起動中であればステップS8に進み、ここで所定時間を経過したかを判断する。ステップS7において、タイマー252が起動中でなければ、ステップS9でタイマー252を起動させ、ステップS8に進む。
【0086】
ステップS8において、図12のマルチタッチ状態の継続が所定時間経過したかを判断し、経過していない場合はステップS1に戻り、経過した場合は液晶パネル22の左上に「アングル設定」の文字を映し出し、アングルチェンジモードに移行したことを通知し(S10)、次のステップS11で、図10に示すフローチャートの処理を行う。ステップS10における通知は、同時に音声でも知らせてよい。
【0087】
図10の処理は、人差し指301と親指302によるマルチタッチにおけるアングルチェンジモードに移行後の、画像を二次元表示⇔三次元表示にアングルチェンジして表示制御する処理例を示すフローチャートである。
【0088】
図10のステップ101において、人差し指301と親指302のそれぞれのタッチ面積測定を行う。それぞれの測定面積をステップS102で比較する。次のステップS103では、ステップS102に基づく面積差異が予め定めた閾値以上かを判断する。閾値以上であれば、ステップS104において閾値以上の値に基づいたアングル変更率を決定する。
【0089】
ステップS105では、上部側のタッチ位置面積>下部のタッチ位置面積の関係を判断する。ステップS105において上部側のタッチ位置面積が大きい場合は三次元表示のアングル変更方向が三次元表示方向にチェンジする。
【0090】
また、ステップS103において、人差し指301と親指302それぞれのタッチ面積の差異が閾値以下であった場合は、ステップS107、S108に進み、ここでアングル変更はしないとしてステップS110に進む。
【0091】
ステップS105において、下部側のタッチ位置面積が大きい場合は、二次元表示方向のアングル表示とし、ステップS110に進む。
【0092】
ステップS110では、ステップS106,S108,S109の何れかで決定されたアングルによる表示画面で液晶パネル22に対して、図14に示すような描画が行う。
【0093】
図14に示す描画がされた後、図9ステップS12において、マルチタッチされた状態かを判断する。マルチタッチの状態であれば、ステップS11に戻りアングルチェンジ状態を継続し、マルチタッチ状態でないと判断した場合、アングルチェンジモード状態を解除する。
【0094】
図15は、人差し指301と親指302でアングル設定移行後を模式的に示したもので、図15(a)の二次元表示から図15(c)の三次元表示までの往復を人差し指301と親指302でアングルチェンジする様子を示す。
【0095】
このように、マルチタッチで画面上部を下部よりタッチ面積を大きくした状態を、所定時間保持させることでアングル設定のモードに移行させ、その後、画面上部が下部のタッチ面積に比して大きいか小さいかに基づく一連の操作により、三次元表示にアングルチェンジで描画させたり、二次元表示でアングルを変更したりすることが可能となる。
【0096】
この実施形態では、液晶パネル上をマルチタッチされたことを検出後、少なくとも当該マルチタッチの状態が所定時間経過後に他のモードに移行することが可能となり、操作に煩わしさを軽減することができる。また、一連の液晶パネルのタッチ操作で、二次元あるいは三次元表示はもとより、それら表示のアングルチェンジも可能となり、操作上の煩わしさを軽減することができる。
【0097】
なお、マルチタッチによる他のモードへの移行は、マルチタッチ状態が所定時間経過後だけでなく、例えばマルチタッチのタッチ面積差を何度が逆にするなどマルチタッチの状態を変化させた場合でも移行可能である。
【0098】
(第2の実施形態)
この実施形態は、図9のステップS8において、[アングル設定]が液晶パネル22の画面上に表示された場合は、これまでのマルチタッチ状態から人差し指301あるいは親指302のいずれかを操作することで、アングルチェンジを可能としたものである。例えば、親指302のタッチを止めて人差し指301のみのタッチ操作を続けると、図15(a)から(c)方向にアングルがチェンジし、今度は人差し指301のタッチを止め親指302のみのタッチ操作をすると、逆に二次元表示方向にアングルがチェンジする操作を行うことができる。
【0099】
人差し指301あるいは親指302のいずれかを操作し、所望のアングルの画像を得たところで、人差し指301あるいは親指302の何れのタッチ操作も止めると、止めたアングルで画像は固定する。この状態から、再びアングルチェンジしたい場合は、人差し指301あるいは親指302の操作に関係なく、液晶パネル22の上部側を操作した場合は三次元方向に、下部側を操作した場合は二次元方向にアングルチェンジするよう設計する。
【0100】
アングルチェンジモードは、例えば再びマルチタッチすることにより解除でき、次のモードには、アングルチェンジモードを解除した後、マルチタッチを所定時間操作することにより移行することができる。
【0101】
この実施形態では、所定時間マルチタッチ操作を行い、アングルチェンジモードに設定された移行は、シングルタッチでのアングルチェンジを可能としたことにより、操作性の向上を図ることができる。
【0102】
(第3の実施形態)
この実施形態は、人差し指301を図16に示す画面領域16Aに、親指302を図16に示す領域16Bにそれぞれ所定時間マルチタッチし、[アングル設定]が液晶パネル22の画面上に表示された以降は、画面領域16Aを人差し指301で操作して図15(c)方向のアングルにチェンジし、画面領域16Bを人差し指301で操作して図15(a)方向のアングルにチェンジする。また、画面領域16Cを人差し指301で操作した場合は、左側の画面が奥に右側が手前にアングルチェンジさせ、画面領域16Dを人差し指301で操作した場合は、右側の画面が奥に左側が手前にアングルチェンジさせるようにした。
【0103】
この実施形態では、マルチタッチを所定時間操作し、アングルチェンジモードに移行後は、16A〜16Dの各画面領域をタッチ操作することにより、上下左右のアングルチェンジすることができる。なお、アングルチェンジモードに移行後のタッチ操作は、人差し指を例に挙げたが、どの指をタッチした場合でも画面領域16A〜16Dに対応したアングルチェンジを行うことができる。
【0104】
上記した各実施形態に限定されるものではない。二次元表示と三次元表示の相互におけるアングルチェンジを行う例を示したが、これに限らず、例えば単に二次元表示を傾けるアングルチェンジものであってもよい。また、液晶パネルを画像表示のアングルチェンジと同じようにボリウムとして用いることができる。また、リスト表示のスクロールコマンド変換にも同じような考え方でリストの上下スクロールに適用することができる。
【0105】
