説明

内部式濾過装置

【目的】 本発明は、水槽内に設けられる内部式濾過装置であって、水槽内の底面領域およびコーナー領域の未浄化水を同時に広範囲にわたり、単一のポンプの作動により濾過できるようにした。
【構成】 水槽V内の底面に設置される底面濾過本体1の角部上面に、接続手段Jを介してコーナー濾過本体20が接続され、底面濾過本体1の底面濾過室4と、コーナー濾過本体20のコーナー濾過室30とは、接続手段Jを介して連通されて共通の水中ポンプPで吸水力が作用し、底面濾過室4およびコーナー濾過室30内の濾過された濾過水が合流して外部に排水される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金魚、熱帯魚、海水魚等の観賞魚の飼育用内部式濾過装置、特に、水槽内の未浄化水を広範囲にわたり同時に吸込、濾過して浄化能率を高めるようにした、内部式濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水槽内で前記観賞魚を飼育、育成するための、水槽内の未浄化水を濾過して浄化する内部式濾過装置として、濾過本体を水槽内のコーナー部に配置して水槽内の未浄化水を濾過するようにした、コーナー濾過装置は公知である(たとえば、後記特許文献1参照)。
【0003】
また、前記内部式濾過装置として、その濾過本体を水槽内の底面に配置して水槽内の未浄化水を濾過するようにした底面濾過装置も公知である(たとえば、後記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−165405号公報
【特許文献2】特許第3975221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に示されるコーナー濾過装置は、水槽内の未浄化水を水槽内のコーナー領域から濾過本体内に吸い上げ、濾過したのちの清浄化水を水槽内に戻すように構成されており、また、前記特許文献2に示される底面濾過は、水槽内の未浄化水を水槽内に底面領域から濾過本体内に吸い上げ、濾過したのちの清浄水を水槽内に戻すように構成されている。
【0006】
ところが、水槽内で飼育される観賞魚の種類や数、水槽の大きさ、水槽内の水草の有無などによっては、前記特許文献1あるいは2に示される濾過装置では、水槽水の充分な浄化能率が得られないという問題がある。
【0007】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたもので、コーナー濾過装置と底面濾過装置を簡単に接続して、水槽内のコーナ領域および底面領域にわたる広範囲の未浄化を共通のポンプにより同時に濾過できるようにして、前記問題を解決できるようにした、新規な内部式濾過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的達成のため、請求項1記載の発明は、水槽内の底面に設置される底面濾過本体と、その底面濾過本体の角部に接続手段を介して着脱可能に接続されて、水槽内のコーナー部に保持されるコーナー濾過本体とを備え、
前記接続手段は、前記底面濾過本体の角部に設けられて該底面濾過本体内の底面濾過室に連通される第1のジョインと、前記コーナー濾過本体内に設けた吸水管内に抜差自在に挿通されて該コーナー濾過本体内のコーナー濾過室に連通される連通管の下端に設けられる第2のジョイントよりなり、前記第1、第2のジョイントは着脱可能に接続されて前記底面濾過室と前記コーナー濾過室とが前記連通管を介して相互に連通され、それらの濾過室は共通のポンプにより吸水力が作用するようにされ、底面濾過室内には、その上壁に敷設される底面濾材を通過した濾過水が、その壁面に穿設した吸込小孔を通して吸引され、また、コーナー濾過室内には、コーナー濾過本体に穿設した他の吸込口を通してその内部に収容したコーナー濾材を通過した濾過水が吸引されるようにされ、底面およびコーナー濾材を通過した濾過水は、前記吸水管内に合流して、コーナー濾過本体に接続した散水管を通して外部に排水されるようにしたことを特徴としている。
