説明

全帯域幅利用のためのUL/DLスケジューリング

方法には、送信および受信が同時にはできないユーザ装置により、上りリンクでデータを送信する予定を受信する工程、ユーザ装置により、上りリンクで送信される予定のデータがあるかどうかを検出する工程、および送信される予定のデータがないことが決定される場合に、ユーザ装置により、予定に対応する時間の間に、下りリンクに関連したデータを受信する工程を含む場合がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する実装は広く、通信システムにおける上りリンク送信および下りリンク送信のためのスケジューリング方式に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の通信システムに従って、ユーザ装置(UE)は、マルチスロット・クラスの能力を有する場合がある。マルチスロット・クラスは、上りリンク(UL)方向におよび下りリンク(DL)方向に最大転送速度を規定する場合がある。UEのマルチスロット・クラスによっては、UEは、同時にはデータを受信および送信できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、UEは、登録処理中に自身のマルチスロット・クラスをネットワークに知らせる場合がある。その後、ネットワークは、とりわけ、セッションの主たる転送方向(たとえば、ULまたはDL)を決定する。セッションのタイプ(たとえば、対話型サービスのセッション)によっては、ネットワークは、帯域幅要求をULからDLに迅速に切り替えることが必要になる場合があり、そして逆もまた同様である。しかしながら、UL方向とDL方向との間の切り替えは、かなり多くの時間を占めることが多い。このようにして、同時にはデータを受信および送信できないUEに対して、利用できる帯域幅の利用に不十分な場合があり、同様に、ユーザへのサービス品質を劣化させる場合がある。
【0004】
全地球移動通信システム(GSM)/EDGE無線アクセス・ネットワーク(GERAN)では、たとえば、GERANに対する現行仕様は、テンポラリ・ブロック・フロー(TBFs)の再割り当てを必要とするので、帯域幅要求の迅速な切り替えに対処できない場合がある。このようにして、GERANは大抵、ULsおよびDLsに等しい帯域幅を供給する場合がある。しかしながら、そのような手法は、UEのマルチスロット能力および利用できる帯域幅の利用で不十分に繋がることがある。その上、またはその代わりに、UEの処理リソースは、任意の時点で、受信と送信との間で切り替えるために、かなりの要求を受ける場合がある。これは、特に、UEが、受信および送信のためにそれぞれ多数のタイムスロット(たとえば、4タイムスロットを超える)をサポートする場合である。結果として、実際に、たとえば、UEは、ある方向に搬送波あたり5タイムスロットまたは6タイムスロットに、そして反対方向に1タイムスロットまたは2タイムスロットに制限される場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記不都合の少なくとも一部を取り除き、そして通信システム内のデバイスの操作性を改善することが、目的である。
【0006】
1つの態様に従って、方法には、送信および受信が同時にはできないユーザ装置により、上りリンクでデータを送信する予定を受信する工程、ユーザ装置により、上りリンクで送信される予定のデータがあるかどうかを検出する工程、そして送信される予定のデータがないということが決定される場合、ユーザ装置により、予定に対応する時間の間に、下りリンクに関連したデータを受信する工程を含む場合がある。
【0007】
別の態様に従って、デバイスには、命令を記憶するメモリおよび命令を実行するプロセッサを含む場合がある。デバイスが、下りリンクからの受信および上りリンクへの送信が同時にはできないマルチスロット・クラスであって、プロセッサは命令を実行して、別のデバイスに送信する上りリンクの予定を受信し、送信される予定のデータがあるかどうかを検出し、そして送信される予定のデータがあると決定された場合に、送信する上りリンクの予定の時間ウィンドウ内に時間を選択し、または送信される予定のデータがないと決定された場合に、上りリンクの予定の時間ウィンドウ内に下りリンクから受信する場合がある。
【0008】
さらに別の態様に従って、デバイスには、命令を記憶するメモリおよび命令を実行するプロセッサを含む場合がある。プロセッサは命令を実行し、受信および送信が同時にはできないユーザ装置のマルチスロット・クラスを認識し、ユーザ装置が送信するための予定をユーザ装置に下りリンクで送信し、そして送信する予定の間に受信される予定のデータをユーザ装置に下りリンクで送信する場合がある。
【0009】
さらに別の態様に従って、システムには、送信する上りリンクの予定を受信し、上りリンクの予定を読み取り、送信される予定のデータがあるかどうかを決定し、送信される予定のデータがあると決定される場合にデータの送信を優先し、そして上りリンクの予定に基づいてデータを送信し、または送信される予定のデータがないと決定される場合に上りリンクの予定の間に、下りリンクに関連したデータを受信できるユーザ装置を含む場合がある。
【0010】
別の態様に従って、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に、受信および送信が同時にはできないデバイスの少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が入っている場合がある。コンピュータで読み取り可能な記憶媒体には、上りリンクでデータを送信する予定を受信するための1つ以上の命令、上りリンクで送信される予定のデータがあるかどうかを決定するための1つ以上の命令、および送信される予定のデータがないと決定された場合に、送信する予定に対応する時間の間に、下りリンクに関連したデータを受信するための1つ以上の命令を含む場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、通信システムを経由して1つの別のデバイスと通信するデバイスを説明する図である。
【図2A】図2Aは、図1のUEの典型的な構成要素を説明する図である。
【図2B】図2Bは、図1のデバイスの典型的な構成要素を説明する図である。
【図3A】、
【図3B】、
【図3C】図3Aから図3Cまでは、図1のUEの典型的な機能を説明する図である。
【図4】図4は、図1のUEの典型的な実装を説明する図であって、UEには無線電話を含む。
【図5】、
【図6】、
【図7】、
【図8】、
【図9】、
【図10】、
【図11】図5から図11までは、本明細書で説明する構想に関連する場合があるタイムスロットの典型的な利用を説明する図である。
【図12】、
【図13】、
【図14】図12から図14までは、本明細書で説明する構想に関連した典型的な処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な明細書では添付図面を参照する。種々の図面内の同じ参照番号は、同じ要素または同様な要素を同定する場合がある。また、以下の明細書は発明を限定するものではない。
【0013】
用語“場合がある(may)”は、この出願を通して用いられ、そして、たとえば、“〜をする可能性がある(having the potential to)”、“〜するように構成される(configured to)”、または“〜できる(being able to)”のように解釈されることを意図しており、そして強制的な意味合い(たとえば、“〜しなければならない”(must)のように)ではない。用語“1つの(a)”、“1つの(an)”、および“その(the)”は、1つ以上の項目を含むように解釈されることを意図している。一つの項目のみを意図する場合には、用語“1つの(one)”または同様な術語が用いられる。さらに、句“〜に基づいて(based on)”は、明示的にそうでないと明記されなければ、“少なくとも一部、〜に基づいて(based,at least in part,on)”のように解釈されるように意図している。用語“および/または(and/or)”は、1つ以上の関連リスト項目の任意の組み合わせおよびすべての組み合わせを含むように解釈されることを意図している。
【0014】
本明細書で説明する構想は、通信システムにおける帯域幅の利用を改善することだけでなく、必然的にそこから生じる場合がある、または後に続く明細書から明らかである他の利点にも関する。通信システムは、セルラー網または移動網(たとえば、GSM、ユニバーサル移動電気通信システム(UMTS)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、高速パケット接続(HSPA)、アドホック・ネットワーク、マイクロ波接続のための世界的相互運用(WiMAX)、米国電気電子学会(IEEE)802X等)のような、いかなる種類の無線ネットワーク、または他の種類の無線ネットワークを含むように広く解釈されることを意図している。通信システムはまた、有線ネットワーク(たとえば、ケーブル・ネットワーク、デジタル加入者線(DSL)、サービス総合デジタル網(ISDN)、等)を含む場合がある。用語“通信システム”および“ネットワーク”は、本明細書を通して殆んど同じ意味で用いられる場合がある。用語“パケット”は、本明細書では、データグラム、フレーム、セル、ブロック、または任意の他の種類のデータの送信/受信ユニットを含むように広く解釈されることを意図している。
【0015】
