説明

内視鏡装置及び粘性物質内の被検物観察方法

【課題】内部に粘性物質が存在しても、所望の位置まで挿入して観察することが可能な内視鏡装置、及び、粘性物質内の被検物観察方法を提供する。
【解決手段】内視鏡装置1は、基端部10aから先端部10bまで連通する挿通孔10cを有する細長の挿入体10と、挿入体10の先端部10bに配設された観察手段と、挿入体10の挿通孔10cに挿通され、流体を基端から先端へ流通させて挿入体10の先端部10b側に吐出させることが可能な流体案内チューブ20、21と、流体案内チューブ20、21の基端側に設けられて流体を供給する供給手段23と、挿入体10の挿通孔10cに挿通されて、基端を操作することで先端を挿入体10の先端部10bから突出させた状態で進退させることが可能な操作部材22と、操作部材22の先端に設けられ、操作部材22を後退させることで観察手段及び流体案内チューブ20、21の先端を覆うことが可能な蓋体28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体に挿入して内部を観察する内視鏡装置、及び、粘性物質が存在する被検物の内部を観察する粘性物質内の被検物観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野では被検者の体内、また、工業分野などでは被検物の内部など、観察者が直接目視できない被検体の内部における所定の観察対象を観察可能とすべく、被検体の内部に挿入可能な挿入体と、挿入体の先端部に配設された観察手段とを有する内視鏡装置が利用されている。ここで、被検体の内部には、その被検体の種類に応じて、様々な種類の流動体が存在していて、被検体の一部で、内部に存在する観察対象を観察する場合には挿入体によって該流動体を押し分けて目的とする位置まで挿入し、観察手段によって所定の観察対象を観察することとなる。しかしながら、挿入体を挿入する際に観察手段に流動体が付着して汚れてしまうことで、被検体の観察対象の観察を行うことができなくなってしまう場合があった。このため、被検体の内部に流動体が存在していても目的とする観察対象を観察可能とすべく、様々な内視鏡装置が提案されている。
【0003】
すなわち、このような内視鏡装置としては、筒状のシースと、先端部に観察手段を有しシースに対して挿脱可能な挿入部と、シースに挿入された挿入部を保持するとともに、挿入部を保持した状態で観察手段によって被検体の観察対象を観察可能な観察位置と、観察手段を水密状態にシールする退避位置とに切替可能な内視鏡保持部とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この内視鏡装置によれば、シースに挿入部を挿入して内視鏡保持部で保持した状態で、シースを目的の位置まで被検体の内部に挿入する。次に、観察手段を退避位置に退避した状態で、シースの先端に露出する被検体の観察対象に洗浄液を吐出させて洗浄し、その後に洗浄液を吸引して除去する。そして、洗浄液を除去した後に観察手段を観察位置にすることで、シースの内部において先端に露出する観察対象を観察することができるとされている。
【0004】
また、他の内視鏡装置としては、挿入部に装着される管状部材と、管状部材の先端部に設けられ挿入部の先端面前方に配置されるドーム部材と、ドーム部材を横切るように配置可能な弾性を有する帯状のブレード部を有し、ドーム部材の外表面を拭き取る拭き取りユニットとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この内視鏡装置によれば、挿入部に設けられた観察手段は、ドーム部材で覆われていて被検体の内部の流動体によって汚れてしまうことが無い。また、ドーム部材の外表面に付着した流動体は、拭き取りユニットのブレード部によって拭き取ることができ、観察手段は、ドーム部材を介して観察対象を観察することができるとされている。
【0005】
さらに、他の内視鏡装置としては、挿入部のチャンネルに挿入されて流体を導くカテーテルと、カテーテルの端部から出射される流体の向きを規制して挿入部の観察手段の方向に設定し洗浄するカテーテルキャップとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この内視鏡装置では、挿入部の観察手段に流動体が付着したとしても、カテーテルに導かれカテーテルキャップによって規制された流体によって挿入部の観察手段を洗浄することができ、これにより観察手段によって観察対象を観察することができるとされている。
【特許文献1】特開2005−192707号公報
【特許文献2】特開2005−40184号公報
【特許文献3】特開平5−146396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3の内視鏡装置では、流動体が粘性物質であり、挿入体を挿入していくことが可能であるものの、自己の粘性によって一定時間形状を維持させることが可能であるような性質を有する場合、観察手段による被検体の観察対象の観察が困難となってしまう問題があった。すなわち、特許文献1の内視鏡装置では、シース先端が開放されているので、シースを挿入する際にシース先端から粘性物質が入ってきてしまう。シースの内部に進入した粘性物質は、洗浄液で洗浄し洗浄液とともに吸引して除去することとなるが、これらの作業は、全て観察手段を退避位置にした状態で行うこととなり、粘性物質がどの程度除去できたか確認することはできない。内視鏡保持部を透明として退避位置でも外側を確認可能とする手段も開示されているが、内視鏡保持部を覆うように付着した粘性物質を完全に除去することは困難であり、粘性物質が周囲に残っているのか、内視鏡保持部に付着しているだけであるのかを判別するのは困難である。このため、粘性物質が十分に除去できていない状態で観察手段を観察位置にしてしまい、観察手段に粘性物質が付着して汚れてしまう場合があった。また、観察手段に粘性物質が付着しなかったとしても、シースの先端を観察可能とするには、洗浄及び吸引と、観察手段によるシース先端の確認との作業を繰り返し行う必要があり、効率化が望まれていた。
【0007】
また、特許文献2の内視鏡装置では、挿入部の観察手段がドーム部材で覆われていることで、観察手段に粘性物質が付着してしまうことを防ぐことはできるが、その外側のドーム部材の外表面には付着してしまう。ドーム部材の外表面に付着した粘性物質は、拭き取りユニットのブレード部によって拭き取ることとなるが、粘性を有していることで完全に除去することができず、また、ブレード部よりも外側の粘性物質を除去することもできない。このため、観察手段は、結局のところ、ドーム部材とドーム部材の外側を覆う粘性物質を介して被検体の観察対象を観察することとなり、粘性物質内では観察が困難となってしまう。
【0008】
さらに、特許文献3の内視鏡装置では、カテーテルキャップから出射される流体によって観察手段を直接的に洗浄することができるが、挿入部を挿入した際には、観察手段の周辺とともにカテーテルキャップの周辺にも粘性物質が覆った状態となる。このため、観察手段による視野を確保することができず、また、カテーテルキャップから流体を出射したとしても粘性物質を巻き込んだ洗浄液によって洗浄することとなり、観察手段を効果的に洗浄することはできなかった。