【0009】
前記目的達成のため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の発明において、前記底面濾過本体と、その多数の吸込小孔を穿設した上壁に敷設される小石などの粗な濾材よりなる前記底面濾材とにより底面濾過装置が構成され、また、前記コーナー濾過本体と、その内部に収容されて、多孔質板などの密な濾材を構成する前記コーナー濾材とよりコーナー濾過装置が構成され、底面濾過本体の前記底面濾過室と、コーナー濾過本体の前記コーナー濾過室は、前記第1、第2のジョイントおよび前記連通管を介して相互に連通されることを特徴としている。
【0010】
前記目的達成のため、請求項3記載の発明は、前記請求項1また2記載の発明において、前記第1のジョイントは、底面濾過本体の角部に形成されて吸出口を開口した雄ジョイントよりなり、また、前記第2のジョイントは、前記連通管の下端に形成されてそこに連通される雌ジョイントよりなり、前記雄、雌ジョイントは、着脱自在に嵌合接続されることを特徴としている。
【0011】
前記目的達成のため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2または3記載の発明において、前記第1のジョイントは、四角状の底面濾過本体の複数の角部にそれぞれ設けられることを特徴としている。
【0012】
前記目的達成のため、請求項5記載の発明は、前記請求項1、2、3または4記載の発明において、水槽内の未浄化水は、底面濾過装置により濾過されたのち、コーナー濾過本体を通って水槽内に戻される第1の流れと、前記コーナー濾過本体に開口される他の吸込孔を通り、コーナー濾過装置により濾過されて水槽内に戻される第2の流れとに分流されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、水槽内の底面領域および中間領域に亘る広範囲の未浄化水を同時に濾過することができ、その浄化能率を大幅に高めることができる。また、底面濾過本体とコーナー濾過本体を接続手段を介して相互に接続することにより底面濾過室とコーナー濾過室とを連通することができ、構造の簡素化と、濾過能率の向上とを図ることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、底面濾過室とコーナー濾過室は、底面濾過本体とコーナー濾過本体とを接続する、第1、第2ジョイントの連結するだけで相互に連通できるので、それら両濾過室の連通手段を別途に設ける必要がなく、部品点数を少なくして構造の簡素化を図ることができ、その上、両濾過室の連通を確実のものとすることができる。
【0015】
また、水槽内の未浄化水を、濾過態様の異なる、粗な濾材と密な濾材とで濾過できるので、未浄化水の浄化能率を高めることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、底面濾過本体と、コーナー濾過本体とは、雄、雌ジョイントを着脱自在に嵌合してして接続できるので、それらをワンタッチにて接続することができ、それらの接続操作、特に、水中内での接続操作が容易であり、また、それらの分離操作も容易である。
【0017】
請求項4の発明によれば、第1のジョイントは、四角状の底面濾過本体の複数の角部にそれぞれ設けられるので、底面濾過本体に対してコーナー濾過本体の接続位置を複数箇所に選択することができ、水槽内におけるコーナー濾過装置の配置の自由度を高めることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、水槽内の未浄化水は、底面濾過装置により濾過されたのち、コーナー濾過本体を通って水槽内に戻される第1の流れと、コーナー濾過装置により濾過され、コーナー濾過本体を通って水槽内に戻される第2の流れとに分流されるので、未浄化水の浄化能率を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】内部式濾過装置を水槽内に設置した状態を示す斜視図
