説明

分光画像化顕微鏡法

(a)サンプルから光を集光するよう構成される対物レンズシステム;(b)対物レンズシステムから受光された集光された光の一部を入力光として通過させるよう位置決めされる第1のアパーチャ;(c)第1のアパーチャから受光された入力光を透過するよう位置決めされる第1のレンズ;(d)第1のレンズから受光された入力光を第1の面で空間に分散させるよう構成される分散素子;(e)空間に分散した光を透過するよう位置決めされる第2のレンズ;(f)第2のレンズから受光された、空間に分散した光の一部を、検出光として通過させるよう位置決めされる第2のアパーチャ;および(g)検出光を受光するよう位置決めされ、サンプルの、少なくとも1つの画像を形成するよう構成される検出器を含む、システムがここに開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は顕微鏡画像化に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
顕微鏡画像化は、電磁スペクトルの紫外線領域、可視領域および/または赤外線領域において光を発光または減衰するサンプル、たとえば生体サンプルなどを調査するために広く用いられる。単純なフィルタ、たとえば干渉フィルタなどは、スペクトルの特定の領域内に光を落とすよう制限するために、サンプルによって発光された光をフィルタ処理するために用いることができる。発光のフィルタ処理によって、ある対象のサンプル特徴を分離し調査することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
分光画像化顕微鏡法のためのシステムおよび方法がここに開示される。このシステムは波長調整可能であり、選択された中心波長でスペクトルバンドに基づき、選択されたスペクトルバンド幅を有する、サンプル画像を得ることができるように、サンプルによって発光された光のスペクトルのフィルタ処理を提供することができる。1つ以上の分散光学素子が、レンズおよびアパーチャとの組合せで、スペクトルのフィルタ処理能力を提供する。分散光学素子、レンズおよびアパーチャは、サンプル画像を測定するよう構成される1つ以上の検出器に光学的に結合される。このシステムは広範囲の中心波長を介して調整可能であり、アセンブリのスペクトルバンド幅はアパーチャ開口部のサイズの変更により調整することができる。比較的狭いスペクトルバンド幅を維持し、異なる中心波長で多数のサンプル画像を得ることによって、波長依存型の分光画像化を実現することができる。
【0004】
分光画像化法には多数の用途がある。たとえば、分光技術は、異なる蛍光性および/または燐光性スペクトル標識付け部分を含む生体サンプルおよび/またはスペクトルにおいて異なる吸収体に関する研究に適用することができる。たとえば、異なる標識付け部分は、サンプル内の選択される生体構造と結合するか、またはサンプルのさまざまな部分において異なるように発現され得、分光画像化法はこれらの標識付け部分がサンプル内にどのように分布するかを識別するために用いることができる。これらの標識付け部分が具体的に特定の生体(たとえば細胞)構造に結合する場合、たとえば、ここに開示されるシステムおよび方法は、サンプルの選択される領域の構造および機能を調査するために用いることができる。別の例として、開示されるシステムが、複数のサンプル画像を異なる中心波長で得るよう構成される場合、それら複数のサンプル画像を解析し、in situのサンプル成分の吸収スペクトル、反射スペクトル、発光スペクトル、ルミネセンススペクトルおよび散乱光スペクトルのようなサンプル特性を、判断することができる。
【0005】
一般に、1つの局面では、この開示は、(a)サンプルから光を集光するよう構成される対物レンズシステム;(b)対物レンズシステムから受光された集光された光の一部が入力光として通過するよう位置決めされる第1のアパーチャ;(c)第1のアパーチャから受光された入力光を透過するよう位置決めされる第1のレンズ;(d)第1のレンズから受光された入力光を第1の面で空間に分散させるよう構成される分散素子;(e)空間に分散した光を透過するよう位置決めされる第2のレンズ;(f)第2のレンズから受光された、空間に分散した光の一部を、検出光として通過させるよう位置決めされる第2のアパーチャ;および(g)検出光を受光するよう位置決めされ、サンプルの、少なくとも1つの画像を形成するよう構成される検出器を含むシステムを特徴とする。入力光は分散素子の第1の表面に入射し、空間に分散した光は第1の表面を通って分散素子を出る。第1の面において測定される、入力光の主要な伝搬方向と第1の表面に対する法線との間の角度は、第1の角度に対応し;第1の面において測定される、空間に分散した光の主要な伝搬方向と第1の表面に対する法線との間の角度は、第2の角度に対応し;第1の角度と第2の角度との間の差は10度未満である。
【0006】
このシステムの実施例は、次の特徴の1つ以上を含むことができる。
動作中、空間に分散した光のうち、第2のアパーチャによって通過することを許される部分の中心波長は、分散素子の位置を変更することにより選択することができる。このシステムは、分散素子の位置の変更により、空間に分散した光のうち第2のアパーチャを通過する部分の中心波長を選択するよう構成される電子プロセッサを含むことができる。
【0007】
第1のレンズは入力光を第1の表面上にフォーカスさせるよう構成することができる。第1および第2のアパーチャは、各々、円形の開口部を含むことができる。このシステムは、第2のアパーチャの寸法を調整することにより、空間に分散した光のうち第2のアパーチャを通過する部分の半値全幅(FWHM)スペクトルバンド幅を選択するよう構成される電子プロセッサを含むことができる。電子プロセッサは、FWHMスペクトルバンド幅を2nmと30nmとの間の値に調整するよう構成することができる。
【0008】
サンプルは第2の面に位置決めされることができ、第1の表面は第3の面に位置決めされることができ、検出器は第4の面に位置決めされることができ、第2、第3、および第4の面は光学的に共役面である。第1のアパーチャは第2の面に位置決めされることができ、第2のアパーチャは第3の面に位置決めされることができ、第2および第3の面は光学的に共役面である。
【0009】
分散素子は、回折格子、プリズムおよび格子プリズムからなる群から選択される少なくとも1つの素子を含むことができる。第1の角度は30度未満であることができる。
【0010】
このシステムは、検出器に結合される電子プロセッサを含むことができ、電子プロセッサは、サンプルの複数の画像を得るよう構成され、複数の画像の各画像は、空間に分散した光の、異なる中心波長に対応する。電子プロセッサは、複数の画像の少なくとも1つを表示するよう構成することができる。電子プロセッサは、複数の画像の少なくとも2つの画像からの情報を組み合わせることにより合成画像を形成するよう構成することができる。
【0011】
第1のレンズは第1の表面上にサンプルを結像するよう構成することができる。第2のアパーチャは複数の開口部を含むことができ、空間に分散した光の、異なる部分が、開口部の各々を通過する。空間に分散した光の、異なる部分の各々は、検出器によって受光され、サンプルの、異なる画像を形成するために用いることができる。
【0012】
第1の角度および第2の角度の各々は30度以下であることができる。第1および第2のレンズの少なくとも1つは湾曲したミラーを含むことができる。第1のレンズは湾曲したミラーを含むことができる。第2のレンズは湾曲したミラーを含むことができる。
【0013】
第2のアパーチャでの、空間に分散した光は、色収差が実質的にない状態であることができる。分散素子は、プリズム、およびプリズムの表面と接触するミラーを含むことができる。
【0014】
このシステムの実施例は、さらに、適切なように、ここに開示される他の特徴のいずれでも含むことができる。
【0015】