【0009】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、内部に粘性物質が存在しても、所望の位置まで挿入して観察することが可能な内視鏡装置、及び、粘性物質内の被検物観察方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の内視鏡装置は、基端部から先端部まで連通する挿通孔を有する細長の挿入体と、該挿入体の先端部に配設された観察手段と、流体を基端側から先端へ流通させて前記挿入体の先端部側に吐出させることが可能な流体案内チューブと、該流体案内チューブの基端側に設けられ、該流体案内チューブに前記流体を供給する供給手段と、前記挿入体の前記挿通孔に挿通されて、基端を操作することで先端を前記挿入体の先端部から突出させた状態で進退させることが可能な操作部材と、該操作部材の先端に設けられ、該操作部材を後退させることで前記観察手段及び前記流体案内チューブの先端を覆うことが可能な蓋体とを備えることを特徴としている。
【0011】
この発明に係る内視鏡装置によれば、操作部材を後退させることで、挿入体の先端部に配設された観察手段及び流体案内チューブの先端は蓋体に覆われた状態となる。そして、この状態で挿入体を被検体の内部に挿入することで、被検体の内部に粘性物質が存在していたとしても、観察手段及び流体案内チューブの先端に被検体内部の粘性物質が付着してしまうこと無く被検体の目的の位置まで挿入体を挿入していくことができる。そして、所定の位置まで挿入したら、操作部材を進退可能な状態として挿入体を挿入方向後方及び挿入方向と直交する一方向、すなわち斜め後方に蓋体に対して挿入体を相対的に移動させる。ここで、挿入体及び蓋体を覆う粘性物質は一定の粘性を有していることから、挿入体が移動した範囲には空隙が形成されることとなり、また、蓋体によってこの空隙に粘性物質が侵入するのを規制することができる。このため、観察手段及び流体案内チューブの先端に粘性物質が付着してしまうこと無く、挿入体を移動させた範囲に応じて観察手段の視野を確保することができる。そして、この状態で供給手段によって流体を供給し、流体案内チューブの先端から流体を吐出させれば、観察手段によって確認しながら、吐出された範囲の粘性物質を除去することができる。そして、粘性物質の除去後は、観察手段によって被検体を好適に観察することができる。
【0012】
また、上記の内視鏡装置において、先端部に前記観察手段が設けられ、前記挿入体の前記挿通孔に挿通された細長の内視鏡挿入部を備えることがより好ましいとされている。
【0013】
この発明に係る内視鏡装置によれば、挿入体によって内視鏡挿入部の外側を保護し、案内しながら被検体の内部に好適に挿入していくことができる。また、内視鏡挿入部の観察手段によって観察する際には、挿入体に対して観察手段を相対的に進退させて位置調整を行うことができ、好適である。
【0014】
また、上記の内視鏡装置において、前記挿入体は、前記挿通孔を有するとともに、先端部に前記観察手段が設けられた細長の内視鏡挿入部であるものとしても良い。
【0015】
この発明に係る内視鏡装置によれば、内視鏡挿入部自体を挿入体とすることで、全体の小径化を図ることができる。
【0016】
また、上記の内視鏡装置において、前記蓋体は、透明な材質で形成されていることがより好ましいとされている。
【0017】
この発明に係る内視鏡装置によれば、観察手段を蓋体で覆った状態でも、観察手段によって蓋体の先端側をある程度観察することが可能であり、挿入体を挿入する際に、目的とする位置に容易に到達させることができる。
【0018】
また、上記の内視鏡装置において、前記蓋体は、前記観察手段及び前記流体案内チューブの先端との間に隙間を有して覆うことが可能であることがより好ましいとされていれる。
【0019】
この発明に係る内視鏡装置によれば、蓋体で覆った状態で観察手段との間に隙間が形成されていることで、蓋体で覆われたまま観察手段の視野が確保されているかどうか確認することができる。
【0020】
さらに、上記の内視鏡装置において、前記蓋体は、前記観察手段及び前記流体案内チューブの先端と対向する基端面が凹面状に形成されていることがより好ましいとされている。
【0021】
この発明に係る内視鏡装置によれば、蓋体の基端面が凹面状であることで、蓋体と観察手段及び流体案内チューブとの隙間を蓋体側に形成することができる。このため、観察手段側に粘性物質やゴミなどが滞留してしまうのを防ぐことができる。
【0022】
また、上記の内視鏡装置において、前記観察手段による観察方向に前記流体を吐出可能な第一の流体案内チューブと、前記観察手段に向かって前記流体を吐出可能な第二の流体案内チューブと、前記流体案内チューブを複数備えることがより好ましいとされている。
【0023】
この発明に係る内視鏡装置によれば、観察手段によって観察する被検体の観察位置周辺を洗浄する際には第一の流体案内チューブから流体を吐出させることで、また、観察手段自体を洗浄する際には第二の流体案内チューブから流体を吐出させることで、その目的に応じてより効果的に洗浄することができる。
【0024】
さらに、上記の内視鏡装置において、前記供給手段は、複数の前記流体案内チューブの少なくとも一つを選択して前記流体を供給する吐出先切替部を有することがより好ましいとされている。
【0025】
この発明に係る内視鏡装置によれば、吐出先切替部によって、供給手段からの流体の供給先を選択することができるので、一つの供給手段で複数の流体案内チューブから自在に流体を吐出させることができる。
【0026】
また、上記の内視鏡装置において、前記操作部材は、略管状で、基端側に前記供給手段が接続され、該供給手段から供給される前記流体を基端側から先端に流通させて前記蓋体の先端側外方に吐出可能な操作チューブであることがより好ましいとされている。
【0027】
この発明に係る内視鏡装置によれば、操作チューブによって挿入体に対して蓋体を進退させることができるとともに、供給手段から供給される流体を蓋体の先端側外方に吐出させることができる。このため、挿入体を挿入させていく際に操作チューブの先端から流体を吐出させれば、流体によって蓋体先端側の粘性物質を除去しながら挿入していくことができ、挿入抵抗を低減させることができる。
【0028】
さらに、上記の内視鏡装置において、前記流体案内チューブまたは前記操作チューブの少なくとも一つを選択して前記流体を供給する吐出先切替部を有することがより好ましいとされている。
【0029】
この発明に係る内視鏡装置によれば、吐出先切替部によって、供給手段からの流体の吐出先を選択することができるので、一つの供給手段で流体案内チューブ及び操作チューブから自在に流体を吐出させることができる。
【0030】
また、上記の内視鏡装置において、前記供給手段は、前記流体として気体を供給可能な第一の供給部と、前記流体として液体を供給可能な第二の供給部とを有することがより好ましいとされている。
【0031】
この発明に係る内視鏡装置によれば、第一の供給部と第二の供給部とによって、目的に応じて気体と液体とのそれぞれを吐出させることができる。
【0032】
さらに、上記の内視鏡装置において、前記供給手段は、前記第一の供給部と前記第二の供給部との少なくとも一つを選択して前記流体を供給させる供給元切替部を有することがより好ましいとされている。
【0033】
この発明に係る内視鏡装置によれば、供給元切替部によって供給手段における流体の供給元を選択することができるので、第一の供給部及び第二の供給部の複数の供給元によって、一つの吐出先に対して気体と液体と異なる種類の流体を供給することができる。
【0034】
