説明

分散ネットワーク内で休止状態の移動体ユニットを活動化する方法および装置

【課題】本発明は、一般に電気通信システムにおける無線通信システムに関し、特に複数のアクセス・ポイントからなる分散ネットワーク内での無線通信の方法を提供する。
【解決手段】本願発明は、休止状態の呼セッションが活動化することを示す情報を受信する工程と休止状態の呼セッションを示す識別子を提供する工程とを含む。この識別子は記憶された呼セッションの状態を示す情報を有するアクセス・ポイントを示す情報を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気通信システムに関し、特に無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信では、1つまたは複数の移動体ユニットが無線アクセス・ネットワーク(Radio Access Network:RAN)への無線リンクを確立することができる。RANアーキテクチャは通常、階層構造であり、各移動体ユニットの呼のセッションに関連する呼状態情報は、無線ネットワーク制御装置(Radio Network controller:RNC)、パケット・データ・サービング・ノード(Packet Data Service Node:PDSN)などの中央のリポジトリ(repository)に記憶されている。移動体ユニットが休止状態の間に移動体ユニットのユーザが地理的位置を変更すると、ページング・プロセスを用いて移動体ユニットを見つけることができる。例えば、移動体ユニットに向けられたデータが無線ネットワーク制御装置に達するとページング・プロセスを開始できる。呼び出しを受信すると、移動体ユニットはユニキャスト・アクセス端末識別子(Unicast Access Terminal Identifier:UATI)などの識別子を送信でき、識別子を使用して中央リポジトリ内の呼状態情報を見つけることができる。移動体ユニットはまた休止状態のセッションを再活動化することができ、その場合、UATIが送信され使用されて中央リポジトリ内の呼状態情報を見つける。
【0003】
従来の階層構造のネットワーク・アーキテクチャに代わる1つの形態は基地局ルータのネットワークを含む分散アーキテクチャである。例えば、各基地局ルータは、インターネットなどの1つまたは複数の移動体ユニットと外部ネットワークとの間の無線リンクを管理する単一のエンティティ(entity)内でRNCおよび/またはPDSN機能を組み合わせることができる。階層ネットワークと比べて、分散アーキテクチャはネットワーク配備のコストおよび/または複雑性ならびに既存ネットワークの通信可能範囲を拡張する基地局ルータなどの追加の無線アクセス・ポイントを追加するコストおよび/または複雑性を低減する可能性を有する。また、階層ネットワークのRNCおよびPDSNのパケット・キューイング遅延が低減または解消されるため、分散ネットワークはユーザが遭遇する遅延を(階層ネットワークと比べて)低減することができる。
【0004】
分散アーキテクチャでは、1つまたは複数の移動体ユニットは複数の基地局ルータのいずれかとの呼セッションを確立できる。したがって、各基地局ルータは移動体ユニットにUATIなどの識別子を割り当てる能力がなくてはならない。例えば、EVolution−Data Only(EVDO)標準とも呼ばれる試案の符号分割多元接続アクセス(Code Division Multiple Access:CDMA)プロトコル標準は、移動体ユニットによって呼セッションが開始されると移動体ユニットに割り当てられる一意的な128ビットのUATIを指定する。移動体ユニットは呼セッションの間、UATIを保持する。現状では、EVDO呼セッションのUATIは、104ビットのUATI104と24ビットのUATI024との2部に分かれている。UATI024部は呼セッション中の移動体ユニットについて一意であり、UATI104は分散ネットワーク内の基地局ルータの指定のサブネット内のすべての移動体ユニットに共通である。
【0005】
動作時には、従来の分散ネットワーク同報通信での基地局ルータはそのサブネット・アドレス、例えば、UATIのUATI104部により示されるアドレスを同報通信または公表する。ただし、アドレスは制御チャネル上で公表するには長すぎるので、基地局ルータはカラー・コード(color code)と呼ばれるサブネット・アドレスに8ビットのエイリアス(alias)を公表する。次いで移動体ユニットは、移動体ユニットにサービスを提供する基地局ルータを含むサブネットが制御チャネル上で公表されたカラー・コードをモニタすることで変化したか否かを判定することができる。移動体ユニットがカラー・コードの変化を検出すると、移動体ユニットは通常、新しいUATIを要求しなければならない。例えば、移動体ユニットは第1のカラー・コードを有する第1のサブネットに属する第1の基地局ルータとの呼セッションを開始できる。第1の基地局ルータは移動体ユニットにUATIを割り当てる。移動体ユニットが休止状態になった後で、第2のカラー・コードを有する第2のサブネットに属する第2の基地局ルータにメッセージを送信することで再活動化すると、移動体ユニットは第2の基地局ルータに新しいUATIを要求しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、休止状態の移動体ユニットが再活動化した時に、基地局ルータは休止状態の呼セッションに関連する呼セッション情報を見つけるのが困難なことがある。例えば、移動体ユニットが第1の基地局ルータとの呼セッションを開始できるようになった後、移動体ユニットを第2の基地局ルータにハンドオフでき、第2の基地局ルータも関連する呼状態情報を受信して記憶することができる。次いで移動体ユニットが休止状態になった後で、第3の基地局ルータにメッセージを送信することで再活動化すると、第3の基地局ルータは第2の基地局ルータに記憶された呼セッション情報を見つけることができない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、上記の1つまたは複数の問題の影響に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明のいくつかの態様の基本的な理解のために本発明の簡単な概要を述べる。この概要は、本発明の網羅的な概略ではない。また、この概要は本発明の主要なまたは重要な要素を識別するものではなく、また本発明の範囲を示すものでもない。その唯一の目的は、後述の詳細な説明の序論としていくつかの概念を簡略化して提示することである。
