刃材の研削加工方法およびその装置
【課題】曲げられた刃材も誰でもが簡単な作業で、熟練工を超える正確かつ精密な研削加工が行え、また加工の均一性を確保できる刃材の研削加工方法を提供する。
【解決手段】刃材2が、刃材支持台11に垂直に立設したマグネットからなる刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定されるとともに、刃材押え盤13で刃材2をこれの上方から押えることにより刃材2が刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定された状態下で、刃材2の被研削部分7を上から下に向けてグラインダー14で研削する。
【解決手段】刃材2が、刃材支持台11に垂直に立設したマグネットからなる刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定されるとともに、刃材押え盤13で刃材2をこれの上方から押えることにより刃材2が刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定された状態下で、刃材2の被研削部分7を上から下に向けてグラインダー14で研削する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トムソン型(刃木型)のトムソン刃に使用される刃材の研削加工方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トムソン型の製作において、トムソン刃に使用される刃材と刃材の接合部分において、所謂「すり合わせ」という加工がある。この加工に際しては、例えば、図13に示すように、相隣る刃材1と刃材2を平面視において略「r」の字形状になるように接合したり、図15に示すように相隣る刃材3と刃材4を平面視において「V」の字形状になるように接合したりする。図13に示すような略「r」形状に加工するには、図14(a)に示すように、予め厚さ方向に略「J」の字形状に曲げ加工された刃材1と、「し」の字形状に曲げ加工された刃材2とを用意し、一方の刃材1の曲がり部の外面側に断面「レ」の字形状のすり合わせ面8aを研削し、他方の刃材2の一端縁に前記すり合わせ面8aに対応する斜面形状のすり合わせ面8bを研削して、図14(b)に示すように、両者のすり合わせ面8a,8b同士をすり合わせて平面視において略「r」の字形状になるように接合する。また、図15に示すような「V」の字形状に加工するには、図16(a)に示すように、曲げ加工されていない真直ぐな形状の刃材3,4を用意し、一方の刃材3の一端縁、および他方の刃材4の一端縁にそれぞれ斜面形状のすり合わせ面9a,9bを研削して、図16(b)に示すように、両者のすり合わせ面9a、9b同士をすり合わせて平面視において「V」の字形状になるように接合する。
【0003】
このような接合部のすり合わせ加工は刃木型製作で重要な箇所であり、普通、完全な刃木型によれば2万枚から5万枚の厚紙等の抜き加工が可能であるが、この部分が不完全であると、厚紙等を正確に抜くことができないばかりか、紙粉などの圧力で直ぐに刃先が折れたり、切れ飛んだりして、2千枚も加工しないうちに破損してしまうことがあった。
したがって、こうした研削加工は、全て熟練工による手加工で行われている現状であり、非能率的であるばかりか、現在ではそのような熟練工は少なくなり、刃木型工業界ではとても痛手となっている。
【0004】
かと言って、機械加工で、このようなものを研削加工するにしても、一般的には曲げ加工されていない真直ぐな形状の刃材(薄板)が研削対象とされ、該刃材を平面的に挟み、平面方向にグラインダーなどで研削加工するのが普通である(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−248758号公報
【特許文献2】特開平11−77495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、紙やゴム、プラスチック、スポンジなどの素材を様々な形に型抜きする刃木型製作では、例えば、図14(a)に示すような曲げ加工された形状の刃材1,2が多く、上記のような平面研削ではこのような曲げ加工された刃材を研削することは困難ないし不可能であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、曲げられていない真直ぐな刃材はもとより、曲げ加工された刃材も誰でもが簡単な作業で、熟練工を超える正確かつ精密な研削加工を可能にし、また加工の均一性を確保できる刃材の研削加工方法およびその装置提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の刃材の研削加工方法は、請求項1に記載のように、発明の内容を理解しやすくするために図1〜図16に示した符号を参照して説明すると、刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する方法において、前記刃材を、刃材支持台11に垂直に立設したマグネットからなる刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定するとともに、刃材押え盤13で前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材を前記刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定した状態下で、前記刃材の被研削部分を上から下に向けてグラインダー14で研削することに特徴を有するものである。
【0009】
