説明

内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム

内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンは、フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前側のユーザへの提示のために、視覚イメージを表示する。第1のイルミネータは、可視光で前記ディスプレイ・スクリーンを照らす。第2のイルミネータは、対象を照らす。カメラは、照らされた対象と前記視覚イメージとの相互作用を検知し、前記カメラが、前記スクリーンを通して前記対象を見ることができるように作動する。コンピュータシステムは、前記ディスプレイ・スクリーンに、前記相互作用に応じて前記視覚イメージを変えるように指示する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2002年5月28日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“INTERACTIVE VIDEO DISPLAY SYSTEM”というタイトルの同時係属中の米国特許出願第10/160,217号からの優先権を主張する一部継続特許出願であり、該出願は、参照により本明細書に組み込まれる。また、この出願は、2003年9月18日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“SELF−CONTAINED INTERACTIVE VIDEO DISPLAY SYSTEM”というタイトルの同時係属中の米国仮特許出願第60/504,375号から、2003年10月24日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“METHOD AND SYSTEM FOR PROCESSING CAPTURED IMAGE INFORMATION IN AN INTERACTIVE VIDEO SYSTEM”というタイトルの同時係属中の米国仮特許出願第60/514,024号から、2003年12月9日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“SELF−CONTAINED INTERACTIVE VIDE DISPLAY SYSTEM AND FEATURES RELATING THERETO”というタイトルの同時係属中の米国仮特許出願第60/528,439号から、および2004年3月18日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBell et al.による“METHOD AND SYSTEM FOR ALLOWING A CAMERA TO VIEW AN AREA IN FRONT OF A DISPLAY BY IMAGING IT THROUGH THE DISPLAY”というタイトルの同時係属中の米国仮特許出願第60/554,520号から優先権を主張し、これら全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本文書は、ビジュアル電子ディスプレイの分野に関する。具体的には、ここで説明する実施形態は、内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムに関する。
【背景技術】
【0003】
長年にわたって、情報は、典型的には、静的ディスプレイを用いてオーディエンスに伝達された。例えば、商品広告は、印刷広告やポスターを用いて提示された。テレビや映画の登場に伴って、情報は、動的ディスプレイ(例えば、コマーシャル)を用いて提示できるようになった。静的ディスプレイよりも魅力的ではあるが、動的ディスプレイは、典型的には、ユーザと該ディスプレイとの間の双方向性を実現できない。
【0004】
最近になって、インタラクティブ・タッチスクリーンが、情報を平面上に表示するのに用いられてきている。例えば、イメージをタッチスクリーン上に表示することができ、また、ユーザは、該タッチスクリーンに触れて、該イメージを変えることにより、該イメージと対話することができる。しかし、該タッチスクリーン上に表示されたイメージと対話するために、該ユーザは、該タッチスクリーンに実際に触れなければならない。また、典型的には、タッチスクリーンは、どんなときにも1つの入力を受取ることしかできず、該入力の形態を識別することができない。本質的に、現在のタッチスクリーンは、一本指接触の入力を受取ることしかできない。
【0005】
店舗販売、小売広告、プロモーション、アーケードの催し場所等の使用目的によっては、情報をユーザに対して表示するインタラクティブ・インタフェースを提供することが望ましい。この双方向性は、情報を提示する、より魅力的なインタフェース(例えば、媒体、広告等)を提供する。ちょっとの間だけでも人の注目を捉えることにより、人は、従来のディスプレイよりも、該インタラクティブ・ディスプレイに表示された情報を吸収しやすくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、現在のインタラクティブ・ディスプレイは、典型的には、ユーザがタッチスクリーン表面に物理的に触れることを必要とする。双方向性を提供するにはタッチスクリーンとの接触を要するため、多数の潜在的なユーザは、現在のインタラクティブ・ディスプレイに興味を持たず、あるいは、該ディスプレイを敬遠する。また、一度に、1人のユーザのみがタッチスクリーンと対話することができるため、多くのユーザは、排除される。さらに、現在のタッチスクリーンは、入力の形態を識別できないため、対話に応答して表示できる情報の種類が限定されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な実施形態、すなわち、内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムを本明細書において説明する。フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前面のユーザへの提示のために、視覚イメージを表示する。一実施形態において、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)パネルである。第1のイルミネータは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを可視光で照らす。一実施形態において、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、該第1のイルミネータのグレアを低減する拡散スクリーンをさらに備え、より均一に該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを照らす。第2のイルミネータは、対象を照らす。一実施形態において、該対象は、人であるユーザの体の一部である。一実施形態において、該第2のイルミネータは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して該対象に照明を投影する。一実施形態において、該第2のイルミネータは、上記カメラに対するグレアの影響の可能性を低減するように配置されている。一実施形態において、該第2のイルミネータは、該第2のイルミネータが、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して照明を投影しないように、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置されている。一実施形態において、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、複数の該第2のイルミネータを備え、該第2のイルミネータは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して、および該スクリーンの後ろに配置されている。一実施形態において、該第2のイルミネータは、該カメラの露出に合わせてストローブされる。
【0008】
カメラは、照らし出された対象と上記視覚イメージとの相互作用を検知し、該カメラは、上記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して該対象を見ることができるように機能する。一実施形態において、該第2のイルミネータは、赤外線照明で該対象を照らす赤外線イルミネータであり、該カメラは、赤外線照明を検知する赤外線カメラである。一実施形態において、該カメラは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置されて、該スクリーンに向けられており、該カメラが、該スクリーン上及び該スクリーンの前の領域を見ることを可能にする。一実施形態において、該カメラのイメージは、該対象によって引き起こされる相互作用が、該スクリーンに隣接する該対象の物理的位置に整合するように、該視覚イメージに対して較正される。一実施形態において、該カメラ及び該第2のイルミネータは、タイムオブフライト型カメラを備える。一実施形態においては、複数のタイムオブフライト型カメラが、該ディスプレイの前の領域の完全なカバレージを実行できるように配置され、また、該スクリーンによる該タイムオブフライト型カメラへの鏡面反射を防ぐように角度が付けられている。
【0009】
コンピュータシステムは、上記プロジェクタに、上記相互作用に応じて該視覚イメージを変えるように指示する。一実施形態において、上記カメラ、上記第1のイルミネータ、上記第2のイルミネータ及び該コンピュータシステムは、1つのエンクロージャ内に備えられており、該エンクロージャの1つの側部は、上記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを備える。
【0010】
一実施形態において、上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、上記カメラの視野の歪みを補正するために、上記スクリーンから一定距離に配置された一連のミラーストリップをさらに備える。別の実施形態においては、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・ディスプレイ・システムは、該カメラの視野の歪みを補正するために、該スクリーンに隣接して配置されたフレネルレンズをさらに備える。一実施形態において、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された波長ベースの拡散板をさらに備える。一実施形態において、該拡散板は、赤外光に対して実質的に透過性であり、また、可視光に対して実質的に半透過性である。別の実施形態においては、該拡散板は、レイリー散乱を伴う材料である。一実施形態において、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された物理的テクスチャーを有する拡散板をさらに備え、該拡散板は、斜角で該拡散板を通過する光に対して実質的に半透過性であり、また、実質的に直角で該拡散板を通過する光に対して実質的に透過性であり、上記第1のイルミネータは、該拡散板に対して斜角で配置されている。
【0011】
一実施形態において、上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、上記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置され、かつ上記第1のイルミネータからの光を散乱させる散乱偏光子をさらに備え、上記カメラは、該散乱偏光子によって散乱されない偏光の光に対して感度が良い。一実施形態において、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンは液晶ディスプレイパネルである場合、該散乱偏光子は、該散乱偏光子が光を散乱させる方向に偏光された光が該液晶ディスプレイパネルを通過し、該散乱偏光子が光を散乱させない方向に偏光された光が、該液晶ディスプレイパネルによって吸収されるように、方向付けられている。別の実施形態においては、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、該カメラが、該散乱偏光子によって散乱される光を無視できるように、該カメラが敏感な波長で該カメラに受光された光を偏光させる直線偏光子をさらに備える。一実施形態において、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、実質的に半透過性から実質的に透過性に変化することができ、該第1のイルミネータが該ディスプレイを照らしているときには実質的に半透過性であり、該カメラが、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前の対象を検知しているときには実質的に透過性である拡散材料をさらに備え、該拡散材料は、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置されている。
【0012】
一実施形態において、上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、該対象の該スクリーンからの距離に関する情報を決定するように機能する。一実施形態において、上記カメラは、ステレオカメラである。別の実施形態においては、該カメラは、タイムオブフライト型カメラである。一実施形態において、該タイムオブフライト型カメラは、該タイムオブフライト型カメラがそれ自体へ戻して反射しないように配置される。
【0013】
一実施形態において、上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、上記対象が上記スクリーンに隣接している場合に、タッチスクリーン機能性を提供する。一実施形態において、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムはさらに、該スクリーンの前面に隣接する透過型タッチスクリーンを備える。別の実施形態においては、該内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムはさらに、該スクリーンの前面に隣接する縁部が照射される透過性シートを備え、上記カメラは、該対象が、該縁部が照射される透過性シートに接触したときに生成される光を識別するように機能する。
【0014】
別の実施形態においては、本発明は、内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムを用いてインタラクティブ・視覚イメージを提示する方法を提供する。視覚イメージは、スクリーン上に投影され、該視覚イメージは、該スクリーンの前面のユーザへの提示のために、該スクリーンの裏面に投影される。該スクリーンの前面近くの対象が照らされる。該対象と該視覚イメージとの相互作用が検知され、該スクリーンは、該対象を該スクリーンを通して検知できるように、光に対して少なくとも部分的に透過性である。該視覚イメージは、該相互作用に応じて変化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の様々な実施形態、すなわち、その実施例が添付図面に示されている、第2の電子デバイスの周囲での対象の存在をモニタリングする電子デバイスについて詳細に説明する。本発明をそれらの実施形態に関して説明するが、該実施形態は、本発明をそれらの実施形態に限定しようとするものではないことは理解されよう。むしろ本発明は、添付の請求項によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれる代替例、変更例及び等価物をカバーしようとするものである。さらに、本発明に関する以下の詳細な説明においては、本発明の完全な理解を可能にするために、多数の特定の詳細が記載されている。しかし、当業者は、本発明をそれらの特定の詳細を要することなく実施することができることを認識するであろう。他の事例において、周知の方法、処理手順、コンポーネント及び回路は、本発明の態様を不必要に分かりにくくしないように、詳細に説明されていない。
【0016】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、処理手順、ステップ、論理ブロック、処理、およびコンピュータメモリ上で実行することができるデータビットに関する動作の他の記号表現に関して示されている。それらの説明及び表現は、作用の内容を当業者に有効に伝えるために、データ処理技術において当業者により用いられる手段である。処理手順、コンピュータが実行するステップ、論理ブロック、プロセス等は、ここでは及び一般に、所望の結果につながるステップまたは命令からなる自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。該ステップは、物理量の物理的処理を要するステップである。通常、必ずしもそうではないが、それらの量は、コンピュータシステムにおいて、格納する、転送する、結合する、比較するおよび他の方法で処理することが可能な電気的または磁気的信号の形をとる。それらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、項、数等と呼ぶことは、一般的に有利である場合があることが分かっている。
【0017】
しかし、それらの全て及び同様の用語は、適当な物理量と関連付けられ、および、単にそれらの量に適用される便利なラベルであると考えるべきである。以下の考察から明らかなように、別に具体的に述べない限り、本発明の全体を通して、“投影する”または“検知する”または“変化する”または“照らす”または“補正する”または“なくす”等の用語を用いる考察が、電子システム(例えば、図1のインタラクティブ・ビデオ・システム100)または該電子デバイスのレジスタやメモリ内の物理的(電子的)量として表されたデータを処理し、かつ該データを、該電子デバイスのメモリまたはレジスタあるいは他のそのような情報蓄積、伝送または表示デバイス内の物理量として同様に表された他のデータに変換する同様の電子計算デバイスの動作及びプロセスを指すことは正しく認識されよう。
【0018】
本発明の様々な実施形態、すなわち内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムについて本明細書で説明する。一実施形態において、フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンは、フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前側のユーザへの提示のために、視覚イメージを表示する。第1のイルミネータは、可視光で前記ディスプレイ・スクリーンを照らす。第2のイルミネータは、対象を照らす。カメラは、照らされた対象と前記視覚イメージとの相互作用を検知し、前記カメラが、前記スクリーンを通して前記対象を見ることができるように作動する。コンピュータシステムは、前記ディスプレイ・スクリーンに、前記相互作用に応じて前記視覚イメージを変えるように指示する。
【0019】
インタラクティブ・ビデオ・プロジェクション・システム
次に、本発明を、1つ以上の例示的な実施形態のかたちで説明する。1つの例示的な実施形態によれば、図1に示すようなインタラクティブ・ビデオ・システム100が提供される。インタラクティブ・ビデオ・システム100は、可視光を遮断するフィルタを備えるカメラ115と、カメラ115から見えるスクリーン130を照らすイルミネータ125と、イメージをスクリーン130のインタラクティブスペース上に投影するプロジェクタ120と、カメラ115のイメージを入力として受取り、ビデオイメージをプロジェクタ120へ出力するコンピュータ110とを使用する。一実施形態において、イルミネータ125は、赤外線イルミネータであり、カメラ115は、イルミネータ125の赤外光によって照らされたイメージを記録するように機能する赤外線カメラである。カメラ115及びイルミネータ125を、見えない光であって、赤外光に限定されない光の何らかの形態を用いて作動するように構成することができることを認識すべきである。
【0020】
