共ドープ酸化チタン発泡体および水殺菌装置
(a)金属ドーパントと、(b)非金属ドーパントと、(c)チタンと、(d)酸素とを含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体。発泡体は、動的流れ用途では広い表面領域と低い背圧という利点を有する。エシェリキア・コリ(大腸菌)の不活性化が単純な光反応器の中で立証された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の相互参照)
本願は、2007年12月19日に出願された米国特許仮出願第61/015,104号の優先権の利益を主張するものであり、本願と矛盾するものを除き、その内容は本明細書に参照により援用される。
【0002】
(連邦支援の研究または開発)
本願は以下の契約および研究助成金、国立科学財団、契約番号CTS−0120978、および米国エネルギー省助成金DEFG02−91−ER45439、によって一部の資金が供給された。米国政府は本発明の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
不均一な光触媒反応は有毒な有機物質および無機物質の分解、病原微生物の不活性化、および汚染された環境からの臭気の除去に対して注目度が非常に高い。光触媒の大部分は水性TiO2スラリーまたは懸濁液の形で現在使用されている。TiO2懸濁液に関する問題のいくつかは、光触媒を活性化させるために紫外線(UV)照射が必要とされること、および分散した光触媒の再利用が困難なことである。UV照射という要求を除去するために、いくつかの研究グループが金属または非金属元素がドープされたTiO2の光触媒反応を生じさせるために可視光を使用することを報告してきた(1〜7)。金属および非金属元素が共ドープされたTiO2は単一元素がドープされたTiO2と比べて、可視光照射のもとで光触媒活性が改良されることがしばしば示されている(8〜10、31、32)。
光触媒を容易に再利用するために、金属支持部材または非金属支持部材(11)、ガラス(12)、ポリマー基質(13)または活性化した炭素繊維(10)に固定化したチタニアを使用するさまざまなシステムが提案されてきた。工業規模の用途では、固定化した光触媒は新しい問題に直面する。固定化した光触媒は接触領域が限られるので、しばしば反応効率が制限される。可視光によって活性化される光触媒の研究のためには、有用な場合もある、紫外線が照射されるTiO2システムのための少し効率的な動的光反応器が報告されてきた(14、15)。ChoiおよびKimはガラス管の中に挿入された光ファイバーを使用する栓流タイプの光バイオリアクターの中で光触媒殺菌を実施した(16)。光ファイバーは化学反応炉の中で紫外線を均一に拡散させるために使用された。シチューキン(Schukin)らはチタニアを含む液体の中の不均一な光触媒反応を研究した(17)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
第1の態様では、本発明はモノリシック形態の四元酸化物発泡体であり、オープンセル発泡体を含有する。オープンセル発泡体は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、(c)チタン、および(d)酸素を含有する。
第2の態様では、本発明は四元酸化物発泡体の製造方法であり、オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸させる工程と、四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含む。液体混合物は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、および(c)チタンを含有する。
第3の態様では、本発明は触媒を反応させる方法であり、四元酸化物発泡体を光に暴露する工程と、反応生成物を形成するために四元酸化物発泡体を反応物質と接触させる工程と、を含む。四元酸化物発泡体は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、(c)チタン、および(d)酸素を含有するオープンセル発泡体を含む。
第4の態様では、本発明は化学反応炉であり、(i)入口、(ii)出口、(iii)入口と出口とに流体的に接続される触媒を含む。触媒は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、(c)チタン、および(d)酸素を含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体を含む。
第5の態様では、本発明は四元酸化物発泡体であり、オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸させる工程と、四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含む方法によって調製される。液体混合物は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、および(c)チタンを含有する。
【0005】
定義
以下の定義は本明細書および特許請求の範囲に対して明白で一貫性のある理解を提供するために含まれる。
用語「四元酸化物」は酸素および少なくとも3つの他の元素を含有する物質を意味する。
用語「チタン源」はチタン、および1個から4個の不安定なリガンドを含有する物質を意味する。
用語「極性有機溶媒」は25℃で少なくとも誘電率10を有する非水性の溶媒を意味する。
用語「非金属ドーパント源」は酸素ではない非金属元素を含有し、さらに他の元素を含有する場合がある物質を意味する。たとえば、非金属ドーパント源はホウ素、炭素、窒素、フッ素、ケイ素、リン、硫黄、塩素、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、臭素、アンチモン、テルル、ヨウ素および/またはアスタチンを含有する場合がある。
用語「金属ドーパント源」はチタンではない金属を含有する物質を意味し、それは金属イオンの源を供給でき、ここで金属イオンは原子番号13、20、21、23から31、38から50、または56から83を有する元素のイオンである。金属ドーパント源は、たとえば、金属塩および金属の酸化物を含有する。
用語「焼成」は融点未満の温度で物質を加熱することを意味する。
用語「光触媒」は反応を触媒するために電磁波放射の存在に依存する触媒を意味する。
用語「可視光」は380nmから780nmの波長を有する電磁波の放射を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は浄化器の概略図であり、発泡体の光触媒測定のために使用される実験準備であり、汚染された水1、入口(ここでは、弁)2、触媒(ここでは、金属がドープされたTiON発泡体)3、出口(ここでは、ガラスファイバーストッパー)4、光源(ここでは、2個の30ワット蛍光灯)5、および、収容部(ここでは、ガラス管)6を示す。
【図2】図2は発砲ポリエチレンの熱重量分析から作成されたグラフである。
【図3】図3は、それぞれ340℃、400℃、500℃、640℃および700℃で焼成した後のPdがドープされたTiON発泡体のX線回折パターンを示す。
【図4】図4はPd3dスペクトル領域でのXPS多重高分解能走査を示す。Pd前駆体の添加量を多くするにつれて、Pd3dのバンド強度の増加が観察され、ここでは1)が10mgであり、2)が20mgであり、3)が30mgであり、4)が90mgである。
【図5】図5はN1Sスペクトル領域でのXPS多重高分解能走査を示す。340℃から700℃の範囲で焼成温度を高くするにつれて、N1Sのバンド強度の減少が観察された。
【図6】図6(a)および図6(b)は多孔性発泡体のマクロ細孔を示す光学顕微鏡画像であり、(a)はオープンセルの画像、(b)オープンセルの概略3次元図である。
【図7】図7(a)、図7(b)および図7(c)は多孔性発泡体のメソ細孔を示すSEM画像であり、(a)は340℃、(b)は500℃、(c)は700℃で焼成した後のSEM画像である。
【図8】図8(a)はPdがドープされたTiON発泡体の窒素吸脱着等温線である。図8(b)はBJH方法によって得られる細孔径分布の図である。
【図9】図9は、さまざまな金属がドープされたTiON発泡体で光触媒処理された後の大腸菌細胞の生存率の図である。金属は表1に示される。
【図10】図10は、すべて500℃で焼成し、Pd前駆体の添加量を変化させたPdがドープされたTiON発泡体の大腸菌細胞の生存率の図であり、(1)は0mg、(2)は10mg、(3)は20mg、(4)は30mg、(5)は90mgのPd前駆体が添加された場合である。
【図11】図11は、PdがドープされたTiON発泡体で光触媒処理された後の大腸菌細胞の生存率の図であり、(1)は340℃、(2)は400℃、(3)は500℃、(4)は700℃で焼成された場合である。
【図12】図12は、可視光が照射された、金属がドープされたTiON化学反応炉の単一流路を通過した後の、排水処理プラントからの二次処理水中の細菌濃度の減少を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(詳細な説明)
本発明は非金属、好ましくは窒素、および金属を含有する四元酸化チタン(たとえば、金属がドープされたTiON)のオープンセル発泡体の発見に基づくものである。発泡体は、動的流れ用途では広い表面領域および低い背圧という利点を有する。大腸菌(E.coil)の不活性化が、単純な光反応器の中で示された。
発泡体は発泡体テンプレートの細孔中の四元酸化チタンのテンプレート成長によって作られ、好ましくはその後に発泡体が除去される。金属がドープされたTiON発泡体は、可視光照射下で大腸菌の光触媒による不活性化を示した。この新規な光触媒の形態は光触媒粒子の回収が必要なく、金属がドープされたTiONは可視光すなわち太陽光によって効率的に活性化されることができるので、これらの可視光によって活性化した光触媒は、水殺菌のための従来の塩素処理の代替としての抗菌処理を提供することが非常に有望である。さらに、本発明の四元酸化チタンの発泡体構造は触媒用途に対して優れた形態を提供する。他の形態のAgがドープされたTiONは所要の時間で検査されるが、AgがドープされたTiON発泡体は20秒だけの滞留時間でサンプル水の中の大腸菌を不活性化させることが見い出された。
【0008】
酸化物発泡体はオープンセル発泡体である。好ましくは、発泡体は細孔径分布の中に少なくとも2つのピークを有する。好ましくは、細孔径分布の中の第1のピークは0.1mmから10mmの大きさを有する細孔に対応する、および細孔径分布の中の第2のピークは2nmから50nmの大きさを有する細孔に対応する。好ましくは、発泡体は間隙率91%、92%、93%、94%、95%および96%を含む少なくとも90%の間隙率を有する。好ましくは、発泡体はモノリシック、または1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmおよび10mmを含む少なくとも0.1mm、より好ましくは少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシック断片を含む。好ましくは、1cmの発泡体を通過する場合の可視光の強度の低下は75%以下であり、より好ましくは1cmの発泡体を通過する場合の可視光の強度の低下は60%未満、および最も好ましくは1cmの発泡体を通過する場合の可視光の強度の低下は50%未満である。
【0009】
