冷却装置及び画像形成装置
【課題】冷却範囲の拡大と高いスペース効率の達成とを両立する冷却装置並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】送風ファン200は、画像形成状態では定着器128からローラ144へ向かう記録シートを冷却する際には治具202に拘束されて第1の位置(実線にて示す)をとる。また、他の状態では送風ファン200自らを冷却する際には治具203に拘束されて第2の位置(破線にて示す)をとる。送風ファン200は、画像形成状態から他の状態へ遷移する際には、通常の送風方向とは同じ方向へ強風を送り、その反力によって治具202による拘束を脱し、第1の位置から第2の位置へ移動する。逆に、他の状態から画像形成状態へ遷移した際には、通常の送風方向と逆の方向へ強風を送って、第2の位置から第1の位置へ移動する。
【解決手段】送風ファン200は、画像形成状態では定着器128からローラ144へ向かう記録シートを冷却する際には治具202に拘束されて第1の位置(実線にて示す)をとる。また、他の状態では送風ファン200自らを冷却する際には治具203に拘束されて第2の位置(破線にて示す)をとる。送風ファン200は、画像形成状態から他の状態へ遷移する際には、通常の送風方向とは同じ方向へ強風を送り、その反力によって治具202による拘束を脱し、第1の位置から第2の位置へ移動する。逆に、他の状態から画像形成状態へ遷移した際には、通常の送風方向と逆の方向へ強風を送って、第2の位置から第1の位置へ移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置及び画像形成装置に関し、特に、装置の冷却に必要な冷却装置の個数を削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の機内には定着装置やレーザースキャンユニット(LSU: laser scan unit)、中央演算装置(CPU: central processing unit)といった熱源がある。これらの熱源に起因する熱故障を防止するために、複数の冷却装置が装置ハウジングカバーやハウジングカバー内のシャーシ等に直接ネジ止めされた装置がある(特許文献1)。
しかしながら、多数の冷却装置を配設することは、画像形成装置の部品点数の増加によりコスト増大を招いたり、装置が大型化したりする。このため、ファンの吹き出し側にジャロジー(jalousie)のような空気流規制装置を配して、その風向を変化させることにより、ファンの個数を削減する技術知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−121922号公報
【特許文献2】特開2006−126604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の構成では、空気流規制装置を駆動するためには何らかの駆動源が必要となる。このため、ファンの個数を削減したことで得られる効果が減殺されてしまう(駆動源を設置するスペース及びコストが必要となる)。
本発明の課題は、冷却範囲の拡大と高いスペース効率の達成とを両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る冷却装置は、複数の対象物を冷却する冷却装置であって、揺動自在に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、複数の前記対象物をそれぞれ冷却可能な位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する複数の支持部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにすれば、ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、支持部材による支持が解除されるので、ファンを駆動する駆動源をファンの送風方向を変更する用途にも兼用して、高いスペース効率を達成すると共に、複数に亘る対象物を冷却することができる。
この場合において、前記ファンは、第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能であり、前記支持部材は、前記ファンは第2位置から第1位置に向かって揺動する際に揺動規制を解除する、としても良い。このようにすれば、ファンの揺動を必要な範囲に留めることができるので、冷却装置のスペース効率を更に高めることができる。
【0007】
更に、前記支持手段は、前記ファンが前記対象物に向けて冷却風を供給可能な位置に位置するように前記ファンを支持する第1支持部材と、前記ファンが前記対象物に冷却風を供給不能な位置に位置するように前記ファンを支持する第2支持部材とを有する、としても良い。
また、前記ファンは冷却風の反力によって揺動しても良いし、前記ファンの揺動範囲を規制する規制部材をさらに備えても良い。
【0008】
また、本発明に係る冷却装置は、複数の対象物を冷却する冷却装置であって、第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、第1位置又は第2位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように支持するとともに、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する支持部材と、前記ファンを第1位置から第2位置に移動させる際に前記支持部材の揺動規制を解除するように前記ファンの回転状態を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、画像情報に基いて画像を形成可能な画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に定着可能な定着部と、本発明に係る冷却装置と、備えたことを特徴とする。このようにすれば、冷却装置のスペース効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を表わす図である。
【図2】冷却装置100の主要な構成を示す図である。
【図3】治具202の主要な構造を示す図であって、(a)は治具202の全体を表わし、(b)は治具202を構成する弾性支持具を表わし、(c)は治具202の外観斜視図である。
【図4】制御装置101による制御動作を示すフローチャートである。
【図5】送風ファン200が第2の位置から脱する様子を示す図であって、(a)は送風ファン200が第2の位置にある状態を示し、(b)から(d)のようにして第2の位置から脱する。
【図6】送風ファン200が第1の位置にて揺動不能に支持されるまでの様子を示す図であって、(a)は送風ファン200が第1の位置に近付いた状態を示し、(b)から(d)のようにして第1の位置にて揺動不能に支持される。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置並びに冷却対象である回路基板の主要な構成を模式的に示す平面図である。
【図8】本発明の変形例に係る治具の動作を説明する図であって、(a)から(c)までは移動する送風ファンが揺動不能に支持されるまでの動作を表わし、(d)から(f)までは揺動不能に支持された送風ファンが開放されるまでの動作を表わす。
【図9】本発明の変形例に係る冷却装置の主要な構成を示す図である。
【図10】本発明の変形例に係る弾性支持具の主要な構成を示す断面図である。
【図11】本発明の変形例に係る送風ファン200と治具202の形状を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る冷却装置及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
(1) 画像形成装置の構成
先ず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を表わす図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、タンデム方式のカラー画像形成装置であって、冷却装置100、画像読取部110、画像形成部120、用紙格納部130及び用紙搬送部140を備えている。
画像読取部110は、載荷台111や搬送部112、原稿台ガラス113、スキャナ114、排出台115を備えている。また、画像読取部110は、ユーザの指示に従って、載荷台111に載置された原稿を搬送部112にて1枚ずつ取り出して、原稿台ガラス113上へ搬送する。
【0013】
