説明

内線番号管理方法及び内線番号管理装置

【課題】ホームネットワークに接続された番号体系の異なる電話機間での内線通話を実現する。
【解決手段】UPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)に対して内線番号(数字)を割り当てて、内線番号変換テーブル16に登録しておき、レガシー電話機2からUPnP Telephony電話機3に内線電話をかける際には、UPnP Telephony電話機3に割り当てた内線番号(数字)をダイヤルし、HGW1が内線番号変換テーブル16を検索してその内線番号(数字)をUPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)に変換する。これにより、レガシー電話機2とUPnP Telephony電話機3との間で内線電話により通話することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番号体系の異なる電話機間で内線通話を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電機器がUPnP(Universal Plug and Play)に対応し、容易にホームネットワークに接続することができるようになり、様々な家電機器がホームネットワークに接続されている。UPnP Telephonyとして、音声電話、テレビ電話、データ通信などの電話系サービスをホームネットワーク上の家電機器から簡単に利用できる仕組みの標準化も行われている。UPnP Telephonyに対応することで、例えば、ネットワーク対応テレビから電話をかけたり、電話機で通話しながら、ネットワーク対応テレビで相手の映像をみることが可能となる。
【0003】
今後は、UPnP Telephonyに対応した機器(以下、UPnP Telephony電話機と称する)がホームネットワーク上に増えていくものと思われる。当面は、アナログ電話機やIP電話機などの既存電話端末(以下、レガシー電話機と称する)と、UPnP Telephony電話機が家庭内に混在する環境となると思われる。そのため、レガシー電話機とUPnP Telephony電話機との間の内線電話の相互接続が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−269034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レガシー電話機とUPnP Telephony電話機とは番号体系が異なるため、レガシー電話機からUPnP Telephony電話機に内線電話をかけることができないという問題があった。具体的には、レガシー電話機の番号体系は数字であり、UPnP Telephony電話機の番号体系は文字列であることから、UPnP Telephony電話機からレガシー電話機に対して内線電話をかける場合は、レガシー電話機の内線番号を文字列として扱うことで可能であるが、レガシー電話機からUPnP Telephony電話機に内線電話をかけることはできない。
【0006】
特許文献1では、内線発信時に発番号を外線電話番号ではなく内線電話番号に置き換えているが、内線と外線で番号体系が同じことが前提であり、異なる番号体系は利用できない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ホームネットワークに接続された番号体系の異なる電話機間での内線通話を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係る内線番号管理方法は、番号体系の異なる電話機間の内線番号を管理する内線番号管理方法であって、文字列を番号体系とする電話機から文字列の内線番号の登録を受け付けるステップと、前記受け付けるステップにおいて受け付けた前記文字列の内線番号に対して数字の内線番号を割り当て、蓄積手段に格納された文字列の番号体系と数字の番号体系とを対応付けた内線番号変換テーブルに受け付けた前記文字列の内線番号と割り当てた前記数字の内線番号を対応付けて登録するステップと、数字の内線番号に対する発呼を着信した際に、当該数字の内線番号を前記蓄積手段から検索して対応する文字列の内線番号を取得するステップと、前記文字列の内線番号を取得するステップにおいて取得した前記文字列の内線番号が付与された電話機に対して発呼するステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
上記内線番号管理方法において、前記発呼するステップは、前記文字列の内線番号を取得するステップにおいて前記文字列の内線番号が取得できないときは、前記数字の内線番号が付与された電話機に対して発呼することを特徴とする。
【0010】
上記内線番号管理方法において、前記蓄積手段から前記内線番号変換テーブルを読み出し、前記文字列を番号体系とする電話機に通知するステップをさらに有することを特徴とする。
【0011】
