説明

凝集剤を用いる汚濁水処理用の処理装置

【課題】 本願発明装置の全体が簡単な構成でコンパクトなものであり、かつ凝集剤粉末と汚濁水の反応が短時間で完全に遂行され、分離槽においては大きなフロックと清澄水とに分離できる汚濁水処理用の処理装置を提供する。
【解決手段】
凝集剤を用いる汚濁水処理用の処理装置であって、
凝集剤が液剤に混合された凝集剤混合液を調製導出するためのモーノポンプ(1)と、前記凝集剤混合液を汚濁水に混合するためのラインミキサー(2)と、ラインミキサー(3)から導出される汚濁水と凝集剤混合液の混合体を静置して沈降フロックと清澄水とに分離する分離槽(3)と、分離槽の底部に取り付けられた沈降フロック抜き取り装置(4)と、分離槽の上方部に取り付けられた清澄水抜き取り装置(5)とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種汚濁廃水の汚濁水処理用の処理装置に関し、特に凝集剤を用いる汚濁水処理用の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種工業、農業、食品製造工場等から排出される汚濁水、有機性産業汚濁廃水等は、高度に水処理されて再利用又は河川、海等に排出されている。
また、地盤改良、トンネル掘削、ビル建設現場等で発生する工事・建設汚濁水(又は泥漿)や、河川、港湾等の工事現場で発生する浚渫泥漿や、各種産業における工場廃水浄化設備等で発生する各種産業汚濁廃水も、それぞれ高度に水処理されてリサイクル又は再利用水として使用され又は、河川、海等に排出されている。
【0003】
前記の水処理においては、汚濁水に凝集剤粉末を添加・混合した後、静置して、沈降フロックと上澄みの清澄水とに分離し、沈降フロックは取り出して脱水してケーキとなし、また上澄みの清澄水は中水等としてリサイクル使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、このような汚濁・汚濁廃水の終末処理に使用される水処理用凝集剤は、これら汚濁・汚濁廃水中に浮遊する混濁浮遊物を効果的に沈降させて清澄な水にさせるのに用いられている。
【0005】
このような水処理凝集剤には、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)等の無機系凝集剤が挙げられ、また、通常、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の有機高分子凝集剤が組合わせて、汚濁廃水、汚濁廃水の水処理に使用されている。
そして、これらの凝集剤は、単に汚濁・汚濁廃水に添加させれば、浮遊混濁物が、凝集・沈降・清澄化されるものである。
【0006】
例えば、その処理工程として、有機性汚濁に硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)等の従来から使用されている無機凝集剤の単独又は2種以上を組み合わせて添加させ、次いで、有機高分子凝集剤を添加させて脱水ろ過するに当たって、pHを4以下になるまで無機凝集剤を添加させた後、アルカリ剤を添加させてpHを4〜7に調整し、次いで両性高分子凝集剤を添加させて、浮遊汚濁汚濁物を低含水率のろ過ケーキとして処理されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許公開2001−198599号公報
【特許文献2】特開平5−269500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の水処理においては、汚濁水に凝集剤粉末を添加・混合する工程において、凝集剤粉末を汚濁水に継続的に均質に添加・混合することが難しく、例えば凝集剤粉末は作業時に吸湿して固まったりしてしまい、凝集剤粉末を汚濁水に一定量を連続的に供給することは困難であった。
また、汚濁廃水を沈降清澄化させる水処理用凝集剤には、従来から、通常、凝集用主剤及び高分子凝集剤を含めての凝集助剤とを組み合わせて用いられているが、例えば、従来から硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)等の鉄塩系の凝集剤のみでは、十分な凝集効果が得られず、また、消石灰等を併用してpH調整を要したりする傾向にあり、また、硫酸アルミ塩・硫酸鉄塩の塩基性混和凝集剤や、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や、珪酸アルカリ水溶液の珪酸ゾル(又はコロイダルシリカ)等の液状凝集剤も、単独使用では一長一短があって万能ではない。
