内接歯車式オイルポンプ
【課題】アウターギヤの外周の焼き付きを防ぎつつ吐出量が低下しないオイルポンプを提供することを課題とする。
【解決手段】内接歯車式オイルポンプであって、円筒状のギヤ室7を有するポンプハウジング2と、ポンプカバーと、前記ギヤ室7に収容されるインナーギヤ4とアウターギヤ5とを備え、前記ギヤ室7には吸入ポート9と吐出ポート10とを含み、前記ポンプハウジング2および/または前記ポンプカバーは前記吸入ポート9と連通する吸入路11を有し、前記ギヤ室7の内周面の深さ方向の一部にオイル導入口を備え、ここにおいて前記オイル導入口は、オイル導入路14を解して前記吸入路11と接続する内接歯車式オイルポンプとした。
【解決手段】内接歯車式オイルポンプであって、円筒状のギヤ室7を有するポンプハウジング2と、ポンプカバーと、前記ギヤ室7に収容されるインナーギヤ4とアウターギヤ5とを備え、前記ギヤ室7には吸入ポート9と吐出ポート10とを含み、前記ポンプハウジング2および/または前記ポンプカバーは前記吸入ポート9と連通する吸入路11を有し、前記ギヤ室7の内周面の深さ方向の一部にオイル導入口を備え、ここにおいて前記オイル導入口は、オイル導入路14を解して前記吸入路11と接続する内接歯車式オイルポンプとした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナーギヤとアウターギヤによってオイルを吸入し、その後オイルを吐出する内接歯車式オイルポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
内接歯車式オイルポンプは、駆動軸に連結されたインナーギヤと前記インナーギヤによって駆動されるアウターギヤとの間に形成されたポンプ室の体積が増減することによりオイルを搬送するポンプである。構造が簡単であり、低騒音かつ高効率であるため内接歯車式オイルポンプは、自動車の部品として活用されている。例えば、自動変速機のための油圧を発生させるオイルポンプやエンジンの潤滑に用いるオイルポンプとして活用されている。
【0003】
油圧機器の作動用にオイルポンプが使用される場合、発生圧力として1MPa以上の高圧が必要とされる場合がある。内接歯車式オイルポンプでは、インナーギヤとアウターギヤの歯面の間に形成されたポンプ室の面積が減少することでポンプ室から吐出ポートを通り吐出路にオイルが吐き出される。そのため、吐出圧力は、吐出路および吐出ポート上のポンプ室において同一である。
【0004】
吐出圧力として1MPa以上の高圧が発生している場合、ポンプ室を形成しているインナーギヤの歯面とアウターギヤの歯面に吐出圧と同等の高い圧力がかかる。その場合、アウターギヤ歯面に吐出ポートの外径方向に向かう圧力がかかるため、ポンプハウジングに形成されたギヤ室の内周面にアウターギヤが押し付けられ、アウターギヤの外周に焼き付きが起こるおそれがある。この焼付き対策として、ギヤ室の吐出ポート側の内周面に凹溝を設け、吐出ポート内の吐出圧力をアウターギヤ外周に導入する技術が知られている(下記特許文献1を参照)。吐出ポート側の内周面に凹溝を付けることにより、アウターギヤ歯面をアウターロータ外周方向に押す圧力とアウターギヤ外周をアウターギヤ内周方向に押す圧力の釣り合いが取れるため、焼きつきが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−28005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載されたオイルポンプでは、ポンプハウジングのギヤ室の内周に凹部が設けられ、その凹部と吐出ポートが連通している。この場合、ポンプ室によって運ばれてきたオイルが吐出ポートからその凹部へ移動する。そのオイルは、ポンプハウジングとロータの間の隙間から漏れる。そのため、ポンプの吐出量が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、アウターギヤの外周の焼き付きを防ぎつつ吐出量が低下しないオイルポンプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明においては、内接歯車式オイルポンプであって、
ギヤ室を有するポンプハウジングと、ポンプカバーと、前記ギヤ室に収容されるインナーギヤとアウターギヤを備え、前記ギヤ室には吸入ポートと吐出ポートを含み、
前記ポンプハウジングおよび/または前記ポンプカバーは前記吸入ポートと連通する吸入路を有し、前記ギヤ室の内周面の深さ方向の一部にオイル導入口を備え、
ここにおいて前記オイル導入口は、オイル導入路を解して前記吸入路と接続する内接歯車式オイルポンプとした。
【0009】
この発明の内接歯車式オイルポンプにおいてオイル導入口を吸入路に接続させたので、導入されるオイルの量は、ギヤによって運ばれるオイルの量には影響せず吐出量の低下が起こらない。オイル導入口は吸入路に接続しているので十分な量のオイルがアウターギヤ外周に導入される。アウターギヤ外周に導入されたオイルはくさび作用により油圧を発生させ、アウターギヤ外周の焼きつきを防止する。
【0010】
