説明

内燃機関

【課題】気筒の内面やピストンへの燃料の付着を抑制することが可能な内燃機関を提供する。
【解決手段】先端部13aを気筒2内に臨ませるようにして機関本体3に取り付けられ、先端部13aから広がるように燃料が噴射される燃料噴射弁13を備えた内燃機関1において、先端部13aから燃料が噴射される方向、先端部13aから噴射される燃料の広がり角度θ、及び先端部13aから噴射される燃料噴霧の噴霧長の少なくともいずれか一つは、先端部13aから噴射された燃料が最初に気筒2の内面に接触する接触位置CPを通り、かつ先端部13aから噴射された燃料の中心軸CAと直交する平面P1と先端部13aとの間の最短距離である接触距離Lが60mm以上になるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端部を気筒内に臨ませるようにして燃料噴射弁が機関本体に取り付けられた内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
先端部を気筒内に臨ませるようにして燃料噴射弁が設けられ、燃料を気筒内に直接噴射する筒内噴射式の内燃機関が知られている。例えば、吸気ポートよりも外周側に先端部が位置するように燃料噴射弁が設けられ、その先端部から燃料噴霧の中心軸線が斜め下方向になるように燃料が噴射される内燃機関が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−218603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されているような筒内噴射式の内燃機関では、燃料が噴射される方向、燃料の広がり角度、及び燃料噴霧の噴霧長が適切に設定されていないと気筒の内面やピストンに付着する燃料量が増加するおそれがある。この場合、燃料が蒸発し難くなるので、クランク室に入り込む燃料量が増加してオイルの希釈率が増加するおそれがある。特許文献1には、このような燃料の付着を抑制するために燃料をどのように噴射すべきか具体的に示されていない。
【0005】
そこで、本発明は、気筒の内面やピストンへの燃料の付着を抑制することが可能な内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内燃機関は、先端部を気筒内に臨ませるようにして機関本体に取り付けられ、前記先端部から広がるように燃料が噴射される燃料噴射弁を備えた内燃機関において、前記先端部から燃料が噴射される方向、前記先端部から噴射される燃料の広がり角度、及び前記先端部から噴射される燃料噴霧の噴霧長の少なくともいずれか一つは、前記先端部から噴射された燃料が最初に前記気筒の内面に接触する位置を通り、かつ前記先端部から噴射された燃料の中心軸と直交する平面と前記先端部との間の最短距離である接触距離が60mm以上になるように設定されている(請求項1)。
【0007】
燃料が広がるように噴射される燃料噴射弁では、一般に燃料が膜状に噴射される。膜状に噴射された燃料は分散して液滴状になり、その後さらに細かくなって微粒化する。このように燃料を微粒化するためには、燃料を気筒の内面やピストンに衝突させることなく所定の距離の間飛ばす必要がある。本発明の内燃機関によれば、接触距離を60mm以上としたので、燃料を60mm以上飛ばすことができる。これにより燃料の微粒化を促進できるので、燃料の気化を促進できる。そのため、気筒の内面やピストンへの燃料の付着を抑制できる。また、気筒の内面やピストンに燃料が付着しても微粒化されているため、燃料を速やかに気化させることができる。
【0008】
本発明の内燃機関の一形態において、前記気筒内に挿入されているピストンの頂面の裏面にオイルを噴射して前記ピストンを冷却可能なオイルジェット機構が設けられている場合の前記接触距離には、前記オイルジェット機構が設けられていない場合の前記接触距離よりも大きい値が設定されてもよい(請求項2)。周知のようにオイルジェット機構が設けられている内燃機関は、オイルジェット機構が設けられていない内燃機関と比較して機関運転時におけるピストンや気筒の内面の温度が低い。そのため、これらの付着した燃料が気化し難くなる。この形態によれば、オイルジェット機構が設けられている内燃機関では接触距離に大きい値を設定するので、燃料の微粒化がさらに促進される。これにより燃料の気化をさらに促進できるので、オイルジェット機構が設けられていても気筒の内面やピストンへの燃料の付着を抑制することができる。
