説明

再生可能なバイオマス由来のセルロースナノ結晶

セルロースナノ結晶(CNC)を製造する方法には、セルロース系材料を用意するステップ、該セルロース系材料を高温で無機過硫酸塩と接触させてCNCを製造するステップ、及び該CNCを回収するステップが含まれる。該方法により、亜麻及び麻等の植物性バイオマスからのCNCの1ステップ製造が可能になる。本方法で製造されカルボキシル基を有するセルロースナノ結晶は、従来技術の方法によって製造されたCNCよりも均一であり、より高いアスペクト比を有する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2009年12月15日出願の米国特許仮出願第61/282,094号の利益を主張し、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[発明の分野]
本発明は再生可能なバイオマス由来のセルロースナノ結晶を製造する方法及び該方法によって製造される、カルボキシル基を有するセルロースナノ結晶に関する。
【0003】
[発明の背景]
1838年にフランスの科学者Anselme Payenが述べたように、セルロースは(C10の分子式を有する、最も大量に存在する有機ポリマーであり、年間約1.5×1012トンの量で用いられている。セルロースは再生可能、生分解性で環境に優しい化学原料として150年間も用いられてきた。セルロースは半結晶性であり、結晶性領域と非晶質領域の両方を有している。セルロースは強力な分子間及び分子内水素結合によって密に詰まっており、そのため優れた機械的特性がもたらされる。
【0004】
セルロースナノ結晶(CNC)はその極めて高い機械的強度(モジュラス145GPa、Marks、1967)、引張り強度7.5GPa(Sturcova、2005)、化学的可同調性、及び期待される低コストによって、ポリマーの強化及びナノコンポジット製剤のための新しい種類のナノマテリアルとして登場した。CNCはまた、酵素固定化(Mahmoudら、2009)、薬剤送達、及び生医学的用途(Dong及びRoman、2007)等の様々な用途で成長してきた。
【0005】
CNCを製造するために、初期セルロース含量の高い種々の植物廃棄物由来の繊維源が、そのコストが低いことから有望な出発材料として検討されている。高結晶性のCNCを得るためには、セルロース繊維の非晶質領域を化学的に除去しなくてはならない。単一の濃厚な酸又は酸の混合物を用いる一般的な酸加水分解によれば、しばしば酸化剤を助剤として、結晶性のロッド状繊維とともにCNCを残して非晶質領域を溶解することができる(Revolら、1992)。しかし、このような手順は高価であり、かなり高い初期投資を必要とし、そのような酸及びその副生物の腐食性、安全性の問題及び有害な廃棄物処理/廃棄の必要性のため、運転コストが高い。非セルロース系繊維成分(たとえばリグニン、ペクチン、ヘミセルロース等)を除去するためには、アルカリ又は漂白剤による追加的な前処理及び/又は後処理のステップが必要である。
【0006】
Baiら(2009)は、ミクロ結晶性セルロース(MCC)由来の狭い分布を有するCNCを製造する方法について記述している。CNCを製造するために従来の硫酸法が用いられた(Dongら、1998)。この方法では広範囲の寸法分布が得られることが知られている。狭い寸法分布のCNCを得るためには、少なくとも6サイクルの分画遠心分離法が必要であった。それでもなお、CNCは少なくとも4つの異なったアスペクト比を示した。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0108772号(Oksmanら、2008)は、MCCをHClで処理することによってセルロースナノホイスカーを製造する方法並びに強化有機ポリマー材料を製造する新規な押出し法について記述している。HCl加水分解によるセルロースナノホイスカーの製造には純粋なセルロース系材料(たとえばMCC)が必要であり、得られるセルロースナノホイスカーは大きな寸法分布を有していた。より大きな寸法を有するセルロース結晶の分画は低速の遠心で分離され、廃棄された。製造されたセルロースナノホイスカーは、長さ100nm〜1000nm、幅5nm〜15nmの大きな寸法分布を有していた。
【0008】
過硫酸塩、たとえば過硫酸アンモニウムは、よく知られている強力な酸化剤である。従来技術においては、たとえば米国特許第5004523号(Springer及びMinor、1991)に記載されているように、リグノセルロース系材料からリグニンを分離するために過硫酸アンモニウムが用いられてきた。通常、過硫酸アンモニウムと強酸(50%HCl又はHSO)又は強塩基(KOH又はNaOH)との混合物が必要である。この方法から分離される生成物は漂白セルロースであって、CNCではない。