前記ギヤ室の深さに対する前記オイル導入口の高さの比は10%以上50%以下であると好ましい。
【0011】
前記ギヤ室にはギヤの厚みに対応する深さの円筒状をしている。ギヤ室の深さに対するオイル導入口の高さの比が50%以上であると、ギヤ室内周面の面積が少なくなる。ギヤ外周を支える面積が小さくなるので、ギヤ外周がオイル導入口に食い込むおそれがある。食い込みがおきるとオイル導入口の角部が剥離摩耗を起こしたり、ギヤ外周部に変摩耗が起きたりする。10%未満であるとオイルの供給量が十分でなく、ギヤ外周の焼きつきがおきるおそれがある。
【0012】
前記吸入ポートに対応する前記ギヤ室の内周面に前記オイル導入口を有すると好ましい。
【0013】
最大でも吸入ポートに対応するギヤ室内周面にオイル導入口を設置することでオイルの導入が十分になされる。吸入ポートに対応するギヤ室を越えてオイル導入口をギヤ室内集面に設置すると、オイル導入口と高圧の吐出ポートの距離が近くなるためオイル導入口へオイルの逆流が起こり吐出量の低下が起こるおそれがある。
【0014】
前記ポンプハウジングの端面に前記オイル導入口を有すると好ましい。
【0015】
ポンプハウジングの端面にオイル導入口を形成することで、ポンプハウジングの製造が容易になる。
【0016】
前記オイル導入口は、前記吸入ポートに接続していると好ましい。
【0017】
オイル導入口が吸入ポートに接続することで吸入路と接続しているので、ポンプハウジングの製造が容易になる。
【0018】
ギヤ回転方向前方の前記オイル導入口の端部とギヤ室の内周面との角度が30度未満であると好ましい。
【0019】
ギヤ回転方向前方の前記オイル導入口の端部とギヤ室の内周面との角度を30度以下にすることで滑らかなオイルの導入が可能となる。30度を越えると端部においてオイルの流れが不安定になり、十分なオイルを導入することができないおそれがある。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、アウターギヤの外周の焼き付きを防ぎつつ吐出量が低下しないオイルポンプを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ギヤを組み合わせた本発明のポンプハウジングの正面図である。
【図2】図1のポンプハウジングにポンプカバーを組み合わせたオイルポンプの矢視X−Xである。
【図3】図1のポンプハウジングの正面図である。
【図4】図3のポンプハウジングの矢視Y−Yである。
【図5】実施例で用いた発明品2のポンプハウジングにギヤを組み合わせた正面図である。
【図6】図5のポンプハウジングにポンプカバーを組み合わせたオイルポンプの矢視X−Xである。
【図7】図5のポンプハウジングの正面図である。
【図8】図7のポンプハウジングの矢視Y−Yである。
【図9】実施例で用いた比較品1のポンプハウジングにギヤを組み合わせた正面図である。
【図10】図9のポンプハウジングにポンプカバーを組み合わせたオイルポンプの矢視X−Xである。
【図11】図9のポンプハウジングの正面図である。
【図12】実施例で用いた発明品5のポンプハウジングの正面図である。
【図13】実施例で用いた発明品6のポンプハウジングの正面図である。
【図14】実施例で用いた発明品7のポンプハウジングの正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面図1〜図8に基づいて本発明の実施形態を説明する。図2に示すようにオイルポンプ1は、ポンプハウジング2、ポンプカバー3、インナーギヤ4、アウターギヤ5および駆動軸6により構成されている。図1に示すようにインナーギヤ4とアウターギヤ5は偏心量だけそれぞれ中心をずらして組み合わされてポンプハウジング2に形成されたギヤ室7に収められている。インナーギヤ2の内径には駆動軸6が勘合している。ポンプハウジング2とポンプカバー3は、ピン等により位置決めして接合されている。ここでは、オイルポンプを構成している各部品について詳しく説明する。
【0023】
[ポンプハウジング]
ポンプハウジング2は、鋳鉄もしくはアルミ合金により製造される。図3に示すようにポンプハウジングの一端面に円筒状のギヤ室7が形成されている。ギヤ室の底面には、駆動軸を挿入する軸穴とオイルの導入口である吸入ポート9とオイルの吐出口である吐出ポート10が形成されている。
図2または図4に示すように吸入ポート9及び吐出ポート10には吸入路11と吐出路12が接続している。吐出圧力が1MPaを越える高圧用のオイルポンプの場合、吸入路11と吐出路12はギヤ室7の底面に露出しない構造であることが多い。これは、吐出路12がギヤ室底面20に露出した場合、吐出圧力がギヤの側面にかかるためギヤが傾いたり、一方の側面に押し付けられたりして焼付きや吐出量の低下などの問題が発生するためである。
図3に示す吸入ポート9及び吐出ポート10の形状はギヤの歯形に合わせて設計される。ギヤ室7には、ギヤの歯形によりクレセントと呼ばれる三日月形状の突起が形成される場合がある。本実施の形態はクレセントが形成されているオイルポンプに対しても有効である。
【0024】
[ポンプカバー]
ポンプカバー3は、ポンプハウジング2と同様に鋳鉄やアルミ合金により製造される。