本明細書で説明する実施形態は、ULおよびDLに関連して1つ以上のルールベース方式を採用する場合がある。ルールベース方式は、DL受信に対して読み取る前に、UEでUL送信を優先することを含む場合がある。さらに、またはその代わりに、UEは、送信するものがない場合、DL受信に対して読み取る場合がある。さらに、またはその代わりに、UEは、送信するためのULタイムスロットを、読み取りに対するDLタイムスロットの損失が最小になるように選択する場合がある。
【0016】
1つの実装では、ルールベース方式は、現行のGERAN仕様を補完する場合がある。ルールベース方式は、柔軟性のあるタイムスロット割り当てを採用する場合がある。すなわち、UEに配分されるタイムスロット割り当て(たとえば、ULタイムスロットの数およびDLタイムスロットの数)は、送信時間間隔(TTI)当たりに応じて変わる場合がある。
【0017】
考察のために、マルチスロット・クラス対応の通信システムを、本明細書で説明することとする。当然のことながら、本明細書で説明する構想は、この特別な種類の通信システムを採用することに依存しない。むしろ、これらの構想は、本明細書では特に説明しない、他の種類のネットワーク、通信標準等に適応される場合がある。“マルチスロット対応の通信システム”は、GERANまたは汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワークのようなネットワークを含む場合がある。
【0018】
ルールベース方式を考慮して、UEのマルチスロット・クラス能力は、利用できる帯域幅のすべてを採用する方法で利用される場合がある。さらに、またはその代わりに、UEのマルチスロット・クラス能力が同時での受信および送信をサポートしなくても、UEは受信および送信のために多くのタイムスロット(たとえば、搬送波および方向あたり8タイムスロットまで)をサポートする場合がある。さらに、またはその代わりに、対応するマルチスロット・クラスよりも、ULとDLとの間での切り替え時間に関する、低い必要要件および/または受信および送信のための数多くのタイムスロットが提供される場合がある。さらに、またはその代わりに、通信システムは、ULおよびDL双方においてすべての利用できるタイムスロットでUEを同時に予定する場合があり、そして切り替え時間要件は、(優先される)UL送信がある事例でのみ受信帯域幅を制限する場合がある。
【0019】
図1は、本明細書で説明する構想が実装される場合がある、典型的な通信システム100を説明する図である。図示しているように、通信システム100は、UE105−1、デバイス115を含むネットワーク110、およびデバイス120を含む場合がある。図示しているように、UE105−1は、ネットワーク110を経由してデバイス120と通信的に連結している場合がある。たとえば、デバイス115は、UE105−1と通信的に連結している場合がある。
【0020】
UE105−1は、通信能力を有し、そして本明細書で説明するルールベース方式の1つ以上を行うことができるデバイスを含む場合がある。たとえば、UE105−1は、電話、コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、ウェブ・ブラウザ、パーソナル通信システム(PCS)端末、キオスク端末、パーベイシブ・コンピューティング・デバイス、および/または本明細書で説明する構想に関連した機能(すなわち、ルールベース方式)の1つ以上を行うように構成された他の何らかの種類のユーザ・デバイスを含む場合がある。UE105−1は、マルチスロット・クラス能力を有するデバイスを含む場合がある。UE105−1は、受信および送信が同時にはできないデバイスを含む場合がある。
【0021】
ネットワーク110は、デバイス115に加えて、無線ネットワークまたは有線ネットワークを含めて、1つ以上の任意の種類のネットワークを含む場合がある。たとえば、ネットワーク110は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)または公衆陸上移動網(PLMN)のような電話網、衛星ネットワーク、イントラネット、インターネット、またはネットワークまたは通信システムの組み合わせを含む場合がある。
【0022】
デバイス115は、通信能力を有するデバイスを含む場合がある。たとえば、デバイス115は、無線局または有線局を含む場合がある。用語“無線局(wireless station)”は、無線リンクによってUE105−1と通信する場合がある、任意の種類のデバイスを含むように広く解釈されることを意図している。たとえば、無線局は、基地局(BS)、無線基地局装置(BTS)(たとえば、GSM通信システムにおいて)、eNodeB(たとえば、LTE通信システムにおいて)、NodeB(たとえば、UMTS通信システムにおいて)、リピータ、リレーまたは他の何らかの種類のデバイスを含む場合がある。用語“有線局(wired station)”は、有線リンクによってUE105−1と通信する場合がある、任意の種類のデバイスを含むように広く解釈されることを意図している。たとえば、有線局は、エッジ・ルータ、スイッチ、ゲートウェイ、または他の何らかの種類のデバイスを含む場合がある。
【0023】
デバイス115は、UE105−1のような別のデバイスのマルチスロット能力を認識できるデバイスを含む場合がある。さらに、またはその代わりに、デバイス115は、別のデバイスが受信および送信を同時にはできないということを認識できるデバイスを含む場合がある。
【0024】
デバイス120は、通信能力を有するデバイスを含む場合がある。たとえば、デバイス120は、UE、リソースおよび/またはサービスを提供するサーバ、および/またはデバイス115によってUE105−1とエンド・ツー・エンド通信を保持できる他の何らかの種類のデバイスを含む場合がある。
【0025】
図2Aは、UE105−1の典型的な構成要素を説明する図である。図示しているように、UE105−1は、送受信機205、プロセッサ210、メモリ215、入力デバイス220、出力デバイス225、およびバス230を含む場合がある。用語“構成要素(component)は、本明細書では、たとえば、ハードウェア、ソフトウェアおよびハードウェア、ファームウェア等を含むように広く解釈されることを意図している。
【0026】
送受信機205は、情報を送信し、そして受信できる構成要素を含む場合がある。たとえば、送受信機205は、他のデバイスおよび/または通信システムにパケットを送信し、そして他のデバイスおよび/または通信システムからパケットを受信するための送受信機回路を含む場合がある。
【0027】
プロセッサ210は、命令を解釈し、および/または命令を実行できる構成要素を含む場合がある。たとえば、プロセッサ210は、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、データ・プロセッサ、コプロセッサ、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、プログラマブル論理デバイス、チップセット、および/またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を含む場合がある。
【0028】
メモリ215は、情報(たとえば、データおよび/または命令)を記憶できる構成要素を含む場合がある。たとえば、メモリ215は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、強誘電体ランダム・アクセス・メモリ(FRAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、および/またはフラッシュ・メモリを含む場合がある。
【0029】
入力デバイス220は、ユーザおよび/または別のデバイスからの入力を受信できる構成要素を含む場合がある。たとえば、入力デバイス220は、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、マイクロフォン、ディスプレイ、および/または音声認識論理を含む場合がある。
【0030】
出力デバイス225は、ユーザおよび/または別のデバイスに情報を出力できる構成要素を含む場合がある。たとえば、出力デバイス225は、ディスプレイ、スピーカ、1つ以上の発光ダイオード(LEDs)、および/またはバイブレータを含む場合がある。
【0031】
バス230は、UE105−1の構成要素間および/または構成要素同士で通信を容認できる構成要素を含む場合がある。たとえば、バス230は、システム・バス、アドレス・バス、データ・バス、および/または制御バスを含む場合がある。バス230はまた、バス・ドライバ、バス・アービタ、バス・インターフェース、および/またはクロックを含む場合がある。
【0032】
図2AはUE105−1の典型的な構成要素を示しているが、他の実装では、UE105−1は、図2Aで描かれているそれらよりも、より少ない、付加的な、および/または異なる構成要素を含む場合がある。たとえば、UE105−1は、ハード・ディスクまたは何らかの他の種類のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体を、対応するドライブと共に含む場合がある。用語“コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(computer-readable medium)”は、本明細書では、物理的または論理的な記憶デバイスを含むように広く解釈されることを意図している。当然のことながら、UE105−1の1つ以上の構成要素は、UE105−1の1つ以上の他の構成要素に関連した1つ以上の他のタスクを行うことができる場合がある。
