説明

共振器ジャイロ内の光源を安定化させるシステムおよび方法

【課題】共振器ジャイロのレーザ光源を安定化させる。共振器ジャイロ内の光後方散乱誤差および周波数雑音を最小限に抑える共振器ジャイロの回転速度を決定する。
【解決手段】共振器ジャイロは、第1の入力光を生成するように構成された第1の光源12と、第2の入力光を生成するように構成された第2の光源14と、第1および第2の光源に結合された共振器25と、共振器に結合された共振検出回路と、共振検出回路および第1および第2の光源に結合されたコントローラ35、36とを備える。共振検出回路は、共振器の各逆伝播方向について共振周波数を検出する。コントローラは、第1の入力光を時計回り共振周波数に同調し、第2の入力光を、時計回り共振周波数から離れた少なくとも1つの縦方向共振モードである反時計回り共振周波数に同調する。共振周波数間の差は、共振器ジャイロの回転速度に比例する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にジャイロシステムに関し、より詳細には、共振器ジャイロで2つ以上の光源を使用する共振追跡と、共振器ジャイロ内の2つ以上の光源を制御する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ジャイロは、回転軸の周りの回転速度(回転率)または角速度の変化を測定するのに使用されている。基本的な従来型光ファイバジャイロ(FOG)は、光源と、ビーム発生装置と、エリアを取り囲む、ビーム発生装置に結合された光ファイバのコイルとを含む。ビーム発生装置は、光ビームをコイルに伝送し、光ビームは、光ファイバのコアに沿って時計回り(CW)方向および反時計回り(CCW)方向に伝播する。多くのFOGは、ファイバの固体ガラスコアに沿って光を伝達するガラスベースの光ファイバを使用する。この2つの逆伝播(例えばCWとCCW)ビームは、回転閉光路長の周りを伝播する間の経路長が異なり、この2つの経路長の差は、取り囲まれたエリアに垂直である回転速度に比例する。
【0003】
共振器光ファイバジャイロ(RFOG)では、望ましくは、各逆伝播光ビームは単色(例えば、単一周波数)であり、光ファイバコイルの複数のターンを循環し、ファイバカップラなどの、コイルを通過した光を再びコイルに戻す(すなわち光を循環させる)装置を使用して、コイルを複数回通過する。ビーム発生装置は、共振コイルの共振周波数を観測できるように、各逆伝播光ビームの周波数を変調および/またはシフトする。コイルを通るCW経路およびCCW経路のそれぞれについての共振周波数は、コイルを異なる回数だけ通過したすべての光波がコイル内の任意の地点で強め合う干渉を行うような、強め合う干渉条件に基づく。この強め合う干渉の結果として、ラウンドトリップ共振器経路長が波長の整数倍に等しいとき、波長λを有する光波が「共振中」であると呼ばれる。コイルの軸回転により、時計回りの伝播と反時計回りの伝播に対して異なる波長が生み出され、したがって共振器のそれぞれの共振周波数間のシフトが生み出され、回転による閉光路長の共振周波数偏移と整合するようにCWビームおよびCCWビーム周波数を同調させることによって測定することができるような周波数差は、回転速度を示す。
【0004】
各逆伝播光ビームの周波数を変調およびシフトするために、周波数シフタおよび位相変調器がビーム発生装置(例えばレーザ光源)と共に使用されており、それによって共振コイルの共振周波数を観測することができる。周波数シフタおよび位相変調器は、共振器ジャイロの小規模応用例に対しては特に、経済的に実現するのが難しいことがある。さらに、こうした装置の周波数シフティングおよび変調不完全性が、ジャイロ性能を望ましいレベル未満に制限する可能性がある。あるいは、周波数シフタおよび位相変調器を使用せずに、性能の向上の可能性を伴って、逆伝播光ビームを導入するため、および共振検出のために2つの可同調レーザが使用されることがある。しかし、共振検出のために2つ以上の可同調レーザを使用するとき、そのようなレーザ間の相対的周波数雑音が、一般に、共振器ジャイロで測定される回転速度の精度を低下させる角度酔歩(ARW)に対する最大の寄与である。
【0005】
RFOGでは、光ファイバのガラス材料が、CWおよびCCW経路の共振周波数をシフトさせる可能性があり、したがって誤った回転の表示が生成され、または回転速度の測定が不正確となる。反射ミラーを使用して逆伝播光ビームをコイル内で複数回循環させることができるが、これは通常、ミラーからコイルへの遷移時に生成される損失により、信号対雑音比を低下させる。非線形カー効果、誘導ブリュアン散乱、偏光誤差、およびレイリー後方散乱誤差により、回転速度の測定精度を低下させる追加の異常が生成される可能性がある。これらの誤差機構はまた、環境の影響を受けやすく、例えば望ましくない温度感度を引き起こす。
【0006】
非線形カー効果は、RFOG内部の高単色光出力が光ファイバ内のガラスの屈折率を変化させるときに生じる。CWおよびCCWビームの強度の不整合は、観測される周波数偏移に関する数度/1時間のオーダーの偏りを誘発する可能性がある。誘導ブリュアン散乱(SBS)は、ファイバ共振器での高フィネスに関連する高強度がガラス繊維でレイジングまたは誘導放射を引き起こすときに生じ、これが一般に、共振周波数の測定における大きな不安定性を促進する。偏光誘導誤差は、ある光ファイバから隣接する光ファイバに、または同一のファイバ内で、光を偶然に第2の偏光モードに結合させるファイバカップラから生じる可能性がある。第2の偏光モードは、回転を測定するのに使用される偏光モードの共振線形中の非対称性を生み出すように共振する可能性がある。第2の偏光モードの周波数がCWビームとCCWビームについて同一であったとしても、振幅が異なる可能性があり、したがって、回転の効果以上の、CWおよびCCWビームの共振周波数の異なる観測を引き起こす。CWおよびCCWビームの各共振周波数についての共振中心の決定は回転速度測定に直接影響を及ぼすので、偏光誘導誤差はRFOGの精度を極度に制限する。レイリー後方散乱誤差は共振器ジャイロのドリフトレートの原因となる可能性がある。ファイバのガラス壁またはファイバとの界面からの後方散乱光は循環光ビームと干渉する可能性があり、著しいドリフトレート誤差を引き起こす可能性がある。適切なファイバを選択することにより、光後方散乱誤差を除く共振器ジャイロのドリフトレートの最大の原因をなくすことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、高性能応用例のために光後方散乱誤差を最小限に抑える共振器ジャイロを提供することが望ましい。さらに、共振器ジャイロ内の光後方散乱誤差および周波数雑音を最小限に抑える共振器ジャイロの回転速度を決定する方法を提供することが望ましい。さらに、添付の図面およびこの発明の背景と共に行われる、続く発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から、本発明のその他の望ましい機能および特徴が明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