別の局面では、この開示は、(a)サンプルから光を集光するよう構成される対物レンズシステム;(b)対物レンズシステムから受光された集光された光の一部を透過光として通過させるよう位置決めされる第1のアパーチャ;(c)透過光の一部を入力光として反射するよう位置決めされる、部分反射型ミラー;(d)部分反射型ミラーから受光された入力光を、第1の面で空間に入力光を分散させるよう構成される分散素子に向けるよう位置決めされ、分散素子から受光された、空間に分散した光を、部分反射型ミラーに向けるよう位置決めされる、レンズ;(e)部分反射型ミラーによって透過された、空間に分散した光の一部を、検出光として通過させるよう位置決めされる第2のアパーチャ;および(f)検出光を受光するよう位置決めされ、サンプルの、少なくとも1つの画像を形成するよう構成される検出器を含むシステムを特徴とする。入力光は分散素子の第1の表面に入射し、空間に分散した光は第1の表面を通って分散素子を出る。第1の面において測定される、入力光の主要な伝搬方向と第1の表面に対する法線との間の角度は、第1の角度に対応し;第1の面において測定される、空間に分散した光の主要な伝搬方向と第1の表面に対する法線との間の角度は、第2の角度に対応し;第1の角度と第2の角度との間の差は10度未満である。
【0016】
このシステムの実施例は、次の特徴の1つ以上を含むことができる。
動作中、空間に分散した光のうち、第2のアパーチャによって通過することを許される部分の中心波長は、分散素子の位置を変更することにより選択することができる。このシステムは、分散素子の位置の変更により、空間に分散した光のうち第2のアパーチャを通過する部分の中心波長を選択するよう構成される電子プロセッサを含むことができる。
【0017】
レンズは湾曲したミラーを含むことができる。分散素子は、プリズム、およびプリズムの表面と接触するミラーを含むことができる。
【0018】
このシステムは、第2のアパーチャの寸法を調整することにより、空間に分散した光のうち第2のアパーチャを通過する部分の半値全幅(FWHM)スペクトルバンド幅を選択するよう構成される電子プロセッサを含むことができる。
【0019】
サンプルは第2の面に位置決めされることができ、第1の表面は第3の面に位置決めされることができ、検出器は第4の面に位置決めされることができ、第2、第3、および第4の面は光学的に共役面である。第1のアパーチャは第2の面に位置決めされることができ、第2のアパーチャは第3の面に位置決めされることができ、第2および第3の面は光学的に共役面である。
【0020】
このシステムの実施例は、さらに、適切なように、ここに開示される他の特徴のうちのいずれでも含むことができる。
【0021】
さらなる局面では、この開示は、(a)サンプルから分散光学素子に光を向け、入射光を第1の面で分散させて、分散光学素子から発光された、空間に分散した光を形成するステップ;(b)空間に分散した光を、アパーチャ上に入射するよう向けるステップ;(c)空間に分散した光のうち、アパーチャを通過する部分を検出するステップ;および(d)検出された光に基づいてサンプルの画像を形成するステップを含む方法を特徴とする。サンプルからの光は、分散光学素子の表面に、第1の面で測定された、表面法線に関して第1の角度で入射し;空間に分散した光は、分散光学素子の表面を、第1の面で測定された、表面法線に関して第2の角度で出;第1の角度と第2の角度との間の差は10度以下である。
【0022】
この方法の実施例は、次の特徴の1つ以上を含むことができる。
この方法は、空間に分散した光のうち、アパーチャを通過する部分の中心波長を選択するよう、分散光学素子の位置を調整するステップを含むことができる。この方法は、空間に分散した光のうち、アパーチャを通過する部分のスペクトルバンド幅を選択するよう、アパーチャの寸法を調整するステップを含むことができる。
【0023】
この方法は、各画像が異なる中心波長に対応する、サンプルの複数の画像を形成するステップを含むことができる。この方法は、複数の画像から導出される情報に基づいて、サンプル中の成分のスペクトルの少なくとも一部を判断するステップを含むことができ、そのスペクトルは、成分の吸収スペクトル、反射スペクトル、発光スペクトル、ルミネセンススペクトルおよび散乱光スペクトルの少なくとも1つを含む。
【0024】
この方法の実施例は、さらに、適切なように、ここに開示される他の特徴または方法ステップのうちのいずれでも含むことができる。
【0025】
この開示の目的のために、レンズは、レンズに入射する光線をフォーカスまたはデフォーカスさせるあらゆる光学素子を含むことができる。例示的なレンズは、透過型凹レンズ、透過型凸レンズ、複数の光学部品から形成される透過型複合レンズ、たとえば凹面の湾曲したミラーなどの反射型凹レンズ、たとえば凸面の湾曲したミラーなどの反射型凸レンズ、および入射する光線をフォーカスまたはデフォーカスするようともに機能する複数の構成要素を含むレンズシステムを含む。
【発明の効果】
【0026】
実施例は、次の利点の1つ以上を含むことができる。
ここに開示されるシステムは、たとえば顕微鏡画像化などの高倍率でのサンプル画像化を可能にし、サンプル画像が得られる波長、および画像を形成するために用いられる検出される光の帯域のスペクトル幅は、迅速かつ単純な態様で選択可能である。たとえば、このシステムは、分散素子、たとえば回折格子またはプリズムなどを含み、分散素子の位置を変更することによって(たとえば分散素子を回転させることによって)、検出器によって検出される光のスペクトルバンドの中心波長を、高い信頼性で選択することができる。別の例として、このシステムは調整可能なアパーチャを含み、アパーチャの開口部のサイズ(たとえば最大寸法のような寸法)の変更によって、光のスペクトルバンドの帯域幅を高い信頼性で選択することができる。光の検出される帯域幅の中心波長およびスペクトル幅の選択は、システムオペレータによって手動で、または自動的に(たとえば電子プロセッサによって)行なうことができる。
【0027】
ここに開示されるシステムは、色収差および他の画像化アーティファクトがないサンプル画像を得るよう構成することができる。たとえば、いくつかの実施例では、このシステムは、システムの入口アパーチャがシステムの出口アパーチャ上に結像されるように、構成される。そのような構成は、そうでなければ(たとえば口径食のため)光のアパーチャの通過から生ずるかもしれない画像誤差を低減または除去するのを支援する。ある実施例では、このシステムは、分散素子上の光の入射角と空間に分散した光が分散素子から出る角度とが等しい(またはほとんど等しい)ように構成される。角度間のこの関係の維持により、測定された画像中の色収差を低減または除去することができる。
【0028】
このシステムは、サンプルの測定された画像におけるすべての点で同様の空間分解能を提供するよう構成することができる。たとえば、このシステムは、円形の入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むことができ、それらは、全体のシステムの開口数−およびしたがって空間分解能−が像平面中の各点で同じであることを保証する。
【0029】
ここに用いられる技術用語および科学用語は、他の態様で定義されない限り、すべて、この開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。ここに記載されるものに類似または等価である方法および材料をこの開示の実施または試験で用いることができるが、好適な方法および材料を以下に述べる。ここに言及されたすべての出版物、特許出願、特許、および他の参照は、その全体をここに引用により援用する。対立の場合には、明細書が、定義を含んで、参照されることになる。さらに、材料、方法および例は、例示的であるのみであり、限定的であるようには意図されない。
【0030】
1つ以上の実施例の詳細を、添付の図面および記載において述べる。他の特徴および利点は、記載、図面および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】分光画像化顕微鏡システムの概略図である。
【図2】分光画像化顕微鏡の実施例の側面図の概略図である。
【図3】図2の顕微鏡の上面図を示す概略図である。
【図4】顕微鏡アパーチャの直径の関数としての、検出器によって検出される光のスペクトルバンド幅のグラフである。
【図5】顕微鏡の空間分解能を評価するために用いられるテストパターンの画像である。