また、液晶パネルをマルチタッチし、この状態で指を移動させずに、所定時間保持することにより、表示のアングルチェンジ→ボリウム→画面のスクロールなどのモードに切り替えることもできる。所望のモードに切り替わったところで、マルチタッチを止めば、止めた時点のモードが固定され、ボリウムのモードであればアップ・ダウンを、スクロールのモードであれば画像の上下あるいは左右方向のスクロールなどの操作を実現することができる。モードの変化は、液晶パネル上に表示するようにする
さらに、タッチセンサ機能を備えた液晶パネルとしては、光センサによる例で説明したがこれに限らず、抵抗膜方式や静電容量方式等のものであっても構わない。抵抗膜方式は、対向する透明導電膜間に数ミクロンの微少なスペーサーを配置し、その上にフィルムを貼り付けた構造を持ち、透明導電膜の1つ1つが短冊状で、これが複数枚直交するマトリクス形状とし、フィルムにタッチして圧力をかけることで、導電膜同士が接触し、この時に発生した電流を測定することにより、マトリクスから触れた位置を検出するものである。静電容量方式は、透明電導膜の上にガラス等を張り付けた構造を持ち、抵抗膜方式と同様に複数の縦軸と横軸に分かれマトリクス形状とし、透明電導膜上のガラスをタッチすることで、コンデンサと同原理で、誘電体(指)が近づくと、この静電容量により高周波電流が流れて増加する透明電導膜の静電容量を測定することにより、マトリクスから触れた位置を検出するものである。
【0106】
また、カーナビ1000の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro−Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。有機ELパネルのような自発光型のものや発射型の液晶パネルの場合、バックライトは必要ない。
【0107】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1000 カーナビ
100 本体装置
200 表示装置
22 液晶パネル
25 画像処理エンジン
253 信号処理部
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、一連の液晶パネルのタッチパネル操作でモード変更とこのモードに対応した操作を可能とする入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルをマルチタッチすることで、各タッチ箇所の相対的な位置関係を判断し、表示の縮尺変更や回転操作などが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−65654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばカーナビ(カーナビゲーションシステム)などにおける地図データ等の表示は、二次元(平面)のみならず三次元(立体)でも可能となっている。三次元表示において従来の技術を用いて手前から奥あるいは奥から手前のアングル変更を行う場合には、何回もタッチ操作を繰り返す必要があり、操作性が悪いといった煩わしさがあった。
【0005】
この実施形態では、一連のタッチパネル操作でモードを変更するとともに、変更されたモードに対応した操作を可能とする入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、タッチセンサ機能を備えた液晶パネルと、前記液晶パネル上をマルチタッチされたことを検出後、少なくとも当該マルチタッチの状態が変化した場合もしくは所定時間経過後にモード変更要求と判断し、他のモードに移行するモード移行手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】入力装置に関する第1の実施形態としてカーナビの概略的なシステム構成図である。
【図2】カーナビの液晶パネルの構成と液晶パネルの周辺回路とを示した図である。
【図3】液晶パネルとバックライトとの断面図である。
【図4】図2の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図5】タッチパネルの操作について説明するための説明図である。
【図6】指と液晶パネルとのタッチに関係について説明するための説明図である。
【図7】画面のアングル変更例について説明するための説明図である。
【図8】液晶パネルのタッチ操作の補正について説明するための説明図である。
【図9】入力装置に関する第1の実施形態について説明するためのフローチャートである。
【図10】図9のフローチャートの一部のより具体例について説明するためのフローチャートである。
【図11】図9の説明の補助的な説明図である。
【図12】図9の説明の補助的な説明図である。
【図13】図9の説明の補助的な説明図である。
【図14】図9の説明の補助的な説明図である。
【図15】二次元と三次元表示の表示変化について説明するための説明図である。
【図16】入力装置に関する第3の実施形態について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、入力装置に関する第1の実施形態としてカーナビ1000の概略的なシステム構成図で、カーナビ1000の主たる構成要素として、本体装置100と、表示装置200の具体的な構成例を示す。
【0010】
本体装置100は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read−Only Memory)13と、メモリカードリーダライタ14と、スピーカ15と、操作キー16とから構成される。各構成要素は、相互にデータバスDBによって接続されている。メモリカードリーダライタ14には、メモリカードMCが装着される。
【0011】
CPU11は、プログラムを実行する。操作キー16は、カーナビ1000の使用者による指示の入力を受ける。RAM12は、CPU11によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー16を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM13は、データを不揮発的に格納する。また、ROM13は、EPROM(Erasable Programmable Read−Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。なお、図1には図示していないが、カーナビ1000が、他のカーナビに有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよいし、通信部を設けたカーナビとの間で無線通信を行ってもよい。
【0012】
表示装置200は、ドライバ21と、光センサが内蔵された液晶パネル22と、内部IF(Interface)23と、バックライト24と、画像処理エンジン25とから構成される。
