説明

内視鏡装置

【課題】所望の操作ではない操作がなされた場合に、該所望の操作ではない操作を行わないような制御を行うことにより、術者の誤操作等に対応可能である内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置1は、内視鏡2と、プロセッサ3とを有し、内視鏡2は、スイッチ部2Aを有し、プロセッサ3は、CPU3Eと、操作パネル3Fとを有し、プロセッサ3は、スイッチ部2Aから送信される第1の指示信号および操作パネル3Fから送信される第2の指示信号において、一方の指示信号が所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号を有し、かつ、他方の指示信号が該所定の操作以外の操作を行う他の指示信号を有することを検知した場合、CPU3Eは、前記一の指示信号の送信を停止し、前記他の指示信号が指示する操作内容を有効とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に、所望の操作ではない操作がなされた場合に、該所望の操作ではない操作を行わないような制御を行う内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡装置は医療分野等において広く用いられている。術者が内視鏡装置に対して行う操作内容は、近年における、被検体に対しての手術、検査等の内容の高度化に伴い、多様化および複雑化している。そのため、術者が被検体に対して手術、検査等を行う場合において、操作を簡便かつ安全に行うことのできるような内視鏡装置が必要とされている。
【0003】
例えば、特許文献1において提案されている内視鏡システムは、フットスイッチと、医療装置とを有し、術者が該フットスイッチを操作することにより、1ないし複数の該医療機器の操作を簡便かつ安全に行うことができるような構成を有している。
【特許文献1】特開2000−139947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1において提案されている内視鏡システムが有するフットスイッチは、例えば、術者の誤操作等により、所定の時間以上連続して押下状態が継続し、所定の操作が該所定の時間を経過した後においても連続して行われるような、所望の操作ではない操作がなされた状況に対して考慮された構成を有していなかったという課題が生じていた。
【0005】
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、所望の操作ではない操作がなされた場合に、該所望の操作ではない操作を行わないような制御を行うことにより、術者の誤操作等に対応可能である内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における内視鏡装置は、内視鏡と、前記内視鏡に対して所定の制御を行う内視鏡制御装置とを有する内視鏡装置であって、前記内視鏡に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第1の指示信号を送信する第1の操作部と、前記内視鏡制御装置に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第2の指示信号を送信する第2の操作部とを有し、前記内視鏡制御装置は、前記第1の指示信号および前記第2の指示信号において、一方の指示信号が、所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号を有し、かつ、他方の指示信号が、前記所定の操作以外の操作を行う他の指示信号を有することを検知した場合、前記一の指示信号の送信を停止すると共に、前記他の指示信号が指示する操作内容を有効とする制御手段を有する。
【0007】
本発明における内視鏡装置は、内視鏡と、前記内視鏡に対して所定の制御を行う内視鏡制御装置とを有する内視鏡装置であって、前記内視鏡に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第1の指示信号を送信する第1の操作部と、前記内視鏡制御装置に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第2の指示信号を送信する第2の操作部とを有し、
前記内視鏡制御装置は、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置の電源がオンされた時に、前記第1の指示信号および前記第2の指示信号の少なくとも1つを検知した場合、該指示信号が指示する操作内容を無効とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内視鏡装置によれば、所望の操作ではない操作がなされた場合に、該所望の操作ではない操作を行わないような制御を行うことにより、術者の誤操作等に対応可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る内視鏡装置の全体構成を示す構成図である。図2は、本実施形態に係る内視鏡装置が有するスイッチの操作の割り当てを設定する画面を示す図である。図3は、本実施形態に係る内視鏡装置が有するフットスイッチの操作の割り当てを設定する画面を示す図である。図4は、本実施形態に係るプロセッサが有するホワイトバランススイッチの動作を示す図である。図5は、本実施形態に係る内視鏡装置のモニタに表示されるポインタを示す図である。図6は、本実施形態に係る内視鏡装置のモニタに表示される画面の一例を示す図である。図7は、本実施形態に係るプロセッサが異常指示信号を検出した際の動作を示すフローチャートである。図8は、本実施形態に係るプロセッサに対し、フリーズ指示信号が送信された際のフローチャートである。図9は、本実施形態に係るプロセッサが第3の指示信号が所定の時間以上送信されている状態を検出した際の動作を示すフローチャートである。図10は、本実施形態に係る内視鏡およびプロセッサの電源がオンされた直後に、プロセッサが指示信号を検出した際の動作を示すフローチャートである。
【0011】
内視鏡装置1は、図1に示すように、内視鏡2と、内視鏡制御装置であるプロセッサ3と、光源装置4と、モニタ5と、プリンタ6と、端末装置7と、キーボード8と、PCカード9と、調光ケーブル10と、フットスイッチ11と、ケーブル12とからなる。