コンピュータ110は、カメラ115の入力を処理して、ピクセルごとの基準で、スクリーン130の前の空間のどの部分が人(または動く物体)で占められているか、及びスクリーン130のどの部分が背景であるかを識別する。コンピュータ110は、背景がらしく見えるかといういくつかの生成モデルを展開した後、該背景のそのコンセプトをカメラ115が現在見ているものと比較することにより、このことを実現する。代替的に、カメラ115の入力を処理するコンピュータ110のコンポーネントは、視覚システムとして公知である。この視覚システムの様々な実施形態は、2002年5月28日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“INTERACTIVE VIDEO DISPLAY SYSTEM”というタイトルの同時係属中の米国特許出願第10/160,217号、2003年9月18日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“SELF−CONTAINED INTERACTIVE VIDEO DISPLAY SYSTEM”というタイトルの同時係属中の米国仮特許出願第60/504,375号、及び2003年10月24日に提出され、本願の譲受人に譲渡されたBellによる“METHOD AND SYSTEM FOR PROCESSING CAPTURED IMAGE INFORMATION IN AN INTERACTIVE VIDEO SYSTEM”というタイトルの同時係属中の米国仮特許出願第60/514,024号に記載されており、これらの明細書の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
該生成される背景は、上記システムを、ライティングの変化、上記スクリーン上の擦り傷及び他の障害に対して復元力があるため、上記視覚の重要な部分である。該視覚システムの出力は、エフェクトエンジンに送り込まれる白黒マスクイメージであり、該エフェクトエンジンは、コンピュータ110上でも作動する。該エフェクトエンジンは、インタラクティブ・グラフィックをスクリーン130上に生成するアプリケーションを実行する。アーチストは、幅広い種類のエフェクトコンポーネント及びスクリプト記述を用いてエフェクトをデザインすることができ、該エフェクトは、多種多様のインタラクティブ・エクスペリエンスを生成することを可能にする。そして、該エフェクトエンジンにより生成されたイメージは、プロジェクタ120へ出力される。
【0022】
インタラクティブ・ビデオ・システム100の全ての電子コンポーネント(例えば、カメラ115、プロジェクタ120、コンピュータ110及びイルミネータ125)は、スクリーン130の一方側にあり、一方、ユーザとの対話は、スクリーン130の他方側で行われることが望ましい。一実施形態において、スクリーン130は、イメージをスクリーン130の表面に形成できるように、プロジェクタ120の光に対して部分的に半透過性である。しかし、スクリーン130は、カメラ115が、スクリーン130の反対側の対象を見ることができるように、カメラ115に対して部分的に透過性でもある。この明細書の全体を通して使われている透過性及び半透過性という用語は、それぞれ、少なくとも部分的に透過性および/または半透過性ということを意味するように定義されることを認識すべきである。また、この明細書の全体を通して使われている“散乱した”及び“散乱していない”という用語は、それぞれ、“実質的に散乱した”及び“実質的に散乱していない”ということを意味するように定義されることを認識すべきである。そしてまた、この明細書の全体を通して使われている“拡散した”及び“拡散していない”という用語は、それぞれ、“実質的に拡散した”及び“実質的に拡散していない”ということを意味するように定義されることを認識すべきである。
【0023】
図1は、本発明の例示的な実施形態のコンポーネントの一つの物理的構成を示す。カメラ115、イルミネータ125、コンピュータ110及びプロジェクタ120を含む全ての感知及びディスプレイコンポーネントは、ボックス140の内部にある。一実施形態において、ボックス140の全ての側面は、1つの側面を除いて不透明である。不透明ではないこの1つの側面は、投影されたイメージを表示するスクリーン130である。
【0024】
一実施形態においては、強度のレイリー散乱及び他の形態の比較的小さな散乱を有する滑らかで平坦な材料がスクリーン130に用いられる。光がスクリーン130(半透過型スクリーン)によって散乱された場合、該光は、スクリーン130上のイメージとして目に見えることになる。光がスクリーン130(透過型スクリーン)によって散乱または吸収された場合には、該光は、窓ガラスのようにスクリーン130をまっすぐ通過することになる。
【0025】
レイリー散乱は、1/(波長)に比例し、このことは、短い波長を有する光が、長い波長を有する光よりも多く散乱することを意味する。従って、800ナノメータ(nm)より大きい波長を有する赤外光は、400nm 700nmの波長を有する可視光ほどは散乱しない。この実施形態において、プロジェクタ120は可視光を用いるが、カメラ115は赤外光用いて、カメラ115がスクリーン130を通して見ることを可能にすると共に、プロジェクタ120により放射された光は、スクリーン130上に散乱される。一実施形態において、スクリーン130の材質は、良好なレイリー散乱を有するが、他の種類の最小限の散乱を有するように、滑らかでかつ好ましくは約40nm程度まで均質である。
【0026】
一実施形態において、上記スクリーンの材料は、ほとんどの可視光を散乱させる微細構造を有する。しかし、該構造は、高密度すぎず、または厚すぎるものではなく、そうでなければ、ほとんどの赤外光も散乱することになる。また、該材料は、多くの可視光または赤外光を吸収すべきではなく、さもなければ、このことは、該材料を不透明にして劣等なスクリーンにすることになる。強度のレイリー散乱の特性を満たす材料の一実施例は、通常の白いプラスチックのゴミ袋である。一実施形態において、スクリーン130は、該袋を2つのガラスシートの間に挟み込むことによって形成される。この特性を満たす材料の別の実施例は、ポリエチレンシートである。
【0027】
イルミネータ125及びカメラ115のフィルタの波長を増加させると、(適切なスクリーン材料及び厚さを選択した状態で)増加した波長が(グレアを最小化する)可視光の散乱の量を最大化し、かつ(該スクリーン上の対象のカメラ115の視野を改善する)赤外光の散乱量を最小化するため、インタラクティブ・ビデオ・システム100の性能が改善される。一実施形態においては、950nmのLEDクラスタ・イルミネータと、そのレンズの前に40nm幅950nm中心帯域通過フィルタを有するモノクロームCCDカメラとが使用される。
【0028】
その性能をさらに向上させるために、いくつかの特徴をインタラクティブ・ビデオ・システム100に付加することができる。
【0029】
カメラ上のグレアを低減すること
イルミネータ125からカメラ115上には、反射グレアがある可能性がある。このグレアは、スクリーン130越しに見るカメラ115の能力に干渉する可能性がある。一実施形態においては、この干渉を緩和し、かつカメラ115の性能を改善するために、近赤外線反射防止膜が、スクリーン130の底部および/または上部に設けられる。また、イルミネータ125をスクリーン130に対して斜角に配設して、鏡面反射が起きることを防ぐことができる。
【0030】
さらに、別の実施形態においては、グレアをさらに軽減するために、赤外線直線偏光フィルタが、イルミネータ125及びカメラ115の前に(カメラ115の偏光と直角なイルミネータ125の偏光の方向で)付加される。このグレアは、スクリーン130の底部で直接反射する光が、まだ偏光しており、一方、スクリーン130の外部で対象に当たる光が、その偏光を失うために起きる。
【0031】
指向性周囲赤外線
周囲の赤外線源は、インタラクティブ・ビデオ・システム100の視覚システムに対して問題を引き起こす可能性がある。例えば、明るい外部赤外線源が、一方向から該ディスプレイ上に照射されている場合、この赤外線源と上記スクリーンとの間の物体は、スクリーン130上に赤外線の影を落とすことになる。該視覚システムは、この影とスクリーン130上の実際の対象とを混同して、該アプリケーションを誤作動させる可能性がある。赤外線の影の問題を低減するために、いくつかの方法を用いることができる。
【0032】
一実施形態において、イルミネータ125の波長は、出来る限り均一になるように選択することができる。イルミネータ125により最も強力に出力された波長の光のみを通過させる狭小の帯域通過フィルタを、カメラ115の前に付加することができる。
【0033】
別の実施形態において、パターン化されたイルミネータの使用は、上記システムが、スクリーン130上の赤外線の影と実際の対象とを識別できるようにする。さらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、2002年5月28日に提出されたBellによる“INTERACTIVE VIDEO DISPLAY SYSTEM”というタイトルの米国特許出願第10/160,217号を参照。
【0034】
別の実施形態においては、イルミネータ125及びカメラ115をストロボさせることができる。発光ダイオード(LED)等のある照明源は、連続的につけることができる場合よりも短期間にはるかに明るくつけることができる。イルミネータ125が、カメラ115の露出中にのみつけられ、かつカメラの露出が十分短い場合、イルミネータ125の明るさは、周囲光と比較して大幅に増幅される。このことは、イルミネータ125が非常に明るくつけられる、短時間の露出中のカメラ115のイメージは、イルミネータ125が、連続的ではあるが、より低い連続使用輝度である、より長時間の露出からのイメージと比較して、かなり少ない周囲光を含むが、イルミネータ125からのほぼ同量の光を含むことになるため、真実である。
【0035】
カメラ115とイルミネータ125は、同期させることができる。例えば、マイクロコントローラまたは他の電子回路は、カメラ露出同期を読取りまたは設定することができ、また、適当なときに、イルミネータ125に対してパルス状電力をトリガすることができる。
【0036】
カメラの2番目の露出毎の間にのみイルミネータ125をつけることにより、ストロービングの性能をさらに改善することができる。従って、カメラ115は、イルミネータ125をオンにした状態の露出と、イルミネータ125をオフにした状態の露出を交互に行うことになる。目的は、周囲の赤外光を取り除くことであるため、コンピュータ110は、現在のイメージと前のイメージとの差をとることにより、周囲光を伴わないイメージを連続的に生成することができる。イルミネータ125は、2番目のフレームごとにのみ照らされるため、一方のイメージは、周囲赤外光のみを有することになるが、他方のイメージは、周囲赤外光に加えてイルミネータ125の光を有することになる。現在のイメージと前のイメージとの間のピクセルに関する差をとることにより、該周囲赤外光を相殺して、イルミネータ125の光のみを残すことができる。
【0037】
インタレースCCDカメラの場合においては、交互の露出の間にイルミネータ125を光らせることで、偶数のラインは、イルミネータ125がオンであり、奇数のラインは、イルミネータ125がオフであるカメラ出力イメージを生成する。従って、2つのイメージを比較する代わりに、コンピュータ110は、該奇数ラインと偶数ラインとの間の差をとって周囲光を取り去ることができる。ストロービングは、上記第1及び第2のカメラがそれぞれの露出をわずかに異なる時間に行い、イルミネータ125が、該2つの露出のうちの一方のときにのみオンになるように設定された2つのカメラ115を用いて実行することができる。代替的に、該2つのカメラは、わずかに異なる波長に対して感度良くすることができ、また、イルミネータ125は、第2の波長でのみ光を放射する。
【0038】
別の実施形態において、周囲赤外光を伴わない環境においては、イルミネータ125は、2番目の露出ごとに、上記システムの反応時間を低減する。イルミネータ125がオフの間のいかなる動きも、2番目の露出中に気づかれない。しかし、このことは、2番目の露出ごとにイルミネータ125の一部のみをオフにすることにより、または単にイルミネータ125の出力を低減することにより改善することができる。その結果、イルミネータ125は、“途中ずっとオン”と“一時的にオン”との間を交互に行う。コンピュータ110が、現在の露出と前の露出との間の差をとった場合、その結果は、周囲赤外光を含まず、かつイルミネータ125の光の一部を含むことになる。この構成は、周囲光を伴わない環境及びある程度周囲光を伴う環境の両方において、ユーザにとってもっとも速い可能性のある反応時間を実現できるであろう。
【0039】
プロジェクタ・グレア
上記スクリーン材料は、完全に半透過性ではないため、プロジェクタ120からの光の一部は、スクリーン130を直接通過する可能性がある。その結果として、プロジェクタ120は、ユーザの目にグレアを引き起こす可能性がある。一実施形態においては、イルミネータ125の波長をより長くし、かつより散乱を生じるスクリーン130を用いることにより、カメラ115は、それでもスクリーン130を通してみることができ、可視光グレアの量は低減される。
【0040】
別の実施形態においては、直線偏光シートを、上記グレアをなくすまたは低減するのに用いることができる。図2は、直線偏光シートが、グレアをなくすまたは低減するのに用いられる一構成を示す。垂直方向偏光シート230および水平方向偏光シート220はそれぞれスクリーン210の真下、および真上に配置されている。投影された光が垂直方向偏光シート230を通過すると、その光は垂直方向に偏光される。散乱により光が偏光されるため、スクリーン210上の散乱光の多くは、依然としてビューワにとって可視である。しかし、(グレアを引き起こす)スクリーン210によって散乱されない光は、該光が垂直方向に偏光されているため、水平方向偏光シート220によってほとんど全てが吸収される。従って、グレアはなくなり、スクリーン210は、明るいままである。上記カメラが赤外光に感度が良い場合には、赤外光を偏光しない直線偏光材料を選択することができることに注意する。
【0041】
別の実施形態において、上記プロジェクタが液晶(LCD)プロジェクタの場合には、光は既に偏光されていることになる。いくつかのLCDプロジェクタの場合、赤色、緑色及び青色光の全てが同じ方向に偏光されている。この場合、上記スクリーンの下に偏光フィルムは必要ない、いくつかのLCDプロジェクタにおいては、赤色及び青色は、一方向に偏光され、緑色は、該方向から90度ずれて偏光される。この場合、一実施形態においては、上記偏光シートが存在しており、赤―青方向から45度および135度それて偏光させるべきである。別の実施形態においては、同じ方向に偏光された赤色、緑色及び青色光を得るために、色選択性偏光回転子を該プロジェクタ上または該プロジェクタ内に配設することができる。この場合、該スクリーンの前に1つのみの直線偏光子を要する。ColorLink Corporationにより生み出された位相差板スタック“ColorSelect”技術等の色選択性偏光回転子は、緑色光の偏光を90度だけ回転させるのに用いられる。代替的に、赤色及び青色光の偏光を90度だけ回転させて同じ効果を得ることもできる。
【0042】
物理的構成
上記インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムの多くの可能な物理的構成がある。1つの構成は、図1に示しかつ描写したような卓上用ディスプレイである。該インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、表面上にあり、全ての電子機器を1つのボックス内に収容しており、数フィートの高さであり、該ボックスの上部に水平スクリーンを有する。しかし、該インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、斜めの、垂直のまたは湾曲したディスプレイを形成するのに用いることもできる。
【0043】
上記インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムにより占有される物理的スペースの一部は、単にデッドスペースであり、上記スクリーン上に適度に大きなイメージを有するためには、上記プロジェクタは、該スクリーンからかなりの距離にあることが必要である。この距離は、ミラーの使用によって減らすことができ、このことは、該プロジェクタのビームの方向を変えること、およびより小さなスペースに収めることを可能にする。一実施形態において、上記カメラは、上記ボックス内の異なる箇所に設けることができ、また、該スクリーンがクリアな視野を有する限り、ミラーを通して該スクリーンを見ることができる。一実施形態において、赤外光イルミネータは、対象を該ボックスの上に照らす限り、該ボックス内のどこにでも、または、該ボックスの表面にも設けることができる。
【0044】
図3は、上記システムのいくつかの他の可能な構成の断面図を示す。全てのパーツを容易に固定することができるので、図示のデザインは、どの方向にも回転させることができる。ディスプレイ310は、図1で説明したインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイを示す。ディスプレイ320及び330は、上記プロジェクタのビームの方向を変えるミラーを用いてよりコンパクトになっているインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイを示す。ディスプレイ340及び350は、角度をつけたカメラを用い(ディスプレイ340)、該プロジェクタのビームの方向を変えるミラーを用いて(ディスプレイ350)角度がつけられたインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイを示す。ディスプレイ360は、該プロジェクタのビームの方向を変える多数のミラーを用いたインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイを示す。
【0045】
インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイの追加的な構成
本発明の一つの態様によれば、スクリーンの前の領域を照らす多数の例示的な方法が提供される。内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイにおいて、赤外光カメラ、赤外光イルミネータ及び可視光プロジェクタは、全てスクリーンの一方側にあり、一方、ユーザは、他方側にいる。所望の機能性を実行するために、使用される該スクリーンの材料は、可視光に対してほとんど半透過性であり(しかし、わずかに透過性であってもよい)、及び、好ましくは、赤外光に対してほとんど透過性である(本明細書において、以後、“赤外光透過・可視光半透過性スクリーン(IR−Transparent VIS−Translucent screen)”または“メインスクリーン”と呼ぶ)。上記赤外光イルミネータにより放射された光は、該スクリーンを通過する際に、ある程度散乱する。この光は、上記カメラによって獲得され、該カメラのイメージを低コントラスト及び色あせたものにする可能性がある。その結果として、該スクリーンの向こうの対象に関する該カメラの視野を妨げる可能性があり、このことは、低下した動作特性をもたらすことになる。
【0046】
本発明は、上記の問題を多くの方法で対処する。一実施形態において、上記赤外光イルミネータは、可能な限り上記スクリーンに近づけて配置することができる。例えば、該イルミネータは、境界に沿って該スクリーンと直接対向して配置してもよい。この構成を図4Aに示す。(図4Aにおいて、“イルミネータのためのカバー402”と呼ぶ)該イルミネータの前の材料は、赤外光に対して、少なくともやや半透過性であり、または透過性である何らかの材料を含んでもよい。イルミネータのためのカバー402の材料に対するオプションは、該メインスクリーン材料、透き通った透過性材料、または、赤外光に対して透過性である黒い不透明材料を含む。後の図におけるイルミネータのためのカバーに対する説明は、同様の意味を有する。上記メインスクリーン上への赤外光の漏れを防ぐために、物理的ブロックを用いてもよい。
【0047】
しかし、上記の実施形態は、上記スクリーンの近くで、かつ該スクリーンの中心の近くにある対象の不十分な照明を生じる可能性がある。これは、たいていの物質に斜角で照射された光が、通過するのではなく、該物質の表面で反射する傾向があり、例えば、該物質の透過性が機能的に低下しているためである。このことに対処する一つの方法は、該スクリーンを単に上記ディスプレイの表面から後ろへ動かすことであり、それによって、赤外線イルミネータがより小さな斜角で該スクリーンを通して照射することが可能になる。この構成を図4Bに示す。
【0048】
別の実施形態においては、上記イルミネータは、該イルミネータが、上記スクリーンの前の全ての領域を容易に照らせることができるような方法で、該スクリーンの前に配置することができる。該イルミネータが該スクリーンの前から突出している一つの構成を図5Aに示す。ディスプレイの表面が凹んだ別の構成は図5Bに示されている。図4A、図4B、図5A及び図5Bに示す実施形態においては、該イルミネータは、連続線内に、または有利な配置で、該スクリーンの周りに等間隔で配置することができる。図4A、図4B、図5A及び図5Bに示すこれらの照明方法は、該スクリーンの後ろにあり、かつ該スクリーンを通して照射するイルミネータと組合わせることもできる。