共振器ジャイロ内の光源を安定化させる方法およびシステムが提供される。例示的実施形態では、共振器ジャイロは、第1の周波数を有する第1の入力光を生成するように構成された第1の光源と、第2の周波数を有する第2の入力光を生成するように構成された第2の光源と、第1および第2の光源に結合された共振器と、共振器に結合された共振検出回路と、共振検出回路および第1および第2の光源に結合されたコントローラとを備える。共振器は、第1および第2の逆伝播方向を有し、中空コアを有する光ファイバコイルを備える。共振器は、第1および第2の入力光に基づく光を中空コアを通じて第1および第2の逆伝播方向に循環させるように構成される。共振検出回路は、第1および第2の逆伝播方向のそれぞれについて共振周波数を検出するように構成される。コントローラは、第1の周波数を第1の逆伝播方向の共振周波数に同調し、第2の周波数を第2の逆伝播方向の共振周波数に同調するように構成される。第1および第2の逆伝播方向の共振周波数間の差は、共振器ジャイロの回転速度に比例する。
【0009】
別の例示的実施形態では、共振器ジャイロは、第1の周波数を有する第1の入力光を生成するように構成された第1の光源と、第2の周波数を有する第2の入力光を生成するように構成された第2の光源と、第3周波数を有する第3の入力光を生成するように構成された第3の光源と、第1、第2、および第3の光源に結合された共振器と、共振器に結合された追跡回路と、追跡回路および第1、第2、および第3の光源に結合されたコントローラとを備える。共振器は、第1および第2の逆伝播方向を有し、第1の入力光に基づく第1の循環光を第1の逆伝播方向に循環させ、第2の入力光に基づく第2の循環光を第2の逆伝播方向に循環させ、第3の入力光に基づく第3の循環光を第2の逆伝播方向に循環させるように構成される。追跡回路は、第1の逆伝播方向の第1の共振周波数(f)、第2の逆伝播方向の第2の共振周波数(f)、および第2の逆伝播方向の第3の共振周波数(f)を検出するように構成される。第2の共振周波数(f)は、第1の共振周波数(f)よりも低い1つの縦モードであり、第3の共振周波数(f)は、第1の共振周波数(f)よりも高い1つの縦モードである。コントローラは、第1の周波数を第1の共振周波数(f)に同調し、第2の周波数を第2の共振周波数(f)に同調し、第3周波数を第3の共振周波数(f)に同調するように構成される。差(f−f)−(f−f)=2Δfであり、Δfは、共振器ジャイロの回転速度に比例する周波数差である。
【0010】
別の例示的実施形態では、第1の入力光ビームを共振器ジャイロの時計回り共振周波数にロックするステップと、第2の入力光ビームを共振器ジャイロの第1の反時計回り共振周波数にロックするステップと、回転速度に比例する、第1の入力光ビームと第2の入力光ビームの周波数差を決定するステップとを含む、共振器ジャイロの回転速度を決定する方法が提供される。時計回り共振周波数は、第1の縦方向共振モード上にあり、第1の反時計回り共振周波数は、第1の縦方向共振モードから離れた第2の縦方向共振モード上にある。
【0011】
以下の図面と共に本発明を以下で説明する。図面では、同様の番号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の発明の詳細な説明は、例示的な性質のものに過ぎず、本発明または本発明の応用例および用途を限定するものではない。さらに、前述の発明の背景または以下の発明の詳細な説明で提示されるどんな理論にも制約されるものではない。
【0013】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の例示的実施形態による共振器ジャイロ10のブロック図である。共振器ジャイロ10は、光ビームをそれぞれ合成する可同調光源12、14(例えばチューナブルレーザ)と、光ビームを逆伝播方向に循環させ、可同調光源12、14からの光ビームの一部を共振器25に導入する再循環器40を有する共振器25と、共振器25内を循環する光をサンプリングする光検出器16、18と、光検出器18、16にそれぞれ結合され、共振器25の各逆伝播方向についての共振ディップの中心を検出する共振検出器34、38と、共振検出器34、38にそれぞれ結合された入力を有し、可同調光源12、14にそれぞれ結合された出力を有するサーボ36、35とを備える。したがって、共振器ジャイロ10のこれらの構成要素は、各逆伝播方向(例えばCWおよびCCW)についての共振追跡ループ30、32を形成する。
【0014】
第1の可同調レーザ12(例えばCCWレーザ)で生成された光ビームは、周波数fに同調され、第2の可同調レーザ14(例えばCWレーザ)で生成された光ビームは周波数f+Δfに同調される。2つのレーザ周波数間の相対的周波数ドリフトおよびジッタは、周波数偏移、すなわち回転速度の測定値の精度および安定性を最小限に抑え、またはそれらに影響を及ぼさないレベルにまで実質上最小限に抑えられることが好ましい。このことは、共振追跡ループ30、32についての単位利得周波数よりもかなり高い変調周波数を選択することによって実施することができ、好ましくは、変調周波数は、共振追跡ループ30、32についての単位利得周波数の少なくとも約4倍である。さらに、このことは、サーボ36、35を使用してうなり周波数を回転速度に比例する可同調安定オフセットにロックするレーザ周波数安定化技法によって実施することができる。可同調レーザ12、14は共に、それぞれの周波数で光ビームを正弦波周波数変調する。さらに、共振器ジャイロ10は、可同調レーザ12、14からの光ビームの伝播を共振器25に向け、共振器25からの光を光検出器16、18に向ける追加のミラー20、22およびビームスプリッタ26、28を含むことができる。
【0015】
共振器25は、再循環器40と、再循環器40に結合された第1および第2端部を有する中空コア光ファイバコイル24とを備える。再循環器40は、被変調光ビーム(例えばCWおよびCCW入力光ビーム)を光ファイバコイル24の中空コアに導入し、光ファイバコイル24を通じて被変調光ビームの一部を循環させる。再循環器40は、光ファイバコイル24の一端から出る光をファイバコイル24の他端に再導入し、したがって光にファイバコイル24中を何回も伝播させる。
【0016】
可同調レーザ12、14から被変調光ビームを受けた後、共振器14は、2つの被変調光ビームの一部を逆伝播方向(例えばCWおよびCCW方向)に向ける。サニャック効果の適用により、光ジャイロ10は、光ジャイロ10の軸の周りの回転速度を感知する。光検出器18、16は、循環光ビームを表す光信号を電気信号に変換し、共振検出器34および38は、CWおよびCCW循環光ビームについての共振線形の共振中心を検出し、検出した共振中心間の周波数偏移に基づいて、共振器25の各逆伝播方向に関連する共振周波数を決定する。周波数偏移は、光ジャイロ10の回転速度を決定するのに使用される。例えば、第1の光ビーム(例えばCWビーム)は、非シフトレーザ周波数fを有し、共振器25に導入される。回転感知のために、CWビームの周波数fは、(例えばレーザ12の周波数を同調することによって)CW方向の共振器25の共振周波数に同調される。第2の光ビーム(例えばCCWビーム)は、CCWビーム周波数をCCW方向の共振器25の共振周波数に対する共振中心と位置合せするために周波数f+Δfに同調される。
【0017】
CW方向またはCCW方向の共振中心周波数を測定するために、標準同期検出技法が使用される。各入力光ビームが正弦波位相変調され、したがってそれぞれ周波数fおよびfで周波数変調され、光検出器18、16で測定されたときに、共振線形にわたって各入力ビーム周波数がディザリングされる。例えば、光検出器18、16に結合された追加の回路が、それぞれ周波数fおよびfの光検出器18、16の出力を復調し、CWおよびCCWビームの光出力で示される共振中心を測定することができる。共振線形の線中心、すなわち共振中心では、光センサ16は、それぞれ基本周波数fおよびfで最小出力を検出する。入力ビーム周波数(例えばf+Δfまたはf)が共振外れであるとき、それぞれ周波数fおよびfの誤差信号が、光検出器で感知され、それぞれのビーム周波数を共振器25のそれぞれの共振周波数に同調するのに使用される。CWビームの周波数が、レーザ12の周波数fを変更することによって同調され、CCWビームの周波数が、第2のレーザ14の周波数偏移Δfを変更するフィードバックループを介して調節され、その結果、f+Δfが、共振器25のCCW共振周波数に整合する。
