説明

内視鏡挿入支援装置

【課題】始点から終点に至る複数の経路の仮想内視鏡画像を表示可能とした際に、容易かつ確実に表示している仮想内視鏡画像の経路を識別する。
【解決手段】画像処理部17は、ルート設定部が設定したルートにおけるVBS画像のフレーム画像を再生表示するフレーム画像再生表示機能17aと、気管支の分岐点でのVBS画像のフレーム画像を抽出しこの分岐点のフレーム画像のサムネイルVBS画像を生成するサムネイル生成機能17bと、サムネイルを追加登録/削除するサムネイル追加登録/削除機能17cと、VBS画像及びサムネイルからなる挿入支援画面の表示形態を変更する表示形態変更機能17dと、回転操作を施した時点のVBS画像の回転情報を以降のVBS画像及びサムネイルに反映させる回転情報反映機能17eと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に例えば気管支等のような体内の管路への内視鏡挿入をナビゲーションする内視鏡挿入支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像による診断が広く行われるようになっており、例えばX線CT(Computed Tomography)装置等により被検体の断層像を撮像することにより被検体内に3次元画像データを得て、該3次元画像データを用いて患部の診断が行われるようになってきた。
【0003】
CT装置では、X線照射・検出を連続的に回転させつつ被検体を体軸方向に連続送りすることにより、被検体の3次元領域について螺旋状の連続スキャン(ヘリカルスキャン:helical scan)を行い、3次元領域の連続するスライスの断層像から、3次元画像を作成することが行われる。
【0004】
そのような3次元画像の1つに、肺の気管支の3次元像がある。気管支の3次元像は、例えば肺癌等が疑われる異常部の位置を3次元的に把握するのに利用される。そして、異常部を生検によって確認するために、気管支内視鏡を挿入し、生検鉗子等で組織のサンプル(sample)を採取することが行われる。
【0005】
気管支のような多段階の分岐を有する体内の管路では、異常部の所在が気管支の末端に近いとき、内視鏡の先端を短時間で正しく目的部位に到達させることが難しいために、例えば特開2000−135215号公報等では、被検体の3次元領域の画像データに基づいて前記被検体内の管路の3次元画像を作成し、前記3次元画像上で前記管路に沿って目的点までの経路を求め、前記経路に沿った前記管路の仮想内視鏡画像を前記画像データに基づいて作成し、前記仮想内視鏡画像を表示することで、気管支内視鏡を目的部位にナビゲーションする装置が提案されている。
【特許文献1】特開2000−135215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の気管支挿入等をナビゲーションする内視鏡挿入支援装置においては、仮想内視鏡画像の始点から終点に至る縮小画像を気管支の参照画像として仮想内視鏡画像に隣接して表示することが考えられるが、患部等のターゲット近傍とする終点に至る経路は、始点から中途の分岐までは同一の経路をたどり、該中途の分岐から終点まての経路が異なるといった複数の経路が想定され、このような場合、単に縮小画像を表示しただけではどの経路の仮想内視鏡画像なのかを容易に判断することができないといった問題がある。
【0007】
また、仮想内視鏡画像を実際の内視鏡挿入に適したように回転させる場合が考えられるが、経路が複数想定される場合には、経路毎に仮想内視鏡画像の回転情報を管理しなければならない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、始点から終点に至る複数の経路の仮想内視鏡画像を表示可能とした際に、容易かつ確実に表示している仮想内視鏡画像の経路を識別することのできる内視鏡挿入支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の内視鏡挿入支援装置は、
被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路の仮想画像を生成する仮想画像生成手段と、
前記仮想画像生成手段で生成した前記仮想画像をもとに、前記仮想画像の縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記被検体内の体腔路の所望の始点及び終点を設定する始点終点設定手段と
前記始点及び終点に至る前記体腔路の複数の経路を算出する経路算出手段と、
前記複数の経路上の前記仮想画像及び複数の前記縮小画像を有する挿入支援画像を生成する挿入支援画像生成手段と、
前記挿入支援画像に表示される前記複数の縮小画像の配置形態を変更する配置形態変更手段と
nを備えて構成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、始点から終点に至る複数の経路の仮想内視鏡画像を表示可能とした際に、容易かつ確実に表示している仮想内視鏡画像の経路を識別することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
【実施例1】
【0012】