【0033】
図2Bは、デバイス115の典型的な構成要素を説明する図である。デバイス120は、同じように構成される場合がある。
【0034】
送受信機250は、情報を送信し、そして受信できる構成要素を含む場合がある。たとえば、送受信機250は、他のデバイスおよび/または通信システムにパケットを送信し、そして他のデバイスおよび/または通信システムからパケットを受信するための送受信機回路を含む場合がある。
【0035】
プロセッサ255は、命令を解釈し、および/または命令を実行できる構成要素を含む場合がある。たとえば、プロセッサ255は、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、データ・プロセッサ、コプロセッサ、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、プログラマブル論理デバイス、チップセット、および/またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を含む場合がある。
【0036】
メモリ260は、情報(たとえば、データおよび/または命令)を記憶できる構成要素を含む場合がある。たとえば、メモリ260は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、強誘電体ランダム・アクセス・メモリ(FRAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、および/またはフラッシュ・メモリを含む場合がある。
【0037】
バス265は、デバイス115の構成要素間および/または構成要素同士で通信を容認できる構成要素を含む場合がある。たとえば、バス265は、システム・バス、アドレス・バス、データ・バス、および/または制御バスを含む場合がある。バス265はまた、バス・ドライバ、バス・アービタ、バス・インターフェース、および/またはクロックを含む場合がある。
【0038】
図2Bはデバイス115の典型的な構成要素を示しているが、他の実装では、デバイス115は、図2Bで描かれているそれらよりも、より少ない、付加的な、および/または異なる構成要素を含む場合がある。たとえば、デバイス115は、ハード・ディスクまたは何らかの他の種類のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体を、対応するドライブと共に含む場合がある。当然のことながら、デバイス115の1つ以上の構成要素は、デバイス115の1つ以上の他の構成要素に関連した1つ以上の他のタスクを行うことができる場合がある。
【0039】
図3Aから図3Cまでは、本明細書で説明するルールベース方式の1つ以上を行うことができる典型的な機能構成要素を説明する図である。これらの典型的な機能構成要素は、UE105−1に関連して説明することとする。これまでに上述したように、ルールベース方式の1つは、DL受信に対する読み取りの前に、UL送信を優先する工程を含む場合がある。図3Aは、ULプライオリタイザ(prioritizer)305と呼ばれる、この機能を行うための典型的な機能構成要素を示す。ULプライオリタイザ305は、図2Aに描かれている構成要素の1つ以上を利用して実装される場合がある。たとえば、ULプライオリタイザ305は、送受信機205およびメモリ215に実装される場合がある。
【0040】
ULプライオリタイザ305は、ULスケジューラ310および送信バッファ315のような、機能構成要素を含む場合がある。ULスケジューラ310は、UL送信の予定の知識、およびパケットが送信バッファ315に記憶される場合を検出する能力を有する場合がある。送信バッファ315はUL送信のためのパケットを記憶する場合がある。
【0041】
典型的な運用では、ULスケジューラ310は、送信バッファ315がUL送信のためのパケットを記憶しているかどうかを決定する場合がある。ULスケジューラ310は、UE105−1にUL送信が予定されている場合がある最も近い時間に、そのような決定をする場合がある。ULスケジューラ310が、送信バッファ315がUL送信のためのパケットを記憶していることを決定すると、その場合UE105−1は、DL受信に対する読み取りの前にパケットのUL送信を優先する場合がある。UL送信の優先的扱いは、以下でより詳細に説明することとする。
【0042】
さらに、またはその代わりに、UE105−1は、送信するものがない場合、DL受信に対して読み取る場合がある。図3Bは、DLリーダ・デターミナ(reader determiner)320と呼ばれる、この機能を行うための典型的な機能構成要素を示す。DLリーダ・デターミナ320は、図2Aに描かれている1つ以上の構成要素を利用して実装される場合がある。たとえば、DLリーダ・デターミナ320は、送受信機205およびメモリ215に実装される場合がある。
【0043】
DLリーダ・デターミナ320は、ULスケジューラ310、送信バッファ315、DLリーダ325および受信バッファ330のような、機能構成要素を含む場合がある。ULスケジューラ310および送信バッファ315は、これまでに説明したのと同様な方法で動作する場合がある。DLリーダ325はパケットを読み取りでき、そしてパケットを受信バッファ330に格納する場合がある。受信バッファ330は、DL送信から受信したパケットを記憶する場合がある。
【0044】
典型的な運用では、ULスケジューラ310は、送信バッファ315がUL送信のためのパケットを記憶しているかどうかを決定する場合がある。ULスケジューラ310は、UE105−1にUL送信が予定されている場合がある最も近い時間に、そのような決定をする場合がある。ULスケジューラ310が、送信バッファ315がUL送信のためのパケットを記憶していないことを決定すると、その場合ULスケジューラ310は、DLリーダ325に通知する場合がある。DLリーダ325は、DL送信から読み取り、そして受信バッファ330に格納する場合がある。たとえば、DLリーダ325は、DLタイムスロット上で読み取り、そしてタイムスロットにパケットがあるかどうかを調べる場合がある。タイムスロットにパケットがあると、パケットは受信バッファ330に格納される場合がある。当然のことながら、たとえば、ULスケジューラ310はまた、受信バッファ330がパケットを記憶していることを承知している場合がある。DL受信の読み取りは、以下でより詳細に説明することとする。
【0045】
さらに、またはその代わりに、UE105−1は、DLタイムスロットの読み取り損失を最小にするように送信するために、またDL送信が所与のTTIですべてのDLタイムスロットを使用しないことを考慮して、ULタイムスロットを選択する場合がある。図3Cは、送信セレクタ335と呼ばれる、この機能を行うための典型的な機能構成要素を示す。送信セレクタ335は、図2Aに描かれている1つ以上の構成要素を利用して実装される場合がある。たとえば、送信セレクタ335は、送受信機205およびメモリ215に実装される場合がある。
【0046】
送信セレクタ335は、ULスケジューラ310、送信バッファ315、およびタイムスロット・セレクタ340のような、機能構成要素を含む場合がある。ULスケジューラ310および送信バッファ315は、これまでに説明したのと同様な方法で動作する場合がある。タイムスロット・セレクタ340は、DLタイムスロットの読み取り損失を最小にする、または言い方を変えると、読み取りに対するDLタイムスロットの数を最大にする、送信するためのULタイムスロットを選択する場合がある。
【0047】
典型的な運用では、ULスケジューラ310は、送信バッファ315がUL送信のためのパケットを記憶しているかどうかを決定する場合がある。ULスケジューラ310は、UE105−1にUL送信が予定されている場合がある最も近い時間に、そのような決定をする場合がある。ULスケジューラ310が、送信バッファ315がUL送信のためのパケットを記憶していることを決定すると、その場合ULスケジューラ310は、タイムスロット・セレクタ340に通知する場合がある。タイムスロット・セレクタ340は、パケットを送信するために、DLタイムスロットの損失を最小にするULタイムスロットを選択する場合がある。送信バッファ315にある(複数の)パケットは、選択された(複数の)タイムスロットに基づいて送信される場合がある。タイムスロット・セレクタ340によるULタイムスロットの選択は、以下でより詳細に説明することとする。
【0048】
図4は、UE105−1が無線電話を含む、UE105−1の典型的な実装の図である。図示しているように、UE105−1は、とりわけ、UE105−1に音声情報を入力するための(たとえば、入力デバイス220の)マイクロフォン405、UE105−1から音声出力を供給するための(たとえば、出力デバイス225の)スピーカ410、データを入力する、またはデバイス機能を選択するための(たとえば、入力デバイス220の)キーパッド415、およびデータをユーザに表示する、および/またはデータを入力するまたはデバイス機能を選択するためのユーザ・インタフェースを提供するための(たとえば、入力デバイス220および/または出力デバイス225の)ディスプレイ420を含む場合がある。
【0049】