【0012】
内視鏡2は、内視鏡識別メモリ2Bと、撮像部である撮像素子2Cと、ライドガイドファイバ2Fとを内部に有している。また、内視鏡2は、第1の操作部であるスイッチ部2Aと、対物レンズ2Dと、照明レンズ2Eと、コネクタ2Gと、コネクタ2Hとを外装表面上に有している。
【0013】
内視鏡識別メモリ2Bは、例えば、不揮発性であってかつ書き換えが可能な記録手段として構成され、内視鏡2の機種情報、個体別情報等が記録されている。なお、前記機種情報、個体別情報等は、ケーブル12を介してプロセッサ3に送信される。
【0014】
撮像素子2Cは、対物レンズ2Dの結像位置に設けられ、被検体を撮像し、撮像した該被検体の像を画像信号に変換してプロセッサ3に送信する。
【0015】
ライドガイドファイバ2Fは、光源装置4から供給される照明光を照明レンズ2Eへ導き、導いた該照明光により、被検体を照明する。
【0016】
コネクタ2Gは、ケーブル12と着脱自在な構成を有している。また、コネクタ2Hは、光源装置4の外装表面上から延出したライトガイドファイバ2Fと着脱自在な構成を有している。
【0017】
第1の操作部であるスイッチ部2Aは、図1に示すように、操作手段である4つのスイッチ2a、2b、2c、2dを有する。術者は、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチのいずれかの操作を行うことにより、例えば、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号の送信を一時的に停止させるための指示であるフリーズ指示、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号を静止画像として記録するための指示であるレリーズ指示等の指示を、内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。スイッチ部2Aの初期設定としては、例えば、スイッチ2aがフリーズ指示を行うための機能を有し、スイッチ2bが光源装置4から供給される照明光の光量調整の指示を行うための機能を有し、スイッチ2cが画像信号に対する強調処理の指示を行うための機能を有し、スイッチ2dがレリーズ指示を行うための機能を有する、というような設定が挙げられる。
【0018】
なお、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチの機能の設定は、端末装置7等の操作により変更可能であって、例えば、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチにおいて、例えば、スイッチ2aと、スイッチ2bとの2つのスイッチがフリーズ指示を行うための機能を有する、といったように、同様の指示を行うための機能を有するスイッチが複数設けられるような設定としても良い。
【0019】
また、レリーズ指示による静止画像の記録は、プリンタ6と、端末装置7と、PCカード9とに対して行うことができる。さらに、端末装置7等の操作により、図2に示すような設定画面をモニタ5に表示させ、レリーズ指示を行うよう設定されたスイッチ毎に、記録対象となる機器を1または複数選択することができる。
【0020】
また、スイッチ2aと、スイッチ2bと、スイッチ2cと、スイッチ2dの4つのスイッチは、いずれのスイッチも、少なくとも一部に機械的構造を有し、術者が押下、回動等の操作を行うことにより、前述したフリーズ指示等の指示を内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。なお、スイッチ部2Aに設けられた、操作手段であるスイッチの数は、4つに限るものではなく、任意の数設けられていても良い。
【0021】
プロセッサ3は、アナログ映像処理部3Bと、デジタル映像処理部3Cと、OSD(オンスクリーンディスプレイ)3Dと、制御手段であるCPU(中央処理装置)3Eとを内部に有している。また、プロセッサ3は、コネクタ3Aと、第2の操作部である操作パネル3Fと、コネクタ3Gと、キーボードコントローラ3Hと、PCカードスロット3Iと、コネクタ3Jと、コネクタ3Kと、LED部3Lと、スピーカー3Mとを外装表面上に有している。
【0022】
アナログ映像処理部3Bは、撮像素子2Cから送信された画像信号を受信し、CPU3Eから送信される制御信号の内容に基づき、該画像信号に対して、アナログ/デジタル変換等の所定の画像処理を行った後、該所定の画像処理を行った後の画像信号をデジタル映像処理部3Cに対して送信する。
【0023】
デジタル映像処理部3Cは、アナログ映像処理部3Bから送信された画像信号を受信し、CPU3Eから送信される制御信号の内容に基づき、該画像信号に対して、色調補正等の所定の画像処理を行った後、該所定の画像処理を行った後の画像信号をOSD3Dに対して送信する。
【0024】
OSD3Dは、デジタル映像処理部3Cから送信された画像信号を受信し、CPU3Eから送信される制御信号の内容に基づき、該画像信号がモニタ5に表示される際に、文字、ポインタ等が重畳して表示されるような所定の画像処理を行い、該所定の画像処理を行った後の画像信号をモニタ5に対して送信する。
【0025】
CPU3Eは、時間を計測するための図示しないカウンタを有し、スイッチ部2A等から送信される指示信号の内容に基づき、内視鏡2、プロセッサ3等の各部に対して所定の制御を行う。
【0026】
コネクタ3Aは、ケーブル12と着脱自在な構成を有しており、プロセッサ3の内部においてCPU3Eと接続されている。コネクタ3Gは、調光ケーブル10と着脱自在な構成を有しており、プロセッサ3の内部においてCPU3Eと接続されている。コネクタ3Jは、端末装置7と、図示しないケーブルを介して着脱自在な構成を有しており、プロセッサ3の内部においてCPU3Eと接続されている。コネクタ3Kは、プリンタ6と、図示しないケーブルを介して着脱自在な構成を有しており、プロセッサ3の内部においてCPU3Eと接続されている。
【0027】
キーボードコントローラ3Hは、キーボード8と着脱自在な構成を有しており、キーボード8から送信される指示信号をCPU3Eに対して送信し、また、CPU3Eから送信される制御信号をキーボード8に対して送信する。PCカードスロット3Iは、PCカード9と着脱自在な構成を有しており、プロセッサ3の内部においてCPU3Eと接続されている。
