説明

分別昇華/逆昇華によって固体混合物を連続的に精製するための方法及び装置

昇華可能な有価生成物、それに比べてより昇華し易い成分とより昇華し難い成分とを含有する固体混合物を高温壁管状炉(1)内での分別昇華/逆昇華によって連続的に精製する方法であって、高温壁管状炉(1)の一方の端部で、固体混合物を不活性ガス流と一緒に、該不活性ガス流中に固体混合物を分散機(2)によって分散させて供給し、− 分散された固体混合物を、高温壁管状炉(1)内で、有価生成物が昇華する温度で加熱して、有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物を得て、− 有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物を、有価生成物より昇華し難い固体粒子を回収するために、適した孔径を有する高温ガスフィルター(3)に通し、− 有価生成物より昇華し難い成分が分離されたガス混合物を、有価生成物が逆昇華し、かつ有価生成物より昇華し易い成分が依然として逆昇華しない温度に冷却して、粒状の有価生成物を含有するガス混合物を得て、かつ− 精製された粒状の有価生成物を、冷却されたガス混合物から分離することによる、固体混合物を高温壁管状炉(1)内での分別昇華/逆昇華によって連続的に精製する方法が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殊にナノ粒子の形態で有価生成物を取得するために昇華/逆昇華(Desublimation)によって有価生成物を含有する固体混合物を連続的に精製するための方法及び装置に関する。
【0002】
ナノ粒子が製造され、かつ使用される分野は、着色付与のために、例えば塗料中で使用されるような顔料と関連がある。粒子のサイズが減少するにつれて、顔料の場合、例えば、塗料の光沢及び色の濃さが改善される。
【0003】
ナノ粒子が使用される更に別の領域は、触媒と関連がある。そのため、平均粒径が減少するにつれて、質量を基にした触媒の全表面積が増え、これにより、より効果的な触媒作用が生じる。
【0004】
更に、医薬製品又は農産物保護剤の領域でのナノ粒子の使用によって、これらの生物学的利用能が高められることができる。
【0005】
製造法において基体に蒸着される材料の場合、より素早く粒子が気相に変えられることができるように、そして熱負荷が軽減されることができるように、粒子は非常に微細に存在していることが好ましい。
【0006】
ナノ粒子固体は、様々な方法によって製造されることができる。慣例では、これらの粉末固体は、粉砕工程によって、気相中での、火炎中での反応によって、結晶化、沈殿、ゾルゲルプロセスによって、プラズマ中で又は逆昇華によって作製される。
【0007】
ナノ粒子とは、公知のように、1μm未満かあるいは10μm未満の粒径を有する固体又は液滴と理解される。それらの大きさに基づき、ナノ粒子は、そのつど同じ物質(該物質は、しかしながら、あまり微細には分割されないで存在する)の特性と一部では基本的に異なる特性を有する。
【0008】
殊に、粒状の有価値生成物は、電子応用のために十分な純度で、即ち、いわゆる電子工業用純度(Electronic-Grade-Reinheit)で提供されることが望ましい。それは一般的に、不純物の上限が1桁のppm範囲において、あるいはむしろppb範囲において超えてはならないことと理解される。
【0009】
電子応用のために、殊に太陽電池に適している超高純度の物質を取得するのに、Creaphys社の温度勾配炉(Gradientenofen)内での昇華/逆昇華による固体のバッチ精製法が公知である。
【0010】
しかしながら、この方法は、大規模での固体の精製には使用可能でない。
【0011】
本発明の課題は、大工業的な規模でも使用可能である、技術的に簡単に実施可能な固体混合物の連続的な精製法を提供することであって、該方法によって、高い製品品質、殊に非常に均一な粒度分布が均一な形態とともに高い純度で、同時に高い空時収量下で保証される。
【0012】
殊に本発明の課題は、ナノ粒子の形態の有価生成物を取得するための、上で定義された方法を提供することであった。
【0013】
解決手段は、昇華可能な有価生成物、それに比べてより昇華し易い成分とより昇華し難い成分とを含有する固体混合物を、高温壁管状炉(1)内での分別昇華/逆昇華によって連続的に精製する方法であって、高温壁管状炉(1)の一方の端部で、固体混合物を不活性ガス流と一緒に、該不活性ガス流中に固体混合物を分散機(2)によって分散させて供給し、
− 分散された固体混合物を、高温壁管状炉(1)内で、有価生成物が昇華する温度で加熱して、有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物を得て、
− 有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物を、有価生成物より昇華し難い固体粒子を回収するために、適した孔径を有する高温ガスフィルター(3)に通し、