高圧用のオイルポンプの場合、図2に示すようにギヤにかかる圧力を均一にするために、ポンプカバー端面には、ポンプハウジング2と同様に吸入ポートまたは吐出ポートが形成されている場合がある。ポンプカバーにはその吸入ポートまたは吐出ポートに接続する吸入路または吐出路が接続されている。
【0025】
[オイル導入口]
図2〜図4に示すようにギヤ室7の内周面にはギヤの外周にオイルを導入するオイル導入口13が形成されている。オイル導入口13はオイル導入路14を介して前記吸入路11に接続している。
図4に示すように、ギヤ室の深さDに対するオイル導入口の高さHの比(H/D)は10%以上50%以下が好ましい。50%以上であるとギヤ室内周面の面積が少なくなる。 その場合、ギヤ外周を支える面積が小さくなるので、ギヤ外周がオイル導入口13に食い込むおそれがある。食い込みがおきるとオイル導入口13の端部が剥離摩耗を起こしたり、ギヤ外周に偏摩耗が起きたりする。ギヤ室の深さDに対するオイル導入口の高さHの比(H/D)が10%未満であるとオイルの供給量が十分でなく、ギヤ外周の焼きつきがおきるおそれがある。
オイル導入口13は、吸入ポート9に対応するギヤ室内周面に形成されている。吸入ポート9に対応するギヤ室内周面とは、吸入ポート9の両端を延長した直線とギヤ室側面の交点の間の区間である。オイル導入口13の両端が吐出ポート10に近くなると、吐出ポート10からオイル導入口13にオイルが漏れ出すおそれがある。そのため、オイル導入口13の両端は、吸入ポート9に対応するギヤ室内周面に設定するのが好ましい。
ギヤ回転方向前方のオイル導入口の端部18でのギヤ室の内周面との角度を5度以上30度以下とすると、ギヤ外周へのオイルの導入が滑らかになり、オイル導入口の端部18で流れの剥離等による不具合が無くなる。さらに端部から0.5mm程度の浅い溝をギヤ回転方向前方へ延伸しても構わない。この場合も延伸した先端は、吸入ポート9の先端を越えない設定にする。
【0026】
[オイル導入路]
図2に示すようにギヤ室内周面のポンプハウジング端面15に接する位置にオイル導入口13が形成される場合、オイル導入口13と吸入路11を接続するオイル導入路14がポンプハウジング端面15に形成される。
オイル導入路14がポンプハウジング端面15に形成される場合、オイル導入路14の断面積を大きくすることができること、および、オイル導入口13とオイル導入路14を直線的に配置できるので効率的にオイルをアウターギヤ外形に導入することができる。
その他、ギヤ室内周面とポンプハウジング端面15が交わる位置にオイル導入口13が形成される場合、オイル導入口14はポンプカバー端面16に形成しても良い。オイル導入路14をポンプカバー端面16に形成するとオイル導入路の形成が容易になる。
図5〜図8に示すように、ギヤ室7の内周面の途中やギヤ室の底面20にオイル導入口13が形成される場合、ギヤ室の底面20から吸入路11に通り抜けるようにオイル導入路14を形成してもよい。このような構成にすることでポンプハウジングの製造が容易になる。
【0027】
[インナーギヤ・アウターギヤ]
内接歯車式オイルポンプ用のギヤ17は、焼結金属により製造される。ギヤ17は外歯を有するインナーギヤ4と内歯を有するアウターギヤ5を含む。各ギヤの歯形は、トロコイド歯形、サイクロイド歯形等が用いられるが特に限定されるものではない。特にアウターギヤ5の歯数がインナーギヤ4の歯数よりも1枚多いギヤ17の場合、インナーギヤ4とアウターギヤ5の歯面の間に他に歯面を支える部材がないため、アウターギヤ5が歯面に受ける圧力によりギヤ室7の内周面に押し付けられ易く、アウターギヤ5の外周に焼きつきをおこし易い。そのため、本実施の形態を適用するとアウターギヤ5の外周における焼きつきを防止する効果が高い。
【0028】
<実施例1>
以下の条件でオイルポンプを作製し、特性を評価した。
【0029】
(発明品1)
ロータ寸法:φ60mm×10mm
理論吐出量:8.5cc
ギヤの歯形:トロコイド歯形
各ギヤの歯数(インナーギヤ/アウターギヤ):9/10
各ギヤの材質:鉄系焼結金属
ポンプハウジング材質:鋳鉄
ポンプカバー材質:鋳鉄
図4に示すようにギヤ室内周面とポンプハウジング端面15が交わる位置にオイル導入口13を形成した。図2に示すようにオイル導入路14はポンプハウジング端面15に形成した。ギヤ室の深さDは10mmである。オイル導入口13の高さHを5mm(H/D=50%)とした。オイル導入路14の横幅は、吸入路11と同じ幅とした。ロータ回転方向前方のオイル導入口の端部18とギヤ室の内周面との角度θは20度とした。
【0030】
(発明品2)
図8に示すように発明品1の同一サイズのオイル導入口13をギヤ室底面20に接するように形成した。このポンプハウジングは吸入路11の上にギヤ室底面20が形成されていない。オイル導入路14はその吸入路11に接続するように形成した(図6)。その他の構成は発明品1と同様である。
【0031】
(比較品1)
オイル導入口13およびオイル導入路14が形成されていないこと以外は発明品1と同様である。
【0032】
以上のポンプについて評価試験を行った。