また、本発明は、内部に粘性物質が存在する被検物に、先端部に観察手段が配設された細長の挿入体を挿入して被検物の内部を観察する粘性物質内の被検物観察方法であって、 前記挿入体の先端部に該先端部側に流体を吐出可能に吐出ノズルを配設するとともに、該吐出ノズル及び前記観察手段を蓋体で覆った状態で、前記挿入体を前記被検物の内部に挿入していく挿入工程と、前記蓋体に対して前記挿入体を、挿入方向後方及び該挿入方向に直交する一方向に相対的に移動させて、前記蓋体を前記挿入体から離脱させる離脱工程と、前記吐出ノズルから流体を吐出させて該吐出ノズルの周辺の前記粘性物質を除去する除去工程と、前記観察手段によって前記粘性物質が除去された範囲で前記被検物の内部を観察する観察工程とを備えることを特徴としている。
【0035】
この発明に係る粘性物質内の被検物観察方法によれば、挿入工程として挿入体を被検物の内部に挿入していく際、挿入体の先端部に配設された観察手段及び吐出ノズルは、蓋体によって覆われた状態である。このため、観察手段及び吐出ノズルに粘性物質が付着してしまうのを防止しつつ、挿入体を所望の位置まで挿入していくことができる。次に、離脱工程として蓋体に対して挿入体を挿入方向後方及び挿入方向と直交する一方向、すなわち斜め後方に相対的に移動させる。ここで、挿入体及び蓋体を覆う粘性物質は、一定の粘性を有していることから、挿入体が移動した範囲で空隙を形成することとなり、また、蓋体によってこの空隙に粘性物質が侵入するのが規制されることとなる。このため、観察手段及び吐出ノズルに粘性物質が付着してしまうこと無く、挿入体が移動した範囲に応じて観察手段の視野を確保することができる。次に、除去工程として吐出ノズルから流体を吐出させれば、観察手段によって確認しながら、吐出された範囲の粘性物質を除去することができ、観察工程として観察手段によって被検体を好適に観察することができる。
【0036】
また、上記の粘性物質内の被検物観察方法において、前記挿入工程は、前記挿入体を挿入するのと同時に、前記吐出ノズルから前記流体を吐出させることがより好ましいとされている。
【0037】
この発明に係る粘性物質内の被検物観察方法によれば、挿入工程において、吐出ノズルから流体を吐出させることで、蓋体と挿入体との間から粘性物質が侵入して観察手段及び吐出ノズルに付着してしまうのを防ぐことができる。
【0038】
また、上記の粘性物質内の被検物観察方法において、前記離脱工程は、前記挿入体を移動させるのと同時に、前記吐出ノズルから前記流体を吐出させることがより好ましいとされている。
【0039】
この発明に係る粘性物質内の被検物観察方法によれば、離脱工程において吐出ノズルから流体を吐出させることで、挿入体が移動することで形成された空隙内部の圧力を高めて、空隙に粘性物質が侵入してしまうのを防ぐことができる。
【0040】
また、上記の粘性物質内の被検物観察方法において、前記挿入体の移動とともに前記吐出ノズルから吐出させる前記流体は、気体であることがより好ましいとされている。
【0041】
この発明に係る粘性物質内の被検物観察方法によれば、挿入工程で挿入体を挿入し、または、離脱工程で挿入体を移動させる際に、吐出ノズルから吐出させる流体を気体とすることで、空隙内部の気圧を高めて粘性物質の侵入をより確実に防止することができる。
【0042】
また、上記の粘性物質内の被検物観察方法において、前記除去工程で前記吐出ノズルから吐出させる前記流体は、液体であることがより好ましいとされている。
【0043】
この発明に係る粘性物質内の被検物観察方法によれば、除去工程で粘性物質を除去する際に吐出ノズルから吐出させる流体を液体とすることで、吐出圧力で粘性物質を除去するとともに、吐出した液体とともに粘性物質を流出させて除去することができ、好適である。
【0044】
また、上記の粘性物質内の被検物観察方法において、前記挿入工程は、前記蓋体の先端側に蓋体先端ノズルを配設し、前記挿入体を挿入するのと同時に、前記蓋体先端ノズルから前記蓋体の先端側外方に流体を吐出させることがより好ましいとされている。
【0045】
この発明に係る粘性物質内の被検物観察方法によれば、挿入工程で挿入体を挿入させていく際に、蓋体先端ノズルから流体を吐出させることで、流体によって蓋体先端側の粘性物質を除去しながら挿入していくことができ、挿入抵抗を低減させることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明の内視鏡装置によれば、供給手段と流体案内チューブと蓋体とを備えることで、内部に粘性物質が存在していたとしても、観察手段に粘性物質が付着して観察が困難になってしまうこと無く、所望の位置まで挿入して被検体を好適に観察することができる。
また、本発明の粘性物質内の被検物観察方法によれば、挿入工程と、離脱工程と、除去工程とを行うことで、観察手段に粘性物質が付着して観察が困難になってしまうこと無く、所望の位置まで挿入して被検物を好適に観察することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る内視鏡装置1は、内視鏡挿入部2を有する内視鏡3と、挿入体として内視鏡挿入部2の先端側に外装される略管状のガイドチューブ10とを備え、内視鏡挿入部2及びガイドチューブ10を被検体の内部に挿入し、観察を行うものである。ここで、被検体の内部とは、医療分野においては被検者の体内を意味するとともに、被検物として動物の体内を意味し、また、工業分野においては被検物として機械の内部や管路の内部などを意味している。
【0048】
図1から図3に示すように、ガイドチューブ10は、被検体に挿入されるガイドチューブ挿入部11と、ガイドチューブ挿入部11の基端部側に設けられたガイドチューブ操作部12とを備え、ガイドチューブ挿入部11及びガイドチューブ操作部12には基端部10aから先端部10bまで連通する挿通孔10cが形成されている。ガイドチューブ挿入部11は、先端側から順に硬質の先端硬質部13と、ガイドチューブ操作部12の操作により湾曲自在な湾曲部14と、可撓性を有する可撓管部15とを備える。ガイドチューブ挿入部11において先端硬質部13には、挿通孔10cとして先端面13aに開口する開口部13bが複数形成されている。また、先端硬質部13の先端面13aの外周にはラウンド状の角部13cが形成されている。
【0049】
図3に示すように、ガイドチューブ挿入部11において湾曲部14の内部には、略環状の湾曲駒16が軸方向に複数配設されている。隣り合う湾曲駒16同士は、ヒンジ16aによって連結されていて、これにより各湾曲駒16は、隣り合う他の湾曲駒16に対してそれぞれ略同一面内で回転可能である。また、連結された湾曲駒16の内部には、軸方向に一対の湾曲操作ワイヤ16bが挿通されている。一対の湾曲操作ワイヤ16bは、各湾曲駒16がヒンジ16aによって回転した場合に回転内周側及び回転外周側となる位置に配設されている。そして、一対の湾曲操作ワイヤ16bのそれぞれは、最も先端側に位置する湾曲駒16Aに固定されているとともに、他の湾曲駒16では内部において軸方向に進退可能に案内されている。さらに、一対の湾曲操作ワイヤ16bの基端は、図1に示すガイドチューブ操作部12に設けられた湾曲ノブ12aに接続されている。そして、湾曲ノブ12aを一方向に回転させることで、一対の湾曲操作ワイヤ16bの一方が基端側に牽引されるとともに他方が弛緩した状態となり、これによりガイドチューブ挿入部11の湾曲部14全体を、牽引された湾曲操作ワイヤ16bの一方側へ湾曲させることができる。なお、本実施形態では、一対の湾曲操作ワイヤ16bと対応して二方向のみに湾曲可能であるが、湾曲駒16を交互に略直交する面内で回転可能に連結し、一対の湾曲操作ワイヤ16bを二組配設することで四方向に湾曲させることも可能である。
【0050】
