説明

内視鏡装置

【課題】観察画像の品質を維持したままハレーションの発生を抑制することで、内視鏡診断に適した画像を得る。
【解決手段】内視鏡装置100は、内視鏡挿入部25の先端に、観察窓41、及び観察窓41を挟んで一対の照明窓43A,43Bが配置されている。観察窓の一方の側に配置される第1の照明窓43Aには第1の光源LD1が照明光を供給し、他方の側に配置される第2の照明窓43Bには第2の光源LD2が照明光を供給する。第1の光源を減光させて撮影した第1の撮像画像と、第2の光源を減光させて撮影した第2の撮像画像に対し、第1の撮像画像のハレーション発生領域が、第2の撮像画像のハレーション発生領域より多い場合に、第1の光源に設定される目標光量値を減少させ、少ない場合に第2の光源に設定される目標光量値を減少させる光量制御を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置を用いて患者の体腔内を観察する場合、内視鏡挿入部の先端に配置された照明窓に近接する体腔表面は、その照明光強度が高くなり、反射光量が増大する。また、体腔表面は体液等で濡れているために鏡面反射し易い状態にある。そのため、得られる撮像画像には体腔表面のハレーション(白とび)が発生し易くなる。これは、内視鏡挿入部の先端に設けた撮像素子の受光量が、そのダイナミックレンジを超えることに起因する。ハレーションの存在は、モニタに表示される観察画像が見にくくなり、特に、観察対象が陥凹部や隆起部である場合、必然的にハレーションが観察関心領域に発生して、内視鏡観察や内視鏡診断に支障をきたす場合がある。
【0003】
そこで、このような支障に繋がるハレーションを抑えるように、撮像素子で得られた観察画像の輝度ヒストグラムに基づいてハレーションの有無を検出し、ハレーションが検出された場合に照明の光射出側に設けられた絞り(アイリス)の開閉状態を制御して照明の光量を下げ、ハレーションを抑制する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−58640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、観察画像に生じたハレーションを全体的な照明光量の減少制御により消滅させようとすると、光量の減少幅が大きくなり、観察画像が暗くなってしまう。そこで、照明光の光量を局所的に変更して任意の光量分布に変更可能にした内視鏡装置がある。この内視鏡装置によれば、観察画像の局所的な明暗を、画面全体で均一化するように照明光の光量分布が変更でき、ハレーションを生じた部位に近い照明窓からの出射光量を選択的に減少制御することができる。しかし、観察画像のハレーション発生領域と照明窓の位置とは必ずしも相関を有しておらず、観察対象の形状に起因してハレーションが発生していることが多々ある。そのため、観察画像の品質を低下させることなくハレーションを消滅させることは、依然として困難が多いのが実情となっている。
【0006】
本発明は、観察画像の品質を維持したままハレーションの発生を抑制することで、内視鏡診断に適した画像を得ることができる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は下記構成からなる。
被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端に、観察窓、及び該観察窓を挟んで一対の照明窓が配置された内視鏡装置であって、
前記一対の照明窓が、前記観察窓の一方の側に配置される第1の照明窓、他方の側に配置される第2の照明窓からなり、
前記第1の照明窓に照明光を供給する第1の光源と、
前記第2の照明窓に照明光を供給する第2の光源と、
前記観察窓を通して被検体を撮影し、該被検体の撮像画像信号を出力する撮像素子と
前記撮像画像信号の輝度情報からハレーション発生領域を検出するハレーション検出手段と、
前記第1の光源及び前記第2の光源にそれぞれ設定される各目標光量値に応じて、前記第1の光源と前記第2の光源の出射光量を個別に制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、前記第1の光源を減光させて撮影した第1の撮像画像と、前記第2の光源を減光させて撮影した第2の撮像画像に対し、前記第1の撮像画像の前記ハレーション発生領域が、前記第2の撮像画像の前記ハレーション発生領域より多い場合に、第1の光源に設定される目標光量値を減少させ、少ない場合に第2の光源に設定される目標光量値を減少させる光量制御を実施する内視鏡装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内視鏡装置によれば、観察画像の品質を維持したままハレーションを抑制することで、内視鏡診断に適した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡及び内視鏡が接続される各装置を表す内視鏡装置の構成図である。
【図2】内視鏡装置の具体的な構成例を示す外観図である。
【図3】内視鏡先端部の拡大斜視図である。
【図4】撮影した画像にハレーションが生じた場合に、ハレーションを抑制させて画像表示する手順を示すフローチャートである。
【図5】観察画像の一例を示す説明図である。
【図6】観察画像の輝度ヒストグラムを示す説明図である。