また、これら凝集剤は、何れも「水和反応」→「ゾル・ゲル化」→「フロック凝集化」等の作用は、廃水のpH領域に依存して、すなわち鉄イオン及びアルミイオン等のゼータ電位の調整下に凝集剤としての作用を発揮させる。従って、従来からこのような浮遊分散する汚濁物の「凝集・フロック・沈降」化には、ゼータ電位との関連付け下に実績評価がなされている。その実績評価として、フロック化促進効果及びフロック粒径を増大化させるためから、それぞれ、アニオン性、カチオン性、ノニオン性等の高分子凝集剤を組み合わせて、架橋作用を発揮させる高分子凝集剤の併用が不可欠であることも事実である。
【0009】
本発明の目的は、汚濁水に凝集剤粉末を添加・混合する工程において、凝集剤粉末を汚濁水に継続的に均質に添加・混合することが容易で、また、凝集剤粉末が作業時に吸湿して固まったりしないで、凝集剤粉末を汚濁水に連続的に供給でき、かつ沈降フロックと清澄水とに容易に分離できるようにすることである。
本発明の他の目的は、各種の生活廃水、産業廃水の処理に、フロック形成速度が大きく、また、最終到達フロック径が大きく、沈降速度を速くして、上澄み液が短時間で得られる粉末状凝集剤の提供と、それを使用する汚濁廃水の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本願発明は以下の凝集剤を用いる汚濁廃水の処理装置である。
[1] 凝集剤を用いる汚濁水処理用の処理装置であって、
凝集剤が液剤に混合された凝集剤混合液を調製導出するためのモーノポンプ(1)と、前記凝集剤混合液を汚濁水に混合するためのラインミキサー(2)と、ラインミキサー(3)から導出される汚濁水と凝集剤混合液の混合体を静置して沈降フロックと清澄水とに分離する分離槽(3)と、分離槽の底部に取り付けられた沈降フロック抜き取り装置(4)と、分離槽の上方部に取り付けられた清澄水抜き取り装置(5)とからなることを特徴とする汚濁水処理用の処理装置。
[2] 液剤と凝集剤粉末の混合物からなる凝集剤混合液を調製するための混合槽(6)と凝集剤粉末供給手段(A)と液剤供給手段(B)と攪拌機(6a)を備えてなる凝集剤混合液調製装置を備えてなることを特徴とする前記(1)項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
[3] 液剤が、水溶性の有機溶媒であることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
[4] 水溶性の有機溶媒がエチルアルコールであることを特徴とする前記(3)項記載の汚濁水処理用の処理装置。
【0011】
[5] 前記(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の凝集剤として、下記組成の粉末状凝集剤が用いられることを特徴とする汚濁水処理用の処理装置。
(1)有機高分子凝集剤粉末 3〜6w%
(2)石膏粉末 45〜60w%
(3)炭酸ソーダ粉末 15〜30w%
(4)硫酸アルミニウム粉末 12〜20w%
(5)無水アルカリ金属珪酸塩粉末 4〜10w%
[6] 無水アルカリ金属珪酸塩粉末が、粒径5.0〜0.01μmの微小粒径のものであることを特徴とする前記(5)項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
[7] 有機高分子凝集剤粉末がアクリルアミドであり、石膏粉末が半水石膏粉末であり、無水アルカリ金属珪酸塩がナトリウム水ガラス又はカリウム水ガラスあるいはリチウム水ガラスから選ばれる1又は2の乾燥物であることを特徴とする前記(5)項又は(6)項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
[8] 前記高分子凝集剤粉末が、平均粒子径60〜200μmであることを特徴とする前記(5)項〜(7)項のいずれか1項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