四元酸化物を製造する方法は含浸発泡体、好ましくは、チタン、酸素、非金属ドーパントおよび金属ドーパントを含有する物質の混合物が含浸された有機発泡体の加熱または焼成を含む。加熱中に混合物から揮発または相分離する、例えばハロゲン化物、水素、等の他の物質または元素が混合物の中に存在してもよい。チタンは、酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、および/またはオキシスルファートとして混合物の中に存在してもよい。酸素は、チタン酸化物、チタンアルコキシド、および/またはチタンオキシスルファート等のチタンとの化合物の一部として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントは、アンモニアまたはアンモニウム塩、重フッ化アンモニウム、ホウ化水素、または硫化水素、等の水素化合物として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントは金属窒化物、金属塩化物、または金属酸化物、等の金属化合物として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントはサルファートまたはカーボネート等の塩の成分として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントはアミン、アルコール、カルボン酸、アルデヒド、ケトン、スルホン、スルホキシド、またはフッ化炭素、等の有機化合物として混合物の中に存在してもよい。金属ドーパントは酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、またはオキシスルファートとして混合物の中に存在してもよい。
【0010】
四元酸化物を製造する方法の例には、反応混合物を形成するためにチタン源、非金属ドーパント源、金属ドーパント源、および極性有機溶媒を含有する成分を混合し、混合物を発泡体テンプレートの中に含浸させ、反応混合物を加熱または焼成する過程が含まれる。四元酸化物を製造する別の例には、第1の混合物を形成するためにチタン源および非金属ドーパント源を極性有機溶媒で混合し、反応混合物を形成するために金属ドーパント源および水を第1の混合物に添加し、混合物を発泡体テンプレートに含浸させ、反応混合物を加熱し、混合物を焼成する手順が含まれる。
材料を混合するには、材料をどのような順番で混合してもよい。材料を混合することには反応混合物を形成するために、他の材料を添加することが含まれる場合がある。形成された四元酸化物は金属ドーパント、非金属ドーパント、チタンおよび酸素を含有してもよい。
材料を混合した混合物は極性有機溶媒を含有してもよく、および、液状であってもよく、そのために発泡体の中に含浸できる。発泡体は液体混合物をその細孔の中に含浸させるスポンジの機能を果たす。好ましくは、発泡体は、加熱または焼成中に燃え尽きまたは分解する有機発泡体である。実施例には、自然のスポンジ、豆腐、セルロ−スの発泡体およびスポンジ、および、タンパク質および多糖類ばかりではなく、ポリエステル、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、メラミンなどの高分子化合物から製造された発泡体も含まれる。発泡体はオープンセル構造を有する。
【0011】
反応混合物の加熱または焼成には50℃から700℃の間の温度で少なくとも4時間、反応混合物を加熱することが含まれる。好ましくは、加熱または焼成の最終温度は、300℃以上、例えば340℃、400℃、500℃、600℃および700℃を含む300℃から800℃の間である。好ましくは、光触媒として活性な四元チタン酸化物を形成するために、より好ましくはアナターゼ構造(すなわちアナターゼ相を形成する)を有し、および最も好ましくはほとんどまたは全ての発泡体テンプレートを除去または燃え尽きさせるために、十分な時間で加熱または焼成が実施される。
チタン源は、例としては、酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、およびオキシスルファートが挙げられる任意のチタン化合物または錯体であってもよい。好ましくは、チタン源はチタン(iv)ハロゲン化物、チタン(iv)アルコキシド、チタン(iv)ニトラートまたはチタン(iv)オキシスルファートである。より好ましくは、チタン源はチタン(iv)アルコキシドである。
【0012】
非金属ドーパント源は水素化合物、金属化合物、塩の成分、または有機化合物であってもよい。好ましくは、非金属ドーパント源はホウ素、炭素、窒素、硫黄、フッ素、またはこれらの元素の組み合わせを含有する。より好ましくは、非金属ドーパント源は窒素を含有する。
金属ドーパント源は酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、またはオキシスルファートであってもよい。好ましくは、金属ドーパント源はタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンまたは白金のイオンを含有する。
【0013】
極性有機溶媒は25℃で少なくとも誘電率10を有するどのような非水性の溶媒であってもよい。より好ましくは、極性有機溶媒は25℃で少なくとも誘電率25を有する。極性有機溶媒の例にはエチレングリコール、および、エタノールおよびメタノールなどのアルコールが挙げられる。
他の材料には水、界面活性剤、および/または表面配向剤が含まれてもよい。1つまたは複数のこれらの他の材料は反応混合物を形成するための、チタン源、非金属ドーパント源、および金属ドーパント源との混合であってもよい。1つまたは複数のこれらの他の材料は1つまたは2つのチタン源、非金属ドーパント源および金属ドーパント源との混合、および残留成分または反応混合物を形成するための材料との混合であってもよい。1つまたは複数のこれらの他の材料は反応混合物の加熱の直前に反応混合物に添加されてもよい。
【0014】
四元酸化物を含む金属ドーパント、非金属ドーパント、チタンおよび酸素はその元素組成の観点から特徴付けられてもよい。チタン対酸素対非金属ドーパント(Ti:O:A)の原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5であってもよい。好ましくはTi:O:Aの原子比率は1:1.0〜1.99:0.01〜1.0であり、より好ましくは1:1.5〜1.99:0.01〜0.5であり、より好ましくは1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である。好ましくは、非金属ドーパントはホウ素、炭素、窒素、硫黄またはフッ素である。より好ましくは、非金属ドーパントは窒素である。
四元酸化物は10重量パーセント(質量%)以下の濃度の金属ドーパントを含有してもよい。好ましくは、四元酸化物は5質量%以下の濃度、より好ましくは、2質量%以下の濃度の金属ドーパントを含有する。好ましくは、金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンまたは白金である。
【0015】
元素組成に加えて、四元酸化物は多くの他の特性で特徴付けられてもよい。四元酸化物の結晶構造は、X線回折、電子線回折、中性子回折、電子顕微鏡法、物理的特性および化学的特性の調査、および/または他のよく知られた方法によって特徴付けられてもよい。好ましくは、四元酸化物はアナターゼ構造型(アナターゼ相)である。四元酸化物のバンドギャップは分光分析で特徴付けられてもよい。最長波長を有する吸収された放射線のエネルギーはバンドギャップエネルギーに対応する。好ましくは、四元酸化物は3.0電子ボルト(eV)未満のバンドギャップを有する。
触媒組成物は金属ドーパント、非金属ドーパント、チタンおよび酸素を含有する四元酸化物を含み、四元酸化物のチタンと酸素と非金属ドーパントとの原子比率(Ti:O:A)は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である。反応の反応物質が触媒組成物と接触する場合には、触媒組成物は化学反応の変換率で特徴付けられてもよい。有機物質が触媒組成物と接触し、可視光で照射されると、有機物質の濃度は4時間以内に40%減少する。
【0016】
混合物は界面活性剤、結合剤またはpH緩衝剤などの他の成分を含有してもよい。他の混合物成分の例には、アルミニウムホスファート(AlPO4)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物、および(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−トリクロロシランなどのフルオロアルキルシラン化合物が挙げられる。
四元酸化物はさまざまな用途で使用することができる。可能な用途の例には触媒作用、水および空気の浄化、ガス検知、水素製造、太陽光発電、ファイバーレーザー、複合材料および織物の添加剤、および癌治療が含まれる。一般に、酸化チタン、金属がドープされた酸化チタン、および/または非金属がドープされた酸化チタンを使用できる任意の用途で四元酸化物も使用できる。これらの従来の材料の四元酸化物の1つの利点は、紫外線よりも可視光のもとで四元酸化物の触媒効率が高いことである。この結果、紫外線照射を必要とする従来の材料の用途は、四元酸化物を使用した可視光で行われる。
【0017】
四元酸化物を含有する触媒組成物は幅広い種類の反応を促進するために使用することができる。たとえば、1つまたは複数成分の流体の化学反応に提供されるために、触媒組成物は流体の反応物質と混合され、可視光で照射されてもよい。触媒組成物は流体から回収され、別の部分の流体反応物質に使用されるために再利用されてもよい。用途および四元酸化物中のドーパントの組成物によるが、四元酸化物を含有する触媒組成物は、コバルト、ニッケル、銅、金、イリジウム、ランタン、ニッケル、オスミウム、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銀、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウムおよびスズなどの一般的な金属触媒の代わりに使用されてもよい。
空気または水の浄化または殺菌のための浄化器などの化学反応炉が、図1に図示されている。入口2、出口4、および触媒(四元酸化チタン)3が示されている。化学反応炉には光源5、および収容部6が含まれてもよい。操作中に、反応物質(浄化のための水または空気など)は入口に入り、触媒の上および/または触媒を通って移動し、出口から出る。触媒を活性化するための光源が含まれてもよく、または、光は太陽光または周囲の可視光であってもよい。入口、出口、および/または触媒を支持するための収容部は、化学反応炉に含まれてもよい。
【実施例】
【0018】
実施例
合成.1.0gのポリエチレンクッション発泡体の立方体が合成でのテンプレートとして使用された。一般的な合成の手順は以下の通りである。試薬等級チタンテトライソプロポキシド(TTIP98+%)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA、メタノール中25%)、およびエチルアルコールをアルドリッチから購入し、さらに精製することなく使用する。TTIPとTMAとの混合物(モル比4:1)を窒素がドープされた二酸化チタン(TiON)のための前駆体として最初に調製する。2mLジメチルクロライドの中に溶解された金属前駆体(30mgあるいは記載された量)の添加によって金属がドープされたTiONの懸濁液が形成される。懸濁液の中にテンプレート立方体が置かれる。発泡体テンプレートは全ての懸濁液を素早く完全にその細孔に吸収し、24時間、空気中の換気フードの中に放置してゲルになる。次に空気中で一定のゆっくりとした加熱速度で、4時間500℃で焼成すると、金属がドープされたTiONの結晶微粒子が相互に結合し、最終的に、焼成中のポリエチレンテンプレートの除去後に金属がドープされたTiON発泡体材料が形成される。
【0019】
表1に掲載された金属前駆体は全てシグマアルドリッチから購入され、金属がドープされたTiON発泡体は類似のプロセスで調製された。
【表1】
【0020】
TGA.発砲ポリエチレンテンプレートの熱特性は高分解能TAインスツルメント(Instruments)2950熱重量分析器を使用した空気中の熱重量分析(TGA)によって測定された。サンプルは水を除去するために最初に110℃で60分間加熱され、次に10℃/分で700℃まで加熱された。
X線回折.PdがドープされたTiON発泡体の構造はCuKα放射(45kV、20mA)を使用したリガクRAX−10X線回折計によるX線回折(XRD)測定で特徴付けられた。