【図2】図1の2−2線に沿う内部式濾過装置の要部の拡大断面図
【図3】底面濾過本体の平面図
【図4】図3の4−4線に沿う断面図
【図5】図2の5−5線の沿う拡大断面図
【図6】底面濾過装置とコーナー濾過装置との接続部の分離状態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0021】
本発明内部式濾過装置は、底面濾過装置F1の角部に、コーナー濾過装置F2を着脱可能に接続して構成され、単一の水中ポンプPにより、それらの濾過装置F1,F2内に水槽V内の未浄化水をそれぞれ吸引循環させ、濾過するように構成され、底面濾過装置F1は、水槽V内の底面領域の未浄化水を、また、第2濾過装置F2は、水槽V内のコーナー領域の未浄化水をそれぞれ吸引濾過するようにされる。
【0022】
図1、2に示すように、底面濾過装置F1は、底面濾過本体1と、その上壁2に敷設される大磯などの小石よるなる底面濾材16とを備えている。
【0023】
図3、4に示すように、底面濾過本体1は、硬質の合成樹脂材板により四角な偏平形状に形成され、一対の濾過本体ユニット1u,1uを着脱可能に連結して構成されている。各濾過ユニット本体1uは、平坦な上壁2の周囲から側壁3が下向きに折り曲げられており、その下面は開放されている。各濾過本体ユニット1uの、相対向する側壁3の中央部には、一対のかぎ状片よりなる雌、雄連結片6,7がそれぞれ対応して形成されており、一対の濾過本体ユニット1u,1uの雌、雄連結片6,7を相互に連結することにより、底面濾過本体1が形成される。底面濾過本体1の開放下面を、水槽V内に平坦な底面上に着座させることにより、底面濾過室4が形成される。
【0024】
なお、一対の底面濾過本体1u,1uは、単一の濾過本体ユニット1uもしくは3個以上の濾過本体ユニット1u・・を接続して構成してもよく、各濾過本体ユニット1uは、同一に形成される。
【0025】
図4に示すように、各濾過本体ユニット1uの底面中央部には、すり割りを設けた取付片8が一体に設けられ、これらの取付片8には、吸盤9が着脱可能に取り付けられ、この吸盤9を水槽Vの底面に吸着させて、各濾過本体ユニット1uは水槽Vの底面に固定される。
【0026】
各濾過本体ユニット1uの上壁2および側壁3には、それらの全域に亘り、複数の上面および側面吸込小孔10,11が穿設され、これらの吸込小孔10,11を通して水槽V内と底面濾過室4とが連通される。
【0027】
図3,4に示すように、各濾過本体ユニット1uの四つの角部には、第1のジョイント12がそれぞれ設けられる。複数の第1のジョイント12は、その一つを選択して第2のジョイント36(後述)と着脱自在に連結されるようにされ、前記第1、第2のジョイント12,36は、本発明にかかる接続手段Jを構成する。
【0028】
図1,2に示すように、各濾過本体ユニット1uの各角部に形成される第1のジョイント12は、弧状の係合溝13により囲まれる帽状の雄ジョインよりなり、その上面は、濾過本体ユニット1uの上面と面一にされていて、そこに複数の吸出孔14が穿設されている。そして、この吸出孔14は、底面濾過室4内と外部とを連通する。
【0029】
前記底面濾材16は、大磯などの小石よりなり、粗な濾材を構成しており、底面濾過室4内に発生する(後述の水中ポンプPによる)吸水力により、水槽V内の未浄化水を、図2矢印aに示すように、底面濾材16を通過して濾過し、多数の上面および側面吸込小10,11を通して底面濾過室4内に吸い込むことができる。
【0030】
図1,2,5に示すように、前記コーナー濾過装置F2は、水槽V内のコーナー部に支持されて、底面濾過装置F1の角部上に立設され、水槽V内のコーナー領域の未浄化水を吸引濾過するものであって、コーナー濾過本体20と、その上部に着脱可能の連結される駆動ユニット21と、その内部に収容されるコーナー濾材22を備える。
【0031】