【0009】
本発明の一実施例では、複数のアクセス・ポイントからなる分散ネットワーク内での無線通信の方法が提供される。この方法は、休止状態の呼セッションが活動化するという情報を受信する工程を含む。また、この方法は休止状態の呼セッションを示す識別子を提供する工程を含む。この識別子はそこに記憶された呼セッションの状態を示す情報を有するアクセス・ポイントを示す情報を含む。
【0010】
本発明の別の実施例では、複数のアクセス・ポイントからなる分散ネットワーク内での無線通信の方法が提供される。この方法は、休止状態の呼セッションが活動化するということを示す情報を受信する工程と休止状態の呼セッションを示す識別子を受信する工程とを含む。この方法はまた、識別子に基づいて複数のアクセス・ポイントの少なくとも1つを識別する工程を含み、前記少なくとも1つの識別されたアクセス・ポイントは、そこに記憶された呼セッションの状態を示す情報を有する。
【0011】
本発明のさらに別の実施例では、複数のアクセス・ポイントからなる分散ネットワーク内での無線通信の方法が提供される。この方法は、第1のアクセス・ポイントを示す情報にアクセスする工程と、活動状態セットの複数の第2のアクセス・ポイントの各々を示す情報にアクセスする工程と、前記第1のアクセス・ポイントと活動状態セットを示す前記情報を比較する工程とを含む。この方法はまた、前記第1のアクセス・ポイントを示す前記情報の所定の部分が前記活動状態セットの複数の第2のアクセス・ポイントの少なくとも1つを示す情報の所定の部分と異なっている時に呼セッション識別子を要求する工程を含む。
【0012】
本発明は、同様の参照番号が同様の要素を識別する添付図面に関連する以下の説明を読むことで理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の分散無線通信システムの概念図である。
【図2】図1に示す本発明の分散無線通信システム内で使用できる呼セッション識別子の概念図である。
【図3】本発明の呼セッションの休止状態に先立って情報を移転する方法の一実施例の概念図である。
【図4】本発明の休止状態の呼セッションを再活動化させる方法の第1の実施例の概念図である。
【図5】本発明の休止状態の呼セッションを再活動化させる方法の第2の実施例の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のさまざまな変形形態および代替形態が可能であるが、その特定の実施例を図面に例示し、本明細書に詳述する。ただし、本明細書内の特定の実施例の説明は本発明を開示の実施例に限定するものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載する本発明の精神および範囲を逸脱しないすべての変形形態、等効形態、および代替形態を含むものである。
【0015】
本発明の実施例について以下に説明する。話を分かりやすくするために、本明細書では実際の実施例のすべての特徴について説明しているわけではない。そのような実際の実施例を開発する際に、実施例によって異なるシステム関連およびビジネス関連の制約への適合などの開発者の特定の目標を達成するために数多くの実施例固有の決定をしなければならないことが当然わかるであろう。さらに、そのような開発努力は複雑で時間がかかることがあるが、それにもかかわらず、本開示の利益を享受する当業者にとっては日常的な作業であろう。
【0016】
本発明の一部とそれに対応する詳細な説明をソフトウェア、またはアルゴリズムおよびコンピュータ・メモリ内のデータ・ビット上の動作を表す符号表現によって示す。これらの説明および表現は、当業者が他の当業者に作業内容を効果的に伝えるためのものである。本明細書で使用するアルゴリズムと言う用語は、一般的な使用例と同様、所望の結果に至る工程の一貫したシーケンスである。これらの工程は物理的な量の物理的な操作を必要とする工程である。必ずしもそうではないが、普通、これらの量は、記憶、転送、結合、比較、およびその他の操作が可能な光、電気、または磁気信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、要素、符号、文字、項、数字などと呼ぶことは一般の用例からして便利なことがある。
【0017】
ただし、上記およびそれと同様の用語は適当な物理量と対応させなければならず、これらの量に貼られる便利なラベルにすぎないことに留意されたい。特に断りのない限り、または説明から明らかなように、「処理」または「演算」または「計算」または「決定」または「表示」などの用語は、コンピュータ・システム、またはコンピュータ・システムのレジスタおよびメモリ内の物理的電子量として表されるデータを操作してコンピュータ・システムのメモリまたはレジスタあるいは他の情報記憶、転送または表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換する同様の電子計算デバイスの動作およびプロセスを指す。
【0018】
また、本発明のソフトウェアで実施される態様は、通常、何らかの形式のプログラム記憶媒体として符号化されるかまたは何らかのタイプの伝送媒体上で実施される。プログラム記憶媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー(登録商標)・ディスクまたはハード・ドライブ)または光媒体(例えば、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ、すなわち、「CD−ROM」)であり、読み出し専用またはランダム・アクセス方式であってよい。同様に伝送媒体は、対撚り線、同軸ケーブル、光ファイバ、無線インタフェース、または当技術分野で知られているその他の適した伝送媒体でよい。本発明はいかなる所与の実施例の上記態様によっても限定されることはない。