XPS.サンプルはX線光電子分光によって特徴付けられた。測定は射出角45度でMgKαアノード(15kV、400W)のPhysical Electronics PHI 5400 X線光電子分光計(パーキンエルマー)で行われた。N1S、O1S、Pd3d、およびTi2pの多重XPSスペクトルがエネルギー分解能1.2eVに相当する35.75eVのバンドパスエネルギーで記録された。
【0021】
顕微鏡観察.発泡体は透過ビームを使用したツァイス62293光学顕微鏡を使用して観察された。発泡体の表面の形態は、加速電圧5kV〜15kVで走査型電子顕微鏡日立S−4700(日立、日本、東京)によって調査された。
BET.表面領域および細孔径分布の分析はAutosorb−1装置(カンタクローム)で実施された。サンプルは200℃でガスを放出させた。適切な相対圧力範囲での77Kの窒素等温線の結果は引き続く演算のために使用された。サンプルの特定の表面領域は標準BET式を使用して決定された。細孔径分布は、従来のBarrett−Joyner−Halenda(BJH)方法を使用したN2吸脱着等温線の脱着枝から演算された。データの分析は装置に付属した組み込みコンピュータプログラムを使用して遂行された。
バクテリア培養.野生型大腸菌387はイリノイ大学の微生物学科のJ.Imlay教授によって提供された。バクテリアの細胞数は寒天培地から4mLの液体ルリア・ベルターニ(LB)培地へ移動させるたびに数えられた。細胞は回転振盪器の上の培地の中で37℃18時間、好気的に生育させた。細胞は、一晩培養させてから6000rpm、5分、277Kの遠心分離によって採取し、ホスファート緩衝液(0.05モルKH2PO4および0.05モルK2HPO4、pH7.0)を使用して2回洗浄し、次に再懸濁し、殺菌消毒試験の前に残りの緩衝液で希釈した。最初の細胞濃度は105コロニー形成単位(cfu)/mLの大きさであって、段階希釈の後に寒天培地での生菌数測定手順によって決定された。全ての固体材料または液体材料は使用前に121℃で30分間、加圧滅菌処理された。
【0022】
光触媒不活性化.動的殺菌試験のために使用される実験の準備を概略的に図1に示した。開始時には、1Lの細菌懸濁液のアリコートを殺菌した容器の中に置いた。それぞれの実験に使用される光触媒の量は約1.0gであり、ガラス管の中に挿入された場合には通過液の長さで約2インチから3インチである。管の末端には、ガラス管の中に発泡体を保持するためにガラスファイバーストッパーが使用された。ガラス管は2つの30W蛍光灯によって照射された。流量は20mL/分〜50mL/分に弁で調節され、採取された細胞アリコートは細胞生死判別試験のために吸引された。分析は二重に実施され、暗闇に包まれた光触媒を同一の照明条件下にして対照試験が実施された。
細胞生死判別試験.緩衝液での適切な希釈の後に、2.5mLの上層寒天と共に20μLの細胞培養アリコートを寒天培地の上に塗布し、37℃で24時間培養した。生存細胞数がコロニー形成単位で数えられた。
【0023】
図2に示されるTGAの結果によれば、焼成によるテンプレートの除去が明確である。250℃から550℃の温度範囲での重量損失が観察される。110℃での予備加熱の間に物理吸着水が除去されたので、観測された重量損失はテンプレートの除去に起因する。ポリエチレンテンプレートは250℃から340℃の温度範囲での最大の重量損失であり、続いて小さな重量損失のすそがある。焼成が340℃よりも高い温度で実施されると、テンプレートの大部分は焼失する。焼成温度が500℃では、たとえば、テンプレートの95%近くが焼成中に除去される。
【0024】
図3は、340℃から700℃の範囲で焼成温度を変化させた場合の、PdがドープされたTiON発泡体のX線回折パターンを示す。金属がドープされた全てのTiON発泡体でアナターゼTiO2相が支配的であることを示すことが分かる。しかしながら、焼成温度が640℃以上になるとルチル相が観察され始める。A(004)、A(200)、A(105)、A(211)およびA(204)の弱いピークによって、焼成温度が340℃では良好な結晶化度を確保するためには十分に温度が高くないことをも示している。純粋なアナターゼ相の最良の結晶品質は約400℃の焼成温度によって得られる。
【0025】
代表的なPdがドープされたTiON発泡体のXPS調査スペクトル(データは図示せず)は発泡体の中にN、O、PdおよびTiが存在することをはっきりと示す。N1SおよびPd3dスペクトル領域の多重高分解能走査が図4および図5に含まれる。Pd3dのスペクトルが図4に示される。336.8eVの周囲のピークはPdO式中のPd3d,5/2に割り当てられ、これはPdが酸化されていることを意味する。10mgから90mgの範囲でより多くのPd前駆体が添加されると、Pd3dのバンド強度の増加が観測された。表面組成物の半定量分析は、前記(6)で採用された方法を使用したN1S、O1S、Ti2pおよびPd3dの多重走査から平均強度比を取って評価された。XPSによって決定されたPdOのPd濃度を表2に示し、それは理論値よりも一貫して少し小さい。理論値は、添加されたPdの全てが重量損失のない最終生成物に残っていると仮定して得られたものである。図5に示すように340℃から700℃の範囲のより高い焼成温度に伴って、N1Sのバンド強度の実質的減少が観測された。399eV〜400eVにおけるN1Sバンドの出現は、窒素が取り込まれ、340℃、400℃および500℃での焼成後に発泡体の中に残っていることを示している。640℃および700℃での焼成後にはN1Sピークはほとんど見られず、これは合成中にドープされた窒素が高温酸化を通じて空気中の酸素によって置換されたことを示している。焼成後の窒素の濃度も決定され、表3中に示される。640℃および700℃では、窒素濃度は低すぎてXPS技術では合理的に計測することができない。
【表2】
【表3】
【0026】
発泡体の形態は光顕微鏡法および電子顕微鏡法によって観測された。図6aの自由形状の図は光学顕微鏡によって観測されたオープンセル発泡体である。図6bは発泡体の3次元表示である。直径数百マイクロメートルの大きな細孔のオープンネットワークが形性されている。細孔寸法が細菌の大きさ(通常は1〜2μm)よりも大きいので、これらの大きな細孔は、細菌と光触媒との接触効率を改良し、動的化学反応炉の中の発泡体の両端間の圧力降下を減少させるための両方にとって望ましい。光触媒によって細菌を不活性化している間に、細孔は発泡体立方体の中の光利用率を増加させることができる。
【0027】
図7中のSEM画像は、焼成温度が増加すると、PdがドープされたTiON発泡体の結晶化度がどんどんよくなることを明らかにした。明らかに、結晶粒はより高い焼成温度でより大きく成長している。これらの顕微鏡写真から、PdがドープされたTiON粒子の間のメソ細孔が観察できる。マイクロ(2nm未満)あるいはメソ(2nm〜20nm)細孔はゾルゲル法で製造された粒子特性を有する。マクロ細孔とメソ細孔とが有する発泡体の間隙率の二重性は通過液操作における高い光触媒効率を実現するためには理想的である。
【0028】
光触媒発泡体に形性された細孔特性が図8に示される。窒素吸脱着測定の結果は図8aの等温線となり、ここには吸着と脱着との間の大きなヒステリシスが見られる。細孔径分布は図8bに示される。主要な細孔直径は3.9nmであり、第2のピーク直径は16.8nmであることが示されている。したがって、発泡体は、直径約250μmの大きなマクロ細孔と直径20nm未満のメソ細孔とからなる。マクロ細孔は大きな流量で背圧が低くなる一方、メソ細孔は大きな表面領域を提供する。
【0029】
殺菌データは生存率(N’/N0)の変化によって示される。N0およびN’はそれぞれ対照と照射処理のミリリットル当たりのコロニー形成単位の数である。対照は暗闇の中で発泡体およびガラスファイバーストッパーを通じて細胞培養されたものである。細胞の生存率に対する光触媒反応の効果は、可視光照射のもとで発現され、サンプルが生死判別試験のために採集される前に細胞培養が十分な「安定化時間」で実施される。このように、物理的な濾過要因は排除される。図9では、殺菌試験ではほとんどの共ドープされたTiO2発泡体は可視光照明のもとで殺菌効果を有することを示し、対照と比較して細菌コロニー形成単位の減少を引き起こす。銀が共ドープされた発泡体は最も大きい致死効果を示す。一方、NiO/TiON発泡体の殺菌機能はあまり明白ではなかった。金属がドープされたTiON発泡体による、大腸菌不活性化に対する効率増加の全体の順番は以下のように観測された。Ni<Mo≒Nb≒Mn≒Co<Ce≒W<Fe≒Y<Pd≒Cu<Pt<Nd<Ag。合成および殺菌処理に対する一般的な条件は酷似するように注意して制御されたが、不可避な系統的誤差のためにこの順番は高精度なものではない。Ag、Pt、およびCuなどの殺菌効果を有することが知られている金属は、取り込まれる金属の量がとても少なくとも、通常は高い不活性化率を示す。
【0030】
NがドープされたTiO2中に共ドープされた金属による改善メカニズムおよびそれに続く異なる金属による改良の順番は現段階ではよく理解されていないが、Mn+/TiO2に関する多くの以前の調査がその回答に対する手掛かりとなる場合がある(18、19)。グラシア(Gracia)と同僚らは金属の中でMn+−TiO2薄膜(Cr、V、Fe、Co)を研究し、アニーリング時の薄膜の結晶化はこれらのイオンによって影響される(18)。Tが573Kよりも大きい場合には、Tiはフィルムに存在するカチオンの種類および量に依存して、アナターゼ構造またはルチル構造に結晶化する。M2Onの形でのカチオンの部分的な分離の程度もカチオンの種類に関連する。これらの要因は金属がドープされたTiONシステムの中でもその役割を果たすとともに、光触媒効率の改良の程度を変化させることに貢献する。光触媒システムにおける遷移金属イオンに関する調査記事において、リッター(Litter)はさまざまな要因が光触媒反応速度に影響を与えることができることを指摘している(19)。たとえば、光触媒反応の速度および効率に与える金属の効果は金属の種類および濃度に強く依存する。光触媒の変換速度を高める最適値の濃度において、光化学反応速度の増加および悪影響の両方とも観測された。
【0031】
金属イオンの添加による光酸化速度の増加は、多くの場合、TiO2表面上の電子を除去するための金属イオンの能力に起因する。荷電粒子のトラッピングはe-/h+対の再結合速度を増加させ、およびその結果として荷電粒子の寿命を長くすることができる。これは最終的にOH構造の生成速度を速くする(19)。TiO2表面上の自由荷電粒子の総数は、界面の電荷移動速度ばかりではなく、電荷対の生成速度、電荷トラッピング、電荷の解放および移動、電荷再結合によって決定される。金属ドーパントの役割の複雑さは全てのこれらのプロセスに関与することができる。
【0032】
図10の殺菌結果は、PdがドープされたTiON発泡体の致死効果に対する金属イオンの影響を明らかにする。最初の前駆体量の4つの値の中で、30mgは最適であるように思われる。Pdの量に係わらず、TiON(0%Pd)と比べて添加されたPdは光触媒能力を増加することを示した。しかしながら、Pd濃度が高すぎる場合には、発泡体の機械的強度が失われる。弱い発泡体は規模を拡大した作業には望ましくない。Pdの量の増加による改善効果の減少はPdO分離の現象に関連している場合があり、グラシア(Gracia)らによって他の金属がドープされた材料で観測されたものと類似する。
【0033】
図11の殺菌結果はPdがドープされたTiON発泡体の致死効果に対する焼成温度の効果を明らかにする。大腸菌不活性化に対する効率増加の順番は700℃<500℃<400℃<340℃の通りである。この順番は、焼成後のNの濃度、異なる焼成温度下での結晶の品質、および高焼成温度による粒子の成長によって生じる粒径の変化を含む多数の要因によって影響される場合がある。粒子径は最終的な表面領域を変化させることができる。これらの結果によって最適な窒素の濃度および340℃で焼成されたサンプルの大きな表面領域が結晶化不足を克服することを示した。
【0034】
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(32) Xie, et al. Patent Application Publication, Publication No. US 2007/0190765 A1 (Aug. 16, 2007).