これによると、厚さ方向に曲げ加工された刃材も、予め、刃材支持台11上にマグネットからなる刃材支持ピン12により吸着固定することで、刃材幅方向が垂直になる姿勢に確実に保持される仮セット状態が簡易に得られる。このように刃材を仮セットしておくと、次に使用される刃材押え盤13で刃材をこれの上方から押えることにより刃材を刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定される状態が簡単に得られる。そして、このように刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定された刃材に対しては素人でもグラインダー14で被研削部分を容易に正確かつ精密に研削することができる。しかも、曲げ加工された刃材も安全かつ確実に研削することができる。
【0010】
請求項1記載の刃材の研削加工方法は、請求項2に記載のように、前記刃材と前記刃材押え盤13との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台との重合面間に適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい硬質ゴム等による保護シート31を介在するという構成を採用することができる。これによると、研削時に刃材の刃先部分を傷付けることがなく、また刃材の滑り止めと刃材の上下反転使用を可能にする。
【0011】
本発明の刃材の研削加工装置は、請求項3に記載のように、刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する装置において、刃材支持台11と、この刃材支持台11に垂直に立設され前記刃材を刃材幅方向が垂直になるように吸着固定するマグネットからなる刃材支持ピン12と、前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材支持台11との間で挟持固定する刃材押え盤13と、前記刃材の被研削部分を上から下に向けて研削するグラインダー14と、を備えていることに特徴を有するものである。
【0012】
これによると、厚さ方向に曲げ加工された刃材も刃材支持台11上にマグネットからなる刃材支持ピン12により吸着固定することで刃材幅方向が垂直になる姿勢に保持される仮セット状態が簡易に得られる。このように刃材を仮セットしておくと、次に使用される刃材押え盤13で前記刃材をこれの上方から押えることにより刃材を刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定される状態が簡単に得られる。そして、このように刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定された刃材に対しては素人でもグラインダー14で被研削部分を容易に正確かつ精密に研削することができる。しかも、曲げ加工された刃材も安全かつ確実に研削することができる。
【0013】
請求項3記載の刃材の研削加工装置は、請求項4に記載のように、前記刃材と前記刃材押え盤13との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台11との重合面間に適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい硬質ゴム等による保護シート31を介在するという構成を採用することができる。これによると、研削時に刃材の刃先部分を傷付けることがなく、また刃材の滑り止めと刃材の上下反転使用を可能にする。
【0014】
請求項3又は4記載の刃材の研削加工装置は、請求項5に記載のように、刃材押え盤13と刃材支持台11との間に刃材押え盤13を刃材押さえ姿勢にロックするロック状態と、該ロック状態を解除するアンロック状態とに切換え可能なクランプ機構18を設ける構成を採用することができる。これによると、クランプ機構18により刃材押え盤13による刃材押さえ状態をロックすることができるので、それだけグラインダー14による研削がより安全かつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、曲げ加工されていない真直ぐな刃材はもとより、曲げ加工された刃材も誰でもが簡単な作業で、熟練工を超える正確かつ精密な研削加工を安全に行え、また加工の均一性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を示す刃材の研削加工装置の斜視図である。
【図2】同刃材の研削加工装置の平面図である。
【図3】同刃材の研削加工装置の背面図である。
【図4】図2におけるA−A線断面図である。
【図5】同刃材の研削加工装置の分解斜視図。
【図6】同刃材の研削加工装置の刃材支持台上に刃材をセットし且つ刃材押え盤を起立させた状態で示す断面図である。
【図7】同刃材の研削加工装置の刃材押え盤を倒して刃材を押えた状態を示す断面図である。
【図8】同刃材の研削加工装置のクランプの作動図である。
【図9】同刃材の研削加工装置による研削状態の一例を示す斜視図である。
【図10】同刃材の研削加工装置による研削状態の一例を示す平面図である。
【図11】同刃材の研削加工装置による研削状態の他例を示す平面図である。
【図12】同刃材の研削加工装置による研削状態の更に他例を示す平面図である。
【図13】曲げ加工された刃材の一例を示す平面図である。
【図14】(a)は図13に示す刃材を分解状態で示す斜視図、(b)は図13に示す刃材の斜視図である。
【図15】曲げ加工されていない刃材の一例を示す平面図である。