【0018】
+ΔfがCCW方向の共振器14の共振周波数から離れて同調されるとき、CCWビームからのエネルギーは光センサ16で最大強度を生成しない。f+ΔfがCCW方向の共振器14の共振周波数に同調されるとき、CCWビームは最小出力すなわち共振ディップを有し、それによって共振中心を示す。CW光ビームについて同様に、CWビームがCW方向の共振器25の共振周波数に同調されるとき、CWビームのエネルギーが光ファイバコイル24に進入する。
【0019】
回転がない場合、共振器25内部のCWおよびCCWビームのそれぞれCWおよびCCW方向のラウンドトリップ経路長はほぼ等しい。したがって、Δfは第2のレーザ14によってゼロに同調される。回転がある場合、ラウンドトリップ経路長は、CW方向とCCW方向の間で異なり、回転速度に比例するその2方向間の共振周波数差が生成される。CW共振を追跡するように周波数fを同調し、CCW共振中心を追跡するように周波数Δfを同調することにより、回転速度が求められる。
【0020】
CWおよびCCWビームは中空コア、バンドギャップ、極めて低い曲げ損失を有する光ファイバを通じて伝播し、好ましくは、コイル24は、本発明の一利点であるコンパクトなジャイロを達成するために、かなり小さい面積の周りに多数のターンを有する。例えば、コイル24は、1センチメートルの直径の周りに約20〜40ターンの光ファイバを有することができる。中空コア光ファイバは通常、プラスチック・アウタ・ジャケットおよび中空インナコアを有するガラスベースのものである。中空コア光ファイバでは、再循環器40から注入される光は、大部分はコアに沿って自由空間(例えば空気または真空)を横切り、光の光エネルギーの約数パーセント以下だけが中空コアを取り囲むファイバのガラス壁内に束縛される。光エネルギーの大部分が光ファイバの中空コアに沿って自由空間を横切るので、再循環器40と中空コア光ファイバの間の遷移は、ほぼ完璧な屈折率整合を有し、再循環器40について低損失かつ魅力的な偏光特性を有する高反射率レーザミラーを使用することができる。中空コアファイバは、従来のファイバのコア内のガラス媒体の特性に一般的に関連する回転測定値誤差を著しく減衰し、または全くなくすのに適している。
【0021】
CW共振追跡ループ30は、CWレーザ12を共振器25のCW共振周波数にロックし、CCW共振追跡ループ32は、CCWレーザ14を共振器25のCCW共振周波数にロックする。各共振検出器34、38の出力は、共振器25の共振周波数からのレーザ周波数偏差を示す誤差信号である。サーボ36、35は、誤差信号、すなわち周波数偏差をゼロに維持するようにレーザ12、14を同調する。
【0022】
多くのタイプのレーザの周波数雑音は、大部分は、周波数と共に一定のスペクトル雑音密度を有する白色雑音からなる。制御される周波数雑音スペクトル密度Sは、以下のようにループ利得Gの2乗にほぼ反比例する。
【0023】
=S/G (1)
上式で、ループ利得は振幅(例えば電圧利得)によるものであり、Sは、自走中のレーザの非制御周波数雑音スペクトル密度である。Sは、以下の式によってローレンツ型レーザ線形の半値全幅(FWHM)周波数Δνに関係付けることができる。
【0024】
=Δν/π (2)
式1と式2を組み合わせることにより、以下が得られる。
【0025】
=Δν/(πG) (3)
ループ利得は周波数の関数である。サーボ35、36用の単一の積分器またはアキュムレータを含むループなどの1次ループでは、周波数の減少に対してループ利得が約20dB/decade増加し、対応する周波数雑音が周波数の減少と共に減少する。ループ利得が十分に高く、制御される周波数雑音が小さいレベルにまで低減されており、したがってその周波数帯ではARWに寄与しない、低周波数の周波数帯を選択することができる。共振追跡ループ30、32に関する可能な設計基準は、低周波数雑音の周波数帯を、共振器ジャイロ50を使用する特定の応用例にとって望ましい周波数帯に整合させることである。ほとんどのナビゲーション応用例にとって望ましい周波数帯は比較的低い(例えば約1Hz未満)。こうした応用例では、制御される周波数雑音が小さくなるように、ループ利得が十分高くなるべきである。
【0026】
共振追跡ループ30、32の単位利得周波数を、特定の応用例についての周波数帯中の最大周波数での所望のループ利得から導出することができる。自走線幅約50kHzを有するレーザでは、高性能応用例に関して低ARWを得るために、単位利得周波数は約500kHzから約5MHzであるべきである。ループ利得のより大きな増大の結果、共振追跡ループが不安定となる可能性がある。ループ利得が1を横切るときにわずか約20dB/decadeのロールオフを有する共振追跡ループを有することにより、一般に安定な共振追跡ループが得られる。積分器以外のループ内のどんな極も単位利得周波数よりも高い周波数であるべきである。共振追跡ループ30、32は、光検出器16、18などの限定された帯域幅を有する構成要素を含むので、2次極がループ内に存在する。したがって、共振追跡ループ30、32の電子構成要素の帯域幅制限が、安定ループでどれほどのループ利得を得ることができるかを制限する。共振追跡ループ30、32の構成要素に関する信号帯域幅は、共振追跡ループ30、32の単位利得周波数よりも高いことが好ましい。高性能のために、構成要素の帯域幅はかなり高い(例えば約20MHz超)。
【0027】
安定ループでは、入力光ビームの、共振追跡に使用される変調周波数は単位利得周波数よりかなり高い。共振追跡変調は通常、共振線形をプローブするために正弦波位相変調または正弦波周波数変調である。共振線形にわたる変調の結果得られる光検出器信号は、レーザ周波数と共振器の共振周波数との間の周波数偏差を示す正弦波成分を有する。この正弦波成分が共振検出器34、35によって復調され、それぞれサーボ36、35に誤差信号が提供される。復調器は、変調/復調周波数未満の周波数を有するフィードバックループに極を導入する。したがって、低周波数雑音を有する高利得ループでは、変調/復調周波数は、共振追跡ループ30、32の単位利得周波数よりもかなり高くなるべきである(例えば、設計に応じて2MHzまたは20MHz超)。高性能のために、変調/復調周波数は共振追跡ループ30、32の単位利得周波数の約4倍よりも高いことが好ましい。
【0028】
図2は、本発明の別の例示的実施形態による共振器ジャイロ50の部分的略図である。共振器ジャイロ50は、多周波数レーザ源(MFLS)アセンブリ52と、MFLSアセンブリ52の出力に結合された中空コア共振器(HCR)アセンブリ54と、HCRアセンブリ54の出力に結合された入力、MFLSアセンブリ52の入力に結合された第1の出力、および共振器ジャイロ50のジャイロデータを供給する第2の出力を有する共振追跡電子(RTE)システム56とを備える。RTEシステム56を介するHCRアセンブリ54からMFLSアセンブリ52へのフィードバックループを使用して、アセンブリ52内の1つまたは複数のスレーブレーザと、MFLSアセンブリ52内のマスタレーザは、共振器内のそれぞれの伝播方向に対応する共振周波数に対してロックされる被変調光ビームを生成するように同調可能である。