原稿台ガラス113上の原稿は、スキャナ114にて読み取られ、排出台115上へ排出される。スキャナ114は3原色に対応する3列のCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを備えており、原稿を読み取って各色の画像データを生成する。
なお、スキャナ114は、CCDラインセンサを静止させたまま通紙して原稿を読み取るシートスルー方式であっても良い。また、原稿台ガラス113に平行に移動する露光ランプと反射ミラーとを用いて、原稿台ガラス113上に載置された原稿を露光し、その反射光を複数の反射ミラーにてCCDラインセンサへ導くことによって画像データを生成しても良い。
【0014】
画像形成部120は、中間転写ベルト121、ローラ122〜124、作像部125Y〜125K、1次転写ローラ126Y〜126K、クリーニング装置127、定着器128及び排紙トレイ129を備えている。
中間転写ベルト121はローラ122〜124に張架されている。作像部125Y〜125Kは中間転写ベルト121に沿ってイエロー(Y)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びブラック(K)の順に列設されており、スキャナ114が生成した画像データに基づいてYMCK各色のトナー像を形成する。
【0015】
作像部125Y〜125Kが形成したトナー像はそれぞれ1次転写ローラ126Y〜126Kにてタイミングを合わせて、中間転写ベルト121上に重なり合うように静電転写される。これによって、カラー画像が形成される。
用紙格納部130は給紙カセット131を備えている。給紙カセット131内に記録シートが格納されている。なお、用紙格納部130は、格納する記録シートのサイズが相異なる複数の給紙カセットを備え、ユーザが指定したサイズの記録シートを給紙しても良い。
【0016】
用紙搬送部140はローラ141〜144を備えている。ローラ141は、所謂ピックアップローラであって、給紙カセット131内に格納されている記録シートを1枚ずつ取り出す。取り出された記録シートはローラ142によって更に搬送される。
ローラ143は、所謂2次転写ローラであって、中間転写ベルト121上のトナー像を記録シート上に静電転写する。その後、中間転写ベルト121上に残留するトナーはクリーニング装置127にて掻き取られて、廃棄される。
【0017】
定着器128は、加熱ローラ、加圧ローラ及びヒータランプ(図示省略)等を備え、記録シート上のトナー像を溶融して、記録シートに融着させる。ローラ144は、所謂排紙ローラであって、トナー像が定着された記録シートを排紙トレイ129上に排出する。
冷却装置100は、記録シートの定着時には、定着器128からローラ144へ向かう記録シートへ風(冷却風)を送って冷却する。また、冷却装置100は、定着時以外の場合には、ローラ144へ向けて風を送り、自身を冷却して熱故障を防止するとともに、定着器128の温度維持を図る。なお、冷却装置100の構成については以下に詳述する。
【0018】
制御装置101は、冷却装置100が送出する風の強さを制御するなど、画像形成装置1の動作を統括する。
(2) 冷却装置100の構成
次に、冷却装置100の構成について説明する。
図2は、冷却装置100の主要な構成を示す図である。図2に示されるように、冷却装置100は送風ファン200、ストッパ201、204、治具202、203及び支軸205を備えている。送風ファン200は支軸205にて揺動自在に軸支されている。
【0019】
送風ファン200は自ら送風することによって矢印A方向に揺動する。送風ファン200は実線にて示される位置(以下、「第1の位置」という。)にある場合には、定着器128からローラ144へ向かう経路上を搬送される記録シートへ送風し、これを冷却する。
また、破線にて示される位置にある場合(以下、「第2の位置」という。)には、送風ファン200はローラ144方向へ送風することによって自らを冷却する。これによって、定着器128が発生させる熱による送風ファン200の熱故障が防止される。また、定着器128へは送風されないので、定着器128の温度維持が妨げられることもない。
【0020】
角柱状のストッパ201、204は送風ファン200に当接することによって、送風ファン200の揺動を規制する。このため、送風ファン200は、ストッパ201、204にて区画される範囲を超えて揺動することはできない。
治具202、203は、送風ファン200の揺動範囲内に配設されており、送風ファン200の揺動を規制する一方、後述のように、送風ファン200が送風動作を行うことによって一定以上の力が加えられると姿勢を変更する。
【0021】
これによって、送風ファン200が第1の位置にある場合には、治具202によって送風ファン200が支持される。なお、治具202は後述のようなねじりコイルバネを備えている。当該ねじりコイルバネの弾性復元力を用いて、送風ファン200が治具202とストッパ201とに挟持される。
これによって、送風ファン200が安定的に支持される。送風ファン200の風力が当該弾性復元力を超えると、持具202とストッパ201による挟持が解除される。
【0022】
また、送風ファン200が第2の位置にある場合には、治具203によって送風ファン200が揺動しないように支持されるので、送風ファン200が吹き出す風の風向が安定する。
なお、図2における治具202、203は模式的に示されたものであり、治具202、203の詳しい構造並びに送風ファン200との位置関係については後述する。
【0023】
(3) 治具202、203の構造
次に、治具202の構造について説明する。治具203も同様の構造を備えているので、治具202の構造の説明を以って治具203の構造の説明に代える。
図3は、治具202の主要な構造を示す図であって、(a)は治具202の全体を表わし、(b)は治具202を構成する弾性支持具を表わし、(c)は治具202の外観斜視図である。
【0024】
図3(a)に示されるように、治具202は、L字金具300、弾性支持具301、ストッパ302、304、ねじりコイルバネ303及び支軸305を備えている。
L字金具300は支軸305にて揺動自在に軸支されている。L字金具300は支軸305を中心として矢印B方向に揺動する。L字金具300にはねじりコイルバネ303が当接しており、ねじりコイルバネ303によってL字金具300の揺動が規制される。L字金具300の揺動はストッパ304によっても規制される。
【0025】
ねじりコイルバネ303は、不図示の支軸にて支持されている。ねじりコイルバネ303は、一端がL字金具300に接触するとともに、他端が棒状のストッパ302に接触している。ねじりコイルバネ303は弾性力によってL字金具300を実線で示される姿勢(以下、「第1の姿勢」という。)に保つ。
図3(b)に示されるように、弾性支持具301は芯部310、筒体部311、コイルバネ312及びワッシャ313を備えている。図3(a)の弾性支持具301は図3(b)の矢印C方向から見た図となっている。
【0026】
芯部310の先端は、半球状に形成されており、この箇所にL字金具300が接触可能である。L字金具300によって、コイルバネ312が十分に圧縮されると、L字金具300の押圧力によって芯部310が矢印C方向へ押し下げられる。その結果、L字金具300は芯部310を越えて通過する。
一方、L字金具300により芯部310を押圧する力が弱いため、コイルバネ312が十分に圧縮されない場合には、L字金具300は芯部310を超えて通過することができず、L字金具300の揺動が規制される。
【0027】
なお、筒体311は、芯部310が矢印C方向に沿って変位するように、芯部310を案内する。また、ワッシャ313は芯部310が筒体311からはずれるのを防止する。
図3(c)に示されるように、治具202は支持板306によって支持されている。また、弾性支持具301は支持板306の表面に芯部310の半球状の箇所を突出させている。L字金具300が矢印B方向に揺動し、芯部310の半球状の箇所を超えて破線位置に達すると、芯部310の半球状の箇所は再び支持板306の表面に突出して、L字金具300の揺動を規制する。
【0028】
なお、明細書の理解し易さに配慮して、図3にはL字金具300がほぼ90度回転しうる場合が示されているが、L字金具300の可動範囲は送風ファン200の可動範囲との関係から決定されるべきである。すなわち、L字金具300の可動範囲が90度には限定されないのは言うまでもなく、90度よりも狭くても良いし、或いは、90度よりも広くても良い。
【0029】
(4) 冷却装置100の動作
