説明

内視鏡用ガイドワイヤー

【課題】内視鏡ガイドワイヤーに求められる視認性、X線造影性を確保しつつ、内視鏡への押し込み性、潤滑性、などを総合的に改良し、機能性、作業性、安全性、コストに優れた内視鏡用ガイドワイヤーを提供する。
【解決手段】内視鏡ガイドワイヤーの視認性を得るためのマーク2は、ガイドワイヤーの全長にわたって装着する必要はなく、先端部から手元方向に向けて部分的に、色調の異なる同一樹脂を交互に被覆して、一体化すること、および薄膜親水性コーティングを達成することで、金属芯線径を最大限に引き出すことが可能となり、内視鏡へのガイドワイヤーの押し込み性、潤滑性が大きく向上した。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明はガイドワイヤー関し、特に、内視鏡を経由して生体内に挿入されるガイドワイヤー(内視鏡用ガイドワイヤー)に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を用いた生体管腔等の検査や医療処置において、内視鏡に設けられた空洞または開口部を通して、内視鏡内にガイドワイヤーを導入することがある。これらのガイドワイヤーは、内視鏡下の治療の際に、体内の病変部位に到達させた後、カテーテルなどの治療器具を目的位置まで誘導するためのガイドの役割を果たす。
【0003】
これらのガイドワイヤーには、その動きを内視鏡下でも容易に確認できるように、ガイドワイヤーの表面に視認マーカーが装置されている。これによって、膵胆管治療用処置具の交換時や治療中に内視鏡画面でガイドワイヤーの位置を確認することで、X線の照射時間の短縮が可能となる。視認マーカーとしては、ガイドワイヤーを挿入する際、ガイドワイヤーが単色であると、軸方向に動いてもその動きが分かりにくいため、ガイドワイヤーの表面に位置を示すマーク(縞模様など)が設けられるが、これまで、色々な方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許第3615547(文献1)には、着色された複数の縞を有する中空チューブをガイドワイヤーの芯材の上から収縮させ、付着させる方法が記載されている。この方法は、低摩擦材料であるテフロン樹脂チューブを全長に渡って、縞模様状に被覆していることから、テフロン樹脂の厚み分だけ、芯材としての金属線の直径を細くする必要がある。そのため、ガイドワイヤーが柔軟になって、内視鏡の空洞への押し込み性が低下し、作業性に劣るなどの問題が生じる。また、ガイドワイヤー全長にわたって螺旋模様が付されているため、ガイドワイヤーの挿入時にどの程度の長さまで体内に挿入されたかなどの位置の把握がしにくい問題もあった。さらに、このガイドワイヤーを内視鏡用カテーテルに挿入通過させる場合にも、テフロンの特性である低摩擦効果のみに限定され、親水性化合物によって親水性コーティングされたガイドワイヤーに比べて、潤滑性も十分ではない。また、先端のテーパー部は異種ポリマーで被覆されており、異種樹脂をかしめることによって接続しているため、接続不良による先端部の剥離の問題を生じ、安全性の点で課題を持っている。さらに、テフロン製中空チューブによる収縮被覆はコストも高く、加工面からも煩雑で容易ではない。このように、操作性、機能性、安全性、価格などの面における問題点も多く、改良が求められている。
【0005】
また、実開平4−108556号公報(文献2)には、マークを印刷により形成する方法が記載されている。しかし、印刷による方法はインクの耐溶剤性が悪いことから、親水性化合物による潤滑性付与コートを行なうことが困難となる。また、マークの剥がれや溶出物の問題もあり、その材料選定に当たっては充分に注意する必要があった。
【0006】
さらに、内視鏡用ガイドワイヤーは、これらの視認マーカーと共に、放射線透視法による位置確認が可能である。ガイドワイヤーやカテーテルを内視鏡を介して生体管腔の所定位置まで挿入するときに、内視鏡から観察できる範囲から外れて、末梢の管腔へ挿入する場合は、放射線透視法によって、その位置を確認している。従って、ガイドワイヤーの先端部分は、X線によって造影可能な材料を構成材料の一部としている。このように、内視鏡下で視認可能なマークを備えながら、X線造影可能なガイドワイヤーとして、前記の特許第3615547のほかに、特開2001−46508号公報(文献3)などが挙げられる。なお、特開2001−46508号公報においても、芯材の金属表面が全長にわたって、ポリエチレンやフッ素樹脂の皮膜が0.01〜1mmの厚さで被覆されており、さらに、ガイドワイヤーの中間部には、その上にさらに透明なウレタン樹脂などを0.1〜1mmの厚さで被覆して、その上に親水性コーティングを施している。そのため、芯材の直径をその厚さ分だけ細くする必要があることから、押し込み性など作業性が低下する問題がある。