(33) Wu, Pinggui, Antimicrobial Materials for Water Disinfection Based on Visible-Light Photocatalysis, Ph.D. thesis, May 2007, University of Illinois at Urbana-Champaign.
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の相互参照)
本願は、2007年12月19日に出願された米国特許仮出願第61/015,104号の優先権の利益を主張するものであり、本願と矛盾するものを除き、その内容は本明細書に参照により援用される。
【0002】
(連邦支援の研究または開発)
本願は以下の契約および研究助成金、国立科学財団、契約番号CTS−0120978、および米国エネルギー省助成金DEFG02−91−ER45439、によって一部の資金が供給された。米国政府は本発明の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
不均一な光触媒反応は有毒な有機物質および無機物質の分解、病原微生物の不活性化、および汚染された環境からの臭気の除去に対して注目度が非常に高い。光触媒の大部分は水性TiO2スラリーまたは懸濁液の形で現在使用されている。TiO2懸濁液に関する問題のいくつかは、光触媒を活性化させるために紫外線(UV)照射が必要とされること、および分散した光触媒の再利用が困難なことである。UV照射という要求を除去するために、いくつかの研究グループが金属または非金属元素がドープされたTiO2の光触媒反応を生じさせるために可視光を使用することを報告してきた(1〜7)。金属および非金属元素が共ドープされたTiO2は単一元素がドープされたTiO2と比べて、可視光照射のもとで光触媒活性が改良されることがしばしば示されている(8〜10、31、32)。
光触媒を容易に再利用するために、金属支持部材または非金属支持部材(11)、ガラス(12)、ポリマー基質(13)または活性化した炭素繊維(10)に固定化したチタニアを使用するさまざまなシステムが提案されてきた。工業規模の用途では、固定化した光触媒は新しい問題に直面する。固定化した光触媒は接触領域が限られるので、しばしば反応効率が制限される。可視光によって活性化される光触媒の研究のためには、有用な場合もある、紫外線が照射されるTiO2システムのための少し効率的な動的光反応器が報告されてきた(14、15)。ChoiおよびKimはガラス管の中に挿入された光ファイバーを使用する栓流タイプの光バイオリアクターの中で光触媒殺菌を実施した(16)。光ファイバーは化学反応炉の中で紫外線を均一に拡散させるために使用された。シチューキン(Schukin)らはチタニアを含む液体の中の不均一な光触媒反応を研究した(17)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
第1の態様では、本発明はモノリシック形態の四元酸化物発泡体であり、オープンセル発泡体を含有する。オープンセル発泡体は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、(c)チタン、および(d)酸素を含有する。
第2の態様では、本発明は四元酸化物発泡体の製造方法であり、オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸させる工程と、四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含む。液体混合物は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、および(c)チタンを含有する。
第3の態様では、本発明は触媒を反応させる方法であり、四元酸化物発泡体を光に暴露する工程と、反応生成物を形成するために四元酸化物発泡体を反応物質と接触させる工程と、を含む。四元酸化物発泡体は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、(c)チタン、および(d)酸素を含有するオープンセル発泡体を含む。
第4の態様では、本発明は化学反応炉であり、(i)入口、(ii)出口、(iii)入口と出口とに流体的に接続される触媒を含む。触媒は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、(c)チタン、および(d)酸素を含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体を含む。
第5の態様では、本発明は四元酸化物発泡体であり、オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸させる工程と、四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含む方法によって調製される。液体混合物は(a)金属ドーパント、(b)非金属ドーパント、および(c)チタンを含有する。
【0005】
定義
以下の定義は本明細書および特許請求の範囲に対して明白で一貫性のある理解を提供するために含まれる。
用語「四元酸化物」は酸素および少なくとも3つの他の元素を含有する物質を意味する。
用語「チタン源」はチタン、および1個から4個の不安定なリガンドを含有する物質を意味する。
用語「極性有機溶媒」は25℃で少なくとも誘電率10を有する非水性の溶媒を意味する。
用語「非金属ドーパント源」は酸素ではない非金属元素を含有し、さらに他の元素を含有する場合がある物質を意味する。たとえば、非金属ドーパント源はホウ素、炭素、窒素、フッ素、ケイ素、リン、硫黄、塩素、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、臭素、アンチモン、テルル、ヨウ素および/またはアスタチンを含有する場合がある。
用語「金属ドーパント源」はチタンではない金属を含有する物質を意味し、それは金属イオンの源を供給でき、ここで金属イオンは原子番号13、20、21、23から31、38から50、または56から83を有する元素のイオンである。金属ドーパント源は、たとえば、金属塩および金属の酸化物を含有する。
用語「焼成」は融点未満の温度で物質を加熱することを意味する。
用語「光触媒」は反応を触媒するために電磁波放射の存在に依存する触媒を意味する。
用語「可視光」は380nmから780nmの波長を有する電磁波の放射を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は浄化器の概略図であり、発泡体の光触媒測定のために使用される実験準備であり、汚染された水1、入口(ここでは、弁)2、触媒(ここでは、金属がドープされたTiON発泡体)3、出口(ここでは、ガラスファイバーストッパー)4、光源(ここでは、2個の30ワット蛍光灯)5、および、収容部(ここでは、ガラス管)6を示す。
【図2】図2は発砲ポリエチレンの熱重量分析から作成されたグラフである。
【図3】図3は、それぞれ340℃、400℃、500℃、640℃および700℃で焼成した後のPdがドープされたTiON発泡体のX線回折パターンを示す。
【図4】図4はPd3dスペクトル領域でのXPS多重高分解能走査を示す。Pd前駆体の添加量を多くするにつれて、Pd3dのバンド強度の増加が観察され、ここでは1)が10mgであり、2)が20mgであり、3)が30mgであり、4)が90mgである。
【図5】図5はN1Sスペクトル領域でのXPS多重高分解能走査を示す。340℃から700℃の範囲で焼成温度を高くするにつれて、N1Sのバンド強度の減少が観察された。
【図6】図6(a)および図6(b)は多孔性発泡体のマクロ細孔を示す光学顕微鏡画像であり、(a)はオープンセルの画像、(b)オープンセルの概略3次元図である。
【図7】図7(a)、図7(b)および図7(c)は多孔性発泡体のメソ細孔を示すSEM画像であり、(a)は340℃、(b)は500℃、(c)は700℃で焼成した後のSEM画像である。
【図8】図8(a)はPdがドープされたTiON発泡体の窒素吸脱着等温線である。図8(b)はBJH方法によって得られる細孔径分布の図である。
【図9】図9は、さまざまな金属がドープされたTiON発泡体で光触媒処理された後の大腸菌細胞の生存率の図である。金属は表1に示される。
【図10】図10は、すべて500℃で焼成し、Pd前駆体の添加量を変化させたPdがドープされたTiON発泡体の大腸菌細胞の生存率の図であり、(1)は0mg、(2)は10mg、(3)は20mg、(4)は30mg、(5)は90mgのPd前駆体が添加された場合である。
【図11】図11は、PdがドープされたTiON発泡体で光触媒処理された後の大腸菌細胞の生存率の図であり、(1)は340℃、(2)は400℃、(3)は500℃、(4)は700℃で焼成された場合である。
【図12】図12は、可視光が照射された、金属がドープされたTiON化学反応炉の単一流路を通過した後の、排水処理プラントからの二次処理水中の細菌濃度の減少を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(詳細な説明)
本発明は非金属、好ましくは窒素、および金属を含有する四元酸化チタン(たとえば、金属がドープされたTiON)のオープンセル発泡体の発見に基づくものである。発泡体は、動的流れ用途では広い表面領域および低い背圧という利点を有する。大腸菌(E.coil)の不活性化が、単純な光反応器の中で示された。
発泡体は発泡体テンプレートの細孔中の四元酸化チタンのテンプレート成長によって作られ、好ましくはその後に発泡体が除去される。金属がドープされたTiON発泡体は、可視光照射下で大腸菌の光触媒による不活性化を示した。この新規な光触媒の形態は光触媒粒子の回収が必要なく、金属がドープされたTiONは可視光すなわち太陽光によって効率的に活性化されることができるので、これらの可視光によって活性化した光触媒は、水殺菌のための従来の塩素処理の代替としての抗菌処理を提供することが非常に有望である。さらに、本発明の四元酸化チタンの発泡体構造は触媒用途に対して優れた形態を提供する。他の形態のAgがドープされたTiONは所要の時間で検査されるが、AgがドープされたTiON発泡体は20秒だけの滞留時間でサンプル水の中の大腸菌を不活性化させることが見い出された。
【0008】
酸化物発泡体はオープンセル発泡体である。好ましくは、発泡体は細孔径分布の中に少なくとも2つのピークを有する。好ましくは、細孔径分布の中の第1のピークは0.1mmから10mmの大きさを有する細孔に対応する、および細孔径分布の中の第2のピークは2nmから50nmの大きさを有する細孔に対応する。好ましくは、発泡体は間隙率91%、92%、93%、94%、95%および96%を含む少なくとも90%の間隙率を有する。好ましくは、発泡体はモノリシック、または1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmおよび10mmを含む少なくとも0.1mm、より好ましくは少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシック断片を含む。好ましくは、1cmの発泡体を通過する場合の可視光の強度の低下は75%以下であり、より好ましくは1cmの発泡体を通過する場合の可視光の強度の低下は60%未満、および最も好ましくは1cmの発泡体を通過する場合の可視光の強度の低下は50%未満である。
【0009】
四元酸化物を製造する方法は含浸発泡体、好ましくは、チタン、酸素、非金属ドーパントおよび金属ドーパントを含有する物質の混合物が含浸された有機発泡体の加熱または焼成を含む。加熱中に混合物から揮発または相分離する、例えばハロゲン化物、水素、等の他の物質または元素が混合物の中に存在してもよい。チタンは、酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、および/またはオキシスルファートとして混合物の中に存在してもよい。酸素は、チタン酸化物、チタンアルコキシド、および/またはチタンオキシスルファート等のチタンとの化合物の一部として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントは、アンモニアまたはアンモニウム塩、重フッ化アンモニウム、ホウ化水素、または硫化水素、等の水素化合物として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントは金属窒化物、金属塩化物、または金属酸化物、等の金属化合物として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントはサルファートまたはカーボネート等の塩の成分として混合物の中に存在してもよい。非金属ドーパントはアミン、アルコール、カルボン酸、アルデヒド、ケトン、スルホン、スルホキシド、またはフッ化炭素、等の有機化合物として混合物の中に存在してもよい。金属ドーパントは酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、またはオキシスルファートとして混合物の中に存在してもよい。
【0010】
四元酸化物を製造する方法の例には、反応混合物を形成するためにチタン源、非金属ドーパント源、金属ドーパント源、および極性有機溶媒を含有する成分を混合し、混合物を発泡体テンプレートの中に含浸させ、反応混合物を加熱または焼成する過程が含まれる。四元酸化物を製造する別の例には、第1の混合物を形成するためにチタン源および非金属ドーパント源を極性有機溶媒で混合し、反応混合物を形成するために金属ドーパント源および水を第1の混合物に添加し、混合物を発泡体テンプレートに含浸させ、反応混合物を加熱し、混合物を焼成する手順が含まれる。
材料を混合するには、材料をどのような順番で混合してもよい。材料を混合することには反応混合物を形成するために、他の材料を添加することが含まれる場合がある。形成された四元酸化物は金属ドーパント、非金属ドーパント、チタンおよび酸素を含有してもよい。