次に、冷却装置100の動作について説明する。ここで、冷却対象としては定着器128及び記録シートを用いる場合について説明する。冷却装置100は、送風ファン200への供給電力を制御装置101が制御することによって、風を吹き出す強さが制御され、姿勢制御される。
【0030】
図4は、制御装置101による制御動作を示すフローチャートである。図4に示されるように、制御装置101は、電源投入後、先ず、変数Xの値を0に初期化する(S401)。変数Xは、画像形成装置1が画像形成状態から他の状態へ遷移したり、他の状態から画像形成状態へ遷移したりしたことを検出するために用いられる。なお、初期化された際に送風ファン200は第2の位置に移動させられる。
【0031】
次に、制御装置101は、画像形成装置1が画像形成状態であるか否かを判定する。そして、画像形成状態である場合には(S402:YES)、更に、変数Xの値を確認する。変数Xの値が0ならば(S403:YES)、画像形成状態以外の状態から画像形成状態へ遷移したと判断されるので、通常送風とは反対の方向、すなわち、逆方向へ強風を送る(S404)。
【0032】
この強風の反力によって、送風ファン200は治具203による拘束から脱し、第1の位置へ遷移して、治具202に拘束される。その後、制御装置101は、変数Xの値を1として(S405)、ステップS402へ進む。
画像形成装置1が画像形成状態であっても(S402:YES)、変数Xの値が0でない場合には(S403:NO)、第1の位置において通常送風を行う(S409)。これによって、定着器128からローラ144へ向かう記録シートが冷却される。
【0033】
画像形成装置1が画像形成状態にない場合にも(S402:NO)、制御装置101は変数Xの値を参照する。そして、変数Xの値が1ならば(S406:YES)、画像形成状態から他の状態へ遷移したと判断されるので、通常送風と同じ方向、すなわち、順方向へ強風を送る(S407)。
この強風の反力によって、送風ファン200は治具202による拘束から脱し、第2の位置へ遷移して、治具203に拘束される。その後、制御装置101は、変数Xの値を0として(S408)、ステップS402へ進む。
【0034】
画像形成装置1が画像形成状態以外の状態であって(S402:NO)、かつ、変数Xの値が1でない場合には(S406:NO)、第2の位置において通常送風を行う(S409)。これによって、送風ファン200自体が冷却され、熱故障が防止される。
図5は、送風ファン200が第2の位置から脱する様子を示す図であって、図5の(a)は送風ファン200が第2の位置にある状態を示している。送風ファン200は、図5(b)から図5(d)のようにして第2の位置から脱する。
【0035】
先ず、図5(a)に示されるように、送風ファン200が第2の位置にある場合、送風ファン200は、ストッパ204とL字金具300とに挟まれることによって揺動不能に支持されている。また、L字金具300は、弾性支持具301とねじりコイルバネ303とに挟まれることによって、揺動不能に支持されている。
このような第2の位置から送風ファン200が順方向に強風を送ることによって強風の反力を受けると、送風ファン200は第1の位置へ向かって、矢印D方向へ揺動する。その結果、送風ファン200がL字金具300を矢印E方向へ揺動させることにより、弾性支持具301が押し下げられ、弾性支持具301によるL字金具300の揺動規制が解除される(図5(b))。
【0036】
すると、ねじりコイルバネ303の弾性復元力によって、L字金具300が付勢されるので、L字金具300は更に矢印E方向へと揺動する。その結果、L字金具300がストッパ304に接触すると、L字金具300はそれ以上揺動することができずに静止する(図5(c))。
L字金具300が静止した後も、送風ファン200は自ら発生させた付勢力によって第1の位置へ向かって、矢印D方向へ移動し続ける(図5(d))。
【0037】
図6は送風ファン200が第1の位置にて揺動不能に支持されるまでの様子を示す図であって、図6の(a)は送風ファン200が第1の位置に近付いた状態を示している。送付ファン200は、図6(b)から図6(d)のようにして第1の位置にて揺動不能に支持される。
先ず、図6(a)に示されるように、送風ファン200が自ら発生させた付勢力によって矢印F方向へ移動しながら第1の位置に接近し、送風ファン200はL字金具300に接触する(図(b))。これによって、弾性支持具301によるL字金具300の揺動規制が解除されると、送風ファン200による強風の反力とねじりコイルバネ304の弾性復元力とによって、L字金具300が矢印G方向へ揺動する(図6(c))。
【0038】
その後、送風ファン200はストッパ201に当接して停止し、L字金具300はストッパ305に当接して停止する。この場合において、ねじりコイルバネ304が弾性復元力にてL字金具300を送風ファン200に押し付けるので、送風ファン200が揺動不能に支持される(図6(d))。
第1の位置から第2の位置へ移動する際には、上記と逆の動作を行う。このように動作することによって、送風ファン200を回転させる駆動源以外の駆動源を用いることなく、送風ファン200の向きを変えて複数の冷却対象物、すなわち、定着器128からローラ144へ向かう搬送系路上の記録シートや、排紙トレイ129上の記録シートへ風を送ることができる。
【0039】
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する(ここで、第2の実施の形態では回路基板が冷却対象である)。
図7は、本実施の形態に係る冷却装置並びに冷却対象である回路基板の主要な構成を模式的に示す平面図である。図7に示されるように、冷却装置7は送風ファン700、ストッパ701、704、治具702、703及び支軸705を備えている。送風ファン700は支軸705にて揺動自在に軸支されている。
【0040】
冷却装置7の冷却対象は、回路基板710に実装された回路素子群712、714である。また、回路基板710は温度センサ711、713を備えている。
送風ファン700は送風することによって矢印H方向に揺動する。送風ファン700が実線にて示される位置(以下、「第1の位置」という。)にある場合には、送風ファン700は回路素子群714へ送風し、これを冷却する。また、送風ファン700が破線にて示される位置にある場合(以下、「第2の位置」という。)には、送風ファン700は回路素子群712へ送風し、これらの回路素子を冷却する。
【0041】
棒状のストッパ701、704は、送風ファン700に当接することによって、送風ファン700の揺動を規制する。このため、送風ファン700は、ストッパ701、704にて区画される範囲を超えて揺動することはできない。
一方、治具702、703は、送風ファン700の揺動範囲内に配設されており、送風ファン700の揺動を規制する一方、後述のように、送風ファン700が送風動作を行うことによって一定以上の力が加えられると姿勢を変更する。
【0042】
これによって、送風ファン700が第1の位置にある場合には、治具702によって送風ファン700が支持される。また、送風ファン700が第2の位置にある場合には、治具703によって送風ファン700が揺動しないように支持されるので、送風ファン700が吹き出す風の風向が安定する。
なお、図7における治具702、703は模式的に示されたものであり、治具702、703の詳しい構造並びに送風ファン700との位置関係は上記第1の実施の形態のそれと同様である。
【0043】
また、上記第1の実施の形態においては、画像形成状態であるか否かによって送風ファン200の姿勢を変更したが、本実施の形態においては、例えば、回路基板710自身が送風ファン700の制御機能を担って、温度センサ711、713の測温結果を比較して、温度差が所定値(例えば、3℃)を上回ったら、温度の高い方の回路素子群へ送風ファン700を向けても良い。勿論、回路基板710とは別に送風ファン700の制御装置を設けても良い。
【0044】
このようにすれば、2つの回路素子群712、714のうち温度上昇がより著しい方の回路素子群を冷却することができる。
なお、温度差が所定値を上回るまで送風ファン700の姿勢変更を待つのは、送風ファン700の姿勢変更の頻度を下げて、より効果的に回路素子群712、714を冷却するためである。
【0045】
言うまでもなく、当該所定値を小さくし過ぎると、測温誤差等に起因する温度変動によって送風ファン700の姿勢が変更され、姿勢変更の頻度が不必要に高くなる。このため、当該所定値を適切に設定するのが望ましい。
[3] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