【図7】図4に示すハレーション最小化光源制御の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図8】(A)は画像Bの一例、(B)は画像Cの一例を示す説明図である。
【図9】最適化画像生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】(A)は観察画像である画像Aを複数の領域にブロック分割した様子を示す図で、(B)はハレーションの発生領域をブロック単位で規定したときのハレーション発生領域A1と、A1以外の背景領域A2を示す説明図である。
【図11】画像Eの一例を示す説明図である。
【図12】輝度情報H1と輝度情報H2とをブロック位置を合わせて合成して合成画像を生成する様子を模式的に示す説明図である。
【図13】ハレーションの抑制された合成画像を示す説明図である。
【図14】複数種の波長光を出射する光源装置の構成図である。
【図15】第1の光源部と第2の光源部からの出射光により生成され、内視鏡先端部の照明窓から出射される照明光スペクトルのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡及び内視鏡が接続される各装置を表す内視鏡装置の構成図、図2は内視鏡装置の具体的な構成例を示す外観図である。
内視鏡装置100は、図1に示すように、内視鏡11と、制御装置13と、モニタ等の表示部15と、制御装置13に情報を入力するキーボードやマウス等の入力部17とを備える。制御装置13は、光源装置19と、撮像画像の信号処理を行うプロセッサ21とを有して構成される。
【0011】
内視鏡11は、本体操作部23と、この本体操作部23に連設され被検体(体腔)内に挿入される挿入部25とを備え、本体操作部23には、ユニバーサルコード27が接続される。このユニバーサルコード27の先端は、光源装置19にライトガイド(LG)コネクタ29Aを介して接続され、また、ビデオコネクタ29Bを介してプロセッサ21に接続されている。
【0012】
内視鏡11の本体操作部23には、図2に示すように、挿入部25の先端側で吸引、送気、送水を実施するためのボタン、撮像時のシャッターボタン、詳細を後述する静止画撮影ボタン30等の各種操作ボタン31が併設されると共に、一対のアングルノブ33が設けられている。
【0013】
挿入部25は、本体操作部23側から順に軟性部35、湾曲部37、及び先端部(内視鏡先端部)39で構成される。湾曲部37は、本体操作部23のアングルノブ33を回動することによって遠隔的に湾曲操作されて、これにより先端部39を所望の方向に向けることができる。
【0014】
図1、及び内視鏡先端部39の拡大斜視図である図3に示すように、内視鏡先端部39には、撮像光学系の観察窓41と、照明光学系の一対の照明窓43A,43Bが配置されている。これら照明窓43A,43Bは、観察窓41を挟んだ両脇側に配置されている。各照明窓43A,43Bから照射される照明光による被検体からの反射光は、観察窓41を通じて撮像素子45(図1参照)により観察画像として撮影される。撮影された観察画像は、適宜な画像処理が施されて、プロセッサ21に接続された表示部15に表示される。
【0015】
撮像光学系は、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の撮像素子45と、撮像素子45に観察像を結像させるレンズ等の光学部材47とを有する。撮像素子45の受光面に結像されて取り込まれる観察像は、電気信号に変換されて信号ケーブル51を通じてプロセッサ21の撮像信号処理部53に入力され、撮像信号処理部53にて映像信号(撮像画像信号)に変換される。
【0016】
一方、照明光学系は、光源装置19と、光源装置19にLGコネクタ29Aを介して接続される一対の光ファイバ55A,55Bと、光ファイバ55A,55Bの光出射端にそれぞれ配置した波長変換部材57A,57Bとを有する。
【0017】
光源装置19は、レーザ光源LD1、LD2と、各レーザ光源LD1,LD2をそれぞれ個別に駆動制御する光源制御部59と、を備える。レーザ光源LD1,LD2からの出射光は、LGコネクタ29Aを介して光ファイバ55A,55Bに導入される。
【0018】
レーザ光源LD1,LD2は、中心波長445nmの青色発光の半導体光源である。このレーザ光源LD1,LD2としては、例えばブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが使用できる。
【0019】
光源制御部59は、レーザ光源LD1,LD2の出力光強度や点灯タイミング等を制御する。レーザ光源LD1,LD2の各出力光は、光ファイバ55A,55Bによって内視鏡挿入部25を通じて内視鏡先端部39まで伝送され、波長変換部材57A,57Bに照射される。そして、波長変換部材57A,57Bは、レーザ光源LD1,LD2からの出力光と、波長変換部材57A,57Bにより波長変換された発光光とを合成した照明光を照明窓43A,43Bにそれぞれ出射する。つまり、照明窓43A,43Bからは、光源制御部59によるレーザ光源LD1,LD2の個別制御により、任意のタイミングで任意の強度の光出射が可能となっている。
【0020】