【0029】
1つのスレーブレーザを使用する例示的一実施形態では、マスタレーザは、共振器のCW方向の共振周波数に同調されるCWビームを生成し、スレーブレーザは、共振器のCCW方向の共振周波数に同調されるCCWビームを生成する。CCW方向の共振周波数は、CW方向の共振周波数とは異なる縦方向共振モード上にある(例えば、CW方向の共振周波数から離れた少なくとも1つの縦方向共振モードである共振周波数)。隣接するモード間の周波数間隔は、重ならないスペクトル範囲(FSR)と呼ばれる。CCW方向とCW方向の共振周波数間の差は、うなり周波数を生成する。光後方散乱誤差をなくすために、離れた少なくとも1つの縦方向共振モードである周波数に同調された2つのレーザが使用される。(例えば測定の一部であるFSRによる)大きな偏りおよび関連する偏り不安定性を除くために、CCWビームが、CW方向の共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードであるCCW共振周波数と、CW方向の共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードであるCCW共振周波数との間で切り換えられる。CCW方向の共振周波数がCW方向の共振周波数よりも高い1つの縦方向共振モードであるときに生じるうなり周波数から、CCW方向の共振周波数がCW方向の共振周波数よりも低い1つの縦方向共振モードであるときに生じるうなり周波数を引くことにより、周波数差Δfの約2倍である出力値が生成される。
【0030】
2つのスレーブレーザを使用する別の例示的実施形態では、第1のスレーブレーザが、CW方向の共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードである共振器のCCW方向の共振周波数に同調されるCCWビームを生成し、第2のスレーブレーザが、CW方向の共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードである共振器のCCW方向の共振周波数に同調されるCCWビームを生成する。第2のスレーブレーザからのCWビームとCCWビームの間で生じるうなり周波数から、第1のスレーブレーザからのCWビームとCCWビームの間で生じるうなり周波数を引くことにより、周波数差Δfの約2倍である出力値が生成される。共振器ジャイロ50の2レーザ構成および3レーザ構成を説明したが、追加のレーザを共振器ジャイロ50と共に組み込むことができる。
【0031】
MFLSアセンブリ52は、MFLS58と、被変調光ビームをHCRアセンブリ54に送り、被変調光ビームの光フィードバックをMFLSに供給する、MFLS58の出力に結合されたMFLS光学系サブアセンブリ60とを備える。MFLS58は、限定はしないが、RTEシステム56からの制御信号に応答して被変調光ビームを生成するマスタレーザおよび1つまたは複数のスレーブレーザを含む。HCRアセンブリ54は、MFLS光学系サブアセンブリ60に結合された入力を有する共振器結合光学系62(例えば、図1に示す再循環器40および光検出器16、18)と、共振器結合光学系62の第1の出力に結合された共振器64とを備える。共振器64は、図1に示す中空コアファイバコイル24を含み、被変調光ビームの一部を逆伝播方向に循環させる。共振器結合光学系62は、第2の出力を介して共振器光出力の電気信号(例えば、CWおよびCCW循環ビームの強度測定値)をRTEシステム56に供給する。RTEシステム56は、共振器結合光学系62の第2の出力に結合された入力を有する共振追跡回路66を備え、MFLS58の入力に結合された出力を有し、RTEシステム56は、共振器結合光学系62から受け取った信号およびMFLS58に送る信号を処理するために、アナログ−デジタル(A/D)変換器およびデジタル−アナログ変換器(DAC)などの追加の構成要素を備えることができる。RTEシステム56は、マスタレーザおよびスレーブレーザに対するレーザ周波数制御信号を生成し、スレーブレーザのうちの少なくとも1つで生成された光ビームに対して一定のオフセットを印加する。一定のオフセットは、対応する光ビームの、光検出器18、16で検出されるある共振中心と別の共振中心の間の縦方向共振モードに基づくことが好ましい。
【0032】
図3は、共振器ジャイロ50を理解するのに有用な、時計回り強度波形68および反時計回り強度波形70である。図2および3を参照すると、例示的実施形態では、CWビームが共振器64のCW方向の共振周波数に同調されるとき、異なる縦方向共振モードで生じる共振ディップ72、74を有するCW強度波形68が観測される。同様に、CCWビームが共振器64のCCW方向の共振周波数に同調されるとき、異なる縦方向共振モードで生じる共振ディップ76、78を有するCCW強度波形70が観測される。共振ディップ72、74、76、78の中心は、異なる縦方向共振モードの共振周波数を示す。
【0033】
マスタレーザをCW共振周波数fcwに同調し、第1のスレーブレーザを、共振器ジャイロ50のゼロ回転速度でのCW共振周波数fcwよりも低い1つの縦モードである第1のCCW共振周波数fccw,1に同調し、第2のスレーブレーザを、共振器ジャイロ50のゼロ回転速度でのCW共振周波数fcwよりも高い1つの縦モードである第2のCCW共振周波数fccw,2に同調することにより、第1のうなり周波数Δfがマスタレーザと第1のスレーブレーザの間で生成され、第2のうなり周波数Δfがマスタレーザと第2のスレーブレーザの間で生成される。これらのうなり周波数は、以下のように、共振器ジャイロ50の回転による周波数偏移(ΔfΩ)およびFSRを共に含む。
【0034】
Δf=fcw−fccw,1=fFSR−ΔfΩ
Δf=fcw−fccw,2=fFSR+ΔfΩ
2つのうなり周波数の差を取ることにより、
Δf−Δf=2ΔfΩ
FSRや関連する偏りおよび偏り不安定性なしに回転測定値が得られる。
【0035】
2つのレーザ例示的実施形態では、CWビームが共振周波数fcwの共振ディップにロックされる。CCWビームが、共振器ジャイロ50のゼロ回転速度でのCW共振から離れた1つの縦モードである(例えば、共振器リング内に合致する1つ少ない波周期を有する)共振周波数fccw,1の共振ディップにロックされる。隣接するモード間の周波数間隔fFSRは、重ならないスペクトル範囲と呼ばれる。CWビームとCCWビームの間の周波数差は、共振器ジャイロ50の主要な測定値出力である。FSRを測定値の一部として有することにより、大きな偏りが導入される。FSRは光経路長に依存し、光経路長は熱膨張のために温度に依存する可能性があるので、生じる偏りは温度変動のために不安定となる可能性がある。
【0036】
FSRの効果は、CW共振ビームとCCW共振ビームの間の相対的向きを切り換えることによって除去される。例えば、CCWビームの周波数が、CW共振よりも低い1つの縦モードである(例えばfccw,1)共振ディップから、CW共振よりも高い1つの縦モードである(例えばfccw,2)共振ディップに周期的に切り換えられる。CWビームは共振周波数fcwの共振ディップ上に維持される。CW共振よりも低い1つの縦モードである共振ディップでスレーブレーザを動作させるとき、うなり周波数Δf(すなわちfcw−fccw,1=fFSR−ΔfΩ)が生成され、CW共振よりも高い1つの縦モードである共振ディップでスレーブレーザを動作させるとき、うなり周波数Δf(すなわちfcw−fccw,2=fFSR+ΔfΩ)が生成される。FSRは、うなり周波数を引くことによって測定値から除去することができる。うなり周波数を合計することにより、FSRを得ることができ、様々な縦方向共振モードのCCW共振からの周波数切換えを実現するのに使用することができる。