【0046】
(1) 上記実施の形態においては、記録シートや回路素子を冷却する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、記録シートや回路素子に代えて他の対象物を冷却対象として選んでも、当該冷却対象が複数方向に亘る場合には本発明を適用して、その効果を得ることができる。
(2) 上記実施の形態においては、送風ファンを揺動不能に支持する治具としてL字金具等を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、L字金具以外の治具を用いても良い。例えば、L字金具に代えて上述の弾性支持具を治具に用いても良い。
【0047】
図8は、本変形例に係る治具の動作を説明する図であって、(a)から(c)までは移動する送風ファンが揺動不能に支持されるまでの動作を表わし、(d)から(f)までは揺動不能に支持された送風ファンが開放されるまでの動作を表わす。
すなわち、送風ファン800は、自ら発生させた付勢力によって矢印I方向へ進行すると(図8(a))、弾性支持具801を押し下げて、更に、矢印I方向へ進行する(図8(b))。その後、送風ファン800は、弾性支持具801を通過して、ストッパ802に当接する。すると、弾性支持具801が自らの弾性復元力によって突出するので、送風ファン800が弾性支持具801とストッパ802に挟持され、揺動不能に支持される(図8(c))。
【0048】
逆に、送風ファン800が弾性支持具801とストッパ802とによる拘束から脱出する際には、先ず、送風ファン800は、図8(a)から(c)におけるのとは逆方向にファンを回転させることによって、矢印J方向に進むための押圧力を発生させる(図8(d))。
そして、弾性支持具801を押し下げるに足る押圧力が発生すると、送風ファン800は、弾性支持具801とストッパ802とによる拘束を脱して、矢印J方向に進み始める(図8(e))。送風ファン800が矢印J方向へ更に移動すると、弾性支持具801は、送風ファン800による押圧から開放されて、再び突出する(図8(f))。
【0049】
このように、本発明は治具の構成の如何に関わらず効果を奏することができる。
(3) 上記実施の形態においては、第1の位置と第2の位置との2つの位置において送風ファンが揺動不能に支持される場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、冷却対象が3つ以上に亘る場合には、これらの冷却対象へ送風できるように、3つ以上の位置において送風ファンを揺動不能に支持しても良い。
【0050】
(4) 上記実施の形態においては、送風ファンを揺動させることによって、送風方向を変化させる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
図9は、本変形例に係る冷却装置の主要な構成を示す図である。図9に示されるように、冷却装置9は、送風ファン900、弁901及びバネ902を備えている。冷却装置9は、定着器910からローラ911に至る系路を搬送される記録シートを冷却する。
【0051】
弁901は送風ファン900に対して揺動可能に取着されている。弁901はバネ902の弾性復元力によって閉じられる。また、送風ファン900は、弁901に強く送風することにより、バネ902の弾性復元力に抗して、弁901を開く。これによって、定着器910からローラ911に至る系路を搬送される記録シートが冷却される。
(5) 上記実施の形態においては、コイルバネを1つだけ備えた弾性支持具を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
【0052】
図10は、本変形例に係る弾性支持具の主要な構成を示す断面図である。図10に示されるように、弾性支持具10は、上記第1の実施の形態における弾性支持具301と概ね同様の構成を備える一方、コイルバネを2つ備える点で異なっている。すなわち、コイルバネ1002の方がコイルバネ1004よりも弾性係数が大きい。
このため、コイルバネ1002の方がコイルバネ1004よりも縮み難くなっているので、矢印L方向よりも矢印M方向の方が送風ファンを通過させ易い。したがって、送風ファンを弾性支持具10のコイルバネ1002側で保持すれば、送風ファンにてより強い風を送り続けることができる。また、送風ファンの矢印M方向への移動が妨げられ難いので、当該位置へ送風ファンを容易に移動させることができる。
【0053】
(6) 上記実施の形態においては特に言及しなかったが、治具202が送風ファン200の送風を妨げるのは望ましくないので、以下のような形状としても良い。図11は、送風ファン200と治具202の形状を示す正面図である。図11に示されるように、送風ファン200は、ファン部1100が枠体1101にて回転自在に保持されてなる。
送風ファンは支軸205にて支持板306に対して揺動自在に軸支されている。治具202もまた支軸305にて支持板306に対して揺動自在に軸支されている。ファン部1100は破線1102にて囲まれた領域内で回転する。このため、破線1102外に治具202を配すれば、治具202によってファン部1100による送風が妨げられないようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る冷却装置並びに画像形成装置は、装置の冷却に必要な冷却装置の個数を削減する技術として有用である。
【符号の説明】
【0055】
1…………………………………………………画像形成装置
7、100………………………………………冷却装置
144……………………………………………ローラ
128……………………………………………定着器
200、800…………………………………送風ファン
201、204…………………………………ストッパ
202、203、702、703……………治具
205、305、705………………………支軸
300……………………………………………L字金具
301、801…………………………………弾性支持具
302、304、701、704、802…ストッパ
303……………………………………………ねじりコイルバネ
310……………………………………………芯部
311……………………………………………筒体部
312……………………………………………コイルバネ
313……………………………………………ワッシャ
306……………………………………………支持板
710……………………………………………回路基板
711、713…………………………………温度センサ
712、714…………………………………回路素子群
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置及び画像形成装置に関し、特に、装置の冷却に必要な冷却装置の個数を削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の機内には定着装置やレーザースキャンユニット(LSU: laser scan unit)、中央演算装置(CPU: central processing unit)といった熱源がある。これらの熱源に起因する熱故障を防止するために、複数の冷却装置が装置ハウジングカバーやハウジングカバー内のシャーシ等に直接ネジ止めされた装置がある(特許文献1)。
しかしながら、多数の冷却装置を配設することは、画像形成装置の部品点数の増加によりコスト増大を招いたり、装置が大型化したりする。このため、ファンの吹き出し側にジャロジー(jalousie)のような空気流規制装置を配して、その風向を変化させることにより、ファンの個数を削減する技術知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−121922号公報
【特許文献2】特開2006−126604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の構成では、空気流規制装置を駆動するためには何らかの駆動源が必要となる。このため、ファンの個数を削減したことで得られる効果が減殺されてしまう(駆動源を設置するスペース及びコストが必要となる)。