【0013】
ドライバ21は、液晶パネル22およびバックライト24を駆動するための駆動回路である。液晶パネル22は、液晶ディスプレイの機能と光センサの機能とを備えたデバイスである。つまり、液晶パネル22は、液晶を用いた画像の表示と、光センサを用いたセンシングとを行うことができる。内部IF23は、本体装置100と表示装置200との間で、データのやり取りを仲介する。バックライト24は、液晶パネル22の裏面に配置された光源である。バックライト24は、液晶パネル22の裏面に対して均一な光を照射する。
【0014】
画像処理エンジン25は、ドライバ21を介して液晶パネル22の動作を制御する。この制御は、内部IF23を介して本体装置100から送られてくる各種データに基づいて行われる。各種データとしては、コマンドを含む。また、画像処理エンジン25は、液晶パネル22から出力されるデータを処理し、処理されたデータを、内部IF23を介して本体装置100に送る。さらに、画像処理エンジン25は、ドライバ制御部251と、タイマー252と、信号処理部253とから構成される。
【0015】
ドライバ制御部251は、ドライバ21に対して制御信号を送ることによりドライバ21の動作を制御する。また、ドライバ制御部251は、本体装置100から送られてくるコマンドを解析する。そして、ドライバ制御部251は、解析の結果に基づいた制御信号をドライバ21に送る。
【0016】
タイマー252は、時刻情報を生成し、信号処理部253に対して時刻情報を送る。
【0017】
信号処理部253は、液晶パネル22に内蔵された光センサから出力されるデータを受け取る。光センサから出力されるデータは、アナログデータであるため、信号処理部253は、まずアナログデータをデジタルデータに変換する。さらに、信号処理部253は、デジタルデータに対して、本体装置100から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。
【0018】
そして、信号処理部253は、本体装置100から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行った後のデータと、タイマー252から取得した時刻情報を含んだデータ(以下、応答データ)とを本体装置100に送る。また、信号処理部253は、スキャンデータを連続して複数格納できる図示しないRAMを備えている。スキャンデータとは、液晶パネル22から出力される1行目からm行目までのm行分の電圧に関するデータに対して、信号処理部253がデータ処理を行った後のデータである。スキャンデータは、スキャン対象物である、たとえば、ユーザの指をスキャンすることにより得られる画像データを指す。
【0019】
なお、タイマー252は、必ずしも画像処理エンジン25に備える必要はない。たとえば、タイマー252は、表示装置200内における、画像処理エンジン25の外部に備えてもよいし、タイマー252は、本体装置100に備えてもよい。
【0020】
ここで、表示装置200は、システム液晶を含んでいる。システム液晶とは、液晶パネル22の周辺機器を、液晶パネル22を構成するガラス基板上に一体形成することにより得られるデバイスである。ここでは、バックライト24を駆動する回路を除いたドライバ21と、内部IF23と、画像処理エンジン25とが、液晶パネル22のガラス基板上に一体形成されている。
【0021】
表示装置200は、必ずしもシステム液晶を用いて構成されている必要はなく、バックライト24を駆動する回路を除いたドライバ21と、内部IF23と、画像処理エンジン25とが、液晶パネルのガラス基板以外の基板に構成されていてもよい。
【0022】
カーナビ1000における処理は、各ハードウェアおよびCPU11により実行されるソフトウェアによって実現される。ソフトウェアは、ROM13に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカードMCその他の記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。
【0023】
このようなソフトウェアは、メモリカードリーダライタ14その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは図示しない通信IFなどを介してダウンロードされた後、ROM13に一旦格納される。ソフトウェアは、CPU11によってROM13から読み出され、RAM12に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU11は、そのプログラムを実行する。
【0024】
図1に示されるカーナビ1000の本体装置100を構成する各構成要素は、一般的なものである。従って、この実施形態の本質的な部分は、RAM12、ROM13、メモリカードMCその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるとも言える。なお、カーナビ1000の本体装置100のハードウェア動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
記憶媒体としては、メモリカードに限らず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、メモリカードを除くIC(Integrated Circuit)カード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
【0026】
図2は、液晶パネル22の構成と、この液晶パネル22の周辺回路の構成について説明するための図である。
【0027】
液晶パネル22は、画素回路221と、光センサ回路224と、走査信号線Giと、データ信号線SRj,SGj,SBjと、センサ信号線SSj,SDjと、読出信号線RWiと、リセット信号線RSiとから構成される。なお、iは、1≦i≦mを満たす自然数であり、jは、1≦j≦nを満たす自然数である。
【0028】
また、図1に示した表示装置200のドライバ21は、液晶パネル22の周辺回路として、走査信号線駆動回路26と、データ信号線駆動回路27と、光センサ駆動回路28と、スイッチSWと、アンプA1〜Anとから構成される。
【0029】
走査信号線駆動回路26は、図1に示すドライバ制御部251から制御信号TC1を受ける。そして、走査信号線駆動回路26は、制御信号TC1に基づき、各走査信号線G1〜Gmに対して、走査信号線G1から順に予め定められた電圧を印加する。詳しくは、走査信号線駆動回路26は、単位時間毎に走査信号線G1〜Gmの中から1つの走査信号線を順次選択し、この選択された走査信号線に対してTFT(Thin Film Transistor)222のゲートをターンオンできるだけの電圧(以下、ハイレベル電圧)を印加する。なお、選択されていない走査信号線に対しては、ハイレベル電圧を印加することなく、ローレベル電圧を印加したままとする。