【0049】
軸外し(off−axis)投影
本発明の別の態様によれば、軸外し投影は、上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムの性能を改善するのに用いられる。軸外しビデオプロジェクタは、矩形状ビデオイメージを斜角で平面上に投影することが可能である。これらの軸外しプロジェクタは、該システム全体のサイズを大幅に縮小できるようにし、また、グレアを低減できるようにするので、インタラクティブ・ディスプレイにとって非常に重要である。
【0050】
図6A及び図6Bは、軸外しプロジェクタを用いた内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイの2つの構成を示す。軸外しプロジェクタを有する赤外線透過、可視光半透過性スクリーンを用いた場合、グレアは低減される。該スクリーンは、可視光に対して完全に半透過性ではない(赤外光に対して完全に透過性ではない)ため、ある程度の可視光は、該スクリーンを通過することになる。該スクリーンが厚い場合には、いっそう多くの残りの可視光が散乱されることになり、グレアが低減される。また、該スクリーンをより厚く形成することは、該スクリーンが、赤外光に対して完全には透過性ではないため、該スクリーンの赤外線に対する透過性を小さくする。しかし、可視光が、直角ではなく、斜角で該スクリーンを通過する場合、該光は、より多くの距離を該スクリーンを通して進まなければならず、グレアの量が低減される。例えば、該スクリーンと平行に30度で該スクリーンを通過する光は、該スクリーンに対して直角な角度で通過する光の2倍の量、スクリーン材料を通過する必要がある。従って、赤外線カメラが、該スクリーンを直接見ると共に、上記可視光プロジェクタが光を斜角で該スクリーン上に照射する場合、該赤外線カメラの最大透過性及び該可視光プロジェクタの最大半透過性を得ることができる。
【0051】
透過性フラットパネルディスプレイ
上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイは、ビデオプロジェクタ以外のディスプレイ技術で実施することができる。上記メインスクリーンの代わりに該ディスプレイを使用する場合、上記カメラに見える光に対して少なくとも部分的に透過性であるフラットパネルディスプレイを実施することができる。例えば、Provisionにより販売されているLCDパネルの形態の透過イメージングマトリックスを、該カメラが近赤外線カメラである実施形態におけるディスプレイに用いることができる。この形態のLCDパネルは、表示される色が白色の場合、クリアでありかつ透過性である。また、該ディスプレイは、どんな色が表示されていようとも、近赤外線で透過性である。ノート型PCモニタに使用される透過性LCDパネル、フラットパネルLCDコンピュータモニタ及びフラットパネルLCD TVスクリーンを含む多くの種類のLCDパネルも、近赤外線で透過性である特性を有する。
【0052】
上記カメラに見える光に対して少なくとも部分的に透過性である上記フラットパネルディスプレイは、この文書では、“透過性フラットパネルディスプレイ”と呼ぶ。本明細書で説明した実施例は、赤外線が完全に透過性である透過性フラットパネルディスプレイと赤外線カメラとを含むが、該実施は、異なる波長範囲で機能するカメラ、及び該カメラにより検知可能な光に対して完全に透過性である透過性フラットパネルディスプレイに対して、同様に当てはまる。
【0053】
透過型LCDパネルまたは赤外線に対して少なくとも部分的に透過性である他のフラットパネルディスプレイ技術を用いると、インタラクティブ・フラットパネル・ディスプレイを、赤外線カメラを用いて構成することができる。透過型LCDは、典型的には、それ自体の照度が不足しているため、外部光源により照射する必要がある。一実施形態において、この外部光源は、該LCDパネルの後方の白色可視光イルミネータを含む。一実施形態において、上記カメラに対して透過性であるが、可視光イルミネータを散乱させるスクリーンは、該イルミネータの光をより容易に拡散するように、該LCDパネルのすぐ後ろに配設される。
【0054】
図7Aは、本発明の一実施形態による例示的な透過型インタラクティブ・フラットパネル・ディスプレイ・システム700を示す。一実施形態において、ディスプレイ700の外観は、赤外線透過・可視光半透過性スクリーン720材料を透過型フラットパネルディスプレイ710の後ろに配置することにより、改善されている。それに伴って、どのような光をスクリーン720に照射しても、より多く拡散してディスプレイ710が照らされることになる。スクリーン720のライティングを最大限に拡散させるために、システム700は、斜角で該スクリーン上に照射する光730または独立した拡散板740を該光の前に有する光730を用いてもよい。拡散板740は、カメラ760の視野を遮らないことに注意する。図7Bは、透過型フラットパネルディスプレイ710及びスクリーン720を取り除いた状態の平面切り欠き図における同じ構成を示す。可視光イルミネータ730は、LED、蛍光灯、ネオン管、エレクトロルミネセントワイヤまたはシート、ハロゲン光及び白熱電球を含む、可視光を生成可能な何らかのライティング技術を含んでもよい。赤外線イルミネータ750は、LED、加熱ランプ、ハロゲンランプまたは白熱ランプを含む、上記カメラに見える赤外光を生成することが可能な何らかのライティング技術を含んでもよい。赤外光及び可視光は、両方とも、同じ光源によって生成してもよい。代替的に、赤外光のより良好な制御に対しては、可視光に対して透過性であるが、赤外光に対しては不透明であるフィルムを、可視光イルミネータ730を覆って設けてもよい。
【0055】
「指向性周囲赤外線」の章で述べたストロービング技術を含むプロジェクタをベースとするシステムに対して言及した改良、「物理的構成」の章で述べた物理的構成及び「インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイの追加的な構成」の章で述べた上記イルミネータの配置は、全て、この章で述べた透過型フラットパネルディスプレイをベースとするシステムに適用可能である。
【0056】
プロジェクタではなく透過型フラットパネルディスプレイの使用は、上記インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイのサイズを著しく低減することを可能にする。しかし、このことは、上記スクリーンを通して見ることができなければならないコンピュータ視覚システムに対して問題を引き起こす。該スクリーンとディスプレイボックスの背面との間にわずかな距離しかない場合、カメラ760は、スクリーン720の前の全領域、すなわち、ユーザの手等の該システムが検知すべき対象の位置を見るために、極端に広い角度にしなければならなくなる。このことは、斜角で該スクリーンを通してみる際の困難性のため、問題を引き起こす可能性がある。
【0057】
斜角での照射の問題を解決する一つの方法は、スクリーン720を通過する光に影響を及ぼすことなくスクリーン720で反射される赤外光をなくすための、カメラ760の周囲での偏光材料の使用である。該スクリーン面で反射する光は、該スクリーン面に対して平行に強度に偏光する傾向があるため、該スクリーン面と直角にカメラ760を取り囲み、かつそのスクリーン面と直角な偏光を有する偏光子は、スクリーン720の後ろの赤外線イルミネータ750からのほとんどまたは全ての迷反射光をなくさなければならない。
【0058】
歪への対処
カメラ視野歪みの問題は、本明細書に記載した全ての内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ(例えば、投影システム及び透過型フラットパネルディスプレイをベースとするシステム)に存在する可能性がある。たいていの場合、上記スクリーンの上の領域のカメラの2次元視野は、激しい歪みを有する可能性がある。例えば、図7Aにおいて、対象712及び対象714は、スクリーン720の前の全く異なる位置にあるにもかかわらず、カメラ760には同じ位置にあるように見える。スクリーン720の上の相互作用に対して正確に感知するためには、この歪みは補正する必要がある。
【0059】
歪みのない環境においては、物理的対象に対応するスクリーン720上の仮想位置は、該対象の輪郭のスクリーン720上への垂直投影である。フレネルレンズ等の平坦な補正光学系を、該スクリーンと直角である入射光の向きをカメラ760の方へ変えるように、スクリーン720の上または近傍に配置することができる。それに伴って、カメラ760は、対象を、スクリーン720の表面に対して正しい位置に見る。図8Aは、プロジェクタをベースとするインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム800に対するこの構成の例示的な実施形態を断面で示す。カメラ810は、垂直方向からスクリーン830上に照射する光線の向きをカメラ810に向けさせるフレネルレンズ820の焦点距離に配置されている。その結果として、対象が位置802から位置804へ移動した場合、カメラ810に対するその視位置は変わらない。従って、所望の効果が実現され、すなわち、スクリーン820の上の対象は、スクリーン820の上の該対象の輪郭の垂直投影である仮想位置を有する。該カメラのレンズの光学系は、特別に配慮する価値があり、ピンホールレンズは、理想的な焦点深度及び画像明瞭をもたらすが、無限領域に焦点を合わせる能力を有する広角レンズは、焦点深度及び写像性をある程度犠牲にして、より明るいイメージを可能にすることになる。歪みをなくすフレネルレンズ方法は、投影型及び透過型のフラットパネルディスプレイをベースとするインタラクティブシステムと共に用いることができることを認識すべきである。
【0060】
内蔵型プロジェクタディスプレイに対して上記フレネルレンズを使用する場合、該レンズの前の赤外線透過・可視光半透過性スクリーンは、該プロジェクタの光を散乱させ、また、このスクリーンと該フレネルレンズとの間の距離はほとんどゼロであり、そのため投影イメージの歪はないので、該フレネルレンズは、該投影イメージに影響を及ぼさない。
【0061】
透過型フラットパネルディスプレイに対して上記フレネルレンズを使用する場合、該透過型フラットパネルディスプレイは、ビューワに近づけて、上記赤外線透過・可視光半透過性スクリーン及びフレネルレンズの前に配置することができる。該フレネルレンズは、白色光によるバックライトが、既に拡散されているか、または、該フレネルレンズと透過型フラットパネルディスプレイとの間の材料によって拡散されるため、該ディスプレイの照明に影響を及ぼさない。
【0062】
代替的に、上記歪みは、図8Bに示すように、上記ディスプレイの背面に一連のミラーストリップを用いることにより、なくすことができる。これらのミラーストリップ910は、該ディスプレイ上に垂直に照射する光の向きをカメラ920の方へ変えるようにデザインされている。該カメラは、光に干渉しないように、該ディスプレイの側に配設されている。ミラーストリップ910の実際の数は、非常に多くの数とすることができ、また、該ストリップ自体は、非常に薄くすることができる。一実施形態においては、スクリーン930の背面からの光を通過させて照射できるようにするミラーストリップ910の間の十分な空間が形成される。しかし、カメラ920は、その視野により、それらの光を見ることができず、この領域のカメラ920の視野は、全てミラーストリップ910である。スクリーン930と直角な方向で見た場合、ミラーストリップ910は、各円の中心がカメラ920の位置にある円曲線を形成する。
【0063】
プロジェクタは、ミラーストリップ910を通して容易に照射することができないため、本実施形態は、該プロジェクタが、該ミラーストリップと該スクリーンとの間の空間を通して該スクリーン上に投影する、透過型フラットパネルディスプレイまたは軸外し投影ディスプレイを用いてより有効にすることができる。しかし、これは、該ミラーストリップを通して照射するプロジェクタの使用を排除しない。ある程度の光は失われるが、該プロジェクタの光は、この時点で焦点が合わず、それに伴って、最終的な投影イメージが影響を受けない。
【0064】
代替的に、見られるシーンに関する深度情報(各ピクセルで見られる上記カメラから対象までの距離)を得ることができる場合、該カメラにより見られる対象ごとの各ピクセルによって占められる該スクリーンの上の位置のx−y−z座標を(単純な座標変換によって)再構成することができ、それに伴って、該カメラの歪んだ視野を補正することができる。このような深度情報は、限定するものではないが、ステレオカメラ、タイムオブフライト型カメラ及びパターン化した照射を含む様々な手段を用いて得ることができる。
【0065】
上記カメラのイメージの各ピクセルに対するx−y−z座標を用いた歪みのない3次元(3D)視野を再構成する能力は、単純なデータの重ね合わせにより、多数のカメラのデータの、上記スクリーンの前の対象の単一の統合視野への結合も可能にするであろう。多数のカメラ(または、立体視を3Dに用いる場合、多数の組のカメラ)の使用は、該カメラに対して、より狭小な視野を用いて、上記ディスプレイを一様に平坦に形成できるようにするであろう。この場合、該カメラまたはカメラの組は、該カメラが、該スクリーンの後ろの領域を一様にカバーするように、理想的に配置される。例えば、該カメラは、該スクリーンの後ろに格子状に配置することができる。
【0066】
散乱偏光子スクリーンを用いたイメージの投影及びキャプチャ
次に、別のスクリーン材料について説明する。このスクリーン材料は、本願においてすでに説明したプロジェクタベースの及び透過型フラットパネルディスプレイベースのシステムに用いられる“赤外線透過・可視光半透過性スクリーン”に対する代替例として機能する。該スクリーンは、対象と、上記インタラクティブ・ディスプレイ・システムとの間に配置されているため、該スクリーンは、投影イメージを透過すると共に、照明源及びカメラが該スクリーンを通して明瞭に見ることができるようにする。一実施形態において、該スクリーンは、表示イメージチャネルのための透過拡散板として機能すると共に、該カメラのキャプチャリングチャネルのためのウィンドウとしても機能する。該スクリーンに対する追加的な必要条件は、ビューワをグレア、すなわち、直接的なまたは十分に散乱していないプロジェクタ光による不快な視覚刺激から防ぐことである。
【0067】
場合によっては、小粒子散乱は、単一粒子散乱に対してλ波長依存を有するが、たいていの拡散板は、多重散乱を利用して適切な拡散を実施する。多重散乱においては、散乱光の波長依存性は、ミルクの色によって実演されるように、よりはるかに中立である。小粒子によってコヒーレントに散乱された光の強度は、(n−1)に比例することが分かっており、ただし、nは、該粒子とホストマトリクスとの間の相対屈折率である。本発明において、それは、キャプチャリングチャネルにおける透過性及び表示チャネルにおけるぼやけを可能にするように活用されるこの散乱の特性である。ここで用いる方法は、限定するものではないが、該キャプチャリングチャネルにおける赤外線の使用と矛盾しない。一般的なポリマー材料の散乱は、可視光と近赤外光との間のコントラストを生成するには不十分である。その代わり、本発明者らは、該キャプチャリングチャネルを偏光状態の1つの状態に分類し、該表示チャネルを直交する状態に分類する。また、発明者等は、偏光の1つの状態に対するマトリクスと散乱分子との間の屈折率整合(n=1)及び直交状態に対する屈折率不整合(n≠1)という特性を有するスクリーンを用いる。このようにして、該スクリーンは、該表示チャネルに対して実質的なぼやけを、該キャプチャリングチャネルに対して実質的な透過性を有することになる。材料は、非常に狭小なスペクトル(20nm程度)を有することができる該キャプチャリングチャネルにおいてほぼ完璧な屈折率整合を実施するように調整することができる。2つの主要なマトリクスは、この種のスクリーンのパフォーマンス、すなわち、シングルピース透過(the single piece transmission;Tsp)及び偏光子効率(polarizer efficiency;PE)を規定するのに用いることができる。これらの量は、次のように等式1及び等式2で定義される。
【数1】

ただし、T及びTは、上記2つの状態における直接(例えば、散乱していないまたは小角散乱した)透過率である。
【0068】
完全な偏光子の場合、TSP=0.5及びPE=1である。実際の偏光子の場合、上記スクリーンの厚さまたは粒子濃度が一定の有効範囲を超えると、多重散乱によりTSPは減少し、かつPEは増加することになる。これら2つのパフォーマンスマトリクスは、所定の散乱システムの材料及び処理パラメータを調節することにより、所定の用途に対して最適化することができる。高いTSPは、上記カメラにおいて主として高い解像力をもたらし、高いPEは、主として低いグレアをもたらす。
【0069】
一実施形態において、上記プロジェクタの光は、上記スクリーンの半透過状態で偏光される。LCDプロジェクタの場合、これは、非常に低い損失で配置することができる。投影されたイメージ光の一部は後方散乱され、また一部は、前方領域で選択的に散乱される。上記カメラに用いられる照明は、迷光を回避するために、優先的に偏光される。このことは、フィルム型吸収偏光子を用いて容易に実現することができる。照らされた対象は、該光を拡散的に反射し、またほぼ同等の部分が、透過性及び散乱に対応して偏光状態で生成される(例えば、偏光は保たれない)。該カメラは、上記対象からの直接光のみが撮像されるように、吸収型の偏光フィルタを備えている。また、該カメラは、ビデオフィードバック及び周囲光からの干渉を避けるために、ランプスペクトルに整合する狭帯域フィルタを備えてもよい。該散乱偏光子が、該散乱光が入射光の偏光を維持する別の特性を有する場合、周囲光の反射は低減されることになり、より高いコントラストがもたらされる。図9A及び図9Bは、本発明の一実施形態による、散乱偏光子スクリーンを有するインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムの概略的レイアウトを示す。斜めの矢印及び双方向矢印は、偏光の状態を表す。
【0070】
典型的なLCDプロジェクタは、その投射レンズから偏光した光を放射する。しかし、ほとんどの一般的なタイプの3重パネルLCDプロジェクタの場合、緑原色の偏光は、赤原色及び青原色の偏光に対して直角である。(これは、X立方体コンバイナデザインの結果である。)そのため、3原色全てを同じ偏光で投影するには、緑色は、他の2色と同様にしなければならない。このことは、(例えば、日本のPolatechno Corp.から入手可能な)リターダ・スタックを用いることにより、非常に低い損失で実現することができ、該スタックは、赤色及び青色のリターダンスと比較して、半波長のリターダンスを緑色チャネルに付加する。このスタックコンポーネントは、該コンバイナ立方体と投影レンズとの間に、または、該レンズと該スクリーンとの間に配置することができる。高ルーメン出力を維持し、かつ画像アーチファクトを避けるためには、偏光保存性の投影レンズアセンブリを用いることが必要である。
【0071】
内蔵型インタラクティブ投影型ディスプレイの代替構成
HoloClear、Dai Nippon Printingにより製造されているホログラフィックスクリーン等の部分的に透過性であるが、光がスクリーン上に特定の角度で投射したときには半透過性であるスクリーン材料は、該ディスプレイのコンテナ内部がユーザに対して完全に暗くなるような方法で、該内蔵型インタラクティブ・ディスプレイに用いることができる。このことは、上記赤外線カメラ及びイルミネータの前に、赤外線に対して透過性である黒ウィンドウを用いて、該コンテナの全ての内面を黒にすることにより、実現することができる。該スクリーン材料は、部分的に透過性であるため、該カメラは、該スクリーン越しに対象を見ることができる。しかし、該プロジェクタは、適当な角度(HoloClearの場合は35度)でオフセットされているため、該プロジェクタからの光は完全に拡散され、グレアがなくなる。該ディスプレイのユーザは、その内部が真っ暗であるため、該部分的に透過性のスクリーン越しに何かが見えなくてもよい。
【0072】