第2の本発明に係る内線番号管理装置は、番号体系の異なる電話機間の内線番号を管理する内線番号管理装置であって、文字列の番号体系と数字の番号体系とを対応付けた内線番号変換テーブルを格納する蓄積手段と、文字列を番号体系とする電話機から文字列の内線番号の登録を受け付ける登録手段と、前記登録手段が受け付けた前記文字列の内線番号に対して数字の内線番号を割り当て、前記蓄積手段に前記文字列の内線番号と前記数字の内線番号を対応付けて登録する割当手段と、数字の内線番号に対する発呼を着信した際に、当該数字の内線番号を前記蓄積手段から検索して対応する文字列の内線番号を取得する変換手段と、前記変換手段が取得した前記文字列の内線番号が付与された電話機に対して発呼する呼制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記内線番号管理装置において、前記呼制御手段は、前記変換手段が前記文字列の内線番号が取得できないときは、前記数字の内線番号が付与された電話機に対して発呼することを特徴とする。
【0013】
上記内線番号管理装置において、前記蓄積手段から前記内線番号変換テーブルを読み出し、前記文字列を番号体系とする電話機に通知する通知手段をさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホームネットワークに接続された番号体系の異なる電話機間での内線通話を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態における内線番号管理装置を備えたホームゲートウェイの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示すホームゲートウェイに登録された内線番号変換テーブルの例を示す図である。
【図3】図1に示すホームゲートウェイの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態における内線番号管理装置を備えたホームゲートウェイ(Home Gateway:HGW)の構成を示す機能ブロック図である。HGW1には、ホームネットワークを介して、レガシー電話機2、UPnP Telephony電話機3が接続される。図1では、レガシー電話機2、UPnP Telephony電話機3それぞれを1台のみ接続しているが、もちろん、複数台のレガシー電話機2、UPnP Telephony電話機3を接続してもよい。
【0018】
レガシー電話機2は、アナログ電話機やSIP(Session Initiation Protocol)を用いて呼制御を行うIP電話機などのように、0AB−J番号のような数字のみで構成される電話番号を利用する電話端末である。
【0019】
UPnP Telephony電話機3は、電話番号として、英数字やひらがな、漢字、記号などの文字列を利用する電話端末である。
【0020】
次に、HGW1について説明する。図1に示すHGW1は、第1割当部11、管理部12、第2割当部13、呼制御部14、宛先変換部15、および内線番号変換テーブル16を備える。
【0021】
第1割当部11は、HGW1に接続されたレガシー電話機2に対して内線番号(数字)を割り当てて管理する。レガシー電話機2に割り当てた内線番号(数字)は、内線番号(数字)を文字列に変換した内線番号(文字列)と対応付けて内線番号変換テーブル16に登録される。内線番号変換テーブル16に登録されるデータについては後述する。
【0022】
管理部12は、UPnP Telephony電話機3から内線番号(文字列)の登録を受け付けて、第2割当部13に入力し、第2割当部13から割り当てられた内線番号(数字)を受信し、UPnP Telephony電話機3に対し、割り当てられた内線番号(数字)の通知する。また、ホームネットワーク上に存在するUPnP Telephony電話機3に対し、内線番号変換テーブル16で管理している内線番号(数字)と内線番号(文字列)の組み合わせの通知を行う。
【0023】
第2割当部13は、管理部12がUPnP Telephony電話機3から内線番号(文字列)の登録を受け付けたとき、内線番号変換テーブル16で管理されている内線番号(数字)のうち、まだ割り当てられていない内線番号(数字)を探索し、内線番号(文字列)の登録を要求したUPnP Telephony電話機3の内線番号(数字)として割り当てて、内線番号変換テーブル16に、UPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)、内線番号(数字)の組み合わせを登録するとともに、割り当てられた内線番号(数字)を管理部12に入力する。過去に登録があったUPnP Telephony電話機3から、再度登録要求があった場合は、過去に割り当てた内線番号(数字)と同一値を、当該内線番号(文字列)に対して割り当てる。
【0024】
呼制御部14は、レガシー電話機2、UPnP Telephony電話機3からの内線電話発信を処理する。内線電話発信を処理する場合、発信先の内線番号(数字)を宛先変換部15に入力し、宛先変換部15から受信した宛先が内線番号(文字列)の場合は、該当するUPnP Telephony電話機3に対して発呼する。宛先変換部15から受信した宛先が内線番号(数字)の場合は、該当するレガシー電話機2に対して発呼する。
【0025】