[9] 懸濁物(SS)濃度が50〜20,000mg/1リットルの汚濁水に前記(5)項〜(8)項のいずれか1項に記載の凝集剤が、高速攪拌下に100〜30,000ppmの範囲で添加・混合された後、静置して懸濁物(SS)が粗大フロックとして沈降分離され、清澄水が得られることを特徴とする前記(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
【発明の効果】
【0012】
本願発明においては、モーノポンプによって凝集剤粉末とエチルアルコール等の水溶性溶媒との液状の混合液が調製され、液状の凝集剤混合液がラインミキサーに導入され、汚濁水と急速かつ強力に混合されるため、凝集剤粉末と汚濁水の反応が短時間で完全に遂行され、分離槽においては大きなフロックと清澄水とに分離できる。
また、本願発明においては、混合槽において、まずエチルアルコール等の水溶性溶媒からなる液剤と凝集剤粉末の混合物からなる凝集剤混合液が調製され、液状のものとなっているため、ラインミキサーに凝集剤粉末単体を供給するのと異なり、凝集剤混合液が液状のものであるため、目詰まりなどを生ずるようなこともなく、ラインミキサーにスムーズかつ容易に供給することができ、作業が中断する等の問題は生じない。
さらに、ラインミキサーはその構成及びサイズが簡単でコンパクトである上に、強力な攪拌能力を有しているため、本願発明装置は全体として簡単な構成でコンパクトなものとなる。
そしてまた、本願発明の水処理凝集剤を使用すれば、従来の凝集剤に比較して、急速な粗大フロックの生成ができ、より完全に汚水中の懸濁物を粗大フロック化して清澄な処理水を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明の説明用フローシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本願発明の説明用フローシートであり、1は凝集剤混合液を調製導出するためのモーノポンプ(スクリューポンプの一種)、2は前記凝集剤混合液を汚濁水に混合するためのラインミキサー、3はラインミキサー(3)から導出される汚濁水と凝集剤混合液の混合体を静置して沈降フロックと清澄水とに分離する分離槽、4は分離槽の底部に取り付けられた沈降フロック抜き取り装置、そして5は分離槽の上方部に取り付けられた清澄水抜き取り装置である。
また、6は液剤と凝集剤粉末の混合物からなる凝集剤混合液を調製するための混合槽であり、Aは凝集剤粉末供給手段、Bは液剤供給手段、Cは汚濁水導入手段、6aは攪拌機である。
図において、まず混合槽6において、凝集剤粉末とエチルアルコール等の水溶性溶媒との混合液が調製され、その混合液がモーノポンプ1に導入され、次いでモーノポンプ1から混合液が導出されて、ラインミキサー2に導入される。ラインミキサー2に導入にはさらに汚濁水Cが導入され、それらがラインミキサー2内で強力に急速攪拌される。ラインミキサー2内で凝集剤粉末と汚濁水が急速かつ強力に攪拌されるため、凝集剤粉末と汚濁水の汚濁粒子は反応して、大きなフロックが生成する。
生成した大きなフロックを含む混合体は分離槽3に移送され、そこで、静置されて大きなフロックが沈降し、上澄みの清澄水が上方に分離生成される。
沈降フロックは分離槽3の底部に取り付けられた沈降フロック抜き取り装置4から抜き取られ、また、清澄水は分離槽3の上方部に取り付けられた清澄水抜き取り装置5から機外に導出されて、中水等としてリサイクル使用に供される。
本願発明においては、混合槽6において、まずエチルアルコール等の水溶性溶媒からなる液剤と凝集剤粉末の混合物からなる凝集剤混合液が調製され、液状のものとなっているため、ラインミキサー2に凝集剤粉末単体を供給するのと異なり、凝集剤混合液が液状のものであるため、ラインミキサー2にスムーズかつ容易に供給することができるのである。
その場合液剤としては、凝集剤粉末と反応することがなく、流動性を付与させるものが好ましく、汚濁水に導入されたときには、溶解し、かつ無害な水溶性溶媒、例えばエチルアルコールが使用できる。
また、スクリューポンプの一種であるラインミキサー2はその構成及びサイズが簡単でコンパクトで、管路中に設けた邪魔板、機械的攪拌機によって流体を流しながら短時間に混合するものであり、強力な攪拌能力を有しているため、本願発明装置の組合せ構成として好適なものである。
