説明

内部抵抗検出回路、及び電池電源装置

【課題】二次電池の内部抵抗値の検出精度を向上することができる内部抵抗検出回路、及び電池電源装置を提供する。
【解決手段】内部抵抗検出回路は、二次電池Bの電流と電圧とに基づいて、二次電池Bの抵抗値を算出する個別抵抗算出部103と、二次電池Bの充電状態及び温度と、内部抵抗値とを対応付けて記憶する記憶部107と、二次電池Bの充電状態と温度とに対応して記憶部107に記憶されている内部抵抗値と、個別抵抗算出部103によって算出された抵抗値との比を倍率として算出する倍率算出部112と、二次電池BのSOCと温度と、に対応付けて記憶部107に記憶されている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、二次電池Bの内部抵抗値として取得する内部抵抗値取得部113とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の内部抵抗値を検出する内部抵抗検出回路、及びこれを用いる電池電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、二次電池を用いて負荷回路へ電力を供給する電池電源装置においては、負荷回路が必要とする出力電流量を確保する必要から、複数の二次電池を並列接続した電池ブロックが広く用いられている。
【0003】
また、二次電池の劣化の程度を判断するために、二次電池の内部抵抗を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、二次電池と直列に接続された電流センサと、二次電池の端子電圧を測定する電圧センサとを備え、電流センサで検出された電流値と、電圧センサで検出された電圧値とから、二次電池の内部抵抗を算出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−31170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、二次電池の内部抵抗値は、温度の影響を受けて変化するため、二次電池から検出された電流値と電圧値とから内部抵抗値を求めると、温度の影響によって内部抵抗値の検出精度が低下するという不都合があった。また、本発明の発明者らは、二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge)によっても、二次電池の内部抵抗値が変化することを見出した。
【0006】
本発明の目的は、二次電池の内部抵抗値の検出精度を向上することができる内部抵抗検出回路、及びこれを用いた電池電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る内部抵抗検出回路は、二次電池に流れる電流を検出する電流検出部と、前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、前記二次電池の充電状態を検出する充電状態検出部と、前記電流検出部により検出された電流と前記電圧検出部により検出された電圧とに基づいて、前記二次電池の抵抗値を算出する個別抵抗算出部と、前記二次電池の充電状態及び温度と、前記二次電池の内部抵抗値とを対応付けて予め記憶する記憶部と、前記個別抵抗算出部によって前記抵抗値が算出された前記二次電池の充電状態と温度とに対応して前記記憶部に記憶されている内部抵抗値と、前記個別抵抗算出部によって算出された抵抗値との比を倍率として算出する倍率算出部と、前記抵抗算出部によって前記抵抗値が算出された後に前記充電状態検出部によって検出された充電状態と前記温度検出部によって検出された温度と、に対応付けて前記記憶部に記憶されている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、前記二次電池の内部抵抗値として取得する内部抵抗値取得部とを備える。
【0008】
この構成によれば、二次電池に流れる電流と二次電池の電圧とから算出された抵抗値と、二次電池の充電状態と温度とに基づいて、二次電池の内部抵抗値が求められるので、二次電池の充電状態と温度の影響が反映されて内部抵抗値が求められることになる。その結果、二次電池の内部抵抗値の検出精度を向上することができる。
【0009】
また、前記記憶部は、前記二次電池が放電している状態における充電状態及び温度と前記二次電池の内部抵抗値とを対応付ける放電用情報と、前記二次電池が充電されている状態における充電状態及び温度と前記二次電池の内部抵抗値とを対応付ける充電用情報とを予め記憶し、前記倍率算出部は、前記二次電池が放電している期間に前記電流検出部により検出された電流及び前記電圧検出部により検出された電圧に基づいて、前記個別抵抗算出部による抵抗値の算出が行われたとき、前記倍率算出部は、前記倍率を放電倍率として算出し、前記二次電池が充電されている期間に前記電流検出部により検出された電流及び前記電圧検出部により検出された電圧に基づいて、前記個別抵抗算出部による抵抗値の算出が行われたとき、前記倍率算出部は、前記倍率を充電倍率として算出し、前記内部抵抗値取得部は、前記二次電池が放電している期間に前記二次電池の内部抵抗値を取得する場合、前記記憶部に記憶されている前記放電用情報によって前記充電状態と前記温度とに対応付けられている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、前記二次電池の内部抵抗値として取得し、前記二次電池が充電されている期間に前記二次電池の内部抵抗値を取得する場合、前記記憶部に記憶されている前記充電用情報によって前記充電状態と前記温度とに対応付けられている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、前記二次電池の内部抵抗値として取得することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、二次電池の充電状態と温度の影響に加えて、二次電池が放電中であるか充電中であるかによって生じる内部抵抗値の変化が反映されて内部抵抗値が求められることになる。その結果、二次電池の内部抵抗値の検出精度をさらに向上することができる。
【0011】
また、前記二次電池が複数、並列に接続されて電池モジュールが構成され、前記電流検出部は、前記電池モジュールに流れる電流である全体電流を検出し、前記電圧検出部は、前記電池モジュールの両端間の電圧である全体電圧を検出し、前記内部抵抗検出回路は、前記全体電流と前記全体電圧とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出する抵抗算出部と、少なくとも、前記複数の二次電池のうち前記電池モジュールに含まれる二次電池の数より一つ少ない数の二次電池に対して、直列に接続された一又は複数のスイッチング素子と、前記二次電池と前記スイッチング素子とが直列に接続されて構成された各直列回路間、又は、前記スイッチング素子が接続されない二次電池及び前記各直列回路間、のうちいずれか一方を並列に接続することによって、前記複数の二次電池と前記一又は複数のスイッチング素子とを含む前記電池モジュールを構成する接続部とをさらに備え、前記個別抵抗算出部は、前記スイッチング素子のオン、オフを所定の状態にさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち少なくとも一つの内部抵抗値を算出することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、電流検出部により検出された全体電流と電圧検出部によって検出された全体電圧とに基づいて、抵抗算出部によって、電池モジュールの抵抗値が算出される。また、個別抵抗算出部によって、スイッチング素子のオン、オフが所定の状態にされる。そうすると、電池モジュールの抵抗値には、スイッチング素子のオン、オフに応じて選択された二次電池の内部抵抗値が反映される。そこで、個別抵抗算出部は、スイッチング素子のオン、オフが所定の状態にされた状態において抵抗算出部によって算出された抵抗値に基づいて、複数の二次電池のうち少なくとも一つの内部抵抗値を算出することができる。この場合、二次電池の内部抵抗値を検出するために必要となる電流検出部の数は一つでよいから、電流検出部の数を並列接続された二次電池の数より少なくすることができる。
【0013】
また、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ、前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出し、前記個別抵抗算出部によって算出された前記複数の内部抵抗値と、前記全体電流とに基づいて、前記各二次電池を流れる電流を算出する個別電流算出部をさらに備えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、個別抵抗算出部は、スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させることによって、複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出する。電池モジュールに流れる全体電流は、各二次電池の内部抵抗値に応じて分流する。従って、個別電流算出部は、各二次電池の内部抵抗値と、電流検出部によって検出された全体電流とに基づいて、各二次電池を流れる電流を算出することができる。その結果、電流検出部を一つ設けるだけで、複数の二次電池に流れる各電流値を検出することができる。
【0015】
また、前記個別電流算出部は、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番(mは1〜nのうちいずれかの番号)の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、前記全体電流をIとし、下記の式(A)を用いてm番の二次電池に流れる電流の電流値I(m)を算出することが好ましい。
【0016】
【数1】

【0017】
この構成によれば、各二次電池の内部抵抗値と、電流検出部によって検出された全体電流とに基づいて、各二次電池を流れる電流を算出することができる。
【0018】
また、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出すると共に、前記複数の二次電池がすべて並列接続された状態の前記電池モジュールの抵抗値を全体抵抗値として算出し、前記個別抵抗算出部によって算出された、前記各内部抵抗値と前記全体抵抗値との比率と、前記全体電流とに基づいて、前記各二次電池に流れる電流の電流値を算出する個別電流算出部をさらに備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、個別抵抗算出部は、スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させることによって、複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出する。電池モジュールに流れる全体電流は、各二次電池の内部抵抗値と、複数の二次電池の並列回路である電池モジュールの全体抵抗値との比率に応じて各二次電池に分配される。従って、個別電流算出部は、各内部抵抗値と全体抵抗値との比率と、全体電流とに基づいて、各二次電池に流れる電流の電流値を算出することができる。その結果、電流検出部を一つ設けるだけで、複数の二次電池に流れる各電流値を検出することができる。
【0020】
また、前記個別電流算出部は、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、前記全体抵抗値をRtotalとし、前記全体電流をIとし、下記の式(B)を用いてm番の二次電池に流れる電流の電流値I(m)を算出することが好ましい。
【0021】
I(m)={Rtotal/r(m)}×I ・・・(B)
この構成によれば、個別電流算出部は、各内部抵抗値と全体抵抗値との比率である{Rtotal/r(m)}と、全体電流Iとに基づいて、各二次電池に流れる電流の電流値I(m)を算出することができる。
【0022】
また、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ、前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出し、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、内部抵抗値r(1)〜r(n)の比率がp(1):p(2):・・・:p(n)であり、m番目の二次電池が流すことができる電流の上限値がIlim(m)であるとき、前記全体電流の許容できる上限値である全体制限値Ilim_totalを、下記の式(C)を用いて算出する全体制限値算出部とをさらに備えてもよい。
【0023】
【数2】

【0024】
この構成によれば、式(C)を用いることによって、個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値r(1)〜r(n)と、一つの二次電池が流すことができる電流の上限値とに基づいて、全体制限値算出部は、全体電流の許容できる上限値である全体制限値Ilim_totalを算出することができる。
【0025】
また、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出すると共に、前記複数の二次電池がすべて並列接続された状態の前記電池モジュールの抵抗値を全体抵抗値として算出し、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、前記全体抵抗値をRtotalとし、Rtotalとr(m)との比率をPtotal:P(m)とし、m番目の二次電池が流すことができる電流の上限値がIlim(m)であるとき、前記全体電流の許容できる上限値である全体制限値Ilim_totalを、下記の式(D)を用いて算出する全体制限値算出部をさらに備えることが好ましい。
【0026】
【数3】

【0027】
この構成によれば、式(D)を用いることによって、個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値r(1)〜r(n)及び全体抵抗値をRtotalと、二次電池が流すことができる電流の上限値とに基づいて、全体制限値算出部は、全体電流の許容できる上限値である全体制限値Ilim_totalを算出することができる。
【0028】
また、前記個別抵抗算出部は、前記複数の二次電池のうち、内部抵抗値を検出しようとする検出対象の二次電池である対象二次電池に接続されたスイッチング素子のオン、オフ状態と、前記対象二次電池以外の二次電池に接続された一又は複数のスイッチング素子のオン、オフ状態とを互いに異ならせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出された抵抗値に基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出することが好ましい。
【0029】
この構成によれば、対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ他の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせるか、あるいは対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせ、かつ他の二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせるか、いずれかの設定状態において抵抗算出部によって算出された電池モジュールの抵抗値に基づいて、個別抵抗算出部は、対象二次電池の内部抵抗値を算出する。
【0030】
また、前記スイッチング素子は複数設けられ、前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を、前記対象二次電池の内部抵抗値として取得することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態においては、電池モジュールの抵抗値は対象二次電池の内部抵抗に等しい。従って、個別抵抗算出部は、対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態において抵抗算出部によって算出させた抵抗値を、対象二次電池の内部抵抗値として取得することによって、対象二次電池の内部抵抗値を求めることができる。
【0032】
また、前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を前記基本二次電池の内部抵抗値として取得し、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を部分抵抗値として取得し、前記基本二次電池の内部抵抗値と前記部分抵抗値とに基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出することが好ましい。
【0033】
この構成によれば、対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態において抵抗算出部によって算出された部分抵抗値は、対象二次電池の内部抵抗値と基本二次電池の内部抵抗値との合成抵抗値となる。従って、個別抵抗算出部は、基本二次電池の内部抵抗値と部分抵抗値とに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができる。さらにこの構成によれば、スイッチング素子の数を二次電池の数より少なくすることができる。
【0034】