− 有価生成物より昇華し難い成分が分離されるガス混合物を、有価生成物が逆昇華し、かつ有価生成物より昇華し易い成分がなお依然として逆昇華しない温度に冷却して、粒状の有価生成物を含有するガス混合物を得て、かつ
− 精製された、粒状の有価生成物を、冷却されたガス混合物から分離することによる、固体混合物を連続的に精製するための方法にある。
【0014】
連続的に、唯一の装置中で、分別昇華/逆昇華を実施することによって、大工業的な規模でも粒状の有価生成物を高純度で提供することが可能であることが見出された。
【0015】
本発明により、適した分離装置、即ち、有価生成物より昇華し難い成分を、精製されるべき固体混合物から分離する、適した孔径を有する高温ガスフィルターが配置されている高温壁管状炉の部分によって、均一な形態及び非常に均一な粒度分布を有するルーズな生成物(lockere Produkt)につながる均一な核生成が行われる条件を保証することが可能である。
【0016】
この方法は、昇華可能な有価生成物を含有し、それ以外に、より昇華し易い成分及びより昇華し難い成分を含有する固体混合物から出発する。そのうえ、固体混合物は、非昇華性の成分も更に包含してよい。
【0017】
精製されるべき固体混合物は、高温壁管状炉に、その端部で供給される。分散機を介した、有利には分配溝(Dossierinne)、スターフィーダー(Zellenradschleuse)、ブラシ供給装置(Buerstendosierer)又はスパイラルジェットミルを介した供給を行うことによって、供給された固体混合物を一様に分配することが好ましい。
【0018】
高温壁管状炉は、好ましくは縦方向に配置されており、かつ有利には電気的、殊に電熱線によって加熱されている高温の壁を有する。高温壁管状炉は、加熱ゾーンをいくつか有してよい。有利なのは、多重ゾーン高温壁管状炉、即ち、2つ、3つ又はそれより多い加熱ゾーンを有する高温壁管状炉である。2つ、3つ又はそれより多い加熱ゾーンは、2つ又はそれより多い加熱調節器か、あるいは電熱線を様々に密巻きすることによって達成されることができる。
【0019】
昇華可能な有価生成物は、殊に有機固体、有利には電子工業用純度の有機固体、更に有利には有機顔料である。
【0020】
固体混合物は、不活性ガス流、即ち、固体混合物の成分と化学的に反応しないガス流と一緒に高温壁管状炉に供給される。
【0021】
高温壁管状炉の壁と接触することによって、精製されるべき固体混合物が強い熱負荷に短期間晒されることを防ぐために、有利な変形法では、固体混合物を含有する不活性ガス流は充填ガス流に取り囲まれている。充填ガスとして、不活性ガスとしてと同様に、精製されるべき固体混合物に対して不活性であるガスが適している。充填ガスは、高温壁管状炉に、好ましくは該管状炉の周囲全体に、ガス供給ノズルを介して供給される。有利には、ガス供給ノズルは、充填ガスが高温壁管状炉に、その壁と平行に供給されるように合わせられていてよく、その際、充填ガスが既に流入時に、精製されるべき固体混合物を含有する不活性ガスと完全に混ざり合うことが回避される。
【0022】
更なる有利な実施形態では、高温壁管状炉の壁は多孔性焼結材料から形成されており、該材料を通して高温壁管状炉への充填ガスの均等な供給は達成されることができる。
【0023】
均等な昇華と、殊に熱不安定性物質の均等な熱負荷を達成するために、高温壁管状炉内の温度は、好ましくは、最低温度が、高温壁管状炉内で生じる最高温度より最大で20%低いように制御されている。
【0024】
高温壁管状炉は、殊に温度に配慮した熱不安定性物質の処理を保証するために、減圧下で運転されることができる。しかしながら、十分に滞留時間が短い場合には、高温壁管状炉は、好ましくは約1バール(絶対)の圧力でも運転してよく、その際、滞留時間は、精製されるべき固体混合物の温度感受性に依存して、0.1〜1時間の範囲に、有利には0.1〜100秒、更に有利には0.5〜5秒の範囲にある。
【0025】
本発明による方法に従って、殊にモノマー、オリゴマー又はポリマーを精製することができる。それに応じて、精製されるべき固体混合物は、昇華点かあるいは昇華範囲を有してよい。
【0026】
精製されるべき分散された固体混合物は、まず先に、有価生成物のほぼ昇華範囲まで又はほぼ昇華点まで、有利には、有価生成物の昇華範囲より約5℃まで高く又は低く、あるいは昇華点より約5℃まで高く又は低く加熱される。
【0027】
今や、有価生成物並びに、それに比べて昇華し易い成分を蒸気の形で含有し、有価生成物より昇華し難い成分並びに非昇華性の成分を、しかしながら引き続き固体の形で含有する不活性ガス流は、有価生成物より昇華し難い固体粒子と、場合によっては、非昇華性の固体粒子とを回収するために、適した孔径により選択されている高温ガスフィルターに通される。高温ガスフィルターも同様に、有価生成物のほぼ昇華範囲に又は昇華点に相当する温度に加熱されており、有利には、有価生成物の昇華範囲より約5℃まで高く又は低く、あるいは昇華点より約5℃まで高く又は低く加熱されている。
【0028】