【図6】異なる開口径に対応する図3のテストパターンを介する一連のライン走査を示すグラフである。
【図7】分光画像化顕微鏡の別の実施例の概略図である。
【図8】分光画像化顕微鏡のさらなる実施例の概略図である。
【図9】分光画像化顕微鏡のさらに別の実施例の概略図である。
【図10A】異なる中心波長で測定されたテストサンプルの画像である。
【図10B】異なる中心波長で測定されたテストサンプルの画像である。
【図10C】異なる中心波長で測定されたテストサンプルの画像である。
【図10D】異なる中心波長で測定されたテストサンプルの画像である。
【図11A】多数の異なる中心波長で得られたサンプルの画像から判断された、図10A〜図10Dのサンプルにおける3つの異なるインクの吸収スペクトルを示すグラフである。
【図11B】UV可視分光光度計で測定された図10Aの3つのインクの吸収スペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明
さまざまな図面中の同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【0033】
ここに開示される分光画像化顕微鏡システムは、サンプルによって発光された光を集光するための素子、発光の波長成分を空間に分散させ選択するための素子、および選択された波長成分を測定するための1つ以上の検出器を含む。これらの素子は、スペクトルでフィルタ処理されたサンプルの画像についての観察および画像化を可能にする。空間に波長成分を分散させ選択する素子は、選択される中心波長および選択される半値全幅(FWHM)帯域幅を有する光波長の特定の帯域幅を1つ以上の検出器に入射させて、サンプル観察および/または画像化を可能にするよう、調整することができる。光波長の適切な帯域の選択によって、サンプル中の特定の検体を、サンプル中の他のスペクトルの寄与物からの干渉なしで調査することができる。顕微鏡の空間分解能および/または視野も、システムの特定の光学素子の変更により調整することができる。
【0034】
図1は、分光画像化顕微鏡システムの一般的な概略図を示す。システム1000は、顕微鏡アセンブリ1010、対物レンズシステム1020、第1のアパーチャ1030、第1のレンズアセンブリ1040、分散素子1050、第2のレンズアセンブリ1060、第2のアパーチャ1070、検出器システム1080、ならびに電子プロセッサ1092、制御ユニット1094および表示ユニット1096を含む、電子処理モジュール1090を含む。
【0035】
顕微鏡アセンブリ1010は、レンズ、フィルタ、光源、および顕微鏡システムに典型的な他の素子のようなさまざまな要素を含むことができる。顕微鏡アセンブリ1010は、さらに、典型的には、サンプルを支持するよう構成される(1つ以上の方向に並進させることができるステージのような)支持部材を含む。
【0036】
対物レンズシステム1020は、1つ以上の対物レンズ、ならびに窓、フィルタ、ビームスプリッタおよびミラーのような他の光学素子を含むことができる。たとえば、いくつかの実施例では、対物レンズシステム1020は単一の対物レンズを含む。一般に、対物レンズシステム1020は、サンプルが顕微鏡アセンブリ1010に支持される場合に、サンプルから発光される光1100を集光するよう位置決めされる。
【0037】
集光された光1110は、対物レンズシステム1020によって、第1のアパーチャ1030を通過するように向けられる。第1のアパーチャ1030は、一般的に、空間フィルタとして作用する1つ以上の素子を含むことができ、集光された光1110の一部を通過をさせ、集光された光1110の一部を遮光することができる。第1のアパーチャ1030の開口部のサイズは、典型的には調整可能であり;調整は、システムオペレータによって手動で、または自動的に(たとえば電子プロセッサ1092によって)行なうことができる。一般に、第1のアパーチャ1030の開口部の形状は、任意の数のサイズの円形、正方形、長方形、正多角形、および不規則な形状の開口部を含む、さまざまな異なる形状のいずれかであることができる。
【0038】
第1のアパーチャ1030を通過する光1120は第1のレンズアセンブリ1040に入射する。第1のレンズアセンブリ1040は、光1120を光1130として分散素子1050上に向ける1つ以上のレンズを含む。第1のレンズアセンブリ1040の1つ以上のレンズは、たとえば単一のレンズまたは複数のレンズを含むことができる。1つ以上のレンズは透過型レンズおよび/または反射型レンズ(たとえば湾曲したミラー)であることができる。第1のレンズアセンブリ1040は、さらに、一般的に、窓、平面ミラー、ビームスプリッタおよびフィルタのような他の光学素子を含むことができる。いくつかの実施例では、第1のレンズアセンブリ40は分散素子1050の表面上にサンプルを結像するよう構成される。ある実施例では、サンプルは分散素子1050の表面上には結像されない。
【0039】
分散素子1050は、光1130の波長成分を空間に分散させるよう構成され、透過型および/または反射型回折格子、位相マスク、ホログラフィック光学素子、回折光学素子、プリズム、格子プリズム、光学楔ならびに光学窓のような1つ以上の分散光学部品を含むことができる。分散素子1050は、1つ以上の軸のまわりでの分散素子1050の回転を可能にする回転マウントに取付けることができる。回転マウントは、たとえば、分散素子1050の位置の自動制御および変更を可能にするよう、電動回転アセンブリに結合することができる。
【0040】
第2のレンズアセンブリ1060は、第1のレンズアセンブリ1040に関して上で論じられた要素のうちのいずれでも含むことができ;第2のレンズアセンブリ1060の素子の数およびタイプは、第1のレンズアセンブリ1040と同じであり得、または異なり得る。いくつかの実施例では、単一のレンズアセンブリが、第1および第2のレンズアセンブリ1040および1060の両方の機能を実行する。たとえば、システム1000は、ビームスプリッタのような部分反射型素子を含む単一のレンズアセンブリを備えた折り畳まれた構成を有することができる。部分反射型素子は、光1110を分散素子1050に向けて反射し、空間に分散した光1140を透過することができる。
【0041】
空間に分散した光1150は、第2のレンズアセンブリ1060によって、第2のアパーチャ1070上に入射するよう向けられる。一般に、第2のアパーチャ1070は、第1のアパーチャ1030に関して上に論じられた、構成要素のいずれでも、および特徴のいずれでも含むことができる。第2のアパーチャ1070は1つ以上の開口部を含むことができ、それらの各々は、手動または自動的に調整可能であることができる。典型的には、第2のアパーチャ1070は、第1のアパーチャ1030が位置決めされる面に光学的に共役である面に位置決めされる。
【0042】
光1160(空間に分散した光1150のうち、第2のアパーチャ1070を通過する部分)は、検出器1080によって検出される。検出器1080は、フォトダイオードアレイ、CCDアレイ、フィルム記録装置およびデジタルフレーム捕捉装置のようなさまざまな検出器の任意の1つ以上を含むことができ、光1160の検出に基づいてサンプルの画像を形成するよう構成される。いくつかの実施例では、検出器1080は、光1160の直接観測(たとえば目による)用の接眼レンズを含むことができる。検出器1080は、さらに、光1160の一部を接眼レンズに向けるために、付加的なレンズ、ビームスプリッタ、窓、ミラーおよびフィルタのようなさまざまな光学素子を含むことができる。
【0043】
ある実施例では、光1160は複数の部分に分割することができ、それら複数の部分のうちのいくつか(またはすべて)を、異なる検出器によって検出することができる。たとえば、検出器1080は、光1160を2つ以上の部分に分割する、1つ以上のビームスプリッタを含むことができる。1つの部分は、たとえば、接眼レンズに向けることができ、その結果、システムオペレータはサンプルを直接観察することができる。光1160の1つ以上のさらなる部分は、検出された光に基づいてサンプルの画像を形成することができる、1つ以上の検出器(たとえば、フォトダイオードアレイ、CCDアレイ、フィルム記録装置およびデジタルフレーム捕捉装置)に向けることができる。