また、前記個別抵抗算出部は、前記基本二次電池の内部抵抗値をre、前記部分抵抗値をRbとすると、下記の式(E)に基づき前記対象二次電池の内部抵抗値rを算出することが好ましい。
【0035】
r=(re×Rb)/(re−Rb) ・・・(E)
式(E)を用いることにより、個別抵抗算出部は、基本二次電池の内部抵抗値reと、部分抵抗値Rbとに基づき対象二次電池の内部抵抗値rを算出することができる。
【0036】
また、前記スイッチング素子は複数設けられ、前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を全体抵抗値として取得し、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を部分抵抗値として取得し、前記全体抵抗値と前記部分抵抗値とに基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出することが好ましい。
【0037】
この構成によれば、個別抵抗算出部は、内部抵抗を算出しようとする対象二次電池と接続されたスイッチング素子を一つだけオフさせ、他のスイッチング素子をオンさせることにより、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができるので、内部抵抗値を算出するために電池モジュールから切り離される二次電池の数を最小限にすることができる。その結果、電池モジュールを使用しながら対象二次電池の内部抵抗値を算出することが容易となる。
【0038】
また、前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオンさせた設定状態における前記全体電流と前記全体電圧とを用いて前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を全体抵抗値として取得し、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせた設定状態における前記全体電流と前記全体電圧とを用いて前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を部分抵抗値として取得し、前記全体抵抗値と前記部分抵抗値とに基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出することが好ましい。
【0039】
この構成によれば、対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせ、かつ対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせた設定状態において抵抗算出部によって算出された部分抵抗値は、対象二次電池以外の二次電池の合成抵抗値となる。一方、全体抵抗値は、すべての二次電池の合成抵抗値となっているから、全体抵抗値と部分抵抗値との差は、対象二次電池の内部抵抗値に起因して生じている。従って、個別抵抗算出部は、全体抵抗値と部分抵抗値とに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができる。さらにこの構成によれば、スイッチング素子の数を二次電池の数より少なくすることができる。
【0040】
また、前記個別抵抗算出部は、前記残余の二次電池を順次前記対象二次電池とすることによってすべての前記残余の二次電池の内部抵抗値rを算出し、前記すべての残余の二次電池の内部抵抗値rから、前記すべての残余の二次電池を並列接続して得られる合成抵抗値をRcとして算出し、前記全体抵抗値をRtotalとすると、下記の式(F)に基づき前記基本二次電池の内部抵抗値reを算出する。
【0041】
re=(Rc×Rtotal)/(Rc−Rtotal) ・・・(F)
この構成によれば、式(F)を用いることによって、個別抵抗算出部は、基本二次電池以外の二次電池の合成抵抗値Rcと、全体抵抗値をRtotalとに基づき基本二次電池の内部抵抗値reを算出することができる。
【0042】
また、前記個別抵抗算出部は、前記全体抵抗値をRtotal、前記部分抵抗値をRbとすると、下記の式(G)に基づき前記対象二次電池の内部抵抗値rを算出することが好ましい。
【0043】
r=(Rb×Rtotal)/(Rb−Rtotal) ・・・(G)
この構成によれば、式(G)を用いることにより、個別抵抗算出部は、全体抵抗値Rtotalと部分抵抗値Rbとに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値rを算出することができる。
【0044】
また、前記スイッチング素子は複数設けられ、前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、前記複数のスイッチング素子のうち1つをオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を、前記オンされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池の内部抵抗値として取得した後、オンされたスイッチング素子を除く残余のスイッチング素子を順次オンさせる設定状態とし、前記順次オンさせる都度、前記順次オンさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オンされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オンされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出するようにしてもよい。
【0045】
この構成によれば、第2部分抵抗値は、第1部分抵抗値を有する二次電池の並列回路に、対象二次電池が並列接続されて得られた合成抵抗値である。すなわち、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値との差は、対象二次電池の内部抵抗値に起因して生じたものであるから、個別抵抗算出部は、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値とに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができる。
【0046】
また、前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を前記基本二次電池の内部抵抗値として取得した後、前記スイッチング素子を順次オンさせる設定状態とし、前記順次オンさせる都度、前記順次オンさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オンされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オンされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出するようにしてもよい。
【0047】
この構成によれば、すべての前記スイッチング素子をオフさせた設定状態では、電池モジュールに接続されている二次電池は基本二次電池だけであるから、個別抵抗算出部は、すべてのスイッチング素子をオフさせた設定状態において抵抗算出部によって算出させた抵抗値を基本二次電池の内部抵抗値として取得することができる。さらに、第2部分抵抗値は、第1部分抵抗値を有する二次電池の並列回路に、対象二次電池が並列接続されて得られた合成抵抗値である。すなわち、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値との差は、対象二次電池の内部抵抗値に起因して生じたものであるから、個別抵抗算出部は、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値とに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができる。
【0048】
また、前記スイッチング素子は複数設けられ、前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、前記複数のスイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって抵抗値を算出させた後、前記複数のスイッチング素子を1つずつ順次オフさせる設定状態とし、前記順次オフさせる都度、前記順次オフされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オフさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オフされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出するようにしてもよい。
【0049】
この構成によれば、第2部分抵抗値は、第1部分抵抗値を有する二次電池の並列回路に、対象二次電池が並列接続されて得られた合成抵抗値である。すなわち、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値との差は、対象二次電池の内部抵抗値に起因して生じたものであるから、個別抵抗算出部は、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値とに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができる。
【0050】
また、前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって抵抗値を算出させた後、前記複数のスイッチング素子を1つずつ順次オフさせる設定状態とし、前記順次オフさせる都度、前記順次オフされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オフさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オフされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出するようにしてもよい。
【0051】
この構成によれば、第2部分抵抗値は、第1部分抵抗値を有する二次電池の並列回路に、対象二次電池が並列接続されて得られた合成抵抗値である。すなわち、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値との差は、対象二次電池の内部抵抗値に起因して生じたものであるから、個別抵抗算出部は、第1部分抵抗値と第2部分抵抗値とに基づいて、対象二次電池の内部抵抗値を算出することができる。
【0052】
また、前記個別抵抗算出部は、前記第1部分抵抗値がRs、前記第2部分抵抗値がRpであるとき、下記の式(H)に基づき前記対象二次電池の内部抵抗値rを算出することが好ましい。
【0053】
r=(Rs×Rp)/(Rs−Rp) ・・・(H)
この構成によれば、式(H)を用いることによって、個別抵抗算出部は、第1部分抵抗値Rsと第2部分抵抗値Rpに基づき対象二次電池の内部抵抗値rを算出することができる。
【0054】
また、前記抵抗算出部は、前記電流検出部と前記電圧検出部とによって、同期したタイミングで検出された前記全体電流と前記全体電圧との組を複数取得し、この複数の組から得られる回帰直線の傾きを前記電池モジュールの抵抗値として算出することが好ましい。
【0055】
この構成によれば、抵抗算出部は、電池モジュールを充放電させる使用状態にしたままの状態で、電池モジュールの抵抗値を算出することができる。
【0056】
また、前記電池モジュールから負荷への電流供給を制御する放電制御部をさらに備え、前記抵抗算出部は、前記放電制御部が前記電流供給量を変化させたとき、前記電流供給量の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出するようにしてもよい。
【0057】
この構成によれば、放電制御部が電流供給量を変化させるタイミングで、電池モジュールの抵抗値を算出することができる。従って、電池モジュールの抵抗値を算出する目的のためだけに、電池モジュールの放電量を変化させる必要がない。
【0058】
また、前記複数の二次電池における1つの二次電池が流すことができる電流の上限値が予め設定されており、前記電池モジュールから負荷への電流供給経路を開閉するスイッチング部と、前記スイッチング部と並列に接続され、電流を遮断する遮断状態と前記上限値を超えない範囲に流れる電流を制限する制限状態とに切り替え可能にされた電流制限部と、前記設定状態において前記電流制限部を前記遮断状態から前記制限状態に切り替えることによって前記負荷への電流供給を開始する放電制御部とをさらに備え、前記抵抗算出部は、前記放電制御部が前記電流供給を開始させたとき、前記電流供給量の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、前記放電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記スイッチング部により前記電流供給経路を閉じさせることが好ましい。
【0059】
この構成によれば、放電制御部が電池モジュールから負荷への電流供給を開始させるとき、まず電流制限部によって流れる電流が制限される制限状態で電池モジュールから負荷への電流供給が行われる。そうすると、電池モジュールから負荷へ流れる電流が、1つの二次電池が流すことができる電流の上限値を超えない範囲に制限される。そして、抵抗算出部は、スイッチング素子のオン、オフが所定の設定状態にされた状態で電流供給が開始されたことによる電流供給量の変化と同期して生じた全体電圧の変化量と全体電流の変化量とに基づいて、電池モジュールの抵抗値を算出する。この抵抗値を算出するとき、電池モジュールに接続された二次電池が1つになるような設定状態になる場合があるが、電池モジュールに流れる電流は上記上限値を超えないので、二次電池に流れる電流が上記上限値を超えることがない。その結果、二次電池を劣化させるおそれが低減される。
【0060】
また、前記複数の二次電池における1つの二次電池が流すことができる電流の上限値が予め設定されており、前記電池モジュールから負荷への電流供給経路を開閉するスイッチング部と、前記スイッチング部と並列に接続され、電流を遮断する遮断状態と、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数より1少ない数と前記上限値との乗算値を超えない範囲に流れる電流を制限する制限状態とに切り替え可能にされた電流制限部と、前記設定状態において前記電流制限部を前記遮断状態から前記制限状態に切り替えることによって前記負荷への電流供給を開始する放電制御部とをさらに備え、前記抵抗算出部は、前記放電制御部が前記電流供給を開始させたとき、前記電流供給量の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、前記放電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記スイッチング部により前記電流供給経路を閉じさせるようにしてもよい。
【0061】
この構成によれば、放電制御部が電池モジュールから負荷への電流供給を開始させるとき、まず電流制限部によって流れる電流が制限される制限状態で電池モジュールから負荷への電流供給が行われる。そうすると、電池モジュールから負荷へ流れる電流が、1つの二次電池が流すことができる電流の上限値と、電池モジュールに含まれる二次電池の数より1少ない数との乗算値を超えない範囲に制限される。そして、抵抗算出部は、スイッチング素子のオン、オフが所定の設定状態にされた状態で電流供給が開始されたことによる電流供給量の変化と同期して生じた全体電圧の変化量と全体電流の変化量とに基づいて、電池モジュールの抵抗値を算出する。この抵抗値を算出するとき、スイッチング素子により電池モジュールから二次電池が1つ切り離された設定状態になる場合があるが、電池モジュールに流れる電流は上記乗算値を超えないので、各二次電池に流れる電流が上記上限値を超えるおそれが低減される。その結果、二次電池を劣化させるおそれが低減される。
【0062】
また、前記複数の二次電池における1つの二次電池の充電電流の上限値である充電上限値が予め設定されており、前記電池モジュールを充電する充電電流を制御する充電制御部をさらに備え、前記充電制御部は、前記設定状態において、前記充電上限値を超えない範囲で前記充電電流を変化させ、前記抵抗算出部は、前記設定状態における前記充電電流の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、前記充電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記充電電流を前記上限値を超えて増大させるようにしてもよい。
【0063】
この構成によれば、充電制御部は、スイッチング素子のオン、オフが所定の設定状態にされた状態で、充電上限値を超えない範囲で電池モジュールの充電電流を変化させる。そして、抵抗算出部は、充電電流の変化と同期して生じた全体電圧の変化量と全体電流の変化量とに基づいて、電池モジュールの抵抗値を算出する。この抵抗値を算出するとき、電池モジュールに接続された二次電池が1つになるような設定状態になる場合があるが、電池モジュールに流れる電流は上記充電上限値を超えないので、二次電池に充電される電流が上記充電上限値を超えることがない。その結果、二次電池を劣化させるおそれが低減される。
【0064】