評価条件は、
吐出圧力(MPa):0.5、1.8、2.5
油温(℃):100
回転数(rpm):5000
使用オイル:ATF
試験時間:10時間
であり、アウターギヤ外周に1mm以上の傷が存在するかどうか、つまり焼きつきが発生するかどうかを評価した。
【0033】
【表1】
【0034】
上記評価結果から、発明品1と発明品2において1.8MPa以上の高圧でも焼付きは発生せず良好な結果となった。発明品1では、2.5MPaでも傷がなくオイルが効率的に導入されていたことが分かる。
<実施例2>
【0035】
(発明品3)
オイル導入口13の高さHを1mm(H/D=10%)とした以外は発明品1と同様である。
【0036】
(発明品4)
オイル導入口13の高さHを7mm(H/D=70%)とした以外は発明品1と同様である。
【0037】
(発明品5)
オイル導入口13の高さHを10mm(H/D=100%)とした以外は発明品1と同様である。
【0038】
発明品1、発明品3、発明品4、比較品1、および比較品2について評価試験を行った。
評価条件は、
吐出圧力(MPa):1.8、2.5
油温(℃):100
回転数(rpm):5000
使用オイル:ATF
試験時間:10時間
であり、アウターギヤ外周に1mm以上の傷が存在するかどうか、つまり焼きつきが発生するかどうかを評価した。
【0039】
【表2】
【0040】
上記評価結果から、発明品1、発明品3、発明品4および発明品5において1.8MPa以上の高圧でも焼付きが発生しなかった。発明品1と発明品3では、2.5MPaでも傷がなくオイルが効率的に導入されていたことが分かる。
<実施例3>
【0041】
(発明品6)
オイル導入口13の横幅を吸入ポート9に対応するギヤ室内周面の全域に形成した。その他の構成は発明品1と同様である。
【0042】
(発明品7)
ギヤ回転方向前方のオイル導入口の端部18を吸入ポート9の端を延長した直線とギヤ室側面の交点を越えてギヤ回転方向前方に形成した。その他の構成は発明品1と同様である。
【0043】
(発明品8)
ギヤ回転方向後方のオイル導入口の端19を吸入ポート9の端を延長した直線とギヤ室側面の交点を越えてギヤ回転方向後方に形成した。その他の構成は発明品1と同様である。
【0044】
上記ポンプについて評価実験を行った。
評価条件は、
吐出圧力(MPa):1.8、2.5
油温(℃):100
回転数(rpm):5000
使用オイル:ATF
であり、容積効率と焼付きを評価した。
【0045】
【表3】
【0046】
上記評価結果から、発明品4、5、および6共に焼付きは発生しなかったが、発明品4は比較品2および比較品3に比べて容積効率が高いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明の内接歯車式ポンプは、車のエンジンの潤滑用や自動変速機(AT)用のオイルポンプなどとして好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 オイルポンプ
2 ポンプハウジング
3 ポンプカバー
4 インナーギヤ
5 アウターギヤ
6 駆動軸
7 ギヤ室
9 吸入ポート
10 吐出ポート
11 吸入路
12 吐出路
13 オイル導入口
14 オイル導入路
15 ポンプハウジング端面
16 ポンプカバー端面
17 ギヤ
18 ギヤ回転方向前方のオイル導入口の端部
19 ギヤ回転方向後方のオイル導入口の端部
20 ギヤ室底面
D ギヤ室の深さ
H オイル導入口の高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナーギヤとアウターギヤによってオイルを吸入し、その後オイルを吐出する内接歯車式オイルポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
内接歯車式オイルポンプは、駆動軸に連結されたインナーギヤと前記インナーギヤによって駆動されるアウターギヤとの間に形成されたポンプ室の体積が増減することによりオイルを搬送するポンプである。構造が簡単であり、低騒音かつ高効率であるため内接歯車式オイルポンプは、自動車の部品として活用されている。例えば、自動変速機のための油圧を発生させるオイルポンプやエンジンの潤滑に用いるオイルポンプとして活用されている。
【0003】
油圧機器の作動用にオイルポンプが使用される場合、発生圧力として1MPa以上の高圧が必要とされる場合がある。内接歯車式オイルポンプでは、インナーギヤとアウターギヤの歯面の間に形成されたポンプ室の面積が減少することでポンプ室から吐出ポートを通り吐出路にオイルが吐き出される。そのため、吐出圧力は、吐出路および吐出ポート上のポンプ室において同一である。
【0004】