【0028】
LED部3Lは、図示しない1または複数のLEDを有し、CPU3Eから送信される制御信号の内容に基づいて点灯、点滅等を行うことにより、内視鏡2およびプロセッサ3の各部における状態等の告知を術者に対して行う。スピーカー3Mは、CPU3Eから送信される制御信号の内容に基づいて音を発生することにより、内視鏡2およびプロセッサ3の各部における状態等の告知を術者に対して行う。
【0029】
第2の操作部である操作パネル3Fは、図1に示すように、操作手段である4つのスイッチ3a、3b、3c、3dを有する。そして、操作パネル3Fが有する4つのスイッチは、プロセッサ3の内部においてCPU3Eと接続されている。術者は、操作パネル3Fが有する4つのスイッチのいずれかの操作を行うことにより、例えば、撮像素子2Cが被検体の像の撮像を行う前に、所定の調整用治具等を用いて画像信号の色調調整を行うための指示であるホワイトバランス指示等の指示を、内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。
【0030】
なお、操作パネル3Fが有する4つのスイッチの機能の設定は、端末装置7等の操作により変更可能であって、操作パネル3Fが有する4つのスイッチにおいて、例えば、スイッチ3aと、スイッチ3bとの2つのスイッチがホワイトバランス指示を行うための機能を有する、といったように、同様の指示を行うための機能を有するスイッチが複数設けられるような設定としても良い。また、術者は、端末装置7等を操作することにより、操作パネル3Fが有する4つのスイッチのいずれかが、前述したフリーズ指示またはレリーズ指示を行うための機能を有するような設定を行うこともできる。さらに、術者は、端末装置7等を操作することにより、スイッチ部2Aが有するの4つのスイッチのいずれかがホワイトバランス指示を行うための機能を有するような設定を行うこともできる。
【0031】
また、スイッチ3aと、スイッチ3bと、スイッチ3cと、スイッチ3dとの4つのスイッチは、いずれのスイッチも、少なくとも一部に機械的構造を有し、術者が押下、回動等の操作を行うことにより、前述したホワイトバランス指示等の指示を内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。なお、操作パネル3Fに設けられた、操作手段であるスイッチの数は、4つに限るものではなく、任意の数設けられていても良い。
【0032】
光源装置4は、ランプ4Aと、調光部4Bと、調光制御部4Cとを内部に有し、また、コネクタ4Dを外装表面上に有している。
【0033】
ランプ4Aは、調光部4Bと、ライドガイドファイバ2Fと、照明レンズ2Eとを介し、被検体に対して照明光を供給する。
【0034】
調光部4Bは、図示しないフィルタ等を有し、調光制御部4Cから送信される調光制御信号に基づき、ランプ4Aから供給される照明光の量の調整等を行う。
【0035】
調光制御部4Cは、CPU3Eから、調光ケーブル10を介して送信される制御信号の内容に基づき、調光部4Bに対して調光制御信号を送信し、調光部4Bの制御を行う。
【0036】
コネクタ4Dは、調光ケーブル10と着脱自在な構成を有しており、光源装置4の内部において調光制御部4Cと接続されている。
【0037】
モニタ5は、プロセッサ3に接続され、プロセッサ3から送信される画像信号を受信し、該画像信号に基づき、画像の表示を行う。
【0038】
プリンタ6は、プロセッサ3に接続され、プロセッサ3から送信される画像信号を受信し、該画像信号に基づき、図示しない紙等の媒体に対し、画像を印刷して出力する。
【0039】
端末装置7は、パーソナルコンピュータ(以降パソコンと略記する)等の装置であって、術者が操作することにより、スイッチ部2A等が有する機能の設定変更、撮像素子2Cが撮像した該被検体の像の画像信号の記録等を行うことができる。
【0040】
PCカード9は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記録手段であり、PCカードスロット3Iと着脱自在に構成されている。また、PCカード9は、PCカードスロット3Iに接続されている状態において、撮像素子2Cが撮像した該被検体の像の画像信号を受信し、該画像信号の記録等を行うことができる。
【0041】
調光ケーブル10は、プロセッサ3のコネクタ3Gおよび光源装置4のコネクタ4Dと着脱自在に構成されている。
【0042】
ケーブル12は、内視鏡2のコネクタ2Gおよびプロセッサ3のコネクタ3Aと着脱自在に構成されている。
【0043】
第3の操作部であるフットスイッチ11は、プロセッサ3の外部に設けられ、図示しないケーブルを介してプロセッサ3のCPU3Eと接続されている。なお、フットスイッチ11は、図示しないケーブルを介して光源装置4の調光制御部4Cと接続することもできる。
【0044】
また、フットスイッチ11は、操作手段である2つのスイッチ11a、11bを有する。術者は、スイッチ11aおよびスイッチ11bの内、いずれかの操作を行うことにより、例えば、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の一部を拡大して観察するためのズーム指示、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号を動画として記録するための動画記録指示等の指示を、内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。
【0045】
なお、スイッチ11aおよびスイッチ11bの機能の設定は、端末装置7等の操作により変更可能であって、スイッチ11aおよびスイッチ11bにおいて、例えば、スイッチ11aと、スイッチ11bとの2つのスイッチが共にズーム指示を行うための機能を有する、といったように、2つのスイッチが共に同様の指示を行うための機能を有するような設定としても良い。また、術者は、端末装置7等を操作することにより、図3に示すような設定画面を表示させ、スイッチ11aまたはスイッチ11bのいずれかが、前述したフリーズ指示等の機能を有するような設定を行うこともできる。さらに、術者は、端末装置7等を操作することにより、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチまたは操作パネル3Fが有する4つのスイッチのいずれかが、ズーム指示または動画記録指示を行うための機能を有するような設定を行うこともできる。