【0009】
本発明の内燃機関の一形態において、前記機関本体は、前記気筒が形成されたシリンダブロックと、前記気筒の一端を塞ぐように前記シリンダブロックに取り付けられたシリンダヘッドと、を備え、前記燃料噴射弁は、前記先端部から噴射された燃料が前記気筒の中心線を斜めに横切るように前記シリンダヘッドに取り付けられ、前記先端部から燃料が噴射される方向、前記先端部から噴射される燃料の広がり角度、及び前記先端部から噴射される燃料噴霧の噴霧長の少なくともいずれか一つは、前記接触距離が60mm以上になり、かつ前記先端部から噴射されてから1ミリ秒後の燃料における前記先端部から最も遠い部分と前記先端部との間の距離を、前記先端部から噴射された燃料の中心軸を延長した仮想線上の前記先端部から前記気筒の内面までの長さで除した値である到達比が0.7以下になるように設定されていてもよい(請求項3)。この到達比は、噴射から1ミリ秒後の燃料が、先端部から燃料の噴射方向に位置する気筒の内面までの間においてどの程度まで移動したかを示している。そのため、到達比を小さくすることにより燃料が気筒の内面やピストンに付着することを抑制できるが、到達比を過度に小さくすると燃料が拡散し難くなって燃焼状態が悪化するおそれがある。この形態では、到達比を0.7以下とするので、噴射された燃料が先端部から燃料の噴射方向に位置する気筒の内面までの間の半分以上を1ミリ秒で移動していてもよい。そのため、燃焼状態を無駄に悪化させることなく燃料が気筒の内面やピストンに付着することを抑制できる。
【0010】
この形態において、前記気筒内に挿入されているピストンの頂面の裏面にオイルを噴射して前記ピストンを冷却可能なオイルジェット機構が設けられている場合の前記到達比には、前記オイルジェット機構が設けられていない場合の前記到達比よりも小さい値が設定されてもよい(請求項4)。上述したようにオイルジェット機構が設けられている内燃機関では、気筒の内面やピストンの温度が低くなる。そこで、このように到達比に小さい値を設定して気筒の内面やピストンへの燃料の付着を抑制する。
【発明の効果】
【0011】
以上に説明したように、本発明の内燃機関によれば、接触距離を60mm以上としたので、燃料の微粒化を促進することができる。これにより燃料の気化を促進できるので、気筒の内面やピストンへの燃料の付着を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一形態に係る内燃機関を概略的に示す図。
【図2】燃料噴射弁の先端部から噴射された燃料をシリンダヘッド側から見た図。
【図3】燃料噴射弁から燃料が噴射されてから経過した時間と燃料噴射弁から噴射された燃料の長さとの関係の一例を示す図。
【図4】先端部からの距離と燃料の平均粒径との関係の一例を示す図。
【図5】先端部からの距離と気筒の内面に付着する燃料量との関係の一例を示す図。
【図6】接触距離が60mmの場合の到達比とオイル希釈率との関係の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一形態に係る内燃機関を概略的に示している。内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)1は、車両に走行用動力源として搭載される火花点火式内燃機関として構成されている。エンジン1は、複数の気筒2を有する機関本体3を備えている。なお、図1では1つの気筒2のみを示す。機関本体3は、複数の気筒2が形成されたシリンダブロック4と、各気筒2の一端を塞ぐようにシリンダブロック4に取り付けられたシリンダヘッド5とを備えている。シリンダブロック4の底部には、エンジン1の各部を潤滑するためのオイルが貯溜されている。各気筒2には、ピストン6が往復動自在に挿入されている。そして、ピストン6、気筒2の壁面、及びシリンダヘッド5によって各気筒2に燃焼室7が形成されている。シリンダヘッド5には、気筒2に通じる吸気ポート8及び排気ポート9が気筒2毎に形成されている。各気筒2には、吸気ポート8を開閉するための吸気弁10及び排気ポート9を開閉するための排気弁11が設けられている。また、各気筒2には点火プラグ12が電極部を気筒2内に突出させるようにして気筒2の略中心線CL上に設けられている。