【0019】
添付図面を参照しながら本発明について説明する。例示的な目的でのみ、また当業者にはよく知られている詳細内容によって本発明を分かりにくくしないために、さまざまな構造、システムおよび装置の概略を図面に示している。ただし、添付図面は本発明の実施例を説明し描写するために含まれる。本明細書で使用する単語および語句は、当業者によるそれらの単語および語句の理解と一致する意味を有するものと理解し解釈しなければならない。用語または語句の特別の定義、すなわち、当業者が理解する通常の慣例的な意味と異なる定義が、本明細書の用語または語句の一貫した使用によって生じることはない。用語または語句が特別の意味、すなわち、当業者が理解する意味以外の意味を有することが企画されている場合は、そのような特定の定義は、その用語または語句の特別の定義を直接また明瞭に提供する定義方法で本明細書内で明示的に示す。
【0020】
図1は、分散無線通信システム100の一実施例の概念図である。図に示す実施例では、分散無線通信システム100のアクセス・ポイントは基地局ルータ105(1乃至5)の分散ネットワークを含む。これ以降、話を分かりやすくするために、基地局ルータ105(1)などの特定の基地局ルータを指している場合を除き、基地局ルータ105(1乃至5)をインデクス105で総称する。本発明について複数の基地局ルータ105を含む分散無線通信システム100に関して説明するが、本発明はアクセス・ポイントが基地局ルータ105である分散無線通信システム100に限定されないことは当業者には明らかであろう。代替実施例では、分散無線通信システム100は任意の所望の数および/またはタイプのアクセス・ポイントを含むことができる。
【0021】
基地局ルータ105の各々は、図1の移動体ユニット110などの1つまたは複数の移動体ユニットとの呼セッションを開始、確立、維持、送信、受信、着信でき、または呼セッションに関連する他の任意の所望の動作を実行できる。例えば、各基地局ルータ105は、単一エンティティ(entity)内で無線ネットワーク制御装置(RNC)とパケット・データ・サービング・ノード(PDSN)の機能を組み合わせることができる。また、他の基地局ルータ105、他のデバイス、他のネットワークなどと当業者に知られている方法で通信できるように基地局ルータ105を構成することができる。
【0022】
基地局ルータ105は、以後セル120と呼ぶ関連する地理領域内の移動体ユニット110への無線通信リンク115を提供する。分散無線通信システム100内の基地局ルータ105のサブセットはまたサブネット125(1乃至2)に分類できる。各サブネット125(1乃至2)は、セル120のサブセットへの無線通信リンク115を提供する基地局ルータ105のサブネットを含む。サブネット125(1乃至2)は、104ビットのUATIアドレスなどのサブネット・アドレスを有し、カラー・コードと呼ばれるサブネット・アドレスの8ビットのエイリアスも有することができる。話を分かりやすくするために、それぞれ1つおよび4つの基地局ルータ105を有する2つのサブネット125(1乃至2)だけが図1に示されている。ただし、本発明はこの実施例に限定されないことは当業者には明らかであろう。代替形態で、任意の所望の数の基地局ルータ105を含む任意の所望の数のサブネット125を使用できる。
【0023】
各基地局ルータ105は、基地局ルータ105と1つまたは複数の移動体ユニット110との間に確立された呼セッションに関連する情報を作成、割り当て、送信、受信および/または記憶することができる。この情報を、これ以降、当技術分野での慣例に従って呼セッション状態情報と総称する。例えば、呼セッション状態情報は無線インタフェース・プロトコル、1つまたは複数のシーケンス番号、再シーケンス・バッファなどに関連する情報を含むことができる。また、呼セッション状態情報は、ヘッダ圧縮情報、ペイロード圧縮情報、および関連するパラメータなどのポイントツーポイント・プロトコル(Point-to-Point Protocol:PPP)に関連する情報を含むことができる。他のプロトコル・レイヤに関連する呼セッション状態情報は、基地局ルータ105が作成、送信、受信および/または記憶することができる。一実施例では、呼セッション状態情報はユニキャスト・アクセス端末識別子(UATI)などの呼セッション識別子を含む。
【0024】
図2は、図1に示す無線通信システム100内で使用できる呼セッション識別子200の概念図である。図に示す実施例では、呼セッション識別子200は104ビットを含むUATI104部205と24ビットを含むUATI024部210とを含むUATIである。図に示すUATI104部205は、72ビットのサブネット識別子215と32ビットの基地局ルータIPアドレスとを含む。図に示すUATI024部210は、サブネットまたはカラー・コード内で一意の12ビットの基地局ルータ識別子と12ビットの呼セッション識別子とを含む。一実施例では、UATI024部210とカラー・コードは分散無線通信システム100内の呼セッションを一意的に識別する。本発明はUATI呼セッション識別子200の特定の実施例に限定されないことは当業者には明らかであろう。代替実施例では、任意の所望の構造および/またはビット数を有する任意の所望の呼セッション識別子200を使用できる。
【0025】
図に示す実施例では、UATI024内の12個の呼セッション・ビットは、活動状態および/または休止状態の呼セッションを含むことができる最大4096個の呼セッションを表すことができる。12個の基地局ルータ識別子ビットは、サブネットまたはカラー・コード内の最大4096個の基地局ルータを表すことができる。したがって、以下に詳述するように、移動体ユニットが同じサブネットまたはカラー・コード内の第1の(収容)基地局から第2の(標的)基地局に移動する時には、標的基地局ルータはUATI024部210を用いて収容基地局ルータを識別できる。次いで標的基地局ルータは収容基地局ルータから呼セッション情報を取り出すことができる。
【0026】
