説明

冷凍機用潤滑油、潤滑剤組成物並びに冷凍機及びシステム

冷凍機、潤滑剤組成物、並びに冷凍機及び冷凍システム用の潤滑油であり、前記冷凍機及び冷凍システムは、HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒で作動する型のものであり、前記潤滑油は、120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンの少なくとも80重量%を含むアルキルベンゼン油から成り、前記潤滑剤組成物は、前記アルキルベンゼン油、及び耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤の約8重量%までから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルベンゼン潤滑油に関し、及びHC(炭化水素)群の冷媒で作動する家庭用、商業用又は工業用の冷凍システム(例えば、小型冷凍システム)中に用いる型の気密性コンプレッサーなどの冷凍機中で用いるための前記潤滑油を含む潤滑剤組成物に関する。本発明は又、前記潤滑油又は前記潤滑油を含む潤滑剤組成物を含む冷凍システム及び冷凍機にも関する。
【背景技術】
【0002】
90年代半ばまでの家庭用冷凍に応用される従来の冷媒は、クロロフルオロカーボン(CFCs)系化合物であった。しかしながら、これらの化合物が上層大気中のオゾン層にダメージを与えることが判明して以来、今はそのような化合物の使用が制限され、モントリオール議定書の取り決めに従って規制されている。家庭用途に用いられるCFCsは、初期にはオゾン層破壊係数(ODP)がゼロのハイドロフルオロカーボン(HFCs)に取って代わられた。しかしながら、HFCs化合物の適用はかなり大きな地球温暖化係数(GWP)を有し、この理由で前記HFCs化合物は、主にヨーロッパ及びアジアの国内市場においてハイドロカーボン(HC)系冷媒に取って代わられてきた。
【0003】
冷凍システム中の冷媒を変えるとこれらの冷凍システム中で用いられる潤滑油も変えることになるが、それは、例えばこれらのシステム中で酸を生成する反応及び該システムの保全性及び能率を損なうその他の成分を回避するために、前記成分を該冷凍システムのコンプレッサー中で相互に適合させる必要があるからである。
【0004】
HFC冷媒を用いるシステムに関しては、US6207071(アルキルベンゼン潤滑油を、特定の比及び分子量のリン酸エステル系添加剤と共に又は単独で用いる)に記載されているように、前記アルキルベンゼン潤滑油を用いるいくつかの従来技術の解決法が知られている。US6207071中に開示されている前記解決法は、HFC−134a及び/又はHFC−125、200から350の分子量のアルキルベンゼン油の60重量%を含むアルキルベンゼン油を含む潤滑油、及び添加剤を用いる場合はリン酸エステル化合物の0.01から5.0重量%(重量%は、本油組成物の総量に基づく。)、から成る冷媒と共に用いることが必要である。
【0005】
この潤滑油解決法は、HFCを含む冷凍システム中の潤滑剤としてそれを用いることにおいて有利性を提供するけれども、そのような組成物は約20℃より低い温度条件では適用できない。というのは、本潤滑油は、これらの温度又はより低い温度では、HFC−134a及び/又はHFC−125との混和性が低いからである。0℃付近又はそれ以下の温度において、この公知の従来技術の潤滑油は、HFC−134a及び/又はHFC−125から成る冷媒と共に用いられ得ない。
【発明の開示】
【0006】
(発明の目的)
従って、本発明の目的は、HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒、例えばHC−600a及び/又はHC−290から成る冷媒を用いて作動するコンプレッサーなどの冷凍機中で用いられるアルキルベンゼン潤滑油であり、コンプレッサーの破壊を避けながら、及び少なくともコンプレッサーの使用寿命の間は長期にわたる高い信頼性を維持しながら、一般に10℃より低い冷凍システムの通常の運転温度などの低い温度においてさえも変わらずに潤滑性及び混和性の条件を維持する前記潤滑油を提供することである。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、上記の油を含む潤滑剤組成物、及び上記のようにHC冷媒を用いる冷凍システム用の気密性コンプレッサーに適用される添加剤を含む潤滑剤組成物を提供することであり、前記組成物は、低い温度における良好な潤滑性、良好な混和性、及び冷凍システム中の前記冷媒及びコンプレッサーの内部環境の両方との適合性を示す。
【0008】
本発明の更なる目的は、上記のようなHC系冷媒を用いる、前記潤滑油又は前記潤滑剤組成物を含む冷凍機及び冷凍システムを提供することである。
【0009】
(発明の要旨)