【0009】
特に植物性バイオマスからCNCを製造する簡単で経済的な方法に対するニーズが残っている。
【0010】
[発明の概要]
ここで、驚くべきことに、無機過硫酸塩がリグニン、ヘミセルロース、ペクチン、及び他の植物成分を溶解することによって植物性バイオマスから1ステップで清浄なセルロースナノ結晶(CNC)を製造できることが見出された。
【0011】
本発明の1つの態様においては、セルロース系材料を用意するステップ、該セルロース系材料を高温で無機過硫酸塩と接触させてセルロースナノ結晶を製造するステップ、及び該セルロースナノ結晶を回収するステップを含むセルロースナノ結晶を製造する方法が提供される。
【0012】
無機過硫酸塩には、好ましくは過硫酸アンモニウム((NH)、過硫酸ナトリウム(Na)、過硫酸カリウム(K)又はそれらの混合物が含まれる。より好ましくは、無機過硫酸塩には、過硫酸アンモニウム、(NHが含まれる。
【0013】
任意の適切なセルロース系材料の供給源、たとえば植物性又は非植物性バイオマスを用いることができる。非植物性バイオマスには、かなりの前処理を行ったセルロース系材料、たとえば紙由来のセルロース及びミクロ結晶性セルロース(MCC)が含まれる。CNCが植物性バイオマスから1ステップで製造できることが本方法の利点である。したがって、セルロース系材料は、好ましくは植物性バイオマス、より好ましくは未処理の植物性バイオマスを含む。任意の適切な植物性バイオマス、たとえば1つ又は複数の麻材料(たとえば未処理の麻、ペクチン酸リアーゼで処理した麻)、亜麻材料(たとえば未処理の亜麻、ペクチン酸リアーゼで処理した亜麻)、ライ小麦材料、木材源(たとえば木材パルプ、ボール紙)及び農業廃棄物を用いることができる。より好ましくは、セルロース系材料は1つ又は複数の麻又は亜麻材料を含む。
【0014】
この方法は高温で実施される。好ましくは、高温は約45℃〜約80℃の範囲、たとえば約60℃である。過硫酸塩は好ましくは水溶液で用意される。水溶液中の過硫酸塩濃度は、好ましくは約0.5M〜約2.0Mの範囲、より好ましくは約0.5M〜約1.0Mの範囲、たとえば約1.0Mである。好ましくは、過硫酸塩はセルロース系材料とともに撹拌される。好ましくは、セルロース系材料と過硫酸塩との接触は約5時間〜約24時間の範囲、たとえば約16時間の時間で実施される。
【0015】
本発明の別の態様においては、表面カルボン酸基を有するセルロースのナノ結晶を含むセルロースベースの材料が提供される。
【0016】
本発明の別の態様においては、平均直径が約7nm未満で、実質的に全てのナノ結晶が平均直径の約0.5nm以内の直径及び10以上のアスペクト比(L/D)を有するセルロースのナノ結晶を含むセルロースベースの材料が提供される。
【0017】
平均直径は好ましくは約5nm未満である。1つの実施形態においては、平均直径は約3nm〜約7nmの範囲、好ましくは約3nm〜約4.9nmの範囲にある。アスペクト比は好ましくは約12〜約60の範囲にある。好ましくは、実質的に全てのナノ結晶は平均直径の約0.3nm以内の直径を有する。本発明のCNCは、好ましくはCNCの原料であるセルロース系材料の結晶性指数(CRI)よりも5%以上大きいCRIを有する。有利には、CRIはCNCの原料であるセルロース系材料のCRIよりも7%以上大きくてもよく、さらには10%以上大きくてもよい。CRIは、たとえばCNCの原料であるセルロース系材料のCRIよりも20%まで大きくてもよく、又は17%まで大きくてもよい。5%以上、7%以上又は10%以上の値は、上限が20%又は17%である範囲の下限であってもよい。好ましくは、表面カルボン酸基はCNCのC6一級ヒドロキシル基の選択的酸化によって生成する。好ましくは、酸化度は約0.01〜約0.20の範囲、より好ましくは約0.08〜約0.19の範囲、又は約0.05〜約0.10の範囲にあり、たとえば約0.08である。
【0018】
本発明の方法は有利には植物性バイオマスからCNCを製造する1ステップ方法であり、これは規模拡張性、安全性、持続可能性及び低コストの点で顕著な利点を有する。本発明の方法は化学的ナノ鋏と考えてもよく、ヘミセルロース、リグニン及びペクチンを含む未処理のセルロース系物質、特に亜麻及び麻の加工において有効であり、高品質のCNCを製造するために前精製(たとえば蒸気爆砕)及び後精製(たとえば漂白)のステップを必要とする従来技術の酸加水分解方法と対照的である。たとえば本発明の方法は高リグニン(たとえばリグニン20%以上)のセルロース系材料を加工する際に有用であり、これによってセルロース系材料を蒸気爆砕する必要がなく、しかも高品質のCNCが得られる。過硫酸塩の安定性及び経済的実行可能性のため、過硫酸塩は強酸化剤としての酸の代替として適している。
