説明

内視鏡装置及び内視鏡装置の安全管理方法

【課題】内視鏡の導光部の損傷を確実かつ容易に検出することが可能な内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置100の制御装置13は、内視鏡11の先端部35に供給する光を出射する光源45と、光源45から出射される光の一部を検出する発光量検出部51と、光源45から内視鏡11の光ファイバ45Aに入射されて先端部35まで伝送される光のうち、光ファイバ45Aから戻ってくる戻り光の一部を検出する戻り光検出部47と、発光量検出部51にて検出された光の光量情報と、戻り光検出部47によって検出された戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出し、算出した発光損失比の変化に基づいて、内視鏡11の光ファイバ45Aに損傷があるか否かを判定する制御部73とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置及び内視鏡装置の安全管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用分野において、患者の体内等の被検体の内部を観察するために、内視鏡が広く用いられている。このような内視鏡は、湾曲自在な湾曲部と硬質の先端部とを先端側に有して被検体の内部に挿入される細長の挿入部を備え、挿入部の先端には観察手段が設けられている。
【0003】
そして、被検体の内部に挿入部を挿入して基端側の操作部で湾曲部を湾曲させて先端の向きを調整することで、被検体の内部において、先端の観察手段よって所望の観察位置を観察することが可能となっている。
【0004】
一方、内視鏡によって観察する被検体の内部は、観察手段によって観察するのに十分な明るさを有していないことが多い。このため、内視鏡には、被検体の内部を照明するための照明装置が内蔵されている。
【0005】
このような照明装置としては、挿入部の基端側に設けられて励起光としてレーザ光を発する光源部と、挿入部の基端から先端に配設されて光源から発せられたレーザ光を導光する導光部としてのライトガイドと、挿入部の先端に設けられてライトガイドによって導光されたレーザ光を励起光として照明光を発する蛍光部材とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
このような照明装置によれば、ハロゲンランプ等の光源を使用した場合に比べて小型で消費電力を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−296656号公報
【特許文献2】特開2006−288535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2の内視鏡装置において、挿入部は被検体の内部に直接挿入する部位であり、その先端側に位置する湾曲部や、更に先端側に位置する先端部等は、挿入時に被検体からの抵抗によって損傷を受け易い部位である。
【0009】
特に、湾曲部は、外部との気密性や水密性を確保しつつ、基端側からの操作によって所定の方向に湾曲可能な構造にする必要があり、複雑な構造で、それ故に損傷を受け易い部位である。そして、これら挿入部の内、先端側に位置する湾曲部や先端部が損傷した場合には、内部に配設されたライトガイドが損傷するおそれがあり、基端側から導光された励起光であるレーザ光がライトガイドから漏れ、その漏れ光によって、挿入部に内包された部材が損傷を受けるおそれがある。
【0010】
ライトガイドの損傷を検出するために、ライトガイドから出射される光量を常時モニタすることが考えられる。しかし、一般に、内視鏡照明は、撮影条件によって照明光強度を逐次変化させているため、ライトガイドから出射される光量をモニタするだけでは、ライトガイドの損傷による光量変化なのか、照明光強度制御による光量変化なのかを区別することが難しく、損傷を検出することが難しい。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の導光部の損傷を確実かつ容易に検出して安全性を高めることが可能な内視鏡装置及び内視鏡装置の安全管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の内視鏡装置は、内視鏡の先端部に供給する光を出射する光源と、前記光源から出射される光の光量に対応する数値を示す情報である光量情報を取得する光量情報取得部と、前記光源から前記内視鏡の導光部に入射されて前記先端部まで伝送される光のうち、前記内視鏡の導光部から戻ってくる戻り光の一部を検出する戻り光検出部と、前記光量情報と、前記戻り光検出部によって検出された戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出する発光損失比算出部と、前記発光損失比算出部によって算出される前記発光損失比の変化に基づいて、前記内視鏡の導光部に損傷があるか否かを判定する損傷判定部と、を備えるものである。
【0013】