これらの及びその他の目的は、HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒で作動する冷凍機用の潤滑油により達成され、前記潤滑油は、120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンの少なくとも80重量%を含むアルキルベンゼン油を含む。
【0010】
本発明は、HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒で作動する冷凍機中で用いるための潤滑剤組成物を更に提供し、前記組成物は、上記で定義したアルキルベンゼン油、及び更に耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤の約8重量%までを含む。
【0011】
本発明は、前記潤滑油、又は上記で定義され前記アルキルベンゼン潤滑油を含む組成物を含み、及びHC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒を含む冷凍機を更に提供する。本発明は、前記冷凍機を含む冷凍システムを更に提供する。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明を以下に、目的の特性を示す潤滑油及び潤滑剤組成物の例を参照しながら記述する。
【0013】
本発明の潤滑油及び潤滑剤組成物を、例えばHC−600a及び/又はHC−290を含む冷媒の少なくとも1つなどのHC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分を含む熱交換有機冷媒であり、冷凍システム中に用いる型の、特に家庭用途のための、例えば気密性コンプレッサーにより定義される冷凍機の中で用いるための熱交換有機冷媒と共に用いる用途について記述する。
【0014】
冷媒のこれらの群には、40℃の温度において約3.0cStから約7.0cStの範囲の粘度を示す潤滑油が用いられる。本発明の第1態様において、例えば120から288の分子量を有するアルキルベンゼンの85重量%以上を含むアルキルベンゼン油又はより具体的には120から288の分子量を有する直鎖アルキルベンゼンの85重量%以上を含むアルキルベンゼン油から成るHC−600a及び/又はHC−290を含む、HC冷媒と共に用いるための冷凍用潤滑油が確立されている。
【0015】
更に、その潤滑油は長期運転期間中の気密性コンプレッサーの破壊を妨げる特性を向上させるので、アルキルベンゼンは、好ましくは、120から288の分子量を有する直鎖アルキルベンゼンの80重量%以上を、より好ましくは85重量%以上を、より好ましくは90重量%以上を含むアルキルベンゼン油から選択される。
【0016】
本発明のアルキルベンゼン潤滑油は、アルキルベンゼン成分の分子構造に関しては特に制限はなく、その分子量は、好ましくは120から288の範囲内で定義される。しかしながら、冷凍システムの長期間信頼性を向上させる利益考慮すると、各基が1から15の炭素原子を含みアルキル基中の総炭素原子数が3から15であるアルキル基を1から4つ含むアルキルベンゼンを選択することが好ましく、各基が1から13の炭素原子を含みアルキル基中の総炭素原子数が3から13であるアルキル基を1から4つ含むアルキルベンゼンを選択することがより好ましい。
【0017】
1から15の炭素原子を含むアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル(全ての異性体を含む)、ブチル(全ての異性体を含む)、ペンチル(全ての異性体を含む)、ヘキシル(全ての異性体を含む)、ヘプチル(全ての異性体を含む)、オクチル(全ての異性体を含む)、ノニル(全ての異性体を含む)、デシル(全ての異性体を含む)、ウンデシル(全ての異性体を含む)、ドデシル(全ての異性体を含む)、トリデシル(全ての異性体を含む)、テトラデシル(全ての異性体を含む)、ペンタデシル(全ての異性体を含む)である。
【0018】
これらのアルキル基は、直鎖又は分岐鎖であってよい。しかしながら、アルキルベンゼンの安定性及び粘度の観点において、分岐鎖モノアルキルが好ましいが、それは直鎖性はより良好な潤滑性につながり、アルキル基の存在はアルキルベンゼン油の化学的安定性に正の効果を有するからである。上記ベンゼン中のアルキル基の数は、1から4と定義される。しかしながら、アルキルベンゼンの安定性及び有用性の観点において、1又は2のアルキル基を含むアルキルベンゼン、即ちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン又はそれらの混合物、より好ましくは直鎖又は分岐鎖のモノアルキルベンゼンを選択するのが最も好ましい。
【0019】
同じ分子構造を有する上記で定義したアルキルベンゼンのみならず、各基が1から15の、好ましくは1から13の炭素原子を含む1から4のアルキル基を含み、アルキル基中の総炭素原子数が3から15、好ましくは3から13であるという条件を満足する限り、異なる分子構造を有するアルキルベンゼンを採用することも又、可能である。