【0019】
本発明の容易な方法によって、均一性及び結晶性が高く、従来の方法よりも小さな直径及び大きなアスペクト比を有するCNCを得る商業的に実行可能な方法が提供される。本方法によって寸法分布の狭い均一なCNCが直接的にもたらされる。これは均一性を改善するために面倒な分離後手法を必要とし、しかも本発明ほど均一性が良くない結果をもたらす、Dongら(1998)、Baiら(2009)又はOksmanら(2008)によって開示された従来の方法と対照的である。即ち、本方法によって、寸法分布の狭いCNCが分画遠心法等の面倒な分離ステップを必要とせずに高収率で製造される。さらに、本方法において製造されたCNCは8%以上の官能基で表面がカルボキシル化されており、これによって反応性がより高くなり、コンポジットにおける可撓性及び加工性が改善される。対照的に、酸加水分解ではヒドロキシル基のみを有する(HClを用いた場合)か、又は僅か2%までのスルホニル基を有する(HSOを用いた場合)CNCが製造される。
【0020】
CNCには、ポリマー工業におけるナノフィラーとしての使用及び個人用防護服における高強度のナノペーパーとしての使用などの広範囲の用途がある。
【0021】
本発明のさらなる特徴は以下の詳細な説明の中で記述され又は明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明をより明確に理解するため、ここで付随する図面を参照しながら例を用いて詳細にその実施形態を説明する。
【0023】
【図1A】本発明により過硫酸アンモニウムを用いて製造した亜麻由来のCNCの高さ及び位相モードのAFM顕微鏡写真を示す図である(5μm)。
【図1B】本発明により過硫酸アンモニウムを用いて製造した麻由来のCNCの高さ及び位相モードのAFM顕微鏡写真を示す図である(5μm)。
【図2】本発明による1M過硫酸アンモニウム処理の前後の麻から製造したCNCのPXRDスペクトルを示す図である。挿入図は畳み込みを解いたセルロースのピークを示す。
【図3】本発明による過硫酸アンモニウム処理によって調製された亜麻由来のCNCのXPSスペクトルを示す図である。
【図4】種々のセルロース系材料及び本発明によって調製された対応するCNCのIR吸収バンド及びそれらの帰属を示す図である。
【0024】
[好ましい実施形態の説明]
材料
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、及び過硫酸ナトリウムはAldrich社(St.Louis、MO、USA)から得た。アビセル(Avicel)PH102ミクロ結晶性セルロースはFMC Corp(Philadelphia、PA、USA)から得た。ホワットマン(Whatman)CFIセルロース粉末はWhatman Inc.(Piscataway、NJ、USA)から購入した。亜麻(リヌム・ウシタティシマム)(Linum usitatissimum)及び亜麻結束繊維はSaskatchewan、Canadaから、麻(カンナビス・サティバ)(Cannabis sativa)はQuebec、Canadaから得た。ライ小麦藁抽出物はDr.G.(Joe)Mazza、Agriculture and Agri−Food Canada、Summerland、BC、Canadaから得た。この凍結乾燥抽出物は54.5%のセルロース、12%のヘミセルロース及び20%のリグニンを含んでいる。バクテリアセルロースはDr.W.K.Wan、University of Western Ontario、London、ON、Canadaから得た。このバクテリアセルロースはグラム陰性菌アセトバクター・キシリヌム(Acetobacter xylinum)BPR2001によって産生される。バクテリアセルロースは直径50nm未満、重合度2000〜6000の間の繊維の形態で産生される。バクテリアセルロースの産生、精製、及び特徴に関する詳細な情報は当技術分野で既知である。
【0025】
実施例1:過硫酸塩によるセルロースナノ結晶(CNC)の調製