上述したように、本明細書で説明する実装は、ULおよびDLに関連して、とりわけ、帯域幅利用等を改善する場合があるルールベース方式を提供する。考察のために、これらの構想は現行のGERAN仕様に準拠して説明することとする。さらに、考察のために、UE105−1は、受信および送信が同時にはできないマルチスロット・クラス能力を有すると仮定する。現在、GERAN仕様は、1から45までに及ぶマルチスロット・クラスばかりでなく、タイプ1またはタイプ2のような、ユーザ装置の対応するクラス分けを概説する。UE105−1は、とりわけ、受信のためのタイムスロットの最大数、送信のためのタイムスロットの最大数、および総和(すなわち、TTI当たり使用される場合があるULおよびDLのタイムスロットの総数)を有するタイプ1のデバイスと考えられる場合がある。さらに、デバイス115はGERANの無線局と考えられる場合がある。
【0050】
この構成に基づいて、GERANは、UE105−1に送信する予定がある場合、DLでUE105−1に送信しないであろう。しかしながら、本明細書で説明する構想に従って、GERANは、UE105−1に送信する予定がある場合でもDLでUE105−1に送信する場合がある。図5から図11までは、本明細書で説明する構想に関連する場合がある、タイムスロットの典型的な利用を説明する図である。当然のことながら、ULおよびDLのタイムスロットは、時間をシフトさせて図5から図11に示している。たとえば、ULフレーム(たとえば、8タイムスロット)は、UE105−1のマルチスロット・クラス能力に適応するために、DLフレームから若干のタイムスロット(たとえば、3タイムスロット)だけ時間をシフトされる場合がある。
【0051】
図5から図11までに関連して考察するために、UE105−1の時間を切り替える能力(たとえば、DL読み取りからUL送信へ、そして逆も同様)は、Ttb=1タイムスロット(すなわち、Ttbは、UE105−1が送信する準備をするのに必要な時間である)およびTrb=1タイムスロット(すなわち、Trbは、UE105−1が受信する準備をするのに必要な時間である)に相当すると仮定している。また、隣接するセルの信号レベル測定結果が、この例では無視され、そしてパケット関連制御チャネル(PACCH)は、ピギーバック確認応答(PAN)を含めて、UE105−1が読み取りできるタイムスロットで、またはUE105−1が最も読み取りできそうなタイムスロットでDLに送られる場合がある。さらに、図5から図11に関連して考察のために、UE105−1は、常にDLから読み取るパケットを有すると仮定している。すなわち、これまでに上述したように、たとえば、GERANは、UE105−1に送信する予定がある場合でも、DLでUE105−1に送信する場合がある。
【0052】
図5は、UL送信をDLに対する読み取りよりも高く優先する構想を説明する図である。図示しているように、タイミング図500は、DL505およびUL510を含む場合がある。DL505およびUL510は各々、UL送信およびDL受信のために整列しているタイムスロットを含む場合がある。
【0053】
DL505およびUL510の各々で、タイムスロットは、(0)から(7)まで番号が付されている。考察のために、UE105−1に対するタイムスロット割り当ては、ULに対しては4タイムスロット、そしてDLに対しては8タイムスロットを仮定する。これらのタイムスロット割り当ては、図5に、UL510ではタイムスロット群515、タイムスロット群520、およびタイムスロット群525、そしてDL505ではタイムスロット群530、タイムスロット群535、およびタイムスロット群540として示している。さらに図示しているように、上りリンク状態フラグ(USFs)は、文字“U”で示されていて、UE105−1に送信するタイムスロットの配分を提供するために、たとえば、デバイス115からDL505で受信される場合がある。この例では、USFの受信は、タイムスロットの次群(すなわち、タイムスロット群515に対するタイムスロット群520)の間に、パケットを送信するための実際の可用性を示す。この種類の配分法は、拡張動的配分(EDA)法と呼ばれる。したがって、UE105−1はEDAモードで動作していると仮定する。
【0054】
上記に基づいて、以下のシナリオが生じる場合がある。UE105−1はタイムスロット群530のタイムスロット(4)の間にUSFを受信する場合がある。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあることを検出する場合がある。ULプライオリタイザ305は、これらのパケットの送信を、受信バッファ330にあるパケットの読み取りよりも優先する場合がある。たとえば、DLからULへの切り替えは、タイムスロット群535のタイムスロット(6)の間に生じる場合がある。さらに、文字“X”で示しているように、非読み取りタイムスロット群550は、UE105−1が、タイムスロット群535のタイムスロット(6)からタイムスロット群540のタイムスロット(3)まで読み取りをしない場合がある。UL510内のタイムスロット群520のタイムスロット(4)で、UE105−1が送信を始める場合がある。さらに、文字“T”で示しているように、送信タイムスロット群545は、UE105−1がタイムスロット群520のタイムスロット(4)からタイムスロット(7)まで送信する場合があることを示す。したがって、タイムスロット群540のタイムスロット(3)の間に、UE105−1はDL505に切り戻す場合がある。
【0055】
この方式を考慮すると、利用できる帯域幅は、UE105−1の切り替え時間能力から見て存分に利用される。すなわち、できる限り多くのタイムスロットが、DL送信に利用され、そして残っている帯域幅がUL送信に利用される。さらに、UE105−1が非読み取りタイムスロット群550の間にパケットを受信できず、そしてこれらのパケットがUE105−1に再送される必要がある場合があっても、GERANは、UE105−1から受信した送信に関連したタイムスロット番号(すなわち、送信タイムスロット群545)に基づいて、任意の拒否されたパケット(すなわち、非受信パケット)を識別する場合がある。このようにして、任意の非受信パケットは、その後に(直ちに)再送される場合がある。
【0056】
図6は、UE105−1に送信するものがない場合、DL受信に対する読み取りの構想を説明する図である。すなわち、UE105−1にUL送信の予定があるが、しかしUE105−1に送信するものが何もない場合はいつでも、UE105−1はDL受信に対して読み取る場合がある。
【0057】
図示しているように、タイミング図600は、図5に関連してこれまでに上述したように、DL505およびUL510を含む場合がある。また、UE105−1は、ULに対しては4タイムスロットの割り当て、そしてDLに対しては8タイムスロットの割り当てを有するEDAモードで動作している場合がある。
【0058】
このシナリオでは、UE105−1には、送信バッファ315内に送信するパケットが何もない場合がある。たとえば、UE105−1はタイムスロット群520の間に送信するために、タイムスロット群530のタイムスロット(4)の間にUSFを受信する場合がある。これに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがないことを検出する場合がある。そのような時間に、DLリーダ・デターミナ320に従って、ULスケジューラ310は、送信バッファ315の状態(すなわち、送信するパケットがない)をDLリーダ325に通知する場合がある。そのような事例では、DLリーダ325は、DL送信から読み取り、そしてULに配分されたタイムスロットの間に受信バッファ330に格納する場合がある。すなわち、タイムスロット群605により示しているように、UE105−1は、この時間区間の間にDL受信に対して読み取り、そしてしたがって帯域幅等を効率よく利用する場合がある。このようにして、タイムスロット群520に関連した4つのULタイムスロット割り当て(タイムスロット群605のタイムスロットに対応)は、DL受信に対する読み取りに利用される場合がある。これは、UE105−1に送信する予定がある場合でも、GERANではDLでUE105−1に送信する場合があるので、可能になる。
【0059】
図7は、DL受信に対する読み取り損失が最小になる場合があるように、UL送信のためのタイムスロットを選択する構想を説明する図である。図示しているように、タイミング図700は、図5に関連してこれまでに説明しているように、DL505およびUL510を含む場合がある。また、UE105−1は、ULに対しては4タイムスロットの割り当てを、そしてDLに対しては8タイムスロットの割り当てを有するEDAモードで動作している場合がある。
【0060】
このシナリオでは、UE105−1は、DLタイムスロットの読み取り損失が最小になるように送信するために、ULタイムスロットの中から選択する場合がある。たとえば、UE105−1は、(たとえば、タイムスロット群520の間で)送信するためにタイムスロット群530のタイムスロット(4)の間にUSFを受信する場合がある。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあることを検出する場合がある。この例の場合、ULスケジューラ310は、送信予定のパケットの数がタイムスロット群520内に送信できるパケットの数よりも少ないことを検出する場合がある。ULスケジューラ310は、送信バッファ315の状態をタイムスロット・セレクタ340に通知する場合がある。タイムスロット・セレクタ340は、読み取りに対してDLタイムスロットの最小数が損失になる場合があるように、送信バッファ315にあるパケットを送信するために、(複数の)タイムスロットを選択する場合がある。