別の実施形態においては、現在、インテリアデザイナー向けに市販されている“プライバシーガラス”製品等の、電流が印加されたときに、瞬時にクリアから半透過性に切り替わることができるスクリーン材料を用いることができる。この材料は、本明細書において、(例えば、時間により透過性あるいは半透過性になる)時間ベースの材料と呼ぶことにする。この材料は、波長または偏光選択性スクリーンの代わりに用いることができる。カメラの露出は、非常に短い(例えば、1秒間に約100マイクロ秒で30回)。上記カメラが露出しているときに、該スクリーン材料はクリアであり、該カメラが該スクリーンを通して見ることができるようになる。プロジェクタシステムの場合、電子(例えば、高速液晶シャッター)または機械的シャッターは、該プロジェクタの光出力を遮断することができ、該プロジェクタがこの間にユーザの目に照射しないことを実現する。該カメラが露出していないときには、該スクリーン材料は、半透過性に変わり、該プロジェクタの光またはバックライトの光が散乱できるようになる。バックライトという用語は、上記フラットパネルディスプレイを可視光で照らす照明源を指すことを認識すべきである。
【0073】
インタフェースの全般的な説明
本明細書において本文により暗に説明したが、このシステムは、内蔵型ディスプレイシステムに対するインタフェースについて記述する。このインタフェースは、位置、輪郭の感知、および場合によっては該ディスプレイの前の(人であるユーザを含む)対象の距離、及びこの感知に基づく実時間効果の表示を可能にする。これらの実時間効果は、該ディスプレイの仮想空間における対応する位置における動作の効果に対する該ディスプレイの前の物理的空間における動作のマッピングを含んでもよい。換言すれば、該システムは、ユーザの手等の物理的対象が、該ディスプレイ上の仮想対象の位置に位置している場合に、該ディスプレイ上の仮想対象との相互作用が起きるように較正することができる。このディスプレイは、何らかの検出装置の可視的な標示がない、すなわち、該ディスプレイ自体が可視的であるという物理的特性を有する。本願において後述するウィンドウ・ディスプレイ・システムの場合、該インタフェースは、上記内蔵型ディスプレイに対して説明したのと同様であるが、該ディスプレイは、該ユーザと同じ該ウィンドウの側に装置が配置されていないウィンドウディスプレイの形態をとる。
【0074】
本発明の多くの実施形態において、ビデオカメラは、検出装置として使用される。該カメラのイメージは、実時間での静止背景から該カメラのイメージにおける(人等の)前景対象を分離するコンピュータ視覚システムへの入力となる。この前景−背景の識別は、上記表示スクリーンに表示されるイメージを生成するインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・アプリケーションへの入力になる。これらのイメージは、該インタラクティブ・アプリケーションの表示されたイメージに対する対象の効果が、該対象と同じ物理的位置にあるように較正することができる。このことは、拡張現実感の錯覚をもたらし、人は、ピックアップ、押しまたは引き等の普通の体の動きによって、該スクリーン上のイメージまたは対象と相互に作用することができ、実際の対象またはイメージを操作するという錯覚が可能になる。
【0075】
透過性ディスプレイスクリーン
上記システムの一実施形態においては、LCDスクリーンまたは他のそのような透過性スクリーンがディスプレイ装置として用いられる。上記カメラは、人であるユーザの動きを検知するものであり、該スクリーンの後ろに配置されている。それに伴って、該カメラの視野は、該スクリーンを通して見ることにより、該スクリーンの前の領域を見る。人であるユーザ及び対象を該カメラによって検知することができる該スクリーンの前のこの領域は、インタラクティブ領域と呼ばれる。そのため、該スクリーンは、該カメラによって見られる光の波長に対して、少なくとも部分的に透過性である。
【0076】
上記スクリーン上に表示されている内容が、該スクリーンの向こうの対象の上記カメラのイメージに影響を及ぼすのを防ぐために、該カメラは、(黒色を含む)どんな内容が表示されていようとも、該スクリーンが部分的に透過性である光の波長で作動する。理想的には、該スクリーン上の内容は、該カメラによって見られる光の波長において、該スクリーンの光特性に対する影響を有するべきではない。ノート型及びフラットパネルコンピュータディスプレイに用いられるLCDモニタの場合、該LCDスクリーンは、典型的には、該スクリーンを通して該カメラが見ることが920nm以上の光の波長に対してのみ感度が良い場合に、この特性を実現する。しかし、いくつかのLCDパネルは、800nm等の可視光に近い波長でもこの特性を実現する。また、該LCDスクリーンにおける偏光子は、それらの波長で光を偏光しない。
【0077】
上記LCDまたは他の透過性ディスプレイスクリーンは、ビューワが該スクリーン上の内容を見ることができるように照らされる。理想的には、この光は、明るくかつ該スクリーンの全域に一様に拡がるようにすべきである。典型的なLCDディスプレイは、様々なバックライト及びエッジライトソリューションのうちのいずれか一つを用いる。しかし、それらのソリューションは、典型的には、散乱、反射または不透過性材料からなるいくつかの層を該スクリーンの後ろに設けることを伴い、それらは、該スクリーンの後ろのカメラが、該スクリーンの前の領域を見えるようにはしない。しかし、本発明は、該カメラが、該スクリーンの前の領域を見えるようにすると共に、該スクリーンの前の領域の明るさ及び一様な照射も実現できるいくつかの選択的散乱材料についても説明する。
【0078】
次のソリューションにおいては、バックライティングまたはエッジライティングのための照射源は、好ましくは、蛍光灯または白色LED等の長寿命の効率的な白色可視光エミッタであるが、何らかの可視光源であってもよい。
【0079】
1.レイリー散乱材料
一つのソリューションは、上記スクリーンの背面に、強力なレイリー散乱を有する材料のシートを配置することと、白色バックライティングまたはエッジライティングを用いて上記表示スクリーンを照らすことと、近赤外線検知カメラを用いて該スクリーンを通して見ることとを含む。レイリー散乱は、散乱される光の波長の出力の逆数の4乗に比例するため、ほとんど全ての白色光は、該レイリー材料によって散乱され、該スクリーンの一様な照射が実現できる。しかし、該カメラによって見られる赤外光の比較的わずかな部分だけが、赤外線が、可視光よりも長い波長からなるため、散乱されることになる。
【0080】
2.ざらつきのある材料
別のソリューションは、平坦領域の間に散在されたバンプ、隆起、くぼみ、溝からなる物理的構成を有する材料の平坦シートを形成することを含む。この材料は、上記表示スクリーンの背面に配置することができる。この材料は、該材料を通過する全ての光を視射角で散乱させると共に、該材料を通過する光のほんの一部を垂直に散乱させるという効果を有することができる。いくつかのそのような材料を図10A及び図10Bに示す。図10Aは、光を散乱する微小バンプまたは隆起1010を有する材料1000の単純化した断面を示す。該散乱は、光を散乱する材料の外部に該隆起またはバンプを形成することにより、または、他の方法によって、隆起またはバンプ1010の表面をテクスチャー加工することにより、実現することができる。図10Bは、光を散乱する微小な溝またはくぼみ1060を有する材料1050の単純化した断面を示す。該散乱は、溝またはくぼみ1060の表面をテクスチャー加工することにより、溝またはくぼみ1060に、光を散乱する物質を充填することにより、または、他の方法によって実現することができる。全ての場合において、該材料の表面に対してほぼ垂直に通過する光のかなりの部分は散乱されず、視射角で通過して表面に達する光のほぼ全てが散乱されることになる。
【0081】
従って、上記スクリーンがエッジライティングによって照らされる場合、上記表示スクリーンは、一様かつ明るく照らすことができると共に、上記カメラが該スクリーンと通して見ることができるようになる。図11は、本発明の一実施形態による、内蔵型エッジライティング・インタラクティブ・ディスプレイの断面の単純化した概略図を示す。エッジライティング1110は、表示スクリーン1140(例えば、LCD)を照らす可視照明を形成する。スクリーン1150は、表示スクリーン1140に隣接して配置されており、視射角(例えば、エッジライティング1110の角度)で該スクリーンに当たる光を散乱させるように機能する。イルミネータ1120は、カメラ1130の視野の対象を照らす。イルミネータ1120からの光は、垂直な角度またはほぼ垂直な角度で表示スクリーン1140に当たり、散乱されない。
【0082】
3.散乱偏光子
別の実施形態においては、“散乱偏光子スクリーンを用いたイメージ投影及びキャプチャ”の章で述べたような散乱偏光子が、上記表示スクリーンの背面に配置されている。この散乱偏光子は、一方の偏光の光を散乱させ、反対の偏光の光を散乱させない。該表示スクリーンは、バックライティングを用いて、該バックライトを該散乱偏光子上の散乱方向と同じ方向に直線偏光させることにより一様に照らすことができる。従って、全てのバックライトは、該表示スクリーンを通過する前に散乱される。
【0083】
代替的に、該バックライトは偏光させないことができ、直線偏光子は、該偏光子の偏光を、光を散乱する散乱偏光子における方向と同じ方向に向けた状態で、該散乱偏光子と該表示スクリーンとの間に配置してもよい。それに伴って、該散乱偏光子により散乱されない該バックライトからのいかなる光も、直線偏光とは反対の偏光からなり、該光は吸収される。このことは、該表示スクリーンに対する照射を一様にし、ユーザの目における厄介なグレアがなくなる。
【0084】
上記表示スクリーンがLCDスクリーンである場合、該LCDスクリーンの背面に形成された直線偏光があるため、該バックライトは偏光される必要がない。この場合、一様な照明は、単に、該散乱偏光子を、該散乱偏光子における最大散乱の方向が、該LCDスクリーンの裏面の直線偏光子の偏光と平行になるように向けて、該LCDスクリーンの裏面に該散乱偏光子を配置することにより、散乱されないバックライトによって実現することができる。従って、該散乱偏光子によって散乱される光のみが、該LCDスクリーンを通過できるようになる。
【0085】
フラットパネルディスプレイスクリーン
表示スクリーンを用いた内蔵型ディスプレイ1200の例示的な実施形態の単純化した断面図を図12Aに示す。該ディスプレイは、白色可視光1220によってバックライティングされるLCDスクリーン1210を用いて形成される。散乱偏光子1215は、この光全てを散乱させ、ビューワにとって一様な照明を実現できる。該内蔵型ユニットの側部のミラー1225は、光1220からの白色の迷光を反射して表示スクリーン1210の方へ戻し、その明るさを増す。920nm〜960nmの近赤外光に対してのみ感度が良いビデオカメラ1230は、“カメラの視野”と呼ばれる、LCDスクリーン1210の前の領域を見る。この視野内の対象は、カメラ1230に見えることになる。該カメラの視野に対する照射は、赤外線LEDクラスタ1240のセットから来て、該クラスタは、カメラ1230によって見える波長で上記ボックスの裏側に光を生成する。明るい鏡面反射性ハイライトが、該カメラのイメージに現れるのを防ぐために、これらのLED1240からの光は、LCDスクリーン1210に到達する前に拡散スクリーン1245によってわずかに散乱される。フレネルレンズ1250は、LCDスクリーン1210の前の領域の該カメラの視野の歪みを低減するのに用いられる。
【0086】
次に、図12Aの例示的な実施形態を介した可視光及び赤外光の光路について説明する。本発明者らは、光の2つの垂直な偏光を偏光A及び偏光Bと呼ぶことにする。
【0087】
白色光イルミネータ1220からの可視光は、非偏光を始め、拡散材料1245により散乱させる、フレネルレンズ1250により向きを変える、あるいは、その光路上のミラー1225で反射してスクリーン1210へ向けることができる。次いで、この光は、散乱偏光子1215を通過し、該偏光子は、偏光Aの全ての光を散乱させ、かつ偏光Bの光を散乱させない(ここで、A及びBは、2つの垂直偏光を指す)。散乱された光は、散乱後のその偏光を保つ。そして、この光は、LCDスクリーン1210を通過し、該スクリーンは、偏光Bの全ての光を吸収し、偏光Aの全ての光を伝達する。従って、LCDスクリーン1210は、散乱光のみを用いて照らされ、ビューワは、一様に照らされたスクリーンを見る。
【0088】
赤外線イルミネータ1240から放射された赤外光は、非偏光を始めなくてもよい。状況に応じて、改善された明瞭性のため、この光は、該光が散乱偏光子1215によってあまり散乱されないように、まず赤外線直線偏光子1260を通過して、該光を偏光Bで偏光させることができる。次に、該赤外光は、拡散材料1245により散乱させる、フレネルレンズ1250により向きを変える、あるいは、その光路上のミラー1225で反射させてスクリーン1210へ向けることができる。該光が偏光されない場合、その一部は、散乱偏光子1215を通過する際に散乱されることになるが、偏光Bの光は、散乱偏光子1215を通過して散乱されない。該赤外光の波長は十分に長いため、該赤外光は、影響を受けずにLCDスクリーン1210を通過し、人の手等の、該スクリーンの前の対象を照らすことができる。
【0089】
上記表示スクリーンの前からカメラ1230に向かって戻ってくる赤外光は、LCDスクリーン1210の影響を受けない。しかし、該光が散乱偏光子1215を通過する際、偏光Aの光は散乱し、偏光Bの光は散乱しないままとなる。次に、該光は、フレネルレンズ1250を通過するが、偏光に顕著な影響は及ぼさない。カメラ1230は、該カメラの直前に赤外線直線偏光子1260を有し、この偏光子1260は、偏光Aの光を吸収し、偏光Bの光を伝達する。従って、カメラ1230は、散乱偏光子1260によって散乱されないままであった偏光Bの光を見るのみである。このことは、カメラ1230に、該スクリーンの該領域のクリアで高コントラストのイメージをもたらす。
【0090】
LCDをベースとするインタラクティブ・ディスプレイの別の例示的な実施形態を断面で図12Bに示す。該システム全体は、楔状である。該システムデザインは、図12Aで示しかつ説明したデザインと同様のものである。しかし、赤外線イルミネータは、カメラ1262へのグレアを最小化するように配置されている。上記スクリーンの上及び該スクリーン近傍の対象は、内側赤外線イルミネータ1264によって照らされ、該イルミネータは、散乱偏光子1266及びLCDパネル1268を通して照射する。しかし、該イルミネータは、カメラ1262に対するグレアの影響を低減するために、フレネルレンズ1276を通して照射しない。フレネルレンズ1276は、内側赤外線イルミネータ1264のための空間を設けるために、LCDパネル1268の表面及び散乱偏光子1266から引っ込められている。外側の赤外線イルミネータ1270は、該スクリーンからさらに離れている対象を照らす。赤外線イルミネータ1270は、LCDパネル1268または散乱偏光子1266(を通してではなく)周辺を照射し、グレアをさらに低減できるようにする。白色可視光イルミネータ1272は、該システムのベースの側部に沿って配置されており、バックライトカバー1274によって覆われている。バックライトカバー1274は、該スクリーン上の周囲赤外線の存在を低減して、カメラ1262によってキャプチャされたイメージのコントラストを改善するために、近赤外線を吸収するが、可視光を伝達する材料で構成してもよい。
【0091】
散乱偏光子を用いた投影型ディスプレイスクリーン
上記インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイの別の実施形態においては、プロジェクタ及び投影スクリーンが、ディスプレイ装置として用いられる。人であるユーザの動きを検知するのに用いられる上記カメラは、該スクリーンの後ろに配置されている。それに伴って、該カメラは、該スクリーンを通して見ることにより、該スクリーンの前方の領域を見る。そのため、該スクリーンは、該カメラによって見られる光の波長に対して、少なくとも部分的に透過性である。上記散乱偏光子は、このシステムにおける投影スクリーンとして機能することができる。
【0092】
上記散乱偏光子は、完全に作動しなくてもよいことを認識すべきである。散乱されることになっている該偏光における少量の光は、散乱されなくてもよい。プロジェクタが直接見られたときの該プロジェクタの極度の明るさのため、該プロジェクタのレンズの内側の明るい光源は、該散乱偏光子を通して直接見ることができるが、該プロジェクタの光は、最大の散乱のために適切な方向に偏光することができる。この明るいグレアのスポットは、散乱されないプロジェクタの光が吸収されるように、該散乱偏光子の前に直線偏光子を用いることによりなくすことができる。また、該プロジェクタ光が、完全に偏光されない場合、同様の問題が生じることになる。この問題は、該散乱偏光子の後ろに直線偏光子を用いることにより緩和することができる。どちらの場合においても、それらの偏光子は、該プロジェクタ光と平行に向けられている。上記カメラが、近赤外線または他の非可視光波長である場合、該可視光偏光子は、該カメラが、その影響を受けないように選択することができる。従って、該カメラは、該スクリーンを通して見ることができる。
【0093】
鏡面反射をなくすこと
また、上記カメラのイルミネータからの鏡面反射は、該カメラのイメージに有害な影響を及ぼす可能性がある。これらの影響は、反射防止膜を、上記表示スクリーンの一方の面または両面に、およびレイリー散乱材料、テクスチャー加工された材料、散乱材料またはフレネルレンズを含む、該スクリーンの後ろの何らかの表面に施すことにより、軽減することができる。また、これらの影響は、該カメラの照射から該カメラに戻る鏡面反射がないように、該イルミネータから来る光をある角度に向けることにより軽減することができる。
【0094】
このような構成の一実施例を図13に示す。この構成は、カメラ1320から離れており、かつスクリーン1330に垂直に照射するスポットイルミネータ1310を用い、カメラ1320へのいかなる鏡面反射も防ぐ。これらのイルミネータによってカバーされていない領域は、スクリーン1330への視射角で照射するイルミネータ1340によって照射され、反射光がカメラ1320に戻って照射されることを防ぐ。
【0095】
別の実施形態においては、図14に示すように、カメラのイルミネータ1440の鏡面反射がカメラ1430から離れてはね返るように、散乱偏光子1410または他の選択性散乱材料をわずかに傾けることができる。図に示すように、イルミネータ1440からの鏡面反射は、該ボックスの側部の方へ向きが変えられる。別の実施形態においては、カメラへの鏡面反射を和らげるために、拡散材料を該カメラのイルミネータの前に配置することができる。これらのイルミネータからの光は、該ディスプレイの裏からそれらの光を跳ね返させることによっても拡散させることができる。
【0096】
図15は、本発明の一実施形態による、タイムオブフライト型カメラ1530を用いたインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム1500の例示的な構成を示す。典型的なデザインにおいては、該カメラ及び該カメラのイルミネータは、互いに近接させて配置しなければならず、また、該イルミネータからの光は散乱させることができないため、鏡面反射は、タイムオブフライト型カメラ1530に対して問題を引き起こす。従って、上述したアプローチは、該スクリーンの裏から該カメラに戻る反射によって激しいグレアを引き起こす該カメラのイルミネータにより、タイムオブフライト型カメラを用いる実施においては、うまくいかないことになる。しかし、上記コンピュータ視覚システムは、3Dカメラの情報を用いて、所望の座標系への座標変換を実行することができるため、該カメラは、該スクリーンの中心の後ろに配置する必要はなく、また、多数のカメラからのデータを融合することができる。従って、例えば、2つのカメラ1530が異なる時間に露出を行うかぎりにおいて、それらのイルミネータからのいかなる鏡面反射も避けるために、2つのタイムオブフライト型カメラ1530を、スクリーン1510の前の領域をある角度で見るのに用いることができる。この構成において、カメラは、その内蔵されているイルミネータの鏡面反射も見ることができない。
【0097】
タッチスクリーン・インタフェースの付加
上述したシステムは、上記スクリーンから数インチ離れた対象やジェスチャーを認識するが、タッチスクリーンの反応も同様に実行することができ、ユーザは、該スクリーンに本当に触って、動作を起こせるようにしなければならない。このことは、該システムが、追加的な様々なユーザインタフェースをサポートできるようにすることになる。例えば、このインタフェースは、ユーザが、該スクリーンの上で両手をそろえてカップ状にすることにより、該スクリーン上の仮想対象を“集める”ことができるようにするが、そのイメージに触れることにより仮想対象を“ピックアップ”した後、該スクリーン上の別の箇所に触れることにより該対象を“落とす”こともできるようにする。
【0098】