宛先変換部15は、呼制御部14から入力された発信先の内線番号(数字)に対応する内線番号(文字列)を内線番号変換テーブル16から検索し、該当する内線番号(文字列)が存在する場合で、電話機の種別がUPnP Telephony電話機の場合は、その内線番号(文字列)を呼制御部14に出力する。該当する内線番号(文字列)が存在しない場合、あるいは、発信先の内線番号(数字)の電話機の種別がレガシー電話機の場合は、該当する内線番号(文字列)が存在しない旨、あるいは、発信先の内線番号(数字)を呼制御部14に出力する。
【0026】
内線番号変換テーブル16は、内線番号(数字)と内線番号(文字列)の対応を管理する。図2に、内線番号変換テーブル16の例を示す。同図では、内線番号(番号)の「1」「2」は、レガシー電話機2に割り当てられ、内線番号(番号)の「3」は内線番号(文字列)が「PDA@Alice」のUPnP Telephony電話機3に、内線番号(番号)の「4」は内線番号(文字列)が「PDA@Bob」のUPnP Telephony電話機3に割り当てられている。なお、内線番号変換テーブル16には、端末種別がUPnP Telephony電話機の内線番号(数字)、内線番号(文字列)のみを記憶しておき、宛先変換部15は、内線番号(数字)に対応する内線番号(文字列)を検索したときに、該当する内線番号(文字列)が存在しない場合は、レガシー電話機2に割り当てた内線番号(数字)であると判断してもよい。
【0027】
次に、本実施の形態における内線番号管理装置の動作について説明する。
【0028】
図3は、本実施の形態における内線番号管理装置を備えたHGW1が内線番号を登録する処理、及び内線の呼制御を行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【0029】
まず、内線番号を登録する処理について説明する。
【0030】
UPnP Telephony電話機3が登録したい内線番号(文字列)を送信して、内線番号の登録を要求する(ステップS11)。図3に示す例では、UPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)として「PDA@Alice」を送信する。
【0031】
HGW1は、受信した内線番号(文字列)が他のUPnP Telephony電話機によってすでに利用されていないことを確認し、まだ割り当てられてない内線番号(数字)を割り当てて、受信した内線番号(文字列)と割り当てた内線番号(数字)を対応付けて内線番号変換テーブル16に登録する(ステップS12)。図3に示す例では、UPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)である「PDA@Alice」と割り当てられた内線番号(数字)である「3」の組みが内線番号変換テーブル16に登録される。
【0032】
そして、HGW1は、登録の成否と割り当てた内線番号(数字)をUPnP Telephony電話機3に送信する(ステップS13)。これにより、UPnP Telephony電話機3に内線番号(数字)「3」が付与され、レガシー電話機2からも内線番号(数字)「3」をダイヤルすることでUPnP Telephony電話機3との間で内線電話で通話することができる。
【0033】
なお、UPnP Telephony電話機3に内線番号(数字)を割り当てた場合、HGW1は、内線番号変換テーブル16を読み出し、UPnPを利用して、ホームネットワーク上に存在する全てのUPnP Telephony電話機3に通知する。もちろん、内線番号変換テーブル16の内容を定期的に通知するものでもよいし、求めに応じて通知するものでもよい。内線番号(文字列)と内線番号(数字)の対応を通知することにより、ユーザは、内線番号(文字列)と内線番号(数字)との対応関係を知ることができる。したがって、上記ステップS13では登録の成否のみをUPnP Telephony電話機3に送信するだけでもよい。
【0034】
レガシー電話機2に内線番号(数字)を割り当てる場合は、まず、レガシー電話機2が内線番号(数字)の払い出し要求を送信する(ステップS21)。
【0035】
HGW1は、内線番号(数字)の払い出し要求を受信すると、まだ割り当てられてない内線番号(数字)をレガシー電話機2に割り当てる(ステップS22)。レガシー電話機2に割り当てた内線番号(数字)は、その内線番号(数字)を文字列に変換した内線番号(文字列)と組みにして内線番号変換テーブル16に登録される。図3に示す例では、レガシー電話機2に対して「1」を割り当てた。
【0036】
そして、HGW1は、割り当てた内線番号(数字)をレガシー電話機2に払い出す(ステップS23)。これにより、レガシー電話機2に内線番号(数字)「1」が付与される。
【0037】
続いて、レガシー電話機2からUPnP Telephony電話機3に対して内線電話をかけて通話する処理の流れについて説明する。
【0038】
レガシー電話機2からUPnP Telephony電話機3に対して内線電話をかける場合、UPnP Telephony電話機3に付与された内線番号(数字)をダイヤルして発呼する(ステップS31)。図3に示す例では、UPnP Telephony電話機3に付与された内線番号(数字)「3」をダイヤルして発呼した。
【0039】