【図16】(a)は図15に示す刃材を分解状態で示す斜視図、(b)は図15に示す刃材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を実施例に基づき詳細に説明する。図1〜図5、図9において、本発明に係る刃材の研削加工装置10は、図13〜図16に示すように、刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分5と、刃材幅方向他端に有する背部分6と、刃材幅方向に研削される被研削部分7とを有する刃材1〜4の各被研削部分7を研削加工する装置である。この装置10は、刃材支持台11と、この刃材支持台11に垂直に立設された刃材支持ピン12と、刃材押え盤13と、図9に示すごときダイヤモンドグラインダー等のグラインダー14と、を備える。
【0018】
以下、各部材について具体的に詳しく説明する。
【0019】
刃材支持台11はこれの前端側における上面の左右方向中央付近に刃材支持ピン12を垂直に立設している。刃材支持ピン12は刃材支持台11上に刃材1〜4を刃材幅方向が垂直になるように吸着固定するマグネットからなる。刃材支持台11の後端には刃材押え盤支持台15を押えボルト16等で固定し、この刃材押え盤支持台15上に刃材押え盤13の回動基端部を回動中心軸17を介して回動自在に枢着している。刃材押え盤13は、図6のように刃材押え盤支持台15上に起立する姿勢と、この起立姿勢から図7のように刃材支持台11の上側に平行(水平)に倒されて回動先端側で刃材1〜4を押える刃材押さえ姿勢とにわたって回動中心軸17回りに上下方向に回動自在としてある。
【0020】
刃材押え盤13を刃材押さえ姿勢にロックするロック状態と、該ロック状態を解除するアンロック状態とに切換え操作可能にするために、刃材押え盤13と刃材支持台11との間にクランプ機構18を設けている。クランプ機構18は、刃材押え盤13にロックプレート22およびクランプハンドル23を搭載する一方、刃材支持台11側に頭19a付きのロックボルト19を垂直に立設しナット20で締付け固定している。刃材押え盤13は刃材押さえ姿勢下でロックボルト19の頭19a側を上方へ突出するようにロックボルト19を貫通可能にするボルト貫通孔21を有している。
【0021】
クランプ機構18のクランプハンドル23は左右一対のレバーからなり、これの回動先端側に握り部23aを備え、その回動基端部23bは刃材押え盤13上に押えボルト24等で固定された左右の軸受25にハンドル軸26を介して軸支している。このクランプハンドル23はアンクランプ位置(図6、図7参照)とクランプ位置(図4参照)とにわたってハンドル軸26回りに回動自在としている。ロックプレート22はロックボルト19の頭19a側を上方へ突出するようにロックボルト19を貫通可能にする平面視において鍵穴形状の開口部27を有し、この開口部27がボルト貫通孔21の上方に対応し、かつ開口部27より前側の先端部22aが刃材押え盤13の上面に突出固定した枕部28に支えられるように刃材押え盤13の上面側に配備される。ロックプレート22の基端部22bと、クランプハンドル23の回動基端部23bのハンドル軸26より回動基端部方向側に突出形成した突出端部23cとは枢支ピン29で枢支連結している。
【0022】
かくして、クランプ機構18は、図6のようにアンクランプ位置にあるクランプハンドル23を図8に示す矢印D方向にハンドル軸26回りに回動させると、図2、図4に示すように、クランプハンドル23の回動基端部23bにおける突出端部23cの枢支ピン29によりロックプレート22が上方へ持ち上げられ、ロックプレート22の先端部22aと基端部22b間の中間部位22cの上面側がロックボルト19の頭19aの下面側に当接し、さらにクランプハンドル23を同一方向に回動させると、ロックプレート22の先端部22aが、ロックボルト19の頭19a下面との当接部を支点として刃材押え盤13側へ押し下げられて枕部28に強く押し付けられる。これにより刃材押え盤13による刃材2の押付け状態がロックされる。ロックボルト19は刃材支持台11からの突出高さを調節することによりロックプレート22および刃材押え盤13による刃材押え付け強さを加減調整することができる。
【0023】
図1に示すように、刃材支持台11の前端側の上面には、各刃材1〜4を所定向きにセットし易いように、角度を測定可能にする分度器目盛30を刃材支持ピン12を中心として付けている。
【0024】
刃材押え盤13の回動先端側の下面には、各刃材1〜4のそれぞれが各刃先部分5を上向きにする状態にセットされるとき該刃先部分5を保護するとともに滑り止めのための適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい硬質ゴム等による保護シート31をはり付けている。
刃材支持台11の前端側の上面の刃材支持ピン12の周囲にも硬質ゴム等による保護シート31をはり付けておけば、各刃材1〜4をそれぞれ上下反転させて、つまり刃先部分5を下向きにセットする場合(上下反転使用の場合)にも刃先部分5を保護することができるとともに滑り止めを講じることができる。この場合、分度器目盛30を保護シート31を透して見えるように、保護シート31は透明若しくは半透明な透視可能な素材からなるものを使用するか、あるいは分度器目盛30を付した保護シート31を使用することが好ましい。
【0025】
次に、上記のように構成した刃材の研削装置10を用いて各種刃材を研削する方法について説明する。
【0026】
いま、図13に示すような略「r」の字形状の刃材を得るための製造方法について説明する。このとき研削対象とする刃材は、図14(a)に示すように、予め厚さ方向に略「J」の字形状に曲げた刃材1と、同図(b)に示す「し」の字形状に曲げた刃材2である。