本実施例に記載した方法は、種々のセルロース系物質からCNCを調製するための環境に優しい1ステップの方法である。過硫酸アンモニウムは冷水に対する溶解度が極めて高い(85g/100mL)。一方、過硫酸ナトリウム(55.6g/100mL)及び過硫酸カリウム(5.3g/100mL)の溶解度は低い(Weast、1983)。CNCは、例として過硫酸アンモニウムを用いて以下により詳細に記述するように、単にセルロース系材料を1M過硫酸塩中、60℃で16時間、激しく撹拌しながら加熱することによって調製した。亜麻及び麻等のリグノセルロース系繊維は、過硫酸塩処理に先立って短いフラグメント(約2〜3mm)に切断した。長い反応時間及び1Mを超える過硫酸塩濃度は過剰な加水分解をもたらし、そのためCNCの収率が低下した。
【0026】
即ち、1つの実施例においては、出発バイオマス材料(0.1g)を10mLの1M過硫酸アンモニウム溶液(電導度約230mS・cm−1)に加えた。懸濁液を60℃に16時間加熱して(バクテリアセルロースの場合は3時間のみ)、CNCの白色懸濁液を得た。懸濁液を10分間遠心分離(18,000rpm、RCF=25,400)した。溶液を傾瀉してCNCペレットに約50mLの水を加え、5分間激しく混合し、遠心分離を繰り返した。溶液の電導度が脱イオン水の電導度に近い約5μS・cm−1(pH約6)になるまで遠心分離/洗浄サイクルを4回繰り返した。生成物を凍結乾燥して白色固体を得た。
【0027】
実施例2:原子間力顕微鏡法(AFM)及び透過型電子顕微鏡法(TEM)
過硫酸アンモニウムを用いて調製したCNCを超音波処理し、そのようにして得られたCNCの原子間力顕微鏡法(AFM)写真を、シリコンチップをタッピングモードで操作するナノスコープ(Nanoscope)(商標)IV(Digital Instruments、Veeco、Santa Barbara、CA)を用いて得た。AFM顕微鏡写真の粒子解析はサイオン(Scion)(商標)イメージ(Image)(http://www.scioncorp.com/pages/scion_image_windows.htm)を用いて実施した。
【0028】
TEM顕微鏡写真はHitachi透過型電子顕微鏡(TEM)により、60kVで得た(H−7500型、Tokyo、Japan)。TEMは以下のようにして得た。少量のCNCをメタノールに懸濁し、超音波処理して材料を分散した。次いで、よく分散した懸濁液の液滴20μLをフォームバー(Formvar)カーボンでコートしたグリッド上で乾燥し、解析した。低電圧透過型電子顕微鏡法(LVTEM)写真はデロング(Delong)LVEM(Soquelec Ltd.、Montreal、QC、Canada)低電圧TEMにより、5kVで、カーボンメッシュとCNCの間で高いコントラストを発生する低加速電圧で得た。
【0029】
AFM(図1A及び図1B)及びTEM顕微鏡写真により、CNCのロッド形状ジオメトリーが確認された。このロッド形状は従来技術の酸処理によって得られたものと比較して高度に均一であった。亜麻(図1A)についてはCNCの直径は3.8±0.1nm、一方長さは144±5nmであった。比較のため、亜麻の従来技術の酸加水分解では直径21±7nm、長さ327±108nmのCNCが得られた(Caoら、2007)。麻(図1B)についてはCNCの直径は5.8±0.1nm、長さ148±3nmであった。比較のため、麻の従来技術の酸加水分解では直径が30±10nm、長さが寸法で数μmのCNCが得られた(Caoら、2008)。
【0030】
ナノ結晶の寸法、形状、及び寸法分布は、ある程度出発のセルロース系材料に依存していた。例として、麻及び亜麻から調製したCNCの断面ディメンジョンは約2〜6nmに集中しており、出発材料中に最初に存在していた要素フィブリル(直径約3〜7nm)を反映していた。このようなCNCは、従来技術の酸加水分解によって得られたCNC(直径が10〜20nmの範囲;Mahmoudら、2009)より遥かに均一で著しく小さい。
【0031】
表1及び表2に、過硫酸アンモニウムを用いて種々の源から調製したCNCの収率、結晶性指数(CRI)及びディメンジョンを提示する。CRIは積分法を用いてピーク高さ(括弧内)から推定される。長さ及び直径は95%の信頼区間で報告されている。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
種々のセルロース系物質から調製した他のCNC試料も同様の平均粒子長さ及び長さの多分散性を示した。比較として、従来技術の酸加水分解法を用いて亜麻及び麻から製造したCNCは、それぞれ16〜28nm及び20〜40nmと、より高い平均直径を有している。さらに、本発明によって調製したCNCの平均長さは約90〜150nmであり、したがってCNCの平均アスペクト比は30と決定され、酸加水分解によって得られたCNCの10と対照的であった。これらは非常に重要な知見である。その理由は、セルロースナノ結晶の均一性、小寸法、及び高いアスペクト比はナノフィラーとしてのそれらの意図された用途に重要であるからである。1つのユニットセルのディメンジョン(7.8Å、8.2Å、及び10.4Å)又はセルロース鎖の1つのグルコース単位が約0.5nmであることを考慮し、当技術分野で知られている方法(Nishiyamaら、2002)を用いてCNCの重合度は20〜500と推定された。