【0007】
【特許文献1】特許第3615547号公報
【特許文献2】実開平4−108556号公報
【特許文献3】特開2001−46508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のガイドワイヤーは、視認性を確保するために、芯材上にテフロン樹脂などを縞模様状にほぼ全長にわたって厚く被覆していた。また、潤滑性を向上する場合には、さらにウレタン樹脂やアミド樹脂などを数十μ〜数百μの厚さで被覆して、その上に親水性化合物を固定することによる親水性コーティングを行なっていた。従って、これらの被覆樹脂膜の厚さ分だけ金属芯材の直径を細くしなければならず、そのために、内視鏡への押し込み性が低下する問題があった。また、ガイドワイヤーを内視鏡用カテーテルに挿入通過させる場合にも、テフロンの特性である低摩擦効果のみに限定され、親水性コーティングされたガイドワイヤーに比べて、潤滑性も十分ではないことから、潤滑性の改良も望まれていた。本発明の目的は、内視鏡ガイドワイヤーに求められる視認性、X線造影性を確保しつつ、内視鏡への押し込み性、潤滑性、などを総合的に改良し、機能性、作業性、安全に優れた内視鏡用ガイドワイヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の内視鏡用ガイドワイヤーにおける上記の問題点を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、上記目的は、下記(1)から(9)により達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)芯材が真直弾性を有する金属からなり、該芯材の手元から長手方向に向けて先端部あるいは両端部にテーパーを有し、先端部には、手元方向に向けて部分的に、色調の異なる縞模様が形成されていることを特徴とするガイドワイヤー
(2)真直弾性を有する金属がニッケル−チタン系合金、ステンレス鋼であることを特徴とする(1)に記載のガイドワイヤー
(3)色調の異なる縞模様は、色調の異なる同一樹脂を交互に被覆することで形成されたものであることを特徴とする請求項(1)ないし(2)に記載のガイドワイヤー
(4)縞模様を形成している色調の異なる同一樹脂がウレタン系樹脂あるいはアミド系樹脂であることを特徴とする(3)に記載のガイドワイヤー
(5)先端部には、視認性を高める金属がコイル状またはメッキによって装置されていることを特徴とする(1)ないし(4)に記載のガイドワイヤー
(6)先端部から手元方向に向けて部分的に、視認性を高める金属あるいは金属化合物を含有する樹脂が被覆されていることを特徴とする(1)ないし(5)に記載のガイドワイヤー
(7)視認性を高める金属あるいは金属化合物を含有する樹脂がウレタン系樹脂あるいはアミド系樹脂であることを特徴とする(6)に記載のガイドワイヤー
(8)ガイドワイヤーの表面には部分的にまたは全長にわたって、親水性コーティングが施されていることを特徴とする(1)ないし(7)に記載のガイドワイヤー
(9)親水性コーティングは、20ミクロン以下の薄膜プライマーを介して親水性化合物が固定されていることを特徴とする(8)に記載のガイドワイヤー
【発明の効果】
【0010】
本発明は、内視鏡ガイドワイヤーの製造方法の改良、特に、親水性コーティングの薄膜化および視認マークの装着位置、装着長さおよび装着方法などを改良することで、内視鏡ガイドワイヤーに求められる視認性、X線造影性を確保しつつ、内視鏡への押し込み性、潤滑性、などを改良した。これによって、機能性、作業性、安全性の面において総合的に優れた内視鏡用ガイドワイヤーを提供することができることから極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を構成する上述の(1)〜(9)についてさらに詳細に説明する。まず、本発明の第(1)は、ガイドワイヤーの芯材は真直弾性を有する金属からなり、該芯材は手元から長手方向に向けて先端部あるいは両端部にテーパーを有している。該テーパーは、基部側から最先端にかけて連続的にテーパーが形成されているか、または、基部側に比べて小径である中間部を有し、さらに、この中間部からさらに最先端にかけてテーパーを形成している先端部を有している。さらに、先端部あるいは中間部にかけて、50cm以下の範囲で部分的に、色調の異なる縞模様(マーク)が形成されていることを特徴とする内視鏡用ガイドワイヤーを提供するものである。