また、前記複数の二次電池における1つの二次電池の充電電流の上限値である充電上限値が予め設定されており、前記電池モジュールを充電する充電電流を制御する充電制御部をさらに備え、前記充電制御部は、前記設定状態において、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数より1少ない数と前記充電上限値との乗算値を超えない範囲で前記充電電流を変化させ、前記抵抗算出部は、前記設定状態における前記充電電流の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、前記充電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記充電電流を増大させるようにしてもよい。
【0065】
この構成によれば、充電制御部は、スイッチング素子のオン、オフが所定の設定状態にされた状態で、電池モジュールに含まれる二次電池の数より1少ない数と充電上限値との乗算値を超えない範囲で電池モジュールの充電電流を変化させる。そして、抵抗算出部は、充電電流の変化と同期して生じた全体電圧の変化量と全体電流の変化量とに基づいて、電池モジュールの抵抗値を算出する。この抵抗値を算出するとき、スイッチング素子により電池モジュールから二次電池が1つ切り離された設定状態になる場合があるが、電池モジュールに流れる充電電流は上記乗算値を超えないので、二次電池に充電される電流が上記充電上限値を超えることがない。その結果、二次電池を劣化させるおそれが低減される。
【0066】
また、本発明に係る電池電源装置は、上述の内部抵抗検出回路と、二次電池とを備える。
【0067】
この構成によれば、内部抵抗検出回路を備えた電池電源装置において、二次電池の内部抵抗値を検出するために必要となる電流検出部の数を、並列接続された二次電池の数より少なくすることができる
【発明の効果】
【0068】
このような構成の内部抵抗検出回路、及びこれを用いた電池電源装置は、二次電池の内部抵抗値の検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1施形態に係る内部抵抗検出回路、及びこれを備える電池電源装置を含む電池電源システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】スイッチング素子43がオンされたタイミングTon前後の全体電流Iと全体電圧Vの変化の一例を示す説明図である。
【図10】充電パルスの出力を3回繰り返した場合の全体電流Iと全体電圧Vの変化を説明するための説明図である。
【図11】抵抗算出部による内部抵抗値r(m)の算出方法の一例を説明するための説明図である。
【図12】図3に示す動作の変形例を示すフローチャートである。
【図13】図3に示す動作の変形例を示すフローチャートである。
【図14】図4に示す動作の変形例を示すフローチャートである。
【図15】図5に示す動作の変形例を示すフローチャートである。
【図16】図5に示す動作の変形例を示すフローチャートである。
【図17】図5に示す動作の変形例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態に係る電池電源システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図19】図18に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図20】図18に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図21】図18に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図22】図18に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図23】図18に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図24】図18に示す電池電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図25】(a)は放電用ルックアップテーブルの一例を示し、(b)は充電用ルックアップテーブルの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
【0071】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1施形態に係る内部抵抗検出回路、及びこれを備える電池電源装置を含む電池電源システムの一例を示すブロック図である。
【0072】
図1に示す電池電源システム3は、電池電源装置1と、外部装置2とが組み合わされて構成されている。図1に示す電池電源装置1は、電池モジュール5、電流検出部6、電圧検出部7,Z1〜Zn、温度センサX1〜Xn(温度検出部の一例)、制御部10、スイッチング部41、電流制限部42、通信部11、及び接続端子15,16,17を備えている。
【0073】
電池モジュール5は、n個の二次電池B1〜Bnと、n個のスイッチング素子SW1〜SWnと、配線52,53(接続部の一例)を備えている。二次電池B1〜Bn及びスイッチング素子SW1〜SWnには、それぞれ1〜nの番号が付与されている。以下、二次電池B1〜Bnを総称して二次電池Bと称し、スイッチング素子SW1〜SWnを総称してスイッチング素子SWと称する。
【0074】
スイッチング素子SW1〜SWnの一端は、二次電池B1〜Bnの一端(例えば正極)に接続されている。スイッチング素子SW1〜SWnの他端は配線52によって、互いに接続されている。二次電池B1〜Bnの他端(例えば負極)は配線53によって、互いに接続されている。これにより、二次電池Bとスイッチング素子SWとから構成された複数の直列回路が、配線52,53によって並列接続されて、電池モジュール5が構成されている。
【0075】
そして、電池電源装置1から二次電池B1〜Bnを除いた部分が内部抵抗検出回路4の一例となっている。
【0076】
なお、電池電源装置1は、複数の二次電池B1〜Bnが並列接続された電池モジュール5を備える例を示したが、電池電源装置1は、二次電池Bを1つだけ備え、スイッチング素子SWを備えない構成であってもよい。
【0077】
配線52は、電流検出部6及びスイッチング部41を介して接続端子15と接続されている。配線53は、接続端子16と接続されている。
【0078】
スイッチング素子SWとしては、例えばFET(Field Effect Transistor)等の半導体スイッチング素子や、リレースイッチ等、種々のスイッチング素子を用いることができる。
【0079】
二次電池Bは、例えば、単電池(セル)51が複数直列接続された組電池として構成されている。なお、二次電池Bは、単電池が複数直列接続されたものに限られず、1つの単電池がそのまま二次電池Bとして用いられてもよい。また、二次電池Bは、単電池が複数並列接続されたものであってもよい。あるいは二次電池Bは、直列接続と並列接続とが組み合わされた接続方法によって、複数の単電池が組み合わされて構成された組電池であってもよい。
【0080】
単電池51としては、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池やニッケル水素二次電池等の水溶液系二次電池など、種々の二次電池を用いることができる。
【0081】
二次電池B1〜Bnが放電可能な電流の上限値が、それぞれ予め設定されて、例えば記憶部107に記憶されている。以下、番号m(mは1〜nのうちいずれかの番号)の二次電池が放電可能な電流の上限値を、電流上限値Ilim(m)と表記する。なお、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)は、互いに同一の値であってもよく、その場合、二次電池B1〜Bnの電流上限値は、Ilimとされていてもよい。
【0082】
また、1つの二次電池Bを充電可能な充電電流の上限値が、充電上限値Iclimとして予め設定されて、例えば記憶部107に記憶されている。
【0083】
電流検出部6は、例えばシャント抵抗やアナログデジタルコンバータ等を用いて構成されている。電流検出部6は、電池モジュール5に流れる電流を全体電流Iとして検出する。具体的には、電流検出部6は、例えば電池モジュール5の充電電流をプラスの電流値で、放電電流をマイナスの電流値で表す信号を、全体電流Iを表す信号として制御部10へ出力する。
【0084】
電圧検出部7は、例えばアナログデジタルコンバータ等を用いて構成されている。そして、電圧検出部7は、配線52と配線53との間の電圧、すなわち電池モジュール5の両端間の電圧である全体電圧Vを検出し、全体電圧Vを表す信号を制御部10へ出力する。
【0085】
電圧検出部Z1〜Znは、例えばアナログデジタルコンバータ等を用いて構成されている。そして、電圧検出部Z1〜Znは、二次電池B1〜Bnとそれぞれ並列に接続されて、二次電池B1〜Bnの端子電圧V(1)〜V(n)を検出する。例えば、スイッチング素子SWmをオフすると、電圧検出部Zmによって検出される端子電圧V(m)は、二次電池Bmの開路電圧(OCV:Open circuit voltage)を表すことになる。以下、電圧検出部Z1〜Znを総称して電圧検出部Zと称する。
【0086】
なお、必ずしも電圧検出部7を備える必要はない。例えば、電圧検出部7を備えず、オンしているスイッチング素子SWと接続された電圧検出部Zのうち、いずれか1つによって検出された端子電圧を、全体電圧Vとして用いるようにしてもよい。
【0087】
また、電圧検出部Zは、必ずしも全体電圧Vを一括して検出するものに限られない。例えば、電圧検出部Zを、直列接続された単電池51の端子電圧をそれぞれ検出する複数の電圧検出部によって構成し、各単電池51の端子電圧を合計して端子電圧V(1)〜V(n)を検出するようにしてもよい。あるいは、二次電池Bを、いくつかの単電池51が直列に接続された複数の直列回路に分割し、各直列回路の端子電圧をそれぞれ検出する複数の電圧検出部によって電圧検出部Zを構成し、各直列回路の端子電圧を合計して端子電圧V(1)〜V(n)を検出するようにしてもよい。
【0088】
以下、電流検出部6、電圧検出部7,Zは、全体電流I、全体電圧V、及び端子電圧V(1)〜V(n)を常時最新の値に更新しているものとする。すなわち、以下の説明において、全体電流I、全体電圧V、及び端子電圧V(1)〜V(n)は、リアルタイムに更新された最新の値を示している。
【0089】
温度センサX1〜Xnは、例えばサーミスタや熱電対等の感熱素子を用いて構成されている。温度センサX1〜Xnは、例えば二次電池B1〜Bnとそれぞれ密着して、あるいは二次電池B1〜Bnの近傍にそれぞれ配設されている。そして、温度センサX1〜Xnは、二次電池B1〜Bnの温度T1〜Tnを検出し、温度T1〜Tnを示す信号を制御部10へ出力する。なお、温度センサは、必ずしも複数設けられている必要はなく、例えば、電池モジュール5全体の温度Tを検出する温度センサが1つ設けられる構成であってもよい。以下、温度センサX1〜Xnを総称して温度センサXと称する。
【0090】
スイッチング部41としては、例えばFET等の半導体スイッチング素子や、リレースイッチ等、種々のスイッチング素子を用いることができる。
【0091】
電流制限部42は、スイッチング部41と並列に接続されている。電流制限部42は、例えば、スイッチング素子43と抵抗44とが直列に接続されて構成されている。抵抗44は、スイッチング素子43がオンされたときに電池モジュール5から外部装置2へ流れる突入電流を、Ilim(1)〜Ilim(n)のうちの最小値である電流上限値Ilim_min以下に制限する抵抗値にされている。スイッチング素子43がオフされた状態が電流制限部42の遮断状態に相当し、スイッチング素子43がオンされた状態が電流制限部42の制限状態に相当している。
【0092】
制御部10は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)によって構成された記憶部107と、その周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部10は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、放電制御部101、充電制御部102、SOC検出部111、個別抵抗算出部103、抵抗算出部104、倍率算出部112、内部抵抗値取得部113、個別電流算出部105、及び全体制限値算出部106として機能する。
【0093】
記憶部107には、上述の電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)及び充電上限値Iclimの他、二次電池Bの開路電圧とSOCとを対応付けるSOC算出用ルックアップテーブルと、図25(a)に示す放電用ルックアップテーブルLUT1と、図25(b)に示す充電用ルックアップテーブルLUT2とが予め記憶されている。放電用ルックアップテーブルLUT1は放電用情報の一例に相当し、充電用ルックアップテーブルLUT2は充電用情報の一例に相当している。
【0094】
放電用ルックアップテーブルLUT1は、二次電池Bが放電している状態における充電状態及び温度Tと、二次電池Bの内部抵抗値rtとを対応付ける情報である。充電用ルックアップテーブルLUT2は、二次電池Bが放電している状態における充電状態及び温度Tと、二次電池Bの内部抵抗値rtとを対応付ける情報である。
【0095】
以下、二次電池の充電状態をSOC(State Of Charge)と称する。SOCは、二次電池の満充電容量に対する、その二次電池に充電されている充電電気量の割合を、例えば%(百分率)で表したものである。
【0096】
放電用ルックアップテーブルLUT1は、例えば劣化していない新品(初期状態)の二次電池Bを放電させながら、温度TとSOCとを変化させたときの内部抵抗値を測定することによって、実験的に得ることができる。充電用ルックアップテーブルLUT2は、例えば劣化していない新品(初期状態)の二次電池Bを充電しながら、温度TとSOCとを変化させたときの内部抵抗値を測定することによって、実験的に得ることができる。
【0097】
なお、記憶部107は、必ずしも放電用ルックアップテーブルLUT1と充電用ルックアップテーブルLUT2とを記憶している必要はない。放電時と充電時とで共用で用いられるルックアップテーブルLUTを、1つだけ記憶部107に記憶する構成であってもよい。
【0098】
図1に示す外部装置2は、例えば、充放電制御部21、発電装置22、負荷装置23、通信部24、及び接続端子25,26,27を備えている。そして、接続端子25,26が、充放電制御部21と接続され、接続端子27が、通信部24を介して充放電制御部21と接続されている。また、発電装置22と負荷装置23とは、充放電制御部21と接続されている。外部装置2は、電池電源装置1の負荷となっている。
【0099】
そして、電池電源装置1と、外部装置2とが組み合わされると、接続端子15,16,17と接続端子25,26,27とがそれぞれ接続されるようになっている。
【0100】
通信部11,24は、通信インターフェイス回路であり、接続端子17,27が接続されることで、通信部11,24間で、データ送受信が可能とされる。制御部10と、充放電制御部21とは、通信部11,24を介することで、互いにデータ送受信可能とされている。
【0101】
発電装置22は、例えば太陽光発電装置(太陽電池)や、例えば風力や水力といった自然エネルギーやエンジン等の人工的な動力によって駆動される発電機等である。なお、充放電制御部21は、発電装置22の代わりに例えば商用電源に接続されていてもよい。
【0102】
負荷装置23は、電池電源装置1から供給される電力により駆動される各種の負荷であり、例えばモータやバックアップ対象の負荷機器であってもよい。
【0103】
充放電制御部21は、発電装置22からの余剰電力や負荷装置23で発生する回生電力を電池モジュール5に充電する。また、充放電制御部21は、負荷装置23の消費電流が急激に増大したり、あるいは発電装置22の発電量が低下して負荷装置23の要求する電力が発電装置22の出力を超えたりすると、電池モジュール5から不足の電力を負荷装置23へ供給する。
【0104】
また、充放電制御部21は、充電制御部102から、通信部11,24を介して充電電流の指示信号が送信された場合には、当該指示信号に応じた充電電流を、接続端子25,26を介して電池モジュール5に流す。また、充放電制御部21は、例えば図略の起動スイッチやイグニッションキー等の起動受付部によって、ユーザによる電池電源システム3の起動指示が受け付けられた場合、電池電源装置1の起動指示信号を通信部24,11を介して個別抵抗算出部103へ送信する。
【0105】
また、充放電制御部21は、全体制限値算出部106から全体制限値Ilim_totalが送信されると、電池モジュール5を充電する際の電流値を、全体制限値Ilim_total以下に制限する。
【0106】
放電制御部101は、電池電源装置1が停止(待機)しているときは、スイッチング部41とスイッチング素子43とをオフさせることで、電池モジュール5の充放電経路を遮断する。また、放電制御部101は、充放電制御部21からの起動指示信号に応じて個別抵抗算出部103がスイッチング素子SW1〜SWnのオン、オフを所定の設定状態にした後、スイッチング素子43をオンさせることによって、電池モジュール5から外部装置2への電流供給を開始する。ここで、設定状態は、例えばスイッチング素子SW1〜SWnのうち1つだけをオンした状態である。
【0107】
外部装置2は、電池電源装置1から見て容量性の負荷であることが少なくない。外部装置2が容量性の負荷となっていると、電池モジュール5から外部装置2への電流供給を開始した直後、外部装置2の容量を充電する突入電流が流れる。しかしながら、突入電流は、抵抗44によって、電流上限値Ilim_minよりも小さな値に制限されるので、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)を超える電流が二次電池B1〜Bnに流れることが防止される。