波長変換部材57A,57Bは、レーザ光源LD1,LD2から出射される青色レーザ光の一部を吸収して緑色〜黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl10O37)等を含む蛍光体等)を含んで構成される。これら波長変換部材57A,57Bにより、レーザ光源LD1,LD2からの青色レーザ光と、この青色レーザ光が波長変換された緑色〜黄色の励起光とが合成された白色光が生成される。この白色光は、ブロードなスペクトルを有するため、観察画像の演色性が高められる。
【0021】
ここで、本明細書でいう白色光とは、厳密に可視光の全ての波長成分を含むものに限らず、例えば、基準色であるR(赤),G(緑),B(青)等、特定の波長帯の光を含むものであればよく、例えば、緑色から赤色にかけての波長成分を含む光や、青色から緑色にかけての波長成分を含む光等も広義に含むものとする。
【0022】
プロセッサ21は、内視鏡制御部69と、映像信号を生成する前述の撮像信号処理部53と、撮像信号や各種情報を保存する記憶手段としてのメモリ71と、画像処理部73とを備えている。内視鏡制御部69は、撮像信号処理部53から出力される観察画像の画像データに対して、画像処理部73により適宜な画像処理を施し、これを表示部15に映出させる。また、光源装置19の光源制御部59に制御信号を出力して、各照明窓43A,43Bから所望の光量の照明光を出射させる。この内視鏡制御部69は、図示しないLAN等のネットワークに接続されて、画像データを含む情報を配信する等、内視鏡装置100全体を制御する。
【0023】
また、プロセッサ21には、入力部17の一つとして詳細を後述するフットスイッチ61が接続されている。
【0024】
次に、上記構成の内視鏡装置100により取得した観察画像にハレーションが生じた場合、ハレーションの発生を抑制する制御について説明する。
図4に撮影した画像にハレーションが生じた場合に、ハレーションを抑制させて画像表示する手順を表すフローチャートを示した。まず、内視鏡装置100の術者は、患者の体腔内に内視鏡挿入部25を挿入して、内視鏡先端部39に配置された撮像素子45により被観察部位を撮影して観察画像(画像A)を得る(S11)。
【0025】
図5に観察画像の一例を示した。この観察画像81には、体腔の一部にハレーション83が発生している。次に、この観察画像81に対して、ハレーション発生領域を抽出する(S12)。ハレーション発生領域は、図6に示すように、ハレーション検出手段としての内視鏡制御部69(図1参照)が、画像処理部73に観察画像81の輝度ヒストグラムを求めさせ、最大輝度値を呈する画素を抽出することで求める。つまり、撮像素子45から出力される撮像画像信号を量子化した撮像画像の最大輝度値の画素をハレーション発生領域として検出する。
【0026】
なお、最大輝度値に限らず、最大輝度値の付近で、例えば最大輝度値の80%以上の画素、又は90%以上の画素を含めてハレーション発生領域としてもよい。また、抽出した画素のうち、最大輝度値を呈する画素が複数隣接して存在するものを選択的に抽出する等の適宜なノイズ除去を行ってもよい。
【0027】
内視鏡制御部69は、最大輝度値の画素を抽出して求めたハレーション発生領域が、予め定めた所定の画素数以上である場合に、発生したハレーションを最小にするためのハレーション最小化光源制御を実施する(S14)。また、所定の画素数に満たない場合は、ハレーションは生じていないものとして、表示部15に観察画像81を映出させる(S15)。
【0028】
ハレーションが発生した場合には、次のようにしてハレーション最小化光源制御を行う。図7に図4に示すハレーション最小化光源制御(S14)の具体的な手順をフローチャートで示した。
まず、光量制御を実施する制御手段としての内視鏡制御部69は、右側(R側)の照明窓43Aからの出射光が予め定めた所定光量だけ減光するように、レーザ光源LD1の出力強度を光源制御部59に減少制御させる。すると、照明窓43A,43Bのうち、照明窓43Aからの出射光のみが減光された状態となる。この状態で、撮像素子45により被観察部位を撮影して観察画像(画像B:第1の撮像画像)を得る(S21)。
【0029】
次に、内視鏡制御部69は、左側(L側)の照明窓43Bからの出射光が予め定めた所定光量だけ減光するように、レーザ光源LD2の出力強度を光源制御部59に減少制御させる。すると、照明窓43A,43Bのうち、照明窓43Bからの出射光のみが減光された状態となる。この状態で、撮像素子45により被観察部位を撮影して観察画像(画像C:第2の撮像画像)を得る(S22)。
【0030】
図8(A)に画像Bの一例、図8(B)に画像Cの一例を示した。観察画像81に生じたハレーション83は、画面の左右両脇側に発生した場合、観察窓41の左右に配置された照明窓43A,43Bの配置に関係して、いずれか一方の照明窓からの照射光に起因して発生することがある。つまり、観察画像81の画面右側近景領域に生じたハレーションは、観察窓41の右側に配置された照明窓43Aからの出射光に起因して発生し、画面左側近景領域のハレーションは、左側の照明窓43Bからの出射光に起因して発生することがある。
【0031】
そのため、図8(A)に示すように、観察画像81の画面右側近景領域に生じたハレーション83Aは、照明窓43Aからの出射光を減光することでハレーション発生領域が縮小する。この場合、図8(B)に示すように、照明窓43Bからの出射光を減光しても、ハレーション83Bの発生領域の大きさは特に変化しない。