HGW1は、相手の内線番号(数字)を内線番号変換テーブル16から検索して該当する内線番号(文字列)を取得し(ステップS32)、取得した内線番号(文字列)に対して発呼する(ステップS33)。図3に示す例では、内線番号(数字)「3」に対応付けられた内線番号(文字列)「PDA@Alice」を内線番号変換テーブル16から検索し、内線番号(文字列)「PDA@Alice」に対応するUPnP Telephony電話機3に対して発呼した。
【0040】
そして、UPnP Telephony電話機3に着信すると、UPnP Telephony電話機3がオフフックされて応答を返し(ステップS34)、UPnP Telephony電話機3とレガシー電話機2との間で内線通話が行われる(ステップS35)。
【0041】
なお、UPnP Telephony電話機3からレガシー電話機2へ発信した場合は、内線番号(文字列)を内線番号(数字)に変換することで内線通話を行うことができる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態によれば、UPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)に対して内線番号(数字)を割り当てて、内線番号変換テーブル16に登録しておき、レガシー電話機2からUPnP Telephony電話機3に内線電話をかける際には、UPnP Telephony電話機3に割り当てた内線番号(数字)をダイヤルし、HGW1が内線番号変換テーブル16を検索してその内線番号(数字)をUPnP Telephony電話機3の内線番号(文字列)に変換することで、レガシー電話機2とUPnP Telephony電話機3との間で内線電話により通話することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…HGW
11…第1割当部
12…管理部
13…第2割当部
14…呼制御部
15…宛先変換部
16…内線番号変換テーブル
2…レガシー電話機
3…UPnP Telephony電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番号体系の異なる電話機間の内線番号を管理する内線番号管理方法であって、
文字列を番号体系とする電話機から文字列の内線番号の登録を受け付けるステップと、
前記受け付けるステップにおいて受け付けた前記文字列の内線番号に対して数字の内線番号を割り当て、蓄積手段に格納された文字列の番号体系と数字の番号体系とを対応付けた内線番号変換テーブルに受け付けた前記文字列の内線番号と割り当てた前記数字の内線番号を対応付けて登録するステップと、
数字の内線番号に対する発呼を着信した際に、当該数字の内線番号を前記蓄積手段から検索して対応する文字列の内線番号を取得するステップと、
前記文字列の内線番号を取得するステップにおいて取得した前記文字列の内線番号が付与された電話機に対して発呼するステップと、
を有することを特徴とする内線番号管理方法。
【請求項2】
前記発呼するステップは、前記文字列の内線番号を取得するステップにおいて前記文字列の内線番号が取得できないときは、前記数字の内線番号が付与された電話機に対して発呼することを特徴とする請求項1記載の内線番号管理方法。
【請求項3】
前記蓄積手段から前記内線番号変換テーブルを読み出し、前記文字列を番号体系とする電話機に通知するステップをさらに有することを特徴とする請求項1又は2記載の内線番号管理方法。
【請求項4】
番号体系の異なる電話機間の内線番号を管理する内線番号管理装置であって、
文字列の番号体系と数字の番号体系とを対応付けた内線番号変換テーブルを格納する蓄積手段と、
文字列を番号体系とする電話機から文字列の内線番号の登録を受け付ける登録手段と、
前記登録手段が受け付けた前記文字列の内線番号に対して数字の内線番号を割り当て、前記蓄積手段に前記文字列の内線番号と前記数字の内線番号を対応付けて登録する割当手段と、
数字の内線番号に対する発呼を着信した際に、当該数字の内線番号を前記蓄積手段から検索して対応する文字列の内線番号を取得する変換手段と、
前記変換手段が取得した前記文字列の内線番号が付与された電話機に対して発呼する呼制御手段と、
を有することを特徴とする内線番号管理装置。
【請求項5】
前記呼制御手段は、前記変換手段が前記文字列の内線番号が取得できないときは、前記数字の内線番号が付与された電話機に対して発呼することを特徴とする請求項4記載の内線番号管理装置。
【請求項6】
前記蓄積手段から前記内線番号変換テーブルを読み出し、前記文字列を番号体系とする電話機に通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項4又は5記載の内線番号管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−191328(P2012−191328A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51625(P2011−51625)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】