【0027】
「し」の字形状に曲げた刃材2を研削するには、先ず、図6に示すように、該刃材2をマグネットからなる刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするとともに刃先部分5を上向きにするように吸着固定することで刃材支持台11上にセットする。次いで、刃材押え盤13を図7に示す矢印C方向に回動中心軸17回りに回動させ、刃材支持台11の上方に略平行に対向させて刃材2をこれの上方から押えることにより刃材2を垂直姿勢に刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定する。このとき、刃材2の刃先部分5は保護シート31で傷を付けないように保護されるとともに滑り止めされる。
【0028】
次いで、クランプ機構18のクランプハンドル23を図8に示す矢印D方向にハンドル軸26回りに回動させる。すると、図2、図4に示すように、クランプハンドル23の回動基端部23bにおける突出端部23cの枢支ピン29によりロックプレート22が上方へ持ち上げられ、ロックプレート22の先端部22aと基端部22b間の中間部位23cの上面側がロックボルト19の頭19aの下面側に当接し、さらにクランプハンドル23を同一方向に回動させると、ロックプレート22の先端部22aが、ロックボルト19の頭19a下面との当接部を支点として刃材押え盤13側へ押し下げられて枕部28に強く押し付けられる。これにより刃材押え盤13による刃材2の押付け状態がロックされる。
このロック状態の下で、図9、図10に示すように、グラインダー14で刃材2の被研削部分7を上から下に向けて、すなわち図9中、矢印E方向に研削してすり合わせ面8bを形成する。
【0029】
クランプハンドル23を元のアンクランプ位置(図7参照)に戻し、刃材押え盤13を元の起立姿勢(図6参照)に戻すと、研削加工後の刃材2を刃材支持ピン12から引き離すことができる。
【0030】
図14(a)に示す刃材1においても、図11に示すように、該刃材1を刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定することで刃材支持台11上にセットする。しかる後、上記刃材2の場合と同様の手順で被研削部分7を研削してすり合わせ面8aを形成する。かくして、図14(b)に示すように、刃材1,2の両者のすり合わせ面8a,8b同士をすり合わせて平面視において略「r」の字形状になるように接合する。
【0031】
上記のように、刃材1,2は予め刃材支持ピン12に吸着固定して仮セットしたうえで、刃材押え盤13で刃材1,2をこれの上方から押さえて刃材支持台11との間で挟持固定した状態の下でグラインダー14で被研削部分7を研削するので、折り曲げ加工された刃材1,2も容易に正確かつ精密に、安全かつ確実に研削することができる。しかし、こうした折り曲げ加工された刃材1,2に限られず、その他に、例えば、図15に示すような平面視において「V」の字形状の刃材を得るにあたって、図16(a)に示すように、曲げ加工されていない真直ぐな形状の刃材3、4の各一端縁にそれぞれ斜面形状のすり合わせ面9a,9bを研削する場合にも同様に安全かつ確実に研削することができる。なお、図12は、刃材3又は4を刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定することで刃材支持台11上にセットした状態を示している。
【符号の説明】
【0032】
1〜4 刃材
5 刃先部分
6 背部分
7 被研削部分
10 刃材の研削加工装置
11 刃材支持台
12 刃材支持ピン
13 刃材押え盤
14 グラインダー
18 クランプ機構
31 保護シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、トムソン型(刃木型)のトムソン刃に使用される刃材の研削加工方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トムソン型の製作において、トムソン刃に使用される刃材と刃材の接合部分において、所謂「すり合わせ」という加工がある。この加工に際しては、例えば、図13に示すように、相隣る刃材1と刃材2を平面視において略「r」の字形状になるように接合したり、図15に示すように相隣る刃材3と刃材4を平面視において「V」の字形状になるように接合したりする。図13に示すような略「r」形状に加工するには、図14(a)に示すように、予め厚さ方向に略「J」の字形状に曲げ加工された刃材1と、「し」の字形状に曲げ加工された刃材2とを用意し、一方の刃材1の曲がり部の外面側に断面「レ」の字形状のすり合わせ面8aを研削し、他方の刃材2の一端縁に前記すり合わせ面8aに対応する斜面形状のすり合わせ面8bを研削して、図14(b)に示すように、両者のすり合わせ面8a,8b同士をすり合わせて平面視において略「r」の字形状になるように接合する。また、図15に示すような「V」の字形状に加工するには、図16(a)に示すように、曲げ加工されていない真直ぐな形状の刃材3,4を用意し、一方の刃材3の一端縁、および他方の刃材4の一端縁にそれぞれ斜面形状のすり合わせ面9a,9bを研削して、図16(b)に示すように、両者のすり合わせ面9a、9b同士をすり合わせて平面視において「V」の字形状になるように接合する。
【0003】
このような接合部のすり合わせ加工は刃木型製作で重要な箇所であり、普通、完全な刃木型によれば2万枚から5万枚の厚紙等の抜き加工が可能であるが、この部分が不完全であると、厚紙等を正確に抜くことができないばかりか、紙粉などの圧力で直ぐに刃先が折れたり、切れ飛んだりして、2千枚も加工しないうちに破損してしまうことがあった。