【0030】
データ信号線駆動回路27は、図1に示すドライバ制御部251から画像データDR,DG,DBを受ける。そして、データ信号線駆動回路27は、3n個のデータ信号線SR1〜SRn,SG1〜SGn,SB1〜SBnに対して、上記単位時間毎に、1行分の画像データに対応する電圧を順次印加する。
【0031】
ここでは、いわゆる線順次方式と呼ばれる駆動方式を用いて説明したが、駆動方式はこれに限定されるものではない。
【0032】
画素回路221は、1つの画素の輝度(透過率)を設定するための回路である。また、画素回路221は、マトリクス状にm×n個配されている。より詳しくは、画素回路221は、図2縦方向にm個、横方向にn個配されている。
【0033】
画素回路221は、Rサブピクセル回路221rと、Gサブピクセル回路221gと、Bサブピクセル回路221bとからなる。これら3つのサブピクセル回路221r,221g,221bは、それぞれ、TFT222と、画素電極と対向電極とからなる1組の電極対223と、図示しないコンデンサとを含む。
【0034】
なお、n型のトランジスタとp型のトランジスタとを作れるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を実現できること、キャリア(電子または正孔)の移動速度がアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a−Si TFT)に比べて数百倍早いことなどから、表示装置200では、TFT222として多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p−Si TFT)が用いられる。TFT222は、n型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT222がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0035】
Rサブピクセル回路221r内のTFT222のソースは、データ信号線SRjに接続されている。また、TFT222のゲートは走査信号線Giに接続されている。TFT222のドレインは、電極対223の画素電極に接続される。そして、画素電極と対向電極との間には、液晶が配される。Gサブピクセル回路221gおよびBサブピクセル回路221bについても、各TFT222のソースが接続されるデータ信号線が異なる以外は、画素回路221rと同じ構成である。このため、これら2つのサブピクセル回路221g,221bについての説明は、繰り返さない。
【0036】
ここで、画素回路221における輝度の設定について説明する。まず、走査信号線Giにハイレベル電圧を印加する。このハイレベル電圧の印加により、TFT222のゲートがターンオンする。このようにTFT222のゲートがターンオンした状態で、各データ信号線SRj,SGj,SBjに対して、それぞれ指定された電圧(1画素分の画像データに対応する電圧)を印加する。これにより、指定された電圧に基づいた電圧が画素電極に印加される。その結果、画素電極と対向電極との間に電位差が生じる。この電位差に基づいて、液晶が応答し、画素の輝度は予め定められた輝度に設定される。なお、この電位差は、上記図示しないコンデンサ(補助容量)によって、次のフレーム期間において走査信号線Giが選択されるまで保持される。
【0037】
光センサ駆動回路28は、図1に示すドライバ制御部251から制御信号TC2を受ける。
【0038】
そして、光センサ駆動回路28は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎にリセット信号線RS1〜RSmの中から1つの信号線を順次選択し、選択された信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VddRを印加する。なお、選択されていないリセット信号線に対しては、選択されたリセット信号線に印加した電圧よりも低い電圧VssRを印加したままとする。たとえば、電圧VddRを0Vに、電圧VssRを−5Vに設定すればよい。
【0039】
また、光センサ駆動回路28は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎に読出信号線RW1〜RWmの中から1つの信号線を順次選択し、選択された信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧Vddを印加する。なお、選択されていない読出信号線に対しては、上記電圧VssRを印加したままとする。たとえば、Vddの値を8Vに設定すればよい。
【0040】
光センサ回路224は、フォトダイオード225と、コンデンサ226と、TFT227とを含む。なお、以下では、TFT227がn型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT227がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
【0041】
フォトダイオード225のアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード225のカソードは、コンデンサ226の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ226の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード225とコンデンサ226との接続点をノードNと称する。
【0042】
TFT227のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT227のドレインは、センサ信号線SDjに接続されている。さらに、TFT227のソースは、センサ信号線SSjに接続されている。
【0043】
スイッチSWは、センサ信号線SD1〜SDnに対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り替えるために設けられたスイッチである。スイッチSWの切り替え動作は、光センサ駆動回路28により行われる。
【0044】
アンプA1〜Anは、各センサ信号線SS1〜SSnから出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、図1に示した信号処理部253に送られる。
【0045】
なお、画素回路221を用いて画像を液晶パネル22に表示させるタイミングと、光センサ回路224を用いてセンシングするタイミングとについては、画像処理エンジン25が制御する。
