説明

冷却剤としてのチエノピリミジン

ヒトのような哺乳動物において局所的な爽快感又は冷却感を生じさせる、式I[式中、R1はC1-4アルキル基に任意に置換されたC4-6アルキレン結合であり;R2は=NH、-NH2、又は-OHであり;R3はヒドロキシ、フェニル、又はフリル若しくはN-イミダゾリルのような5-若しくは6-員環の複素環の基を任意に末端とするC1-5アルキルであり、且つR4がHであるか、;あるいはR3とR4とが共にC3-5アルキレン結合を形成する]の化合物の使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に接触すると爽快感又は冷却感を生じさせることができる三環式化合物に関する。その様な化合物は多数の領域、特に口腔衛生用品及び個人的衛生用品並びに食品に適用される。
【背景技術】
【0002】
口腔の冷却感を生じさせる既知の化合物は、例えば食品及び口腔衛生用品に添加剤として広く適用されているメントール(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサノール)がある。メントールは、口腔に冷却感を引き起こし、快いミントの風味と香りを有するために主に使用される。メントールの冷却効果は、熱さ及び冷たさの刺激を検出するヒトの身体の神経末端に対するメントールの作用によるものである。特に、メントールは神経末端上の冷たさを検出する受容体を活性化すると解されている。しかしながら、強力なミントのにおいと比較的揮発性である事によって、メントールの使用は制限される。
【非特許文献1】McKemy et al, Nature, Vol. 416, 2002, 52-58
【非特許文献2】Chowdhury A.Z.M.S., J. Bangladesh Acad. Sci., 1999, 23, 59-67, in Hozein, Z.A. et al, Pharmazie, 1997, 52 (10), 753-758
【非特許文献3】Potacek et al, Studies in Organic Chemistry (Amsterdam) (1989) 35, (Chem. Heterocycl. Compd.), 484-6
【非特許文献4】Brauchi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2004, Oct 26; 101 (43): 15494-9
【非特許文献5】Voets et al., Nature, 2004, 430, (7001): 748-54
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
代替的な冷却化合物を発見するために、多数の研究がメントールの誘導体又はアナログである化合物に集中している。他の冷却化合物は、全く異なる分子種に基づくものである。特に良く研究されている化合物の群は、1.4-二置換テトラヒドロピリミジノン誘導体を含む。
【0004】
本発明者は、優れた冷却特性又は爽快特性を有する置換されたヒドロベンゾチエノピリミジン又はそのアナログである三環式分子の一種を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、式(I)の化合物の使用が提供される。
【0006】
【化1】

【0007】
式中、
R1は、C1-4アルキル基によって任意に置換されたC4-6アルキレン結合であり;
R2は、=NH、-NH2、又は-OHであり;
R3は、ヒドロキシ、フェニル、又はフリル若しくはN-イミダゾリルのような5-若しくは6-員環の複素環の基を任意に末端とするC1-5アルキルであり、且つR4がHであるか;又は
R3及びR4は共にC3-5アルキレン結合を形成し、
ヒトのような哺乳動物において局所的な爽快感又は冷却感を生じさせる。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、式(II)の化合物が提供される。
【0009】
【化2】