【0012】
本発明の(2)は、芯材を形成する金属は弾性合金、ステンレス鋼、ピアノ線などの真直弾性を有する金属であって、弾性合金としては、Ni−Ti系合金、Ni−Al系合金、Cu−Zn系合金などが挙げられる。特に、Ni−Ti系合金が好ましく用いられる。これらのNi−Ti系合金はねじりや曲げに対する戻り特性、トルク伝達性が大きく、真直度が良好であることから、ガイドワイヤーの芯材として好適である。
【0013】
本発明の(3)は、先端部における色調の異なる縞模様は、色調の異なる同一樹脂を交互に被覆することで形成されたものである。例えば、色調の異なる2種類の顔料によって着色された同一樹脂をそれぞれ溶融押出成形によって中空チューブとし、それを所定長さに切断し、芯線の先端部分、あるいは先端部から中間部にわたって50cm以下の範囲で交互に被覆することで、縞模様を形成することができる。視認マーカーの色は黒色に対して黄色、青色に対して赤など明確なコントラストを発現できる組み合わせが好ましい。従来品はテフロン樹脂製マーカーが全長にわたって被覆設置されているが、視認マーカーは全長にわたって存在する必要はなく、部分的に縞模様状のマーカーが存在していても、ガイドワイヤーの動きは視認可能である。
【0014】
次に、形成された縞模様部分を溶剤で処理することで、相互に接着し、一体化する。同一樹脂を用いているため、溶剤処理による相互接着性が良好であることから、簡単な溶剤処理方法によって、より平滑でかつ剥離のない安全性の高い視認マーカーが形成される。本発明の(4)は、縞模様を形成している色調の異なる同一樹脂がウレタン系樹脂あるいはアミド系樹脂からなることを特徴とする。特に、エラストマータイプのウレタン樹脂やアミド樹脂は柔軟であり、金属との接着性、力学物性に優れている。特に、ウレタン樹脂は汎用の溶剤による処理のみで、切断チューブ相互間の接着性が優れること、さらに、その上に親水性コーティングを施す際に、親水性高分子の固定効果が優れることから、特に好ましく用いられる。
【0015】
本発明の(5)および(6)は、先端部にX線造影によって視認性を高める金属部材がコイル状またはメッキによって装置されているか、あるいはX線造影によって視認性を高める金属あるいは金属化合物を含有する樹脂が被覆されている。勿論、これらの両方法によって装置することも可能である。金属部材は図(5)のようにコイル状をしていても、メッキされたものでも、リング状金属部材を連設したものでも良い。これらの金属部材の構成材料としては、例えば、金、白金、タングステン、銀、ビスマスおよびこれらの金属を含有する合金などが挙げられる。
【0016】
本発明の(6)に用いられる視認性を高める金属あるいは金属化合物(酸化物)としては、X線不透過性材料であるタングステン(酸化物も含む)、硫酸バリウム、ビスマスなどの粉末が用いられる。本発明の(7)は視認性を高める金属あるいは金属化合物を含有する樹脂がウレタン系樹脂あるいはアミド系樹脂であることを特徴とする。ウレタン樹脂やアミド樹脂は柔軟であり、金属との接着性、力学物性に優れている。さらに、その上に親水性コーティングを施す際に、親水性化合物の固定効果が優れることから、より好ましく用いられる。
【0017】
本発明の(8)および(9)は、ガイドワイヤーの表面には部分的にまたは全長にわたって、親水性コーティングが施されており、水の存在下において、優れた潤滑性、潤滑耐久性を有するものである。特に、本発明を構成する要件の一つである親水性コーティング層の厚さが非常に薄いことによって、金属製芯材の直径を太くすることが可能となり、内視鏡への押し込み性が良好となる。親水性コーティング層の厚さが薄くても、潤滑性、潤滑耐久性が優れている薄膜親水性コーティングを達成するためには、金属との接着性に優れた薄膜プライマーを介して親水性化合物を固定する必要がある。本発明では20ミクロン以下の薄膜プライマーを介して親水性高分子が固定されていることを特徴としている。従来は金属芯線上にウレタン樹脂やアミド樹脂から得られた厚手のチューブを被覆したのち、イソシアネート化合物などのプライマーを用いて親水性高分子を固定していたことから、親水性コーティング層が非常に厚くなっていた。本発明において、薄膜親水性コーティングに採用した20ミクロン以下の薄膜プライマーは、金属表面との接着性が良好で、かつ親水性化合物との反応性を有する官能基含有ウレタン系樹脂あるいはウレタンウレア系樹脂を採用しているが、潤滑耐久性に優れた薄膜親水性コーティングが達成可能であれば、これらの手段については特に限定されるものではない。
【0018】