【0020】
原料として用い得る芳香族化合物は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びそれらの混合物を含み、本発明中に用い得る芳香族化合物のアルキル化剤は、エチレン、プロピレン、ブテン、又はイソブチレンなどの低級オレフィン;好ましくは、プロピレンの重合から誘導し得る6から15の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のオレフィン;ワックス、重油、石油留分、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱分解から誘導し得る6から15の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のオレフィン;n−パラフィンをケロシン又はガス油などの石油留分から分離した後、パラフィンの残りをオレフィンに触媒変換することにより得られ得る6から15の炭素原子を有する直鎖のオレフィン;及びこれらのオレフィンの混合物を含む。
【0021】
アルキル化に用いるアルキル化触媒は、塩化アルミニウム又は塩化亜鉛などのフリーデルクラフツ触媒により例示される従来の触媒;又は硫酸、リン酸、フッ酸又は活性粘土により定義される酸性触媒を含む。本発明のアルキルベンゼン油は、120から288の範囲の分子量を有するアルキルベンゼン配合物を、120未満の分子量を有するアルキルベンゼンと、及び288超過の分子量を有するアルキルベンゼンとそれぞれ別々に混合することにより得られ得る。しかしながら実際には、アルキルベンゼンの少なくとも85重量%を含み、大部分が120から288の範囲の分子量を有する直鎖アルキルベンゼンである留出物を、上述の方法により製造される又は市販のアルキルベンゼン混合物から蒸留又はクロマトグラフィーにより得ることが望ましい。
【0022】
本発明の目的の潤滑油は、HC−600a及び/又はHC−290を含むHC冷媒用の潤滑油として添加剤なしで適切に用い得る上記で定義したようなアルキルベンゼン油を含む。しかしながら、潤滑油及び1つ以上の添加剤を含む組成物の形態において用いることも可能である。
【0023】
40℃の温度における粘度が5cSt付近である添加剤添加のナフテン系鉱物潤滑油は、低い融点(120℃)を示すので、本発明は、40℃の温度における5cSt付近の粘度に対して145℃付近の融点を示す高能率の気密性コンプレッサー中で用いるための添加剤添加直鎖アルキルベンゼン潤滑剤を更に提供する。
【0024】
適したアルキルベンゼン油の例は、下記に記述するように、10から13の炭素原子のパラフィン側鎖を有する直鎖アルキル基を含む及び239から244g/Molの平均分子量を有するアルキルベンゼン油であり、それは40℃の温度における4から5cStの粘度を有し、リン酸エステル系(ブチル化トリフェニルリン酸エステルの2.0 ±
0.3%p/p)耐摩耗添加剤を含む。
【0025】
本発明の第1態様によれば、120から288の分子量を示し、40℃の温度まで3から7cStの動粘度を有するアルキルベンゼンの少なくとも85重量%を含み、少なくともモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン及びモノアルキルベンゼンとジアルキルベンゼンとの混合物からなる群より選択される、好ましくはモノアルキルベンゼンであるアルキルベンゼン油を含む潤滑油が提供される。より具体的な様式において、本発明は、各アルキル基が1から15の炭素原子を含み前記アルキル基中の総炭素原子数が3から15であるアルキル基を、より詳細には各アルキル基が1から13の炭素原子を含みアルキル基中の総炭素原子数が3から13であるアルキル基を1から4つ含むアルキルベンゼン潤滑油を提供する。
【0026】
より具体的には、本発明の120から288の分子量を有するアルキルベンゼン潤滑油は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、好ましくは直鎖のアルキル基を含み、該アルキルベンゼン潤滑油は、162から288の分子量を有する直鎖アルキルベンゼンの少なくとも85重量%を含む。
【0027】
いくつかの使用条件下では、本明細書中に記述されるように、40℃の温度まで3から7cStの動粘度を有するアルキルベンゼンは、完全な潤滑剤として良好に作用する。しかしながら、完全な潤滑油を得るためには、潤滑油が、耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤などの通常添加剤と称されるその他の物質を含むことが、一般に好ましい。多くの添加剤は、多機能性である。例えば、一定の添加剤は、圧に対する極限抵抗性及び耐摩耗性の両方を、又は金属不活性化剤としての機能及び腐食抑制剤としての機能の両方を発揮し得る。総体的に、組成物中の添加剤の全ては、潤滑剤組成物の総配合物の好ましくは8重量%、より好ましくは5重量%を超えてはならない。