【0010】
式中、
R1は、C1-4アルキル基によって任意に置換されたC4-6アルキレン結合であり;
R2は、=NH、-NH2、又は-OHであり;
R3は、ヒドロキシ、フェニル、又はフリル若しくはN-イミダゾリルのような5-若しくは6-員環の複素環の基を任意に末端とするC1-5アルキルであり、且つR4がHであるか;又は
R3及びR4は共にC3-5アルキレン結合を形成する、
ただし、R1が置換されていないC4又はC5アルキレン結合であり、R2が-NH2である際は、
R4が水素である際に、R3は置換されていないC1-5アルキル基以外のものであるか、
又はR3及びR4が共にC3-5アルキレン結合を形成せず;
R1が置換されていないC4又はC5アルキレン結合であり、R2が=NHである際は、
R4が水素である際に、R3が-(CH2)2-CH3、-CH2-CH-(CH3)2、-(CH2)3-CH3、-(CH2)2-OH、-CH2-Fy、若しくは-(CH2)3-Nlm以外のものであるか、
又はR3及びR4が共にC3又はC5アルキレン結合を形成せず;
R1が置換されていないC4アルキレン結合であり、R2が=NHであり、且つR4が水素である際は、
R3は-CH2-Ph以外のものであり;並びに
R1が置換されていないC5アルキレン結合であり、R2が=NHであり、且つR4が水素である際は、
R3は、-(CH2)3-OH以外のものである。
【0011】
R2が-OHである上記の式(I)の任意の化合物は新規であると解され、それ自体が特許請求の範囲に記載され得る。
【0012】
本発明の第3の態様は、少なくとも1つの上記の式(I)の化合物と少なくとも1つの他の成分とを含む、ヒトのような哺乳動物に局所的な爽快感又は冷却感を生じさせるための組成物を提供する。
【0013】
本発明の第4の態様は、少なくとも1つの上記の式(I)の化合物をヒトに局所的に適用する工程を含む、前記ヒトのような哺乳動物に局所的な爽快感又は冷却感を与える方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下の記載で他に特定されていない限り、アルキルは、直鎖若しくは分枝であって良く、好ましくは20の炭素原子まで含有する直線状若しくは環状の飽和炭化水素を表わす。同様に、アルケニルは、好ましくは20の炭素原子まで含有する直線状若しくは環状の、直鎖若しくは分枝の不飽和炭化水素を表わす。アルキル基が直線状である際は、好ましくは1から10、より好ましくは1から6の炭素原子を含有する。適切な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル、並びにそれらの異性体が含まれる。例えばC4基は、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、又はtert-ブチルの形態であって良い。アルキル基が環状である際は、好ましくは5から10の炭素原子を含有し、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリン、又はアダマンチルであって良い。
【0015】
誤解を避けるために、以下の略語
-Ph:フェニル
-Fy:フリル
-Nlm:N-イミダゾリル
を本明細書において使用する。
【0016】
特に好ましい式(I)の化合物のサブセットは、R1が、好ましくは置換されていないC4又はC5のアルキレン結合であり;R2が、=NHであり、R3が、ヒドロキシル、フェニル、フリル、又はN-イミダゾリル基を任意に末端とするC2又はC3の直鎖のアルキル基、C3又はC4の分枝のアルキル基であり、且つR4が水素であるか;又はR3及びR4が共にC3-5アルキレン結合を形成する。
【0017】
式(I)の化合物及びそれらを含有する組成物は、ヒト又は他の哺乳動物の身体の皮膚及び/又は粘膜に対する局所的な適用において爽快感又は冷却感を生じさせる。かくして、本明細書で使用される「爽快感又は冷却感」は、ヒト又は動物の身体が受ける任意の爽快感及び/又は冷却感を意味することを意図する。その様な感覚は、メントールのような化合物によって生じる感覚、及び/又はMcKemy et al, Nature, Vol. 416, 2002, 52-58において同定されたもののような冷たさを感じる受容体が刺激された際に引き起こされる感覚と類似している。
【0018】
組成物及び使用
爽快感又は冷却感は多数の異なる適用において望ましい。例えば、本発明の化合物及び組成物は、多数の個人的衛生用品、口腔衛生用品、及び食品組成物において適用される。個人的衛生用品における適用は、ローション、シェービングクリーム、シェービング後用の調製品、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗顔料、石鹸、バスオイル及びフォーム、制汗剤、消臭剤を含む。口腔衛生用品における適用は、歯磨き、うがい薬、デンタルフロス、チューイングガム、及び口臭消しを含む。食品における適用は、飲料、スプレッド、アイスクリーム、及び菓子を含む。冷却感が望ましい可能性がある他の適用は、口腔疾患のための医薬品(例えば、チュアブルタイプの医薬品、口腔用のクリーム、ゲル、若しくは軟膏、又はのど飴)、皮膚に適用するための医薬品(例えば、皮膚用のクリーム、軟膏、若しくはローション、特に痒み、炎症、又は他の過敏性の肌若しくは乾燥肌の緩和又は治療のための任意のもの)、タバコ製品、防虫剤、及び化粧品であって良い。
【0019】
前記化合物は単独で使用して良く、又は担体のような他の物質と組み合わせて組成物において使用して良い。これらの更なる物質の性質、及び前記組成物の構成成分の相対的な割合は、使用される組成物に特異的な使用のような多数の因子に依存するであろう。前記組成物は、上述のもののような各種の適用において使用して良い。特に好ましい使用は、消臭剤、シャワーゲル、及び皮膚用クリームのような個人的衛生用品;歯磨き及びうがい薬のような口腔衛生用品;並びに飲料、アイスクリーム、菓子、及びスプレッドのような食品を含む。
【0020】
式(I)の化合物及びそれらを含む組成物は、例えば、消臭剤、シャワーゲル、及び皮膚用クリームの様な個人的衛生用品;うがい薬及び歯磨きのような口腔衛生用品;並びに食品に適用することで使用しても良い。前記化合物は、飲料、スプレッド、菓子、及びアイスクリームのような食品において、特に有用に適用される。
【0021】
その様な適用は、個人的衛生用品(ローション、シェービングクリーム、シェービング後用の調製品、シャンプー、コンディショナー、洗顔料、石鹸、バスオイル及びフォーム、制汗剤、並びに消臭剤を含む);口腔衛生用品(歯磨き、うがい薬、デンタルフロス、チューイングガム、及び口臭消しを含む);食品(飲料、スプレッド、アイスクリーム、及び菓子を含む);並びに冷却感が望ましい可能性がある他の適用(チュアブルタイプの医薬品又はのど飴のような医薬品、タバコ製品、防虫剤、及び化粧品を含む)を含んで良い。
【0022】
特に好ましいものは、歯磨き、うがい薬、並びに菓子、飲料、スプレッド、及びアイスクリームのような食品として使用される組成物である。前記組成物の具体的な性質(例えば、更なる構成成分の性質、該構成成分の相対的な割合、及び該組成物の物理的な性質)は、特定の適用に依存するであろう。
【0023】
式(I)の化合物は、組成物の総重量に基づいて0.00001重量%から3重量%、例えば0.001重量%から3重量%の量で任意の組成物に好適に含まれる。特に好ましい範囲は、0.0001重量%から0.3重量%である。前記化合物は0.0003%から0.1%又は0.003%から0.1%の量で存在して良い。
【0024】
化合物の調製
上記の式(I)及び(II)の多数の化合物が市販されているが、市販されていないものは、スキーム1に示す一般的なプロセスに従って作製されて良い。
【0025】
【化3】