【0046】
また、スイッチ11aおよびスイッチ11bは、いずれのスイッチも、少なくとも一部に機械的構造を有し、術者が押下等の操作を行うことにより、前述したズーム指示等の指示を内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。なお、フットスイッチ11に設けられた、操作手段であるスイッチの数は、2つに限るものではなく、任意の数設けられていても良い。
【0047】
第4の操作部であるキーボード8は、プロセッサ3の外部に設けられ、図示しないケーブルを介してプロセッサ3のキーボードコントローラ3Hと接続されている。また、キーボード8は、内視鏡2およびプロセッサ3に対して文字入力および所定の操作をおこなうための1または複数のスイッチにより構成された操作手段を有している。術者は、キーボード8が有する操作手段のいずれかの操作を行うことにより、例えば、文字入力をおこなうための文字入力指示、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号を、プリンタ6により印刷するための印刷指示等の指示を、内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。
【0048】
なお、キーボード8が有する操作手段の機能の設定は、端末装置7等の操作により変更可能であって、例えば、キーボード8が有する操作手段が、前述したフリーズ指示を行うための機能等の複数の機能を有するような設定としても良い。さらに、術者は、端末装置7等を操作することにより、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチ、操作パネル3Fが有する4つのスイッチ、またはフットスイッチ11が有する2つのスイッチのいずれかが、印刷指示を行うための機能を有するような設定を行うこともできる。
【0049】
また、キーボード8が有する操作手段である1または複数のスイッチは、いずれのスイッチにおいても、少なくとも一部に機械的構造を有し、術者が押下等の操作を行うことにより、前述したズーム指示等の指示を内視鏡2およびプロセッサ3に対して行うことができる。
【0050】
次に、本実施形態の内視鏡装置1を使用する際の作用について、図1から図10を参照しつつ説明を行う。
【0051】
内視鏡装置1を使用する際には、まず、術者は、所定の治具等を用い、内視鏡2が撮像する被検体の像の色調を調整するためのホワイトバランス調整を、操作パネル3Fに設けられた、スイッチ3a等のスイッチのいずれかである、ホワイトバランス指示を行うための機能を有するホワイトバランススイッチを所定の時間だけ持続的に押下するように操作することにより行う。ホワイトバランススイッチは、図4に示すように、ホワイトバランス調整が行われていない状態においては点灯している。その後、術者によるホワイトバランススイッチの長押操作が行われ、正常にホワイトバランス調整が完了した際には、図4に示すように、ホワイトバランススイッチが消灯すると共に、LED部3Lに設けられた、「W/B OK」スイッチが点灯することにより、正常にホワイトバランス調整が完了したことが術者に対して告知される。また、術者によるホワイトバランススイッチの長押操作が行われ、正常にホワイトバランス調整が完了しなかった際には、図4に示すように、ホワイトバランススイッチが所定の時間だけ点滅した後点灯することにより、正常にホワイトバランス調整が完了しなかったことが術者に対して告知される。
【0052】
前述したホワイトバランス調整を行った後、術者は、被検体の手術、検査等を行うため、内視鏡2を被検体である体腔内に挿入する。
【0053】
術者は、内視鏡2を体腔内に挿入した後、図5のような画像がモニタ5に表示されている状態において、例えば、スイッチ部2Aに設けられた、スイッチ2a等のスイッチのいずれかである、モニタ5にポインタを表示するように指示を行うための機能を有するポインタスイッチを操作することにより、図5に示すような矢印形状のポインタをモニタ5に表示することができる。ポインタは、内視鏡2およびプロセッサ3の電源をオンした後、ポインタスイッチが一度も操作されていない状態である初期状態においてはモニタ5の中心部に表示されている。そして、例えば、術者が、キーボード8に設けられた、図示しない矢印キーまたは図示しないポインティングデバイスを操作することにより、モニタ5上における所望の位置にポインタを表示させることができる。ポインタは、ポインタスイッチがオンされている状態であって、かつ、モニタ5上の前記所望の位置にポインタが表示された状態においてキーボード8等の操作が所定の時間以上行われない場合、一時的に非表示となる。その後、キーボード8等の操作が行われた場合、一時的に非表示となっていたポインタが、モニタ5上における前記所望の位置に再度表示される。また、モニタ5上の前記所望の位置にポインタが表示された状態において、術者が、一度ポインタスイッチをオフし、ポインタを非表示の状態とした後、再度ポインタスイッチをオンした場合、非表示となっていたポインタは、モニタ5上における前記所望の位置に再度表示される。なお、ポインタスイッチは、ホワイトバランス等の他の機能を有するスイッチと同様に、端末7等の操作による設定変更により、スイッチ部2A以外の操作部である、操作パネル3F等に設けることもできる。
【0054】
また、術者は、内視鏡2を体腔内に挿入した後、図6の画像6−1に示すような画像がモニタ5に表示されている状態において、術者が、例えば、フットスイッチ11に設けられた、スイッチ11aおよびスイッチ11bのいずれかである、モニタ5の文字表示を一時的に表示もしくは非表示にするように指示を行うための機能を有する文字表示/非表示スイッチを操作することにより、図6の画像6−2に示すように、撮像素子2Cが撮像した被検体の像以外の情報である、例えば、被検体のID、撮影日等の文字表示による情報を一時的に全て非表示にすることができる。その後、図6の画像6−2に示すような画像がモニタ5に表示されている状態において、術者が文字表示/非表示スイッチを操作することにより、図6の画像6−3に示すように、例えば、被検体のID、撮影日等の文字表示による情報の一部のみを非表示にすることができる。さらにその後、図6の画像6−3に示すような画像がモニタ5に表示されている状態において、術者が文字表示/非表示スイッチを操作することにより、図6の画像6−1に示すように、例えば、被検体のID、撮影日等の文字表示による全ての情報を再度表示することができる。