図1ないし図35は本発明の実施例1に係わり、図1は気管支挿入支援システムの構成を示す構成図、図2は図1の画像処理部の機能構成を示すブロック図、図3は図1の挿入支援装置による挿入支援の準備であるナビゲーションデータの生成処理の流れを示すフローチャート、図4は図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図5は図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図6は図3のルート設定処理の流れを示すフローチャート、図7は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図8は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図9は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図、図10は図6のルート設定処理により設定されたルートを示す第1の気管支模式図、図11Aは図6の処理により設定されたルート上での挿入支援時の挿入支援画面を示す図、図11Bは図6のルート設定処理により設定されたルートを示す第2の気管支模式図、図12は図2の表示形態変更機能の処理を説明するフローチャート、図13は図12の処理で展開される表示設定ウインドウを示す図、図14は図11Aの挿入支援画面上での表示位置を示す図、図15は図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図、図16は図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図、図17は図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図、図18は図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第4の表示形態を示す図、図19は図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第5の表示形態を示す図、図20は図2の画像再生表示機能により連続的に表示可能なVBS画像を模式的に示した図、図21は図2の回転情報反映機能の処理を説明するフローチャート、図22は図21の処理を説明する第1の図、図23は図21の処理を説明する第2の図、図24は図13の表示設定ウインドウの第1の変形例を示す図、図25は図24の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図、図26は図24の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図、図27は図24の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図、図28は図13の表示設定ウインドウの第2の変形例を示す図、図29は図28の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図、図30は図28の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図、図31は図28の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図、図32は図6のルート設定処理により設定されたルートを示す気管支模式図の変形例を示す図、図33は図32のルートにおける設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図、図34は図32のルートにおける設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図、図35は図32のルートにおける設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡装置1は、患者体内の気管支に挿入し気管支内を撮像し気管支末端の患部組織を生検する気管支鏡2と、気管支鏡2の手元側に設けられた複数のスイッチからなる入力部4と、CT画像データに基づき気管支内部の仮想内視鏡画像(以下、VBS画像と記す)を生成すると共に、入力部4からの入力信号に基づきVBS画像をモニタ5に表示し気管支鏡2の気管支へのナビゲーションを行うと共に、気管支鏡2が撮像した気管支内のライブの内視鏡画像をモニタ7に表示する気管支鏡ナビゲーション装置6とを備えて構成される。
【0014】
なお、前記入力部4は、気管支鏡2の手元側に設けられるとしたが、フットスイッチにより構成してもよい。また気管支鏡2による内視鏡画像はモニタ7に表示される。
【0015】