材料を混合した混合物は極性有機溶媒を含有してもよく、および、液状であってもよく、そのために発泡体の中に含浸できる。発泡体は液体混合物をその細孔の中に含浸させるスポンジの機能を果たす。好ましくは、発泡体は、加熱または焼成中に燃え尽きまたは分解する有機発泡体である。実施例には、自然のスポンジ、豆腐、セルロ−スの発泡体およびスポンジ、および、タンパク質および多糖類ばかりではなく、ポリエステル、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、メラミンなどの高分子化合物から製造された発泡体も含まれる。発泡体はオープンセル構造を有する。
【0011】
反応混合物の加熱または焼成には50℃から700℃の間の温度で少なくとも4時間、反応混合物を加熱することが含まれる。好ましくは、加熱または焼成の最終温度は、300℃以上、例えば340℃、400℃、500℃、600℃および700℃を含む300℃から800℃の間である。好ましくは、光触媒として活性な四元チタン酸化物を形成するために、より好ましくはアナターゼ構造(すなわちアナターゼ相を形成する)を有し、および最も好ましくはほとんどまたは全ての発泡体テンプレートを除去または燃え尽きさせるために、十分な時間で加熱または焼成が実施される。
チタン源は、例としては、酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、およびオキシスルファートが挙げられる任意のチタン化合物または錯体であってもよい。好ましくは、チタン源はチタン(iv)ハロゲン化物、チタン(iv)アルコキシド、チタン(iv)ニトラートまたはチタン(iv)オキシスルファートである。より好ましくは、チタン源はチタン(iv)アルコキシドである。
【0012】
非金属ドーパント源は水素化合物、金属化合物、塩の成分、または有機化合物であってもよい。好ましくは、非金属ドーパント源はホウ素、炭素、窒素、硫黄、フッ素、またはこれらの元素の組み合わせを含有する。より好ましくは、非金属ドーパント源は窒素を含有する。
金属ドーパント源は酸化物、塩化物、ハロゲン化物、アルコキシド、ニトラート、またはオキシスルファートであってもよい。好ましくは、金属ドーパント源はタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンまたは白金のイオンを含有する。
【0013】
極性有機溶媒は25℃で少なくとも誘電率10を有するどのような非水性の溶媒であってもよい。より好ましくは、極性有機溶媒は25℃で少なくとも誘電率25を有する。極性有機溶媒の例にはエチレングリコール、および、エタノールおよびメタノールなどのアルコールが挙げられる。
他の材料には水、界面活性剤、および/または表面配向剤が含まれてもよい。1つまたは複数のこれらの他の材料は反応混合物を形成するための、チタン源、非金属ドーパント源、および金属ドーパント源との混合であってもよい。1つまたは複数のこれらの他の材料は1つまたは2つのチタン源、非金属ドーパント源および金属ドーパント源との混合、および残留成分または反応混合物を形成するための材料との混合であってもよい。1つまたは複数のこれらの他の材料は反応混合物の加熱の直前に反応混合物に添加されてもよい。
【0014】
四元酸化物を含む金属ドーパント、非金属ドーパント、チタンおよび酸素はその元素組成の観点から特徴付けられてもよい。チタン対酸素対非金属ドーパント(Ti:O:A)の原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5であってもよい。好ましくはTi:O:Aの原子比率は1:1.0〜1.99:0.01〜1.0であり、より好ましくは1:1.5〜1.99:0.01〜0.5であり、より好ましくは1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である。好ましくは、非金属ドーパントはホウ素、炭素、窒素、硫黄またはフッ素である。より好ましくは、非金属ドーパントは窒素である。
四元酸化物は10重量パーセント(質量%)以下の濃度の金属ドーパントを含有してもよい。好ましくは、四元酸化物は5質量%以下の濃度、より好ましくは、2質量%以下の濃度の金属ドーパントを含有する。好ましくは、金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンまたは白金である。
【0015】
元素組成に加えて、四元酸化物は多くの他の特性で特徴付けられてもよい。四元酸化物の結晶構造は、X線回折、電子線回折、中性子回折、電子顕微鏡法、物理的特性および化学的特性の調査、および/または他のよく知られた方法によって特徴付けられてもよい。好ましくは、四元酸化物はアナターゼ構造型(アナターゼ相)である。四元酸化物のバンドギャップは分光分析で特徴付けられてもよい。最長波長を有する吸収された放射線のエネルギーはバンドギャップエネルギーに対応する。好ましくは、四元酸化物は3.0電子ボルト(eV)未満のバンドギャップを有する。
触媒組成物は金属ドーパント、非金属ドーパント、チタンおよび酸素を含有する四元酸化物を含み、四元酸化物のチタンと酸素と非金属ドーパントとの原子比率(Ti:O:A)は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である。反応の反応物質が触媒組成物と接触する場合には、触媒組成物は化学反応の変換率で特徴付けられてもよい。有機物質が触媒組成物と接触し、可視光で照射されると、有機物質の濃度は4時間以内に40%減少する。
【0016】
混合物は界面活性剤、結合剤またはpH緩衝剤などの他の成分を含有してもよい。他の混合物成分の例には、アルミニウムホスファート(AlPO4)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン化合物、および(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−トリクロロシランなどのフルオロアルキルシラン化合物が挙げられる。
四元酸化物はさまざまな用途で使用することができる。可能な用途の例には触媒作用、水および空気の浄化、ガス検知、水素製造、太陽光発電、ファイバーレーザー、複合材料および織物の添加剤、および癌治療が含まれる。一般に、酸化チタン、金属がドープされた酸化チタン、および/または非金属がドープされた酸化チタンを使用できる任意の用途で四元酸化物も使用できる。これらの従来の材料の四元酸化物の1つの利点は、紫外線よりも可視光のもとで四元酸化物の触媒効率が高いことである。この結果、紫外線照射を必要とする従来の材料の用途は、四元酸化物を使用した可視光で行われる。
【0017】
四元酸化物を含有する触媒組成物は幅広い種類の反応を促進するために使用することができる。たとえば、1つまたは複数成分の流体の化学反応に提供されるために、触媒組成物は流体の反応物質と混合され、可視光で照射されてもよい。触媒組成物は流体から回収され、別の部分の流体反応物質に使用されるために再利用されてもよい。用途および四元酸化物中のドーパントの組成物によるが、四元酸化物を含有する触媒組成物は、コバルト、ニッケル、銅、金、イリジウム、ランタン、ニッケル、オスミウム、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銀、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウムおよびスズなどの一般的な金属触媒の代わりに使用されてもよい。
空気または水の浄化または殺菌のための浄化器などの化学反応炉が、図1に図示されている。入口2、出口4、および触媒(四元酸化チタン)3が示されている。化学反応炉には光源5、および収容部6が含まれてもよい。操作中に、反応物質(浄化のための水または空気など)は入口に入り、触媒の上および/または触媒を通って移動し、出口から出る。触媒を活性化するための光源が含まれてもよく、または、光は太陽光または周囲の可視光であってもよい。入口、出口、および/または触媒を支持するための収容部は、化学反応炉に含まれてもよい。
【実施例】
【0018】
実施例
合成.1.0gのポリエチレンクッション発泡体の立方体が合成でのテンプレートとして使用された。一般的な合成の手順は以下の通りである。試薬等級チタンテトライソプロポキシド(TTIP98+%)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMA、メタノール中25%)、およびエチルアルコールをアルドリッチから購入し、さらに精製することなく使用する。TTIPとTMAとの混合物(モル比4:1)を窒素がドープされた二酸化チタン(TiON)のための前駆体として最初に調製する。2mLジメチルクロライドの中に溶解された金属前駆体(30mgあるいは記載された量)の添加によって金属がドープされたTiONの懸濁液が形成される。懸濁液の中にテンプレート立方体が置かれる。発泡体テンプレートは全ての懸濁液を素早く完全にその細孔に吸収し、24時間、空気中の換気フードの中に放置してゲルになる。次に空気中で一定のゆっくりとした加熱速度で、4時間500℃で焼成すると、金属がドープされたTiONの結晶微粒子が相互に結合し、最終的に、焼成中のポリエチレンテンプレートの除去後に金属がドープされたTiON発泡体材料が形成される。
【0019】
表1に掲載された金属前駆体は全てシグマアルドリッチから購入され、金属がドープされたTiON発泡体は類似のプロセスで調製された。
【表1】
【0020】
TGA.発砲ポリエチレンテンプレートの熱特性は高分解能TAインスツルメント(Instruments)2950熱重量分析器を使用した空気中の熱重量分析(TGA)によって測定された。サンプルは水を除去するために最初に110℃で60分間加熱され、次に10℃/分で700℃まで加熱された。
X線回折.PdがドープされたTiON発泡体の構造はCuKα放射(45kV、20mA)を使用したリガクRAX−10X線回折計によるX線回折(XRD)測定で特徴付けられた。
XPS.サンプルはX線光電子分光によって特徴付けられた。測定は射出角45度でMgKαアノード(15kV、400W)のPhysical Electronics PHI 5400 X線光電子分光計(パーキンエルマー)で行われた。N1S、O1S、Pd3d、およびTi2pの多重XPSスペクトルがエネルギー分解能1.2eVに相当する35.75eVのバンドパスエネルギーで記録された。
【0021】
顕微鏡観察.発泡体は透過ビームを使用したツァイス62293光学顕微鏡を使用して観察された。発泡体の表面の形態は、加速電圧5kV〜15kVで走査型電子顕微鏡日立S−4700(日立、日本、東京)によって調査された。
BET.表面領域および細孔径分布の分析はAutosorb−1装置(カンタクローム)で実施された。サンプルは200℃でガスを放出させた。適切な相対圧力範囲での77Kの窒素等温線の結果は引き続く演算のために使用された。サンプルの特定の表面領域は標準BET式を使用して決定された。細孔径分布は、従来のBarrett−Joyner−Halenda(BJH)方法を使用したN2吸脱着等温線の脱着枝から演算された。データの分析は装置に付属した組み込みコンピュータプログラムを使用して遂行された。
バクテリア培養.野生型大腸菌387はイリノイ大学の微生物学科のJ.Imlay教授によって提供された。バクテリアの細胞数は寒天培地から4mLの液体ルリア・ベルターニ(LB)培地へ移動させるたびに数えられた。細胞は回転振盪器の上の培地の中で37℃18時間、好気的に生育させた。細胞は、一晩培養させてから6000rpm、5分、277Kの遠心分離によって採取し、ホスファート緩衝液(0.05モルKH2PO4および0.05モルK2HPO4、pH7.0)を使用して2回洗浄し、次に再懸濁し、殺菌消毒試験の前に残りの緩衝液で希釈した。最初の細胞濃度は105コロニー形成単位(cfu)/mLの大きさであって、段階希釈の後に寒天培地での生菌数測定手順によって決定された。全ての固体材料または液体材料は使用前に121℃で30分間、加圧滅菌処理された。
【0022】
光触媒不活性化.動的殺菌試験のために使用される実験の準備を概略的に図1に示した。開始時には、1Lの細菌懸濁液のアリコートを殺菌した容器の中に置いた。それぞれの実験に使用される光触媒の量は約1.0gであり、ガラス管の中に挿入された場合には通過液の長さで約2インチから3インチである。管の末端には、ガラス管の中に発泡体を保持するためにガラスファイバーストッパーが使用された。ガラス管は2つの30W蛍光灯によって照射された。流量は20mL/分〜50mL/分に弁で調節され、採取された細胞アリコートは細胞生死判別試験のために吸引された。分析は二重に実施され、暗闇に包まれた光触媒を同一の照明条件下にして対照試験が実施された。
細胞生死判別試験.緩衝液での適切な希釈の後に、2.5mLの上層寒天と共に20μLの細胞培養アリコートを寒天培地の上に塗布し、37℃で24時間培養した。生存細胞数がコロニー形成単位で数えられた。
【0023】
図2に示されるTGAの結果によれば、焼成によるテンプレートの除去が明確である。250℃から550℃の温度範囲での重量損失が観察される。110℃での予備加熱の間に物理吸着水が除去されたので、観測された重量損失はテンプレートの除去に起因する。ポリエチレンテンプレートは250℃から340℃の温度範囲での最大の重量損失であり、続いて小さな重量損失のすそがある。焼成が340℃よりも高い温度で実施されると、テンプレートの大部分は焼失する。焼成温度が500℃では、たとえば、テンプレートの95%近くが焼成中に除去される。
【0024】