【0032】
逆に、観察画像81の画面左側近景領域に生じたハレーションは、照明窓43Bからの出射光を減光することでハレーション発生領域が縮小し、照明窓43Aからの出射光を減光しても、ハレーション発生領域の大きさは特に変化しない。
【0033】
上記の特性を利用すれば、発生したハレーションを光源制御によって抑制させることができる。図7に戻り説明すると、内視鏡制御部69は、照明窓43A,43Bからの出射光を減光制御して撮影して得た画像B,画像Cに対して輝度ヒストグラムを求め、ハレーション発生領域を前述同様に抽出する(S23)。
【0034】
そして、内視鏡制御部69は、画像B,画像Cのハレーション発生領域の大きさを比較して(S24)、右側の照明窓43Aからの出射光のみ減光して撮影した画像Bのハレーション発生領域が、左側の照明窓43Bからの出射光のみ減光して撮影した画像Cのハレーション発生領域より大きい場合は、左側の照明窓43Bからの出射光を減光制御する(S25)。
【0035】
逆に、右側の照明窓43Aからの出射光のみ減光して撮影した画像Bのハレーション発生領域が、左側の照明窓43Bからの出射光のみ減光して撮影した画像Cのハレーション発生領域より大きい場合は、左側の照明窓43Bからの出射光を減光制御する(S25)。なお、画像B,画像Cとの間でハレーション発生領域に差が生じない場合、内視鏡制御部69は、制御範囲外であるとして、図示はしないがこの最小化光源制御を中止する。
【0036】
上記した左側の照明窓43Bからの出射光を減光制御するには、内視鏡制御部69が光源制御部59にレーザ光源LD2の発光光量を制御する目標光量値を、所定のレベルだけ減少させることで行う。同様に、右側の照明窓43Aからの出射光を減光制御するには、内視鏡制御部69が光源制御部59にレーザ光源LD1の発光光量を制御する目標光量値を、所定のレベルだけ減少させることで行う。
【0037】
ここで、目標光量値を減少させる制御は、予め定めたレベルを減少させることに代えて、内視鏡の術者が任意に減少幅を設定することにしてもよい。例えば、図2に示すフットスイッチ61を、レーザ光源LD1,LD2の出射光量を変更する光量変更スイッチとして機能させ、目標光量値の減少量をフットスイッチ61からの入力操作に応じて決定する構成としてもよい。
【0038】
この構成によれば、発生したハレーションの縮小度合いをフットスイッチ61の操作により逐次変更でき、内視鏡の術中であっても簡単に最適な光量制御を実施できる。
【0039】
次に、内視鏡制御部69は、上記の通りにいずれかのレーザ光源LD1,LD2に対する目標光量値を減少させた状態で発光駆動して、光源制御部59に光出射させる。この状態で、撮像素子45により被観察部位を撮影して観察画像(画像D:第3の撮像画像)を得る(S27)。
【0040】
そして、得られた画像Dのハレーション発生領域を前述同様にして抽出し(S28)、ハレーション発生領域が予め定めた所定面積以下かを判定する(S29)。ハレーション発生領域が所定面積を超える場合は、ハレーション最小化光源制御がまだ不十分であると判断し、S21からの処理を再度実施する。つまり、ハレーション発生領域が予め定めた所定面積以下になるまで、前述の光量制御を繰り返す。
【0041】
一方、ハレーション発生領域が所定面積以下になった場合は、減少制御した目標光量値を次回の目標光量値に設定して光源制御を行う。即ち、内視鏡制御部69は、撮影した観察画像の輝度情報に基づいて設定される目標光量値を、ハレーション最小化光源制御による減光制御分だけ減少させてレーザ光源LD1,LD2を駆動する(S30)。
【0042】
上記のハレーション最小化光源制御によれば、観察画像に発生したハレーションが光源の出射光量制御により最小化でき、観察画像中の注目部位にハレーションが生じて観察し難くなることが抑制される。よって、内視鏡観察や内視鏡診断に適した観察画像が得られるようになる。
【0043】
また、上記のハレーション最小化光源制御は、静止画像撮影タイミングを入力する静止画撮影ボタン30(図1、図2参照)の押下動作があったときに、前述の目標光量値の減少制御を行うものであってもよい。これによれば、静止画撮影ボタン30を押下して静止画撮影を行うときに、患部の画像情報が消えてしまうハレーションの発生領域を最小限の範囲に留めることができ、良好な静止画像を得ることができる。
【0044】
上記のハレーション最小化光源制御は、レーザ光源LD1,LD2のいずれか一方を減光制御するものであるが、その場合、観察画像全体としての光量不足に繋がり、観察画像が暗くなってしまう虞がある。そこで、内視鏡制御部69は、レーザ光源LD1とLD2との出射光量の合計が一定になるように、レーザ光源LD1とLD2に対する各目標光量値を増減制御してよい。即ち、一方のレーザ光源を減光制御した分、他方のレーザ光源を増光制御することで、照明光量を一定に保つことができる。
【0045】
この場合、一方のレーザ光源の減光制御によりハレーション発生領域が縮小する量が、他方のレーザ光源の増光制御により、新たにハレーションが発生する量より大きければ観察画像全体としてのハレーション発生領域を縮小できる。
【0046】