気管支鏡ナビゲーション装置6は、患者のX線断層像を撮像する図示しない公知のCT装置で生成された3次元画像データを、例えばMO(Magnetic Optical disk)装置やDVD(Digital Versatile Disk)装置等、可搬型の記憶媒体を介して取り込むCT画像データ取り込み部11と、CT画像データ取り込み部11によって取り込まれた3次元画像データを格納するCT画像データ格納部12と、CT画像データ格納部12に格納されている3次元画像データに基づきMPR画像を生成するMPR画像生成部13と、MPR画像生成部が生成したMPR画像を有する後述するルート設定画面を生成し気管支鏡2の気管支へのナビゲーションルート(以下、単にルートと記す)を設定するルート設定部14と、CT画像データ格納部12に格納されている3次元画像データに基づきルート設定部14によって設定されたルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成するVBS画像生成部15と、VBS画像生成部15が生成したVBS画像を格納するVBS画像格納部16と、入力部4からの入力信号を入力しVBS画像及び複数のサムネイルVBS画像からなる後述する挿入支援画面を生成すると共に気管支鏡2からの撮像信号を信号処理して内視鏡画像をモニタ7に表示させる画像処理部17と、ルート設定部14が生成したルート設定画面及び画像処理部17が生成した挿入支援画面をモニタ5に表示させる画像表示制御部18と、ルート設定部14に対して設定情報を入力するキーボード及びポインティングデバイスからなる設定情報入力部19とから構成される。
【0016】
なお、CT画像データ格納部12及びVBS画像格納部16は、1つのハードディスクによって構成してもよく、また、MPR画像生成部13、ルート設定部14、VBS画像生成部15及び画像処理部17は1つの演算処理回路で構成することができる。また、CT画像データ取り込み部11はMOあるいはDVD等の可搬型の記憶媒体を介してCT画像データを取り込みとしたが、CT装置あるいはCT画像データを保存している院内サーバが院内LANに接続されている場合には、CT画像データ取り込み部11を該院内LANに接続可能なインターフェイス回路により構成し、院内LANを介してCT画像データを取り込むようにしてもよい。
【0017】
画像処理部17は、図2に示すように、ルート設定部14が設定したルートにおけるVBS画像のフレーム画像を再生表示するフレーム画像再生表示機能17aと、気管支の分岐点でのVBS画像のフレーム画像を抽出しこの分岐点のフレーム画像のサムネイルVBS画像(以下、単にサムネイルと記す)を生成するサムネイル生成機能17bと、サムネイルを追加登録/削除するサムネイル追加登録/削除機能17cと、VBS画像及びサムネイルからなる挿入支援画面の表示形態を変更する表示形態変更機能17dと、回転操作を施した時点のVBS画像の回転情報を以降のVBS画像及びサムネイルに反映させる回転情報反映機能17eとを有している。
【0018】
このように構成された本実施例の作用について説明する。
【0019】
図3に示すように、気管支内視鏡装置3による観察・処置に先立ち、挿入支援装置5は、ステップS1でCT画像データ取り込み部11によりCT装置で生成された患者のCT画像データを取り込み、ステップS2で取り込んだCT画像データをCT画像データ格納部12に格納する。
【0020】
ステップS3でルート設定部14により、図4に示すようなルート設定画面21をモニタ5に表示させ、ルート設定画面21上の患者情報タグ画面22で患者情報を選択する。この選択により、ステップS4で選択された患者の例えば3つの異なる多断面像からなるMPR画像が生成され、ステップS5でこのMPR画像23がルート設定画面21に表示される。
【0021】
なお、患者情報タグ画面22での患者情報の選択は、設定情報入力部19により患者を識別する患者IDを入力することで行われる。
【0022】
次に、ステップS6でルート設定画面21上のルート設定タグ24(図4参照)を設定情報入力部19により選択すると、図5に示すようなルート設定タグ画面25がルート設定画面21に表示され、後述するルート設定処理を行い、気管支での気管支内視鏡の挿入支援のルートを設定する。
【0023】
挿入支援のルートが設定されると、ステップS7でVBS画像生成部15により設定した全ルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成し、ステップS8で生成したVBS画像をVBS画像格納部16に格納する。そして、ステップS9で後述する挿入支援画面の表示形態設定処理を実行する。
【0024】
上記のステップS1〜S9の処理により、気管支内視鏡による観察・処置時の挿入支援装置5による挿入支援の準備が完了する。
【0025】
ここで、上記ステップS6のルート設定処理を図6を用いて説明する。
【0026】
図6に示すように、ステップS6のルート設定処理では、設定情報入力部19を操作することで、図5に示したルート設定タグ画面25上のルート探索ボタンをクリックすると、ステップS11で図7に示すようなルートの始点の入力を促す始点入力指示ウインドウ31がルート設定画面21上に表示され、ルート設定画面21上にカーソル30を用いてMPR画像23のうちの1つの断層像上で始点を設定する。始点を設定すると他のMPR画像23の2つの断層像上にも対応する位置に始点が設定されると共に、図8に示すようなルートの終点の入力を促す終点入力指示ウインドウ32がルート設定画面21上に表示される。
【0027】