【0055】
また、本実施形態の内視鏡装置1を使用する際には、例えば、内視鏡2のスイッチ部2Aが有する4つのスイッチのいずれかに、術者の誤操作等による外力の連続的印加が発生し、所定の時間以上連続して所定の操作が行われる等の、所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号がプロセッサ3に対して送信される場合が考えられる。このような状況が生じた場合に、本実施形態の内視鏡装置1が行う処置について、図7を参照しつつ説明を行う。
【0056】
まず、術者が、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチの内のいずれかの操作を行うと、該操作の内容に応じ、フリーズ指示等の指示を有する第1の指示信号が、プロセッサ3のCPU3Eに対して送信される(図7のステップS1−1)。例えば、第1の指示信号がフリーズ指示信号である場合、CPU3Eは、フリーズ指示信号に基づいて各部を制御し、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号の送信を一時的に停止させ、モニタ5に被検体の像の静止画像を表示させる(図7のステップS1−2)。なお、前記静止画像の表示時間である、フリーズ指示信号が連続的に送信されている時間は、CPU3Eが有するカウンタにより計測されている。フリーズ指示信号が連続的に送信されている時間が、術者の端末装置7の操作等により予めCPU3Eに対して設定された時間である所定の時間tを経過せず、かつ、スイッチ部2Aの内部の配線における短絡等により発生するノイズ信号が、フリーズ指示信号に含まれていない場合、CPU3Eは、フリーズ指示が正常になされていると判断し(図7のステップS1−3)、フリーズ指示信号に基づく操作を継続し、モニタ5に被検体の像の静止画像を表示させる(図7のステップS1−2)。
【0057】
また、フリーズ指示信号が連続的に送信されている時間が所定の時間tを経過した場合、または、スイッチ部2Aの内部の配線における短絡等により発生するノイズ信号がフリーズ指示信号に含まれていた場合、CPU3Eは、フリーズ指示が正常になされていない、すなわち、第1の指示信号が異常指示信号を有すると判断する(図7のステップS1−3)。その後、CPU3Eは、操作パネル3Fが有する4つのスイッチのいずれかの操作により送信される指示信号である第2の指示信号と、フットスイッチ11が有する2つのスイッチのいずれかの操作により送信される指示信号である第3の指示信号と、キーボード8が有する操作手段のいずれかの操作により送信される指示信号である第4の指示信号との内、フリーズ指示信号以外の指示信号を有する指示信号が送信されたことを検知するまでは、これら3種の指示信号の受信待機状態を継続する(図7のステップS1−4、ステップS1−6、およびステップS1−8)。そして、前記受信待機状態において、術者により操作パネル3Fの操作が行われると、例えば、第2の指示信号として、レリーズ指示信号がプロセッサ3に対して送信された場合、プロセッサ3は、レリーズ指示信号を検知したタイミングにおいて、フリーズ指示信号の送信を停止し、CPU3Eが有するカウンタにより計測された時間情報をリセットすると共に、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号を静止画像として端末装置7等に記録し、レリーズ操作を完了させる(図7のステップS1−5)。また、前記受信待機状態において、第3の指示信号または第4の指示信号として、レリーズ指示信号がプロセッサ3に対して送信された場合においても、前述したように、プロセッサ3は、レリーズ指示信号を検知したタイミングにおいて、フリーズ指示信号の送信を停止し、CPU3Eが有するカウンタにより計測された時間情報をリセットすると共に、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号を静止画像として端末装置7等に記録し、レリーズ操作を完了させる(図7のステップS1−7およびステップS1−9)。
【0058】
なお、前述の説明においては、第1の指示信号が異常指示信号を有する場合について説明を行ったが、例えば、第1の指示信号以外の3種の指示信号の内のいずれかの指示信号が異常指示信号を有する場合についても、プロセッサ3は、前述した、図7に示すような処理と同様の処理を行う。すなわち、本実施形態のプロセッサ3は、第1の指示信号、第2の指示信号、第3の指示信号および第4の指示信号において、いずれか一の指示信号が、文字入力または所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号を有し、かつ、前記いずれか一の指示信号以外の少なくとも1つの他の指示信号が、前記文字入力または前記所定の操作以外の操作を行う他の指示信号を有することを検知した場合、前記一の指示信号の送信を停止すると共に、前記他の指示信号が指示する操作内容を有効とする。
【0059】
また、本実施形態のプロセッサ3は、第1の指示信号と、第2の指示信号と、第3の指示信号と、第4の指示信号との中のいずれかが、フリーズ指示信号を有する場合、スイッチ部2A、操作パネル3F、フットスイッチ11およびキーボード8において、いずれか一のスイッチの操作により行われる任意の操作内容を無効とし、フリーズ指示信号の送信を停止する処理を優先的に行うような構成を有していてもよい。
【0060】
例えば、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチの内のいずれかがフリーズ指示の機能を有する場合について、図8を参照しつつ説明を行う。
【0061】