【0037】
図4は、図2に示す多周波数レーザ源アセンブリ52の略図である。MFLS光学系サブアセンブリ60は、マスタレーザ80と、第1および第2のスレーブレーザ82、84と、光カップラ88、90、92、94、96、98、100と、レーザ80、82、および84のそれぞれの出力に結合され、光カップラ88、90、92、94、96、98、100の間にある光ファイバ86とを備える。光ファイバ86は偏光維持単一モードファイバであることが好ましい。マスタレーザ80は、共振器64のCW入力に導入されるCWビームを生成し、スレーブレーザ82、84は、共振器64のCCW入力に導入されるCCWビームを生成する。各CCWビームの一部は、共振器64のCW入力に導入される前にカップラ100によって結合される。光カップラの一部は、マスタレーザ80からの光をスレーブレーザ82、84の一方からの光と結合し、スレーブレーザ82、84をマスタレーザ80と位相ロックするためのフィードバックを供給する。例えば、マスタレーザ80で生成されたCWビームの一部が、光カップラ88、90、92、および94を介して、第1のスレーブレーザ82で生成されたCCWビームの一部と混合され、マスタレーザ80で生成されたCWビームの一部が、光カップラ88、92、96、および98を介して、第2のスレーブレーザ84で生成されたCCWビームの一部と混合される。
【0038】
この混合光がMFLS58に供給される。MFLS58は、レーザ80、82、および84について、それぞれ駆動回路102、104、および106を備える。マスタ駆動回路102は、RTEシステム56からマスタレーザ制御信号を受け取るように構成された入力を有し、マスタレーザ80に結合された出力を有するレーザ電流駆動108を備える。第1のスレーブ駆動回路104は、光カップラ94に結合された入力を有する光検出器110と、RTEシステム56から第1のスレーブ制御信号を受け取るように構成された直接デジタルシンセサイザ(DDS)112を有する局部発振器と、DDS112に結合された第1の入力および光検出器110に結合された第2の入力を有するミキサ114と、ミキサ114の出力に結合された積分器116と、積分器116に結合された入力および第1のスレーブレーザ82に結合された出力を有するレーザ電流駆動118とを備える。第2のスレーブ駆動回路106は、光カップラ98に結合された入力を有する光検出器120と、RTEシステム56から第1のスレーブ制御信号を受け取るように構成されたDDS122を有する局部発振器と、DDS122に結合された第1の入力および光検出器120に結合された第2の入力を有するミキサ124と、ミキサ124の出力に結合された積分器126と、積分器126に結合された入力を有し、第2のスレーブレーザ84に結合された出力を有するレーザ電流駆動128とを備える。スレーブレーザ82、84からの光の一部は、それぞれ光検出器110、120でマスタレーザ80からの光の一部と混合され、うなり周波数を有する信号が生成される。
【0039】
マスタレーザ80とスレーブレーザ82、84の間のうなり周波数は、それぞれミキサ114、124によってDDSs112、122からの局部発振器信号と混合され、注入電流を介してスレーブレーザ周波数を制御する積分器116、126が駆動される。局部発振器信号は、RTEシステム56からのスレーブ制御信号に応答してDDSs112、122で変更可能である。
【0040】
図5は、例示的実施形態による図2に示すRTEシステム56の略図である。共振追跡回路66は、図4に示すマスタレーザ80ならびにスレーブレーザ82および84などの3つのレーザ用のマスタ追跡副回路130およびスレーブ追跡副回路132を備える。共振追跡回路66に加えて、RTEシステム56は、マスタ追跡回路130の入力に結合された第1A/D変換器134と、スレーブ追跡回路132に結合された第2A/D変換器136と、マスタ追跡回路130の出力に結合されたDAC146とをさらに備える。例示的実施形態では、共振追跡回路66は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはその他の同様のプログラマブルデバイスである。
【0041】
A/D変換器134は、共振器結合光学系62から(例えば、共振器64のCW方向の共振周波数を示すCW光検出器から)受け取ったCW光検出器信号をデジタル化する。マスタ追跡副回路130は、A/D変換器134に結合され、共振器64のCW方向のデジタル化信号を受け取るように構成された復調器138と、復調器138に結合されたアキュムレータ140と、波発生器142と、波発生器142に結合された第1の入力およびアキュムレータ140に結合された第2の入力を有する加算器144とを備える。復調器138は、マスタレーザ80で生成された光ビームの変調周波数に対応する所定の復調周波数でCW方向のデジタル化信号を復調する。復調器138の出力はアキュムレータ140で蓄積され、この蓄積された値は、CW共振追跡ループ30に対するサーボに関する制御値として働く。波発生器142は、所定の周波数を有する正弦波を生成する。マスタレーザ80をCW共振周波数にロックするための制御値であるアキュムレータ140の出力は、正弦波と共に加算器144で合計される。加算器144は、共振器64のCW方向の共振周波数に基づいて、共振ディップにわたって変調される正弦波部分を有する信号を生成し、共振器出力で共振中心を示すac信号を供給する。DAC146は、マスタレーザ80を同調および変調するために、加算器144からの組合せ信号をアナログ信号に変換する。
【0042】
A/D変換器136は、共振器結合光学系62から(例えば、共振器64のCCW方向の共振周波数を示すCCW光検出器から)受け取ったCCW光検出器信号をデジタル化する。スレーブ追跡副回路136は、A/D変換器136に結合され、共振器64のCCW方向のデジタル化信号を受け取るように構成された第1および第2の復調器148、150と、復調器148、150にそれぞれ結合されたアキュムレータ152、154と、第1のアキュムレータ152に結合された第1の加算器156と、第2のアキュムレータ154に結合された第2の加算器158と、所定の周波数を有する正弦波を生成するように構成された波発生器160、162と、第1の波発生器160に結合された第1の入力を有し、第1の加算器156の出力に結合された第2の入力を有する第3の加算器164と、第2の波発生器162に結合された第1の入力を有し、第2の加算器158の出力に結合された第2の入力を有する第4の加算器166と、第1の加算器156の出力に結合された第1の入力を有し、第2の加算器158の出力に結合された第2の入力を有する減算器168と、減算器168の出力に結合されたインターフェース論理170とを備える。A/D変換器136の出力は、復調器148、150により、それぞれ第1および第2のスレーブレーザ82、84の変調周波数に対応する所定の復調周波数で復調され、それぞれアキュムレータ152、154で蓄積される。第1および第2の加算器156、158は、(例えば少なくとも1つの縦方向共振モードに対応する)一定のオフセットを累積信号のそれぞれに与える。