【0108】
また、放電制御部101は、個別抵抗算出部103によってスイッチング素子SW1〜SWnがオンされ、設定状態が解除された後にスイッチング部41をオンさせる。
【0109】
充電制御部102は、電池モジュール5を充電する必要が生じた場合、充放電制御部21へ、充電電流の供給を要求する指示信号を出力する。充電制御部102は、例えば、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vが、電池モジュール5の放電を禁止すべき低い電圧として予め設定された放電終止電圧Vendを下回った場合、電池モジュール5を充電する必要があると判断し、充放電制御部21へ、充電電流の供給を要求する。
【0110】
SOC検出部111は、二次電池B1〜BnのSOCであるSOC1〜SOCnを検出する。例えば、SOC検出部111は、個別抵抗算出部103によって、スイッチング素子SWmがオフされたとき、電圧検出部Zmによって検出された端子電圧V(m)を二次電池Bmの開路電圧として取得する。そして、SOC検出部111は、SOC算出用ルックアップテーブルによって、このようにして得られた開路電圧と対応付けられているSOCを、SOCmとして取得することによって、順次、SOC1〜SOCnを検出することができる。
【0111】
なお、SOC検出部111は、二次電池B1〜Bnに流れる電流値I(1)〜I(n)をそれぞれ積算し、二次電池Bの満充電容量に対するその積算値の割合を求めることによってSOC1〜SOCnを算出してもよく、その他種々の方法によって、SOC1〜SOCnを求めることができる。SOC検出部111は、SOC1〜SOCnを常時最新の値に更新しているものとする。すなわち、以下の説明においてSOC1〜SOCnは、SOC検出部111によって更新された最新の値を示している。
【0112】
個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SW1〜SWnのオン、オフを所定の状態(組み合わせ)にさせた設定状態において、抵抗算出部104によって、その設定状態に対応する二次電池の内部抵抗値を算出させる。そして、個別抵抗算出部103は、設定状態を順次変化させつつ、抵抗算出部104によって、その変化した設定状態に対応する二次電池の内部抵抗値を順次算出させる。個別抵抗算出部103は、このようにして、二次電池B1〜Bnの内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出する。
【0113】
以下、番号mの二次電池Bに対応する設定状態を設定状態mと称する。例えば、設定状態mは、スイッチング素子SWmをオンさせ、スイッチング素子SWm以外のスイッチング素子SWをオフさせた状態である。
【0114】
例えば、設定状態1は、スイッチング素子SW1をオンさせ、スイッチング素子SW2〜SWnをオフさせた状態である。設定状態nは、スイッチング素子SW1〜SW(n−1)をオフさせ、スイッチング素子SWnをオンさせた状態である。
【0115】
なお、個別抵抗算出部103は、二次電池B1〜Bnの内部抵抗値r(1)〜r(n)を必ずしもすべて算出する必要はなく、内部抵抗値を算出しようとする任意の対象二次電池の内部抵抗値を算出すればよい。
【0116】
また、個別抵抗算出部103は、例えばスイッチング素子SW1〜SWnをすべてオンさせた設定状態、すなわち二次電池B1〜Bnがすべて並列接続された状態での電池モジュール5の抵抗値を抵抗算出部104によって算出させる。そして個別抵抗算出部103は、このようにして得られた抵抗値を全体抵抗値Rtotalとして取得する。
【0117】
なお、個別抵抗算出部103は、例えば内部抵抗値r(1)〜r(n)から、下記の式(1)に基づき合成抵抗である全体抵抗値Rtotalを算出してもよい。
【0118】
total=1/{(1/r(1))+(1/r(2))+・・・+(1/r(n))} ・・・(1)
なお、個別抵抗算出部103は、必ずしも全体抵抗値Rtotalを算出しなくてもよい。
【0119】
抵抗算出部104は、電流検出部6によって検出された全体電流Iと、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vとに基づいて、個別抵抗算出部103によって所定の設定状態にされた電池モジュール5の抵抗値を算出する。
【0120】
個別電流算出部105は、内部抵抗値r(1)〜r(n)と、電流検出部6によって検出された全体電流Iとに基づいて、二次電池B1〜Bnに流れる電流の電流値I(1)〜I(n)を算出する。
【0121】
なお、個別電流算出部105は、内部抵抗値r(1)〜r(n)と全体抵抗値Rtotalとに基づいて、二次電池B1〜Bnに流れる電流の電流値I(1)〜I(n)を算出してもよい。
【0122】
倍率算出部112は、二次電池Bmが放電している期間に電流検出部6により検出された全体電流Iと電圧検出部7により検出された全体電圧Vとに基づいて個別抵抗算出部103による抵抗値の算出が行われたとき、放電用ルックアップテーブルLUT1によってそのときの二次電池BのSOCと温度Tとに対応付けられている内部抵抗値rtと、個別抵抗算出部103によって算出された内部抵抗値r(m)との比を放電倍率Gd(m)として算出する。すなわち、倍率算出部112は、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)を算出する。
【0123】
また、倍率算出部112は、二次電池Bmが充電されている期間に電流検出部6により検出された全体電流Iと電圧検出部7により検出された全体電圧Vとに基づいて個別抵抗算出部103による抵抗値の算出が行われたとき、充電用ルックアップテーブルLUT2によってそのときの二次電池BのSOCと温度Tとに対応付けられている内部抵抗値rtと、個別抵抗算出部103によって算出された内部抵抗値r(m)との比を充電倍率Gc(m)として算出する。すなわち、倍率算出部112は、充電倍率Gc(1)〜Gc(n)を算出する。
【0124】
以下、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)を総称して放電倍率Gdと称し、充電倍率Gc(1)〜Gc(n)を総称して充電倍率Gcと称する。
【0125】
なお、倍率算出部112は、必ずしも放電倍率Gd(m)と充電倍率Gc(m)とを算出する必要はない。倍率算出部112は、例えば、二次電池Bmの充放電とは無関係に、全体電流Iと全体電圧Vとに基づいて個別抵抗算出部103による抵抗値の算出が行われたとき、ルックアップテーブルLUTによってそのときの二次電池BmのSOCと温度Tとに対応付けられている内部抵抗値rtと、個別抵抗算出部103によって算出された内部抵抗値r(m)との比を倍率G(m)として算出するようにしてもよい。
【0126】
内部抵抗値取得部113は、二次電池Bmが放電している期間に二次電池Bmの内部抵抗値を取得する場合、放電用ルックアップテーブルLUT1によって、SOCmと温度Tmとに対応付けられている内部抵抗値rtに、放電倍率Gd(m)を乗算することにより得られた乗算値を、内部抵抗値r(m)として取得する。
【0127】
また、内部抵抗値取得部113は、二次電池Bmが充電されている期間に二次電池Bmの内部抵抗値を取得する場合、充電用ルックアップテーブルLUT2によって、SOCmと温度Tmとに対応付けられている内部抵抗値rtに、充電倍率Gc(m)を乗算することにより得られた乗算値を、内部抵抗値r(m)として取得する。
【0128】
これにより、内部抵抗値取得部113は、内部抵抗値r(1)〜r(n)を取得する。また、内部抵抗値取得部113は、内部抵抗値r(1)〜r(n)から、上述の式(1)を用いて全体抵抗値Rtotalを算出してもよい。
【0129】
なお、内部抵抗値取得部113は、二次電池Bmの充放電にかかわらず、ルックアップテーブルLUTによって、SOCmと温度Tmとに対応付けられている内部抵抗値rtに、倍率G(m)を乗算することにより得られた乗算値を、内部抵抗値r(m)として取得するようにしてもよい。
【0130】
全体制限値算出部106は、内部抵抗値取得部113によって取得された内部抵抗値r(1)〜r(n)の比率を、p(1):p(2):・・・:p(n)として表し、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)と比率p(1)〜p(n)とに基づき、電池モジュール5に流れる全体電流Iを制限するべき上限値として全体制限値Ilim_totalを算出する。そして、全体制限値算出部106は、全体制限値Ilim_totalを充放電制御部21へ送信する。
【0131】
なお、全体制限値算出部106は、内部抵抗値r(1)〜r(n)をそのまま比率p(1)〜p(n)として用いてもよい。すなわち、p(1)=r(1)、p(2)=r(2)、・・・、p(n)=r(n)としてもよい。
【0132】
次に、このように構成された電池電源システム3の動作について説明する。図2〜図8は、図1に示す電池電源装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートにおいて、同一の動作には同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。まず、放電制御部101は、初期状態においてスイッチング部41及びスイッチング素子43をオフさせている(ステップS1)。これにより、電池モジュール5は、充放電されない状態にされている。
【0133】
次に、放電制御部101は、充放電制御部21からの起動指示信号が受信されたか否かを確認する(ステップS2)。そして、起動指示信号が受信されていれば(ステップS2でYES)、二次電池Bの内部抵抗値を算出するべく図3のステップS101へ移行する。
【0134】
ステップS101において、個別抵抗算出部103は、記憶部107から、前回内部抵抗値が算出された二次電池Bの番号mpを読み出す(ステップS101)。記憶部107には、既に内部抵抗値が算出された二次電池Bの番号のうち、最も大きな番号が記憶されている。なお、まだ一つも内部抵抗値が算出されていない場合には、記憶部107には、番号mpとして0が記憶されている。記憶部107に番号mpを記憶させる処理については後述する。
【0135】
次に、個別抵抗算出部103は、内部抵抗値を算出しようとする対象二次電池の番号mを、m=mp+1として算出する(ステップS102)。以下、二次電池Bmの内部抵抗値r(m)の算出が実行される。
【0136】
次に、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオンさせ、スイッチング素子SWm以外のスイッチング素子SWをすべてオフさせる、すなわちスイッチング素子SWmのみをオンさせることによって、設定状態mとする(ステップS103)。
【0137】
次に、抵抗算出部104は、電流検出部6によって検出された全体電流Iの値を電流値I1として取得し、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vの値を電圧値V1として取得する(ステップS104)。
【0138】
次に、放電制御部101は、スイッチング素子43をオンすることにより、電池モジュール5から外部装置2への放電を開始させる(ステップS105)。そうすると、電池モジュール5からの放電電流である全体電流Iが増加する。このとき、電池モジュール5から放電される全体電流Iは、抵抗44によって、電流上限値Ilim_min以下に制限されるので、二次電池Bmの放電電流は、電流上限値Ilim(m)を超えない。これにより、二次電池Bmに過電流が流れることが防止される結果、二次電池Bmが劣化するおそれが低減される。
【0139】
次に、抵抗算出部104は、電流検出部6によって検出された全体電流Iの値を電流値I2として取得し、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vの値を電圧値V2として取得する(ステップS106)。そして、抵抗算出部104は、電流値I1,I2の差を全体電流Iの変化量dIとして算出し、電圧値V1,V2の差を全体電圧Vの変化量dVとして算出する(ステップS107)。
【0140】
ここで、変化量dI及び変化量dVは、スイッチング素子43がオンされたことによる放電電流の変化と同期して生じたものである。図9は、スイッチング素子43がオンされたタイミングTon前後の全体電流Iと全体電圧Vの変化の一例を示す説明図である。図9に示すように、タイミングTonにおいてスイッチング素子43がオンされると、突入電流が流れて全体電流Iが急激に増加する。このとき、二次電池Bmの内部抵抗による電圧降下が生じて全体電圧Vが低下する。
【0141】
そこで、ステップS104〜S106に示すように、スイッチング素子43がオンされる直前直後の全体電流Iと全体電圧Vとを検出することによって、変化量dI及び変化量dVを取得することができる。なお、例えば、スイッチング素子43をオンする前後の全体電流Iと全体電圧Vとを監視しておき、全体電流I及び全体電圧Vの変化のピーク時における変化量を、変化量dI及び変化量dVとして取得するようにしてもよい。
【0142】
次に、抵抗算出部104は、変化量dVを変化量dIによって除算した商を、電池モジュール5の抵抗値Rmodとして算出する(ステップS108)。
【0143】
ここで、電池モジュール5に含まれるスイッチング素子SW1〜SWnのうち、オンしているのは二次電池Bmに対応するスイッチング素子SWmのみであるから、抵抗値Rmodは内部抵抗値r(m)と等しい。そこで、抵抗算出部104は、抵抗値Rmodを内部抵抗値r(m)として取得する(ステップS109)。以上のようにして抵抗算出部104は、内部抵抗値r(m)を算出する。
【0144】
そして、個別抵抗算出部103は、番号mと二次電池Bの個数nとを比較し(ステップS110)、mがnに満たなければ(ステップS110でNO)まだすべての二次電池Bの内部抵抗値が算出されていないから、個別抵抗算出部103は、次の機会に残りの二次電池Bの内部抵抗値算出を継続できるように、番号mをmpとして(ステップS111)記憶部107に記憶させる(ステップS113)。
【0145】
一方、mがnと等しければ(ステップS110でYES)、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出されたことになるから、個別抵抗算出部103は、次の機会からは再び内部抵抗値r(1)から順に内部抵抗値を更新するように、番号mpをゼロにして(ステップS112)記憶部107に記憶させる(ステップS113)。
【0146】
次に、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SW1〜SWnをオンさせる(ステップS114)。これにより、電池モジュール5は、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)の合計まで、放電電流を流すことが可能となる。その結果、全体電流Iを電流上限値Ilim以下に制限する必要が無くなるので、放電制御部101は、スイッチング部41をオンする(ステップS115)。
【0147】
次に、図6のステップS411において、倍率算出部112は、記憶部107を参照し、放電用ルックアップテーブルLUT1によってSOCmと温度Tmとに対応付けられている内部抵抗値rtを取得する(ステップS411)。そして、倍率算出部112は、個別電流算出部105によって算出された内部抵抗値r(m)を、内部抵抗値rtによって除算して得られた商を放電倍率Gd(m)として算出し(ステップS412)、図2のステップS5へ移行する。
【0148】
ここで、内部抵抗値r(m)は、ステップS105においてスイッチング素子43がオンされることによって二次電池Bmが放電している期間に電流検出部6により検出された全体電流Iと電圧検出部7により検出された全体電圧Vとに基づいて個別電流算出部105(及び抵抗算出部104)によって算出された抵抗値である。
【0149】
具体的には、ステップS411において、例えば、SOCm=60(%)、Tm=40℃のとき、放電用ルックアップテーブルLUT1から、rt=9.765(mΩ)が得られる。このとき、内部抵抗値r(m)=19.53(mΩ)であったとすると、Gd(m)=19.53/9.765=2となる。
【0150】
次に、ステップS5において、倍率算出部112によって、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)及び充電倍率Gc(1)〜Gc(n)の算出が終了したか否かが確認される(ステップS5)。そして、まだ内部抵抗値が算出されていない二次電池Bがあれば(ステップS5でNO)、再びステップS2へ移行する。
【0151】
ステップS2において、電池電源装置1が既に起動済みであれば、起動指示信号はなくなっているから(ステップS2でNO)、ステップS3へ移行する。
【0152】
ステップS3において、充電制御部102によって、充電を開始するか否か(充電が必要か否か)が判断される(ステップS3)。そして、充電制御部102が、充電を開始するとき(ステップS3でYES)、個別抵抗算出部103は、二次電池Bの内部抵抗値を算出するべく図4のステップS201へ移行する。一方、充電制御部102は、充電を開始しないときは(ステップS3でNO)、ステップS4へ移行する。
【0153】
ステップS201〜S204の処理は、ステップS101〜S104と同様であるのでその説明を省略する。ステップS205において、充電制御部102は、記憶部107から充電上限値Iclimを読み出して、充放電制御部21へ、充電上限値Iclim以下の充電電流、例えば充電上限値Iclimと等しい充電電流の供給を要求する指示信号を出力する。そうすると、充放電制御部21は、充電上限値Iclimの充電電流を出力する。