【0026】
式中、
R1、R3、及びR4は式(I)と同一の意味を有し;R5は式(I)のR1に規定した基であるが、アルキレン結合から1つの炭素を失ったものであり、=NHはR2基を表わすか、又はR2基が-NH2を表わす際は、=NH基は水素化リチウムアルミニウム又は水素化ホウ素ナトリウムのような適当な還元剤を使用する還元によって第一級アミノ基に変換されて良く、あるいは最終的な生成物中のR2が-OHである際は、=NH基はアルカリ又は酸の存在下で=Oに変換し、続いて=NHからNH2への還元のような任意の従来技術によって-OHに還元して良い。
【0027】
スキーム1において示されている温度は例示であり、スキーム1はこれらの温度の使用に制限するものではない。
【0028】
式(I)又は式(II)の化合物は、Chowdhury A.Z.M.S., J. Bangladesh Acad. Sci., 1999, 23, 59-67, in Hozein, Z.A. et al, Pharmazie, 1997, 52 (10), 753-758又はPotacek et al, Studies in Organic Chemistry (Amsterdam) (1989) 35, (Chem. Heterocycl. Compd.), 484-6に記載の方法又はその類似の方法によって調製されても良い。
【0029】
本発明の好ましい実施態様は、単なる例として記載している。本発明の範囲内での更なる修飾は当業者に明らかである。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
3-プロピル-5, 6, 7, 8-テトラヒドロ-3H-ベンゾ[4,5]-チエノ[2,3-d]ピリミジン-4-イリデンアミンの調製
エタノール(30ml)中のシクロヘキサノン(100mmol)、マロノニトリル(100mmol)、硫黄(100mmol)を0℃でゆっくりとモルホリン(100mmol)に添加した。得られた混合物を室温で4時間攪拌した。一晩静置して、水で希釈し、固体物を回収してエタノールから再結晶させた。
【0031】
【化4】

【0032】
1(10mmol)とトリエチルオルトホルメート(10ml)との混合物を3時間、120℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却させて、水(50ml)を添加し、得られた固体物を濾過により回収して、カラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル:エチルアセテート 20:1)によって精製した
【0033】
【化5】