そこで、ステップS12で始点の設定と同様に、ルート設定画面21上にカーソル30を用いてMPR画像23のうちの1つの断層像上で終点を設定する。終点を設定すると他のMPR画像23の2つの断層像上にも対応する位置に終点が設定される。なお、終点は患部であるターゲットの近傍位置を示す点である。
【0028】
始点と終点が設定されると、ステップS13でルート設定部14は始点から終点に至る気管支内のルートを探索する。気管支は複雑な経路を有しているので、始点から終点に至る気管支内のルートが一意的に決まるとは限らないので、ルート設定部14ではステップS13では、始点から終点に至る気管支内のルートの第1候補を探索する。
【0029】
そして、ルート設定部14はルート設定画面21上において、図9に示すように、ステップS14で探索されたルートをMPR画像23に重畳して表示すると共に、ルートの確定等の入力を促すルート確定ウインドウ33を表示する。
【0030】
ルート確定ウインドウ33には、探索したルートの確定を指示するルート確定ボタン41と、次候補のルートの探索を指示する次候補探索ボタン42と、始点及び終点を再設定し直すルート再設定ボタン43と、ルート探索処理をキャンセルするキャンセルボタン44とを備えている。
【0031】
ステップS15で次候補探索ボタン42がクリックされたかどうか判断し、クリックされたならばステップS16で次候補のルートを自動探索してステップS17に進み、クリックされない場合にはステップS18に進む。ステップS17では次候補を探索した結果、次候補が存在するかどうかを判断し、存在しない場合には図示はしないが次候補ルートが存在しない旨の警告を表示しステップS12に戻り、存在する場合にはステップS14に戻る。
【0032】
ステップS18では、ルート再設定ボタン43がクリックされたかどうか判断し、クリックされたならばステップS11に戻り、クリックされない場合にはステップS19に進む。
【0033】
ステップS19では、ルート確定ボタン41がクリックされたかどうか判断し、クリックされない場合にはステップS15に戻り、クリックされたならばステップS20に進み、ステップS20でルート及びルート内の各分岐点の位置情報を決定して図3のステップS7に戻る。
【0034】
このルート設定処理により、始点から終点(ターゲット近傍点)に至るルートが複数、候補ルートとして探索される。図10は気管支構造を模式的に示した図であり、この図では上記ルート設定処理により始点aからターゲット近傍に至るルートとして
1)第1経路=始点a→分岐点b→分岐点c→分岐点d→分岐点e→終点f
2)第2経路=始点a→分岐点b→分岐点c→分岐点d→分岐点g→分岐点h→終点i
3)第3経路=始点a→分岐点b→分岐点c→分岐点d→分岐点g→分岐点h→終点j
の3つのルートが探索された例を示している。
【0035】
挿入支援装置5による気管支内視鏡観察手技時の挿入支援を開始すると、モニタ5に図11Aに示すような挿入支援画面200aを表示する。
【0036】
挿入支援画面200aは、VBS画像53を表示するメイン画面表示エリア101と、ルート上の全分岐点の複数のサムネイル103を表示するサムネイル表示エリア102と、VBS画像53を回転操作する回転操作エリア203と、VBS画像53のフレームを進退させるフレーム移動操作エリア207と、サムネイル103の表示形態を変更する表示変更ボタン210と、そのルートのサムネイル103をサムネイル表示エリア102に最優先に表示するかを設定する表示ルート設定部211とからなり、気管支鏡2のライブ画像の位置に対応した仮想画像であるVBS画像53がメイン画面表示エリア102に表示される。
【0037】
挿入支援画面200においては、VBS画像53がサムネイル103と一致する場合は、対応するサムネイル103の枠が、例えば太枠あるいはカラー表示され、この太枠あるいはカラー表示は、VBS画像53が他のサムネイル103と一致するまで保持される。これによりVBS画像53とサムネイル103との対応、すなわち気管支鏡2の実際の挿入に対してVBS画像53の気管支での位置を容易に視認することが可能となっている。
【0038】
また、経路確認ボタン213を押すと、図11Bが表示される。この図11Bは気管支模式図上に経路700とVBS画像の位置701が表示され、VBS画像53がどこを表示しているかを確認することが可能となっている。
【0039】
挿入支援画面200において、表示変更ボタン210をポインタ114により選択すると、画像処理部17の表示形態変更機能17dが、図12に示すような表示変更処理を実行する。
【0040】
この表示変更処理は、ステップS31にて図13に示すような表示設定ウインドウ220を挿入支援画面200上に表示する。
【0041】
ここで、表示設定ウインドウ220の表示順位としては、
・終点がターゲットに近い
・経路が短い
・経路の最小曲率が小さい
・過去に挿入した経路(挿入経路をデータベース化しておく)
・サムネイルに付されたコメントの文字数が多い順
等を項目がある。
【0042】
なお、表示設定ウインドウ220では、適用ボタン222をポインタ114により選択することにより、サムネイル表示エリア102でのサムネイル103の表示形態を、挿入支援画面200上に表示設定ウインドウ220に表示した状態で変更するので、図14に示すように、挿入支援画面200上に表示設定ウインドウ220はサムネイル表示エリア102を避けた位置に表示される。