【0154】
これにより、電池モジュール5に流れる全体電流I(充電電流)が変化し、全体電流Iの変化と同期して全体電圧Vの変化が生じる。以下、ステップS106〜S114と同様のステップS206〜S214が実行されることにより、内部抵抗値r(m)が算出され、スイッチング素子SW1〜SWnがオンされる。
【0155】
このとき、二次電池Bmに流れる充電電流は充電上限値Iclimを超えないので、二次電池Bmが過電流により劣化するおそれが低減される。なお、充電制御部102は、ステップS205において、充電上限値Iclim以下の充電電流を要求すればよく、充電上限値Iclimを要求する例に限らない。
【0156】
次に、図7(a)のステップS521において、倍率算出部112は、記憶部107を参照し、充電用ルックアップテーブルLUT2によってSOCmと温度Tmとに対応付けられている内部抵抗値rtを取得する(ステップS521)。そして、倍率算出部112は、個別電流算出部105によって算出された内部抵抗値r(m)を、内部抵抗値rtによって除算して得られた商を充電倍率Gc(m)として算出する(ステップS522)。
【0157】
ここで、内部抵抗値r(m)は、ステップS205において充電電流が要求されることによって、二次電池Bmが充電されている期間に電流検出部6により検出された全体電流Iと電圧検出部7により検出された全体電圧Vとに基づいて個別電流算出部105(及び抵抗算出部104)によって算出された抵抗値である。
【0158】
具体的には、ステップS521において、例えば、SOCm=60(%)、Tm=40℃のとき、充電用ルックアップテーブルLUT2から、rt=9.065(mΩ)が得られる。このとき、内部抵抗値r(m)=18.13(mΩ)であったとすると、Gc(m)=18.13/9.065=2となる。
【0159】
次に、充電制御部102によって、充電電流が増加される(ステップS523)。ステップS214においてスイッチング素子SW1〜SWnがオンされると、電池モジュール5は、充電上限値Iclimのn倍まで、充電電流を受け入れ可能となる。そこで、充電制御部102は、例えばCC充電(定電流充電)用の充電電流値として予め設定された電流値Iccの充電電流の供給を要求する指示信号を、充放電制御部21へ出力する(ステップS523)。そうすると、電池モジュール5に供給される充電電流が増大するので、充電時間が短縮される。
【0160】
なお、ステップS204〜S208の後、充電制御部102は、充放電制御部21へ充電電流をゼロにする指示信号を出力するステップS208aを実行するようにしてもよい。そして、ステップS204〜S208aを複数回繰り返すことによって、充放電制御部21が電池モジュール5にパルス状の充電電流を3回流すと共に、抵抗算出部104は、抵抗値Rmodを複数回算出し、その平均値をステップS209において内部抵抗値r(m)とする構成としてもよい。この場合、内部抵抗値r(m)の算出精度が向上する。
【0161】
図10は、ステップS204〜S208aを3回繰り返した場合の全体電流Iと全体電圧Vの変化を説明するための説明図である。図10に示すように、ステップS205、S208aにおいて全体電流I(充電電流)を変化させると、全体電流Iの変化と同期して全体電圧Vが変化する。この全体電流Iと全体電圧Vとの変化に基づき内部抵抗値r(m)を算出することが可能となる。
【0162】
以後、充電制御部102は、充放電制御部21による充電を継続し(ステップS524でNO)、充電が終了すると(ステップS524でYES)、ステップS5へ移行する。
【0163】
充電制御部102は、ステップS3において充電を開始しないとき(ステップS3でNO)、ステップS4へ移行する。ステップS4では、個別抵抗算出部103によって、全体電流Iと電流判定値Ijとが比較される(ステップS4)。電流判定値Ijとしては、電流上限値Ilim_min以下の値が予め設定されている。そして、全体電流Iが電流判定値Ij以下であれば、個別抵抗算出部103は、内部抵抗値rを算出するべく図5のステップS301へ移行し、全体電流Iが電流判定値Ijを超えていれば、個別抵抗算出部103は、内部抵抗値rの算出を行うことなくステップS5へ移行する。
【0164】
図5のステップS301において、個別抵抗算出部103は、番号mを1とする。次に、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオンさせ、スイッチング素子SWm以外のスイッチング素子SWをすべてオフさせる、すなわちスイッチング素子SWmのみをオンさせることによって、設定状態mとする(ステップS302)。
【0165】
ここで、ステップS4によって、全体電流Iが電流上限値Ilim_min以下の場合にのみステップS302が実行される。従って、スイッチング素子SWmのみオンされて、全体電流Iがすべて二次電池Bmを流れても、二次電池Bmに流れる電流が電流上限値Ilim(m)を超えることがない。従って二次電池Bmを劣化させるおそれが低減される。
【0166】
次に、抵抗算出部104は、電流検出部6によって検出された全体電流Iの値を電流値I1として取得し、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vの値を電圧値V1として取得する。そして、抵抗算出部104は、電流値I1と電圧値V1との組をデータD1として取得する(ステップS303)。
【0167】
次に、抵抗算出部104は、例えば、ステップS303を実行してから予め設定された待機時間の経過後、電流検出部6によって検出された全体電流Iの値を電流値I2として取得し、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vの値を電圧値V2として取得する。そして、抵抗算出部104は、電流値I2と電圧値V2との組をデータD2として取得する(ステップS304)。
【0168】
待機時間としては、例えば、充放電制御部21による電池モジュール5の充放電制御の状態が変化して全体電流Iに変化が生じる可能性が高いと考えられる時間、例えば1分程度の時間が予め設定されている。
【0169】
次に、抵抗算出部104は、例えば、ステップS304を実行してから予め設定された待機時間の経過後、電流検出部6によって検出された全体電流Iの値を電流値I3として取得し、電圧検出部7によって検出された全体電圧Vの値を電圧値V3として取得する。そして、抵抗算出部104は、電流値I3と電圧値V3との組をデータD3として取得する(ステップS305)。
【0170】
次に、抵抗算出部104は、データD1,D2,D3から回帰直線Lを生成し(ステップS306)、回帰直線Lの傾きを内部抵抗値r(m)として取得する(ステップS307)。
【0171】
図11は、このような抵抗算出部104による内部抵抗値r(m)の算出方法の一例を説明するための説明図である。図11(a)は、ステップS303〜S305が、二次電池Bmの放電中に実行された場合の例を示し、図11(b)は、ステップS303〜S305が、二次電池Bmの充電中に実行された場合の例を示している。
【0172】
抵抗算出部104は、図11(a)(b)に示すように、複数のデータの組であるデータD1,D2,D3で示される点を通る回帰直線Lを生成する。このようにして得られる回帰直線Lは、下記の式(2)で表され、その傾きを示す係数Rが、二次電池Bmの内部抵抗値r(m)として得られる。
【0173】
V=R×I+V ・・・(2)
回帰直線Lを得るためには、値が異なる複数の全体電圧Vと全体電流Iとの組を取得する必要がある。しかしながら、例えば電気自動車では、車両の加減速や路面の状態等に応じて充放電電流が頻繁に変化し、例えば風力発電では、風速の変化に応じて充放電電流が頻繁に変化する。従って、例えば1分程度の期間において、回帰直線Lを得るのに必要な、値が異なる複数の全体電圧Vと全体電流Iとの組を取得することが可能である。
【0174】
なお、データの組数が、データD1,D2,D3の3組である例を示したが、データの組数は3組に限られず、2組以上あればよい。
【0175】
次に、倍率算出部112によって、データD1,D2,D3が二次電池Bmの放電中に取得されたデータか否か、すなわち電流値I1,I2,I3が、すべてマイナスの値であるか否かが確認される(ステップS371)。そして、電流値I1,I2,I3が、すべてマイナスの値であれば(ステップS371でYES)、倍率算出部112は、図6のステップS411へ移行し、ステップS411,S412を実行した後、図5のステップS308へ移行する。
【0176】
一方、電流値I1,I2,I3のうち1つでもプラスの値であれば(ステップS371でNO)、倍率算出部112は、データD1,D2,D3が二次電池Bmの放電中に取得されたデータか否か、すなわち電流値I1,I2,I3が、すべてプラスの値であるか否かが確認される(ステップS372)。そして、電流値I1,I2,I3が、すべてプラスの値であれば(ステップS372でYES)、データD1,D2,D3は二次電池Bmの充電中に取得されたデータであるから、倍率算出部112は、図7(b)のステップS521へ移行し、ステップS521、S522を実行した後、図5のステップS308へ移行する。
【0177】
ステップS308において、個別抵抗算出部103は、番号mと二次電池Bの個数nとを比較し(ステップS308)、mがnに満たなければ(ステップS308でNO)まだすべての二次電池Bの内部抵抗値が算出されていないから、個別抵抗算出部103は、番号mに1を加算して(ステップS309)、再びステップS302〜S372を繰り返す。
【0178】
一方、mがnと等しければ(ステップS308でYES)、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出されたことになるから、個別抵抗算出部103は、内部抵抗値の算出を終了し、スイッチング素子SW1〜SWnをオンさせ(ステップS310)、図2のステップS5へ移行する。
【0179】
以上、ステップS1〜S5、S101〜S115、S201〜S214,S523,S524、及びS301〜S310の処理により、電池モジュール5に含まれる二次電池B1〜Bnの内部抵抗値r(1)〜r(n)を検出することができる。そして、内部抵抗値r(1)〜r(n)を検出するために必要な電流検出部は、電流検出部6一つでよいから、二次電池の内部抵抗値を検出するために必要となる電流検出部の数を、並列接続された二次電池の数より少なくすることができる。
【0180】
また、ステップS411、S412、S521、S522の処理により、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)及び充電倍率Gc(1)〜Gc(n)が算出される。
【0181】
ステップS5において、倍率算出部112によって、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)及び充電倍率Gc(1)〜Gc(n)の算出が終了したか否かが確認され、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)及び充電倍率Gc(1)〜Gc(n)の算出が終了していれば(ステップS5でYES)、内部抵抗値取得部113が、以後の内部抵抗値r(1)〜r(n)を行うべく図8のステップS721へ移行する。
【0182】
ステップS721において、内部抵抗値取得部113は、全体電流Iが0未満か否か、すなわち電池モジュール5が放電状態か否かを確認する(ステップS721)。そして、全体電流Iが0未満であれば(ステップS721でYES)、内部抵抗値取得部113は、放電用ルックアップテーブルLUT1を参照し、SOC1〜SOCnと、T1〜Tnとに基づき、内部抵抗値rt(1)〜rt(n)を取得する(ステップS722)。
【0183】
次に、内部抵抗値取得部113は、1〜nのmについて、内部抵抗値rt(m)に放電倍率Gd(m)を乗算することによって、内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS723)。
【0184】
具体的には、ステップS722において、例えば、SOCm=40(%)、Tm=40℃のとき、放電用ルックアップテーブルLUT1から、内部抵抗値rt(m)=8.92(mΩ)が得られる。ここで、放電倍率Gd(m)=2であれば、内部抵抗値r(m)=8.92×2=17.84(mΩ)となる。また、例えば、SOCm=60(%)、Tm=20℃のとき、放電用ルックアップテーブルLUT1から、内部抵抗値rt(m)=14.75(mΩ)が得られる。ここで、放電倍率Gd(m)=2であれば、内部抵抗値r(m)=14.75×2=29.5(mΩ)となる。
【0185】
一方、ステップS721において、全体電流Iが0以上であれば(ステップS721でNO)、内部抵抗値取得部113は、充電用ルックアップテーブルLUT2を参照し、SOC1〜SOCnと、T1〜Tnとに基づき、内部抵抗値rt(1)〜rt(n)を取得する(ステップS724)。
【0186】
次に、内部抵抗値取得部113は、1〜nの範囲のmについて、内部抵抗値rt(m)に充電倍率Gc(m)を乗算することによって、内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS725)。
【0187】
具体的には、ステップS724において、例えば、SOCm=40(%)、Tm=40℃のとき、充電用ルックアップテーブルLUT2から、内部抵抗値rt(m)=8.820(mΩ)が得られる。ここで、充電倍率Gc(m)=2であれば、内部抵抗値r(m)=8.820×2=17.64(mΩ)となる。また、例えば、SOCm=60(%)、Tm=20℃のとき、充電用ルックアップテーブルLUT2から、内部抵抗値rt(m)=13.100(mΩ)が得られる。ここで、充電倍率Gc(m)=2であれば、内部抵抗値r(m)=13.100×2=26.200(mΩ)となる。
【0188】
以上、ステップS721〜S725の処理により、二次電池Bmの内部抵抗値r(m)が求められる。この場合、二次電池Bmの温度Tm、SOCm、及び二次電池Bmが放電中であるか充電中であるかに基づいて二次電池Bmの内部抵抗値r(m)が算出されるので、温度の影響、SOCの影響、及び二次電池の充放電状態の影響が考慮されて内部抵抗値r(m)が算出される結果、内部抵抗値r(m)の算出精度が向上する。
【0189】
次に、個別電流算出部105は、二次電池B1〜Bnに流れる電流を算出するべくステップS6へ移行する。
【0190】
ステップS6において、個別電流算出部105は、内部抵抗値取得部113によって取得された内部抵抗値r(1)〜r(n)と、全体電流Iとに基づき、下記の式(3)を用いて、二次電池B1〜Bnに流れる電流の電流値I(1)〜I(n)を算出する。
【0191】
【数4】

【0192】
個別電流算出部105は、mを1〜nとして電流値I(1)〜I(n)をすべて算出してもよく、任意の二次電池Bmに流れる電流値I(m)のみを算出してもよい。
【0193】
なお、個別電流算出部105は、内部抵抗値取得部113によって上述の全体抵抗値Rtotalを算出させ、内部抵抗値r(1)〜r(n)と、全体抵抗値Rtotalと、全体電流Iとに基づいて、下記の式(4)を用いて、二次電池B1〜Bnに流れる電流の電流値I(1)〜I(n)を算出するようにしてもよい。
【0194】
I(m)={Rtotal/r(m)}×I ・・・(4)
式(3)、式(4)を用いて、個別電流算出部105は、mを1〜nとして電流値I(1)〜I(n)をすべて算出してもよく、任意の二次電池Bmに流れる電流値I(m)のみを算出してもよい。
【0195】
次に、全体制限値算出部106は、内部抵抗値取得部113によって取得された内部抵抗値r(1)〜r(n)の比率をp(1):p(2): ・・・ :p(n)として算出する(ステップS7)。そして、全体制限値算出部106は、比率p(1)〜p(n)と、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)とに基づき、式(5)を用いて全体制限値Ilim_totalを算出する(ステップS8)。
【0196】
【数5】

【0197】
なお、全体制限値算出部106は、ステップS7において、内部抵抗値取得部113によって上述の全体抵抗値Rtotalを算出させ、Rtotalと内部抵抗値r(m)との比率をPtotal:P(m)(mは1〜nの整数)として求め、ステップS8において、全体抵抗値Rtotalと、比率P(1)〜P(n)と、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)とに基づき、式(6)を用いて全体制限値Ilim_totalを算出するようにしてもよい。
【0198】
【数6】

【0199】
次に、個別電流算出部105によって電流値I(1)〜I(n)が充放電制御部21へ送信され、全体制限値算出部106によって全体制限値Ilim_totalが充放電制御部21へ送信され(ステップS9)、ステップS721へ移行する。
【0200】
これにより、電流検出部6を一つ設けただけで、充放電制御部21は、二次電池B1〜Bnに流れる電流の電流値I(1)〜I(n)を監視することが可能となる。また、充放電制御部21は、電池モジュール5によって放電させる電流量を、全体制限値Ilim_total以下に制限することによって、電流値I(1)〜I(n)を電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)以下にすることができる。その結果、過電流に起因して二次電池B1〜Bnの劣化が生じるおそれを低減できる。
【0201】