このタッチスクリーンの作用は、いくつかの方法のうちの1つで実施することができる。この章及び後の章で説明する該タッチスクリーンの実施例は、プロジェクタをベースとするインタラクティブ・ビデオ・システム及び透過型フラットパネルディスプレイをベースとするインタラクティブ・ビデオ・システムの両方と適合する。現在のタッチスクリーン技術は、上記表示スクリーンを覆う部分が上記カメラに対して透過性である限り、該システムのスクリーンと一体化することができる。これは、抵抗性タッチスクリーン、容量性タッチスクリーン、赤外線格子タッチスクリーン及び表面弾性波タッチスクリーンを含む。しかし、これらスクリーンの全ては、該スクリーンへの一本指によるタッチングしか検知することができず、また、短時間のタップと対照的に、連続的なタッチングまでも検知することができないという欠点を有する。上記の欠点を克服するいくつかの解決法があり、そのほとんどは、上記システムが、対象と該スクリーンとの間の距離に関する情報をキャプチャできるようにする。この3Dデータは、ジェスチャー認識等の高レベルの視覚処理にとって有用である。
【0099】
マルチユーザ・タッチスクリーン及び3Dデータ:ステレオカメラ
このシステムに対して、いくつかのわずかな変更を行うことにより、複数の人が上記スクリーンを同時に使用できるようにするマルチユーザ・タッチスクリーンを形成することができる。一実施形態において、ステレオカメラを単一のカメラに代えて用いることができる。該ステレオカメラは、単一のカメラシステムと同じ波長感度及びフィルタ構成を有するであろう。しかし、上記コンピュータは、該ステレオカメラから2つのイメージを取得することができ、また、マー・ポジオ(Marr−Poggio)アルゴリズム等のいくつかの周知の立体視アルゴリズムのうちのいずれか1つを用いて、スクリーン上に見える対象のための距離情報を導出することができる。該スクリーンまでの距離は分かっているので、該コンピュータは、該対象の距離情報と該スクリーンまでの距離とを比較することにより、何らかの対象が該スクリーンに触れているか否かを識別することができる。
【0100】
マルチユーザ・タッチスクリーン及び3Dデータ:1カメラステレオ
図16は、本発明の一実施形態による、ミラーを用いて3D情報を得る構成1600を示す。ステレオデータは、ミラー1620を上記ボックスの内側側部に配置することにより、1つのカメラ1610のみを用いて取得することができる。従って、カメラ1610は、直接的に及びある角度でスクリーン1630を見ることになる。スクリーン1630に触れている対象は、該カメラのメインイメージ及び反射イメージの両方において、ミラー1620の縁部から同じ距離に現れることになる。しかし、スクリーン1630の上の対象は、該メインイメージ及び反射イメージにおいて、ミラー1620の縁部から異なる距離にあることになる。これらのイメージを比較することにより、上記コンピュータは、各対象がスクリーン1630に触れているか否かを論理的に推理することができる。
【0101】
マルチユーザ・タッチスクリーン及び3Dデータ:パターン化した照射
図17は、本発明の一実施形態による、パターン化した照射を用いて3D情報を得る別の構成1700を示す。光パターンを投影するパターン化赤外線イルミネータ1710は、通常の赤外線イルミネータの代わりに用いることができる。このシステムは、スクリーン1720上の対象とスクリーン1720の上方の対象を識別することができる。しかし、このシステムの精度は、パターン化赤外線イルミネータ1710をある角度でスクリーン1720上に照射させることにより、ある場合においては、ミラー1730から上記ボックス内部の側部にはね返すことにより、改善することができる。対象に対するパターン化した光の位置は、スクリーン1720から離れてまたは該スクリーンの方へ短距離移動する際に、劇的に変化し、該対象とスクリーン1720との距離を、コンピュータ1740によって容易に判断できるようにする。
【0102】
マルチユーザ・タッチスクリーン及び3Dデータ・タイムオブフライト型システム
上記カメラは、Canestaおよび3DV systemsから入手可能なモデル等のタイムオブフライト型赤外線カメラとすることができる。このカメラは、そのイメージの各ピクセルのための距離情報を検知する、本来備わった機能を有する。この種のカメラを使用する場合、上記スクリーンからの全ての赤外線グレアをなくすことが非常に重要であり、さもなければ、該カメラは、該スクリーン上の上記イルミネータの反射を実際の対象と間違えることになる。赤外線グレアをなくす方法は上述している。
【0103】
マルチユーザ・タッチスクリーン:複数波長
タッチスクリーンの機能は、それぞれのカメラとイルミネータとの組を異なる赤外線周波数とした状態で、2つのカメラ及び2つのイルミネータを有することにより実現することができる。例えば、一方のカメラ‐イルミネータの組は、800nmの光を用い、他方の組は、1100nmの光を用いることができる。該スクリーンの散乱は、該波長の逆数の4乗に比例するため、該800nmのカメラは、該1100nmのカメラよりも遥かに小さい、該スクリーンの向こうにあるものを見る能力を有することになる。その結果として、該スクリーンに触れている、または、触れそうになっている対象のみが、該800nmのカメラに見えることになり、一方、1100nmのカメラは、該スクリーンから数インチ離れている対象を見ることができることになる。両カメラ共、それらのデータを上記コンピュータに入力して、独立した視覚システムを介して実行する。該800nmのデータは、上記タッチスクリーンインターフェースへの入力となり、一方、1100nmのカメラは、該スクリーンの上の対象を検知することができるため、ジェスチャー入力に用いられるであろう。
【0104】
マルチユーザ・タッチスクリーン:ディスプレイ面上の狭小ビーム
図18Aは、本発明の一実施形態による、追加的なイルミネータを用いて3D情報を得る構成1800及び1850を示す。第2のイルミネータ1810は、該ディスプレイ面上または該ディスプレイ面に近接している対象のみを照らすのに用いることができる。例えば、LEDまたはレーザ等の狭角イルミネータが、スクリーン1820とほぼ平行に向けられて、スクリーン1820のすぐ内側または外側に配置されている場合、スクリーン1820に隣接する対象は、上記カメラのイメージに非常に明るく現れることになる。円筒形レンズまたは他の手段を、該イルミネータの光を垂直ではなく水平方向に拡大するのに用いることができ、該光が該スクリーンの全領域をカバーするのを可能にする。それに伴って、上記視覚システムは、該非常に明るい対象が、スクリーン1820に近接しているかまたは該スクリーンに触れていることを論理的に推理することができる。
【0105】
別の実施形態においては、上記ビームは、上記ディスプレイ面の内側に照射することができる。図18Bに示すそのような一実施形態の照射システム。透過性パネル1860は、メイン表示スクリーン1855の前に配置されている。イルミネータ1870は、狭小ビームを透過性パネル1860の縁部に照射する。急峻な入射角のため、光1870は、透過性パネル1860の境界内で完全に反射する。しかし、対象1875が該スクリーンに触れている場合には、光1870は散乱することができ、該光が、透過性パネル1860の境界から抜け出すことが可能になる。その結果、この光1880は、カメラ1885により検知することができる。このことは、カメラ1885が、対象1875またはユーザが該スクリーンに触れているときを検知することができるようにする。
【0106】
上記スクリーンの表面または該表面近傍に、イルミネータの第2のセットを用いるこれらのアプローチの場合、これらは上記システムが、上記メインイルミネータからの光と第2のイルミネータからの光とを識別できるようになっているいくつかのデザインである。この識別は、該システムが、単に該スクリーンの前にある対象とは別に、該スクリーンに触れている対象を検知できるようにするので重要である。
【0107】
まず、イルミネータの2つの組は、交互のカメラ露出の間に作動させることができ、上記システムが、各イルミネータにより照らされるときに、上記スクリーンの前の領域を見ることができるようにする。代替的に、該システムは、各カメラ‐イルミネータの組を異なる波長で作動させた状態で、2つのカメラを用いることができる。また、該システムは、2つのカメラを用いることができるが、各カメラ‐イルミネータの組を異なる時間にストロボさせることができる。
【0108】
マルチユーザ・タッチスクリーン及び3Dデータ:輝度比
タッチスクリーンの動作は、異なるイルミネータを、該スクリーンに対して異なる距離に配置することにより、実現することができる。イルミネータAが、該スクリーンから2フィート離れており、イルミネータBが該スクリーンから1フィート離れていると仮定する。照明源の明るさは、該照明源からの距離の逆二乗に比例する。すなわち、対象に対するA及びBからの光の割合は、その距離が変化するにつれて変わる。この割合は、上記コンピュータが、対象が該スクリーン上にあるか否かを判断できるようにする。表1は、A及びBからの光の割合がどのように該スクリーン上の対象と該スクリーンの1インチ上の対象とを識別できるかという実施例を示す。
【表1】

【0109】
上記比は、対象が完全な黒色でない限り、どんな色の対象物であろうとも有効である。また、上記LEDの光は非均一であるため、該スクリーンに触れている対象の比は、該対象が、該スクリーンのどの部分に触れているかにより、変化する可能性がある。しかし、該比は、較正プロセス中に確立することができ、また、該スクリーンの各箇所で最近観測した最大比を記録することにより、長い間に再確認することができる。
【0110】
イルミネータAとイルミネータBは、区別することができる。一実施形態においては、2つのカメラ及びイルミネータが使用され、“マルチユーザ・タッチスクリーン:複数波長”の見出しのところで説明したように、異なる波長に対して調整される。すなわち、イルミネータAは、カメラAだけに見え、イルミネータBは、カメラBだけに見える。
【0111】
別の実施形態においては、イルミネータA及びイルミネータBは、同じ波長を有するが、異なる時間にオンされる。1つのカメラがある場合、イルミネータA及びイルミネータBは、AがオンでBがオフの間に、全ての偶数番のカメラ露出が行われ、AがオフでBがオンの間に、全ての奇数番のカメラ露出が行われるように、交互に作動させることができる。このことは、有効フレームレートを2倍減らすが、1つのカメラが、A及びBにより別々に照らされたイメージをキャプチャできるようにする。そして、上記コンピュータは、該2つのイメージを比較して、各箇所における輝度比を計算し、対象が上記スクリーンに触れたときを判断することができる。該カメラの同期信号を読取りまたは生成する回路を形成することにより、該イルミネータを該カメラと同期させることは容易である。
【0112】
別の実施形態においては、2つの別々のカメラは、上記イルミネータが、対応するカメラが露出を行うときにのみ作動するようにストロボされ、該2つのカメラの露出が、オーバーラップしないようにずらされる限り、(両方共、同じ波長で)イルミネータA及びイルミネータBに連係させることができる。
【0113】
全ての場合において、上記コンピュータは、Aによって照らされた上記スクリーンのイメージと、Bによって照らされた上記スクリーンのイメージとを比較して、各箇所における輝度比を判断し、それによって、対象の該スクリーンからの距離を判断することができる。Aを該スクリーンから2フィート離し、Bを該スクリーンから1フィート離した実施例は、単に一つの実施形態であり、他の距離の比または配置も役に立つ。
【0114】
タイリング(TILING)
上記システムは、内蔵型ボックス内にあり、また、上記スクリーンは、該スクリーンの全ての側部を占めることができるので、より大きなスクリーンを形成するために、スクリーンは、全てのスクリーンを同じ側部にした状態で、格子状にまとめて重ねることができる。各システムにおける上記コンピュータがネットワーク化されている場合、該システムは、リアルタイムの視覚信号及び内容に関する情報を共有することができ、該スクリーンが1つの大きなシームレススクリーンとして機能できるようにする。美観的理由により、個々のタイルを張るように並べられたユニットのスクリーンは、1つの非常に大きなスクリーンと替えてもよい。
【0115】
ぼやけの量からの距離情報の取得
あるスクリーン材料及び構造は、典型的な散乱の角度が小さい入射光の散乱を引き起こす可能性がある。すなわち、該スクリーン材料を通過する光の大部分は、方向をわずかに変える。図19Aは、わずかに散乱することの概念的実施例を示し、各光の散乱線に対する矢印の長さは、その方向に散乱した光の部分を表し、有限数の矢印が示されているが、散乱角度の分布は連続的である。
【0116】
この形態の散乱は、いくつかの方法で実現することができる。強度のミー散乱を伴う材料は、この特性を呈する。また、テクスチャー加工された表面を有する材料も、所望の方法で光の向きをわずかに変える。理想的には、該テクスチャーは、該光路において、小さな平均偏差及び確率的に滑らかな偏差をもたらすであろう。図19Bは、そのようなテクスチャーの一実施例を示す。該テクスチャーのサイズは、投影イメージの視野からそれないように十分小さい。この散乱の効果は、強度のミー散乱またはテクスチャー加工された表面を有するように、メインスクリーンの材料を変更することによって実現することができる。代替的に、これらの特性は、該メインスクリーン材料とともに挟み込まれている第2のスクリーン材料に付加してもよい。
【0117】
このような材料の上記スクリーンの一部としての使用は、上記カメラによる景色の見方に影響を及ぼすことになる。該カメラによって見られる全ての対象は、該材料の散乱特性によってぼやけることになる。しかし、ぼやけの量は距離に依存する。該スクリーンに触れている対象は、ぼやけていないままであるが、離れていく対象は、徐々にさらにぼやけることになる。これは、該スクリーン表面で所定の角度で光線を散乱させることは、該スクリーンから該光線までの距離に比例する散乱の物理的距離を意味するからである。例えば、45度だけ水平方向に光線を散乱させることは、該光線を、該スクリーンから1フィートの距離において、その水平方向の位置で1フィートそらさせるが、該それは、該スクリーンから2フィートの距離においては、2フィートである。
【0118】
そして、上記視覚システムは、このぼやけたイメージを用いて、シャープなエッジ及びぼやけたエッジの両方を検出し、かつ各エッジに対してぼやけの量の推定を実行できるエッジ検出技術の利用を含む多くの方法により、該距離を再構成することができる。Elder−Zuckerアルゴリズムは、そのようなエッジ検出技術の一つである。ぼやけの量が一旦、分かると、該スクリーンからの該対象のエッジの距離を判断することができ、ぼやけの量は、該距離に比例するので、該視覚システムに、該対象に関する3D情報を与えられる。
【0119】
上記視覚システムのタスクは、規則的な赤外線照射の代わりにまたは該赤外線照射に加えて、上記カメラに見える赤外線パターンを投影するパターン化照明源を用いることにより、単純化することができる。このパターンは、ドット、ライン、あるいは、シャープなエッジを有する他のテクスチャーを含んでもよい。該パターンは、該スクリーンを通すことを含むいくつかの方向から投影することができる。該パターンが該スクリーンを通して投影される場合、散乱の量は2倍になるが、距離依存の散乱の効果は変わらない。
【0120】
上記スクリーン上の全ての対象をパターンで照らすことにより、上記視覚システムの性能は向上する。パターン化された照明を用いない場合、該イメージのどの位置における3D情報も判断することが困難であり、この場合、均一な輝度の対象の中間等のエッジはない。しかし、全ての対象をこの投影パターンでカバーする場合、該イメージのどの位置におけるぼやけ情報も得ることが容易である。
【0121】
投影されたテクスチャーを用いて、異なる方法を、ぼやけの量を推定するのに用いることができる。ソーベルフィルタまたはピラミッド分解等の画像コンボリューションは、異なるスケールにおける信号強度及び階調度に関する情報を得るのに用いることができる。該テクスチャーがドットパターンである場合、該ドットに相当するイメージにおける箇所は、局所最大値を探すことにより見つけることができる。そして、各局所最大値周辺の領域の階調度の強度を調べることにより、どの程度ぼやけが発生しているかを判断することができる。該ドットのエッジにおける階調度は、ぼやけの量にほぼ反比例する。そのため、各ドットにおける階調度は、上記スクリーンからの距離に関連付けることができる。
【0122】
カメラ構成
上記システムの一実施形態において、上記カメラは、人の目には見えない波長の光に対して感度が良い。不可視波長の光を放出するイルミネータを付け加えることにより、該カメラは、光をユーザの目に照射することなく、暗い室内で上記表示スクリーンの前の領域の良好に照らされたイメージを取得することができる。また、選択した光の波長により、該表示スクリーンの内容は、該カメラに見えない可能性もある。例えば、920nm〜960nmの波長の光に対してのみ感度が良いカメラは、LCDスクリーン上にどのようなイメージが表示されていようとも、該LCDスクリーンを透過性のものとして見ることになる。
【0123】
上記システムの別の実施形態においては、上記カメラは、狭い範囲の波長の近赤外線に対してのみ感度が良く、この場合、該範囲内の最も短い波長は、少なくとも920nmである。上記スクリーンの前の領域は、この波長範囲の光を放射する赤外線LEDからなるクラスタによって照らされる。該カメラは、該LEDによって生成された波長の光のみを伝達する帯域通過フィルタを備えた近赤外線に感度が良いモノクロCCDである。さらなるイメージ品質の向上及び周囲光の排除のために、該カメラとLEDとを一緒にストロボさせることができる。
【0124】
上記システムの一実施形態において、上記カメラは、上記スクリーンの前の領域の比較的歪んでいない視野を有する。歪みを低減するために、該カメラは、該スクリーンから有効な距離に配置することができる。代替的に、該カメラは、該スクリーンに近づけて配置することができ、フレネルレンズを該スクリーン上または該スクリーンの後ろに配置することができる。図20Aは、該カメラを該スクリーンに近接させた高歪み構成を示す。図20Aにおいては、対象2010及び対象2020が、該カメラの視野からは同じ位置に見えるが、該スクリーンの非常に異なる部分の上にあることに注意する。図20B、図21A及び図21Bは、歪みが低減された幾つかの構成を示す。図20Bは、該カメラが該スクリーンから離れており、該カメラの視野を反射させることにより、ディスプレイ全体をコンパクトに保つことができる低歪み構成を示す。図20Bにおいては、対象2030及び対象2040が、該カメラの視野からは同じ位置に見え、該スクリーンの上の同様の位置を占めていることに注意する。図21A及び図21Bは、それぞれ、歪みを低減またはなくすフレネルレンズの使用を示す。
【0125】
フレネルレンズは、複数のカメラを上記システムにおいて使用できるようにするためにも用いることができる。図21Cは、2カメラシステムにおいて歪みをなくすフレネルレンズの使用を示す。各カメラは、該カメラの視野に対する歪みをなくすフレネルレンズを有する。該2つのカメラの視野が、交差することなくわずかに接するため、対象は、一方のカメラの視野から他方のカメラの視野へ途切れなく通過することができる。この方法は、多くのカメラに恩恵を及ぼし、カメラからなる格子を該スクリーンの後ろに配置することができるようにする。この方法は、上記インタラクティブ・ディスプレイを奥行きのないものにすることができ、該ディスプレイに、フラットパネルディスプレイと同様の形状要素を与える。同様に、歪みをなくすフレネルレンズの使用は、全てのディスプレイからの複数のカメラを、継ぎ目なく一緒にタイル張りのように並べることができるように、複数の内蔵型ディスプレイを一緒にタイル張りのように並べることができるようにする。
【0126】
上記カメラからの3Dイメージを取得するのにある方法を用いる場合、該カメラの位置は、座標変換を実行することにより、歪みをソフトウェアで補正することができるため、重要性が小さくなる。例えば、各ピクセルに対する該カメラの深度測定値は、(x,y,z)座標に変換することができ、ここで、x及びyは、該箇所に最も近い該表示スクリーン上の位置に対応し、zは、該箇所に対する該スクリーン上の位置(x,y)からの距離に対応する。3Dイメージは、数あるソフトウェアをベースとする及びハードウェアをベースとするアプローチの中でも、タイムオブフライト型カメラを用いることにより、ハードウェアで取得することができる。タイムオブフライト型カメラの製造者は、Canestaおよび3DV Systemsを含む。上述したアプローチは、ほとんどのタイムオブフライト型カメラが赤外線イルミネータを用いるため、タイムオブフライト型カメラを上記スクリーンの後ろに配置することと両立する。