【0035】
実施例3:走査型電子顕微鏡法(SEM)
SEM解析はHitachi S 2600N走査型電子顕微鏡により、2.8kVで実施した。SEMにより、過硫酸アンモニウム処理による繊維表面の形態学的変化が明らかになり、非晶質領域の破壊が示された。対照的に、過硫酸アンモニウムなしに加熱した場合には、繊維は変化しないままであった。過硫酸アンモニウムでリグニン、ヘミセルロース、ペクチン、及び他の植物成分を溶解することによって、インサイチュで清浄なCNCを製造することができた。過硫酸塩を含む溶液を加熱すると遊離基が生成する(S2−+熱→2SO−−)(Hsuら、2002)。したがって、過硫酸塩はポリマー及び合成ゴムの調製において乳化重合反応の開始剤としてしばしば用いられる。さらに、本研究において用いた酸性条件(pH 1.0)下で、過酸化水素が生成した(S2−+2HO→HSO+H)(Edgar及びGray、2003;Stiernstedtら、2006)。全体として、このような遊離基及びHは非晶質領域に浸透してセルロース鎖のβ−1,4結合を切断し、CNCを形成することができるはずである。遊離基2SO及びHの両方はまた、リグニンの芳香環を開環させ、この材料を脱色した。従来技術の酸加水分解法は他の繊維成分を除去するためにアルカリ又は漂白剤を必要とし、この処理はしばしばセルロースの結晶性及び構造に悪影響を及ぼす(セルロースIのセルロースIIへの変換;Krassig、1996)。
【0036】
実施例4:X線回折(XRD)解析
広角X線散乱解析は、銅(CuKα、λ=1.54184Å)回転アノード源を備えたパナリティカルエキスパート(Panalytical X’pert)PrO回折計を用いて室温で、機器の設定を45kV及び40mAとして得た。試料を慎重にガラススライド上に置き、チャンバー中に挿入した。収集したデータは、粉末回折用のグラフィックツールであるウィン(Win)PLOTR(http://www.llb/cea.fr/fullweb/winplotrlwinplotr.htm)を用いて解析し、結晶性指数(CRI)を計算するためにピーク位置(2θ)、FWHM(半値全幅)、ピーク畳み込み解除、及び積分強度を得た。dhklスペーシングはλ/2sinθ(λ=1.54184Å)として計算される。結晶寸法はフォームファクター又はScherrer定数(K)を1とし、Kλ/FWHM.cosθとして推定される(Scherrer、1918)。
【0037】
種々のバイオマス源から調製したCNCはX線回折(XRD)によって特徴付けられた。結果を図2及び表3、表4に提示する。図2は麻から製造されたCNCの1M過硫酸アンモニウム処理前後のPXRDスペクトルを示す。挿入図は畳み込みを解いたセルロースのピークを示す。表3はバイオマス試料の処理前後の結晶寸法、dhklスペーシング及び結晶性指数(CRI)の比較を提示する。表4はバイオマスの処理前後の最も強いピークについてのピーク位置(2θ)値の比較を提示する。
【0038】
CNCの回折図はショルダー(021)及び2つの低いピーク(101及び10−1)を有する最も強いピーク(002)を示した。いくつかの試料においては、35°に極めて小さいピーク(040)が観察された。全ての例において、(002)ピーク位置は処理過程の間事実上変化しないままであった。このような特徴は、Debye−Scherrer式(Debye、1915)によって決定されるd−スペーシング及び平均結晶寸法を含めて、セルロースIの回折パターンと類似しており、過硫酸アンモニウムによる処理過程の間の材料の一体性が確認された。次いでCNCの結晶性指数(CRI)を、結晶の面積と全散乱強度との比に基づく積分法を用いて推定し(Jayme及びKnolle、1964)、表1に結果をまとめた。(002)面からの最大強度(ピーク高さ)及び約18°の2θで測定したバックグラウンド散乱の強度を用いて推定したCRIは、しばしば結晶性の過大な見積もりをもたらす(Segalら、1959;Thygesenら、2005)。本研究で調製したCNCは平滑な薄膜をキャストするために用いることができ、これは表面力及び摩擦の測定に適している(Stienstedtら、2006)。