【0028】
適切な添加剤の種類の効果的な量は一般に、抗酸化成分については0.01から5%の範囲内、腐食抑制剤成分については0.01から5%の範囲内、金属不活性化剤成分については0.001から0.5%の範囲内、潤滑性付与剤については0.5から5%の範囲内、粘度指数向上剤並びに流動性の及び/又は凝集点の低下剤の各々については0.01から2%の範囲内、洗浄剤及び分散剤の各々については0.1から5%の範囲内、消泡剤については0.001から1%の範囲内、並びに耐極圧添加剤成分及び耐摩耗剤成分の各々については0.1から3%の範囲内である。これらの%は全て重量%であり、潤滑剤組成物の総重量に基づいている。しかしながら、添加剤のより多い又はより少ない量を、組成物の特定の状況及びその用途の関数として用い得ること、及び単一分子の種類又は混合物の種類を各添加剤の種類について用い得ることを理解されたい。更に、本明細書中に記載の例は、限定的ではなく例示的であると理解されたい。
【0029】
耐酸化性の及び熱安定性の一定の向上剤の例は、ジフェニル−ジナフチル−アミン及びフェニルナフチル−アミンであり、その中でフェニル基及びナフチル基は置換されることができ、即ち、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、p−オクチルジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、及びジ−2−ナフチルアミン;N−アルキルフェノチアジンなどのフェノチアジン;イミノ(ビスベンジル);及び6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール)などのフェノールである。
【0030】
一定の第1銅金属不活性化剤の例は、イミダゾール、ベンゾミダゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾール、2,5−ジ−メルカプトトリアゾール、サリチリデン−プロピレンジアミン、ピラゾール、ベンゾトリアゾール、トルトリアゾール、2−メチルベンズアミデゾル、3,5−ジメチルピラゾール、及びメチレンビスベンゾトリアゾールである。ベンゾトリアゾール誘導体が、好ましい。金属不活性化剤及び/又は腐食抑制剤のその他の共通の例としては、N−オレイル−サルコシン、ソルビタンモノオレート、ナフテン酸鉛、ドデシル−コハク酸及びそのエステル及び部分アミド、及び4−ノニルフェノキシ酢酸などの、有機酸並びにそのエステル、金属塩及び無水物;一級、二級及び三級脂肪族及び脂環式アミン並びに有機酸及び無機酸のアミン塩、即ち油溶性アルキルアンモニウムカルボキシレート;窒素含有複素環化合物、即ちチオジアトリアゾール、置換イミダゾリン、及びオキサゾリン;ジノニルナフタレンスルフォン酸バリウム;キノリン、キノン及びアントラキノン;プロピルガレート;アルケニルコハク酸又は酸無水物のアミドのエステル及び誘導体、ジチオカルバミン酸エステル、ジチオリン酸エステル;アルキル酸ホスフェートのアミン塩及びその誘導体が挙げられる。
【0031】
一定の潤滑性付与剤の例としては、エステル、アミン、イミダゾリン及びホウ酸塩などの長鎖脂肪酸及び天然油の誘導体が挙げられる。
【0032】
一定の粘度指数向上剤の例としては、ポリメタクリレート、ビニルピロリドン及びメタクリレートのコポリマー、ポリブテン及びスチレンアクリレートのコポリマーが挙げられる。
【0033】
一定の流動性の及び/又は凝集点の低下剤の例としては、メタクリレート−エチレン−酢酸ビニル熱重合ポリマーなどのポリメタクリレート;アルキル化ナフタレン誘導体;及び尿素とナフタレン又はフェノールとの縮合により触媒されるフリーデルクラフツ生成物が挙げられる。
【0034】
一定の洗浄剤及び/又は分散剤の例としては、ポリブテニルコハク酸アミド;ポリブテニルリン酸誘導体;長鎖のアルキルスルフォン芳香族酸及びその塩;及びアルキル亜硫酸エステルの金属塩、アルキルフェノールの金属塩、及びアルキルフェノールとアルデヒドとの縮合生成物の金属塩が挙げられる。
【0035】
一定の消泡剤の例としては、シリコン及びいくつかのアクリレートのポリマーが挙げられる。
【0036】
一定の耐極圧添加剤及び耐摩耗剤の例としては、硫化オクチルタレートなどの硫化脂肪酸及び脂肪酸のエステル;硫化テルペン;硫化オレフィン;有機ポリスルフィド;リン酸アミン、アルキル酸ホスフェート、リン酸ジアルキル、リン酸アミノジチオ、トリアルキル及びトリアリールホスホロチオネート、トリアルキル及びトリアリールホスフィン並びにジアルキルホスファイトを含む有機リン酸誘導体、即ち、モノヘキシルリン酸エステルのアミン塩、ジノニルナフタレンスルホネートのアミン塩、リン酸トリフェニル、リン酸トリナフチル、リン酸ジフェニルクレジル及びリン酸ジクレジルフェニル、リン酸ナフチルジフェニル、トリフェニルホスホロチオネート;ジアルキルジチオカルバミン酸アンチモンなどのジチオカルバミン酸塩;塩素化及び/又はフッ素化炭化水素及びキサントゲン酸塩(xanthalates)が挙げられる。