【0015】
モーノポンプとしては、例えば、兵神装備(株)製のモーノポンプ(商品名)、(株)島津製作所製の「ギヤポンプ」(商品名)、あるいはMAAG社製の「THERMINOX GEAR PUMP」(商品名))などが挙げられる。モーノポンプは、自吸力を持ち、低粘度から高粘度液まで定量的に移送でき、液移送から粉体移送まで広範囲な用途で利用可能である。
また、ラインミキサー2としては、例えば、日本インカ株式会社製の「WESTFALL−INKAスタティック・インジェクション・ミキサー」が挙げられる。
【0016】
また、本願発明の水処理用凝集剤においては、
(1)有機高分子凝集剤粉末は、公知のものが使用されるが、特にアクリルアミド系のものが好ましい。その配合量は3〜6w%が好ましい。粉末状の高分子凝集剤としては、アニオン系又はノニオン系で、例えば、アニオン系;ポリアクリル酸ソーダ、ポリスルホメチル化ポリアクリドアミド、また、ノニオン系;ポリアクリドアミド、ポリエチレンpキサイドが挙げられる。
また、無機凝集剤粉末も、公知のものが使用されるが、例えば硫酸アルミニウム、石膏、炭酸ソーダ等が使用される。
(2)そして、本願発明では、無水アルカリ金属珪酸塩粉末が添加・混合されるが、ナトリウム水ガラス又はカリウム水ガラスの乾燥物が好ましく、その配合量は4〜10w%が好ましい。特にこれらの水ガラスの乾燥物は、それらの液状水ガラスを乾燥して得られるものであって、、水ガラス粉末は、水ガラスを、例えばスプレードライ法で乾燥することにより得ることでき、フロックの粗大化に寄与するものである。無水アルカリ金属珪酸塩粉末の粒径は、微細なものが好ましく、5.0〜0.01μmのものが好ましい。それがより微細であればあるほど、フロックの生成時間がより短時間となるため、汚濁の急速分離に好ましい。
(3)石膏粉末としては、半水石膏が好ましく、その配合量は45〜60w%が好ましい。
(4)炭酸ソーダ粉末としては、市販のものでよいが、その配合量は15〜30w%が好ましい。
(4)硫酸アルミニウム粉末としては、市販のものでよいが、その配合量は12〜20w%が好ましい。
【0017】
本願発明によれば、高速攪拌下で懸濁物(SS)を急速に粗大フロック化及び沈降分離することができる。
【実施例】
【0018】
以下に、本願発明による凝集剤の実施例について説明する。
実施例1:
本願発明実施例の凝集剤の成分配合組成は、下記のとおりである。
(1)有機高分子凝集剤粉末 0.4kg
(2)半水石膏粉末 5.0kg
(3)炭酸ソーダ粉末 2.5kg
(4)硫酸アルミニウム粉末 1.5kg
(5)無水珪酸ナトリウム粉末 0.6kg
上記(1)〜(5)の各粉末を秤量し、それらを攪拌機にて混合して本願発明の凝集剤を製造した。
次に、前記実施例で得られた凝集剤を、懸濁物(SS)濃度が50〜20,000mg/リットルの汚濁廃水に、高速攪拌下に凝集剤を100〜30,000ppmの範囲で添加・混合させ、静置した。
高速攪拌をすると直ちに、懸濁物(SS)が大きなフロックとなって生成した。
攪拌を停止すると、それらのフロックは数秒間で下底に沈降し、その上に懸濁物(SS)濃度が10〜50ppm以下の透明な清澄水が生成した。
以上のように、本願発明の凝集剤は、懸濁物中に強撹拌下で添加・混合することで、懸濁物のフロック化とその沈降分離が迅速に実行できる。
なお、上記高速攪拌下とは、120rpm以上の撹拌速度が好ましく、このような処理方法で各種の汚濁廃水を処理することができる。
【0019】
実施例2:
本願発明実施例の凝集剤の成分配合組成は、下記のとおりである。
(1)有機高分子凝集剤粉末 0.4kg
(2)半水石膏粉末 5.0kg
(3)炭酸ソーダ粉末 2.5kg
(4)硫酸アルミニウム粉末 1.5kg
(5)無水珪酸カリウム粉末 0.6kg
上記(1)〜(5)の各粉末を秤量し、それらを攪拌機にて混合して本願発明の凝集剤を製造した。
次に、前記実施例で得られた凝集剤を、懸濁物(SS)濃度が50〜20,000mg/リットルの汚濁廃水に、高速攪拌下に凝集剤を100〜30,000ppmの範囲で添加・混合させ、静置した。
高速攪拌をすると直ちに、懸濁物(SS)が大きなフロックとなって生成した。