本発明の課題は、冷却範囲の拡大と高いスペース効率の達成とを両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る冷却装置は、複数の対象物を冷却する冷却装置であって、揺動自在に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、複数の前記対象物をそれぞれ冷却可能な位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する複数の支持部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにすれば、ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、支持部材による支持が解除されるので、ファンを駆動する駆動源をファンの送風方向を変更する用途にも兼用して、高いスペース効率を達成すると共に、複数に亘る対象物を冷却することができる。
この場合において、前記ファンは、第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能であり、前記支持部材は、前記ファンは第2位置から第1位置に向かって揺動する際に揺動規制を解除する、としても良い。このようにすれば、ファンの揺動を必要な範囲に留めることができるので、冷却装置のスペース効率を更に高めることができる。
【0007】
更に、前記支持手段は、前記ファンが前記対象物に向けて冷却風を供給可能な位置に位置するように前記ファンを支持する第1支持部材と、前記ファンが前記対象物に冷却風を供給不能な位置に位置するように前記ファンを支持する第2支持部材とを有する、としても良い。
また、前記ファンは冷却風の反力によって揺動しても良いし、前記ファンの揺動範囲を規制する規制部材をさらに備えても良い。
【0008】
また、本発明に係る冷却装置は、複数の対象物を冷却する冷却装置であって、第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、第1位置又は第2位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように支持するとともに、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する支持部材と、前記ファンを第1位置から第2位置に移動させる際に前記支持部材の揺動規制を解除するように前記ファンの回転状態を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、画像情報に基いて画像を形成可能な画像形成部と、前記画像形成部で形成された画像を用紙に定着可能な定着部と、本発明に係る冷却装置と、備えたことを特徴とする。このようにすれば、冷却装置のスペース効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を表わす図である。
【図2】冷却装置100の主要な構成を示す図である。
【図3】治具202の主要な構造を示す図であって、(a)は治具202の全体を表わし、(b)は治具202を構成する弾性支持具を表わし、(c)は治具202の外観斜視図である。
【図4】制御装置101による制御動作を示すフローチャートである。
【図5】送風ファン200が第2の位置から脱する様子を示す図であって、(a)は送風ファン200が第2の位置にある状態を示し、(b)から(d)のようにして第2の位置から脱する。
【図6】送風ファン200が第1の位置にて揺動不能に支持されるまでの様子を示す図であって、(a)は送風ファン200が第1の位置に近付いた状態を示し、(b)から(d)のようにして第1の位置にて揺動不能に支持される。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置並びに冷却対象である回路基板の主要な構成を模式的に示す平面図である。
【図8】本発明の変形例に係る治具の動作を説明する図であって、(a)から(c)までは移動する送風ファンが揺動不能に支持されるまでの動作を表わし、(d)から(f)までは揺動不能に支持された送風ファンが開放されるまでの動作を表わす。
【図9】本発明の変形例に係る冷却装置の主要な構成を示す図である。
【図10】本発明の変形例に係る弾性支持具の主要な構成を示す断面図である。
【図11】本発明の変形例に係る送風ファン200と治具202の形状を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る冷却装置及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
(1) 画像形成装置の構成
先ず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を表わす図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、タンデム方式のカラー画像形成装置であって、冷却装置100、画像読取部110、画像形成部120、用紙格納部130及び用紙搬送部140を備えている。
画像読取部110は、載荷台111や搬送部112、原稿台ガラス113、スキャナ114、排出台115を備えている。また、画像読取部110は、ユーザの指示に従って、載荷台111に載置された原稿を搬送部112にて1枚ずつ取り出して、原稿台ガラス113上へ搬送する。
【0013】
原稿台ガラス113上の原稿は、スキャナ114にて読み取られ、排出台115上へ排出される。スキャナ114は3原色に対応する3列のCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを備えており、原稿を読み取って各色の画像データを生成する。
なお、スキャナ114は、CCDラインセンサを静止させたまま通紙して原稿を読み取るシートスルー方式であっても良い。また、原稿台ガラス113に平行に移動する露光ランプと反射ミラーとを用いて、原稿台ガラス113上に載置された原稿を露光し、その反射光を複数の反射ミラーにてCCDラインセンサへ導くことによって画像データを生成しても良い。
【0014】
画像形成部120は、中間転写ベルト121、ローラ122〜124、作像部125Y〜125K、1次転写ローラ126Y〜126K、クリーニング装置127、定着器128及び排紙トレイ129を備えている。
中間転写ベルト121はローラ122〜124に張架されている。作像部125Y〜125Kは中間転写ベルト121に沿ってイエロー(Y)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びブラック(K)の順に列設されており、スキャナ114が生成した画像データに基づいてYMCK各色のトナー像を形成する。
【0015】
作像部125Y〜125Kが形成したトナー像はそれぞれ1次転写ローラ126Y〜126Kにてタイミングを合わせて、中間転写ベルト121上に重なり合うように静電転写される。これによって、カラー画像が形成される。
用紙格納部130は給紙カセット131を備えている。給紙カセット131内に記録シートが格納されている。なお、用紙格納部130は、格納する記録シートのサイズが相異なる複数の給紙カセットを備え、ユーザが指定したサイズの記録シートを給紙しても良い。
【0016】
用紙搬送部140はローラ141〜144を備えている。ローラ141は、所謂ピックアップローラであって、給紙カセット131内に格納されている記録シートを1枚ずつ取り出す。取り出された記録シートはローラ142によって更に搬送される。
ローラ143は、所謂2次転写ローラであって、中間転写ベルト121上のトナー像を記録シート上に静電転写する。その後、中間転写ベルト121上に残留するトナーはクリーニング装置127にて掻き取られて、廃棄される。
【0017】
定着器128は、加熱ローラ、加圧ローラ及びヒータランプ(図示省略)等を備え、記録シート上のトナー像を溶融して、記録シートに融着させる。ローラ144は、所謂排紙ローラであって、トナー像が定着された記録シートを排紙トレイ129上に排出する。
冷却装置100は、記録シートの定着時には、定着器128からローラ144へ向かう記録シートへ風(冷却風)を送って冷却する。また、冷却装置100は、定着時以外の場合には、ローラ144へ向けて風を送り、自身を冷却して熱故障を防止するとともに、定着器128の温度維持を図る。なお、冷却装置100の構成については以下に詳述する。
【0018】
制御装置101は、冷却装置100が送出する風の強さを制御するなど、画像形成装置1の動作を統括する。
(2) 冷却装置100の構成
次に、冷却装置100の構成について説明する。
図2は、冷却装置100の主要な構成を示す図である。図2に示されるように、冷却装置100は送風ファン200、ストッパ201、204、治具202、203及び支軸205を備えている。送風ファン200は支軸205にて揺動自在に軸支されている。
【0019】