【0046】
図3は、液晶パネル22とバックライト24との断面図である。液晶パネル22は、アクティブマトリクス基板31Aと、対向基板31Bと、液晶層32とから構成される。対向基板31Bは、アクティブマトリクス基板31Aに対向して配されている。液晶層32は、アクティブマトリクス基板31Aと対向基板31Bとに挟まれている。バックライト24は、アクティブマトリクス基板31Aに関し液晶層32と反対側に配されている。
【0047】
アクティブマトリクス基板31Aは、偏光フィルタ33と、ガラス基板34と、電極対223を構成する画素電極223aと、フォトダイオード225と、データ信号線35と、配向膜36とを含む。さらに、図3には示していないが、アクティブマトリクス基板31Aは、図2に示した、コンデンサ226と、TFT227と、TFT222と、走査信号線Giとを含む。
【0048】
また、アクティブマトリクス基板31Aにおいては、バックライト24側から、偏光フィルタ33、ガラス基板34、画素電極223a、および配向膜36が、この順に配されている。フォトダイオード225とデータ信号線35とは、ガラス基板34の液晶層32側に形成されている。
【0049】
対向基板31Bは、偏光フィルタ33と、ガラス基板34と、遮光膜37と、カラーフィルタ38r,38g,38bと、電極対223を構成する対向電極223bと、配向膜36とから構成される。
【0050】
また、対向基板31Bにおいては、液晶層32側から、配向膜36、対向電極223b、カラーフィルタ38r,38g,38b、ガラス基板34、および偏光フィルタ33が、この順に配されている。遮光膜37は、カラーフィルタ38r,38g,38bと同一の層に形成されている。
【0051】
カラーフィルタ38rは、赤色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ38gは、緑色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ38bは、青色の波長の光を透過させるフィルタである。ここで、フォトダイオード225は、カラーフィルタ38bに対向する位置に配されている。
【0052】
液晶パネル22は、外光やバックライト24などの光源により発せられた光を遮ったり、透過させたりすることによって、画像の表示をする。具体的には、液晶パネル22は、画素電極223aと対向電極223bとの間に電圧を印加することにより液晶層32の液晶分子の向きを変化させ、上記光を遮ったり、あるいは透過させたりする。ただし、液晶だけでは光を完全に遮ることができないため、特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタ33を配置している。
【0053】
なお、フォトダイオード225の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、カラーフィルタ38rに対向する位置やカラーフィルタ38gに対向する位置に設けることも可能である。
【0054】
ここで、光センサ回路224の動作について説明する。図4は、光センサ回路224を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。図4において、電圧Vintは、光センサ回路224内のノードNにおける電位を示している。また、電圧Vpixは、図2に示したセンサ信号線SSjからの出力電圧であって、アンプA1〜Anによって増幅される前の電圧を示している。
【0055】
以下では、光センサ回路224をリセットするためのリセット期間と、光センサ回路224を用いて光をセンシングするためのセンシング期間と、センシングした結果を読み出す読出期間とに分けて説明する。
【0056】
まず、リセット期間について説明する。リセット期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧を、ローレベル(電圧VssR)からハイレベル(電圧VddR)へと瞬間的に切り替える。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VssR)のままとする。このように、リセット信号線RSiに上記ハイレベルの電圧を印加することにより、フォトダイオード225の順方向に電流が流れ始める。
【0057】
その結果、ノードNの電位である電圧Vintは、VssR+|VddR−VssR|−Vfの式で示す値となる。この式からわかるように、フォトダイオード225における順方向の電圧降下量をVfとしている。それゆえ、ノードNの電位は、図4に示すとおり、電圧VddRよりもVfだけ小さな値となる。
【0058】
ここで、電圧Vintは、TFT227のゲートをターンオンさせる閾値以下であるため、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧Vpixは変化しない。また、コンデンサ226の電極間には、電圧Vint分の差が生じる。コンデンサ226には、この差に応じた電荷が蓄積される。
【0059】
次に、センシング期間について説明する。リセット期間に続くセンシング期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧は、ハイレベル(電圧VddR)からローレベル(電圧VssR)へと瞬間的に切り換わる。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VssR)のままとする。
【0060】
このように、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベルに変化させることにより、ノードNの電位(つまり、電圧Vint)は、リセット信号線RSiの電圧および読出信号線RWiの電圧よりも高くなる。このため、フォトダイオード225においては、カソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高い逆バイアスの状態となる。このような逆バイアスの状態において、光源からの光をフォトダイオード225が受光すると、フォトダイオード225のカソード側からアノード側へと電流が流れ始める。その結果、図4に示すとおり、ノードNの電位(電圧Vint)は時間の経過とともに低くなる。
【0061】
なお、このように電圧Vintが低下し続けるため、TFT227のゲートはターンオンした状態にはならず、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧Vpixは変化しない。
【0062】