以上説明したハレーション最小化光源制御を実施した後は、図4に示すように、ハレーション発生領域の大きさが所定レベル以下になったかを判定し(S16)、所定レベル以下であれば、前述した画像表示(S15)を行い、終了する。不十分である場合は最適化画像生成処理を実施する(S17)。
【0047】
図9に最適化画像生成処理の手順を表すフローチャートを示した。最適化画像生成処理は、まず、内視鏡制御部69が観察画像である画像A(又は画像D)のハレーション発生領域A1を前述同様にして抽出して、この抽出された領域A1と、領域A1以外の背景領域A2とを決定する(S31)
【0048】
図10(A)は観察画像である画像Aを複数の領域にブロック分割した様子を示す図で、(B)はハレーション83の発生領域をブロック単位で規定したときのハレーション発生領域A1と、A1以外の背景領域A2を示す図である。なお、ブロック分割は、一例として4×4の均等分割((1,1),(1,2),・・・,(4,4)まで合計16ブロック)を示しているが、これに限らず任意の分割数にすることができる。
【0049】
そして、内視鏡制御部69は、図7で説明したハレーション最小化光源制御におけるS25、又はS26で行った減光制御を行ったレーザ光源に対して目標光量から減光させ、この状態で、撮像素子45により被観察部位を撮影して観察画像(画像E:第4の撮像画像)を得る(S32)。
【0050】
このときの画像Eの一例を図11に示した。画像Eにおいては、内視鏡制御部69が右側の照明窓43A(図1、図3参照)からの出射光が減光されるように、レーザ光源LD1を減光制御したため、画像Aで発生していたハレーション83が縮小している。なお、ハレーション83が完全に消滅するまで減光制御することが好ましい。また、画像Eの例では、レーザ光源LD1を減光制御した分、レーザ光源LD2を増光制御しており、左側の照明窓43Bからの出射光が増光されている。その結果、画像Eには新たなハレーション83Cが発生する。
【0051】
次に、内視鏡制御部69は、前述の画像Aにてハレーション発生領域A1とされたブロックに対応する画像Eの輝度情報H1を抽出し、この抽出された輝度情報H1をメモリ71(図1参照)に記憶する(S33)。また、内視鏡制御部69は、前述の画像A(画像D)にて背景領域A2に対する輝度情報H2を抽出し、この抽出された輝度情報H2をメモリ71に記憶する(S34)。
【0052】
そして、内視鏡制御部69は、図12に示すように、メモリ71に記憶された輝度情報H1と、輝度情報H2とを、ブロック位置を合わせて合成した合成画像を生成する(S35)。輝度情報H1には、ハレーションが縮小した(或いは消滅させた)領域A1の輝度分布の情報が含まれており、輝度情報H2には、画像Aのハレーションが生じていない領域である背景領域A2の輝度分布の情報が含まれている。双方の輝度情報H1,H2を合成することで、図13に示すようにハレーションの抑制された合成画像が生成される。
【0053】
このとき、図11に示す画像Eには、新たにハレーション83Cが発生しているが、画像Eは領域A1に対する輝度情報H1しか合成画像の生成に用いないため、ハレーション83Cの出現が合成画像に影響を及ぼすことはない。
【0054】
上記の最適化画像生成処理を実施した後、図4に示すように、ハレーションのない合成画像を表示部15に表示する(S15)。
【0055】
以上のように、ハレーション最小化光源制御を実施してもハレーションが十分に最小化できない場合であっても、最適化画像生成処理を行い、画像合成によってハレーションを確実に抑制することができる。
その結果、観察画像の品質を維持したままハレーションの発生を抑制して、内視鏡診断に適した画像を得ることができる。
【0056】
<変形例>
次に、光源装置19の構成を変更した変形例について説明する。
図14に複数種の波長光を出射する光源装置の構成図を示した。本変形例の光源装置19Aは、光ファイバ55Aに照明光を導入する第1の光源部87と、光ファイバ55Bに照明光を導入する第2の光源部89と、第1の光源部87及び第2の光源部89を制御する光源制御部59とを備える。
【0057】
第1の光源部87は、中心波長445nmのレーザ光源LD1−Aと、中心波長405nmのレーザ光源LD1−Bと、レーザ光源LD1−A,LD1−Bからの出力光を合波して出力するコンバイナ91と、を有する。
【0058】
第2の光源部89は、第1の光源部87と同様に、中心波長445nmのレーザ光源LD2−Aと、中心波長405nmのレーザ光源LD2−Bと、コンバイナ93と、を有する。
【0059】
図15に、第1の光源部87と第2の光源部89からの出射光により生成され、内視鏡先端部の照明窓から出射される照明光スペクトルのグラフを示した。レーザ光源LD1−A,LD2−Aによる照明光スペクトルはプロファイルP1で、レーザ光源LD1−B,LD2−Bによる照明光プロファイルはプロファイルP2で表される。
【0060】
中心波長445nmの青色レーザ光は、前述したように、内視鏡先端部39の光ファイバ55A,55Bの光出射端に配置された波長変換部材57A,57Bを励起して蛍光を発光させる。また、一部の青色レーザ光は、そのまま波長変換部材57A,57Bを透過する。これにより白色光が生成される。
【0061】