【0039】
一般に、CNCのCRIは、MCC及びホワットマンCFIから調製したCNCを除いて、その原料対応物質のCRIよりも顕著に高かった。002ピークのFWHM(半値全幅)はまた出発材料のそれよりも小さく、CNCの溶解が少ないことを示した。亜麻結束繊維及び麻について、初期CRIは約50〜70%であり、文献データ(Bhatnagar及びSain、2005)と一致した。MCC及びホワットマンCFIを過硫酸アンモニウムで処理する場合、初期結晶性が極めて高く、短繊維をもたらすのみで、一方CRIは変化しないままであった。
【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
実施例5:過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムによるCNCの調製
過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムも、CNCを製造することができた。過硫酸アンモニウム処理と同様に、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムを用いて製造したCNCのCRIはそれらの出発材料よりも約8〜16%増大した。過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムから得たCNCのディメンジョンを表5にまとめる。CRIはピーク高さ(括弧内)から積分法を用いて推定される。長さ及び直径は95%信頼区間で報告されている。
【0043】
【表5】

【0044】
実施例6:X線光電子分光法(XPS)
XPS解析は単色Al Kα源を備えたアクシス(AXIS)(商標)ウルトラ(ULTRA)分光器(Kratos Analytical Ltd.、Manchester、UK)を用いて出力225Wで実施した。解析した表面積の元素組成は、パスエネルギー160eVで収集した検査スペクトルから得た。高分解能C(1s)及びO(1s)スペクトルは20eVで収集した。解析チャンバー内の圧は10−6Pa未満であり、装置は以下の検量線によって較正した:Au(4f)、Ag(3d)及びCu(2p)。試料の仕込み以降、XPS実験の間、電子フラッドガンを用いた。各元素の原子濃度はカサ(Casa)XPS(Casa Software Ltd.)を用い、関連する積分ピーク面積を決定して装置のメーカーから供給された感度係数を適用することによって計算し、Shirleyバックグラウンドを用いた。高分解能C(1s)及びO(1s)ピーク位置を比較するため、近似させた脂肪族CH成分の立ち上がり部が一致し、且つ詳細なスペクトルがいくつかのピークと近似するように、混合ガウス−ローレンツ関数を用いてスペクトルを移動させた。
【0045】
過硫酸アンモニウム処理によって調製した亜麻由来のCNCのXPSスペクトルを図3に示す。試料はCNCによるC(1s)及びO(1s)の主セグメントと、重要でない微小なN(1s)、S(2p)及びSi(2p)のみを示す。
【0046】
実施例7:赤外分光法(IR)
フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルはブルーカーテンサー(Bruker Tensor)27 FTIR分光光度計を用いて4000〜400cm−1で、64スキャン、分解能4cm−1で収集した。試料はKBrペレットとして測定した。セルロース含量の近赤外(NIR)解析は、積分球を備えたアンタリス(Antaris)FT−NIRアナライザーによって測定した。機器バックグラウンドとして内部金フラッグを用い、スペクトル分解能を8cm−1に設定し、数学的に300回のスキャンを実行して1つのスペクトルを生成した。粒子からの色及び散乱光によるスペクトルのベースラインドリフトを除去するために、各試料のスペクトルを二次導関数変換によって処理した。セルロース(%)、リグニン(%)、及びヘミセルロース(%)濃度の測定のための相関モデル(即ち較正曲線)を展開するためにPLS(部分最小二乗法)アルゴリズムを用いた(Guhadosら、2005)。
【0047】