また、内部抵抗値取得部113によって、温度の影響、SOCの影響、及び二次電池の充放電状態の影響が考慮されて算出された内部抵抗値r(1)〜r(n)に基づき、電流値I(1)〜I(n)及び全体制限値Ilim_totalが算出されるので、電流値I(1)〜I(n)及び全体制限値Ilim_totalの算出精度が向上する。
【0202】
以降、ステップS721〜S9が繰り返されることにより、内部抵抗値r(1)〜r(n)、電流値I(1)〜I(n)、及び全体制限値Ilim_totalの算出が繰り返され、これらの値が二次電池Bの温度及びSOCの変化に応じて最新の値に更新される。
【0203】
内部抵抗値r(1)〜r(n)、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)、及び充電倍率Gc(1)〜Gc(n)は、二次電池Bの劣化に伴い変化する。そこで、例えば図略の電源スイッチやイグニッションスイッチがオフされた後、再び電源スイッチやイグニッションスイッチがオンされて装置が起動されたときや、予め設定された一定の期間毎に定期的にステップS1から実行が開始され、放電倍率Gd(1)〜Gd(n)、及び充電倍率Gc(1)〜Gc(n)が新たに算出されて更新される。
【0204】
なお、個別抵抗算出部103は、図3に示すステップS101〜S115の代わりに、図12、図13に示すステップS401〜S516の処理によって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出してもよい。
【0205】
まず、ステップS2からステップS401へ移行し(ステップS2でYES)、ステップS401〜S407の処理によって、全体抵抗値Rtotalを算出する。
【0206】
具体的には、個別抵抗算出部103は、ステップS401において、スイッチング素子SW1〜SWnをオンさせる。以下、ステップS402〜S406の処理は、ステップS104〜S108と同様であるからその説明を省略する。
【0207】
そして、抵抗算出部104は、ステップS406において算出された抵抗値Rmodを、全体抵抗値Rtotalとして取得し(ステップS407)、図13のステップS501へ移行する。ステップS501,S502,S504〜S508,S511〜S516は、ステップS101,S102,S104〜S108,S110〜S115と同様であるのでその説明を省略する。
【0208】
ステップS503において、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオフさせ、スイッチング素子SWm以外のスイッチング素子SWをすべてオンさせる、すなわちスイッチング素子SWmのみをオフさせることによって、設定状態mとする(ステップS503)。
【0209】
この場合、ステップS505においてスイッチング素子43がオンされたとき、電池モジュール5は、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)から電流上限値Ilim(m)を除いた電流上限値の合計に相当する電流を流すことが可能である。電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)は、互いにほぼ等しい電流上限値Ilimであると考えられる。従って、ステップS503においてスイッチング素子SWmのみをオフさせることによって、抵抗44の抵抗値を、スイッチング素子43がオンされたときに電池モジュール5から外部装置2へ流れる突入電流を、電流上限値Ilimに(n−1)を乗算した値に相当する電流に制限する抵抗値以上の抵抗値にすることができる。すなわち、スイッチング素子SWmのみをオンする場合と比べて、抵抗44の抵抗値を小さくすることができるので、抵抗44の抵抗値の設計自由度が増大する。
【0210】
個別抵抗算出部103は、ステップS508において抵抗算出部104によって算出された抵抗値Rmodを、部分抵抗値Rbとして取得する(ステップS509)。そして、個別抵抗算出部103は、全体抵抗値Rtotalと部分抵抗値Rbとに基づいて、下記の式(7)を用いて内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS510)。
【0211】
r(m)=(Rb×Rtotal)/(Rb−Rtotal) ・・・(7)
このように、ステップS401〜S516の処理によっても、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出することができる。
【0212】
また、個別電流算出部105は、図4に示すステップS201〜S214の代わりに、図14に示すステップS601〜S615の処理によって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出してもよい。ステップS601〜S615の処理においては、スイッチング素子SWを一つだけオフさせる設定状態にすることによって、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出される。ステップS601,S602,S604,S606〜S608、S611〜S615の処理は、ステップS201,S202,S204,S206〜S208,S210〜S214と同様であるからその説明を省略する。
【0213】
ステップS603において、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオフさせ、スイッチング素子SWm以外のスイッチング素子SWをすべてオンさせる、すなわちスイッチング素子SWmのみをオフさせることによって、設定状態mとする(ステップS603)。
【0214】
また、ステップS605において、充電制御部102は、記憶部107から充電上限値Iclimを読み出して、充放電制御部21へ、充電上限値Iclimの(n−1)倍を超えない範囲に予め設定された充電電流の供給を要求する指示信号を出力する。そうすると、充放電制御部21は、充電制御部102からの指示信号に応じた充電電流を出力する。この場合、ステップS205と比べて充電電流を増大させることが可能となる。
【0215】
個別抵抗算出部103は、ステップS608において抵抗算出部104によって算出された抵抗値Rmodを、部分抵抗値Rbとして取得する(ステップS609)。そして、個別抵抗算出部103は、ステップS510と同様の処理により、内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS610)。なお、ステップS610において、個別抵抗算出部103は、ステップS407において算出された全体抵抗値Rtotalを用いてもよい。また、個別抵抗算出部103は、ステップS603においてスイッチング素子SW1〜SWnを全てオンさせた設定状態で、ステップS603〜S608を実行することにより得られた抵抗値Rmodを全体抵抗値Rtotalとして用いてもよい。
【0216】
このように、ステップS601〜S615の処理によっても、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出することができる。
【0217】
また、個別抵抗算出部103は、図5に示すステップS301〜S310の代わりに、図15に示すステップS701〜S711の処理によって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出してもよい。ステップS701〜S711の処理においては、スイッチング素子SWを一つだけオフさせる設定状態にすることによって、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出される。ステップS701,S703〜S706,S371,S372,S709〜S711の処理は、ステップS301,S303〜S306,S371,S372,S308〜S310と同様であるからその説明を省略する。
【0218】
ステップS702において、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオフさせ、スイッチング素子SWm以外のスイッチング素子SWをすべてオンさせる、すなわちスイッチング素子SWmのみをオフさせることによって、設定状態mとする(ステップS702)。
【0219】
この場合、電池モジュール5は、電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)から電流上限値Ilim(m)を除いた電流上限値の合計に相当する電流を流すことが可能である。電流上限値Ilim(1)〜Ilim(n)は、互いにほぼ等しい電流上限値Ilimであると考えられる。従って、ステップS702の処理によれば、ステップS4における電流判定値Ijとして、電流上限値Ilimに(n−1)を乗算した乗算値以下の値を設定することが可能となる。電流上限値Ilimに(n−1)を乗算した乗算値以下の値を設定することにより、電流判定値Ijとして電流上限値Ilim以下の値を設定する場合と比べて、電流判定値Ijを増大させることができるので、内部抵抗値r(1)〜r(n)の算出機会を増大させることができる。
【0220】
個別抵抗算出部103は、ステップS706において抵抗算出部104によって生成された回帰直線Lの傾きすなわち電池モジュール5の抵抗値を、部分抵抗値Rbとして取得する(ステップS707)。そして、個別抵抗算出部103は、ステップS510と同様の処理により、内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS708)。なお、ステップS708において、個別抵抗算出部103は、ステップS407において算出された全体抵抗値Rtotalを用いてもよい。また、個別抵抗算出部103は、ステップS702においてスイッチング素子SW1〜SWnを全てオンさせた設定状態で、ステップS702〜S706を実行することにより得られた回帰直線Lの傾きを、全体抵抗値Rtotalとして用いてもよい。
【0221】
このように、ステップS701〜S711の処理によっても、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出することができる。
【0222】
また、個別抵抗算出部103は、図5に示すステップS301〜S310の代わりに、図16に示すステップS801〜S816の処理によって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出してもよい。ステップS801〜S816の処理においては、オンさせるスイッチング素子SWを一つ順次増加させる設定状態にすることによって、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出される。ステップS801〜S806の処理は、ステップS301〜S306と同様であり、ステップS807,S814,S816の処理は、ステップS707,S709,S711と同様であるからその説明を省略する。
【0223】
ステップS808において、個別抵抗算出部103は、番号mが1か否かを確認する(ステップS808)。番号mが1であれば(ステップS808でYES)、まだ第1部分抵抗値Rsが算出されていないから、個別抵抗算出部103は、ステップS809へ移行し、部分抵抗値Rbを内部抵抗値r(m)とすることによって内部抵抗値r(m)を求めると共に部分抵抗値Rbを第1部分抵抗値Rsとすることによって第1部分抵抗値Rsを求め(ステップS809)、番号mに1を加算して(ステップS810)、ステップS811へ移行する。
【0224】
ステップS811では、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオン、すなわちオンしているスイッチング素子SWの数を一つずつ増加させて設定状態mとし(ステップS811)、再びステップS803〜S808を繰り返す。
【0225】
次に、ステップS808において、番号mが1でなければ(ステップS808でNO)、個別抵抗算出部103は、部分抵抗値Rbを第2部分抵抗値Rpとすることによって第2部分抵抗値Rpを求め(ステップS812)、第1部分抵抗値Rsと第2部分抵抗値Rpとに基づいて、下記の式(8)に基づいて、内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS813)。
【0226】
内部抵抗値r(m)=(Rs×Rp)/(Rs−Rp) ・・・(8)
個別抵抗算出部103は、番号mと二次電池Bの個数nとを比較し(ステップS814)、mがnに満たなければ(ステップS814でNO)まだすべての二次電池Bの内部抵抗値が算出されていないから、個別抵抗算出部103は、第2部分抵抗値Rpを新たな第1部分抵抗値Rsとすることによって第1部分抵抗値Rsを求め(ステップS815)、ステップS810〜S814を繰り返す。
【0227】
一方、mがnと等しければ(ステップS814でYES)、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出されたことになるから、個別抵抗算出部103は、内部抵抗値の算出を終了し、スイッチング素子SW1〜SWnをオンさせ(ステップS816)、ステップS5へ移行する。
【0228】
このように、ステップS801〜S816の処理によっても、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出することができる。
【0229】
また、個別抵抗算出部103は、図5に示すステップS301〜S310の代わりに、図17に示すステップS901〜S916の処理によって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出してもよい。ステップS901〜S916の処理においては、オフさせるスイッチング素子SWを一つずつ順次増加させる設定状態にすることによって、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出される。ステップS903〜S906の処理は、ステップS303〜S306と同様であり、ステップS907,S913,S914,S916の処理は、ステップS807,S813,S814、S816と同様であるからその説明を省略する。
【0230】
ステップS901において、個別抵抗算出部103は、番号mをゼロとし(ステップS901)、スイッチング素子SW1〜SWnをオンさせる(ステップS902)。
【0231】
ステップS908において、個別抵抗算出部103は、番号mが0か否かを確認する(ステップS908)。番号mが0であれば(ステップS908でYES)、まだ第2部分抵抗値Rpが算出されていないから、個別抵抗算出部103は、ステップS909へ移行し、部分抵抗値Rbを第2部分抵抗値Rpとすることによって第2部分抵抗値Rpを求め(ステップS909)、番号mに1を加算して(ステップS910)、ステップS911へ移行する。
【0232】
ステップS911では、個別抵抗算出部103は、スイッチング素子SWmをオフ、すなわちオフしているスイッチング素子SWの数を一つ増加させて設定状態mとし(ステップS911)、再びステップS903〜S908を繰り返す。
【0233】
次に、ステップS908において、番号mが0でなければ(ステップS908でNO)、個別抵抗算出部103は、部分抵抗値Rbを第1部分抵抗値Rsとすることによって第1部分抵抗値Rsを求め(ステップS912)、第1部分抵抗値Rsと第2部分抵抗値Rpとに基づいて、上述の式(8)に基づいて、内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS913)。
【0234】
個別抵抗算出部103は、番号mと二次電池Bの個数nとを比較し(ステップS914)、mがnに満たなければ(ステップS914でNO)まだすべての二次電池Bの内部抵抗値が算出されていないから、個別抵抗算出部103は、第1部分抵抗値Rsを新たな第2部分抵抗値Rpとすることによって第2部分抵抗値Rpを求め(ステップS915)、ステップS910〜S914を繰り返す。
【0235】
一方、mがnと等しければ(ステップS914でYES)、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出されたことになるから、個別抵抗算出部103は、内部抵抗値の算出を終了し、スイッチング素子SW1〜SWnをオンさせ(ステップS916)、ステップS5へ移行する。
【0236】
このように、ステップS901〜S916の処理によっても、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出することができる。
【0237】
なお、内部抵抗検出回路4は、ステップS2、S101〜S115、及びS401〜S516を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4は、ステップS3、S201〜S216、S601〜S617を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4は、ステップS4、S301〜S310、S701〜S711、S801〜S916を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4は、ステップS6を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4は、ステップS7、S8を実行しない構成としてもよい。
【0238】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る内部抵抗検出回路4a、及びこれを備える電池電源装置1aを含む電池電源システム3aについて説明する。図18は、本発明の第2実施形態に係る電池電源システム3aの構成の一例を示すブロック図である。図18に示す電池電源システム3aと図1に示す電池電源システム3とでは、電池モジュール5aがスイッチング素子SW1を備えていない点、及び個別抵抗算出部103aの動作が異なる。