【0044】
図1に示されるように、いくつかの実施例では、システム1000は、電子通信線1170a〜1170hによってシステム1000の構成要素のうちのいくつかまたはすべてに接続される電子プロセッサ1092によって制御することができる。電子プロセッサ1092は、さらに、制御ユニット1094に接続されて、ユーザーがプロセッサ1092へ命令を送ることを可能し、表示ユニット1096に接続されて、電子プロセッサ1092が1つ以上の得られた画像を表示することができるようにする。電子プロセッサ1092は、いくつかの実施例では、合成情報(たとえば画像)を形成するために複数のサンプル画像からの情報を組み合わせる(たとえば異なる中心波長で得られた異なる画像からの情報を組み合わせる)よう構成されることができる。たとえば、合成画像はプロセッサ1092によって表示ユニット1096を介して表示することができる。
【0045】
図lは、上に論じられるような、分光画像化顕微鏡システムの一般的な概略図である。この後の議論では、顕微鏡システムの例示的な実施例が示され論じられるが、より一般的には、広範なさまざまな異なる実施例が、図1のシステム1000の一般的構造にしたがって可能である。
【0046】
図2は、分光画像化顕微鏡の実施例の側面図の概略図を示す。顕微鏡10は、サンプル支持体30(たとえば顕微鏡ステージ)、対物レンズシステム40、第1のアパーチャ50、ミラー60、第1のレンズ70、ここでは反射型回折格子80として実施される分散素子、第2のレンズ90、第2のアパーチャ100、ならびに検出光学素子110および検出器120を含む検出器システムを含む。
【0047】
動作の際、サンプル20はサンプル支持体30に位置決めされ、サンプル20から発光された光130は、対物レンズシステム40によって集光される。発光130は、たとえば、サンプル20によって透過される入射光、サンプル20中の1つ以上の蛍光性および/または燐光性の標識によって発光された光、サンプル20によって散乱した光(たとえば光散乱および/またはラマン散乱による)、ならびにサンプル20の内部および/または外部の他の光源からの光を含むことができる。対物レンズシステム40は、発光130を集光して入力光140を形成する。入力光140は、サンプル20の像を搬送するが、それは、入力光140がアパーチャ50を通過するにつれてデフォーカスされ(たとえば部分的または完全にデフォーカスされ)、アパーチャ50における口径食による画像アーティファクトを確実に低減および/または除去する。この実施例では、アパーチャ50は調整可能な円形のアパーチャであり、入力光140がアパーチャを通過するなか、入力光140の一部を遮光するよう調整することができる。たとえば、アパーチャ50は入力光140の縁部からの光を遮光するよう調整することができ、遮光された光は画像アーティファクトおよび/または他の迷光に対応する。より一般的には、アパーチャ50は、たとえば、所望されるように、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、多角形、不規則な形状、または任意の他の形状の開口部を備えた調整可能な(たとえば手動および/または自動的に)絞りを含むことができる。
【0048】
入力光140はミラー60によって反射され、第1のレンズ70に入射する。第1のレンズ70は焦点距離fを有し、図2に示される実施例の入力光140の光路に沿ってアパーチャ50から距離fのところに位置決めされる。第1のレンズ70は、入力光140を、回折格子80の表面82上においてフォーカスさせる。回折格子80は、入力光140の波長成分を空間に分散させて、表面82から反射される、空間に分散した光150を形成する。
【0049】
格子80は空間に分散した光150を第2のレンズ90上に入射するように向けるよう配向され、第2のレンズ90は光150を検出光学素子110上にフォーカスさせる。第2のレンズ90は焦点距離fを有し、第2のアパーチャ100から距離fのところに位置決めされる。第2のアパーチャ100は、調整可能な円形のアパーチャであり、典型的には、空間に分散した光の一部だけがアパーチャを通過して検出光学素子110に入るよう構成される。空間に分散した光150のさまざまな波長成分は、格子80により、光150の横方向プロファイルにおける特定の空間位置上に写像されるので、第2のアパーチャ100は、光波長の選択された帯域だけが検出光学素子110を入ることを許す。一旦、検出光学素子110に入ると、第2のアパーチャ100によって受入れられた光は、検出器120によって測定され、それは、スペクトルの波長の受入れられた帯域に対応するサンプル20の画像を形成する。
【0050】
第2のアパーチャ100を通過するスペクトルの波長の帯域を選択するために(たとえば帯域の中心波長を選択するために)、回折格子80は図2の軸86のまわりを回転する。軸86は、表面82の面と平行で、さらに、図2の面と平行である。図2に示される座標軸に関して、軸86は、格子80の配向によって、y−z面中のz軸に対して、平行であるか、またはある角度で傾いている。
【0051】
回折格子80の軸86のまわりの回転は表面82の回転を引き起こし、空間に分散した光150は、x−y面(たとえば図2の面に垂直な面)において第2のアパーチャ100の開口部を横切って掃引される。検出器120によって画像化される、空間に分散した光150の波長の帯域のために特定の中心波長を選択するために、格子80を、その帯域の中心波長が第2のアパーチャ100の開口部の上において空間に位置決めされるように、軸86のまわりで回転させる。いくつかの実施例では、選択された帯域の中心波長が第2のアパーチャ100の中間点に位置決めされるように、格子80を軸86のまわりで回転させる。一般には、しかしながら、中心波長は、空間に分散した光150における光のスペクトル分布によって、第2のアパーチャ100の中間点に位置決めされても、されなくてもよい。
【0052】
空間に分散した光150によって搬送されるサンプル20の像は、それが図2の第2のアパーチャ100を通過するにつれ、ちょうど入力光140が第1のアパーチャ50を通過するにつれ、入力光140によって搬送されるサンプル20の像がデフォーカスされるように、デフォーカスされる。その結果、そうでなければ第2のアパーチャ100における口径食および他の光学的作用により発生するかもしれない画像化アーティファクトを低減および/または除去することができる。
【0053】
図2では、第1のアパーチャ50の開口部が第2のアパーチャ100の開口部の上に結像されるように、第1のレンズ70および第2のレンズ90が位置決めされる。言いかえれば、第1のアパーチャ50および第2のアパーチャ100は、顕微鏡10の共役な光学面に位置決めされる。共役な光学面にアパーチャ50および100を位置決めすることは、さらに、入力光140および空間に分散した光150のアパーチャの通過から発生する可能性がある画像化アーティファクトの低減および/または除去を保証するのを支援する。
【0054】
図2のアパーチャ50および100は円形の開口部を有する。円形の開口部の使用は、入力光140および/または空間に分散した光150によって搬送されるサンプル20の画像の空間分解能が同様であることを保証するのを支援する。円形の開口部を備えたアパーチャの使用により、顕微鏡10の開口数は、すべての画像方向(たとえば、像平面を形成する光の伝搬方向に直交する2つの方向)において同じである。その結果、各方向における画像の空間分解能は同じである。
【0055】
より一般的には、しかしながら、アパーチャ50および/または100は、任意の形状の開口部を有することができる。いくつかの実施例では、たとえば、アパーチャ50および100のいずれか、または両方は、形状において長方形の開口部、または正多角形の形状を有する開口部を有することができる。開口部は、特定用途に対して望まれるように、同じサイズまたは異なるサイズであることができ、同じ形状または異なる形状を有することができる。
【0056】