種々のバイオマス源から調製したCNCの特徴付けをFTIR分光法によって行った。図4に種々のセルロース系材料及びそれらの対応するCNCについてのFTIR吸収バンド及びそれらの帰属をまとめる。過硫酸塩での処理後の種々のセルロース材料のCRIの増加は、FTIRデータともよく相関していた。CNCのFTIRスペクトルはセルロース系材料に典型的な吸収バンドを示した。1429cm−1、1163cm−1、1111cm−1及び897cm−1におけるシグナルの存在はCNCが主としてセルロースIβの形態であることを示したが、例外は過硫酸塩処理バクテリアセルロースであり、この場合には3241cm−1及び753cm−1における特徴的な吸収バンドがバクテリアセルロース中の高度のセルロースタイプIαを確認するものである。バクテリアセルロースの過硫酸塩処理は、セルロースIβに対するセルロースIαの質量分率の減少をもたらした。CNCの吸収パターンは過硫酸塩での処理の後も変化ないままであり、セルロース構造のコンフォメーションに顕著な変化がないこと、即ちマーセル化が起こらなかったことを示した。CNCの1430cm−1における結晶吸収及び895cm−1における非晶質吸収の比はその原料対応物質の比よりも高かった(Nelson及びO’Connor、1964)。このFTIR比はCRIを計算するために用いられてきたが、その適用性はやや限定的であり、たとえばマーセル化セルロース(セルロースII)には適用できず、PXRDデータとの相関性はあまり良くない。種々の材料から調製したCNCのIRスペクトルは1735cm−1にピークを示したが、これは酸加水分解によって得られたCNCには存在しなかった。このピークはカルボン酸を生成するセルロース繊維上のC6一級ヒドロキシル基の酸化に帰属され得る。CNCの酸化度(DS)は電導度滴定法を用いて約0.08であると決定された(da Silva Perezら、2003)。種々の試料についての電導度滴定実験により、酸化度は約0.08〜0.19の範囲であり得ることが示された。過硫酸アンモニウムでの処理後の亜麻及び麻のCRIの増加は、NIR解析によって観察されたセルロース含量の増加とも良く相関していた(Kramer及びEbel、2000;Poke及びRaymond、2006)。亜麻繊維のセルロース含量は過硫酸塩処理後に70%から79%に増加した。一方麻のセルロース含量は75%から83%に増加した。ペクチン酸リアーゼで処理した繊維を用いてセルロース含量がより高いCNCを調製することができ、亜麻及び麻についてセルロース含量はそれぞれ84%及び93%である。セルロース含量の増加が観察されたことは、天然繊維からの非セルロース系含量の除去において本発明の方法が効果的であることを示していた。
【0048】
参考文献:各々の全ての内容はこの参照によって組み込まれる。
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【0049】
本構成に固有の他の利点は当業者には明白である。本明細書において実施形態は例示的に記載されており、主張された発明の範囲を限定することを意味していない。上記の実施形態の変形は当業者には明白であり、以下の特許請求の範囲に包含されることを発明者は意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)セルロース系材料を用意するステップ、
(b)該セルロース系材料を高温で無機過硫酸塩と接触させてセルロースナノ結晶を製造するステップ、及び
(c)該セルロースナノ結晶を回収するステップ
を含むセルロースナノ結晶を製造する方法。
【請求項2】
前記無機過硫酸塩が過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無機過硫酸塩が過硫酸アンモニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セルロース系材料が植物性バイオマスを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記セルロース系材料が1つ又は複数の麻又は亜麻材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記セルロース系材料が1つ又は複数の木材源を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記セルロース系材料が1つ又は複数の農業廃棄物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記高温が45℃〜80℃の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記過硫酸塩が0.5M〜2.0Mの範囲の過硫酸塩濃度を有する水溶液で用意される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記過硫酸塩が0.5M〜1.0Mの範囲の過硫酸塩濃度を有する水溶液で用意される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記過硫酸塩が前記セルロース系材料とともに5時間〜24時間の範囲の時間撹拌される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記高温が約60℃であり、前記過硫酸塩が約1.0Mの過硫酸塩濃度を有する水溶液で用意され、前記過硫酸塩が前記セルロース系材料とともに約16時間撹拌される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記過硫酸塩が過硫酸アンモニウムを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