攪拌を停止すると、それらのフロックは数秒間で下底に沈降し、その上に懸濁物(SS)濃度が10〜50ppm以下の透明な清澄水が生成した。
以上のように、本願発明の凝集剤は、懸濁物中に強撹拌下で添加・混合することで、懸濁物の粗大なフロック化とその沈降分離が迅速に実行できる。
なお、上記高速攪拌下とは、120rpm以上の撹拌速度が好ましく、このような処理方法で各種の汚濁廃水を処理することができる。
【符号の説明】
【0020】
1:モーノポンプ
2:ラインミキサー
3:分離槽
4:沈降フロック抜き取り装置
5:清澄水抜き取り装置
6:混合槽
6a:攪拌機
A:凝集剤粉末供給手段
B:剤供給手段
C:汚濁水導入手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝集剤を用いる汚濁水処理用の処理装置であって、
凝集剤が液剤に混合された凝集剤混合液を調製導出するためのモーノポンプ(1)と、前記凝集剤混合液を汚濁水に混合するためのラインミキサー(2)と、ラインミキサー(3)から導出される汚濁水と凝集剤混合液の混合体を静置して沈降フロックと清澄水とに分離する分離槽(3)と、分離槽の底部に取り付けられた沈降フロック抜き取り装置(4)と、分離槽の上方部に取り付けられた清澄水抜き取り装置(5)とからなることを特徴とする汚濁水処理用の処理装置。
【請求項2】
液剤と凝集剤粉末の混合物からなる凝集剤混合液を調製するための混合槽(6)と凝集剤粉末供給手段(A)と液剤供給手段(B)と攪拌機(6a)を備えてなる凝集剤混合液調製装置を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の汚濁水処理用の処理装置。
【請求項3】
液剤が、水溶性の有機溶媒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚濁水処理用の処理装置。
【請求項4】
水溶性の有機溶媒がエチルアルコールであることを特徴とする請求項3記載の汚濁水処理用の処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の凝集剤として、下記組成の粉末状凝集剤が用いられることを特徴とする汚濁水処理用の処理装置。
(1)有機高分子凝集剤粉末 3〜6w%
(2)石膏粉末 45〜60w%
(3)炭酸ソーダ粉末 15〜30w%
(4)硫酸アルミニウム粉末 12〜20w%
(5)無水アルカリ金属珪酸塩粉末 4〜10w%
【請求項6】
無水アルカリ金属珪酸塩粉末が、粒径5.0〜0.01μmの微小粒径のものであることを特徴とする請求項5に記載の汚濁水処理用の処理装置。
【請求項7】
有機高分子凝集剤粉末がアクリルアミドであり、石膏粉末が半水石膏粉末であり、無水アルカリ金属珪酸塩がリチュウム水ガラス、ナトリウム水ガラス又はカリウム水ガラスから選ばれる1又は2の乾燥物であることを特徴とする請求項5又は6に記載の汚濁水処理用の処理装置。
【請求項8】
前記高分子凝集剤粉末が、平均粒子径60〜200μmであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の汚濁水処理用の処理装置。
【請求項9】
懸濁物(SS)濃度が50〜20,000mg/1リットルの汚濁水に請求項5〜8のいずれか1項に記載の凝集剤が、高速攪拌下に100〜30,000ppmの範囲で添加・混合された後、静置して懸濁物(SS)が粗大フロックとして沈降分離され、清澄水が得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚濁水処理用の処理装置。


【図1】
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【公開番号】特開2010−172885(P2010−172885A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21894(P2009−21894)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(509033114)株式会社 地水 (3)
【出願人】(509033402)
【出願人】(508271919)
【Fターム(参考)】