一方、中心波長405nmの紫色レーザ光は、波長変換部材57A,57Bに含まれる蛍光体の励起発光効率が青色レーザの場合より低いため、透過成分が多くなる。その結果、紫色レーザ光は、波長変換部材57A,57Bからの長波長側の蛍光が青色レーザの場合より低強度となり、波長変換部材57A,57Bからは、主に狭帯域波長の照明光が出射される。中心波長405nmの紫色レーザ光は、狭帯域光であって、生体組織表層の毛細血管や微細構造模様を強調した観察画像を得ることができる。
【0062】
そのため、白色光と狭帯域光とを適宜な光量比で混合して同時照射することで、組織表層の毛細血管や微細構造模様を、患部周囲の状態とともに視認性を高めて確認できる。このような狭帯域光観察には、中心波長360nm〜530nmの狭帯域光、好ましくは、中心波長380〜450nmの狭帯域光を用いることができる。
【0063】
光源制御部59は、レーザ光源LD1−A,LD1−B、LD2−A,LD2−Bをそれぞれ個別に駆動して、青色レーザ光による白色照明光と、紫色レーザによる狭帯域光との光量比を任意に設定して、各照明窓43A,43Bから出射させることができる。
【0064】
上記構成の光源装置19Aを用いることで、前述の図7に示すS21,S22,S25,S26における減光制御、図9に示すS32の減光制御を、白色照明光と狭帯域光との光量比を変更する制御に置換することができる。即ち、観察画像に発生したハレーションは、主に白色照明光により発生する光成分が目立ち、狭帯域光により発生する光成分は白色照明光と比較して目立たない。そこで、照明窓からの出射光量を低下させる代わりに、ハレーションの発生に大きく寄与する白色照明光を選択的に減光制御し、減光制御されて光量が不足した分を狭帯域光の増光制御により補う光量比制御を行うことができる。
【0065】
このような光量比制御によってもハレーションを縮小する効果が得られ、前述同様にハレーション最小化光源制御や最適化画像生成処理を実施できる。また、狭帯域光の光量比を増加させることで、生体組織表層の毛細欠陥や微細構造模様が強調された画像が取得でき、表示部15への表示画像や合成画像として、内視鏡診察や内視鏡診断に有益な情報を提供できる。
【0066】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0067】
例えば、レーザ光源を、発光ダイオードとした光源や、白色光源であるキセノンランプと、カラーフィルタとの組み合わせにより任意波長の照明光を取り出す光源としてもよい。
【0068】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端に、観察窓、及び該観察窓を挟んで一対の照明窓が配置された内視鏡装置であって、
前記一対の照明窓が、前記観察窓の一方の側に配置される第1の照明窓、他方の側に配置される第2の照明窓からなり、
前記第1の照明窓に照明光を供給する第1の光源と、
前記第2の照明窓に照明光を供給する第2の光源と、
前記観察窓を通して被検体を撮影し、該被検体の撮像画像信号を出力する撮像素子と
前記撮像画像信号の輝度情報からハレーション発生領域を検出するハレーション検出手段と、
前記第1の光源及び前記第2の光源にそれぞれ設定される各目標光量値に応じて、前記第1の光源と前記第2の光源の出射光量を個別に制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、前記第1の光源を減光させて撮影した第1の撮像画像と、前記第2の光源を減光させて撮影した第2の撮像画像に対し、前記第1の撮像画像の前記ハレーション発生領域が、前記第2の撮像画像の前記ハレーション発生領域より多い場合に、第1の光源に設定される目標光量値を減少させ、少ない場合に第2の光源に設定される目標光量値を減少させる光量制御を実施する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、ハレーションを主に発生させている側の光源の目標光量値を選択的に減少させることで、観察画像の品質を維持したままハレーションの発生を抑制でき、内視鏡診断に適した画像を得ることができる。
【0069】
(2) (1)の内視鏡装置であって、
前記制御手段が、前記第1の光源、及び前記第2の光源を、前記減少制御された目標光量値に対応する出射光量で撮影した第3の撮像画像の前記ハレーション発生領域が、予め定めた所定面積以下になるまで前記光量制御を繰り返す内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、ハレーション領域が予め定めた所定面積以下になるまで、目標光量値の減少制御を繰り返すことで、ハレーション発生領域を最小化できる。
【0070】
(3) (1)又は(2)の内視鏡装置であって、
前記ハレーション検出手段が、前記撮像画像信号を量子化した撮像画像の最大輝度値の画素を前記ハレーション発生領域として検出する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、最大輝度値の画素を抽出することで、ハレーション発生領域を簡単に求めることができる。
【0071】
(4) (1)〜(3)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記制御手段に接続され、前記第1の光源と前記第2の光源の出射光量を変更する光量変更スイッチを備え、