吐出圧力として1MPa以上の高圧が発生している場合、ポンプ室を形成しているインナーギヤの歯面とアウターギヤの歯面に吐出圧と同等の高い圧力がかかる。その場合、アウターギヤ歯面に吐出ポートの外径方向に向かう圧力がかかるため、ポンプハウジングに形成されたギヤ室の内周面にアウターギヤが押し付けられ、アウターギヤの外周に焼き付きが起こるおそれがある。この焼付き対策として、ギヤ室の吐出ポート側の内周面に凹溝を設け、吐出ポート内の吐出圧力をアウターギヤ外周に導入する技術が知られている(下記特許文献1を参照)。吐出ポート側の内周面に凹溝を付けることにより、アウターギヤ歯面をアウターロータ外周方向に押す圧力とアウターギヤ外周をアウターギヤ内周方向に押す圧力の釣り合いが取れるため、焼きつきが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−28005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載されたオイルポンプでは、ポンプハウジングのギヤ室の内周に凹部が設けられ、その凹部と吐出ポートが連通している。この場合、ポンプ室によって運ばれてきたオイルが吐出ポートからその凹部へ移動する。そのオイルは、ポンプハウジングとロータの間の隙間から漏れる。そのため、ポンプの吐出量が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、アウターギヤの外周の焼き付きを防ぎつつ吐出量が低下しないオイルポンプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明においては、内接歯車式オイルポンプであって、
ギヤ室を有するポンプハウジングと、ポンプカバーと、前記ギヤ室に収容されるインナーギヤとアウターギヤを備え、前記ギヤ室には吸入ポートと吐出ポートを含み、
前記ポンプハウジングおよび/または前記ポンプカバーは前記吸入ポートと連通する吸入路を有し、前記ギヤ室の内周面の深さ方向の一部にオイル導入口を備え、
ここにおいて前記オイル導入口は、オイル導入路を解して前記吸入路と接続する内接歯車式オイルポンプとした。
【0009】
この発明の内接歯車式オイルポンプにおいてオイル導入口を吸入路に接続させたので、導入されるオイルの量は、ギヤによって運ばれるオイルの量には影響せず吐出量の低下が起こらない。オイル導入口は吸入路に接続しているので十分な量のオイルがアウターギヤ外周に導入される。アウターギヤ外周に導入されたオイルはくさび作用により油圧を発生させ、アウターギヤ外周の焼きつきを防止する。
【0010】
前記ギヤ室の深さに対する前記オイル導入口の高さの比は10%以上50%以下であると好ましい。
【0011】
前記ギヤ室にはギヤの厚みに対応する深さの円筒状をしている。ギヤ室の深さに対するオイル導入口の高さの比が50%以上であると、ギヤ室内周面の面積が少なくなる。ギヤ外周を支える面積が小さくなるので、ギヤ外周がオイル導入口に食い込むおそれがある。食い込みがおきるとオイル導入口の角部が剥離摩耗を起こしたり、ギヤ外周部に変摩耗が起きたりする。10%未満であるとオイルの供給量が十分でなく、ギヤ外周の焼きつきがおきるおそれがある。
【0012】
前記吸入ポートに対応する前記ギヤ室の内周面に前記オイル導入口を有すると好ましい。
【0013】
最大でも吸入ポートに対応するギヤ室内周面にオイル導入口を設置することでオイルの導入が十分になされる。吸入ポートに対応するギヤ室を越えてオイル導入口をギヤ室内集面に設置すると、オイル導入口と高圧の吐出ポートの距離が近くなるためオイル導入口へオイルの逆流が起こり吐出量の低下が起こるおそれがある。
【0014】
前記ポンプハウジングの端面に前記オイル導入口を有すると好ましい。
【0015】
ポンプハウジングの端面にオイル導入口を形成することで、ポンプハウジングの製造が容易になる。
【0016】
前記オイル導入口は、前記吸入ポートに接続していると好ましい。
【0017】
オイル導入口が吸入ポートに接続することで吸入路と接続しているので、ポンプハウジングの製造が容易になる。
【0018】
ギヤ回転方向前方の前記オイル導入口の端部とギヤ室の内周面との角度が30度未満であると好ましい。
【0019】
ギヤ回転方向前方の前記オイル導入口の端部とギヤ室の内周面との角度を30度以下にすることで滑らかなオイルの導入が可能となる。30度を越えると端部においてオイルの流れが不安定になり、十分なオイルを導入することができないおそれがある。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、アウターギヤの外周の焼き付きを防ぎつつ吐出量が低下しないオイルポンプを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ギヤを組み合わせた本発明のポンプハウジングの正面図である。
【図2】図1のポンプハウジングにポンプカバーを組み合わせたオイルポンプの矢視X−Xである。
【図3】図1のポンプハウジングの正面図である。
【図4】図3のポンプハウジングの矢視Y−Yである。
【図5】実施例で用いた発明品2のポンプハウジングにギヤを組み合わせた正面図である。
【図6】図5のポンプハウジングにポンプカバーを組み合わせたオイルポンプの矢視X−Xである。
【図7】図5のポンプハウジングの正面図である。
【図8】図7のポンプハウジングの矢視Y−Yである。
【図9】実施例で用いた比較品1のポンプハウジングにギヤを組み合わせた正面図である。