一実施例では、UATI104部205内の8ビットのカラー・コードおよび24ビットIPアドレスを、セクタ・パラメータ・メッセージ内の1つまたは複数の移動体ユニットに送信できる。移動体ユニットはUATIの該当部とセクタ・パラメータ・メッセージとが一致しない場合にこれらのメッセージを拒絶できる。したがって、論理IPアドレスおよびカラー・コードをUATI104部205内で使用できる。論理アドレスは基地局ルータの実際のIPアドレスと異なることがあるので、変換テーブルを使用して基地局ルータの実際のIPアドレスにアクセスすることができる。一代替実施例では、ビット・ベースの基地局ルータ識別子の変わりにある範囲の数値を使用できる。この手法によって、利用可能なビットのより柔軟な範囲とより有効な使用法が可能になることがある。
【0027】
図1を再度参照して、分散無線通信システム100の一実施例の動作について説明する。移動体ユニット110と基地局ルータ105(1)との間に呼セッションが確立される。確立手順の一部として、基地局ルータ105(1)は呼セッションに呼セッション識別子を割り当てる。上記のように、呼セッション識別子はUATIであってもよい。例えば、呼セッション識別子はサブネット125(1)と基地局ルータ105(1)の32ビットIPアドレスとを識別する72ビットのサブネット識別子を有する104ビットのUATI104を含むUATIであってもよい。UATI024は基地局ルータ105(1)を示す12ビットの識別子を含むことができる。基地局ルータ105(1)を示す12ビットの識別子はサブネット125(1)および/またはサブネット125(1)に関連する88ビットのカラー・コード内で一意である。またUATI024は、基地局ルータ105(1)との間で同時に確立できる呼セッションのうち当該呼セッションを一意的に識別できる12ビットの呼セッション識別子を含む。
【0028】
呼セッションが確立されると、移動体ユニット110は基地局ルータ105(1)が収容するセル120から基地局ルータ105(2)が収容するセル120に移動する。一実施例では、基地局ルータ125(2)は移動体ユニット110に新しいUATIを再度割り当てることができる。これは、基地局ルータ105(2)がサブネット125(1)とは異なる8ビットのカラー・コードを有するサブネット125(2)内にあるからである。ただし、UATIの再割り当ては必ずしも必要ではない。例えば、移動体ユニット110は同じカラー・コード内の基地局ルータ(図示せず)に移動でき、その場合、UATIを再度割り当てる必要はない。さらに、いくつかの代替実施例では、移動体ユニット110は、普通活動状態セットと呼ばれる複数の基地局ルータ105と通信することができる。活動状態セットの基地局ルータ105の1つがUATIを割り当てる基地局ルータ105と同じカラー・コードを有する限り、UATIを再度割り当てる必要はない。一実施例では、基地局ルータ105(1)に記憶された呼セッション状態情報を基地局ルータ105(2)に移行させることができる。
【0029】
次いで移動体ユニット110に関連する呼セッションは休止状態になる。休止状態とは移動体ユニット110と基地局ルータ105(2)との既存のトラヒック・チャネルが切断された後の移動体ユニット110の状態を指す。さまざまな代替実施例では、休止状態はユーザによる移動体ユニット110の電源断、音声通信での無音、送信すべきデータの不在などによってトリガされる。例えば、移動体ユニット110は音声またはデータが送信または受信されなくなると開始するタイマを含むことができる。タイマが満了すると、移動体ユニット110は休止状態になり、トラヒック・チャネルを切断することができる。休止状態になる前に、移動体ユニット110は、さまざまな基地局ルータ105間での情報の移行を含む1つまたは複数の休止状態前動作を実行できる。
【0030】
図3は、呼セッションの休止状態に先立って情報を移行させる方法300の一実施例の概念図である。図3に示す実施例では、移動体ユニット(Mobile Unit:MU)に関連する動作はインデクス305(1乃至2)によって示され、割り当て側基地局ルータ(Assigning Base Station Router:BSRassign)に関連する動作は、インデクス310(1乃至2)によって示され、休止状態前の収容基地局ルータ(Pre-dormancy Serving Base Station Router:BSRpre)に関連する動作は、インデクス315(1乃至4)によって示される。矢印320、330、340、350、360は1つまたは複数の動作305(1乃至2)、310(1乃至2)、315(1乃至4)中のデータ送信および/または受信を示す。本発明は動作305(1乃至2)、310(1乃至2)、315(1乃至4)に限定されないことは当業者には明らかであろう。代替実施例では、休止状態前の移行中にこれより多い、または少ない数の動作を実行してもよい。
【0031】
動作305(1)および315(1)で、移動体ユニット(MU)および休止状態前の(または一次)基地局ルータ(BSRpre)は矢印320が示すように通信状態である。すべてのプロトコルは、収容基地局ルータ、すなわち、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に移行しようとするのが自然の状態であるので、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)が呼セッションのすべてのプロトコルを含むことができるように、休止状態になる前に休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に情報を移行させることができる。ただし、UATIなどの呼セッション識別子は、通常、従来の移行方法では、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)から休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に移行しない。したがって、本発明の一実施例では、UATIは、以下に詳述するように、休止状態に先立って割り当て側基地局ルータ(BSRassign)から休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に移行する。休止状態前にUATIを移行することで休止状態の呼を再活動化させるプロセスが簡単化される。