前記制御手段が、前記目標光量値の減少量を、前記光量変更スイッチからの入力操作に応じて決定する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、光量変更スイッチにより、観察画像に適した目標光量値の減少量にいち早く設定できる。
【0072】
(5) (1)〜(4)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記制御手段に接続され、静止画撮影タイミングを入力する静止画撮影ボタンを備え、
前記制御手段が、前記静止画撮影ボタンの押下動作があったときに、前記光量制御を実施する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、静止画撮影時に光量制御を行うことで、特にハレーションの発生が嫌われる静止画像に対して、より確実にハレーションを抑制できる。
【0073】
(6) (1)〜(5)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記制御手段が、前記第1の光源と前記第2の光源との出射光量の合計が一定となるように、前記第1の光源と前記第2の光源に対する各目標光量値を増減制御する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、一方の光源の光量低下分を他方の光源で補うことで、観察画像が暗くなってしまうことを防止できる。
【0074】
(7) (1)〜(6)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記第1の光源と前記第2の光源をそれぞれ前記目標光量値に対応する出射光量に制御して撮影した第3の撮像画像、及び前記第1の光源と前記第2の光源のいずれかを前記目標光量値に対応する出射光量より減光させて撮影した第4の撮像画像を記憶する記憶手段と、
前記第3の撮像画像の前記ハレーション発生領域を除く領域である第1の画像領域、及び前記第4の撮像画像の前記ハレーション発生領域を含む領域である第2の画像領域を、相互の画像位置を合わせて画像合成する画像合成手段と、
を備えた内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、撮像画像内のハレーション発生領域を、ハレーションを抑制して撮影した撮像画像の輝度情報に入れ替えて合成することで、合成画像全体が、ハレーションの抑制された画像となる。
【0075】
(8) (7)の内視鏡装置であって、
前記画像合成手段が、
前記第1の画像領域及び前記第2の画像領域が、前記撮像画像を複数の領域にブロック分割したブロック単位でそれぞれ規定された内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、ブロック単位で画像合成を行うため、演算処理が簡単となる。
【0076】
(9) (1)〜(8)のいずれか一つの内視鏡装置であって、
前記第1の光源と前記第2の光源が、白色照明光を生成するための白色光用光源と、該白色照明光より狭い波長帯の狭帯域光を生成するための狭帯域光光源とをそれぞれ有し、
前記制御手段が、前記白色光用光源の出射光量を、前記狭帯域光光源の出射光量に対して低い光量比に変更することで、前記目標光量値を減少させる光量制御を実施する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、白色光用光源の出射光量を狭帯域光光源の出射光量より低い光量比にすることで、ハレーションの発生を抑制できる。
【0077】
(10) (9)の内視鏡装置であって、
前記狭帯域光源が、中心波長360nm〜530nmの半導体光源である内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、生体組織表層の毛細欠陥や微細構造模様を強調した観察画像を得ることができる。
【0078】
(11) (9)又は(10)の内視鏡装置であって、
前記照明窓の内側に、前記白色光用光源からの出射光により励起発光する蛍光体を含む波長変換部材が配置され、
前記白色光用光源からの出射光と前記蛍光体からの発光とを合成した白色光が生成される内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、波長変換部材から発生する蛍光によりブロードなスペクトルを有する高強度な白色光を生成でき、観察画像の演色性が高められる。
【符号の説明】
【0079】
11 内視鏡
13 制御装置
15 表示部
17 入力部
19 光源装置
21 プロセッサ
25 挿入部
30 静止画撮影ボタン
39 先端部(内視鏡先端部)
41 観察窓
43A 照明窓(第1の照明窓)
43B 照明窓(第2の照明窓)
45 撮像素子
53 撮像信号処理部
55A,55B 光ファイバ
57A,57B 波長変換部材
59 光源制御部
61 フットスイッチ
69 内視鏡制御部(ハレーション検出手段、制御手段)
71 メモリ(記憶手段)
73 画像処理部
81 観察画像
83,83A,83B ハレーション
87 第1の光源部
89 第2の光源部
91 コンバイナ
100 内視鏡装置
LD1 レーザ光源(第1の光源)
LD2 レーザ光源(第2の光源)
LD1−A,LD1−B,LD2−A,LD2−B レーザ光源