【0037】
従って、本発明の第2態様によれば、120から288の分子量を有するベースのアルキルベンゼン油又は直鎖アルキルベンゼン潤滑油を含み、耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤の約8重量%までを含む液体潤滑剤組成物が提供される。本発明の特定の形態において、添加剤は、リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選択されるリン化合物の少なくとも1種類を含む。
【0038】
より具体的には、本発明のこの第2態様において、アルキルベンゼン油が218から260の分子量を有する直鎖アルキルベンゼンの少なくとも90重量%、例えば100重量%及びリン酸エステル化合物の0.01から5.0重量%、より特には0.005から5.0重量%を含む(重量%は、油組成物の総量に基づいている。)。
【0039】
耐摩耗性及び耐負荷性に関して冷凍機構を改善する点から、冷媒油をリン酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選択されるリン化合物の少なくとも1種類と混合することが好ましい。これらのリン化合物は、リン酸又は亜リン酸とアルコール又はアルコール型ポリエステルとの反応から得られるエステル、又はリン化合物などである。
【0040】
本発明中で用いられるリン酸エステルは、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリテトラデシル、リン酸トリペンタデシル、リン酸トリヘキサデシル、リン酸トリヘプタデシル、リン酸トリオクタデシル、リン酸トリオレイル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシリル、リン酸クレジルジフェニル及びリン酸キシリルジフェニルを含む。
【0041】
本発明中で用いられる酸リン酸エステルは、モノブチル酸ホスフェート、モノペンチル酸ホスフェート、モノヘキシル酸ホスフェート、モノヘプチル酸ホスフェート、モノオクチル酸ホスフェート、モノノニル酸ホスフェート、モノデシル酸ホスフェート、モノウンデシル酸ホスフェート、モノドデシル酸ホスフェート、モノトリデシル酸ホスフェート、モノテトラデシル酸ホスフェート、モノペンタデシル酸ホスフェート、モノヘキサデシル酸ホスフェート、モノヘプタデシル酸ホスフェート、モノオクタデシル酸ホスフェート、モノオレイル酸ホスフェート、ジブチル酸ホスフェート、ジフェニル酸ホスフェート、ジヘキシル酸ホスフェート、ジヘプチル酸ホスフェート、ジオクチル酸ホスフェート、ジノニル酸ホスフェート、ジデシル酸ホスフェート、ジウンデシル酸ホスフェート、ジドデシル酸ホスフェート、ジトリデシル酸ホスフェート、ジテトラデシル酸ホスフェート、ジペンタデシル酸ホスフェート、ジオクタデシル酸ホスフェート及びジオレイル酸ホスフェートを含む。リン酸エステルのアミン塩の例は、リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、およびトリオクチルアミンである。塩素化リン酸エステルの例は、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−クロロペンチルホスフェート及びポリオキシアルキレンビス[ジクロロアルキル]ホスフェートである。
【0042】
亜リン酸エステルの例は、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト及びトリクレジルホスファイトである。これらの混合物を用いることも可能である。
【0043】
これらのリン化合物は、潤滑油といずれかの望ましい混合比で混合され得る。しかしながら、これらのリン化合物は、冷凍用潤滑油組成物の総量(本発明のアルキルベンゼン油と全添加剤との総量)に基づいて0.005から5.0重量%の比、より好ましくは0.01から3.0重量%の比で混合することが一般に好ましい。
【0044】
添加されるリン化合物の量が冷凍用潤滑油組成物に基づいてで0.005重量%未満であると、この化合物の添加により耐摩耗性及び耐負荷性の改善に対するいかなる本質的な効果も達成できないことになるであろう。一方、添加されるリン化合物の量が冷凍用潤滑油組成物に基づいてで5.0重量%を超過すると、その長期間の使用の間に冷凍システム中に腐食を発生させ得る。
【0045】
本発明の直鎖アルキルベンゼン潤滑油の一例は、下記により定義される。
10から13の炭素原子のパラフィン側鎖を有し、炭素原子数の平均が11.7である直鎖アルキルベンゼン(LAB)。