【0061】
1つの実装では、送信に利用する(複数の)タイムスロットは、UL送信タイムスロット群内の最新のタイムスロットから始めて、UL送信タイムスロット群内の最旧のタイムスロットに向かう順に従って選択される場合がある。たとえば、送信バッファ315の状態に基づいて、1つのタイムスロットのみが、送信バッファ315にあるパケットを送信するのに必要であると仮定する。そのような事例では、送信セレクタ335は、これらのパケットがタイムスロット群520の間に送信されるであろう(複数の)タイムスロットを選択する場合がある。たとえば、文字“T”で示しているように、送信タイムスロット群705は、UE105−1がこれらのパケットをタイムスロット群520のタイムスロット(7)の間に送信する場合があることを示す。すなわち、タイムスロット・セレクタ340は、タイムスロット群520内の最新のタイムスロットから始めて送信するタイムスロットを選択する場合がある。さらに文字“X”で示しているように、非読み取りタイムスロット群710は、UE105−1がタイムスロット群540のタイムスロット(1)からタイムスロット(3)まで読み取りしない場合があることを示し、それらのタイムスロットに関連して対応するパケットの再送を必要とする場合がある。
【0062】
上記に基づいて、当然のことながら、UE105−1は、タイムスロット群520のタイムスロット(4)およびタイムスロット(5)(タイムスロット群535のタイムスロット(7)およびタイムスロット群540のタイムスロット(0)に対応)の間に、DL受信に対して読み取る場合がある。このようにして、タイムスロット群520に関連したULタイムスロット割り当ては、DLタイムスロットの読み取りに部分的に利用される場合がある。結果として、読み取りに対するDLタイムスロットの最小数が、この期間中に損失する場合がある。すなわち、タイムスロット(5)またはタイムスロット(6)での送信とは異なって、ここでは1つのタイムスロットのみが読み取りに利用される場合があり、または読み取りに利用するタイムスロットがない場合があって、UE105−1がタイムスロット群520の一部の間に読み取る場合がある。
【0063】
送信予定のパケットの数に依存して、しかしながら、タイムスロットの選択は異なる場合がある。たとえば、2つのタイムスロットがパケットを送信するのに必要であるとすると、タイムスロット・セレクタ340は、タイムスロット群520のタイムスロット(6)およびタイムスロット(7)を選択する場合があり、3つのタイムスロットが必要であるとすると、タイムスロット・セレクタ340は、タイムスロット群520のタイムスロット(5)、タイムスロット(6)およびタイムスロット(7)を選択する場合があり、4つのタイムスロットがパケットを送信するのに必要であるとすると、タイムスロット・セレクタ340は、タイムスロット群520のタイムスロット(4)、タイムスロット(5)、タイムスロット(6)およびタイムスロット(7)を選択する場合があり、5つのタイムスロットがパケットを送信するのに必要であるとすると、タイムスロット・セレクタ340は、タイムスロット群520のタイムスロット(4)、タイムスロット(5)、タイムスロット(6)およびタイムスロット(7)、そして送信するためにタイムスロット群525のタイムスロット(7)(図示していない)を選択する場合がある。
【0064】
当然のことながら、別の実装では、送信に利用される(複数の)タイムスロットは、UL送信タイムスロット群内の最旧のタイムスロットから始まりUL送信タイムスロット群内の最新のタイムスロットに向かう順序に従って選択する場合がある。図7のシナリオでは、そのような実装は、同じ結果をもたらすであろう(すなわち、2つのタイムスロットが読み取りに利用される場合がある)。
【0065】
図8は、DL受信を読み取るよりも高くUL送信を優先すること、UE105−1に送信するものがない場合にDL受信を読み取ること、およびUL送信のために、DL受信に対する読み取り損失が最小になる場合があるように、タイムスロットを選択することの構想を説明する図である。図示しているように、タイミング図800は、図5に関連してこれまでに上述したように、DL505およびUL510を含む場合がある。しかしながら、UE105−1に対するタイムスロット割り当ては、ULに対しては(タイムスロット群515、タイムスロット群520およびタイムスロット群525により示しているように)2タイムスロットであり、そしてDLに対しては(タイムスロット群530、タイムスロット群535およびタイムスロット群540により示しているように)8タイムスロットであると仮定する。UE105−1は、動的配分(DA)モードで動作している場合がある。この種類の配分法は、利用できる各ULタイムスロットに対してUSFが受信されること(たとえば、1対1ベース)を除いて、EDAモードに類似している。USFsに加えて、図8は、文字“P”により示しているように、DL確認応答(ACK)/DL否定応答(NACK)に対して用いられる、相対留保ブロック周期(Relative Reserved Block Period)ポール(poll)を示している。
【0066】
上記に基づいて、以下のシナリオが生じる場合がある。UE105−1は、タイムスロット群530より前に、RRBPポールおよびUSFsを受信する場合がある。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあることを検出する場合がある。ULプライオリタイザ305は、これらのパケットの送信を、受信バッファ330にある(複数の)パケットの読み取りよりも優先する場合がある。たとえば、DLからULへの切り替えは、タイムスロット群535のタイムスロット(0)の間に生じる場合がある。さらに文字“X”により示しているように、非読み取りタイムスロット群820は、UE105−1がタイムスロット群535のタイムスロット(0)からタイムスロット(3)まで読み取らない場合があることを示す。UL510内のタイムスロット群515のタイムスロット(6)で、UE105−1は送信し始める場合がある。さらに文字“T”により示しているように、送信タイムスロット群805は、UE105−1がタイムスロット群515のタイムスロット(6)からタイムスロット(7)まで送信する場合があることを示す。その後、タイムスロット群540のタイミング(3)の間に、UE105−1は、DL505に切り戻す場合がある。
【0067】
送信タイムスロット群810の間でのパケットの送信に関連して、図8は、UE105−1がタイムスロット群530のタイムスロット(6)およびタイムスロット(7)の間にUSFsを受信することを示している。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、第1のUSFに対応して送信するパケットがあることを検出するが、しかし第2のUSFに対応して送信するパケットがないことを検出する場合がある。しかしながら、1つの実装では、UE105−1は、タイムスロット群520のタイムスロット(6)で、パケットを送信することを選択する場合がある。たとえば、UE105−1は、送信タイムスロット群825のタイムスロット(0)の間に、ULでの送信に切り替える場合がある。送信タイムスロット群810のタイムスロット(6)の間に、UE105−1が送信する場合がある。その後、送信バッファ315の状態が与えられると、ULスケジューラ310は、DLリーダ325に受信バッファ330から読み取るように通知する場合がある。しかしながら、UE105−1は、非読み取りタイムスロット群825のタイムスロット(2)の間に切り戻している場合があるので、DLリーダ325は読み取りできない場合がある。
【0068】
送信タイムスロット群815の間でのパケットの送信に関連して、図8は、UE105−1がタイムスロット群535のタイムスロット(7)の間にUSFを受信していることを示している。タイムスロット群535のタイムスロット(6)に図示されているプラス印(“+”)は、RRBPポールが送信タイムスロット群815のタイムスロット(6)に予定されている場合があるので、USFが受信されない場合があることを示す。図8に示しているように、非読み取りタイムスロット群830は、UE105−1がタイムスロット(0)からタイムスロット(2)まで読み取りしない場合があることを示す。送信タイムスロット群815のタイムスロット(6)の間に、UE105−1は、ACKまたはNACKを送信する場合がある。しかしながら、注目すべきは、GERANはUE105−1がこの時間の間にはACKまたはNACKを送信しているであろうということを承知しているので、GERANは非読み取りタイムスロット群830の間にはDLで送信しない場合があることである。この点に関して、再送は必要でない場合がある。
【0069】
さらに、ULスケジューラ310は、USFに対応して送信するパケットがないことを検出する場合があり、そしてUE105−1は、非読み取りタイムスロット群830のタイムスロット(2)の間にDL受信に対して読み取りするために切り戻す場合がある。
【0070】
図9は、UL送信を優先すること、UE105−1に送信するものがない場合にDL受信を読み取ること、およびDLタイムスロットの損失を最小にするタイムスロットを選択することの構想を説明する図である。図示しているように、タイミング図900は、図5に関連してこれまでに上述したように、DL505およびUL510を含む場合がある。この例では、UE105−1に対するタイムスロット割り当ては、ULに対しては(タイムスロット群515、タイムスロット群520等により示しているように)4タイムスロット、そしてDLに対しては(タイムスロット群530、タイムスロット群535等により示しているように)8タイムスロットである。