ある実施例では、アパーチャ50および/または100は複数の開口部を含むことができる。たとえば、アパーチャ100は2つ以上の開口部を含むことができ、それらの各々は、異なる中心波長に対応するスペクトルバンドが検出器120によって検出されることを可能にする。検出器120は、各画像が光の異なる中心波長に対応する、サンプル20の複数の画像を同時に得るために、多重構成で用いることができる。複数のアパーチャのうちのいくつかまたはすべては調整可能であることができ、その結果、検出器120によって検出される異なるスペクトルバンドのいくつかまたはすべてのFWHMは、特定のサンプルおよび/または実験条件に対して調整することができる。
【0057】
図2に示される実施例では、サンプル20の像は、第1のレンズ70によって格子80の表面82上にフォーカスされる。すなわち、サンプル20は格子80の上に結像され、その結果、サンプル20、格子80および検出器120は、顕微鏡10の共役な光学面にある。より一般的には、いくつかの実施例では、サンプル20は、第1のレンズ70によって格子80の上に結像されない。すなわち、格子80の表面82は、サンプル20および検出器120の面に光学的に共役な面に位置決めされない。典型的には、しかしながら、第1および第2のレンズ70および90の位置決めは、入力光140の光路に沿った第1のレンズ70と表面82との間の距離と、空間に分散した光150の光路に沿った表面82と第2のレンズ90との間の距離との和が、レンズ焦点距離の和f+fに対応するように、行われる。
【0058】
一般に、レンズ70および90の焦点距離fおよびfは、顕微鏡10の幾何学的および他の制約に従って、所望のように選択することができる。いくつかの実施例では、fおよびfは同じ値を有し、一方、他の実施例では、それらは異なる値を有する。図2に示される実施例では、fおよびfの各々は同じであり、たとえば、300mmである。一般には、しかしながら、レンズ70および90は、広範囲の異なる焦点距離を備えたレンズの中から選択することができる。fおよびfを選択するための主な基準は、顕微鏡10の幾何学的制約、顕微鏡10の所望の空間分解能およびスペクトル分解能、ならびに顕微鏡10の他の要素(たとえば対物レンズシステム40、回折格子90、ならびに第1および第2のアパーチャ50および100)の光学的特性である。一般に、より長い焦点距離のレンズについては、アパーチャ100を通過するスペクトルバンドの帯域幅はより小さい。しかしながら、より長い焦点距離が用いられる場合、より大きな径のレンズおよびより大きな分散素子が典型的には必要である。したがって、焦点距離fおよびfの選択は、大部分は、特定の物理的設計嗜好(たとえばあるサイズの装置に対する嗜好)を満たすかどうかの問題である。
【0059】
図2では、入力光140の伝搬方向は入力光140の主線(principal ray)と平行である。同様に、空間に分散した光150の伝搬方向は空間に分散した光150の主線と平行である。さらに、格子の表面82に対する法線は、図2の表面82および軸86の両方に垂直に配向される。ミラー60、格子80、ならびにレンズ70および90の配向は、入力光140が、一般に、図2のx、yおよびz方向のうちのどれとも平行でない方向において表面82に入射することができるように行われる。一般に、空間に分散した光は、x、yおよびz方向のうちのどれとも平行でない方向に沿って、表面82を出ることができる。しかしながら、関与する角度の議論を単純化するために、空間に散乱する光150は、図2のx−y面において表面82を出る。
【0060】
図2では、y−z面上への入力光140の主線の投影は、光線142として示される。同様に、空間に散乱する光150の主線のy−z面上への投影は、光線152として示される。図2における表面82の法線のy−z面上への投影は、法線投影84として示される。光線142は、y−z面において法線投影84と角度θを形成する。光線152は、y−z面において法線投影84と角度θを形成する。つまり、入力光140は、表面82に対する法線に関して、y−z面で測定された角度θで格子80の表面82に入射する。空間に分散した光は、表面82に対する法線に関して、y−z面で測定された角度θで、格子80の表面82を出る。顕微鏡10は、一般的に、θ=θであるように構成される。
【0061】
図2に示される実施例では、角度θおよびθは、各々、約6.25度である。一般的には、しかしながら、角度θおよびθは、たとえば、顕微鏡10の形状上の幾何学的制約に基づいて選択することができる。いくつかの実施例では、たとえば、各々の角度θおよびθは、1度以上(たとえば3度以上、5度以上、10度以上、20度以上、30度以上、40度以上、50度以上)および/または89度以下(たとえば85度以下、80度以下、75度以下、70度以下、65度以下、60度以下、55度以下)であることができる。
【0062】
格子80の配向は、空間に分散した光150の波長成分が図2のx−y面において分散するように行われる。格子80を軸86のまわりで回転させることによって、分散したスペクトル成分の特定の帯域を、アパーチャ100を通過するように向けることができる。図3は、回折格子80の上面図を示す。図3では、x−y面上への入力光140の主線の投影は、光線143として示される。同様に、空間に散乱する光150の主線のx−y面上への投影は、光線153として示される。図3において表面82に対する法線のx−y面上への投影は、法線投影85として示される。光線143は、x−y面において法線投影85と角度θを形成する。光線153は、x−y面において法線投影85と角度θを形成する。言いかえれば、入力光140は、表面82に対する法線に関して、x−y面で測定された角度θで格子80の表面82に入射する。空間に分散した光は、表面82に対する法線に関して、x−y面で測定された角度θで格子80の表面82を出る。
【0063】
いくつかの実施例では、顕微鏡10は、θ=θであるように構成される。そのような構成は検出器120によって得られるサンプル20の画像中の色収差を低減および/または除去し、なぜなら、入力光140および空間に分散した光150のさまざまな波長成分の光路は等しいからである。色収差が存在する場合、たとえば、異なる中心波長のサンプル20の画像は、顕微鏡10におけるさまざまな波長成分の、異なる光路長により、互いに対して伸張または圧縮され得る。θ=θの保証によって、異なる中心波長で得られたサンプル20の画像は、色収差の低減または欠如のため、各々、同じアスペクト比および焦点特性を有することができる。たとえば、θ=θの時、第2のアパーチャ100の位置での、空間に分散した光150は、色収差が実質的にない状態であることができる。
【0064】
一般に、角度θおよびθは、同じか、または異なることができる。角度θおよびθの各々は、89度以下(たとえば80度以下、70度以下、60度以下、50度以下、40度以下、30度以下、20度以下、15度以下、10度以下、5度以下、4度以下、3度以下、2度以下、1度以下、0.5度以下、0.25度以下、0.1度以下、またはそれ未満)であることができる。いくつかの実施例では、角度θとθとの間の差は、89度以下(たとえば、80度以下、70度以下、60度以下、50度以下、40度以下、30度以下、20度以下、18度以下、16度以下、14度以下、12度以下、10度以下、8度以下、6度以下、5度以下、4度以下、、3度以下、2度以下、1度以下、0.5度以下、0.25度以下、0.1度以下、またはそれよりさらに少ない、または0でさえ)あることができる。角度θおよびθが異なる場合、顕微鏡10は、いくつかの実施例では、空間に分散した光150の色収差を低減するために、レンズ、プリズム、窓および他の素子のような追加の光学部品を含むことができる。
【0065】
ある実施例では、顕微鏡10は、角度θおよびθが0またはほぼ0である、0次モードで動作させることができる。たとえば、θおよびθの各々は、10度以下(たとえば8度以下、6度以下、5度以下、4度以下、3度以下、2度以下、1度以下、0.5度以下、0.25度、0.1度以下、またはそれよりさらに少ない、または0でさえ)あることができる。この動作モードでは、第2のアパーチャ100を通過する波長のスペクトルバンドは非常に広くなることができ、空間に分散した光150のFWHMスペクトルバンド幅の70%以上(たとえば75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、99%以上)に相当し得る。その結果、検出器120によって得られるサンプル20の画像は、入力光140のフィルタ処理がない状態で得られる画像にほぼ相当し得る。