図3は、340℃から700℃の範囲で焼成温度を変化させた場合の、PdがドープされたTiON発泡体のX線回折パターンを示す。金属がドープされた全てのTiON発泡体でアナターゼTiO2相が支配的であることを示すことが分かる。しかしながら、焼成温度が640℃以上になるとルチル相が観察され始める。A(004)、A(200)、A(105)、A(211)およびA(204)の弱いピークによって、焼成温度が340℃では良好な結晶化度を確保するためには十分に温度が高くないことをも示している。純粋なアナターゼ相の最良の結晶品質は約400℃の焼成温度によって得られる。
【0025】
代表的なPdがドープされたTiON発泡体のXPS調査スペクトル(データは図示せず)は発泡体の中にN、O、PdおよびTiが存在することをはっきりと示す。N1SおよびPd3dスペクトル領域の多重高分解能走査が図4および図5に含まれる。Pd3dのスペクトルが図4に示される。336.8eVの周囲のピークはPdO式中のPd3d,5/2に割り当てられ、これはPdが酸化されていることを意味する。10mgから90mgの範囲でより多くのPd前駆体が添加されると、Pd3dのバンド強度の増加が観測された。表面組成物の半定量分析は、前記(6)で採用された方法を使用したN1S、O1S、Ti2pおよびPd3dの多重走査から平均強度比を取って評価された。XPSによって決定されたPdOのPd濃度を表2に示し、それは理論値よりも一貫して少し小さい。理論値は、添加されたPdの全てが重量損失のない最終生成物に残っていると仮定して得られたものである。図5に示すように340℃から700℃の範囲のより高い焼成温度に伴って、N1Sのバンド強度の実質的減少が観測された。399eV〜400eVにおけるN1Sバンドの出現は、窒素が取り込まれ、340℃、400℃および500℃での焼成後に発泡体の中に残っていることを示している。640℃および700℃での焼成後にはN1Sピークはほとんど見られず、これは合成中にドープされた窒素が高温酸化を通じて空気中の酸素によって置換されたことを示している。焼成後の窒素の濃度も決定され、表3中に示される。640℃および700℃では、窒素濃度は低すぎてXPS技術では合理的に計測することができない。
【表2】
【表3】
【0026】
発泡体の形態は光顕微鏡法および電子顕微鏡法によって観測された。図6aの自由形状の図は光学顕微鏡によって観測されたオープンセル発泡体である。図6bは発泡体の3次元表示である。直径数百マイクロメートルの大きな細孔のオープンネットワークが形性されている。細孔寸法が細菌の大きさ(通常は1〜2μm)よりも大きいので、これらの大きな細孔は、細菌と光触媒との接触効率を改良し、動的化学反応炉の中の発泡体の両端間の圧力降下を減少させるための両方にとって望ましい。光触媒によって細菌を不活性化している間に、細孔は発泡体立方体の中の光利用率を増加させることができる。
【0027】
図7中のSEM画像は、焼成温度が増加すると、PdがドープされたTiON発泡体の結晶化度がどんどんよくなることを明らかにした。明らかに、結晶粒はより高い焼成温度でより大きく成長している。これらの顕微鏡写真から、PdがドープされたTiON粒子の間のメソ細孔が観察できる。マイクロ(2nm未満)あるいはメソ(2nm〜20nm)細孔はゾルゲル法で製造された粒子特性を有する。マクロ細孔とメソ細孔とが有する発泡体の間隙率の二重性は通過液操作における高い光触媒効率を実現するためには理想的である。
【0028】
光触媒発泡体に形性された細孔特性が図8に示される。窒素吸脱着測定の結果は図8aの等温線となり、ここには吸着と脱着との間の大きなヒステリシスが見られる。細孔径分布は図8bに示される。主要な細孔直径は3.9nmであり、第2のピーク直径は16.8nmであることが示されている。したがって、発泡体は、直径約250μmの大きなマクロ細孔と直径20nm未満のメソ細孔とからなる。マクロ細孔は大きな流量で背圧が低くなる一方、メソ細孔は大きな表面領域を提供する。
【0029】
殺菌データは生存率(N’/N0)の変化によって示される。N0およびN’はそれぞれ対照と照射処理のミリリットル当たりのコロニー形成単位の数である。対照は暗闇の中で発泡体およびガラスファイバーストッパーを通じて細胞培養されたものである。細胞の生存率に対する光触媒反応の効果は、可視光照射のもとで発現され、サンプルが生死判別試験のために採集される前に細胞培養が十分な「安定化時間」で実施される。このように、物理的な濾過要因は排除される。図9では、殺菌試験ではほとんどの共ドープされたTiO2発泡体は可視光照明のもとで殺菌効果を有することを示し、対照と比較して細菌コロニー形成単位の減少を引き起こす。銀が共ドープされた発泡体は最も大きい致死効果を示す。一方、NiO/TiON発泡体の殺菌機能はあまり明白ではなかった。金属がドープされたTiON発泡体による、大腸菌不活性化に対する効率増加の全体の順番は以下のように観測された。Ni<Mo≒Nb≒Mn≒Co<Ce≒W<Fe≒Y<Pd≒Cu<Pt<Nd<Ag。合成および殺菌処理に対する一般的な条件は酷似するように注意して制御されたが、不可避な系統的誤差のためにこの順番は高精度なものではない。Ag、Pt、およびCuなどの殺菌効果を有することが知られている金属は、取り込まれる金属の量がとても少なくとも、通常は高い不活性化率を示す。
【0030】
NがドープされたTiO2中に共ドープされた金属による改善メカニズムおよびそれに続く異なる金属による改良の順番は現段階ではよく理解されていないが、Mn+/TiO2に関する多くの以前の調査がその回答に対する手掛かりとなる場合がある(18、19)。グラシア(Gracia)と同僚らは金属の中でMn+−TiO2薄膜(Cr、V、Fe、Co)を研究し、アニーリング時の薄膜の結晶化はこれらのイオンによって影響される(18)。Tが573Kよりも大きい場合には、Tiはフィルムに存在するカチオンの種類および量に依存して、アナターゼ構造またはルチル構造に結晶化する。M2Onの形でのカチオンの部分的な分離の程度もカチオンの種類に関連する。これらの要因は金属がドープされたTiONシステムの中でもその役割を果たすとともに、光触媒効率の改良の程度を変化させることに貢献する。光触媒システムにおける遷移金属イオンに関する調査記事において、リッター(Litter)はさまざまな要因が光触媒反応速度に影響を与えることができることを指摘している(19)。たとえば、光触媒反応の速度および効率に与える金属の効果は金属の種類および濃度に強く依存する。光触媒の変換速度を高める最適値の濃度において、光化学反応速度の増加および悪影響の両方とも観測された。
【0031】
金属イオンの添加による光酸化速度の増加は、多くの場合、TiO2表面上の電子を除去するための金属イオンの能力に起因する。荷電粒子のトラッピングはe-/h+対の再結合速度を増加させ、およびその結果として荷電粒子の寿命を長くすることができる。これは最終的にOH構造の生成速度を速くする(19)。TiO2表面上の自由荷電粒子の総数は、界面の電荷移動速度ばかりではなく、電荷対の生成速度、電荷トラッピング、電荷の解放および移動、電荷再結合によって決定される。金属ドーパントの役割の複雑さは全てのこれらのプロセスに関与することができる。
【0032】
図10の殺菌結果は、PdがドープされたTiON発泡体の致死効果に対する金属イオンの影響を明らかにする。最初の前駆体量の4つの値の中で、30mgは最適であるように思われる。Pdの量に係わらず、TiON(0%Pd)と比べて添加されたPdは光触媒能力を増加することを示した。しかしながら、Pd濃度が高すぎる場合には、発泡体の機械的強度が失われる。弱い発泡体は規模を拡大した作業には望ましくない。Pdの量の増加による改善効果の減少はPdO分離の現象に関連している場合があり、グラシア(Gracia)らによって他の金属がドープされた材料で観測されたものと類似する。
【0033】
図11の殺菌結果はPdがドープされたTiON発泡体の致死効果に対する焼成温度の効果を明らかにする。大腸菌不活性化に対する効率増加の順番は700℃<500℃<400℃<340℃の通りである。この順番は、焼成後のNの濃度、異なる焼成温度下での結晶の品質、および高焼成温度による粒子の成長によって生じる粒径の変化を含む多数の要因によって影響される場合がある。粒子径は最終的な表面領域を変化させることができる。これらの結果によって最適な窒素の濃度および340℃で焼成されたサンプルの大きな表面領域が結晶化不足を克服することを示した。
【0034】
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(31) Xie, et al. Patent Application Publication, Publication No. US 2007/0202334 A1 (Aug. 30, 2007).
(32) Xie, et al. Patent Application Publication, Publication No. US 2007/0190765 A1 (Aug. 16, 2007).
(33) Wu, Pinggui, Antimicrobial Materials for Water Disinfection Based on Visible-Light Photocatalysis, Ph.D. thesis, May 2007, University of Illinois at Urbana-Champaign.
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四元酸化物発泡体であって、
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、
(d)酸素と、を含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体。
【請求項2】
請求項1に記載の四元酸化物発泡体において、
チタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である四元酸化物発泡体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の四元酸化物発泡体において、
チタン、酸素および非金属ドーパントの記原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である四元酸化物発泡体。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは10重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは5重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記非金属ドーパントは窒素である四元酸化物発泡体。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である四元酸化物発泡体。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である四元酸化物発泡体。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
細孔径分布には少なくとも2つのピークがある四元酸化物発泡体。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記発泡体の間隙率は少なくとも90%である四元酸化物発泡体。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記発泡体の間隙率は90〜98%である四元酸化物発泡体。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記発泡体は少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記発泡体が少なくとも1mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
1cm厚の前記発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は75%未満である四元酸化物発泡体。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
1cm厚の前記発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である四元酸化物発泡体。
【請求項19】
四元酸化物発泡体の製造の方法であって、
オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸する工程と、
前記四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含み
前記前記液体混合物は
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、を含有する方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
前記テンプレート発泡体は有機発泡体である方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載の方法において、
前記テンプレート発泡体はポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、メラミン、タンパク質および多糖類からなる群から選択される少なくとも1つの部材を含有する方法。
【請求項22】
請求項19乃至21のいずれかに記載の方法において、
前記テンプレート発泡体はポリウレタンを含有する方法。
【請求項23】
請求項19乃至22のいずれかに記載の方法において、
前記加熱する工程は前記テンプレート発泡体が除去または燃え尽きるのに十分な時間で実施される方法。
【請求項24】
請求項19乃至23のいずれかに記載の方法において、
前記加熱する工程は300℃から800℃の範囲で実施される方法。
【請求項25】
請求項19乃至24のいずれかに記載の方法において、
前記液体混合物はさらに界面活性剤を含有する方法。