CW共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードであるCCW共振周波数に第1のスレーブレーザ82をロックする制御信号として働く第1の加算器156の出力が、第1の波発生器160からの正弦波と共に第1の加算器156で合計される。CW共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードであるCCW共振周波数に第2のスレーブレーザ84をロックする制御信号として働く第2の加算器158の出力が、第2の波発生器162からの正弦波と共に第2の加算器158で合計される。第3の加算器164は、CW共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードである共振器64のCCW方向の共振周波数(例えば第1のCCW共振周波数)に基づいて、共振ディップにわたって変調される正弦波部分を有する信号を生成し、共振器出力で第1のCCW共振周波数の共振中心を示すac信号を供給する。第4の加算器166は、CW共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードである共振器64のCCW方向の共振周波数(例えば第2のCCW共振周波数)に基づいて、共振ディップにわたって変調される正弦波部分を有する信号を生成し、共振器出力で第2のCCW共振周波数の共振中心を示すac信号を供給する。第3および第4の加算器164、166は、CCW方向のそれぞれの共振周波数(例えば、CW方向の共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦方向共振モード、およびCW方向の共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦方向共振モード)に基づいて、スレーブレーザ82、84のそれぞれについての周波数信号を生成する。減算器168で、第1および第2の加算器156、158の出力の差が取られ、共振器64の回転速度による周波数差の2倍に対応する信号が生成される。
【0043】
図6は、別の例示的実施形態による図2に示すRTEシステム56の略図である。共振追跡回路66は、2つのレーザのための追跡副回路130および180と、マスタレーザ80用のマスタ追跡副回路130と、スレーブレーザ82用のスレーブ追跡副回路180とを備える。この例示的実施形態では、スレーブ追跡副回路180は、CW共振周波数よりも低い1つの縦モード上のCCW共振周波数(例えば第1のCCW共振周波数)と、CW共振周波数よりも高い1つの縦モード上のCCW共振周波数(例えば第2のCCW共振周波数)との間で切り換えるように構成される。
【0044】
CCW共振器信号はA/D変換器136でデジタル化される。スレーブ追跡副回路180は、第1のスレーブレーザ82用の共振追跡構成要素(例えば、図5に示す復調器148、アキュムレータ152、加算器156、波発生器160、および加算器164)を備える。さらに、スレーブ追跡副回路180は、加算器156の出力に結合された入力を有するマルチプレクサ184と、マルチプレクサ184の出力に結合されたレジスタ185、187と、第1のレジスタ185に結合された第1の入力および第2のレジスタ187に結合された第2の入力を有する減算器186と、第1のレジスタ185に結合された第1の入力および第2のレジスタ187に結合された第2の入力を有する加算器188と、減算器186の出力に結合されたインターフェース論理170と、加算器156の出力に結合された第1の入力および加算器188の出力に結合された第2の入力を有する加算器181と、加算器156の出力に結合された第1の入力および加算器188の出力に結合された第2の入力を有する減算器182と、加算器181の出力に結合された第1の入力、減算器182の出力に結合された第2の入力、および加算器156の第2の入力に結合された出力を有するマルチプレクサ183と備える。
【0045】
A/D変換器136の出力は復調器148で復調され、次いでアキュムレータ152で累積され、累積信号は、(例えばスレーブレーザ82またはCCWレーザに基づく)CCW共振追跡ループについてのサーボで使用される。次いで、アキュムレータ152の出力が、CW共振に対してCCWレーザがどの共振にロックされるかを決定する値と共に加算器156で合計される。次いで、CCWレーザ82をCCW共振(例えば第1または第2のCCW共振周波数)にロックする制御信号である加算器156の出力が、正弦波発生器160からの正弦波と共に加算器164で合計される。CCW共振ディップにわたって変調するのに正弦波が使用され、共振中心を示す正弦波信号が共振器出力で供給される。加算器164の出力は、CCWレーザ82の周波数を同調するのに使用される。
【0046】
CWレーザ80とCCWレーザ82の間、したがってCW共振とCCW共振の間の周波数差を表すデジタル値である加算器156の出力が、スイッチング周波数fswで切り換えられるマルチプレクサ184に送られる。このスイッチング周波数fswは、CCW光ビームが2つの共振周波数の間で切り換えられる周波数でもある。fswのスイッチング信号の状態に応じて、マルチプレクサ184の出力が第1のレジスタ185(A)または第2のレジスタ187(B)に送られる。レジスタA185は、CW共振周波数と第1のCCW共振周波数の間の周波数差を表す値を保持し、レジスタB187は、第2のCCW共振周波数とCW共振周波数の間の周波数差を表す値を保持する。次いで、減算器186でこれらの2つのレジスタ185、187の出力の差が取られ、共振器64の回転による周波数差の2倍を表す出力値が生成される。この出力値は共振器ジャイロの出力であり、FSRを除外する。2つのレジスタ185および187の出力はまた、加算器188で合計され、FSRの2倍を表す出力値が生成される。次いで、加算器188の出力が加算器181および減算器182に送られる。加算器181では、FSRが加算器156からの制御信号と共に合計される。加算器181の出力は、電流ロックCCW共振周波数とFSRの2倍との和を表す。減算器182では、加算器156からの制御信号からFSR値が引かれる。減算器182の出力は、電流ロックCCW共振周波数からFSRの2倍を引いた差を表す。
【0047】
加算器181および減算器182の出力は、周波数fswで切り替わるマルチプレクサ183によって単一チャネルとして時分割多重化される。マルチプレクサ183の出力値は、加算器156でアキュムレータ152の出力に加えられる。実際には、マルチプレクサ183出力を減算器182の出力から加算器181の出力に切り換えることにより、CCWレーザ82は、第1のCCW共振周波数に対応する共振ディップから、第2のCCW共振周波数に対応する共振ディップに切り替わる。スイッチング周波数fswに関連する半周期の後、マルチプレクサ183出力を加算器181の出力から減算器182の出力に切り換えることにより、CCWレーザ82は、第1のCCW共振周波数に対応する共振ディップに戻る。
【0048】
CCWレーザ周波数が有限のスルーレートを有するので、ある共振周波数から別の共振周波数への切換えは、有限の時間にわたって行われる。遷移時間の間、誤りのある信号がCCW光検出器およびA/D変換器136で生じる可能性がある。誤りのある信号の効果は、破壊したA/Dサンプルを復調器148で処理する前にゲーティングアウトすることによって除去することができる。ゲーティングはいくつかの方式で行うことができる。1つの方法は、A/D変換器136をサンプリングし、ゲート期間中に変換を行うことを差し控えさせることである。ゲート期間は、切換えによる誤差が受け入れられるレベルに低下するように選択することができる。