【0034】
2(3.36mmol)とn-ブチルアミン(101mmol)との混合物を3時間、80℃で攪拌した。過剰なアミンを真空条件下で除去して、残留物を氷水で粉末にして、濾過した。固体物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール 30:1)によって精製した。
【0035】
【化6】

【0036】
アッセイ
ヒトは感覚神経線維の活性化によって有害な冷たさ(<8℃)から有害な熱さ(>52℃)までの温度の変化を検出することができる。「感覚神経線維における主要な温度センサーは一過性受容体電位(TRP)カチオンチャンネルファミリーの一種である」(Voets et al., 2004)。ヒトにおける冷却感は、28℃未満の温度で活性化されるTRPM8チャンネルの活性化によって引き起こされる(Voets et al., 2004)。更にヒトTRPM8は、メントールのような化合物によって活性化される(Brauchi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2004, Oct 26; 101 (43): 15494-9; Voets et al., Nature, 2004, 430, (7001): 748-54)。異種起源の発現システムとしてヒトTRPM8チャンネルを安定発現するHEK細胞を使用して、冷却感を引き起こす化合物を検索するためのスクリーニングシステムを作製した。
【0037】
41位に由来するヒトTRPM8のcDNAのオープンリーディングフレーム(3355bp)を、過去に記載されているTATAGTTAACGCCGCCACCATGTCCTTTCGGGCAGCCAGGCTCAG及びTATATCTAGATTATTTGATTTTATTAGCAATCTCTTTCというプライマーを使用してヒト前立腺cDNAライブラリー(Stratagene)から増幅した(Tsavalier et al., 2001)。
【0038】
pcDNA4ベクターにクローニングしたヒトTRPM8 cDNAを用いて、標準的なリン酸カルシウム法を使用し、HEK293細胞をトランスフェクトした(Wigler et al., 1977)。トランスフェクトした細胞を100μg/mLのゼオシン(Invitrogen)における増殖による選択圧下において、ヒトTRPM8を安定発現する細胞を樹立した。
【0039】
ヒトTRPM8を安定発現している細胞を、200μlの培地において105細胞/ウェルの密度で(ポリリジンでコーティングされた)96ウェルプレートに播種した。翌日、細胞培地を除去して、カルシウム感受性蛍光染料fluo-4 (~3μM、Molecular Probes)を含有するDMEM溶液(0.001% BSA w/w、0.01% FCS v/v、0.02% plurinoc酸、1mM プロベニシドを添加)において1時間37℃で細胞をインキュベートした。次いで、前記染料を除去し、特定の温度(すなわち、37℃)に事前に平衡させたTyrodesバッファー(1mM プロベニシドを含有する、pH 7.4)において細胞をインキュベートし、Novostar plate readerを使用して同じ温度で細胞内カルシウムレベルをモニターした。各ウェル中の細胞を480nmで照射して、510nmで発する蛍光を測定した。増大する濃度の試験化合物の添加前(基準の蛍光)及び後に、蛍光を測定した。化合物によって誘導される蛍光の最大の増大(DFmax)は、該化合物によって誘導される最大の蛍光から基準の蛍光を引いたものとして測定した。化合物の効果を、最大の反応(DFmax)の半分を生じる化合物の濃度であるEC50として表わした。
【0040】
上記のアッセイにおいて、実施例1の化合物は6.5μMのEC50を有することが認められた。以下の実施例の化合物は市販されているか、又は反応スキーム1の経路で作製されたものであり、表に示すEC50値を有する事が認められた。
【0041】
(実施例2から12)
以下の実施例の化合物を上記のアッセイにおける活性に関して試験した。
【0042】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトのような哺乳動物において局所的な爽快感又は冷却感を生じさせる、式(I)
【化1】

[式中、
R1は、C1-4アルキル基によって任意に置換されたC4-6アルキレン結合であり;
R2は、=NH、-NH2、又は-OHであり;
R3は、ヒドロキシ、フェニル、又はフリル若しくはN-イミダゾリルのような5-若しくは6-員環の複素環の基を任意に末端とするC1-5アルキルであり、且つR4がHであるか;又は
R3及びR4は共にC3-5アルキレン結合を形成する]
の化合物の使用。
【請求項2】
式(I)において、R1が好ましくは置換されていないC4又はC5アルキレン結合であり;R2が=NHであり、R3がヒドロキシル、フェニル、フリル、若しくはN-イミダゾリル基を任意に末端とするC2若しくはC3の直鎖のアルキル基であるか、又はC3若しくはC4の分枝のアルキル基であり、且つR4が水素であるか;あるいはR3及びR4が共にC3-5アルキレン結合を形成する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
式(II)
【化2】