本発明における親水性化合物としては、各種無水マレイン酸共重合体、特に、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体あるいはその変性物、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドン/ウレタン複合体、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基などの官能基を有するアクリル系ポリマー、およびポリエチレングリコールおよびその誘導体、などが好適に使用されるが、なんらこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
以下に本発明に係る具体的な実施例について図面を交えて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されものではない。
【実施例1】
【0020】
本発明の一実施体様である図1に示すガイドワイヤーはニッケル−チタン合金からなり、直径0.78mmの基部(図1、300cm長)に接続して先端側に伸びる直径0.65mmの中間部(図3の7、30cm長)とさらに直径0.15mmの最先端部に向けて連続的に直径が縮小している先端部(図3の8、テーパー長15cm)を有する芯線から形成され、中間部には、黄色と黒色の顔料で着色された硫酸バリウム入りのウレタン樹脂製チューブ(8mm長)を交互に接続して被覆し、20cm長さの縞模様マーク(図2の5)を形成した。このマーカーの基部側端に赤色の顔料で着色されたウレタン樹脂チューブ2個を上記の黄色と黒色の縞模様を挟んで10cm間隔で設置して(図2)、視認マーカーの挿入位置がより明確に判別できるようにした。さらに、先端部はタングステン入りの黒色顔料で着色されたウレタン樹脂製チューブ(図2の6、チューブ長5cm)で被覆した。さらに、このようにして得られたガイドワイヤーの表面に金属接着性に優れた官能基含有ポリカーボネート系ポリウレタンウレアの10%プライマー溶液(ティーアールエス製)に浸漬して、7ミクロン厚さでコーティングした後、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(GANTREZ AN−169)の2%メチルエチルケトン溶液に浸漬し、薄膜親水性コーティングを施した。引き続き、1/10N水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬したのち、水洗した。このようにして得られた内視鏡用ガイドワイヤーは視認性も良好で問題は無く、カテーテルへの挿入通過性にも優れ、かつ潤滑耐久性にも優れていた。さらに、親水性コーティングが9ミクロン以下で非常に薄膜であること、視認マーカー長が30cmと短いことなどから、本発明のガイドワイヤーは金属芯線の直径を太くすることが可能となり、内視鏡の開口部への押し込み性が優れている。
【実施例2】
【0021】
直径0.78mmの基部(300cm長)側から直径0.15mmの最先端部に連続して伸びるテーパー(図4、テーパー長45cm)の上に、黄色と黒色の顔料でそれぞれ着色された硫酸バリウム入りのウレタン樹脂製チューブ(8mm長)を交互に接続して被覆し、25cm長の縞模様のマークを形成した。このマーカーの基部側端に赤色の顔料で着色されたウレタン樹脂チューブ2個を上記の黄色と黒色の縞模様を挟んで10cm間隔で設置して、視認マーカーの挿入位置がより明確に判別できるようにした。さらに、先端部は白金製コイルが装置され、その上を黒色顔料で着色されたタングステン入りのウレタン樹脂製チューブで被覆した。さらに、このようにして得られたガイドワイヤーの表面に金属接着性に優れた官能基含有ポリエーテル・ポリカーボネート系ポリウレタンウレアの5%プライマー溶液(ティーアールエス社製)に浸漬して、4ミクロン厚さでコーティングした後、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(GANTREZ AN−169)の1.5%メチルエチルケトン溶液に浸漬し、薄膜親水性コーティングを施した。引き続き、1/10N水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬した後、水洗した。このようにして得られた内視鏡用ガイドワイヤーはカテーテルへの挿入通過性にも優れ、かつ潤滑耐久性にも優れていた。さらに、親水性コーティングが6ミクロン以下と非常に薄膜であること、視認マーカー長が短いことなどから、本発明のガイドワイヤーは金属芯線の直径を太くすることが可能となり、内視鏡の開口部への押し込み性が優れている。