また、図1に示すように、内視鏡3は、上記の内視鏡挿入部2と、内視鏡挿入部2の基端側に設けられた内視鏡操作部4及び内視鏡本体部5とを備える。図1及び図3に示すように、内視鏡挿入部2は、先端から順に硬質の先端硬質部2aと、内視鏡操作部4の操作により湾曲自在な湾曲部2bと、可撓性を有する可撓管部2cとを有し、ガイドチューブ10の挿入孔10cに基端側から先端側へ挿通されて、開口部13bの一つから先端硬質部2aの先端面2dを露出させている。また、図1に示すように内視鏡操作部4には湾曲ノブ4aが設けられていて、ガイドチューブ挿入部11の湾曲部14と同様の機構を有した内視鏡挿入部2の湾曲部2bを所定方向に湾曲させることが可能である。また、図2に示すように、内視鏡挿入部2の先端硬質部2aには、先端側を観察するための観察手段6と、先端側を照明するための照明手段7とが設けられている。観察手段6は、内視鏡挿入部2の先端硬質部2aの先端面2dに露出する対物レンズ6aと、先端硬質部2aの内部に設けられ対物レンズ6aを通して先端側を撮像する図示しないCCDカメラとを備える。図1に示すように、観察手段6のCCDカメラで撮像された画像は、内視鏡挿入部2に挿通された図示しない信号線を介して内視鏡本体部5に設けられたモニタ5aに表示されて、これにより先端側の観察を行うことができる。また、図2に示すように、照明手段7は、内視鏡挿入部2の先端硬質部2aの先端面2dに露出するLED7aを有する。LED7aは、内視鏡挿入部2に挿通された図示しない電線によって内視鏡本体部5に内蔵された図示しない電源と接続されていて、これによりLED7aを発光させて先端側を照明することができる。なお、内視鏡挿入部2及び内視鏡操作部4には、基端側から先端側の先端面2dまで連通する複数のチャンネル2eが形成されている。
【0051】
図1から図3に示すように、内視鏡装置1は、さらに、略管状の第一の流体案内チューブ20及び第二の流体案内チューブ21の二つの流体案内チューブと、操作部材であるキャップ操作ワイヤ22とを備える。第一の流体案内チューブ20と、第二の流体案内チューブ21と、キャップ操作ワイヤ22とは、ともに可撓性を有し、それぞれガイドチューブ10の挿通孔10aに基端側から先端側へ進退可能に挿通されている。第一の流体案内チューブ20の先端には、第一の流体案内チューブ20を基端側から先端に向かって流通する流体を内視鏡挿入部2の観察手段6による観察方向、すなわちガイドチューブ10の軸方向に向かって吐出させるように直線状に形成された第一の吐出ノズル20aが取り付けられ、開口部13bの一つから先端側へ露出した状態となっている。また、第二の流体案内チューブ21の先端には、第二の流体案内チューブ21を基端側から先端に向かって流通する流体を内視鏡挿入部2の観察手段6の対物レンズ6aに向かって吐出させるように屈曲して形成された第二の突出ノズル21aが取り付けられ、開口部13dの一つから先端側へ突出した状態となっている。また、第一の流体案内チューブ20の基端及び第二の流体案内チューブ21の基端は、ガイドチューブ10の挿通孔10cから基端部10a側に突出していて、流体を供給する供給手段23と接続されている。
【0052】
供給手段23は、流体として気体を供給可能な第一の供給部24と、流体として液体を供給可能な第二の供給部25と、第一の供給部24及び第二の供給部25とそれぞれ中継管24a、25aによって接続された供給元切替部26と、供給元切替部26から中継管26aによって接続されるとともに、第一の流体案内チューブ20の基端及び第二の流体案内チューブ21の基端がそれぞれ接続された吐出先切替部27とを備える。第一の供給部24は、より詳しくは、気体として空気Aを送出可能なボンベ24bと、中継管24aへ空気Aを送出させる送気ボタン24cとを有する。また、第二の供給部25は、より詳しくは、液体として灯油Lが充填されたタンク25bと、中継管25aへ灯油Lを送出させる送液ボタン25cとを有する。供給元切替部26は、より詳しくは切替バルブであり、第一の供給部24から供給される空気A若しくは第二の供給部25から供給される灯油Lのいずれかを選択して中継管26aに送出させることが可能である。また、吐出先切替部27も同様に切替バルブであり、中継管26aに送出された空気Aまたは灯油Lを、第一の流体案内チューブ20若しくは第二の流体案内チューブ21のいずれかを選択して送出することが可能である。
【0053】
また、キャップ操作ワイヤ22は、基端22bがガイドチューブ10の挿通孔10cから基端部10a側に突出している。同様に、キャップ操作ワイヤ22の先端22aもガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の開口部13bの一つから先端部10b側に突出している。そして、キャップ操作ワイヤ22の先端22aには、透明な材質で形成された蓋体であるキャップ28が固定されている。キャップ28は、キャップ操作ワイヤ22が接続された基端面28aが凹面状に形成されるとともに、反対側の先端面28bが凸面状に形成されたドーム状の部材である。また、キャップ28は、外径がガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の外径と略等しく設定され、縁端28cは、ガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の角部13cと対応する凹面状に形成されている。このため、キャップ操作ワイヤ22の基端22bを基端側へ牽引、後退させることで、キャップ28の縁端28cがガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の角部13cに嵌合することとなる。これにより、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20a、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21a、観察手段6の対物レンズ6a、及び、照明手段7のLED7aが露出している内視鏡挿入部2の先端硬質部2aの先端面2dは、基端面28aによって形成された隙間28dを有してキャップ28に覆われた状態とすることができる。
【0054】
次に、本実施形態の内視鏡装置1の作用、及び、内視鏡装置1を使用した観察方法について説明する。より詳しくは、内部S1に粘性物質S2が充填された状態の被検物S(被検体)にガイドチューブ挿入部11及び内視鏡挿入部2を挿入して、内部S1において被検物Sの一部である観察対象S4(図8参照)を観察する場合について説明する。ここで、粘性物質S2とは、流動体としての性質を有していて、押し分けながらガイドチューブ挿入部11を挿入可能であるものの、自己の粘性によって一定時間形状を維持させることが可能であるようなものである。このように内部S1に粘性物質S2が充填された被検物Sの例としては、例えば、粘性物質としてグリースが充填されたベアリングやギアボックス、あるいは、粘性物質としてケチャップやマヨネーズが管路を流通する食品加工装置などが挙げられる。本実施形態では、グリース(粘性物質S2)が充填されたベアリング(被検物S1)の内部S1において転動体(観察対象S4)の表面を観察する場合を例として説明する。
【0055】