したがって、こうした研削加工は、全て熟練工による手加工で行われている現状であり、非能率的であるばかりか、現在ではそのような熟練工は少なくなり、刃木型工業界ではとても痛手となっている。
【0004】
かと言って、機械加工で、このようなものを研削加工するにしても、一般的には曲げ加工されていない真直ぐな形状の刃材(薄板)が研削対象とされ、該刃材を平面的に挟み、平面方向にグラインダーなどで研削加工するのが普通である(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−248758号公報
【特許文献2】特開平11−77495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、紙やゴム、プラスチック、スポンジなどの素材を様々な形に型抜きする刃木型製作では、例えば、図14(a)に示すような曲げ加工された形状の刃材1,2が多く、上記のような平面研削ではこのような曲げ加工された刃材を研削することは困難ないし不可能であるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、曲げられていない真直ぐな刃材はもとより、曲げ加工された刃材も誰でもが簡単な作業で、熟練工を超える正確かつ精密な研削加工を可能にし、また加工の均一性を確保できる刃材の研削加工方法およびその装置提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の刃材の研削加工方法は、請求項1に記載のように、発明の内容を理解しやすくするために図1〜図16に示した符号を参照して説明すると、刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する方法において、前記刃材を、刃材支持台11に垂直に立設したマグネットからなる刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定するとともに、刃材押え盤13で前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材を前記刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定した状態下で、前記刃材の被研削部分を上から下に向けてグラインダー14で研削することに特徴を有するものである。
【0009】
これによると、厚さ方向に曲げ加工された刃材も、予め、刃材支持台11上にマグネットからなる刃材支持ピン12により吸着固定することで、刃材幅方向が垂直になる姿勢に確実に保持される仮セット状態が簡易に得られる。このように刃材を仮セットしておくと、次に使用される刃材押え盤13で刃材をこれの上方から押えることにより刃材を刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定される状態が簡単に得られる。そして、このように刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定された刃材に対しては素人でもグラインダー14で被研削部分を容易に正確かつ精密に研削することができる。しかも、曲げ加工された刃材も安全かつ確実に研削することができる。
【0010】
請求項1記載の刃材の研削加工方法は、請求項2に記載のように、前記刃材と前記刃材押え盤13との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台との重合面間に適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい硬質ゴム等による保護シート31を介在するという構成を採用することができる。これによると、研削時に刃材の刃先部分を傷付けることがなく、また刃材の滑り止めと刃材の上下反転使用を可能にする。
【0011】
本発明の刃材の研削加工装置は、請求項3に記載のように、刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する装置において、刃材支持台11と、この刃材支持台11に垂直に立設され前記刃材を刃材幅方向が垂直になるように吸着固定するマグネットからなる刃材支持ピン12と、前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材支持台11との間で挟持固定する刃材押え盤13と、前記刃材の被研削部分を上から下に向けて研削するグラインダー14と、を備えていることに特徴を有するものである。
【0012】
これによると、厚さ方向に曲げ加工された刃材も刃材支持台11上にマグネットからなる刃材支持ピン12により吸着固定することで刃材幅方向が垂直になる姿勢に保持される仮セット状態が簡易に得られる。このように刃材を仮セットしておくと、次に使用される刃材押え盤13で前記刃材をこれの上方から押えることにより刃材を刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定される状態が簡単に得られる。そして、このように刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定された刃材に対しては素人でもグラインダー14で被研削部分を容易に正確かつ精密に研削することができる。しかも、曲げ加工された刃材も安全かつ確実に研削することができる。
【0013】