【産業上の利用可能性】
【0022】
内視鏡ガイドワイヤーに求められる視認性、X線造影性を確保しつつ、内視鏡への押し込み性、潤滑性、などを総合的に改良し、機能性、作業性、安全性、コストに優れた内視鏡用ガイドワイヤーが提供できる。また、親水性コーティングの薄膜化技術を活用することで、今後、より微細なるガイドワイヤーの製造も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例を示す内視鏡用ガイドワイヤーの外観を示す全体図である
【図2】図1のガイドワイヤーの先端部の拡大側面図である
【図3】ガイドワイヤーのテーパー部の先端部から中間部にかけた断面図であり、テーパーを付けたニチロール材料からなる芯材と、その表面に視認マーク用樹脂やX線造影剤を含む樹脂の被覆膜を示す断面図である。
【図4】ガイドワイヤーのテーパー部の先端部分の断面図であり、テーパーを付けたニチロール材料からなる芯材と、その表面に視認マーク用樹脂やX線造影剤を含む樹脂の被覆膜を示す断面図である。
【図5】テーパー部の先端部分に金属製コイルが装置されたガイドワイヤーの先端部分の断面図で、テーパーを付けたニチロール材料からなる芯材と、その表面に視認マーク用樹脂やX線造影剤を含む樹脂の被覆膜を示す断面図である。
【図6】テーパー部の最先端部分に基部と同じ直径以下の芯材部分を残した本発明におけるガイドワイヤー用芯材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1:金属芯線(基部)
2:視認マーカー部
3:X線造影性を有する先端部
4:金属芯線の基部端部
5:視認マーカー用樹脂被覆部
6:X線不透過性材料を含有するウレタン樹脂被覆部
7:基部端部から先端部へ向けて伸びるテーパーの中間平坦部
8:先端テーパー部
9:視認マーカー用樹脂被覆部
10:X線不透過材料を含有するウレタン樹脂被覆部
11:視認マーカー部とX線造影部の境界
12:基部端部より最先端部へ連続的に直径が縮小するテーパー部
13:X線造影性を有する金属製コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材が真直弾性を有する金属からなり、該芯材の手元から長手方向に向けて先端部あるいは両端部にテーパーを有し、先端部から手元方向に向けて部分的に、色調の異なる縞模様が形成されていることを特徴とするガイドワイヤー
【請求項2】
真直弾性を有する金属がニッケル−チタン系合金、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤー
【請求項3】
色調の異なる縞模様は、色調の異なる同一樹脂を交互に被覆することで形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし2に記載のガイドワイヤー
【請求項4】
縞模様を形成している色調の異なる同一樹脂がウレタン系樹脂あるいはアミド系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のガイドワイヤー
【請求項5】
先端部には、視認性を高める金属がコイル状またはメッキによって装置されていることを特徴とする請求項1ないし4に記載のガイドワイヤー
【請求項6】
先端部から手元方向に向けて部分的に、視認性を高める金属あるいは金属化合物を含有する樹脂が被覆されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載のガイドワイヤー
【請求項7】
視認性を高める金属あるいは金属化合物を含有する樹脂がウレタン系樹脂あるいはアミド系樹脂であることを特徴とする請求項6に記載のガイドワイヤー
【請求項8】
ガイドワイヤーの表面には部分的にまたは全長にわたって、親水性コーティングが施されていることを特徴とする請求項1ないし7に記載のガイドワイヤー
【請求項9】
親水性コーティングは、20ミクロン以下の薄膜プライマーを介して親水性化合物が固定されていることを特徴とする請求項8に記載のガイドワイヤー

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−110392(P2011−110392A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283387(P2009−283387)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(502162859)株式会社 ティーアールエス (7)
【Fターム(参考)】