【0032】
動作315(2)で、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)は矢印330によって示される信号を提供する。信号330は、休止状態タイマが所定のタイムアウト期間に達した後でデータの流れが停止した時に提供できるUATIなどの呼セッション識別子を含む。動作310(1)で、元々移動体ユニットMUにUATIを割り当てた割り当て側基地局ルータ(BSRassign)は信号330を受信し、最後の収容一次BSR、すなわち、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)の識別子を記録する。
【0033】
動作315(3)で、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)は、トラヒック・チャネルの割り当て解除に先立って、矢印340によって示されるUATI割り当てメッセージを移動体ユニット(MU)に送信する。動作305(2)で、移動体ユニット(MU)はUATI割り当てメッセージ340を受信し、呼セッションのためのそのUATIを更新し、矢印350で示すように、UATI完了メッセージを休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に返送することで確認応答する。このシーケンスが正常終了すると、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)は割り当て側基地局ルータ(BSRassign)になる。
【0034】
動作315(4)で、この呼セッションについて新しいUATIが割り当てられたことを伝える矢印330によって示される1つまたは複数のメッセージを、旧割り当て側基地局ルータ(BSRassign)に送信できる。動作310(2)で、旧割り当て側基地局ルータ(BSRassign)はメッセージ360を受信して以前に割り当てられたUATIを解放する。旧割り当て側基地局ルータ(BSRassign)は以前に割り当てられたUATIを別の呼セッションに割り当てることができる。
【0035】
休止状態前の移行300が完了すると、移動体ユニット(MU)は休止状態になることができる。ただし、休止状態前の移行は任意選択の動作であり、いくつかの実施例では、休止状態前の移行は実行されないことは当業者には明らかであろう。例えば、移動体ユニット(MU)は何らかの予期しないイベントのために予期せずに休止状態になることがある。あるいは、移動体ユニット(MU)のいくつかの実施例は上記のような休止状態前のルーチンを実行するように構成しないことがある。
【0036】
図1を再度参照すると、休止状態の移動体ユニット110は基地局ルータ105(4)に対応する。例えば、ユーザは移動体ユニット110を基地局ルータ105(4)が収容する領域に移動させることができる。別の例として、環境条件を変更すると、基地局ルータ105(4)が高品質のサービスを移動体ユニット110に提供することがある。ただし、移動体ユニット110は休止状態なので、基地局ルータ105(4)は移動体ユニット110の存在に気が付いていないことがある。したがって、移動体ユニット110が再活動化すると、移動体ユニット110は休止状態の呼セッションを示す識別子を基地局ルータ105(4)に提供する。基地局ルータ105(4)は呼セッション識別子を用いて休止状態の呼セッションを示す識別子を割り当てた基地局ルータ105を識別する。休止状態の呼に関連する呼セッション状態情報が基地局ルータ105(2)に移行すると、基地局ルータ105(4)はこの識別子を用いて直接基地局ルータ105(2)を識別し、基地局ルータ105(2)上の呼状態情報にアクセスすることができる。あるいは、休止状態の呼に関連する呼セッション状態情報が基地局ルータ105(2)に移行していない場合、基地局ルータ105(4)は呼セッション識別子に基づいて基地局ルータ105(1)を識別することができる。基地局ルータ105(1)は以前に移動体ユニット110にサービスを提供した基地局ルータ105(2)を識別でき、基地局ルータ105(4)は基地局ルータ105(2)上の呼セッション状態情報にアクセスすることができる。休止状態の呼セッションはアクセスされた呼セッション状態情報を用いて再度活動化させることができる。
【0037】
図4は、休止状態の呼セッションを再活動化させる方法400の第1の実施例の概念図である。図4に示す実施例では、移動体ユニット(MU)に関連する動作はインデクス405(1乃至2)で示され、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)に関連する動作は、インデクス410(1乃至2)によって示され、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に関連する動作は、インデクス415(1乃至2)によって示され、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)に関連する動作は、インデクス420(1乃至4)によって示される。矢印425、430、435、440、445、450は1つまたは複数の動作405(1乃至2)、410(1乃至2)、415(1乃至2)、420(1乃至4)中のデータ送信および/または受信を示す。本発明は動作405(1乃至2)、410(1乃至2)、415(1乃至2)、420(1乃至4)に限定されないことは当業者には明らかであろう。代替実施例では、休止状態前の呼セッションの再活動化中にこれより多い、または少ない数の動作を実行してもよい。
【0038】