次に、読出期間について説明する。センシング期間に続く読出期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベル(電圧VssR)のままとする。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VssR)からハイレベル(電圧Vdd)へと瞬間的に切り換わる。ここで、電圧Vddは、電圧VddRよりも高い値である。
【0063】
このように、読出信号線RWiにハイレベルの電圧を瞬間的に印加することにより、図4に示すとおり、コンデンサ226を介してノードNの電位が引き上げられる。なお、ノードNの電位の上昇幅は、読出信号線RWiに印加する電圧に応じた値となる。ここで、ノードNの電位(電圧Vint)が、TFT227のゲートをターンオンさせる閾値以上まで引き上げられるため、TFT227のゲートがターンオンする。
【0064】
この際、TFT227のドレイン側に接続されたセンサ信号線SDj(図2参照)に予め一定電圧を印加しておけば、TFT227のソース側に接続されたセンサ信号線SSjからは、図4のVpixのグラフに示すとおり、ノードNの電位に応じた電圧が出力される。
【0065】
ここで、フォトダイオード225が受ける光の量(受光量)が少ないと、図4のVintのグラフに示す直線の傾きが緩やかになる。その結果、電圧Vpixは、受光量が多い場合に比べて高くなる。このように、光センサ回路224は、フォトダイオード225の受光量に応じて、センサ信号線SSjに出力する電圧の値を変化させる。
【0066】
ところで、上記においては、m×n個存在する光センサ回路のうち、1つの光センサ回路224に着目して、その動作を説明した。以下では、液晶パネル22における各光センサ回路の動作について説明する。
【0067】
まず、光センサ駆動回路28は、n個のセンサ信号線SD1〜SDnの全てに対して、予め定められた電圧を印加する。次に、光センサ駆動回路28は、リセット信号線RS1に対して、通常よりもハイレベルな電圧VddRを印加する。なお、他のリセット信号線RS2〜RSmおよび読出信号線RW1〜RWmについては、ローレベルの電圧を印加したままの状態とする。これにより、図2における1行目のn個の光センサ回路が、リセット期間に入る。その後、1行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入る。さらに、その後、1行目のn個の光センサ回路は、読出期間に入る。
【0068】
なお、n個のセンサ信号線SD1〜SDnの全てに対して予め定められた電圧を印加するタイミングは、上記のタイミングに限定されず、少なくとも読出期間前に印加されるタイミングであればよい。
【0069】
1行目n個の光センサ回路の読出期間が終了すると、光センサ駆動回路28は、リセット信号線RS2に対して、通常よりもハイレベルな電圧VddRを印加する。つまり、2行目n個の光センサ回路のリセット期間に入る。リセット期間が終了すると、2行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入り、その後は、読出期間に入る。
【0070】
以降は、上述した処理が、順に、3行目n個の光センサ回路、4行目n個の光センサ回路、…m行目n個の光センサ回路に対して行われる。その結果、センサ信号線SS1〜SSnからは、1行目のセンシング結果、2行目のセンシング結果、…、m行目のセンシング結果が、この順に出力される。
【0071】
なお、表示装置200においては、上記のように行毎にセンシングが行われるとともに、行毎にセンシング結果が液晶パネル22から出力される。
【0072】
図3に示すように、液晶パネル22の表面にユーザの指30がタッチしている場合、バックライト24から発せられた光の一部はユーザの指30にて反射され、この反射された光をフォトダイオード225で受光する。
【0073】
また、指30がタッチしていない液晶パネル22の非タッチ領域においても、バックライト24から発せられた光の一部は、ユーザの指30にて反射される。この非タッチ部分においても、フォトダイオード225は、反射された光を受光する。ただし、非タッチ領域においては、液晶パネル22の表面に指30がタッチしていないため、指30がタッチしている領域よりも、フォトダイオード225の受光量は少なくなる。なお、バックライト24から発せられた光のうち、ユーザの指30に到達しない光のほとんどについては、フォトダイオード225は受光できない。
【0074】
ここで、バックライト24を、少なくともセンシング期間においては点灯させておくことにより、光センサ回路224は、ユーザの指30により反射した光の光量に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト24を点灯制御することにより、液晶パネル22では、指30のタッチ位置、指30のタッチしている範囲、液晶パネル22の表面に対する指30の方向などに応じて、センサ信号線SS1からSSnから出力される電圧が変化することになる。
【0075】
図5は、液晶パネル22面に対する指のタッチの強さとタッチ面積の関係を示す。当然のことながら、タッチの強さが強くなるにつれて漸次タッチ面積は広くなる。
【0076】
図6は、複数の指、例えば人差し指301と親指302が同時に液晶パネル22にタッチする状態を示している。液晶パネル22に対して、上部側に位置する人差し指301のA点におけるタッチ面積と下部側に位置する親指302のB点におけるタッチ面積の関係をA>Bとしている。
【0077】
人差し指301と親指302が液晶パネル22に対してタッチする面積の関係がA>Bであるとともに、このタッチ状態が予め設定した時間を経過した場合の情報は、センサ信号線SS1〜SSnを介して液晶パネル22から信号処理部253に供給される。この情報に基づき信号処理部253は、アングル調整の命令がされたと判断し、液晶パネル22に対して映し出された画像のアングルを、図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態に倒したチェンジとする動作に移行することができる。
【0078】
以下、図9〜図14を参照し、液晶パネル22上に、二本の指をマルチタッチさせ、その指の間隔を広げ、表示を拡大させる、いわゆるピンチアウトモードから、マルチタッチによりアングルチェンジモードに移行させ、二次元表示から三次元表示に、三次元表示から二次元表示にアングルチェンジする機能についてさらに詳しく説明する。その前に図8を参照し、人差し指301と親指302が液晶パネル22に対するタッチする面積の関係について説明する。
【0079】
一般的に、人差し指は親指に比べて液晶パネル22に対し、タッチ面積が親指よりも広い状態にはなかなかなり難い。そこで、図8に示すように、面積差≒圧力差という条件を満たす関係性を持たせるようにした。つまり、B点におけるタッチ面積での対応の出力は△B(−)とし、A点におけるタッチ面積での対応出力は△A(+)とした。つまり、単純にタッチされたA,B点の面積差だけでなく、タッチ箇所毎の経過時間における面積の変化量を比較して判断に加えるようにした。