まず、術者が、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチの内のいずれかの操作を行うと、該操作の内容に応じ、第1の指示信号として、フリーズ指示信号がプロセッサ3のCPU3Eに対して送信される(図8のステップS2−1)。CPU3Eは、フリーズ指示信号に基づいて各部を制御し、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号の送信を一時的に停止させ、モニタ5に被検体の像の静止画像を表示させる(図8のステップS2−2)。その後、CPU3Eは、スイッチ部2Aと、操作パネル3Fと、フットスイッチ11と、キーボード8とのいずれか任意のスイッチの操作により、第1の指示信号と、第2の指示信号と、第3の指示信号と、第4の指示信号との中のいずれかの指示信号が送信されたか否かを検知する(図8のステップS2−3)。スイッチ部2A等が操作されず、前記第1の指示信号等の4種の指示信号の内、いずれの指示信号も送信されない場合、CPU3Eは、フリーズ指示信号に基づく操作を継続し、モニタ5に被検体の像の静止画像を表示させる(図8のステップS2−2)。また、スイッチ部2A等が操作され、前記第1の指示信号等の4種の指示信号の内、いずれかの指示信号が検知された場合、CPU3Eは、該指示信号に基づく操作内容を無効とし、フリーズ指示信号の送信を停止する処理を優先的に行う(図8のステップS2−4)。
【0062】
なお、術者は、モニタ5に表示される静止画像に対して画像強調等の処理を行うことにより、モニタ5に表示される静止画像の精細な観察を行う場合もある。このような場合、術者は、フリーズ指示信号が送信されている状態において、モニタ5に表示される静止画像に対して所定の処理を行うような他の指示信号が送信されたとしても、プロセッサ3がフリーズ指示信号の送信を停止するための処理を行わないように、例えば、端末装置7等を操作することにより、プロセッサ3のCPU3Eに対して設定の変更を行うことができる。モニタ5に表示される静止画像に対する所定の処理としては、モニタ5に表示される静止画像に対する画像強調を行うためのエンハンス処理、モニタ5に表示される静止画像の一部を拡大するためのズーム処理、またはモニタ5に表示される静止画像に重畳して表示される文字を、一時的に表示または非表示にするための文字表示/非表示処理等が挙げられる。術者は、端末装置7等を操作することにより、フリーズ指示信号が送信されている状態において、例えば、前述した3つの処理のいずれかを行うための指示信号が送信されたとしても、プロセッサ3が、フリーズ指示信号の送信を停止するための処理を行わず、かつ、該指示に基づく処理を行う、というようtな設定をプロセッサ3のCPU3Eに対して行うことができる。
【0063】
また、本実施形態のプロセッサ3は、術者の誤操作等による外力の連続的印加により、第1の指示信号、第3の指示信号および第4の指示信号とのいずれかが、文字入力および所定の操作を行うための指示が所定の時間t以上連続して行われるような異常指示信号を有することを検知した場合、警告告知手段により、術者に対して警告の告知を行うような構成を有していても良い。
【0064】
例えば、フットスイッチ11が有する2つのスイッチのいずれかがフリーズ指示の機能を有する場合について、図9を参照しつつ説明を行う。
【0065】
まず、術者が、フットスイッチ11が有する2つのスイッチのいずれかの操作を行うと、該操作の内容に応じ、第3の指示信号として、フリーズ指示信号がプロセッサ3のCPU3Eに対して送信される(図9のステップS3−1)。CPU3Eが有するカウンタは、フリーズ指示信号を受信したタイミングにおいて、フリーズ指示信号が連続的に送信されている時間の計測を開始する(図9のステップS3−2)。また、CPU3Eは、フリーズ指示信号に基づいて各部を制御し、撮像素子2Cが撮像した被検体の像の画像信号の送信を一時的に停止させ、モニタ5に被検体の像の静止画像を表示させる(図9のステップS3−3)。フリーズ指示信号が連続的に送信されている時間が、術者の端末装置7の操作等により予めCPU3Eに対して設定された時間である所定の時間tを経過していない場合、CPU3Eは、フリーズ指示が正常になされていると判断し(図9のステップS3−4)、フリーズ指示信号に基づく操作を継続し、モニタ5に被検体の像の静止画像を表示させる(図9のステップS3−3)。
【0066】
また、フリーズ指示信号が連続的に送信されている時間が所定の時間tを経過した場合、CPU3Eは、フリーズ指示が正常になされていない、すなわち、第3の指示信号が異常指示信号を有すると判断する(図9のステップS3−4)。その後、CPU3Eは、警告告知手段であるモニタ5に表示される画像において、術者に対して警告を告知するような文字列の表示が行われるように、OSD3Dに対する制御を行うと共に、フリーズ指示信号の送信を停止し、CPU3Eが有するカウンタにより計測された時間情報をリセットする(図9のステップS3−5)。
【0067】
なお、術者に対して警告を告知するための手段は、モニタ5における文字列の表示に限ったものではなく、例えば、CPU3Eが制御を行うことにより、LED部3Lにおいて任意のLEDを点灯させたり、または、スピーカー3Mにおいて任意の音を鳴らしたりといったような手段であっても良い。
【0068】
また、本実施形態の内視鏡装置1を使用する際には、例えば、内視鏡2のスイッチ部2Aが有する4つのスイッチのいずれかをオンした状態のまま内視鏡2およびプロセッサ3の電源を一度オフした後、再度内視鏡2およびプロセッサ3の電源をオンして使用する場合もある。このような状況が生じた場合に、本実施形態の内視鏡装置1が行う処置について、図10を参照しつつ説明を行う。
【0069】
術者が内視鏡2のスイッチ部2Aが有する4つのスイッチのいずれかをオンした状態のまま内視鏡2およびプロセッサ3の電源を一度オフした後、再度内視鏡2およびプロセッサ3の電源をオンする(図10のステップS4−1)と、その直後に、フリーズ指示等の指示を有する第1の指示信号が、プロセッサ3のCPU3Eに対して送信される(図10のステップS4−2)。CPU3Eは、内視鏡2およびプロセッサ3の電源がオンされた直後に第1の指示信号が送信されたことを検知すると、第1の指示信号が指示する操作内容を無効とする(図10のステップS4−3)。その後、CPU3Eは、内視鏡2およびプロセッサ3の電源がオンされた直後から第1の指示信号が送信され続けている状態において、第1の指示信号以外の他の指示信号が送信されたことを検知する(図10のステップS4−4)と、該他の指示信号が指示する操作を行う。また、CPU3Eは、内視鏡2およびプロセッサ3の電源がオンされた直後から第1の指示信号が送信され続けている状態において、第1の指示信号以外の他の指示信号が送信されたことが検知されず(図10のステップS4−4)、かつ、術者によりスイッチ部2A等が操作されることにより、第1の指示信号の送信を停止させる指示信号が送信されたことを検知した(図10のステップS4−6)場合、第1の指示信号の送信を停止し、各指示信号の受信待機状態に移行する(図10のステップS4−7)。なお、CPU3Eは、内視鏡2およびプロセッサ3の電源がオンされた直後から第1の指示信号が送信され続けている状態においては、第1の指示信号以外の他の指示信号または第1の指示信号の送信を停止させる指示信号のいずれかが送信されたことを検知するまでは、第1の指示信号が指示する操作内容を無効としたままの状態を保ち続ける。