【0049】
CCWレーザ82が切り替わるスイッチング周波数fswは、遷移誤差を除去することに関連するゲート期間がスイッチング周波数fswでの完全な測定サイクルと比較して重大ではないように選択することができる。回転測定値からFSRを十分に除去するために、スイッチング周波数は、FSRの周波数内容よりも高くなるように選ぶことが好ましい。FSRの変動は大部分は熱駆動であるので、共振器64について比較的高い熱時定数を実現するために、FSRはゆっくりと変化すべきである。
【0050】
高性能ファイバ共振器ジャイロは、大まかには10deg/hr/Hzの回転速度感度を有することができる。残留FSR周波数誤差による0.01deg/hr未満の偏りを得るために、残留FSR周波数誤差は0.001Hzであるべきである。高性能ファイバ共振器では、FSRは大まかには100MHzであるべきである。残留FSR誤差を受け入れられるレベルに維持し、いくらかの温度安定性を共振器ジャイロに与えるようにスイッチング周波数を選択することができる。しかし、最大スイッチング周波数は、レーザ周波数同調のスルーレートによって決定される。
【0051】
図7は、本発明の例示的実施形態による共振器ジャイロ内の光源を安定化させる方法の流れ図である。この方法はステップ200で始まる。共振器ジャイロの第1の逆伝播方向(例えばCW)に循環する第1の光ビームが、第1の逆伝播方向の共振周波数(例えば第1の共振周波数)に同調される。第1の共振周波数は第1の縦方向共振モードを有する。第1の光ビームの同調は、第1の光源を第1の共振周波数で駆動することによって実施することができる。共振器ジャイロの第2の逆伝播方向(例えばCCW)で循環する第2の光ビームが、第1の縦方向共振モードから離れた少なくとも1つの縦方向共振モード(例えば第2の縦方向共振モード)に対応する周波数(例えば第2の共振周波数)に同調される。第2の光ビームの同調は、第2の光源を第2の共振周波数で駆動することによって実施することができる。さらに、第1および第2の入力光ビームのそれぞれを、共振器ジャイロのループ単位利得周波数よりもかなり高い(例えば少なくとも4倍高い)周波数で変調することができる。ステップ205では、第1の入力光ビームが第1の共振周波数にロックされる。ステップ210では、第2の入力光ビームが第2の共振周波数にロックされる。ステップ215では、第1の入力光ビームと第2の入力光ビームの周波数の周波数差が求められ、周波数差は共振器ジャイロの回転速度に比例する。さらに、例示的一実施形態では、第2の縦方向共振モードが、第1の縦方向共振モードよりも低い1つの縦方向共振モードと、第1の縦方向共振モードよりも高い1つの縦方向共振モードとの間で切り換えられる。第2の縦方向共振モードが第1の縦方向共振モードよりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードであるとき、第1の周波数偏移が第1の共振周波数と第2の共振周波数の間で求められ、第2の縦方向共振モードが第1の縦方向共振モードよりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードであるとき、第2の周波数偏移が第1の共振周波数と第2の共振周波数の間で求められる。第2の周波数偏移から第1の周波数偏移を引いて、周波数差の2倍に比例する出力が生成される。別の例示的実施形態では、第2の入力光ビームが、第1の縦方向共振モードよりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードを有する第2の共振周波数にロックされ、(例えば第3の光源から生成された)第3の入力光ビームが、第1の縦方向共振モードよりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードを有する第2の共振周波数にロックされる。第1の周波数偏移が、第1の縦方向共振モードよりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードを有する、第1の共振周波数と第2の共振周波数の間で求められ、第2の周波数偏移が、第1の縦方向共振モードよりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードを有する第1の共振周波数と第2の共振周波数の間で求められる。第2の周波数偏移から第1の周波数偏移を引いて、共振器ジャイロの回転による周波数差の2倍に比例する出力が生成される。
【0052】
共振器ジャイロ10および50は、例えば、限定はしないが、航空機、ランドビークル、潜水艦、衛星、水上艦船のナビゲーションなどの慣性誘導を必要とする応用例を含む様々な応用例に適している。さらに、共振器ジャイロ10および50に対して想定されるサイズが比較的小さいことにより、限定はしないが、例えば、小型ロボット、個々の兵士の履物、小規模衛星を含む非常に小型のプラットフォーム上での実際的な使用が可能となる。
【0053】
少なくとも1つの例示的実施形態を上記の発明の詳細な説明で提示したが、膨大な数の変形形態が存在することを理解されたい。例示的実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、または構成をどんな形でも限定するものではないことも理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、本発明の例示的実施形態を実装するのに好都合なロードマップを当業者に与えるものとなる。添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、例示的実施形態で述べた要素の機能および構成に様々な変更を行えることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の例示的実施形態による共振器ジャイロのブロック図である。
【図2】本発明の別の例示的実施形態による共振器ジャイロの部分的略図である。
【図3】共振追跡システムを理解するのに有用な、時計回り強度波形および反時計回り強度波形である。
【図4】図2に示す多周波数レーザ源アセンブリの略図である。
【図5】例示的実施形態による図2に示す共振追跡電子システムの略図である。
【図6】別の例示的実施形態による図2に示す共振追跡電子システムの略図である。
【図7】本発明の例示的実施形態による共振器ジャイロ内の光源を安定化させる方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0055】
10 共振器ジャイロ(RFOG)
12、14 可同調光源
16、18 光検出器
20、22 ミラー
24 中空コア光ファイバコイル
25 共振器
26、28 ビームスプリッタ
30、32 共振追跡ループ
34、38 共振検出器
35、36 サーボ
40 再循環器
50 共振器ジャイロ
52 多周波数レーザ源(MFLS)アセンブリ
54 中空コア共振器(HCR)アセンブリ
56 共振追跡電子(RTE)システム
60 MFLS光学系サブアセンブリ
62 共振器結合光学系
64 共振器
66 共振追跡回路
80 マスタレーザ
82、84 スレーブレーザ
88、90、92、94、96、98、100 光カップラ
102、104、106 駆動回路
108 レーザ電流駆動
110、120 光検出器
112、122 直接デジタルシンセサイザ(DDS)
118、128 レーザ電流駆動
130 マスタ追跡副回路
132、180 スレーブ追跡副回路
134、136 A/D変換器