【0239】
その他の構成は図1に示す電池電源システム3と同様であるので、図18において図1と同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。以下、電池電源装置1aの特徴的な点について、説明する。
【0240】
電池モジュール5aは、スイッチング素子SW1を備えず、配線52は、二次電池B1の一方の端子(例えば正極端子)に直接接続されている。二次電池B1は、基本二次電池の一例に相当している。
【0241】
図19〜図24は、電池電源システム3aの動作の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートにおいて、上述のフローチャートと同様の動作には同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。まず、図2に示すステップS1〜S5、及び図8に示すステップS721〜S725,S6〜S9は、電池電源システム3aにおいても同様である。
【0242】
図2のステップS2から図19のステップS101へ移行(ステップS2でYES)した後、図3と同様のステップS101,S102が実行され、その後ステップS121において、個別抵抗算出部103aは、番号mが1か否かを確認する(ステップS121)。そして、番号mが1であれば(ステップS121でYES)、個別抵抗算出部103aは、スイッチング素子SW2〜SWnをオフし、電池モジュール5aにおいて二次電池B1のみが接続された状態とする(ステップS122)。
【0243】
以下、ステップS104〜S108が実行された後、個別抵抗算出部103aは、抵抗値Rmodを内部抵抗値r(1)として取得する(ステップS123)。その後、ステップS111,S113〜S115が実行され、図6に示すステップS411へ移行する。
【0244】
一方、ステップS121において、番号mが1でなければ(ステップS121でNO)、すでに内部抵抗値r(1)は算出されているので、個別抵抗算出部103aは、図20に示すステップS103へ移行する。図20におけるステップS103が実行されると、電池モジュール5aは、二次電池B1と二次電池Bmの並列回路となる。
【0245】
以下、ステップS104〜S108が実行された後、個別抵抗算出部103aは、内部抵抗値r(1)と抵抗値Rmodとに基づき、下記の式(9)を用いて内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS125)。抵抗値Rmodは、部分抵抗値に相当している。
【0246】
r(m)=(r(1)×Rmod)/(r(1)−Rmod) ・・・(9)
以下、ステップS110〜S115が実行されて、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出される。そして、ステップS115から図6に示すステップS411へ移行する。
【0247】
以上、図19、図20に示す処理により、電池電源装置1aは、図1に示す電池電源装置1と同様、電池電源装置1aが、内部抵抗値r(1)〜r(n)を検出するために必要な電流検出部は、電流検出部6一つである。さらに、電池電源装置1aは、電池電源装置1よりもスイッチング素子SWの数を一つ減らすことができる。
【0248】
また、図2のステップS3から図21のステップS201へ移行(ステップS3でYES)した後、図4と同様のステップS201,S202が実行され、次にステップS221において、個別抵抗算出部103aは、番号mが1か否かを確認する(ステップS221)。そして、番号mが1であれば(ステップS221でYES)、個別抵抗算出部103aは、スイッチング素子SW2〜SWnをオフし、電池モジュール5aにおいて二次電池B1のみが接続された状態とする(ステップS222)。
【0249】
以下、ステップS204〜S214が実行され、個別抵抗算出部103aによって抵抗値Rmodが内部抵抗値r(1)として取得された後、図7(a)のステップS521へ移行する。
【0250】
一方、ステップS221において、番号mが1でなければ(ステップS221でNO)、すでに内部抵抗値r(1)は算出されているので、個別抵抗算出部103aは、図22に示すステップS203へ移行する。図22におけるステップS203が実行されると、電池モジュール5aは、二次電池B1と二次電池Bmの並列回路となる。
【0251】
以下、ステップS204〜S208が実行された後、個別抵抗算出部103aは、内部抵抗値r(1)と抵抗値Rmodとに基づき、上述の式(9)を用いて内部抵抗値r(m)を算出する(ステップS225)。抵抗値Rmodは、部分抵抗値に相当している。
【0252】
以下、ステップS210〜S214aが実行されて、内部抵抗値r(1)〜r(n)が算出された後、図7(a)のステップS521へ移行する。
【0253】
以上、図21、図22に示す処理により、図1に示す電池電源装置1と同様、電池電源装置1aが、内部抵抗値r(1)〜r(n)を検出するために必要な電流検出部は、電流検出部6一つである。さらに、電池電源装置1aは、電池電源装置1よりもスイッチング素子SWの数を一つ減らすことができる。
【0254】
また、図2のステップS4から図23のステップS301へ移行(ステップS4でYES)した後、図5と同様のステップS301が実行され、次にステップS302aにおいて、個別抵抗算出部103aは、スイッチング素子SW2〜SWnを全てオフさせることによって設定状態mとする(ステップS302a)。
【0255】
以下、ステップS303〜S306が実行されて、ステップS307aにおいて個別抵抗算出部103aが回帰直線Lの傾きを内部抵抗値r(1)として取得し(ステップS307a)、ステップS371,S372が実行される。ステップS371から図6のステップS411へ移行した場合(ステップS371でYES)、ステップS412の後、図24のステップS308へ移行する。また、ステップS372から図7(b)のステップS521へ移行した場合(ステップS372でYES)、ステップS522の後、図24のステップS308へ移行する。
【0256】
以下、ステップS308,S309,S302〜S306が実行され、次に個別抵抗算出部103aが回帰直線Lの傾きを抵抗値Rmodとして取得し(ステップS321)、ステップS225が実行されて内部抵抗値r(m)が算出される。
【0257】
ステップS225の後、ステップS371,S372が実行される。ステップS371から図6のステップS411へ移行した場合(ステップS371でYES)、ステップS412の後、図24のステップS308へ移行する。また、ステップS372から図7(b)のステップS521へ移行した場合(ステップS372でYES)、ステップS522の後、図24のステップS308へ移行する。
【0258】
以下、内部抵抗値r(2)〜r(n)が算出されるまでステップS308〜S225,S371,S372が繰り返された後、スイッチング素子SW2〜SWnがオンされて(ステップS310a)、ステップS5へ移行する。
【0259】
以上、図23、図24に示す処理により、図1に示す電池電源装置1と同様、電池電源装置1aが、内部抵抗値r(1)〜r(n)を検出するために必要な電流検出部は、電流検出部6一つである。さらに、電池電源装置1aは、電池電源装置1よりもスイッチング素子SWの数を一つ減らすことができる。
【0260】
また、電池電源装置1aは、スイッチング素子SW2〜SWnを一つだけオフさせる設定状態にすることによって、内部抵抗値r(1)を算出してもよい。電池電源装置1aは、図12、図13におけるステップS401〜S516の処理において、ステップS401,S515では、スイッチング素子SW2〜SWnをオンするものとし、番号mが2〜nの場合についてのみ、ステップS401〜S516の処理を実行して内部抵抗値r(2)〜r(n)を算出するようにしてもよい。そして、個別抵抗算出部103aは、内部抵抗値r(2)〜r(n)が並列接続された場合の合成抵抗値Rcを、下記の式(10)に基づき算出する。
【0261】
Rc=1/{(1/r(2))+(1/r(3))+・・・+(1/r(n))} ・・・(10)
そして、個別抵抗算出部103aは、下記の式(11)に基づき、内部抵抗値r(1)を算出してもよい。
【0262】
r(1)=(Rc×Rtotal)/(Rc−Rtotal) ・・・(11)
同様に、電池電源装置1aは、図14のステップS601〜S615及び図7のステップS521〜S524の処理において、ステップS615では、スイッチング素子SW2〜SWnをオンするものとし、番号mが2〜nの場合についてのみ、ステップS601〜S615及び図7のステップS521〜S524の処理を実行して内部抵抗値r(2)〜r(n)を算出するようにしてもよい。そして、個別抵抗算出部103aは、内部抵抗値r(1)を、上述の式(10),(11)を用いて算出してもよい。
【0263】
同様に、電池電源装置1aは、図15のステップS701〜S711の処理において、ステップS701ではm=2とし、ステップS711では、スイッチング素子SW2〜SWnをオンするものとし、番号mが2〜nの場合についてのみ、ステップS701〜S711の処理を実行して内部抵抗値r(2)〜r(n)を算出するようにしてもよい。そして、個別抵抗算出部103aは、内部抵抗値r(1)を、上述の式(10),(11)を用いて算出してもよい。
【0264】
同様に、電池電源装置1aは、図16のステップS801〜S816の処理において、ステップS802では、m=1のときのみスイッチング素子SW2〜SWnをオフさせ、m=2〜nのときはそのままステップS802を実行し、ステップS816ではスイッチング素子SW2〜SWnをオンさせることによって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出するようにしてもよい。
【0265】
同様に、電池電源装置1aは、図17のステップS901〜S916の処理において、ステップS901ではm=n+1とし、ステップS908ではm=n+1か否かを判定し、ステップS910ではm=m−1とし、ステップS916ではスイッチング素子SW2〜SWnをオンさせることによって、内部抵抗値r(1)〜r(n)を算出するようにしてもよい。
【0266】
なお、内部抵抗検出回路4aは、ステップS2、S101〜S115、及びS401〜S516を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4aは、ステップS3、S201〜S214及びS521〜S524、S601〜S615及びS521〜S524を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4aは、ステップS4、S301〜S310、S701〜S711、S801〜S916を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4aは、ステップS6を実行しない構成としてもよい。あるいは、内部抵抗検出回路4aは、ステップS7、S8を実行しない構成としてもよい。
【0267】
また、充放電制御部21が外部装置2に設けられる例を示したが、例えば、電池電源装置1,1aが、充放電制御部21を備える構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0268】
本発明に係る内部抵抗検出回路、及びこれを備える電池電源装置は、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、ハイブリッドエレベータ、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム、無停電源装置等の電池搭載装置、システムにおいて、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0269】
1,1a 電池電源装置
2 外部装置
3,3a 電池電源システム
4,4a 内部抵抗検出回路
5,5a 電池モジュール
6 電流検出部
7,Z,Z1〜Zn 電圧検出部
X,X1〜Xn 温度センサ
10 制御部
11,24 通信部
15,16,17,25,26,27 接続端子
21 充放電制御部
22 発電装置
23 負荷装置
41 スイッチング部
42 電流制限部
43 スイッチング素子
44 抵抗
51 単電池
52,53 配線
101 放電制御部
102 充電制御部
103,103a 個別抵抗算出部
104 抵抗算出部
105 個別電流算出部
106 全体制限値算出部
107 記憶部
111 検出部
112 倍率算出部
113 内部抵抗値取得部
B,B1〜Bn,Bm 二次電池
I 全体電流
I(1)〜I(n) 電流値
I1,I2,I3 電流値
Icc 電流値
Iclim 充電上限値
lim(1)〜Ilim(n) 電流上限値
lim_total 全体制限値
L 回帰直線
r(1)〜r(n) 内部抵抗値
Rb 部分抵抗値
Rc 合成抵抗値
re 内部抵抗値
mod 抵抗値
Rp 第2部分抵抗値
Rs 第1部分抵抗値
total 全体抵抗値
SW,SW1〜SWn スイッチング素子
T,T1〜Tn 温度
V 全体電圧
V1,V2,V3 電圧値
end 放電終止電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記二次電池の電圧を検出する電圧検出部と、
前記二次電池の温度を検出する温度検出部と、
前記二次電池の充電状態を検出する充電状態検出部と、
前記電流検出部により検出された電流と前記電圧検出部により検出された電圧とに基づいて、前記二次電池の抵抗値を算出する個別抵抗算出部と、
前記二次電池の充電状態及び温度と、前記二次電池の内部抵抗値とを対応付けて予め記憶する記憶部と、
前記個別抵抗算出部によって前記抵抗値が算出された前記二次電池の充電状態と温度とに対応して前記記憶部に記憶されている内部抵抗値と、前記個別抵抗算出部によって算出された抵抗値との比を倍率として算出する倍率算出部と、
前記抵抗算出部によって前記抵抗値が算出された後に前記充電状態検出部によって検出された充電状態と前記温度検出部によって検出された温度と、に対応付けて前記記憶部に記憶されている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、前記二次電池の内部抵抗値として取得する内部抵抗値取得部と
を備える内部抵抗検出回路。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記二次電池が放電している状態における充電状態及び温度と前記二次電池の内部抵抗値とを対応付ける放電用情報と、
前記二次電池が充電されている状態における充電状態及び温度と前記二次電池の内部抵抗値とを対応付ける充電用情報とを予め記憶し、
前記倍率算出部は、
前記二次電池が放電している期間に前記電流検出部により検出された電流及び前記電圧検出部により検出された電圧に基づいて、前記個別抵抗算出部による抵抗値の算出が行われたとき、前記倍率算出部は、前記倍率を放電倍率として算出し、
前記二次電池が充電されている期間に前記電流検出部により検出された電流及び前記電圧検出部により検出された電圧に基づいて、前記個別抵抗算出部による抵抗値の算出が行われたとき、前記倍率算出部は、前記倍率を充電倍率として算出し、
前記内部抵抗値取得部は、
前記二次電池が放電している期間に前記二次電池の内部抵抗値を取得する場合、前記記憶部に記憶されている前記放電用情報によって前記充電状態と前記温度とに対応付けられている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、前記二次電池の内部抵抗値として取得し、
前記二次電池が充電されている期間に前記二次電池の内部抵抗値を取得する場合、前記記憶部に記憶されている前記充電用情報によって前記充電状態と前記温度とに対応付けられている内部抵抗値に、前記倍率を乗算することにより得られた乗算値を、前記二次電池の内部抵抗値として取得する請求項1記載の内部抵抗検出回路。
【請求項3】
前記二次電池が複数、並列に接続されて電池モジュールが構成され、
前記電流検出部は、前記電池モジュールに流れる電流である全体電流を検出し、
前記電圧検出部は、前記電池モジュールの両端間の電圧である全体電圧を検出し、
前記内部抵抗検出回路は、
前記全体電流と前記全体電圧とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出する抵抗算出部と、
少なくとも、前記複数の二次電池のうち前記電池モジュールに含まれる二次電池の数より一つ少ない数の二次電池に対して、直列に接続された一又は複数のスイッチング素子と、
前記二次電池と前記スイッチング素子とが直列に接続されて構成された各直列回路間、又は、前記スイッチング素子が接続されない二次電池及び前記各直列回路間、のうちいずれか一方を並列に接続することによって、前記複数の二次電池と前記一又は複数のスイッチング素子とを含む前記電池モジュールを構成する接続部とをさらに備え、
前記個別抵抗算出部は、
前記スイッチング素子のオン、オフを所定の状態にさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出された抵抗値に基づいて、前記複数の二次電池のうち少なくとも一つの内部抵抗値を算出する請求項1又は2に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項4】
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ、前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出し、