【0070】
なお、内視鏡2およびプロセッサ3の電源がオンされた直後に、スイッチ部2A等のスイッチが全てオンされず、第1の指示信号等の指示信号がCPU3Eに対して送信されない場合、CPU3Eは、通常に起動が行われたと判断し、各指示信号等の受信待機状態に移行する(図10のステップS4−7)。
【0071】
なお、本実施形態のフットスイッチ11は、術者が端末装置7等を操作することにより、図3に示すような設定画面を表示させ、所定の時間tまたは所定の時間tを超えない程度の時間だけスイッチ11aまたはスイッチ11bのいずれかの押下を行う操作である、長踏み操作に対しても、文字表示/非表示処理等の指示を行うための機能を設定することができる。
【0072】
また、術者が、スイッチ11aまたはスイッチ11bのいずれかの長踏み操作に対し、例えば、動画記録等の、所定の時間連続して操作または処理を行うような指示を行うための機能を設定した場合、プロセッサ3は、所定の時間tまたは所定の時間tを超えない程度の時間において、術者によるスイッチ11aまたはスイッチ11bのいずれかの押下が連続的に行われている間のみ動画を記録する処理等を行う、というような構成を有していても良い。
【0073】
また、本実施形態の内視鏡2が、スイッチ部2Aを有する種類のものから、スイッチ部2Aを有しない種類のものに変更された場合、プロセッサ3は、内視鏡識別メモリ2Bに記録された内容、術者が端末装置7等を操作することにより設定した内容等に基づき、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチの機能を、操作パネル3Fと、フットスイッチ11と、キーボード8とのいずれか任意のスイッチに割り当てることができる、というような構成を有していても良い。
【0074】
さらに、本実施形態の内視鏡2が、プロセッサ3を使用する種類のものから、プロセッサ3を使用しない種類のものに変更され、かつ、フットスイッチ11が、光源装置4の調光制御部4Cに接続された場合、調光制御部4Cは、調光ケーブル10がプロセッサ3に接続されているか否かを検知し、前記検知の結果に基づき、調光ケーブル10がプロセッサ3に接続されていない場合、フットスイッチ11が、光源装置4に対する指示信号を送信するための機能である、光量調整指示等の機能を有するようにスイッチ11aおよびスイッチ11bの機能を割り当てることができる、というような構成を有していても良い。
【0075】
また、本実施形態の内視鏡装置1においては、術者は、端末装置7等を操作することにより、スイッチ部2Aが有する4つのスイッチと、フットスイッチ11が有する2つのスイッチとの操作を行う毎にスピーカー3Mから任意の音を鳴らすような設定を、プロセッサ3に対して行うことができる。
【0076】
本発明の内視鏡装置1は、スイッチ部2A等に対して術者の誤操作等による外力の連続的印加が発生し、所定の時間以上連続して所定の操作が行われるような状態、スイッチ部2A等の内部の配線における短絡等によりノイズ信号が発生するような状態等において送信される異常指示信号を検知した場合に、該異常指示信号を有する指示信号の送信を停止するための操作内容を有効とすることができる。すなわち、本発明の内視鏡装置1は、所望の操作ではない操作がなされた場合に、該所望の操作ではない操作を行わないような制御を行うことができる。そのため、術者は、スイッチ部2A等の誤操作等に対する復旧を迅速に行うことができ、その結果、検査、手術等における安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態に係る内視鏡装置の全体構成を示す構成図。
【図2】本実施形態に係る内視鏡装置が有するスイッチの操作の割り当てを設定する画面を示す図。
【図3】本実施形態に係る内視鏡装置が有するフットスイッチの操作の割り当てを設定する画面を示す図。
【図4】本実施形態に係るプロセッサが有するホワイトバランススイッチの動作を示す図。
【図5】本実施形態に係る内視鏡装置のモニタに表示されるポインタを示す図。
【図6】本実施形態に係る内視鏡装置のモニタに表示される画面の一例を示す図。
【図7】本実施形態に係るプロセッサが異常指示信号を検出した際の動作を示すフローチャート。
【図8】本実施形態に係るプロセッサに対し、フリーズ指示信号が送信された際のフローチャート。
【図9】本実施形態に係るプロセッサが第3の指示信号が所定の時間以上送信されている状態を検出した際の動作を示すフローチャート。
【図10】本実施形態に係る内視鏡およびプロセッサの電源がオンされた直後に、プロセッサが指示信号を検出した際の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0078】
1 内視鏡装置、2 内視鏡、2A スイッチ部、2a,2b,2c,2d,3a,3b,3c,3d,11a,11b スイッチ、2B 内視鏡識別メモリ、2C 撮像素子、2D 対物レンズ、2E 照明レンズ、2F ライドガイドファイバ、2G,2H,3A,3G,3J,3K,4D コネクタ、3 プロセッサ、3B アナログ映像処理部、3C デジタル映像処理部、3D OSD、3E CPU、3F 操作パネル、3H キーボードコントローラ、3I PCカードスロット、3L LED部、3M スピーカー、4 光源装置、4A ランプ、4B 調光部、4C 調光制御部、5 モニタ、6 プリンタ、7 端末装置、8 キーボード、9 PCカード、10 調光ケーブル、11 フットスイッチ、12 ケーブル
代理人 弁理士 伊 藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡と、前記内視鏡に対して所定の制御を行う内視鏡制御装置とを有する内視鏡装置であって、