[式中、
R1は、C1-4アルキル基によって任意に置換されたC4-6アルキレン結合であり;
R2は、=NH、-NH2、又は-OHであり;
R3は、ヒドロキシ、フェニル、又はフリル若しくはN-イミダゾリルのような5-若しくは6-員環の複素環の基を任意に末端とするC1-5アルキルであり、且つR4がHであるか;又は
R3及びR4は共にC3-5アルキレン結合を形成する;
ただし、R1が置換されていないC4又はC5アルキレン結合であり、R2が-NH2である際は、
R4が水素である際に、R3は置換されていないC1-5アルキル基以外のものであるか、
又はR3及びR4が共にC3-5アルキレン結合を形成せず;
R1が置換されていないC4又はC5アルキレン結合であり、R2が=NHである際は、
R4が水素である際に、R3が-(CH2)2-CH3、-CH2-CH-(CH3)2、-(CH2)3-CH3、-(CH2)2-OH、-CH2-Fy、若しくは-(CH2)3-Nlm以外のものであるか、
又はR3及びR4が共にC3若しくはC5アルキレン結合を形成せず;
R1が置換されていないC4アルキレン結合であり、R2が=NHであり、且つR4が水素である際は、
R3が-CH2-Ph以外のものであり;並びに
R1が置換されていないC5アルキレン結合であり、R2が=NHであり、且つR4が水素である際は、
R3が、-(CH2)3-OH以外のものである]
の化合物。
【請求項4】
ヒトのような哺乳動物において局所的な爽快感又は冷却感を生じさせる、少なくとも1つの式(I)
【化3】

[式中、
R1は、C1-4アルキル基によって任意に置換されたC4-6アルキレン結合であり;
R2は、=NH又は-NH2であり;
R3は、ヒドロキシ、フェニル、又はフリル若しくはN-イミダゾリルのような5-若しくは6-員環の複素環の基を任意に末端とするC2-5アルキルであり、且つR4がHであるか;又は
R3及びR4は共にC3-5アルキレン結合を形成する]
の化合物と少なくとも1つの他の成分とを含む組成物。
【請求項5】
式(I)において、R1が好ましくは置換されていないC4又はC5のアルキレン結合であり;R2が=NHであり、R3がヒドロキシル、フェニル、フリル、若しくはN-イミダゾリル基を任意に末端とするC2若しくはC3の直鎖のアルキル基であるか、又はC3若しくはC4の分枝のアルキル基であり、且つR4が水素であるか;あるいはR3及びR4が共にC3-5アルキレン結合を形成する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
個人的衛生用品、口腔衛生用品、皮膚用製品、又は食品の形態である、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項7】
ローション、シェービングクリーム、シェービング後用の調製品、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗顔料、石鹸、バスオイル、バスフォーム、制汗剤、又は消臭剤として配合された、請求項4から6のいずれか一項に記載の個人的衛生用品組成物。
【請求項8】
歯磨き、うがい薬、デンタルフロス、チューイングガム、又は口臭消しとして配合された、請求項4から6のいずれか一項に記載の口腔衛生用品組成物
【請求項9】
皮膚用クリーム、皮膚用軟膏、又は皮膚用ローションとして配合された、請求項4から6のいずれか一項に記載の皮膚用製品組成物。
【請求項10】
口腔用ゲル、口腔用クリーム、口腔用軟膏、又はのど飴として配合された、請求項4から6のいずれか一項に記載の口腔用医薬品組成物。
【請求項11】
飲料、スプレッド、アイスクリーム、又は菓子として配合された、請求項4から6のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項12】
組成物全体の0.00001重量%から3重量%、好ましくは0.0001重量%から0.3重量%の式(I)の化合物を含む、請求項4から11のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−521758(P2008−521758A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541748(P2007−541748)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011972
【国際公開番号】WO2006/058600
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】