【0014】
各気筒2には、燃料噴射弁13が先端部13aを気筒2内に臨ませるようにして設けられている。この図に示すように燃料噴射弁13は、吸気ポート8が設けられている吸気側に配置されている。また、燃料噴射弁13は、先端部13aが吸気ポート8よりも外周側に位置するようにシリンダヘッド5に取り付けられている。燃料はこの先端部13aから排気ポート9が設けられている排気側に向かって噴射される。そのため、エンジン1は気筒2内に燃料を直接噴射するいわゆる筒内噴射式の内燃機関である。
【0015】
気筒2の中心線CLの方向を上下方向とし、シリンダヘッド5側を上側とした場合、燃料はこの図に示すように先端部13aから斜め下方に向けて噴射される。従って、燃料は先端部13aから気筒2の排気側の内面に向けて気筒2の中心線CLを斜めに横切るように噴射される。図2は、先端部13aから噴射された燃料(以下、燃料噴霧と称することがある。)Fを上側(シリンダヘッド側)から見た図である。なお、燃料噴霧Fのうち斜線を付した部分は、燃料が気筒2に当たらなかった場合の噴霧形状を示している。この図に示すように燃料噴霧Fは、排気側に向かうに従って広がる。その一方で燃料噴霧Fは上下方向、すなわち気筒2の中心線CLの方向には殆ど広がらない。すなわち、先端部13aからは上下方向に扁平な扇形状に燃料が噴射される。このように燃料が噴射されるため、この図に示すように燃料噴霧Fはその両端部Fsが気筒2の内面に当たる。
【0016】
このエンジン1では、接触距離Lが60mm以上になり、かつ到達比Rが0.7以下になるように先端部13aから燃料が噴射される方向、先端部13aから噴射される燃料の広がり角度θ、及び燃料噴霧Fの噴霧長が設定されている。噴霧長は、燃料噴霧Fのうち先端部13aから最も遠い部分と先端部13aとの間の距離である。接触距離Lは、燃料が最初に気筒2の内面と接触した接触位置CPを通り、かつ燃料噴霧Fの中心軸CAと直交する平面P1と先端部13aとの間の最短距離である。なお、中心軸CAは燃料噴霧Fの三次元的な中心軸であり、燃料の噴射方向を規定する直線である。到達比Rは、気筒2の直径をD、気筒2の中心線CLと直交する平面P2と燃料噴霧Fの中心軸CAとの間の角度(図1参照)をV、先端部13aから噴射されてから1ミリ秒後の燃料の先端部13aから最も遠い部分と先端部13aとの間の距離をLFとしたときに、R=LF/(D/cosV)で定義される値である。なお、D/cosVで示される値は、図1から明らかなように燃料噴霧Fの中心軸CAを延長した仮想線Liのうち先端部13aから排気側の気筒2の内面までの距離に相当する。
【0017】
次に接触距離Lを60mm以上にし、かつ到達比Rを0.7以下にする理由について説明する。図3は、燃料噴射弁13から燃料が噴射されてから経過した時間(噴射後時間)と燃料噴射弁13から噴射された燃料の長さ(噴霧長)との関係の一例を示している。この図に示すように噴霧長が60mmになる以前と以後とでは単位時間当たりの変化量が変わり、60mm以後は60mm以前よりも単位時間当たりの変化量が小さくなる。このような変化量の変化は、噴射された燃料の形状が変化することにより生じる。燃料は、先端部13aから噴射された直後は膜状をしている。この膜状の燃料は、移動するにつれて分散して液滴状に変化する。この図では、期間T1においてこのような変化が生じている。そして、液滴状に変化した燃料は、その後さらに粒径の小さい液滴に分散して微粒化する。この図では、期間T2においてこのような変化が生じている。周知のように粒径が小さくなるほど貫徹力が弱くなるので、噴霧長が伸び難くなる。この図に示すように燃料噴射弁13では噴霧長が60mmのときに単位時間当たりの変化量が小さくなるため、60mmにおいて燃料が微粒化していると考えられる。図4は、先端部13aからの距離と燃料の平均粒径(ザウター平均粒子径、SMD)との関係の一例を示している。この図に示すように燃料の平均粒径は、距離が60mm以上になると殆ど変化しない。従って、これらの図から燃料は噴射後60mm移動した時点で十分に微粒化していると考えられる。そのため、接触距離Lを60mm以上にすることによって燃料を十分に微粒化できる。これにより燃料の気化を促進できる。