(ベンゼン)、C10−13アルキル誘導体
式:CH−(CH−CH(C)−(CH−CH(n+m=7−10)(n,m+0−10)
平均分子量:239から244g/Mol
パラフィン(質量%):最大0.4
分岐鎖アルキルベンゼン + DAT + ジフェニルアルカン(質量%):最大8.0
ジアルキルテトラリン/インダン(DAT)(質量%):最大1.0
2−フェニル異性体(質量%):最大20
直鎖アルキルベンゼン(質量%):最小92
モノアルキルベンゼン(質量%):最小98.6
炭素の分布(質量%):
フェニル<C10:最大1.0
フェニル C10:5から16
フェニル C11:28から45
フェニル C12:25から40
フェニル C13:10から30
フェニル>/=C14:最大1.0
【0046】
本発明の添加剤の一例は、以下のように定義される。
化学名:トリフェニルブチル化ホスフェート
化学式:混合物
化学系統:リン酸アリール
物質名
リン酸t−ブチルフェニルジフェニル
リン酸ビス(t−ブチルフェニル)フェニル
リン酸トリ(t−ブチルフェニル)
リン酸トリフェニル
【0047】
潤滑油(並びに本発明の前記潤滑油及び添加剤を用いる組成物も)は、試験において、従来の潤滑油と比較してより良好な特性、即ちより高い融点、より良好な潤滑性、より高い熱安定性及び増大した粘度指数(VI)が得られた。HFC型の冷媒と共に用いるアルキルベンゼン油に関しては、本発明の潤滑油は、一般に−10℃未満である冷凍システムの運転中に一般に用いられる温度を含む0℃未満の温度において、増大した混和性を示す。
【0048】
その上、本発明の潤滑油、並びに前記潤滑油及び添加剤(例えば、トリフェニルブチル化ホスフェートの2.0±0.3%P/P)も含む組成物は、次のような利点:HC−600a及びコンプレッサー成分を含む液体冷媒との良好な化学的相溶性;高能率コンプレッサー中で用いるための優れた摩擦学的成績;R134a油及びR600a油と比較して最高の粘度指数(VI)を有する;及び前記アルキルベンゼン潤滑油を構成するC10−13のベンゼン生分解性の機能としての低環境影響性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのHC(炭化水素)群成分から成る冷媒で作動する冷凍機用の潤滑油であり、120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンの少なくとも80重量%を含むアルキルベンゼン油を含むことを特徴とする、前記潤滑油。
【請求項2】
アルキルベンゼン油が、直鎖アルキルベンゼンを少なくとも85重量%、及び好ましくは少なくとも90重量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油。
【請求項3】
直鎖アルキルベンゼンが、10から13の炭素原子のパラフィン側鎖を有する直鎖アルキル群から選択され、239から244g/Molの平均分子量を有し、及び40℃の温度における4から5の粘度を有することを特徴とする、請求項2に記載の潤滑油。
【請求項4】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が、1から15の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が、3から15であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の潤滑油。
【請求項5】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が1から13の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が3から13であることを特徴とする、請求項4に記載の潤滑油。
【請求項6】
アルキルベンゼンが、少なくとも1つのアルキル基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油。
【請求項7】
アルキルベンゼンが、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン又はそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項6に記載の潤滑油。
【請求項8】
アルキルベンゼンが、239から244g/Molの平均分子量を有することを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油。
【請求項9】
HC(炭化水素)群の冷媒が、HC−600a及びHC−290を含む冷媒の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の潤滑油。
【請求項10】
HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒で作動する冷凍機中で用いるための潤滑剤組成物であり、