【図10】図9のポンプハウジングにポンプカバーを組み合わせたオイルポンプの矢視X−Xである。
【図11】図9のポンプハウジングの正面図である。
【図12】実施例で用いた発明品5のポンプハウジングの正面図である。
【図13】実施例で用いた発明品6のポンプハウジングの正面図である。
【図14】実施例で用いた発明品7のポンプハウジングの正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面図1〜図8に基づいて本発明の実施形態を説明する。図2に示すようにオイルポンプ1は、ポンプハウジング2、ポンプカバー3、インナーギヤ4、アウターギヤ5および駆動軸6により構成されている。図1に示すようにインナーギヤ4とアウターギヤ5は偏心量だけそれぞれ中心をずらして組み合わされてポンプハウジング2に形成されたギヤ室7に収められている。インナーギヤ2の内径には駆動軸6が勘合している。ポンプハウジング2とポンプカバー3は、ピン等により位置決めして接合されている。ここでは、オイルポンプを構成している各部品について詳しく説明する。
【0023】
[ポンプハウジング]
ポンプハウジング2は、鋳鉄もしくはアルミ合金により製造される。図3に示すようにポンプハウジングの一端面に円筒状のギヤ室7が形成されている。ギヤ室の底面には、駆動軸を挿入する軸穴とオイルの導入口である吸入ポート9とオイルの吐出口である吐出ポート10が形成されている。
図2または図4に示すように吸入ポート9及び吐出ポート10には吸入路11と吐出路12が接続している。吐出圧力が1MPaを越える高圧用のオイルポンプの場合、吸入路11と吐出路12はギヤ室7の底面に露出しない構造であることが多い。これは、吐出路12がギヤ室底面20に露出した場合、吐出圧力がギヤの側面にかかるためギヤが傾いたり、一方の側面に押し付けられたりして焼付きや吐出量の低下などの問題が発生するためである。
図3に示す吸入ポート9及び吐出ポート10の形状はギヤの歯形に合わせて設計される。ギヤ室7には、ギヤの歯形によりクレセントと呼ばれる三日月形状の突起が形成される場合がある。本実施の形態はクレセントが形成されているオイルポンプに対しても有効である。
【0024】
[ポンプカバー]
ポンプカバー3は、ポンプハウジング2と同様に鋳鉄やアルミ合金により製造される。
高圧用のオイルポンプの場合、図2に示すようにギヤにかかる圧力を均一にするために、ポンプカバー端面には、ポンプハウジング2と同様に吸入ポートまたは吐出ポートが形成されている場合がある。ポンプカバーにはその吸入ポートまたは吐出ポートに接続する吸入路または吐出路が接続されている。
【0025】
[オイル導入口]
図2〜図4に示すようにギヤ室7の内周面にはギヤの外周にオイルを導入するオイル導入口13が形成されている。オイル導入口13はオイル導入路14を介して前記吸入路11に接続している。
図4に示すように、ギヤ室の深さDに対するオイル導入口の高さHの比(H/D)は10%以上50%以下が好ましい。50%以上であるとギヤ室内周面の面積が少なくなる。 その場合、ギヤ外周を支える面積が小さくなるので、ギヤ外周がオイル導入口13に食い込むおそれがある。食い込みがおきるとオイル導入口13の端部が剥離摩耗を起こしたり、ギヤ外周に偏摩耗が起きたりする。ギヤ室の深さDに対するオイル導入口の高さHの比(H/D)が10%未満であるとオイルの供給量が十分でなく、ギヤ外周の焼きつきがおきるおそれがある。
オイル導入口13は、吸入ポート9に対応するギヤ室内周面に形成されている。吸入ポート9に対応するギヤ室内周面とは、吸入ポート9の両端を延長した直線とギヤ室側面の交点の間の区間である。オイル導入口13の両端が吐出ポート10に近くなると、吐出ポート10からオイル導入口13にオイルが漏れ出すおそれがある。そのため、オイル導入口13の両端は、吸入ポート9に対応するギヤ室内周面に設定するのが好ましい。
ギヤ回転方向前方のオイル導入口の端部18でのギヤ室の内周面との角度を5度以上30度以下とすると、ギヤ外周へのオイルの導入が滑らかになり、オイル導入口の端部18で流れの剥離等による不具合が無くなる。さらに端部から0.5mm程度の浅い溝をギヤ回転方向前方へ延伸しても構わない。この場合も延伸した先端は、吸入ポート9の先端を越えない設定にする。
【0026】
[オイル導入路]
図2に示すようにギヤ室内周面のポンプハウジング端面15に接する位置にオイル導入口13が形成される場合、オイル導入口13と吸入路11を接続するオイル導入路14がポンプハウジング端面15に形成される。
オイル導入路14がポンプハウジング端面15に形成される場合、オイル導入路14の断面積を大きくすることができること、および、オイル導入口13とオイル導入路14を直線的に配置できるので効率的にオイルをアウターギヤ外形に導入することができる。
その他、ギヤ室内周面とポンプハウジング端面15が交わる位置にオイル導入口13が形成される場合、オイル導入口14はポンプカバー端面16に形成しても良い。オイル導入路14をポンプカバー端面16に形成するとオイル導入路の形成が容易になる。