本発明の内視鏡導光部の安全管理方法は、内視鏡の先端部に光を供給する光源から出射される光の光量に対応する数値を示す情報である光量情報を取得する光量情報取得ステップと、前記光源から前記内視鏡の導光部に入射されて前記内視鏡の先端部まで伝送される光のうち、前記内視鏡の導光部から戻ってくる戻り光のうちの一部を検出する戻り光検出ステップと、前記光量情報と、前記戻り光検出ステップによって検出した戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出する発光損失比算出ステップと、前記発光損失比算出ステップにより算出される前記発光損失比の変化に基づいて、前記内視鏡の導光部に損傷があるか否かを判定する損傷判定ステップと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内視鏡の導光部の損傷を確実かつ容易に検出して安全性を高めることが可能な内視鏡装置及び内視鏡装置の安全管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための内視鏡装置100の概略構成を示す外観図
【図2】図1に示す内視鏡装置100における内視鏡11と制御装置13の内部構成を示す図
【図3】図1に示す内視鏡装置100における内視鏡11の光ファイバ45Aに破断による損傷があった場合の発光損失比の時間変化を例示した図
【図4】図1に示す内視鏡装置100における内視鏡11の光ファイバ45Aに曲げによる損傷があった場合の発光損失比の時間変化を例示した図
【図5】図1に示す内視鏡装置100における内視鏡11の光ファイバ45Aに潰れによる損傷があった場合の発光損失比の時間変化を例示した図
【図6】図1に示す内視鏡装置100の動作を説明するためのフローチャート
【図7】図2に示す内視鏡装置の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための内視鏡装置100の概略構成を示す外観図である。図2は、図1に示す内視鏡装置100における内視鏡11と制御装置13の内部構成を示す図である。
【0018】
内視鏡装置100は、内視鏡11と、この内視鏡11が接続される制御装置13と、画像情報等を表示する表示部15と、入力操作を受け付ける入力部17とを備える。内視鏡11は、内視鏡挿入部19の先端から照明光を出射する照明光学系と、被観察領域を撮像する撮像素子21(図2参照)を含む撮像光学系とを有する、電子内視鏡である。
【0019】
内視鏡11は、被検体内に挿入される内視鏡挿入部19と、内視鏡挿入部19の先端の湾曲操作や観察のための操作を行う操作部23と、内視鏡11を制御装置13に着脱自在に接続するコネクタ部25A,25Bとを備える。
【0020】
なお、図示はしないが、操作部23及び内視鏡挿入部19の内部には、組織採取用処置具等を挿入する鉗子チャンネルや、送気・送水用のチャンネル等、各種のチャンネルが設けられる。
【0021】
内視鏡挿入部19は、可撓性を持つ軟性部31と、湾曲部33と、先端部(以降、内視鏡先端部とも呼称する)35とを備える。
【0022】
内視鏡先端部35には、図2に示すように、被観察領域へ光を照射する照射口37Aと、被観察領域の画像情報を取得するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子21と、撮像素子21の受光面前方に配置される対物レンズユニット39とが設けられている。また、内視鏡挿入部19の照射口37Aには、カバーガラスやレンズ(不図示)が配置される。
【0023】
内視鏡挿入部19内には、コネクタ部25Aから先端部35まで光を導く導光部としての光ファイバ45Aと、撮像素子21にスコープケーブル63によって接続され、撮像素子21から出力される撮像画像信号をデジタル信号に変換するAD変換器65とが設けられている。光ファイバ45Aは、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ等の1本の光ファイバであり、非バンドル型である。
【0024】
先端部35には、光ファイバ45Aと照射口37Aとの間に蛍光体57が設けられており、光ファイバ45Aを伝送されてきた光が蛍光体57に入射すると、蛍光体57が励起されて照射口37Aから外部へと照明光が出射される。
【0025】
湾曲部33は、軟性部31と先端部35との間に設けられ、操作部23に配置されたアングルノブ22の回動操作により湾曲自在にされている。
【0026】
この湾曲部33は、内視鏡11が使用される被検体の部位等に応じて、任意の方向、任意の角度に湾曲でき、内視鏡先端部35の照射口37A及び撮像素子21の観察方向を、所望の観察部位に向けることができる。
【0027】
制御装置13は、内視鏡先端部35の照射口37Aに供給する光を発生する光源装置41と、撮像素子21からの撮像画像信号(AD変換器65でデジタル変換後の撮像画像信号)を画像処理するプロセッサ43とを備え、これらはコネクタ部25A,25Bを介して内視鏡11と接続される。
【0028】