それゆえ高温ガスフィルター用の素材は、該フィルターが、精製されるべき有価生成物の昇華範囲又は昇華点に応じて熱的に安定であるように、相応して選択されなければならない。
【0029】
高温ガスフィルター用の素材として、殊に金属、セラミック、ガラス繊維か、あるいはプラスチック、殊にポリテトラフルオロエチレンが考慮に入れられる。
【0030】
高温ガスフィルターの機能は、当業者に公知の、固体粒子によるその他の分離機、殊に高温ガス電気集塵装置かあるいはサイクロンが担うこともできる。
【0031】
好ましくは、加熱を相応して制御することによって、高温ガスフィルターの領域中でのいかなる温度低下も回避されることが保証される。
【0032】
高温壁管状炉を更に進むと、高温ガスフィルターの下流で、好ましくは、高温壁管状炉の壁の負荷された不活性ガスを案内するために、上向きに向いた先端部を有する中心円錐体が配置されている。
【0033】
高温ガスフィルター及び場合によってはフロー制御のための円錐体の下流で、高温壁管状炉内にクエンチ領域が配置されており、該領域内では、有価生成物より昇華し難い成分が高温ガスフィルター中で分離されていたガス混合物の冷却が、有価生成物が逆昇華し、かつ有価生成物より昇華し易い成分が依然として逆昇華しない温度で行われ、精製された粒状の有価生成物を含有するガス混合物が得られる。これは、次の方法工程で、冷却されたガス混合物から分離される。
【0034】
冷却は、有利には非常に素早く、即ち、0.1秒未満〜100秒未満の滞留時間で、殊にガスクエンチ又はラバールノズルによって行われる。
【0035】
冷却は、有利にはガスクエンチにおいて、殊に周囲温度まで行われ、その際、固体混合物の成分が負荷された不活性ガスとクエンチガスとの質量比は、好ましくは1:5〜1:10の範囲に調節される。
【0036】
しかしながら、冷却は、必要に応じて、より長い時間にわたって滞留時間容器(Verweilzeitbehaelter)中で実施してよい。殊に、これは、昇華し易い物質の割合が高い場合に好ましい。
【0037】
精製された粒状の有価生成物のガス流からの分離は、有利には電気集塵装置中で行われる。
【0038】
精製された粒状の有価生成物は、依然として低沸点物によって汚染される可能性がある。それゆえ、精製された粒状の有価生成物から、分別昇華/逆昇華によって低沸点物を更に精製すること、即ち、有価生成物を"脱気"することが有利である。
【0039】
好ましい実施変形では、有価生成物が逆昇華する温度への、有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物の冷却は、不活性の担体粒子の存在下で行われることができる。不活性の担体粒子は、有利には球状であってよく、更に有利には1桁のミリメートル範囲の直径を有してよい。不活性の担体粒子上での有価生成物の逆昇華によって、殊にハンドリングが改善される。
【0040】
不活性の担体粒子の存在下での、有価生成物より昇華し難い成分を含有するガス混合物の冷却は、有利には、不活性の担体粒子上で1〜200μmの範囲の厚みを有する有価生成物の固体層が析出するように制御される温度及び圧力で行われる。
【0041】
本発明の対象はまた、有価生成物、並びにそれに比べて昇華し難い成分と昇華し易い成分とを包含する固体混合物を、分別昇華/逆昇華によって連続的に精製するための高温壁管状炉であって、
− 固体混合物を不活性ガス流と一緒に、該不活性ガス流中に固体混合物を分散機によって分散させて供給するための、高温壁管状炉の一方の端部にある供給管、
− 高温壁管状炉内で、分散された固体混合物を、有価生成物が昇華する温度で加熱して、有価生成物より昇華し難い成分を粒子として含有するガス混合物を得るための1、2、3又はそれより多い加熱ゾーン、
− 有価生成物より昇華し難い粒子を回収するために、有価生成物より昇華し難い成分を粒子として含有するガス混合物が通される、適した孔径を有する高温ガスフィルターを有し、かつ
− 有価生成物より昇華し難い成分を粒子として含有するガス混合物を、有価生成物が逆昇華する温度に冷却して、精製された粒状の有価生成物を得るためのガスクエンチ、ラバールノズル又は滞留時間容器を有する、
固体混合物を連続的に精製するための高温壁管状炉である。
【0042】
有利には、分散機は、スパイラルジェットミル、分配溝、スターフィーダー又はブラシ供給装置である。
【0043】
高温壁管状炉の外装は、有利には電気的に加熱される。電気加熱は、簡単かつ正確に制御されることができる。
【0044】
有利には、高温ガスフィルターは、金属、セラミック、ガラス繊維又はプラスチックから形成されている。本発明は、以下で図面に基づき詳細に説明される。
【0045】
唯一の図1は、分離されるべき固体混合物を不活性ガス流と一緒に供給するための分散機2を有する、縦方向に配置された高温壁管状炉1を示す。
【0046】