図5〜図8に示すように、ギヤ室7の内周面の途中やギヤ室の底面20にオイル導入口13が形成される場合、ギヤ室の底面20から吸入路11に通り抜けるようにオイル導入路14を形成してもよい。このような構成にすることでポンプハウジングの製造が容易になる。
【0027】
[インナーギヤ・アウターギヤ]
内接歯車式オイルポンプ用のギヤ17は、焼結金属により製造される。ギヤ17は外歯を有するインナーギヤ4と内歯を有するアウターギヤ5を含む。各ギヤの歯形は、トロコイド歯形、サイクロイド歯形等が用いられるが特に限定されるものではない。特にアウターギヤ5の歯数がインナーギヤ4の歯数よりも1枚多いギヤ17の場合、インナーギヤ4とアウターギヤ5の歯面の間に他に歯面を支える部材がないため、アウターギヤ5が歯面に受ける圧力によりギヤ室7の内周面に押し付けられ易く、アウターギヤ5の外周に焼きつきをおこし易い。そのため、本実施の形態を適用するとアウターギヤ5の外周における焼きつきを防止する効果が高い。
【0028】
<実施例1>
以下の条件でオイルポンプを作製し、特性を評価した。
【0029】
(発明品1)
ロータ寸法:φ60mm×10mm
理論吐出量:8.5cc
ギヤの歯形:トロコイド歯形
各ギヤの歯数(インナーギヤ/アウターギヤ):9/10
各ギヤの材質:鉄系焼結金属
ポンプハウジング材質:鋳鉄
ポンプカバー材質:鋳鉄
図4に示すようにギヤ室内周面とポンプハウジング端面15が交わる位置にオイル導入口13を形成した。図2に示すようにオイル導入路14はポンプハウジング端面15に形成した。ギヤ室の深さDは10mmである。オイル導入口13の高さHを5mm(H/D=50%)とした。オイル導入路14の横幅は、吸入路11と同じ幅とした。ロータ回転方向前方のオイル導入口の端部18とギヤ室の内周面との角度θは20度とした。
【0030】
(発明品2)
図8に示すように発明品1の同一サイズのオイル導入口13をギヤ室底面20に接するように形成した。このポンプハウジングは吸入路11の上にギヤ室底面20が形成されていない。オイル導入路14はその吸入路11に接続するように形成した(図6)。その他の構成は発明品1と同様である。
【0031】
(比較品1)
オイル導入口13およびオイル導入路14が形成されていないこと以外は発明品1と同様である。
【0032】
以上のポンプについて評価試験を行った。
評価条件は、
吐出圧力(MPa):0.5、1.8、2.5
油温(℃):100
回転数(rpm):5000
使用オイル:ATF
試験時間:10時間
であり、アウターギヤ外周に1mm以上の傷が存在するかどうか、つまり焼きつきが発生するかどうかを評価した。
【0033】
【表1】
【0034】
上記評価結果から、発明品1と発明品2において1.8MPa以上の高圧でも焼付きは発生せず良好な結果となった。発明品1では、2.5MPaでも傷がなくオイルが効率的に導入されていたことが分かる。
<実施例2>
【0035】
(発明品3)
オイル導入口13の高さHを1mm(H/D=10%)とした以外は発明品1と同様である。
【0036】
(発明品4)
オイル導入口13の高さHを7mm(H/D=70%)とした以外は発明品1と同様である。
【0037】
(発明品5)
オイル導入口13の高さHを10mm(H/D=100%)とした以外は発明品1と同様である。
【0038】
発明品1、発明品3、発明品4、比較品1、および比較品2について評価試験を行った。
評価条件は、
吐出圧力(MPa):1.8、2.5
油温(℃):100
回転数(rpm):5000
使用オイル:ATF
試験時間:10時間
であり、アウターギヤ外周に1mm以上の傷が存在するかどうか、つまり焼きつきが発生するかどうかを評価した。
【0039】
【表2】
【0040】
上記評価結果から、発明品1、発明品3、発明品4および発明品5において1.8MPa以上の高圧でも焼付きが発生しなかった。発明品1と発明品3では、2.5MPaでも傷がなくオイルが効率的に導入されていたことが分かる。
<実施例3>
【0041】
(発明品6)
オイル導入口13の横幅を吸入ポート9に対応するギヤ室内周面の全域に形成した。その他の構成は発明品1と同様である。
【0042】
(発明品7)
ギヤ回転方向前方のオイル導入口の端部18を吸入ポート9の端を延長した直線とギヤ室側面の交点を越えてギヤ回転方向前方に形成した。その他の構成は発明品1と同様である。
【0043】
(発明品8)
ギヤ回転方向後方のオイル導入口の端19を吸入ポート9の端を延長した直線とギヤ室側面の交点を越えてギヤ回転方向後方に形成した。その他の構成は発明品1と同様である。
【0044】
上記ポンプについて評価実験を行った。
評価条件は、
吐出圧力(MPa):1.8、2.5
油温(℃):100
回転数(rpm):5000
使用オイル:ATF
であり、容積効率と焼付きを評価した。
【0045】
【表3】
【0046】
上記評価結果から、発明品4、5、および6共に焼付きは発生しなかったが、発明品4は比較品2および比較品3に比べて容積効率が高いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明の内接歯車式ポンプは、車のエンジンの潤滑用や自動変速機(AT)用のオイルポンプなどとして好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 オイルポンプ