また、プロセッサ43には、前述の表示部15と入力部17が接続されている。プロセッサ43は、内視鏡11の操作部23や入力部17からの指示に基づいて、内視鏡11から伝送されてくる撮像信号を画像処理し、表示用画像を生成して表示部15に表示させる。
【0029】
光源装置41は、内視鏡先端部35に伝送する光を出射する光源45と、光源45を制御する光源制御部75と、光源45から出射された光の一部を検出する発光量検出部51と、光源45から出射されて内視鏡11の光ファイバ45Aに入射された光のうち、光源装置41に戻ってくる戻り光の一部を検出する戻り光検出部47と、光源45に接続される光ファイバ45Cと、戻り光検出部47に接続される光ファイバ47Aと、発光量検出部51に接続される光ファイバ51Aと、コネクタ部25Aに接続される光ファイバ45Bと、光ファイバ45B,45C,47A,51Aをそれぞれ光学的に接続するファイバカプラ52とを備える。
【0030】
光源45は、LD(Laser Diode)、LED(Light Emitting Diode)等によって所定波長域の光を光ファイバ45Cに出射する。
【0031】
ファイバカプラ52は、光ファイバ45Cを伝送されてきた光の一部を光ファイバ51Aに伝送し、当該光の残りを光ファイバ45Bに伝送するように構成される。また、ファイバカプラ52は、光ファイバ45Bに伝送されて、光ファイバ45Bから光ファイバ45Aに伝送された光のうち、光ファイバ45Aからファイバカプラ52に戻ってくる光(戻り光)の一部を光ファイバ47Aに伝送し、当該戻り光の残りを光ファイバ45Cに伝送するように構成される。
【0032】
発光量検出部51は、例えばフォトダイオードであり、光源45から出射された光の一部を受光し、その光の光量に応じた信号を、光源45から出射された光に対応する数値を示す光量情報として制御部73に出力する。
【0033】
戻り光検出部47は、例えばフォトダイオードであり、光源45から出射されて内視鏡11の光ファイバ45Aに入射された光のうち、光源装置41に戻ってくる戻り光の一部を受光し、受光した光の光量に応じた信号を、当該戻り光の光量を示す光量情報として制御部73に出力する。
【0034】
プロセッサ43は、内視鏡11のAD変換器65に接続され、AD変換器65から出力される撮像画像信号を画像処理して表示用画像等を生成する画像処理部67と、制御装置13全体を統括制御する制御部73とを備える。
【0035】
制御部73は、光源制御部75を制御して、光源45からの光の出射のオンオフ制御や発光量制御等を行う。また、制御部73には、戻り光検出部47によって検出された戻り光の光量情報と、発光量検出部51によって検出された光源光の光量情報とが入力される。
【0036】
制御部73は、戻り光検出部47によって検出された戻り光の光量情報と、発光量検出部51によって検出された光源光の光量情報との比(例えば、光源光の光量情報に対する、戻り光の光量情報の割合を%で示したもの)である発光損失比を算出し、この発光損失比の変化に基づいて、内視鏡11の光ファイバ45Aに損傷があるか否かを判定し、その判定結果に応じた制御を実施する。
【0037】
例えば、内視鏡11の光ファイバ45Aに破断による損傷が発生した場合には、その破断位置において戻り光が多く発生する。つまり、この場合には、図3に示すように、破断が起きた時刻t1以降、発光損失比が例えば3%〜7%程度の範囲で急激に上昇し、その後、破断前の値に戻ることはない。
【0038】
そこで、制御部73は、所定時刻おきに上記発光損失比を算出してこれを履歴として記憶しておき、この履歴を解析する。そして、発光損失比があるタイミングで閾値以上上昇して所定時間戻らない場合には、光ファイバ45Aに破断による損傷があると判定する。
【0039】
また、内視鏡11の光ファイバ45Aに曲げによる損傷が発生した場合には、その曲げ位置において戻り光が増減を繰り返す。つまり、この場合には、図4に示すように、曲げが起きた時刻t1以降、発光損失比が最大幅数%〜数十%程度の範囲で増減を繰り返し、一定の値をとることはない。
【0040】
そこで、制御部73は、発光損失比の履歴を解析し、発光損失比が閾値以上の増減を繰り返していることを検出した場合には、光ファイバ45Aに曲げによる損傷があると判定する。
【0041】
また、内視鏡11の光ファイバ45Aに潰れによる損傷が発生した場合には、その潰れ位置において戻り光が遮られる。つまり、この場合には、図5に示すように、潰れが起きた時刻t1以降、発光損失比が急激に低下し、その後、潰れ前の値に戻ることはない。
【0042】
そこで、制御部73は、発光損失比の履歴を解析し、発光損失比があるタイミングで閾値以上低下して所定時間戻らない場合には、光ファイバ45Aに潰れによる損傷があると判定する。
【0043】
このように、制御部73は、発光損失比の変化をモニタすることで、光ファイバ45Aに損傷があるか否かだけでなく、損傷があった場合には、発光損失比の変化のパターンに応じて、その損傷の内容をも判定することができる。
【0044】