コーナー濾過本体20は、合成樹脂材により、前後に2分割の三角筒状に形成されており、その横断面が略直角をなす背面には、複数の吸盤24が着脱可能に取り付けられており、これらの吸盤24を水槽V内のコーナー部の壁面に吸着させることにより、コーナー濾過装置F2を、水槽V内のコーナー部に吸着保持することができる。また、コーナー濾過本体20の前面下部には、その内部の未濾過室31に連通する、複数の他の吸込孔25が穿設されている。
【0032】
前記駆動ユニット21は、合成樹脂材によりコーナー濾過本体20と同じく三角筒状に形成されて、コーナー濾過本体20の開放上面に着脱可能に連結され、その内部に水中ポンプPが収容される。この水中ポンプPの吸込側は、吸水管33(後述)に連通され、また、その吐出側は、駆動ユニット21の上部に設けた送水管26を介して複数の散水ノズル28を設けた散水管27に連通される。そして、この水中ポンプPの駆動によれば、後に述べるように、コーナー濾過本体20内の濾過水を吸い上げ、散水ノズル28より水槽V内に放散するようにされている。
【0033】
図2、5に示すように、コーナー濾過本体20内には、その内部を濾過室30と未濾過室31とに画成するコーナー濾材22が収容される。このコーナー濾材22は、合成樹脂製の多孔質板により形成されて密な濾材を構成しており、濾材保持枠23に三角筒状に屈曲して保持されている。コーナー濾過本体20内には、コーナー濾材22を保持した一対の濾材保持枠23(u),23(l)が上下方向に2段積みして収容されており、三角筒状のコーナー濾材22の内側に濾過室30が、その外側に未濾過室31が形成される。
【0034】
図2に示すように、上、下2段の濾材保持枠23(u),23(l)の中央部には、相互に連通する上下2段の吸水管33(u),33(l)がそれぞれ縦通して設けられており、下段の吸水管33(l)には、その下方より連通管35が抜差自在に挿入される。下段の吸水管33(l)は、前記連通管35および前記接続手段Jを介して底面濾過室4内に連通され、また、上段の吸水管33(u)は、前記水中ポンプPの吸込側に連通される。前記連通管35の下端には、第2のジョイント36が形成される。この第2のジョイント36は、連通管35よりも拡径されて逆漏斗状に形成され、雌ジョイントを構成し、雄ジョイントを構成する前記第1のジョイント12に着脱自在に嵌合接続される。また、下段の吸水管33(l)の下端と、下段の濾材保持枠23(l)の底面間には、この下段の吸水管33(l)をコーナー濾過室30に連通する吸水口37が形成されて、また、コーナー濾過本体20の下部には、連通管35を挿通案内する案内管38が設けられる。
【0035】
次に、本発明にかかる内部式濾過装置を水槽V内に組み付ける手順について説明する。
【0036】
(1) 一対の濾過本体ユニット1u,1uを接続してなる底面濾過本体1を水槽V内の底面上に設置し、各濾過本体ユニット1uの底面に取り付けた吸盤9を水槽V内の底面に吸着させる。これにより、底面濾過本体1は水槽Vの底面に固定され、その底面と底面濾過本体1間に底面濾過室4が形成される。
【0037】
(2) 底面濾過本体1の角部に設けられる複数の第1ジョイント12の一つを選択して、その第1ジョイント12に、連通管35下端の第2ジョイント36を嵌合接続する。これにより、底面濾過本体1上に連通管35が起立保持(図6参照)される。
【0038】
(3) コーナー濾過装置F2を、水槽V内に投入して、コーナー濾過本体20の下端の案内管38を、連通管35に一致させて下降させ、その連通管35を、案内管38を通して下段の吸水管33(l)に挿通してコーナー濾過本体20を、底面濾過本体1上に接続し、吸盤24を、水槽V内のコーナー部の壁面に吸着させて、コーナー濾過本体20を水槽Vの所定位置に保持する(図2参照)。このとき、下段の吸水管33(l)は、連通管35に抜き差し自在に挿通されるので、コーナー濾過本体20の上下位置を調整することができる。これにより、底面濾過装置F1とコーナー濾過装置F2は接続され、底面濾過室4が、第1および第2のジョイント12,36よりなる接続手段Jおよび連通管35を介して吸水管33(l),33(u)に連通されると共にコーナー濾過室30が吸水口37を介して吸込管33(l),33(u)に連通される。