不活性ガス流中に分散された固体混合物は、フランジ4により発熱環(Heizmanschetten)が取り付けられている高温ガスフィルター3に導かれ、引き続きガス流を制御するための円錐体5に導かれ、かつクエンチガス用の供給ノズル6を有するガスクエンチ部で冷却される。精製された粒状の有価生成物は、不活性ガス流から分離機7で分離される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】分離されるべき固体混合物を不活性ガス流と一緒に供給するための分散機2を有する、縦方向に配置された高温壁管状炉1を示す図
【実施例】
【0048】
Palas社のブラシ供給装置RBG(R)2000を用いて、不純物を含有する銅フタロシアニン(以下ではCuPcと略記)200gを、約6時間、1m3/hの窒素により連続的に、縦方向に貫流される高温壁反応器(内径40mm、長さ1,200mm)に供給した。
【0049】
プラントの内部圧力は1.1バール(絶対)であった。
【0050】
HTM Reetz社の6つのゾーンを有する炉を用いて、高温壁反応器中の全炉長にわたって500℃の一定温度を調節した。不純物で汚染された昇華物を、高温壁反応器からのガス出口の150mm手前に存在する、300mmの長さ及び10mmの外径を有する4つの平行な蝋燭状の焼結金属(Sintermetallkerzen)によって精製した。
【0051】
高温壁反応器に向かって1m3/hの窒素を導入することによって、ガス流の温度を逆昇華温度に下げ、引き続き逆昇華された有価生成物をガス流から電気集塵装置中で分離した。
【0052】
精製された材料を用いた比色試験は、古典的な粉砕処理により加工された同じ出発材料と比べて10%高い色の強さを示していた。
【0053】
そのうえ、上記の実施例に応じて得られた銅フタロシアニンで蒸着されていた太陽電池は、同じ出発物質から出発して得られた、しかしながら、従来技術による不連続的な精製法に従って、温度勾配測定器中で10-4ミリバール真空及び4時間の滞留時間の下で精製された銅フタロシアニンで蒸着されていた太陽電池と同じ電圧を有していることが証明された。
【0054】
そのうえ、本発明による精製法は、従来技術による温度勾配炉中での精製に比べて、温度勾配炉中での精製が不連続的であるのに対して、連続的に、ひいてはスケールアップできるという更なる本質的な利点も有している。
【符号の説明】
【0055】
1 高温壁管状炉、 2 分散機、 3 高温ガスフィルター、 4 フランジ、 5 円錐体、 6 供給ノズル、 7 分離機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇華可能な有価生成物、並びにそれに比べてより昇華し易い成分とより昇華し難い成分とを含有する固体混合物を、高温壁管状炉(1)内での分別昇華/逆昇華によって連続的に精製する方法であって、高温壁管状炉(1)の一方の端部で、固体混合物を不活性ガス流と一緒に、該不活性ガス流中に固体混合物を分散機(2)によって分散させて供給し、
− 分散された固体混合物を、高温壁管状炉(1)内で、有価生成物が昇華する温度で加熱して、有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物を得て、
− 有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物を、有価生成物より昇華し難い固体粒子を回収するために、適した孔径を有する高温ガスフィルター(3)に通し、
− 有価生成物より昇華し難い成分が分離されたガス混合物を、有価生成物が逆昇華し、かつ有価生成物より昇華し易い成分が依然として逆昇華しない温度に冷却して、粒状の有価生成物を含有するガス混合物を得て、かつ
− 精製された粒状の有価生成物を、冷却されたガス混合物から分離することによる、昇華可能な有価生成物、並びにそれに比べてより昇華し易い成分とより昇華し難い成分とを含有する固体混合物を、高温壁管状炉(1)内での分別昇華/逆昇華によって連続的に精製する方法。
【請求項2】
精製された粒状の有価生成物が10μm未満の平均粒度で得られることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
高温壁管状炉(1)が多目的高温壁管状炉であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
昇華可能な有価生成物が有機固体であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
有機固体が電子工業用純度で得られることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
電子工業用純度の有機固体が顔料であることを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
高温壁管状炉(1)からの出口の圧力が約1バール(絶対)であり、かつ精製されるべき固体混合物の高温壁管状炉(1)内での滞留時間が0.1〜1時間の範囲、有利には0.1〜100秒の範囲、更に有利には0.5〜5秒の範囲にあることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