【0071】
UE105−1は、基本送信時間間隔(BTTI)USFモード、および縮小送信時間間隔(RTTI)モード(たとえば、10ミリ秒(ms)TTI)を有するEDAモードで動作している場合がある。すなわち、GERAN仕様で概説されているように、BTTI USFモードでは、USFは4つの連続する時分割多元接続(TDMA)フレームの間に、物理下りリンク・チャネル(PDCHs)でDL PDCH対のうちの1つで送信される4つのバーストに写像される場合がある。図9に関連して考察するために、TDMAフレームは、8つのタイムスロットに相当する場合がある。RTTIモードでは、無線ブロックは、2つの連続するTDMAフレームの各々内にPDCH対を用いて送られる4つのバーストを含む。結果として、送信するための時間は、基本無線ブロック周期の半分(すなわち、20ミリ秒の代わりに10ミリ秒)である場合がある。このようにして、考察のために、図9に対するTTIは、2つのタイムスロットに基づいている場合がある。
【0072】
上記に基づいて、以下のシナリオが生じる場合がある。UE105−1は、タイムスロット群515に対するUSF(図示していない)を受信する場合がある。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがないことを検出する場合がある。DLリーダ325は、ULに配分されたタイムスロットの間に受信バッファ330から読み取る場合がある。
【0073】
送信タイムスロット群905の間でのパケットの送信に関連して、図9は、UE105−1がタイムスロット群530のタイムスロット(4)の間にUSFを受信していることを示している。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあることを検出し、そして送信セレクタ335が(検出したパケットの送信を優先し、そして)送信するタイムスロットを選択する場合がある。たとえば、送信バッファ315の状態に基づいて、送信セレクタ335は、送信タイムスロット群905のタイムスロット(6)およびタイムスロット(7)の間に、送信することを決定する場合がある。さらに図示しているように、非読み取りタイムスロット群910は、UE105−1がタイムスロット群540のタイムスロット(0)からタイムスロット(3)まで読み取りしない場合があるということを示す。しかしながら、DLリーダ・デターミナ320は、送信タイムスロット群905のタイムスロット(4)の間に読み取る場合がある。
【0074】
図10は、UL送信を優先すること、そしてUE105−1に送信するものがない場合にDL受信を読み取ることの構想を説明する図である。図示しているように、タイミング図1000は、図5に関連してこれまでに上述したように、DL505およびUL510を含む場合がある。UE105−1に対するタイムスロット割り当ては、ULに対しては(タイムスロット群515、タイムスロット群520等により示しているように)4タイムスロット、そしてDLに対しては(タイムスロット群530、タイムスロット群535等により示しているように)8タイムスロットである。この例では、タイムスロット・フローは、5ミリ秒TTIモードで設定される。しかしながら、当然のことながら、5ミリ秒TTIは現行GERAN仕様に従ってまだ利用できない。考察のために、5ミリ秒タイムスロット・フローは4つのタイムスロットに相当する場合がある。UE105−1はEDAモードで動作している場合がある。
【0075】
上述に基づいて、以下のシナリオが生じる場合がある。UE105−1はタイムスロット群515に対してUSF(図示していない)を受信する場合がある。これに最も近い時間で、ULスケジューラは、送信バッファ315に送信するパケットがないことを検出する場合がある。DLリーダ325は、DL送信から読み取り、そしてタイムスロット群530のタイムスロット(7)からタイムスロット群535のタイムスロット(2)までに相当する、ULに配分されたタイムスロット(すなわち、タイムスロット群515)の間に、受信バッファ330に格納する場合がある。
【0076】
送信タイムスロット群1005の間でのパケットの送信に関連して、図10は、UE105−1がタイムスロット群530のタイムスロット(4)の間にUSFを受信していることを示している。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあることを検出する場合があり、そして検出したパケットの送信は、受信バッファ330にある(複数の)パケットの読み取りよりも優先される場合がある。送信バッファ315の状態に基づいて、UE105−1は、送信タイムスロット群1005により示しているように、検出したパケットを送信する場合がある。さらに非読み取りタイムスロット群1010により示しているように、UE105−1は、タイムスロット群535のタイムスロット(4)からタイムスロット群540のタイムスロット(3)まで読み取りできない。
【0077】
図11は、UL送信を優先すること、送信するものがない場合にDL受信を読み取ること、そしてDLタイムスロットの損失を最小にするタイムスロットを選択することの構想を説明する図である。図示しているように、タイミング図1100は、図5に関連してこれまでに上述したように、DL505およびUL510を含む場合がある。この例では、UE105−1に対するタイムスロット割り当ては、ULに対しては(タイムスロット群515、タイムスロット群520等により示しているように)8タイムスロット、そしてDLに対しては(タイムスロット群530、タイムスロット群535等により示しているように)8タイムスロットである。UE105−1はEDAモードで動作している場合がある。さらに、UE105−1はタイムスロット(0)およびタイムスロット(4)の間にUSFsを受信する場合がある。以下で説明するように、USF粒度のこの尺度は、関連のあるTBFsに対してULスループットを改善する場合がある。すなわち、特定のUSFがUE105−1により読み取られない場合がある事例では、後続のUSFが読み取られる場合があり、UE105−1のスループットを改善する場合がある。
【0078】
上記に基づいて、以下のシナリオが生じる場合がある。UE105−1は、タイムスロット群530より前に、RRBPポール(文字“P”で示している)およびUSFを受信する場合がある。それに最も近い時間で、ULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあることを検出する場合がある。ULプライオリタイザ305は、これらのパケットの送信を、DL送信からの(複数の)パケットの読み取りよりも優先する場合がある。結果として、送信タイムスロット群1105は、UE105−1がタイムスロット群515のタイムスロット(0)からタイムスロット(7)まで送信する場合があることを示し、そして非読み取りタイムスロット群1120は、UE105−1がタイムスロット群530のタイムスロット(2)からタイムスロット群535のタイムスロット(3)まで読み取らない場合があることを示す。このようにして、USFが非読み取りタイムスロット群1120の間に受信されると、UE105−1はUSFを読み取りできない場合がある。たとえば、非読み取りタイムスロット群1120内のタイムスロット(0)の間に受信したUSFは、読み取られない場合がある。しかしながら、この例におけるUSF粒度は、USFsが、タイムスロット(4)の間にまた送信されると規定するので、UE105−1のスループットが改善される場合がある。
【0079】
送信タイムスロット群1110の間でのパケットの送信に関連して、図11は、UE105−1が、受信したRRBPポールに基づいてACKまたはNACKを送信する場合があるということを示している。1つの実装では、ACKまたはNACKの送信は、RRBPポールがACKまたはNACKの送信を特定のタイムスロットに予定する場合があるので、送信セレクタ335により行われるタイムスロット選択に影響を与えない場合がある。別の実装では、こうであるとは限らない場合がある。図示しているように、しかしながら、ACKまたはNACKは、送信タイムスロット群1110により示しているように、タイムスロット(0)の間に送信される場合がある。結果として、非読み取りタイムスロット群1125は、UE105−1が、タイムスロット群540のタイムスロット(2)からタイムスロット(4)まで読み取らない場合があるということを示す。しかしながら、注目すべきは、GERANは、UE105−1がこの時間の間にACKまたはNACKを送信するであろうということを承知しているので、GERANは、非読み取りタイムスロット群1125の間にDLで送信しない場合があるということである。この点に関して、再送が必要でない場合がある。
【0080】
送信タイムスロット群1115の間でのパケットの送信に関連して、UE105−1は、読み取りに対するDLタイムスロットの損失が最小になるように送信するために、DLタイムスロットを選択する場合がある。たとえば、これまでに説明したように、UE105−1は、タイムスロット群535のタイムスロット(4)の間にUSFを受信する場合がある。それに最も近い時間で、送信セレクタ335は、これらのパケットがタイムスロット群525の間に送信されるであろう(複数の)タイムスロットを選択する場合がある。たとえば、送信バッファ315の状態に基づいて、1つのタイムスロットのみが送信バッファ315にあるパケットを送信するのに必要であるということを仮定する。結果として、パケットはタイムスロット群525のタイムスロット(7)の間に送信される場合がある。