図4に示すように、まず挿入工程として、被検物Sの挿入口S3からガイドチューブ10のガイドチューブ挿入部11を被検物Sの内部S1に挿入していく。この際、ガイドチューブ10の挿通孔10cに、内視鏡挿入部2、第一の流体案内チューブ20、第二の流体案内チューブ21、及び、キャップ操作ワイヤ22を挿通させておく。また、キャップ操作ワイヤ22を基端側へ牽引、後退させて、キャップ28をガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13に嵌合させて先端面13aを覆った状態で維持しておく。さらに、図1に示すように、供給手段23において、吐出先切替部27を第二の流体案内チューブ21に、供給元切替部26を第一の供給部24にそれぞれ設定して、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aから空気Aを吐出させる。そして、この状態でガイドチューブ挿入部11を挿入すれば、キャップ28の先端面28aによって粘性物質S2を押し分けながら挿入していくこととなり、内視鏡挿入部2は、ガイドチューブ挿入部11に保護され、また、案内されながら、被検物Sの内部S2に挿入されていくこととなる。
【0056】
ここで、キャップ28の先端面28aが凸面状に形成されていることから挿入抵抗を低減させることができる。また、ガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の先端面13aがキャップ28で覆われていることから、粘性物質S2が、開口部13bから露出する観察手段6の対物レンズ6a、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20a、及び、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aに付着してしまうことが無い。また、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aから吐出される空気Aは、キャップ28によって形成される隙間28dに充填されて隙間28dの気圧を高めるとともに、キャップ28の縁端28cとガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の角部13cとの間から外部へ漏出していくこととなる。このため、キャップ28の縁端28cとガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の面取り部13cとの間から粘性物質S2が隙間28dに侵入してしまうのを防ぐことができ、粘性物質S2が観察手段6の対物レンズ6a、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20a、及び、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aに付着してしまうのをより確実に防ぐことができる。また、外部へ露出した空気Aは、ガイドチューブ挿入部11の外周面に沿って基端側へ排出されていくこととなり、粘性物質S2とガイドチューブ挿入部11の外周面との間に隙間を形成することとなる。このため、ガイドチューブ挿入部11の挿入抵抗をより低減させることができる。なお、何らかの原因によって内視鏡挿入部2の観察手段6の対物レンズ6に粘性物質S2が飛沫し、あるいはその他ゴミが付着してしまったとしても、隙間28dが形成されていることで、キャップ28で覆われたまま対物レンズ6aに粘性物質S2などが付着したかどうか、また、観察手段6の視野が確保されているかどうか確認することができる。
【0057】
ところで、上記においては、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aから空気Aを吐出させるものとしたが、これに限るものでは無く、第一の流体案内チューブ21から突出させるものとしても同様の効果を期待することができる。また、吐出させる流体として気体である空気Aを選択したが、液体である灯油Lを選択しても良い。しかしながら、流体として気体を選択することで、観察手段6の対物レンズ6aの視野をより良好な状態に保つことができる。
【0058】
そして、図5に示すように、被検体Sの内部S1において、観察対象S4までガイドチューブ挿入部11を挿入したら、次工程に移行する。ここで、キャップ28が透明な材質で形成されていることから、内視鏡挿入部2の観察手段6によってキャップ28を介して先端側を概略観察することができる。このため、粘性物質S2が存在して詳細な確認をすることはできないものの、ある程度外部の状態を確認しながら容易に挿入していくことができるとともに、観察対象S4に到達したかどうかをより確実に確認することができる。
【0059】
次に、図6に示すように、離脱工程として、キャップ28に対してガイドチューブ10のガイドチューブ挿入部11を後退させる。すなわち、まずキャップ操作ワイヤ22を基端側に牽引した状態を解除して、キャップ28及びキャップ操作ワイヤ22と、ガイドチューブ10のガイドチューブ挿入部11とが、独立して移動可能な状態とする。また、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aから空気Aを吐出させておく。この状態で、ガイドチューブ挿入部11を挿入方向後方及び挿入方向と直交する一方向、すなわち斜め後方に移動させる。ここで、キャップ28は、周囲を粘性物質S2に覆われた状態であり、キャップ操作ワイヤ22は、可撓性を有するとともにガイドチューブ挿入部11と独立して進退可能な状態である。このため、キャップ28がもとの位置で静止した状態のまま、ガイドチューブ挿入部11のみが移動することとなる。そして、粘性物質S2は一定の粘性を有して自己の粘性により形状を維持しようとするので、ガイドチューブ挿入部11が移動した範囲には、空隙S5が形成されることとなる。
【0060】
ここで、キャップ28は静止した状態であるので、キャップ28が堰として作用して空隙S5に粘性物質S2が侵入してくるのを規制することができる。さらに、第二の吐出ノズル21aから空気Aを吐出させることで、空隙S5の気圧を高めることができ、空隙S5に粘性物質S2が侵入してくるのをより確実に規制することができる。そして、空隙S5が形成されることによって、ガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の先端面13aに露出する観察手段6の対物レンズ6a、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20a、及び、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aに粘性物質S2が付着してしまうことを防ぐとともに、ガイドチューブ挿入部11が移動した範囲に応じて観察手段6による視野を確保することができる。なお、上記においては、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aから空気Aを吐出させるものとしたが、これに限るものでは無く、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20aから吐出させるものとしても同様の効果を期待することができる。
【0061】