142、160、162 波発生器
183、184 マルチプレクサ
185、187 レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数を有する第1の入力光を生成するように構成された第1の光源(12)と、
第2の周波数を有する第2の入力光を生成するように構成された第2の光源(14)と、
前記第1および第2の光源に結合され、第1および第2の逆伝播方向を有し、中空コアを有する光ファイバコイルを備え、前記第1および第2の入力光に基づく光を前記中空コアを通じて前記第1および第2の逆伝播方向に循環させるように構成された共振器(25)と、
前記共振器に結合され、前記第1および第2の逆伝播方向のそれぞれについて共振周波数を検出するように構成された共振検出回路と、
前記共振検出回路および前記第1および第2の光源に結合され、前記第1の周波数を前記第1の逆伝播方向の前記共振周波数に同調し、前記第2の周波数を前記第2の逆伝播方向の前記共振周波数に同調するように構成され、前記第1および第2の逆伝播方向の前記共振周波数の差が共振器ジャイロの回転速度に比例する、コントローラ(35、36)と、
を備える共振器ジャイロ。
【請求項2】
前記共振器は、
前記第1の入力光の一部に基づく第1の循環光を前記中空コアを通じて前記第1の逆伝播方向に循環させ、
前記第2の入力光の一部に基づく第2の循環光を前記中空コアを通じて前記第2の逆伝播方向に循環させるようにさらに構成され、
前記共振検出回路は、
前記第1の循環光からの光をサンプリングするように構成された第1の光検出器(18)と、
前記第2の循環光からの光をサンプリングするように構成された第2の光検出器(16)と、
前記第1の光検出器に結合され、前記第1の逆伝播方向の共振中心を検出するように構成された第1の共振検出回路と、
前記第2の光検出器に結合され、前記第2の逆伝播方向の共振中心を検出するように構成された第2の共振検出回路とを備え、
前記コントローラは、
前記第1の共振検出回路に結合された入力を有し、前記第1の光源に結合された出力を有する第1サーボ(36)と、
前記第2の共振検出回路に結合された入力を有し、前記第2の光源に結合された出力を有する第2サーボ(35)とを備える、
請求項1に記載の共振器ジャイロ。
【請求項3】
前記第1の入力光は第1の変調周波数を有し、前記第2の入力光は第2の変調周波数を有し、
第1の単位利得周波数を有し、前記第1の変調周波数が前記第1の単位利得周波数よりも少なくとも4倍大きい、前記第1の光源に基づいた第1の追跡ループ(32)と、
第2の単位利得周波数を有し、前記第2変調周波数が、前記第2単位利得周波数よりも少なくとも4倍大きい、前記第2の光源に基づいた第2の追跡ループ(30)と、をさらに備える、請求項1に記載の共振器ジャイロ。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記第1の逆伝播方向に伝播する前記共振器内の第1の循環光を、前記第1の逆伝播方向の前記共振周波数の第1の共振中心にロックし、
前記第2の逆伝播方向に伝播する前記共振器内の第2の循環光を、前記第2の逆伝播方向の前記共振周波数の第2の共振中心にロックするようにさらに構成され、前記第1の逆伝播方向の前記共振周波数は、共振器ジャイロのゼロ回転速度で前記第2の逆伝播方向の前記共振周波数から離れた少なくとも1つの縦モードである、請求項1に記載の共振器ジャイロ。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記第1の逆伝播方向の前記共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦モードと、前記第2の逆伝播方向の前記共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦モードとの間で前記第2の逆伝播方向の前記共振周波数を切り換えるようにさらに構成される、請求項1に記載の共振器ジャイロ。
【請求項6】
第3周波数を有する第3の入力光を生成するように構成された第3の光源(84)をさらに備え、
前記共振器は、前記第3の入力光に基づく第3の循環光を前記第2の逆伝播方向に循環させるようにさらに構成され、
前記コントローラは第3の光源に結合され、
前記第1の逆伝播方向の前記共振周波数よりも低い少なくとも1つの縦モードである前記第2の逆伝播方向の第1の共振周波数に前記第2の周波数を同調し、
前記第1の逆伝播方向の前記共振周波数よりも高い少なくとも1つの縦モードである前記第2の逆伝播方向の第2の共振周波数に前記第3周波数を同調するようにさらに構成され、周波数差が共振器ジャイロの回転速度に比例する、請求項1に記載の共振器ジャイロ。
【請求項7】
第1の入力光ビームを共振器ジャイロの第1の縦方向共振モード上にある時計回り共振周波数にロックするステップ(205)と、
第2の入力光ビームを、前記第1の縦方向共振モードから離れた第2の縦方向共振モード上にある、共振器ジャイロの第1の反時計回り共振周波数にロックするステップ(210)、
前記第1の入力光ビームと第2の入力光ビームの間の、前記回転速度に比例する周波数差を決定するステップ(215)と
を含む、共振器ジャイロの回転速度を決定する方法。
【請求項8】
前記決定するステップの前に、共振器ジャイロのループ単位利得周波数の少なくとも4倍より大きい周波数で前記第1および第2の入力光ビームを変調するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1の縦方向共振モードよりも低い1つの縦方向共振モードと、第1の縦方向共振モードよりも高い1つの縦方向共振モードの間で前記第2の縦方向共振モードを切り換えるステップと、
前記第2の縦方向共振モードが前記第1の縦方向共振モードよりも低い1つの縦方向共振モードであるとき、前記時計回り共振周波数と前記第1の反時計回り共振周波数の間の第1の周波数偏移を決定するステップと、
前記第2の縦方向共振モードが前記第1の縦方向共振モードよりも高い1つの縦方向共振モードであるとき、前記時計回り共振周波数と前記第1の反時計回り共振周波数の間の第2の周波数偏移を決定するステップと、
前記第2の周波数偏移から前記第1の周波数偏移を引いて、前記周波数差の2倍に比例する出力を生成するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
第3の入力光ビームを共振器ジャイロの第2反時計回り共振周波数にロックするステップと、前記第2反時計回り共振周波数は、前記第1の縦方向共振モードよりも高い少なくとも1つの縦方向共振モードであり、前記第1の反時計回り共振周波数は、第1の縦方向共振モードよりも低い少なくとも1つの縦方向共振モードであり、
前記時計回り共振周波数と前記第1の反時計回り共振周波数の間の第1の周波数偏移を決定するステップと、
前記時計回り共振周波数と前記第2反時計回り共振周波数の間の第2の周波数偏移を決定するステップと、
前記第2の周波数偏移から前記第1の周波数偏移を引いて、前記共振器ジャイロの回転による周波数差の2倍に比例する出力を生成するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−163486(P2007−163486A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−333453(P2006−333453)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】