送風ファン200は自ら送風することによって矢印A方向に揺動する。送風ファン200は実線にて示される位置(以下、「第1の位置」という。)にある場合には、定着器128からローラ144へ向かう経路上を搬送される記録シートへ送風し、これを冷却する。
また、破線にて示される位置にある場合(以下、「第2の位置」という。)には、送風ファン200はローラ144方向へ送風することによって自らを冷却する。これによって、定着器128が発生させる熱による送風ファン200の熱故障が防止される。また、定着器128へは送風されないので、定着器128の温度維持が妨げられることもない。
【0020】
角柱状のストッパ201、204は送風ファン200に当接することによって、送風ファン200の揺動を規制する。このため、送風ファン200は、ストッパ201、204にて区画される範囲を超えて揺動することはできない。
治具202、203は、送風ファン200の揺動範囲内に配設されており、送風ファン200の揺動を規制する一方、後述のように、送風ファン200が送風動作を行うことによって一定以上の力が加えられると姿勢を変更する。
【0021】
これによって、送風ファン200が第1の位置にある場合には、治具202によって送風ファン200が支持される。なお、治具202は後述のようなねじりコイルバネを備えている。当該ねじりコイルバネの弾性復元力を用いて、送風ファン200が治具202とストッパ201とに挟持される。
これによって、送風ファン200が安定的に支持される。送風ファン200の風力が当該弾性復元力を超えると、持具202とストッパ201による挟持が解除される。
【0022】
また、送風ファン200が第2の位置にある場合には、治具203によって送風ファン200が揺動しないように支持されるので、送風ファン200が吹き出す風の風向が安定する。
なお、図2における治具202、203は模式的に示されたものであり、治具202、203の詳しい構造並びに送風ファン200との位置関係については後述する。
【0023】
(3) 治具202、203の構造
次に、治具202の構造について説明する。治具203も同様の構造を備えているので、治具202の構造の説明を以って治具203の構造の説明に代える。
図3は、治具202の主要な構造を示す図であって、(a)は治具202の全体を表わし、(b)は治具202を構成する弾性支持具を表わし、(c)は治具202の外観斜視図である。
【0024】
図3(a)に示されるように、治具202は、L字金具300、弾性支持具301、ストッパ302、304、ねじりコイルバネ303及び支軸305を備えている。
L字金具300は支軸305にて揺動自在に軸支されている。L字金具300は支軸305を中心として矢印B方向に揺動する。L字金具300にはねじりコイルバネ303が当接しており、ねじりコイルバネ303によってL字金具300の揺動が規制される。L字金具300の揺動はストッパ304によっても規制される。
【0025】
ねじりコイルバネ303は、不図示の支軸にて支持されている。ねじりコイルバネ303は、一端がL字金具300に接触するとともに、他端が棒状のストッパ302に接触している。ねじりコイルバネ303は弾性力によってL字金具300を実線で示される姿勢(以下、「第1の姿勢」という。)に保つ。
図3(b)に示されるように、弾性支持具301は芯部310、筒体部311、コイルバネ312及びワッシャ313を備えている。図3(a)の弾性支持具301は図3(b)の矢印C方向から見た図となっている。
【0026】
芯部310の先端は、半球状に形成されており、この箇所にL字金具300が接触可能である。L字金具300によって、コイルバネ312が十分に圧縮されると、L字金具300の押圧力によって芯部310が矢印C方向へ押し下げられる。その結果、L字金具300は芯部310を越えて通過する。
一方、L字金具300により芯部310を押圧する力が弱いため、コイルバネ312が十分に圧縮されない場合には、L字金具300は芯部310を超えて通過することができず、L字金具300の揺動が規制される。
【0027】
なお、筒体311は、芯部310が矢印C方向に沿って変位するように、芯部310を案内する。また、ワッシャ313は芯部310が筒体311からはずれるのを防止する。
図3(c)に示されるように、治具202は支持板306によって支持されている。また、弾性支持具301は支持板306の表面に芯部310の半球状の箇所を突出させている。L字金具300が矢印B方向に揺動し、芯部310の半球状の箇所を超えて破線位置に達すると、芯部310の半球状の箇所は再び支持板306の表面に突出して、L字金具300の揺動を規制する。
【0028】
なお、明細書の理解し易さに配慮して、図3にはL字金具300がほぼ90度回転しうる場合が示されているが、L字金具300の可動範囲は送風ファン200の可動範囲との関係から決定されるべきである。すなわち、L字金具300の可動範囲が90度には限定されないのは言うまでもなく、90度よりも狭くても良いし、或いは、90度よりも広くても良い。
【0029】
(4) 冷却装置100の動作
次に、冷却装置100の動作について説明する。ここで、冷却対象としては定着器128及び記録シートを用いる場合について説明する。冷却装置100は、送風ファン200への供給電力を制御装置101が制御することによって、風を吹き出す強さが制御され、姿勢制御される。
【0030】
図4は、制御装置101による制御動作を示すフローチャートである。図4に示されるように、制御装置101は、電源投入後、先ず、変数Xの値を0に初期化する(S401)。変数Xは、画像形成装置1が画像形成状態から他の状態へ遷移したり、他の状態から画像形成状態へ遷移したりしたことを検出するために用いられる。なお、初期化された際に送風ファン200は第2の位置に移動させられる。
【0031】
次に、制御装置101は、画像形成装置1が画像形成状態であるか否かを判定する。そして、画像形成状態である場合には(S402:YES)、更に、変数Xの値を確認する。変数Xの値が0ならば(S403:YES)、画像形成状態以外の状態から画像形成状態へ遷移したと判断されるので、通常送風とは反対の方向、すなわち、逆方向へ強風を送る(S404)。
【0032】
この強風の反力によって、送風ファン200は治具203による拘束から脱し、第1の位置へ遷移して、治具202に拘束される。その後、制御装置101は、変数Xの値を1として(S405)、ステップS402へ進む。
画像形成装置1が画像形成状態であっても(S402:YES)、変数Xの値が0でない場合には(S403:NO)、第1の位置において通常送風を行う(S409)。これによって、定着器128からローラ144へ向かう記録シートが冷却される。
【0033】
画像形成装置1が画像形成状態にない場合にも(S402:NO)、制御装置101は変数Xの値を参照する。そして、変数Xの値が1ならば(S406:YES)、画像形成状態から他の状態へ遷移したと判断されるので、通常送風と同じ方向、すなわち、順方向へ強風を送る(S407)。
この強風の反力によって、送風ファン200は治具202による拘束から脱し、第2の位置へ遷移して、治具203に拘束される。その後、制御装置101は、変数Xの値を0として(S408)、ステップS402へ進む。
【0034】
画像形成装置1が画像形成状態以外の状態であって(S402:NO)、かつ、変数Xの値が1でない場合には(S406:NO)、第2の位置において通常送風を行う(S409)。これによって、送風ファン200自体が冷却され、熱故障が防止される。
図5は、送風ファン200が第2の位置から脱する様子を示す図であって、図5の(a)は送風ファン200が第2の位置にある状態を示している。送風ファン200は、図5(b)から図5(d)のようにして第2の位置から脱する。
【0035】
先ず、図5(a)に示されるように、送風ファン200が第2の位置にある場合、送風ファン200は、ストッパ204とL字金具300とに挟まれることによって揺動不能に支持されている。また、L字金具300は、弾性支持具301とねじりコイルバネ303とに挟まれることによって、揺動不能に支持されている。
このような第2の位置から送風ファン200が順方向に強風を送ることによって強風の反力を受けると、送風ファン200は第1の位置へ向かって、矢印D方向へ揺動する。その結果、送風ファン200がL字金具300を矢印E方向へ揺動させることにより、弾性支持具301が押し下げられ、弾性支持具301によるL字金具300の揺動規制が解除される(図5(b))。
【0036】
すると、ねじりコイルバネ303の弾性復元力によって、L字金具300が付勢されるので、L字金具300は更に矢印E方向へと揺動する。その結果、L字金具300がストッパ304に接触すると、L字金具300はそれ以上揺動することができずに静止する(図5(c))。