請求項3記載の刃材の研削加工装置は、請求項4に記載のように、前記刃材と前記刃材押え盤13との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台11との重合面間に適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい硬質ゴム等による保護シート31を介在するという構成を採用することができる。これによると、研削時に刃材の刃先部分を傷付けることがなく、また刃材の滑り止めと刃材の上下反転使用を可能にする。
【0014】
請求項3又は4記載の刃材の研削加工装置は、請求項5に記載のように、刃材押え盤13と刃材支持台11との間に刃材押え盤13を刃材押さえ姿勢にロックするロック状態と、該ロック状態を解除するアンロック状態とに切換え可能なクランプ機構18を設ける構成を採用することができる。これによると、クランプ機構18により刃材押え盤13による刃材押さえ状態をロックすることができるので、それだけグラインダー14による研削がより安全かつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、曲げ加工されていない真直ぐな刃材はもとより、曲げ加工された刃材も誰でもが簡単な作業で、熟練工を超える正確かつ精密な研削加工を安全に行え、また加工の均一性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例を示す刃材の研削加工装置の斜視図である。
【図2】同刃材の研削加工装置の平面図である。
【図3】同刃材の研削加工装置の背面図である。
【図4】図2におけるA−A線断面図である。
【図5】同刃材の研削加工装置の分解斜視図。
【図6】同刃材の研削加工装置の刃材支持台上に刃材をセットし且つ刃材押え盤を起立させた状態で示す断面図である。
【図7】同刃材の研削加工装置の刃材押え盤を倒して刃材を押えた状態を示す断面図である。
【図8】同刃材の研削加工装置のクランプの作動図である。
【図9】同刃材の研削加工装置による研削状態の一例を示す斜視図である。
【図10】同刃材の研削加工装置による研削状態の一例を示す平面図である。
【図11】同刃材の研削加工装置による研削状態の他例を示す平面図である。
【図12】同刃材の研削加工装置による研削状態の更に他例を示す平面図である。
【図13】曲げ加工された刃材の一例を示す平面図である。
【図14】(a)は図13に示す刃材を分解状態で示す斜視図、(b)は図13に示す刃材の斜視図である。
【図15】曲げ加工されていない刃材の一例を示す平面図である。
【図16】(a)は図15に示す刃材を分解状態で示す斜視図、(b)は図15に示す刃材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を実施例に基づき詳細に説明する。図1〜図5、図9において、本発明に係る刃材の研削加工装置10は、図13〜図16に示すように、刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分5と、刃材幅方向他端に有する背部分6と、刃材幅方向に研削される被研削部分7とを有する刃材1〜4の各被研削部分7を研削加工する装置である。この装置10は、刃材支持台11と、この刃材支持台11に垂直に立設された刃材支持ピン12と、刃材押え盤13と、図9に示すごときダイヤモンドグラインダー等のグラインダー14と、を備える。
【0018】
以下、各部材について具体的に詳しく説明する。
【0019】
刃材支持台11はこれの前端側における上面の左右方向中央付近に刃材支持ピン12を垂直に立設している。刃材支持ピン12は刃材支持台11上に刃材1〜4を刃材幅方向が垂直になるように吸着固定するマグネットからなる。刃材支持台11の後端には刃材押え盤支持台15を押えボルト16等で固定し、この刃材押え盤支持台15上に刃材押え盤13の回動基端部を回動中心軸17を介して回動自在に枢着している。刃材押え盤13は、図6のように刃材押え盤支持台15上に起立する姿勢と、この起立姿勢から図7のように刃材支持台11の上側に平行(水平)に倒されて回動先端側で刃材1〜4を押える刃材押さえ姿勢とにわたって回動中心軸17回りに上下方向に回動自在としてある。
【0020】
刃材押え盤13を刃材押さえ姿勢にロックするロック状態と、該ロック状態を解除するアンロック状態とに切換え操作可能にするために、刃材押え盤13と刃材支持台11との間にクランプ機構18を設けている。クランプ機構18は、刃材押え盤13にロックプレート22およびクランプハンドル23を搭載する一方、刃材支持台11側に頭19a付きのロックボルト19を垂直に立設しナット20で締付け固定している。刃材押え盤13は刃材押さえ姿勢下でロックボルト19の頭19a側を上方へ突出するようにロックボルト19を貫通可能にするボルト貫通孔21を有している。
【0021】
クランプ機構18のクランプハンドル23は左右一対のレバーからなり、これの回動先端側に握り部23aを備え、その回動基端部23bは刃材押え盤13上に押えボルト24等で固定された左右の軸受25にハンドル軸26を介して軸支している。このクランプハンドル23はアンクランプ位置(図6、図7参照)とクランプ位置(図4参照)とにわたってハンドル軸26回りに回動自在としている。ロックプレート22はロックボルト19の頭19a側を上方へ突出するようにロックボルト19を貫通可能にする平面視において鍵穴形状の開口部27を有し、この開口部27がボルト貫通孔21の上方に対応し、かつ開口部27より前側の先端部22aが刃材押え盤13の上面に突出固定した枕部28に支えられるように刃材押え盤13の上面側に配備される。ロックプレート22の基端部22bと、クランプハンドル23の回動基端部23bのハンドル軸26より回動基端部方向側に突出形成した突出端部23cとは枢支ピン29で枢支連結している。