前記個別抵抗算出部によって算出された前記複数の内部抵抗値と、前記全体電流とに基づいて、前記各二次電池を流れる電流を算出する個別電流算出部をさらに備える請求項3記載の内部抵抗検出回路。
【請求項5】
前記個別電流算出部は、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番(mは1〜nのうちいずれかの番号)の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、前記全体電流をIとし、下記の式(A)を用いてm番の二次電池に流れる電流の電流値I(m)を算出する請求項4記載の内部抵抗検出回路。
【数1】

【請求項6】
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出すると共に、前記複数の二次電池がすべて並列接続された状態の前記電池モジュールの抵抗値を全体抵抗値として算出し、
前記個別抵抗算出部によって算出された、前記各内部抵抗値と前記全体抵抗値との比率と、前記全体電流とに基づいて、前記各二次電池に流れる電流の電流値を算出する個別電流算出部をさらに備える請求項3記載の内部抵抗検出回路。
【請求項7】
前記個別電流算出部は、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、前記全体抵抗値をRtotalとし、前記全体電流をIとし、下記の式(B)を用いてm番の二次電池に流れる電流の電流値I(m)を算出する請求項6記載の内部抵抗検出回路。
I(m)={Rtotal/r(m)}×I ・・・(B)
【請求項8】
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ、前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出し、
前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、内部抵抗値r(1)〜r(n)の比率がp(1):p(2):・・・:p(n)であり、m番目の二次電池が流すことができる電流の上限値がIlim(m)であるとき、前記全体電流の許容できる上限値である全体制限値Ilim_totalを、下記の式(C)を用いて算出する全体制限値算出部とをさらに備える請求項3〜7のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【数2】

【請求項9】
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態における前記スイッチング素子のオン、オフ状態を変化させつつ前記複数の二次電池の内部抵抗値を順次算出すると共に、前記複数の二次電池がすべて並列接続された状態の前記電池モジュールの抵抗値を全体抵抗値として算出し、
前記電池モジュールに含まれる二次電池の数をnとし、前記各二次電池に1〜nの番号を付与し、m番の二次電池について前記個別抵抗算出部によって算出された内部抵抗値をr(m)とし、前記全体抵抗値をRtotalとし、Rtotalとr(m)との比率をPtotal:P(m)とし、m番目の二次電池が流すことができる電流の上限値がIlim(m)であるとき、前記全体電流の許容できる上限値である全体制限値Ilim_totalを、下記の式(D)を用いて算出する全体制限値算出部をさらに備える請求項3〜7のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【数3】

【請求項10】
前記個別抵抗算出部は、前記複数の二次電池のうち、内部抵抗値を検出しようとする検出対象の二次電池である対象二次電池に接続されたスイッチング素子のオン、オフ状態と、前記対象二次電池以外の二次電池に接続された一又は複数のスイッチング素子のオン、オフ状態とを互いに異ならせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出された抵抗値に基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項3〜9のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項11】
前記スイッチング素子は複数設けられ、
前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を、前記対象二次電池の内部抵抗値として取得する請求項10記載の内部抵抗検出回路。
【請求項12】
前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を前記基本二次電池の内部抵抗値として取得し、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を部分抵抗値として取得し、前記基本二次電池の内部抵抗値と前記部分抵抗値とに基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項10記載の内部抵抗検出回路。
【請求項13】
前記個別抵抗算出部は、前記基本二次電池の内部抵抗値をre、前記部分抵抗値をRbとすると、下記の式(E)に基づき前記対象二次電池の内部抵抗値rを算出する請求項12記載の内部抵抗検出回路。
r=(re×Rb)/(re−Rb) ・・・(E)
【請求項14】
前記スイッチング素子は複数設けられ、
前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を全体抵抗値として取得し、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を部分抵抗値として取得し、前記全体抵抗値と前記部分抵抗値とに基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項10記載の内部抵抗検出回路。
【請求項15】
前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオンさせた設定状態における前記全体電流と前記全体電圧とを用いて前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を全体抵抗値として取得し、前記対象二次電池に接続されたスイッチング素子をオフさせ、かつ前記対象二次電池以外の二次電池に接続されたスイッチング素子をオンさせた設定状態における前記全体電流と前記全体電圧とを用いて前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を部分抵抗値として取得し、前記全体抵抗値と前記部分抵抗値とに基づいて、前記対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項10記載の内部抵抗検出回路。
【請求項16】
前記個別抵抗算出部は、前記残余の二次電池を順次前記対象二次電池とすることによってすべての前記残余の二次電池の内部抵抗値rを算出し、前記すべての残余の二次電池の内部抵抗値rから、前記すべての残余の二次電池を並列接続して得られる合成抵抗値をRcとして算出し、前記全体抵抗値をRtotalとすると、下記の式(F)に基づき前記基本二次電池の内部抵抗値reを算出する請求項15記載の内部抵抗検出回路。
re=(Rc×Rtotal)/(Rc−Rtotal) ・・・(F)
【請求項17】
前記個別抵抗算出部は、前記全体抵抗値をRtotal、前記部分抵抗値をRbとすると、下記の式(G)に基づき前記対象二次電池の内部抵抗値rを算出する請求項14〜16のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
r=(Rb×Rtotal)/(Rb−Rtotal) ・・・(G)
【請求項18】
前記スイッチング素子は複数設けられ、
前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、前記複数のスイッチング素子のうち1つをオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を、前記オンされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池の内部抵抗値として取得した後、オンされたスイッチング素子を除く残余のスイッチング素子を順次オンさせる設定状態とし、前記順次オンさせる都度、前記順次オンさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オンされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オンされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項3〜9のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項19】
前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオフさせた設定状態において前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値を前記基本二次電池の内部抵抗値として取得した後、前記スイッチング素子を順次オンさせる設定状態とし、前記順次オンさせる都度、前記順次オンさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オンされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オンされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項3〜9のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項20】
前記スイッチング素子は複数設けられ、
前記複数のスイッチング素子は前記複数の二次電池のすべてとそれぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路を並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、前記複数のスイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって抵抗値を算出させた後、前記複数のスイッチング素子を1つずつ順次オフさせる設定状態とし、前記順次オフさせる都度、前記順次オフされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オフさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オフされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項3〜9のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項21】
前記スイッチング素子は、前記複数の二次電池のうち一つを除く残余の二次電池に、それぞれ直列に接続され、
前記接続部は、すべての前記直列回路と前記一つの二次電池である基本二次電池とを並列に接続し、
前記個別抵抗算出部は、すべての前記スイッチング素子をオンさせた設定状態において前記抵抗算出部によって抵抗値を算出させた後、前記複数のスイッチング素子を1つずつ順次オフさせる設定状態とし、前記順次オフさせる都度、前記順次オフされた状態で前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第1部分抵抗値と、前記順次オフさせる直前に前記抵抗算出部によって算出させた抵抗値である第2部分抵抗値とに基づいて、前記順次オフされたスイッチング素子と直列に接続された二次電池である対象二次電池の内部抵抗値を算出する請求項3〜9のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項22】
前記個別抵抗算出部は、前記第1部分抵抗値がRs、前記第2部分抵抗値がRpであるとき、下記の式(H)に基づき前記対象二次電池の内部抵抗値rを算出する請求項18〜21のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
r=(Rs×Rp)/(Rs−Rp) ・・・(H)
【請求項23】
前記抵抗算出部は、
前記電流検出部と前記電圧検出部とによって、同期したタイミングで検出された前記全体電流と前記全体電圧との組を複数取得し、この複数の組から得られる回帰直線の傾きを前記電池モジュールの抵抗値として算出する請求項3〜22のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項24】
前記電池モジュールから負荷への電流供給を制御する放電制御部をさらに備え、
前記抵抗算出部は、前記放電制御部が前記電流供給量を変化させたとき、前記電流供給量の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出する請求項3〜23のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項25】
前記複数の二次電池における1つの二次電池が流すことができる電流の上限値が予め設定されており、
前記電池モジュールから負荷への電流供給経路を開閉するスイッチング部と、
前記スイッチング部と並列に接続され、電流を遮断する遮断状態と前記上限値を超えない範囲に流れる電流を制限する制限状態とに切り替え可能にされた電流制限部と、
前記設定状態において前記電流制限部を前記遮断状態から前記制限状態に切り替えることによって前記負荷への電流供給を開始する放電制御部とをさらに備え、
前記抵抗算出部は、前記放電制御部が前記電流供給を開始させたとき、前記電流供給量の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、
前記放電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記スイッチング部により前記電流供給経路を閉じさせる請求項11〜13のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項26】
前記複数の二次電池における1つの二次電池が流すことができる電流の上限値が予め設定されており、
前記電池モジュールから負荷への電流供給経路を開閉するスイッチング部と、
前記スイッチング部と並列に接続され、電流を遮断する遮断状態と、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数より1少ない数と前記上限値との乗算値を超えない範囲に流れる電流を制限する制限状態とに切り替え可能にされた電流制限部と、
前記設定状態において前記電流制限部を前記遮断状態から前記制限状態に切り替えることによって前記負荷への電流供給を開始する放電制御部とをさらに備え、
前記抵抗算出部は、前記放電制御部が前記電流供給を開始させたとき、前記電流供給量の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、
前記放電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記スイッチング部により前記電流供給経路を閉じさせる請求項14〜17のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項27】
前記複数の二次電池における1つの二次電池の充電電流の上限値である充電上限値が予め設定されており、
前記電池モジュールを充電する充電電流を制御する充電制御部をさらに備え、
前記充電制御部は、前記設定状態において、前記充電上限値を超えない範囲で前記充電電流を変化させ、
前記抵抗算出部は、前記設定状態における前記充電電流の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、
前記充電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記充電電流を前記上限値を超えて増大させる請求項11〜13のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項28】
前記複数の二次電池における1つの二次電池の充電電流の上限値である充電上限値が予め設定されており、
前記電池モジュールを充電する充電電流を制御する充電制御部をさらに備え、
前記充電制御部は、前記設定状態において、前記電池モジュールに含まれる二次電池の数より1少ない数と前記充電上限値との乗算値を超えない範囲で前記充電電流を変化させ、
前記抵抗算出部は、前記設定状態における前記充電電流の変化と同期して生じた前記全体電圧の変化量と前記全体電流の変化量とに基づいて、前記電池モジュールの抵抗値を算出し、
前記個別抵抗算出部は、前記設定状態において前記抵抗算出部による抵抗値の算出が実行された後、前記複数のスイッチング素子をオンさせることにより前記設定状態を終了させ、
前記充電制御部は、前記複数のスイッチング素子がオンされた後に前記充電電流を増大させる請求項14〜17のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか1項に記載の内部抵抗検出回路と、
前記二次電池とを備える電池電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−76668(P2013−76668A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217633(P2011−217633)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】