【0066】
一般には、空間に分散した光150のうち第2のアパーチャ100を通過する部分のFWHMスペクトルバンド幅は、第2のアパーチャ100の開口部のサイズ、回折格子80の表面82上の溝の空間密度、ならびに焦点距離fおよびfを含む、複数の要因に依存する。いくつかの実施例では、第2のアパーチャ100のサイズは、空間に分散した光150のうちアパーチャを通過する部分のFWHMスペクトルバンド幅を変更するよう調整することができる。ある実施例では、たとえば、空間に分散した光のうち第2のアパーチャを通過する部分のFWHMスペクトルバンド幅は、100nm以下(たとえば75nm以下、50nm以下、35nm以下、25nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下)であることができる。ある実施例では、空間に分散した光のうち第2のアパーチャを通過する部分のFWHMスペクトルバンド幅は、アパーチャの調整により、2nmから50nmまで(たとえば2nmから40nmまで、2nmから30nmまで、2nmから20nmまで、2nmから10nmまで)変更することができる。
【0067】
上で論じられるように、空間に分散した光150のうち第2のアパーチャ100を通過する部分の中心波長は、回折格子80の配向および特性(たとえば1ミリメートル当たりの溝の数)に依存する。一般に、中心波長は、空間に分散した光150のスペクトルバンド幅にある波長のうちの任意の波長から格子80を回転させることにより選択することができる。顕微鏡10は、一般的に、電磁スペクトルの紫外線領域、可視領域、赤外線領域を含む(がそれらに限定はされない)広範囲のスペクトルの波長においてサンプル20から光を集光するよう構成することができる。したがって、格子80の配向の調整によって、空間に分散した光150のうち第2のアパーチャ100を通過する部分の中心波長を、スペクトルの紫外線領域、可視領域、赤外線領域の波長の中から選択することができる。
【0068】
検出光学素子110は、一般的に、レンズ、ミラー、分散素子(たとえば格子、プリズム)、窓、および空間に分散した光150のうち第2のアパーチャ100を通過する部分を受光し、その光の部分を検出器120上に入射するように向けるよう構成される他の素子のような、さまざまな光学素子を含むことができる。検出器120は、検出器120がサンプル20の画像を得ることができるように構成される、さまざまな異なるタイプの検出素子の1つ以上を含むことができる。典型的には、たとえば、検出器120は、CCDアレイ、フォトダイオードアレイ、カメラ(たとえばビデオカメラおよび/またはフィルムカメラ)、および感光記録媒体を含む検出器のような1つ以上の画像化検出器を含む。
【0069】
回折格子80は、一般的に、さまざまな異なる材料のうちのいずれからでも形成することができる。いくつかの実施例では、たとえば、回折格子80は、ガラスのような材料から形成され、その上にコーティングが施された基部を含むことができる。コーティングは、入力光140の波長成分を効率的に反射する金属(たとえば金、銀またはアルミニウム)のような材料から形成することができる。入力光140の波長成分の空間分散を可能にするために、溝がコーティング材に形成される。たとえば、図2では、格子80には1mm当たり1200の溝がある。一般に、格子80における1mm当たりの溝の数は、入力光140の波長成分の所望の空間分散、所望の反射効率および他の基準によって選択することができる。例示的な格子は、1mm当たり、300、600、900、1200、1500、1800、2400または3600の溝を含むことができるが、1mm当たりそれより多いおよび/または少ない数の溝が可能である。
【0070】
顕微鏡10のさまざまな構成要素は、システムオペレータによって手動で、または自動的に顕微鏡によって調整することができる。たとえば、いくつかの実施例では、顕微鏡10は、第1および第2のアパーチャ50および100、第1および第2のレンズ70および90、ならびに回折格子80を含む顕微鏡10の構成要素のうちの任意の構成要素に、電子コントローラおよび/または駆動機構を介して結合される電子プロセッサ160を含む。電子プロセッサ160は、アパーチャ50および/または100のどちらかまたは両方の最大寸法を自動的に調整し、入力光140および空間に分散した光150の光路に沿ってレンズ70および/または90の位置を調整し、軸86に関する回折格子80の配向を調整するよう(たとえば空間に分散した光150のうち第2のアパーチャ100を通過する部分の特定の中心波長を選択するよう)構成することができる。電子プロセッサ160は、さらに、検出器120に電気的に結合されることができ、検出器120によるサンプル20の画像の獲得を制御するよう構成することができる。図2に示される実施例では、電子プロセッサは、電気通信線162、164および166を介して、回折格子80、第2のアパーチャ100および検出器120にそれぞれ結合される。一般に、顕微鏡10は、電子プロセッサ160と顕微鏡のさまざまな構成要素との間に任意の数の接続を含むことができる。
【0071】
電子プロセッサ160は、さらに、得られるサンプル20の1つ以上の画像を表示するよう構成することができる。たとえば、電子プロセッサ160は、顕微鏡10に含まれる表示ユニットに電気的に接続することができる。代替的に、電子プロセッサ160は遠隔表示ユニットに(たとえば無線ネットワーク、有線ネットワークおよび/またはインターネットのようなネットワークによって)接続することができ、たとえば、電子プロセッサ160はシステムオペレータへの表示のために遠隔ユニットに画像データを送信することができる。
【0072】
いくつかの実施例では、電子プロセッサ160は、サンプル20の画像から1つ以上の合成画像を形成するよう構成することができる。たとえば、電子プロセッサ160は、異なる中心波長に各々が対応する2つ以上の画像を組み合わせて、サンプル20における複数のスペクトルの寄与物からの寄与を含む合成画像を形成するよう構成することができる。
【0073】
顕微鏡10の性能テストを、第2のアパーチャ100の最大寸法を変えて、空間に分散した光150のうちアパーチャ100を通過した部分のFWHMスペクトルバンド幅を測定することにより行った。図4は、第2のアパーチャ100の開口部の直径(「開口径」)の関数としてのFWHMスペクトルバンド幅(「バンドパス」)のグラフを示す。図4に示されるように、スペクトルバンド幅はアパーチャ開口部のサイズとほぼ線形に比例し、その結果、ある特定のスペクトルバンド幅を、第2のアパーチャ100の適切な調整によって、高い信頼性で選択することができる。スペクトルバンド幅は、さらに、表面82に1mm当たり異なる数の溝を有する回折格子80の使用により、および/または異なる焦点距離fを備えた第2のレンズ90の使用により、変更することができる。
【0074】
顕微鏡10は、さらに、その空間分解能を判断しようと、テストされた。米国空軍(USAF)1951ターゲットを用いて、顕微鏡10が狭い間隔のテストパターンを解像する能力をテストした。対物レンズシステム40は、0.5NAの60x対物レンズを含んだ。ターゲットは、狭い間隔の3本の棒からなり、棒と等しい幅の間隙によって棒が分離されている、棒の組を含んだ。図5は、顕微鏡10で得られたターゲットの画像を示す。図4において2μm間隔の2μm幅の棒が容易に解像され、顕微鏡10の分解能は2μmよりよいことが示された。顕微鏡10の空間分解能は、異なる対物レンズシステム40でさらに改善されてもよい。
【0075】