【0043】
図13に戻り、ステップS32にて表示設定ウインドウ220において表示条件を入力し、適用ボタン222によりサムネイル表示エリア102に表示されるサムネイル103の表示形態を確認し、OKボタン221にてサムネイル103の表示形態を確定する。
【0044】
サムネイル103の表示形態が確定されると、ステップS33にてサムネイル画像データが生成され、ステップS34にてVBS画像格納部16のデータベースに格納される。そして、ステップS34にてサムネイル表示エリア102に、確定した表示形態にて、始点から終点に至る分岐点のサムネイル103が探索されたルート毎に表示される。
【0045】
図15ないし図19に、表示設定ウインドウ220で設定可能なサムネイル103の表示形態を示す。
【0046】
図15では、探索した3つのルート、第1経路、第2経路、第3経路の始点から終点に至る分岐点のサムネイル103を左から右へ順番に並べた第1のレイアウトを示している。図15では、必要に応じて分岐の次数(分岐の基端から末梢への深さの度合い:例えばB6,B7,b,i,ii等)をサムネイル103の上部に付することができ、また挿入に注意を要する分岐点でのVBS画像53にコメントが付されているかどうかをしめすコメントマーカ(図15では△)をサムネイル103の下部に付することができる。
【0047】
また、図15においては、探索したルートにおいてすべてのルートに含まれる同一分岐点のサムネイル103とそれ以外のサムネイル103の枠を、異なる色で表示している。分岐点a〜dのサムネイル103は、第1経路、第2経路、第3経路に含まれ、それ以外の分岐点e〜jのサムネイル103のそれぞれが第1経路、第2経路、第3経路の全てには含まれていないので、色分け表示となっている。
【0048】
図16は、探索した3つのルート、第1経路、第2経路、第3経路の始点から終点に至る分岐点のサムネイル103を左から右へ順番に並べた、図15の第1のレイアウトとは異なる第2のレイアウトを示している。図16では、必要に応じて分岐の次数(例えばB6,B7,b,i,ii等)をサムネイル103内の右上部に付し、また挿入に注意を要する分岐点でのVBS画像53にコメントが付されているかどうかをしめすコメントマーカ(図16では右下三角黒塗り部)をサムネイル103の下部に付している。また、図16においても探索したルートにおいてすべてのルートに含まれる同一分岐点のサムネイル103とそれ以外のサムネイル103の枠を、異なる色で表示している。
【0049】
図17は、探索した3つのルート、第1経路、第2経路、第3経路の始点から終点に至る分岐点のサムネイル103を左から右へ順番に並べた、図16の第2のレイアウトとほぼ同一の第3のレイアウトを示している。図16と異なる点は、図16では探索したルートにおいてすべてのルートに含まれる同一分岐点のサムネイル103とそれ以外のサムネイル103の枠を、異なる色で表示したが、図17では探索したルートにおいてすべてではないが、複数のルートに含まれる同一分岐点のサムネイル103をさらに色分けしている。図17の例では分岐点gのサムネイル103と分岐点hのサムネイル103は第1経路には含まれないが、第2経路及び第3経路に含まれるため異なる色で表示した状態を示している。
【0050】
図18は、探索した3つのルート、第1経路、第2経路、第3経路の始点から終点に至る分岐点のサムネイル103を左から右へ順番に並べた、図16の第2のレイアウトとほぼ同一の第4のレイアウトを示している。図16と異なる点は、図18では分岐の次数に応じてサムネイル103を左から右へ順番に並べた点である。
【0051】
図19は、探索した3つのルート、第1経路、第2経路、第3経路の始点から終点に至る分岐点のサムネイル103を分岐の次数に応じて左から右へ順番に並べた、図18の第4のレイアウトとほぼ同一の第5のレイアウトを示している。図18と異なる点は、図19ではサムネイル103をツリー形式で図10に示した気管支構造に対応させて左から右へ順番に並べた点である。
【0052】
このようにして確定された表示形態のサムネイル103がサムネイル表示エリア102に表示されると、各経路、例えば図20に示すように第1経路、第2経路の始点から終点に至るVBS画像53のフレームが画像処理部17の画像再生表示機能17aによりメイン画面表示エリア101に連続的に表示可能となる。なお、図20の太枠で示したフレームはサムネイル表示エリア102にサムネイル103を有するフレームであることを示しており、斜線フレームはメイン画面表示エリア101に表示されているフレームを示している。
【0053】
図11Aに示したように、挿入支援画面200では、フレーム移動操作エリア207及び回転操作エリア203の各機能を用いることで、始点から終点に至るVBS画像53のフレームを進退させ、また各フレームを回転させることが可能である。
【0054】
本実施例では、ある経路上のVBS画像53のフレームを進退させ、所望の分岐点のフレームで回転操作した場合、図21に示すように、画像処理部17の回転情報反映機能17eにより、ステップS41にて回転操作が指示された分岐点のフレームの経路を確認し、ステップS42にて確認した該当する経路の回転操作指示のあった分岐点以降のフレームに回転情報を反映させて同じ回転操作を施したフレームとする。