次に、図7に示すように、除去工程として、観察対象S4周辺の粘性物質S2を除去する。まず、供給手段23において、吐出先切替部27を第一の流体案内チューブ20へ送出可能に切り替える。また、供給元切替部26を第二の供給部25から灯油Lを供給可能に切り替える。そして、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20aから灯油Lを吐出させれば、灯油Lは、観察手段6による観察方向となる軸方向先端側に吹き付けられ、先端側の粘性物質S2は、灯油Lの吐出圧力によって除去される。さらに、粘性物質S2は、吐出される灯油Lによって徐々に溶解し、灯油Lとともに流出することとなる。流出する灯油Lは、ガイドチューブ挿入部11と粘性物質S2との間を通って基端側へ排出される。この際、上記のように観察手段6の視野が確保されていることから、観察手段6によって確認しながら、より確実に粘性物質S2の除去を行うことができる。このため、図8に示すように、最後に観察工程として観察手段6によって被検物Sの観察対象S4の観察を好適に行うことができる。ここで、ガイドチューブ10に内視鏡挿入部2を挿通させて、内視鏡挿入部2の観察手段6によって被検物Sを観察しているので、ガイドチューブ10を静止させた状態のまま、内視鏡挿入部2を軸方向に進退させて、観察手段6の対物レンズ6aが観察位置S4に対して好適な位置となるように調整して観察することができる。なお、除去工程及び観察工程において、粘性物質S2が飛沫して観察手段6の対物レンズ6aに付着してしまったとしても、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aから空気Aあるいは灯油Lを吐出させることで除去することができる。
【0062】
以上のように、内視鏡装置1では、被検物Sの内部S1に粘性物質S2が存在していても、挿入工程、離脱工程、除去工程、及び、観察工程の一連の工程を行うことで、観察手段6に粘性物質S2が付着して観察が困難になってしまうこと無く、観察位置S4まで挿入して被検物Sを好適に観察することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、挿入工程、離脱工程、除去工程、及び、観察工程の各工程においては、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20aまた第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aのいずれかから、気体の空気Aまたは液体の灯油Lを吐出させるものとしたが、上記選択に限るものでは無い。例えば、吐出先の選択において、第一の流体案内チューブ20または第二の流体案内チューブ21のみとしても良いし、さらに他の流体案内チューブを配設して選択するものとしても良い。しかしながら、第一の流体案内チューブ20と第二の流体案内チューブ21との二つの流体案内チューブで構成して吐出先切替部27で切替可能とすることで、各工程で流体の吐出させる方向として最適な方向を選択しつつ、流体案内チューブを最小限の本数とすることができる。なお、供給手段23の吐出先切替部27を二方向同時に接続可能とし、第一の吐出ノズル20a及び第二の吐出ノズル21aから同時に流体を吐出させるものとしても良い。
【0064】
また、供給元の選択において、気体または液体のいずれかとしても良いし、さらに気体または液体で種類の異なる流体をさらに供給可能なものとしても良い。しかしながら、気体と液体と二種類供給可能とするとともに、供給元切替部26により切替可能とすることで、上記のように工程毎に好適な流体を選択可能としつつ、流体の種類を最小限のものとすることができる。なお、供給手段23の供給元切替部26を第一の供給部26と第二の供給部27とから同時に供給可能とし、気体の空気Aと液体の灯油Lとの混合液を吐出させるものとしても良い。また、気体としては、空気Aに限るものでは無く、同様に液体としても灯油Lに限るものでは無く、例えば液体として水を使用しても良い。なお、粘性物質S2がグリースなどの油性材料である場合、灯油Lを使用すると粘性物質S2を溶解してしまうため、粘性物質S2を除去するのに好適であり、例えば、内視鏡挿入部2のチャンネル2eを利用して、あるいは、ガイドチューブ挿入部11に別途吸引チューブを配設して、除去した粘性物質S2を吸引除去するものとしても良い。
【0065】
また、本実施形態の内視鏡装置1では、第一の流体案内チューブ20及び第二の流体案内チューブ21は、ガイドチューブ10の挿通孔10cに挿通されているものとしたが、これに限るものでは無く、ガイドチューブ10の外側に配設されているものとしても良い。少なくとも、それぞれ先端に設けられた第一の吐出ノズル20a及び第二の吐出ノズル21aによってガイドチューブ10の先端部10b側に流体を吐出可能であり、キャップ28によって覆うことが可能であれば良い。
【0066】
また、本実施形態の内視鏡装置1では、ガイドチューブ挿入部11及び内視鏡挿入部2ともに湾曲可能なものとしたが、これに限るものでは無く、硬性の管状部材で形成するものとしても良い。また、第一の流体案内チューブ20、第二の流体案内チューブ21、及び、キャップ操作ワイヤ22についても、硬性の部材で形成するものとしても良い。この場合、挿入体を静止させた状態でキャップ操作ワイヤを先端側に押し込んで、挿入体に対してキャップを先端側に移動させるものとしても良い。ここで、キャップ操作ワイヤ22が硬性の部材で形成されていたとしても、離脱工程において、キャップ操作ワイヤ22と挿通孔10cとの間の遊びによってキャップ28に対してガイドチューブ挿入部11を挿入方向と直交する方向に相対移動させて、観察手段6よる観察にキャップ28が支障とならないようにすることができれば良い。また、上記においては、キャップ28は、キャップ操作ワイヤ22のみによって軸方向に進退可能としたが、これに限ることは無い。キャップ28がガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の角部13cに回転して開閉するように取り付けられて、キャップ操作ワイヤ22の進退によって開閉させるものとしても良い。
【0067】
また、キャップ28は、ガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の先端面13a全体を覆うものとしたが、これに限るものでは無い。少なくとも、先端面13aに露出する観察手段6の対物レンズ6a、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20a、及び、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aを覆うことができれば良い。また、キャップ28は、凹面状の基端面28aを有し、ガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の先端面13aとの間に隙間28dを形成するものとしたが、これに限るものでは無い。図9は、この実施形態の変形例を示している。図9に示すように、この変形例のガイドチューブ30では、ガイドチューブ挿入部31において、先端硬質部13の先端に筒部32が突出していて、先端面13aの先端側に凹部33が形成されている。また、キャップ操作ワイヤ22の先端22aに固定されたキャップ34は、略円板状の部材で基端側に筒部32に外嵌可能な略筒状の嵌合部34aが突出している。この変形例では、キャップ操作ワイヤ22を牽引、後退させることで、キャップ34が筒部32の先端側を閉塞させることとなり、これにより先端面13aとの間に隙間33aを形成することとなる。このように、ガイドチューブ挿入部31側に隙間33aを設けるものとしても良い。なお、上記のようにキャップ28側に隙間28dを設けることで、万一キャップとガイドチューブ挿入部との間に粘性物質S2やゴミが侵入したとしても、観察手段6を有するガイドチューブ側に粘性物質S2やゴミが滞留してしまうのを防ぐことができて好適である。また、上記実施形態及びその変形例において、蓋体であるキャップ28、34は、いずれもガイドチューブ挿入部31側に嵌合可能な形状を呈しているものとしたが、これに限るものでは無く、例えば、平板状の部材によって構成するものとしても良い。この場合でも、例えば操作部材によって基端側へ牽引することで、観察手段6の対物レンズ6a、第一の流体案内チューブ20の第一の吐出ノズル20a、及び、第二の流体案内チューブ21の第二の吐出ノズル21aを覆った状態に保つことができる。