【0018】
図5は、先端部13aからの距離と気筒2の内面に付着する燃料量(燃料付着量)との関係の一例を示している。この図に示すように先端部13aからの距離が大きくなるほど燃料付着量は減少する。この図に示されているように先端部13aからの距離が60mmであっても燃料は気筒2の内面に付着するが、このときの燃料は十分に微粒化しているため速やかに蒸発する。
【0019】
図6は、接触距離Lが60mmの場合の到達比Rとオイル希釈率との関係の一例を示している。オイル希釈率は、シリンダブロック4の底部に貯溜されているオイルがピストン6と気筒2の内面との間を通過した燃料で希釈された割合を示している。そのため、オイル希釈率はオイル中の燃料量が多いほど大きくなる。この図に示すように到達比Rが大きくなるほどオイル希釈率が大きくなる。そのため、オイル希釈率を小さくするためには到達比Rを小さくした方が良いが、到達比Rを過度に小さくすると燃料が拡散し難くなるため燃焼状態が悪化して全開性能が低下したり機関変動が生じたりするおそれがある。この図の許容上限値Cは、このような燃焼状態の悪化を抑制しつつ許容可能なオイル希釈率の上限値を示している。エンジン1では到達比Rを0.7以下にするので、オイル希釈率を許容上限値C以下にすることができる。
【0020】
以上に説明したように、本発明のエンジン1では接触距離Lを60mm以上としたので、燃料を十分に微粒化できる。これにより燃料の気化を促進できるので、気筒2の内面やピストン6への燃料の付着を抑制できる。また、これらの燃料が付着しても十分に微粒化されているので、その燃料を速やかに気化させることができる。そのため、付着した燃料がシリンダブロック4の底部に移動することを抑制できる。また、エンジン1では到達比Rを0.7以下としたので、オイル希釈率を低減できる。
【0021】
一般にエンジンでは、シリンダブロックの下部に形成されたクランク室と吸気通路とがPCVラインを介して接続され、クランク室から吸気通路にブローバイガスが排出されている。オイル希釈率が高いとオイルの温度が上昇したときにオイルから燃料が大量に蒸発し、それがPCVラインを介して吸気通路に排出されるおそれがある。この場合、エンジンの空燃比を目標値に制御できず、燃料供給系が正常であったとしても故障診断装置が燃料供給系に異常があると判定するおそれがある。本発明のエンジン1では、上述したようにオイルの希釈を抑制できるので、このような誤診断が生じることを防止できる。
【0022】
なお、本発明のエンジン1では、到達比Rに拘わらず接触距離Lが60mm以上になるように先端部13aから燃料が噴射される方向、先端部13aから噴射される燃料の広がり角度θ、及び燃料噴霧Fの噴霧長を設定してもよい。図6に接触距離Lを40mmとし、かつ到達比Rを0.65にした場合のオイル希釈率を点P40で示した。この図から明らかなようにこの条件ではオイル希釈率が許容上限値Cを超える。すなわち、オイル希釈率を低減するためには、到達比Rを小さくするよりも接触距離Lを大きくした方がよい。そこで、到達比Rに拘わらず接触距離Lを60mm以上とする。これにより気筒2の内面やピストン6への燃料の付着を抑制できる。また、オイル希釈率も低減できる。
【0023】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上述した形態では接触距離が60mm以上になり、到達比が0.7以下になるように燃料が噴射される方向、燃料の広がり角度、及び燃料噴霧の噴霧長を設定したが、接触距離及び到達比の調整はこれらのうちの少なくともいずれか1つを変更することによって行ってもよい。
【0024】