次に、内視鏡装置100の動作について説明する。図6は、図1に示す内視鏡装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0045】
光源45から光が出射されると、この光が光ファイバ45Cを伝送されてファイバカプラ52に到達し、ここでのその一部(ここでは全体の1%とする)が光ファイバ51Aに入射され、残りの99%が光ファイバ45Bに入射される。光ファイバ51Aに入射した光は、発光量検出部51に入射し、ここでその光量が検出され、その光量を示す発光量の光量情報が制御部73によって取得される(ステップS1)。
【0046】
光ファイバ45Bに入射された光は光ファイバ45Aに入射され、先端部35まで伝送されて、蛍光体57に入射する。光ファイバ45Aの終端部では戻り光(当該終端部に達した光の例えば3%程度の光量)が発生し、この戻り光は、光ファイバ45Aを伝送されて光ファイバ45Bに入射する。
【0047】
光ファイバ45Bに入射された戻り光は、その一部(ここでは全体の1%とする)が光ファイバ47Aに入射され、残りの99%が光ファイバ45Cに入射される。戻り光は、光源45から出射される光に対して非常に少ない光量であるため、光ファイバ45Cに入射されても問題はない。光ファイバ47Aに入射した光は、戻り光検出部47に入射し、ここでその光量が検出され、その光量を示す戻り光の光量情報が制御部73によって取得される(ステップS2)。
【0048】
次に、制御部73は、ステップS1で取得した発光量の光量情報と、ステップS2で取得した戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出し、これを内部の記憶部73aに記憶する(ステップS3)。
【0049】
次に、制御部73は、記憶部73aに記憶されている発光損失比の履歴を解析し(ステップS4)、その解析結果に基づいて、内視鏡11に内蔵される光ファイバ45Aに損傷があるか否かを判定する(ステップS5)。
【0050】
例えば、制御部73は、発光損失比が、ある時刻において当該時刻よりも前の時刻で得られた発光損失比に対して閾値Th1以上上昇していた場合、又は、発光損失比が、ある時刻において当該時刻よりも前の時刻で得られた発光損失比に対して閾値Th1以上下降していた場合、つまり、発光損失比がある時刻で大きく変化していたときには、内視鏡11に内蔵される光ファイバ45Aに損傷があると判定する。閾値Th1については、光ファイバ45Aに任意のタイミングで“破断”、“曲げ”、“潰れ”の各損傷を与えたときの発光損失比の時間変化を事前に求めておき、各損傷が発生した時点での発光損失比の増減量のうち最も小さい値を閾値Th1とすればよい。このようにすることで、閾値Th1以上の発光損失比の変化があった場合には、“破断”、“曲げ”、“潰れ”のいずれかの損傷が起きていると判断することができる。
【0051】
一方、制御部73は、発光損失比が、ある時刻において当該時刻よりも前の時刻で得られた発光損失比に対して閾値Th1以上上昇していない場合、又は、発光損失比が、ある時刻において当該時刻よりも前の時刻で得られた発光損失比に対して閾値Th1以上下降していない場合、つまり、発光損失比がほぼ一定で推移している場合には、内視鏡11に内蔵される光ファイバ45Aに損傷がないと判定する。
【0052】
ステップS5において光ファイバ45Aに損傷があると判定した場合、制御部73は、その損傷の種類を判定可能か否か、を判定する(ステップS6)。
【0053】
例えば、ステップS3で算出した発光損失比が、その直前に算出した発光損失比に対して閾値Th1以上上昇していたり、閾値Th1以上下降していたりした場合でも、図3〜5に示したように、これ以降の時刻(時刻t1以降の時刻)において算出される発光損失比が一定値になるか、増減するかによって、損傷の種類は異なる。
【0054】
そのため、光ファイバ45Aに損傷があると判定しても、その判定した時点が、ちょうど損傷が起きた時点であった場合には、損傷の種類までは判定することができない。したがって、損傷の種類を判定するには、発光損失比に大きな変化があってから所定期間における発光損失比の推移を見る必要がある。
【0055】
このために、ステップS6では、発光損失比が閾値Th1以上上昇した時刻、発光損失比が閾値Th1以上下降した時刻から上記所定期間が経過したか否かを判定し、上記所定期間が経過している場合には、損傷の内容を判定可能であると判定してステップS7に処理を移行し、上記所定期間が経過していない場合には、損傷の内容を判定不可能であると判定してステップS1に処理を移行する。
【0056】
ステップS7では、発光損失比が閾値Th1以上上昇してから所定期間の間、発光損失比がほぼ変化していない場合(図3に示すような場合)には、損傷の種類が光ファイバ45Aの破断によるものであると判定される。
【0057】
また、発光損失比が閾値Th2以上下降してから所定期間の間、発光損失比がほぼ変化していない場合(図5に示すような場合)には、損傷の種類が光ファイバ45Aの潰れによるものであると判定される。