【請求項26】
請求項19乃至25のいずれかに記載の方法において、
前記液体混合物はさらにアルコールを含有する方法。
【請求項27】
請求項19乃至26のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である方法。
【請求項28】
請求項19乃至27のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物の中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である方法。
【請求項29】
請求項19乃至28のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントは前記四元酸化物中に10重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項30】
請求項19乃至29のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントは前記四元酸化物中に2重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項31】
請求項19乃至30のいずれかに記載の方法において、
前記非金属ドーパントは窒素である方法。
【請求項32】
請求項19乃至31のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項33】
請求項19乃至32のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項34】
請求項19乃至33のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である方法。
【請求項35】
請求項19乃至34のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである方法。
【請求項36】
請求項19乃至35のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシックである方法。
【請求項37】
請求項19乃至36のいずれかに記載の方法において、前記四元酸化物発泡体は少なくとも1mmの最長寸法を有するモノリシックである方法。
【請求項38】
請求項19乃至37のいずれかに記載の方法において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である方法。
【請求項39】
触媒反応の方法であって、
四元酸化物発泡体を光に暴露する工程と、
反応生成物を形成するために前記四元酸化物発泡体を反応物質と接触させる工程と、を含み、
前記四元酸化物発泡体は、
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタン、
(d)酸素と、を含有するオープンセル発泡体を含む方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体を光に暴露する工程は、前記発泡体を前記反応物質に接触させる前に行われる方法。
【請求項41】
請求項39または40に記載の方法において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である方法。
【請求項42】
請求項39乃至41のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である方法。
【請求項43】
請求項39乃至42のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは10重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項44】
請求項39乃至43のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項45】
請求項39乃至44のいずれかに記載の方法において、
前記非金属ドーパントは窒素である方法。
【請求項46】
請求項39乃至45のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項47】
請求項39乃至46のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項48】
請求項39乃至47のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である方法。
【請求項49】
請求項39乃至48のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は最長寸法が少なくとも0.1mmのモノリシックである方法。
【請求項50】
請求項39乃至49のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は最長寸法が少なくとも0.5mmであるモノリシックである方法。
【請求項51】
請求項39乃至50のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は最長寸法が少なくとも1mmのモノリシックである方法。
【請求項52】
請求項39乃至51のいずれかに記載の方法において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である方法。
【請求項53】
化学反応炉であって、
(i)入口と、
(ii)出口と、
(iii)前記入口と前記出口とに流体的に接続される触媒と、を含み、
前記触媒は、
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、
(d)酸素と、を含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体を含む方法。
【請求項54】
請求項53に記載の化学反応炉において、
前記触媒に光を照射するように配置された光源をさらに含む化学反応炉。
【請求項55】
請求項53または54に記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である化学反応炉。
【請求項56】
請求項53乃至55のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である化学反応炉。
【請求項57】
請求項53乃至56のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは10重量パーセント以下の濃度で存在する化学反応炉。
【請求項58】
請求項53乃至57のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在するである化学反応炉。
【請求項59】
請求項53乃至58のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記非金属ドーパントは窒素である化学反応炉。
【請求項60】
請求項53乃至59のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である化学反応炉。
【請求項61】
請求項53乃至60のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である化学反応炉。
【請求項62】
請求項53乃至61のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である化学反応炉。
【請求項63】
請求項53乃至62のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである化学反応炉。
【請求項64】
請求項53乃至63のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシックである化学反応炉。
【請求項65】
請求項53乃至64のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも1mmの最長寸法を有するモノリシックである化学反応炉。
【請求項66】
請求項53乃至65のいずれかに記載の化学反応炉において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である化学反応炉。
【請求項67】
四元酸化物発泡体であって、
オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸させる工程と、
前記四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含む方法によって調製され、
前記液体混合物は
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、を含有する四元酸化物発泡体。
【請求項68】
請求項67に記載の四元酸化物発泡体において、
前記テンプレート発泡体は有機発泡体である四元酸化物発泡体。
【請求項69】
請求項67または68に記載の四元酸化物発泡体において、
前記前記加熱する工程は前記テンプレート発泡体が除去または燃え尽きるのに十分な時間で実施される四元酸化物発泡体。
【請求項70】
請求項67乃至69のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である四元酸化物発泡体。
【請求項71】
請求項67乃至70のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項72】
請求項67乃至71のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記非金属ドーパントは窒素である四元酸化物発泡体。
【請求項73】
請求項67乃至72のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である四元酸化物発泡体。
【請求項74】
請求項67乃至73のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項75】
請求項67乃至74のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である四元酸化物発泡体。
【請求項1】
四元酸化物発泡体であって、
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、
(d)酸素と、を含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体。
【請求項2】
請求項1に記載の四元酸化物発泡体において、
チタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である四元酸化物発泡体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の四元酸化物発泡体において、
チタン、酸素および非金属ドーパントの記原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である四元酸化物発泡体。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは10重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは5重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記非金属ドーパントは窒素である四元酸化物発泡体。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である四元酸化物発泡体。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である四元酸化物発泡体。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
細孔径分布には少なくとも2つのピークがある四元酸化物発泡体。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記発泡体の間隙率は少なくとも90%である四元酸化物発泡体。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、前記発泡体の間隙率は90〜98%である四元酸化物発泡体。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記発泡体は少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記発泡体が少なくとも1mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
1cm厚の前記発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は75%未満である四元酸化物発泡体。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
1cm厚の前記発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である四元酸化物発泡体。
【請求項19】
四元酸化物発泡体の製造の方法であって、
オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸する工程と、
前記四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含み
前記前記液体混合物は
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、を含有する方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