分散機(2)が、分配溝、スターフィーダー、ブラシ供給装置又はスパイラルジェットミルであることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
高温壁管状炉(1)の外装が電気的に加熱されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
高温壁管状炉(1)の外装が電気的に加熱されており、かつ、2つ、3つ又はそれより多い加熱ゾーンを有することを特徴とする、請求項3から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
分散された固体混合物の加熱が、有価生成物のほぼ昇華範囲まで又はほぼ昇華点まで、有利には、有価生成物の昇華範囲より約5℃まで高く又は低く、あるいは有価生成物の昇華点より約5℃まで高く又は低く行われることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
高温ガスフィルター(3)が、金属、セラミック、ガラス繊維から又はプラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物の冷却が、0.1秒未満〜100秒未満の滞留時間で行われることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物の冷却が、ガスクエンチ又はラバールノズルによって行われることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
精製された粒状の有価生成物の分離が電気集塵装置中で行われることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
更なる方法工程を有し、それに従って、精製された粒状の有価生成物から低沸点物を分別昇華/逆昇華によって分離することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
有価生成物が逆昇華する温度への、有価生成物より昇華し難い成分を固体粒子として含有するガス混合物の冷却が、不活性の担体粒子の存在下で行われ、その際、不活性の担体粒子が、有利には球状であり、更に有利には1桁のミリメートル範囲の直径を有することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
冷却が、不活性の担体粒子上で、有利には1〜200μmの範囲の厚みを有する有価生成物の固体層が析出するように制御される温度及び圧力で行われることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
有価生成物、それに比べて昇華し難い成分と昇華し易い成分とを包含する固体混合物を、分別昇華/逆昇華によって連続的に精製するための高温壁管状炉(1)であって、
− 固体混合物を不活性ガス流と一緒に、該不活性ガス流中に固体混合物を分散機(2)によって分散させて供給するための、高温壁管状炉(1)の一方の端部にある供給管、
− 高温壁管状炉(1)内で、分散された固体混合物を、有価生成物が昇華する温度で加熱して、有価生成物より昇華し難い成分を粒子として含有するガス混合物を得るための1、2、3又はそれより多い加熱ゾーン、
− 有価生成物より昇華し難い粒子を回収するために、有価生成物より昇華し難い成分を粒子として含有するガス混合物が通される、適した孔径を有する高温ガスフィルター(3)を有し、かつ
− 有価生成物より昇華し難い成分を粒子として含有するガス混合物を、有価生成物が逆昇華する温度に冷却して、精製された粒状の有価生成物を得るためのガスクエンチ、ラバールノズル又は滞留時間容器を有する、
有価生成物、それに比べて昇華し難い成分と昇華し易い成分とを包含する固体混合物を、分別昇華/逆昇華によって連続的に精製するための高温壁管状炉(1)。
【請求項20】
分散機(2)が、分配溝、スターフィーダー、ブラシ供給装置又はスパイラルジェットミルであることを特徴とする、請求項19記載の高温壁管状炉(1)。
【請求項21】
高温壁管状炉(1)の外装が電気的に加熱されていることを特徴とする、請求項19又は20記載の高温壁管状炉(1)。
【請求項22】
高温ガスフィルター(3)が、金属、セラミック、ガラス繊維又はプラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項19から21までのいずれか1項記載の高温壁管状炉(1)。

【図1】
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【公表番号】特表2012−515643(P2012−515643A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546800(P2011−546800)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050755
【国際公開番号】WO2010/086276
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】