【0127】
カメラのためのイルミネータ
上記カメラの波長を考慮して上記スクリーンの前のインタラクティブ領域を照らすイルミネータは、該スクリーンの周囲、該スクリーンの後ろまたはその両方に配置することができる。
【0128】
それらのイルミネータが該スクリーンの周囲に配置されている場合、該イルミネータは、上記インタラクティブ領域を直接照らし、それらの明るさを最大限にできるようにする。しかし、この構成は、信頼できるものではなく、ユーザが該イルミネータの光路を遮断する可能性があり、該インタラクティブ領域内のいくつかの対象が照らされることが妨げられる可能性がある。また、この構成は、該スクリーンに触れている対象を照らすことを困難にする。
【0129】
上記スクリーン周辺に配置されたイルミネータについての上述した問題は、該イルミネータを該スクリーンの後ろに配置することにより解決され、上記カメラの近傍のイルミネータの場合、該カメラに見えるいかなる対象も照らされることになる。しかし、それらのイルミネータからの光は、レイリー散乱物質、テクスチャー加工された材料、または、該スクリーンの後ろの散乱偏光子によって後方散乱する可能性がある。この後方散乱は、該カメラのイメージのコントラストを著しく低下させ、上記視覚システムが該カメラのイメージを解読することを困難にする。
【0130】
光が散乱偏光子によって散乱されている場合、上記カメラは、近赤外光に対して感度が良く、上記イルミネータは近赤外光を放射し、それに伴って、上述したコントラストの損失は、赤外光を直線偏光させる赤外線直線偏光子を用いることによって低減することができる。偏光方向を、散乱偏光子が透過性である方向に対して平行にした状態で、該カメラの前に赤外線直線偏光子を配置することは、後方散乱を著しく低減し、かつコントラストを改善することになる。また、偏光方向を、該散乱偏光子が透過性である方向に対して平行にした状態で、該赤外線イルミネータの前に赤外線直線偏光子を配置することも、後方散乱を低減し、かつコントラストを改善することになる。
【0131】
ウィンドウディスプレイ
本発明の別の態様によれば、上記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイは、ウィンドウディスプレイと共に使用することができる。内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイは、様々な物理的構成、例えば、上記スクリーンを水平、垂直または対角線状に配置することで、配置することができる。しかし、そのようなディスプレイをウィンドウ上に配置した場合には、いくつかの追加的な実行可能な構成がある。
【0132】
図22は、本発明の一実施形態による、インタラクティブ・ウィンドウ・ディスプレイ2200の例示的な構成を示す。一実施形態においては、内蔵型とする代わりに、コンポーネントを物理的に分離することができる。スクリーン2210は、ウィンドウ2220面に直接貼ることができ、あるいは、ウィンドウ2220の後ろに独立して設けることができる。カメラ2230、プロジェクタ2240及びイルミネータ2250は、近くに、または、別々の位置に配置することができ、また、床、天井またはウィンドウ2220からの様々な距離の間のどこかに設けることができる。場合によっては、赤外線イルミネータ2250を、該イルミネータが、スクリーン2210を通してではなく、対象を直接照射するように、スクリーン2210の側に配置することができる。また、場合によっては、カメラ2230とコンピュータ2260との間、または、コンピュータ2260とプロジェクタ2240との間の通信をワイヤレスにしてもよい。
【0133】
ウィンドウディスプレイ内の該カメラは、一般に、水平方向に向けられている。その結果として、該カメラは、通常、上記スクリーンから任意の距離で人を見る。視覚ソフトウェア、スクリーン材料または他のシステムを、過大な距離における対象を識別及び除去するのに用いることができるが、より遠くの対象が、それらを見るカメラのために、一定の最小高さからなる必要があるように、該カメラを上方へ傾けることも可能である。それに伴って、数フィートのスクリーンの範囲内の人のみが該スクリーンと相互に作用することができる。そのようなディスプレイに近づいてくるユーザは、該スクリーンの底部に最初に現れ、その後、該ユーザが該スクリーンに近づくにつれて、段々浮かび上がってくる仮想的な存在に気付くことになる。図22は、このように上方に傾けたカメラ2230を示す。
【0134】
グレアは、ウィンドウディスプレイにおける課題である。しかし、ウィンドウディスプレイのユーザが、典型的に、該スクリーンを見る角度は限られる。そういう人たちは、おそらく、該ディスプレイ上の対象を指差す空間を有するように、該ディスプレイから少なくとも数(例えば、2)フィートの距離を保つため、一般に、斜角で該スクリーンを見ることはないであろう。目線以下のディスプレイの場合、人は、特に、斜角で該ディスプレイを見上げることはないであろう。該プロジェクタが、そのビームを斜角で下方へ投影する状態で、該スクリーンに極端に近づけてかつ該スクリーンの上部の上に配置されている場合には、この低グレア状態が実現されるであろう。代替的に、該ディスプレイが目線以上になるように配置されている場合、該プロジェクタを該スクリーンの下に近づけて配置して、斜角で上方に投影することにより、同様のグレアの低減を達成することができる。軸外しプロジェクタは特に、この種の構成に特に有用であることに注意する。
【0135】
ウィンドウユニット:代替構成
上記スクリーンの可視光透過性は、内蔵型ユニットよりもウィンドウユニットにおいてより望ましい。従って、ウィンドウディスプレイは、特定の角度で該スクリーン上に照射される光に対して半透過性である部分的に透過性のスクリーンを用いて形成することができる。該部分的に透過性のスクリーンを形成するのに用いることができる一つの材料は、Dai Nippon Printingにより製造されて“HoloClear”の商品名で市販されており、このような材料は、35度の角度で該スクリーンに照射される光に対して半透過性である。このスクリーンは、上記赤外線透過・可視光半透過性スクリーンまたは散乱偏光子スクリーンの代わりになる。上記プロジェクタが、該角度で該スクリーン上に光を照射した場合、該プロジェクタからのグレアは生じないであろう。上記カメラが、該プロジェクタから(該スクリーンに対して)著しく異なる角度にある限り、上記システムは、正しく機能することができるであろう。
【0136】
ウィンドウユニットに対するインタフェース
上記ウィンドウユニットに対するインタフェースは、ステレオカメラ、タイムオブフライト型カメラ及びこの特許の“タッチスクリーン”の章で説明した技術の使用を含む、上記内蔵型ユニットと同様の方法を用いて、距離に依存して形成することができる。一実施形態において、該ウィンドウユニットとの相互作用は、全身のインタラクションと、指差し等のより厳密なジェスチャーとの混合を含む。
【0137】
深度情報を抽出する視覚システムの場合、いくつかの方法によって、指差しジェスチャーと他の手の動きとを分離することが可能である。まず、上記カメラのイメージは、全身のインタラクションに対する1つの距離範囲と、指差しジェスチャーに対する別の(おそらくより近い)距離範囲とを用いて、いくつかの距離範囲に分けることができる。後者の距離範囲における対象は、ポインタとして追跡され、その位置は、該ディスプレイ上で実行されるアプリケーションに対する入力として作用する。代替的に、該スクリーンから特定の距離に満たない全ての対象は、該スクリーンに最も近い該対象内の箇所を見つけるために分析することができる。該箇所が、少なくとも特定の閾値だけ、該対象の残りよりも該スクリーンに近い場合、該箇所は、指差しジェスチャーのための入力になる。該スクリーン上の視覚フィードバックは、何らかの検出された手の動きの位置を示すように実行することができる。
【0138】
グレアを低減する方法
ビューワが常に、特定の角度範囲から上記プロジェクタのグレアを見るようにする場合、該グレアは、該光景の該カメラの視野に有害な影響を及ぼすことなく、さらに低減することができる。図23A、図23B及び図23Cは、それぞれ、本発明の異なる実施形態による、グレアを低減する様々な方法を示す単純化した概略図である。図23Aは、プリーツ付きのスクリーン材料を示す。該スクリーンは、斜角で来る光線が、スクリーンのいくつかの層を通過しなければならず、ほぼ直線状に来る光線が、通常、1つの層のみを通過するように、プリーツが付けられていると仮定する。該プロジェクタの光が斜角で来て、該カメラがほぼ平行に該スクリーンを見る場合、該プロジェクタの光の散乱の量は、該カメラの視野に有害な影響を及ぼすことなく、大幅に増加することになる。図23Aにおいて、該カメラの視野の大部分は、1つの層を通過するのみであるが、投射された光の全ては、複数の層を通過する。
【0139】
所望の効果を実現するには、いくつかの方法がある。プリーツ付きスクリーンの代わりに、図23Bに示すように、プリーツ付きスクリーンと同じ効果を生成するマイクロルーバー材料を有する平坦なスクリーンを代替使用することができる。代替的に、図23Cに示すように、スクリーン材料の小さく、平坦なシート状粒子を、(全て水平方向に向けて)透過性基板に付加することができる。全ての場合において、斜角で該スクリーンに近づく典型的な光線は、該材料と垂直な典型的な光線よりもより多くの散乱材料に遭遇する。
【0140】
全ての場合における上記スクリーンのテクスチャーは、ビューワがそれに気付かないくらい十分に小さくすべきである。この方法は、軸外しプロジェクタを使用する場合に最も有用であるが、該プロジェクタ及びカメラが異なる角度で該スクリーンを見るどのような状況においても有用である。
【0141】
上記赤外線光源が上記スクリーンを照射すること及びコントラストを低下させることを防ぐことが重要である。すなわち、赤外線イルミネータが該スクリーンの後ろに配置されている場合、該スクリーンの散乱が最小化される角度で該赤外線イルミネータを配置することが有利である。
【0142】
代替的に、狭い範囲の視角で半透過性であり、かつ他の全ての角度で透過性である(Lumisty等の)視界制御フィルム製品は、場合によっては、グレアを低減するのを促進することができる。
【0143】
上記プロジェクタを、上記スクリーンに対して特定の角度で配置することにより、該プロジェクタのビームを直接見る誰かが、上記視界制御フィルムが半透過性になる角度で該スクリーンを見ることになるようにすることができる。図24A及び図24Bは、視界制御フィルムがグレアを低減することができる一つの方法を示す。図24Aは、1種類の視界制御フィルムを通して光を見る人(またはカメラ)の体験を示す。該半透過性領域からの光は拡散され、この領域内の光源からのいかなるグレアも低減されまたはなくなる。2つの透過性領域からの光源は拡散されず、人またはカメラが、それらの領域内で対象を見ることができるようになる。視界制御フィルムの領域の境界は、多くの場合、一方向に沿った光線と該視界制御フィルムの表面との間の角度に対する値の範囲によって定義される。図24Bは、インタラクティブ・ウィンドウ・ディスプレイ上のグレアを低減する、単純化した構成の視界制御フィルムを示す。該視界制御フィルムは、上記赤外線透過・可視光半透過性スクリーンと共に使用される。該プロジェクタの角度のため、該視界制御フィルムが光を拡散させる角度である状態を要することなく、該プロジェクタのビームを直接見ることが可能である。しかし、上記カメラは、該視界制御フィルムが透過性である角度で向けられているため、該視界制御フィルムを通して対象を見ることができる。従って、グレアは、光景を見る該カメラの能力に影響を及ぼすことなく低減される。
【0144】
例示的な構成
ウィンドウディスプレイ2500の一つの例示的な実施形態は、図25に示すように、散乱偏光子をスクリーンとして用いる。この実施形態は、該ディスプレイを作動させるのに必要な全ての検知及び表示コンポーネントが、ウィンドウ2505の後ろに配置されているインタラクティブ・ウィンドウ・ディスプレイ2500である。ウィンドウディスプレイ2500は、ウィンドウ2505の前のユーザが、自然な身体動作によって、ウィンドウ2505上に表示されたビデオイメージと対話できるようになっている。
【0145】
一実施形態において、表示されたイメージは、LCDプロジェクタ2510によって生成される。ほとんどのLCDプロジェクタにおいては、赤色及び青色の光が一方向に偏光され、緑色は、垂直方向に偏光される。ColorLink Corporationによって生み出された位相差板スタック“ColorSelect”技術等の色選択性偏光回転子2515は、緑色の光の偏光を90度回転させるのに用いられる。代替的に、赤色及び青色の光の偏光は、同じ効果を実現するために、90度だけ回転させることができる。プロジェクタ2510の前に色選択性偏光回転子2515を配置することにより、全てのプロジェクタの光は、同じ偏光になる。散乱偏光子2525は、最大散乱の方向が該プロジェクタの光と平行になるように方向付けられている。従って、このプロジェクタの光が散乱偏光子2525に達すると、該光は全て散乱され、該スクリーンの他方側のユーザに対するイメージが生成される。
【0146】
近赤外光のみに感度が良いビデオカメラ2530は、“カメラの視野”と呼ばれる、該スクリーンの前の領域を見る。この視野内の対象は、カメラ2530に見えることになる。該カメラの視野のための照明は、赤外線LEDクラスタ2535からなるセットから来て、該クラスタは、カメラ2530により見える波長の光を該スクリーンの裏側に生成する。該カメラの視野は、該スクリーン近傍にいる人のみが、該視野の範囲内にあるように、上方に傾斜されている。このことは、該スクリーンから離れた対象が、カメラ2530を入力として用いるインタラクティブ・アプリケーションに影響を及ぼすことを防止する。
【0147】
次に、図25の例示的な実施形態を介した可視光及び赤外光の経路について説明する。光の2つの垂直な偏光は、偏光A及び偏光Bと呼ぶ。
【0148】
可視光は、赤色光及び青色光が偏光Aで緑色が偏光Bの状態でLCDプロジェクタ2510から現れる。この光は、まず、色選択性偏光回転子2515を通過し、該回転子は、赤色光及び青色光を散乱させずに、緑色光が偏光Aになるように、該緑色光の偏光を回転させる。次に、この光は、直線偏光子2520を通過し、該偏光子は、偏光Aの光を伝達し、偏光Bの光を吸収する。この直線偏光子2520は、該光を“浄化し”、すなわち、該偏光子は、まだBで偏光されている該プロジェクタの光を吸収する。次いで、該光は、散乱偏光子2525を通過し、該偏光子は、偏光Aの光を散乱させ、偏光Bの光を伝達するような方向に配置されている。すなわち、該プロジェクタの光のほぼ全てが散乱される。この散乱光は、その偏光Aを保つことに注意する。状況に応じて、該光は、その後、偏光Aの光を伝達し、かつ偏光Bの光を吸収する直線偏光子2540を通過してもよい。この偏光子は、イメージ品質の改善に役立つ。
【0149】
赤外線イルミネータ2535から放射された赤外光は、非偏光を始める可能性がある。状況に応じて、改善された明瞭度のために、この光は、少量の該光が散乱偏光子2525により散乱されるように、まず、赤外線直線偏光子を通過して該光を偏光Bに偏光させることができる。該光が偏光されない場合、該光の一部は、該光が散乱偏光子2525を通過する際に散乱されることになるが、偏光Aの光は、散乱されずに散乱偏光子2525を通過することになる。該赤外光の波長は十分に長いため、該光は、影響を受けずにいずれかの可視光直線偏光子2540を通過し、人であるユーザ等の上記スクリーンの前の対象を照らすことができる。
【0150】
ウィンドウ2505の前からカメラ2530の方へ戻ってくる赤外光は、直線偏光子2540の影響を受けない。しかし、該光が散乱偏光子2525を通過する際に、偏光Aの光は散乱し、偏光Bの光は散乱されないままとなる。カメラ2530は、その直前に赤外線直線偏光子2545を有し、この偏光子2545は、偏光Aの光を吸収し、かつ偏光Bの光を伝達する。従って、カメラ2530は、散乱偏光子2545によって散乱されていない偏光Bの光のみを見る。このことは、カメラ2530に、該スクリーンの前の領域の明瞭で高コントラストのイメージを与える。
【0151】
プリズムフィルムの使用
一般的なインタラクティブ投影型ウィンドウディスプレイにおいては、該ウィンドウディスプレイの下の領域をクリアにし、上記カメラが見る領域が上方に傾斜するように該カメラを配置することが望ましいことが多い。この状況は、プリズムフィルムを通過する全ての光の向きを特定の角度に向け直すプリズムフィルムの使用によって実現することができる。例えば、3Mにより製造されているVikuiti IDF filmは、入射光の向きを20度変える。1つ以上のそれらのフィルムを上記投影スクリーンのいずれかの面に配置して、光を上方へ向け直すことにより、該カメラは、図26に示すように、該スクリーンと比較してより高く配置することができる。
【0152】
小型化
上記システムの全体のサイズは、ミラーを用いて小型化することができる。図27は、上記カメラ及びプロジェクタが、上記ウィンドウから離れる方向に向けられて、該ウィンドウに隣接して配置されており、ミラーが該光ビームを反射して該ウィンドウの方へ戻す構成を示す。
【0153】
カメラの改良
さらなるイメージ品質の向上及び周囲光の排除のために、上記カメラと該カメラのイルミネータとを、一緒にストロボさせることができる。このアプローチは、3Dイメージングのための様々なソフトウェア及びハードウェアアプローチの利用と完全に適合する。特に、このデザインのカメラ及びイルミネータは、タイムオブフライト型カメラと置き換えることができる。
【0154】
可視光システム
(図25に示すように)直線偏光子が散乱偏光子に隣接して付加されていない場合、該デザインは、赤外線カメラの使用を必要としない。偏光方向を、該散乱偏光子が透過性になる方向と平行にした状態で、該カメラの直前に可視光直線偏光子がある限り、カラーまたは白黒の可視光カメラは、上記スクリーンの前の領域を撮像することができる。従って、投影されたイメージは、該カメラによって見られず、該カメラが、妨げられていない該スクリーンの前の領域を見ることができるようになる。このカメラは、現在ある周囲光によって、または、該スクリーンの前のユーザ及び対象を照らすために該ディスプレイの近くに配置された追加的な可視光によって作動することができる。追加的な可視光を付加した場合、該カメラ及び光は、該カメラのイメージの品質を向上させ、かつ周囲光及び該イメージに対するプロジェクタの光の影響を制限するために、本願の“方向性周囲赤外線”の章で説明したように、一緒にストロボしてもよい。
【0155】
さらなるイメージ品質の向上に対しては、高速開口を上記プロジェクタのレンズの前に配置することができる。この開口は、機械的または電子的なものにすることができ、すなわち、1つの利用可能な電子的開口は、Meadowlark Opticsによって製造されている、液晶をベースとするVelocity Shutterである。一実施形態において、このシャッタは、ほとんど常に開いたままであり、該プロジェクタの光が通過できるようになっている。該シャッタは、該プロジェクタの光を遮断し、上記カメラが写真を撮るためだけに閉じる。該カメラの露出時間が短い場合、該プロジェクタの輝度は、ほとんど影響を受けないことになる。該カメラの露出中に該プロジェクタの光を遮断する速度シャッタの使用も、可視光カメラを、投影型インタラクティブフロアまたはウォールディスプレイの前で使用できるようにすることに注意する。
【0156】
インタラクティブ・ビデオ・プロジェクション・システムにおける可視光カメラの使用の場合、各ピクセルを前景または背景として分類する視覚信号に加えて、上記スクリーンの前の人(該システムのユーザ)のリアルタイムの写真が得られることに注意する。このことは、該視覚システムが、該システムのユーザの写真と、除去される静止背景とを分離することを可能にする。この情報は、該システムが、人為的に生成されたイメージを該ユーザの上または周囲に挿入した状態で、該ユーザのカラーイメージを、表示する該イメージ中に配置できるようにする。このシステムが正確に較正されている場合、ユーザは、該スクリーンに触れることができ、該ユーザの表示されたイメージは、該スクリーン上の同じ位置に同時に触れることになる。これらの特徴は、例えば、ユーザが、インタラクティブな内容に配置されたユーザ自身を事実上見ることができることを含む、このディスプレイ上で実行するインタラクティブなアプリケーションの品質の著しい向上を実現できる。
【0157】
上記カメラからの可視光イメージは、該ミラーは、実際のミラーのように見えかつ作用する仮想ミラーを形成するのに用いることができるが、該ミラーイメージは、電子的に操作することができる。例えば、該イメージは、非反転ミラーを形成するように水平方向に裏返すことができ、この場合、ユーザは、他の人が該ユーザのイメージを見る様に、該ユーザ自身のイメージを見る。代替的に、該イメージは、人が、自身の背中を見るために振り返ることができるように、遅延させることができる。従って、このシステムは、例えば、ドレッシングルームを含む、ミラーが使用される環境における用途を有することができる。