顕微鏡10の空間分解能は、対物レンズシステム40および第1のアパーチャ50の組合せの開口数(NA)に依存する。第2のアパーチャ100が比較的大きな開口部を有する場合、顕微鏡10の分解能は対物レンズシステム40のNAによって決められる。第2のアパーチャ100がより小さな開口部を有する場合、顕微鏡10の全体的なNAおよび分解能は低減され得る。図6は、USAF1951ターゲットにおける3本の棒の群によるライン走査のグラフを示す。ターゲットは、対物レンズシステム40において0.5NAの50x対物レンズを用いて結像された。図6の3つのライン走査の各々は、累進的に幅が減じられる一連の棒を介して進み;左から右に、棒幅は3.47μm、3.11μm、2.76μm、2.46μmおよび2.19μmである。上部のライン走査は、5mmのアパーチャ開口部に対応する。中央のライン走査は、3mmのアパーチャ開口部に対応し、下部のライン走査は、1mmのアパーチャ開口部に対応する。図6が示すように、5mmおよび3mmのアパーチャ開口部では、最も小さな幅の棒さえも基線解像される。しかしながら、1mmのアパーチャ開口部については、棒の間の谷領域の強度は、棒のピーク強度の約60%であり、低減された空間分解能を反映している。
【0076】
顕微鏡10はさまざまな異なる態様で構成することができる。たとえば、図7は、レンズ70および90が単一のレンズ75と取り替えられる顕微鏡10の別の実施例を示す。ビームスプリッタ65は入力光140をレンズ75に向け、レンズ75は、さらに、入力光140を回折格子80上に入射するように向ける。格子80から反射する、空間に分散した光150は、レンズ75およびビームスプリッタ65を通過して戻り、第2のアパーチャ100に入射する。一般に、図7に示されるように、顕微鏡10のあるレンズは、折り畳まれた構成の採用により除去することができる。
【0077】
ある実施例では、反射型回折格子以外の分散素子を用いて、入力光140の波長成分を分散させることができる。プリズム、ホログラフィック光学素子、格子プリズム、位相マスクおよび透過型回折格子のような分散素子を、回折格子80に加えて、またはその代替物として用いることができる。図8は、回折格子80がプリズム85およびミラー95の組合せと取り替えられた顕微鏡10の実施例を示す。顕微鏡10の他の構成要素は図7と同様である。図8では、プリズム85は、入力光140の波長成分を分散させ、ミラー95は、プリズム85を通って2つの経路を形成するよう光を向ける。
【0078】
いくつかの実施例では、1つ以上のレンズを、同様の機能を実行する湾曲したミラーと取り替えることができる。図9は、レンズ75が湾曲したミラー77と取り替えられる以外は、図7に示される実施例と同様である顕微鏡10の実施例を示す。ミラー77は、ビームスプリッタ65によって反射される入力光140を受光するよう位置決めされ、入力光140を格子80に入射するように向けるよう構成される。ミラー77は、さらに、空間に分散した光150を格子80から受光するよう位置決めされ、空間に分散した光150を第2のアパーチャ100上に入射するように向けるよう構成される。図9の顕微鏡10の他の構成要素は、図7の対応する構成要素と同様である。
【0079】
顕微鏡10は、調整可能な空間分解能および/またはスペクトル分解能を備えたサンプル20の画像化を可能にする。いくつかの実施例では、サンプル20は、空間に分散した光150の異なる中心波長に各々対応する複数の画像を得ることにより画像化することができる。中心波長の適切な選択により、画像を用いて、異なるスペクトルバンドにおいてスペクトル応答を有する他の成分からの干渉なしで、サンプル20中のある成分(たとえば特定の十分に定義されたスペクトル応答を生じさせる成分)を調査することができる。ある実施例では、異なる中心波長に対応する一連のサンプル画像を用いて、サンプル20の成分のために、異なるタイプのスペクトル−吸収スペクトル、反射スペクトル、発光スペクトル、ルミネセンススペクトルおよび散乱光スペクトルを含む−を判断することができる。これは、吸収スペクトルが成分の局所的環境によって影響を受ける場合、特に有用であり得る。たとえば、いくつかの実施例では、吸収スペクトルは、異なる中心波長で得られる、サンプルの画像のある領域のみの検査により構築することができる。
【0080】
顕微鏡10がサンプル成分の吸収スペクトルを測定する能力を評価するために、合成サンプルを構成した。このサンプルは、赤、緑および青インクの部分が上に引かれたカバーグラスを含んだ。サンプルの画像を得るために、顕微鏡10を0次モードを動作させ、ついで、異なる中心波長を選択するよう調整した。各選択される中心波長で、サンプルの画像を得た。得られた各画像ごとに、アパーチャ50および100を、7.3nmのスペクトル分解能に対応して、3mmに設定した。
【0081】
合計46の異なる中心波長が選択され、各中心波長の画像が、3つの異なるインクの各々に対して吸収スペクトルを得るために、異なる空間位置で解析された。図10A〜図10Dは、さまざまな異なる中心波長でのサンプルの画像を示す。図10Aは、0次構成で得られたサンプルの画像であり、サンプルの白色光画像に本質的に対応する。図l0B〜図l0Dは、それぞれ青色インク、緑色インクおよび赤色インクに大まかに対応する、505nm、575nmおよび650nmの中心波長で得られた画像である。
【0082】
図11Aは、顕微鏡10を用いて得られた46の画像から判断された3つのインクの各々の吸収スペクトルを示す。図11Bは、UV−可視分光光度計で測定された同じ3つのインクの吸収スペクトルを示す。各インクごとに異なる技術で測定されたスペクトル間には、近い対応関係があり、顕微鏡10は、研究中のサンプルのin situ成分に対して吸収スペクトルを判断するために高い信頼性で用いることができることを示唆している。この能力は特に重要であり、なぜなら、サンプル成分のin situスペクトルの判断は、従来の分光法で対処するのが難しい問題であるからである。同時に、in situスペクトルの判断は、(たとえば吸収スペクトルは局所的な溶媒環境のような要因により変化し得るため)サンプル成分の化学的環境および/または生体環境に関する情報を提供することができ、サンプルの異なる部分に関する構造的な情報および機能的な情報の両方を判断するのを支援することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
ハードウェアおよびソフトウェア実現例
ここに記載される方法ステップおよび手順は、ハードウェアもしくはソフトウェア、またはそれら両方の組合せで実現することができる。特に、電子プロセッサ(たとえばプロセッサ1092および/または160)は、上に論じられる方法のうちのいずれかを実行するソフトウェアおよび/またはハードウェア命令を含むことができる。この方法は、ここに開示される方法ステップおよび図に従う標準的なプログラミング技術を用いて、コンピュータプログラムにおいて実現することができる。プログラムコードは、ここに記載される機能を実行するよう入力データに適用される。出力情報は、たとえば遠隔監視のために、プリンタ、表示装置、またはウェブサイトへのアクセスを備えたコンピュータモニタ上のウェブページのような、1つ以上の出力装置に適用される。
【0084】
各プログラムは、好ましくは、プロセッサと通信するために、ハイレベルプロシージャ言語またはオブジェクト指向型プログラミング言語で実現される。しかしながら、所望であれば、プログラムはアセンブリ言語または機械語で実現することができる。いずれにしても、言語は、コンパイルされた言語か、または解釈された言語であることができる。各コンピュータプログラムは、ここに記載される手順を実行するためにプロセッサを構成し動作させるために、プロセッサによって読取可能な記憶媒体または装置(たとえば電子メモリ)上に格納することができる。
【0085】
他の実施例
数多くの実施例をここに記載した。しかしながら、さまざまな修正物が開示の精神および範囲から逸脱することなくなされてもよいことが理解されるだろう。したがって、他の実施例は、特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルから光を集光するよう構成される対物レンズシステム;
前記対物レンズシステムから受光された集光された光の一部を入力光として通過させるよう位置決めされる第1のアパーチャ;
前記第1のアパーチャから受光された前記入力光を透過するよう位置決めされる第1のレンズ;
前記第1のレンズから受光された前記入力光を第1の面で空間に分散させるよう構成される分散素子;
空間に分散した光を透過するよう位置決めされる第2のレンズ;