【0081】
当然のことながら、図5から図11までは、ルールベース方式の1つ以上が採用される場合があるシナリオに対する例証を提供しているが、説明したルールベース方式のシナリオおよび/または組み合わせは、本明細書で説明した構想の包括的な適用と考えられるべきではない。
【0082】
図12および図13は、本明細書で説明したルールベース方式に関連している場合がある典型的な処理を説明するフロー図である。当然のことながら、図12および図13に関連して説明している処理は、UE105−1のような、送信および受信が同時にはできないUEにより行われる場合がある。さらに、ネットワーク110のようなネットワークは、UE105−1が送信を予定している場合でも、UE105−1にDLで送信するように構成される場合がある。
【0083】
図12は、UL送信をDL受信よりも優先すること、そして送信するパケットがない場合に読み取ることに関するフロー図を示す。図12に示しているように、典型的な処理1200は、送信する時間を示すUSFを受信することから始まる場合がある(ブロック1205)。UE105−1は、パケットを送信する時間を示すUSFをデバイス115から受信する場合がある。UE105−1が送信する場合がある時間の量は、UE105−1のマルチスロット・クラス能力に対応するULタイムスロット割り当てに基づく場合がある。USFの値が決定される場合がある(ブロック1210)。UE105−1は、利用できるULリソースを知るためにUSFの値を決定する場合がある。
【0084】
送信する予定のパケットがあるかどうかが決定される場合がある(ブロック1215)。たとえば、UE105−1のULスケジューラ310は、送信するパケットが送信バッファ315にあるかどうかを決定する場合がある。送信する予定のパケットがあることが決定されると(ブロック1215−YES)、その場合ULプライオリタイザ305は、ULパケットの送信をDLパケットに対する読み取りよりも優先する場合がある(ブロック1220)。UE105−1は、USFに基づいてパケットを送信する場合がある(ブロック1225)。
【0085】
他方、送信する予定のパケットがないと決定されると(ブロック1215−NO)、その場合DLリーダ・デターミナ320は、UE105−1がDLパケットに対して読み取る場合があることを決定する場合がある(ブロック1230)。たとえば、UE105−1は、パケットを読み取り、そしてUE105−1が送信を予定している場合がある時間の間に、受信バッファ330に格納する場合がある。
【0086】
図12は、典型的な処理1200を示しているけれども、他の実装では、より少ない、付加的な、または異なる動作が行われる場合がある。
【0087】
図13は、パケットの読み取りおよび/または受信の損失を最小にする、送信するタイムスロットを選択するためのフロー図を示す。図13に示しているように、典型的な処理1300は、送信する時間を示すUSFを受信することから始まる場合がある(ブロック1305)。たとえば、UE105−1は、パケットを送信する時間を示すUSFをデバイス115から受信する場合がある。UE105−1が送信する場合がある時間の量は、UE105−1のマルチスロット・クラス能力に対応するULタイムスロット割り当てに基づく場合がある。USFの値が決定される場合がある(ブロック1310)。UE105−1は、利用できるULリソースを知るためにUSFの値を決定する場合がある。送信する予定のパケットがあるかどうかが決定される場合がある(ブロック1315)。たとえば、UE105−1のULスケジューラ310は、送信バッファ315に送信するパケットがあるかどうかを決定する場合がある。送信する予定のパケットがあることが決定されると(ブロック1315−YES)、その場合ULプライオリタイザ305は、ULパケットの送信をDLパケットに対する読み取りよりも優先する場合がある(ブロック1320)。
【0088】
パケットを送信するタイムスロットが、DLパケットに対して読み取るタイムスロットの損失を最小にして、選択される場合がある(ブロック1325)。たとえば、送信セレクタ335は、これまでに説明したように、パケットを送信するタイムスロットを選択する場合がある。1つの実装では、送信するために利用する(複数の)タイムスロットは、UL送信タイムスロット群内の最新のタイムスロットから始まり、UL送信タイムスロット群内の最旧のタイムスロットに向かう順に従って選択される場合がある。別の実装では、送信するために利用する(複数の)タイムスロットは、UL送信タイムスロット群内の最旧のタイムスロットから始まり、UL送信タイムスロット群内の最新のタイムスロットに向かう順に従って選択される場合がある。
【0089】
パケットは、選択されたタイムスロットに基づいて送信される場合がある(ブロック1330)。UE105−1は、送信セレクタ335により選択されたタイムスロットに従って、送信バッファ315にあるパケットを送信する場合がある。
【0090】
他方、送信する予定のパケットがないと決定されると(ブロック1315−NO)、その場合DLリーダ・デターミナ320は、UE105−1がDLパケットに対して読み取る場合があることを決定する場合がある(ブロック1335)。たとえば、UE105−1は、パケットを読み取り、そしてUE105−1が送信を予定している場合がある時間の間に、受信バッファ330に格納する場合がある。
【0091】
図13は、典型的な処理1300を示しているけれども、他の実装では、より少ない、付加的な、または異なる動作が行われる場合がある。
【0092】
図14は、UE105−1のような、UEに送信するための典型的な処理を説明するフロー図を示す。当然のことながら、図14に関連して説明する処理は、デバイス115のような、無線局により行われる場合がある。図14に示しているように、典型的な処理1400は、UEのマルチスロット・クラスを認識することから始まる場合がある(ブロック1405)。たとえば、デバイス115は、UE105−1が受信および送信を同時にはできないことを認識する場合がある。
【0093】
送信する予定は、UEにDLで送信される場合がある(ブロック1410)。デバイス115は、UE105−1にデータを送信する時間を示す1つ以上のUSFsを送信する場合がある。
【0094】
データは、送信する予定の間に受信されるようにDLでUEに送信される場合がある(ブロック1415)。デバイス115は、送信する予定の間に受信されるようにDLでUE105−1にデータを送信する場合がある。これは、UE105−1が受信および送信を同時にはできないということを、デバイス115が認識していても、行われる場合がある。
【0095】
図14は、典型的な処理1400を示しているけれども、他の実装では、より少ない、付加的な、または異なる動作が行われる場合がある。たとえば、デバイス115は、送信する予定の間にUE105−1により受信されないパケットを再送する場合がある。デバイス115は、これまでに上述したように、UE105−1からのパケットの受信および対応するタイムスロットに基づいて、いずれのパケットを再送するかを決定する場合がある。
【0096】
実装に関する前述の説明は、実例を提供しているが、しかし包括的である、または開示したまさにその形に実装を限定するようには意図していない。この点に関して、本明細書で説明した構想は、幅広く応用が利く場合がある。さらに、本明細書で説明した構想に基づいて、受信および送信が同時にはできないUEが、現状ではタイプ2分類を有するUEに限定されている、搬送波あたり8つのタイムスロットをサポートできる場合がある。
【0097】
その上、一連のブロックが、図12から図14に示している処理に関して説明されてきているが、ブロックの順序は、他の実装では修正される場合がある。さらに、依存しないブロックは、並行して行われる場合がある。また、当然のことながら、図12から図14で示している処理および/または本明細書で説明されてきている他の処理は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納された命令に基づいて、1つ以上のデバイスにより行われる場合がある。本明細書で説明している(複数の)デバイスが、図に示されている実装における多くの異なる形態のソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアで実装される場合があるということは、明らかであろう。これらの構想を実装するのに用いられる実際のソフトウェア・コードまたは専用の制御ハードウェアは、本発明を限定しない。このようにして、(複数の)デバイスの動作および挙動が、特定のソフトウェア・コードに関係なく説明された−当然のことながら、ソフトウェアおよび制御ハードウェアは、本明細書の記述に基づいて構想を実装するように設計できる。
【0098】
特徴の特定の組み合わせが請求項で列挙され、および/または明細書で開示されていても、これらの組み合わせは、本発明を限定することを意図していない。実際、これらの特徴の多くは、請求項で明確に列挙されていない、および/または明細書に開示されていない方法で組み合わされる場合がある。
【0099】