【0058】
また、発光損失比が閾値Th1以上上昇又は発光損失比が閾値Th1以上下降してから所定期間の間、発光損失比が閾値Th2以上の増減を繰り返している場合(図4に示すような場合)には、損傷の種類が光ファイバ45Aの曲げによるものであると判定される。閾値Th2は、光ファイバ45Aに“曲げ”の損失を与えたときの発光損失比の変化を予め求めておき、この変化に応じて決めればよい。
【0059】
ステップS7の判定の結果、損傷の種類が“破断”であった場合(ステップS8:破断)、制御部73は、光源制御部75に対して光源45からの光の出射を停止させる指示を出し、この指示により、光源45からの光の出射が停止される(ステップS9)。なお、制御部73は、損傷の種類が“破断”であった場合に、光源制御部75に対して光源45から出射させる光量を安全性が確保される程度に少なくする指示を行って、光源45からの出射光量を落とすようにしてもよい。
【0060】
ステップS9で光源45がOFFになった後、制御部73は、内視鏡11の光ファイバ45Aが破断によって損傷していることを示すメッセージを表示部15に表示させて、内視鏡装置100の使用者に対して警告を行う(ステップS10)。
【0061】
一方、損傷の種類が“曲げ”又は“潰れ”であった場合は、“破断”のときに比べて、光源45からの光が内視鏡挿入部19内に漏れだすといった危険性は低い。また、光源45からの光が先端部35までは到達するため、内視鏡画像が多少は暗くなるものの、検査を継続することは可能である。
【0062】
そのため、ステップS7の判定の結果、損傷の種類が“曲げ”又は“潰れ”であった場合(ステップS8:曲げ,潰れ)、制御部73は、光源45はOFFにせずに(又は光源45から出射させる光の光量を落とさずに)、内視鏡11の光ファイバ45Aが曲げ又は潰れによって損傷していることを示すメッセージを表示部15に表示させて、内視鏡装置100の使用者(術者)に対して警告を行う(ステップS11)。ステップS11の後は、ステップS1以降の処理が行なわれる。これにより、術者は自身の判断により内視鏡検査を継続して行うことができる。
【0063】
以上のように、内視鏡装置100は、光源45から発光される光の発光量に対する、光ファイバ45Aから戻ってくる戻り光の光量の割合を、発光損失比として算出し、この発光損失比の変化に基づいて、光ファイバ45Aに損傷があるか否かを判定する。
【0064】
光源45から出射される光の光量が逐次変化する場合でも、光ファイバ45Aに損傷がなければ、発光損失比は一定の値となる。つまり、発光損失比が変化するのは、光ファイバ45Aに損傷が発生しているときだけである。内視鏡装置100によれば、光ファイバ45Aの損傷を、この発光損失比の変化を見るだけで検出することができ、確実かつ容易に光ファイバ45Aの損傷を検出することができる。
【0065】
また、内視鏡装置100によれば、光ファイバ45Aに損傷があると判定した場合に、その損傷の種類も判定することができる。そして、その損傷の種類が“破断”の場合には、光源45をOFF又は光量を落として警告を行うため、内視鏡11の安全性を確保することができる。
【0066】
また、損傷の種類が“曲げ”又は“潰れ”の場合には、光源45をOFFせずに又は光量を落とさずに警告を行って検査を継続できるようにしているため、術者の判断で検査を継続することもでき、内視鏡検査効率が低下するのを防ぐことができる。
【0067】
また、内視鏡装置100によれば、内視鏡11の構成は従来と変更する必要がないため、既存の内視鏡11をそのまま使用することができ、内視鏡装置100の導入コストを低く抑えることができる。
【0068】
なお、図6のフローチャートにおいて、ステップS6、S7,S8,S11を省略し、ステップS5:YESの後にステップS9に移行するようにしてもよい。つまり、光ファイバ45Aに損傷があるか否かを判定し、損傷があると判定した場合は、その損傷の種類に関わらず、光源45をOFFにして警告を行うようにしてもよい。
【0069】
ステップS10やステップS11にて警告を行うことで、損傷のあった内視鏡11は次回の検査には通常使用されないと思われるが、何らかの理由により、その損傷のあった内視鏡11を再び使用してしまうことも考えられる。
【0070】
内視鏡装置100では、発光損失比の変化に基づいて、光ファイバ45Aの損傷の有無を判定している。このため、元々損傷のある内視鏡11については、その損傷内容が“破断”や“曲げ”であった場合には、発光損失比が元々高い値や低い値にあり、変化しないため、損傷を検出することができない。
【0071】
そこで、一旦損傷があると判定された内視鏡11に対しては、その内視鏡11の識別情報と、損傷があることを示す情報とを対応付けて記憶部73aに記憶しておく。
【0072】
例えば、図6のフローチャートにおいてステップS5:YESのときに、制御部73が、内視鏡11から識別情報を取得し、その識別情報と、損傷があることを示す損傷有り情報とを対応付けて記憶部73aに記憶しておく。
【0073】