【0039】
つぎに、この内部式濾過装置の作用について説明する。
【0040】
水中ポンプPを駆動すれば、吸水管33(u),33(l)内に吸水力が作用し、水槽V内の底面領域の未浄化水は、図2矢印a,bに示すように、底面濾材16→底面および側面吸込小孔10,11→底面濾過室4→接続手段J→連通管35→吸水管33(l),33(u)へと流れ(第1の流れ)て、底面濾材16により濾過されると共に図2矢印c,dに示すように、他の吸水孔25→未濾過室31→コーナー濾材22→コーナー濾過室30→吸水口37→吸水管33(l),33(u)へと流れ(第2の流れ)て濾過される。そして、前記2つの濾過水の流れ(第1および第2の流れ)は、吸水管33(l),33(u)内にて図2矢印eに示すように合流して水中ポンプPに吸引され、そこから散水管27へと圧送されて、複数の散水ノズル28より水槽V内に噴出される。
【0041】
以上のように、単一の水中ポンプPの駆動により、水槽V内の底面領域の未浄化水は、底面濾材16により、また水槽V内のコーナー領域の未浄化水はコーナー濾材22により濾過することができ、これにより、水槽V内の未浄化水を広範囲に亘り濾過することがきる。
【0042】
また、底面濾過本体1とコーナー濾過本体20は、それらを接続する接続手段Jにより、底面濾過室4とコーナー濾過室30とを連通することができ、構造の簡素化と、濾過能率の向上とを図ることができる。
【0043】
底面濾過室4とコーナー濾過室30は、底面濾過本体1と、コーナー濾過本体20とを接続する、第1、第2ジョイント12,36の連結するだけで相互に連通できるので、それら両濾過室4,30を連通する連通手段を別途に設ける必要がなく、部品点数を少なくして構造の簡素化を図ることができ、その上、両濾過室4,30の連通を確実のものとすることができる。
【0044】
さらに、水槽V内の未浄化水を、濾過態様の異なる、粗な濾材と密な濾材とで濾過できるので、未浄化水の浄化能率を高めることができる。
【0045】
さらに、底面濾過本体1と、コーナー濾過本体20とは、雄、雌ジョイント12,36を着脱自在に嵌合してして接続できるので、それらをワンタッチにて接続することができ、それらの接続操作、特に、水中内での接続操作が容易であり、また、それらの分離操作も容易である。
【0046】
さらに、第1のジョイント12は、四角状の底面濾過本体1の複数の角部にそれぞれ設けられるので、底面濾過本体1に対してコーナー濾過本体20の接続位置を複数箇所に選択することができ、水槽V内におけるコーナー濾過装置F2の配置の自由度を高めることができる。
【0047】
さらにまた、水槽V内の未浄化水は、底面濾過装置F1により濾過されたのち、コーナー濾過本体20を通って水槽V内に戻される第1の流れと、コーナー濾過装置F2により濾過され、コーナー濾過本体20を通って水槽V内に戻される第2の流れとに分流されるので、未浄化水の浄化能率を一層高めることができる。
【0048】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0049】
たとえば、前記実施例では、底面濾過本体は、一対の濾過本体ユニットを接続して構成されるが、これを単体の濾過本体ユニット、あるいは3個以上の濾過本体ユニットを接続して構成してもよい。また、前記実施例では、底面濾過本体に雄ジョイントを、連通管に雌ジョイントを設けているが、底面濾過本体に雌ジョイントを、連通管に雄ジョイントを設けてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1・・・・・・・・底面濾過本体
2・・・・・・・・上壁
4・・・・・・・・底面濾過室
10・・・・・・・吸込小孔(上面吸込小孔)
11・・・・・・・吸込小孔(側面吸込小孔)
14・・・・・・・吸出孔
16・・・・・・・底面濾材
20・・・・・・・コーナー濾過本体
22・・・・・・・コーナー濾材
25・・・・・・・他の吸込孔
27・・・・・・・散水管
33・・・・・・・吸水管