【0158】
タイムオブフライト型カメラ・インタラクティブ・ディスプレイ
本発明の実施形態は、タイムオブフライト型カメラを用いて実施することができる。タイムオブフライト型カメラは、そのイメージの各ピクセルのための距離情報を検知する予め組込まれた性能を有する。タイムオブフライト型カメラを使用すると、変更されたディスプレイに対する必要性が排除される。換言すれば、該タイムオブフライト型カメラは、変更を要することなく、何らかのディスプレイ(例えば、LCDパネル、ブラウン管ディスプレイ等)と共に機能してもよい。単一のタイムオブフライト型カメラを用いてもよい。しかし、単一のタイムオブフライト型カメラは、該カメラに近接している対象によって遮られている対象を検知することができない可能性がある。そのため、本発明の実施形態は、図28に示すように、複数のタイムオブフライト型カメラを用いる。
【0159】
カメラの冗長性を用いれば、他方の対象を遮る一方の対象のため、もはや、全ての対象を検知できない1つのカメラのことを気にする必要はない。例えば、図29に示すように、4つのタイムオブフライト型カメラを、1つのディスプレイの角部に配置して、該ディスプレイの全体の領域がインタラクティブにすることができる。複数のカメラに対してこのタイムオブフライト型の実施を用いるために、座標変換が各タイムオブフライト型カメラの各ピクセルに対して実行されて、各ピクセルが共通の座標空間内に入れる。1つのこのような空間は、(x,y)、すなわち、該ディスプレイ面に垂直に投影されるポイントの位置と、(z)、すなわち、該ディスプレイからの距離とによって定義される。この座標空間の変換は、上記スクリーンに対する各カメラの角度(及び位置)で見ることにより決定することができる。代替的に、該変換は、既知のサイズ、形状及び位置の対象が、該スクリーンの前に配置されている較正プロセスによって決定することができる。該カメラの各々に対象を撮像させることにより、適切な変換機能を、各カメラによって見られるポイントから該共通の座標空間内のポイントへ確定することができる。該カメラの座標変換がリアルタイムで行われる場合、3Dの該カメラの前の領域のリアルタイムの写真が実現される。
【0160】
利用法
上記インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、多くの異なる用途に用いることができる。タッチスクリーンのような動作及び全体または部分的な輪郭相互作用を有する該システムの能力は、ボタン及び対象のより厳密な選択及び操作を要する情報インタフェースに対するそのアピールを増す。
【0161】
透過性ディスプレイスクリーンをベースとする及びプロジェクタをベースとするインタラクティブ・ディスプレイ・システムは、限定するものではないが、ユーザが自身の体を動かしてゲームをプレイするインタラクティブ・ビデオゲーム、インタラクティブメニュー、カタログ、及びジェスチャーを用いて、情報内容のページをユーザに検索させる検索システム、ユーザが、自身のイメージを用いて衣服を試着できるようにするシステム、ユーザのイメージまたは輪郭が、ビデオ・エフェクト・システムへの入力として作用するピュア・エンタテインメント用途、該スクリーンの前のユーザの動きと相互作用するインタラクティブ・キャラクター、及びユーザが体を動かすことによって相互作用する仮想遊園地及び童話を含む。
【0162】
本発明の他の利用法は、限定するものではないが、ユーザが、ディスプレイ上で製品をカスタマイズする使用可能なオプションをカスタマイズするまたは見ることを可能にすること、ディスプレイ上の製品を、ディスプレイインタフェース、キーボード、クレジットカードの読取り、または、これら3つの組合せを用いて、該ディスプレイで注文できるようにすること、該ディスプレイ上の複数の製品の特徴を比較すること、該ディスプレイ上の複数の製品間の組合せまたは互換性を示すこと、及び製品を異なる仮想背景(例えば、水、森、アスファルト等)内に置いて、その特徴を説明することを含む。
【0163】
周辺装置
透過性ディスプレイスクリーンをベースとする及びプロジェクタをベースとするインタラクティブ・ディスプレイ・システムは、限定するものではないが、マイクロフォン、タッチスクリーン、キーボード、マウス、RFIDタグ、圧力パッド、携帯電話の信号、PDA及びスピーカを含む追加的な入力装置及び出力装置を組み込むことができる。
【0164】
透過性ディスプレイスクリーンをベースとする及びプロジェクタをベースとするインタラクティブ・ディスプレイ・システムは、一緒にタイル張りのように並べて、単一のより大きなスクリーンまたはインタラクティブ領域を形成することができる。また、タイル張りのように並べられたスクリーンまたは物理的に独立したスクリーンもネットワーク化することができ、一方のスクリーン上のアクションが他方のスクリーン上のイメージに影響を及ぼすことを可能にする。
【0165】
例示的な実施において、本発明は、統合する方法またはモジュラー化する方法で、制御論理のかたちでハードウェアとソフトウェアの組合せを用いて実施される。本明細書に記載した開示及び教示に基づいて、当業者は、本発明を実施する他の手段および/または方法を理解するであろう。
【0166】
概して、この文書は、内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムについて開示している。フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前面のユーザに対する提示のために視覚イメージを表示する。第1のイルミネータは、可視光で該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを照らす。第2のイルミネータは、対象を照らす。カメラは、照らされた対象と該視覚イメージとの相互作用を検知し、該カメラは、該フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して該対象を見ることができるように機能する。コンピュータシステムは、上記プロジェクタに、該相互作用に応じて該視覚イメージを変えるように指示する。
【0167】
一つの例示的な態様において、上述したように本発明は、カメラが、ディスプレイの前の領域を見ることができるようになっているシステムを実現できる。関連する発明において、システムは、該ディスプレイの前に反応性空間を生成するように形成される。本発明は、該反応性空間から情報を取得するのに用いることができる。
【0168】
本明細書に記載した実施例及び実施形態が、単に説明のためのものであり、また、それを踏まえて様々な変更または変形が、当業者に思いつかれ、この出願の趣旨及び範囲内に及び添付の請求項の範囲内に含まれるべきであることは言うまでもない。本明細書において引用した全ての出版物、特許及び特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
本発明の様々な実施形態、すなわち、内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムはこのように説明された。本発明を特定の実施形態において説明してきたが、本発明は、そのような実施形態によって限定されるものと解釈すべきではなく、むしろ以下の請求項に従って解釈すべきであることを正しく認識すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0170】
この明細書の一部に組み込まれており、かつ該明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、また、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図1】図1は、本発明の一実施形態によるインタラクティブ・ビデオ・システムのコンポーネントの一つの物理的構成を示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による、直線偏光シートが、グレアをなくすまたは低減するのに用いられるスクリーンの一つの構成を示す。
【図3】図3は、本発明の様々な実施形態による、インタラクティブ・ビデオ・システムのいくつかの他の構成の断面図を示す。
【図4A】図4Aは本発明の実施形態によるインタラクティブ・ビデオ・システムの実施形態を示す概略図である。
【図4B】図44Bは、本発明の実施形態によるインタラクティブ・ビデオ・システムの実施形態を示す概略図である。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態によるインタラクティブ・ビデオ・システムの実施形態を示す概略図である。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態によるインタラクティブ・ビデオ・システムの実施形態を示す概略図である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態による軸外し投影の2つの構成を示す概略図である。
【図6B】図66Bは、本発明の実施形態による軸外し投影の2つの構成を示す概略図である。
【図7A】図7Aは、本発明の一実施形態による、インタラクティブ・フラットパネル・ディスプレイ・システムを示す概略図である。
【図7B】図7Bは、本発明の一実施形態による、インタラクティブ・フラットパネル・ディスプレイ・システムを示す概略図である。
【図8A】図8Aは、本発明の一実施形態による、フレネルレンズを用いてイメージ歪みを低減する技術を示す概略図である。
【図8B】図8Bは、本発明の一実施形態による、一連のミラーストリップを用いてイメージ歪みを低減する技術を示す概略図である。
【図9A】図9Aは、本発明の一実施形態による、散乱偏光子スクリーンを有するインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムの概略レイアウトを示す。
【図9B】図9Bは、本発明の一実施形態による、散乱偏光子スクリーンを有するインタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムの概略レイアウトを示す。
【図10A】図10Aは、本発明の一実施形態による、微小散乱隆起部またはバンプを有するスクリーンの断面を示す。
【図10B】図10Bは、本発明の一実施形態による、微小散乱ピットまたは溝を有するスクリーンの断面を示す。
【図11】図11は、本発明の一実施形態による、エッジライティングのためのサンプルの構成を示す。
【図12A】図12Aは、本発明の一実施形態によるフラットパネルディスプレイの断面を示す。
【図12B】図12Bは、本発明の別の実施形態によるフラットパネルディスプレイの断面を示す。
【図13】図13は、本発明の一実施形態によるカメラ及び照明サブシステムを示す。
【図14】図14は、本発明の一実施形態による、傾けた散乱偏光子を用いた、カメラのための照明サブシステムを示す。
【図15】図15は、本発明の一実施形態による、タイムオブフライト型カメラのためのカメラ及び照明サブシステムを示す。
【図16】図16は、本発明の一実施形態による、3Dデータをキャプチャする第1の構成を示す。
【図17】図17は、本発明の一実施形態による、3Dデータをキャプチャする第2の構成を示す。
【図18A】図18Aは、本発明の一実施形態による、3Dデータをキャプチャする2つの追加的な構成を示す。
【図18B】図18Bは、本発明の一実施形態による、3Dデータをキャプチャする別の構成を示す。
【図19A】図19Aは、本発明の一実施形態による、光散乱を示す概略図である。
【図19B】図19Bは、本発明の一実施形態による、光散乱を示す概略図である。
【図20A】図20Aは、本発明の一実施形態による、高歪みを示す。
【図20B】図20Bは、本発明の一実施形態による、ディスプレイスクリーンからカメラを遠ざけたことによる低減された歪みを示す。
【図21A】図21Aは、本発明の一実施形態による、フレネルレンズを用いた歪み低減を示す。
【図21B】図21Bは、本発明の一実施形態による、フレネルレンズを用いた歪み排除を示す。
【図21C】図21Cは、本発明の一実施形態による、2カメラシステムにおいて歪みをなくすフレネルレンズの使用を示す。
【図22】図22は、本発明の一実施形態による、ウィンドウディスプレイを示す概略図である。
【図23A】図23Aは、本発明の異なる実施形態による、グレアを低減する様々な技術を説明する概略図である。
【図23B】図23Bは、本発明の異なる実施形態による、グレアを低減する様々な技術を説明する概略図である。
【図23C】図23Cは、本発明の異なる実施形態による、グレアを低減する様々な技術を説明する概略図である。
【図24A】図24Aは、本発明の実施形態による、視界制御フィルムを用いてグレアを低減する技術を説明する概略図である。
【図24B】図24Bは、本発明の実施形態による、視界制御フィルムを用いてグレアを低減する技術を説明する概略図である。
【図25】図25は、本発明の一実施形態による、散乱偏光子を用いたウィンドウディスプレイの一つの構成の断面を示す。
【図26】図26は、本発明の一実施形態による、散乱偏光子及びマイクロプリズム材料を用いたウィンドウディスプレイの一つの構成の断面を示す。
【図27】図27は、本発明の一実施形態による、簡潔化目的のためにミラーを用いたウィンドウディスプレイの一つの構成の断面を示す。
【図28】図28は、本発明の一実施形態による、多数のタイムオブフライト型カメラを含むインタラクティブ・ディスプレイの側面を示す。
【図29】図29は、本発明の一実施形態による、多数のタイムオブフライト型カメラを含むインタラクティブ・ディスプレイの平面を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前側のユーザへの提示のために、視覚イメージを表示するディスプレイ・スクリーンと、
可視光で前記ディスプレイ・スクリーンを照らす第1のイルミネータと、
対象を照らす第2のイルミネータと、
照らされた対象と前記視覚イメージとの相互作用を検知するカメラであって、前記カメラが、前記スクリーンを通して前記対象を見ることができるカメラと、
前記ディスプレイ・スクリーンに、前記相互作用に応じて前記視覚イメージを変えるように指示するコンピュータシステムと、
を備える内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項2】
前記ディスプレイ・スクリーンがフラットパネル・ディスプレイ・スクリーンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンが液晶ディスプレイ(LCD)パネルである、請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項4】
前記第2のイルミネータは、赤外線照明で前記対象を照らす赤外線イルミネータであり、前記カメラは、赤外線照明を検知する赤外線カメラである、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項5】
前記第1のイルミネータの光を拡散させる拡散スクリーンをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項6】
前記カメラ、前記第1のイルミネータ、前記第2のイルミネータ及び前記コンピュータシステムが1つのエンクロージャ内に備えられており、前記エンクロージャの一つの側部が前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを備える、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項7】
前記第2のイルミネータが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して前記対象に照明を投影し、前記第2のイルミネータが、前記カメラに対するグレアの影響を低減するように配置されている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項8】
前記第2のイルミネータは、前記第2のイルミネータが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して照明を投影しないように、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置されている請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項9】
複数の前記第2のイルミネータを備え、前記イルミネータは、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置されており、また、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して照明を投影せず、また、前記スクリーンの後ろに配置されている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項10】
前記カメラは、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置され、かつ前記スクリーンの方に向けられており、前記カメラが、前記スクリーン上及び前記スクリーンの前の領域を見ることができるようになっている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項11】
前記カメラの視野の歪みを補正するために、前記スクリーンから一定距離に配置された一連のミラーストリップをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項12】
前記カメラの視野の歪みを補正するために、前記スクリーンに隣接して配置されたフレネルレンズをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項13】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された波長ベースの拡散板をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項14】
前記波長ベースの拡散板が、赤外光に対して実質的に透過性であり、また、可視光に対して実質的に半透過性である、請求項13に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項15】
前記波長ベースの拡散板は、レイリー散乱を引き起こす材料である、請求項13に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項16】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された拡散板をさらに備え、前記拡散板は、斜角で前記拡散板を通過する光に対しては実質的に半透過性であり、また、実質的に直角で前記拡散板を通過する光に対しては実質的に透過性であり、前記第1のイルミネータが、前記拡散板に対して斜角で配置されている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項17】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置され、かつ前記第1のイルミネータからの光を散乱させる散乱偏光子をさらに備え、前記カメラが、前記散乱偏光子によって散乱されない偏光の光に対して感度が良い、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項18】
前記フラットパネル・ディスプレイが液晶ディスプレイパネルであり、前記散乱偏光子は、前記散乱偏光子が光を散乱させる方向に偏光された光が、前記液晶ディスプレイパネルを通過し、前記散乱偏光子が光を散乱させない方向に偏光された光が、前記液晶ディスプレイパネルによって吸収されるように方向付けされている、請求項17に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項19】
前記カメラが、前記散乱偏光子によって散乱された光を無視できるように、前記カメラが敏感な波長で、前記カメラで受光された光を偏光する直線偏光子をさらに備える、請求項17に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項20】