【0068】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図10及び図11は、本発明の第2の実施形態を示したものである。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図10に示すように、この実施形態の内視鏡装置40では、操作部材として、ガイドチューブ10の挿通孔10cに略管状で可撓性を有する操作チューブ41が進退可能に挿通されている。操作チューブ41の先端には、先端側へ流体を吐出可能にキャップ先端ノズル(蓋体先端ノズル)41aが取り付けられているとともに、キャップ先端ノズル41aの基端側にキャップ28が固定されている。また、操作チューブ41の基端は、供給手段23の吐出先切替部42に接続されている。吐出先切替部42には、中継管26aが接続されているとともに、第一の流体案内チューブ20及び第二の流体案内チューブ21も接続されていて、中継管26aを流通する流体を、操作チューブ41、第一の流体案内チューブ20、または、第二の流体案内チューブ21のいずれかを選択して送出させることが可能である。
【0070】
この実施形態の内視鏡装置40では、挿入工程において、操作チューブ41を牽引、後退させることで、キャップ28でガイドチューブ挿入部11の先端硬質部13の先端面13aを覆った状態にすることができる。そして、吐出先切替部42によって吐出先として操作チューブ41を選択することで、ガイドチューブ挿入部11を被検物Sの内部S1に挿入しながら、キャップ28の先端側に流体を吐出させることができる。このため、流体によってキャップ28の先端側の粘性物質S2を除去しながら挿入していくことができ、挿入抵抗を低減させることができる。なお、この際に使用する流体としては、液体として灯油Lを使用する方が、粘性物質S2を溶解させて除去させることができて、より好適である。
【0071】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図12から図14は、本発明の第3の実施形態を示したものである。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、この実施形態の内視鏡装置50は、挿入体である細長の内視鏡挿入部51と、内視鏡挿入部51の基端側に設けられた内視鏡操作部52及び内視鏡本体部53とを備える。内視鏡挿入部51は、先端から順に硬質の先端硬質部54と、内視鏡操作部52の操作により湾曲自在な湾曲部55と、可撓性を有する可撓管部56とを有している。図13に示すように、湾曲部55の内部には、略環状の湾曲駒57が互いにヒンジ57aで略同一面内で回転可能に連結されている。そして、湾曲駒57の内部には軸方向に一対の湾曲操作ワイヤ57bが配設されていて、湾曲操作ワイヤ57bは、最も先端側に位置する湾曲駒57Aに固定されている。また、一対の湾曲操作ワイヤ57bの基端は、図12に示す内視鏡操作部52に設けられた湾曲ノブ52aに接続されていて、湾曲ノブ52aを回転させることで湾曲操作ワイヤ57bの一方を牽引し、他方を弛緩させて湾曲部57全体を湾曲させることが可能となっている。
【0073】
また、図13及び図14に示すように、内視鏡挿入部51の先端硬質部54には、先端側を観察するための観察手段58と、先端側を照明するための照明手段59とが設けられている。観察手段58は、内視鏡挿入部51の先端硬質部54の先端面54aに露出する対物レンズ58aと、先端硬質部54の内部に設けられ対物レンズ58aを通して先端側を撮像するCCDカメラ58bとを有している。観察手段58のCCDカメラ58bで撮像された画像は、内視鏡挿入部51に挿通された信号線58cを介して、図12に示す内視鏡本体部53に設けられたモニタ53aに表示されて、これにより先端側の観察を行うことができる。また、図13及び図14に示すように、照明手段59は、内視鏡挿入部51の先端硬質部54の先端面54aに露出するLED59aを有する。LED59aは、内視鏡挿入部51に挿通された電線59bによって内視鏡本体部53に内蔵された図示しない電源と接続されていて、これによりLED59aを発光させて先端側を照明することができる。また、内視鏡挿入部51及び内視鏡操作部52には、挿通孔として基端側から先端側の先端面54aまで連通する複数のチャンネル51aが形成されている。複数のチャンネル51aは、内視鏡挿入部51の湾曲部55及び可撓管部56の内部では、一つの挿通孔として形成されている。
【0074】
そして、各チャンネル51aには、第一の流体案内チューブ20及び第二の流体案内チューブ21の二つの流体案内チューブと、先端22aにキャップ60が固定されたキャップ操作ワイヤ22とが進退可能に挿通されている。キャップ60は、基端面60aが凹面状に形成されているとともに、先端面60bが凸面状に形成されたドーム状の部材である。そして、キャップ操作ワイヤ22を基端側へ牽引、後退させることで、キャップ60は、先端硬質部54に嵌合し、内視鏡挿入部51の先端硬質部54の先端面54aとの間に隙間60cを有して覆うことが可能である。
【0075】
本実施形態の内視鏡装置50のように、内視鏡挿入部51自体を挿入体として使用するものとしても、上記方法により粘性物質が存在する被検体の内部を好適に挿入し観察することができる。また、内視鏡挿入部51自体を挿入体として使用することで全体の小径化を図ることができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置において、ガイドチューブ挿入部の先端側を拡大した斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置において、ガイドチューブ挿入部の先端側を拡大した断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置を使用して観察する場合において、挿入工程を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置を使用して観察する場合において、挿入工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置を使用して観察する場合において、離脱工程を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置を使用して観察する場合において、除去工程を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置を使用して観察する場合において、観察工程を示す説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の変形例の内視鏡装置において、ガイドチューブ挿入部の先端側を拡大した断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の内視鏡装置において、ガイドチューブ挿入部の先端側を拡大した断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の内視鏡装置において、ガイドチューブ挿入部の先端側を拡大した断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の内視鏡装置において、ガイドチューブ挿入部の先端側を拡大した斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1、40、50 内視鏡装置