そして、内視鏡11が装着された制御装置13の起動時には、制御部73が、内視鏡11から識別情報を取得し、当該識別情報に損傷有り情報が対応付けて記憶されていた場合には、“内視鏡の光ファイバが損傷しています。交換してください”等のメッセージを表示部15に表示させて、警告を行って、光源45からの発光を停止させる処理を行えばよい。
【0074】
このようにすることで、損傷がある内視鏡11が使用されてしまう可能性を減らすことができ、安全性を更に高めることができる。
【0075】
なお、図2に示す内視鏡装置100において、発光量検出部51と光ファイバ51Aは省略することができる。
【0076】
この場合は、制御部73が、光源45から出射される光の光量を示す光量情報を光源制御部75から取得し、この光量情報と、戻り光検出部47によって検出された戻り光の光量情報との比を発光損失比として算出すればよい。
【0077】
又は、光源45から出射される光の光量は、光源45を駆動する際の駆動電流値と対応する(相関がある)ため、この駆動電流値を光源制御部75から取得し、この駆動電流値と、戻り光検出部47によって検出された戻り光の光量情報との比を発光損失比として算出してもよい。
【0078】
このようにすることで、光源装置41内の構成を簡略化することができ、コストを削減することができる。また、発光量検出部51を省略できるため、光源45から出射された光を全て光ファイバ45Aに入射させることができ、光量の増加を図ることができる。
【0079】
図7は、図2に示す内視鏡装置の変形例である内視鏡装置200の制御装置13と内視鏡11の内部構成を示す図である。図7において図2と同じ構成には同一符号を付してある。
【0080】
図7に示す内視鏡装置200は、光源装置41に、光源45から出射される光を光ファイバ45C側の第一方向とその方向に直交する第二方向に2分岐する分岐ミラー53を追加し、光ファイバ51Aを削除し、発光量検出部51が、分岐ミラー53によって第二方向に分岐された光を受光して、その光量を検出するものとした点を除いては、図2に示す構成と同じである。
【0081】
図7に示したような構成であっても、図2に示した内視鏡装置100と同じ効果を得ることができる。また、図7に示した構成によれば、光源装置41内の光ファイバの配線を簡略化することができる。
【0082】
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
【0083】
開示された内視鏡装置は、内視鏡の先端部に供給する光を出射する光源と、前記光源から出射される光の光量に対応する数値を示す情報である光量情報を取得する光量情報取得部と、前記光源から前記内視鏡の導光部に入射されて前記先端部まで伝送される光のうち、前記内視鏡の導光部から戻ってくる戻り光の一部を検出する戻り光検出部と、前記光量情報と、前記戻り光検出部によって検出された戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出する発光損失比算出部と、前記発光損失比算出部によって算出される前記発光損失比の変化に基づいて、前記内視鏡の導光部に損傷があるか否かを判定する損傷判定部と、を備えるものである。
【0084】
開示された内視鏡装置は、前記損傷判定部は、前記発光損失比の変化のパターンに応じて、当該損傷の種類も判定するものである。
【0085】
開示された内視鏡装置は、前記損傷判定部は、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上上昇し、当該上昇後の値が所定時間継続するパターンの場合は、前記損傷の種類が前記導光部の破断であると判定し、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上下降し、当該下降合後の値が所定時間継続するパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の潰れであると判定し、前記発光損失比が閾値以上の増減を繰り返すパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の曲がりであると判定するものである。
【0086】
開示された内視鏡装置は、前記損傷判定部によって判定された前記損傷の種類が、前記内視鏡の導光部の破断であった場合に前記光源から光の出射を停止又は光量を低下させる制御を行う光源制御部を備えるものである。
【0087】
開示された内視鏡装置は、前記光量情報取得部、前記戻り光検出部、前記発光損失比算出部、及び前記損傷判定部は、前記内視鏡が接続される制御装置に内蔵されるものである。
【0088】
開示された内視鏡装置は、装着される前記内視鏡の識別情報を取得する内視鏡識別情報取得部と、前記損傷判定部によって前記内視鏡の導光部に損傷があると判定された場合に、当該内視鏡の識別情報と前記損傷があることを示す情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、起動時に前記内視鏡識別情報取得部によって取得された前記識別情報に、前記損傷があることを示す情報が対応付けて前記記憶部に記憶されている場合に、警告を行う警告部と、を備えるものである。