【0055】
そして、ステップS43にて他の経路に同じ分岐があるかどうかを判定し、同じ分岐がない場合は処理を終了し、同じ分岐がある場合は、ステップS44にて他の経路においても回転操作指示のあった分岐点以降のフレームに回転情報を反映させて同じ回転操作を施したフレームとして処理を終了する。
【0056】
図22は、第1経路の分岐点のフレームの回転操作が第1経路上に反映されると共に、第2経路上においても同一の分岐点以降で同様な回転操作が反映された状態を示している。
【0057】
図23は、第1経路の分岐点のフレームの回転操作が、第2経路に反映された後に、第2経路分岐点のフレーム(図23では編み目フレーム)に回転操作を施した状態を示している。第2経路の編み目フレーム以降は第1経路上にないため、回転操作は第1経路に反映されない。
【0058】
(変形例1)
本実施例の変形例1としては、図24に示すような表示設定ウインドウ220を用いることで、経由する分岐点のサムネイル103の分岐名及びサムネイル表示エリア102に表示する経路数を設定することができる。図24には分岐情報を示す気管支模式図223が表示設定ウインドウ220に表示される。
【0059】
図25ないし図27は、図24の表示設定ウインドウ220の設定によるレイアウトの一例であって、図16、図18及び図19に対応した図である。
【0060】
(変形例2)
本実施例の変形例2としては、図28に示すような表示設定ウインドウ220を用いることで、サムネイル表示エリア102に表示する経路を設定することができる。
【0061】
図29は、図25の表示設定ウインドウ220の設定によるレイアウトの一例であって、図16に対応した図である。また、図30のように共通するサムネイル103は1つのみ表示するようにしてもよい。
【0062】
なお、本実施例及び、変形例1、変形例2において、サムネイル表示エリア102に表示するサムネイル103の数が多い場合には、図31に示すようにスクロールバーを設けた表示を行ってもよい。
【0063】
(変形例3)
本実施例ではターゲットを複数として、それそれのターゲットに対して複数の経路を設定することが可能である。
【0064】
図32は2つのターゲットである第1ターゲット及び第2ターゲットに対して、第1ターゲットに第1及び第2経路を、第2ターゲットに第3及び第4経路を設定した際の気管支模式図を示している。
【0065】
図33ないし図35は、図32の気管支模式図の設定における図16、図18及び図19に対応した図である。なお、図31に示した表示としてもよい。
【0066】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例1に係る気管支挿入支援システムの構成を示す構成図
【図2】図1の画像処理部の機能構成を示すブロック図
【図3】図1の挿入支援装置による挿入支援の準備であるナビゲーションデータの生成処理の流れを示すフローチャート
【図4】図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図
【図5】図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図
【図6】図3のルート設定処理の流れを示すフローチャート
【図7】図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図
【図8】図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図
【図9】図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図
【図10】図6のルート設定処理により設定されたルートを示す第1の気管支模式図
【図11A】図6の処理により設定されたルート上での挿入支援時の挿入支援画面を示す図
【図11B】図6のルート設定処理により設定されたルートを示す第2の気管支模式図
【図12】図2の表示形態変更機能の処理を説明するフローチャート
【図13】図12の処理で展開される表示設定ウインドウを示す図
【図14】図11Aの挿入支援画面上での表示位置を示す図
【図15】図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図
【図16】図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図
【図17】図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図
【図18】図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第4の表示形態を示す図
【図19】図13の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第5の表示形態を示す図
【図20】図2の画像再生表示機能により連続的に表示可能なVBS画像を模式的に示した図