前記テンプレート発泡体は有機発泡体である方法。
【請求項21】
請求項19または20に記載の方法において、
前記テンプレート発泡体はポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、メラミン、タンパク質および多糖類からなる群から選択される少なくとも1つの部材を含有する方法。
【請求項22】
請求項19乃至21のいずれかに記載の方法において、
前記テンプレート発泡体はポリウレタンを含有する方法。
【請求項23】
請求項19乃至22のいずれかに記載の方法において、
前記加熱する工程は前記テンプレート発泡体が除去または燃え尽きるのに十分な時間で実施される方法。
【請求項24】
請求項19乃至23のいずれかに記載の方法において、
前記加熱する工程は300℃から800℃の範囲で実施される方法。
【請求項25】
請求項19乃至24のいずれかに記載の方法において、
前記液体混合物はさらに界面活性剤を含有する方法。
【請求項26】
請求項19乃至25のいずれかに記載の方法において、
前記液体混合物はさらにアルコールを含有する方法。
【請求項27】
請求項19乃至26のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である方法。
【請求項28】
請求項19乃至27のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物の中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である方法。
【請求項29】
請求項19乃至28のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントは前記四元酸化物中に10重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項30】
請求項19乃至29のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントは前記四元酸化物中に2重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項31】
請求項19乃至30のいずれかに記載の方法において、
前記非金属ドーパントは窒素である方法。
【請求項32】
請求項19乃至31のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項33】
請求項19乃至32のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項34】
請求項19乃至33のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である方法。
【請求項35】
請求項19乃至34のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである方法。
【請求項36】
請求項19乃至35のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシックである方法。
【請求項37】
請求項19乃至36のいずれかに記載の方法において、前記四元酸化物発泡体は少なくとも1mmの最長寸法を有するモノリシックである方法。
【請求項38】
請求項19乃至37のいずれかに記載の方法において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である方法。
【請求項39】
触媒反応の方法であって、
四元酸化物発泡体を光に暴露する工程と、
反応生成物を形成するために前記四元酸化物発泡体を反応物質と接触させる工程と、を含み、
前記四元酸化物発泡体は、
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタン、
(d)酸素と、を含有するオープンセル発泡体を含む方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体を光に暴露する工程は、前記発泡体を前記反応物質に接触させる前に行われる方法。
【請求項41】
請求項39または40に記載の方法において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である方法。
【請求項42】
請求項39乃至41のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である方法。
【請求項43】
請求項39乃至42のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは10重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項44】
請求項39乃至43のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する方法。
【請求項45】
請求項39乃至44のいずれかに記載の方法において、
前記非金属ドーパントは窒素である方法。
【請求項46】
請求項39乃至45のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項47】
請求項39乃至46のいずれかに記載の方法において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である方法。
【請求項48】
請求項39乃至47のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である方法。
【請求項49】
請求項39乃至48のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は最長寸法が少なくとも0.1mmのモノリシックである方法。
【請求項50】
請求項39乃至49のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は最長寸法が少なくとも0.5mmであるモノリシックである方法。
【請求項51】
請求項39乃至50のいずれかに記載の方法において、
前記四元酸化物発泡体は最長寸法が少なくとも1mmのモノリシックである方法。
【請求項52】
請求項39乃至51のいずれかに記載の方法において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である方法。
【請求項53】
化学反応炉であって、
(i)入口と、
(ii)出口と、
(iii)前記入口と前記出口とに流体的に接続される触媒と、を含み、
前記触媒は、
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、
(d)酸素と、を含有するオープンセル発泡体を含む四元酸化物発泡体を含む方法。
【請求項54】
請求項53に記載の化学反応炉において、
前記触媒に光を照射するように配置された光源をさらに含む化学反応炉。
【請求項55】
請求項53または54に記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である化学反応炉。
【請求項56】
請求項53乃至55のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:1.9〜1.99:0.01〜0.1である化学反応炉。
【請求項57】
請求項53乃至56のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは10重量パーセント以下の濃度で存在する化学反応炉。
【請求項58】
請求項53乃至57のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在するである化学反応炉。
【請求項59】
請求項53乃至58のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記非金属ドーパントは窒素である化学反応炉。
【請求項60】
請求項53乃至59のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、銅、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、パラジウム、銀、スズ、ランタンおよび白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である化学反応炉。
【請求項61】
請求項53乃至60のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記金属ドーパントはタングステン、ネオジム、鉄、モリブデン、ニオブ、マンガン、セリウム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、パラジウム、銀および白金からなる群から選択される少なくとも1つの部材である化学反応炉。
【請求項62】
請求項53乃至61のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である化学反応炉。
【請求項63】
請求項53乃至62のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである化学反応炉。
【請求項64】
請求項53乃至63のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.5mmの最長寸法を有するモノリシックである化学反応炉。
【請求項65】
請求項53乃至64のいずれかに記載の化学反応炉において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも1mmの最長寸法を有するモノリシックである化学反応炉。
【請求項66】
請求項53乃至65のいずれかに記載の化学反応炉において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である化学反応炉。
【請求項67】
四元酸化物発泡体であって、
オープンセルテンプレート発泡体を液体混合物に含浸させる工程と、
前記四元酸化物発泡体を形成するために含浸オープンセル発泡体を加熱する工程と、を含む方法によって調製され、
前記液体混合物は
(a)金属ドーパントと、
(b)非金属ドーパントと、
(c)チタンと、を含有する四元酸化物発泡体。
【請求項68】
請求項67に記載の四元酸化物発泡体において、
前記テンプレート発泡体は有機発泡体である四元酸化物発泡体。
【請求項69】
請求項67または68に記載の四元酸化物発泡体において、
前記前記加熱する工程は前記テンプレート発泡体が除去または燃え尽きるのに十分な時間で実施される四元酸化物発泡体。
【請求項70】
請求項67乃至69のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物中のチタン、酸素および非金属ドーパントの原子比率は1:0.5〜1.99:0.01〜1.5である四元酸化物発泡体。
【請求項71】
請求項67乃至70のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物中の前記金属ドーパントは2重量パーセント以下の濃度で存在する四元酸化物発泡体。
【請求項72】
請求項67乃至71のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記非金属ドーパントは窒素である四元酸化物発泡体。
【請求項73】
請求項67乃至72のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物発泡体の間隙率は少なくとも90%である四元酸化物発泡体。
【請求項74】
請求項67乃至73のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
前記四元酸化物発泡体は少なくとも0.1mmの最長寸法を有するモノリシックである四元酸化物発泡体。
【請求項75】
請求項67乃至74のいずれかに記載の四元酸化物発泡体において、
1cm厚の前記四元酸化物発泡体を通過した場合の可視光強度の減少は50%未満である四元酸化物発泡体。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図8】
【図12】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図8】
【図12】
【公表番号】特表2011−518094(P2011−518094A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539827(P2010−539827)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/087523
【国際公開番号】WO2009/086006
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(506175840)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ イリノイ (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/087523
【国際公開番号】WO2009/086006
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(506175840)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ イリノイ (30)
【Fターム(参考)】
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