【0089】
開示された内視鏡装置は、前記光源はレーザ光源であり、前記導光部は1本の光ファイバであるものである。
【0090】
開示された内視鏡装置の安全管理方法は、内視鏡の先端部に光を供給する光源から出射される光の光量に対応する数値を示す情報である光量情報を取得する光量情報取得ステップと、前記光源から前記内視鏡の導光部に入射されて前記内視鏡の先端部まで伝送される光のうち、前記内視鏡の導光部から戻ってくる戻り光のうちの一部を検出する戻り光検出ステップと、前記光量情報と、前記戻り光検出ステップによって検出した戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出する発光損失比算出ステップと、前記発光損失比算出ステップにより算出される前記発光損失比の変化に基づいて、前記内視鏡の導光部に損傷があるか否かを判定する損傷判定ステップと、を備えるものである。
【0091】
開示された内視鏡装置の安全管理方法は、前記損傷判定ステップでは、前記発光損失比の変化のパターンに応じて、当該損傷の種類も判定するものである。
【0092】
開示された内視鏡装置の安全管理方法は、前記損傷判定ステップでは、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上上昇し、当該上昇後の値が所定時間継続するパターンの場合は、前記損傷の種類が前記導光部の破断であると判定し、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上下降し、当該下降後の値が所定時間継続するパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の潰れであると判定し、前記発光損失比が閾値以上の増減を繰り返すパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の曲がりであると判定するものである。
【0093】
開示された内視鏡装置の安全管理方法は、前記損傷判定ステップによって判定した前記損傷の種類が、前記内視鏡の導光部の破断であった場合に前記光源から光の出射を停止又は光量を低下させる制御を行う光源制御ステップを備えるものである。
【0094】
開示された内視鏡装置の安全管理方法は、前記内視鏡装置に装着される前記内視鏡の識別情報を取得する内視鏡識別情報取得ステップと、前記損傷判定ステップによって前記内視鏡の導光部に損傷があると判定された場合に、当該内視鏡の識別情報と前記損傷があることを示す情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、起動時に取得した前記識別情報に、前記損傷があることを示す情報が対応付けて前記記憶部に記憶されている場合に、警告を行う警告ステップと、を備えるものである。
【0095】
開示された内視鏡装置の安全管理方法は、前記光源はレーザ光源であり、前記導光部は1本の光ファイバであるものである。
【符号の説明】
【0096】
100 内視鏡装置
11 内視鏡
35 内視鏡先端部
45 光源
45A 光ファイバ(導光部)
47 戻り光検出部
51 発光量検出部
73 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の先端部に供給する光を出射する光源と、
前記光源から出射される光の光量に対応する数値を示す情報である光量情報を取得する光量情報取得部と、
前記光源から前記内視鏡の導光部に入射されて前記先端部まで伝送される光のうち、前記内視鏡の導光部から戻ってくる戻り光の一部を検出する戻り光検出部と、
前記光量情報と、前記戻り光検出部によって検出された戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出する発光損失比算出部と、
前記発光損失比算出部によって算出される前記発光損失比の変化に基づいて、前記内視鏡の導光部に損傷があるか否かを判定する損傷判定部と、を備える内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記損傷判定部は、前記発光損失比の変化のパターンに応じて、当該損傷の種類も判定する内視鏡装置。
【請求項3】
請求項2記載の内視鏡装置であって、
前記損傷判定部は、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上上昇し、当該上昇後の値が所定時間継続するパターンの場合は、前記損傷の種類が前記導光部の破断であると判定し、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上下降し、当該下降後の値が所定時間継続するパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の潰れであると判定し、前記発光損失比が閾値以上の増減を繰り返すパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の曲がりであると判定する内視鏡装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の内視鏡装置であって、