前記内視鏡に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第1の指示信号を送信する第1の操作部と、
前記内視鏡制御装置に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第2の指示信号を送信する第2の操作部とを有し、
前記内視鏡制御装置は、前記第1の指示信号および前記第2の指示信号において、一方の指示信号が、所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号を有し、かつ、他方の指示信号が、前記所定の操作以外の操作を行う他の指示信号を有することを検知した場合、前記一の指示信号の送信を停止すると共に、前記他の指示信号が指示する操作内容を有効とする制御手段を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
さらに、前記内視鏡制御装置の外部に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第3の指示信号を送信する第3の操作部とを有し、
前記内視鏡制御装置は、前記第1の指示信号、前記第2の指示信号および前記第3の指示信号において、いずれか一の指示信号が、所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号を有し、かつ、前記いずれか一の指示信号以外の少なくとも1つの他の指示信号が、前記所定の操作以外の操作を行う他の指示信号を有することを検知した場合、前記一の指示信号の送信を停止すると共に、前記他の指示信号が指示する操作内容を有効とする制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
【請求項3】
さらに、機械的構造を有する1または複数の操作手段からなり、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して文字入力および所定の操作を行う場合に、第4の指示信号を送信する第4の操作部を有し、
前記内視鏡制御装置は、前記第1の指示信号、前記第2の指示信号、前記第3の指示信号および前記第4の指示信号において、いずれか一の指示信号が、文字入力または所定の操作を正常に行う指示がなされていない異常指示信号を有し、かつ、前記いずれか一の指示信号以外の少なくとも1つの他の指示信号が、前記文字入力または前記所定の操作以外の操作を行う他の指示信号を有することを検知した場合、前記一の指示信号の送信を停止すると共に、前記他の指示信号が指示する操作内容を有効とする制御手段を有することを特徴とする請求項2記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記内視鏡制御装置は、前記第1の指示信号、前記第3の指示信号および前記第4の指示信号とのいずれかが、文字入力および所定の操作を行うための指示が所定の時間以上連続して行われるような異常指示信号を有することを検知した場合、警告の告知を行うための警告告知手段を有することを特徴とする請求項3記載の内視鏡装置。
【請求項5】
さらに、被検体を撮像し、撮像した前記被検体の像を画像信号に変換して送信する撮像部を有し、
前記制御手段は、前記第1の指示信号、前記第2の指示信号、前記第3の指示信号および前記第4の指示信号との中のいずれかが、前記撮像部に対して前記画像信号の送信を一時的に停止させるための指示が行われるような指示信号を有することを検知した場合、前記第1の操作部、前記第2の操作部、前記第3の操作部および前記第4の操作部のいずれかにおいて、該指示信号を検知した後に行われる任意の操作内容を無効とし、該指示信号の送信を停止する処理を優先的に行うことを特徴とする請求項3記載の内視鏡装置。
【請求項6】
内視鏡と、前記内視鏡に対して所定の制御を行う内視鏡制御装置とを有する内視鏡装置であって、
前記内視鏡に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第1の指示信号を送信する第1の操作部と、
前記内視鏡制御装置に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第2の指示信号を送信する第2の操作部とを有し、
前記内視鏡制御装置は、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置の電源がオンされた時に、前記第1の指示信号および前記第2の指示信号の少なくとも1つを検知した場合、該指示信号が指示する操作内容を無効とすることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項7】
さらに、前記内視鏡制御装置の外部に、機械的構造を有する1または複数の操作手段として設けられ、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して所定の操作を行うための第3の指示信号を送信する第3の操作部とを有し、
前記内視鏡制御装置は、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置の電源がオンされた時に、前記前記第1の指示信号、前記第2の指示信号および前記第3の指示信号の少なくとも1つを検知した場合、該指示信号が指示する操作内容を無効とすることを特徴とする請求項6記載の内視鏡装置。
【請求項8】
さらに、機械的構造を有する1または複数の操作手段からなり、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置に対して文字入力および所定の操作を行う場合に、第4の指示信号を送信する第4の操作部を有し、
前記内視鏡制御装置は、前記内視鏡および前記内視鏡制御装置の電源がオンされた時に、前記第4の指示信号を検知した場合、該指示信号が指示する文字入力および操作内容を無効とすることを特徴とする請求項6または請求項7記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−34815(P2006−34815A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222353(P2004−222353)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】