2 内視鏡挿入部
6 観察手段
10、30 ガイドチューブ(挿入体)
10a 先端部
10b 基端部
10c 挿通孔
20 第一の流体案内チューブ(流体案内チューブ)
20a 第一の吐出ノズル(吐出ノズル)
21 第二の流体案内チューブ(流体案内チューブ)
21a 第二の吐出ノズル(吐出ノズル)
22 キャップ操作ワイヤ(操作部材)
22a 先端
23 供給手段
24 第一の供給部
25 第二の供給部
26 供給元切替部
27、42 吐出先切替部
28、34、60 キャップ(蓋体)
28a、60a 基端面
28d、33a、60c 隙間
41 操作チューブ(操作部材)
41a キャップ先端ノズル(蓋体先端ノズル)
51 内視鏡挿入部(挿入体)
51a チャンネル(挿通孔)
A 空気(流体)
L 灯油(流体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部から先端部まで連通する挿通孔を有する細長の挿入体と、
該挿入体の先端部に配設された観察手段と、
流体を基端側から先端へ流通させて前記挿入体の先端部側に吐出させることが可能な流体案内チューブと、
該流体案内チューブの基端側に設けられ、該流体案内チューブに前記流体を供給する供給手段と、
前記挿入体の前記挿通孔に挿通されて、基端を操作することで先端を前記挿入体の先端部から突出させた状態で進退させることが可能な操作部材と、
該操作部材の先端に設けられ、該操作部材を後退させることで前記観察手段及び前記流体案内チューブの先端を覆うことが可能な蓋体とを備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内視鏡装置において、
先端部に前記観察手段が設けられ、前記挿入体の前記挿通孔に挿通された細長の内視鏡挿入部を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項3】
請求項1に記載の内視鏡装置において、
前記挿入体は、前記挿通孔を有するとともに、先端部に前記観察手段が設けられた細長の内視鏡挿入部であることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の内視鏡装置において、
前記蓋体は、透明な材質で形成されていることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の内視鏡装置において、
前記蓋体は、前記観察手段及び前記流体案内チューブの先端との間に隙間を有して覆うことが可能であることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項6】
請求項5に記載の内視鏡装置において、
前記蓋体は、前記観察手段及び前記流体案内チューブの先端と対向する基端面が凹面状に形成されていることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の内視鏡装置において、
前記観察手段による観察方向に前記流体を吐出可能な第一の流体案内チューブと、前記観察手段に向かって前記流体を吐出可能な第二の流体案内チューブと、前記流体案内チューブを複数備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項8】
請求項7に記載の内視鏡装置において、
前記供給手段は、複数の前記流体案内チューブの少なくとも一つを選択して前記流体を供給する吐出先切替部を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の内視鏡装置において、
前記操作部材は、略管状で、基端側に前記供給手段が接続され、該供給手段から供給される前記流体を基端側から先端に流通させて前記蓋体の先端側外方に吐出可能な操作チューブであることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項10】
請求項9に記載の内視鏡装置において、
前記供給手段は、前記流体案内チューブまたは前記操作チューブの少なくとも一つを選択して前記流体を供給する吐出先切替部を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の内視鏡装置において、
前記供給手段は、前記流体として気体を供給可能な第一の供給部と、前記流体として液体を供給可能な第二の供給部とを有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項12】
請求項11に記載の内視鏡装置において、
前記供給手段は、前記第一の供給部と前記第二の供給部との少なくとも一つを選択して前記流体を供給させる供給元切替部を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項13】
内部に粘性物質が存在する被検物に、先端部に観察手段が配設された細長の挿入体を挿入して被検物の内部を観察する粘性物質内の被検物観察方法であって、
前記挿入体の先端部に該先端部側に流体を吐出可能に吐出ノズルを配設するとともに、該吐出ノズル及び前記観察手段を蓋体で覆った状態で、前記挿入体を前記被検物の内部に挿入していく挿入工程と、
前記蓋体に対して前記挿入体を、挿入方向後方及び該挿入方向に直交する一方向に相対的に移動させて、前記蓋体を前記挿入体から離脱させる離脱工程と、
前記吐出ノズルから流体を吐出させて該吐出ノズルの周辺の前記粘性物質を除去する除去工程と、
前記観察手段によって前記粘性物質が除去された範囲で前記被検物の内部を観察する観察工程とを備えることを特徴とする粘性物質内の被検物観察方法。
【請求項14】
請求項13に記載の粘性物質内の被検物観察方法において、
前記挿入工程は、前記挿入体を挿入するのと同時に、前記吐出ノズルから前記流体を吐出させることを特徴とする粘性物質内の被検物観察方法。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の粘性物質内の被検物観察方法において、
前記離脱工程は、前記挿入体を移動させるのと同時に、前記吐出ノズルから前記流体を吐出させることを特徴とする粘性物質内の被検物観察方法。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載の粘性物質内の被検物観察方法において、
前記挿入体の移動とともに前記吐出ノズルから吐出させる前記流体は、気体であることを特徴とする粘性物質内の被検物観察方法。
【請求項17】
請求項13から請求項16のいずれかに記載の粘性物質内の被検物観察方法において、
前記除去工程で前記吐出ノズルから吐出させる前記流体は、液体であることを特徴とする粘性物質内の被検物観察方法。
【請求項18】
請求項13から請求項17のいずれかに記載の粘性物質内の被検物観察方法において、
前記挿入工程は、前記蓋体の先端側に蓋体先端ノズルを配設し、前記挿入体を挿入するのと同時に、前記蓋体先端ノズルから前記蓋体の先端側外方に流体を吐出させることを特徴とする被検物観察方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−262089(P2008−262089A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105690(P2007−105690)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】