120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンを少なくとも80重量%含むアルキルベンゼン油;及び
耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤の約8重量%まで、
を含むことを特徴とする、前記潤滑剤組成物。
【請求項11】
アルキルベンゼン油が、直鎖アルキルベンゼンを少なくとも85重量%、及び好ましくは少なくとも90重量%含むことを特徴とする、請求項10に記載の潤滑剤組成物。
【請求項12】
直鎖アルキルベンゼンが、10から13の炭素原子のパラフィン側鎖を有する直鎖アルキル基から選択され、239から244g/Molの平均分子量を有し、及び40℃の温度における4から5cStの粘度を有することを特徴とする、請求項11に記載の潤滑剤組成物。
【請求項13】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が、1から15の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が、3から15であることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の潤滑剤組成物。
【請求項14】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が1から13の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が3から13であることを特徴とする、請求項13に記載の潤滑剤組成物。
【請求項15】
アルキルベンゼンが、少なくとも1つのアルキル基を含むことを特徴とする、請求項10に記載の潤滑剤組成物。
【請求項16】
アルキルベンゼンが、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン又はそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項15に記載の潤滑剤組成物。
【請求項17】
アルキルベンゼンが、239から244g/Molの平均分子量を有することを特徴とする、請求項10に記載の潤滑剤組成物。
【請求項18】
添加剤が、リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選択されるリン化合物の少なくとも1種類を含むことを特徴とする、請求項10に記載の潤滑剤組成物。
【請求項19】
アルキルベンゼン油が、218から260の分子量を有する直鎖アルキルベンゼンを少なくとも90重量%及びリンから構成される添加剤を0.01から5.0重量%含むことを特徴とする(重量%は、油組成物の総量に基づく。)、請求項18に記載の潤滑剤組成物。
【請求項20】
リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸エステルのアミン塩、リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選択される添加剤を0.005から5.0重量%含むことを特徴とする、請求項19に記載の潤滑剤組成物。
【請求項21】
添加剤が、冷凍用潤滑油組成物の総量に基づいて0.01から3.0重量%の範囲において提供されることを特徴とする、請求項20に記載の潤滑剤組成物。
【請求項22】
HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒で作動する冷凍機であり、
120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンを少なくとも80重量%含むアルキルベンゼン油により構成される潤滑油を含むことを特徴とする、前記冷凍機。
【請求項23】
HC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒で作動する冷凍機であり、
120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンの少なくとも80重量%を含むアルキルベンゼン油;及び
耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤の約8重量%まで
により構成される潤滑剤組成物を含むことを特徴とする、前記冷凍機。
【請求項24】
アルキルベンゼン油が、直鎖アルキルベンゼンを少なくとも85重量%、及び好ましくは少なくとも90重量%含むことを特徴とする、請求項22又は23のいずれか一項に記載の冷凍機。
【請求項25】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が1から15の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が3から15であることを特徴とする、請求項24に記載の冷凍機。