本出願で用いている要素、働き、または命令は、明確にそのように説明されない限り、本明細書で説明された実装に不可欠または本質的であると解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(105)により上りリンク送信を優先させる方法であって、
送信および受信が同時にはできない前記ユーザ装置(105)により、上りリンクでデータを送信する予定を受信する工程(1205、1305)と、
前記ユーザ装置により、前記上りリンクで送信されるべきデータがあるかどうかを検出する工程(1215、1315)と、
送信されるべきデータがないと決定された場合、前記ユーザ装置により、前記予定に対応する時間の間に、下りリンクに関連したデータを受信する工程(1230、1335)と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記上りリンクで送信されるべきデータがあると決定された場合、前記下りリンクと関連するデータの前記受信よりも前記上りリンクでの前記データの前記送信を優先させる工程(1220)と、
前記予定に基づいて前記上りリンクで前記データを送信する工程(1225)と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記上りリンクで送信されるべきデータがあると決定された場合、前記下りリンクと関連するデータの前記受信よりも前記上りリンクでの前記データの前記送信を優先させる工程(1320)と、
前記下りリンクと関連したデータを受信する前記予定の範囲内の残り時間が最大化されるように、前記上りリンクで前記データの送信を開始するための、前記予定の範囲内の時間を選択する工程(1325)と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
送信されるべき前記データは、前記予定と関連した利用可能な帯域幅よりも小さい量であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
送信されるべきデータがあると決定された場合、前記予定に対応する前記時間の間、前記ユーザ装置により、前記下りリンクでデータを受信する工程(1230、1335)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ装置は、拡張動的配分モードまたは動的配分モードのうちの1つで動作することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記データを送信するための前記予定は、上りリンクタイムスロット割り当てと関連したタイムスロットを識別することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記上りリンクで送信されるべきデータがあると決定された場合、前記ユーザ装置により、前記データを送信する前記タイムスロットのうち最新のタイムスロットから開始して、前記タイムスロットから選択する工程(1325)をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
デバイス(105)であって、
命令を格納するメモリ(215)と、
前記命令を実行するプロセッサ(210)と、を備え、
別のデバイスへ送信する上りリンクの予定を受信(1205、1305)し、
送信されるべきデータがあるかどうかを検出(1215)し、
送信されるべきデータがあると決定された場合に、送信する上りリンクの予定の時間ウィンドウ内に時間を選択(1225、1325)し、または送信されるべきデータがないと決定された場合に、前記上りリンクの予定の前記時間ウィンドウ内に下りリンクから受信(1230、1335)し、
前記デバイスは、前記下りリンクからの受信および前記上りリンクへの送信が同時にはできないマルチスロット・クラスであることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
前記プロセッサは、送信されるべきデータがあると決定された場合、前記下りリンクからの受信よりも、前記データの送信を優先させるようにさらに構成されることを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記時間を選択する時に、前記プロセッサは、前記上りリンクの予定の範囲内の残り時間が前記下りリンクからの受信のために使用されるように、送信を開始するためのタイムスロットを選択するようにさらに構成されることを特徴とする請求項9または10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記選択された時間に基づいて前記上りリンクで前記データを送信するようにさらに構成されることを特徴とする請求項9または10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記データが前記上りリンクで送信される前に、前記上りリンクの予定の前記時間ウィンドウ内に前記下りリンクから受信するようにさらに構成されることを特徴とする請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスは携帯電話を含むことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスは、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズまたはEDGE無線アクセス・ネットワーク(GERAN)仕様と互換性があるユーザ装置を含むことを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
【請求項16】
デバイス(115)であって、
命令を格納するメモリと、
前記命令を実行するプロセッサ(255)と、を備え、
受信および送信が同時にはできないユーザ装置(105)のマルチスロット・クラスを認識(1405)し、
前記ユーザ装置が送信するための予定を前記ユーザ装置に下りリンクで送信(1410)し、
送信する前記予定の間に受信されるべきデータをユーザ装置に下りリンクで送信することを特徴とするデバイス。
【請求項17】
前記デバイスは、携帯電話ネットワークの無線局を含むことを特徴とする請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
システムであって、
送信する上りリンクの予定を受信し、
前記上りリンクの予定を読み取り、
送信されるべきデータがあるかどうかを決定し、
送信されるべきデータがあると決定される場合にデータの送信を優先し、前記上りリンクの予定に基づいて前記データを送信し、または、
送信されるべきデータがないと決定される場合に前記上りリンクの予定の間に、下りリンクに関連したデータを受信することができるユーザ装置を備えることを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記ユーザ装置は、送信および受信を同時にはできないことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
送信する前記上りリンクの予定を前記ユーザ装置に送信できる無線局(115)をさらに備えることを特徴とする請求項18または19に記載のシステム。
【請求項21】
受信および送信が同時にはできないデバイス(105)の少なくとも1つのプロセッサ(210)により実行できる命令が含まれるコンピュータで読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、
上りリンクでデータを送信する予定を受信(1205、1305)するための1つ以上の命令と、
前記上りリンクで送信されるべきデータがあるかどうかを決定(1215、1315)するための1つ以上の命令と、
送信されるべきデータがないと決定された場合に、送信する前記予定に対応する時間の間に、下りリンクに関連したデータを受信(1230、1335)するための1つ以上の命令と、
を有することを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【請求項22】
前記デバイスは、タイプ1のクラス分けのユーザ装置を含むことを特徴とする請求項21に記載のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【請求項23】
前記上りリンクで送信されるべきデータがあると決定される場合に、
前記下りリンクと関連したデータの前記受信よりもデータの送信を優先(1320)させるための1つ以上の命令と、
前記データを送信するために利用される、タイムスロットのうち最新のタイムスロットから開始して、送信する前記予定の範囲内でタイムスロットを選択(1325)するための1つ以上の命令と、
をさらに有することを特徴とする請求項21または22に記載のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−521494(P2011−521494A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500743(P2011−500743)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050421
【国際公開番号】WO2009/134195
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.FRAM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】