前記損傷判定部によって判定された前記損傷の種類が、前記内視鏡の導光部の破断であった場合に前記光源から光の出射を停止又は光量を低下させる制御を行う光源制御部を備える内視鏡装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記光量情報取得部、前記戻り光検出部、前記発光損失比算出部、及び前記損傷判定部は、前記内視鏡が接続される制御装置に内蔵される内視鏡装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
装着される前記内視鏡の識別情報を取得する内視鏡識別情報取得部と、
前記損傷判定部によって前記内視鏡の導光部に損傷があると判定された場合に、当該内視鏡の識別情報と前記損傷があることを示す情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御部と、
起動時に前記内視鏡識別情報取得部によって取得された前記識別情報に、前記損傷があることを示す情報が対応付けて前記記憶部に記憶されている場合に、警告を行う警告部と、を備える内視鏡装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の内視鏡装置であって、
前記光源はレーザ光源であり、
前記導光部は1本の光ファイバである内視鏡装置。
【請求項8】
内視鏡の先端部に光を供給する光源から出射される光の光量に対応する数値を示す情報である光量情報を取得する光量情報取得ステップと、
前記光源から前記内視鏡の導光部に入射されて前記内視鏡の先端部まで伝送される光のうち、前記内視鏡の導光部から戻ってくる戻り光のうちの一部を検出する戻り光検出ステップと、
前記光量情報と、前記戻り光検出ステップによって検出した戻り光の光量情報との比である発光損失比を算出する発光損失比算出ステップと、
前記発光損失比算出ステップにより算出される前記発光損失比の変化に基づいて、前記内視鏡の導光部に損傷があるか否かを判定する損傷判定ステップと、を備える内視鏡装置の安全管理方法。
【請求項9】
請求項8記載の内視鏡装置の安全管理方法であって、
前記損傷判定ステップでは、前記発光損失比の変化のパターンに応じて、当該損傷の種類も判定する内視鏡装置の安全管理方法。
【請求項10】
請求項9記載の内視鏡装置の安全管理方法であって、
前記損傷判定ステップでは、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上上昇し、当該上昇後の値が所定時間継続するパターンの場合は、前記損傷の種類が前記導光部の破断であると判定し、前記発光損失比が任意のタイミングにて閾値以上下降し、当該下降後の値が所定時間継続するパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の潰れであると判定し、前記発光損失比が閾値以上の増減を繰り返すパターンの場合は前記損傷の種類が前記導光部の曲がりであると判定する内視鏡装置の安全管理方法。
【請求項11】
請求項9又は10記載の内視鏡装置の安全管理方法であって、
前記損傷判定ステップによって判定した前記損傷の種類が、前記内視鏡の導光部の破断であった場合に前記光源から光の出射を停止又は光量を低下させる制御を行う光源制御ステップを備える内視鏡装置の安全管理方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項記載の内視鏡装置の安全管理方法であって、
前記内視鏡装置に装着される前記内視鏡の識別情報を取得する内視鏡識別情報取得ステップと、
前記損傷判定ステップによって前記内視鏡の導光部に損傷があると判定された場合に、当該内視鏡の識別情報と前記損傷があることを示す情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
起動時に取得した前記識別情報に、前記損傷があることを示す情報が対応付けて前記記憶部に記憶されている場合に、警告を行う警告ステップと、を備える内視鏡装置の安全管理方法。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか1項記載の内視鏡装置の安全管理方法であって、
前記光源はレーザ光源であり、
前記導光部は1本の光ファイバである内視鏡装置の安全管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−147860(P2012−147860A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7380(P2011−7380)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】