セルロースのナノ結晶を含むセルロースベースの材料であって、前記ナノ結晶が表面カルボン酸基を有するセルロースベースの材料。
【請求項15】
前記ナノ結晶が0.01〜0.20の範囲の酸化度を有する、請求項14に記載のセルロースベースの材料。
【請求項16】
前記ナノ結晶が0.01〜0.19の範囲の酸化度を有する、請求項14に記載のセルロースベースの材料。
【請求項17】
前記ナノ結晶が0.05〜約0.10の範囲の酸化度を有する、請求項14に記載のセルロースベースの材料。
【請求項18】
前記ナノ結晶がC6一級ヒドロキシル基において選択的に酸化されている、請求項14〜17のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項19】
前記ナノ結晶が7nm未満の範囲の平均直径を有し、実質的に全ての前記ナノ結晶が平均直径の約0.5nm以内の直径及び10以上のアスペクト比(L/D)を有する、請求項14〜18のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項20】
前記ナノ結晶が5nm未満の範囲の平均直径を有し、実質的に全ての前記ナノ結晶が平均直径の約0.5nm以内の直径及び10以上のアスペクト比(L/D)を有する、請求項14〜18のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項21】
セルロースのナノ結晶を含むセルロースベースの材料であって、前記ナノ結晶が7nm未満の平均直径を有し、実質的に全ての前記ナノ結晶が平均直径の約0.5nm以内の直径及び10以上のアスペクト比(L/D)を有するセルロースベースの材料。
【請求項22】
前記平均直径が5nm未満である、請求項21に記載のセルロースベースの材料。
【請求項23】
前記平均直径が3nm〜7nmの範囲である、請求項19〜21のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項24】
前記平均直径が3nm〜4.9nmの範囲である、請求項19〜22のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項25】
前記アスペクト比が12〜60の範囲である、請求項19〜24のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項26】
実質的に全ての前記ナノ結晶が平均直径の約0.3nm以内の直径を有する、請求項19〜25のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項27】
前記ナノ結晶が、前記ナノ結晶の原料であるセルロース系材料の結晶性指数よりも5%以上大きいCRIを有する、請求項14〜26のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。
【請求項28】
前記ナノ結晶が、前記ナノ結晶の原料であるセルロース系材料の結晶性指数よりも5%〜20%大きい範囲のCRIを有する、請求項14〜26のいずれか一項に記載のセルロースベースの材料。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−513706(P2013−513706A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543419(P2012−543419)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000372
【国際公開番号】WO2011/072365
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(595006223)ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ (25)
【Fターム(参考)】