L字金具300が静止した後も、送風ファン200は自ら発生させた付勢力によって第1の位置へ向かって、矢印D方向へ移動し続ける(図5(d))。
【0037】
図6は送風ファン200が第1の位置にて揺動不能に支持されるまでの様子を示す図であって、図6の(a)は送風ファン200が第1の位置に近付いた状態を示している。送付ファン200は、図6(b)から図6(d)のようにして第1の位置にて揺動不能に支持される。
先ず、図6(a)に示されるように、送風ファン200が自ら発生させた付勢力によって矢印F方向へ移動しながら第1の位置に接近し、送風ファン200はL字金具300に接触する(図(b))。これによって、弾性支持具301によるL字金具300の揺動規制が解除されると、送風ファン200による強風の反力とねじりコイルバネ304の弾性復元力とによって、L字金具300が矢印G方向へ揺動する(図6(c))。
【0038】
その後、送風ファン200はストッパ201に当接して停止し、L字金具300はストッパ305に当接して停止する。この場合において、ねじりコイルバネ304が弾性復元力にてL字金具300を送風ファン200に押し付けるので、送風ファン200が揺動不能に支持される(図6(d))。
第1の位置から第2の位置へ移動する際には、上記と逆の動作を行う。このように動作することによって、送風ファン200を回転させる駆動源以外の駆動源を用いることなく、送風ファン200の向きを変えて複数の冷却対象物、すなわち、定着器128からローラ144へ向かう搬送系路上の記録シートや、排紙トレイ129上の記録シートへ風を送ることができる。
【0039】
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する(ここで、第2の実施の形態では回路基板が冷却対象である)。
図7は、本実施の形態に係る冷却装置並びに冷却対象である回路基板の主要な構成を模式的に示す平面図である。図7に示されるように、冷却装置7は送風ファン700、ストッパ701、704、治具702、703及び支軸705を備えている。送風ファン700は支軸705にて揺動自在に軸支されている。
【0040】
冷却装置7の冷却対象は、回路基板710に実装された回路素子群712、714である。また、回路基板710は温度センサ711、713を備えている。
送風ファン700は送風することによって矢印H方向に揺動する。送風ファン700が実線にて示される位置(以下、「第1の位置」という。)にある場合には、送風ファン700は回路素子群714へ送風し、これを冷却する。また、送風ファン700が破線にて示される位置にある場合(以下、「第2の位置」という。)には、送風ファン700は回路素子群712へ送風し、これらの回路素子を冷却する。
【0041】
棒状のストッパ701、704は、送風ファン700に当接することによって、送風ファン700の揺動を規制する。このため、送風ファン700は、ストッパ701、704にて区画される範囲を超えて揺動することはできない。
一方、治具702、703は、送風ファン700の揺動範囲内に配設されており、送風ファン700の揺動を規制する一方、後述のように、送風ファン700が送風動作を行うことによって一定以上の力が加えられると姿勢を変更する。
【0042】
これによって、送風ファン700が第1の位置にある場合には、治具702によって送風ファン700が支持される。また、送風ファン700が第2の位置にある場合には、治具703によって送風ファン700が揺動しないように支持されるので、送風ファン700が吹き出す風の風向が安定する。
なお、図7における治具702、703は模式的に示されたものであり、治具702、703の詳しい構造並びに送風ファン700との位置関係は上記第1の実施の形態のそれと同様である。
【0043】
また、上記第1の実施の形態においては、画像形成状態であるか否かによって送風ファン200の姿勢を変更したが、本実施の形態においては、例えば、回路基板710自身が送風ファン700の制御機能を担って、温度センサ711、713の測温結果を比較して、温度差が所定値(例えば、3℃)を上回ったら、温度の高い方の回路素子群へ送風ファン700を向けても良い。勿論、回路基板710とは別に送風ファン700の制御装置を設けても良い。
【0044】
このようにすれば、2つの回路素子群712、714のうち温度上昇がより著しい方の回路素子群を冷却することができる。
なお、温度差が所定値を上回るまで送風ファン700の姿勢変更を待つのは、送風ファン700の姿勢変更の頻度を下げて、より効果的に回路素子群712、714を冷却するためである。
【0045】
言うまでもなく、当該所定値を小さくし過ぎると、測温誤差等に起因する温度変動によって送風ファン700の姿勢が変更され、姿勢変更の頻度が不必要に高くなる。このため、当該所定値を適切に設定するのが望ましい。
[3] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
【0046】
(1) 上記実施の形態においては、記録シートや回路素子を冷却する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、記録シートや回路素子に代えて他の対象物を冷却対象として選んでも、当該冷却対象が複数方向に亘る場合には本発明を適用して、その効果を得ることができる。
(2) 上記実施の形態においては、送風ファンを揺動不能に支持する治具としてL字金具等を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、L字金具以外の治具を用いても良い。例えば、L字金具に代えて上述の弾性支持具を治具に用いても良い。
【0047】
図8は、本変形例に係る治具の動作を説明する図であって、(a)から(c)までは移動する送風ファンが揺動不能に支持されるまでの動作を表わし、(d)から(f)までは揺動不能に支持された送風ファンが開放されるまでの動作を表わす。
すなわち、送風ファン800は、自ら発生させた付勢力によって矢印I方向へ進行すると(図8(a))、弾性支持具801を押し下げて、更に、矢印I方向へ進行する(図8(b))。その後、送風ファン800は、弾性支持具801を通過して、ストッパ802に当接する。すると、弾性支持具801が自らの弾性復元力によって突出するので、送風ファン800が弾性支持具801とストッパ802に挟持され、揺動不能に支持される(図8(c))。
【0048】
逆に、送風ファン800が弾性支持具801とストッパ802とによる拘束から脱出する際には、先ず、送風ファン800は、図8(a)から(c)におけるのとは逆方向にファンを回転させることによって、矢印J方向に進むための押圧力を発生させる(図8(d))。
そして、弾性支持具801を押し下げるに足る押圧力が発生すると、送風ファン800は、弾性支持具801とストッパ802とによる拘束を脱して、矢印J方向に進み始める(図8(e))。送風ファン800が矢印J方向へ更に移動すると、弾性支持具801は、送風ファン800による押圧から開放されて、再び突出する(図8(f))。
【0049】
このように、本発明は治具の構成の如何に関わらず効果を奏することができる。
(3) 上記実施の形態においては、第1の位置と第2の位置との2つの位置において送風ファンが揺動不能に支持される場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、冷却対象が3つ以上に亘る場合には、これらの冷却対象へ送風できるように、3つ以上の位置において送風ファンを揺動不能に支持しても良い。
【0050】
(4) 上記実施の形態においては、送風ファンを揺動させることによって、送風方向を変化させる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
図9は、本変形例に係る冷却装置の主要な構成を示す図である。図9に示されるように、冷却装置9は、送風ファン900、弁901及びバネ902を備えている。冷却装置9は、定着器910からローラ911に至る系路を搬送される記録シートを冷却する。
【0051】
弁901は送風ファン900に対して揺動可能に取着されている。弁901はバネ902の弾性復元力によって閉じられる。また、送風ファン900は、弁901に強く送風することにより、バネ902の弾性復元力に抗して、弁901を開く。これによって、定着器910からローラ911に至る系路を搬送される記録シートが冷却される。