35・・・・・・・連通管
36・・・・・・・第2のジョイント
F1・・・・・・・底面濾過装置
F2・・・・・・・コーナー濾過装置
J・・・・・・・・接続手段
P・・・・・・・・ポンプ(水中ポンプ)
V・・・・・・・・水槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽(V)内の底面に設置される底面濾過本体(1)と、その底面濾過本体(1)の角部に接続手段(J)を介して着脱可能に接続されて、水槽(V)内のコーナー部に保持されるコーナー濾過本体(20)とを備え、
前記接続手段(J)は、前記底面濾過本体(1)の角部に設けられて該底面濾過本体(1)内の底面濾過室(4)に連通される第1のジョイン(12)と、前記コーナー濾過本体(20)内に設けた吸水管(33)内に抜差自在に挿通されて該コーナー濾過本体(20)内のコーナー濾過室(30)に連通される連通管(35)の下端に設けられる第2のジョイント(36)よりなり、前記第1、第2のジョイント(12,36)は着脱可能に接続されて前記底面濾過室(4)と前記コーナー濾過室(30)とが前記連通管(35)を介して相互に連通され、それらの濾過室(4,30)は共通のポンプ(P)により吸水力が作用するようにされ、底面濾過室(4)内には、その上壁に敷設される底面濾材(16)を通過した濾過水が、その壁面に穿設した吸込小孔(10,11)を通して吸引され、また、コーナー濾過室(30)内には、コーナー濾過本体(20)に穿設した他の吸込口(25)を通してその内部に収容したコーナー濾材(22)を通過した濾過水が吸引されるようにされ、底面およびコーナー濾材(16,22)を通過した濾過水は、前記吸水管(33)内に合流して、コーナー濾過本体(20)に接続した散水管(27)を通して外部に排水されるようにしたことを特徴とする、内部式濾過装置。
【請求項2】
前記底面濾過本体(1)と、その多数の吸込小孔(10)を穿設した上壁(2)に敷設される小石などの粗な濾材よりなる前記底面濾材(16)とにより底面濾過装置(F1)が構成され、また、前記コーナー濾過本体(20)と、その内部に収容されて、多孔質板などの密な濾材を構成する前記コーナー濾材(22)とよりコーナー濾過装置(F2)が構成され、底面濾過本体(1)の前記底面濾過室(4)と、コーナー濾過本体(20)の前記コーナー濾過室(30)は、前記第1、第2のジョイント(12,36)および前記連通管(35)を介して相互に連通されることを特徴とする、前記請求項1記載の内部式濾過装置。
【請求項3】
前記第1のジョイント(12)は、底面濾過本体(4)の角部に形成されて吸出口(14)を開口した雄ジョイントよりなり、また、前記第2のジョイント(36)は、前記連通管(35)の下端に形成されてそこに連通される雌ジョイントよりなり、前記雄、雌ジョイント(12,36)は、着脱自在に嵌合接続されることを特徴とする、前記請求項1または2記載の内部式濾過装置。
【請求項4】
前記第1のジョイント(12)は、四角状の底面濾過本体(4)の複数の角部にそれぞれ設けられることを特徴とする、前記請求項1、2または3記載の内部式濾過装置。
【請求項5】
前記水槽(V)内の未浄化水は、前記底面濾過装置(F1)により濾過されたのち、前記コーナー濾過本体(4)を通って水槽(V)内に戻される第1の流れと、前記コーナー濾過本体(20)に開口される他の吸込孔(25)を通り、コーナー濾過装置(F2)により濾過されて水槽(V)内に戻される第2の流れとに分流されることを特徴とする、前記請求項1、2、3または4記載の内部式濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−179033(P2012−179033A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46074(P2011−46074)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000193313)水作株式会社 (17)
【Fターム(参考)】