H1,H2 輝度情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端に、観察窓、及び該観察窓を挟んで一対の照明窓が配置された内視鏡装置であって、
前記一対の照明窓が、前記観察窓の一方の側に配置される第1の照明窓、他方の側に配置される第2の照明窓からなり、
前記第1の照明窓に照明光を供給する第1の光源と、
前記第2の照明窓に照明光を供給する第2の光源と、
前記観察窓を通して被検体を撮影し、該被検体の撮像画像信号を出力する撮像素子と
前記撮像画像信号の輝度情報からハレーション発生領域を検出するハレーション検出手段と、
前記第1の光源及び前記第2の光源にそれぞれ設定される各目標光量値に応じて、前記第1の光源と前記第2の光源の出射光量を個別に制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、前記第1の光源を減光させて撮影した第1の撮像画像と、前記第2の光源を減光させて撮影した第2の撮像画像に対し、前記第1の撮像画像の前記ハレーション発生領域が、前記第2の撮像画像の前記ハレーション発生領域より多い場合に、第1の光源に設定される目標光量値を減少させ、少ない場合に第2の光源に設定される目標光量値を減少させる光量制御を実施する内視鏡装置。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡装置であって、
前記制御手段が、前記第1の光源、及び前記第2の光源を、前記減少制御された目標光量値に対応する出射光量で撮影した第3の撮像画像の前記ハレーション発生領域が、予め定めた所定面積以下になるまで前記光量制御を繰り返す内視鏡装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の内視鏡装置であって、
前記ハレーション検出手段が、前記撮像画像信号を量子化した撮像画像の最大輝度値の画素を前記ハレーション発生領域として検出する内視鏡装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記制御手段に接続され、前記第1の光源と前記第2の光源の出射光量を変更する光量変更スイッチを備え、
前記制御手段が、前記目標光量値の減少量を、前記光量変更スイッチからの入力操作に応じて決定する内視鏡装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記制御手段に接続され、静止画撮影タイミングを入力する静止画撮影ボタンを備え、
前記制御手段が、前記静止画撮影ボタンの押下動作があったときに、前記光量制御を実施する内視鏡装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記制御手段が、前記第1の光源と前記第2の光源との出射光量の合計が一定となるように、前記第1の光源と前記第2の光源に対する各目標光量値を増減制御する内視鏡装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記第1の光源と前記第2の光源をそれぞれ前記目標光量値に対応する出射光量に制御して撮影した第3の撮像画像、及び前記第1の光源と前記第2の光源のいずれかを前記目標光量値に対応する出射光量より減光させて撮影した第4の撮像画像を記憶する記憶手段と、
前記第3の撮像画像の前記ハレーション発生領域を除く領域である第1の画像領域、及び前記第4の撮像画像の前記ハレーション発生領域を含む領域である第2の画像領域を、相互の画像位置を合わせて画像合成する画像合成手段と、
を備えた内視鏡装置。
【請求項8】
請求項7記載の内視鏡装置であって、
前記画像合成手段が、
前記第1の画像領域及び前記第2の画像領域が、前記撮像画像を複数の領域にブロック分割したブロック単位でそれぞれ規定された内視鏡装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一項記載の内視鏡装置であって、
前記第1の光源と前記第2の光源が、白色照明光を生成するための白色光用光源と、該白色照明光より狭い波長帯の狭帯域光を生成するための狭帯域光光源とをそれぞれ有し、
前記制御手段が、前記白色光用光源の出射光量を、前記狭帯域光光源の出射光量に対して低い光量比に変更することで、前記目標光量値を減少させる光量制御を実施する内視鏡装置。
【請求項10】
請求項9記載の内視鏡装置であって、
前記狭帯域光源が、中心波長360nm〜530nmの半導体光源である内視鏡装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10記載の内視鏡装置であって、
前記照明窓の内側に、前記白色光用光源からの出射光により励起発光する蛍光体を含む波長変換部材が配置され、
前記白色光用光源からの出射光と前記蛍光体からの発光とを合成した白色光が生成される内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−232063(P2012−232063A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104413(P2011−104413)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】