【0080】
これにより、人差し指の操作の加減により二次元表示から三次元表示の画像とその逆の画像にアングルチェンジすることが可能となり、操作性を向上させることができる。なお、タッチ開始からアングルチェンジまでの時間はせいぜい1秒程度である。
【0081】
図9および図10は、図1に示したカーナビ1000の液晶パネル22に映し出された表示をマルチタッチして表示を拡大させるピンチアウトモードの状態から、マルチタッチにより液晶パネル22をアングルチェンジモードに移行させ、二次元から三次元表示とその逆に画像のアングルを徐々にチェンジして表示する処理の流れを示すフローチャートである。以下、図9、図10のフローチャートについて、図11〜図14の液晶パネルの関連表示例とともに説明する。
【0082】
先ず、図9のステップS01において、液晶パネル22がピンチアウトモード状態にあり、マルチタッチにより表示をピンチアウトの表示制御可能な状態にある。ピンチアウト操作が行われた後、ステップS02において、マルチタッチされた状態かを判断する。マルチタッチの状態であれば、ステップS11に戻ってピンチアウト可能な状態が継続し、マルチタッチの状態でなければ、ピンチアウトモード状態を解除する(S03)。
【0083】
そして、図11の液晶パネル22の画面上に、図12に示すように人差し指301と親指302とがマルチタッチされた場合、信号処理部253は画面上部に位置する人差し指301のタッチ位置と画面下部に位置する親指302のタッチ位置の測定をそれぞれ行う。
【0084】
ステップS2では、ステップS1でのタッチ位置を測定した結果、人差し指301と親指302のマルチタッチが行われたかを判断する。何れかの一方の指のみがタッチあるいは何れの指もタッチしていない場合は終了し、両方の指がタッチした場合はステップS3においてマルチタッチの状態が変わらないかを判断する。マルチタッチ状態変わった場合は終了し、変わらない場合は図12の状態を継続してステップS4に進み、人差し指301と親指302のそれぞれタッチ面積を測定する。測定したタッチ面積をステップS5で比較する。
【0085】
ステップS6では、ステップS5で測定した人差し指301と親指302のタッチ面積の差が予め定めた閾値以上かを判断する。閾値以下であれば終了し、閾値以上であればステップS7で画像処理エンジン25のタイマー252が起動中かを判断し、起動中であればステップS8に進み、ここで所定時間を経過したかを判断する。ステップS7において、タイマー252が起動中でなければ、ステップS9でタイマー252を起動させ、ステップS8に進む。
【0086】
ステップS8において、図12のマルチタッチ状態の継続が所定時間経過したかを判断し、経過していない場合はステップS1に戻り、経過した場合は液晶パネル22の左上に「アングル設定」の文字を映し出し、アングルチェンジモードに移行したことを通知し(S10)、次のステップS11で、図10に示すフローチャートの処理を行う。ステップS10における通知は、同時に音声でも知らせてよい。
【0087】
図10の処理は、人差し指301と親指302によるマルチタッチにおけるアングルチェンジモードに移行後の、画像を二次元表示⇔三次元表示にアングルチェンジして表示制御する処理例を示すフローチャートである。
【0088】
図10のステップ101において、人差し指301と親指302のそれぞれのタッチ面積測定を行う。それぞれの測定面積をステップS102で比較する。次のステップS103では、ステップS102に基づく面積差異が予め定めた閾値以上かを判断する。閾値以上であれば、ステップS104において閾値以上の値に基づいたアングル変更率を決定する。
【0089】
ステップS105では、上部側のタッチ位置面積>下部のタッチ位置面積の関係を判断する。ステップS105において上部側のタッチ位置面積が大きい場合は三次元表示のアングル変更方向が三次元表示方向にチェンジする。
【0090】
また、ステップS103において、人差し指301と親指302それぞれのタッチ面積の差異が閾値以下であった場合は、ステップS107、S108に進み、ここでアングル変更はしないとしてステップS110に進む。
【0091】
ステップS105において、下部側のタッチ位置面積が大きい場合は、二次元表示方向のアングル表示とし、ステップS110に進む。
【0092】
ステップS110では、ステップS106,S108,S109の何れかで決定されたアングルによる表示画面で液晶パネル22に対して、図14に示すような描画が行う。
【0093】
図14に示す描画がされた後、図9ステップS12において、マルチタッチされた状態かを判断する。マルチタッチの状態であれば、ステップS11に戻りアングルチェンジ状態を継続し、マルチタッチ状態でないと判断した場合、アングルチェンジモード状態を解除する。
【0094】
図15は、人差し指301と親指302でアングル設定移行後を模式的に示したもので、図15(a)の二次元表示から図15(c)の三次元表示までの往復を人差し指301と親指302でアングルチェンジする様子を示す。
【0095】
このように、マルチタッチで画面上部を下部よりタッチ面積を大きくした状態を、所定時間保持させることでアングル設定のモードに移行させ、その後、画面上部が下部のタッチ面積に比して大きいか小さいかに基づく一連の操作により、三次元表示にアングルチェンジで描画させたり、二次元表示でアングルを変更したりすることが可能となる。
【0096】
この実施形態では、液晶パネル上をマルチタッチされたことを検出後、少なくとも当該マルチタッチの状態が所定時間経過後に他のモードに移行することが可能となり、操作に煩わしさを軽減することができる。また、一連の液晶パネルのタッチ操作で、二次元あるいは三次元表示はもとより、それら表示のアングルチェンジも可能となり、操作上の煩わしさを軽減することができる。
【0097】
なお、マルチタッチによる他のモードへの移行は、マルチタッチ状態が所定時間経過後だけでなく、例えばマルチタッチのタッチ面積差を何度が逆にするなどマルチタッチの状態を変化させた場合でも移行可能である。
【0098】
(第2の実施形態)
この実施形態は、図9のステップS8において、[アングル設定]が液晶パネル22の画面上に表示された場合は、これまでのマルチタッチ状態から人差し指301あるいは親指302のいずれかを操作することで、アングルチェンジを可能としたものである。例えば、親指302のタッチを止めて人差し指301のみのタッチ操作を続けると、図15(a)から(c)方向にアングルがチェンジし、今度は人差し指301のタッチを止め親指302のみのタッチ操作をすると、逆に二次元表示方向にアングルがチェンジする操作を行うことができる。
【0099】