本発明は、ピストンの頂面の裏面側にオイルを噴射するオイルジェット機構が設けられた内燃機関に適用してもよい。周知のようにこのような内燃機関では、オイルジェット機構が設けられていない内燃機関と比較して機関運転時におけるピストンや気筒の内面の温度が低くなる。そのため、これらの部分に付着した燃料が気化し難くなる。そこで、本発明をオイルジェット機構が設けられている内燃機関に適用する場合は、オイルジェット機構が設けられていない内燃機関に適用する場合よりも接触距離に大きい値を設定する。これによりピストンや気筒の内面への燃料の付着を適切に抑制できるため、燃料によるオイルの希釈を抑制できる。また、このような内燃機関に本発明を適用する場合にはオイルジェット機構が無い内燃機関に適用する場合よりも到達比に小さい値を設定する。これにより燃料によるオイルの希釈をさらに抑制できる。
【符号の説明】
【0025】
1 内燃機関
2 気筒
3 機関本体
4 シリンダブロック
5 シリンダヘッド
6 ピストン
13 燃料噴射弁
13a 先端部
θ 燃料の広がり角度
L 接触距離
CA 燃料の中心軸
Li 燃料の中心軸を延長した仮想線
CL 気筒の中心線
R 到達比
CP 先端部から噴射された燃料が最初に気筒の内面に接触する接触位置
P1 接触位置を通り、かつ先端部から噴射された燃料の中心軸と直交する平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部を気筒内に臨ませるようにして機関本体に取り付けられ、前記先端部から広がるように燃料が噴射される燃料噴射弁を備えた内燃機関において、
前記先端部から燃料が噴射される方向、前記先端部から噴射される燃料の広がり角度、及び前記先端部から噴射される燃料噴霧の噴霧長の少なくともいずれか一つは、前記先端部から噴射された燃料が最初に前記気筒の内面に接触する位置を通り、かつ前記先端部から噴射された燃料の中心軸と直交する平面と前記先端部との間の最短距離である接触距離が60mm以上になるように設定されていることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記気筒内に挿入されているピストンの頂面の裏面にオイルを噴射して前記ピストンを冷却可能なオイルジェット機構が設けられている場合の前記接触距離には、前記オイルジェット機構が設けられていない場合の前記接触距離よりも大きい値が設定される請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記機関本体は、前記気筒が形成されたシリンダブロックと、前記気筒の一端を塞ぐように前記シリンダブロックに取り付けられたシリンダヘッドと、を備え、
前記燃料噴射弁は、前記先端部から噴射された燃料が前記気筒の中心線を斜めに横切るように前記シリンダヘッドに取り付けられ、
前記先端部から燃料が噴射される方向、前記先端部から噴射される燃料の広がり角度、及び前記先端部から噴射される燃料噴霧の噴霧長の少なくともいずれか一つは、前記接触距離が60mm以上になり、かつ前記先端部から噴射されてから1ミリ秒後の燃料における前記先端部から最も遠い部分と前記先端部との間の距離を、前記先端部から噴射された燃料の中心軸を延長した仮想線上の前記先端部から前記気筒の内面までの長さで除した値である到達比が0.7以下になるように設定されている請求項1又は2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記気筒内に挿入されているピストンの頂面の裏面にオイルを噴射して前記ピストンを冷却可能なオイルジェット機構が設けられている場合の前記到達比には、前記オイルジェット機構が設けられていない場合の前記到達比よりも小さい値が設定される請求項3に記載の内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−2435(P2013−2435A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138151(P2011−138151)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】