方法400の第1の実施例で、移動体ユニット(MU)は再活動化を開始する。例えば、移動体ユニット(MU)は、音声信号、キーパッドへの入力、電流投入シーケンスなどのユーザ入力に基づいて再活動化を開始できる。移動体ユニット(MU)が休止状態からウェークアップすると、呼セッション識別子を用いて、呼セッション状態情報を記憶できる割り当て側基地局ルータ(BSRassign)のロケーションを見つけることができる。図に示す実施例では、呼セッション識別子はUATIである。ただし、任意の望ましい呼セッション識別子を使用できることは当業者には明らかであろう。あるいは、呼セッション状態情報の一部または全部を休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に記憶でき、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)は休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のロケーションを示す情報を得ることができる。
【0039】
動作405(1)で、移動体ユニット(MU)は、矢印425で示される接続要求メッセージを、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)に送信することでトラヒック・チャネル設定手順を開始する。接続要求メッセージは移動体ユニット(MU)に関連するUATIを含む。動作420(1)で、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)はUATIを含む接続要求メッセージ425を受信する。UATIを用いて、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は割り当て側基地局ルータ(BSRassign)に連絡してUATIの状態を確認する。一実施例では、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は矢印430で示すようにメッセージを送信することで割り当て側基地局ルータ(BSRassign)に連絡する。
【0040】
動作410(1)で、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)はUATIの送信された状態が有効か否かを判定する。有効な場合、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)は、矢印435で示すように、UATIを収容していた休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のアドレスを送信する。動作420(2)で、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)はこのアドレスを含むメッセージ435を受信し、順方向および逆方向リンクのリソース・レイヤ・プロトコル(RLP)をインスタンス化する準備をする。一実施例では、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のPPPにあらゆる逆リンク・パケットを送信することをわかっている。
【0041】
動作405(2)および420(3)で、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)および移動体ユニット(MU)はトラヒック・チャネル設定手順を完了する。図に示す実施例では、トラヒック・チャネルとトラヒック・チャネルを確立するために使用される信号送受が矢印440によって示されている。可能な場合、トラヒック・チャネル設定は他の信号送受と同時に実行される。動作410(2)および415(1)で、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)は矢印445で示すように休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)と通信する。一実施例では、割り当て側基地局ルータ(BSRassign)は休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)が移動体ユニット(MU)との通信を再活動化していることを伝える。休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)はメッセージ445を受信し、順方向および逆方向リンクRLPが休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)で実行できることを例外としてそのプロトコル・スタックを再活動化できる。これは、起動時に、PPPからの順方向リンクのユーザ・データを直接休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)にトンネリングできることを意味する。
【0042】
動作415(2)および420(4)で、矢印450で示すように、順方向および逆方向リンク・トラヒックを休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)と休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)との間でトンネリングできる。休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)はアドレス450を受信し、順方向および逆方向リンクRLPをインスタンス化する準備ができる。一実施例では、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のPPPに逆方向リンク・パケットを送信することをわかっている。この時点で、以下に詳述するように、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)へのすべてのBSRプロトコル状態の活動状態の移行が開始できる。
【0043】
上記の方法での移動体ユニット(MU)の休止状態からの再活動化によって移動体ユニット(MU)がトラヒックを受信できるまでの経過時間を低減することができる。上記の実施例では、プロトコル状態は休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)でRLPが実行されることで再活動化し、その他のすべての状態は、呼セッションを最後にした休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)で実行される。休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)へのすべてのプロトコル状態の移行は活動状態の呼セッションの継続中、進行できる。