(5) 上記実施の形態においては、コイルバネを1つだけ備えた弾性支持具を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて以下のようにしても良い。
【0052】
図10は、本変形例に係る弾性支持具の主要な構成を示す断面図である。図10に示されるように、弾性支持具10は、上記第1の実施の形態における弾性支持具301と概ね同様の構成を備える一方、コイルバネを2つ備える点で異なっている。すなわち、コイルバネ1002の方がコイルバネ1004よりも弾性係数が大きい。
このため、コイルバネ1002の方がコイルバネ1004よりも縮み難くなっているので、矢印L方向よりも矢印M方向の方が送風ファンを通過させ易い。したがって、送風ファンを弾性支持具10のコイルバネ1002側で保持すれば、送風ファンにてより強い風を送り続けることができる。また、送風ファンの矢印M方向への移動が妨げられ難いので、当該位置へ送風ファンを容易に移動させることができる。
【0053】
(6) 上記実施の形態においては特に言及しなかったが、治具202が送風ファン200の送風を妨げるのは望ましくないので、以下のような形状としても良い。図11は、送風ファン200と治具202の形状を示す正面図である。図11に示されるように、送風ファン200は、ファン部1100が枠体1101にて回転自在に保持されてなる。
送風ファンは支軸205にて支持板306に対して揺動自在に軸支されている。治具202もまた支軸305にて支持板306に対して揺動自在に軸支されている。ファン部1100は破線1102にて囲まれた領域内で回転する。このため、破線1102外に治具202を配すれば、治具202によってファン部1100による送風が妨げられないようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る冷却装置並びに画像形成装置は、装置の冷却に必要な冷却装置の個数を削減する技術として有用である。
【符号の説明】
【0055】
1…………………………………………………画像形成装置
7、100………………………………………冷却装置
144……………………………………………ローラ
128……………………………………………定着器
200、800…………………………………送風ファン
201、204…………………………………ストッパ
202、203、702、703……………治具
205、305、705………………………支軸
300……………………………………………L字金具
301、801…………………………………弾性支持具
302、304、701、704、802…ストッパ
303……………………………………………ねじりコイルバネ
310……………………………………………芯部
311……………………………………………筒体部
312……………………………………………コイルバネ
313……………………………………………ワッシャ
306……………………………………………支持板
710……………………………………………回路基板
711、713…………………………………温度センサ
712、714…………………………………回路素子群
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象物を冷却する冷却装置であって、
揺動自在に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、
複数の前記対象物をそれぞれ冷却可能な位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する複数の支持部材と、
を備えた冷却装置。
【請求項2】
前記ファンは、第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能であり、
前記支持部材は、前記ファンは第2位置から第1位置に向かって揺動する際に揺動規制を解除する、
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記支持手段は、
前記ファンが前記対象物に向けて冷却風を供給可能な位置に位置するように前記ファンを支持する第1支持部材と、
前記ファンが前記対象物に冷却風を供給不能な位置に位置するように前記ファンを支持する第2支持部材と、を有する、
請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ファンは冷却風の反力によって揺動する、
請求項1から3のいずれかに記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ファンの揺動範囲を規制する規制部材をさらに備えた、
請求項1から4のいずれかに記載の冷却装置。
【請求項6】
複数の対象物を冷却する冷却装置であって、
第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、
第1位置又は第2位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように支持するとともに、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する支持部材と、
前記ファンを第1位置から第2位置に移動させる際に前記支持部材の揺動規制を解除するように前記ファンの回転状態を制御する制御装置と、
を備えた冷却装置。
【請求項7】
画像情報に基いて画像を形成可能な画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像を用紙に定着可能な定着部と、
請求項1から6のいずれかに記載の冷却装置と、
を備えた画像形成装置。
【請求項1】
複数の対象物を冷却する冷却装置であって、
揺動自在に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、
複数の前記対象物をそれぞれ冷却可能な位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する複数の支持部材と、
を備えた冷却装置。
【請求項2】
前記ファンは、第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能であり、
前記支持部材は、前記ファンは第2位置から第1位置に向かって揺動する際に揺動規制を解除する、
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記支持手段は、
前記ファンが前記対象物に向けて冷却風を供給可能な位置に位置するように前記ファンを支持する第1支持部材と、
前記ファンが前記対象物に冷却風を供給不能な位置に位置するように前記ファンを支持する第2支持部材と、を有する、
請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ファンは冷却風の反力によって揺動する、
請求項1から3のいずれかに記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ファンの揺動範囲を規制する規制部材をさらに備えた、
請求項1から4のいずれかに記載の冷却装置。
【請求項6】
複数の対象物を冷却する冷却装置であって、
第1の対象物に冷却風を供給可能な第1位置と、第2の対象物に冷却風を供給可能な第2位置との間を揺動可能に支持され、前記対象物に冷却風を供給可能なファンと、
第1位置又は第2位置において前記ファンを支持可能に配置され、前記ファンの風力が所定の風力に満たない場合には、前記ファンの揺動を規制するように支持するとともに、前記ファンの風力が前記所定の風力を超える場合には、前記ファンの揺動規制を解除する支持部材と、
前記ファンを第1位置から第2位置に移動させる際に前記支持部材の揺動規制を解除するように前記ファンの回転状態を制御する制御装置と、
を備えた冷却装置。
【請求項7】
画像情報に基いて画像を形成可能な画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像を用紙に定着可能な定着部と、
請求項1から6のいずれかに記載の冷却装置と、
を備えた画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−217371(P2010−217371A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62599(P2009−62599)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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