人差し指301あるいは親指302のいずれかを操作し、所望のアングルの画像を得たところで、人差し指301あるいは親指302の何れのタッチ操作も止めると、止めたアングルで画像は固定する。この状態から、再びアングルチェンジしたい場合は、人差し指301あるいは親指302の操作に関係なく、液晶パネル22の上部側を操作した場合は三次元方向に、下部側を操作した場合は二次元方向にアングルチェンジするよう設計する。
【0100】
アングルチェンジモードは、例えば再びマルチタッチすることにより解除でき、次のモードには、アングルチェンジモードを解除した後、マルチタッチを所定時間操作することにより移行することができる。
【0101】
この実施形態では、所定時間マルチタッチ操作を行い、アングルチェンジモードに設定された移行は、シングルタッチでのアングルチェンジを可能としたことにより、操作性の向上を図ることができる。
【0102】
(第3の実施形態)
この実施形態は、人差し指301を図16に示す画面領域16Aに、親指302を図16に示す領域16Bにそれぞれ所定時間マルチタッチし、[アングル設定]が液晶パネル22の画面上に表示された以降は、画面領域16Aを人差し指301で操作して図15(c)方向のアングルにチェンジし、画面領域16Bを人差し指301で操作して図15(a)方向のアングルにチェンジする。また、画面領域16Cを人差し指301で操作した場合は、左側の画面が奥に右側が手前にアングルチェンジさせ、画面領域16Dを人差し指301で操作した場合は、右側の画面が奥に左側が手前にアングルチェンジさせるようにした。
【0103】
この実施形態では、マルチタッチを所定時間操作し、アングルチェンジモードに移行後は、16A〜16Dの各画面領域をタッチ操作することにより、上下左右のアングルチェンジすることができる。なお、アングルチェンジモードに移行後のタッチ操作は、人差し指を例に挙げたが、どの指をタッチした場合でも画面領域16A〜16Dに対応したアングルチェンジを行うことができる。
【0104】
上記した各実施形態に限定されるものではない。二次元表示と三次元表示の相互におけるアングルチェンジを行う例を示したが、これに限らず、例えば単に二次元表示を傾けるアングルチェンジものであってもよい。また、液晶パネルを画像表示のアングルチェンジと同じようにボリウムとして用いることができる。また、リスト表示のスクロールコマンド変換にも同じような考え方でリストの上下スクロールに適用することができる。
【0105】
また、液晶パネルをマルチタッチし、この状態で指を移動させずに、所定時間保持することにより、表示のアングルチェンジ→ボリウム→画面のスクロールなどのモードに切り替えることもできる。所望のモードに切り替わったところで、マルチタッチを止めば、止めた時点のモードが固定され、ボリウムのモードであればアップ・ダウンを、スクロールのモードであれば画像の上下あるいは左右方向のスクロールなどの操作を実現することができる。モードの変化は、液晶パネル上に表示するようにする
さらに、タッチセンサ機能を備えた液晶パネルとしては、光センサによる例で説明したがこれに限らず、抵抗膜方式や静電容量方式等のものであっても構わない。抵抗膜方式は、対向する透明導電膜間に数ミクロンの微少なスペーサーを配置し、その上にフィルムを貼り付けた構造を持ち、透明導電膜の1つ1つが短冊状で、これが複数枚直交するマトリクス形状とし、フィルムにタッチして圧力をかけることで、導電膜同士が接触し、この時に発生した電流を測定することにより、マトリクスから触れた位置を検出するものである。静電容量方式は、透明電導膜の上にガラス等を張り付けた構造を持ち、抵抗膜方式と同様に複数の縦軸と横軸に分かれマトリクス形状とし、透明電導膜上のガラスをタッチすることで、コンデンサと同原理で、誘電体(指)が近づくと、この静電容量により高周波電流が流れて増加する透明電導膜の静電容量を測定することにより、マトリクスから触れた位置を検出するものである。
【0106】
また、カーナビ1000の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro−Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。有機ELパネルのような自発光型のものや発射型の液晶パネルの場合、バックライトは必要ない。
【0107】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1000 カーナビ
100 本体装置
200 表示装置
22 液晶パネル
25 画像処理エンジン
253 信号処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチセンサ機能を備えた液晶パネルと、
前記液晶パネル上をマルチタッチされたことを検出後、少なくとも当該マルチタッチの状態が変化した場合もしくは所定時間経過後にモード変更要求と判断し、他のモードに移行するモード移行手段と、を備える入力装置。
【請求項2】
前記他のモードが、表示内容の角度を変更するアングルモードであって、
前記モード移行手段は、前記液晶パネルに対するマルチタッチのうち、タッチ面積が大きい側に前記液晶パネルの表示を倒すアングル表示に移行する、請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記モード移行手段は、前記マルチタッチの、タッチ面積の差分が閾値を越えた場合に、他のモードに移行する、請求項1記載の入力装置。
【請求項1】
タッチセンサ機能を備えた液晶パネルと、
前記液晶パネル上をマルチタッチされたことを検出後、少なくとも当該マルチタッチの状態が変化した場合もしくは所定時間経過後にモード変更要求と判断し、他のモードに移行するモード移行手段と、を備える入力装置。
【請求項2】
前記他のモードが、表示内容の角度を変更するアングルモードであって、
前記モード移行手段は、前記液晶パネルに対するマルチタッチのうち、タッチ面積が大きい側に前記液晶パネルの表示を倒すアングル表示に移行する、請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記モード移行手段は、前記マルチタッチの、タッチ面積の差分が閾値を越えた場合に、他のモードに移行する、請求項1記載の入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−37521(P2013−37521A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172844(P2011−172844)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
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