【図21】図2の回転情報反映機能の処理を説明するフローチャート
【図22】図21の処理を説明する第1の図
【図23】図21の処理を説明する第2の図
【図24】図13の表示設定ウインドウの第1の変形例を示す図、
【図25】図24の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図
【図26】図24の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図
【図27】図24の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図
【図28】図13の表示設定ウインドウの第2の変形例を示す図
【図29】図28の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図
【図30】図28の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図
【図31】図28の表示設定ウインドウで設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図
【図32】図6のルート設定処理により設定されたルートを示す気管支模式図の変形例を示す図
【図33】図32のルートにおける設定可能なサムネイルの第1の表示形態を示す図
【図34】図32のルートにおける設定可能なサムネイルの第2の表示形態を示す図
【図35】図32のルートにおける設定可能なサムネイルの第3の表示形態を示す図
【符号の説明】
【0068】
1…内視鏡装置
2…気管支鏡
3…挿入量検出装置
4…入力部
5、7…モニタ
6…気管支鏡ナビゲーション装置
11…CT画像データ取り込み部
12…CT画像データ格納部
13…MPR画像生成部
14…ルート設定部
15…VBS画像生成部
16…VBS画像格納部
17…画像処理部
17a…フレーム画像再生表示機能
17b…サムネイル生成機能
17c…サムネイル追加登録/削除機能
17d…表示形態変更機能
17e…回転情報反映機能
18…画像表示制御部
19…設定情報入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路の仮想画像を生成する仮想画像生成手段と、
前記仮想画像生成手段で生成した前記仮想画像をもとに、前記仮想画像の縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
前記被検体内の体腔路の所望の始点及び終点を設定する始点終点設定手段と
前記始点及び終点に至る前記体腔路の複数の経路を算出する経路算出手段と、
前記複数の経路上の前記仮想画像及び複数の前記縮小画像を有する挿入支援画像を生成する挿入支援画像生成手段と、
前記挿入支援画像に表示される前記複数の縮小画像の配置形態を変更する配置形態変更手段と
を備えたことを特徴とする内視鏡挿入支援装置。
【請求項2】
所望の前記経路上の所望の前記縮小画像を回転させる画像回転手段と、
前記画像回転手段により回転された縮小画像以降の縮小画像に、前記回転された縮小画像の回転情報を反映させる回転情報反映手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項3】
前記体腔路を腔路外から見た体腔路上に、
前記複数の経路と、
前記挿入支援画像として表示されている前記仮想画像が経路上のどの位置かを示す指標を重畳した経路確認画像を生成する経路確認画像生成手段と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項4】
各前記経路毎に一部の縮小画像を、他の前記縮小画像と異なる表示形態で前記挿入支援画像に表示する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項5】
前記一部の縮小画像は、各経路の終点の縮小画像である
ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項6】
前記一部の縮小画像は、前記複数の経路すべてに属する縮小画像である
ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項7】
前記被検体内の体腔路は、複数の分岐を有する体腔路であり、
前記縮小画像は、前記複数の分岐の前記仮想画像の縮小画像である
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の内視鏡挿入支援装置。
【請求項8】
前記複数の分岐を有する体腔路は、気管支である
ことを特徴とする請求項7に記載の内視鏡挿入支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図6】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−56143(P2009−56143A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226618(P2007−226618)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】