前記第2のレンズから受光された、前記空間に分散した光の一部を検出光として通過させるよう位置決めされる第2のアパーチャ;および
前記検出光を受光するよう位置決めされ、前記サンプルの少なくとも1つの画像を形成するよう構成される検出器を含み、
前記入力光は前記分散素子の第1の表面に入射し、前記空間に分散した光は前記第1の表面を通って前記分散素子を出、
前記第1の面において測定される、前記入力光の主要な伝搬方向と前記第1の表面に対する法線との間の角度は、第1の角度に対応し、前記第1の面において測定される、前記空間に分散した光の主要な伝搬方向と前記第1の表面に対する前記法線との間の角度は、第2の角度に対応し、前記第1の角度と前記第2の角度との間の差は10度未満である、システム。
【請求項2】
動作中、前記空間に分散した光のうち、前記第2のアパーチャによって通過することを許される部分の中心波長は、前記分散素子の位置を変更することにより選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記分散素子の位置の変更により、前記空間に分散した光のうち前記第2のアパーチャを通過する部分の前記中心波長を選択するよう構成される電子プロセッサをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のアパーチャの寸法を調整することにより、前記空間に分散した光のうち前記第2のアパーチャを通過する部分の半値全幅(FWHM)スペクトルバンド幅を選択するよう構成される電子プロセッサをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記サンプルは第2の面に位置決めされ、前記第1の表面は第3の面に位置決めされ、前記検出器は第4の面に位置決めされ、前記第2、第3、および第4の面は光学的に共役面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のアパーチャは第2の面に位置決めされ、前記第2のアパーチャは第3の面に位置決めされ、前記第2および第3の面は光学的に共役面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記検出器に結合される電子プロセッサをさらに含み、前記電子プロセッサは、前記サンプルの複数の画像を得るよう構成され、前記複数の画像の各画像は、前記空間に分散した光の、異なる中心波長に対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電子プロセッサは、前記複数の画像の少なくとも2つの画像からの情報を組み合わせることにより合成画像を形成するよう構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の角度および前記第2の角度の各々は30度以下である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2のアパーチャでの、前記空間に分散した光は、色収差が実質的にない、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記分散素子は、プリズム、および前記プリズムの表面と接触するミラーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
サンプルから光を集光するよう構成される対物レンズシステム;
前記対物レンズシステムから受光された集光された光の一部を透過光として通過させるよう位置決めされる第1のアパーチャ;
前記透過光の一部を入力光として反射するよう位置決めされる部分反射型ミラー;
前記部分反射型ミラーから受光された前記入力光を、第1の面で空間に前記入力光を分散させるよう構成される分散素子に向けるよう位置決めされ、前記分散素子から受光された、空間に分散した光を、前記部分反射型ミラーに向けるよう位置決めされる、レンズ;
前記部分反射型ミラーによって透過された、前記空間に分散した光の一部を、検出光として通過させるよう位置決めされる第2のアパーチャ;および
前記検出光を受光するよう位置決めされ、前記サンプルの、少なくとも1つの画像を形成するよう構成される検出器を含み、
前記入力光は前記分散素子の第1の表面に入射し、前記空間に分散した光は前記第1の表面を通って前記分散素子を出、
前記第1の面において測定される、前記入力光の主要な伝搬方向と前記第1の表面に対する法線との間の角度は、第1の角度に対応し、前記第1の面において測定される、前記空間に分散した光の主要な伝搬方向と前記第1の表面に対する前記法線との間の角度は、第2の角度に対応し、前記第1の角度と前記第2の角度との間の差は10度未満である、システム。
【請求項13】
動作中、前記空間に分散した光のうち、前記第2のアパーチャによって通過することを許される部分の中心波長は、前記分散素子の位置を変更することにより選択される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記分散素子の位置の変更により、前記空間に分散した光のうち前記第2のアパーチャを通過する部分の前記中心波長を選択するよう構成される電子プロセッサをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のアパーチャの寸法を調整することにより、前記空間に分散した光のうち前記第2のアパーチャを通過する部分の半値全幅(FWHM)スペクトルバンド幅を選択するよう構成される電子プロセッサをさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
サンプル画像を測定する方法であって、
サンプルから分散光学素子に光を向け、入射光を第1の面で分散させて、前記分散光学素子から発光された、空間に分散した光を形成するステップ;
前記空間に分散した光を、アパーチャ上に入射するよう向けるステップ;
前記空間に分散した光のうち、前記アパーチャを通過する部分を検出するステップ;および
検出された光に基づいて前記サンプルの画像を形成するステップを含み、
前記サンプルからの光は、前記分散光学素子の表面に、表面法線に関して、前記第1の面で測定された第1の角度で入射し、前記空間に分散した光は、前記分散光学素子の表面を、前記表面法線に関して、前記第1の面で測定された第2の角度で出、前記第1の角度と前記第2の角度との間の差は10度以下である、方法。
【請求項17】
前記空間に分散した光のうち、前記アパーチャを通過する部分の中心波長を選択するよう、前記分散光学素子の位置を調整するステップをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記空間に分散した光のうち、前記アパーチャを通過する部分のスペクトルバンド幅を選択するよう、前記アパーチャの寸法を調整するステップをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項19】
各画像が異なる中心波長に対応する、前記サンプルの複数の画像を形成するステップをさらに含む、請求項17の方法。
【請求項20】
前記複数の画像から導出される情報に基づいて、前記サンプル中の成分のスペクトルの少なくとも一部を判断するステップをさらに含み、前記スペクトルは、前記成分の吸収スペクトル、反射スペクトル、発光スペクトル、ルミネセンススペクトルおよび散乱光スペクトルの少なくとも1つを含む、請求項19の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A−10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−504242(P2012−504242A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529268(P2011−529268)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/058404
【国際公開番号】WO2010/036909
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(508053795)タフツ ユニバーシティ (3)
【Fターム(参考)】