【0022】
かくして、クランプ機構18は、図6のようにアンクランプ位置にあるクランプハンドル23を図8に示す矢印D方向にハンドル軸26回りに回動させると、図2、図4に示すように、クランプハンドル23の回動基端部23bにおける突出端部23cの枢支ピン29によりロックプレート22が上方へ持ち上げられ、ロックプレート22の先端部22aと基端部22b間の中間部位22cの上面側がロックボルト19の頭19aの下面側に当接し、さらにクランプハンドル23を同一方向に回動させると、ロックプレート22の先端部22aが、ロックボルト19の頭19a下面との当接部を支点として刃材押え盤13側へ押し下げられて枕部28に強く押し付けられる。これにより刃材押え盤13による刃材2の押付け状態がロックされる。ロックボルト19は刃材支持台11からの突出高さを調節することによりロックプレート22および刃材押え盤13による刃材押え付け強さを加減調整することができる。
【0023】
図1に示すように、刃材支持台11の前端側の上面には、各刃材1〜4を所定向きにセットし易いように、角度を測定可能にする分度器目盛30を刃材支持ピン12を中心として付けている。
【0024】
刃材押え盤13の回動先端側の下面には、各刃材1〜4のそれぞれが各刃先部分5を上向きにする状態にセットされるとき該刃先部分5を保護するとともに滑り止めのための適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい硬質ゴム等による保護シート31をはり付けている。
刃材支持台11の前端側の上面の刃材支持ピン12の周囲にも硬質ゴム等による保護シート31をはり付けておけば、各刃材1〜4をそれぞれ上下反転させて、つまり刃先部分5を下向きにセットする場合(上下反転使用の場合)にも刃先部分5を保護することができるとともに滑り止めを講じることができる。この場合、分度器目盛30を保護シート31を透して見えるように、保護シート31は透明若しくは半透明な透視可能な素材からなるものを使用するか、あるいは分度器目盛30を付した保護シート31を使用することが好ましい。
【0025】
次に、上記のように構成した刃材の研削装置10を用いて各種刃材を研削する方法について説明する。
【0026】
いま、図13に示すような略「r」の字形状の刃材を得るための製造方法について説明する。このとき研削対象とする刃材は、図14(a)に示すように、予め厚さ方向に略「J」の字形状に曲げた刃材1と、同図(b)に示す「し」の字形状に曲げた刃材2である。
【0027】
「し」の字形状に曲げた刃材2を研削するには、先ず、図6に示すように、該刃材2をマグネットからなる刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするとともに刃先部分5を上向きにするように吸着固定することで刃材支持台11上にセットする。次いで、刃材押え盤13を図7に示す矢印C方向に回動中心軸17回りに回動させ、刃材支持台11の上方に略平行に対向させて刃材2をこれの上方から押えることにより刃材2を垂直姿勢に刃材支持台11と刃材押え盤13との間で挟持固定する。このとき、刃材2の刃先部分5は保護シート31で傷を付けないように保護されるとともに滑り止めされる。
【0028】
次いで、クランプ機構18のクランプハンドル23を図8に示す矢印D方向にハンドル軸26回りに回動させる。すると、図2、図4に示すように、クランプハンドル23の回動基端部23bにおける突出端部23cの枢支ピン29によりロックプレート22が上方へ持ち上げられ、ロックプレート22の先端部22aと基端部22b間の中間部位23cの上面側がロックボルト19の頭19aの下面側に当接し、さらにクランプハンドル23を同一方向に回動させると、ロックプレート22の先端部22aが、ロックボルト19の頭19a下面との当接部を支点として刃材押え盤13側へ押し下げられて枕部28に強く押し付けられる。これにより刃材押え盤13による刃材2の押付け状態がロックされる。
このロック状態の下で、図9、図10に示すように、グラインダー14で刃材2の被研削部分7を上から下に向けて、すなわち図9中、矢印E方向に研削してすり合わせ面8bを形成する。
【0029】
クランプハンドル23を元のアンクランプ位置(図7参照)に戻し、刃材押え盤13を元の起立姿勢(図6参照)に戻すと、研削加工後の刃材2を刃材支持ピン12から引き離すことができる。
【0030】
図14(a)に示す刃材1においても、図11に示すように、該刃材1を刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定することで刃材支持台11上にセットする。しかる後、上記刃材2の場合と同様の手順で被研削部分7を研削してすり合わせ面8aを形成する。かくして、図14(b)に示すように、刃材1,2の両者のすり合わせ面8a,8b同士をすり合わせて平面視において略「r」の字形状になるように接合する。
【0031】
上記のように、刃材1,2は予め刃材支持ピン12に吸着固定して仮セットしたうえで、刃材押え盤13で刃材1,2をこれの上方から押さえて刃材支持台11との間で挟持固定した状態の下でグラインダー14で被研削部分7を研削するので、折り曲げ加工された刃材1,2も容易に正確かつ精密に、安全かつ確実に研削することができる。しかし、こうした折り曲げ加工された刃材1,2に限られず、その他に、例えば、図15に示すような平面視において「V」の字形状の刃材を得るにあたって、図16(a)に示すように、曲げ加工されていない真直ぐな形状の刃材3、4の各一端縁にそれぞれ斜面形状のすり合わせ面9a,9bを研削する場合にも同様に安全かつ確実に研削することができる。なお、図12は、刃材3又は4を刃材支持ピン12に刃材幅方向を垂直にするように吸着固定することで刃材支持台11上にセットした状態を示している。