【請求項26】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が1から13の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が3から13であることを特徴とする、請求項24に記載の冷凍機。
【請求項27】
アルキルベンゼンが、少なくとも1つのアルキル基を含むことを特徴とする、請求項23から26のいずれか一項に記載の冷凍機。
【請求項28】
アルキルベンゼンが、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン又はそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項27に記載の冷凍機。
【請求項29】
アルキルベンゼンが、239から244g/Molの平均分子量を有することを特徴とする、請求項23及び24のいずれか一項に記載の冷凍機。
【請求項30】
HC(炭化水素)群の冷媒が、HC−600a及びHC−290を含む冷媒の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の冷凍機。
【請求項31】
アルキルベンゼン潤滑油を含みHC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒を含む冷凍機を含む冷凍システムであり、
120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンを少なくとも80重量%含むアルキルベンゼン油により構成される潤滑油を含むことを特徴とする、前記冷凍システム。
【請求項32】
アルキルベンゼン潤滑油を含みHC(炭化水素)群の少なくとも1つの成分から成る冷媒を含む冷凍システムであり、
120から288の分子量を有し及び40℃の温度における約3.0cStと7.0cStとの間の粘度を有するアルキルベンゼンを少なくとも80重量%含むアルキルベンゼン油;及び
耐酸化性の及び熱安定性の向上剤、腐食抑制剤、金属不活性化剤、潤滑性付与剤、粘度指数向上剤、流動性の及び凝集点の低下剤、洗浄剤、分散剤、消泡剤、耐摩耗剤及び耐極圧添加剤からなる群より選択される1つ以上の添加剤の約8重量%まで
により構成される潤滑剤組成物を含むことを特徴とする、前記冷凍システム。
【請求項33】
直鎖アルキルベンゼンを少なくとも85重量%、及び好ましくは少なくとも90重量%含むアルキルベンゼン油を含むことを特徴とする、請求項31及び32のいずれか一項に記載の冷凍システム。
【請求項34】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が1から15の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が3から15であることを特徴とする、請求項33に記載の冷凍システム。
【請求項35】
アルキルベンゼンが、1から4のアルキル基を含み、各基が1から13の炭素原子を含み、及び前記アルキル基中の総炭素原子数が3から13であることを特徴とする、請求項33に記載の冷凍システム。
【請求項36】
アルキルベンゼンが、少なくとも1つのアルキル基を含むことを特徴とする、請求項31から33のいずれか一項に記載の冷凍システム。
【請求項37】
アルキルベンゼンが、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン又はそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項36に記載の冷凍システム。
【請求項38】
HC(炭化水素)群の冷媒が、HC−600a及びHC−290を含む冷媒の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項31から37のいずれか一項に記載の冷凍システム。
【請求項39】
アルキルベンゼンが、239から244g/Molの平均分子量を有することを特徴とする、請求項31から38のいずれか一項に記載の冷凍システム。

【公表番号】特表2008−546893(P2008−546893A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518576(P2008−518576)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/BR2006/000136
【国際公開番号】WO2007/003024
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(506198746)ワールプール・エシ・ア (57)
【Fターム(参考)】