【0044】
図5は、本発明の休止状態の呼セッションを再活動化させる方法500の第2の実施例の概念図である。図5に示す第2の実施例では、移動体ユニット(MU)に関連する動作がインデクス505(1乃至2)で示され、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に関連する動作がインデクス510(1乃至3)で示され、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)に関連する動作がインデクス515(1乃至4)で示されている。矢印520、525、530、540、545は1つまたは複数の動作501(1乃至2)、510(1乃至3)、515(1乃至4)中のデータ送信および/または受信を示す。本発明は動作501(1乃至2)、510(1乃至3)、515(1乃至4)に限定されないことは当業者には明らかであろう。代替実施例では、休止状態の呼セッションの再活動化中にこれより多い、または少ない数の動作を実行してもよい。
【0045】
方法500の第2の実施例では、分散ネットワークは再活動化を開始する。一実施例では、移動体ユニット(MU)に宛てたデータを分散ネットワークが受信した時に再活動化が開始する。例えば、ネットワークから到着する順方向リンク・データを休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に送信でき、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)は順方向リンク・データの受信に応答して移動体ユニット(MU)を見つけるページング・プロセスを開始できる。ページング・プロセスについて以下に詳述する。
【0046】
動作510(1)で、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に到着する順方向リンク・データによって、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)は休止状態の移動体ユニット(MU)を見つけるページング・プロセスを開始させられる。一実施例では、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)はページング・ストラテジ(paging strategy)に従って、隣接するBSRに矢印520で示すページング要求を送信する。ページング要求520と共に、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のIPアドレスとそれに関連するUATIが送信される。一実施例では、ページング・ストラテジは、ページング領域が隣接する基地局ルータのグループからなる分散方法で実施される。順方向リンク・データが休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のPPPレイヤに到着すると、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)は順方向リンク・データに基づいて移動体ユニットに関連するUATIを決定できる。次いで休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)はUATIを変換して基地局ルータのIPアドレスを決定し、このアドレスを用いてUATI内のカラー・コードが示すサブネット内の他の基地局ルータに呼び出しメッセージを送信することができる。一実施例では、ページング・ストラテジは、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のすべてのリソースを使い果たさないような最適な方法でページングが実行されるように1つまたは複数のサブグループを定義する工程を含むことができる。休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)がカラー・コード境界またはその付近にある場合、ページング・サブグループは複数のカラー・コードにまたがることができる。代替実施例では、ページング要求をカラー・コードにわたって送信できる。
【0047】
動作515(1)で、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は、UATIおよび/または休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)のIPアドレスを含むことができるページング・メッセージ520を受信する。休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は移動体ユニット(MU)に呼び出し525を送信する。移動体ユニット(MU)が応答すると、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)にあるあらゆる逆方向リンク・トラヒックPPPを送信することがわかっている。一実施例では、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は順方向および逆方向リンクRLPをインスタンス化(instantiate)する準備をする。
【0048】
動作505(2)および515(2)で、移動体ユニット(MU)は呼び出し530を受信し、そのUATIを認識し、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)に接続要求メッセージ(矢印530で示す)を送信することでトラヒック・チャネル設定手順を開始する。休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は応答し、移動体ユニット(MU)と休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)はトラヒック・チャネル設定手順を完了する。可能な場合、トラヒック・チャネル設定手順は他の信号送受と同時に実行できる。
【0049】