【符号の説明】
【0032】
1〜4 刃材
5 刃先部分
6 背部分
7 被研削部分
10 刃材の研削加工装置
11 刃材支持台
12 刃材支持ピン
13 刃材押え盤
14 グラインダー
18 クランプ機構
31 保護シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する方法において、
前記刃材を、刃材支持台に垂直に立設したマグネットからなる刃材支持ピンに刃材幅方向を垂直にするように吸着固定するとともに、刃材押え盤で前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材を前記刃材支持台と刃材押え盤との間で挟持固定した状態下で、前記刃材の被研削部分を上から下に向けてグラインダーで研削することを特徴とする、刃材の研削加工方法。
【請求項2】
前記刃材と前記刃材押え盤との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台との重合面間にそれぞれ適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい保護シートを介在することを特徴とする、請求項1記載の刃材の研削加工方法。
【請求項3】
刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する装置において、
刃材支持台と、この刃材支持台に垂直に立設され前記刃材を刃材幅方向が垂直になるように吸着固定するマグネットからなる刃材支持ピンと、前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材を前記刃材支持台との間で挟持固定する刃材押え盤と、前記刃材の被研削部分を上から下に向けて研削するグラインダーと、を備えていることを特徴とする、刃材の研削加工装置。
【請求項4】
前記刃材と前記刃材押え盤との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台との重合面間に適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい保護シートを介在していることを特徴とする、請求項3記載の刃材の研削加工装置。
【請求項5】
前記刃材押え盤と前記刃材支持台との間に前記刃材押え盤を刃材押さえ姿勢にロックするロック状態と、該ロック状態を解除するアンロック状態とに切換え操作可能なクランプ機構を設けていることを特徴とする、請求項3又は4記載の刃材の研削加工装置。
【請求項1】
刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する方法において、
前記刃材を、刃材支持台に垂直に立設したマグネットからなる刃材支持ピンに刃材幅方向を垂直にするように吸着固定するとともに、刃材押え盤で前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材を前記刃材支持台と刃材押え盤との間で挟持固定した状態下で、前記刃材の被研削部分を上から下に向けてグラインダーで研削することを特徴とする、刃材の研削加工方法。
【請求項2】
前記刃材と前記刃材押え盤との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台との重合面間にそれぞれ適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい保護シートを介在することを特徴とする、請求項1記載の刃材の研削加工方法。
【請求項3】
刃材幅方向一側端に刃先を有する刃先部分と、刃材幅方向他端に有する背部分と、刃材幅方向に研削される被研削部分とを有する刃材の前記被研削部分を研削加工する装置において、
刃材支持台と、この刃材支持台に垂直に立設され前記刃材を刃材幅方向が垂直になるように吸着固定するマグネットからなる刃材支持ピンと、前記刃材をこれの上方から押えることにより前記刃材を前記刃材支持台との間で挟持固定する刃材押え盤と、前記刃材の被研削部分を上から下に向けて研削するグラインダーと、を備えていることを特徴とする、刃材の研削加工装置。
【請求項4】
前記刃材と前記刃材押え盤との重合面間及び/又は前記刃材と前記刃材支持台との重合面間に適度の弾性と摩擦係数の比較的大きい保護シートを介在していることを特徴とする、請求項3記載の刃材の研削加工装置。
【請求項5】
前記刃材押え盤と前記刃材支持台との間に前記刃材押え盤を刃材押さえ姿勢にロックするロック状態と、該ロック状態を解除するアンロック状態とに切換え操作可能なクランプ機構を設けていることを特徴とする、請求項3又は4記載の刃材の研削加工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−214570(P2010−214570A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67211(P2009−67211)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(595005156)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(595005156)
【Fターム(参考)】
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