実質的に半透過性から実質的に透過性に変化することができる拡散材料をさらに備え、前記拡散材料は、前記第1のイルミネータが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前記前側の人であるユーザに対して見える場合に実質的に半透過性であり、前記カメラが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前の対象を検知している場合に実質的に透過性であり、前記拡散材料は、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置されている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項21】
前記第2のイルミネータは、前記カメラの露出に合わせてストローブされる、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項22】
前記カメラのイメージは、前記対象によって引き起こされる前記相互作用が、前記スクリーンに隣接する前記対象の物理的位置に整合するように較正される、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項23】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、前記対象の前記スクリーンからの距離に関する情報を決定するようになっている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項24】
前記カメラはステレオカメラである、請求項23に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項25】
前記カメラはタイムオブフライト型カメラである、請求項23に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項26】
前記タイムオブフライト型カメラは、前記タイムオブフライト型カメラが、それ自体へ戻して反射しないように配置されている、請求項25に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項27】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、前記対象が前記スクリーンに近接している場合に、タッチスクリーンの機能性を提供できる、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項28】
前記スクリーンの前記前側に隣接して透過性タッチスクリーンをさらに備える、請求項27に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項29】
前記スクリーンの前記前側に隣接する縁部が照射される透過性シートをさらに備え、前記カメラは、前記対象が、前記縁部が照射される透過性シートに接触したときに生成された光を識別することができる、請求項27に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項30】
前記対象が、人であるユーザの体の一部である、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項31】
前記カメラ及び前記第2のイルミネータが、タイムオブフライト型カメラを備える、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項32】
複数のタイムオブフライト型カメラは、前記ディスプレイの前の領域の完全なカバレージを提供できるように配置され、かつ前記スクリーンによる前記タイムオブフライト型カメラへの鏡面反射を防ぐように角度が付けられている、請求項1または請求項2に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項33】
内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムを用いて、インタラクティブな視覚イメージを提示する方法であって、
視覚イメージをフラットパネル・ディスプレイ・スクリーン上に表示することであって、前記視覚イメージが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前側のユーザに対する提示のためのものであることと、
可視光で前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの裏側を照らすことと、
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前記前側の対象を照らすことと、
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して、前記対象と前記視覚イメージとの相互作用を検知することと、
前記相互作用に応じて前記視覚イメージを変えることと、
を備える方法。
【請求項34】
前記対象を照らすことが、赤外線照明を用いて前記対象を照らすことを備え、前記相互作用を検知することが、前記対象に投影された赤外線照明を検知することを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムが1つのエンクロージャ内に備えられており、前記エンクロージャの1つの側部が、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記対象を照らすことが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して前記対象に照明を投影することを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記スクリーンに隣接して配置されたフレネルレンズを用いて、歪みを補正することをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された赤外線透過性・可視光半透過性スクリーンをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された物理的テクスチャーを有し、かつ前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前記裏側を可視光で照射することによる光を散乱させる透過性スクリーンをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置されたレイリー散乱材料からなり、かつ前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの裏側を可視光で照らすことによる光を散乱させる透過性スクリーンをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置され、かつフラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの裏側を可視光で照らすことによる光を散乱させる散乱偏光子をさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・スクリーンが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された波長ベースの拡散板をさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・スクリーンが、実質的に半透過性から実質的に透過性に変化することができる拡散材料をさらに備え、前記拡散材料は、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前記裏側を可視光で照らし出している間は、実質的に半透過性であり、前記対象と前記視覚イメージとの相互作用を前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して検知している間は、実質的に透過性であり、前記拡散材料は、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置されている、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記対象を照らすことが、前記検知することに合わせてストローブされる、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記対象によって引き起こされる前記相互作用が、前記スクリーンに隣接する前記対象の物理的位置に整合するように、前記検知することにおいて捉えたイメージを前記視覚イメージに対して較正することをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記対象の前記スクリーンからの距離に関する情報を決定することをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記検知することが、ステレオカメラによって実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
検知することが、タイムオブフライト型カメラによって実行される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記タイムオブフライト型カメラが、それ自体へ戻して反射しないように、前記タイムオブフライト型カメラを配置することをさらに備える、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記対象が前記スクリーンに隣接している場合に、タッチスクリーンの機能性を提供することをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
前記スクリーンの前記前側に透過性タッチスクリーンを設けることをさらに備える、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記スクリーンの前記前側に隣接して縁部が照射される透過性シートを設けることをさらに備え、前記検知することは、前記対象が、前記縁部が照射される透過性シートに接触したときに生成される光を識別するようになっている、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記対象が人であるユーザの体の一部である、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記ディスプレイ・スクリーンが液晶ディスプレイ・スクリーンであり、前記第1のイルミネータが可視光イルミネータであり、前記第2のイルミネータが赤外線イルミネータであり、前記第2のカメラが赤外線カメラであり、前記赤外線カメラ、前記可視光イルミネータ、前記赤外線イルミネータ及び前記コンピュータシステムが1つのエンクロージャ内に備えられており、前記エンクロージャの1つの側部が、前記液晶ディスプレイ・スクリーンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項55】
前記可視光イルミネータの光を散乱させる拡散スクリーンをさらに備える、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項56】
前記赤外線イルミネータが、前記液晶ディスプレイ・スクリーンを通して前記対象に照明を投影する、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項57】
前記赤外線イルミネータは、前記赤外線カメラに対するグレアの影響の可能性を低減するように配置されている、請求項56に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項58】
前記赤外線イルミネータは、前記赤外線イルミネータが、前記液晶ディスプレイ・スクリーンを通して照明を投影しないように、前記液晶ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置されている、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項59】
複数の前記赤外線イルミネータを備え、前記赤外線イルミネータは、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置されており、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンを通して照明を投影せず、また、前記スクリーンの後ろに配置されている、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項60】
前記赤外線カメラが、前記液晶ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置され、かつ前記スクリーンの方に向けられており、前記赤外線カメラが、前記スクリーン上及び前記スクリーンの前の領域を見ることができるようになっている、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項61】
前記赤外線カメラの視野の歪みを補正するために、前記スクリーンから一定距離に配置された一連のミラーストリップをさらに備える、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項62】
前記赤外線カメラの視野の歪みを補正するために、前記スクリーンに隣接して配置されたフレネルレンズをさらに備える、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項63】
前記液晶ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された波長ベースの拡散板をさらに備える、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項64】
前記波長ベースの拡散板が、赤外光に対して実質的に透過性であり、かつ可視光に対して実質的に半透過性である、請求項63に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項65】
前記波長ベースの拡散板が、レイリー散乱を引き起こす材料である、請求項63に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項66】
前記液晶ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置された拡散板をさらに備え、前記拡散板は、斜角で前記拡散板を通過する光に対して実質的に半透過性であり、かつ実質的に直角で前記拡散板を通過する光に対して実質的に透過性であり、前記可視光イルミネータは、前記拡散板に対して斜角で配置されている、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項67】
前記液晶ディスプレイ・スクリーンに隣接して配置され、かつ前記可視光イルミネータからの光を散乱させる散乱偏光子をさらに備え、前記赤外線カメラが、前記散乱偏光子によって散乱されない偏光の光に感度が良い、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項68】
前記液晶ディスプレイ・スクリーンが液晶ディスプレイパネルであり、前記散乱偏光子は、前記散乱偏光子が光を散乱させる方向に偏光された光が、前記液晶ディスプレイパネルを通過し、また、前記散乱偏光子が光を散乱させない方向に偏光された光が、前記散乱偏光子によって吸収されるように方向付けされている、請求項67に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項69】
前記赤外線カメラが、前記散乱偏光子によって散乱された光を無視できるように、前記赤外線カメラが敏感な波長で前記赤外線カメラにおいて受光された光を偏光する直線偏光子をさらに備える、請求項67に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項70】
実質的に半透過性から実質的に透過性に変化することができる拡散材料をさらに備え、前記拡散材料は、前記第1のイルミネータが、前記フラットパネル・ディスプレイ・スクリーンの前記前側の人であるユーザに対して見える場合に実質的に半透過性であり、また、前記赤外線カメラが、前記液晶ディスプレイ・スクリーンの前の対象を検知している場合に、実質的に透過性であり、前記拡散材料は、前記液晶ディスプレイ・スクリーンの後ろに配置されている、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項71】
前記赤外線イルミネータが、前記赤外線カメラの露出に合わせてストローブされる、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項72】
前記赤外線カメラのイメージの1つのイメージは、前記対象によって引き起こされた前記相互作用が、前記スクリーンに隣接する前記対象の物理的位置に整合するように、前記視覚イメージに対して較正される、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項73】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、前記対象の前記スクリーンからの距離に関する情報を決定するようになっている、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項74】
前記赤外線カメラがステレオ赤外線カメラである、請求項73に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項75】
前記赤外線カメラがタイムオブフライト型赤外線カメラである、請求項73に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項76】
前記タイムオブフライト型赤外線カメラは、前記タイムオブフライト型赤外線カメラがそれ自体へ戻して反射しないように配置されている、請求項75に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項77】
前記内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システムは、前記対象が前記スクリーンに近接している場合に、タッチスクリーン動作機能性を提供できる、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項78】
前記スクリーンの前記前側に隣接する透過性タッチスクリーンをさらに備える、請求項77に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項79】
前記スクリーンの前記前側に隣接する縁部が照射される透過性シートをさらに備え、前記赤外線カメラは、前記対象が、前記縁部が照射される透過性シートに接触したときに生成される光を識別するようになっている、請求項77に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項80】
前記対象が、人であるユーザの体の一部である、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項81】
前記赤外線カメラ及び前記赤外線イルミネータが、タイムオブフライト型赤外線カメラを備える、請求項54に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。
【請求項82】
複数のタイムオブフライト型赤外線カメラが、前記ディスプレイの前の領域の完全なカバレージを提供できるように配置され、かつ前記スクリーンによる前記タイムオブフライト型赤外線カメラへの鏡面反射を防ぐように角度が付けられている、請求項81に記載の内蔵型インタラクティブ・ビデオ・ディスプレイ・システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2007−514242(P2007−514242A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543993(P2006−543993)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/041320
【国際公開番号】WO2005/057399
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(506173226)
【出願人】(506172908)
【出願人】(506172942)
【出願人】(506172953)
【Fターム(参考)】