動作515(3)で、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)は、休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)が移動体ユニット(MU)との通信を再活動化していることを示すメッセージ535を休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に提供できる。メッセージ535はまた休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)に休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)のアドレスを通知できる。動作510(2)で、休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)はメッセージ535を受信し、順方向および逆方向リンクRLPが休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)で実行されることを例外としてそのプロトコル・スタックを再活動化させる。これは、起動時に、順方向リンクのユーザ・データを直接休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)にトンネリングしなければならないことを意味する。
【0050】
動作510(3)および515(4)で、矢印540で示すように、順方向および逆方向リンク・トラヒックが休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)と休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)との間でトンネリングされる。休止状態前の基地局ルータ(BSRpre)はメッセージ540を受信し、順方向および逆方向リンクRLPが休止状態後のBSRで実行されることを例外としてそのプロトコル・スタックを再活動化させる。これは、起動時に、順方向リンクのユーザ・データを直接休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)にトンネリングしなければならないことを意味する。
【0051】
上記の方法での移動体ユニット(MU)の休止状態からの再活動化によって、移動体ユニット(MU)は可能な限り早い時点でトラヒックを受信することが可能になり得る。上記の実施例では、プロトコル状態は再活動化し、最後に呼を収容した休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)でRLPが実行される。休止状態後の基地局ルータ(BSRpost)へのすべてのプロトコル状態の移行は活動状態の呼の継続中、進行できる。
【0052】
図1を再度参照すると、一代替実施例では、移動体ユニット110は、移動体ユニット110が休止状態の間に基地局ルータ105(4)に関連するカラー・コードが変更されたと判定できる。例えば、移動体ユニット110はオーバヘッド・チャネルにセクタ・パラメータがないかリスンしてそれによって新しいカラー・コードに関連する新しいサービス・エリア内にあることを検出できる。次いで移動体ユニット110は基地局ルータ105(4)にその呼セッション識別子を送信できる。基地局ルータ105(4)は呼セッション識別子が示す基地局ルータ105(3)のカラー・コードに基づいて少なくとも部分的に基地局ルータ105(3)のアドレスを決定できる。次いで基地局ルータ105(4)は基地局ルータ105(3)から呼セッション状態情報を取り出すことができる。一実施例では、移動体ユニット110は休止状態から立ち上がった時点で呼セッション識別子の再割り当てを要求することができる。
【0053】
一実施例では、カラー・コード・グループ内の任意の基地局ルータ105へのアドレス変換要求メッセージ/応答はすべての基地局ルータ105内でプロビジョニングしてすべての基地局ルータIPアドレスをすべてのカラー・コード領域内のすべての基地局ルータ105に記憶する手間を回避することができる。したがって、1つの基地局ルータは、別のカラー・コード・グループ内の基地局ルータ105から要求を受信した時にカラー・コード領域内のすべての基地局ルータ105についてアドレス変換要求を実行することができる。あるいは、メッセージ/応答をネットワーク管理センタ(図示せず)で処理することもできる。その場合、ネットワーク管理センタはすべてのカラー・コード領域のすべての基地局ルータIPアドレスを記憶することができる。
【0054】
上に開示された特定の実施例は例示的なものにすぎず、本明細書の教示を享受する当業者には明らかなさまざまな同等の方法で本発明を変更し実施することができる。さらに、請求の範囲に記載する以外、図示の構成または設計の詳細に制限はない。したがって、上に開示された特定の実施例は修正または変更が可能であり、そのような変更は本発明の範囲と精神とを逸脱するものではない。したがって、本明細書で追求する保護は請求の範囲に記載する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセス・ポイントからなる分散ネットワークにおける無線通信の方法であって、
休止状態の呼セッションが活動化することを示す情報を受信する工程と、
前記休止状態の呼セッションを示す識別子を提供する工程とを含み、前記識別子はそこに記憶された呼セッションの状態を示す情報を有するアクセス・ポイントを示す情報を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−191639(P2012−191639A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109231(P2012−109231)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【分割の表示】特願2005−323024(P2005−323024)の分割
【原出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】