2 ポンプハウジング
3 ポンプカバー
4 インナーギヤ
5 アウターギヤ
6 駆動軸
7 ギヤ室
9 吸入ポート
10 吐出ポート
11 吸入路
12 吐出路
13 オイル導入口
14 オイル導入路
15 ポンプハウジング端面
16 ポンプカバー端面
17 ギヤ
18 ギヤ回転方向前方のオイル導入口の端部
19 ギヤ回転方向後方のオイル導入口の端部
20 ギヤ室底面
D ギヤ室の深さ
H オイル導入口の高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内接歯車式オイルポンプであって、
円筒状のギヤ室(7)を有するポンプハウジング(2)と、
ポンプカバー(3)と、
前記ギヤ室(7)に収容されるインナーギヤ(4)とアウターギヤ(5)とを備え、
前記ギヤ室(7)には吸入ポート(9)と吐出ポート(10)とを含み、
前記ポンプハウジング(2)および/または前記ポンプカバー(3)は前記吸入ポート(9)と連通する吸入路(11)を有し、
前記ギヤ室(7)の内周面の深さ方向の一部にオイル導入口(13)を備え、
ここにおいて前記オイル導入口は、オイル導入路(14)を解して前記吸入路(11)と接続する
内接歯車式オイルポンプ。
【請求項2】
前記ギヤ室の深さ(D)に対する前記オイル導入口の高さ(H)の比は10%以上50%以下である請求項1に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項3】
前記吸入ポート(9)に対応する前記ギヤ室(7)の内周面に前記オイル導入口(13)を有する請求項1又は請求項2に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項4】
ポンプハウジングの端面(15)に前記オイル導入口(13)を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項5】
前記オイル導入口(13)は、前記吸入ポート(9)に接続している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項6】
ギヤ回転方向前方の前記オイル導入口の端部(18)とギヤ室(7)の内周面との角度が30度未満である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項1】
内接歯車式オイルポンプであって、
円筒状のギヤ室(7)を有するポンプハウジング(2)と、
ポンプカバー(3)と、
前記ギヤ室(7)に収容されるインナーギヤ(4)とアウターギヤ(5)とを備え、
前記ギヤ室(7)には吸入ポート(9)と吐出ポート(10)とを含み、
前記ポンプハウジング(2)および/または前記ポンプカバー(3)は前記吸入ポート(9)と連通する吸入路(11)を有し、
前記ギヤ室(7)の内周面の深さ方向の一部にオイル導入口(13)を備え、
ここにおいて前記オイル導入口は、オイル導入路(14)を解して前記吸入路(11)と接続する
内接歯車式オイルポンプ。
【請求項2】
前記ギヤ室の深さ(D)に対する前記オイル導入口の高さ(H)の比は10%以上50%以下である請求項1に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項3】
前記吸入ポート(9)に対応する前記ギヤ室(7)の内周面に前記オイル導入口(13)を有する請求項1又は請求項2に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項4】
ポンプハウジングの端面(15)に前記オイル導入口(13)を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項5】
前記オイル導入口(13)は、前記吸入ポート(9)に接続している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【請求項6】
ギヤ回転方向前方の前記オイル導入口の端部(18)とギヤ室(7)の内周面との角度が30度未満である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内接歯車式オイルポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−57561(P2012−57561A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202591(P2010−202591)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(593016411)住友電工焼結合金株式会社 (214)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(593016411)住友電工焼結合金株式会社 (214)
【Fターム(参考)】
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